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- 1 : 2016/03/18(金) 22:05:03 :
- リヴァイ「とうの昔に追い出したと思っていたんだがな」
ハンジ「ごめんね、また来ちゃったよ」
リヴァイ「ちっ…クソでも詰まったような顔をしてやがる」
ハンジ「たまにはいいだろ?最近はこうしてゆっくり話せる時間なんてなかなか取れないからね」
リヴァイ「…………」
ハンジ「私たちと別行動をしていた時、頑張ってくれたそうじゃないか」
リヴァイ「もう過去のことだろうが…」
ハンジ「君たちのお陰で有益な情報を得ることができた。ありがとう」
リヴァイ「…柄じゃねぇ」
ハンジ「君は昔から謙虚だったなぁ」
リヴァイ「守れない強さをどうしろと?」
ハンジ「それでもさ、時には自分を認めることも大切だよ?なんて、今更なんだけどさ」
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- 2 : 2016/03/18(金) 22:05:35 :
- 期待してます
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- 3 : 2016/03/18(金) 22:17:51 :
- 直方正典さん
ありがとうございます
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- 4 : 2016/03/18(金) 22:18:42 :
- リヴァイ「…考えたって仕方ねぇだろう」
ハンジ「うん、そうだ…今となってはもう戻れない」
リヴァイ「前に進むしかない」
ハンジ「ハハッ、らしくないこと語っちゃったかな」
リヴァイ「迷うな。これっきりだ」
ハンジ「ごめんね、つい湿っぽくなっちゃった」
リヴァイ「振り返るのは全てが終わった時でいい」
ハンジ「また必ず、生きてここへ来るからね」
男は会議用の外套を纏い、女は花を手向け
各々の戦場へとーーー
END
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- 5 : 2016/03/19(土) 09:39:37 :
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- 6 : 2016/03/19(土) 09:41:26 :
- ズキリと痛む頭
無意識に顔が歪む
執務室でペンを取り、薄っぺらな書類を捌く
提出するのは戦死者名簿
ここのところ大きな作戦続きで死者は後を絶たない
そんな仕事のせいか、彼の脳裏に蘇るかつての仲間
リヴァイ「とうの昔に追い出したと思っていたんだがな」
取り付いて離れない記憶に眉をしかめ、ふと窓を見やる
リヴァイ「ちっ…クソでも詰まったような顔をしてやがる」
写ったのは眉根に深いシワを刻み、いくらかくたびれた雰囲気を醸し出す男
リヴァイ「…………」
しばらくの放心
リヴァイ「もう過去のことだろうが…」
どうやら記憶を押しやることは失敗したらしい
感情の読み取れない瞳をもう一人の自分へ向ける
リヴァイ「…柄じゃねぇ」
窓の男も、そう言った
リヴァイ「守れない強さをどうしろと?」
男は答えない
答えなど持ち合わせているはずもない
幾許かの睨めっこ
リヴァイ「…考えたって仕方ねぇだろう」
もの言わぬ男との交信の末、結論は出た
リヴァイ「前に進むしかない」
男も覚悟を決めたようだ
リヴァイ「迷うな。これっきりだ」
言い聞かせる
リヴァイ「振り返るのは全てが終わった時でいい」
今はただ、がむしゃらに進めばいい
外套を無造作に羽織り、取り戻した鋭い眼光と共に、扉は閉ざされた
男はどこか、遠くへ消えた
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- 7 : 2016/03/19(土) 13:32:44 :
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- 8 : 2016/03/19(土) 13:34:03 :
- 冷たい風が吹く丘の上
並ぶ石碑
綴られるは、人類のためその身を賭して散っていった兵士の名
白いリンドウの花束を抱え、困ったように笑みを浮かべる
ハンジ「ごめんね、また来ちゃったよ」
刻まれた名前は二ファ
ついこの間までは花のように可愛らしい笑顔を見せていた彼女
それももう動かぬ骸と成り果てた
ハンジ「たまにはいいだろ?最近はこうしてゆっくり話せる時間なんてなかなか取れないからね」
しゃがみ込み、懇願するように語りかける
まだ来るべき時ではない
感傷に浸る暇も余裕も、本来ならばないはずだ
本人も重々分かっているだろう
だからこそ、伝えておきたいのかも知れない
ハンジ「私たちと別行動をしていた時、頑張ってくれたそうじゃないか」
愛おしげに冷めた石碑を撫でる
ハンジ「君たちのお陰で有益な情報を得ることができた。ありがとう」
ー務めを果たしたまでですからー
そう、はにかんだ声が聞こえた気がした
ハンジ「君は昔から謙虚だったなぁ」
彼女はとても優秀で、部下としても研究の助手としてもよく働いた
けれど決して驕らず、常に上を目指す健気な少女だった
ハンジ「それでもさ、時には自分を認めることも大切だよ?なんて、今更なんだけどさ」
ここで何を語ろうと意味はない
返らない返事が、その事実をより強く突きつける
ハンジ「うん、そうだ…今となってはもう戻れない」
目元を乱暴に拭い、勢いよく立ち上がった
ハンジ「ハハッ、らしくないこと語っちゃったかな」
いつもの調子でカラリと笑って、石碑をぽんぽんと打つ
ハンジ「ごめんね、つい湿っぽくなっちゃった」
強い決意を込めた眼差しで空を見上げる
再び視線を落とし、力強く頷いた
ハンジ「また必ず、生きてここへ来るからね」
抱えた花束を手放し、振り返らずにその場を離れた
後に吹く風が光風となるか、はたまた悲風となるか
全てはその一歩に縋るのみ
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- 9 : 2016/03/19(土) 13:35:40 :
エルヴィン「…?リヴァイ、いい紅茶でも手に入ったのか?」
モブリット「分隊長、この書類にサインを…何かいい事でもありました?」
リヴァイ「いいや」
ハンジ「ううん」
リヴァイ「覚悟を決めただけだ」
ハンジ「道を固めただけだよ」
リヴァイ「あいつらを」
ハンジ「あの子たちを」
「「無駄死にさせないために」」
~END~
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- 10 : 2016/03/19(土) 13:36:25 :
- 以上で終了になります
閲覧、コメントありがとうございましたm(_ _)m
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- 11 : 2016/03/19(土) 19:06:10 :
- 乙乙!!
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- 12 : 2016/03/19(土) 19:34:51 :
- 己!
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- 13 : 2016/03/19(土) 21:19:11 :
- 名無しさん、にゃあんさん
閲覧ありがとうございました!
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