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死神「天国と地獄、どちらに行きたいか言え」男「は?」
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- 1 : 2016/04/05(火) 21:51:52 :
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男「あの、どちら様ですか?」
死神「死神だ」
男「あーはいはい死神ね、うんうん……母さーん!不審者が入ってきてる!」
死神「おい待て話を聞け」
ガチャ
母「どうしたの男!不審者!?」
男「そこに白い仮面付けて黒いローブを羽織っていて鎌を持ってる不審者が……」
母「どこにいるの?男の部屋には私たちしかいないけど」
男「そこにいるじゃん
死神「俺の姿はお前にしか見えん」
男「は?先に言えよ」
死神「言う前にお前が呼んだんだろう!」
母「??」
男「ごめん母さん、勘違いだったみたいだ」
母「そう?じゃあ母さんは部屋に帰るわね」
男「うん、おやすみ母さん」
ガチャ
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- 3 : 2016/04/05(火) 21:56:46 :
- 男「それで、本物だとしたら何なの、俺の魂でも狩りに来たわけ?」
死神「いいや、死神はあくまで死者の魂を導く者だ」
男「はっ、それじゃつまり俺はもうすぐ死ぬと?笑わせるなよ」
死神「今から13秒後にお前の机の上にある時計の針は動かなくなる」
男「は?」
チクタクチクタクチク……
男「まじで止まりやがった……電池切れか?」
死神「私には人や物の寿命が見える、その時計の電池は寿命を迎えたのだ」
男「はーん。んで、俺の寿命はあと何日なんだよ」
死神「45分だ」
男「……はっ?」
死神「45分後に、お前は死ぬ」
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- 4 : 2016/04/05(火) 22:01:55 :
- 男「ずいぶんと笑えない冗談をつくんだな、死神って」
死神「冗談だとお前が思うのならそれでもいい、だがこれは真実だ」
男「うるせぇよ、黙れ」
死神「そうはいかない、私は閻魔様に頼まれてここに来ているのだ。まさか生きてる人間に天国か地獄かを選ばせるなんてな」
男「…」
死神「普通ならいい事をたくさんした人間の魂は天国に向かい、悪いことをたくさんした人間の魂は地獄へと向かう。だがお前はいい事をした数と悪いことをした数がピッタリ同じだ」
死神「つまり、天国にも地獄にも行けるのだ」
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- 5 : 2016/04/05(火) 22:06:47 :
- 男「なんだ、なら天国に決まってるだろ。いいところなんだろ?」
死神「まあ待て、決断を下すのはまだ早い。せっかくだから天使と悪魔に天国と地獄について説明してもらおう」
男「いい、いらん。天国でいい」
死神「どうせ45分の命だ、珍しい話でも聞いておいた方がいいんじゃないか?」
男「…………チッ、まだお前が本物だってことは信じないが聞かせてみろよ」
死神「そんな態度を取っていると悪いことをした数に含まれて地獄に堕とされるぞ」
男「なっ!」
死神「冗談だ、こんなこと悪いことをした数に含まれん。死神も冗談は言えるのだ」
男「」イラッ
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- 6 : 2016/04/05(火) 22:18:03 :
天使「どうも、天使でーす☆」
悪魔「どうも、悪魔です」
死神「呼んだぞ」
男「なんなんだよ、マジで天使と悪魔出てきたんだが」
死神「45分……いやあと25分の命のこの子に天国と地獄について説明してあげてくれ」
天使「わぁ!生身の人間だ!これ本物!?」
男「ちょ、触るなよ!」
悪魔「珍しい……魂しか触ったことがないから……生身は初めて」
男「(くっそ、どっちも可愛いから許してしまう)」
死神「ゴホン、早く説明してあげてくれ、刻一刻と彼の寿命が縮まっている」
男「さっきから寿命寿命言ってるが、俺何で死ぬんだ、全然元気だぞ」
死神「外は雨が降っているだろう?」
男「ん?あぁ、結構降ってるな」
死神「後23分後に雷が落ちる、それが"偶然"君の部屋の窓の僅かな隙間に入り込み"たまたま"部屋のコードをつたり、君の充電しているスマホを爆発させる」
死神「爆死だ、四肢共に木っ端微塵だ」
男「は?なんだそれ、そんなの言ったら……ほら、スマホからコード抜いた。これでもう死なない」
死神「死因が変わった、今から19分後に心筋梗塞で突如君は倒れる、母さんは先ほど部屋に行き寝ているため朝まで君に気づかない、その3分後に死亡だ」
