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想い〜I'm always beside you〜

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  1. 1 : : 2016/03/21(月) 21:10:43
    宣言通り立てさせて頂きました!
    本作品は基本エレアニです!
    キャラは原作に忠実に書くつもりですが自分のイメージで書かせていただきますのでご注意ください!
    ネタバレ注意です!
    それではお付き合い下さいよろしくお願いします!!
  2. 2 : : 2016/03/21(月) 21:36:31
    http://www.ssnote.net/archives/44279
    ↑現在執筆中:エレクリ「二重人格?」
    http://www.ssnote.net/series/2856
    ↑現在執筆中:エレンの傭兵物語シリーズ
    こちらもよろしくお願いします!
    これ以外の過去の作品もありますのでそちらもよろしくお願いします!
    以上宣伝でした!
  3. 3 : : 2016/03/21(月) 21:45:41
    期待‼
  4. 4 : : 2016/03/21(月) 21:48:55
    ふと気づくと俺はここに立っていた...

    今までに持ったことのない気持ちを持って...

    俺はこの気持ちを持っていいのか...?

    そんな疑問が頭の中を巡る

    でも考えれば考えるほどその気持ちは強くなる

    「あの日」から止まったことのなかった俺は...思いもよらない所でその足を止めてしまっていた

    だからこそ気づく...

    これほどまでに...お前を...

    エレン「アニ...」

    アイツと初めて関わりをもった訓練場で俺は佇んでいた...
  5. 5 : : 2016/03/21(月) 21:58:53
    >>3
    ありがとうございます!宇宙戦記は本当にごめんなさい!二度とあのような事をやらないように精進していきますのでよろしくお願いします!
  6. 6 : : 2016/03/21(月) 22:18:33
    アイツと初めて話したのは訓練兵団に入って少しした頃だった

    その時は対人格闘訓練でライナーと組んでいた

    そして訓練中にライナーがサボってるアイツに気付いて喧嘩を売った

    「氷の女」

    そう揶揄されていたアイツはまさにそれを彷彿させる様な冷たい目線をこっちに向けた

    やべぇ...怒ってる...

    一目で分かるような雰囲気を纏ってアイツは独特な構えを見せた

    ライナーに話を振られた俺は仕方なく相手になる

    しかし次の瞬間俺は足を蹴られあっという間にひっくり返された

    その事に驚き...そして恐怖心を抱いた

    だけど...「あの日」を経験した俺は...その恐怖心を抱いたことに強烈な反抗心を抱いた

    アイツには負けたくない...

    思えばそれが最初だった
  7. 7 : : 2016/03/22(火) 19:04:06
    だから...

    その日の夜、ジャンに絡まれた時...俺は昼間のアイツの技を使った

    勿論ジャンに対人格闘訓練の成果を見せつける為でもあったが

    アイツへの宣戦布告...という意味でもあった

    その次の日からは...勿論他の訓練の事も考えてはいたが...専ら対人格闘の事を考えていた

    そういえば次の対人格闘訓練で...あの時の技の感想...聞いたっけ...

    アイツは小馬鹿にしたように「駄目」だの「なってない」だの言ってきて

    正直無茶苦茶ムカついた...でも...

    少し...教えて欲しいと思っている自分がいた

    アイツはそんな俺の気持ちを見透かしたように

    「教えてやってもいいけど?」

    なんて言って

    その事にも少しムカついて断ったら...

    二度と拝みたくなかった訓練中の太陽を拝むハメになってた...

    その日から...なんやかんやでアイツに勝つにはアイツから技を奪うほうがいいって思うようになって

    アイツと毎回対人格闘を組むようになった......
  8. 8 : : 2016/03/22(火) 19:21:20
    期待してます
  9. 9 : : 2016/03/22(火) 22:56:57
    >>8
    ありがとうございます!
  10. 10 : : 2016/03/23(水) 20:16:50
    そんなある日...俺は夕飯を食い終わった後その日の訓練の復習を頭でしながらたまたま散歩していた

    すると誰もいない訓練場で月に照らされて黙々と自主練する影が見えた

    「あれは...アニ...?」

    月光に反射した金髪とその自主練のフォームから気づく

    気がつくと俺は木の陰に隠れてその様子を見ていた

    アイツは俺がコテンパンにされた足技を中心にしていた

    「綺麗な動きだな...」

    思わず呟く

    遠目から見てもわかる...いや...遠くから見るからわかるのか...?

    いつもその技を受けている俺にしたらその動きを最後まで見るのは初めてだった

    何か攻略の糸口が見るかもしれない

    そんな淡い期待を抱いて観察を続けていたら

    「そこにいるやつ!出てきな!」

    見つかった

    大人しく木から出る

    「なんだ...アンタか...」

    そう言うアイツに隠れてみていたことを素直に謝る

    「いいよ別に...それに......」



    見られたくらいで負けるほど...私は弱くないから...



    ニヤリとしてアイツは言った...

    そこまで言われたら俺の立場がない

    勿論俺はその場で勝負をふっかけた

    そして...

    昼間とは違う空を見た......

    「イタタ...強ぇなー」

    もう本当にそれしか出てこない...

    「アンタが弱いだけだよ...」

    相変わらず身も蓋もない事を言ってくる

    「そうか...?はぁ...お前は毎日ここで自主練やってんのか...?」

    自主練が強さの秘密なのか...そう思った俺は聞く

    「まぁ...時々だよ...」

    目を逸らせてアイツは言った

    そんな嘘って丸わかりな様子で言われてもね...

    少し呆れたが...

    「俺も時々一緒にやってもいいか?」

    強くなる為に...その思いは俺にそう言わせていた

    「......アンタのことだから断っても来るんだろうね...別にいいよ」

    いや断られたら流石に来ないが...何て事は勿論言わずただ感謝の言葉を口にした

    そしてそれから時々アイツと自主練をするようになった

    そしてそれがいつしか毎日になるのに...そう時間はかからなかった
  11. 11 : : 2016/03/24(木) 16:11:17
    それがもう二年前

    毎日のアイツの指導によって俺は対人格闘で三位にいた

    勿論上の二人はミカサ...そしてアイツだ...

    そう...俺はまだアイツに一度も勝てていなかった

    数日前...俺が自主練で負けた時...アイツは言った

    「おかしいね...もう技術だけなら私と同じくらいのはずなのに...」

    確かに自分でも言えるほど俺は上達した…だが...勝てない...

    「アンタ...もしかして手を抜いてるのかい...?」

    眉間にシワを寄せて問い詰めてくる

    俺自身そんなつもりは一切ない...そこで...その翌日アルミンに相談してみた...

    アルミンは正解を導く力がある...だからなにかわかるかもしれないと思った...

    案の定...奴は賢かった...

    「毎日負け続けていたから勝てないって思い込みが定着しちゃったんじゃない...?」

    なるほど...そう思った

    だから俺はその日アニと対人格闘をするのを止めた

    アニもその事を考えていたらしい

    「まぁ最初のアンタはとてつもなく弱かったからね」

    少し嫌味っぽく言うアイツにももう慣れていた

    「ああ...今ならわかるよ...俺がどんな無謀なことをしていたかさ...」

    そういう俺に

    「でも...アンタのそういう所...嫌いじゃないよ...」

    ちょっと頬を赤らめながら言うアイツに...少しドキッとした
  12. 12 : : 2016/03/25(金) 16:12:52
    結局その日の夜は部屋でアルミンと雑談をしていた

    でも二年間続いた習慣には抗えなかった

    どうしても体がウズウズしてしまう

    「なぁアルミン...」

    そう呼びかけて俺はアルミンとやることにした

    「成績のいいエレンが相手してくれるなんて嬉しいよ」

    アルミンはそう言って構える

    まぁ正直相手ではなかった

    それでもいつもアイツが俺に言ってくるようなことをアルミンに教えた

    そしたら

    「エレンってば...さっきからアニならこうするとかアニが言ってたんだけどとか...アニの事言い過ぎじゃない...?」クスクス



    その一言に虚をつかれた




    気づかなかった




    俺は...いつの間にか...




    アイツの事ばっか言ってた...



    それだけじゃない...




    アイツの事ばっか考えていた...




    対人格闘で勝つためにじゃなくて...




    純粋にお前の事を...




    そこまで思考が至った時

    俺はさっきのアイツの顔を思い出す




    「でも...アンタのそういう所...嫌いじゃないよ...」




    そして気づく



    俺は...アイツが好きなんだ...



    だから俺は勝てない...



    そんな女性(ひと)を傷つけたくないから...



    その事をアルミンに言う

    「そうか...それは...君らしいね...」

    そう言ってアルミンは笑う

    「それで...どうするの...?」

    そう聞いてくる親友にまっすぐ答える

    「伝えるよ...この気持ち...じゃなきゃ...相手してくれたアイツに失礼だから...」
  13. 13 : : 2016/03/26(土) 12:03:38
    きたいだお
  14. 14 : : 2016/03/26(土) 19:15:58
    >>13
    ありがとうございます!
  15. 15 : : 2016/03/26(土) 19:41:15
    そして昨日...訓練がなかったから俺は街に出た

    「なんかプレゼントみたいのがあればいいんじゃないかな?少なくともいつも相手してもらってるお礼にはなると思うよ?」

    アルミンがそう提案してくれたからだ

    本当にいい親友を持った...

    そう思いながら街を歩いていく

    どんなものがいいんだろう...

    生まれてこの方女の子にプレゼントを買うなんてことはなかった...ミカサにさえもだ...

    だからこそ迷う

    「エレンが一生懸命考えて選べばいいと思うよ!」

    昨夜、付いてきてくれと頼む俺にアルミンが言った

    「プレゼントは気持ちがこもってればいいって昔おじいちゃんが言ってたし...」

    その言葉を思い出しエレンは考える

    アイツが喜びそうなもの...うーん...

    周りを見ると綺麗な花やアクセサリーが並んでいる

    生憎そういうのには疎いんだけどな......

    そう思いながら歩いていた俺はショーウインドーに飾ってあったある物に目を止める

    これ...アイツに似合いそうだな...

    そう思ってその店に入っていった
  16. 16 : : 2016/03/26(土) 21:47:32
    期待しよう
  17. 17 : : 2016/03/27(日) 10:21:24
    >>16
    ありがとうございます!
  18. 18 : : 2016/03/27(日) 10:31:48
    そして今日...訓練が終わったあとアイツに声をかけた

    「なぁ...後でいつもの場所に来てくれ」

    そういう俺にアイツは真っ直ぐな瞳を向けてくる

    「いいよ...もう大丈夫なのかい...?」

    心配してくれるアイツ...

    「ああ...多分...」

    「多分?」

    歯切れの悪い返事をする俺に眉を吊り上げる

    そんな顔も可愛くはあるんだが...

    アイツの殺気を感じた俺はそのままそそくさと逃げ出した
  19. 19 : : 2016/03/27(日) 10:55:17
    そして今に至る...

    あの後手早く食事を済ませていつもの場所に向かっていた

    アルミンと考えた秘策とその後の流れを頭で再生しながら歩く

    そしてふと思う




    俺は...俺の目標は...



    俺自身を殺す可能性が高い



    それなのにこんな事...言っていいんだろうか...




    今更ながら思いつく




    アイツの枷に...ならないだろうか...?




    普通の人が聞いたら嗤うだろう…




    アイツはそんな奴じゃない...なんせ「氷の女」だから...と...




    けど俺は知っている




    アイツは本当はそんな奴じゃない




    本当は人一倍優しくて...嘘をつくのが苦手で...たまに対人格闘でみせる笑顔がとても可愛い...




    そんな女の子だって...




    だから...アイツの迷惑にはなりたくない...




    そう思う一方で




    伝えなきゃ先に進めない...一生後悔する...




    そう思う俺もいる




    俺の故郷を奪われた時から止まったことのない足を...




    俺は今確実に止めているのだから...




    「アニ...」

    風が吹きそんな俺の気持ちを表すかのように草木が揺れる



    こんなにも好きだから...俺は......



