このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
ユミル「…ムラムラする」
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- 1 : 2016/02/10(水) 18:57:13 :
- はい、前作『アルミン「僕の好きな女性のタイプ?」』の続きです
このシリーズとは別の作品である『僕という生き物 ※R18※』の筆の進み具合が余りにも進まない…
それでいてこちらのシリーズのカップリングであるユミ×アルの描写等が簡単に浮かんでくる…
これは酷いと思いつつもならば先にこちらから終わらせてしまおうと思い今回こうして作品を書きます
※時間がかかるかもしれませんが『僕という生き物 ※R18※』は終わらせます
時間がかかってる理由は忙しいではなく間違いなく『同性愛の描写』が難しいからです、申し訳ありません
※ここからは作品の注意点です
この作品及びシリーズは性描写とカップリングが数多く含まれています
カップリングはユミ×アルが中心になりますがそれ以外も色々書きます
そして性描写の際に地の文が増えます、読みにくくなるかもしれませんがご容赦下さい
尚、前回までは性描写が入るたびに警告をしていましたが今回からは警告なし、いきなり始まります
これは恐らくそうした方が読みやすいだろうという考えからです
それと『僕という生き物 ※R18※』では話す人の前に名前を置きませんでしたが今回は置きます
口調の似たキャラクターが多い(マルコとアルミン等)ので混乱しやすいのではないか…という理由からです
それに視点も変わりますからそうした方が読みやすいだろうと思うので…
『このカップリングは気に食わないな…』とか
『原作ではこのキャラがこのキャラに対して恋愛感情持つとか無いでしょ』
というような考えがある場合、且つその考えに納得いかない場合はブラウザバックをお勧めします
私より上手い文を書く人はとても多いですから、他の方々のSSを読まれることをお勧めします
カップリング等は気にしないというような方は気楽に見て行って下さい
長々と失礼いたしました、それでは始めます
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- 2 : 2016/02/10(水) 20:02:41 :
- -女子寮-
ユミル「…ムラムラする」
クリスタ「!?」ブフッ
ミカサ「…ユミル、ここは女子寮だからまだいいが
男子に聞かれでもしていたら色々と不味い」
ミーナ「本当だよ…」
アニ「アンタ他人の部屋来てまで第一声がそれかい?
私はもう寝たいんだけど?出てってくれない?」
ユミル「お前はいいよなぁ…エレンがいるからよぉ…」
アニ「……あぁ…私は性欲を格闘術の練習で発散してるんでね」
ユミル「…(ミカサがいるからか…うまく逃げたな…)」
ミカサ「……まぁ…いいだろう…よくないが…」
クリスタ「…でも…ムラムラするって…その…
『自分で処理』したらいいだけじゃないの?
流石にアルミンに頼む訳にもいかないでしょ?」
ミーナ「……?…え?アルミンってどういう事?」
ユミル「…クリスタ…お前はわかってないな」
クリスタ「?」
ユミル「別に私の言うムラムラはそういうもんじゃねーんだ…
オナれば気が済むようなものじゃあ無いんだよ」
クリスタ「そんなド直球に言わなくても…」
ミカサ「…ユミル…あなたの言うムラムラ…とはもしかして
『アルミンとシたい』…ということだろうか」
ミーナ「いや…え?」
アニ「アンタは静かにしてな」
ミーナ「え?…あぁ…うん」
ユミル「まぁそうだな…それが近いかもな」
ミカサ「…ユミル…それは『もしも』の事を考えると
あまり…というか普通に考えてお勧めは出来ない…
あなたの事だから自分の体は把握してるだろうが…」
ユミル「安心しろ…別にアルミンと最後まで行こうって
訳じゃ無い
ただ突っ込んで出して終わり…って物が『愛し合う』
って事にはならないだろ?」
ミカサ「…それはそうだが」
ユミル「それに考えてみろ…アイツがその場の雰囲気だとかに
流されて私を押し倒すような奴だと思うか?」
ミカサ「…それもそうだが」
ユミル「まぁ…一回『ユミルは満足できているの』って
聞かれた事もあるから興味はあるんだろうがな」
アニ「…男だし一回出させてやれば治まるでしょ」
ユミル「…まぁそれもそうだがいつも手でやるのもな
それに何より私が満足できん」
アニ「『素股』でもしてやればいいじゃないか…喜ぶでしょ
私の時h…ッ」
ユミル「ほーう…『私の時』…何だって?」ニタァ
ミカサ「…アニ?」ズィ
アニ「忘れな」
ミカサ「そうはいかない…あなたが『素股』を知っているのも
驚いたが…
その次…『私の時…』?
アニ…予想は付いているが…一応聞いておこう…
『相手は誰』?」ズズィ
アニ「『私の時は相手にそうしてやる』って言いたかったんだ」
ユミル「ハァ…めんどくせぇな…もういいだろ?」
ミカサ「…アニ…私も想像は付いている…だから貴方の口から
聞きたい」
アニ「…わかったよ…『私はエレンと付き合っている』
これでいいかい?」
ミカサ「そう…」
ミーナ「え゛!?何それ初耳なんだけど!?」
クリスタ「エレンとなの?」
アニ「あぁ…まぁ…そうだね」
ユミル「…まぁ」
アニ「?」
ミカサ「…アニ…私は『貴方の口から聞きたい』とは言ったが…
『許して認める』
などとは一言も言っていない」
アニ「騙したね!?」
ガシッ
ギリギリギリ…
ミカサ「先ほども言ったが私は『貴方の口から聞きたい』
と言っただけ…」
アニ「このっ…」
ユミル「その辺にしとけって…教官にバレると面倒だからよ」
ミカサ「…」
パッ
アニ「…チッ」
ミーナ「…(親友がいつの間にか先に行っていた件について)」
クリスタ「分かるよミーナ…その気持ち」ポン
ユミル「とは言っても…素股ねぇ…する側は気持ちいいのか?」
アニ「…」チラ
ミカサ「…」ジーッ
ユミル「ほらミカサ…お前にも有用な情報だぜ?聞いとけって」
ミカサ「…わかった…今は大人しくしていよう」
アニ「…『クリイキ』出来るならね…私がそうだし」
ユミル「そうなのか…私は違うんだよ…あぁーどうしたもんか」
ミーナ「ねぇ…さっきから思ってたんだけど…いいかな?」
ミカサ「?」
ユミル「?」
クリスタ「?」
アニ「?」
ミーナ「いや…『コンドーム』使えばよくない?」
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- 3 : 2016/02/11(木) 03:14:23 :
- 一同「…」
ミーナ「いや…何か言ってよ…私が何か間違った事言ったか
不安になるんだけど…」
ユミル「…部屋に帰るわ、サンキューミーナ」
アニ「アンタら本当に何しに来たんだい!?」
ミカサ「アニ…また明日…話そう」
アニ「あぁぁぁもう!!」
クリスタ「あははは…頑張って?…おやすみ」
バタン
ミーナ「まぁ…明日の事は明日考えよう…?」
アニ「……ミーナ……『ゴム』ってどこで買えるの?」
ミーナ「え!?…えっと…薬局とかじゃないかな」
アニ「街行けばあるかな」
ミーナ「大きいお店ならある…とは思うけど…」
アニ「…」
ミーナ「…相手はやっぱりエレンなの?」
アニ「…まぁ」
ミーナ「…どこまで行ったの?」
アニ「…一歩手前」
ミーナ「一歩手前って事は『ペッティング』までって
事でいいのかな?」
アニ「そうだけど…」
ミーナ「エレンとはどういう間柄…?なのかな?」
アニ「間柄って…恋人だけど…」
ミーナ「言い方が悪かったね…
『攻め』とかそういう意味で」
アニ「あぁ…基本はアイツに合わせてるけど」
ミーナ「………付き合い始めてからどれくらい?」
アニ「…一月も経ってないね」
ミーナ「……そう……アニ…ちょっといいかな?」
アニ「何だい神妙な顔して…」
ミーナ「うん…人と付き合ったことのない
私が言うのも何だけど…
一つ言わせてもらっていいかな」
アニ「…?」
ミーナ「その…エレンとは少し離れた方がいいと思う」
アニ「…どういう意味?…別れろって事?」
ミーナ「そう言う意味じゃないよ…なんて言えばいいのかな…
エレンはさ…男の子でしょ?」
アニ「何当たり前の事言ってるのさ」
ミーナ「…もしこのペースのまま関係が深くなったら…
どうなると思う?」
アニ「どうなるって…それは…」
ミーナ「その内エレンから『ゴム無し』でって
言われるんじゃないかな」
アニ「…」
ミーナ「アニ…『もしも』の事があったとき…
困るのはエレンじゃなくてアニなんだよ?」
アニ「…わかってるよそれくらい…自分の体調位把握してる」
ミーナ「そう言って妊娠しちゃった子が居たの忘れたの?」
アニ「…」
ミーナ「あの子は『安全日だから』って言ってたのに
妊娠しちゃったでしょ?
こんな生活だから…排卵日のズレはよくあるし…」
アニ「…」
ミーナ「考えてみて?
男子は訓練兵を続けるから育てることはできない
堕ろすなんて選択肢もお金が無いから
設備も整ってる場所になんていけない
結局開拓地で一人で子育て…
夫はいないから自分が働かないといけない
でも子育てもあるから満足に働けない
働けないからお金がない
お金がないから栄養のあるものも食べれない
栄養のあるものが食べれないから栄養のあるおっぱいも
あげれない
そんな生活が続いて…あの子は何を思うのかな
『私はこんなにも苦労しているのに彼は今訓練兵
として衣食住に困らずに生活をしている』
そんな『自分を裏切った彼』との間に出来た赤ちゃん
もしかしたら生まれた赤ちゃんを自分の手で殺しちゃう
なんてこともあるかもね
『愛』だなんだって言ってたけど…
今…あの子は本当に幸せなのかな?」
アニ「…」
ミーナ「まぁ…今言ったのは最悪の場合が重なりに重なった
って感じだから
もしかしたら開拓地で彼女と一緒に暮らしてくれる
男の人もいるかもね?
でも考えてみてよ
『他人との間に出来た赤ちゃんを連れた女』
開拓地に住んでる男がそんな女と付き合いたいかな?
只でさえ貧しい開拓地で…働き手にならない食い扶持
が増えるんだよ?」
ミーナ「私が男だったら…嫌だよ」
アニ「…」
ミーナ「あの子は『愛があれば…』って言ってたよね」
アニ「…」
ミーナ「そうでも言わないと怖かったんだと思うよ?
だって『未来 』が見えないから」
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- 4 : 2016/02/11(木) 04:03:33 :
- ミーナ「もし卒団まで我慢出来てたら…
駐屯兵団にでも入って…二人で一緒に仕事が出来て
誰にも文句言われずに愛し合えるでしょ?
妊娠すれば夫と一緒に同僚や先輩に祝福してもらえる…
自分は事務作業のある部署にでも配置換えしてもらえば
負担の少ない仕事で十分なお金がもらえるでしょ?
子育てに必要なお金もそこから出せる…
全部少しだけの我慢で手に入るんだよ?
アニもエレンも10位以内…
アニは憲兵団に行くって言ってたよね?
憲兵団だよ?…駐屯兵団や調査兵団とは
給金も比べ物にならない
もしアニが説得してエレンも憲兵になったらそんなに
時間もかからずにいいお家に住めるんじゃないかな?
お家も買えていい食べ物もあるから子育ても順調…
夫婦円満…
それを『一時の快楽』と『愛』で台無しにするの?」
アニ「…」
ミーナ「お説教みたいになっちゃったけど…我慢して?…アニ」
アニ「……」
ミーナ「…アニ?」
アニ「ごめんね…ミーナ…」
ミーナ「…」
アニ「浮かれてたよ…」
ミーナ「…」
アニ「明日…」
ミーナ「…エレンに言うの?」
アニ「『エレンを張り倒す』」
ミーナ「何で!?」
アニ「当たり前でしょ?
アンタに言われるまで全く考えなかったけど…
よく考えたら他の男子から見れば
私は『付き合ったら一月で股開く尻軽女』じゃない?
もう考えるだけで腹立ってきた…
何アイツ…『可愛い』だとか『綺麗』だとか
言っておきながら…実際私の体目当てなの?」イライラ
ミーナ「お…落ち着いてアニ…エレンの事だから体目当ては
ないよ…
(過去見たことない位怒ってる…怖いよ…)」
アニ「でもそうでしょ?
アイツの要求段々エスカレートしてるんだから…
少し前まで手だけだったのが気づいたら胸も使って
この前は素股
挿入一歩手前じゃないか」イライラ
ミーナ「あぁ…うん……もう張り倒しちゃっていいと思うよ?
(よく考えなくても自業自得だよエレン…)」
アニ「そうする…本当にありがとうミーナ…目が覚めたよ…
『もしも』があったら困るのは私だからね…
『手綱』は私が握るようにするよ…」
ミーナ「うん…頑張って」
アニ「…すこし頭冴えちゃったよ
腹筋するから手伝ってくれない?」
ミーナ「いいけど…
(何でミカサもアニも落ち着かなくなったら
腹筋するんだろう)」
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-翌日-
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- 7 : 2016/02/12(金) 06:14:31 :
- 空が白む
同室の三人はまだ寝ている
僕はというといつもよりもずっと早く目を覚ました
本来ならすがすがしい朝を迎えていたはずなのだけれど
僕の気分は朝から落ち込んでいた
「ハァ…」
バシャバシャ
自分の下着を洗いながらため息をつく
簡潔に言うなら、僕は夢精をしてしまった
夢精をする…というのは男子ならおかしくはない
僕も朝起きて下着を洗っている男子を何人か見かけたことがある
夢精をする理由はいくつかある
それこそ訓練が忙しくて『自分で処理』する気力もないまま
ベッドに倒れ込むような日が何日か続くだとか
単純にエッチな夢を見ただとか色々ある
僕の場合は前者ではなく後者だった
前者ではない理由としては単純で前日に『処理』したから…
…『自分で』ではないのだけれど
『自分ではない』なら誰なのか…
と問われると相手は『ユミル』であると答える
昨日も人気のない場所…
といっても離れた倉庫に呼び出されて手でしてもらった
だから『処理』が出来なくて夢精をする
という条件には当てはまらない
僕が落ち込んでいるのは後者である『理由』だった
エッチな夢を見る…というのはまぁいいとして
問題は『見た相手』だった
見た相手がユミルなら…
『夢の中でまで…』と軽く笑んで済ませれるのだが…
相手が昔から寝食を共にしたことのある『幼馴染の女性』なの
だから頭を抱える
よくジャンからミカサが幼馴染で羨ましい…と言われる
事がある
でもよく考えてほしい
寝食を共にした時期もある小さいころからの知り合い
感覚としてはもう『姉』や『妹』に近い
そのミカサの夢で夢精をする…
正直に言ってユミルに申し訳ない気持ちでいっぱいである
それに…
夢を見ていて『とても興奮してしまった』のも自己嫌悪に
陥ってる理由
想像で見たミカサの体はとても艶めかしかった
キメの細かい肌に指を滑らせて
首筋にキスを落としてしなやかな体を抱きしめる
たったそれだけの夢だったのにとても興奮して夢精してしまった
「二人に合わせる顔が無いよ…」
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--
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エレン「うっす…おはよう」
アルミン「おはようエレン」
ベルトルト「おはよう」
ライナー「よし、飯行くか」
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- 8 : 2016/02/14(日) 06:16:55 :
- -食堂-
ミカサ「おはよう、二人とも」
エレン「おう」
アルミン「あ…おはよう」
参ったな…
会話がぎこちない…
ミカサ「…?大丈夫?」
アルミン「うん、少し寝付きが悪かったからスッキリしてないだけ」
本当の事なんて言える訳ないし…
ミカサ「そう…」
ユミル「よぉ…そんな所に突っ立ってどうしたんだ?」
ミカサ「アルミンの調子が良くないようだ」
クリスタ「…大丈夫なの?」
アルミン「大丈夫だよ」
ミカサの心配性も昔から治らないね
ユミル「まぁ無理はするなよ?」
アルミン「うん」
アニ「エレン…ちょっと来な」
エレン「お?…何だ?」
アニ「いいからついて来な」クィ
ミカサ「…」ズィ
ミーナ「落ち着いてミカサ」ドウドウ
ミカサ「でも…」
ミーナ「大丈夫大丈夫」
ミカサ「…わかった」
ライナー「…エレン」ボソ
エレン「ん??」
ライナー「お前アニに何かしたのか?」ボソボソ
エレン「は?…いや…特に何も?」ボソ
ライナー「本当か?」
エレン「あぁ…特に思いつかねぇな」
アニ「何コソコソしてんのさ…さっさとしな」
エレン「あ…あぁ」
スタスタ
ライナー「…なぁベルトルト」
ベルトルト「…うん」
アルミン「どうしたの?」
ライナー「いや…なんでもない…
(飯は取って置いてやるか…食えるかは別として)」
ベルトルト「…(アニが怒ってる感じだったけど…)」
…アニが少し…というか結構不機嫌?…な感じだったけど…
エレンが何か怒らせるようなことしたのかな?
ユミル「まぁ先に飯食ってようぜ」
ミカサ「…アルミン、一緒に食べよう」
アルミン「うん、いいよ」
席についた僕の隣に腰を下ろすミカサ
…距離が近いような気がする
気がするというかもうくっついてる
いつもはエレンを挟んでたから気にするようなことでも
なかったんだけど…
ミカサ「…」パク…
特に意識してる訳ではないみたい…
まぁミカサは表情が薄いから昔から関係のある僕やエレンでも
読めない時がある
僕が気にしすぎなんだろう
今朝の事もあるし意識するなというのが無理があるけど…
ミーナ「…(最近ユミルがアルミンの前座ること多いと
思ってたけどそういう仲だったんだねぇ…)」モグ…
ユミル「あぁ…そうだアルミン」
アルミン「?」
ユミル「明日の休み空いてるか?」
アルミン「?…予定は入ってないよ?」
ユミル「連休だし一日空けてくれないか?」
アルミン「うん、大丈夫」
買い物とかかな…
ユミル「サンキュー」
ミーナ「…(あっさりデートの約束取り付けてるし…)」
ベルトルト「…(デートの約束取り付けるのに
初々しい感じが全く無いな…)」
ライナー「?(二人きりで出掛ける程仲良かったか?)」
エレン「ただいま」
ミカサ「大丈夫?エレン…」
エレン「あ?…あぁ…問題ない」
ライナー「飯とっといたぞ」
エレン「おう、助かる」
怒られたのかな?
アニ「…」ストン
ミーナ「アニ…アニ?」ヒソ
アニ「何?」
ミーナ「ちゃんと怒った?」ヒソヒソ
アニ「大丈夫」
エレン「…(結構効いた…痛ぇ…)」パク…
ライナー「…大丈夫か?」ヒソ
エレン「ん?」
ライナー「アニだよ…殴られたんだろ?」ヒソヒソ
エレン「…まぁ…ボディをな…」
ライナー「くはははwww痛ぇだろアニのはwww」
エレン「笑い事じゃねぇよ…まぁそこまで強くはなかったが」
ライナー「まぁアイツが怒るって事はそれなりの理由がある…
自分の胸に手を当てて反省することだな」
エレン「……あぁ………それにしても詳しいんだな?」
ライナー「まぁ……人を見る目は養ってるんでな」
エレン「そうか」パクパク
ライナー「興味を持てよ!」
ベルトルト「ライナー…静かに食べなよ」
エレン「そうだぞ、教官に怒られるだろうが」
ライナー「くっ…まぁいい」パクパク
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-
さてと…訓練は午前が座学で午後が馬術
…対人格闘や立体機動に比べたらまだ大丈夫だね
座学は問題ないけど馬術は怪我もあり得るから
気を引き締めて行こうか
-
- 9 : 2016/02/15(月) 05:01:48 :
----
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-
-座学終了後-
…
ライナー「どうしたアルミン」
アルミン「…」
ライナー「アルミン?」パチパチ
ん?
アルミン「っと…あぁ、ごめん。考え事してた」
ライナー「目の前で指鳴らしても気づかないとはな…課題か?」
アルミン「ん?…うん、それもあるんだけど…」
ライナー「…ミカサだな?」
アルミン「え」
ライナー「気にしてたろ?…流石にわかるぞ」
アルミン「ん…そうだね」
正直に言うとミカサの様子がおかしい
何を考えているかわかりにくい…というのは昔からなのだが
それでも様子がおかしい
朝から何となく違和感があったのだが
座学での席順でその違和感が確信に変わった
いつもは座学の席順では僕、エレン、ミカサの順で
エレンを挟む形になるのだが今回はいつもと違った
エレン、僕、ミカサの順
これだけならまだ僕の気のせいで通せる…少し厳しいけど
でも僕は席の端の方に座っていた
そうしていたのにも関わらず僕に中央へと詰めさせるようにして
ミカサが座ってきた
これは流石に僕の隣に座るという『意志』とまでは言わないけど
考えがあっての事だろう
僕に何か伝えたいことでもあるのかな
言葉にせず行動や仕草で示さないといけない必要がある…?
話をしたくても僕の傍に聞かれたくない人がいる…
『エレン』だろうなぁ…殆ど一緒にいる事も多いし…
エレンに聞かれたくないことで僕に知らせたい事がある…
だから行動で僕に察してもらいたいって所かな
…次の馬術でミカサに話しかけてみるかな
---
--
-
-馬術-
…で
ミカサ「よろしくアルミン」
アルミン「…うん、よろしく」
どうしてこうなるのかな
馬術が始まって『二人組を作るように』と言われたので
僕からミカサに声をかけた
そこまではいい
そこまでは良かったのだが二人組を作る理由が『馬に二人乗り』
する為だというのだ
壁外で馬を失った場合を想定した訓練
壁外で馬というガスと同じくらい…場合によってはガス以上
の生命線と言えるものを失う
それは文句なく『死』を意味する
そのために他の人の馬に乗せてもらい安全な場所を目指す
若しくは替えの馬を得るまでの移動手段とする
そういう訓練
でもこれだと間違いなく…
僕が後ろに乗ることになる
これが結構辛い
ライナーやベルトルトならまだ僕も納得ができるのだが
ミカサだと色々と辛い
男としてのプライド…というのもあるが…
ミカサ「…?アルミン…もう少し抱きついてほしい」
となる
アルミン「う…うん」
色々と厳しい
僕が前に行くという事も出来るがそうすると今度は
ミカサが僕に抱き着く形になる
そうなると『胸』だとか身長の関係で『息』だとかが当たり
厳しい所の話ではない
ミカサ「アルミン…しっかりと抱き着いて…馬が走り出したら
振り落とされてしまう」
アルミン「…わかった」
ミカサのお腹に手をまわして抱き着く
引き締まったお腹は彼女の運動量の多さを物語っていて
ミカサが合図を出すとリズミカルに馬が走り出す
ミカサの黒く艶のある髪が規則的に揺れる
黒髪の女性は少なくない…ユミルやミーナも黒髪
でもミカサの髪はそういった『普通の黒髪』とは別物
黒の中にどことなく冷たさを感じさせる色を持っている
真っ黒な髪と美しい艶は彼女の髪が今も濡れているかのような
錯覚を覚えてしまう
アルミン「…」
ミカサ「ッ……アルミン?」
アルミン「っ…ごめん」
手を戻す
自分でも殆ど無意識の内に彼女の髪に触れていた
ミカサ「髪に何か付いていたのだろうか?」
アルミン「いや…凄く綺麗だったから…つい触っちゃったんだ」
ミカサ「…」
アルミン「ごめんね、もうしないよ」
流石に気味悪がられちゃったかな…
ミカサ「…アルミン」
アルミン「な、何かな?」
ミカサ「貴方なら触ってもらって構わない…
…この髪は貴方が育ててくれたも同然」
アルミン「…え?」
ミカサ「貴方からもらった櫛で毎日この髪を梳いている…
そのおかげかクリスタ達から褒められるようになった」
アルミン「…でも櫛だけでそうなるものなの?」
ミカサ「あの櫛にはオイルが染み込ませてあるから
髪を梳く度に髪に潤いが与えられる
…ので艶やコシのある髪になる」
アルミン「そうなんだ…」
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- 10 : 2016/02/16(火) 06:09:42 :
- -馬術終了後-
アルミン「そういえばミカサ?」
丁度いいタイミングだしここで話を聞いておこうか
ミカサ「何?」
アルミン「僕に何か話したいことあるの?」
ミカサ「話したい事…?」
え、反応薄くない?
朝から結構僕に対して何か気付いて欲しそうだったんだけど
アルミン「え?無いの?」
ミカサ「…?」
何も思いつかない
そう言う顔で首をかしげている
アルミン「んんん?」
あれ…おかしいな…
ミカサ「強いて言うなら…」
アルミン「強いて言うなら?」
ミカサ「貴方ともっと…話をしていたい」
アルミン「…え?」
ミカサ「可笑しいだろうか?」
アルミン「いや…」
…
話をしていたい…
もしかして僕とエレンが話をしてばっかりだから寂しい…
という意味なのかな…
…申し訳ないことをしたな
アルミン「うん、わかったよ」
明日はユミルと出掛けるしユミルからも女子寮内での
ミカサについての話を聞いておこうか
……でも二人きりで出掛けるのに他の女性の話を持ち出すのって
ダメだよね?
ユミルはそういう事気にする人じゃないけど…
…やめておこう
夕食後に話を聞こうか
---
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-
-夕食-
エレン「やっと飯か…馬術は単調で退屈なんだよなぁ…
やっぱり立体機動か対人格闘が一番だな」
アルミン「その二つも大切だけど馬術も大切だよ…
調査兵団に入団したら嫌でも扱う技術なんだから…」
エレン「わかってるって…死ぬのは嫌だからな」
ミカサ「アルミン、隣いいだろうか」
アルミン「うん、いいよ」
クリスタ「皆、一緒に食べよう?」
アルミン「うん、いいよ…って……どうしたのユミル?」
ユミル「…何でもない」
ユミルの頬に大きな赤い跡がある
クリスタ「何でもないじゃないでしょ?」
アルミン「?」
クリスタ「聞いてよアルミン…ユミルってば馬術の時に
私の体撫でまわしたんだよ?」
ライナー「…(羨ましいな)」
ベルトルト「…(ライナーの考えが手に取るようにわかる)」
アルミン「ユミル…」
だから君にはレズ疑惑がかかるんだよ?
ユミル「別にいいだろ…からかっただけじゃねぇか」
クリスタ「からかったってレベルじゃないでしょ…ブラの中に
まで手を突っ込んでおいて…
危うく落馬しそうになったんだからね!」
ユミル「はっはっは、私のテクで感じてくれるとはな
私もまだまだ捨てたもんじゃないな」
クリスタ「もう!」
…君本当にレズじゃないんだよね?
---
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-夕食後-
ミカサ「アルミン、エレン…私はこれで部屋に戻る…また明日」
エレン「おう」
アルミン「うん、また明日…ユミル、ちょっといい?」
ユミル「ん?」
アルミン「少し話したいことがあるんだけど…時間ある?」
ユミル「おう、構わねぇぞ…クリスタ、先に戻っててくれ」
クリスタ「はーい、また明日ねアルミン、エレン」
エレン「おう、先に戻ってるぞアルミン」
アルミン「うん」
スタスタ
皆行ったみたいだね…
ユミル「…さてと…場所移すか」
アルミン「いや…今日は『そういうの』じゃないんだ」
ユミル「…何だ、違うのか」
アルミン「うん、話したい事があるって言ったでしょ?」
ユミル「…そうだったな、で…何だ?」
アルミン「ミカサの事なんだけど…」
ユミル「ミカサ?…アイツがどうかしたのか?」
アルミン「ミカサって…女子の間でいじめられてたりしてない?」
ユミル「ミカサがか?…どうしてそう思うんだ?」
アルミン「様子がおかしくてね…」
ユミル「様子がおかしいねぇ…そうは見えなかったが…
お前が言うんだからそうなんだろうな」
アルミン「うん…」
そこから今日ミカサとの間にあった出来事をユミルに話していく
ユミル「成程ね」
最初は真剣な顔で聞いていたユミルからはもう張り詰めた雰囲気
は無くなっていた
今は僕を試しているかのような顔で微笑んでいる
ユミル「それで?お前はどうするんだ?」ニヤニヤ
アルミン「…ねぇ、僕は本気で心配しているんだよ?」
ユミルは物分かりもいいし賢いから話しやすいけど
少し人をからかう癖がある
ユミル「安心しろって…少なくともアイツはいじめられてたり
はしてないからよ」
アルミン「…本当かい?」
ユミル「あぁ…私が保証してやる」
アルミン「…」
-
- 11 : 2016/02/16(火) 07:13:37 :
- ユミルの言葉には重みがある
少なくとも確信もないまま『保証する』と言う事は無い
アルミン「本当かい?」
ユミル「あぁ…アイツをいじめるような女子は女子寮には
いない」
アルミン「どうして?」
ユミル「アイツは昔…入団したての頃にいじめられてた」
アルミン「え!?」
ユミル「落ち着け、もう解決してる…
いじめてた奴等も今はもう開拓地だ」
開拓地…
ユミル「ミカサはスタイルも顔もいいだろ?
髪も真っ黒で良くも悪くも目立つからな」
確かに…ミカサは多くの女子とは明らかに雰囲気が違う
集団の中に紛れ込んでも彼女は『浮いてしまう』
ユミル「色々と凄かったぜ?
