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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

モノクマ「ざんねーん!クロは舞園さんでした!」

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  1. 1 : : 2016/05/06(金) 20:33:43
    「大丈夫、安心して…。ボクが必ず君をここから…」






    はいっ、こんにちばんおはようございます!(殴

    完結させない系作者の異名を持つハースです。すみません。
    今回は頑張りますから…

    あ、でも亀更新ケイフォウ発令します!てへっ☆←
  2. 2 : : 2016/05/06(金) 21:30:52
    「舞園さんっ!落ち着いて!!」


    「いやっ、離して!」

    「こんな、こんな時だからこそ、冷静にならないとダメなんだって!!」

    「あんな映像を見せられてっ、どうやって冷静になれっていうの!?」ググ…



    あんな映像、というのは、モノクマの動機のことだ。
    ボクに配られたDVDには、ボクの家が何者かに荒らされ、家族がそろって消えている映像が映っていた。

    本当に…すさまじい光景で、大きな衝撃を受けたのはもちろん、脳にその光景が染み渡るころには深い絶望感に包まれた。


    皆も悲鳴を上げたり、青ざめていることから同じような映像が流れていたのだろう。


    そして、今、目の前で発狂する彼女も、きっと……



    「……こうするんだ」

    「っ!?」


    ボクは掴んでいた彼女の腕を引き、そっとだきよせた。

    出過ぎた真似をしてることはわかっている。
    でも、取り乱した時に人肌はありがたい。人の温度は人を落ち着かせてくれる。

    ボクはそれを、経験からわかっていた。
    転んで泣いていたとき、優しく抱き寄せてくれた、母のぬくもりを、ボクは知ってる。

    だから…
    彼女にも、それを与えてやるんだ…


    「大丈夫…。だから、落ち着いて…ね?」

    「……っく、グスッ…は、い…」

    ぽんぽん、と
    軽く背中をたたいてやる。

    もう二度と会えないかもしれない、母や父、妹のぬくもりを舞園さんに照らし合わせ、胸がチクリと痛んだ。

    「…私、この生活には不安しか感じられません。誰を信じたらいいのかも、わからないんです」

    「うん」


    舞園さんは、ボクの胸にうずめた顔を少し上げて、詰まらせながら、言葉をつつ”けた。

    「苗木君…せめて、苗木君だけは、私の味方でいて…っ」

    舞園さんが、ボクを頼った。頼られたんだ。平凡で、何もないボクが、憧れの舞園さんに…

    「………ああ」

    そのことが、無性にうれしくてしょうがなかった。

    「ボクが君をここから出すよ。何をしても、何があっても、どんなことをしても絶対にさ」

    力が湧いてくるのを感じた。さっきまでのドロドロとした絶望ではない。
    胸の奥から湧き出、、足のつま先、頭のてっぺんまで、はじけるようにほとばしる熱い感情。

    ああ、これが…

    「希望…」

    「…なえぎ、くん?」

    心配そうな声を出す舞園さんの体を、今度は強く抱きしめた。


    「………君のためなら、何だってしてやる」


    ボクの顔に、笑みが張り付いているのを、ボクも舞園さんも知りはしなかった。
  3. 3 : : 2016/05/06(金) 21:55:27
    ~モノクマ劇場~

    モノクマ「ヤッホー、なぜか登場しない学園長だよ!やんなっちゃうね!」

    モノクマ「それはそうと、なんだか苗木クンなんだか様子がおかしくない??恋してぼうそうしちゃったのかなあ!?そう考えたらワクワクしてきたよ。はぁはぁ…」


    モノクマ「あ、ボクもそんな経験あるよ?恋愛経験豊富ですからね!」


    モノクマ「あの子を見たら、なんかこう、胸とおなかが高鳴って…ほかのクマと話してるところを見ると、横取りされた気がして相手殺したくなったり…」




    モノクマ「あれ、もしかしてこれって食欲かなっ?相手羊だったものね!」
  4. 4 : : 2016/05/08(日) 15:22:08
    ~~~~



    色々あって、今は自室のベッドの上だ。

    心は依然、暗く沈んだまま。
    さっき苗木君に抱かれて、冷静にはなったものの、落ち着いてなどいなかった。立ち直っても、勿論いなかった。

    …まあ、それも当然でしょう。


    あんな映像見せられて、気が動転せずにいられるなんてこと、あるわけがないもの。

    ああ早く、早くここから出たい。
    みんなが本当にああなったのかなんて、知らないし信じてもいない。

    でも、だからこそ。
    一刻も早くここを出、それを確かめなければいけないの。









    …あの場所は、私が必死で泳ぎつつ”けてたどり着いた場所。

    誰のも…渡すものですか。
    それこそ、死んだって渡さない。

    私がここから出たい理由に、それも含まれとぃた。


    どんなに辛いこともし、時には人を蹴落として上り詰めた、あの場所に。

    私の唯一の居場所に、帰るために。




    あなたを……利用させてもらいます、苗木君。

    こうして私は、彼を利用した殺人計画を組み立て始めた。
  5. 5 : : 2016/05/08(日) 15:27:12
    うわあああああ!!!絶望的な誤字!

    ×誰のも
    ○誰にも

    もいっちょ!

    ×含まれとぃた
    ○含まれていた

    なんだよ…含まれといたった。しかも小文字だし。

    本当すみません。。
  6. 6 : : 2016/05/08(日) 16:09:19
    ~~~~

    ボクは今、ボクの部屋にいる。
    なぜかって?みんなで今日は解散しようってことになったからだ。
    まあ、当たり前だ。

    …舞園さん、大丈夫かな?

    今、隣の部屋にいる人のことを考える。

    あの後も、彼女は青ざめた顔をしていた。呼びかけにも反応が鈍かったのでこれからについて色々と考え込んでいたのだろう。

    でも、大丈夫だ。安心してくれていい。
    ボクが、君のために、どんなこともする。


    果たして何をすれば彼女を喜ばせてあげられるのかな?
    その問いは簡単。ここから出してあげればいい、ただそれだけ。

    でもどうやって?



    …そんなもの、どうとだってするさ。




    ベッドにぽふっと座り、右の壁をじっとみた。瞬きを忘れるほどに、じっとじっと。

    …この薄い壁一枚挟んで、ボクのように彼女も確かに存在している。
    ボクと同じような空間で、ボクと同じように息をし、ボクと同じように恐怖に震え、ボクと同じように絶望している。

    雲の上のようだった舞園さんは、今、手の届く距離に。


    この学園内でも、最も近い距離に。

    物理的にも…心理的にも…触れられるところに。


    ボクとはまったく正反対だと思っていた舞園さんだけど、こんなにも共通するところがあることに、喜びを感じた。

    これは……まるで………



    同体となって、運命を共にしているみたいだ。



    どう思うと、頭に血が上って、のぼせているような感覚がかんじられた。

    体が熱い。

    顔も熱い。

    想いが弾けた。

    力も沸きでた。


    ああ、彼女のために…何か出来ることを……







    ……あ。







    イイこと、思いついちゃった。

    こうしてボクは、彼女のための救済計画を組み立て始めた。
  7. 7 : : 2016/05/08(日) 16:18:43
    さてさて、苗木君がだんだんと狂っていきますよ!(ネタバレ)

    まあ、うすうす気づいていらっしゃると思いますが。


    これを本当に見てる人がいるのかも定かではありませんけど…とほほ。

    ご期待ください!
  8. 8 : : 2016/05/09(月) 23:17:25
    救済計画のトリックはオリジナルのものを使用するのかな?

    期待です。
  9. 9 : : 2016/05/10(火) 21:00:13
    !!?!?D,Deさん!大ファンです!やばいです!感動ですっ

    期待ありがとうございます。この話は、トリックとかよりはアナザー的な心理描写を中心に書いていくのでそこはあまり…汗
  10. 10 : : 2016/05/15(日) 19:36:19
    Deさんの様な素晴らしい人ではありませんが、期待させていただきます
  11. 11 : : 2016/05/20(金) 20:17:04
    いずみさん
    いえいえっ、コメント超うれしすぎて感動してます!ありです!





    勉強だなんだの関係で間を開けました。すみません。

    再開していきます!
  12. 12 : : 2016/05/20(金) 20:48:01
    色々考えを巡らせてるうちに、だんだん疲れて眠くなってきた。

    ぼすん、と、音を立て、座っていたベッドに仰向けに倒れこむ。

    そこでボクはまた考えことをしていた。




    「………いつ…」


    いつになったら実行したらいい?
    勿論、場が整ったらだ。そのときが、きっかけが起きたら、そのときだ。



    でも…


    ボクはその時まで待てるだろうか。
    早く試したくて、舞園さんに笑ってほしくて、早まってしまうかもしれないな。



    自分で考えた計画の、その結果を想像すると、吐く息が震えた。

    まったく、なんて素晴らしい。


    この計画を遂行したのちに待つのは、ボクと彼女のハッピーエンド。



    尊い犠牲の代わりにかえり咲くのはボクの愛する彼女の笑顔。



    早く。早く早く。

    早く早く早く早く早く、見たい。


    大したことは、ボクは何もしない。


    何か複雑なトリックを組むわけでもない。

    でも、ボクには自信があった。
    これによって、彼女が救われる、と確信していた。

    絶対に破られることはないさ。


    だって、破られる前に終わらせてやるから。何だってするから。











    『ピンポーン…』






    鳴る予定のなかったインターホンが、部屋に響いた。
  13. 13 : : 2016/05/28(土) 03:34:26
    面白いですね!期待です!
  14. 14 : : 2016/05/31(火) 21:14:59
    風邪は不治の病さん

    んんんんんんんん!!またまた大御所(?)の方があばばばば
    コメントありです!ファンです!



    変な文になるかもですがみなさんよろしくお願いします!
    再開です!
  15. 15 : : 2016/05/31(火) 21:58:57
    「……はぁーい」


    誰だろうかと少し不機嫌気味に戸に手をかけた。





    …と、数ミリ戸が動いたのち、ボクの脳内に恐ろしい考えが浮かび上がる。


    __もし、扉の向こうの人物が包丁でも持っていたらどうしよう?



    ありえない話ではない。むしろこの状況では、そう考えるのが普通だ。

    こんなところで死ぬ?


    冗談じゃない!

    何があっても大丈夫なように、構えておかないと…


    キッ、と顔を引き締め、勢い良く戸を開けた。






    「きゃっ!」


    想像してたよりもはるかに高い声がして、ボクはあっけにとられる。


    そこにいたのは……舞園さん。


    「も、もうっ、ビックリしちゃったじゃないですか苗木君!」



    怒ったようにおどけていう舞園さんの姿に、さっきまでの緊張感は吹っ飛んで、顔も緩んだ。


    「ご、ごめん。でもこんな時間にどうしたの?もうすぐ夜時間だけど…」


    「……それが…」


    舞園さんの顔が曇り、不安そうにあたりを見回す。

    ここではできない話なのだろうか?


    「…とりあえず、ここじゃなんだし。中、はいってよ」

    「はい…ありがとうございます。苗木君」




    部屋に入ろうとするボクのしり目に、彼女の口許にかすかな笑みが浮かんでいるのが映った気がした。

    振り向き、もう一度顔を見てみると、次の瞬間には消えている。


    「ど、どうかしたんですか?」

    舞園さんの不安そうな目に、慌ててボクは彼女を部屋へ押し入れた。



    ……気のせい?

    不思議に思いつつ、自分も部屋へと入り、静かに戸を閉めた。
  16. 16 : : 2016/06/05(日) 14:10:39
    「………」










    沈黙。
    ああ、気まずい…


    今、椅子がないので二人してベッドに腰かけているのだが…

    舞園さんから訪ねてきたにもかかわらず、彼女はなかなか口を開かない。


    …ので、話してくれるまでボクもこうして口を閉ざしているわけである。

    あ、もしかしたら沈黙のせいでうまく切り出せないのかな?