    「悪いね...待った?」

    そんな俺の思考を遮ってアイツが来た
  20. 20 : : 2016/03/27(日) 23:07:59
    期待しよう
  21. 21 : : 2016/03/28(月) 09:34:48
    >>20
    ありがとうございます!
  22. 22 : : 2016/03/28(月) 14:23:34
    シュッ!シュッ!シュッ!

    アイツの脚や拳が空を切る

    何回も何回もそれの餌食になった事を考える

    あの時は...まだ強くなることしか頭になかった...

    けど今は違う...

    「何で避け続けてるんだい?」シュッ

    さっきからずっとアイツの攻撃を避けて反撃をせずにいる俺に痺れを切らしたのかアイツが話しかけてくる

    「これが俺の答えだからだ」サッ

    避けながら答える

    「は?どういう事?」シュッ

    そう問うアイツに

    「こういう事だ!」シュッ

    今日初めて反撃する

    アイツはガードする

    でも...俺は繰り出した拳をガードより手前で止める

    「ちょっと話をさせてくれ...」

    構えを解いて俺はアイツに話しかけた

    そしてやっとアイツ......アニと向き合う覚悟ができた...
  23. 23 : : 2016/03/28(月) 19:58:28
    訓練場ではなんだからとアニを俺のお気に入りの場所へ連れ出した

    訓練場の上にある丘

    そこは空には星が見え下には訓練場の明かりが見える綺麗なところだ

    「こんな所に連れてきて...なんだい?」

    アニが少し怒ったように言う

    「わかったんだ...俺がお前に勝てない本当の理由...」

    アニが少し目を見開く

    「俺は......」

    ちゃんと伝わるようにゆっくりとアニの目を見て話す










    お前が好きだ!










    「え!?」

    アニが驚きの声を上げる

    「俺はお前が好きだ...だからお前を傷つけることなんかできない...だからお前には勝てない...そう気づいたんだ...」

    「いつからかは自分でもわからない...けど...お前と訓練しているうちに...その...なんだ...お前の...全部に惹かれた...」

    思った言葉を...俺の本音を伝える

    「あ、勿論付き合ってくれって言ってるわけじゃないんだ...俺の目標は...いつか俺自身を滅ぼす...こんな時代だからさ...」

    「でも...だからこそ...これをちゃんと伝えないと...お前に失礼だと思ったし...何より俺が後悔すると思ったから...」

    「だから...うん...俺の気持ち...伝えた...」

    言い切った

    俺の気持ちのありったけを

























    「......」ポロポロ

























    アニは泣いていた...

    「あ...ごめんな...嫌...だったか...」

    慌てて詫びる

    「違う...」

    鼻をすすりながらアニは言う

    「あのね...」

























    私も...アンタの事が好きだよ...

























    アニは泣きながらそう言った

    「だから...私は...付き合いt「アニ!」ギュッ

    俺はアニに抱きつく

    「ありがとう...こんな俺でいいなら...俺と...付き合ってくれ...」

    そういう俺にアニは頷く

    「うん...よろしくお願いします...」

    俺達はそのまましばらくの間抱き合っていた
  24. 24 : : 2016/03/29(火) 18:02:18
    「そういえば...」

    しばらくして俺はプレゼントの事を思い出した

    「お前に...渡すものがあるんだ...」

    そう言ってこの時のために買った物を袋ごと取り出して渡す

    「なに...これ...?」

    そう聞くアニに開けてみろと促す

    「ネックレス...?この蒼いのって...?」

    「ラピスラズリだ...」

    俺はアニへのプレゼントに使われている宝石の名前を口にした...
    (http://patapataminzoku.ocnk.net/product/2249 ←こんな様な物だと考えてください)

    「ラピスラズリ...」

    「そう...綺麗だろ...?」

    そう聞く俺に微かに笑みを浮かべて頷く

    「まさかあのアンタがこんなもの用意してるなんてね...」

    少し嫌味っぽく言ってくるが照れ隠しなのが丸わかりだ

    「ああ...そうだな...」

    苦笑いしながら答える

    「ねぇ...」

    少し甘えたような声でアニがいう

    「これ...着けてくれない...?」

    「おう」

    そう言ってネックレスをかけてやる

    「どう?」

    その上目遣いは反則だ...

    そう思いながらも答える

    「すっごい似合ってるぞ!」

    その言葉にアニは照れたように顔を伏せる

    「あのさ...宝石言葉って知ってるか...?」

    そんなアニに話しかける

    アニは頷く

    「ラピスラズリの宝石言葉は...」




















    愛...そして永遠の誓い...




















    「永遠の...誓い...?」

    アニがそう聞き返す

    「ああ...だからさ...俺はこれに誓う...」

























    俺は...絶対に死なない...いつでもお前のそばにいるって...

























    ポロポロ

    またアニが泣き出した

    「もう...今日はアンタに泣かされっぱなしだよ...」ポロポロ

    そう呟くアニ

    そんな姿も愛おしく思う

    「大好きだ...アニ」

    「私もだよ...エレン...」

    俺達は星空の下で口づけを交わした
  25. 25 : : 2016/03/29(火) 21:59:06
    訓練所へと帰るいつもの道...

    けどいつもと違うのはアニが俺のそばにいること

    そして俺の手を握っていること

    些細な違いだけど...俺には天と地ほども違う...

    「そういえばアンタさ...私がアンタを好きだったら良かったものの...もし失敗してたらこれどうするつもりだったの...?」

    月明かりで蒼く光るネックレスを見ながらアニが問う

    「渡してたよ?お礼として」

    「そうじゃなくて...!なんて渡すつもりだったの...?その...宝石言葉云々って言うつもりじゃなかったでしょ...?」

    そんな事が気になってたのか...

    ちょっとおかしく思って吹きそうになるのをこらえる

    「ラピスラズリの宝石言葉はもう一つ...健康って意味もある...それを言ってたかな...?」

    そう答える

    「...それアンタの知識かい?」

    痛いところをつかれた

    「............いや...これ売ってた店の店員が教えてくれた...」

    「やっぱりね...アンタがあんな洒落たことできるわけないって思ったんだよ!」

    意地悪っぽくアニが笑う

    「いや...まぁちょっと受け売りがはいってたけどさ......俺が言ったことは俺の本心だからな?」

    そう言い返す

    そしたらちょっと安心したように

    「よかったよ...」

    アニがそう言った

    そのまま沈黙が流れる

    でも俺にとっては...とても幸せな沈黙だった...
  26. 26 : : 2016/03/30(水) 18:29:18
    次の日から俺達のいつもの夜の対人格闘の時間はお互いの話をした

    その日の訓練の話...お互いの友達の話...故郷の話...

    そんなたわいもない話...でも俺達にとっては大切な話をした

    休日は対人格闘以外の教科...立体機動とか座学とかを一緒にやった

    でも...少し気がかりなこともあった

    故郷の話をする時...アニが嘘をついているように見えた

    最初は気のせいだと思ったけど...やっぱりそう...

    まぁ人には言いたくないこともあるよな...

    そう思った

    そしてもう一つ

    付き合ってるって皆に言った時...

    ライナーから

    「よかったな...仲良くしてやってくれ...」

    そんな風に言われた気がした

    ライナーはアニとそんなに仲がいいようには見えない

    まぁ...ライナーは皆の兄貴のような存在だから

    ''してやってくれ''

    っていうのも間違ってはないかな...

    そんな風に思った
  27. 27 : : 2016/03/30(水) 22:45:08
    そうやって楽しく充実した時は流れていった

    そして解散式の日

    俺は夕食でいつものようにジャンと喧嘩して外に出た

    しばらく頭を冷やしていると夕食も終わりみんな明日の兵団選択に備え寮に戻っていく

    その中にアニがいなかった

    どこに行ったんだろう...訓練場か...丘かな...?

    そう思って探しに行く

    案の定アニは訓練場で佇んでいた

    「アニ!」

    そう言って駆け寄ると...気づいた...










    アニ...泣いてる...?










    俺が呼んだ声に気づいてアニは急いで涙を拭ってこっちを見る

    「どうしたんだ...?」

    そう聞くと

    「...ちょっと...ここにもう来ないと思ったらね...」

    俯きながら答える

    嘘だな...

    そう思ったけど...言わない...

    「そうだな...ここで...お前と会ったんだもんな...」

    俺がそう言うと

    「エレンは...やっぱり調査兵団に...?」

    そんな事を聞いてきた

    「.........ああ...お前には...悪いって思ってるけど...」

    そう答える

    「ううん...」

    「でも...大丈夫だ!」

    アニをこれ以上不安にさせないようにと声を張る

    「誓っただろ...?俺はお前のそばにいるって...だから絶対に死なない...」

    俺の決意...アニと付き合う時に生まれた...俺の新しい目標を口にする

    「そう...だね...じゃあ...」



    その誓い...絶対に守ってね...



    必死な顔で俺に言う

    「勿論だ...!」

    それに俺も応える

    「うん...私も決めたよ...」

    ちょっと間を置いてアニが言ってきた

    「アンタだけだと不公平だから...私もこれに誓うよ...」

    決意のこもった目を俺に向ける


























    私も...ずっとアンタのそばにいる...例え私が死んじゃったとしても...生まれ変わってでもアンタのそばにいる...!

























    そう言った

    「わかった...ありがとう...アニ...」

    素直に言う

    ガバッ!

    アニが俺に抱きついてきた

    今までなかったことに少し驚く

    そのまましばらく俺達は抱き合っていた

    「ねぇ...エレン...私達って付き合ってから...二人で出かけること...なかったよね...?」

    甘えた声でアニが囁く

    そう...俺達は休日はずっと自主練をしていたせいでデートというものをしたことがなかった

    「そうだな...俺は明日午前中は非番だから...どっか行くか...?」

    アニの考えてることを見越して誘った

    「うん!」

    そうして初めてのデートが決まった
  28. 28 : : 2016/03/31(木) 15:20:00
    翌日エレンは八時に訓練場の門の前にいた

    「待たせたね」

    その声とともにワンピースをきた金髪の美少女が駆け寄ってくる

    その姿に...俺はただただ言葉を失った

    「なんだい...人の事ジロジロ見て...」

    「お前...アニだよな...?」

    思わず声に出てしまった本音

    「どういう意味だい...?」

    辺りが氷点下まで下がったような気がした

    うん...見た目はどうあれこの空気はアニだな...

    そう納得して.........自分が言った事を理解する

    あ...やべぇ...

    危機を感じた俺は慌てて謝った

    「悪い!お前がいつもよりも...その...可愛くて!びっくりしたんだよ!!」

    言い訳する俺に...

    フッ...

    そう微笑んで俺の腕を掴む

    「ほら...早く行くよ...」

    アニは俺を引っ張って歩き出した
  29. 29 : : 2016/03/31(木) 21:19:36
    まずい...コメントどころか...PV数も一向に増えない...
    題名が悪いのでしょうか...?また需要を感じない作品になってきてる(><)
    どなたかコメントください...
  30. 30 : : 2016/03/31(木) 21:27:59
    期待しよう
  31. 31 : : 2016/03/31(木) 21:29:25
    期待してます
  32. 32 : : 2016/03/31(木) 23:51:42
    期待!
  33. 33 : : 2016/04/01(金) 16:49:00
    >>30 >>31 >>32
    エレアニが大好き様、直方正典様、u-mop様ありがとうございます(TT)
    感謝感激雨あられです!PV数が低いのはやっぱり題名が悪いんでしょうか...?
  34. 34 : : 2016/04/01(金) 16:52:25
    >>33

    人気が出るまでは、なかなかPVに伸び悩むですよね…

    僕もnoteに来たばかりのときに執筆してた作品のPVは伸び悩みました

    タイトルは全然悪くないです!そのままの題名で最後まで頑張れ!
  35. 35 : : 2016/04/01(金) 17:34:03
    俺達は街に来た

    「どこに行くんだい...?」

    アニがそう問いかけてくる

    「うーん特に考えてはいないけど...服とか見てみるか...?」

    アニが頷くので俺達は近くの洋服屋に入る

    まぁ俺は服とかあんまり頓着する方じゃないからパパッと買い物を済ませる

    「アンタ...買うの速いね......タノニ...」

    「ん?最後なんて言った?」

    聞き取れずに聞き返すとアニは顔を紅くして何でもないよと答える

    「そうか...アニもなんか買うか...?」

    そう聞くと

    「んー...じゃあエレンが選んでよ...私の服...」

    顔を俯かせてアニが言った

    俺は頷いてアニに似合う服を探す

    さっき言ったことを訂正する

    俺は''自分の''着る服にはこだわらない

    「うーん...あれも似合いそうだな...あれはどうだろう...?」

    なかなか決めない俺にアニが呆れた様に言ってきた

    「アンタ...自分の時よりも遥かに時間かかってるけど...」

    俺は商品を目で漁りながら答える

    「だって...アニは何着ても似合いそうだからさ...逆に何がいいか迷うんだよ...」

    そう言うとアニは何も言わなくなってしまった

    怒らせちゃったかな...?速く決めねぇと...