ミカサに対してコンプレックスを抱いてたのか…
いじめてた奴等はネチネチと鬱陶しいタイプの奴でな
ミカサに絡んでは絶妙なタイミングで逃げやがる
あの才能をもっと別の所で発揮してればな…」
アルミン「どうやって解決したんだい?」
ユミル「あれは…いじめが二週間くらい続いてた頃だな」
二週間も…
ユミル「ミカサは分け隔てなく人と接する奴だから簡単に
暴力を振るうような奴じゃない」
アルミン「…」
ユミル「そのミカサが…ある時そいつらの一人…
まぁリーダー格の奴に暴力を振るったんだ」
アルミン「…もしばれたら営倉行きじゃないか」
ユミル「まぁ…それでもアイツは許せなかったんだろうな」
アルミン「許せなかった…?」
ユミル「そうだ、リーダー格のそいつは最悪な事に
ミカサの『大切な物』を馬鹿にしたんだ」
アルミン「大切な物…」
ユミル「そいつは…『お前ら』だ」
アルミン「…僕たち?…エレンと僕かい?」
ユミル「そうだ、もう少し言うなら『お前らの夢』…
そいつを馬鹿にした、そこからは一瞬だったな」
僕たちの夢…か…
ユミル「ふらっと…リーダー格の目の前に行ったミカサは
問答無用でそいつにビンタしたんだ」
アルミン「うわぁ…」
ミカサのビンタ…考えただけでも嫌だな…
ユミル「ミカサのビンタだぞ?
ライナー辺りだろうと一発で足腰立たなくなるし
下手すりゃ気絶する」
だろうね…
ユミル「それをライナーよりも一回りも二回りも小さい女が
受けるんだ…
見物だったぜ?
ビンタで人が転がったんだからな」
アルミン「…生きてるのそれ?」
ユミル「あぁ、気絶してたがな
それでアイツはこう言ったんだ
『次は無い』ってな」
アルミン「…それで終わった」
ユミル「あぁ…いじめはぱったり止まった
…まぁそれがキッカケでアイツは
女子の中で一際浮くようになっちまった」
…
ユミル「それでもアイツに話かけるような奴は多くいた
ミーナやサシャ…クリスタって所か
ミーナはミカサがいじめられてた頃から
ミカサを気遣ってた…
アイツは気遣いが出来る…いい嫁になるぞ?
そんでサシャは芋の件でいじめられてたからな…
救われたんだろ
クリスタは…まぁそういうのに首突っ込む性質だからな
仕方ないっちゃぁ仕方ない」
アルミン「サシャもなのか」
ユミル「当たり前と言えば当たり前だわな…
いじめる側からすれば『あの一件』はいいネタだ」
『あの一件』は衝撃的過ぎたから…
それこそ死ぬまで覚えてる事の一つになる位だろうね…
アルミン「でも…君はどうしたんだい?」
ユミル「私か?…私はクリスタと一緒にいたからな…
当時のミカサからしたら『クリスタの露払い』って
印象だったんじゃないか?」
アルミン「話しかけたりしたの?」
ユミル「あー、そこまでだな…
アイツのビンタを見た時は私は爆笑してたけど
まだ気軽に話しかけるような仲じゃなかったな
クリスタを挟んで話すようになって少ししてから
二人でも話すようになったって所か」
アルミン「そうなんだね…」
ユミル「これでアイツをいじめるような奴はいなくなった
今ではアイツは輪の中心だからな」
アルミン「うん、わかった…ありがとう
少し肩の荷が下りたよ」
ユミル「それはそうとだ…」
アルミン「?」
-
- 12 : 2016/02/16(火) 12:21:24 :
- ユミル「『もっと話したい』って言われたんだろ?
どうするんだ?
どうせなら明日はミカサも連れていくか?」
アルミン「いや、それはユミルに悪いからやめておくよ」
ユミル「そうか?私は構わないが…」
アルミン「それは駄目だよ、明日は二人で出掛けるんでしょ?」
ユミル「まぁ…お前がそういうなら明日は二人で出掛けるか
…じゃぁ明後日か?」
アルミン「うん、明後日にミカサと話すよ」
ユミル「…なら『丁度いい』だろうな」
?
アルミン「丁度いい?」
ユミル「あぁ…明日から三日間の連休…これだけの連休は
そうそうないからな…
簡単に言えば帰省するタイミングって事だ」
アルミン「確かにジャンだとか他の多くの訓練兵が帰省する
みたいだけど…
それが何か関係あるの?」
ユミル「考えてみろよ…一年でも数少ない連休だ
それは『教官達』も例外じゃないって事だ」
…
成程…
アルミン「はぁ…」
ユミル「気付いたか?
『今度も』楽しくなるぞ?」
アルミン「あぁぁぁもう…」
一年に何度かある数日間に及ぶ連休
それは寮暮らしの長い訓練兵には帰省するいいタイミングになる
そしてそれは訓練兵と同じく『教官』も同様
教官達も規制をして連休が明けるまで休むことができる
しかし僕やエレン等、帰る場所のない訓練兵は
訓練所に残ることが許される
つまり
訓練所に残った訓練兵は
教官のいない訓練所で
『なんでもできる』のだ
それこそ本来なら営倉行きになるような事も出来る
だから前回の連休は『酒盛り』をした
その思い出と言えば楽しいもの…と思うかもしれないが
教官が居ない間に酒盛りをして、且つそれが教官達に発覚すると
訓練所に残っている訓練兵全員が連帯責任で
罰を受けることになる
そのために僕は空いた酒瓶の後片付けや酔って吐いたりした
訓練兵の介抱、吐瀉物の後処理等に追われてしまった
吐くまで飲むなんて凄く危ないんだから…
そう言った意味でも気が気じゃなかったよ
アルミン「…ねぇユミル…明日って…」
ユミル「あぁ…買いに行くぞ?」
アルミン「やっぱり…」
ユミル「はははww、まぁ楽しみにしてろって!」
楽しみに出来る訳ないじゃないか…
苦労したのは僕なんだって…
ユミル「それにだ…酒も入れば普段は話せないようなことも
話しやすくなるだろ?」
アルミン「そうだけどさ…」
事実お酒が入って男子も女子も普段は話せないような内容…
そう言ったものをいろいろカミングアウトしていた
言った本人や聞いた人間の大半は酔っていて
覚えていなかったりしていたが
少なくとも僕はあまり飲んではいなかったので
はっきりと覚えている
ユミル「前回はお前が忙しかったみたいだからな…
今回は私とクリスタで片づけはしてやるさ」
アルミン「…」
ユミル「そういえばよ…お前って酒強いのか?」
アルミン「どうだろう…あまりお酒は飲まないから…」
ユミル「…」
アルミン「勝負はしないからね?」
ユミル「チッ…いいじゃねぇか…」
アルミン「駄目、今回は君が後片付けしてくれるんでしょ」
それに君結構お酒強いじゃないか…
ライナーと勝負してライナーがダウンしてたし
ユミル「あーあ…酒飲みてぇなぁ」
アルミン「飲むのはいいんだよ?」
ユミル「まじで?」
アルミン「飲み過ぎて後片付けが出来ないっていうのは止めてね」
ユミル「わかってるって♪」
…不安だなぁ
ユミル「よし…それじゃあ私は部屋に戻るぞ?」
アルミン「うん、ありがとう…また明日ね」
ユミル「おう、また明日な…おやすみ」
アルミン「おやすみ」
スタスタ
ユミル「…あ」
アルミン「?」
ユミルが何かを思い出したように僕に歩み寄ってくる
アルミン「どうしたの?」
ユミル「『忘れもの』だ」
そう言って顔を近づける
流石にこの雰囲気だと僕自身察せるので目を閉じる
一拍おいた後に額に何かが触れる感触
アルミン「…//」
唇にされると思ってたから少し恥ずかしい
ユミル「お返しは唇でもいいんだぞ?」
アルミン「…うん」
そうしてユミルの唇に軽くキスをする
ユミル「…おやすみ」
アルミン「うん、おやすみ」
-
- 13 : 2016/02/23(火) 18:55:24 :
--
-
部屋に帰る途中
明日はユミルと何を話そうか…
とか
売店にでも寄って食べ物を一緒に食べようか…
といった
簡単なデートプランを考える
流石に二人きりで誘われたからユミルも今回は
デートとして考えてくれている…はず
でも相手はあのユミル
正直僕の予想の斜め上を行く事を言い出しかねないので
今からある意味気が気でない
高確率で僕の考えるデートプランは実らない…
考えるだけ無駄かな…
そう考えていると
ふと人の話声がした
…
傍の建物の壁に背を預け少しだけ聞き耳を立てる
話声なのだから当たり前だけど二人以上
声量が小さく聞き取りづらいが恐らく男女
談笑…という程のトーンではなく淡々とした会話
恐らく恋人同士であるのが予想される
…どうしたものか
運が悪いことに部屋に帰るにはそのカップルの視界を
横切る形で部屋に向かう事になる
野外で事に及ぶなんて馬鹿なことをするカップルはいない
だろうけど…
正直出たくはない
迂回して戻ろう
そう考えた矢先
「誰だいそこにいるの」
女性の声
心臓が跳ね上がる
いや、別に僕は悪いことはしていないのだけれど…
「誰かいるのか?」
もう一人は男性…
この声を聴いて最初の声も誰なのか理解する
エレン「あぁ…アルミンか」
アニ「盗み聞きとは頂けないね」
陰から体を出して二人と向かい合う
アルミン「ごめんね?盗み聞きするつもりはなかったんだ…
流石に他の人の情事に首を突っ込むのもどうかと
思って隠れたんだけど…」
アニ「なら今度からは『影』に気を付けな」
足元を見る
アルミン「…成程」
明るい月明かりに照らされて僕の足元から影が伸びていた
エレン「ユミルとはもう話したのか?」
アルミン「うん、今はその帰り…君たちはどうしたの?」
アニ「さぁ…逢引かも」
エレン「おいおい…」
エレンとアニが付き合っているのは知ってる
とはいえ
アニが冗談を言う…正直初めての事じゃないだろうか…
そう目を丸くしていると
エレン「まぁ俺たちも話し終わったしな、行こうぜアルミン
…また明日」
そう言ってエレンが僕の手を引いて歩き出す
アルミン「っとと…いいの?エレン」
エレン「ん?…別に構わねぇよ…逢引なんて言ってたが
ただ話してただけだしな」
振り返るとアニが軽く手を挙げる
返すように軽く手を振る
それを見たアニは踵を返して寮に戻っていった
アルミン「アニとは喧嘩してたんじゃないの?」
エレン「喧嘩?…どうしてだ?」
アルミン「だって朝君呼び出されてたじゃないか…
その時のアニかなり不機嫌に見えたけど…」
エレン「まぁ喧嘩って言うほどでもない、怒られただけだ」
アルミン「怒られた…君何かしたのかい?」
エレン「まぁ…な、以後気を付けるけどよ」
アルミン「…大切にしてあげなよ?
アニは凄く優しいんだから」
エレン「…わかってる」
そうして部屋の扉を開ける
そこには
上半身裸で汗まみれのベルトルトとライナーがいた
アルミン「…」
エレン「…」
バタン
エレン「少し外ぶらつくか…30分位か?」
アルミン「それぐらいでいいんじゃない?」
ガチャン
ライナー「待て待て待て!勘違いするな!」ガシッ
エレン「うぉぉ!?離せ!俺に近寄るなぁ!」ギャアァァァ
アルミン「…で…ナニしてたの?」ジトッ
ベルトルト「『ナニ』とか言わないで、誤解だから」アトソノメヤメテ
ライナー「教官の見回りもあるのにそんなことするか!
あと静かにしろ!」
ベルトルト「君もね」
アルミン「エレンもだよ」
エレン「わかったよ」
アルミン「それで、何で上半身裸なの?」
ライナー「筋トレしてた」
ベルトルト「うるさいから負かしてやろうと思って」
エレン「単純かよ、後汗を拭け」
ライナー「おう…」ゴシゴシ
ベルトルト「一応僕が勝った」(^^)v
ライナー「自信はあったんだがな…」
アルミン「ふーん…じゃぁ僕は明日早いから先に寝るね」
ベルトルト「ユミルとデートだっけ」
エレン「は?」
ベルトルト「え?付き合ってるんでしょ?」
ライナー「は?」
ベルトルト「え?……あっ」
あぁ……また面倒なことを…
-
- 14 : 2016/02/24(水) 12:23:13 :
--
-
エレン「で…?」
ライナー「詳しく聞かせてもらおう」
アルミン「特に話す事は無いよ…ベルトルトの言った通りさ」
ベルトルト「ごめんねアルミン…うっかりしてた…」
アルミン「大丈夫…その内気付かれてただろうから」
エレン「それで…何でユミルと付き合ってるんだ?」
アルミン「何でって…」
エレン「っ!」ビクッ
アルミン「僕が罰ゲームか何かでユミルと付き合っている
とでも言いたいのかい?
いくら君でも許せる事と許せない事があるよ?」ニッコリ
エレン「ちげぇよ!馴れ初めとかって意味だよ!言葉の綾だ!
(アルミンのこの顔の時はやばい、マジでやばい)」
ベルトルト「…(危うく地雷踏み抜きかけたね…)」
ライナー「…(屈託のない笑顔で怒気を発するって相当だぞ
…まぁ後は頼んだぞエレン、俺は聞き専に回る)」
アルミン「…馴れ初め…?うーん…何だろうね」
エレン「まずお前ミカサが好きなんじゃなかったのか?」
アルミン「え…何で?」
エレン「は?何でってお前…あの時…」
…あぁ
ユミルと付き合う少し前に好きな女性のタイプがどうこうって
話してたっけ…
そうだ…それでエレン達を勘違いさせてたままだった
エレン「…まさかお前嘘ついてたのか!?」
アルミン「嘘は言ってないよ?『君たちが勘違い』
しただけだからね」
エレン「マジでか…」
ベルトルト「まぁ僕が言ってたことも今思い返せば穴だらけの
理論だったからね…」
ライナー「一本取ったつもりが一本取られてた訳だ」
アルミン「もうこの話は終わりでいいでしょ…?」
ライナー「…」
エレン「…」
ベルトルト「…」
アルミン「…?…どうしたの皆黙って?」
エレン「…どこまで行った?」
ライナー「ABCさぁどれだ!」
ベルトルト「…(それは藪蛇じゃないかなぁ…)」
そうくるか…
アルミン「答えないといけないのかい?」
エレン「駄目か?」
アルミン「普通嫌でしょ」
ライナー「俺はBと予想」
ベルトルト「…Cかな(相手ユミルだし)」
エレン「はぁ!?Aだろ!アルミンだぞ!?」
アルミン「…(Bなんだけどな…)」
ライナー「アルミンは性欲が強い方だからな、Cは理性で
抑えてるだろうがBまではいってる」
ベルトルト「僕はCだと思うけどなぁ」
エレン「Aだろ、だよな?アルミン」
アルミン「…(うーん…話してもいいのかな…)」
エレン「なん…だと…」
ライナー「エレンは外れか」
ベルトルト「B以上って事は結構進んでるって事だからさ…
どんな感じなんだい?」
アルミン「どんな感じって…」
エレン「あぁ…アルミンが遠くに行く…」orz
ベルトルト「別に君の息子って訳でもないんだから…」
ライナー「然程特殊なプレイをしてる事もないだろ」
最初は目隠しプレイ
次は食堂で足でしてたし
その次は閉鎖空間とはいえ人が隣にいるのに手で
普通って何だろう
アルミン「ウン、イタッテフツウダヨ?」
ベルトルト「…(あ、これアブノーマルな関係だ絶対)」
ライナー「まぁ、初めて付き合うのに特殊なプレイなんて
あり得ないよな」
アルミン「ウン、ソウダネ」
ベルトルト「…まぁそろそろ教官来そうだし寝る準備しようか」
エレン「うーい」
---
--
-
-女子寮-
ミーナ「ねぇ、アルミンとはどんな感じなの?」
ユミル「どんな感じってのも言いにくいな」
アニ「早く帰んなよ…寝たいんだって」
ユミル「いいじゃねぇか途中で会ったんだし…」
アニ「…まぁアンタはいいとしてなんでミカサ達もいるのさ」
クリスタ「恋バナに誘われて」
ミカサ「部屋に一人は寂しい」
アニ「…ハァ……もう好きにしな」
ミーナ「アルミンってS?それともM?」
ユミル「Mだな、私に合わせてるだけかもしれないが…」
ミーナ「へぇ…どこまで行ったの?」
ユミル「どこまでって…」
ミーナ「キスしたの?」
ユミル「勿論」
ミーナ「どんな風?」
ユミル「…口で説明するのも面倒だな…してやろうか?」
ミーナ「いいって別に//!?」
ユミル「そうか…」
ミーナ「キスした時のシチュエーションは?」
ユミル「少し面倒だが…話せば長くなるぞ?」
ミーナ「kwsk」
ミカサ「…」
クリスタ「…」
アニ「…」←ちゃっかり聞いてる
-
- 15 : 2016/02/29(月) 04:21:35 :
- ユミル「いや…やっぱりシチュエーションついでに最初から
話すか…」
ミーナ「馴れ初め!いいね!」
ミカサ「…」
クリスタ「…」
アニ「…」
ユミル「まぁ…親しくなり始めたのはあれだ
好きな女のタイプの話で盛り上がったところだな」
クリスタ「あぁ…アルミンが『お腹が痛い』って救護室に行った
時だよね?」
ユミル「あの時私はあいつと話したんだよ」
ミカサ「次の日のアルミンは元に戻っているように見えた
ユミルのフォローのおかげだろう」
ユミル「まぁ…フォローってほどでもないけどな…」
ミーナ「それで?」
ユミル「私の事が知りたかったらしくて色々するんだが…
サシャに頼んだりと…する事なす事可愛くてな…」
ミーナ「少し遠まわしじゃない?」
ユミル「まぁ面と向かって『君の事を教えて欲しい』なんて
言える奴はそうそういないだろ」
アニ「下手したら…というか少しストーカー気質があると
思うんだけど」
ユミル「まぁ…確かにアルミンじゃなかったら少し引くな」
クリスタ「……フフッww」
ミーナ「どうしたのクリスタいきなり笑ってww」
クリスタ「ご…ごめんww他の人で想像したら想像以上に
面白くてww」
ユミル「…ライナーとかか?」
クリスタ「ブフッwww」
アニ「…(アイツだとすっごい腹が立つね)」イラッ
ミカサ「アルミンだとむしろ可愛い」
ユミル「あぁ…」
ミーナ「…確かにアルミンだと違和感というかイヤラシイ感じ
はしないね」
ユミル「まぁそんなこんなで救護室にアイツを連れてって
押し倒した」
ミーナ「ちょ、いきなりすぎじゃない!?」
ユミル「そうか?」
ミーナ「だって話しただけでしょ?」
ユミル「まぁ…いいだろ別に、アルミンも嫌がっては無かった
から」
ミーナ「いいのかなぁ…」
ユミル「いいっていいって」
ミーナ「…それでどうやってキスしたの?」
ユミル「…?」
ミーナ「こう…なんて言えばいいのかな」
ミカサ「…どう抱きしめたか…だとかそういう事だろうか?」
ミーナ「そう!それが言いたかったの!」
ユミル「…成程な、隣座るぞ」
ギシリ
ミーナ「え?いいけど…どうs」
ギュ
ミーナ「えっ」
ユミル「まずこうやって腰を引き寄せてから」
パシ
ミーナ「えっ?えっ!?」
ユミル「視界を手の平で覆ってからキスを…」
ミーナ「ちょっ!//」
パッ
ユミル「っとまぁこんな感じだな」
ミーナ「やめてよもうっ//」ドキドキ
ミカサ「…成程」
アニ「へぇ…」
クリスタ「うわぁ//すっごいドキドキするね//」
ユミル「ちなみにした後のアルミンは涙目+顔が真っ赤で
かなりヤバかった」
クリスタ「…」
ミカサ「…」
ミーナ「…」
アニ「何想像してるのさ…」
ミーナ「……腰にクるものがあるね」
ユミル「実際ヤバかったしな…下着が」
ミーナ「いいなぁ…恋がしたいなぁ!」
ユミル「何なら私が相手してやろうか」
ミーナ「私にその気は無いからね!?」
ユミル「『その気は無い』…ねぇ…?」
ギシリ
ミーナ「いや!ホントにないから!//」
ユミル「顔赤くしてそんな事言っても説得力無いな」
シュル
ミーナ「服に手をかけないでって!//」
クリスタ「ユ~ミ~ル、そこまでだよ!」
ミカサ「ミーナが嫌がって…?…いる?…からそこまで」
ミーナ「嫌がってるからね!」
アニ「…」
ミーナ「アニも見てないで止めてよ!」
ユミル「…ちなみに黙っててもお前に振ることは確定だからな?」
アニ「寝させてよ本当に…」ハァ…
-----
----
---
--
-
-
- 16 : 2016/03/02(水) 01:11:02 :
- -翌日-
教官から帰省についての説明と注意を受ける
キース「……以上で私からの注意はここまでだ
それではこれにて解散とする
各自支度をした後に帰省届を出してから行くように
そして予め声をかけておいた訓練兵については
後ほど教官室に立ち寄るように」
---
--
-
-教官室-
キース「さて…
前回の連休でも同じことを話したが
お前たちは文字通り『帰る場所』が無い
よって訓練所に残って連休を過ごす事を許可する
英気を養い休日明けの訓練に備えよ」
今この場にいるのは僕やエレン、ミカサ等をはじめとした
ウォールマリア出身の人間や家庭の事情により帰る場所がない
訓練兵が集められている
キース「…真に残念ながら教官達にも養うべき家族がいる
よって私以外の教官達も帰省することになる
私は私で内地に向かい報告等の事務があるので
この後直ぐに出発する
よって必然的にこの訓練所からは『教官職』の人間は
いなくなる
もし…
教官の目がないからと規則に反した者…
つまり…『規則違反が発覚した者がいた場合』
訓練所内に残っている全員に連帯責任として罰則がある
私が居ないから…等とは二度と考えられん位の
罰則を与えるので肝に銘じておくようにしろ
以上、解散!」
---
--
-
エレン「よし…三日間休みだな…部屋戻って寝る」
ミカサ「エレン…休みだからと言って生活リズムを崩すべきで
ない」
エレン「いいよ別に…三日あるんだからなんとかなるだろ」
アルミン「駄目だよエレン…君それで夜寝れなくなって
休日明けの訓練でフラフラだったじゃないか」
アニ「別にいいんじゃない?」
アルミン「アニ…」
アニ「なんなら夜に私がシゴいてやってもいいけど」
エレン「…(どっちの意味だ…?)」
アルミン「…(どっちの意味だろう)」
ユミル「…(エロいな)」
ミカサ「…」
アニ「まぁ考えておきなよ、必要があれば声かけな」
スタスタ
ライナー「エレンは翌日に文字通りボロボロになってるか
今日は大人しくしてるかだな」
ベルトルト「街にでも行くかい?」
ライナー「せっかくの休日だしなぁ…部屋で少し話すか」
ベルトルト「それもそうだね」
スタスタ
アルミン「僕はユミルと出掛けるけどミカサはどうするの?」
ミカサ「…特に思い当たることもない…ので、鈍らない様に
簡単なトレーニングをしようと思う」
クリスタ「え?せっかく貰えた休日の一日だよ?」
ミカサ「休日だから…といって何もせずに体が鈍ってしまう
というのは本末転倒
私たちは『休日の為に訓練をしている』のでは無い」
エレン「でも休日に訓練をしたら疲れ取れないんじゃないか?」
ミカサ「なのであくまでもするのは体が鈍らない程度の軽い運動
のみ
更に適度な疲れは溜まった疲れを取るのに最適
例えるのならしつこくこびりついた油汚れを
少量の油で落とすようなもの」
ユミル「成程…分かりやすいな」
ミカサ「…」( ・ー・)
アルミン「…(ちょっとドヤ顔してる…)」
エレン「…まぁライナー達とどう過ごすか話すから一旦部屋戻るわ」
ミカサ「私も準備をして来よう」
クリスタ「簡単なトレーニングなら私もできるかな?」
ミカサ「問題ないだろう、負荷は日ごろの訓練の数分の一と
考えてくれればいい」
クリスタ「よし、頑張るよ~!」
スタスタ
ユミル「まぁ私たちも行くか」
アルミン「そうだね、早めに終わらせてゆっくり過ごそうか」
スタスタ
「行ったか?」ヒソヒソ
「行ったな」ヒソ
「よし」
ゾロゾロ
ライナー「よし、あいつらも行ったし俺たちも行くか」
エレン「あいつらがどんな風に過ごすのか楽しみだな」
クリスタ「楽しみだね!」
アニ「…まぁ多少なりとも興味はあるから付き合うけどさ」
ベルトルト「バレたら怒られそうじゃない?」
ミカサ「ユミルは怒らないだろう、もし怒るとしたら
アルミンだが…」
エレン「アルミンは沸点は高いけど怒る時は
マジで怖いからな…」
ミカサ「そこはユミルがフォローしてくれるだろう」
ベルトルト「大丈夫かなぁ…」
---
--
-
-
- 17 : 2016/03/03(木) 03:17:32 :
- -街-
アルミン「取り合えず酒場に行けばいいのかい?」
ユミル「酒場は最後だ、持ち運びも面倒だからな」
アルミン「それもそうだけど…何するの?」
ユミル「…色々?」
アルミン「まぁ深く考える事でもないけどさ…
そうだね…じゃあお昼食べれる場所探そうか」
ユミル「あぁ………ん?」
アルミン「どうしたの?」
ユミル「いや………」
アルミン「?」
ユミル「何でもないさ、じゃぁ行くぞ」
アルミン「うん」
少しぶらつきながらご飯の食べれそうな場所を探す
ユミル「何が食べたい?多めに食べるか?」
アルミン「うーん…せっかく街に来たし多くなくても
美味しい物を食べたいな」
ユミル「それもそうだな、じゃぁどこか店探すか…」
---
--
-
コソコソ
エレン「お、どこか行くみたいだぞ」
ミカサ「時間からして昼食だろう」
クリスタ「お店の中入られたらどうしようもないよ?」
ライナー「俺たちも同じ店に入るわけにはいかないからな…」
ベルトルト「テラス席だとかに行ってくれるといいんだけど…」
アニ「…」
---
--
-
ユミル「ここでいいか?」
アルミン「お洒落な所だね」
寄ったのはこじんまりとしていて綺麗なお店
ユミル「お洒落かどうかというよりはメニューが豊富だから
選んだんだけどな
今日は天気もいいからテラス席にするか」
確かにテラス席も木漏れ日が差して気持ちよさそう
空いてる席に着く
ユミル「何にする?私は…そこまで腹も減ってないから
魚のフリッターとフライドポテトにする」
アルミン「僕はパンとムニエル…かなぁ」
付け合わせでザワークラウトもあるし…
ユミル「ん、わかった」
店員さんに注文をしてから待ち時間の間で話す
アルミン「どちらも揚げ物だけど揚げ物大丈夫なの?」
ユミル「ん?アレルギーとかはないが…」
アルミン「いや…太るとかそういう意味で
食べない様にしてたりしてないのかなって」
ユミル「おいおい、たかが揚げ物食ったくらいで太るような
運動量じゃねぇよ」
アルミン「まぁ…それもそうだよね」
むしろ鍛えた筋肉や体の維持に気を使うくらいの運動量だから…
ユミル「それにしてもよ」
アルミン「?」
ユミル「今言ったように揚げ物で太るのを気にするような
生活が出来る奴がどれくらいいるのかって思うよな」
…
アルミン「確かに…僕たち訓練兵はお金を貯めやすいから
偶の贅沢として食べることもできるけど…
太ることは運動量からありえないだろうし…
一般家庭も色々な出費があるから同じように
気軽に食べることはできない…
やっぱり気軽に食べれるのは貴族だとか大商人って
言われるような人たちだろうね」
ユミル「羨ましいねぇ」
アルミン「……ねぇ」
ユミル「ん?」
アルミン「ユミルは…憲兵になりたいとは思わないの?」
ユミル「私は上位に入ってないが…」
アルミン「訓練では手を抜いてるじゃないか…」
正直に言うならユミルがクリスタより成績が低いというのは
おかしいんだよね…
ユミル「抜いてないぞ」
アルミン「嘘つき…少なくとも上位は全員気づいてるよ」
ユミル「…」
アルミン「だって君殆どの訓練で手を抜いてるでしょ…?
教官も感づいてるよ
憲兵になれば好きなものも食べれるのに
どうして目指さないのかなって」
ユミル「さぁ…な、上位に食い込むよう事が在ったら考えるさ」
話し終わるとご飯が運ばれてくる
ユミル「……」
アルミン「…」
しまったな…話題を間違えちゃったか…
ユミルも何か考え事してるみたいだし…
ユミル「……酒飲みたいな」
アルミン「駄目だよ!?
考え事してると思ったらそんなこと考えてたの?」
ユミル「いいじゃねぇか…ちょうどつまみになりそうなもんが
来たんだしよ…」
アルミン「だーめ、明日飲めるでしょ?」
ユミル「はーあ…これ美味しいのにな」パク…
アルミン「それならこっちも美味しいよ?」パク
ちゃんと魚の小骨なんかも綺麗に処理されてるし
味付けもしっかりしてる
パンも訓練所のパンとは違ってふっくらしている
ユミル「……」
アルミン「どうしたの?」
ユミル「…ちょっとくれ」
アルミン「いいけど…じゃあそっちも頂戴?」
ユミル「おう」
-
- 18 : 2016/03/05(土) 23:44:47 :
- アルミン「ソースも付いてるんだねぇ…」
ユミル「タルタルソースだな…
少なからず塩コショウを使ってるだろうから
高いだろうにな」
アルミン「こっちもこっちで味付けしっかりしてるよ?」
ユミル「まぁまずはこっちを食ってみろって」
ユミルがポテトにソースを付けて腕を伸ばしてくる
ユミル「ほい、口開けろ」
アルミン「あー」
ユミル「よっと」
アルミン「ん」パク
ユミル「美味しいか?」
…
うん、美味しい!