    ならばボクから聞かせてもらおう。



    「…で!こんな時間にどうしたの?何か用かなっ?」

    「………」


    努めて明るく問うたつもりだ。

    …なのに、彼女の顔は徐々に青ざめていき、額に汗がにじむ。





    そして、焦るボク。


    「お、お茶でも飲む…?あっ、あの、話はゆっくり落ち着いてまひょまってからでいいから!!」



    手をワタワタと振り回して話す。
    か、噛んだ!あー、かっこ悪い!かっこ悪いよ自分!


    そんなボクのおかしな様子を見たからか、舞園さんは一瞬ポカンとした後、少し笑った。そして、ゆっくり話し始める。





    「…ふふっ、ありがとうございます。苗木君はやっぱりやさしいですね…でも大丈夫です。少し、聞いてほしいことがあって」

    「……聞いてほしいこと?」

    「はい……実はさっき、おかしなことがあったんです」



    真剣な顔をしてボクに向きなおると、恐ろしいことを、ボクに告白した。






















    「……な、なんだよ、それ…」

    「誰が来たのか、また来るのか、何をしになぜ私のところに来たのか…全然、わからなくて」



    こんな時間に、人の部屋に押し入ろうとするだなんて…

    よりによって、舞園さんを。何故だ?


    「あまりに乱暴にこじ開けようとするので、私、本当に怖くて怖くて…っ」




    いいながら、彼女は体を震わせる。




    __許せない、舞園さんを傷つけるなんて…













    「……な、苗木君…?」



    舞園さんが不安そうにボクの目を覗き込む。


    「怖い顔していますけど…だ、大丈夫ですか?」

    「…ぁ、ご、ごめんっ!何でもないんだ」


    ボクは慌てた。
    今、彼女に気を使わせてどうする!



    「…にしても、許せないね。それに何で舞園さんなのかな…」





    ボクの部屋の付近は、食堂近くの明るい電気により、見やすくなっている。
    それから霧切さんの部屋から奥に突き当たるまで、障害物がないため見通しがいい。


    ボクの部屋がそうということは、当然、隣の部屋もそうなるのである。



    ボクがもしも、もしも殺人を企てているならば、そんな危険な状況下の舞園さんの部屋を訪ねるだろうか?

    いや、きっと訪ねないだろう。だって、リスクが高すぎるではないか。



    相当憎悪を持っていて、自我を失っていなければ、そんな無謀なことは絶対にしない。


    だが、彼女はアイドルだ。超高校級に国民的に愛されている、超高校級のアイドルなのだ。


    誰かに憎まれる言動なんて、一つもしていなかったし…



    「…私、そんなに嫌われてたんですかね。憎まれる覚えはないんですけど……」

    「…だよね」


    うーん、やっぱりわからない。
  17. 17 : : 2016/06/06(月) 22:40:34
    「えっと…もう夜時間に入るけど、まだここにいる?外に出るのは危ないよね……?」


    「そうですね…出た瞬間にグサッ!なんてことになったら困ります」





    こんな状況で冗談を飛ばすとは…
    冗談でも恐ろしい。



    なんにせよ、今外に出るのは彼女も抵抗があるだろう。たった数秒ではあるが、その数秒で命が飛ぶことだってあるのだから。




    だが、もう夜時間だ。最近は早くに寝ていたせいか、もう睡魔が忍び寄っている。

    それは舞園さんも同じはずだ。




    「……あ。じゃあ、今日はボクの部屋に泊まってく?ほら、二人なら侵入者がいても対応できるだろうし!人がいれば安心でしょ?」


    「ああ、なるほどですね!…ん、でも、男女が夜一緒の部屋っていうのは…その、石丸君あたりが湧いてきそうな気がするんですけど………」


    「……あー、だよねぇ。それにデリカシーもなかったかな、ごめん」




    いいえ、と柔らかい笑顔で舞園さんは笑った。







    んんー、何とか彼女を動かさずに、安全で 健全に 一夜を過ごす方法はないのだろうか…















    ・・・

    ・・・・・

    ・・・・・・・




    ・・・

    ・・





    あ、そっか。

    部屋を交換すればいいんだ!



    「あっ、いいですねその案!私も賛成です!そうしましょう」

    「!?」


    こ、心を読まれた…?
    それとも声に出てただろうか!?



    「ふふっ、苗木君はすぐ顔に出るからわかりやすいんですよ」

    「ま、また…」


    また読まれた…?
    なんだこれ、少し怖い。






    「前に言ったかもしれませんが…私、エスパーなんです」

    「…………」





    まじめな顔をして、さらりと言ってのける。
    聞いてないよ…。

    ぼくらの間に、しばし沈黙が訪れる。





    「じ、冗談ですよ。ただの勘です!だからそんな目で見ないでください…うう…」

    「あ、ああ…ごめん…勘、鋭いね……」


    舞園さんが恥ずかしそうに視線を床に落とした。
  18. 18 : : 2016/06/07(火) 14:22:04
    「…ごほんっ、ではこれ、私の部屋の鍵です」



    切り替えるように咳ばらいをすると、ここのとは形状の違うキーをボクに渡した。



    「うん、ありがとう。じゃあボクのも一応渡しておくね」

    「はい、ありがとうございます。わあ…私のとは少し形が違うんですね!」

    「ピッキングができないよう、すべての鍵が複雑に作られているみたいだね。確かにこれじゃあサブキーつくれないよなぁ……」




    舞園さんのキーを受け取り、じっくり見てみると、本当に細かく穴が開いていたり曲がっていたりで…


    うん、確かに針金だけじゃ入れそうもない。























    「……えっ、苗木君誰かの部屋に入ろうと目論んでいたんですか?」

    「目論んでないよ!?」


    「いやでも、今作れなくて残念!みたいなニュアンスのことを」

    「言葉の綾だよっ!ごめんね!?」


    な、なんてことを言い出すんだよ舞園さん!
  19. 19 : : 2016/06/07(火) 14:24:54
    (閲覧総回数550目指したい)
  20. 20 : : 2016/06/09(木) 22:39:28
    「…さて、じゃあボクはキミの部屋に行くよ。もしかしたらインターホンが押されるかもだけど、念のために出ないでね?」


    「はい。苗木君が来たんだとしても開けませんよ!」




    少し笑いながら、舞園さんはおどけた様子を見せた。

    最初部屋に来た時よりも、遥かに緊張の取れた顔つきをしている。





    「そうだ…苗木君も絶対に開けちゃだめですよ?たとえ訪問者が私でもです。今から行くのは私の部屋なんですから、さっきの不審者がまた来るかもしれません」


    「は、はは…。まあ、相当切羽詰まった時以外はそうするよ」




    ボクも少し笑って返すと、部屋のドアを開けた。

    薄暗い廊下をさっと見渡すと、誰もいないのを確認し、自分の部屋を出る。






    「……じゃあ、おやすみ。舞園さん」

    「ええ…おやすみなさい。苗木君」






    顔を見合わせ、少しうなずくと、ボクは舞園さんの部屋を開けた。

    右側で、戸の閉まる音がする。


    舞園さんが無事、部屋に入ったのを確認し、ボクも彼女の部屋へと足を踏み入れた。
  21. 21 : : 2016/06/09(木) 23:05:29
    後ろ手に戸を閉めて、あたりを見回す。





    何の賢哲もない部屋だ。部屋のつくりは、ボクのと全く同じ。

    備品も同じで(裁縫セット以外)、よく言えばごちゃついていなくて整った部屋。




    まあ、正直ボクの部屋に等しく殺風景だった。







    そう、殺風景。
    そうではあるのだが…






    どことなく、いい匂いがする気がする。


    いやいや…ボクは変態か。



    試しにベッドにぽふりと座ってみる。
    すると、何とも言えないやわらかな匂いが舞った。





    舞園さんの匂いだ。
    あの時、彼女を抱いた時にかいだ匂いだ。



    そう自覚した瞬間、なんだか言い表せない妙な気持になった。



    ここで、彼女は毎日寝ているのか。

    全身を重力に任せ、押し付け寝ているのか。




    何か高揚したものを感じた僕は、おずおずとそこに寝そべってみる。



    枕に顔をうずめた。やっぱり、舞園さんの匂いがする。

    同じシャンプーをしているのに、ボクなんかとは大違いだ。




    気持ちが昂るとともに、不思議と落ち着いたいい心地になってきて、だんだんと瞼が重くなる。






    ああ…今日はよく寝られそうだ……























    ・・・

    ・・・・・・

    ・・・・・・・・

    ・・・・

    ・・・・・・・

    ・・・・・・・・・・











    って、駄目だ、起きろ!



    寝てはいけない。だって、ボクにはやるべきことがあるのだから。
  22. 22 : : 2016/06/14(火) 23:44:30
    すみません、私生活にいろいろ問題が生じていて、(まあ、勉強なんですがww)あと二週間は来れないと思います。ちゃんと書きます。。

    よろしくお願いします!

    ああっ、読んでくださりありがとうございます!にやけます!
  23. 23 : : 2016/06/29(水) 17:11:04
    戻ってきたぜ……あの世からッ!

    はいっ、再開です!
  24. 24 : : 2016/06/29(水) 17:47:57
    カチャリ…と、目立った音が立たないように注意して戸を開けた。


    少々名残惜しくもあるのだが、この際仕方ない。彼女のためだ。

    あたりを警戒して見渡す。今のところ、怪しい人物は来そうもない。


    短く息を吐きだし、廊下へ出、ボクはゆっくりと戸を閉めた。







    先程、舞園さんと交わした言葉に、「絶対に部屋の外へ出ない」というのがあった。

    身の安全のためだ。




    なら何故外へ出ているのかって?



    …考えなくてもわかるだろう、見張りをするためだ。


    舞園さんの言葉に対して、ボクはこう答えた。




    「切羽詰まった時以外はそうする」



    そしてボクは、今がそのときだろうと思ったのだ。

    だって、舞園さんが狙われているんだ。これを危機と言わずして、何という?




    そんなわけで、こうして彼女の部屋の前、冷たく薄暗い廊下の床に座り込んでいるのである。






    「……朝まで待つのは…暇だなぁ……」


    一人、ボソリとつぶやく。

    一人はやはり暇で、辛い。

    五時間ほど待てばいいだろうか…


    その代わり、変な奴が来たら即、撃退だ。



    朝になったら、何食わぬ顔をして食堂に___










    ___ガチャリ。


    「あ」





    唐突に戸が開き、両者の口から間の抜けた声が出る。




    「……………え?」




    なんで__どうして___


    ここに、舞園さんが?






    彼女の目が見開き、口があんぐりと開く。

    おそらくボクも、そんな顔をしていただろう。



    「な、何で苗木君が…ここに……」



    呆然とつぶやく。



    それは…こちらのセリフだ!