    そう思って1番いいと思った服を取る

    「これ着てみろよ」

    そう言って服を渡してアニに試着させる

    「どう...かな...?」

    そう言ってアニが試着室から出てくる

    その可愛さに...俺は絶句した...

    「エレン...?」

    その声に自分を取り戻す

    「あ...すげぇ似合ってるぞ...」

    辛うじてそれだけ言う

    「そう...じゃあこれにするよ...」

    アニはその服を持って会計しに行った
  36. 36 : : 2016/04/01(金) 17:35:24
    >>34
    ありがとうございます!絶対に最後まで書き上げます!!
  37. 37 : : 2016/04/01(金) 18:17:10
    やはりエレアニはいいですね!
    期待です
  38. 38 : : 2016/04/01(金) 21:38:51
    >>37
    ありがとうございます!
  39. 39 : : 2016/04/01(金) 22:15:57
    店を出た後...俺達は近くの公園に行った

    辺りは花が咲き乱れて...どこかの画家が好みそうな綺麗な景色がそこにはあった

    「私さ...」

    ベンチに座ってしばらくのんびりしているとアニが話しかけてきた

    「こうやって...好きな人と綺麗な景色見ながらのんびりするのが昔からの夢だったんだ...」

    そう言って俺の肩に頭を乗っけてくる

    「そうか...いい夢だな...」

    なんて言っていいのかわからないけど...アニらしい夢だな...って思った

    「お父さんに格闘術教えてもらってた時は...のんびりする時間なんてなかったから...」

    まぁ今もあんまり変わらないけどね...そう苦笑いするアニ

    「うーん...じゃあ約束しようか...」

    不意にそんな言葉が口から出る

    「なに?」

    「昔アルミンに聞いたんだ...外の世界には海っていうでっかい綺麗な湖があるって...」







    「だから...俺が巨人を駆逐し終えて...外の世界に行けるようになったら...一緒に海を見に行こうぜ...二人で一日中のんびりしながらさ...」






    そう言ってアニの方を見る

    アニは...



    泣いていた...



    俺はそんなアニを抱きしめる

    「ち、違うの...エレン...こ、これは...」

    慌てて何か言おうとするアニの口をキスで強引に塞ぐ

    「大丈夫...お前は...俺に何か言えないことがあるんだろ?なら...今は言わなくていい...お前の気持ちの整理がついてからでいいから...」






    アニが苦しい思いをしてるのは...俺もわかってるから...






    「お前嘘つくの下手だからな」

    そう言って俺は微笑む

    それでアニが安心してくれたらいいなって

    そう思いながら

    「ありがとう...」

    俺の腕の中でアニが呟く

    「ああ...ただこれだけは忘れるな...俺はいつでもお前を愛してる...例え世界の全てを敵に回してもさ...俺だけはお前の味方だ...」

    少し力を入れたら壊れそうな少女の体を...俺は抱きしめていた...
  40. 40 : : 2016/04/01(金) 22:19:23
    ぬわぁエレンイケメンww
    期待どす~(笑)
  41. 41 : : 2016/04/01(金) 22:25:37
    期待しよう
  42. 42 : : 2016/04/02(土) 20:21:57
    >>40 >>41
    ありがとうございます!
  43. 43 : : 2016/04/02(土) 20:43:30
    しばらくするとアニは泣き止んで顔を上げる

    「アンタといると...私が私じゃないみたいだよ...」

    アニが呟く

    「そんなアニも好きだよ」

    俺はアニを撫でながら言う

    「私も...どんなエレンも好きだよ...」

    返ってきた言葉に嬉しくなる

    「ありがとな...」

    そっと呟く

    すると...アニがメロディーを口ずさむ...

    そのメロディーがとても綺麗で...思わず尋ねる

    「なんて歌だ...?」

    「これは...私の故郷で流行った歌だよ...」

    そう言って今度は歌い出す

    その歌のあるフレーズが俺の心に響く...
    ーーーーー



    「例え遠く離れたとしても私はあなたを想ってる♪」



    ーーーーー
    「いい歌だな...」

    歌い終わったアニに言う

    「''想い''...それがこの歌の名前...」

    アニが呟く

    「''想い''か...ピッタリだな...」

    ガラにもなくしみじみと応える

    「あのね...私もこの歌と同じくらい...エレンの事想っているから...」

    真っ赤になりながらアニは言った

    「俺もだ...」

    カンカンカンカン

    昼時を告げる鐘が鳴る

    「帰るか...」

    もうちょっとアニといたかった...

    そう思いながらもベンチから立ち上がる

    「うん...」

    それはアニも同じのようだった...
  44. 44 : : 2016/04/02(土) 21:45:21
    いや~凄くいい!
    期待だポン
  45. 45 : : 2016/04/02(土) 21:46:51
    期待しよう
  46. 46 : : 2016/04/03(日) 13:54:23
    >>44 >>45
    ありがとうございます!

    >>43を自分的に納得できなかったので大幅に変えました!良くなったかはわかりませんが報告させていただきます!
  47. 47 : : 2016/04/03(日) 14:22:13
    「はぁ......!?調査兵団にするって?」

    アニと別れてから数時間後...俺は壁の上で驚きの声を発した

    「コニー...お前8番だろ!?前は憲兵団に入るって...」

    「憲兵団がいいに決まってるだろ...けどよ...」

    何か言おうとするコニーに代わって同じ班のトーマスが言う

    「お前の昨日の演説が効いたんだよ」

    「は!?」

    昨日の演説...ジャンと喧嘩した時のやつか?

    「い...いや!!俺は...アレだ...そうジャンだ!俺はアイツと同じ兵団に入りたくねぇだけだ!」

    弁解するコニー...それを聞いて自分の予想が正しいと確信する

    「そういえば...お前は調査兵団でいいのか...?」

    遠慮しがちにトーマスが尋ねてくる

    「何がだ?」

    「アニだよ...付き合ってるんだろ...?」

    「ああ...よくはねぇけど...ちゃんと話し合って出した結論だから...」

    昨日の会話を思い出す

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    その誓い...絶対守ってね...

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    「俺は...アニの為にも巨人を駆逐する...安心して暮らせるように...」

    そういった時

    「それだけじゃあダメだよ!」

    背後から声がかかる

    「ミーナ!」

    アニの親友のミーナだった

    「昨日の演説の時...アニ...寂しそうだったんだから...たまにはちゃんとアニにも会ってやりなよ!」

    アニが!?まぁそうか...

    素直にそう思う

    「わかってるよ...ほらさっさと作業に戻れ...!」

    口ばっかりで手を動かさない班員を促す

    その時...

    ピカッ!!!!!!!!!!!!!!




    目の前に超大型巨人が現れた.......
  48. 48 : : 2016/04/03(日) 17:24:48
    期待です
  49. 49 : : 2016/04/03(日) 17:31:59
    期待してます
  50. 50 : : 2016/04/03(日) 22:27:23
    >>48 >>49
    ありがとうございます!
  51. 51 : : 2016/04/03(日) 23:03:32
    熱とともに蒸気が襲い壁の上にいた俺達は宙に放り出される

    周りを見るとみんなパニックに陥っている

    「みんな...立体機動に移れッ!!」

    その声にみんな我を取り戻す

    一瞬後には全員壁に止まっていた

    ホッとしたのも束の間

    ドオオオォォォォォォォォン!!

    壁が破られる

    俺はその壁の穴を見つめる

    穴.......

    壁に...穴......

    奴らが...入ってくる......

    五年前と同じ......

    大事なものを...奪われる......

    前は母さん...

    今度はアニ...?

    いや違う......

    俺は...

    もうあの時とは違う......

    今度こそ...大切な人を守る......

    駆逐する......

    駆逐...してやる...

    一匹残らず...!

    「固定砲整備四班!戦闘用意!!目標目の前!超大型巨人!!」

    俺は抜刀して壁の上に登る

    「五年ぶりだな...今度は...やらせない!!!」
  52. 52 : : 2016/04/04(月) 17:15:37
    超大型巨人との戦闘の後俺は本部へ戻った

    「アニ!」

    アニを見つけて声をかける

    こんな状況では当然だろう...アニはとても暗い顔をしていた

    「エレン...私...」

    普段冷静なアニが珍しく動揺していた

    俺はそんなアニを抱きしめる

    「大丈夫...俺達はいつまでも一緒だろ...?だから俺がお前を守る...」

    耳元で囁く

    「うん...」

    心細げに呟くアニに笑ってみせる

    「安心しろ!今度こそ俺の大切なものは奪わせねぇよ!」

    その言葉にアニはビクッと体を震わせる

    「お願い...誓い...絶対に守って...」

    絞るようにアニが言う

    「ああ!勿論だ!」

    そういった時集合がかかる

    「行くぞアニ!」

    俺はアニの手を引いて集合場所に向かった
  53. 53 : : 2016/04/04(月) 17:36:02
    期待だぬ
  54. 54 : : 2016/04/04(月) 19:38:14
    >>53
    ありがとうございます!
  55. 55 : : 2016/04/04(月) 21:12:40
    キッツ「.......みな心して命を捧げよ!解散!!」

    作戦が告げられた

    解散し兵が動き出す

    中には恐怖に負け泣きわめく訓練兵も決して少なくない

    「エレン!」

    アニと別れ任務へ行こうとする俺に話しかけてくる者がいた

    「ミカサ!どうした...?」

    ミカサでも怖いのか?

    その考えはすぐに違うとわかった

    「戦闘が混乱したら私のところに来て」

    「は?」

    いきなりそう囁いてきた

    「...何言ってんだ!?俺とお前は別の班だろ!?」

    「混乱した状況下では筋書き通りには行かない...私はあなたを守る!」

    その言葉に呆れる

    「お前...さっきから何を...」

    そう文句を言おうとした俺を制してミカサは言葉を続ける

    「あなたは死んではいけない...あなたにはアニがいる...」

    その言葉にハッとする

    「私は...あなた達に酷い事をした...」

    ミカサの言う酷い事...それは...

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    一年前...俺が夕食で皆にアニとの事を報告した時...

    「まさか死に急ぎ野郎とアニが付き合うなんてな!」

    「うるせぇなジャン...何でそんなに上機嫌なんだよ...」

    「ミカサをエレンに奪われなくなったからだよね...アルレルト君...」ヒソ

    「そうだね...ボット君...」ヒソ

    「ふ...二人ともおめでとう!アニ!良かったね!」

    「ありがとう...クリスタ...」

    「お似合いだと思うよ!」

    「サンキューなクリスタ!」

    「ううん...じゃあ私はもう行くね!お休み!」

    「おう!お休み!」

    そう言って出ていったクリスタと入れ違いにミカサが入ってきた

    「エレン...どういう事...?何でそんな女狐と!」

    「ん?どうかしたのか?」

    「何であなたがその女狐と付き合うの...?」

    ミカサは今までにないほど怒りをあらわにしていた

    「めぎつね...?アニの事か...?それは...俺がアニの事が大好きだから!」

    そういう俺を無視してミカサはアニに詰め寄った

    「アニ...エレンに何をしたの...?」

    「別に何も...」

    「嘘をつくな!」

    そう言ってアニに殴りかかる

    突然の事に上手く防御できずアニはその攻撃をもろに食らう

    「やめろミカサ!!」

    俺はなおも殴りかかろうとするミカサを止める

    「エレン...あなたはその女狐に洗脳されている...今それを解いてあげるかね...」

    ミカサは俺を振りほどこうともがく

    「やめろ!!!」

    そう言って俺はアニの技でミカサを気絶させた

    その後医務室にミカサを連れていきベッドに寝かせた

    「ん...エレン...?」

    意識を取り戻したミカサが俺に言う

    「......そうだ...」

    俺は...正直混乱していた...