ポテトの方にも軽く塩を振りかけてあるのか…
アルミン「美味しいね!」
ユミル「だろ?
そっちもくれ」
アルミン「ちょっと身が崩れて落としそうだから怖いけど…」
フォークに魚の身をさしてユミルの口に持っていく
アルミン「はい、あー」
ユミル「あー、んっと」パク
ユミル「おぉ…うまいな」
アルミン「でしょ?」パク
ユミル「こっちのフリッターも食ってみろ」
アルミン「よいしょっと」
身を乗り出してフリッターを口に運んでもらう
ユミル「よっと…上手いだろ?」
アルミン「…」モグモグ
…うん
衣もサックリしてるし魚もふっくらしてる
アルミン「凄い美味しいね…ここ…
内地にもここまでのお店ない気がする…」
食事で感動するっていうのも珍しいよね…
ユミル「まぁな…偶にここ通うか」
アルミン「うん、休日の楽しみが増えるね」
ユミル「今度は他の奴も連れてくるか?」
アルミン「僕はいいけど…また二人で来たいかなぁ…」
ユミル「はははwwお前も素直になってきたなww」
頭をワシャワシャと撫でられる
少しくすぐったい
アルミン「まぁ黙ってる必要もないからね?」
ちょっと恥ずかしいけど…
運ばれてきた料理はそこまで量も多い訳ではないから
食事は直ぐに食べ終わった
ユミル「よし…美味しかったな」
アルミン「じゃあ会計してくるから待っててね」
ユミル「お?……そうだな、じゃぁ頼んだ」
アルミン「うん」
---
--
-
ライナー「リア充爆発しろ…タックルしてやろうか」
ベルトルト「凄いね…何の躊躇もなく『あーん』してたよ」
クリスタ「私もしてほしいなぁ」
ミカサ「なら今度私がしよう」
クリスタ「ほんと!?」
ミカサ「約束する」
クリスタ「やった!」
アニ「…(同性からでもいいのかい…)」
ライナー「しかし…ちゃっかりアルミンが金出してたな…
ああいうのは女子から見てどうなんだ?」
ミカサ「私はいいと思う」
アニ「同じく」
クリスタ「うん、カッコいいと思うよ?」
ライナー「そうなのか…
でも女子ってのは案外奢られるのは嫌って聞いたが」
アニ「まぁ『奢ったから感謝しろ』って雰囲気出されたら
蹴り倒すけど」
クリスタ「同じように『奢ったから』って下心出されたら
嫌かなぁ…」
ミカサ「アルミンの中では恐らく『奢ってあげよう』といった
考えはない…
『奢るのが当たり前』となっているのだろう」
ベルトルト「だから不自然な感じが無かったんだねぇ…」
エレン「ユミルもユミルで止めようとしないってのは
いいと思うな」
クリスタ「何で?」
ベルトルト「『自分も出す』だとか出す出さないのやり取りは
傍から見てて気持ちのいいものでもないからね…」
エレン「下手すりゃ奢ろうとしてる方の面目が潰れる」
ライナー「男を立てるって奴か…
いい女の条件の一つといってもいいだろうな」
クリスタ「へぇ~」
エレン「それより俺らも飯にしようぜ…流石に腹が減った」グゥゥ
ベルトルト「まぁ結構長い間観察してたからね」
ライナー「お?どこか行くみたいだぞ?」
ミカサ「仕方ない…ご飯は後、なんならお昼は抜きでもいい」
エレン「いや良くねぇよ」
ライナー「まぁ…どこ行くかだけ確かめてからでもいいだろ」
エレン「マジかよ…」
アニ「ほら行くよ…」
スタスタ
---
--
-
スタスタ
ユミル「……」パカ
アルミン「どうしたのユミル?」
コンパクトミラー?
ユミル「いや…目にゴミが入ってな」パチン
アルミン「大丈夫?どこか目を洗える場所探そうか?」
目薬なんかがあればいいんだけど持ってないし…
ユミル「いや、取れたから大丈夫だ
……よっし…ちょっと来てくれ」
アルミン「え?…いいけど…」
-
- 19 : 2016/03/06(日) 04:16:18 :
- ユミルに手を引かれる
質問したいけど黙ってついていく事にする
ゆったりとした足取りで人の多かった大通りから
段々と人の少ない路地裏に入っていく
アルミン「…」
まさか…
ユミル「…」キョロキョロ
ユミルは辺りを見回して人がいないことを確認すると…
ユミル「アルミン、ちょっといいか」
アルミン「え?」
ユミル「いいからいいから…」
----
---
--
-
ミカサ「ッ…」ピクッ
アニ「ッ…」ピクッ
エレン「どうしたんだ?」
アニ「……いや…何でもないよ」
ミカサ「…」
ライナー「ん?……方向変えるみたいだな…」
ベルトルト「見失っちゃうよ?」
クリスタ「追いかけよう!」
スタスタ
---
--
-
エレン「人通りが少なくなってきたな…(まさか…)」
ライナー「??…この辺なにかあったか?」
ベルトルト「…(これは…)」
ミカサ「……この辺りには『特に何もない』はず」
アニ「……成程ね」
クリスタ「……??」
エレン「……ハァ…俺はどこか飯屋探すけど一緒にくる奴いるか」
アニ「行く」
ミカサ「行こう」
クリスタ「え?追いかけないの?」
ライナー「気にならないのか?」
エレン「あぁぁぁもう、だからお前はモテるのに
彼女出来ねぇんだよ!」
ライナー「ゴフッ」←らいなーにかいしんのいちけ゛き
ベルトルト「……僕も行こうか」
クリスタ「え?…え?」
アニ「いいから行くよクリスタ」
スタスタ
カラン‼
一同「!!」ビクッ‼
「ちょっ-待っ-ってばユ-ルっ」
「ダメだっ-…人が-たらどう--のさっ……//」
エレン「…(…遅かったか…親友のシテルとこ聞くなんて
気まずいにも程があんだろ…)」
ミカサ「…」
アニ「…」
ライナー「…(マジか!…マジか!)」←テンションMAX‼
ベルトルト「…(oh…)」
クリスタ「…//(え…これ…『そういう事』だよね!?)」キャー
「っ…--ふぁっ--…ホ-トにダメ--てっ…//」
ライナー「どうする?」ヒソ
エレン「どうもしない…一刻も早く離れる」ヒソヒソ
ミカサ「流石に留まれない」ヒソヒソ
ライナー「なんか『やめとけ』って伝えられないか?
流石に俺ら以外がこの場面に出くわしたら色々と
マズいだろ…?」ヒソヒソ
アニ「…」
クリスタ「…//(今どんな感じなんだろ??)」
ベルトルト「…人通りは少ないから滅多に人は来そうにはないけど」ヒソヒソ
エレン「取り合えず離れるぞ、もしついて着てたのがバレた
程度ならまだしも今この状況でバレたら本気でやばい」
ユミル「まぁ滅多にない休日を潰してのデートを邪魔されて…
それでいてあられもない姿を見られたとなればな…」
エレン「だからさっさと離れるんじゃねぇか…ほら行く……ぞ」
ベルトルト「…」ダラダラ
クリスタ「…」ダラダラ
ライナー「…」ダラダラ
ミカサ「…」
アニ「…」
\イ゙ェアアアア!!/
---
--
-
\イ゙ェアアアア!!/
アルミン「!?」ビクッ‼
アルミン「な、何!?」ダダッ
ユミル「お客さんだぞアルミン」
アルミン「ユミル…って…」
エレン「あ…その…」ダラダラ
ライナー「これはだな…」ダラダラ
ベルトルト「…」ダラダラ
クリスタ「あ…あはは…」ダラダラ
アニ「…」
ミカサ「…」
……
アルミン「あれ?…どうしたの皆…奇遇だね?」ニッコリ
エレン「…(やべぇ今すぐ逃げ出してぇ)」ダラダラ
アルミン「………ハハハ……なんて……さ……」
『 そ ン な 訳 な イ で しょ 』
ユミル「まぁまぁ…落ち着けよ…」
アルミン「ユミルは黙ってて」キッパリ
ユミル「……ハァ……わかったよ」ヤレヤレ
ベルトルト「…(こんな強気なアルミン初めて見た気がする)」
アルミン「エレン」
エレン「な、何だ?」
アルミン「僕がどうして怒ってるかわかるよね?」
エレン「あ…あぁ…」
アルミン「じゃぁ…」
『怒るってわかることをどうしてするの?』
エレン「…」ダラダラ
アルミン「ベルトルトもライナーも……夜に話そうか」
ベルトルト「…はい(寝れねぇだろうなぁ…)」
ライナー「…はい(明日も休みでよかった…)」
-
- 20 : 2016/03/07(月) 15:06:27 :
- アルミン「それにミカサやアニ達もだよ?」
クリスタ「ごめんなさい…」
アニ「…」
ミカサ「……アルミン…その…」
アルミン「何?」
ミカサ「本当に…すまないと思っている…
やはり…一人は…寂しくて…」オロオロ
アルミン「え…あ…」
確かに…
ミカサの様子の変化もあったし…
アルミン「だ…大丈夫だよミカサ…?
ちょっとビックリしただけだから…」オロオロ
ミカサ「で…でも…」グス…
そう言ってミカサは僕に背を向けてしまう
ユミル「あーあー泣ーかーしたー」ニヤニヤ
アニ「…」ジトッ
クリスタ「…」ジトッ
ライナー「…」
ベルトルト「…」
エレン「…」
くっ…女子からの視線が痛い…
それよりもユミル…君はこっちの味方じゃないのか…
アルミン「ほ…本当に大丈夫だから…」
ミカサ「大丈夫?」ズズ…
アルミン「うん、大丈夫だよ」
ミカサ「そう…わかった…」b グッ
エレン「…(うわぁ…)」
ライナー「…(アルミンには見えない様にサムズアップ
してやがる)」
ベルトルト「…(表情を動かさずに声だけで嘘泣きの
演技もするとか凄すぎでしょ…
寧ろ怖いんだけど…)」
クリスタ「…(どういう声帯と表情筋してるんだろう…)」
アニ「それよりもユミル…アンタ私たちに気づいてただろ?」
ユミル「お?そうだな」
アルミン「え」
アニ「もしかして結構最初から気づいてたんじゃない?」
ユミル「確信したのはここの路地に入る前の大通りだけどな」
アニ「やっぱりね」
アルミン「ユミル…どういう事?」
ミカサ「ユミルが鏡を見ていたときに鏡越しに目が合った」
アニ「いや…私は視線を感じた程度だったんだけど…
鏡って…どれだけ距離あったと思ってるのさ…」
ユミル「それなりに人混みの中でもあったぞ…
お前やっぱり色々とおかしいぞ」
ミカサ「褒めても何も出ない」
いや褒めてないと思うんだけど…
アルミン「というかユミル…君気付いてたのに僕にあんな演技
させたの?
あれすっごい恥ずかしかったんだけど…?」
他人に見られたり聞かれたりしたら一生の黒歴史だったんだけど…
ユミル「いやぁ…こいつ等びっくりさせたかったし」
アルミン「もう…気づいてたなら教えてよ…」
ユミル「悪い悪い…
そういえばお前ら飯まだなんだろ?」
エレン「そうだよ…お前らのいちゃつきをずっと眺めてたからな」
ユミル「見せつける為にテラス席にした所もあるからな」
アルミン「えぇ……」
ユミル「まぁ天気が良かったし気持ちよかったろ?」
アルミン「うん」
エレン「とりあえず飯だ飯」
ユミル「なら酒場でいいだろ
酒も買うし、ついでに食い物食えばいい
酒場なら一定の需要があるだろうから不況知らずだし
箔を付ける為にも肉の取り扱いもあるだろ」
ライナー「おぉ、それもそうだな」
ユミル「さっき私達が入ったところも美味かったが
夫婦で経営してたみたいだし…
一斉にこの人数で行ったら厳しいだろ」
ミカサ「ふむ…この人数だと他に行きたいところも
行きにくいだろう…申し訳ない」
ユミル「構わねぇよ、アルミンと飯食えただけで満足だしな」
ユミル……
嬉しいけどちょっと恥ずかしいな…
ユミル「それにいちゃつけるのも今日だけじゃないしな」
ですよね…
クリスタ「なら早く行こうよ、もうお腹ペコペコ…」
ライナー「肉だ肉、贅沢するぞ贅沢」
エレン「代金の事考えると頭が痛いな」
ユミル「お前ら後で酒代集めるから少しは残しとけよ」
ベルトルト「そうだったね」
ユミル「人数いるし多めに買おうぜ
後はつまみの材料も買うか」
アルミン「つまみがあるからって飲み過ぎないでね」
ユミル「わーってるって」
アルミン「…」
……心配だなぁ
---
--
-
-
- 21 : 2016/03/08(火) 13:20:12 :
- -酒場-
ライナー「やっぱり人はいるもんだな」
ユミル「そりゃぁな」
ライナー「メニューは…豊富だな、ポークステーキなんかもある」
ベルトルト「でもやっぱり高いね、仕方ないけどさ」
サシャ「そんな事ありませんよ…このお値段でお肉が食べれる
なら安い物でしょう」
ライナー「…」
ベルトルト「…」
ユミル「…」
エレン「…」
アニ「…」
クリスタ「サシャ?」
ミカサ「帰省したのでは?」
サシャ「あれ…反応が薄いですね
もう少し驚かれると思ったのですが…」
エレン「さっき似たような事されたからな…
ある意味お腹一杯だ」
アルミン「どうして帰らなかったの?
前回は休みが短かったって事でサシャは
帰省しなくてもよかったけど…」
サシャ「一人前になるまで帰ってくるなと言われてますし…
帰省届を出したとしても教官はいないという情報も
入手していましたので教官が訓練所から出るまで
街に居ようとしていた訳です」
ミカサ「ということはサシャもいつも通り
訓練所で過ごすという事でいいのだろうか」
サシャ「えぇ」
ユミル「ならお前も明日酒飲むだろ?」
サシャ「飲みます!前回楽しかったですし!」
ユミル「ん、なら後で酒代とちょっとしたツマミの分の
金集めるからな」
サシャ「了解しました!」
ライナー「なぁサシャ」
サシャ「何ですか?」
ライナー「お前の家狩猟するんだろ?
なら帰ってから狩猟すれば肉をタダで
食えたんじゃないか?」
サシャ「…」(´・ω・)?
ライナー「…」
サシャ「…」(゜-゜)
ライナー「…」
サシャ「…」( ゚Д゚)
ライナー「お前なぁ……」
サシャ「い…いえ…でも皆さんとのお、思い出づくりも
大切です…ので…」ガクガク
ベルトルト「無理しなくていいって…」
サシャ「だ、大丈夫です…」
アルミン「まぁその分楽しめばいいよ、食べ物も作るしさ」
サシャ「そうですね…タダのお肉はまた今度にしましょう…
すいません…このポークステーキ下さい…」
ライナー「俺も同じのお願いします」
ベルトルト「じゃぁ僕も」
クリスタ「私も!」
ミカサ「私もそうしよう」
エレン「全員同じのでいいのか?」
アニ「私はハーフサイズ、あとパンも」
サシャ「アルミンとユミルは食べないんですか?」
アルミン「僕たちは先に食べたから大丈夫」
サシャ「そうですか…せっかくのお肉なのに…」
アルミン「まぁ今日しか食べられないわけじゃないから」
ユミル「私はお前らが飯食ってる間に酒選んでる」
ミカサ「お酒に関してユミルの選別眼には定評がある」
ユミル「酒はちょくちょく飲むからな」
エレン「酒を見る目はハンネスさんよりあるんじゃないか?」
ユミル「?」
アルミン「僕等の知り合い兼保護者の人だよ
駐屯兵団の人でお酒をよく飲むんだ」
ミカサ「ハンネスさんはお酒の味よりも酔う事に楽しみを
覚えていたから…
失礼だがお酒を見る目は無いと思う」
ユミル「成程ねぇ…どれにしようかなっと…
何かリクエストあるか?」
アルミン「んー…僕はワイン飲みたいかな」
ミカサ「何でもいい」
エレン「俺も無し」
ライナー「俺も特に詳しい訳じゃ無いからな…無しだ」
ベルトルト「同上」
アニ「右に同じ」
クリスタ「ユミルのオススメで」
サシャ「私も」
ユミル「何だよ、結局リクエストはワインだけかよ
まぁ…ワインはこれだな…後は…これと…これと…」
手慣れた様子で瓶を選んでいく
ユミル「そうだ、果実酒なんか作るか?」
アルミン「でも時間かかるんじゃない?」
ユミル「そりゃぁな、まぁ今度の休みに飲むようにしたらいい
だろ」
ライナー「次の休日の楽しみってとこか」
ベルトルト「あ、ご飯きたよ」
エレン「おぉ、待ちくたびれたぜ」
---
--
-
-
- 23 : 2016/03/09(水) 11:16:47 :
- ミカサ「クリスタ」
クリスタ「?」
ミカサ「はい、あーん」
クリスタ「!」
ユミル「ハッ」( ゚Д゚)
すっごく驚いてるね…
アルミン「……君も少し頼めばよかったんじゃない?」
ユミル「しまったぁぁぁぁ」ウググ
クリスタ「いいの?」
ミカサ「構わない…まだお肉はある…
あーん」
クリスタ「あーん//」
ミカサ「ん」
クリスタ「あむ…//」モグモグ
ミカサ「どう?」
クリスタ「んんん~~!」( *´艸`)
ユミル「グフッ」
ライナー「ガハッ」
うわ…すごい可愛い
クリスタ「はい!お返し!」
ミカサ「あー」
クリスタ「ん!」
ミカサ「…」モグモグ
クリスタ「どう?」
ミカサ「とても美味しい」ニッコリ
クリスタ「だよね!」
エレン「楽しそうだな…クリスタ、あーん」
クリスタ「同じなのにねー、あーん」
エレン「ほい」
クリスタ「やっぱり味変わらないや」モグモグ
エレン「www」
クリスタ「はい、あーん」
エレン「あーん」
クリスタ「どう?美味しい?」
エレン「…もっと美味くなった気がする
クリスタのおかげだな」モグモグ
クリスタ「もー//」
エレンの凄い所ってああいう言葉をサラッと言える所だよねぇ…
ライナー「…(あいつすげぇ…)」モグモグ
ベルトルト「…(僕には絶対できないだろうな…)」モグモグ
アニ「…(美味しい…)」モグ…
ユミル「クリスタ!私にもくれ!」
クリスタ「え~」
ユミル「うああぁぁぁ」
アルミン「仕方ないよ」
ミカサ「アルミン」チョンチョン
アルミン「?」
ミカサ「あーん」
アルミン「え…えっと…」
ミカサ「あーん」
アルミン「あ…あーん//」
ミカサ「どう?」
アルミン「うん、美味しいよ//」
ミカサ「それはよかった」ニッコリ
アルミン「…//」
ユミル「…」ニヤニヤ
ライナー「ふぅ…食った食った…」
サシャ「うまうま」モグモグ
クリスタ「もうお腹いっぱい」
ミカサ「ご馳走様でした」
ベルトルト「君…お肉一杯食べてるけどお金大丈夫なの?」
サシャ「大丈夫でふ」b
ベルトルト「そう…ならいいけど…」
お肉だけでニ~三人前は食べてる…
アルミン「代金の計算してみたけどサシャかなりすごいよ?
本当に大丈夫?」
サシャ「大丈夫ですって…ほら」
ユミル「何でお前こんなに金持ってるんだ?」
サシャ「使う暇が無いですからねぇ…
気づいたらこうなってました
お金は使う物ですから…使うときは使わないと」
ユミル「まぁ払えるならいいが…」
サシャ「ふー…美味しかったです」
アルミン「じゃあ後はお酒を買ってから帰ろうか」
ライナー「この人数だから持つのも楽だろ」
ユミル「すいません、勘定お願いします」
---
--
-
-
- 24 : 2016/03/10(木) 08:38:48 :
ライナー「結局こうだよな」ズッシリ
酒瓶と簡単な食材の入った紙袋を抱えるライナー
かなり重そう…
ユミル「その図体を役に立てる時だ」ポンポン
ライナー「全く…」
ベルトルト「少し持とうか?」
ライナー「いや、構わん…
これもトレーニングの内と考えておこう」
見上げた向上心だよね…
だから上位の常連なんだろうけど…
エレン「まぁ交代で持てばいいだろ」
ユミル「お…こいつも買っとくか」
ふらっと立ち寄ったお店に置いてある商品を手に取るユミル
アルミン「果実ジュース?…なんで?」
ユミル「酒飲めなくなったときにコイツ飲めばいいだろ?
酒飲めなくなって後は水っていうのもな」
アルミン「……」
クリスタ「あ!私オレンジジュース飲みたい!」
ユミル「お前オレンジジュース好きだもんな…
じゃぁこれ買おうかね」
ふと…一瞬ユミルの口角がつりあがったのが見える
柔らかい笑みではなく悪意を孕んだ笑み
…なにか企んでる
そう思わせるには十分すぎる程僕の中で警鐘が鳴る
警戒はしておこうかな…
ミカサ「皆はこれからどうするのだろうか?」
ライナー「俺は帰る」
ベルトルト「右に同じ」
アニ「私も」
クリスタ「私も帰るよ?」
エレン「今度こそ帰って寝る」
サシャ「私もですかねぇ…」
ユミル「私も特にすることが無いから帰るが…」
ミカサ「そう…アルミンは?」
アルミン「?…特にないけど?」
ミカサ「……」
…?
ミカサ「ユミル…アルミンを『借りても』いいだろうか?」
借りても?
僕はモノではないんだけど…
ユミル「お?……私にそれ聞くのか?」
ミカサ「一応…礼儀というか形式的というか…そういう意味で
聞いているのだけれど…」
?
話が全く見えないな…
ユミル「まぁ構わないが…」
ミカサ「ありがとう、アルミン…時間は空いてるだろうか」
アルミン「空いてるけど…?」
ミカサ「…少しついて来てもらいたい所がある」
アルミン「いいけど…」
ユミル「じゃあ先に訓練所戻ってるぞ~」
ミカサ「わかった」
エレン「また後でな」
アルミン「うん」
…
アルミン「それで…どうしたのミカサ?」
買い物とかかな…
ミカサ「取り合えずついて来てほしい、着いてから話をしよう」
アルミン「…わかったよ」
---
--
-
アルミン「ここ?」
ミカサ「そう」
…見た目は宿…のようだけど
アルミン「ここがどうしたの?」
ミカサ「ここは簡単に言うなら宿…
だが泊まるためにここに来た訳ではない」
アルミン「じゃあ何で?」
泊まらないのに宿に入るっていうのもおかしくないかな
ミカサ「この宿は時間単位で借りることができる…
夜に借りて朝に出る…という事も可能…」
??
ミカサ「…この宿を借りる人間の客層は恋人同士が多い
そういえば理解 るだろうか…」
アルミン「……成程」
でも…それなら…
アルミン「もしかして…僕を連れてきた理由は…」
流石に…それは…
ミカサ「安心して欲しい、借りたのは2時間…
それだけならここを借りる意義などあまりない」
アルミン「…だけど…なら何で?」
ミカサ「ここにはお風呂を借りに来た」
アルミン「お風呂?」
ミカサ「そう、お風呂」
アルミン「…体を洗いたいなら訓練所で
水浴びをすればいいんじゃない?」
ミカサ「水浴びだけでは体に溜まった汚れは落せない…
お湯に浸かって汗をかく事で毛穴が開き…
毛穴の奥に溜まった汚れを落す
それにお湯に浸かる事で得られる効果はそれだけではない
体温上昇による血行促進
水圧による簡単なマッサージ効果
精神的にも身体的にもリラックスとリフレッシュ
も出来ると…いいこと尽くし
ので、休みの日には可能な限り通うようにしている」
成程…
あれ?
そうすると…
アルミン「……それ僕要る?」
ミカサ「……アルミン、東洋には『ある言葉』がある」
アルミン「…『ある言葉』?」
ミカサ「そう…それは…」
『裸の付き合い』
----
---
--
-
-
- 25 : 2016/03/10(木) 22:04:00 :
- 何で…こうなったんだろう…
アルミン「ミカサ…本当に一緒じゃなきゃダメなの?」
料金も払っちゃったし…
払えない金額でもないからいいけど…
ミカサ「アルミンは私とは親しくなりたくないの?」
アルミン「この方法しかないの!?」
もっと他に方法はあると思うんだけど!?
ミカサ「代金もアルミンが払ってくれた…
私だけ入るわけにもいかない
それにアルミン…東洋にはまた別の言葉がある」
アルミン「………何?」
嫌な予感しかしない
ミカサ「『据え膳食わぬは男の恥』」
アルミン「お風呂に入るだけだよね!?」
ミカサ「元々は『出された料理は男なら全て平らげろ』
といったような意味だが…
今では『女性の誘いは男なら断るな』
といった意味合いが強い
アルミンの事だ…これから色々と声をかけられる事も
あるだろう…
少なくとも人の好意を無下にはしない方がいい」
アルミン「…」
それを言われると断れないじゃないか……
アルミン「せめて…」
ミカサ「?」
アルミン「せめてタオルを巻かせてもらえない…かな?」
ミカサ「…あまり褒められたことではないが…許可しよう」
アルミン「うぅ…」
ミカサ「お湯はもう沸いている…ので入ってしまおう」
---
--
-
-
- 26 : 2016/03/11(金) 08:55:58 :
- アルミン「…」チャプ…
気持ちいいなぁ…
よく考えたら訓練所でも冬場はお湯を使ったりもしたけど…
お湯を張って浸かる…ということは殆どなかったからなぁ
シュル…パサ…
……
うぅ…ミカサが脱衣所で服脱いでるんだろうな…
音だけ聞こえてくるのが何とも言えない…
アルミン「……?」
あれ…よく考えたら…
体は洗ってから浸かった方がいいのかな…?
一応お湯を軽く体にかけてから入ったけど…
ミカサに聞いてみよう
ガチャ…ペタ…
アルミン「ねぇミカサ…これって…ッ‼」バッ
ミカサ「…どうしたの?」ペタ…
アルミン「何で『何も巻いてない』の//!?」
慌てて背中を向ける
何も巻いてないから胸とか下半身とか全部見えてる//
ミカサ「タオルを巻いて湯船に浸かるとお湯がかなり
汚れてしまう…
アルミンのように腰に巻く程度の大きさの物ならまだ
いいが胸まで隠す大きさのものになると厳しい」
アルミン「そ…そうなんだ…//」ザブ…
落ち着かないと…色々と落ち着かせないと…//
ミカサ「そこまで恥ずかしがる事もない…
ユミルで見慣れていると思うのだが…」
アルミン「ユ、ユミルとは…というよりもまだ女性の裸は
見たことが無いんだけど…」
ミカサ「……そう」
ヒタ…
チャプ…
アルミン「…//」ドキドキ
まずい、心臓が凄い事になってる…
心臓がドキドキしすぎて痛い位なんだけど…
ミカサ「…」チャプ…
ペタリ
アルミン「ッ!?」ビクッ
背中に何か当たってる!
ミカサ「アルミン…かなり心拍数が上がっているようだが…」
あ…手か…
アルミン「それは…
流石に女の子とお風呂に入るなんて初めてだし…//」
ミカサ「肩の力を抜いて…別にあなたになら
体を見られても構わない
背中越しで会話するのも面倒だと思うのだが…」
見られてもいいって…
アルミン「そ…それは出来ないよ//」
ミカサ「そう…
話は変わるがアルミンとユミルの関係は
それなりに発展していると聞いたのだが
先ほど言っていた事が正しいならそれでも
ユミルの裸は見たことが無いのだろうか?」
アルミン「う…うん…そうだけど…」
ミカサ「フム…」
アルミン「…?」
ミカサ「…アルミンとユミルの関係はある意味異質だと思う」
アルミン「異質?」
ミカサ「アブノーマルといえばいいのだろうか…
性的な関係はある程度あるのに裸を見たことが無い…
二人の関係は恋愛における順序…といったものを
逸脱していると思う…」
順序…
アルミン「…」
ミカサ「二人の事だから下手を打つ事は無いと思うが…」チャプ…
アルミン「…というか…ユミルから聞いてるの?」
ミカサ「喜々として話している…
最近の女子寮…とはいっても私達とアニ達の少人数
の間では恋愛事を話すときは間違いなくアルミンの
話が上がる」
アルミン「ユミル~…」
ミカサ「その女子の間ではアルミンの話はとても人気」
アルミン「…」
は、恥ずかしすぎる…
ミカサ「そうだアルミン…一つ聞きたいことがあるのだが…」
アルミン「何?」
ミカサ「ユミル曰くアルミンはかなり性について興味がある
と聞いているのだが…」
アルミン「そんなことまで話してたのか…
いや…まぁ…僕も男だしある程度は…ね…?」
ミカサ「私が聞いた限りだとアルミンは少し欲求不満といった
兆候があると思う」
アルミン「欲求不満?
ユミルから僕の事を聞いてるならそうじゃないと
わかると思うけど…」
ミカサ「身体的…というよりは精神的な物だと思う」
アルミン「精神的な物?」
ミカサ「そう…アルミンはある種の『お預け』を受けている気
がする
ユミルとアルミンの関係は例えるなら『一方的』な物
それではアルミンが精神的な欲求不満となっても
おかしくはないと思う」
アルミン「お預けって…寧ろユミルの方じゃない?
