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ベルトルト「アニのそばに居ないと胸が苦しい(物理)」

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  1. 1 : : 2016/02/15(月) 23:27:06
    思いつき
  2. 2 : : 2016/02/15(月) 23:32:53
    アニ「こんな時間に何の用…」ガチャッ

    ライナー「ようアニ。遅かったじゃねえか」

    アニ「誰かさんが突然集合かけるもんだからね。抜け出すのに苦労したよ」

    ライナー「まあよく来てくれた。狭いとこだが座ってくつろいでくれ」

    アニ「あんたの部屋じゃないでしょ、ここ倉庫でしょ」

    ライナー「でだ、急だが本題に入らせてもらう」

    アニ「急だね」

    ライナー「急だからな」

    アニ「その前に一ついいかい」

    ライナー「いいぞ」

    アニ「あんたの後ろにいる、土気色の背後霊は一体なんなの」
  3. 3 : : 2016/02/15(月) 23:44:35
    ベルトルト「僕が…見えるの…?」

    ライナー「ふざけるなベルトルト。背後霊になりきらんでいい」

    アニ「…」ジッ

    アニ「やっぱり顔色がおかしいね…風邪でも引いた?」

    ベルトルト「元からこういう色だから…」

    アニ「いや、いつもはもう少しおいしそうな色してた。その土気色じゃなくて、チョコみたいな」

    ライナー「おいしそう…?」

    アニ「うん」

    ライナー「いや普段から土じゃね」チラッ

    ベルトルト「僕チョコのがいい」

    アニ「もう帰っていい?」ガチャッ

    ライナー「待て待て待て」
  4. 4 : : 2016/02/16(火) 00:06:19
    アニ「早く寝たいんだけど」

    ライナー「身長伸ばしたいのか」

    アニ「別に…」

    ライナー「安心しろ、身長が伸びる奴は睡眠時間を増やさなくても伸びる。ソースはベルトルトだ」

    ベルトルト「へへ」

    アニ「伸びない奴はたっぷり寝ても伸びないって?」

    ライナー「はははは」

    アニ「よし表出な」グイッ

    ベルトルト「待ってよ!何で僕を連れ出そうとするんだ!」ズルズル

    アニ「あんたと話すと首が痛くなるからむかつく」

    ベルトルト「ラ、ライナー!」

    ライナー「お前の事は忘れない」

    ベルトルト「ライナーァァァア!」


    ガチャッ バタン…

    ライナー「いい奴だった」
  5. 5 : : 2016/02/16(火) 00:11:33
    アニ「ただいま」ガチャッ

    ライナー「おう早かったな」

    アニ「出た後すぐに男子寮へ蹴飛ばして来たからね」

    ライナー「なに…?おい、今すぐ連れ戻しに行くぞ!」

    アニ「は?なんで」

    ライナー「…落ち着いて聞いてくれ」

    ライナー「ベルトルトはお前と離れると胸が苦しくなるんだ(物理)」

    アニ「……つまり?」

    ライナー「お前との距離があく度にあいつの苦しさが増す(物理)」

    アニ「??」

    ライナー「というわけで男子寮に到着」

    アニ「???」

    ライナー「そらベルトルト回収しに行くぞ。どこに飛ばした」

    アニ「まって解せない」
  6. 6 : : 2016/02/16(火) 00:45:59
    アニ「(物理)ってなに?なんなの?」

    ライナー「質問は後だ。事態は一刻を争う…ベルトルトはどこにいる!」

    アニ「それならあんたの後ろ」

    ベルトルト「ライナー…」スッ

    ライナー「うおあ!!」バキッ

    ベルトルト「ぎゃっ!」バタッ

    ライナー「しまった、俺としたことが驚きのあまりついスープレックスを…」

    アニ「ついで済むもんじゃないよね」
  7. 7 : : 2016/02/16(火) 00:47:22
    ライナー「シッ…まずい、コニーが来る予感がする」

    アニ「なんでコニー?」

    ライナー「あいつ超眠り浅いんだよ」

    コニー「なんか叫び声聞こえた!!なんだなんだ!!」ガチャッ

    アニ「うわ早っ」

    ライナー「安らかに眠れ」バキッ

    コニー「うっ」バタッ

    アニ「ベルトルトの時みたいに容赦ないね」

    ライナー「いいからさっさと逃げるぞ!」

    アニ「こいつは置いてこうか、気絶してるし」

    ベルトルト「う、うーん…」

    ライナー「バカ、俺が担いでくからお前は早く走れ!」
  8. 8 : : 2016/02/16(火) 00:56:20
    ライナー「はぁ、ふう…なんとか無事逃げ切ったな」

    アニ「あんた足遅くなったね」

    ライナー「それは81キロを担いでる事を考慮した上での発言か?」

    ベルトルト「う、ここは…」

    アニ「元居た倉庫だよ」

    アニ「…ベルトルト、さっきより顔色マシになった?」

    ベルトルト「え?そ、そうかな」

    ライナー「アニのおかげだな」

    アニ「意味がわからないよ」

    ベルトルト「…アニ、聞いてくれ」

    ベルトルト「今夜集まったのは他でもない…僕の問題についてなんだ」

    アニ「あー聞いた聞いた」
  9. 9 : : 2016/02/16(火) 01:00:04
    ベルトルト「まだ本題言ってない」

    アニ「ライナーから既に聞いたよ。私が居ないと胸が苦しくなるんだって?」

    ベルトルト「ち、ちが…そういうんじゃ」

    アニ「は?」

    ライナー「アニ、お前大胆だな…」

    アニ「…ベルトルト、やっぱり説明して」

    ベルトルト「う、うん」

    ベルトルト「その、僕は…アニがそばに居ないと胸が苦しくなるんだ(物理)」

    アニ「一緒じゃん」

    ベルトルト「えっ」
  10. 10 : : 2016/02/16(火) 01:11:25
    アニ「私がさっき言った内容と一緒じゃん。私が居ないと胸が苦しくなるって」