    「夢...?よかった...」

    そう言って微笑むミカサに...俺は言う

    「夢じゃない...俺はアニと付き合っている...」

    それを聞いた瞬間ミカサの顔が変わる

    「あの女狐...」

    「やめろ...」

    先程とは違って静かにミカサを制す

    「エレン...あなたは騙されている...」

    「騙されてなんかいない...俺はアニが好きなんだ...」

    ミカサに告げる

    「違う...違う違う違う違う違う違う違う違う」

    そう呟くミカサは...涙をこぼしていた...

    「違くない...ミカサ...」

    「何で...?」

    俺の言葉を遮ってミカサが言う

    「何でエレンは......私だって...」

    「...さっき...お前を気絶させた後...アルミンから聞いた......お前も...俺のことが...その...好きだったって...」

    「そう...私はあなたの事がずっと好きだった...!あの時...1人になってしまった私を救ってくれた時から...なのに何で...?」

    ポン

    泣きながら話すミカサの頭に手を置く

    「ごめんなミカサ...今まで気づいてやれなくて...俺も...お前のことが好きだ...」

    「なら!」

    「でも...それとは違うんだ...」

    「え...?」

    「俺は...1人の男として...アニが''好き''なんだ...お前に対する''好き''とは違う...」

    「わ...たし...は......」

    「こんな俺を好きになってくれてありがとう...そして...ごめんな...俺はアニが好きだ...」

    「......」

    「だから怒りをぶつけるなら俺にぶつけろ...アニには...何もしないでくれ...」

    俺は頭を下げた
  56. 56 : : 2016/04/04(月) 21:54:55
    いや~素晴らしいな~
    すごいです
    すごいです
    大事な事なので二回言いました(笑)
    期待です
  57. 57 : : 2016/04/04(月) 22:31:02
    「ご...めん...なさ...い...」

    ミカサが呟く

    「エ...レン...ごめんなさい...」

    「俺の方こそ...ごめんな...」

    「ごめんなさい...ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

    手で顔を覆ってひたすら謝るミカサ

    「ミカサ...もういいから...それを言うならさ...アニに言ってやってくれ...」

    俺はミカサを落ち着かせるため静かに言う

    「うん......」

    ミカサが頷く

    「じゃあ今日はここで休め...医師の先生には話通してあるから...」

    そう言って俺は部屋のドアに手をかける

    「エレン...」

    呼び止められる

    「どうした?」

    振り向く俺に...

    「おやすみなさい」

    かつてシガンシナに住んでた時のように...泣きながらだが...それでも微笑みながらミカサは言った

    「ああ...おやすみ...ミカサ...」

    俺は医務室を後にした

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    その後どうなったかはわからないが...アニとも仲直りしたらしかった...

    「私は...あの時決めた...あなたと...あなたの大切な人(アニ)を...絶対に守るって...私は...あなたの家族だから...」

    「だからなおさらだ...」

    俺は呟く

    「あの時言ったろ...!俺はお前も好きだ...だからお前も死なせたくねぇ...俺のせいでお前を死なせたくねぇ...」

    「私は...」

    「アッカーマン訓練兵!」

    駐屯兵団の服を着た男がミカサに話しかける

    「お前は特別に後衛部隊だ!付いてこい!」

    「!?私の腕では足手まどいになります!」

    「お前の判断を聞いてるのではない...避難が遅れている今は住民の近くに多くの精鋭が必要だ」

    「し、しかし―」

    「おい!いい加減にしろミカサ!」

    なおも反論しようとするミカサに怒鳴る

    「なにテメェの勝手な都合を押し付けてんだ!」

    「......悪かった...私は冷静じゃなかった...」

    そう言って下を向く

    「でも...頼みがある...一つだけ...どうか...」




    死なないで...




    俺の胸に拳を当ててミカサは言った

    「勿論だ...」

    ミカサが去っていくのを見ながら俺は思う

    死なないさ...俺は...

    こんなところで死んでられないんだ...

    俺は...アニとの約束を果たさないといけないんだから...

    誓いを...守らないといけないんだから...

    その想いと共に俺は中衛の任務に就いた
  58. 58 : : 2016/04/04(月) 22:31:48
    >>56
    二回も!?ありがとうございます!!
  59. 59 : : 2016/04/04(月) 23:29:17
    期待しよう
  60. 60 : : 2016/04/05(火) 16:20:20
    >>59
    ありがとうございます!
  61. 61 : : 2016/04/05(火) 17:37:52
    「アルミン」

    緊張した様子のアルミンに声をかける

    「こりゃあいい機会だと思わねぇか?調査兵団に入団する前によ...この初陣で活躍しとけば俺達は新兵にして...スピード昇格間違いなしだ!」

    その言葉に虚をつかれたのか

    「......あぁ...間違いない...」

    ちょっと目を見開いてアルミンが言う

    「言っとくけど二人とも...今期の調査兵団志願者はいっぱいいるんだからね!!」

    後ろからミーナが喋る

    「さっきは遅れを取ったけど今回は負けねぇぜ!誰が巨人を多く狩れるか勝負だ!」

    トーマスも絡んでくる

    「言ったなトーマス!数をちょろまかすなよ!」

    そう言い返したところで前進命令が下る

    「行くぞ!!」

    俺の掛け声とともに班員が走る

    しばらく走っていくと巨人がすぐに見える

    「なっ!?あれは...!?俺達中衛まで前衛に駆り出されている!?」

    あまりの事に驚く

    「巨人がもうあんなに...」

    「何やってんだ普段威張り散らしている前衛の先輩方は...」

    「まだ殆ど時間が経っていないのに...前衛部隊が総崩れじゃないか...」

    班員も事態に愕然とする

    その時...

    アーン

    奇行種が飛んで襲ってくる

    「奇行種だ!!!避けろッッ!!」

    咄嗟に指示を出す

    俺は上手く家の壁に付く

    そして巨人を見ると...

    トーマスがくわえられていた

    「ト、トーマス!!」

    叫ぶ声も届かずトーマスは巨人に飲み込まれた

    「ま...!!待ちやがれ!!」

    事態を理解した俺は激しい怒りにかられトーマスを食った奇行種を追う

    「よせ!単騎行動は―」

    ズキン!!!!!!!!!

    班員の声が聞こえたと思った時突然足に焼け付くような痛みがはしる

    バランスを崩した俺は屋根に激突する

    クッ!!痛い!!!

    言葉に出来ない痛みを足に感じる

    駄目だ...立たないと...

    痛みでなくなりそうな意識の中はっきりと...強く思う

    このままじゃ...死んじまう...

    アニとの...ミカサとの...約束が守れない...

    それだけは絶対に駄目だ!!

    俺は...アニのそばにいるんだ!!!

    その想いが俺を立ち上がらせる

    「うああぁぁぁぁ」

    アルミンの声が聞こえる

    アルミンを助けて...生き残る!!

    俺は立体機動で巨人の口まで移動する

    ガシ!

    アルミンの腕をつかむ

    そして放り投げる

    「エレン!!」

    巨人の口から脱出したアルミンが手を伸ばす

    「こんなところで...死ねるか......ミカサの為のにも...そして...アニの為にも!!!」

    アルミンに手を伸ばす

    「エレン!!早く!!」

    アルミンが手を伸ばすのが見えた

    このまま...離脱すれば!!

    そう思った次の瞬間...






    視界が遮られた





  62. 62 : : 2016/04/05(火) 19:07:47
    自分にはエレアニシリアス無理かな~orz
    期待です
  63. 63 : : 2016/04/05(火) 21:21:48
    >>62
    そんなことないと思いますよ!頑張って下さい!
    期待ありがとうございます!
  64. 64 : : 2016/04/05(火) 21:44:36
    ベチャ

    俺は巨人の胃に落ちた

    「ああああ...!?」

    周りの死体を見て驚く




    みんな...食われたのか...?俺も...?




    「こんな......」




    思わず声に出る




    左手は食われてなくなり代わりに猛烈な痛みが襲う




    こんなハズじゃ...




    俺達は...俺は五年前とは違うんだ...




    必死に訓練した...必死に考えた...




    こいつら(巨人)に勝つために...奪われないために...そして...




    大切な約束を...誓いを守るために...




    「お母さん...熱い...熱いよ...」ブクブク

    まだ息の残っていた兵が呟いて沈んでいく




    どうしてこうなる...どうして俺達は奪われる...どうして邪魔をされる...




    「うっ...あぁぁ...」ポロポロ




    アニとの約束を守れなくなってしまう自分が情けなく思える




    なにも出来なかった自分がどうしようもなく無力に思える




    「チクショウ...チクショウ!!」




    俺は沈みながらも巨人の食道になくなった左腕を伸ばす




    「あ...諦めて...たまるか...駆逐してやる...この世から...一匹残らず...俺が...この手で...」




    そして...アニとの約束を............




    ............




    .........




    ......




    ...




    .
  65. 65 : : 2016/04/05(火) 21:55:18
    期待しよう
  66. 66 : : 2016/04/06(水) 07:22:55
    >>65
    ありがとうございます!
  67. 67 : : 2016/04/06(水) 08:04:19
    文章力あり過ぎ!
    めっちゃ楽しみ!
  68. 68 : : 2016/04/06(水) 16:24:28
    次に意識が戻った時...俺は多くに兵に囲まれていた...

    生きていられたことへの安堵と...人間に殺されることへの恐怖で...正直あの事は覚えてない...

    けど...一つだけ確かな事は...

    俺は生き残れた...

    アルミンの...ミカサの...ピクシス司令の...父さんの...そして...

    アニのおかげで...

    アニがいなかったら...あの時諦めてしまっていたかもしれない...

    アニの存在が...俺の運命を変えたのは確かなことだった...


    意識が戻った数時間後...

    俺は壁の上を走っていた

    壁の穴を岩で塞ぐ

    人類の存亡をかけた戦いのために

    先程のピクシス司令の言葉を思い出す

    「巨人が出現して以来人類が巨人に勝ったことは一度もない...巨人が進んだ分だけ人類は後退を繰り返し領土を奪われ続けてきた...」

    「しかしこの作戦が成功した時人類は初めて巨人から領土を奪い返すことに成功する...その時が人類が初めて巨人に勝利する瞬間であろう...」

    「それは人類が奪われてきたモノに比べれば小さなモノかもしれん...しかしその一歩は我々人類にとっての...大きな進撃になる」

    その一歩を...俺がやらなくてはならない...

    人類の為にも...アニの為にも...

    ガリッ

    空中でさっき砲弾を受け止めたように自傷する

    そして...再び意識が飛んだ
  69. 69 : : 2016/04/06(水) 16:25:42
    >>67
    いや...自分はまだまだですよ...w
    ありがとうございます!
  70. 70 : : 2016/04/06(水) 22:05:17
    学校が始まったので更新が遅くなると思いますが一日一回は更新していきますので引き続きよろしくお願いします!
  71. 71 : : 2016/04/07(木) 22:48:08
    「起きてくれよエレン!?」

    左腕に激痛を感じ意識を取り戻した俺はぼんやりとアルミンの声を聞いた

    「ここにいるんだろう!?エレン!?このままここにいたら巨人に殺される!!ここで終わってしまう!!」

    必死にアルミンが叫んでいるが理解出来ない

    「だから何言ってるかわからねぇよアルミン...」

    シガンシナの家の中で俺は毛布にくるまっている

    こんなにここは快適なのに...

    「なんで外に出なきゃいけないんだ...どうして...調査兵団なんかに...」

    俺は呟く










    君はアニを守るんだろ...?アニの傍にいるんだろ…?