自分はして貰えないんだから…」
ミカサ「確かにユミルも欲求不満の兆候はあったがそれは
身体的な物…
アルミンの場合『相手に気持ちよくなってもらいたい』
という欲求不満…と言えばいいのか…難しいが…」
アルミン「成程…」
-
- 28 : 2016/03/13(日) 19:13:49 :
- 確かに…
言われれば思い当たることはあるけど…
ミカサ「まぁ…小難しい話はここまで…
汗も出てきたので私は頭を洗う…」ザパ…
アルミン「っと…ごめんね//」
体を背ける
ミカサ「アルミンも洗わないの?」
アルミン「僕は…もう少し浸かっておくよ」チャプチャプ…
落ち着いてきたけど…隣だと流石に意識してしまうから…
ミカサ「そう、一応のぼせないように注意して」
アルミン「うん、ありがとう」
…
元々が恋人同士で使うお風呂だから一人で入るとかなりの余裕が
出来る
ミカサが入ってきた時もそれなりの余裕はあったものの
距離を取るためにかなり端に寄ってたからなぁ…
距離的な余裕が出来たからか思考にも余裕が出てくる
アルミン「…ねぇミカサ?」
ミカサ「何だろう」ワシャワシャ
アルミン「こういうお風呂って体を洗ってから入ったりした方が
いいんじゃないの?」
ミカサ「ふむ…公衆浴場等では他人もいるので洗ってから
の方が好ましいが…
私とあなたの仲だったら気にする事でもない
それに汚れの事を考えたら浸かってから洗った方が
汚れ落ちもいい…
でもあなたが私の汚れを気にするようだったら
謝るが…」ワシャワシャ
アルミン「そんなこと気にしないよ、それにミカサはほぼ毎日
水浴びをして体を洗ってるんでしょ?
それに比べたら僕の方が汚れてるよ…
訓練で疲れて体を洗う暇もないままベッドに倒れ込む
ような日が多々あるんだから…」
ミカサ「私は気にならないので大丈夫」ザバァ
アルミン「…」
ミカサ「一応言っておくがユミルも汗の臭いを気にするような
人間ではない…
寧ろ汗の臭いは好きだとも言っていた」ピチャピチャ
アルミン「そうなの?」
ミカサ「間違いないだろう…
実際に訓練が終わった後でクリスタに抱きついて
嗅いでいるのを諫められていた」ピチャ…
アルミン「…ねぇ」
ミカサ「安心してほしい、ユミルに『その気 』はない…
『とてつもなく黒に近い白』だろう……多分」
アルミン「今多分って言ったよね?」
ミカサ「まぁ……可愛いものを愛でる程度の事だと思う
…アルミン」
アルミン「?」
ミカサ「体を洗いたいのだが…」
アルミン「??」
ミカサ「背中をお願いできないだろうか」
…
アルミン「え//!?」
背中って…
ついミカサの背中を見てしまう
背中から腰まで視線を滑らせてしまったが直ぐに目線を戻す
ミカサ「前はボディタオルを使っていたのだが肌が
傷ついて乾燥してしまうから手で洗うように
とクリスタに注意されてしまった…
なので今はサシャやクリスタに頼んで自分の手の
届かない背中は手で洗ってもらっている
大丈夫ならお願いしたいのだが…」
アルミン「い…いいけど…」
ミカサ「とりあえず洗えるところは洗ってしまうから
少し待っててほしい」
ミカサは石鹸と泡を立てるためのスポンジを手に取り
慣れた手つきで泡を立てていく
すぐにモコモコの泡が出来上がり
それを手に取り肩に柔らかく乗せていく
肩からしゅるしゅると泡を広げて首、両腕と手の平で
撫でるように洗っていく
まるでヌード絵画を見ている気分になる
アルミン「…//」ドキドキ
更に泡を取り脇腹からお腹、太もも、足先と洗っていく
ミカサ「アルミン?そろそろいいだろうか」
アルミン「わっ、わかったよ」ザバ…
バスチェアをミカサの後ろに置いて座る
ミカサ「泡はここに溜めてあるので手の平にすくってから
背中に乗せるつもりで塗ってほしい」
アルミン「っと…」モコ
肩甲骨辺りから塗り広げていく
手の平から泡越しにミカサの肌の柔らかさを感じる
ミカサ「…上手」
アルミン「ありがとう」
手触りがとてもいいので興が乗ってくる
アルミン「…」ツツ…
指先を背筋に滑らせてみる
ミカサ「…んっ//」ゾクッ
アルミン「っ…大丈夫?」
ミカサ「…ごめんなさい…背筋は少し…弱い…ので//」
アルミン「ご、ごめんね…//」モコモコ
背中を反らすしぐさと声にドキッとしてしまった
ミカサ「…そろそろいいだろう
後は自分で出来る…ありがとうアルミン」
アルミン「うん、どういたしまして」
-
- 29 : 2016/03/14(月) 06:25:06 :
- ミカサ「アルミンも頭と体を洗うのならこの石鹸を使うと良い
この石鹸は頭にも使えるものだから問題ない
使った後はその容器に入っている液体を
手に取り髪になじませてからすすぐようにして」ザバァ
アルミン「これはなんなの?」
ミカサ「それは水とレモンの果汁とオイルを混ぜた物で…
今渡した石鹸は髪に影響が出にくい石鹸とは言っても
ある程度のキシみは出る事がある…
そのキシみを無くす為に使う」
アルミン「そうなんだ…使ってもいいの?」
ミカサ「石鹸は一度や二度使っただけでなくなるものではない
それにその液体も簡単に作ることができる」
アルミン「…」
ミカサ「遠慮しなくていい、訓練所には替えもある…」
アルミン「うん…わかった、使わせてもらうね」
ミカサ「…私はお湯に浸かっている」チャプ…
石鹸を泡立てて髪を洗っていく
石鹸に違いがあるのか…とも思うが髪や肌の事は
女性の方が詳しいに決まっているので大人しく従う
何か含まれてるんだろうか…
アルミン「…」ワシャワシャ
ミカサ「…」チャプ…
…沈黙が辛い
アルミン「ミカサは髪とか肌を気にし始めたのはやっぱり
クリスタの影響なの?」ワシャ…
ミカサ「そう…
最初は私も体や頭の洗い方など気にも留めなかったが
クリスタに教えられてからは気にするようになった…
今ではクリスタと一緒に水浴びする度に髪や肌を
褒められる」
アルミン「確かに…さっきミカサの背中を洗ってた時も凄く
手触りが良かったからね…」
ミカサ「そう……それはとても嬉しい」
アルミン「それにクリスタも凄く綺麗な髪をしてるよね…
そのクリスタが褒めるって事は
ミカサの髪って相当凄いんじゃない?」
ミカサ「私の髪はミーナ等の黒髪とは少し違うようだ」
アルミン「違う?」
ミカサ「乾いてるときは近くでよく見ないと
わかりにくいらしいが…
濡らすと私の髪は艶が増して薄い青や緑といった
色が見えるそうだ」
アルミン「確かに…」
馬術訓練の時も近くで見れたからか髪の色もどことなく
冷たい色を持っているという印象を持った
ミカサ「これは『烏羽色 』、『濡羽色 』、『濡烏 』という
東洋での美しい髪を形容する色の特徴と一致する」
アルミン「…つまりミカサの髪は東洋でも一級品なんだね」
ミカサ「少し恥ずかしいが…」
アルミン「髪に疎い僕から見てもそうなんだからそうだよ」
ミカサ「そう……」
アルミン「うん、そうだよ」ザバァ…
……本当だ
少しキシみはあるけど訓練所にある石鹸に比べたら
ずっといい
ミカサに言われたとおりに液体を手に取り髪になじませていく
つけた途端にキシみがなくなっていくのがわかる
アルミン「よいしょっと…」ザバァ…
ふぅ…
次は体だけど…
アルミン「…あれ」
よく見たら体を洗える物はミカサの使ってた泡立て用のスポンジ
しかない
…僕も手で洗うしかないか
アルミン「ミカサ、泡を立てるのにスポンジを借りてもいい?」
ミカサ「構わない」
アルミン「ありがとう」
スポンジを使って泡を立てていき体を洗っていく
訓練所ではいつもゴシゴシ洗っていたので汚れが落ちているのか
不安になる
ミカサ「慣れないうちは物足りない感覚があるだろうが
ちゃんと体は綺麗になっているので安心してほしい」
アルミン「…」モコモコ
問題発生
……背中が洗えない
ミカサ「どうしたのアルミン」
アルミン「いや…背中をどう洗おうかと思って」
ミカサ「…」
まぁ背中は腕の届く範囲でいいかな…
ミカサ「私がやろう」
アルミン「え?」
ミカサ「先程は私がやってもらったのだから今度は私が
あなたの背中を流そう」
アルミン「い…いや…」
ミカサ「遠慮はしなくていい…」ザバ…
ペタペタ
ミカサ「さてと…」モコ…
ミカサの手が背中に当てられていく
泡の滑り具合とミカサの手つきのせいで背骨にゾクゾクとした
感覚が走る
アルミン「…ッ//」ピクッ
-
- 30 : 2016/03/17(木) 08:42:46 :
- ミカサ「…大丈夫?」スルスル
アルミン「だっ…大丈夫//」ゾク…
ミカサ「…そう」ツツツツ
アルミン「っ…!?//」ゾクゾク
僕の背筋に沿ってミカサの指先が滑っていく
ミカサ「…」
アルミン「君わざとやってる//?」
ミカサ「わざとではない…」ツツツ
アルミン「絶対嘘だ//」
ミカサ「…(確かに嘘だが)…これはアルミンもやっていた…
…ので…先程のお返し…」ツツツ
アルミン「ごめんってば!//」ゾクゾク
正直この状況は厳しい
タオルを巻いているとはいえ肩越しにでものぞき込まれたら
とてもまずい状況に陥る
簡単に言うならミカサの手つきとこのシチュエーションで
僕の体が『興奮してしまっている』という事
ミカサ「…まぁおふざけはここまでにしよう
これ以上されるとアルミンも『色々とツラい』だろう」
アルミン「(嘘でしょ!?)ッ!!」バッ
すぐに股を閉じる
ミカサ「隠しても遅い…
(鎌をかけただけだったのだが…)」
アルミン「……っごめん//」カァァ
ミカサ「構わない……(ふむ……)」
アルミン「ぼ、僕もう上がるね?」ガタン
中途半端だが仕方ない
居ても立っても居られないので体を流そうと桶に手を伸ばす
ミカサ「待って」ガシッ
アルミン「ミ、ミカサ?」
ミカサ「まだ終わっていない…それに少し体も冷えてきている
今上がると風邪を引く可能性が高い…ので上がるなら
お湯に浸かってから」
確かに肩や足先等が冷えてきてるけど…
アルミン「いや…でも…」
ミカサ「ここは譲れない、座って」
……
アルミン「……わかった」ストン
ミカサ「…(恥ずかしい思いをさせたくて誘った訳ではない
のだが…仕方ない)」
ピト
アルミン「ッ!?」
ミカサ「アルミン、私は貴方を困らせたくてここに
呼んだのではない…」
アルミン「そ、それはわかるけど…//」
肩に両手を置かれてるって事は…今背中に密着してるのって…
ミカサ「恥ずかしかったのなら謝る…
でもこういった場合は言葉ではなく行動で示すもの…
ので…少し…『大人しくしていて欲しい』」スル
アルミン「ッ…」
ミカサの両手が僕の首に回され
泡の付いた手が僕の胸元とお腹を撫でていく
アルミン「ぅぁっ…//」ゾク
ミカサ「ただ撫でられるよりも泡のおかげで滑りがいいので
気持ちいいと思う」
アルミン「そ、そこまでしなくてもいいって//」
ミカサ「このままではまともにお風呂にも浸かれないだろう
だから…どうせなら一緒にお風呂に入るよりも
ドキドキする事をしてしまえばいい」ヌル…
極端すぎるよ…
アルミン「それは…そうだけど…//」
ミカサ「貴方はそのまま…『身を任せてくれればいい』」ズズ
アルミン「ッ//」ブルッ
ミカサ「…(背中、脇腹…強い反応を見せる…
アルミンはかなり敏感なようだ…
この感じだと…)」シュル…
アルミン「っあ…ミカサ…?…そこは…//」
ミカサの手が下腹部を撫で、腰に巻かれたタオルを取り払う
ミカサ「…ふむ、『大きさは申し分ない』
(この歳にしてはむしろ大きい方だろうか…)」スル…
アルミン「申し分ないって…//」
ミカサ「男子の間では…『大きい方がいい』といった考えが
あるが…
実際はそうでもない…大きければ女が感じるなど
思い違いにも程がある…
官能小説等で勘違いしている男子が多いが…」ヌリュ
アルミン「…ッ…ッフ…//」
指の腹で敏感なところを擦りあげられて
無意識に息が漏れる
自分でする時とは全く違う刺激
足先が痺れて熱くなってくるような感覚
ミカサ「大丈夫…?」
アルミン「ッ…いや…『自分でする』時っ…
とは全く違うし…//」
ミカサ「…男子はどうするのだろうか?」
アルミン「普通は…こう握って…上下に擦るんだけど…」
ミカサ「成程」クチュ
アルミン「…っ//」
駄目だ、いくら刺激が近くなっても自分でする事と人にして
もらう事では快感の度合が桁違いだ
そろそろやめて貰わないと…
アルミン「ミカサッ…もうっ…っいいよ//?」
ミカサ「(…そろそろだろうか)」グチュグチュ
アルミン「ミカサッ!?//」
ミカサ「アルミン」トントン
アルミン「?//」クル
クイ
クチュ
アルミン「っ!?//」
-
- 31 : 2016/03/18(金) 11:02:31 :
- ミカサが乗り出して来て
肩越しに唇を奪われる
アルミン「ッ…//」ビクッ
唇、歯を押し分けてザラザラとした刺激がねじ込まれる
ミカサ「…ッフ…ン…(こう…だろうか)」ゾク
アルミン「ン…ク…//」クチュ
ミカサ「…ッ…(おっと…こちらも忘れていた…)」グチュグチュ
アルミン「ンンッ……//」
口内、そして下半身を蹂躙されて思考回路がグチャグチャになる
アルミン「…ッ//」ジワ
駄目だ、もう我慢できない…
そう感じた直後に積みあがった快感がせき止められなくなる
アルミン「ッ!…ッフ!……」ビクビク
ミカサ「…(成程、これが…)」クチュ…ドロ…
カリッ
ミカサ「ッ(痛ッ)」ビク
アルミン「ッ…ごめん!、大丈夫!?」
突発的に…軽く、それでも歯を食いしばってしまった
口の中に残る
ミカサの血の味
ミカサ「大丈夫、この程度なら問題ない…
(少し血が出てるが…)」モゴ
アルミン「本当にごめん…」
体が向き合ってしまっているが今はそれどころでは無い
ミカサ「…(この程度なら直ぐに痛みも血も
治まるだろうが…どうしたものか…
アルミンも考え込んでしまっている…
ふむ…こうしよう…)」
アルミン「…(どうしよう…どうしよう…)」
頭がグチャグチャなせいで思考がまとまらない
ミカサ「…アルミン」
アルミン「…?」
ミカサ「この程度なら舐めていれば治る…
ので…」
『貴方が治して』
アルミン「え…?」
そう言って舌を軽くミカサが出す
舌には軽く血が滲んでいる
舐めていれば…
アルミン「あ…」
意図を理解する
ミカサ「…」
…
アルミン「…わかった」
ミカサの目の前まで近づいて肩に手を置く
ミカサは壁に背を預けている
ミカサ「…ん」ペロ
アルミン「………//」ペロ
舌を垂らして顔を近づけ…舌先を触れ合わせる
ミカサ「………」レロ
アルミン「…ハッ……」ペロ
舌先を傷口に軽く押し付けて舐め上げていく
ミカサ「…ハッ…(これは…かなりクるものがある…)//」トロ…
少しずつ吐息に熱が混じり舌を舐めるという行為から
舌だけを使ったキスといってもいいレベルまで昇華される
舌先を当てるだけから
少しずつ深く入り込み
少しずつ複雑に絡ませて
ミカサ「…ン…アルミン…もう大丈夫…//」
アルミン「…ッハ……//」
ツゥ…と唾液が舌と舌の間に架かる
ミカサ「痛みも引いた…ので、泡を流してしまおう」
アルミン「あ…うん…//」
頭がボーっとする
ミカサ「…(いつも考え事をしているアルミンもいいが…
こういう素直なアルミンもいい…)」
アルミン「よいしょっと…」ザバァ
少し時間が経ってたからかお湯が熱く感じる
体が冷えてたのだろう
ミカサ「アルミン、こっちにも桶を貰えるだろうか」
アルミン「え?あ…うん」
ミカサ「少し『濡れてしまった』ので…」ザバァ…
アルミン「…?」
意味を理解して視線が動いてしまう
ミカサ「…いやん」ペタ
アルミン「ッ//ごめん!」
隠すなら上じゃなくて下隠して!
ミカサ「先程も言ったように貴方になら構わない…」ザバァ…
体を流してから浴槽に入り直すミカサ
ミカサ「アルミン…体が冷えてきていた様なので早くこっちに」
アルミン「うん」
浴槽に入る
ミカサ「…アルミン」
アルミン「…?」
ミカサ「それでは先ほどと変わらない…こっち」パシャパシャ
自分の隣に来るように促される
アルミン「いや…」
ミカサ「いいから…隣が嫌なら私は真正面に移動するが…」
アルミン「わかったよ…」
隣に移動する
ミカサ「…」
アルミン「…」
無言の時間
横を見るとミカサは目を閉じてリラックスしているように見える
整った綺麗な顔立ち
水に濡れた艶のある髪
この顔がライナーを地面に叩きつけるというのが信じられない
まだこれは良く出来た『人形 』だよと
言われた方が納得できる
アルミン「…(綺麗だなぁ…)」
ミカサ「…よし」
アルミン「?」
ミカサ「体も温まったので私は上がるが…もう少し浸かる?」
アルミン「いや、僕も温まれたから上がるよ」
---
--
-
-
- 32 : 2016/03/21(月) 00:24:46 :
- 脱衣所に畳んでいた服を着こんでいく
アルミン「気持ちよかったね」ホッコリ
ミカサ「……また来よう」
アルミン「エレンも連れてくる?」
『ミカサと一緒になんて入れるかよ』って断りそうだけど…
いやまぁ、昔でも一緒にお風呂とかは入らなかったんだけど…
ミカサ「それもいい……」
シャツを着こんでいるミカサが突然黙り込む
アルミン「…?…どうしたの?」
ミカサ「見て見てアルミン……」ペタン
アルミン「?」
ミカサ「『裸Yシャツ』」ギュゥ
アルミン「ブフッ//」
ベッドの上にYシャツのみの姿で
さらに女の子座りでペタンと座り
腕で胸を挟むように寄せて上目遣いで見上げてくる
完璧な構図
アルミン「誰にそんなこと教えてもらったのさ…
ほら早く服着なって//」
目に焼き付いてしまった
ミカサ「ユミルがクリスタにやらせていたのを思い出して…
ついやってみたくなった
女子で一番最初に男子に見せる事が出来たのは多分私が
初めてだろう」ドヤァ
本当に女子っていつも何やってるんだろ…
ミカサ「一応まだ部屋を出るまでは1時間あるが…
何かする?」
アルミン「少しゆっくりしよう?」
ベッドに腰かける
アルミン「今日は色々と疲れたよ…」
ミカサ「…?」
アルミン「色々と緊張したからさ」
主にミカサとのお風呂で…だけど
ミカサ「ふむ…なら少し横になるといい…起こしてあげよう」
アルミン「……」
ミカサ「遠慮しない」ポンポン
アルミン「……そうさせてもらうね」ボスッ
枕に頭を乗せて目を閉じ、深く呼吸をする
……
…
---
--
-
ミカサ「…(寝たのだろうか?)」ナデ…
アルミン「……zzz」
ミカサ「…(今日はそれなりに収穫があった…
まだ…アルミンは私との間に抵抗を感じて
いるが…
時間の問題…だろう)」
アルミン「ん…zzz」ゴロン
ミカサ「……(…私も少し寝よう
1時間…問題なく起きれる
…おやすみアルミン)」
ギシ…
…チュ
---
--
-
アルミン「…」パチ
…
アルミン「……っ」ビクッ
ミカサの顔が目の前に在り少しびっくりする
ミカサも寝ちゃったんだ…
ミカサ「…」
凄く静かに寝てる…
きれいな寝顔
アルミン「…」ツツ
ミカサの唇に指を当てる
…いつからだろう
ミカサを『こんな目』で見るようになったのは…
ほんの少し前までは『頼りになる姉』…『賢い妹』…
そんな感覚だったのに…今は『魅力的な女性』になってる
嫌なのは…
ダメだとわかっているのに…
ドキドキしている自分…
欲に抗えない自分…
アルミン「ダメだなぁ…僕…」ボソリ
ミカサ「……?」パチリ
アルミン「……おはようミカサ、そろそろ時間だよ?」
ミカサ「そう…私が先に目を覚ますつもりだったのだが…」
アルミン「出ようか」
-----
----
---
--
-
-訓練所前-
ミカサ「今日は楽しかった…付き合ってくれてありがとう」
アルミン「うん、僕も楽しかったよ?
…というか恥ずかしかったけど」
ミカサ「……本当はひと声かけてから来るべきだったのかも
しれないのだろうが…
教えていたらアルミンは断っていたと思うので…」
アルミン「まぁ…確かにそうだけど…」
ミカサ「アルミン…また…一緒に来れないだろうか?」
……
アルミン「うん、大丈夫」
ミカサ「そう…それは良かった…
それとアルミン…」
アルミン「?」
ミカサ「今日の事は…
『夜の御供』にしてもらって構わない」
アルミン「ちょっ//」
『夜の御供』って…
ミカサ「それでは…また明日…おやすみ」ヒラヒラ
アルミン「もー…//」
---
--
-
-
- 33 : 2016/03/23(水) 00:53:35 :
- -アルミン達の部屋-
ガチャ
部屋の扉を開けた瞬間に熱気と蒸した空気が顔にかかり
思わず顔をしかめる
アルミン「うわっ…何この空気…」
エレン「お、帰っ…て…きたなっ」58…59…
ライナー「フッ…フッ…」60…61…
見るとライナーとエレンが床で腕立て伏せをしており
ベルトルトがベッドの上から見守っていた
アルミン「……何で腕立てしてるの?」
ライナーの顎から汗が滴ってる…
ベルトルト「前の勝負の話を思い出してね…
エレンがしてみたいって」
エレン「おうっ…今っ…スクワットとっ…腹筋終わってっ…
腕立てだっ…」70…
ベルトルト「一応1:1で引き分け、この腕立てで決まるよ」
……
アルミン「…何回やってるの?」
ベルトルト「スクワットは100で腹筋は50、腕立ては100かな…」
アルミン「…」
ベルトルト「あぁ、ちゃんとやり方は守ってるから
筋肉にかかる負荷は問題ないはずだよ
適当にやれば回数なんて何回でもこなせるからね」
ライナー「くそっ…3ラウンドっなんて聞いてねぇよっ…」78…
ベルトルト「ライナーって筋肉の瞬発力はあるけど持久力は
そこまでだもんね
体重のせいで筋肉にかかる負荷もエレンとは
比較にならないし…
高負荷の運動を長時間続けさせるのがライナーに
勝つコツだからね」
エレン「腕相撲とかはっ…ライナーに勝てる奴っ…
殆どいないからなっ…
こういうっ…勝負じゃないとっ…勝ち目がねぇっ」85…
ベルトルト「ミカサ位じゃない?勝ったの?」
エレン「本当に何でアイツっ…勝てるんだよっ…」
アルミン「腕相撲にもテクニック有るらしいけど…」
ベルトルト「へぇ~」
アルミン「テクニックによっては女性が男性に勝つことも
出来るらしいし…」
エレン「マジかっ…今度聞こうっ…」90…
ベルトルト「そろそろラストスパートだよー」
エレン「よっし…あとちょっと…」93…
ライナー「やべぇっ…」90…
ベルトルト「しっかり体下してね」
エレン「ック…フッ…ッフ…100!」
ライナー「フッ…フッ…」
ベルトルト「…はい、エレンの勝ち」
エレン「うぉっしゃ!…疲れた…」ドサ
ライナー「マジか…ぐふ…」ドサ
…汗と体温で凄い蒸してるんだけどこの部屋
アルミン「ベルトルト…窓開けてくれない?
勉強するにも蒸し暑くて…」
勉強用具っと…
ベルトルト「あぁ…そうだね」ガチャ
ライナー「クソ…最近いいとこなしだな…」
エレン「じゃあ…ハァ…水浴び…ゴホッ…してくるわ…
行こうぜライナー」
息も絶え絶えだね…
ライナー「おう…体ベタベタだよ…お前らどうする?」
ベルトルト「僕はいいかなぁ…明日の朝浴びるよ」
アルミン「僕もミカサとお風呂行ってきたから大丈夫ー」カリ…
ライナー「そうか、じゃぁ行くぞエレン」
エレン「おう」
バタン
ベルトルト「じゃぁ僕は本読もうっと…」パラ…
アルミン「えっと…これがこうで…」カリカリ
……
ダダ
ダダダ
ダダダダ
アルミン「?」
廊下を誰かが激走しているであろう足音が近づいてくる
バダン‼
アルミン「っ!?」ビクッ
水浴びをして来ると言い出ていった二人がもみくちゃに
なりながら飛び込んできた
ライナー「アルッ…おまッ…ッ…!」パクパク
何かを喋ろうとしているが言葉が出ていない
アルミン「…?」
ベルトルト「凄いこと言ってたね…」
ライナー「お、おまっ…『ミカサと風呂入った』のか!?」
顔には出さない
が
『やってしまった』という実感が湧き鳥肌が立つ
脳を高速回転させて
どうやって『ミカサとお風呂に行ってきた』を違和感なく
納得させるか思考する
アルミン「あぁ…それは…」
エレン「それは?」
アルミン「ミカサからお風呂を貸してくれる所を
教えてもらってさ
そこに行ったんだ、勿論一緒に入ったわけ
じゃないからね?」
ライナー「本当か…?」
アルミン「うん」
我ながら完璧な回答
ライナー「そうか…いい話のタネになりそうだったんだがな…」
エレン「まぁミカサの事だからアルミンを言いくるめて
一緒に入りそうなもんだけどな」
アルミン「あはは……」
正解だよエレン…
-
- 34 : 2016/03/26(土) 00:30:27 :
- エレン「じゃぁ行くぞライナー」
ライナー「おう」
スタスタ
……
ベルトルト「教官が居なくてよかったよ全く…」
アルミン「本当だよ…」
あぁびっくりした…
コツコツ
アルミン「?」
ベルトルト「?」
突然雨戸の方からノックの音がする
アルミン「…」ガチャ
ユミル「よぉ」
窓を開け放つとユミルが壁にもたれかかっていた
アルミン「…どうしたの?」
ユミル「時間あるか?あるだろ?借りるぞベルトルト」
ベルトルト「え?え?…うん、大丈夫だけど…」
アルミン「ちょ、ちょっとどうしたの?」
ユミル「少し『おしゃべり』しようぜ?
食堂の前で待ってるぞ」
そう言ってスタスタと離れていく
いきなりで訳が分からないけど…
アルミン「ごめんねベルトルト」
ベルトルト「いいって…『ごゆっくり』
あの二人は適当に言いくるめておくよ
邪魔されたくないでしょ?」
アルミン「あー、うん…そうだね…」
ベルトルト「ほら…女の子は待たせるものじゃないよ?」
そう言って扉を開けて待ってくれたので
靴を手早く履いて部屋を出る
アルミン「ありがと」
ベルトルト「どういたしまして」
タッタッタ
ベルトルト「……さて……
……帰りは朝かな?」
---
--
-
-食堂-
食堂の扉の前にユミルが立っている
アルミン「いきなりどうしたの?」
ユミル「おう、ちょっとついて来てくれ」
アルミン「…?」
食堂から離れていく
アルミン「話すなら食堂でいいんじゃない?」
一応簡単な食べ物もあるだろうに…
ユミル「いいからいいから」
---
--
-
日も暮れて月明かりの差す中を二人で歩く
着いたのは古い倉庫
アルミン「ここって…」
ユミル「入ってみろ…驚くぜ?」
倉庫の扉を開ける
アルミン「……これは」
見渡すと備品の置いてある棚や大きなカバーの掛けられた物
人の出入りは全く無い筈なのに
不思議と埃っぽさはない
そして様々な物が置いてある中でどこから持ってきたのか
白のカバーのかかったテーブルと二脚の椅子が中央に据えてある
テーブルの上には火の灯った燭台
アルミン「どうしたのこれ?」
ユミル「用意した…いい雰囲気だろ?」
そういって椅子を引いて腰かけるユミル
アルミン「確かに…僕は好きだよ、この雰囲気」
椅子を引いて座る
蝋燭の淡い光にお互いの姿だけが浮かび上がる
ユミル「これでちょっとしたドレスでも着てれば
完璧なんだがな」
アルミン「…」
ユミル「どうした?」
アルミン「見てみたいなって…」
ユミル「…?」
アルミン「ユミルのドレス姿さ」
ユミル「成程ね…まぁ…着れるタイミングなんて一生に一度
あるかどうかだろ…私みたいなのは…
憲兵に行く奴はともかくな」
アルミン「僕もスーツを着るタイミング
なんて殆どないだろうな…」
ユミル「にしても…お前のスーツ姿ねぇ…
そうだな…落ち着いた色がいい…
紺か黒ってとこか…」
アルミン「なら君は…そうだね…
赤がいいかな…光沢のある真っ赤なドレス
派手な飾りも何もないシンプルなロングタイプさ
ユミルはスタイルがいいからそれだけで
十分だと思う」
ユミル「赤か…お前案外変わった趣味してんのな
まぁ…ここから先は『コイツ』も交えて話そうぜ」
そう言い木箱の上に置いてあった布のかかったバスケットを
テーブルの上に置く
アルミン「ちょっと…それまさか…」
布の膨らみ具合でなんとなく察しがついてしまう
ユミル「正解だ」
パサリ…
と布が外されるとボトルの曲面が蝋燭の淡い光を反射する
アルミン「それ明日飲むお酒?」
ユミル「いんや…こいつ等は私のお気に入りさ
前々からちょくちょく買い込んでたんだよ
明日の分は問題ねぇよ」
ツツ…とユミルがボトルを指で撫でる
アルミン「…高そうだね」
ラベルを見るとかなり熟成年数の経ったお酒もあるようだ
ユミル「時間が経てば経つほど値段は上がるが
それだけ美味しくなるとは言い難い
20年ものよりも10年ものの方が美味いと感じる
人間だって普通にいるからな…
難しい所だよ、これに関しては…」ゴソゴソ
-
- 35 : 2016/03/26(土) 01:29:14 :
- 次は先程のバスケットとは一回り小さいサイズのバスケット
アルミン「それは?」
ユミル「ツマミさ…
ナッツにドライフルーツ…干し肉もあるぜ?