    ベルトルト「アニ!言い方が…ちょっと…あれじゃないかな!?」

    アニ「えっ」

    ライナー「ひゅう!お熱いな、おかげで汗かいてきたぜ」

    アニ「いや走ったからだろ」

    ライナー「俺はてっきり、恋愛に関してお前は奥手な方だと認識していたが…こりゃ見誤ったな」

    アニ「なに?」

    ベルトルト「そ、それ以上冷やかすのはよせよ、ライナー」

    ベルトルト「とにかく…そういう事なんだ」

    アニ「どういう事さ」
  11. 11 : : 2016/02/16(火) 01:19:43
    ベルトルト「僕は数百メートルアニから離れると心臓が止まるんだ」

    アニ「そのデータの根拠は」

    ベルトルト「ライナーだよ」

    アニ「…その根拠は」

    ライナー「勘」

    アニ「なにそのガバガバ計算」

    アニ「呆れた。寮に帰らせてもらうよ」

    ベルトルト「あっ、待って!」

    アニ「男子寮と女子寮は数百メートルも離れてないだろ、心配しなくとも死ぬことはないよ。おやすみ」ガチャッ


    ベルトルト「…ラ、ライナー…」

    ライナー「うーむ…」
  12. 12 : : 2016/02/16(火) 04:04:52
    朝、 食堂


    アニ「ふぁーあ…」

    ライナー「」ガツガツ

    ベルトルト「」モグモグ

    アニ「…でさあ」

    アニ「どうしてあんたらが私の両隣に座ってるわけ」

    ベルトルト「え、だってそれは…ねえ」チラッ

    ライナー「」ガツガツ

    アニ「…」

    ライナー「」ガツガツ

    ベルトルト「ライナー、食べてないで話に参加してくれ」

    ライナー「あ、すまん。腹減っててな」ガツガツ

    ライナー「もう少しで食べ終わりそうなんだ、ちょっと待ってくれるか?」

    ベルトルト「うーん、いいよ」

    ライナー「ありがとな」ガツガツ

    アニ「…」
  13. 13 : : 2016/02/16(火) 04:09:29
    ライナー「食い終わった」ゲプ

    ベルトルト「あ、次立体起動訓練だね」

    ライナー「お前も早く飯片付けろよ。あれ準備に時間かかるぜ」

    ベルトルト「うん」モグモグ

    アニ「…」

    ライナー「どうしたアニ、手が止まってるぞ」

    アニ「ああ、うん…」モグモグ



    コニー「昨日はちゃあんとベッドに入って寝たはずなんだ。なのに、今朝は廊下で横になっててよ…」ウーン

    ジャン「ベルトルトの寝相の悪さが伝染ったんじゃねえの」

    コニー「あ、俺あいつと同室だし…そうかも」
  14. 14 : : 2016/02/19(金) 01:07:43
    アニ「…」

    ライナー「ご機嫌斜めだな。どうした」

    ベルトルト「も、もしかして体調悪い?」

    アニ「…そりゃ今日一日中むさくるしい男二人にずーーっと後つけ回されてたら、こうも不機嫌になるさ」ダンッ

    ベルトルト「ひっ」

    ライナー「なに、ひどい話だ」

    アニ「あんたらの事だよ」
  15. 15 : : 2016/02/19(金) 01:20:24
    アニ「一限の立体起動訓練に始まり…二限の座学に、三限、四限…」

    アニ「ついには夕食まで同じ机囲んで食べる羽目になるなんて」

    ライナー「良かったな、おら喜べ。こんな良い男他にはいないぞ」

    アニ「」ダンッッ‼

    ライナー「すまん」

    ベルトルト「そんなに嫌だった…?」

    アニ「嫌かどうか以前に作戦に支障をきたすんだよ!」ヒョイッ ガツガツ

    ベルトルト「ああっ僕のパン!」

    ライナー「安心しろ、これをやる」スッ

    ベルトルト「え…ライナー、いいのか?でも君の分が…」

    ライナー「俺はアニから貰う」モグモグ

    アニ「勝手にあたしの分食べてるんじゃないよ…自分がされて嫌な事は人にするなって習わなかったの」ジロッ

    ライナー「それ過去の自分に言えるか」

    アニ「…」

    ライナー「言えないな」モグモグ

    アニ「…ベルトルトは…人じゃないから」

    ベルトルト「(!?)」

    ライナー「じゃあなんだ」

    アニ「壁」

    ベルトルト「(!??)」
  16. 16 : : 2016/02/19(金) 01:28:07
    アニ「ベルトルトのせいで話が脱線した」

    ベルトルト「ご、ごめん…?」

    ライナー「何の話だったか」

    アニ「ずっとつけ回すのやめろって話」

    ライナー「…ずっとつけ回してた、だ…?」

    ライナー「ふざけるな!!」ダンッ

    アニ「!!」

    ベルトルト「!?」

    ライナー「便所まではつけてねえぞ!」

    アニ「当たり前だよ!女子トイレにまでついて来たらただの変態じゃないか!」スパーン

    ベルトルト「あっ、あとお風呂も!」

    アニ「うるさい!!!」スパーン

    ライナー「お前のがうるせえ」

    アニ「」スパーン

    ライナー「いや、黙って叩きゃ許されるってわけじゃなくてだな」
  17. 17 : : 2016/02/19(金) 01:33:23
    アニ「もう金輪際近づいてこないで…」