    そっと言われたその言葉に...俺の意識は完全に覚醒する...

    「アニと誓ったんだろ...?」

    俺は立ち上がる

    「エレン...答えてくれ...誰もが簡単に命を落とすこんな時代に...どうして君は想いを伝えたんだい...?」

    わかりきった質問...

    でも改めて自覚する...

    「どうしてだって...?そんなの...決まってんだろ...」









    俺が!!アニを愛してるからだ!!こんな時代でも一緒に生きたいと思ったからだ!!










    シュウウゥゥゥゥゥ

    傷が回復していく

    そして岩を持ち上げる




    人類の進撃の為に...愛する人の為に...

    俺は踏み出す!!



    ズシン...ズシン...




    一歩進む度岩の重みがのしかかる

    体が...グチャグチャに潰れそうだ...




    ふと下を見ると人影が二つ見える



    ミカサ...アルミン...

    何している...そんなところ歩いてたら...巨人の餌食に...



    さっきのアルミンの言葉を思い出す



    「誰もが簡単に命を落とすこんな時代に...どうして君は想いを伝えたんだい...?」



    俺達は皆...生まれた時から自由だ...それを拒む者がどれだけ強くても関係ない...



    誰かを愛して...愛されて...そんな暮らしができる者は...この世界で完全な自由を手に入れた者だ...



    戦え!!



    その人を守るためなら...命なんか惜しくない...



    どれだけ世界が恐ろしくても関係ない...



    どれだけ世界が残酷でも関係ない...


    戦え!!


    戦え!!!!!


    ドオオォォォォォン!!!



    黄色い煙弾が上がる

    それを確認して俺の意識は遠のきそうになる

    迫り来る二体の巨人が視界に入った...と思いきやうなじの肉が宙に舞う

    その二体を倒した人物が背中を向ける

    自由の...翼...

    「おい...ガキども...これは...どういう状況だ?」

    その声を聞いた所で意識が消えた
  72. 72 : : 2016/04/08(金) 07:20:20
    エレンかっちょいい~!
    Super kitai!(笑)
  73. 73 : : 2016/04/09(土) 17:29:42
    >>72
    ありがとうございます!

    遅くなりましたが続き書いていきます!
  74. 74 : : 2016/04/09(土) 18:00:46
    トロスト区内に閉じ込めた巨人の掃討戦には丸一日が費やされその間壁上固定砲は絶えず火を吹き続けた

    壁に群がった巨人の殆どが榴弾によって死滅し...僅かに残った巨人も主に調査兵団によって掃討された...その際巨人二体の生け捕りに成功する

    「君が昏睡状態だった三日間に起きたことはこのくらいか...エレン何か質問はあるか?」

    調査兵団実行部隊のトップ...エルヴィン団長と人類最強と呼ばれるリヴァイ兵長が俺に向き合っている

    「あ...あの...ここはどこですか?」

    手は鎖で拘束されジャラと音を立てる

    「見ての通りだが地下牢とだけ言っておこう...今君の身柄は憲兵団が請け負っている...先程ようやく我々に接触の許可がおりた」

    淡々と述べるエルヴィン団長に少し不安になる

    「これからどうなるんですか!?あと...俺と一緒にいた訓練兵や俺と関わりの深い訓練兵は!?」

    「話は聞いているよ...あの二人や...君の恋人にも...それだけじゃなく君の過去を知るもの全てにね」

    恋人にも話を聞いた...

    じゃあアニは無事だったのか...!

    その事に安堵を覚える

    「これから我々がする事はあまり今までと変わらないな」

    そう言ってエルヴィン団長は鍵を取り出す

    「あ...その鍵は...」

    「ああ...君の持ち物だ...後で返すよ...」

    鍵を見せたままエルヴィン団長は続ける

    「君の生家...シガンシナ区にあるイェーガー医師の家の地下室...そこに巨人の謎がある...そうだね?」

    「はい...おそらく...父がそう言ってました」

    思い出した記憶...それは理由のわからないものだった...

    でも...一つだけわかることがある...

    俺のこの力で...アニを救うことが出来た...

    アニも俺も生きている...





    よかった...





    ひたすらそれしか湧いてこない

    「おい...さっさと答えろグズ野郎...お前がしたい事は何だ?」

    リヴァイ兵長が問う

    話はあまり聞いていなかったが...その質問には答えられる...

    そんなの決まっているから...

    「調査兵団に入って...とにかく巨人をぶっ殺したいです!」
  75. 75 : : 2016/04/10(日) 20:11:03
    「すいません便所に...」

    「さっき行ったばかりだ」

    「......水を下さい」

    「おい...立場をわきまえろ...化け物め...」



    エルヴィン団長達が帰ってから数時間が経ち俺は地下牢で化け物扱いを受けていた




    確かにそれは間違いじゃないんだろうけど...




    ジャラ

    手についた鎖が鳴る




    ここまで拘束するほど怖いのか...俺が...




    まぁ無理もないか...俺にも訳がわからないんだから



    殺されていないだけマシなのかもしれない



    恐怖にかられていた駐屯兵団の部隊長の顔を思い出す



    ......化け物



    アニはどう思っているんだろう…



    流石に...別れてくれって言われるだろうな...



    いやそもそも話すことすら...もう叶わないかもしれない...



    それでも...



    俺はアニの為に戦おう



    惚れた女を...守り続けよう...



    今何をしているんだろうか...?



    お前に会いたい...


    アニ...



    バタン!

    突如看守をしていた二人の憲兵が倒れる

    ギィーーコツコツコツ

    人が入ってくる音がする

    「やっと効いてくれた...」

    そう言って現れたのは

    「アニ!?」

    俺の彼女だった
  76. 76 : : 2016/04/11(月) 22:47:40
    「大丈夫かい?エレン?」

    アニが格子を掴む

    「ああ...お前は...?」

    「私も大丈夫だよ...」

    そう言って俺を見つめる目は微かに赤かった

    「ひとまず誓いは守ってくれたみたいだね…」

    少し嫌味っぽく言うのは変わってない

    けど無理をしてるのが丸わかりだった

    「ああ...お前も無事でよかった...けどどうしてお前がここに...?」

    アニはそれには答えず懐から鍵を取り出して牢屋を開ける

    「おま...何を...!?」

    扉を開けたアニはそのまま牢屋に入って俺に抱きつく

    「よかった...本当に...」

    そう言って静かに涙を流す

    「アニ......」

    鎖を鳴らせながら優しくアニを撫でる

    「アルミンから......ミーナも...エレンも死んだって聞いて...私...どうしたらって...」

    アニの親友だったミーナ...



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    たまにはちゃんとアニにも会ってやりなよ!

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



    その言葉を思い出す

    「悪かった...」

    そんな言葉が口をつく

    「俺が...班長として...もっとしっかり...してれば...」

    「そんなことないよ」

    俺の言葉を遮って言う

    「エレンは悪くなんかない...だから泣かないで...」

    その言葉で俺は暖かいものが頬を伝ってることに気づく

    「守れなかった...俺達の大切なものを...」

    アニの親友を...俺のかけがえのない仲間達を...

    「でも...エレンが生きていてくれてよかった...」

    アニはそう言って一層強く抱きしめる

    「エレンが生きていてくれるなら...私は...」

    「ミーナが言ってたんだ...もっとアニを大切にしろって...アニにもちゃんと会ってやれって...」

    今度は俺がアニの言葉を遮る

    「俺が...ミーナの分まで...お前のために生きてやる...お前を大切にする...」

    失ったものたち...

    彼らの残した想いは...俺に力をくれる...

    「ありがとう...」

    いつものアニらしくない素直な答えが帰ってきた
  77. 77 : : 2016/04/11(月) 22:52:28
    こーゆーエレアニ最高ですよね
    期待です
  78. 78 : : 2016/04/12(火) 22:54:37
    >>77
    ありがとうございます!
  79. 79 : : 2016/04/12(火) 23:13:14
    「そういえば...お前...いいのか...?」

    落ち着きを取り戻した俺はそんなことを呟く

    「何が...?」

    目をまだ少し濡らしながらアニが聞く

    「俺は...その...巨人に...だから...」

    当然返ってくるであろう答えを...仕方ないと割り切っていてもなお体が正直に答える

    直接言いたくない......俺から言わなければ......もしかしたら......

    そんな淡い考えが浮かぶ

    でも...

    「アンタが巨人だってこと?」

    察したようにアニが言う

    「ああ...」

    拒絶を覚悟して俺はアニの言葉を待つ

    「別に気にしちゃいないよ」

    アニから発せられた言葉は俺の想像を超えた

    「え...?」

    驚いている俺にアニが続ける

    「デートの時にも言ったでしょ...?」










    私はどんなエレンも好きだよって...










    あの時のアンタの言葉...そっくりそのまま返すよ...










    例え世界の全てを敵に回しても...私だけはエレンの味方だから...










    俺の手を強く握りながらアニが言った

    「いいのか...?」

    そう聞く俺に

    「くどいね...良くなかったら私はこんな所に来てないよ...」

    ちょっと怒ったように言う

    「ありがとう...」

    俺は再びアニを抱きしめるのであった
  80. 80 : : 2016/04/13(水) 18:53:20
    ギィーーコツコツコツ

    また足音が近づいてくる

    「アニ!そろそろ...」

    静かな声でそう言ったのは...ミカサだった...

    「今クリスタが見張っててくれてるから急がないと」

    「ミカサ...なんで...?」

    そういう俺にミカサが少し微笑む

    「ミカサとクリスタと団長さん達が手伝ってくれたの」

    アニがそう言う

    「エルヴィン団長が?」

    「ああ...エレンを牢から連れ出さない事を条件にね...」

    「アニ!急がないとそろそろ交代が来る!」

    ミカサが急かす

    「そうか...アニ...ありがとう...」

    俺が言うと...

    「それは出てきてから...ミカサとクリスタにも言ってね...」

    そう言ってアニは出ていった
  81. 81 : : 2016/04/13(水) 20:36:29
    アニたちが出ていった後何事も無かったかのように静寂が残った

    薬を盛られた見張りはただの居眠りで片付けられた

    数日後...

    俺の身柄を巡る裁判が行われた

    そして...

    エルヴィン団長の思惑通り俺は調査兵団に所属する事となった



    その数日後...

    訓練を終え俺達リヴァイ班は拠点の城に帰ろうとしていた

    すると馬小屋で見慣れた人影が見える

    「......あいつら」

    昨日は誰が残ったのかまでは見れなかったけど...本当に調査兵団に...

    確かミカサは調査兵団に...お礼言っとくか...

    そう思って先輩のオルオさんに声を掛ける

    舌打ちをされながらも許可をもらった俺は同期の元へと向かった

    「おい!」

    そう言うとみんな振り返る

    「エレン!」

    アルミンが真っ先に声を上げる

    「何か酷い事はされなかったの?体を隅々まで調べ尽くされたとか精神的な苦痛を受けたとか」

    「ね...ねぇよそんなことは」

    ミカサの詰問に少したじろぐ

    「...あのチビは調子に乗りすぎた...いつか私が然るべき報いを...」

    「...まさかリヴァイ兵長のことを言ってるのか?」

    人類最強への余りにも酷い言い草に呆れる

    「エレン!」

    コニーが声をかけてくる

    「!お前らも調査兵団になったのか?」

    その後ろにいるサシャやクリスタ、ライナーたちを見て言う

    「って事は憲兵団に行ったのはアニとマルコとジャンだけであとは皆駐屯兵団かそれ以外ってことか...」

    そう言うと皆が少し曇った顔をする

    「ん?」

    「私はいるよ...」

    更に後ろから声を掛けられた

    皆をかき分けて進み出てきたのは...