あとチーズもな」
二人で消費するのはまず無理であろう量をテーブル
の上に置いていく
ユミル「私の部屋であの『芋 』から隠し通すのには
無駄に気を使ったよ全く…どういう嗅覚してるんだか」
芋って…
アルミン「別の場所に隠したらよかったんじゃない?」
簡単な話だと思うけど…
ユミル「考えてもみろよ…アイツだぞ?
外で歩いてて美味しそうな香りを嗅ぎつけた…
探したら偶然にも
隠されていた食料を見つけたとするぞ?
お前が『芋 』ならどうする?」
それは…
見つけたら『これは神様からの贈り物ですね!』とでも考えて
食べるなり隠すなりするけど…
……
成程…
ユミル「理解したか?
食糧庫に盗みに入る馬鹿が食糧庫に保管も
されていないもん見つけたら食うなり隠すなり
するだろ…
食べ物に関しては追い詰められたゴキブリ並に
知能が一瞬で発達するような奴だぞ?
いやまぁゴキブリの知能が云々は眉唾もんだが…
まぁ話を戻すぞ…
そんなもんを隠されたりでもしたら
アイツなら見つけれても
他の人間ならまず見つけるのは不可能に近い
ものを探すのも隠すのもアイツは動物並だからな」
ゴキブリって…散々な言われようだね…
ユミル「かといって保管庫のような場所に
置いておくわけにもいかない…盗みに入るからな…
じゃあお前ならどう隠す?」
アルミン「んー…
僕の場合は『隠さない』…かな…
少し分け前をあげて口を閉じさせるよ」
ユミル「まぁ間違ってはいないがな…
私も前はそうだったんだが…
事ある毎にねだってきやがってうっとうしいったら
ありゃしねぇ…
『ユミル!水汲みやっておきました!』とかな…
流石に『下着畳んでおきました!』って来た時は
ケツを蹴っ飛ばしたよ」
あぁ…簡単に想像できちゃったよ…
…確かに面倒だね
アルミン「じゃあどうして部屋に隠したの?
見つかったら一緒じゃない?」
ユミル「そうだな…この方法のミソは『私が隠している』
という事を悟らせるところだ
クリスタはまず隠さずにアイツに分ける
平等主義もここまで来ると見上げたもんだよなぁ?全く…
んでミカサはこういうもんは基本隠さない
隠したら隠したでサシャでも見つけづらいだろうしな…
じゃぁ私はどうだ?
一々頭ひねって隠し場所考えるような奴に見えるか?
見えねぇだろ?
だからあの短絡思考の『芋 』でも
すぐに『隠したのはユミルですか…』と思考する」
ついに本当に芋になったね…
ユミル「さて…ここでだ…
お前にとっては…まぁ教官だな…
教官が大事に隠していたもんを見つけたとしても
盗ろうと思うか?」
アルミン「思わないね、バレたら洒落にならないことになる」
ユミル「だろ?
もし私に黙って食ったら無事には済まないし
『私が済まさない』
事実一回あの『芋 』は
似たようなことを経験してる…
理由は聞くな…
だからまぁある意味あいつの『防衛本能』…
ここまで来ると『生存本能』だな
『本能 』に訴えかけるのさ…
見つからなければ御の字
見つかっても黙って食われる事は無い
見つけたら見つけたで何らかの方法で分け前に
ありつこうとアピールはしてくるだろうから
その時はわかるし…
最近はそのアピールも無かったから気づいちゃいない
って事だ
良く出来てるだろ?」
完璧にサシャという生物の生態を理解して且つ操ってる
ここまで用意周到だと関心すら覚えるね…
理由が理由なだけに馬鹿らしいとも思うけど…
-
- 36 : 2016/03/27(日) 01:56:36 :
- ユミル「それに一応の予防策として部屋にはこれとは別に
ナッツを詰めたビンを置いてあんだよ
ソイツを無視して別のお宝を探そうとするほどアイツは
知能が高くないしな…」
……
『狡猾』
まさしくユミルの為にある言葉なのだろうと思う
アルミン「全く…ユミルって人を操るのが得意だよね…」
ユミル「アイツの脳がある意味空っぽなだけだがな
全く、何で二人で話そうと思ったらアイツの話に
なるんだよ…
取り合えず飲もうぜ」
いくつかボトルを並べる
ボトルの次はいくつかのグラス
ショットグラスにロックグラス
どちらも彫り細工が施されている
シェイカーや絞り器、果物も取り出す
ユミル「コイツ等があるだけで酒の味の幅が広がるからな」
一応は氷も用意してあるんだぜ?
とボックスのようなものを開けて氷を見せる
中の氷は全く解けていなかった
アルミン「そのシェイカーもこのボックスも高かったでしょ?
それにそのグラスだって手作りに見えるし…」
正直どこからそんなお金が…という感覚
ユミル「まぁ当然の疑問だな…
これに関しては私が然程服を買わないって所が大きい
だろうな…
考えてもみろ、普通女子の給金の使い道は
服か飯、あるいは甘い物だ
一度や二度の飯やシャツ程度の服なら高くはないが
ジャケットやコートになると話は変わってくるだろ?
そういうもんを私は買い漁ったりしないから金が
余るんだよ…
まぁそのせいで私が持ってる服なんざクリスタや
ミーナの服の三分の一…いや五分の一位だがな」
そうなのか…
ユミル「まぁこれらも一度買っちまえば長く使える
だから最近は酒とツマミ、あとはまぁ服にも使える
余裕が出て来た訳だ」
アルミン「…」
ユミル「さて…最初に飲むのは何がいい?
ちゃんと水も用意してあるからチェイサーも問題ない」
ボトルを見渡す
ワイン…ウォッカ…ウィスキー…
より取り見取りだね…
アルミン「じゃぁ…『シェリー』貰える?」
選んだのはワインの一つ
昔ハンネスさんにジュースだと騙されて飲んだ記憶がある
実際甘口の物だったから疑わずに飲んでたっけ…
ユミル「…」
?
アルミン「どうしたの?」(。´・ω・)?
ユミル「…いや…何でもない(こいつわざとか…?)」
アルミン「?」
ユミル「ワイングラスは割れやすくて買ってないから
ロックグラスになるが構わないよな?」
ポンっと小気味良い音が鳴る
アルミン「うん」
トクトク…
ユミル「ロックにするか?」
アルミン「いや、そのままでいいよ」
ユミル「おっけー…ほい」
アルミン「ありがと」
ユミル「こいつはチーズなんかが合うぞ」
アルミン「わかった」
チーズをちょっとずつ齧りながらお酒を含んでいく
アルミン「うん、美味しい…」
ユミル「そいつはよかった」
ユミルも自分の分を注いでお酒を口に含んでいく
ユミル「水もツマミもあるし酒だけ飲み過ぎないようにな?」
アルミン「うん」コク…
凄く飲みやすいから気を付けて飲まないと…
ユミル「お前は普段酒飲まないのか?」
アルミン「飲まないよ…?
やっぱりお酒に酔ってだらしない状態になってる
大人を見て育っちゃったからね…」
ユミル「それでも興味は多少あったんじゃないか?
本当に一滴も飲まずに?」
アルミン「いや…一回騙されて飲んだことがあってね…
エレン曰く飲んだ後に倒れちゃったらしいんだ…」
ユミル「おいおい…大丈夫かそれ?
お前かなり酒弱いんじゃ…」
アルミン「僕はそんな感じないんだけどね」ゴク…
ユミル「弱い奴はみんなそう言うもんなんだよ」
そうなのかな…
まぁあの時は小さかったし…
肝機能が弱いのも仕方ないよね
アルミン「ユミルは…お酒強いよね?」
ユミル「お?まぁな…多分訓練所ではトップだと思うんだけど
なぁ…」
アルミン「トップだからって調子に乗って飲み過ぎないでね
飲み過ぎたら明日の分の楽しみが無くなっちゃうでしょ」
ユミル「明日は騒ぐのが目的って所があるからな
今日はまったりするさ…」カラン…
-
- 37 : 2016/03/27(日) 04:29:48 :
- アルミン「…」コク…
ユミル「…」コロ…
アルミン「…話す事ないね」
ユミル「まぁ…いいだろ…眠たくなったら寝ればいいし
話したくなれば話せばいい…」
アルミン「眠たくなったらって…ここからまた寮に戻るの
億劫だね…」
下手したら外で寝ちゃいそう
ユミル「そんなこともあろうと思ってな…
そこのでっけぇカバー掛かってるのあるだろ…
それベッドだから…眠くなったらそっち行けるぞ」
アルミン「ベッド!?何で!?」
ユミル「『人気 』が無い…理由としてはそれだけで十分だろ」
アルミン「成程ね…これ綺麗なの?」
ユミル「問題ないだろ…ある意味ここの暗黙のルールとして
汚したら自分で洗う…というのがあるらしい
まぁ使ってる奴なんて極少数だが…」
あるらしいって…?
アルミン「ここは良く知らないの?」
ユミル「聞いてから使おうと思ったしなぁ…」
アルミン「聞いたって…誰に?」
ユミル「アニ」
アルミン「アニ…か…」
ってことは…
ユミル「アニのが染み付いてるかもな」
アルミン「ブフッ、ゴッホッ…ちょっ…ゴホッ…//」
き、気管にお酒がっ…
ユミル「事実アニは一度盛大にやらかしたらしいし」
アルミン「…//」
ユミル「まぁ…そん時は私もマット抱えてるとこ出くわしたし
綺麗になってんだろ」
アルミン「そうなんだ…
まぁ僕はまだ眠たくないから飲むけど…」
ボトルを手に取り注ぎ直す
ユミル「一応水飲んどけよ」
アルミン「これ飲んだらにする」ゴク…
ユミル「いきなりぶっ倒れるとかはやめてくれよ?
流石に怖いからな…」
アルミン「うん、気を付けるよ…」モグ…
ユミル「…なぁ」
アルミン「?」
ユミル「女子って誰が人気あるんだ?やっぱりクリスタか?」
アルミン「いきなりだね…」
ユミル「明日聞けるような内容でもないしな…
今聞いときたい」
アルミン「ん~、やっぱりクリスタは不動の一位だよね」
ユミル「へ~、やっぱりお前の部屋でも全員クリスタに
ぞっこんか?」
アルミン「あぁ…ライナーだけだね」
ユミル「そうなのか?以外だな…」
アルミン「うん…僕も可愛いとは思うけど…かと言って恋人…
とはまた違う感覚だし…
ベルトルトは別にクリスタが好きという訳でもない」
ユミル「エレンは…アニか」
アルミン「うん、それにエレンのクリスタに対しての評価が
中々変わっててね…」
ユミル「…?」
アルミン「『笑顔が気持ち悪い』って言ってたね」
ユミル「ハァ!?あんの野郎言うに事欠いて…」ピキ#
アルミン「違うよ、エレンの言う気持ち悪いって言うのは
顔が嫌いだとかそういう意味じゃなくて
『人形みたいな作り笑顔だ』って言ってたんだ
どことなく演技臭い…とも言ってたね
今のユミルみたいにライナーと言い合ってたけどね」
ユミル「……」カラン…
アルミン「そんな訳でクリスタは不動とはいえ僕の部屋では
そこまで…かな」ゴク…
そっか…よく考えたら僕の部屋ではアニが一番人気なのか…
ユミル「成程な…じゃあミカサやアニ、サシャなんかは?」
アルミン「ミカサについては一般的な男子はそこまでだね
外見だけで見るなら完璧なんだけど…
やっぱりライナーを地面に叩きつけたりしてるから
怖いってイメージが強いんだろうね…
それに一位だから釣り合わないと考える子も多いし
何より確定的なのはあからさまにエレン一筋が
見て取れるからアプローチをかけるだけ無駄って
わかるしね」
ユミル「まぁ一人を除いてだけどな」
アルミン「うん…まぁ…ね…」
ユミル「アニは?」
アルミン「アニは…やっぱりミカサと同じく顔立ちは
整ってるし身長も可愛らしい…
でもあの雰囲気と素っ気なさで怖いとか
話しかけづらいってイメージが強いらしい
事実話すのは上位の男子と僕位だし…」
ユミル「結構いい体してるのにな」
アルミン「まぁ…否定はしないよ…」
ユミル「……『オカズ』にした事あるのか?」
アルミン「……黙秘させてもらうね」コク…
ユミル「ほぼ肯定じゃねぇかww
んで…サシャは?」ゴク…
-
- 38 : 2016/03/27(日) 05:45:20 :
- アルミン「サシャはねぇ…やっぱりあの性格だから
人気もあるよ、話してて楽しいって思うからね
それにサシャには夜に『お世話』になってる
男子も多いからね…」
ユミル「そこは狩猟民族ならではってとこか…
んで?お前も『お世話』になった事あるのか?」
アルミン「…黙秘権を使わせてもらうよ」
ユミル「www」
アルミン「…意外なのは…というかよく考えたら妥当だけど…」
ユミル「?」
アルミン「ミーナが人気なんだよね」
ユミル「あぁ…確かに性格良し、顔良し、スタイルも問題ない
と優良物件の素質は備えてるな」
アルミン「何より飾らない素朴なところがいいんだって」
ユミル「素朴ねぇ…積んだ藁の上でお昼寝してるような感じか?」
アルミン「うわ…凄く可愛らしいねそれ…正直見てみたい…
っとまぁこんな所かなぁ…」
ユミル「何だ?私の意見はないのか?」
アルミン「聞きたいの?…あんまりオススメはしないよ?」
ユミル「構わねぇよ…」
アルミン「ユミルは…やっぱり男子の中では人気が無い…
言っちゃうと嫌われてる部類だよ…」
ユミル「だろうなww」
アルミン「下品で粗暴…クリスタに近づこうとすると
追い払われる…とまぁこんな感じ…」
ユミル「まぁ違いないな」
アルミン「気にすることも無いよ…
浅い所でしか人思考できない人たちだしね
綺麗で自分を飾れるならその宝石が人工物の安物でも
構わない…そう考えるんじゃない?
思慮が浅いにも程があるね」
ユミル「言うじゃねぇか…でもその言い方だと私は
河原の小石ってとこか?
否定はしないがな…」
アルミン「まさか…そうだね…
君は…原石かな…
物事を深く判断できない人から見たらただの石
丹精込めて研磨すればそれはとてつもなく
綺麗で魅力的な宝石になる…
ただの石と思わずに手に取って磨こうとする…
そういう人にだけその美しさが見えてくる…
それが…」ゴク…
『たまらなく良いんだ』
ユミル「………酔ってるのか?」カラン…
アルミン「さぁ……どうだろうね?」
ユミル「……」コク…
アルミン「女子から見たら男はどうなの?」
ユミル「…そうだな…上位以外の女子からするとまぁ
ライナーとマルコ辺りが人気だな」
アルミン「だろうね…
二人とも実力もあるし頭も良いし
思いやりもある…上位だから憲兵の道も現実的…
そういう所でも魅力的に感じるんじゃない?
玉の輿って所かな…」
ユミル「だな…」
アルミン「ベルトルトは?」
ユミル「アイツは微妙だな…
やっぱり話すこと自体がめっきり少ないから印象が
薄いんだろ…
中には寡黙なところが好きって奴もいるが…」
アルミン「エレンは?」
ユミル「アイツもそこまでだな…
どことなく喋ってたりすると違和感があるらしい」
アルミン「…違和感?」
ユミル「…よくわからないが『住む世界が違う』…そう感じる
らしい」
アルミン「…ピンとこないけど」
ユミル「安心しろ、私もわからん
まぁそういう所や顔つきが少し怖いなんて理由から
敬遠されてるわけだ」
アルミン「ジャンは?」
ユミル「アイツは一定数は人気がある
それなりに口はたつし実力、スタイルも悪くない
案外女性を大事にしてくれそうなんて意見もある」
アルミン「わからなくもないイメージだね…」
ユミル「まぁミカサが居る限り他の女子に手番が回ってくる事
は絶対ないけどな…」
アルミン「マルコ…は人気あるみたいだしコニーは?」
ユミル「アイツも人気だな、あのバカさ加減が
女心をくすぐるらしい…私にはまったくわからんが…
それと下心が無い所もいいらしい、コイツは私も
賛成だな…
アイツなら別にクリスタと二人きりでも心配ないしな」
アルミン「成程ね……面白い話を聞けたよ」
-
- 39 : 2016/03/28(月) 09:50:59 :
- ユミル「お前の意見は聞くか?」
アルミン「…あまり聞きたくないけど一応聞いておくよ」
ユミル「まず頼りないって意見が大きい…
これは訓練からの意見だろうな
それと思考のレベルが高すぎて付き合いづらいって
意見もある
頭の中を覗かれてそうって意見もな…」
アルミン「…」
ユミル「まぁ上位辺りの人間になると評価は一変する」
アルミン「そうなの?」
ユミル「簡単にまとめると…
ミカサ:彼の魅力を話すと一夜では終わらない
アニ:案外骨のある奴
サシャ:いい人
クリスタ:気遣いの出来る数少ない人
っとまぁ結構いい意見が多いな
関わりの深い奴ならわかる魅力を持ってるって事だ」
アルミン「サシャの場合はそれいい意見なのかな…?」
ユミル「…まぁ気にするな」
アルミン「ふぅん……
君の意見は?」ゴク
ユミル「………そうだな
やっぱりこういう関係だしな…
ちょいと恥ずかしいが…
可愛い奴というか…愛しいというか…」ゴク
アルミン「……酔ってきてるね?」
ユミル「まだまだ酔ってねぇよ」モグ…
アルミン「ふふwww…注ごうか?」
ユミル「頼むわ」
ボトルに手を伸ばすと中身は空になってしまっていた
アルミン「あ…ボトル一本空いちゃったね」
ユミル「そうか…じゃあ次は何にする?」
水をグラスに注いで飲む
アルミン「んー…強いお酒に行ってみる?
僕は飲んだことないけど…」
ユミル「なら…香りを楽しむためにも水で割るのがいいだろ」
にしても…とユミルが続ける
ユミル「二人でとはいえシェリーを一本開けちまったしな
お前はそろそろ切り上げた方がいいだろう」
アルミン「え~」
ユミル「昔ぶっ倒れたんだろ?ならダメだ…
この一杯だけだぞ」
グラスに水とウィスキーを1:1で割っていれる
ユミル「ん、飲み終わったら水ちゃんと飲んで休め」
アルミン「は~い」
然程酔ってる感覚もないんだけどなぁ…
ユミル「干し肉いるか?」
干し肉を自前であろうナイフで裂き
刺したまま口に運ぶ
アルミン「ワイルドだね…」
ユミル「手で口に運ぶよかマシだろ?」ブス…パク
アルミン「そうだけど…」ゴク
注がれたお酒を飲むとじわりと喉が熱くなる
…何だろこの香り
アルミン「…」
ユミル「どうした?」
アルミン「何だろ…煙っぽい香りが…」
ユミル「慣れないか?」
アルミン「うん…ちょっと慣れないかなぁ…」
飲み続ければ慣れるかな…?
ユミル「慣れれば癖になるって奴だ…
まぁ香りも色々あるし…明日は果実の香りがするのも
飲ませてやる」
アルミン「うん」
ユミル「ほら、一応食いもんも腹入れとけ…」ブス…
干し肉を口の前に持って来てくれる
ユミル「ナイフごと口に含むなよ…
歯で肉を引き抜いて食え」
アルミン「ん…」ズズ…
歯でお肉を挟みナイフから引き抜く
噛むと凝縮されたお肉のうま味が一噛み毎に口に広がる
ユミル「サシャにやるにはもったいない出来だろ?」
アルミン「勿体ないかどうかはわからないけど…
凄く美味しいね」モグモグ
ユミル「明日はツマミはまた別だからな…
また二人で食う時まで保存だな」
アルミン「明日もこのツマミを使うんじゃ?」
ユミル「んなわけない、明日のツマミの分は今日買ったろ?
そいつを明日女子勢で調理するんだよ」
それにだ…とユミルが続ける
ユミル「これ等のツマミは私とお前のために買ったんだ
他の奴になんかやらん」キッパリ
アルミン「あはは…」ゴク
嬉しいけど恥ずかしいなぁ…
アルミン「ふぅ…あ…飲み終わっちゃった」
ユミル「そうか…私もこれで最後にするかな」グィ
席を立ちグラスを一気にあおる
アルミン「ゆっくり飲んでていいんだよ?」
ユミル「一人で飲むくらいならお前と一緒に寝る」
アルミン「…わかった、おいで?」ポンポン
ベッドに腰かけユミルを誘う
ユミル「よっと」トン
アルミン「うわわ」グラリ
ボス
肩を押されてマットに二人で倒れ込む
アルミン「……」
ユミル「……」
視線を重ねる
アルミン「…する?」
雰囲気は完璧…だけど…
-
- 40 : 2016/03/28(月) 20:51:56 :
- ユミル「いや、今日はやめとこうぜ?」
息をつきながら僕に向かい合うユミル
アルミン「そう?」
僕は別に大丈夫だけど…
ユミル「お前疲れてるだろ?」
頬に手を添えられ肌を撫でられる
アルミン「え…そうかな…」
違和感からか背中に鳥肌が立ち始める
ユミル「肌の艶とハリが無い…
まぁ出すもんを出したって事だ…」
『相手はミカサか?』
心臓が跳ね上がり波紋が広がるように
鳥肌が広がっていく
ユミルの顔は先程までのリラックスした顔つきからは
想像できないほどに冷めた目をしている
アルミン「……え?」
唐突な質問は確実に僕の虚を突き声が出ない
そして図星であることも事実で言い訳を直ぐには出ない
ユミル「……」
嘘を言えばそれは目の前にいる彼女を傷つけるし
事実を言えばそれは二人の女性の仲を引き裂くことになる
短時間で、且つ自然な言い訳を考える
相手はエレンやライナーとは比べ物にならないくらいの
キレのある頭脳を持っている
ただの嘘では信じない
虚と実を織り交ぜる
アルミン「あ~…やっぱりわかっちゃうものなのかな?」
ユミル「…」
アルミン「つい我慢できなくなっちゃってさ…」
ユミル「ほぉ?」
アルミン「今日ミカサにお風呂に連れてってもらったんだ…
それで…一人で入ってたんだけど…
ミカサの事想像しちゃって…ね…」
ユミル「……ハァ」
ユミルがため息をつく
ユミル「な~んでそこで私じゃないのかね…」
空気が緩む
アルミン「男は単純だからね……」
背中に変な汗はかいたけど場は切り抜けられた
心臓も少しずつ落ち着きを取り戻す
ユミル「なぁアルミン…」
アルミン「何?」
ユミル「いや…何でもねぇ…寝るわ」
いつもしている髪留めを外して傍の木箱の上に置くと
ユミルに抱き寄せられ
顔を胸に押し付けられる
アルミン「…//…ユミル?」
ユミルの服の香りが鼻腔をくすぐる
ユミル「ミカサでオナった罰だ、抱き枕になれ」ギュゥ
アルミン「……うん」
ユミル「…んじゃまぁおやすみ」
アルミン「ん、おやすみ…」
二人で抱き合ってるから体は寒くはない
でもユミルに対して嘘をついてしまった
その事実が背中をうすら寒くする
アルミン「…」ウト…
それでもユミルの香りと暖かさに包まれて
少しずつ眠気が頭を支配し思考が鈍重になっていく
……
…
ユミル「…(まさかミカサに対して『嫉妬』するとはな…
アルミンも多分嘘ついてるだろうし…
コイツの事だから私やミカサの関係も考えて
嘘ついたって所か…?
全く…私は『愛人ポジ』程度の場所でいい
と考えてたのに…
こんな気持ちになるって事は
私がこいつにぞっこんって事じゃねぇか…
畜生…ちょっと悔しいな…こいつめ…)」ギュゥ
アルミン「ん…んぅ…」zzz
ユミル「ククwww」
-
- 41 : 2016/03/29(火) 19:25:21 :
-----
----
---
--
-
-翌日-
チュン…チチチチ…
アルミン「ん…」パチ
窓からの日差しが目にかかり暗闇に落ち込んでいた
意識が明るみに引き戻される
ユミル「よぉ…初めての朝チュン体験の感想は?」
アルミン「ふふ…ちょっと違うでしょ…」
ユミル「まぁ…その内本当に体験するかもなー?」パチン
コンパクトミラーで髪留めの位置を確認しつつ
髪型を整えていくユミル
アルミン「…」
…ちょっと体験してみたいけど、まだ早い気もする
ユミル「あぁ…一応部屋戻ったら歯を磨いとけよ?
私は私で昨日の酒やらの片づけついでに
部屋に戻ってしっかり磨いたからな…」
見ればテーブルの上に置いてあったツマミや酒の類は
綺麗に片づけられていた
アルミン「虫歯か…」
虫歯は洒落にならないからね…
昔生え変わるタイミングでなったから痛みは出なかったけど…
ユミル「さて…飲み会は今日の日暮れからだ
部屋でゆっくりしとけ…私は部屋に戻るぞ?」
アルミン「うん、また後でね」
ユミル「おう」
ユミルを見送った後
ベッドのカバーを戻して窓を少し開け
空気の流れ道を作る
これで次ここに来た時も埃っぽさなどは無い筈
さて…
僕も部屋に戻ろうか…
---
--
-
-自室-
ライナー「ゆうへ゛はおたのしみでしたね」ニヤニヤ
部屋に戻った僕を出迎えたのは
面白いおもちゃを見つけたような笑みを
浮かべたライナーと
目の下に濃いクマが浮き上がったベルトルト
一歩引いてちょっと興味ありげにこちらを見ながら
ベッドに寝ころび頬杖をついているエレン
その三者
アルミン「…」チラリ
思わずベルトルトに目を向ける
ベルトルト「ごめんっ…」
とてつもなく申し訳なさそうな顔をしたベルトルト
顔のクマを見るにどうせライナーに
『言うまでは寝かさない』とでも言われ
文字通りに実行されたのだろう…
敵から情報を聞き出すために軽い刺激を与え続けて
相手を寝かさないっていう拷問もある
…ちなみにそれを実行されると長くても
一週間以内に発狂…若しくは死亡するらしい
一日とはいえ規則正しく、ほぼ毎日寝るタイミングが同じ
ベルトルトからするとそれを崩されるのはとても辛かった
のだろう
アルミン「大丈夫」
苦笑いを浮かべてベルトルトをフォローしておく
さて…
ライナー「なぁ…どうだった?」ニタニタ
肩に手を回され椅子に座るように促される
アルミン「…」ストン
どうしたものか…
『別に話して一緒に寝ただけさ…』
と
事実を言うのもいいだろう
それこそライナーからそんなはずはないと返ってくるだろうけど
エレンかベルトルト辺りがフォローしてくれる
でも正直このにやけ顔をしたライナーを悔しがらせるか
凹ませたいと思ったので敢えて嘘をつく
ベルトルトの事もあるしね…
アルミン「う~ん…
最高だったよ//?」テレッ
ちょっと顔を赤らめつつ目を輝かせながら、声の抑揚を
強くする
エレン「!?」
ベルトルト「!?」
ライナー「なん…だと…」ガクガク
まぁ否定から入ると思っていたのだろう三人は
驚愕の顔を浮かべる
エレン「お前一応避妊しただろうな」
念を押す様にエレンが聞いてくる
ライナー「ハッ!?」ダラダラ
そろそろライナーは『容量過多 』
変な脂汗をかき始めてる
…
アルミン「それが…ユミルが今日は『安全日』だからって//」
ライナー「」ボフンッ
あ、処理しきれなくなったみたいだね…
エレン「おいおい…絶対に安全とは言い切れんだろ…」
アルミン「まぁそうだけど…」
一応後でちゃんと嘘って事は言っておかないとね…
ベルトルト「ど…どうだったの//…?」
アルミン「んー…言葉に出来ないや…//」
まずしてないしね…
ライナー「ウソダ…」ボソリ…
突然ライナーが呟く
アルミン「…?」
ライナー「ウソダドンドコドーン!!」ウワアアアア
バダン!
