猫「吾輩はあくまでも普通の猫である」
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- 1 : 2016/04/19(火) 23:03:09 :
- 吾輩は普通の猫である。
ある一点を除けばの話だが。
主人「ただいまー」
それは、ある種の才能といえばいい。
特異なことではない、得意なことだ。
そう考えればこの・・・・・・
猫「おかえりー」
喋れる「才能」もなんだか普通に思えるだろう?
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- 2 : 2016/04/19(火) 23:16:00 :
- 猫「今日も学校楽しかったか?」
主人「あー?まあな」
いつもの当たり障りのない会話、お約束とも言える。
ただ、今日の主人の顔は一段と不細工だ。
猫「どうした、ドブネズミみたいな顔して」
主人「うっせーな、いろいろあんだよ、俺だって」
猫「575か?うまくないぞ、字余りだしな」
主人「お前、もうちょっと静かにできないの?」
猫「そんなことはどうでもいい」
主人「ちょっ」
猫「ドブネズミのような顔になった理由を教えろ」
主人「実はさー、同級生が行方不明になったんだ」
猫「なにィ!?」
主人がドブネズミになったのはそういうことか。
誰だって知人が消えるのは恐ろしい。
まあ、猫の間ではあんまりそういうのはないだろうが。
そう考えた後、自分がニンゲン脳になっていると気付く。
まるで猫の事が他人事、もとい他猫事だ。
主人「ヤバいよな、家出くらいならいいんだが」
猫「普通ではないことが起きようとしているのかもな」
この時は冗談半分だった。
主人(猫が喋るのも普通ではないだろうよ)
猫(お前、空気読めよ)
主人(こいつ、直接脳内に・・・・・・!?)
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- 3 : 2016/04/20(水) 20:08:05 :
- 翌日
今日は猫なりに行動をしようと考えた。
せっかく主人の高校で事件発生中なのだ。
ついていったほうが絶対に面白い。
猫「ということだ」
主人「頭に乗ってんのは校門までにしろよ」
猫「ふっ、心得た」
主人「まったく、校内で教師にバレんなよ?」
猫「この声があればばれないだろう、間違いなく」
主人「どうかねぇ・・・・・・?」
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- 4 : 2016/04/20(水) 20:12:14 :
めっちゃいい
頑張って。
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- 5 : 2016/04/20(水) 20:13:27 :
- 我輩は猫かな?期待
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- 6 : 2016/04/20(水) 20:16:43 :
- あっという間に学校は終わり
午後4時30分
主人「結局、猫がどうしてたのか分からなかったな」
友「じゃあなー」
主人「おう、じゃな」
主人「さて、図書同好会に顔出すかな」
猫「ちょっと待て、主人よ」
主人「うわっぷ!!」
猫「そんなに驚くな」
主人「どっから来たんだよ」
猫「行方不明の件で少し話が合ってな」
主人「聞いてるか?」
猫「女子トイレで落ち合おう、ここでは喋りづらい」
主人「おい!待てよ、っていねえし・・・・・・」
主人「俺、男なんだけど・・・・・・女子トイレ?」
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- 7 : 2016/04/20(水) 20:20:18 :
- 女子トイレにて
猫「とりあえず今日の一部始終を話そうと思う」
主人「あのさ、これマズくない?俺、変質者扱いはヤダよ?」
猫「うるさい!ヘッポコが!吾輩は雌だ!」
主人「知ってるわ!でも俺は雄なんだよ!」
猫「すぐ終わる、まずは話を聞け」
主人「なんかいつも押し負けてるような・・・・・・」
猫「あれは朝の8時40分頃だったか・・・・・・」
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- 8 : 2016/04/20(水) 20:30:47 :
- 午前8時43分 授業開始2分前
吾輩は校舎の中でも最初に主人のクラスを探った。
一番この奇怪な事件に関係しているのはクラスメイトだからだ。
猫「ふむ、主人と違って骨もなさそうな餓鬼が多いな」
主人も骨があるだけでドブネズミだがな。
猫「まずはその行方不明者の情報が欲しいな」
そこからは長かった、授業中の話に耳を傾けたが
教師からも生徒からも驚くほど事件の話は出なかった。
いないニンゲンには興味などない、といったところか。
この時点で分かったことは
名前を聞く限り、行方不明者は男性。
少なくとも行方不明になる予兆はなかったと思われる。
それだけだった。
吾輩はあきらめて、3限の始まりに主人の教室を抜け出した。
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- 9 : 2016/04/20(水) 20:45:49 :
- 午前10時49分
猫の短い脚で職員室に来た。
正直危険な賭けではあるが、授業中が教師は少ないだろう。
そう思い、職員室に入る。のだが・・・・・・
教頭「はっくしょーい!!!」
猫「!?」
事務員「どうしたんです?教頭先生」
教頭「風邪でもひきましたかね?」
事務員「この前、猫アレルギーって言ってませんでした?」
教頭「まさか、それが原因ではな・・・・・・はっくしょい!!」
猫「やべっ」
まあ、まさかの猫センサー「KYOTO」がいたのであきらめた。
しかし、重要なのはその後、廊下で聞いた立ち話だった。
教師A「警察から連絡がありました」
猫「!!」
教師A「ええ、ええ、親御さんは心配でしょうが警察も・・・・・・」
どうやら行方不明者の親との電話のようだ。
教師A「ええ、そうなんですか。はい、わかりました」
そう言って教師は電話を切る。
次の瞬間、耳を疑う発言が耳に飛び込んだ。
教師A「ちっ、思ったよりも早く警察が動いたな」
猫「!!!!」
こいつ・・・・・・なにを言いやがった!?
こいつが「犯人」?そんな馬鹿なことが・・・・・・
だが、吾輩はもう引けなかった。
疑念が湧いた以上後には引けない。
吾輩はその教師を一日、マークすることにした。
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