    あんぐりと開いた口を閉じ、顔を引き締める。





    「……取り敢えず、ボクの部屋でゆっくり話そうよ…」





    口の両端を吊り上げ、無理に笑う。






    「ね、舞園さん」



    彼女は苦し気にゆっくりと、うなずいた。
  25. 25 : : 2016/06/29(水) 18:44:07
    待ってました!閲覧数550人超えましたね!頑張って下さい!
  26. 26 : : 2016/06/30(木) 21:51:01
    いずみさん
    コメントありがとうございます♪自分で驚いてますよ!(笑)
    頑張ります、ありがとうございます!
  27. 27 : : 2016/07/09(土) 16:56:29





























































































    …しばらく、というには長すぎる沈黙が、この部屋に漂っていた。



    しかも、気まずいほうの。




    「…………」




    両者とも、全く口を開こうとしなかった。
    話をしようと持ち掛けてきたのは、彼、苗木君のほうなのに…



    かといって私から何か切り出す余裕はない。何故なら…











    __どうやら私、計画失敗しちゃったみたいですね…。



    そう、失敗してしまったようなのである。

    明るい話を出来るような能天気でも、勇者でもないので。


    ただこうして、私が原因の沈黙に耐えているわけなのだ。
  28. 28 : : 2016/07/09(土) 18:45:25
    「……その紙は何かな、舞園さん」



    「……え、あっ」


    長い沈黙を経て、苗木君が重い口を開ける。


    喜ばしい話題ではなかった。




    手に持つ紙を指さされ、慌てて後ろに回す。

    こうすれば見られない。見られたことにはならないとでもいうように…



    だが無情にも、風に触れ靡いた時のガサガサッという音が、間違いなく私が書いたものがそこにある、ということを証明していた。





    「…ちっ、違うんですこれは…!その、私、少し外に用があってそ、それで」

    「まだ何にも言ってないんだけど?」




    うっ、と声を詰まらす。



    「…ま、その紙はぶっちゃけどうでもいいんだ。それよりも、さっ
    き君が言いかけていた通り、何で外に出ようとしたのか…それを
    ちゃんと教えてよ」

    「……」



    口調は厳しくなかったけど、声に静かな怒りがにじみ出ていた。





    目が見られなかった。

    気持ちの悪い冷汗が額を流れ落ちる。




    いや…何をビビっているのだ私は。

    自分は『超高校級のアイドル』でありその実、『超高校級の女優』でもあるのだ。


    同級生を欺くことくらい容易いこと!





    「…別に、外に用があっただけです。さっきも言った通り」


    そっぽを向き、わざと拗ねたようにして話す。



    「それが何か問題でも?貴方には関係ありませんし、咎められる理由もわかりません」




    彼が私を見つめてくるのがわかる。




    「…でも、約束したじゃないか。外には出ない、危ないからって」

    「ああ、あれはただの口約束です。強制力はほぼ皆無」




    今度は彼の目をきつく見据える。




    「何かおかしい…君は、君はそんな十神君みたいなことを言う人じゃない」


    「貴方は私の何を知っているんですか?これが本当の私かもしれないじゃないですか。というか十神君のあたりがひどいですね…」


    「………」



    何かを言いかけては、口を閉ざす彼。



    もう正直、何でもいいからこの話は終わりにしてほしい。




    「…でも、君は襲われてたかもしれないんだよ?なのに何で…」


    「すぐに終わることだったので、大丈夫だと思ったんですよ」




    でも、とまだ食い下がる。


    「もし、もしも外にいたのがボクじゃなく不審者だったら__」

    「っ、いい加減しつこいですっ!しつこい男の子は嫌われちゃいますよ?」



    第一、不審者なんて元からいない。


    「いくら口約束でも約束は約束だろ!ボクはキミのために」

    「だいたい、何々ですか?自分だって約束破ってるじゃないですか!自分のことを棚に上げて言わないでください!」



    続けて何か言う前に、言葉を放ってそれを阻止する。



    しばらくお互いを見つめあう…というよりほぼ、にらみ合っていた。



    ガタッと音を立て、唐突に彼が立ち上がる。



    __何をするつもり?


    こつ、こつとこちらに近づいてくるので私は警戒し、身構えた。


    そのまま無言で私の目の前で立ち止まり、手を伸ばしてくる。



    反射的にのけぞるも、椅子に座っているので逃れられない。



    手が、近づいてくる。

    軽い恐怖を感じた私は、ギュッと目をつぶった。


    「……なっ、何を…」



















    __体に、ふわりとした温かみが広がり、恐る恐る目を開ける。




    「………へ?」


    視界の左下に、誰かの頭が見えた。



    「な、なんで……」




    そう、私は……



    この日二回目、苗木君に抱かれていた。




    そしてカサっという音と、同時に感じる掌の解放感。


    __って、はい?







    「……あははっ!」




    楽しそうに笑い、私の目の前で手を振って見せる苗木君。


    その手には、強く握られていたためであろうくしゃくしゃになった紙切れ。


    バッと自分の手を見る。




    紙が、ない!!






    冷たい目で笑いながら、彼は言う。








    「……ハグをされるとでも思ったの、ねえ、舞園さん?」



    喉がゴクリとなった。
  29. 29 : : 2016/07/15(金) 23:29:46




    やられた__。







    あの手紙を奪われては、いくらしらを切ろうにも逆効果だ。

    話が合わなくて不審がられ、そしていずれバレて、皆に公開されることだろう。




    …私は、外に出ることもできず、内にも居場所がなくなってしまう。






    「何々?『桑田君へ 話したいことがあります。五分後に、私の部屋に来てください。ネームプレートをよく見て、部屋を間違えないでくださいね』…と」


    苗木君が、手紙を読み上げた。


    演技などという言葉は私からどこかへと飛んでいた。

    顔が青ざめていくのがわかる。




    「ふーん…ねえ、舞園さんが言っていた『すぐに終わる用』っていうのはこのこと?確かにすぐ終わる用だ。手紙を出すだけだしね」




    気持ちの悪い汗が額を流れ落ちていった。



    「でもさあ、おかしいな。今は部屋を交換しているから、桑田君はボクのところへ来てしまうはずなんだ。それじゃあ意味、ないんだよな…」


    焦らすように言葉を一旦切り、そして続ける。



    「ネームプレートを無視すれば、の話だけど」


    にっこりと笑う。



    「ボクって鈍感だからさ。最初からプレートが入れ替わっているのに気づかなかったんだ。キミが訪ねてきた時から、既にプレートは入れ替わっていた。焦っていたから見逃したんだな、きっと」



    その笑顔はいつもみたいに優しくて素敵で、だからこそ何か怖い。

    眼だけが冷え冷えするようで冷たかった。

    そんな目に見つめられているためか、私の体は少し震えていた。

    怖い。










    ……怖い。







    「でさ…本題はここからだよ、舞園さん。なんでこういった不可解なことをしていたのかっていう……あ、ううん!言わなくていいよ。目星はついてる」





    彼の、目つきが変わる。

    それはなんだかねっとりしていて、こちらを見透かすような居心地の悪い目__




    「この紙だけでなんでわかるのかって思うかもだけど………」









    __キミは人を殺そうとしたんだ。そうだろ、舞園さん?
  30. 30 : : 2016/07/21(木) 11:21:35
    中々更新できなくてすみません。書いていきます!

    見てくださる方々、もしよろしければコメントください!
    いつもありがとうございます。
  31. 31 : : 2016/07/21(木) 12:21:15
    「…私が殺そうと目論んでいた、と」

    「うん、そうじゃないの?キミは外に出たいあまりに人を殺そうとしたんだろ」

    「殺そうと……」

    「殺して外に出ようとしたんだろ」

    「……殺し?」

    「そう。ねえ、舞園さんは人を殺すってことを、どういうことか理解してないんじゃないの?」

    「どういうことですか」

    「キミは殺しというのは包丁を振り回すだけだと思っているんだよ」

    「…そんなこと」

    「じゃあ、殺人を計画しているとき、何か想像しなかった?しなかったでしょ。刃越に手に伝わる切り裂く肉の感触とか。目の前で痛みに暴れ叫ぶターゲットの姿とか。自らに注がれる相手の熱い赤い血とかね」


    「想像しなかったわけではないですけど?」


    「嘘だ。衝動に駆られていたから考えもしなかったんだ。そうでなければ、冷静に考えれば誰でも怖くなる。じっくり想像してみなよ、自分が相手を切り刻んで命乞いをされながら睨まれながら恨まれながらそいつを殺すことをさ。

    命が消えるときのそいつの顔つきも忘れずにね?」


    「………。随分と色々言っていますが、貴方は人を殺したことがあるんですか?」

    「はははっ、あるわけないだろ!虫を殺したことならあるけど。あれはむごかったなあ」

    「虫と人間じゃ規格が違うじゃないですか…」

    「ん、そうかな?命であることに変わりはないけど。もし虫を殺すのに何も感じないんなら確かに人を殺せるかもね。でもキミはそんなことはないだろうから、殺人をする前にこうするといいよ」

    「…なんですか」

    「ダンゴムシでもアリでも拾ってきて、足を一本ずつ引き抜くんだよ。全部抜いて丸太にした後、カッターで真っ二つにするんだ。その残骸を今度は、指でプチプチ押しつぶす。いい練習になるんじゃない?実際にやるとトラウマレベルでグロいしね」


    「…ゾワっとしました。できませんよ、そんなこと」

    「これが人だったらもっとひどいんだ。それにこんなことを犯したら、もう表の世界には戻れないさ。外に出た瞬間逮捕だよね!だから殺しても意味なんかない」


    「…………そう、ですよね。本当にそう。私はバカだったんですね」

    「そう、だから殺しなんてやめてね。それに、キミが罪を犯さなくてもボクが出すって約束したろ?大丈夫、信じて」

    「はい…すみませんでした」


    「あぁあぁ、泣かないでよ、まだ殺してなかったんだし、セーフだって。でも、自分がしようとしたこと、ちゃんと考えて。バカなことだったって、理解して。…ああそうだ、舞園さん。5分後にもう一度ここにきて」


    「…?は、はい。分かりました」

    「うん。それじゃね、また後で」


    パタン。
  32. 32 : : 2016/07/21(木) 12:51:21



    パタン。






    「……お呼び出し食らいましたね…」


    五分後、か。


    いったい何をされるんだろうか。

    まさか殺…いやいやいやいや。
    あの話の後ではそれは考えにくい。

    かといってほかに何があるかは見当がつかない。全くだ。





    ここは私の部屋である。見慣れた景色に少し落ち着くも、また少ししたら戻らなければならない。





    「……」


    無言でベッドに歩み寄り、ぽふりと座る。


    …そういえば、彼の顔、いつもとおんなじだった。

    妙な、いつもとは違う顔ではなく、いつもの優しく凛々しい顔つきだった。


    あの目つきは気のせいだったのだろうか。



    ……気のせいだったと思いたい。




    彼は話にこそしなかったが、ほかにもいろいろ気づいていたと思う。

    部屋を訪ねた時に思わずほくそ笑んだ時も、見逃してはいなかった。

    不審者が来た、といった時に、その異常性について考え込んでいたみたいだし。

    ほかにも色々、細かいことに気づけたからこそ、唐突に核心に迫れたし、そのことを前提に自信をもって説得ができた。



    __危なかった。



    あのまま作戦を決行していたら、私はあの人に突き止められて破滅していた。


    踏みとどまれて、よかった。



    「あ……時間」


    やれやれ、と立ち上がり、漠然とした不安を抱えたまま、私は私の部屋を出た。
  33. 33 : : 2016/07/23(土) 20:15:07
    ナエギコワイ

    虫のくだりにゾクッと来ました

    さらに期待です
  34. 34 : : 2016/07/26(火) 18:39:09
    >>33
    期待ありがとうございます!!やる気出てきたああああ



    閲覧回数700感謝です!!頑張ります!
  35. 35 : : 2016/07/28(木) 16:11:59


    『ピンポーン…』


    目の前の部屋のインターホンをそっと押し、鳴らす。



    言うまでもなく、苗木誠の部屋だ。

    先程『5分後に来い』と言われたため、今こうして部屋を訪ねている。


    いったい何の用なのだか……
















    「………あれ?」


    おかしい。自分を招いたはずの部屋の主が、一向に出てこない。


    もう一度インターホンを押してみた。



    『ピンポーン…』


    「苗木くーん、…いないんですか?…いないわけないですよね……」




    そちらから呼び出したのに、部屋を開けるということはないだろう、流石に。


    そのまま数秒待つも、やはり音沙汰ない。



    その時、とある恐ろしい考えが浮かんだ。



    …彼が、私より前に来た来訪者を私と勘違いして開けてしまい、殺された可能性だ。


    途端に怖くなる。もし本当にそうだったなら、今すぐ部屋に戻ったほうがいいに決まっている!