ダダダダダダ
ベルトルト「ラ、ライナアアアァァァァ!」
…
大声をあげながら部屋を飛び出したライナーは
ベルトルトの呼びかけを無視して彼方に消えていった
アルミン「…?(ドンドコドーンって…何?)」
-
- 42 : 2016/03/30(水) 02:10:40 :
- エレン「にしても…この『
面子 』最初の
『脱童』がアルミンとはなぁ」
エレンが感心したように呟く
ベルトルト「確かに…ある意味大穴だよね…」
確かにパッと見で考えるなら女子人気の高いライナーが
最初で次にエレン、若しくはベルトルト…
理性的なイメージを持たれている僕が最後…
という訳なんだけど僕の見立てでは最初は既に付き合ってる女性
がいる僕かエレンだと思うから案外順当なんだよねぇ…
アルミン「まぁ、その事だけどさっきのは冗談だからね?」
エレン「……はぁ?」
ベルトルト「えぇぇ…」
少し考えた後に理解したのかため息交じりの反応をする二人
アルミン「いや…ライナーに罰を与えようと思ってね
ベルトルトの事もあるし…」
ベルトルト「なんだ…まぁ…お礼を言っておくよ…
滅多に見れないライナーの面白い顔見れたしねww」
思い出し笑いで吹き出すベルトルト
エレン「ったく…まぁライナーがベルトルトにした仕打ちに
比べれば可愛いもんだろうけどよ…」
ベルトルト「本当だよ…アレの辛さは訓練の比じゃないね」
訓練にも顔色を殆ど変えずに耐え抜くベルトルト
その心が折れるような所業なんて想像もできない
多少興味が湧いてくる
アルミン「……何されたの?」
エレン「さぁな…最初はベルトルトも無視してたんだが
ライナーが何かを耳打ちした途端に血相が変わってな
アイツが…何かを大声で話そうとした瞬間に
ベルトルトが堕ちた
大体過去の黒歴史かなんかだろ…」
ベルトルト「あれを言われたら僕は死ぬね
社会的にも物理的にも…」(゜-゜)
目の焦点をどこか遠くに向けたまま悟ったような
顔をするベルトルト
ベルトルト「ごめんねアルミン…正直アレを
持ち出されてしまったら僕は君を守れそうにない
という訳で僕と何かを共謀する際は
気を付けて…ね…
…ハァ…パトラッシュ…疲れたろう…?
僕も疲れたんだ…なんだかとても…眠いんだ…」
ただの寝不足である
ベルトルト「…zzz」( ˘ω˘ )スヤァ…
エレン「寝ww付wwくwwのww速ぇwww」
アルミン「www…って…
大丈夫かなぁ…今もう朝だけど…
生活リズム崩れたりとかしないのかな…」
エレン「ニ~三時間だけ寝させてやれば眠気も取れるだろ」
ベルトルト「zzz…」ズズ…ゴロン…ブゥン‼
見れば既に謎の動きを経て生きた前衛美術と
化し始めているベルトルト
その動きは寝ていてできる動きなのか…
などと考えるが一度ジャンとコニーがふざけて
『ベルトルトが本当に寝ているのか確かめよう』…と
どこから捕まえて来たのか
僕の『手の平』位の大きさはあろう
『蛾』
をジョッキサイズのコップに入れてベルトルトの額に乗せる…
というぐうの音も出ない鬼畜行為をやってのけたのである
それだけの大きさの蛾になると羽ばたく音なんて
パタパタ…等と可愛いものではなくコップの中から
バタバタバタバタ‼‼
と本来虫の出す羽音とは思えない程
あり得ない音がしていたので僕とエレンはドン引き
ライナーは『や、やめっwwwぶはっwww』と体裁としては
止めようとしていてもその中身は面白くてたまらない…という
のが見て取れた
案の定ジャンとコニーは『ヤベェwwwヤベェwww!!』と爆笑
結果教官の地獄耳にその爆笑が届き
どこぞの『蛇 』もびっくりな静けさで
部屋に侵入
現場を押さえられ
『生き物で遊ぶなど兵士以前に人間としてどうなのか』と
教官直々に略式の『処刑 』が
コニーとジャンに執行される
そして寝るふりが一歩遅れたライナーも結果仲良くランニングを
楽しむ羽目になった
それ程の騒動があったにも関わらず起きずに謎のオブジェと
化していたベルトルトに教官も堪らず
『本当に寝ているのか?…こいつは…』とこぼした後に
部屋を去って行かせるなど
ある意味ベルトルトの寝相は怪異、あるいは生きた伝説
となっている
エレン「まぁ…取り合えず食堂行って朝飯の準備しようぜ…」
アルミン「うん、そうだね」
まぁ…少しの間だけど…お疲れベルトルト…
ベルトルト「zzz…」グルングルン……ピタッ
……
---
--
-
-食堂-
-
- 43 : 2016/03/30(水) 04:13:05 :
- ミカサ「おはよう…二人とも」
クリスタ「おはよう!」
食堂について目にしたのは三角巾とエプロンを付けたミカサと
クリスタ…そして
ユミル「おぉ、来たか」
ユミルがいた
アルミン「…君がエプロンと三角巾を付けてる姿はかなり
新鮮だね」
ユミル「似合ってるだろ?」クルリ
その場で一回転するユミル
スタイルがいいから何を着せても似合うのも彼女の特徴だろう
アルミン「うん、似合ってるから一応包丁気を付けてね…?」
挨拶と注意を交わしたのちに人数分の食器を出していく
ミカサ「調理は私とクリスタとユミルで出来る…ので
二人は待っててもらおう」
アルミン「…アニとサシャは?」
当然の疑問
ユミル「二人ともまだおねんねさ…
芋はまだいいがアニは訓練でもない限り叩き起こすと
最悪の機嫌になるくらい寝起きが悪い
その内起きてくるからほっとけ…」シュル…シュル…
確かに…アニはいつも寝ぼけ眼で起きてくる日が多いし
朝の機嫌が悪いのも周知の事実
数少ない休日に叩き起こされたなんてあった日には
足にローを喰らうどころか首相撲からの顔面に肘
若しくは鳩尾に膝を受けかねない
そんな確信に満ちたイメージに寒気を覚えつつも
目を奪われたのが
素早く、確実に芋の皮を剥き去っていくユミルである
調理に係わる事が少ない僕にもかなり手馴れているように見える
のは分かる
アルミン「ユミルって料理得意なの?」
ユミル「あ?…いや…然程しねぇな…」スルスル
一個、二個とパパッと終わらせていく
アルミン「にしてはかなり手馴れてない?
芋の剥き方とか…」
ユミル「こんなもん手馴れるもなにもねぇだろ…」
芋を終わらせて人参に入る
ミカサ「いや…それでもユミルは上手な方…
『皮むき器 』を使わずに
ここまで出来るのは相当な物…
調理に立つことが少ないという事も含めると
ある種の才能…ととってもいい」トントントン…
クリスタ「うん…私はピーラー使ってるのにユミルの剥いた
芋よりも出来が悪いんだよね…」
ユミル「おだてても料理自体は美味しくならねぇし…
ピーラーだろうが包丁だろうが食えれば変わりねぇよ」
そう言っているものの少し顔を赤くしているのが見て取れる
エレン「あぁ…そういえば朝飯に関してはベルトルトの分は
いいぞ…
アイツ寝不足でぐっすりだからよ」
ユミル「全く…『ナニ』してたんだか…」トントントン…
エレン「まぁアレに関しては俺も同情するもんだから
ほっといてやってくれ」
ユミル「ふーん…まぁどうでもいいが…
よし…具材切り終わったぞ…後は頼んだ」
ミカサ「お疲れさま…後は請け負う…」ゴロゴロ…ボチャボチャ…
三角巾とエプロンを外すユミルと
切った具材を鍋に投入していくミカサ
アニ「……おはよう」ノソリ
アルミン「おはようアニ」
エレン「おっす」
起きてきたアニが同じテーブルにつく
アニ「……ネム…」
テーブルに突っ伏すアニ
仕草が猫のような小動物にしか見えない
エレン「お前夜更かしでもしたのか?」
アニ「いつも通りに過ごした…低血圧だろうさ…」
ミカサ「…低血圧に陥る原因とされているのは
『自律神経の乱れ』、『下半身の筋力不足』
後は純粋な『血液量の不足』だが…
私が考えるにアニの場合は恐らく
『ストレスによる自律神経の乱れ』だろう…」グツグツ…
アニ「…」
ミカサ「自律神経の乱れ自体も原因は運動不足や栄養不足
といった物も挙げられるが
量は少ないとはいえある程度の栄養バランスの整った
ここの食事と訓練における運動量では
それらも当てはまらない…
なら後の原因はストレスしかない…以上」
アルミン「…訓練の辛さを考えたら
ストレスが溜まるのも無理はないよね」
アニ「…」
エレン「まぁ今日は酒も飲めるし息抜きできるだろ…
何なら俺が酌してやってもいいしな」
アニ「そうかい…じゃあ今日は付き合ってもらうよ」
エレン「おう」
アルミン「ふふ…」クス…
少しずつ体調も戻ってきてるのだろう
いつも通りのアニに戻った
-
- 44 : 2016/03/31(木) 05:09:29 :
- ユミル「ふぅ…」
どっかりと椅子に腰かけて足を組むユミル
手が付かれたのか握ったり開いたりを繰り返している
アルミン「お疲れさま」
ユミル「包丁なんて久しぶりに握ったぞ…」グッパグッパ
アルミン「いつもサシャにさせてたからね…
でもどうして今日はサシャにさせずに君が…?」
いつもはどうせサシャがユミルの食べ物に
釣られてるんだろうけど…
ユミル「あー…それはだな…」ポリポリ
ミカサ「簡単な話…」ズィッ
ユミル「っ」ビクッ
ミカサ「料理が出来ないよりかは出来る方がいい…
印象が良く見られるから…
ので、今回の作戦は上手くいったようなもの」
アルミン「作戦…?」
ユミル「何でもねぇよ…//」
少し照れながら顔を伏せるユミル
ユミル「それより調理はもういいのか?」
ミカサ「問題ない…後は煮込んで出来上がるのを待つだけ…
パンも朝焼きあがった物が冷めてもうすぐ食べごろに
なるので期待していい…」
アルミン「でも期待と言ってもいつも通りの食事じゃないの?」
パンは時間が経って保存がきかなくなる寸前の物を
出される訳じゃ無いから美味しいのだろうけど…
ミカサ「いや…今日は普段の食事とは違い使える材料と調味料
の量は多めに使っていいと言われている
これも私達は家に帰れない事を考慮して教官が
特別に許してくれたこと…
のでベーコンなどの具材も豊富に入っているし
味も濃いめに作ってある
満足できるだろう」
成程…三日間とはいえ多くの訓練兵が帰省している今では
使える材料も増えるのか…
アルミン「今日の食事は楽しめそうだね」
エレン「まぁ…いつもの食事は栄養取るだけの作業みたいな
感じだしな」
スープの味も薄いしお腹を満たすほどの具材もはないし…
パンは硬くて噛むエネルギーの方が摂取してるエネルギーを
上回ってるんじゃないかと勘違いするほどだし…
だから訓練後の食事が億劫な日もあるくらい
アニ「今日はミカサ達が腕に縒りをかけて作ったんだろ?
なら有難く頂戴するさ…」
ユミル「おめぇ何もしてねぇじゃねぇか」
至極真っ当な意見
アニ「エレンの指導料を間接的に貰う感じで…よろしく」
エレン「まぁ俺はお前に何もしてやれてねぇからな…」
ミカサ「本来なら『働かざる物食うべからず』の話に
乗っ取って貴方にも働いてもらう所だが…
エレンの対人格闘の成績が上がっているのも事実
許可しよう…」
クリスタ「パン切り終わったよ~」スタスタ
ミカサ「お疲れさま…そろそろ出来上がっているので皆
お皿を持って来て欲しい」
アルミン「はーい」
ゾロゾロ
--
-
木製のスプーンにスープと具材を乗せて口に運ぶ
いつもの食事とは思えないほどの味につい顔が綻んでしまう
アルミン「美味しい…」
ユミル「ほぉ…これは美味いな…
いつものスープもこれくらい美味ければ訓練にも
精が出るんだがね」
パンをむしって口に運ぶユミル
美味しいのだろう…口に運ぶペースも速い
ユミル「パンも香ばしさが出てていいな…
流石クリスタの作ったパンだ…」
クリスタ「こねただけなんだけどね」モグモグ
むしって口に運ぶとパリッとした食感の後に
もっちりとした柔らかさ、香ばしい香りが鼻を抜けていく
ダダダダ…
アルミン「…?」
足音?
ユミル「…芋が来たな」
アルミン「あ…サシャか…」
ダダダダ!!
-ッバァン!!
サシャ「パァン!!」(・∀・)<パァン‼
エレン「うるせぇよ…」
サシャ「パンのいい香りがしましたので
居ても立ってもいられず!
いただきます!」ガツガツ!!
ミカサ「サシャ…ゆっくり噛んでから食べて…」
ユミル「無理だよ…コイツがこの状況で人のいう事聞くと
思うのか?」パク…
アニ「…無理だね」モグモグ
ライナー「おうお前ら…飯…貰うぞ…」トボトボ
先程逃走したライナーが戻ってくる
少しは落ち着いたようだ
ユミル「どうしたんだお前…」
アルミン「気にしなくていいよ?」
ユミル「…」
ライナー「あぁ……温かいスープが……沁みるな……」ゴク…
そんな感慨深く言わなくても…
-
- 45 : 2016/04/16(土) 02:59:06 :
ユミル「…」
ユミルが『本当にコイツどうしたんだ?』と言いたげな目で
訴えかけてくるが
ただの自爆なので取り合えず首を振っておく
ライナー「というかこのスープ味が濃くて美味いな…
それに…パンもいい香りだ」モグモグ
いつもの食事とは全然違う美味しさにライナーの機嫌も
よくなっていっているのが目に見える
アルミン「それクリスタが作ったんだよ?」
ライナー「マジか!これ凄く美味いぞクリスタ!」ガツガツ!
クリスタ「も…もっとゆっくり…喉詰めちゃうって…」
うん、いつもの調子に戻ったみたいだね
エレン「調子のいいやつだな…
そうだ、アルミン…後で時間あるか?」
アルミン「…?」モグモグ
エレン「まぁ急ぎの用事って事でもないが…」
アルミン「大丈夫だけど…」ゴクン
エレン「じゃぁ後でな、俺は部屋に戻る…スープ美味かったぞ
ミカサ…
それとクリスタの作ったパンも美味しかった」ガタ
アルミン「!?」(;・∀・)
ユミル「…」(; ・`д・´)
アニ「…」(゜-゜)
ライナー「ムグッ…ググ…」(*ω*;)
普段のエレンからはほぼあり得ない言動に場が硬直する
ミカサ「……//」
クリスタ「え…あ…うん…//」
そう言い残してエレンは食堂を後にした
……
ユミル「誰だアイツ…」
アニ「…」
ライナー「……」( ˘ω˘ )
クリスタ「ちょっ…ライナー!?
だからもっとゆっくりって言ったのに!」
---
--
-
アルミン「じゃぁ僕も部屋に戻るね、二人とも美味しかったよ」
ミカサ「それはよかった」
クリスタ「また作ってあげるね!」
アルミン「うん、楽しみにしておくよ」
ユミル「飲み会は日暮れからだぞ~」
アルミン「わかってる」
蘇生法というアッパー気味のボディブローをミカサから
貰ったライナーを休ませた後食器を片付けて部屋に向かう
-自室-
アルミン「エレン?何?」
エレン「おう、まぁそんな大層な理由でもないんだが…」ゴソゴソ
ほら、と手のひら大の紙箱を渡される
特に変わった装飾等もない無地の紙箱
アルミン「何これ?」
エレン「『ゴム』」
…
アルミン「ゴムゥ!?何で!?」
エレン「お前持ってないんだろ?
俺用に買ったもんだしお前のサイズを把握してる
訳でもないからサイズは合わんとは思うが…
無いよりかはマシだろ」
アルミン「……どうして今なの?」
エレン「今日は……飲み会だ」
もしかしたらがあるかもしれないだろ?って事か…
アルミン「あぁ…うん…お気遣いありがとう…」
エレン「まぁ今日だけはそれ使え…次は自分に合うやつ買えよ」
アルミン「ありがとね」
とはいっても…自分のサイズと合わない物だと感度も避妊の
成功率も下がっちゃうから…
期待はしない方がいいか
ベルトルト「ふぁぁ…おはよう…」;つД`)
アルミン「おはよう、大丈夫?」
ベルトルト「少し体がだるいけどね…」コキ…ゴキ…
まぁあの体勢で寝続けてたらだるい筈なんだけど
ベルトルトの場合は生活リズムが崩れたからだるいんだよね…
エレン「飯はどうする?」
ベルトルト「ん~……お昼からでいいや……これ以上リズム
崩したくないし…
じゃあ僕水浴びしてくるね…昨日してないし…」
アルミン「それ僕も行っていい?」
ベルトルト「構わないよー」ゴソゴソ
エレン「する事ねぇな…飯の後だし少し時間置いてから運動するか」
アルミン「それじゃぁ行ってくるね」
エレン「おう」
---
--
-
-水浴び場-
ベルトルト「よっと」ザバァ…
アルミン「…っと」ザバァ…
ベルトルト「寝起きに水を浴びるとスッキリするよね…」ピチャピチャ
アルミン「うん」ゴシゴシ
ベルトルト「ねぇアルミン」ゴシゴシ
アルミン「なに?」ゴシ…
ベルトルト「君は僕の好きな人がアニって知ってるよね」
アルミン「…?…一応…感づいてはいたけど…」
ベルトルト「どうすれば……いや…やっぱりいいや、忘れてくれ」
……
アルミン「僕だったら…」
ベルトルト「ッ…」
アルミン「狙うよ?…機会をうかがって…奪えるチャンスを」
ベルトルト「でも…それは…」
アルミン「別に無理矢理押し倒すってわけじゃないさ
あくまでも自分に惚れさせるためだよ」
-
- 46 : 2016/05/01(日) 18:23:47 :
- ベルトルト「でも…関係が悪くなりそうだし…」ゴシ…
……
アルミン「う~ん……君の考えているそれは
『相手を思いやる優しさ』
じゃなくて
『自分に火の粉が降りかからない様にする為の甘さ』
だと思うよ?」
ベルトルト「甘さ……」
アルミン「そう、君はエレンに掴み掛られたくないが為に
『可哀想だから』だとか『関係を保ちたいから』
って言い訳を…つまりは妥協をしているにすぎない」
ベルトルト「……」
アルミン「もしエレンがアニを蔑ろにしたらその時は
遠慮せずにエレンを殴り倒せばいい
悪いのはエレンだし
もしアニが傷ついていたら声をかけて
あげればいい
それでアニが君に惚れたならそれでいいでしょ?
女性を奪われたならそれはもう『男』に
責任があるんだよ
奪われた側はそうは思わないだろうけどね…
でも考えてみてよ、女性を蔑ろにしておきながら
いざ取られたら我が物顔って何様のつもり?って
話でしょ?
蔑ろにする理由だって
どこかで女性に対して飽いてたりって事
よく見られたい、魅力的でありたい…そうして
自分を磨いていたからこそ手に入れることが出来ても
手に入れたからこその油断…といった所かな…
そういう所が出てくるんだと思う
まぁ例えば…
セックスだと最初の内は興奮できるだろうけど
年を追うごとに回数が減ったり
回数が重なって段々と淡白になったり…ってことは
よく聞くでしょ?
お互いに飽きが来るのかな?
だから夫や恋人より若い男だとか不倫の緊張感
といったものにハマるんじゃないかなぁ…
まぁ僕自身経験はないから推論でしかないけどね」ゴシ…
ベルトルト「リ…リアルだね…
じゃあもしユミルを奪われそうになったら…?」
アルミン「え?…そうだなぁ…相手によって手段は変えるけど
躊躇はしないよ
ユミルを手放したくはないし」
ベルトルト「相手が暴力に訴えて来たら?」ゴシゴシ
アルミン「……それこそこちらも手段は選ばないよ?
たとえ『血を見ることになってもね』」
ベルトルト「…」
アルミン「まぁそんな事ないようにするつもりだけどさ」ザバァ
ベルトルト「アルミンって結構好戦的…?」ザバァ
アルミン「好戦的というか…調査兵になれば巨人と戦うのに
人間相手に怖がるわけにはいかないでしょ
まぁ口ではこう言えるけど本当に行動できるかは
また別なんだけどねぇ…」フキフキ
ベルトルト「……それもそうか
寧ろ憲兵になる僕が
喧嘩を怖がってたら駄目だね」フキフキ
アルミン「まぁ僕にとって君もエレンも親友だからどちらかの
肩を持つことはできないけど…
応援はするよ」
ベルトルト「うん、ありがとう」
アルミン「頑張ってね」
とはいってもベルトルトにはライナーがいるか…
まぁその辺りはライナーにそれとなく話をしておこう
---
--
-
-
- 47 : 2016/05/11(水) 02:20:11 :
- -自室-
ガチャ
アルミン「ただいま~」
ベルトルト「ただいま」
エレン「おう」
アルミン「あれ?ライナーは?」
結構時間は経った筈だけど…
エレン「ミカサから貰ったダメージがまだ抜けてねぇ
みたいだな」
ベルトルト「ライナーの頑丈さは折り紙付きだから心配
いらないだろうけど…遅くなりそうだね」
アルミン「うーん…一応様子見てくるよ」
エレン「そうか?」
アルミン「うん、話したいこともあるし…ついでにね?」
エレン「わかった、じゃぁ俺は腹ごなしに筋トレしてるか…」
ベルトルト「……僕もトレーニングに付き合うよ」
アルミン「…」
エレン「お?珍しいな…お前が自発的に参加するなんて」
ベルトルト「うん……『負けられないからね』」
エレン「…?…オッケー、じゃぁこの前のルールな」
ベルトルト「僕はライナーとは違って筋持久力には
自信あるから…
甘く見ると痛い目見るよ?」
エレン「一応勝負だ、望むところだな」
アルミン「じゃぁ僕は行くけど…窓は開けといてね?」
エレン「おう」ガチャ
この前みたいな蒸し風呂状態にならないようにしないと…
アルミン「じゃ、また後でね」ガチャ
---
--
-
-食堂-
ガチャ
食堂の扉を開けて中に入る
すると
ライナーとアニが同じテーブルで話し込んでいた
アルミン「あれ?どうしたの?」
アニ「……部屋に置いてあった水が無くて補充しようと
井戸に寄ったら…途中でコイツとバッタリね」
ライナー「あ…あぁ…」
??
アルミン「そうだ、ライナー?…体は大丈夫?」
ライナー「おう、問題ない」
ポンとお腹を叩いて見せる
アニ「じゃあ私は行くから…
あんたも…
『人の心配する前に自分が下手打たないようにしな』」
ライナー「………あぁ…わかってる」
アニは僕の横を通り過ぎて食堂を出て行った
アルミン「……どうしたの?」
ライナー「いや…アイツの最近の態度を直させようと
注意したらな…
ものの見事に正論で返されたわけだ…
俺もまだまだだな…」
アルミン「まぁ…何も言わないよりかはいいと思うよ?
恋愛をすると注意が散漫になる事もあるだろうし…」
ライナー「まぁ…そうだな…
それはそれとして…だ……
俺に何か話があるんじゃないのか?」
アルミン「うん、ベルトルトの事でね…」
ライナー「ベルトルトが?…どうかしたのか?」
アルミン「まぁ……アニも関わってくるんだけど…」
ライナー「……」
アルミン「簡単に言うとベルトルトとエレン…
それにアニの三角関係の事なんだよね」
ライナー「……」
アルミン「ライナー?」
ライナー「…ハァ…確かに…面倒だな…あれは」
アルミン「そうなんだよね…僕としては成り行きに任せる…
って事も出来るんだけど…」
ライナー「俺がベルトルトに加担したらフェアじゃないって事か?」
アルミン「んー、はっきり言うとそうだね…
もし君がベルトルトの肩を持つなら僕はエレンの
サポートに回るし…
君も成り行きに任せるっていう
なら僕もそうするんだけど…」
ライナー「そうだな…昔からの付き合いだ…
ベルトルトを手助けしてやりたい気持ち
は確かにある…だが…」
アルミン「…」
ライナー「そうするとお前はエレンに付くだろ?
それだと『ここはこうしろ…あそこはああしろ…』
…とまぁ俺とお前の勝負になる
アイツらを利用する形でな」
アルミン「…」
ライナー「だから成り行きに任せるさ…」
アルミン「そうだね…そうしようか…
じゃあ僕は部屋に戻るけど…」
ライナー「俺は一度便所に寄ってくから先に戻っててくれ」
アルミン「わかった」
ガチャ
ライナー「…(今は…エレンがリードしてるさ…
でもな…
男女が最も深い関係になるのに必要なのは
『秘密を共有する』事
どれだけエレンと一緒に居ようとアニは
罪悪感で苦しむだけだ…
いつかアニはエレンから離れる…自分から…
その時アニが頼れるのはベルトルトだけだ
最初から勝負もクソもないんだよ…アルミン)」
-
- 48 : 2016/07/07(木) 16:00:52 :
---
--
-
-自室-
ガチャ
アルミン「ただいま」
エレン「おう…おつかれっ…」
ベルトルト「どうだった?」
アルミン「問題ないみたいだね」
ベルトルト「わかったっ…」
アルミン「こっちはどんな感じ?」
ベルトルト「僕がっリードしてる…」
エレン「おまっ…早すぎ…」
ベルトルト「僕の筋持久力をなめちゃいけない」
アルミン「…君達ほどほどにしなよ?
疲れてる状態でお酒入るとすぐ潰れちゃうらしいし」
エレン「なにっ!?そうなのかっ!?」
ベルトルト「ここでやめる?…僕の勝ちだけど」ニタァ
エレン「んなっ…やめるかっ!…続行だっ…続行!」
アルミン「はいはい、終了」ボスン
エレン「うぐぉぉぉぉ…背中乗るなってっ…うべぁ」ベシャリ
アルミン「エレンは汗流してきなって…はいタオル」
ベルトルト「ありがとう」フキフキ
ガチャ
ライナー「戻ったぞ…何だお前ら、筋トレしてたのか?」
ベルトルト「勝ったよ」
エレン「無しだ無し!アルミンに邪魔されたからな!」
アルミン「はいはい、また今度ね」
ライナー「昼もパパッと食っちまおうぜ」
エレン「ちょ、汗流してくるからちょっと待っててくれ」
ライナー「おう、早くしろよ」
---
--
-
-昼食-
ライナー「ま、朝の残り物だとしても美味いよなやっぱり」
ベルトルト「うわ、すっごく美味しい…朝も食べればよかった…」
アルミン「まぁ…夕方も美味しいおつまみ出るし大丈夫じゃない?」
ベルトルト「楽しみだなぁ…」
ライナー「ま、それまでは適当に時間潰そうぜ」
-----
----
---
--
-
-夕方-
各々が勉強や雑談で時間を潰し
日が暮れ始めたタイミングで何人かが食堂に集まってくる
ユミル「お?早いなお前ら」
アルミン「うん、特にする事も無かったからね…」
ユミル「酒飲み始めるのはもう少し人数集まってからだ」
ベルトルト「そうだね…もうすぐ来るでしょ?」
ユミル「そろそろ集合するように言っておいたからな」
ガチャ
ミカサ「お待たせ…」
クリスタ「楽しみだね~」
サシャ「そうですね!私はユミルの作るオツマミが楽しみで楽しみで…」ジュルリ
アニ「…」
ユミル「何もしないで私のツマミが食えると思うなよ芋」
サシャ「いやですねぇ…手伝うに決まってるじゃありませんか…」
ユミル「『味見』以外な」
サシャ「うっ…わかってますって…」
ユミル「ったくよぉ…油断も隙もあったもんじゃねぇな」
ミカサ「手伝おう」
ユミル「ん」
女子の大半は手伝いで調理場へ
エレン「…お前いかねぇの?」
アニ「……何人も調理場にいても動きにくいだけだし
一人くらいは皿出しでいいでしょ」
エレン「……」
アニ「…なに?」
エレン?
言っちゃダメだからね?
エレン「お前料理できないの?」
あぁもう…
アニ「そんな訳ない、普段しないだけ
人並みには出来る」
ベルトルト「あ…」
アニ「は?」ギロリ
ベルトルト「ナンデモゴザイマセン」ダラダラ
ライナー「…(そういえばアニの調理スキルは壊滅的だったな…)」
エレン「…簡単な料理の作り方教えてやろうか?」
アニ「は?…だから出来るって言ってるでしょ?」
エレン「……」
アニ「……」
エレン「おいユミル!アニも手伝うってよ!」
アニ「ちょっ…」
ユミル「あん?お前が?」
アニ「…」
ユミル「ふ~ん…じゃぁ…味付け頼むわ」ニヤニヤ
ベルトルト「!(やばい、アニが味付けはやばい…)」ダラダラ
ライナー「!(…毒見は俺とベルトルトだな)」
アルミン「…」
大丈夫かなぁ…
エレン「味付け…まぁいいか、行くぞアニ」
アニ「は?」
エレン「言い出しっぺは俺だしな、手伝うぞ」
ユミル「じゃぁ私の代わりに入ってくれ」
エレン「ん」
アニ「ちょ…ちょっと…」
スタスタ
アニとエレンは調理場へ行きユミルが皿出しになる
ユミル「…アニって調理できるのか?