    ーーー
    ーーーーー


    ベルトルト「って言われちゃったね」

    ライナー「ああ、すごい顔してたな」

    ベルトルト「眼光がブレードみたいに鋭かった…」

    ライナー「ありゃ何人か殺ってる目だぜ」コソッ

    ベルトルト「やめなよ、本当に殺されるぞ」


    ライナー「…調子、どうだ」

    ベルトルト「ん?ああ…今日は長い時間一緒にいたから、絶好調だよ」フラァ

    ライナー「って言ってるそばから足元ふらついてるぞ。平気か?」

    ベルトルト「前に比べたらずっとマシさ…大丈夫、ひとりで歩けるよ」

    ライナー「そうか。んじゃ早いとこ寝ようぜ」

    ベルトルト「うん…」
  18. 18 : : 2016/02/19(金) 01:36:57
    ーーー
    ーーーーー


    コニー「ぐががーっ」グゴーッ

    アルミン「うーん…」モゾモゾ

    エレン「駆逐…してやる…」ムニャムニャ


    ベルトルト「…」

    ライナー「Zzz…」スヤァ

    ベルトルト「…」

    ベルトルト「だめだ、眠れない」

    ベルトルト「(アニと離れてから…胸が重しを乗せられてるように苦しい。息ができない…)」

    ベルトルト「喉にもしめつけられるような感覚が…うう、苦しい…」

    ベルトルト「(アニ…アニ…!)」
  19. 19 : : 2016/02/19(金) 01:47:52

    アニ「」ガバッ

    アニ「…」

    アニ「(…今、誰かに呼ばれたような…)」ボーッ

    アニ「(気のせいか…寝よう)」


    ベルトルト「やあ」ヒョコッ

    アニ「…」


    ベルトルト「…」

    アニ「…」

    ベルトルト「…あの」

    アニ「…」

    ベルトルト「こ、こんばんは」

    アニ「(…おやすみ)」ガバッ

    ベルトルト「ちょっ、布団かぶりなおさないで!」


  20. 20 : : 2016/02/19(金) 02:00:38
    アニ「(これは夢、これは夢)」モゾモゾ

    ベルトルト「(夢じゃない!夢じゃないから!寝たふりなんかしないでくれ!)」ユサユサ

    アニ「(こいつ直接脳内に…)」

    アニ「って、夢じゃないなら…なんであんたが女子寮に?」ギロッ

    ベルトルト「ひっ」

    アニ「幼馴染のよしみで見逃してやるけど蹴り一発は覚悟しなよ…」スッ

    ベルトルト「ま、待ってくれ!これにはその、理由が…」ボソボソ

    アニ「へえ、私を納得させるような?」

    ベルトルト「…」

    アニ「ボディと顔、どっち」スッ

    ベルトルト「う、うわああ

    アニ「うるさい!他の奴らが起きるだろ!」ギュムッ

    ベルトルト「んぶっ」

    アニ「あんた、よっぽど変態として名をあげたいんだね…」

    ベルトルト「ん、んん」フルフル

    アニ「じゃあこの押し付けてる枕をどかしても、さっきみたいに騒がないかい?」

    ベルトルト「」コクコク

    アニ「…蹴りは明日に回してやる」スッ

    ベルトルト「ぷはっ…あ、ありがとう…」
  21. 21 : : 2016/02/19(金) 02:20:50
    アニ「で?」

    ベルトルト「え?」

    アニ「訳があるんだろ。一応聞いてやるよ」

    ベルトルト「あ、えっと…」

    ベルトルト「気が付いたら、ここにいたんだ」

    アニ「…」

    ベルトルト「(め、めちゃくちゃ険しい顔になった)」


    ベルトルト「べ、ベッドで横になってたんだけど…すごい苦しくなって…い、今から30分くらい前のことかな」

    ベルトルト「息をするのも一苦労で…とにかく、楽になりたかったんだ。それで布団をはねのけて…暑かったのもあったから。ほ、ほら、僕汗びっしょりなんだ。暑かったんだ」

    ベルトルト「(お、おかしいな。なんでこんなに動揺してるんだ、僕は…)」

    アニ「…」

    ベルトルト「ここから記憶が曖昧なんだけど…外に出たんだ、確か。暑くて夜風に当たりたかった…んじゃないかな…それから闇雲に歩いたんだ」

    ベルトルト「歩いてたら、不思議とアニのいる方へ足が向かってて…それでここに…」
  22. 22 : : 2016/02/19(金) 02:30:47
    アニ「…」