    扉が開くとともに目に入る、真っ赤な床と赤く光る包丁を持った殺人鬼…

    そいつはニタリと笑い、私に向かってその包丁を振りかぶり__





    「……ま、まさかね」



    ブンブンと頭を振って、今の想像を振り払った。




    想像は、あくまでも想像でしかない。

    こんなことは現実に起こり得ない…



    そう言い聞かせ、戸に手をかける。
    開くとは思っていない。ダメもとだ。



    しかし、意外にもドアノブは回った。



    息をのむ。

    急に筋肉が緊張する。


    勇気を振り絞り、戸をゆっくりと開けた。
















    ……数センチ開けて、気が付いた。



















    床が赤く染まっている、ということに。






    『ぐちゃっ…』

    『ブシュッ…』

    『ポタ…ポタ…』






    聞いたことのない不快な音が中から聞こえる。



    こんなもの、聞いたことがないのに…

    経験なんてないのに……



    何故であろうか。

    これが何を指すか、すべて理解してしまった。





    「ッ、苗木君!!!!!」




    勢いよく開け放つ。




    __想像したことが、本当になってしまった。



    __きっと、中で苗木君は殺されている!!







    赤く濡れた足元から順に、目で追う。





    自分のとは別に、男性らしき足が見える。


    血まみれた服と、がっしりした手、腕が見える。



    首が見え、そしてついに顔が見える。




    その顔は、やはり苗木君ではなかった。



    「……………は、い?」



    苗木君じゃない…!?



    バタン、と背後でひとりでに戸が閉まる。


    驚きバッと後ろを振り返ると、包丁を持った殺人鬼がいた。



    「…やあ、来てくれたんだ」






    あまりに聞き覚えのある声。





    「あ…あ、ああ……?」


    驚きと恐怖のせいで、声がうまく出せない。



    「あれ、どうしたの…?具合悪い、大丈夫?」





    人の好さげな声の持ち主は、私にニタリと笑いかけた。
  36. 36 : : 2016/07/29(金) 11:58:32
    「…『何で貴方が?』とでも言いたげな顔だね」


    「……ッ、それは…そうに決まってるじゃないですか…!!!な、何で貴方が人を殺めるんですか!?

      何で…よりによって桑田君を…ッ!」


    「ん?うん…まあ、皮肉ってやつかな?ふふっ」





    足元に転がってる血まみれの人物は、私が殺そうとし、とうとう殺さなかった桑田君だった。

    包丁を持つのは苗木誠。







    何故__私から命を救ったはずなのに、彼を…?




    何故__人を殺して笑っているの?





    訳が分からない。

    おぞましく、恐ろしい。




    呆然と彼の笑う顔を見つめていた。


    「…あ、ちなみにまだ死んでないよ!安心して?」

    「死んでない…?」


    慌てて桑田君のもとに駆け寄る。


    胸がかすかに動いているのが確認できる。



    「く、桑田君!大丈夫ですか、聞こえますか!?」


    「痛みで気絶したんだと思うな。もう一度刺したら起きるんじゃないかなぁ?起こしてあげるよ!」




    ニコニコとこちらに歩み寄ってくる殺人鬼。


    身長は高くないはずなのに、こちらはしゃがんでいるために数倍大きく見える。



    「ま、待ってください…彼はまだ助かります!まだ間に合うんです!人殺しにならずに済みます…だ、だからもう」


    「…ん?」


    きこえなかった、というように首を傾げた。

    またにっこりと不気味に笑い、包丁を両手に掲げる。



    今度こそ殺す気だ。


    「…どいてよ、舞園さん」

    「い、嫌…あうっ」


    乱暴に払いのけられ、横へ倒れた。


    掲げられた両腕が腹に向かい高速で落ちていくのが、私の見開かれた目に映る。



    「だ…ッ、だめええええええぇええええええぇえぇ!!!!!」



    ザシュ。


    「がああああああああぁぁぁああああっ!!!?うお、ぐッ、ああああ…ッ!!!」




    意識の底から最悪の方法で現実に引き出された彼は、痛みに泣き叫んだ。



    大量の、熱い血液が苗木誠の全身に降りかかる。




    「あ、ああぁ…そんな……!何で、こんなことが…ッ」


    全身が激しく震える。

    出た言葉も震える。




    苗木誠は無表情だった。









    ふと我に返る。







    人を、呼びにいかないと…







    「……っく!」


    身をひるがえし、戸へと駆け出す。

    早く人を!人を呼ばなければ__


    ドアノブに手をかける。



    全身で押すようにして戸を開けようとする。










    …手に違和感が走った。








    ひねる手ごたえが無い。



    「!!!!!??!??」



    行き場をなくしたスピードは、そのまま開かぬ扉へとぶつけられた。




    つまり、ドゴンと馬鹿みたいに全身強打した。


    続いて、ゴンっという鈍い音とともに足に衝撃が走る。



    「痛ぁ!!!??」



    何やら固いものが脛に落ちたみたいだ。




    「うっ…脛は痛い…脛は……痛…」



    うわごとのように呟きながら、涙目になって扉を見る。


    ぽっかりと穴が開いていた。ドアノブのところが。


    バッと床を見ると、銀色の丸っこいものが転がっている。



    「こ、これ…ドアノブ?」






    ああーなるほど。





    私はこの悪魔から逃げられないということか。
  37. 37 : : 2016/08/06(土) 16:22:48
    I · ω·)チラッ
    更新待ってます
  38. 38 : : 2016/08/08(月) 15:15:05
    背後から、笑い声と一緒に声がきこえた。




    「ふふっ、大丈夫?舞園さん…くふふっ!」



    さもおかしそうに笑いながらこちらへ歩いてくる。

    後ろは開かない扉だ。逃げられない。



    「ドアノブにね、少し細工をしたんだ。簡単に外に出られないようにさ。といってもまあ、ドライバーがあれば直せちゃうんだけど…」


    「…なるほど、だから外に出てこれなかったんですね」

    「うん、まあそういうことかな。でさ…舞園さん」


    目の前にまで迫った悪魔は、血にまみれた自分の手を持ち上げた。

    その手に握られているのは


    「これ、持ってくれない?」


    やはり血みどろの包丁だった。



    「…どういう、つもりなんです?」

    「やだなあ、そんな怖い顔しないでよ!ボクを殺そうとでもしているの?まあまあ、とにかく持ってって」





    無理やりその包丁を押し付けられ、反射的に受け取ってしまった。

    手が、制服が、桑田君の血により汚れていく。



    正直吐き気がした。




    「そうそう、しっかり握ってね。…ああ、それから抵抗なんてしないでね?わかってると思うけど…ま、想像してよ」




    …抵抗?
    何をする気だ?



    そう訝った時、奴が私の背中をグイグイと押して来た。


    「ちょ…な、何するんですか…!」

    「いいから押されるがままに前進してよ。抵抗したら…分かってるよな」



    __抵抗したら殺すよ?



    そう言っている。


    声が妙な低音で、それは私を脅すには十分なものだった。





    ……何をされるのか全く分からないが、取り敢えず従おう。

    と、そう考えた。



    「…そのまま床に横たわる彼に向かって歩け。包丁は離すな」

    「……」


    無言でうなずき、今やほとんど呼吸のない死にかけの桑田君へと歩みを進める。



    本当に息が絶え絶えだ。

    床も彼の体も血に染まっている。本当にまだ死んでいないのか?




    コツ、コツ…



    自分の足音が大きく感じられる。


    そして近づくたびに、彼の顔の細部や傷口が鮮明に見えていく。



    あまりにむごくて、あまりに非現実的で…目をそらしたい。


    「目をそらすな。直視しろ。そこで止まれ」




    ピタリとその場に停止する。


    自分の靴さえも、赤く染まっていくのが見える。


    そしてそれを、じっとじっと凝視させられた__



















    何秒見つめていたのだろうか。









    額を嫌な汗が流れる。





    恐怖と嫌悪で足の力が抜けていく。




    頭がおかしくなりそうだ。



    もう、限界。




    その場に崩れ落ちそうになった、その時だった。




    「えいっ」


    「……っ!」

    背中をドンッと押され、前へよろめいた。



    そのまま転んでしまう。







    …スローになったようだった……




    私の持つ包丁が、赤毛の彼の喉元へめがけて落ちていく…




    まずい、と思ってももう遅かった。



    肉の切れる感触、血の熱さ、そして死に際の彼の顔。




    「!!!!!??!??」


    脳の理解が追い付かない。

    追いつかないまま結果をむかえた。


    目の前で、目の前のヒトが終わっていく。



    終わっていくのがわかる。




    死んだ。


    死んだ死んだ死んだ死んだシンダシンダ。




    ……殺した?






    「どう、想像した通りだった?」





    気が付くと、苗木誠が隣にいた。




    「………いいえ……」






    呆然としながら、口から言葉をこぼす。





    「…想像は……想像でしかなかったんですね」





    私にはもう、立ち上がる力が残っていなかった。






    隣の男は微笑んだ。
  39. 39 : : 2016/08/24(水) 20:19:06
    私しか最近コメントしてない様で悪いですが、しつこい様ですが、期待です
  40. 40 : : 2016/08/29(月) 22:54:07
    お久しぶりです。
    色々ありまして長らく更新してませんでしたが、お待たせしました!貴様ら…待たせたな。ふっ。


    いやもうマジごめんなさい殴らないでぐほぁっっ!

    コメントを下さる皆さん、ほんっとありがとです。。
    泣く。
  41. 41 : : 2016/08/29(月) 23:22:20
    私には訳が分からなかった。



    大分時間が過ぎた今でも、手にははっきり肉を裂く感触が残っていて、

    目の前で、自分がけりをつけて死んだ人が転がってて、

    …大分時間がたつのに、隣の男はずっと笑っている。


    本当訳が分からなかった。


    色々な感情が押し寄せたのでもはや自分が悲しいのか怖いのか何が何やら整理できない。



    時間の感覚も、わからない。





    「…っと、もうそろそろ落ち着いた?」



    唐突に横から話しかけられ、肩がびくりとはねた。

    緩慢な動作でそちらを向く。


    「………そうですね…初めて人を殺めた割にとーっても落ち着いてますね…」


    無表情で皮肉ると、この男_苗木は、少し困った顔をして見せた。


    「そ、そんな目で見ないでよ、怖いじゃん…?あ、それにほら!元気出して。桑田君を殺したのはキミじゃない。キミは殺人なんかしていないんだ」

    「………はい?」

    「だからね、致命傷を与えたのはボクなんだ。二回目刺した時、彼はもう死ぬ運命にあったんだよ。キミは彼を苦しむ時間から解放してあげたんだ」






    …殺してない?

    …私は殺してなんかいないの?