…当番も皿出しとか盛り付けだった記憶しかねぇけど」
アルミン「君アニが調理してるとこ見たこともないのに
味付けさせるの?」
ユミル「え…だってアイツ料理下手なんだろ?
絶対に面白ぇじゃん」
ベルトルト「…」
ライナー「…」
アルミン「…」
-
- 49 : 2016/07/08(金) 02:24:01 :
ユミル「私は酒用意するかね」
お酒をテーブルの上に並べてグラス、果物…ジュースの瓶等も並べていく
ベルトルト「テーブルもいくつかくっつけちゃおう」
ライナー「それもそうだな…アルミン、椅子動かしてくれ」
アルミン「わかった」ズズ
---
--
-
準備があらかた終わり食事も用意される
席は男女交互
アニ、エレン、ミカサ、僕、ユミル
向かい合う形でベルトルト、サシャ、ライナー、クリスタとなった
ユミル「じゃぁ誰でもいいから適当になんか言ってくれ」
ライナー「…ミカサでいいんじゃないか?」
ベルトルト「妥当なところだね」
エレン「首席だしな」
ミカサ「…まぁ…短いが…私でいいのなら」
ユミル「んじゃ頼むわ」
ミカサ「ゴホン…今日は一年の中でも数少ない休日の一日
人数は少ないが皆とこうして思い出を共有出来る事を
嬉しく思う…
今日と明日で疲れを癒し、私を越えることを目標に
訓練に取り組んでほしい
それでは…『乾杯』」
一同「『乾杯』!!」
サシャ「頂きます!」
ユミル「お前食い過ぎんなよ」
サシャ「わかってまふ!」ガツガツ
アルミン「…」ゴク
ん~…やっぱりまだお酒は飲みなれないかなぁ…
ライナー「アニ、お前どれ作ったんだ?」
アニ「…それとそれ」
ライナー「食ってもいいか?」
アニ「いいけど…」
ライナー「ん、どれどれ…
(持ってくれよ俺の胃袋…胃袋すらも
鎧に包まれていることを信じるんだ…)」
ベルトルト「僕も貰おうかな(ライナー…君だけを逝かせはしない…)」
ライナー「…」モグモグ
ベルトルト「…」モグモグ
アニ「…どう?」
ライナー「ベルトルト…」
ベルトルト「あぁ…」
アニ「……」
ライナー「超美味い」
ベルトルト「すっごく美味しいよこれ!味も整ってる!」
アニ「…そう」
エレン「あぁ、美味く出来てるな」
ミカサ「…(エレンが味見を手伝ったからこそ…だろう)」
ユミル「中々美味く出来てるじゃねぇか、アニは味付け
が苦手みたいだったが…」
エレン「俺が手伝ったからな、味だけなら問題ない」
ユミル「…何だ?お前味付け得意なのか?」
エレン「俺が美味いと感じるものなら誰だって美味いに決まってんだろ」
ユミル「…?」
ミカサ「野菜が苦手な人間の舌は良くも悪くも味に敏感
野菜によくある苦みやエグみを敏感に感じ取るので
普通の人間ならば気にしない程度の物を『不味い』と
感じてしまう
有名な調理師や料理人が野菜嫌いという話は良くある話
味という点においてはエレンの感覚はある程度
信頼が置けるという事でいいだろう
『野菜を残して良い理由』にはならないが…エレン」
エレン「うっ…わかったよ…」
アニ「…」
ユミル「ほ~…お前これから料理当番の回数増やせば?」
エレン「今日美味く出来たのは材料と調味料が揃ってたからだ
普段の材料で料理なんてやってられるか
……酒飲もうぜ酒」
アニ「ん」スッ
エレン「ん」
トクトク…
クリスタ「…(うわ~…夫婦みたい…)」コク…
ライナー「…(『ん』で意思疎通してるんじゃねぇよ、夫婦か)」ゴク
ベルトルト「…(ん~…強敵だなぁ…)」コク…
ミカサ「……アルミン…それを取ってもらえると助かる」
アルミン「はい」
ミカサ「ありがとう」
ライナー「…(お前らも指さしもしねぇのに『それ』で意思疎通するんじゃねぇ)」
ユミル「……クリスタ」
クリスタ「はいこれ」
ユミル「サンキュ」
ライナー「…(何だ?俺がおかしいのか?)」
ベルトルト「…(僕たちがおかしいの?何この空間?)」
サシャ「…?」
ライナー「……ベルトルト、それとってくれ」
ベルトルト「え?どれ?」
ユミル「ブフッ!」
サシャ「うわっぷ!ちょっとやめてくださいよユミル!」
ユミル「す…すまwwwすまんwww」
クリスタ「ク…クフ…ww」
エレン「www」
アルミン「ふふふww」
アニ「…フフww」
ミカサ「…ww」
サシャ「…?」
ユミル「出来もしねぇのにするんじゃねぇよww」
ライナー「うぐ…くっそぉ~恥かいたぜ…」
ベルトルト「ごめんねライナー…」
-
- 51 : 2016/07/10(日) 03:44:43 :
- クリスタ「でも私も結構適当に渡したけどね」
ユミル「なん…だと…」
ライナー「お前もダメじゃねぇか!」
ユミル「うるせぇ!ちゃんと通じたからいいんだよ!」
ミカサ「…」
アルミン「僕はちゃんとわかったから大丈夫だよ?」
ミカサ「それはよかった」
ユミル「は~あ、私とクリスタは通じ合ってると思ったのによ~」
クリスタ「流石にさっきのは難しいよ…」
ユミル「…ったくよぉ、馬鹿やってないで何か話題作れよライナー」
ライナー「ナチュラルに無茶振りするな…」
ユミル「アドリブに弱い奴だな…アルミン見習えよ」
ライナー「俺がアドリブに弱いんじゃない
アルミンがアドリブに強すぎるだけだ」
アルミン「あはは…」コク…
ユミル「仕方ねぇ、『私が話題作ってやるよ』」
ライナー「…お前下ネタに持ってくつもりだろ」
ユミル「当たり前だ、こんないいタイミングねぇだろ…?」
エレン「酔いもまだ回ってねぇから答えるかは別だけどな」ゴク
ユミル「じゃぁ結構前から思ってた疑問…
男子の中に『ホモ』っていんの?」
……
ライナー「はぁ?…いや…俺は把握してないな」
ベルトルト「僕もだね…そんなそぶりのある子はいないけど」
ユミル「…そうなのか?いそうなもんだけどなぁ?」
ライナー「ん~…偶に気の迷いで言い寄る奴も
いない事は無いが……
男子の『ほぼ全員が通る道だ』」
ユミル「はぁ!?男子に言い寄るのがほぼ全員通る道だぁ?
お前やっぱり『ホモ』じゃねぇか!」
ライナー「隣見てアルミンが女だったらって考えてみろよ」
ユミル「……」
アルミン「あはは…」
ユミル「絶対押し倒す」キッパリ
アルミン「うん、僕は女性でもないし同性愛者でもないからね?」
それに僕が女性だったらこの関係も多分なかっただろうし…
それは嫌だな
アニ「何?男子のほぼ全員が通る道って事はアンタらも言い寄ったの?」
ミカサ「……エレン?」
エレン「アホか!俺がそんなことする訳ねぇだろ!」
ベルトルト「僕もないかな~」
ライナー「……」
ユミル「おい」ギリギリ
ライナー「イデデデデ!大丈夫だ!踏みとどまったから!踏みとどまったから!」
クリスタ「えぇ…」ドンビキ
ライナー「違うんだクリスタ!危なかったのはアルミンが女装してた時だからな!」
えぇ……
部屋で妙に焚きつけてきたと思ったら…
ユミル「それは仕方ない」パッ
ライナー「な?」
アルミン「二人とも!」
エレン「まぁ…女装したアルミンは少なくとも男には見えなかったな」
君もか…
アニ「……」
アルミン「どうしたのアニ?」
アニ「……いいタイミングだし今日も着る?」
アルミン「へっ!?」
ユミル「!」ガタッ
ライナー「!」ガタッ
クリスタ「!」ガタッ
ユミル「ちょっと服取ってくる」ダッ
クリスタ「私もお化粧道具持ってくるね!」ダッ
アルミン「ちょっ、まっ…速っ!」
ミカサ「こうなったら止められはしない…諦めて」
サシャ「ムグ…ハフッ……ん?
何が始まるんです?」
アニ「大賛辞」
サシャ「…?」
アニ「…(こいつは気づかないだろうね)」
アルミン「まぁ見せる相手が少ないからまだいいけどさ…」
ベルトルト「…(抵抗無くなってる…)」
エレン「お前抵抗無くなってるよな?何だ?ハマったか?」
アルミン「そんな訳ないでしょ!?恥ずかしいからね!?」
ガシリ
アルミン「ッ!」ビク
ユミル「嘘だな」
アルミン「速いねユミル…?」タラ…
ユミル「…お前の『性癖』は私が一番理解してる
お前はこういう『異端』だとか『倒錯的』な状況…
大好きだろ?…ほら向こう行くぞ」
ミカサ「アルミンらしい…といえばらしい、期待している」
アルミン「やめてよ…はぁ…ん」ゴク
グラスに残ったお酒を一気に呷る
スタスタ
エレン「本当に抵抗ねぇな…」
サシャ「向こう行っちゃいましたけどアルミンは何か悪い事を
したんですか?」
アニ「いや、別に…」
ミカサ「後で酌をしてもらおう…」
ライナー「お、それいいな」
サシャ「何ですソレ?」モグ…
アニ「酒を注いでもらう事」
サシャ「…自分ですればよくないですか?」
アニ「……して貰えばわかるさ」ゴク…
-
- 52 : 2016/07/11(月) 02:45:38 :
---
--
-
クリスタ「う~ん…やっぱりアルミンの肌は凄いね…
何かしてるの?」
クリスタと向かい合うように座り化粧をしてもらう
好きでしてもらっているわけではない…決して
アルミン「…いや…まぁ女の子でもないしそこまで
気にしてないからね?」
クリスタ「ダメだよそれは!もったいない!」
アルミン「いや…だから普段お化粧なんてしないって…」
ユミル「そうはいかねぇな…
お前はクリスタの数少ない楽しみを奪うつもりか?」
アルミン「だったら君がしてもらえばいいじゃないか…」
ユミル「私は自分で出来るからいいんだよ」
アルミン「…」
二人にとって僕は着せ替え人形といったものと同じなんだろう
アルミン「はぁ…」
化粧道具であろう良く知らない単語を呟きながら僕に化粧を
施していくクリスタ
クリスタ「やっぱり年齢に物を言わせたナチュラルが一番だよね…」
ユミル「……」
アルミン「どうしたの?」
いきなり黙り込まれると嫌な予感しかしない
ユミル「クリスタ」
クリスタ「ん?何?」
僕に聞こえない様に会話を始める二人
ユミル「--で--出来るか?」
クリスタ「うん、出来るよ!」
ユミル「頼むわ」
クリスタ「は~い」
アルミン「…?」
---
--
-
エレン「時間かかってんな、こっちは結構酒進んできたぞ」ゴク
ベルトルト「女の子の身だしなみには時間かかるって言うしね」
アニ「あぁ、ミーナなんかは服選びやら化粧やらで
一時間近く使うから…
クリスタに遊ばれてるなら妥当でしょ」
エレン「うわ…そんなにかよ…そんな時間あったら寝てるわ俺」
アニ「同感だね」
ライナー「それ同じ女としてどうなんだ…?」
アニ「うっさい」
ミカサ「…?…何本か空いてしまった」ゴク…
エレン「お前ペース早くないか?…大丈夫か?」
ミカサ「問題ない…私にかかればアルコールの分解速度を
速めることも可能」
エレン「無理だからな、ちゃんとツマミも食え」
ミカサ「……むぅ」パク
ベルトルト「…(ミカサ…酔ってきてる?)」
アニ「アンタ酔ってる?」
ミカサ「酔ってなどいない…決して……ふぁ…」
アニ「…あんた…欠伸するの?」
ミカサ「…?…生きているのだから当然」
アニ「…(初めて見た…コイツの欠伸…)」
エレン「…(…そういえば酒入ると寝るタイプだったか)」
サシャ「…みかさはもうおねんねやろか?」
エレン「は…?」
アニ「…?」
ベルトルト「…」
ライナー「…」
サシャ「どうしたんやろかそげな怖い顔して…?」
エレン「いや…お前がどうした?」
サシャ「…?」
アニ「…(いつも敬語なのはこれ隠してたからか…)」
ベルトルト「…(へ~…方言ってこんな感じなんだ…)」
ライナー「…(こっちの方がよくないか…?)」
サシャ「なんじゃえれん…全然のんどらんやないかい…
もっとのまんかい…男やろ?」グイグイ
エレン「おま…絡み酒かよ…」
アニ「…(ちょっと面白いな…ほっとこう…)」
ミカサ「…」コク…カクン…
サシャ「んふふふ…ほらもっとのまんかい」ベタベタ
エレン「こっち来てまでくっつくな!席戻れ!」
サシャ「いやや、えれんとのむって決めたんや」
エレン「はぁ?」
サシャ「えれんいつもあにと遊んどるやん…そんなん寂しいやろ?」
エレン「…は?」
アニ「…は?」
ライナー「くっはww(盛り上がってまいりましたww)」
ベルトルト「へぇ~…」
ユミル「お?何だ?なんか席変わってんな?」
確かにミカサとエレンの間にサシャが入り込んでいる
ライナー「おいお前ら見てみろよww」
ユミル「あ?」
クリスタ「?」
サシャ「うん?……そこのかわええ子は誰やろか?」
アルミン「サシャ?」
かわええ?
サシャ「…?なんで私の名前知っとるん?」
ユミル「こwwれwwはww」
アルミン「えっと…酔ってるの?」
サシャ「酔っとらんよ…かわええ子やね…こっちこっち」ポンポン
アルミン「えっと…」
サシャ「はようこんかい」
アルミン「…」
ユミル「あ?…あぁ、構わねぇぞ?」
アルミン「じゃぁ…失礼するね」
サシャ「…」ジ-
アルミン「あの…そんなに見られると恥ずかしいんだけど?」
サシャ「かわええのぉ//」ニヘラ
アルミン「ッ///」
-
- 53 : 2016/07/13(水) 05:51:36 :
- 普段のサシャからは感じられない雰囲気と顔つきについ顔が赤くなる
サシャ「何ちゅう名前やろか?」
アルミン「えと…アルミン…だけど…」
サシャ「あるみん……あるみん?」
アルミン「…」
サシャ「同じ名前の子知っとるけどこんな偶然もあるんやねぇ…」
アルミン「…」
ユミル「…」
あぁ…多分何を言っても気づかないんだろうなぁ…
アルミン「サシャはどれくらいお酒飲んでたの?」
エレン「水でも飲んでんのかってペースだな…
正直切り上げさせた方がいい」
ユミル「…(日常から気を付けてたであろう口調が崩れてるって事は相当だな)」
エレン「にしても…(本当に男には見えないな…)」
サシャ「若いのにお化粧なんてして…おませさんやね?」ヒタ
アルミン「え…いや…これは強制的にというか何というか…//」
顔を両手で挟まれるように引き寄せられる
顔が近い
本当に近い
ユミル「おい芋、お前そろそろやめてやれよ」
サシャ「…?何で?」
ユミル「何でってお前…」
サシャ「ゆみるにはあっちのあるみんがおるし
くりすたもおるやろ?
なら私はこのあるみんとえれんを貰う」
ユミル「あ?」
アニ「は?」
ミカサ「…」ピク
ライナー「うおぉ…(すげぇ…三人一気に敵に回したぞ)」
ベルトルト「…(ちょっと静かにしとこ)」
クリスタ「…(何で私も恋人扱いになってるんだろう…)」
アルミン「ちょっとサシャ…?そこまでに…」
サシャ「いや…ここは譲れん…さっきも言ったやん…
くりすたもあっちのあるみんもそばに置いとるんに
このあるみんまでとろうなんて…ずるいやろ?」ギュ
アルミン「…//」
うわ…背中に…
背中に凄い当たってる!!
ユミル「上等じゃねぇか…酒吐かせて酔い醒まさせてやる」コキ…
アニ「聞き捨てならないね…エレンまで取るなんて」パキ…
サシャ「あにだって酷いやろ…
えれんいっつも転がされとるんに…
怪我ばっかして…なぁ?」ナデ…
ミカサ「それは同感」
エレン「お、おい…//」
アニ「…」イラッ
…
ライナー「…(何だこのお姉さんオーラ…)」
アニ「アンタね…エレンが掠め取られようって時になにコイツの味方してんのさ」イライラ
エレン「待て…サシャ…俺は別に鍛えてもらってるだけだし…//」
サシャ「えれんは黙っとき…これは私とあにの問題やけん」
エレン「…(なぁ?って言ったじゃねぇか)」
サシャ「ゆみるもゆみるやろうが…あるみんにいっつもお預け
しとる…
なんぼあるみんが犬みたいに言う事聞く言うても
『ご褒美』あげな聞くもんも聞かなくなるんに」
アルミン「…//」
ライナー「…(ま、一理あるな)」
ベルトルト「…(多分ご褒美って『あの事』だよね…)」
ユミル「てめぇ…いい加減にしろよ…?」ガシ
ミカサ「ストップ」
ユミル「あ?」
ミカサ「貴方に対しても、アニに対しても…
サシャの言ってることは一理ある…
ので…殴ると言うのなら私はサシャに付こう」
ユミル「お前もエレン取られるかもしれねぇんだぞ?」
ミカサ「まず…前提として…
私は『二人が幸せになる事』を最優先にしている」
ユミル「…」
ミカサ「貴方が怒っているのは
『アルミンをとられるかもしれない』という不安から…?
それとも…『ただ自尊心を傷つけられた』から?」
ユミル「…めんどくせぇ問いかけするんじゃねぇ
…わかってんだろ」ガタ
ミカサ「…アニも、思う所があるのならば直してほしい」
アニ「…あくまでもコイツから持ちかけて来た話だ
…手は抜かないよ」
ミカサ「構わない、意識してくれればいい」
アルミン「取り合えずサシャは戻りなよ」
サシャ「いやや」ギュ
アルミン「ちょっと…も~…//」
これ以上は喧嘩になりかねないし…仕方ない
アルミン「ユミル…ちょっと我慢してね…?」
ユミル「…?」
アルミン「…じゃぁ…少し一緒に飲もうか…サシャ?」
サシャのグラスにお酒を注ぐ
サシャ「…んん」ゴク
アルミン「…ちょっと待ってね」
果物ナイフで洋ナシから一口分切り出す
アルミン「はい…あ~ん」
サシャ「あ~ん」
アルミン「…美味しい?」ニコリ
サシャ「そんなん決まっとるやん//」ギュゥ
アルミン「ふふふ…//」ナデ…
-
- 54 : 2016/07/16(土) 02:20:34 :
ライナー「…(お姉さん×男の娘だと…?三日はイケるな…)」ムホッ
ベルトルト「…(ライナー…)」ハァ…
ユミル「…」イライラ
サシャ「あるみんものみぃ」グィグィ
並々と…というかもう入りきらずにこぼれる程の量の
お酒が注がれたグラスを押し付けられる
アルミン「ん…ん…ッハ…」ゴク…ゴク…
甘めの味と軽い飲み口のお酒だからか、抵抗も少なく喉を通る
サシャ「ふふ…いい飲みっぷりやね?もっとのみぃ」
アルミン「…」
っと…まずいな…
ペースは落さないと…
サシャ「…?…のまんの?」
アルミン「え…うん…飲みなれてないからね?」
サシャ「……私のお酒がのめんの?」
サシャの雰囲気が変わる
アルミン「え゛…いや…」
サシャ「…ん」グィ
ヒタリ
アルミン「へ…?」
お酒を口に含んだサシャ
顔に手を添えられる
アルミン「ちょっ…まっ…んん゛!?」
ユミル「あっ!てめぇっ!」
クリスタ「わっ…うわ~…//」
ライナー「おっ」(^ω^)
ベルトルト「…(…喧嘩かなぁ)」
アニ「…(酔いが冷めたら何て謝るんだろうアイツ…)」
エレン「おいおい…」ゴク…
サシャ「ん…ふ…」ヂュ…
重なった唇から
サシャの熱で温くなったお酒が流し込まれる
アルミン「っ…ん゛…」コク…コク…
サシャ「プハッ…あ~もうかわええ//」ギュゥゥゥ
アルミン「…ッ…//」クラ…
酔いが回ったのか、それともいつもと180度違うサシャに中てられたのか
頭にクラリとした感覚が残る
ユミル「おいミカサぁ!」
ミカサ「…」(゜-゜;)
サシャに付くと言った手前
止めるのもどうかと思ってるであろうミカサ
今にも掴み掛ろうかと激怒しているであろうユミル
我関せずなベルトルトとアニ
はたきたくなるような顔をしたライナー
エレンは特に何も言わずにお酒を飲んでいる
ユミル「そこまでにしろよ芋!嫌がってんだろ!」
サシャ「え~?…嫌やないやんなぁ?」
アルミン「ッ…えっと…その…//」
いつもの快活でニッコリとした笑顔ではなく
あくまでも僕の視線を捉えて投げかけるような
色気というものを多分に含む笑み
…言葉に詰まる
ユミル「ッツ…!
お前も骨抜きにされてるんじゃねぇ!
思い出せ!コイツはあの芋だぞ!」
アルミン「あ…あぁ…うん…わかってるけど…//」
ユミル「あ゛ぁぁぁぁ!」ガシガシ
エレン「落ち着けよユミル…サシャ、お前もう寝ろ」
サシャ「えぇぇ、嫌やそんなん」
エレン「いいから一回横になれ…アルミンが膝枕してくれるぞ」
サシャ「……それは…ええね」
ゴロ
と空いた長椅子に横になるサシャ
アルミン「助かったよエレン」
エレン「おう」ゴク…
長椅子に座りサシャの頭を腿の上に
サシャ「…」
頭を撫でている内にサシャの瞼が落ちていくのが分かる
アルミン「…」ナデ…
サシャ「…スー……スー」
疲れていたのか酔いが回っていたのか
直ぐに寝息を立て始めた
ユミル「…」
アルミン「ふぅ…少しこのままかな…」
ミカサ「時間が経ったら部屋に連れて行こう」
アルミン「うん」ナデ…
サシャのふんわりとしたやわらかい髪をなでる
ユミル「…酔いが冷めたら絶対に後悔させてやらぁ」
アルミン「ほどほどにね?」
ユミル「ふん」
少し不機嫌になってしまっているが直ぐに切り替えるだろう
アルミン「さ、飲もうか」
ジャケットを枕替わりにサシャの頭の下に置き元の席へ
アルミン「ふぅ…やっと落ち着けるよ…」
ミカサ「アルミン」
アルミン「?」
ミカサ「お酌をしてほしい」
アルミン「うん、いいよ」
ユミル「ハァ…私も頼む」
アルミン「わかった」
二人の間に座りお酒を注いでいく
ライナー「なぁ」ヒソ
クリスタ「?」
ベルトルト「?」
ライナー「パッと見あの三人の中だと
アルミンしか女子に見えないよな」ヒソ
ベルトルト「ミカサもユミルも持つ印象は『カッコいい』だからね」ヒソ
クリスタ「…二人とも街歩いたら女の人に声かけられた事
あるみたいだよ」ヒソ
ライナー「…これもうわかんねぇな」ヒソ
クリスタ「はい、二人とも」スッ
ライナー「お、おう…すまねぇ」コト
ベルトルト「ありがとう」コト
アルミン「…(向こうも楽しくしてるみたいだね)」
-
- 55 : 2016/07/18(月) 00:15:12 :
ライナー「…(クリスタに酒を注いでもらえるなんて…)」
ベルトルト「…(…感覚的にはそろそろ潮時かなぁ)」ゴク…
クリスタ「二人ともまだ飲める?…辛いならジュースにしようか?」
ライナー「俺はまだ大丈夫だが…どうだ?」
ベルトルト「ん~…僕は少しペース落すよ」
ライナー「…わかった、じゃぁ俺も落すか」
クリスタ「ユミル、オレンジジュース貰ってもいい?」
ユミル「お?わかった、お前らもいるか?」
ライナー「貰おう」
ベルトルト「ありがとう」
ジュースの入った瓶を人数分手渡すユミル
ユミル「ほら」
クリスタ「ありがとう」
……
アルミン「…僕も貰っていい?」
ユミル「何だ?…もう飲めないか?」
アルミン「いや…少し落ち着きたいから…」
ユミル「ほら」
アルミン「ん、ありがと」
瓶を手に取り眺めてみる
変哲もない瓶
ライナーもベルトルトも変わらない…
が
クリスタの物だけは『コルク』の色が違った
……
先日のユミルのあの笑い方が脳裏に浮かぶ
…試してみるか
クリスタ「あ、これ美味しい!」
ユミル「そうか、そりゃよかった」
アルミン「ミカサ…」ヒソ
ミカサ「何だろう?」ヒソ
アルミン「僕がユミルの注意を引くからさ…
クリスタと僕の瓶を入れ替えといてくれるかい?」
ミカサ「……『間接キス』?」
アルミン「違うよ!?」
つい大声を出してしまう
最近のミカサはクリスタやユミル達と関係が深まってるからか
年頃の女の子らしい知識を持つようになってきた
嬉しいと言えば嬉しいが、少し心臓に悪い
ユミル「あ?どうしたんだ?」
アルミン「あぁ…いや、…何でもないよ」
ユミルの肩に頭を預ける
ユミル「…お?…酔いでも回ったか?」
アルミン「ん~…どうだろう…」
ユミル「…部屋に戻るか?」
アルミン「いや…いいよ…『こうしてたい』」
ユミル「…(……押し倒してぇ)」
最近ユミルの扱い方が分かってきた気がする
…まぁ僕の扱い方も分かってそうだけど
ミカサ「…」ヒュッ
クリスタ「どうしたのミカサ…?」
ミカサ「何でもない…(任務完了…)」
クリスタ「…?」ゴク…
ミカサ「はい、アルミン…」
アルミン「うん、ありがとう…飲み切るつもりもないし…
……『ユミルも一緒に飲む?』」
ユミル「お?…じゃぁ貰うわ」
グラスにジュースを注ぎ手渡す
ユミル「…美味いな」
アルミン「うん、美味しいね」
…特に変わった味がする訳でもない
ユミルにも変化なし…
思い違いかな…?
なら別にいいんだけど…
ユミル「…(これ…いや…ちゃんとクリスタの方に…)」ゴク
アルミン「どうしたの?」ゴクゴク
ユミル「あぁ…いや、何でもない
(アルミンがすり替え…にしては無警戒で飲んでるな)」
アルミン「…?」
ユミル「…何でもねぇって(…大丈夫…だな)」ゴクゴク
---
--
-
そこからは本当に直ぐだった
僕の嫌な予感は的中し、ユミルが酔った
ユミル「あぁぁ…くっそ…何で…//」
アルミン「君…やっぱり『コレ』に何か入れてたでしょ」
空になった瓶をチラつかせる
ユミル「あぁ?…お前…//」
アルミン「嫌な予感はしてたんだ…君の昨日の顔…
クリスタに手渡された瓶だけコルクが別の物だった
事といい…」
クリスタ「え゛」
アルミン「多分…『ウォッカ』でも入れてたんでしょ?」
クリスタ「…何それ?」
アルミン「カクテルのベースになるお酒だよ…
基本的に無味で…度数が高い…
柑橘類のジュースにでも混ぜればお酒の匂いが
無くなって飲みやすくなるんだ
飲みやすくなれば当然飲む量が増えて…
気づいたときには『酔いつぶれる』ってこと」
ライナー「……ユミルお前…そりゃねぇよ…」
ベルトルト「これはひどい…」
アニ「…(『バイ』確定だね…)」
クリスタ「?……えっと…それで?」
アルミン「まぁ…つまり女性に飲ませて酔わせてから…
頃合いを測って『お持ち帰り』って事」
クリスタ「……」ピタッ
ユミル「…(やっべぇ…)//」
クリスタ「ねぇユミル…今アルミンが言ってた事…本当?」
ユミル「えっと…ちょっと医務室に…」
ガシッ
クリスタ「ユ ミ ル」
-
- 56 : 2016/07/18(月) 08:50:30 :
ユミル「…//」ダラダラ
クリスタ「本当なの!?もー!…信じられない!」
ユミル「いや…最近お前と『そういう』スキンシップ取れなかったし…//」
クリスタ「だからって酔いつぶす事は無いでしょ!
言ってもらえれば手伝ったのに!」
ライナー「ファッ!?」
ベルトルト「えぇ…」
アニ「…(アンタもか…)」
ミカサ「…」
エレン「お?……??」
……
アルミン「えっと…クリスタ…?」
クリスタ「…ッ…いや!
今のは言葉の綾というか何というか!
ユミルと付き合ってるとかって訳ではないからね!?