    ベルトルト「…以上です」

    アニ「…そう」

    ベルトルト「(い、言い訳くさかったかな…もしかすると信じてもらえてないかもしれない…)」

    アニ「今の気分は」

    ベルトルト「あっ、げ、元気だよ」

    アニ「騒ぐ余力もあるみたいだしね」

    ベルトルト「…(ひ、皮肉だ。嘘だと思われてる)」ガックリ

    アニ「そんなしょげた顔するんじゃないよ。今の話は疑ってないから」

    ベルトルト「えっ」

    アニ「あんた私にだけは嘘つかないじゃないか」

    ベルトルト「そ、そうなんだ」

    アニ「他人事だね」

    ベルトルト「ごめん…」

    アニ「謝る事じゃないだろ」
  23. 23 : : 2016/02/19(金) 02:40:44
    アニ「…私はライナーよりあんたを信用してる」

    ベルトルト「…」

    アニ「今度は、なんでって顔してるね。そういうとこだよ」

    ベルトルト「えっ」

    アニ「ほらもう帰りな。体調は良くなったんだろ」

    ベルトルト「あ、うん。…いやでも」

    アニ「…また明日」スッ

    ベルトルト「!?ちょっ、待っ…ここ2階

    アニ「おやすみ」ドンッ


    ヒュウウウ…

    ドシンッ
  24. 24 : : 2016/02/19(金) 02:54:06




    コニー「なあ!夜中さ、何かおっきな物が落ちた音したよな!」

    ジャン「朝っぱらからうるせえよ…知らねえっての」ブツブツ


    ライナー「なんか…お前の布団土だらけじゃないか?というかお前土っぽくないか?ベルトルト」

    ベルトルト「…チョコだよ」

    サシャ「今、チョコって言葉が聞こえたんですけど!くれるんですか!?ごちそうしてくれるんですか!?」ガタッ

    ベルトルト「!?」

    コニー「はあっ!?おま、どっから湧いてきたんだよ!?」

    ライナー「とりあえず窓から男子寮を覗くのはやめろ!」

    ジャン「仮にも女子だろ、さっさと帰れ!」

    サシャ「か、仮だなんて!ひどいじゃないですか、訂正してください!」ズイッ

    ジャン「お、おいっ!中に入ってくんじゃねえよ!!」

    コニー「芋女が進撃してきたぞー!逃げろー!」

    ベルトルト「あわあわ…」
  25. 25 : : 2016/03/24(木) 11:30:05
    朝食


    ベルトルト「…でさ、教官は駆けつけて来るし、今朝は騒がしかったんだ」

    アニ「へえ…」

    ライナー「関心なさそうだな」

    ベルトルト「面白く…なかった?」

    アニ「…またあんたらと同じ机囲んで食事取ってるのが不本意なだけだよ」

    ライナー「でもお前、他に食う相手もいねえだろ」

    ベルトルト「ちょっ、ライナー!アニが友達のいないぼっちみたいな発言はよせよ!」

    アニ「ベルトルト、ギルティ」

    ベルトルト「えっ」

    ライナー「アニが対人格闘の相手に申し込んでくれたぞ。よかったな」

    ベルトルト「!?どうして…」

    アニ「別にそこまでしなくとも、ここで制裁下せれば…まあいいや。乗った」

    ベルトルト「あ…ありがとう」

    アニ「?」
  26. 26 : : 2016/03/24(木) 11:34:37
    対人格闘


    アニ「何がありがとうなのさ」

    ベルトルト「え?ああ…その」

    ベルトルト「ライナーは最近エレンやミカサと組んでるから。僕も…組む相手がいないんだ」

    アニ「そう…」

    アニ「てっきり私の蹴りが快感になったとでも言うのかと思った」

    ベルトルト「ま、まさか!」

    アニ「じゃあ存分に蹴らせてもらうわ。昨日の分と、今朝の分」ヒュッ

    ベルトルト「え」


    ドゴッ!バキィッ!

    \アッー!!/
  27. 27 : : 2016/03/24(木) 13:01:14

    ベルトルト「…」

    ライナー「お前…また土まみれかよ」

    ベルトルト「…チョコだよ」

    ライナー「しかも今度は包帯のオプションまで付いて…」

    ベルトルト「…装飾のリボンだよ」

    ライナー「チョコ好きなのな」

    ベルトルト「うん」

    ライナー「というより菓子全般が好きなんだな」

    ベルトルト「うん」

    ライナー「俺もだ」

    ベルトルト「知ってた」

    ライナー「知ってたか」

    ベルトルト「うん」


    ライナー「それより、そうなった原因の俺が言うのもなんだが…怪我の具合はいいのか?」

    ベルトルト「これぐらい、ちょっとずつ治せばなんとかなるよ」

    ライナー「…そうか?」

    ベルトルト「幸い、後の授業は座学しかないし…」

    ベルトルト「皆にバレない様に上手くやる。安心してくれ」

    ライナー「おう…?」
  28. 28 : : 2016/03/24(木) 19:13:34
    座学


    サシャ「コニー…黒板の文が何を書いてあるのか読めますか?」

    コニー「いいやさっぱりだ…全くわからねえ…」

    サシャ「ですよね!」


    アニ「…」ボ-ッ

    アニ「(昨日、夜中の出来事は夢だったのかな…)」

    ライナー「あちっ…あちちっ」

    ベルトルト「あ、あわあわ」

    アニ「…私の隣に座りたいなら、静かに過ごすことを厳守してよ」

    ライナー「いや、緊急事態なんだよ。ベルトルトがだな…」

    サシャ「!? き、教官…!ベルトルトがっ!」

    ベルトルト「!!」

    教官「なんだ、サシャ。下らない用件なら次はお前を当てるぞ」


    サシャ「ベルトルトが肉まんです!」

    教官「えっ」

    アニ「えっ」

    ベルトルト「えっ」


    ミカサ「教官、サシャは『ベルトルトがほかほかの肉まんのごとく、蒸されたような状態でいる』と伝えたかったのだと思われます」スッ

    ジャン「さっすがミカサだぜ!通訳もお手の物だな!」

    教官「な、なるほど」

    教官「って全くわからん!!」
  29. 29 : : 2016/03/24(木) 19:17:44
    教官「ほかほかの肉まんとはどういうことだ!」

    コニー「ベルトルトは食い物だったのか?」

    ライナー「…あー、説明すると、蒸気をあげて

    アニ「教官、ベルトルトが発熱しているようなので医務室に連れて行きます」ガタッ

    ベルトルト「ええっ!?」ガッ

    アニ「失礼します!」ガチャッ

    教官「あ、うん」


    教官「…ふむ、熱が出ていたのか。そういうことか」

    サシャ「教官!ベルトルトが心配なので私も行ってきます!」

    コニー「俺も熱がうつった気がするので行ってきます!」

    教官「だめだ」
  30. 30 : : 2016/03/24(木) 19:31:39
    教室から少し離れた階段


    アニ「あんた…なにやってんの」ジロッ

    ベルトルト「ご、ごめん!お風呂までに治そうと思ったら調節に失敗して…」

    アニ「なんで時間制限なんかつけてるんだい」

    ベルトルト「治りきってないと、お湯は染みて痛いから…」

    アニ「」ベシッベシッ

    ベルトルト「ごめっ、ごめん!傷口をダイレクトに刺激しないで!」

    アニ「ったく、今夜の就寝時間にでもゆっくり治せばよかったものを…」

    アニ「(…まあ私のせいでもあるけど)


    アニ「…今、人来てないから。治したら」

    ベルトルト「あ…うん」シュウウ

    アニ「対人格闘、きつかった?」

    ベルトルト「そんなこと、ないよ」

    アニ「あるんだね。顔に出てるよ」

    ベルトルト「で、でも、易しかったら訓練にならないじゃないか」

    アニ「真面目な訓練兵だね。あんたも」

    ベルトルト「…上位に入らなきゃいけないから」

    アニ「そうだね」
  31. 31 : : 2016/03/24(木) 20:41:39

    アニ「ここのところ具合は」

    ベルトルト「もう治ったよ、ほら」

    アニ「そっちじゃなくて。胸が苦しいとかどうとか」

    ベルトルト「え?ああ…」

    ベルトルト「(そういえば…)」

    アニ「まだ苦しい?」

    ベルトルト「ううん…大分楽になった。以前とは比べものにならないくらいだ」

    アニ「そう」

    ベルトルト「…その、ありが

    ライナー「お、なんだこんなとこにいたのか。医務室には行かなかったのか?」スタスタ

    アニ「…別になんてことないしね。だろ」

    ベルトルト「う、うん」

    ライナー「講義ならもう終わったぜ。聞けなかったとこは俺が教えてやるよ」

    ベルトルト「ありがとう…」


    ベルトルト「(アニにお礼、言いそびれちゃったな)」

  32. 32 : : 2016/03/24(木) 21:06:31
    夜、女子寮


    クリスタ「じゃあ、灯り消すね。みんなおやすみ」スッ

    ユミル「やれ、ようやく私の時間がやってきたか。さーて今夜も楽しもうぜクリスタ…」

    クリスタ「もうユミルったら!就寝時間なんだから、寝るの!ほらっ」バフッ

    ユミル「ぶっ!や、やめろ!枕を顔に押し付けるな!」 モゴモゴ

    ミカサ「うるさい」


    アニ「…」

    アニ「(さすがに連続で来るわけないか)」

    アニ「(…寝よう)」モゾ
  33. 33 : : 2016/03/24(木) 21:17:38
    ーー
    ーーーーー

    コン…コンコン…

    アニ「ん…」

    コン、コンコン…

    アニ「…(窓から?)」


    アニ「うるさいな…なんなの」ガチャッ

    ベルトルト「ア、アアアアニ!よかった!もう限界だったん

    アニ「静かにしな!」バッ

    ベルトルト「んぐっ」

    アニ「本当学習しないね…ここから蹴落そうか?」

    ベルトルト「」フルフル!