    「殺してない、そうだ。キミは殺人なんかしていないし、殺す気もなかった。むしろ今日の一件により、人を傷つける恐怖を身をもって知ったキミは、今までよりもっと優しい女性になれたんだ」




    「…はぁ………?」






    このとき正直、思った。



    何言ってんのコイツ。
  42. 42 : : 2016/09/03(土) 18:19:19
    「いや、は…?何言ってんですか貴方」

    「ちょっと舞園さーん?口調乱れてるよ?いやまあ、その、話を聞いてくれないか。ボクは別に殺しが好きだから殺った訳じゃないんだ」


    ニコニコと刺し殺しておいてどの口が。

    憤りを感じつつ、既にこと切れた彼のほうを見やる。


    その顔は、死ぬ直前の恐怖と苦痛にひきつったまま、二度と変わることはない。

    もうかつてのように、あっけらかんと笑う桑田レオンはもういない。

    そのむごたらしい事実を痛いほど感じる。


    「いかなる理由があろうが…殺しは殺し、許されざることなんです」

    「それ、君が言う?」


    身もふたもないことを言われ、言葉のない私に彼が言葉を放った。


    「今回の殺人はさ、ボクが外に出たくてやったんでも…此れによってみんながここから脱せられるわけでもない。無意味に近い、この殺人は」

    一瞬言いよどみ、でも続ける。


    「…ただ単純に、君のためだ」

    「……私の?」



    彼が自分に羨望や好意を向けているのは知っていた。私はそれを利用したのだし。

    だが、それが殺人とは結び付かない。
    いやもう、全く。

    「…お手上げです、訳が分かりません」

    「うん、だよね。だから説明させてよ。ボクの狂った考えが、説明したところで理解されるとは思わないけど、それでも__」


    続きの言葉はなかった。



    「ひとまずここを出よう。死人の前で会話するのも気が引けるからさ」

    「今更なことを言いますね…でも、そればかりは賛成です。とにかく外に出ましょう」


    苗木がドアノブをあくせく直している間に、私はベッドシーツをひったくり、汚れていない面を上にして、桑田君をすっぽり覆った。


    せめて魂が離れれる時ぐらいは、心地よく逝けるように。



    「終わったよ」


    ドアのほうから声が聞こえ、胸中で謝ると、血でびしょ濡れの苗木とともに赤い部屋から出た。
  43. 43 : : 2016/09/05(月) 23:53:22
    ~~~小話~~~お付き合いください。




    ううううううううううぅうぅぅぅ……っ
    霧切さんが…霧切さん、が……っ!!

    ハースは泣いております。何のことかわからない人はアニメ3を見てね

    私、霧切さん大好きだったんですよ。ええ。1の時から熱狂的に。

    なので今回…今回…えっえっ(嗚咽)


    私ちょっともう、立ち直れないかもです。助けてください。

    交流広場でも悲しみを嘆きを綴っているので、慰めてください。。


    このssはなえまい見たいですが別にそんなことはないんです。一番好きなのは霧切さんなんです。


    最後まで皆に陰ながら希望を与えてくれた霧切支部長に、心からの感謝のもと、愛しむ気持ちで黙とうをささげましょう。






    ・・・・・
    ・・・・・・・・・
    ・・・・・・・

    ・・
    ・・・・
    ・・・・・
    ・・・



    …はい、ありがとうございます


    今まで感動と勇気をありがとう。大好きです。


    という重すぎる二次元への愛でした。
  44. 44 : : 2016/09/08(木) 01:23:27
    おぉ、少し見ない間に大きく話が進んでいましたね。面白いです!

    引き続き期待していますね(o^-^o)
  45. 45 : : 2016/09/19(月) 15:21:48
    その後、私たちは食堂の前に座り、話をした。

    なぜ食堂なのかというと、私の部屋を血で汚したくないし、みんなが起きたら真っ先に自分が見つかるからという苗木の望みからだ。


    どうやら彼は、自分のしたことをしっかり話し、殺人を認めるようである。



    まあそんなこんなで今こうして、苗木の話を聞き終えたところだ。



    話の内容は__要約するとこうだ。


    苗木は、私に殺しを犯してほしくなかった。殺人はいつかバレてしまうから、校則にのっとり『誰にも知られずに』という条件が危ぶまれてしまうし、何より返り討ちの可能性が危険だ。だが説得したところで保証はない。確実に私の殺意をなくすには、『殺しの感覚』をあじわってもらう他ないのだと思った。ゆえに彼は、私に抵抗する力がないまでに桑田を痛めつけ、そして私を部屋に呼び込んだ。私に生きてほしいかったから。




    「…そ、そんなよくわからない理由で?これを実行したところで私が外に出られるだとか、貴方が出られるとかそういう実質的な利益もないのに?」


    「そうだよ…利益なんて、確かにないかもしれない。でもボクはこれで君を守れると思った。自分でおかしいとは思っていたさ。でも、なんでだろうね、衝動に駆られてついやってしまったんだ」



    うつむいて見えない顔は、今どんな表情を作っているのだろうか。笑っているのか悲しんでいるのか嘆いているのか、声ではわからない。


    話を聞くほどに、私の中に疑念が渦巻く。

    確実な理由とか動機はうすらぼんやりとしか理解できない。
    が、一つはっきり分かった。


    苗木誠は狂っていた。

    人のために人を殺せる、そんな矛盾を抱えて狂っている。




    「舞園さん。ボクはキミが思っている通り、狂っているに違いない。でもそれは純粋に、ただ本当に君のためを思ってなんだ。

    人を殺して外に出てもさ、罪の意識を抱えたままではどうせ生きてはいけないんだ。いつか出られる日は来る。皆を信じて。そうすれば扉は開かれる。キミはみんなの希望なんだ。だからお願い

    __ボクみたいな、ただの殺人鬼にはならないでね」



    苗木は顔を上げる。狂気的な微笑みを浮かべているが、少し、寂しく私の目には写った。
  46. 46 : : 2016/10/08(土) 17:03:26






































    『オマエラ、おはようございます。七時です。起床時間ですよぉ~!今日も張り切っていきましょう!』









    放送がかかり、朝になったのだと気付く。

    大分時間がたったはずだか、きっと居眠りをしていたのだろう…長く待った、という気はしなかった。



    小さく唸り声が隣から聞こえたのでそちらを見ると、やはり血まみれの苗木誠がいるわけで。




    …これは皆にどう説明したらいいというのか。


    はぁー…と朝から長い溜息をつく。


    苗木はまだ起きない。




    しばらく寝顔を眺めていると、遠くから戸の開く音と足音が近づいてきた。

    足音の主は石丸だった。



    「やぁおはよう!こんなところで寝ていては風邪をひいて…しま……なっ、苗木君んんんん!!!?そんなに血まみれでどうしたのかね!?ま、まさか舞園君!」


    「ち、違うんです此れは…!」


    「んぅー…あ、おはよう石丸クン」

    「うわあああああシャベッタアアアアァァ」

    「頼みます落ち着いてください!!!」


    まあ、朝一番に食堂に来るのが石丸ならば、当然最初に会うのも石丸になるわけなのだ。

    状況が混沌としてきて、頭が痛くなった私は取り敢えず二人を食堂に押し込んだ。
  47. 47 : : 2016/10/08(土) 17:20:26
    ごめんなさい。この度重大なミスを犯しました。

    校則にはこうあるんですね…「個室以外での故意の就寝は居眠りとみなし、罰します」と…。


    やっちまったあああああああああああああああああああああああああああああああ(絶望)


    でもですよ、私はこう思うのです。

    故意の就寝は「あーねむっ、もうここで寝よおやすみ!」ってことだと!!

    うたたねは自分自身が知らぬ間に寝てしまっていることなのだと!!

    つまりこれは故意の就寝ではないのだとッ!!(言い訳)
  48. 48 : : 2016/10/10(月) 23:13:43



    やがて石丸だけでなく、4,5人が、そしてついに全員が食堂へときた。




    空気は実に殺伐としていた。
    全体の七割が苗木に視線を送り、残り三割が私へと視線を突き刺していた。

    実に痛い。視線が。




    「…何も言わないなら俺から聞く。お前らなんだその恰好は」


    冷たい視線を私たちに送る十神に、苗木はさらりと答えた。



    「うーん、見てわからないなら言うけど…。殺したんだ、昨日ね」


    その場の数人は息をのみ、数人はぽかんとし、少数が警戒した疑いの目を向ける。


    …まぁ……そうなりますよねー。


    重たい空気をものともせず、苗木はまた口を開いた。

    「死んだのは桑田君だよ。どうせ信じていない人もいるだろうから、ボクの部屋に皆行こうか。彼はそこで死んでいる」


    場はますます変な空気になっている。

    言葉には何とも形容しがたいのだが…とにかくいえることは、皆この目の前の人物を、異常者とみなしたようだった。
  49. 49 : : 2016/11/12(土) 20:24:54









    『死体が発見されました。一定の操作時間の後、学級裁判を開きます』











  50. 50 : : 2016/11/12(土) 21:15:26
    「…うそ…く、桑田、まさか本当に…!?」

    「脈はない…それに肌の感触、出血量からして間違いないわ。桑田君は…死んだ」

    「…!!」



    一同そろって苗木の部屋に訪れると、そこには真っ赤の床と倒れ伏す桑田の死体があった。
    瞼は閉じられておらず、瞳孔が開いていて気味が悪い。


    「見ればわかるだろう、奴が死んだことぐらい。それよりなんだ、今の放送は」

    十神がイライラしたようにいう。
    それを聞くと、待ってましたとばかりにモノクマがどこからともなく飛び出してきた。

    いまだ混乱し、あるいは恐怖に失神すらしそうな彼らは軽く悲鳴を上げた。



    『んもう、そんなに驚かないでよ失礼しちゃう!こぉんなに愛らしいボクが会いに来てあげてるんだからさ。もっと素直に喜びなって』

    「な、何の用だべ!!」

    『うぷぷ…いい反応だね!雑魚っぽい外見を裏切らない声の上げ方だよ。あ、そうそう。何でこんなとこにわざわざ来たのかというと、初の殺人が起きたということでみんなをほめに来たんだよ!』

    「ああっ?何言ってんだテメェ!」

    大和田が吠える。

    『うぷぷぷ。いやぁ、今回の事件は面白かったよ!ほんと、初回とは思えないよね!こんな事件を起こしてくれた犯人さん、いいモン見させてもらいましたありがとうございます。うぷぷ、あー、絶望的だねぇ…!』

    恍惚とした表情のモノクマに、セレスが問いかけた。


    「モノクマさん、先程の放送にあった《捜査》や《学級裁判》とは何ですの?殺人を犯した苗木君はこれで晴れて卒業…ではないのですか?」


    『ちょっとちょっとぉ!!そんなふうに犯人を決めつけないでよね、つまらないじゃないか。
    うぷっ、それにさぁ…犯人は晴れて卒業だって!!うぷっ、ぶひゃひゃひゃ!あーもう、そんなの甘すぎ。デビル甘、地獄甘ぁ!むしろ本番はこれからでしょうが!』

    「本番ですとぉ!?」
    「ひいぃ!これ以上なんか恐ろしいことさせるつもりなんか!も、もうよしてくれ!!」

    でぶでぶと震える山田と情けなくへこへこして許しを請う葉隠を楽し気に見やると、モノクマは言葉をつづけた。

    『君たちには、学級裁判という制度を説明しましょう!』

    「「「学級裁判…!?」」」


    その場のほぼ全員が声を上げた。
  51. 51 : : 2016/11/14(月) 07:24:27
    待ってました!
  52. 52 : : 2016/11/14(月) 11:26:47
    >>51
    お待たせしてすみません!
    ーーーーーー
    お気に入り登録者数がおひとり増えました。ありがとうございます!
  53. 53 : : 2016/11/14(月) 12:35:27

    「要約すると……犯人あてゲームをし、正解したらみんなは生き残り、犯人は死ぬ。逆に不正解なら犯人は生きてここを出、みんなは死ぬ。…ってことだね。分かりやすくて助かる」


    モノクマに今しがた受けた説明を苗木がまとめる。
    その場の全員が冷たい目で見つめた。

    「そんな…そんなのってぇ…!」

    不二咲は今にも泣きだしそうに、目にたっぷりと涙をためて震え声で言った。

    石丸も声を上げる。

    「犯人を当てれば犯人は死ぬし、当てられなければ皆が死ぬ…人が一人死んだだけでも悪いのに、そのうえまた必ず人が死ぬだと!?そ、そんなことは許すわけにはいかないぞ!」

    「…そ、そうだよっ!何であたしが命がけの犯人あてなんかしなくちゃなんないのさ!!そんなん、ぜってー認めないかんね!」

    『あのねえお二方…これはもう決定事項なの。今更変えるつもりはないし、非参加も認めないよ。でもどうしてもっていうんなら、ボクを倒してからにしてよね!ま、この世のあらゆる格闘技術を会得した歩く殺戮兵器と呼ばれるボクを倒すだなんてそんなことは無理がむぎゅあ!?』