男「は…………?」
天使「あったま悪いなー、この人間」
悪魔「つまり、"寿命"からは逃げられないんだよ」
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- 7 : 2016/04/05(火) 22:32:46 :
- 男「は、は……俺は、本当に、死ぬのか?」
死神「そうだ」
男「…………あぁ、もういいよ、諦めた
。天国と地獄の説明をしてくれ」
男「まあ、選ぶのは天国だけどな」
天使「りょーかい☆」
悪魔「じゃあまず地獄からね」
悪魔「地獄は、主に悪いことをたくさんした人が堕とされる所、閻魔様が地獄に来た魂の人生を閻魔長で確認してその罪にあった罰を受けさせるところ。」
男「絶対行きたくないな」
悪魔「例えば盗みを総額500万した人は電気ショックの刑300年、人を殴ったり虐めたりを2年していた人は鬼に茹でられたりする釜茹で地獄200年」
男「悪いところばかりしかないな。いいことたくさんしてから自殺すれば天国行けそうだな」
悪魔「いいや違うよ、自殺をした人は前世でどれだけいいことをしても地獄に強制的に堕ちる。そして受ける罰は皆同じ」
悪魔「無地獄5億年、何にもない、真っ白な世界で5億年間たった1人でずぅっとボーッとしているんだ」
悪魔「この地獄、1度どうなってるか少し覗いて見たんだけどすごかったよ」
悪魔「皆発狂してたよ。意味不明な言葉を叫んだり自殺をしたことを悔やみ謝ってた、もっと自分はやれたのになぜ諦めたのだ、ってね」
男「」ゾクッ
悪魔「ちなみに罰を受け終わったら転生の時間が来るよ、その人の記憶を全削除して新しい魂の入れ物ができたらそこに放り込むんだ」
悪魔「地獄と地上じゃあ時間の流れが違うととっては一瞬だよ。苦しんだ記憶も全て消されるけどね」
男「なんなんだよ……行くわけないだろそんなところ……」
悪魔「じゃあ、天使ちゃん、次どうぞ」
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- 8 : 2016/04/05(火) 22:44:28 :
- 天使「はーい☆じゃあ天国について説明するね」
天使「天国って言うのはー、なーんにも危険が無くてとても過ごしやすいところなんだよ!」
男「ふむ」
天使「その人専用の天国に送られて自分だけで暮らすんだ!快適だよ☆」
男「おおっ」
天使「周りには誰もいない自分だけ時間、それがとても長い時間続くんだ、でも誰も自分を邪魔しない。自分はその世界でただ1人で空を見ながら過ごすの」
男「へぇ…………え?」
天使「遊び道具?そんなのないよ!でも指と足と胴体と顔、それと自分の知能さえあれば遊びは無限大に広がるよね!」
男「待て、その、長い時間ってのはどのくらいなんだ?」
天使「んー、ざっと5億年?」
男「…………はっ?」
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- 9 : 2016/04/05(火) 22:58:06 :
- 男「それ、は?つまり、それって、地獄のーー」
天使「無地獄だね☆」
天使「でも平気だよ?発狂しないように精神と知能、それに手足にも制限かけるから。あっ、それじゃ遊ぶことも出来ないね!説明間違えちゃった、テヘペロ♡」
男「何言ってんだよ!それじゃあどっちもーー」
死神「あと、4分だ」
死神「決めろ、天国か地獄かを」
男「ふざけんな!!やってられっかよ!お前ら帰れ!」
天使「あれれー?怒っちゃったよー」
悪魔「人間は野蛮、死神、これは悪いことに含まれる?それなら地獄に落ちるんだけど」
死神「残り3分30秒の命の者に今更いいこと悪いこともない」
男「ふざけんなふざけんなおい」
男「5億年?は?俺の選択肢は天国か地獄だろ?」
男「これじゃどっちも同じだろ舐めてるのかふざけてんのか」
男「どっちも選びたくねぇよふざけんなふざけんな…ふざけんなぁっ!!母さん!母さん起きてくれ!!助けてくれよ!死にたくねぇ!」
男「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
死神「残り3分、スタートだ」
男「ああああ胸がああっ!!痛い!痛い!抉られる!!助けて、助けてくれ、死にたくねぇ!!母さん!聞こないのか!?助けてくれ!」
天使「寿命からは逃げられないのに、お母さんは今日たまたま強い睡眠薬を飲んでぐっすり寝てるよ☆」
悪魔「さっさと選びなよ」
死神「もう一度問う、『天獄』か『地獄』か、どちらに行きたい」
男「死にたくねぇ!!死にたくねぇぇぇっ!!ああああーーーーぁ……」
ーENDー
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- 10 : 2018/03/25(日) 16:59:19 :
- 今初めて天国に行きたくないと思った
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