    アニ「なら音を立てずに、静かに、窓からあがってくること。いいね」

    ベルトルト「」コクコクコク
  34. 34 : : 2016/03/26(土) 17:43:17

    ベルトルト「はあっ…助かった…」

    アニ「…腕、物凄い痙攣してるけどどうしたの」

    アニ「というか紫色に変色してない?なに、土気色の次は紫?それがトレンド?」

    ベルトルト「いやその…アニが入れてくれるまで、2時間も窓枠にしがみついてたんだ」テレッ

    アニ「立派な不審者だねおめでとう」

    ベルトルト「あ、ありがとう」

    アニ「嫌味だよ」

    アニ「私のベッドが窓際にあったから良かったものの…バカじゃないの」

    ベルトルト「反省してます…」

    ベルトルト「しがみついてた後半は、窓を突き破りたい衝動と理性が僕の中で熱戦を繰り広げてて…アニが居て本当に助かった」

    アニ「あ、そう…」

    ベルトルト「理性が劣勢で、危なかった…」

    アニ「ああ、うん…そう」

    ベルトルト「でも勝てた」グッ

    アニ「…今のあんたの顔、最高に輝いてるよ」
  35. 35 : : 2016/03/28(月) 06:58:28
    アニ「窓に鍵が掛かってて入れなかったんなら、そもそも諦めて降りればよかったんじゃないの」

    ベルトルト「そうしたいのは山々だったんだ」

    アニ「…降りれなくなったんだね」

    ベルトルト「拍手」パチパチ

    アニ「落ちる方法もあったのに」

    ベルトルト「あれ結構痛いんだよ!服も汚れるし…」

    アニ「そう…」

    ベルトルト「うん」

    アニ「…」

    ベルトルト「…」
  36. 36 : : 2016/03/28(月) 07:14:04
    アニ「ごめ

    ベルトルト「ありが

    アニ「え、何?」

    ベルトルト「あ、いや、アニから言っていいよ」

    アニ「あんたが言いなよ。なに?」

    ベルトルト「う、うん。その」

    ベルトルト「アニのおかげで助かってるから、お礼を…」

    アニ「はあ?」

    ベルトルト「だから、あの、アニと一緒にいるようになってから気分が軽いんだ、僕。…君にとっては、いい迷惑かもしれないけど…」

    アニ「まあ一応吉報として受け取っとくよ」

    ベルトルト「あ、ありがとう。ライナーもきっと…アニといられて喜んでるよ」

    アニ「どうかな。あいつの周りには人が絶えないし」

    アニ「今では私もその大勢のひとり。大した存在でもない」

    ベルトルト「そんなことないよ。君と皆は違う」

    ベルトルト「…背は小さくても、存在は大きい」

    アニ「…」

    ベルトルト「…んじゃないかな」
  37. 37 : : 2016/03/28(月) 08:34:38
    アニ「…っふ。あんたが無理してジョーク言う姿、久しぶりだね」