    「はい、倒した。これでいいんでしょ?」

    まだ話していたモノクマをヒールでその顔をぐりぐりしながら、江ノ島は淡々と言った。
    モノクマは起き上がり、つぶれた鼻を抑えながら、怒って泣いた。

    『ひどいよ…父クマにも蹴られたことがなかったのに!!絶対許さないからなお前~!』

    「なによ、アンタが倒せっていったんでしょ」

    『くっ…!ま、いいや。ボクを蹴飛ばしたんだから、それ相応の覚悟してよね。ふぅ~全く…』

    「……?…っ!」

    鼻をさすりながら歩いてくるモノクマを、江ノ島は訝し気に見つめる。そして苦痛の表情を見せた。


    彼女の左腕に、モノクマの爪が付き立てられたからだ。

    『最初のころに言わなかったかな。学園長への暴力は校則違反だ…って』

    「いっ…っあ、や、やめ…っ!」

    その爪は徐々に肉をえぐり深く突き刺さり、そして完全に埋まった。
    モノクマがすごむ。

    『悪い子には‘オシオキ’だよ。君にはボクみたいにピュアになってもらおうと思いまーす。まずは外見から入ろうね!』


    徐々に江ノ島の反応が変わってきた。
    痛みに歪んでいたその顔は、だんだんと__左半分だけ__黒く変色していく。

    うめき声は苦痛による喘ぎへと。
    痛みに耐え、きつく閉じていた眼は見開かれ、血によって赤く。

    モノクロに染め上げられていく。

    絶望の色に…染め上げられていく。

    江ノ島は膝をついた。そして朦朧としながらもモノクマを悲しそうに見、息も絶え絶えにつぶやいた。

    「………ひどい、よ…。こん、な、はずじゃ、…なかっ……」


    最後まで言い終わらず、うつぶせに倒れた。


    江ノ島は絶命した。惨たらしくも、殺されたのだ。
  54. 54 : : 2016/12/04(日) 15:35:50
    また一つの命が消えた後、この場はただひたすらの静寂と、絶望…


    それだけに包まれていた。

    言葉が出ないのである。目の前で人が殺されるという、通常経験しえない光景を目にして。


    『さーて、お通夜みたいな雰囲気しちゃってるけど、これで分かったよね。裁判の不参加は厳禁。校則違反も見逃したりしないよ!例外なく罰するからね』


    静寂を破った耳障りな声の持ち主を、皆が見つめる。


    そして悟った。
    目の前のコイツから、絶望から、逃げる術はないのだ、という揺るがない事実を。



    『うんうん、みんないい表情してるね!ヤル気も出てきたってとこかな。あっ、まだ出てない?でもねぇ、出してもらわないと困るんだよ~。だって、オマエラは戦って、そのうえで生存権を勝ち取らなきゃいけないんだから!どうやったって、戦わずに生き抜くことなんかできないんだからね!だからさぁ…精々、あがいてもがきなよね』


    すごんでモノクマが言うと、今度は黒い冊子を無言で配り始める。


    「な、何よこれ…?」

    『親切なボクからプレゼント。その名も、ザ・モノクマファイル~!検死なんかきっとできないだろうから、ボクがまとめてあげましたよっ!それ見て頑張って!じゃ、あとでね~』


    そういうと、モノクマは体を揺らしながら部屋を後にした。


    残された、苗木、舞園、十神、霧切、山田、セレス、大和田、朝日奈、石丸、腐川、葉隠、大神、不二咲の生存者合計13名は、何も話さなかった。
    話さないまま、ただファイルを開いた。




    やるしかない。

    生き残るためには、やるしかない。


    そう、腹をくくったのである。
  55. 55 : : 2016/12/04(日) 15:53:10





    ~~ザ・モノクマファイル1~~



      ・被害者は桑田怜恩。

      ・現場は苗木誠の個室。

      ・死亡推定時刻は22時25分頃。

      ・凶器は包丁。
       腹部二ヵ所、首一ヵ所に刺し傷有り。

      ・死因は失血によるショック死である。



  56. 56 : : 2016/12/17(土) 22:36:57
    「………えっ、これだけ!?」

    「じ、重要なことが…書かれてないじゃないのよ…。ちち、致命傷とか…」

    「……」



    山田がデブデブと震えて声をあげ、腐川がぽつぽつと抗議した。

    霧切は無言で、部屋全体を観察するように見た。


    セレスがモノクマファイルから目を離し、皆に話しかける。

    「犯行現場は苗木誠の部屋とありますわね。まあ…見るからにそうですが、これではっきりしましたわ。犯人は苗木君だという事が」


    「フン。まあ血まみれの服でいる時点で疑いようはないな。だがまだ確証はもてん。詳しく、お前らの知っていることを残さず、ここで話せ。苗木、舞園」



    「あはっ、ボクの出番だね!勿論話すよ。ボクはボクがやったことを認めてるしね」


    舞園が口を開く前に、苗木が話し始める。


    「昨日さ…変な映像見せられたでしょ?それで生きる希望失ったっていうか。だからもう死んでもいっかなって。えっとまあそれはほとんどおまけなんだけどさ」


    ちらと舞園のほうを見、続ける。


    「舞園さんがすごい慌ててたでしょ?人を殺しそうな勢いで。ボクは舞園さんが好きだからそんな野蛮なことしてほしくなかった。だから、人が死ぬとこ見せたらその気も失せるかなって。それで僕は夜時間になってから舞園さんを装って桑田君を呼び出して殺し、それを舞園さんに近くで見させたんだ。そしたらすごく怖がってたよ。ね、舞園さん?見るからに死にかけだったけど、それでも舞園さんは桑田君を助けようとして体にすがった。セーラー服に血がついてるのはそのせいだよ。とにかくこれで舞園さんが人を殺すことは無くなったし、既に人に見られてるから隠す必要もないかなと思って今こうして告白してるわけなんだ。学級裁判によってボクは死ぬらしいけど、でもいいんだ。だって、舞園さんはこれでボクにとっての最高のアイドルのままで追われるんだからね!」




    「……いかれちまってんな、こりゃ………」




    猛然と話す苗木に向けた葉隠の言葉に、皆は激しく同意した。
  57. 57 : : 2016/12/30(金) 14:31:06



    私は今の話に、違和感を覚えた。

    いま、苗木が言ったことの中には、私自身が人を殺す計画をしていたことが含まれていない。



    もしかして__隠してくれている?


    桑田君を殺してはいないにせよ、殺人計画を立てたことは本当だ。それが知られれば、今まで通りの生活は送れなくなってしまう。

    疎まれて。怖がられて。



    それを危惧したのだろうか。苗木はそのことを伏せている。


    どうして……?




    ふと、苗木がこちらを見てきた。

    眼には少しの悲しみを携えつつ、私を安心させようとしているかのように、薄らと微笑んでいた。



    その瞬間、私は悟った。


    この人は、本当に私のことを考えて、私のために死のうとしている。

    私のこれからのために、すべては自分が悪いというように皆に見せかけ、すべての罪を背負って、私を守ろうとしている。



    ………人を殺したことに違いはないけど、
    それでも、殺したことさえ私のためだった。

    殺したことは許せない。でも私はそれを責めることはできまい。


    全ては私が悪いのだから。


    殺人犯にこんなこと言うのって、おかしいかもしれないけど…それでも……






    ありがとうございます、苗木君。

    貴方のおかげで、まっとうな生き方を選択できる。
  58. 58 : : 2016/12/30(金) 16:40:53




    そこからは各々ばらばらになり、捜査が行われた。

    しかし、いくら調べようにもどこへ行こうも、『苗木誠が桑田を殺した』という可能性はくつがえせなかった。


    ほとんどの皆、苗木誠が犯人であると頭から決め込んでいるようだ。


    服装や、状況証拠からして間違いない、と、そう思っているようである。


    しかしそう、全員ではない。
    この場の一人、この事件を怪しむ者がいた。




    霧切響子、その人である。
  59. 59 : : 2016/12/30(金) 23:51:20
    私は、死神の足音を聞く。


    実際に「音」を聞くわけではなく、一種の勘が危険な状況になると、知らせてくる。

    そして、大抵その予感はあたる。

    それは大体が不幸な知らせであったり、…極端な話、人が死ぬときだったりする。


    何故そんなことは覚えているのだろうか。











    才能すら思い出せないのに。




    私にかかわっていた、たくさんの大切な人たちの記憶。
    面影しか思い出せない。

    その人たちの会話がどうしても分からない。



    いわゆる記憶喪失、というやつだ。
    まあ、まさか自分がそれになるとは思わなかったが。




    …脱線しかけた話を戻そう。
    ともかく私は、死を予知する能力がある。その能力が、このままでは大量の死者が出ると冷酷に告げていた。


    嫌な予感がする。

    とてつもなく大きな嫌な予感。


    無視はできない。
    今回のこの学級裁判は、混乱に満ちたものになるだろう。

    私、霧切響子はそう確信していた。
  60. 60 : : 2016/12/31(土) 16:15:49


































    『オマエラ!そろそろ調べ尽くしたんじゃな~い?ボクも待ちくたびれたんで、学級裁判、はっじめーるよー!校舎一階の、赤い扉の中でお待ちください!』






























  61. 61 : : 2016/12/31(土) 23:01:09
    (´・ω・`)←この作品が皆様にどう評価されているのか気になってる顔

    こんな亀更新ssを読んでくださり、いつもありがとうございます。最近お礼をさぼっていましたのでここで。すみません!ありがとうございます!
  62. 62 : : 2016/12/31(土) 23:30:00
    面白いです!
  63. 63 : : 2016/12/31(土) 23:36:16
    >>62
    えっ、あ、ありがとうございますっ!!!
    作品を褒めていただくのは久しぶりなので、その一言が身に染みわたります!うれしいです。頑張って最後まで書かせていただきます!
  64. 64 : : 2017/01/09(月) 22:35:05
    すごく面白いです!
    いやほんとに

    期待です!
  65. 65 : : 2017/01/09(月) 22:48:43
    面白いです!
    苗木のイカレ具合が精神に響いてきます!
  66. 66 : : 2017/01/09(月) 23:34:22
    苗木…KOEEEEーッ!

    これはかなりの良作!期待です!
  67. 67 : : 2017/01/14(土) 01:23:22
    >>64 >>65 >>66

    わぁ~…ありがとうございます。ほんとにうれしいですっ!感涙です!!