    アニだった...
  82. 82 : : 2016/04/13(水) 20:51:14
    おおっ!めっちゃ期待なんだけどww
  83. 83 : : 2016/04/13(水) 21:44:41
    >>82
    ありがとうございます!
  84. 84 : : 2016/04/13(水) 23:08:36
    「アニ!?何でお前がここに!?」

    俺は驚きのあまり大声で怒鳴る

    「そんなに怒鳴らないでよ...私が決めたからだよ...」

    「でもお前は憲兵団に...ここは危険なんだぞ!?」

    アニが来てくれたことへの喜びは危険な所へ来たことへの怒りに消される

    「そんなの百も承知さ...それでも私はここを選んだ...」

    「なんで!?」

    並々ならぬ決意を感じても...それでも問う

    「エレン!!女の子が危険を承知で男の子の所へ行くのはその人を好きだからに決まってるでしょ!」

    クリスタが横から口を出す

    「それ以外に理由なんているの!?」

    「クリスタ...ありがとう...もういいよ...」

    アニがクリスタを制す

    「良くないよ!!アニがどれだけ苦しんでこの選択をしたのか分かってあげなよ!!」

    「いや...でも...!」

    「私は...!」

    反論しようとした俺をアニが遮る




    エレンの帰りを...ただ待つなんて耐えられない...



    またミーナみたいになるんじゃないかって...



    言ったでしょ...?



    エレンが死んだって聞いた時...



    どうしたらいいかわかんなくなった...



    もうあんな思いしたくない...



    一緒にいたい...



    そう思ったの...



    「だから私は調査兵団を選んだ...」

    アニが真っ直ぐ俺を見る

    俺はその瞳に返す言葉が見つからなかった
  85. 85 : : 2016/04/13(水) 23:09:09
    ちなみにマルコは死ななかったのでジャンとともに憲兵団です
  86. 86 : : 2016/04/14(木) 09:50:25
    刹那さんのオリジナルストーリー!
    期待してます!
  87. 87 : : 2016/04/14(木) 23:01:22
    >>86
    ありがとうございます!
  88. 88 : : 2016/04/14(木) 23:17:14
    同期と別れて城に帰った後俺は自分の部屋で先程のことを考えていた

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    「アニがどれだけ苦しんでこの選択をしたのか分かってあげなよ!!」
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    クリスタの言葉が蘇る

    「そんなの...わかってるさ...」

    一人しかいない地下室で俺は一人呟く



    俺だってアニと一緒にいたい...



    でも...



    そのせいで...そんな事には絶対なって欲しくない...



    「クソッ...」



    思わず毒づく

    ギィーー

    その時部屋のドアが開き同じリヴァイ班のペトラさんが入ってくる

    「エレン!夕食だから来て!」

    その声を聞いてドアへ向かう俺にペトラさんが言う

    「なんかあったの?」

    「......いや何でもないです...何でですか?」

    そう聞き返す俺に

    「何か...思いつめた顔をしてたから...」

    そう答える

    「あんまり抱え込んじゃダメだよ?私達も仲間なんだから!ちゃんと頼りなさい!」

    その言葉に...

    気づいたら俺は全部ペトラさんに話していた
  89. 89 : : 2016/04/15(金) 07:25:04
    ペトラさん結婚して下さい
  90. 90 : : 2016/04/15(金) 22:36:18
    >>89
    ペトラ「ごめんね!わたし...もう決まった人がいるの///」テレテレ
  91. 91 : : 2016/04/15(金) 22:41:39
    >>90誰ですか?教えて下さい(ソイツ殺すから)
  92. 92 : : 2016/04/15(金) 23:15:30
    「そうか...恋人が自分を追って...ね...」

    話を聞き終えたペトラさんが呟いた

    「俺は...我侭かもしれないですけど...アニには安全な所にいて欲しいんです...」

    素直に言えなかった本音...

    命を常に賭ける調査兵団に...いて欲しくない...

    「うーん...それでもさ...」

    ペトラさんが少し考えて言った

    「それは彼女も一緒なんじゃない...?」

    「そんなことわかってますよ!!」

    有りきたりな言葉に思わず怒鳴ってしまう

    「でも...もうどのみちそれは叶わない...この力を...俺は人類の為に使わないといけない...」

    引き返せない現実

    どうしようもないくらい苛立ちが湧く

    「私の話をしよっか!」

    ペトラさんが調子を変えて言った

    「私はね...リヴァイ兵長と付き合ってるの!」

    少し照れたように下を向く

    「でも兵長も私も...仮にも精鋭って言われてるから当然巨人との戦闘は多いわ…」

    「でもね...兵長は私に調査兵団をやめてほしいなんて言ったことはないのよ...」

    「え...!?何でですか...?」

    驚いて質問する

    「私も気になってね...それを聞いたら...」





    俺がお前を絶対に守る...例えどんな状況でも...





    「そう言ってくれたのよ///」

    「守る...?」

    「そう!流石兵長って感じでしょ?あ...そうじゃなくて...私が言いたいことは...」








    一緒に居て...一緒に戦ってあげなよ...








    「一緒に...?」

    「そう...お互いに守って守られて...それなら大丈夫じゃない?」

    ペトラさんの提案に虚をつかれる

    「私も兵長とそうしてるんだ!」

    嬉しそうに言うペトラさん

    「そう...ですね...」

    お互いに助け合う...

    それなら......

    視界が開けたような感じがする

    「おい...ペトラ...何をグズグズしてるんだ...」

    噂をすればなんとやら...リヴァイ兵長が入ってきた

    「あ...すいません...兵長...」

    俺が謝る

    「チッ...行くぞ...」スタスタ

    「はい」スタスタ

    先を行く兵長にペトラさんが並ぶ

    その姿に...

    俺は''幸せ''を垣間見た...
  93. 93 : : 2016/04/15(金) 23:16:33
    >>91
    リヴァイ「ほう...やるか...?」ポキポキ
  94. 94 : : 2016/04/16(土) 00:05:52
    >>93や...りません
  95. 95 : : 2016/04/16(土) 11:21:21
    リヴァイかっこいい!
    ペトラを死なせるなよ!
  96. 96 : : 2016/04/16(土) 13:49:48
    >>95
    リヴァイさん良いですよねー
    コメントありがとうございます!


    ラストが定まったので今日明日あたりでこの作品は書き上げたいと思います!他の作品の更新が遅れるかも知れませんがご承知下さい!
  97. 97 : : 2016/04/16(土) 14:30:30
    一ヶ月後...

    壁外調査前日...

    俺は準備を終えカラネス区の夜の公園で待ち合わせをしていた

    「ごめん...待った...?」

    いつかのようにまたアニが駆けてくる

    「全然...今日もお疲れ様」

    労いの声をかける

    「そう...」

    「じゃあ行くか!」

    俺はアニの手を握って歩き出す

    今夜...俺達は食事にでかけた

    あの日に会って以来まともに話すのは一週間前に今日の約束を取りつけた時くらい...

    少し気まずいが俺達はしばらく歩いてやがて静かなレストランに入る

    「いよいよ明日か...」

    席に座り俺が話しかけた

    「あのさ...その...この前は悪かったな...」

    まず...この一ヶ月間言えなかった事を言う

    「お前の気持ちはわかるよ...俺も同じ気持ちだから...だから.........」















    一緒にいよう...















    ペトラさんの言葉を聞いて...リヴァイ兵長とペトラさんを見て...

    そして自分に問うて...

    でた自分の答えを...本当にしたいことを言う

    「俺の班の人が言ってたんだ...守って守られて...それができる二人なら...大丈夫だって...」

    「俺がお前を守る......だから...俺を守ってくれないか...?」

    「......やっと気づいてくれたみたいだね...」

    フッっと微笑みながらアニが言う





    私は最初からそのつもりだよ...





    「アンタも何でも抱え込まないでよ...私がいるんだから...」

    「ああ...そうだな...」

    ふふふと顔を見合わせて笑い合う

    そのアニの笑顔を...

    絶対に守りたいと思った
  98. 98 : : 2016/04/16(土) 14:31:01
    期待しています
  99. 99 : : 2016/04/16(土) 14:57:00
    「第57回壁外調査を開始する!!!前進せよ!!!」

    翌日...調査兵団は扉をくぐって壁外へ出発した

    初めての巨人領域に俺は震える

    壁を出てすぐの市街地に巨人が現れ援護班が応戦する

    その横を俺達は通り過ぎていく

    アイツらを殺す...

    この世から...一匹残らず...

    その為の前進...

    もう俺は...二度と足を止めるまい...

    アニと共に...どこまでも行ってやる!!

    生き残って...誓いをはたす...!!
  100. 100 : : 2016/04/16(土) 14:57:21
    >>98
    ありがとうございます!
  101. 101 : : 2016/04/16(土) 15:10:35
    さてこの先どうなるのか、期待です
  102. 102 : : 2016/04/16(土) 15:28:05
    目的地である旧市街地にたどり着いた俺達は兵站拠点の設置を始める

    木材で櫓を組んで見張りを立てある程度の範囲を囲み周りに泥や石を混ぜた物を流し込んで簡易的な壁を作る

    これが今回の兵站拠点造りの流れ

    その予定通り作業は進んでいた

    しかし...異変は突然起こる...

    ドォォォォォン!!

    四方から煙弾が上がる

    警戒中の索敵班だ

    「な...全方角から...!?」

    驚いているのも束の間見張り台からミケ分隊長が降りてくる

    「エルヴィン...数が多いぞ...」

    ミケ分隊長が告げたその言葉にエルヴィン団長がすぐに信煙弾をうつ

    撤退

    その色の信煙弾を確認した全ての調査兵がすぐさま馬に跨り壁に向かう

    「陣形を乱すな!!」

    そう叫んでエルヴィン団長が索敵班と交戦している巨人の群れに突っ込んでいった

    「エレン...巨人の力は私達がいいって言うまで使っちゃダメだよ...出来るだけ逃げ回ってなさい...」

    隣を駆けるペトラさんが俺に念を押す

    「いやでも!」

    「守るんでしょ?彼女を...その為の力はとっておきなさい...」

    その言葉に何も言い返せず俺は巨人の群れに突っ込んでいった
  103. 103 : : 2016/04/16(土) 15:41:56
    >>101
    ありがとうございます!
  104. 104 : : 2016/04/16(土) 20:53:56
    調査兵団の叫びと巨人の足音が飛び交う中俺達リヴァイ班はひたすら先へと進む

    情報によると新兵は全員既に退却したとの事だった

    しかし...次々と喰われていく調査兵...

    「クッ...兵長!俺達も応戦しないと!!」

    周りの人が次々と喰われていく様子に俺は耐えきれずに叫ぶ

    「ダメよ!!みんなあなたの為に戦ってるのよ!?それを無下にしちゃいけない!」

    ペトラさんが代わりに答える

    「しかし!!」

    「これは命令よ!!私達はあなたを死守する!!」

    「エレン...やりたきゃやれ...」

    諦めたように兵長が言う

    「兵長!!」

    「俺にはわかる...コイツは本物の化け物だ...<巨人の力>とは無関係にな...」

    兵長はペトラさんを無視して続ける

    「どんな檻に閉じ込めようとも...こいつの意識を服従させることは誰にもできない...」

    「だから選べ...自分を信じるか...俺やこいつらを信じるかだ...」

    「俺にはわからない...ずっとそうだ...自分の力を信じても...信頼に足る仲間の選択を信じても...結果は誰にもわからなかった...」

    「だから...まぁせいぜい...悔いが残らない方を自分で選べ...」

    その言葉に俺は轡を握る俺の手を見る

    俺のために人が死んでいる

    それを止めたい...

    けどそれまでに死んだ人は...?

    それで俺がもし死んだら...

    そんな事許されない...

    人類にも...


    アニにも...


    「エレン!!」

    ペトラさんが叫ぶ

    「信じて!!!」

    「エレン!遅い!!さっさと決めろ!!」

    リヴァイ兵長の声を聞いた時

    俺は決断した





    進みます!!!





    ドドドドドド

    俺達は巨人の群れを抜ける

    背後で調査兵が戦う音がするが俺は振り返らない

    アニの為に...人類の為に...生き残らなくてはならないのだから...
  105. 105 : : 2016/04/16(土) 22:52:50
    巨人が集中しているせいかそこを抜けてからは巨人のきの字も見えないほどに静かだった

    「エレン...私達を信じてくれてありがとう」

    ペトラさんが俺に話しかける

    「いえ...俺は...」

    「あなたがこうして生き残れば...散っていった仲間も喜ぶわ...」

    少し俯きながら喋るペトラさんに改めて自分の重みも感じる

    「それにあなたの彼女もね!」

    その言葉にアニの事を思い出す

    この様子なら...逃げきれたかな...?

