私のおばあちゃんは狼です。
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- 1 : 2016/06/06(月) 15:18:17 :
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私のおばあちゃんは狼です。
おばあちゃんは私を食べるためにおばあちゃんのフリをしました。
私はこの時初めて“優しさ”を知りました。
狼さんは私の質問に1つずつ答えてくれました。
私のおばあちゃんはどんなことを聞いても答えてくれません。それどころか怒鳴られるばかりです。来る度に罵声を浴びせられました。
けど狼さんはそんなことをしませんでした。優しい狼でした。
狼「俺はお前を食べる為にババアのフリをしたんだ!さぁ!大人しく食われるんだな!」
赤ずきん「はい!」
狼「おぉ!いい返事……は??」
赤ずきん「どうぞ、食べてください。私はもう生きていたくないんです」
赤ずきん「私の母は私を殴り食べ物ですらくれません。そしておばあちゃんは私を怒鳴るばかりです。」
赤ずきん「毎日が辛かった。けど今日あなたに会いました。優しいあなたに。そんなあなたになら食べられてもいい」
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- 2 : 2016/06/06(月) 21:59:56 :
私は涙を流しながら狼さんに訴えました。初めて私は自分が救われると思って。
狼「ふざけんなよ!何が食べて欲しいだ!!」
赤ずきん「え…?」
狼「…子供を愛さない親がどこにいるんだよ!!」
赤ずきん「ならそこの倉庫に閉じ込めているおばあちゃんに聞いてみてください」
狼「……わかった」
狼「おい!ババア!お前を食わしてくれたらそこの娘を助けてやるぞ!」
おばあさん「そんな子食べてくれて構わないよ!その代わり私を助けてくれないかい?」
狼「は?」
おばあさん「そんな子生まれてきてくれなくてよかったんだ!その子は呪われた子なんだ!その子のせいで私達の村は壊滅した!」
おばあさん「そんな子を生かしておこうとなんて思えないさ!そいつを殺してくれるならどれほど嬉しいか!」
狼「それでもあんたの孫だろうが!!愛すのが普通だろ!!」
おばあさん「黙りな!そんな子私の孫じゃない!!」
狼「…そうかよ」
赤ずきん「だから言ったでしょ?私は生まれるべきじゃなかったんです。いらないんです。だからどうぞ。食べてください」
狼「…俺についてこい。」
赤ずきん「え?」
狼「俺がお前を育ててやるよ」
赤ずきん「…で、でも私人間ですし!」
狼「関係ねぇよ。お前ぐらい大きかったら育てるのも簡単だしな」
赤ずきん「…狼さん…。いや、おばあさん!」
狼「俺は男だ!」
赤ずきん「……でもおばあさんの格好ですしおばあさんでいいですよね!」
狼「はぁ……もう好きにしろ」
こうして私は狼(おばあさん)と暮らすことになりました。
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- 3 : 2016/06/07(火) 22:08:13 :
おばあちゃんはとても優しかった。私に合わせた食べ物を持ってきてくれました。
木の実や果物。たまにうさぎを狩って来たりもしてくれました。
肉の部分だけを持ってきてくれました。
私は料理が出来るのでおばあちゃんに出来るだけ美味しい料理を作りました。
1度も“美味しい”とは言ってくれません。
“普通”や“まあまあ”などと言って誤魔化されます。
けどおばあちゃんは毎回全部食べてくれるんです。
そんな毎日に私は満足しとても幸せでした。これ以上の幸せがないと思うぐらいに。
赤ずきん「おばあちゃん。一緒に寝よ?」
狼「お前はバカか!?まじで食うぞ!!」
赤ずきん「だから食べてもいいって……」
狼「バカかお前は!?ダメに決まってんだろ!!」
赤ずきん「ふふ、変なの〜」
そう言って私はおばあちゃんの隣で寝ます。
柔らかい毛皮をしていて抱き心地がとてもいいものでした。
おばあちゃんはいつも照れくさそうにします。
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- 4 : 2016/06/08(水) 06:24:35 :
- 期待
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