    暫く間開きましたが、今日更新するかもです。もうすこしです><
  68. 68 : : 2017/01/14(土) 05:16:40
    こんなの本当に!!絶望的過ぎるぅ!!
  69. 69 : : 2017/01/14(土) 15:44:25


    モノクマに言われ、各々がそれぞれ指定の席へと着いた。

    円状に並んだ席のおかげで、不安と恐怖と疑念に渦巻く仲間の顔がよく見える。


    しかしその目のほとんどは、一人の容疑者に向けられていた。


    もちろん苗木誠である。


    といっても、当の本人は不気味に薄く笑っていたが。






    モノクマから学級裁判の説明を受け、そしていよいよ始まる。





    命がけの議論、命がけの推理、命がけの主張、命がけの反論、命がけのダマシアイ__






    命がけの、学級裁判。






  70. 70 : : 2017/01/14(土) 15:45:20
    >>68
    ありがとうございます!絶望感濃厚目に仕上げるつもりですw
  71. 71 : : 2017/01/14(土) 16:44:40


    「ではまず、凶器の話から始めるぞ」


    十神が取り仕切り、議論が始まった。


    「モノクマファイルを参考に考察してみましょうか。外傷は腹部の傷が二か所、首の傷が一か所ね」


    「桑田君のそばに落ちていた血まみれの刃物……間違いない、あれが凶器だ!」

    「刃物ォ?んじゃ、犯人がナイフでブッ刺しやがったんだな…」

    「ふ、ふん…刃物と聞いてナイフしか思い浮かばないなんてさすが頭がよ、弱いのね…」

    「んだとォ!?」

    「お、大きさから考えるに、きっとあれは包丁だよぉ」

    「ええ。不二咲さんの言うとおり、犯行に使われた刃物は包丁よ。形状や厚みからしても間違いないわ。それに、食堂からは包丁が一本欠けていた」

    「なら、刃を研がなくてはいけないな!」

    「…刃が欠けていたんじゃないわ。食堂から包丁が一本無くなっていた、といったの」

    「包丁の大きさってどうなんだべ?」

    「大きさはこの際関係ないと思います…」

    「いや、関係あるんじゃない?もし大振りだったなら筋肉質な人じゃないと扱えないよ!!」

    「朝日奈よ…そんなに力を必要とするサイズの包丁はなかったはずだぞ」

    「あ、そっか!」

    「全く…此れでは議論が停滞しますわ。凶器が包丁と分かったのですから、ほかの話題に移りませんこと?」

    「ぐっふっふ…もう一人の僕がセレス殿の言うとおりだと言っていますぞ」

    「う、うむ…では、次は致命傷については無そうではないかッ!」






    『…なんか、もっと殺伐とした雰囲気になると期待したのにてんやわんやだね。これじゃあ全然盛り上がらないよ!ねぇ、苗木クン?』

    「え?…いやボクは別に、この裁判のために殺人犯したわけじゃないから何とも…興味ないかな」

    『えぇ…ま、いいけどね。うぷぷ、だって待ち受ける絶望はこれからなんだもんね!ねっ、苗木クン!』

    「いや、だからさ……」


  72. 72 : : 2017/01/14(土) 17:30:22
    「おおお!今の聴いたかみんな!ちらっと聞いたんだが、苗木っち自分が殺したって告白してたべ!致命傷とかどうでもいいべ!苗木っちが犯人だべ!」


    「はっ。これだから愚民は。第一学級裁判前からずっと同じことを言っていただろうが。これから細かいことを確認して真犯人を突き止めるんだよ、低能が」

    「十神っちが俺を毒舌で殺そうとしてくるべ!誰か助けて!」


    「彼らのことは放っておいて、致命傷の話に移りましょうか」

    葉隠が遠くから抗議の声を上げた。



    「確か…腹部と首に傷があるのだったな」

    「それのどれかが致命傷なんだね??」

    「そういうことになるわね」

    「ったくよぉ…めんどくせーから犯人に直接話を聞いたらいいだろうが!」

    「は、犯人って…苗木くんのことぉ…?」


    不二咲が涙目で尋ねた。

    「おうよ!血まみれだし、告白してたしよ、ひとまずそのクズ野郎を犯人にして話を聞いたらいいじゃねえか」


    大和田の意見に、霧切が顎に手を当て、考え込むそぶりを見せる。


    「そうね…その方法も一手かもしれないわね。では苗木君、貴方が犯人だというなら、その言い分を聞かせてちょうだい。一連のことを詳しくね。……苗木君、聞いているの?」


    モノクマとずっと話していた苗木をこちらに向かせた。

    「あ、ごめん。えーと、犯行のことについて話せばいいんだっけ?」

    「ええ。細かく話してちょうだい」

    「うん。じゃあ昨日のことを話すね」

    苗木は落ち着いた様子で話し始めた。

  73. 73 : : 2017/01/14(土) 17:32:03
    >>71の、「は無そう」は「話そう」です。すみません!
  74. 74 : : 2017/01/24(火) 20:34:28
    「昨日、夕食後に食器を片付けて、その時に手ごろな大きさの包丁をとったんだ。バレないように足に括り付けて運んだよ。それから部屋に戻って桑田君あてに舞園さんを装って手紙を書いた」

    「なーるほど…確かに夕食は各自でしたし、包丁を盗み出すのは簡単ですな!」

    「うん。誰もいなかったからすんなりと行けたよ。それから手紙をドアの下から中に入れて、帰りがけにボクの部屋と舞園さんの部屋のプレートを入れ替えた。そうしないとボクの部屋に来ないからね。その証拠はまだ残ってると思うけど、まあ今更確認するまでもないでしょ?」


    「ええ、入れ替わっていたのは記憶していますわ。そういう事でしたのね」


    「そしてまんまと騙されて部屋にやってきた桑田君を刺した。まだ殺すつもりはなかったから、浅めにだけどね。でも彼は痛みで気絶した。それを確認してから今度は舞園さんあてにボクの部屋に来るようにと手紙をかいたよ。それを部屋の扉から忍ばせた。それから工具セットを使ってドアノブに細工をし、内側からは開けられない仕組みを作ったんだ」



    「使用されたのは苗木君自身のもので間違いないわ。彼の工具セットは、確かに使用された痕跡があった」


    「舞園さんが部屋にやってきて、惨状に目を奪われているすきに扉を閉めて、逃げられなくした。それから彼女の目の前でもう一度腹部を刺したんだよ。でも桑田君はタフでさ、まだ息があったんだよ。それに気づいた舞園さんは彼を何とか助けようとすがった。セーラー服の血はその時についたんだよ。ま、息があるといってもかなりの出血量だったからほっとけばそのうち死んだだろうけど」


    「で、ではなぜ首を切り裂いたのだ?」


    「舞園さんが見ているときに目の前で殺す必要があったからだよ。苦しんで死んでいく姿でなければ、殺意が本当に失せるかどうかわからないだろ?もしこれ以上の動機が出て、ここから出たいと強く願ってもトラウマで人を殺すことができない。ボクは絶対に、舞園さんだけは殺人を犯さないでほしいんだよ!だから、こうやって未然に防ぐために…ボクは桑田君を殺した」


    苗木は少しだけ悲しそうに締めくくった。



    「そそ、そんな理由で殺したっていうの…?舞園からしても、いい迷惑じゃないのよ…」


    「うん、そうだろうね。でも誰が困ろうと悲しもうと関係ないよ。これは純粋にボクと舞園さんのためなんだ。本人がいくら困ろうと、おせっかいだと思おうと、それは必ず役に立つんだからさ。部外者にとやかく言わせたりしないよ?」

    「今の話は本当なのか?舞園。答えろ」


    「……はい。本当、です」

    「…。そう、当事者が肯定したのだから、信じるに値するわね。では今の話が本当だとすると、致命傷は腹部の傷、という事になるわ。そして致命傷を与えた人物がこの場において犯人となるとすると、その犯人は…」

    「苗木…って、ことだよね??」

    「そうなるわね、朝日奈さん」

    「フン、最初から最後まで何一つ面白くなかったな。大体犯人が自ら犯人だと名乗りあげるからつまらなくなるんだ、この馬鹿者が」

    「あはは」

    『うーん、この殺人自体は結構スリリングで面白かったけど、学級裁判は全然盛り上がんなかったね。んもう、予定よりかなーーり早い仮の結論が出たよ!全然疲れなかったからジムにでも行こうかしら』


    「犠牲になってしまった桑田君はかわいそうだけどぉ…でも、これでみんな人を殺そうだなんておもわなくなったよねぇ?こんな…こんなひどいこと、もう二度とあっちゃいけないんだもん…!」

    「も、もう十分すぎるほど思い知ったべ。人殺したら、みんなああなっちまうんだべ!」

    「随分あっけない終わり方でしたわね。まあこの場において嘘をついても得にはならないのですから、この話は本当で、犯人は苗木君で間違いありませんわ」


    「おう、そうだな」


    『じゃあ、投票タイムいっちゃっていいすか!?うぷぷぷ、お楽しみの投票ターイム!投票の結果、クロとなるのは誰なのかー!果たしてそれは正解なのかー!?』

  75. 75 : : 2017/01/24(火) 20:42:51







    よかった、んですよね。

    本当じゃないことが…嘘が、混じっていても…

    犯人が苗木君という事は、変わらないんですから。



    わざわざ本当のいきさつを話さずとも、死ぬことは無いんですから。


    この殺人のおかげで、私たちは殺人の恐ろしさを体験したし、これからそういうことは無くなるでしょう。


    桑田君の犠牲のおかげで、皆がある意味救われたんです。



    そこは、感謝しないといけませんね。

    あとは、平和的な脱出の方法を見つけ出すしかありません。


    長い道のりかもしれないけど、人を殺すよりましなはずです。





    だから…ありがとう。


    そして、さようなら、苗木君。



  76. 76 : : 2017/01/24(火) 20:52:06



    犯人は決まった。

    各証言も、それを裏付ける証拠も出そろった。


    一連の話に穴はなかった。




    なのに、なぜなのだろう。

    さっきから不安でたまらない。

    胸にうるさく響く、死神の足音が一向にやまない。


    不快感でいっぱいだ。



    緊張している?いや、そうではない。


    しかし、目の前の結論を信じるほかなかった。

    反論材料がない。今までもずっとそうだった。


    確かに危険が迫っているのに、それを言っても鼻で笑われてきた。

    証拠を示せと言われれば、途端に詰まってしまう。



    どうしようもない。どうしようもない無力感にさいなまれる。


    結局私にできることなどないのだから。


    だから、私は目の前にぶら下がる『真実』にすがるしかないのだ。




    私の指が、投票ボタンに触れた。
  77. 77 : : 2017/01/24(火) 20:59:35


    『うぷぷ…みんな押したみたいだね』


    モノクマが話し始める。


    『投票結果は、満場一致で苗木誠クンでしたー!』


    皆が安心した顔をした。

    これで学級裁判は終わる、これで帰れる。そう思った時だった。











    『でも、ざんねーん!苗木クンはクロではありませんっ!きゃー、言っちゃった!』






    ・・・・・・・・・。



    『なんとなんと、犯人は舞園さんだったのです!!』



    ・・・・・・・・・・・。





    「………は、い…?」




  78. 78 : : 2017/01/24(火) 21:36:02




    「「…はっ、はああああああああああ!?」」


    「ま、まつべ!なんかの間違いだって!!!」

    「え…ま、待ってください!なんで私が犯人なんですか!?」


    「当の本人が否定しちゃってますけど!?」

    「ど、どういうことなのぉ…!?」




    「……くくっ、あはは…!」



    ざわつくどころか大騒ぎの法廷で、笑い声が聞こえる。









    「あーっはっはっはっはっは!!!!ひゃははははは!!サップラアアアイズ!!!!!だーいせーいこーうっ!」


    『うぷぷ、無事成功してよかったね苗木クン!』


    「ああ、最高の気分だよ!」

    「どどど、どういうことよ!ちゃんと言葉で説明しなさいよ!」


    「説明も何も、モノクマの言う通り犯人は舞園さんなんだよ!!」

    「な、納得できません!ちゃんと説明してくださいよ!」

    「だぁかぁらぁ、犯人は舞園さんなんだって。さっき君は嘘をついたでしょ?ボクの嘘の証言に賛同したんだから君も嘘をついているんだって」

    「な、何なんだ…!?舞園は一切被害者に危害を加えていないはずだ!」

    「だから、それが嘘なの!首を掻っ切ったのは舞園さんだったの。だから舞園さんが『殺した』の」


    「しっ、しかし…致命傷は腹部の傷だったはずだぞ!」


    『あのねぇ…苗木君は確かに致命傷を与えたかもしれないよ?でも、まだその時は生きてたんだよ。だから最終的に『始末』したのは舞園さんってこと!だからクロは舞園さんハイ終わり』


    「てめぇ舞園、嘘つきやがったのかァ!!」

    「だ、だってこんなことになるとは思わなかったんです!犯人は苗木君だと思ってたんです!」


    「ふぅ…問題なく成功してよかったよかった。ま、みんな精々残り数分の命だし、好きにわめいてなよ」



    苗木は飛び切りの笑顔を作った。

    「そして舞園さん!このゲームの勝利者だよ!これで君は元の世界にかえれるし、アイドルも続けられるね!本当におめでとう!あ、犠牲になったボクのことなんか気にしないでいいよ。君はボクたちの分まで、外で笑顔でいればそれでいいんだからね」


    「おかしい…あなたはおかしい!狂ってます!」

    「あはははは!あはははあははは!!!!」


    苗木の狂気的な笑い声が、体を蝕むように響いている。
  79. 79 : : 2017/01/24(火) 21:53:24



    「さあ、モノクマ、そろそろ始めてくれよ!」

    『わっくわくでドッキドキの、オシオキターイム!だね??』


    「お、オシオキって…」

    「「し、処刑!?」」


    『それでは張り切ってまいりましょう!おっしおっきターイム!!ぶひゃっひゃっひゃ!!!』



    「「い、嫌だああアアァァぁ!!!!」」




          

















           =====================

                GAME  OVER
              クロを まちがえてしまいました
               おしおきを 開始 します

           =====================
  80. 80 : : 2017/01/24(火) 22:32:54






    周りのみんなが次々と、首輪をかけられ引きずられていく。

    これから殺されるのだ。




    ただ私だけが取り残される。


    私がクロだから。



    私だけが生き残る。

    私がこのゲームの勝者だから。



    でも嬉しくなんかない。ひとかけらも喜べない。


    だってこんなのおかしいよ。

    おかしい。おかしい。おかしい。


    絶対におかしい!!