    ベルトルト「あ、あはは」

    アニ「相変わらず、空気は読めても場を和ますだけの力は皆無というか…」

    アニ「昔と一緒だね。全然面白くないし、笑えないよ」

    ベルトルト「そっか、ごめん」

    アニ「…ふふ」

    ベルトルト「…(昔より成長したな、僕)」
  38. 38 : : 2016/06/11(土) 00:52:42




    ベルトルト「おはよう」

    ライナー「んあ…?おー…お前が先に起きるなんて珍しいな」

    ベルトルト「最近は調子が良いから」


    ジャン「やれやれ今日は雨か…」

    コニー「え?晴れだぞ?」

    エレン「これから降るんじゃねえの」

    コニー「へー!ジャンって天気を予知できるんだな!」

    エレン「やるジャン」

    ジャン「いやだから、ベルトルトが珍しく早く起きてだな…珍しさのあまり、それは何かが起きる前兆なんじゃねえかっていう」

    エレン「? なんで急にベルトルトが出てくんだよ」

    ジャン「あーもういいわ。俺、予知出来るんだわ」

    コニー「すげー!」
  39. 39 : : 2016/06/11(土) 00:59:33
    朝食



    アニ「今日はもう一人いないんだね」

    ベルトルト「ライナーはエレンに呼ばれて、あっちにいるよ。立体起動で教えてほしいとこがあるとかなんとか」

    アニ「エレンの専属講師ってわけ…熱心だね」

    ベルトルト「…あ、今日早起き出来たんだ。一人で」

    アニ「は?…あ、うん」

    ベルトルト「その…アニには本当に感謝してるよ」

    アニ「…」

    アニ「あんたさあ…」

    ベルトルト「え…な、なに?」

    アニ「…いや、なんでもない」
  40. 40 : : 2016/06/11(土) 09:20:22
    対人格闘訓練



    アニ「で、今回もライナー取られたの」

    ベルトルト「取られたいうか、予約されてたというか…」

    ベルトルト「エレンがどうしてもミカサに勝ちたいらしくて」

    アニ「専属講師って表現、あながち間違いじゃないみたいね」

    ベルトルト「でもほら、僕はこうしてア、アニと組めるし…はは」

    アニ「…本当に調子良さそうだね」

    ベルトルト「えっ!? あっ、ま、まあね!」

    アニ「悪いけど私、明日は他の奴と組むよ」

    ベルトルト「…へ?」

    アニ「安心しな。明日は代わりにライナーと組ませてやるから」

    ベルトルト「あっ、うん…う、うん?いやでも」

    アニ「なに?」

    ベルトルト「う…ううん。なんでもない…」
  41. 41 : : 2016/06/11(土) 18:00:06

    ベルトルト「はあ…」

    ライナー「はっ、はっ」

    ベルトルト「…」

    ベルトルト「はあぁ…」

    ライナー「ふっ、ふっ」

    ベルトルト「…」


    ベルトルト「ライナー…親友がこんなにため息ついてるっていうのに、どうして無視するんだい」

    ライナー「ああ?ばっ…かお前」

    ライナー「 兵站行進の訓練中にため息なんか聞き分けられるかよ」

    エレン「はっ、はっ」タッタッ

    サシャ「ひい、ふう…」タッタッ

    アルミン「ぜえっ…ぜえ、げほっ」ヨロヨロ
  42. 42 : : 2016/06/11(土) 19:11:17
    ライナー「相談ならもうちょっと時と場合を考えてくれ」

    ベルトルト「ごめん、でも訓練に力が入らないくらい今元気なくて…」

    ライナー「と言いつつ俺のペースについて来てるあたり、流石を通り越して気持ちが悪いぜ」

    ベルトルト「だって君、僕のこと待たないじゃないか」

    ライナー「お前なら平気かと思って」

    ベルトルト「アルミンのことは気にかけるくせに…」

    ライナー「悪かったよ。あとあれな、クリスタと間違えて手助けしちまったんだ。アルミンだったら助けなかった」

    ベルトルト「ひどい」

    ライナー「冗談だ。だが最近視力が落ちたのかもしれん」

    ベルトルト「クリスタと間違えたのは事実なのかよ…」

    ライナー「まあな」

    ベルトルト「でも視力低下は問題だね、大丈夫?ってなんで君が僕に相談してるんだ?相談したいのはこっちだよ」

    ライナー「はっはっは」



    エレン「(くそっ!何であいつら、ハイペースで走りながら雑談出来る余裕があんだよ…!)」

    アルミン「(僕、クリスタと間違えられてたんだ…)」

    ミカサ「元気だして。坊主にすれば二度と間違えられることはない」

    アルミン「(コニーと被るから嫌…)」
  43. 43 : : 2016/06/14(火) 22:35:30

    ライナー「こんなとこで話すのもなんだ、晩飯の後にでもゆっくり語ろうぜ」

    ーーーーー
    ーー



    ベルトルト「と、言われた場所に来てみたけれど」

    ベルトルト「遅いなあ、ライナー…」

    ベルトルト「…(心なしか、アニと別れてからずっと胸が重い)」

    ベルトルト「う…」

    ベルトルト「(喉が締めつけられるようなこの感じ…あぁ、まただ)」

    ベルトルト「こ、これからライナーと二人で話すっていうのに…」

    ベルトルト「(うう…何かに押し潰されそう…苦しい…)」



    アニ「…あんたまたひとり?」

    ベルトルト「?!」

    アニ「ライナーに見捨てられでもしたの」

    ベルトルト「ア、アニ?どうして君がここに…」

    アニ「…。どうしてって…」

    ベルトルト「(まさかライナー、アニにまで声をかけたのか!?)」

    アニ「いちいち呼ばれてもこっちも困るんだけど。今度は何の用なんだか…」

    ベルトルト「は、はは」

    アニ「…」

    ベルトルト「(どうしよう間が持たない助けて)」
  44. 44 : : 2016/06/14(火) 22:44:29
    アニ「…帰るよ」

    ベルトルト「あっ、そ、そう…」

    アニ「あんたが何もわかってないところを見ると、どうせライナーが勝手に呼んだんでしょ」

    ベルトルト「う、うーん」

    アニ「何企んでるんだか知らないけど…私も危険を冒してここまで来てるんだよ」

    アニ「面白半分で呼ばれてちゃ、たまったもんじゃない」

    アニ「あいつにもそう伝えといて」

    ベルトルト「わ、わかった…」

    アニ「それじゃ」スタスタスタ

  45. 45 : : 2016/06/14(火) 23:08:25
    ベルトルト「…(アニと一緒にいる時は必ず心が休まったけど、今のはちょっと…休まらなかったな…)」ガックリ

    ライナー「なんだあいつ。カルシウム不足か?」

    ベルトルト「!?」

    ライナー「なーんてな、はは…」

    ベルトルト「ラ、ライナー!一体君はどこにいたんだ!」

    ライナー「シッ…ずっといたぜ。そこの物陰にな」

    ベルトルト「な…なんでそんな真似を…!」

    ライナー「…すまん、悪かった。これは完全に俺の計算違いだ」


    ライナー「何かに悩むお前に元気を出して貰おうと、アニを勝手に呼び出したんだ」

    ライナー「だがアニの機嫌までは考慮していなくてな…」

    ベルトルト「…」

    ライナー「あいつへの謝罪は熱が冷めた頃に行く。蹴り喰らいたくないからな」

    ベルトルト「…うん、それがいいよ…今のタイミングだと爆発しそうだから」

    ライナー「許してくれるか?」

    ベルトルト「もう許してる」

    ライナー「やったぜ」
  46. 46 : : 2016/06/14(火) 23:18:20

    ライナー「そうだよな…お前は俺を頼ってきたんだから、俺が何とかしなくちゃいけないよな…アニに任せるのはおかしいよな」

    ベルトルト「いや、なんというか、僕の悩みの種がアニだったわけで…君の配慮がすれ違っただけだし、そこまで気に病まなくていいよ」

    ライナー「え、マジ?」

    ベルトルト「マジマジ」

    ライナー「マジか…お前、アニに何やらかしたんだよ」

    ベルトルト「…さあ……」

    ライナー「さあ…?」

    ベルトルト「しいて言うなら…何も…?」

    ライナー「何もしないで機嫌損ねたのかよ…」
  47. 47 : : 2016/06/14(火) 23:28:00

    ベルトルト「なんかよく分からないけど、今日唐突に避けられた気がするんだ」

    ライナー「ほう…?」

    ベルトルト「そう、急に距離を置かれたような…。あ、何か失言したのかな僕…」

    ライナー「さっきの様子だと、敵意は感じられなかったけどな。俺への苛立ちはもろに感じ取ったが」

    ベルトルト「それはいつものことだろ」

    ライナー「ちょっとそのジョーク今はキツイ」

    ベルトルト「ごめん本音」

    ライナー「嘘だろ」

    ベルトルト「…」

    ライナー「嘘…だろ…」

    ベルトルト「ご、ごめん。少しからかっただけだから、顔伏せないで」
  48. 48 : : 2016/06/14(火) 23:32:30
    ベルトルト「と、ところでさ、どうしてアニを呼んだんだ?」