    「おい...お前ら...気を抜くな...」

    リヴァイ兵長から怒られる

    「すいません!」

    謝り気を引き締めた次の瞬間

    ドシンドシンドシンドシン...

    前方から巨人の大群が現れた
  106. 106 : : 2016/04/16(土) 22:55:31
    期待です
  107. 107 : : 2016/04/16(土) 23:13:28
    >>106
    ありがとうございます!

    今日はここまで!明日用事と予習があるので終わらないかも...まぁがんばって仕上げます!
  108. 108 : : 2016/04/17(日) 08:30:55
    もう何分...いや何十分たっただろう...?

    俺達はひたすら巨人と戦い続けていた

    「チッ...数だけは多いな...」

    オルオさんが叫ぶ

    「兵長の真似はやめて!!」

    ペトラさんも叫ぶ

    その様子から察するにまだまだ余裕がありそうだ

    「流石リヴァイ班だ...」

    あまりの姿に俺は驚嘆する

    長い時間戦闘しているのにも関わらず誰一人として死んでない

    だがそれでも巨人の数は減ったようには見えない

    「チッ...埒があかねぇ...エレン!!行け!」

    リヴァイ兵長が叫ぶ

    「ここは俺達に任せろ!!」

    エルドさんも叫ぶ

    「いや...でも...」

    そう叫んだ時思い出す

    俺は...仲間を信じる決断をした...

    なら...信じ切るしかない...

    「兵長!エレンの護衛に!」

    ペトラさんが叫ぶ

    「そうです!こんなひよっこ一人じゃ安心できません!」

    オルオさんも声を張り上げる

    「いいだろう...お前達の判断を信じる...」

    兵長は馬に戻る

    「行くぞ!エレン!」

    駆け出す兵長についていく

    「我が班の勝利を信じています!!ご武運を!!」

    俺は叫ぶ

    「道を開くぞ!」

    グンタさんの声がけでリヴァイ班は一斉に巨人に襲いかかる

    ズバッザクッジャキンッ

    一直線上に巨人が倒れる

    そこを駆け抜け俺とリヴァイ兵長は巨人の群れから脱出する

    このまま...!

    そう思った時リヴァイ兵長の言葉を思い出す




    結果は誰にも分からなかった...




    嫌な予感を感じ後ろを振り向く


    その時...



    俺は見た...




    ペトラさんが...





    空中で食われる所を...
  109. 109 : : 2016/04/17(日) 21:29:29
    「ぺトラ!!」

    リヴァイ兵長の叫ぶ声が聞こえる


    嘘だ...どうして...


    そんな考えだけが頭の中を渦巻く

    「よくもペトラを!!」

    「この野郎!!!」

    リヴァイ班の面々はペトラさんの死を怒りに変え巨人を切り刻む

    しかし...体力的に既に疲弊していた彼らは...

    ペトラさんの死によってその調子を完全に狂わせた

    俺は呆然と見つめる



    次々と仲間が喰われていくのを...



    次の瞬間...俺の中を渦巻いていた気持ちは...

    後悔へと姿を変え...

    更に怒りに火をつけた


    俺が...選択を間違えたせいで...皆死んだ...


    俺が...戦わなかったせいで...


    俺が...!


    でも...お前らは許せない...

    「駆逐...してやる...」

    俺は馬を返して再び巨人の群れに突っ込む

    「エレン!!」

    リヴァイ兵長の声が聞こえるが無視する

    「この...クソ野郎!!」ガリッ

    俺は巨人化した

    そして次々と巨人を屠る



    オマエラガ...オマエラノセイデ...



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    一緒に居て...一緒に戦ってあげなよ...
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    悩んでた俺に...手を差し伸べてくれた恩人を...




    「ウオオオォォォォォォォォォォォ!!!!!」




    俺の咆哮が辺りに広がる


    クチクシテヤル......コノヨカラ......イッピキノコラズ......
  110. 110 : : 2016/04/17(日) 21:36:59
    文章力すげぇ
    期待です
  111. 111 : : 2016/04/17(日) 22:28:15
    戦い続けること更に数十分...

    未だ巨人の数は減らず後ろからも調査兵団は来ない...

    全滅した...

    そう思って普通は絶望するこの状況で俺達は戦い続けていた

    しかし俺の巨人化も長い間使える訳では無い...

    プシュゥゥゥ

    うなじから出た俺は立体機動で巨人に立ち向かう

    よくも...よくも...よくも...

    「エレン!!退却しろ!!」

    リヴァイ兵長が叫ぶ

    「嫌です!もう...俺は逃げない!戦います!!」

    そう言いつつも俺も実戦経験のないただの新兵...

    巨人の一頭もロクに倒せない

    そんな事実に苛立つ

    「クソッ...クソッ...クソッ...!」

    飛び回る俺の目に空に登る一筋の煙が映る






    それは...

    救出部隊だった







    「エレン!!!」






    聞きなれた声が聞こえる







    救出部隊の先陣...






    そこにいたのは...






    アニだった...





    「アニ!!どうしてここに!?」

    馬から立体機動に移って俺の元に飛んできたアニに問う





    「言ったでしょ!?」















    私はあなたを守る!















    そう言って周りの巨人に切りかかる

    それを皮切りに続々と救出部隊が攻撃を始める



    「エレン!!逃げて!!」


    アニが叫ぶ


    俺が最も信用できる人の言葉に


    俺は頷きそうになる


    その時...


    さっきの光景を思い出す...


    ダメだ...




    アニをあんな目には...




    「俺も戦う!!」


    叫ぶ俺にアニは驚く


    「エレン!!」


    その声すら無視して俺は標的に狙いを定めアンカーを放つ















    カチッ...















    引いたトリガーは虚しく音をたて...















    俺は落ちていく...















    「エレン!!!!!」















    その叫びが聞こえたと思った次の瞬間















    俺は誰かに蹴飛ばされる















    そして盛大に地面に叩きつけられた















    俺が見上げると...















    巨人の手に......















    アニが握られていた















    苦しそうにもがくアニの元へ...と立体機動を使おうとするが















    動かないそれにガス切れだと遅れて気づく...















    なら...!!















    そう思い手を噛み切るも巨人化できない...















    「やだ...やめろ...!やめろぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」















    そう叫ぶ俺の声も届かずアニはゆっくりとその口へと運ばれる















    その時...















    全てがスローモーションに見えた















    俺を捉えていた綺麗な瞳は真っ赤に染まり















    全身から血が吹き出る















    彼女は巨人の口に消え...















    彼女を喰った巨人の喉が''それ''を物語る















    「ぁぁ.........あぁ............」














    言葉にならない叫びをあげて俺は崩れ落ちる















    「エレン!!行くぞ!!」















    俺は兵長に馬に引き上げられその場から去る















    「あぁ...ぁぁぁ......」















    俺の意識が飛んだ
  112. 112 : : 2016/04/17(日) 22:31:24
    アニィ...グスッ

    期待...
  113. 113 : : 2016/04/18(月) 07:01:40
    気づいたら俺は知らない天井を見上げていた





    「エレン!!」






    隣から幼なじみの声が聞こえる






    「よかった...」





    俺が辺りを見渡すと金髪の少年と黒髪の少女が見える





    そして...





    いるはずの一人がいないことに気づく





    「あ...れ...?アニ...は...?」





    そう呟くと





    俺のそばで泣いていた少女が顔を上げる





    「エ...レン......アニ...は......」





    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    「やだ...やめろ...!やめろぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





    「ガハッ!」





    ミカサの言葉に気を失う直前の記憶が蘇る





    「エレン!!?大丈夫!?」





    思わず咳き込んだ俺にアルミンが声をかける















    アニが......















    死んだ...?















    「ぁぁぁぁ.......」





    声にならない呻きをあげる





    「嘘だ......嘘だぁ......!」










    なんで......なんで......










    絶対になにかの間違いだ......










    「エレン...」










    ミカサが固く握りしめる俺の拳を握る










    俺はそれを振り払った










    「違う...アニは生きてる...」










    だからそんな目で見ないでくれ...










    「探しに...行かなくちゃ...」










    ベッドから出ようとしたところで体中に痛みが走る










    「エレン!ダメ!あなたの体はまだ動けない」










    思わず呻く俺にミカサが言う










    「でも......アニは......」










    そういう俺に...










    アルミンの拳が飛んできた










    「エレン...いい加減にして......アニは...」















    死んだんだ...















    静かに言う










    「アルミン!!」










    咎めるようなミカサの声が聞こえるが俺の頭はアルミンの言ったことでいっぱいだった










    「ううぅぅぅ......」










    俺の目から涙が溢れ出た
  114. 114 : : 2016/04/18(月) 07:34:47
    ゲスミン黙れ
  115. 115 : : 2016/04/18(月) 18:45:47
    俺はそのまま数日間死んだようにベッドで過ごしていた

    ミカサやアルミンは毎日来てくれたが...正直誰とも会いたくなかった




    アニ以外に...会いたい人なんていない...




    俺は再び立ち止まってしまった

    寝ることしかできない俺は毎日アニとの事ばかり思い出す



    訓練の時のこと...


    デートの時のこと...


    取るに足らない何気ないことも...



    俺はその度に咽び泣く










    何が...守るだ......守られて...失っただけじゃねぇか......










    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    お前の母さんを助けられなかったのは...お前に...力がなかったからだ...
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    かつて俺に向けられた言葉...



    それを思い出し自分の無力さを呪う




    弱いヤツは...泣きわめくしかないのか...










    やりきれない気持ちを抱えどうすることも出来ない















    ガシャン!










    日が暮れそうになる頃...一人の男が俺の病室に入ってくる




















    「リヴァイ...兵長...」




    人類最強の男が部屋の入口に佇んでいた
  116. 116 : : 2016/04/18(月) 19:00:20
    >>114
    コメントは非常にありがたいのですがそういう発言はなるべく控えて頂ければ嬉しいです!
  117. 117 : : 2016/04/18(月) 20:13:00
    その冷徹な目が俺を捉えている



    「残念だったな......」



    固く噛み締めた口を開く



    「い......え.........」



    リヴァイ兵長の目は...俺と同じように赤く腫れていた...



    「お前はシガンシナ出身だったな...これで二回目か...?」



    大切な人を失ったのは...



    その問に頷く



    「そうか......辛いな......」



    俺のそばの椅子に座る



    そのゆっくりとした動作と



    寂しそうな...悲しそうな横顔に



    「言えばいいじゃないですか...」



    思わず口から出てしまう



    「何をだ...?」



    そう呟く姿に...無性に腹が立つ



    「ペトラさんが死んだのはお前のせいだって!!!そう言えばいいじゃないですか!!!」



    「お前が選択を間違えたせいで!!!ペトラさんが!!!なんでお前が生き残ってペトラさんが死んだんだって!!!そう言えよ!!!」



    「俺を痛みつけて!!!殺せばいいだろ!!!!!」



    狂った獣のように吠える



    バキッ!!!



    殴られたと認識した次の瞬間



    「ああそうさ!!!ペトラが死んだのはテメェのせいだ!!!テメェが無力だったからだよ!!!」



    兵長が叫ぶ



    「けどな!!!アイツが死んだのは俺のせいでもあるんだよ!!!」



    その言葉にハッとする



    「俺が選択を間違えたから!!!あの時離脱したから!!!俺が無力だったから!!!」



    「だからアイツを守れなかった!!!俺の選択がアイツを殺した!!!」



    兵長の頬を涙が伝う



    「けど!!!そう思ったところでアイツらが帰ってくるのか!?」



    「お前を責めて!!アイツが帰ってくるのか!!?」










    死者は帰ってこない...例えどんなに想おうとも...










    この世界の...明白で...残酷な事実...