    私は、みんなが引きずられていく方へとかけていった。


    何かの間違いに決まってる。本当に死んでしまうわけがない。



    そう必死に自分に言い聞かせた。


    が。


    目に飛び込んできたのは、血まみれの処刑場だった。


    葉隠の頭は転がっていた。

    「葉隠君…」


    不二咲は四肢がバラバラになっていた。

    「不二咲さん…」


    十神は手のあるマシンに絞め殺されていた。

    腐川はモノクマの爪に刺されているところだった。

    「十神君…腐川さん…」


    セレスは額に大きなくぎを打ち込まれるところだった。

    山田は大きなハンマーで何度も殴られていた。

    「セレスさん…山田君…」


    大和田は摩擦で炎が出るほど地面を引きずられていた。

    石丸は毒矢を何本も刺されていた。

    「大和田君…石丸君…」


    朝日奈は電気ウナギの入った水槽に投げ込まれた。

    大神は首の骨と脊髄を折られていた。

    「朝日奈さん…大神さん…」


    霧切はプレス機につぶされ、見る影もない。

    「霧切さん…」


    苗木は同じくプレス機にかけられていたが、まだこちらを見ていた。


    「……」



    「苗木…誠……」




    「苗木誠オオオオオオオォォォオオォッ!!!」





  81. 81 : : 2017/01/24(火) 23:00:58






    ボクはこれから死ぬ。

    計画はうまくいった。

    本当に簡単なことだった。



    尊い犠牲の上で輝く、彼女の笑顔が見たかったんだ。

    だからこの『救済計画』を実行したんだ。


    ほら、女子ってサプライズ好きだろ?






    何はともあれ、これで終わる。


    彼女はうれしさのあまりに顔をほころばせるに違いない。

    いや…それとも、ボクを思って泣いてしまうかな?


    ああ、どうか泣かないで。



    ボクはキミに笑っていてほしい。




    目の前で、裏切った仲間たちが殺されていく。


    死ぬのが怖くないわけではない。


    でも、彼女を救うためなのだから、ここで死ぬしかないんだ。





    彼女がこちらへと駆け寄ってきてくれた。


    きっとお礼を言うためだろうな。


    苗木君ありがとう、ってそういって、笑いかけてくれればそれでいいんだ。

    死ぬだけの価値はある。



    さあ、早く。ボクには時間がないよ。早くボクの名を呼んで、飛び切りの笑顔を向けてほしい。




















    …あ、あれ?













    …何でキミは…みんなのことばっかり悔やんでいるの?名前を呼ぶの?


    そいつらなんてどうでもいいだろ。

    キミが好きなのはボクのはず…

    それにボクのおかげで外に出られるんだ。だからその声で名前を呼ばれるのはボクのはずなのに。


    何でだ。何でだ。


    何で何で何で何で何で何で!




    何で笑ってくれないの?

    キミのためにやったんだよ?

    外へ出られてうれしくないのか。

    どうなんだよ、これはキミが望んだことじゃないのかよ。



    望んでたはずだろ。強く願っていたはずだろ。

    なのに何で…そんな顔するんだよ!!




    …あ、やっとこっち見た。
    笑うかな?泣くのかな?嘆くかな?


    いや、そのどれでもない。




    ボクに向けられたのは、敵意に満ちた目だけだった。

    そして顔を歪めて叫ぶんだ。




    「苗木誠オオオオオオオォォォオオォッ!!!」




    フルネームで。愛称は付けずに。憎しみを込めて叫ぶんだ。



    な、なんでだよ…

    もう、苗木君とは呼んでくれないの…?




    そんなの納得できない。絶対おかしい!これなら何のためにボクは死ぬんだ!!



    嫌だ。嫌だ。

    死にたくない。死にたくない。


    怖い怖い、怖い怖い怖い怖いよ!



    ああ、ボクを守ってくれるキミの笑顔がもうないだけで、こんなに恐怖にさいなまれるなんて。






    何でなんだろう、舞園さん。

    その口で教えてくれたらいいのに。



    頭上からの重圧で、ボクの思考は停止した。

  82. 82 : : 2017/01/24(火) 23:13:42
    これが…絶望か…
  83. 83 : : 2017/01/24(火) 23:20:30



    『うぷぷ…あーあ、終わっちゃったな。あっけないっていうか、早すぎっていうか、まあ長い計画と苦労の割に小さかったわねー』


    『バッドエンドとハッピーエンドが共存するとか考えてやってたんだろうけどさ。実際にはそんなものないわけよ』


    『あるのは絶望、その二文字だけなんだよッ!デストローイ!』


    『ああ…今回も予想通りの絶望過ぎて絶望的です…』

    『ですが、このデータを生かして新たなコロシアイを考えてみるのも悪くありませんね』


    『うぷぷ、残姉という駒を失ったのは痛いけどさ!』

    『その代わり、新たな駒はできたからねー。ねえ、外の世界どう思うよ?「舞園」』


    「…はは、こんなもののために必死でコロシアイしてたなんてあほらしいです」

    『どうどう?絶望しちゃった?』


    「ええ。…もう、何も考えたくありません。ただ何も考えず、絶望だけを終えたら楽なんでしょうか」


    『んー。楽じゃないけど楽しいよ?あはっ、漢字だと同じだウケる!』

    「………」



    『なにはともあれ、こうしてまた絶望人間作り上げちゃったわけだし。この先も頑張っていかないとねー。引退するにはまだまだ早いわ!』


    『物語は、終わっちゃいないんだから』



    『うぷぷ…うぷぷぷぷぷ……!!』








    ーEND-
  84. 84 : : 2017/01/24(火) 23:28:22
    いや~おわりました!五月から始めて早八ヶ月、皆さまのコメントや、こんなssでも読んでくださっているんだ!という自信で書ききることができました。ありがとうございました。

    もう一度言わせてください、本当にありがとうございました!!
  85. 85 : : 2017/01/24(火) 23:32:52
    >>82
    ありがとうございます!絶望な話が書きたかったので、絶望感を共有していただけてうれしいです。
  86. 86 : : 2017/01/24(火) 23:35:01
    ん~、絶望した!
  87. 87 : : 2017/01/24(火) 23:37:10
    herthさんも今後じゃんじゃん執筆してくださいね!
  88. 88 : : 2017/01/24(火) 23:40:38
    >>86
    お疲れ様でしたwここまで追ってくださりありがとうございました!
  89. 89 : : 2017/01/25(水) 20:57:58
    お疲れ様でした!本当に楽しませて頂きました!これからも頑張って下さい!機会が有ればまたお邪魔させて頂きます
  90. 90 : : 2017/01/25(水) 23:03:36
    >>89
    ありがとうございます!度々私が更新怠けていても、見捨てずコメントとかくださって、本当にありがたかったです。

    いずみさんの作品ももっとたくさん読みたいです。執筆中のものも頑張ってください!
  91. 91 : : 2017/03/04(土) 22:19:46
    ふじやまくんからの紹介で読ませていただきました!

    行間とか文の構成とか引きこまれました

    面白かったですお疲れ様でした
  92. 92 : : 2017/03/06(月) 22:36:36
    >>91
    ありがとうございます…!
    そこをおほめいただくと、自分の文に自信が持てます。うれしいです!
  93. 93 : : 2017/06/04(日) 11:18:13
    最高に面白く、引き込まれました(;゚д゚)


    いま、絶賛絶望中です(;゚д゚)
  94. 94 : : 2017/06/04(日) 22:37:37
    >>93
    それはよかった!ありがとうございます。苗木君の頭がおかしいねというお話でした。w
  95. 95 : : 2020/10/25(日) 21:29:52
    http://www.ssnote.net/users/homo
    ↑害悪登録ユーザー・提督のアカウント⚠️

    http://www.ssnote.net/groups/2536/archives/8
    ↑⚠️神威団・恋中騒動⚠️
    ⚠️提督とみかぱん謝罪⚠️

    ⚠️害悪登録ユーザー提督・にゃる・墓場⚠️
    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️
    10 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:30:50 このユーザーのレスのみ表示する
    みかぱん氏に代わり私が謝罪させていただきます
    今回は誠にすみませんでした。


    13 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:59:46 このユーザーのレスのみ表示する
    >>12
    みかぱん氏がしくんだことに対しての謝罪でしたので
    現在みかぱん氏は謹慎中であり、代わりに謝罪をさせていただきました

    私自身の謝罪を忘れていました。すいません

    改めまして、今回は多大なるご迷惑をおかけし、誠にすみませんでした。
    今回の事に対し、カムイ団を解散したのも貴方への謝罪を含めてです
    あなたの心に深い傷を負わせてしまった事、本当にすみませんでした
    SS活動、頑張ってください。応援できるという立場ではございませんが、貴方のSSを陰ながら応援しています
    本当に今回はすみませんでした。




    ⚠️提督のサブ垢・墓場⚠️

    http://www.ssnote.net/users/taiyouakiyosi

    ⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️

    56 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:53:40 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ごめんなさい。


    58 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:54:10 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ずっとここ見てました。
    怖くて怖くてたまらないんです。


    61 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:55:00 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    今までにしたことは謝りますし、近々このサイトからも消える予定なんです。
    お願いです、やめてください。


    65 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:56:26 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    元はといえば私の責任なんです。
    お願いです、許してください


    67 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    アカウントは消します。サブ垢もです。
    もう金輪際このサイトには関わりませんし、貴方に対しても何もいたしません。
    どうかお許しください…


    68 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:42 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    これは嘘じゃないです。
    本当にお願いします…


    72 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:59:38 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    お願いです
    本当に辞めてください


    79 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:01:54 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    ホントにやめてください…お願いします…


    85 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:04:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    それに関しては本当に申し訳ありません。
    若気の至りで、謎の万能感がそのころにはあったんです。
    お願いですから今回だけはお慈悲をください


    89 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:05:34 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
    もう二度としませんから…
    お願いです、許してください…

    5 : 墓場 : 2018/12/02(日) 10:28:43 このユーザーのレスのみ表示する
    ストレス発散とは言え、他ユーザーを巻き込みストレス発散に利用したこと、それに加えて荒らしをしてしまったこと、皆様にご迷惑をおかけししたことを謝罪します。
    本当に申し訳ございませんでした。
    元はと言えば、私が方々に火種を撒き散らしたのが原因であり、自制の効かない状態であったのは否定できません。
    私としましては、今後このようなことがないようにアカウントを消し、そのままこのnoteを去ろうと思います。
    今までご迷惑をおかけした皆様、改めまして誠に申し訳ございませんでした。

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