    ライナー「は?」

    ベルトルト「あ、その、僕の元気が無いからって…どうしてアニを呼ぶことに繋がるんだろうと思って…さ」

    ライナー「ああ…」

    ライナー「ここ最近、本当楽しそうに笑うからな、お前は」

    ベルトルト「えっ…」

    ライナー「勿論アニといる時限定でだ。ったく妬けるぜ。はは」

    ベルトルト「…もしかして、君は…」

    ベルトルト「今日1日わざと僕とアニを避けていたのか?」
  49. 49 : : 2016/06/16(木) 23:24:01
    ライナー「そんなことあるかよ。偶然だ」

    ライナー「俺だってずっとお前といられるわけじゃないからな」

    ベルトルト「…変に僕らを避けるのはやめてくれよ」

    ライナー「分かった分かった。偶然だし避けた覚えもねえけど、注意する」

    ベルトルト「もう」プンプン

    ライナー「何を怒ってるんだ?」

    ベルトルト「怒ってない…」

    ライナー「いや、怒ってるだろ」

    ベルトルト「怒ってるけど君に訴えるほどの怒りじゃないから怒ってない!」

    ライナー「怒ってんじゃねえか!」
  50. 50 : : 2016/08/09(火) 14:44:01
    ベルトルト「まったくもう…僕、もう寝るよ」

    ライナー「あっ、待てって」

    ベルトルト「ついてこないでくれ!」

    ライナー「んなこと言ったってお前」

    ベルトルト「ふん!」スタスタ

    ライナー「…俺も帰る部屋は同じだってのに」
  51. 51 : : 2016/08/09(火) 14:59:30
    ベルトルト「まったくまったく…」

    ベルトルト「…」

    ベルトルト「…あれ?」


    ベルトルト「(今の僕、なんだか心が軽いな…)」

    ベルトルト「(…もしかして、ライナーのおかげなのか?)」

    ベルトルト「(今日、彼なりに僕を元気付けようとしてくれたのは確かだし…もうちょっと感謝の意を伝えるべきだったかな)」

    ベルトルト「よし、次はちゃんとありがとうって言おう」

  52. 52 : : 2016/08/09(火) 15:09:43
    ライナー「何独りで呟いてんだ?」

    ベルトルト「おわっ…き、君か」

    ライナー「俺だ。で、どうした」

    ベルトルト「あ、その…君に伝えなきゃいけないことがあるなと」

    ライナー「へえ、なんだ言ってみろよ」

    ベルトルト「えーと」

    ベルトルト「… (……?)」


    ライナー「?…そんなに言いづらいことなのか?」

    ベルトルト「いや…そうじゃなくて…」

    ベルトルト「(へ、変だな。さっきまで心が軽かったのに、今は…)」

    ベルトルト「ち、ちょっと待ってくれ。また気分が悪くなってきたんだ」

    ライナー「おいおい、大丈夫か?最近は調子良かったのになあ」

    ライナー「…あんまり酷くなるようじゃ訓練にも響くぞ」

    ベルトルト「う、うん分かってるよ」ズキン


    ベルトルト「(あ、あれ…?)」
  53. 53 : : 2016/08/09(火) 15:19:57
    ライナー「それで成績が落ちたんじゃ元も子もねえ。憲兵団入るんだろ?」

    ベルトルト「うん…」ズキン

    ライナー「…何が原因か、そろそろはっきり突き止めた方がいいんじゃないのか。精神の安定も兵士に重要な要素だろ?憲兵団どころか訓練兵落第しちまうぞ」

    ベルトルト「わ、分かってる。分かってるから」ズキン


    ベルトルト「(…なんだ、これ…)」


    ライナー「生返事だな、俺の話真剣に聞いてるか?」

    ベルトルト「き、聞いてるよ」ズキン

    ライナー「本当に大丈夫かよ…」


    ベルトルト「(僕は一体…どうしたっていうんだ)」
  54. 54 : : 2016/08/09(火) 15:27:36
    アニ「…あのさ」

    ベルトルト「!!」

    アニ「こんなとこで突っ立ってたら怪しまれるけど、いいの」

    ライナー「アニ、戻ってきたのか?」

    アニ「浴場行くまでの通り道なだけ。この時間帯は女子がうろうろしてるから、気を付けなよ」

    ベルトルト「も、もうそんな時間か」

    アニ「そう。だから早く寮に帰ったら」

    ライナー「あー…そうする」

    アニ「素直でよろしい」


    ベルトルト「… (…よかった、苦しい感覚がなくなった)」
  55. 55 : : 2016/08/09(火) 15:30:06
    アニ「あとさ」

    ライナー「ん?」

    アニ「ライナー、私と付き合ってよ」

    ライナー「は?」

    ベルトルト「…!!?」
  56. 56 : : 2016/08/09(火) 15:35:09
    ベルトルト「そ、そういうのは良くないよ!?」

    アニ「? なんの話」

    ベルトルト「もっと場所とかムードとかさ…!」

    ライナー「こんな汗くさい敷地の中でムードもクソもあるか?」

    アニ「…とにかく、しばらくの間で構わないから。いい?」

    ライナー「言ってることが要領を得ないぜ。つまりどういうことだ?」

    アニ「訓練は私と組んでって話」

    ベルトルト「あっ、そっちか…」

    ベルトルト「…いやそれも良くないよ!」

    アニ「今日のベルトルトうるさくない?」

    ライナー「俺も思う」
  57. 57 : : 2016/08/09(火) 15:40:19

    ベルトルト「ど、どうして急に、明日は他の人と組むはずじゃ」

    アニ「気が変わった」

    ベルトルト「でもアニは…ライナーのこと嫌いだろ?!」

    アニ「うーん、まあ」

    ライナー「否定しろよ」

    ベルトルト「ほらね!」

    アニ「でも、それとこれとは別」

    ベルトルト「え、ええっ」
  58. 58 : : 2016/08/09(火) 15:43:00
    ベルトルト「い、いいや…だめだ…そうだライナー、君は明日も予約が入ってるだろ?」