    「だから!!!俺達にできるのは!!!アイツらの想いを受け止めることだけだろ!!!」



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    エレンが生きていてくれてよかった...

    あなたがこうして生き残れば...散っていった仲間も喜ぶわ...
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



    アニの...ペトラさんの...想い...




    俺が生き残ること...



    「テメェ...テメェを殺せばいいって言ったよな...」



    一転して静かに言う



    「テメェが死んだら...ペトラの死も...テメェの女の死も...全部無駄になるぞ...」



    恐ろしい程に鋭い目で俺を見る



    「だから俺はテメェを殺さない...殺させない...」
























    その想いを...無駄になんてさせない...

























    その言葉に...



    色んな想いが溢れ出す



    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
    俺は絶対に死なない...!



    その誓い...絶対に守ってね...
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



    そして...俺も進むことを決める



    「う...くっ......」



    涙を止め手で拭う



    「......すみ...ませんでした......」



    冷たく残酷な現実を受け入れようとその拳を握りしめた
  118. 118 : : 2016/04/18(月) 20:18:52
    >>116ごめんなさい!
  119. 119 : : 2016/04/18(月) 20:19:24
    ヤバい、ガチで涙が...
    期待です
  120. 120 : : 2016/04/18(月) 20:38:35
    それから数日後...

    退院した俺は調査兵団の本部へと向かった

    「失礼します」

    団長室に踏み入れる俺を迎え入れたのは...

    エルヴィン団長...ハンジ分隊長...ミケ分隊長...そしてリヴァイ兵長だった...

    「団長...ご無事で何よりです...」

    俺は頭を下げる

    団長達本隊もあの時上手く逃げ出すことができ俺達とは別ルートで壁に帰還したらしかった

    「ああ...お疲れエレン...」

    俺の雰囲気で全てを悟ったのだろう

    それ以上は何も言わなかった

    俺は復帰できる旨を伝え退出した

    「エレン!!」

    本部から出ると一人の少女が声をかけてくる

    パッと目に入った金髪に...アニを思い出し俺は止まる

    「話が...あるの...」

    その金髪の少女...クリスタが言った

    ついてきて...

    決意の篭った声を残し彼女は振り返って歩き出す

    俺はその後ろを歩いた
  121. 121 : : 2016/04/18(月) 21:54:35
    「ここ...?いいのか...?」

    クリスタに連れられて来たところは調査兵団の女子寮

    俺が入るわけにはいけないのだが...

    「いいの...団長に許可はもらってあるから...」

    そういってどんどん進んでいく

    団長に許可を...?

    その言葉に目的地が想像できた

    そしてその通りの場所に着く

    「ここ...私とアニの部屋よ...」

    クリスタがドアを開けて入る

    「そこに座って...」

    俺を椅子に座らせて引き出しから何かを取り出す

    「話って...?」

    俺が問う

    「あのね...エレン...」

    重々しくゆっくりとクリスタが口を開ける

    「ここに来て......直ぐにね...」

    続けられた言葉は俺を驚かすには十分だった










    アニから手紙を預かったの










    「手紙......?」

    「そう...私に...もしものことがあったらって...」

    そう言ってクリスタが白い封筒を差し出す

    これ......読んで......

    そう受け取った封筒に書かれていた文字に確かにアニのものだとわかる




    エレン・イェーガーへ




    俺は封を切って中の紙を取り出した
  122. 122 : : 2016/04/18(月) 22:28:15





    エレンへ



    この手紙を読んでいるって事は私はもうこの世にはいないって事だね...

    残念だけど...

    私の最期はどうだったのかな...?

    アンタを守れたのかな...?

    せめてそうであったら...私は嬉しい...

    本当は...もっとアンタと生きたかったけど...

    私にはそれは許されないと思うから...

    今は生きてるのにこんなこと書くなんて難しいね...

    でも...今はまだ恥ずかしくて言えない事を綴らせてもらう...


    エレン...

    アンタに出会えて...私は幸せだよ...

    アンタを好きになって...本当に良かった...

    嬉しかった...

    アンタに告白されて...

    いつでもそばにいるって言ってくれて...

    こんな私でも愛されるんだって...

    そう思えたから...

    アンタに言えてない私の罪...

    これをアンタが読んでる頃にはもう言えているのかな...?

    わからないけど...

    それは...絶対に許されないものだから...

    アンタがそれを知った時...

    その時には私の事...信じられなくなってるかもしれない...

    私はアンタに沢山嘘をついた......

    でも...アンタを想うこの気持ちは...

    絶対に嘘なんかじゃない...

    アンタのそばにずっといたいって言ったのは嘘なんかじゃない...

    それだけ言っておきたかった...

    今までありがとう...エレン...

    私は幸せだよ...


    だから......私に囚われないで......

    アンタは優しいから...

    私の事で立ち止まっちゃってると思うけど...

    私に囚われないで...

    アンタの周りには...

    アンタを想ってる人が沢山いるから...

    だから...これから...幸せに生きて...

    それが...私の願い...

    私の分まで...生きて...


    もう私の想いは全部伝えた...

    この手紙を...アンタが読むことがないことが一番だけど...

    もしものことを考えて...

    じゃあね...エレン...

























    愛してるよ

























    アニ・レオンハート



  123. 123 : : 2016/04/18(月) 22:43:46
    うわあああぁあアニイイイィイ!
    BAD ENDなのかぁっ!? HAPPY ENDにしてくれえええぇえ!

    どっちでも期待してますが...悲しい...アニイィ...
  124. 124 : : 2016/04/18(月) 22:48:28
    手紙を読み終えた俺はクリスタに差し出された箱を手に取る...

    その中身は...

    最初で最後のプレゼントの...

    ネックレスだった

    俺はそれを抱きしめる

    アニの代わりに...

    「守り...たかった......ずっと一緒に...いたかった......海を見て...二人でゆっくり...したかった...」

    守れなかった約束を絞り出すように言う

    抱きしめるアニの欠片に...激しい痛みを感じる

    「アニはね......」

    クリスタが言う

    「エレンの話する時...本当に楽しそうだった...兵団決めの時も必死に悩んでた...」

    「本当に...エレンの事が好きだったんだよ...」

    クリスタが窓の外を見る

    「う......ぅぅ.........」

    もう出尽くしたと思ったのに...

    溢れる気持ちの雫が暖かく頬を伝っていく

    「アニが言ってたんだ...」

    俺は呟く

    「例え死んじゃったとしても...生まれ変わってでもそばにいるって...」

    「アニらしいね...」

    クリスタが呟く

    「ああ...だから...信じるよ...」

    「いつか...アニが生まれ変わって...会いに来てくれるって...」

    「だから...俺は......それまで頑張るよ...」

    「その時に...アニとの約束を守れるように...」

    俺は立ち上がる

    「ありがとう...クリスタ......」

    俺は濡れた目を拭って微笑む

    「うん...!」

    その声を聞いて俺は部屋から出た
  125. 125 : : 2016/04/18(月) 23:01:40
    「エレン...」

    寮から出てしばらく歩くとまたも声をかけられた...

    「ライナー!ベルトルト!」

    俺は声の主の名前を呼ぶ

    「お前ら...無事で...」

    そう言った時...





    バッ!!





    二人が俺に敬礼する

    「お前ら...」

    「エレン...すまない...」

    俺の言葉を遮ってライナーが言う

    よく見ると彼らの目は少し腫れていた

    「僕達がしたこと...許されない事だと思う...だから...せめて...アニが守りたかったものを守らせてくれないか...?」

    「今はまだ言えないけど...それでも頼む...」

    二人の言葉に困惑する

    でも...先ほどの手紙を思い出した

    アニの想いが...彼らの何かを変えた...

    それだけ分かれば十分だった

    「ああ......一緒に戦おう......」

    差し出した俺の手を二人が握る

    その手は...

    とても暖かかった...
  126. 126 : : 2016/04/18(月) 23:10:33
    数ヵ月後

    俺はカラネス区の門の前にいた

    周りには同期の...新リヴァイ班の面々がいる

    兵長...ミカサ...アルミン...クリスタ...コニー...サシャ...ライナー...ベルトルト...

    「第58回壁外調査を開始する!!前進せよ!!!」

    響き渡る団長の声に俺達は馬を進める

    「エレン...頑張ろうね!」

    クリスタが言う

    「ああ......」

    俺は前を見据え言葉を返す





    アニ...





    これから...俺はまた走り出すよ...





    首にかけたネックレスを見る





    どうか...見守っててくれ...





    俺は...すべての想いを背負って駆け出した
  127. 127 : : 2016/04/18(月) 23:30:54































    十数年後...

    俺は浜辺に座っていた...

    静かに波が寄ってきてそして離れていく

    ザザーザザー

    その音が心地よく響きわたる




    アニ...約束...果たせたよ...




    胸元で揺れるネックレスを見ながらそう思う




    「お父さん!!」

    金髪の女の子が駆け寄ってくる

    「おお...どうした''アニ''」

    母親譲りのアニと同じ金髪...そして俺譲りの少し悪人面...

    そんな俺の娘は...本当にアニの生き写しだった...

    「お父さんなんでこんなところにいるの...?」

    そう言う娘の頭を撫でながら言う

    「お父さんはね...昔...ある人と約束したんだ...一緒に海を見ようって...」

    「それってお母さん?」

    首を傾げて問うのに答える

    「違うよ...その人の名前は...」





    アニ・レオンハート





    「あ...私と同じ名前だ!!」

    娘が興奮したように言う

    「そうだよ」

    そう言って俺は再び海に目を向ける

    「♪〜」

    気づいたらあの時の歌を口ずさんでいた

    その事に気付き少し笑う

    アニの教えてくれた歌は今でも俺の心に響いている

    あの優しい声と一緒に...

    例え遠く離れたとしても私はあなたを想っている

    そう歌っていたアニの優しい笑顔で...俺の心はまだ埋め尽くされてる

    「あ...そうそう...お母さんがご飯だって!」

    アニが俺の手を引っ張る

    「わかったよ!引っ張るなって!」

    そう言って駆け出す娘のあとをおう...





    アニ...生まれ変わってきてくれてありがとう...





    俺は口に出さずに想う





    俺も...愛してるよ...





    俺はそう呟いて空を見上げた





    ふふふ...





    そう笑ってるアニ・レオンハートの声が聞こえた気がした...

























    fin












    or to be continued ?
  128. 128 : : 2016/04/18(月) 23:45:00
    これにて「想い〜I'm always beside you〜」を終わりにしたいと思います!
    それぞれの交錯する想いを一人の視点で描きたくて書かせて頂きました
    またも最後がイマイチでしたが描きたい内容が書けたので良かったです!
    最後になりましたが途中挫折しそうになった時に暖かいコメントをくれた方々
    そしてほぼ毎日コメントを下さったペトLoveさん!あなたがたのおかげでこの作品が完成致しました!
    感謝感激雨あられでございます!ありがとうございました!

    よろしければこの後も感想、お気に入り登録していただければ幸いです!


    そしてもう一つ...
    この作品の構想段階で四話構成(現在は番外込みで五話目も考え中)でこの作品を描こうと決めていました
    しかし例のごとく人気がないので笑安価を取ります
    一人でもこの作品の続編(というより別視点)を読みたいという方がいましたら書かせていただきます!



    それではよろしくお願いします!
  129. 129 : : 2016/04/19(火) 07:39:20
    面白かったです!
    これからの作品に期待してます!
    頑張って下さい!
  130. 130 : : 2016/04/19(火) 17:17:51
    >>129
    ご愛読ありがとうございました!
    毎日の書く原動力にさせて頂きました!
    本当にありがとうございました!
  131. 131 : : 2016/05/02(月) 16:41:44
    とても良い話だった( ;∀;)
    アニが死んでしまったのは悲しいけど、それでも良い作品だと思いました
    アニが生きてた、みたいな話もあればいいな〜とも思いました笑
    また次の作品に期待してます
  132. 132 : : 2016/05/02(月) 20:03:37
    >>131
    ありがとうございます!
    そうですねそこは結構迷った所でしたが続編まで考えてこの結末にしました!
    これからも精進していきます!

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stardust

刹那

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