    ライナー「明日はフリーだな」

    ベルトルト「そうだね、僕の予約が入ってるね!」

    ライナー「何言ってんだコイツ」

    アニ「じゃあ代わってよ」

    ベルトルト「えっ」

    アニ「私と代わって」

    ライナー「まあアニが要望を口にするのは珍しいし、ここは譲ってやれよベルトルト」

    ベルトルト「う、うう…」
  59. 59 : : 2016/08/09(火) 15:52:57
    ーーー
    ーーーーー


    ベルトルト「(結局、僕は今日の訓練をほとんど独りで過ごした)」

    ベルトルト「いつもはライナーがいたけど…久しぶりだなこんな経験」

    マルコ「あれ、今日ひとり?」

    ベルトルト「あっ、う、うん」

    マルコ「へえ…珍しいな、ライナーと喧嘩でもした?」

    ベルトルト「ううん…」

    ジャン「邪魔してくれるな、マルコ。こいつは今ライナーから独り立ちしようと必死なんだよ」

    マルコ「こら、ジャン…煽る癖やめろよ」

    ジャン「これが俺だ、悪かったな」ハハハ

    ベルトルト「は、はは…」

    マルコ「ごめん、じゃあまた後でね!」

    ベルトルト「うん、また…」


    ベルトルト「(…話しかけられても、僕には新しい人脈を開拓する勇気はないし…)」

    ベルトルト「(…ジャンの言う通り、独り立ちするべきかな)」


    ベルトルト「…でも不思議だな」

    ベルトルト「(今の僕は、独りの虚しさはあるけれど、苦しい感じはしない…)」

    ベルトルト「(むしろ気楽だ)」
  60. 60 : : 2016/08/09(火) 16:03:31
    ベルトルト「…ライナー達はどうなったかな」

    ライナー「こうなったぜ」

    ベルトルト「うわっ!…ど、どうしたんだ?そのケガ」

    アニ「ミカサに巻き込まれてね。主にライナーが」

    ライナー「お前のせいでもあるだろ。俺はキャットファイトの犠牲者だ」

    アニ「どうかな」

    ベルトルト「た…大変だったんだね」

    ライナー「ああ、文字通り痛い目あったぜ。もうアニに付き合うのはごめんだ」
  61. 61 : : 2016/08/09(火) 16:11:45
    アニ「減らず口をたたく前に医務室行ったらどう」

    ライナー「かったるいな…誰か運んでくれよ」

    ベルトルト「あ、僕はパス」

    アニ「あんたが50キロ痩せたら考える」

    ライナー「涙が出そうだ」スタスタ

    アニ「いってらっしゃい」

    ベルトルト「…」
  62. 62 : : 2016/08/09(火) 16:34:44
    ベルトルト「医務室行かせなくても…よかったんじゃないか」

    アニ「まあ治そうと思えば済むね」


    アニ「あんたさ、今日独りで過ごしてどうだった?」

    ベルトルト「え?」

    アニ「本当は気付いてるんじゃないの」

    ベルトルト「な、なにが?」

    アニ「独りの方が楽だろ」

    ベルトルト「?… う、うん。そうだね、気を遣わずに済むし」


    アニ「普通は人といる方が気が紛れて、悩まないんだよ。でも、あんたはライナー以外と話さないだろ」

    ベルトルト「…??」

    アニ「心の底ではあいつから逃げたがってること、顔に出てたよ」

    ベルトルト「ち、ちょっと待ってよ、これは何の話なんだ?」

    アニ「ベルトルトの話」
  63. 63 : : 2016/08/09(火) 16:40:54
    アニ「ライナーの話とも言えるけど」

    ベルトルト「よ、よく分からないよ」

    アニ「何の疑問もなく医務室へ直行するの、変だろ。今私達しかいないんだから治せばいいのに」

    ベルトルト「…」

    アニ「今日一日行動を共にしただけでもあいつの変化には驚かされたわ。ベルトルト、それを隠してたんじゃないの」

    ベルトルト「え、そんな…僕は…」

    アニ「私がライナーへ近づくことを、必死になって止めたのもそう。でしょ」

    ベルトルト「…」
  64. 64 : : 2016/08/09(火) 16:57:02
    ベルトルト「…」


    違和感を覚えたのはいつからだろう。
    思い出せるのはそれを感じ始めた頃、同時に嫌な予感もしていたことだけだ。ただ、僕は認めたくなかった。

    気づけば唯一の親友は、違う顔を見せるようになっていた。


    ベルトルト「僕は…」


    僕は昔から罪悪感に悩まされていた。進んだ道に後悔しながら、もう仕方がないんだと言い聞かせては諦めている自分が、とても屑なような気がして。

    そしてそれは親友によって、より一層強さを増した。
  65. 65 : : 2016/08/09(火) 17:07:29
    ベルトルト「(思えば、体調不良に陥っていた間、ライナーはずっと僕についていてくれていた…)」

    ベルトルト「(それが裏目に出てたなんて)」


    アニ「結論は出たかい」

    ベルトルト「……僕はアニがいないと苦しいんじゃない」

    ベルトルト「ライナーがいると、苦しいんだ」
  66. 66 : : 2016/08/09(火) 17:09:22

    ふざけたタイトル付けたなと思いました。変えようかな!
  67. 67 : : 2016/08/09(火) 17:50:54
    乙でした

    >>66
    いや、大丈夫だと思いますよ。むしろ私とかタイトルに惹かれてこれ開いたし←
  68. 68 : : 2016/08/09(火) 20:10:42
    >>67
    ありがとうございます
    意外性を狙って付けたタイトルなので、まんまと引っかかって貰えて嬉しいです(照
  69. 69 : : 2016/08/09(火) 20:43:27



    流れやたまに入ってるギャグがええ感じや。


    好きやで
  70. 70 : : 2016/08/09(火) 22:44:51
    >>69
    ドキッ…///
    ありがとうございまーす!がんばって練った甲斐がありました(ホロリ

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