いつもは服の上から…ってあぁぁ違うのぉぉぉ//」
アルミン「うん、落ち着いてクリスタ…
言いたいことはある程度察せるし…
男子でもそういう事はあるからさ…?」
クリスタ「うぅぅ…//」
ユミル「あー…まぁ引かんでやってくれ…
コイツとしてたのはあくまでも『ごっこ遊び』
みたいなもんだからよ…
本当に色々『収まりがつかん』時にちょいと
手伝ってもらっただけだから…
わざわざ裸見せ合うような事してた訳じゃねぇ」
ライナー「あー…人肌が恋しいって奴か…?」
ユミル「そいつが近いな…あ゛~…頭グラグラする…//」
エレン「昔の俺達みたいだな?」
アルミン「あ~…懐かしいね…」
開拓地では寄り添って寝てたっけ…
いつもミカサが真ん中だったなぁ…
ミカサ「少なくとも当時の私たちは純粋だった」
ユミル「うるせぇ、しゃぁねぇだろ…久しぶりにクリスタと
いちゃつきたかったんだよ…//」
アルミン「…」
ユミル「お前らだってオナるだけじゃ物足りないときあんだろ」
アルミン「物足りないかどうかはわからないけど無性に人を
抱きしめたくなる時はあるね」
ライナー「!」ガタッ
ベルトルト「座ってて、少なくとも君に役は回ってこないから」
ユミル「そういう時はクリスタと一緒に…な…?」
アルミン「……いや…エッチな事したかっただけでしょ?」
ユミル「……」フィ
やっぱり…
エレン「何良い話にしようとしてんだ…
結局クリスタを酔わせて襲おうとしてただけじゃねぇか」
ユミル「いいじゃねぇか…最近はクリスタも
『する暇』が無くて溜まってたみたいだし…なぁ?//」
クリスタ「ちょっ…何で…//」
ユミル「お前が私たちに聞こえない様に声押し殺してても
漏れるもんは漏れてるんだよ…
衣擦れの音とか吐息とかな…//
正直逆にソソるんだよ…//」
アニ「…そういえばミーナもそんな事あったっけ」
ベルトルト「何という流れ弾…(可哀想に…)」
アルミン「…」
話題がそれ始めてる…なんか嫌な予感が…
ユミル「なぁなぁ…//」
ニタリと笑いながら問いかけるユミル
アルミン「…一応嫌な予感しかしないけど聞いとこうか」
ユミル「男子ってどれくらいの頻度で『スル』んだ…//?」
ライナー「…」
ベルトルト「…」
エレン「…」
アルミン「…」
あぁ…
こうなるよね…
ユミル「ちなみにクリスタは週4だ」
クリスタ「何で私//!?」
ライナー「!?」
ベルトルト「…(多いのか少ないのかすらわからない…)」
エレン「…多いのか?」
クリスタ「え゛…えっと…その…//」
ユミル「かなり多いぞ、他の奴は普通週1か2…多くて3だからな
コンスタントにこれだけするってのは…なぁ…?」
クリスタ「うぅぅぅ……//」
これだけ恥ずかしくても飛び出さないって事はクリスタも
ある程度は酔ってるって事かな…
ユミル「私は…週2くらいか…」
そうなんだ…
ユミル「ミカサはわかんねぇな…音が立たねぇもん…
お前本当に部屋にいんの?」
ミカサ「当たり前…でも私も『スル』ときはある」
ユミル「え゛…部屋でか…?」
ミカサ「勿論…声や動作は可能な限り小さくなるようにだが」
ユミル「…(なんか作業的にしてるイメージだな…怖ぇよ…)」
何だろう…無表情でしてるようなイメージなんだけど…
やめよう…考えちゃいけない気がする…
-
- 58 : 2016/07/19(火) 02:11:00 :
- ユミル「……アニはどれくらいするんだ?」
アニ「しないよ」
ユミル「はぁ!?…お前嘘つくんじゃねぇよ」
アニ「この前も言ったはずだよ…私は運動で発散してるって…
自分からそういう『スイッチ』が入る事自体ほとんど無い」
ユミル「…マジで?」
アニ「マジ、だからミーナなんかがシテルの聞いても然程…」
ユミル「…一応経験はある…よな?」
アニ「まぁ…あるにはあるけど…訓練の疲労もあるし
好んではしないよ」
ユミル「マジか……ふむ…で、お前らは?」
エレン「週3」
ベルトルト「同じく」
ライナー「…週3」
アルミン「嘘付かないでよ、週5でしょ君」
ライナー「ちょっ…」
嘘をついたライナーを遠慮なく切り落とす
ユミル「うわ…多いなお前…ちょっと引くわ」
ライナー「いや待て!俺よりもアルミンの方がしてるからな!?」
ユミル「マジか?…てことは…?」
アルミン「ほぼ毎日かな…今はそうでもないけど…」
ユミルがいるし…
クリスタ「つ……疲れないの//?」
アルミン「ん~…多分女の子と違って快感の度合いが
低いと思うし…
こっちの方がかかる時間は短いだろうからね」
クリスタ「…///」ドキドキ
ユミル「一応いつから始めたんだ?」
段々と話が深くなっていったところでユミルから爆弾が投入される
エレン「ここに来てからだな…」
クリスタ「私は…ここに来る前から…だけど…//」
ミカサ「開拓地に居た頃から」
エレン「は!?」
アルミン「え!?」
思いがけない箇所で爆弾が爆発する
開拓地ってことは…
もしかしたら一緒に寝てる中で…!?
ミカサ「…先程の声を殺したり動作を最小限にする技術は
このタイミングで習得した」
………
アルミン「ねぇミカサ…もしかして開拓地に居た頃に
君がすすり泣くような声が聞こえたり
震えてたりしてたけど…」
ミカサ「……起きてたの?」
アルミン「やっぱり!?」
エレン「おまっ…
お前が寂しいもんだと思ってアルミンと相談してまで
お前を真ん中にしてやろうって決めたんだぞ!」
アルミン「じゃぁ…」
ミカサ「二人を起こしてはいけないと思って…
声と動作を最小限にと…」
技能習得の理由は僕等の思いやりという奴だった
アルミン「う~ん…何だかなぁ…」
ユミル「なんだそりゃ…色んな意味ですげぇな」
クリスタ「ねぇねぇ…アルミンはいつから…//?」
アルミン「え…僕も開拓地に居た頃かな…?」
ミカサ「偶に……アルミンが変わった匂いを
纏っている事があったが…
(…確かに前嗅いだ精液の香りだった)」
アルミン「えぇ…手はしっかり洗ってた筈なんだけど…」
サシャ並の嗅覚だね…
ユミル「…『ネタ』は?」
爆弾その2
エレン「俺は…雑誌だけど…」
アニ「…(私じゃないのかい…いや…別にいいけどさ…)」ソワ…
ライナー「同じく雑誌」
ベルトルト「僕も雑誌かなぁ…」
アルミン「僕は…色々?」
ユミル「何だよ色々って」
アルミン「雑誌もあるし…小説だったり…想像だったり…?」
ライナー「…(暴露することに躊躇なさすぎるだろアルミン…)」
クリスタ「小説……集中できるの?
なんか頭使っちゃって出来なさそうだけど…」
アルミン「貸してあげようか?」
クリスタ「えっ!?…いぃぃいいよ別に//」
アルミン「そっか、結構興奮できるよ?」
クリスタ「いいっていいって//」
ユミル「どんな小説だ?」
アルミン「……『百合』?」
ユミル「貸してくれ」キリッ
クリスタ「……?」
ライナー「そういうの読むのか……」
エレン「…何だそれ?」
アルミン「あ~…まぁ、ちょっとしたジャンルだよ」
アニ「アンタそういうの興味あるの…?」
アルミン「……嫌いな男は少ないと思うけど?」
アニ「…アンタは…男同士が組み合ってるのを見てそれで
興奮する女子どう思う?」
アルミン「……難しいね」
アニ「でしょ?…正直そんな感じだよ」
ユミル「甘いな、甘すぎる」
アニ「…(あぁ…面倒なのが…)」
ユミル「女子と男子では組み合った時のイメージ全くちげぇよ
女子は『エロい』だが男子は『暑苦しい』だからな…
ま、男子でもコイツくらい細くて色気も出せる奴なら
話は別だけどな」
アニ「…」
-
- 59 : 2016/07/20(水) 08:24:55 :
ユミル「お前が想像してる組み合った男子ってのは
恐らくだがそこのノッポとゴr…ゴホン…筋肉ダルマ
だろ?
はい、じゃぁそのイメージをエレンとアルミンに
変えてみろ
アルミンは女装verでも可」
アニ「…」
ベルトルト「ノッポって…」
ライナー「誰が筋肉ダルマだ…」
エレン「何で俺とアルミンなんだよ…やめろよ…」
目を瞑り、顎に手を当てて想像をしているであろうアニ
する必要ないと思うけど…
アニ「あ……綺麗になった」
ユミル「だろ!?」ヨッシャァ‼
アルミン「ちょっ…」
アニ「かなり見れる印象には変わったね」
ユミル「そうだろ?…要はイメージの問題だよ
はい、じゃぁ次はクリスタとアルミン女装verで
考えてみろ」
一手ずつ外堀を埋めていくユミル
何だろう
アニが蜘蛛の巣に掛かった蝶にしか見えない
アニ「………うん」
何か納得してる…
ユミル「そーかそーか…」
また仲間が増えたと言わんばかりの頷きを見せるユミル
大丈夫かなこれ…
アニ「…成程、こういう感覚か
まぁある程度は理解できたよアルミン」
アルミン「う…うん…」
理解してほしかっただけで
仲間が欲しかったわけでもないんだけど…
ユミル「んでよアルミン…オススメの小説の事だが…」
アルミン「?」
ユミル「ちょっとどんな感じか教えてもらっていいか?
結構本気で読みたくなってよ…//?」ソワソワ
アルミン「あぁ…いいよ?
ネタバレにならないと程度に話すと…
主人公は人と関わるのを避けてる子なんだ…
理由は読めばわかるよ
それでね、ヒロインに当たる子が常に冷静で
物静かな子なんだけど…
この子も人との付き合いを上手く出来ない子で…
二人の微妙な距離感の縮まり方とか…
心境の変化とか…
描写が上手くてすっごく鮮明に浮かんで(ry」ペラペラ
クリスタ「…(すごい勢いで話し始めちゃった…)」
エレン「…(何か後者はミカサみてぇな女だな…)」
ライナー「…(主人公はアニみたいだな…)」
アルミン「それでアニェーゼが…あぁ、アニェーゼは主人交ね
少しずつミッシェルに…これヒロインね
惹かれてくんだけど自分の(ry」ペラペラ
エレン「…(アニェーゼ…アニに似てるな)」
ベルトルト「…(何だろう…アニとミカサが恋愛するような
話にしか聞こえない…)」
クリスタ「……何だかアニとミカサみたいだね?」
アニ「は!?」
ミカサ「…?」
クリスタ「いや…だって…アニもどこか人避けてる所があるし
ミカサも人付き合い上手くないじゃん
だから二人みたいだな~って…」
アニ「いや…」
ミカサ「…(そこまで人付き合いが下手だっただろうか…)」
アルミン「あぁ、僕も読んでる時二人で脳内補完してたよ(爆」
アニ「へ!?」
ミカサ「…」
アルミン「というか読んでて勝手に置き換わったっていうか…
口調もそっくりだったし…」
アニ「わ…私がコイツと…?」チラ
ミカサ「…」ジー
アニ「…何?」
ミカサ「…」ジー
アニ「……//」フィ
ベルトルト「!?」
エレン「!?」
ユミル「(^ω^)」
クリスタ「(^ω^)」
アルミン「(^ω^)」
アニ「何さ?…言っとくけど私にそんな趣味はないからね」
ユミル「なに…世の中にはな…『どっちもイける』人間が
いるもんなんだぜ…?
男は度胸、何でも試してみるもんさ」
アニ「女だよ私は…」ハァ…
アルミン「後で貸してあげるよユミル」
ユミル「おっけ、一緒に読むかクリスタ…//?」ニタニタ
クリスタ「い、いいよ別に…//」
アニ「ふぅ…私はそろそろ外すよ…少し体を醒ましたいし」
ユミル「…早くねぇか?」
アニ「仕方ないでしょ、アンタらは着替えで遊んでたけど
私らはその間も飲んでたんだから…」
まぁ僕が着替えてもサシャに全部持ってかれたけどね
別に悔しくなんてないからね、決して
ユミル「それもそうか…んじゃ、また明日な」
アニ「ん…(酒のダメージなんて直ぐに治るけどさ…)」パク
何粒かナッツを手の平に乗せてからアニは外へ出た
-
- 60 : 2016/07/23(土) 10:23:31 :
エレン「……俺も少し外すわ」
エレンがお酒を飲みほして立ち上がる
アルミン「…(アニかな?)」
クリスタ「…(アニと話すのかな)」
ユミル「…(アニだな)」
ライナー「う~む…俺は少し便所に行こう」
ベルトルト「僕も行くよ…ちょうどいいタイミングだし…」
ユミル「何だ?二人で『ナニ』しに行くんだ?」
ライナー「変な言い方するな…連れションだよ…」
エレンが外へ
ミカサ「私もサシャを部屋に寝かせてくる…のでしばし席を外す」
そういってサシャの脇に首を差し込んだ後
スッと立ち上がり肩に担ぐミカサ
アルミン「ねぇ…流石にその担ぎ方は可哀想じゃ…」
ミカサ「意識を失っている人間、及び寝ている人間を運ぶのは
とても重労働…
俗に言う『お姫様だっこ』は
する側が腰を痛める可能性もある
それに相手の意識があって始めて
楽にできるもの…
意識が無い場合疲れるので…これが一番
なおこの担ぎ方は首などを痛めた傷病者の場合は
絶対にしてはいけない…
では…」スタスタ
サシャの重さなど意に介さずに食堂を出るミカサを見送る
クリスタ「…サシャって体重どれくらいあったっけ」
ユミル「55くらいだった筈だ」
アルミン「…」
僕と同じ…
何だろう、この敗北感…
ライナー「あんなスクっと担げる重さでもないだろうに…」スタスタ
ベルトルト「猫が子猫の首を噛んで運ぶくらいの感覚で
君の襟首を掴んで投げ飛ばすんだよ?
常識で考えちゃダメだよ…」スタスタ
ライナーとベルトルトも外へ
アルミン「…皆行っちゃったね」
気付けば僕とユミルとクリスタのみになっていた
ユミル「…」
クリスタ「…//」ソワソワ
突然顔を赤らめながらこちらをうかがうクリスタ
アルミン「…?…どうしたのクリスタ?」
クリスタ「私も外行った方がいい…//?」
アルミン「へ…?何で?」
ユミル「何でって…
そりゃ私達の仲を邪魔したくないからだろ…?」
アルミン「あぁ…そういう…」
ユミル「…」
クリスタ「…わ、私も外行ってくるね//!」タタタ
アルミン「…」
恥ずかしそうにしつつも目は凄くキラキラしてたね…
ユミル「さてと…医務室行こうぜ、あそこならベッドあるし」
アルミン「…う…うん」ゴク
幾つかの不安も一緒に残ったお酒を飲みほして
ユミルに付いて行く
---
--
-
-医務室-
ユミル「……懐かしいな」
アルミン「…そう…だね」
ユミルとの関係もここから始まった
ユミル「そんなに時間は経って無い筈だがな…」カチャリ
アルミン「一月も立ってないからね」
思い返せば…
一か月しか経っていないのか…
鍵を閉め、ベッドに腰かけるユミル
ユミル「さてと…んじゃまぁ…始めますか」
アルミン「……うん」
ギシ
ユミルの肩に手をかけてキス
目を瞑り、舌と唇に意識を集中する
ドサリ
アルミン「…ユミル?」
突然ユミルの力が抜けて二人ともベッドに倒れ込む
ユミル「…」
アルミン「どうしたの?」
『どこまでいく?』
アルミン「それって…」
ユミル「一々聞くなって…そういう意味だ…お前が望むなら…」
それだけ言って僕の目を見つめるユミル
アルミン「ッ…いいのかい…?」
言葉の意味を理解して声が上ずる
ユミル「好きにしろって」クス
クスリと笑い微笑むユミル
キュゥ、と胸が締め付けられる
アルミン「ッごめん」
ユミルに覆いかぶさり唇を重ねる
頭では冷静にしなければいけないと解っていても
体がそれを許さず
本能がそれを許さない
そして何より
『心』がユミルを欲していた
アルミン「ッ…ッフ…」クチュ
ユミル「ッ…ン…」チュ…
首に手を回され、引き寄せられる
『視線』
『息』
『味』
『音』
『時間』
それらを二人で共有する
キスをしている間、手をどう動かすかわからずユミルの肩に
置いていたが
不意に手を掴まれる
アルミン「…?」
手を掴まれて、どこへ持っていかれるのか
僕の予想の遥か先
僕の手の平はユミルの服の中に潜り
更には下着であろう張りの中へ
アルミン「ッ…」ゴク
胸部に送られ、『後はお前がやってみろ』という目線を送られる
-
- 61 : 2016/07/24(日) 04:39:08 :
- 僕とキスをしながら背中を浮かせ、下着を取り払うユミル
シャツとの間に余裕が生まれ手が自由になったので
手を滑らせてみる
指先で押してみたり
手の平で包んでみたり
アルミン「…///」ドキドキ
ユミル「落ち着けって…ゆっくりでいい」
アルミン「ごめん…凄く気持ちいいんだ…//」
ユミル「ッ…」ゾク
僕の答えからほぼ間をおかずにユミルからのキス
体を入れ替えて僕が下になり、ユミルに覆いかぶさられる
ギシッ
アルミン「…ッ…」クチュ
ユミルの形の良い胸を触っていたくもあるが、脇腹とお腹を
撫でてみる
少しずつ汗ばんできているのか、サラサラとした手触りから
しっとりとした感触に変わっていく
ユミル「ッハ…もう胸はいいのか?」
また手を掴まれて胸に持っていかれる
アルミン「ッ…僕…触るの上手くないし…//」
ユミル「…触るの初めてか?」
アルミン「あ、当たり前でしょ//?」
ユミル「初めて触って上手い奴の方がおかしいんだよ…」
胸に手を戻して触るのを再開する
柔らかく
ゆっくりと
決して痛みを与えないように
ユミル「…ッ//」
ユミルの反応を見て少しずつ位置をずらしていく
反応があった位置を記憶して
周りを重点的に触るようにする
ユミル「ハハ…もう焦らしてくるたぁ…
わかってきてんじゃねぇか…//」
アルミン「…//」
ユミルの手が僕の下腹部に向かう
アルミン「あ、ちょっといい…?」
ユミル「お…?」
アルミン「『僕にもさせてもらえないかな?』」
ユミル「おま…それって…」
アルミン「…僕も舐めてみたいなって」
ユミル「…ダメだ」
アルミン「え?何で?」
ユミル「ダメなもんはダメだ」
……
アルミン「恥ずかしいの?」
ユミル「……//」フィ
…先手必勝
ガバッ
ユミル「うぉっ、おまっ…ちょっ;」
体勢を入れ替えて毛布を被り
ユミルの腰に抱き着く
ユミル「ッ…おま…マジか…//?」
アルミン「マジだよ…下脱いでくれる?」
ユミル「い、いや…」
心が決まっていないのか、ユミルが脱ごうとしない
アルミン「…」プチ
ボタンを外し、ファスナーを下す
ユミル「ッ…///」
アルミン「お尻上げて」
ユミル「ぐぅぅ…マジかよ…//」
観念したというと言い方が悪いが、お尻を持ちあげてくれたので
脱がしてしまう
下着は真っ白で、かなり上質な生地であるのが
手触りと見た目の質感からわかった
僕の事を意識してくれていたのか普段着ではないのだろう
アルミン「…」クンクン…
ユミル「嗅 ぐ な ////!!」ヤメロマジデ‼
ガシっと太ももで頭を挟まれる
ユミルの太ももは肉付きが良く
心地よかったりもしたが万力のように力が込められて
意識を持ってかれそうになったのでタップする
アルミン「うぐっ…いいじゃないか…舐めるんだし…」イテテ
ユミル「お、お前は良くても私は恥ずかしいんだよ//!!」
アルミン「ふふふ…大丈夫だよ…」
ユミル「…//」
アルミン「…えっと………いいかな//?」
ユミル「…好きにしろ//
ただし、気分悪くなったり嫌になったら
すぐ止めろよ?女は…臭いがしやすいからよ//?」
アルミン「ん…//」
ユミルが足を開いて膝を立てて
腰を少し浮かし下着に手をかけて下していき
下着が膝のあたりに来たところで片足を抜く
ユミル「ッ…これでいいか…(くっそ…超恥ずかしい…)//」
アルミン「…ッ…うん//」
可能な限りユミルが恥ずかしがらない様にと
毛布を被ったから少し薄暗いが…
ユミルの『秘所』は確かに僕の視界に入っていた
アルミン「…ッ…//」バクバク
ドキドキを通り越してもう心臓がバクバクしてるんだけど…
ユミル「な…なんか言えよ…//」
アルミン「う…うん…凄く『綺麗』だよ…//」
多分そう形容するのが一番自然であろう見た目
僕の読んだことのある本にある図などでしか見た事は無い
でも女性器の形は個人で大きく違い…
パーツのバランスによって大きく見た目も美醜も変わる…
というのも本で知っていた
美醜の例や条件もある程度記憶していたから
ユミルの場合はとても美しいモノを持っているとわかる
小陰唇も肥大しておらず
左右のバランスも整っていて色素も沈着していない綺麗な色
アルミン「フゥ~…//」
深呼吸しないと…一旦落ち着こう…
-
- 62 : 2016/07/25(月) 20:11:11 :
ユミル「うひっ…ッ…い、いきなり息吹きかけんな//!」ゾクゾク
……
アルミン「フー」
深呼吸程大きくなく
スープを冷ます程度の柔らかい勢いで息を吹きかけてみる
ユミル「ッフ…//」
これだけでもそれなりに感じてしまうなら…
男性器程強く刺激してはダメか…
弱めに行こう
アルミン「…」サワ…
ユミル「…//」
綺麗に整えられた陰毛に触れて撫でてみる
失礼だがユミルはこういった事には無頓着だと思っていたので
少し意外だったリ…
とも思ったがユミルはとても真面目な面を持っているから
彼女らしい、というのが一番近いか…
次に太腿の付け根に沿ってペロリと舌を這わせてみる
ユミル「…ッ…//」
汗の味もせず、石鹸のほのかな香りがする
飲み会が始まる前に水浴びをして汗を流してくれたのだろう
アルミン「…」
ツツツ…
舌先を足の付け根から大陰唇へ
塗り絵を塗りつぶすように唾液を広げていく
ユミル「……(こいつ本当に経験ないのかよ…)//」
これで少しは濡れる事に対しての抵抗も無くなる…と思う
アルミン「…ん…」タラ…
大陰唇と小陰唇の隙間に舌を差し込み滑らせる
ユミル「…ッ//」ゾゾ
アルミン「…(あ…ここかな?)」ツツツ
何度か隙間を往復してみる
ユミル「…クッ//」ズズ
ユミルの体が少し揺れる
感じる位置なのか…覚えておこう
次は粘膜への刺激
小陰唇を舌先でなぞる
味は…ちょっとした酸味?…か…
鼻が近づいたから香りも感じ取れるようになったけど
本であったチーズのような臭い…とは違うみたいだ
それよりもずっと微かでヨーグルトのような…
匂いも強くなく、酸味を伴った香り…
別の本には健康的な証拠として載っていたはず…
アルミン「フムフム…」
コツン
アルミン「イテ……??」
毛布越しとはいえ小突かれたのを理解し毛布から顔を出す
ユミル「お前な…いきなり止まったかと思えば
何こんなタイミングで物思いにふけってんだよ…//」
顔を赤くしたユミルに頬をつねられる
アルミン「あぁ、ごめんね…想像以上に興味深くて…//」イテテ…
ユミル「さっきも言ったがもし嫌ならやめろよな…//?」
アルミン「え、何言ってるのさ…むしろ興奮してきたんだけど」
毛布を被り直し愛撫を再開する
クプ…
ユミル「ッ…//」
小陰唇を唇で軽く挟み、唇の上から直接歯が当たらない様に甘噛みする
アルミン「ッフ…ン…//」ムグ…ムグ…
ユミル「…(どこで覚えたんだこんなテク…)//」ピクン
アルミン「…~♪」ペチャ…
ヒダの付け根に沿うように舌先をスライドさせる
ユミル「…(いや…本か…どんだけ読み込んでんだ…)//」ゾク
アルミン「あ、一応弱くしてるつもりだけど…
もし痛かったら言ってね?」
ユミル「あ、あぁ…大丈夫だ…すげぇ気持ちいいよ//」
アルミン「…ッ…うん、続けるね//」
ペチャ…
ズズ
ユミル「…(これは…結構…早そうだな…)//」ゾク
---
--
-
-
- 63 : 2016/07/26(火) 15:50:15 :
- どれくらい舐めて愛撫を続けていたか
多分20分位…だと思う
ユミル「…//」ソワソワ
アルミン「どうかした…?」チュ…
ユミル「そろそろいいぞ…//?」
アルミン「あ…気持ちよくなかった…?」シュン…
ユミル「いや…そういう意味じゃ無くてな…?
私も結構限界でよ…?///」
アルミン「……退屈って事…?」
ユミル「ちげぇよ……『察しろ』//」
アルミン「……」
そんなこと言われたら
もっと先が見てみたくなるじゃないか
ハプッ
口を大きく開けて全体を覆う
ユミル「ッ//!?」ビクン‼
アルミン「んふふふ…//」
ズルル…
舌の腹を大きく使って全体を撫でていく
ユミル「ック…ッ…ハ…//」ビク
それなりに焦らしていた…筈…だからか
感度も上がっているみたいだ
全体への愛撫から
女性にとって最も敏感な場所へ舌先を当て
柔らかく、それでいて弾くように動かしていく
アルミン「…//」チロチロ
ユミル「…アルッ…ミッ…ッツ…//!」ビクン!
少しずつ舌を動かす速度を上げて、力を入れていく
ユミル「クッ…ア…アァッ…//」ビクビク
アルミン「…//」ドキドキ
ユミルの声の高さがワントーン上がり
限界が近いのか
これ以上の侵入を阻むように僕の頭を押さえる手と
腿で頭を挟む力が込められる
アルミン「…ッ…//」
あと少しか、と考えた瞬間
ユミル「イッ~!!」ガクン!
ユミルの腰が跳ね上がり
腿や腕に数瞬、ギリギリと力が込められたかと思った直ぐ後
ふっと力が抜けていくのを感じ取る
立てられていた膝を伸ばして足をパタっとベッドに投げ出し
浅く、不規則に呼吸をするユミル
ユミル「ッハ…ッハァ…ッ…ハッ…//」ブルッ…
アルミン「…大丈夫//?」
毛布から顔を出しユミルの顔を覗く
ユミル「…ッ……~ッ…大丈…夫だ//」フー
よく見れば腿や下腹部が微かに痙攣していおり
吐き出す息も震えている
それだけ深く感じたのだろう
アルミン「ゆっくり呼吸して…焦らなくていいから…」
毛布を取り払ってユミルに抱き着く
ユミル「あぁ……ありがとう…フゥ…//」
アルミン「ふふ…//」
抱きしめられ頭を撫でられる
汗により少し湿り気を帯びたシャツからほのかに香る洗剤の香り
が鼻腔に入り込む
アルミン「どう…落ち着いた…?」
ユミル「あぁ…もう大丈夫だ……//」
アルミン「……」
ユミル「……」
……
ユミル「……『するか?』」
アルミン「……うん//」
ポケットから貰ったゴムを取り出す
ユミル「…持ってたのか?」
アルミン「うん…エレンから貰ったんだけど…」
ユミル「じゃぁやめとけ…サイズ合わねぇだろ…」
ポイ、とゴミ箱へ放り投げられるゴム
ごめんエレン、また今度新しいの渡すよ…
アルミン「え…でもそれじゃぁ…」
グィ
ユミル「…」ジー
手を首に回されて引き寄せられる
目線を合わせられ、逸らすことは許されない
アルミン「……大…丈夫…なの…?」
ユミル「大丈夫じゃないかもな」
アルミン「ッ……」
ユミル「……どうする?」
普段から冷静なユミルが言い出したのだから
何か根拠と言えるものがあるのだろう
多分、『させて欲しい』と言えばさせてくれる
……
アルミン「ごめんね…『もしも』を考えたら
僕は無責任な行動は取れないよ」
じゃぁその根拠は何なのか…
例えば『安全日』と言われるものだった場合
体調の変化、精神状態の変化でそういった日取りにズレが
生じたりしただけで『安全』とは言えなくなってしまう
子供が嫌いという訳ではない、むしろ好きなほうだ
単純に子供を育てる能力が今の僕にはないだけで…
給金が貰える様になればそれこそ家庭を持つことも考えてもいい
…気が早いと思うけど
ユミル「……お前やっぱ『いい男』だよな」ワシワシ
クシャクシャと頭を撫でまわされる
アルミン「試したのかい?」
ユミル「そういうわけじゃねぇよ
お前に合わせるつもりだったしな…
お前が『生』でしたいってんならそれでもよかった」
アルミン「ん~…それでも…かな…」
ユミル「おっけ、じゃぁするか…」
-
- 64 : 2016/07/27(水) 20:06:03 :
- アルミン「え…でもゴムはサイズが…」
ユミル「いやいいよ、私が持ってる…多分ピッタリだと思うぞ」
ユミルのポケットから小さな袋が取り出され
サイズ把握してるし…とサラッと言われる
アルミン「言ってくれればさっきの問答は必要なかったんじゃ…」
ユミル「言えばそれで終わりだろ?
黙ってたらお前がどう出るか見てみたくてな」
アルミン「やっぱり試してるじゃないか」
ユミル「だから、試してねぇって…
ほら脱げ、着けてやっから」
アルミン「自分で出来るからいいよ」
ユミル「どうせ裏表も分かんねぇんだろ?大人しくしろッ」
ガシ
アルミン「うわっ!っちょ…//」
ズルッっとズボンを下着ごと引き下ろされる
ユミル「あ、お前…起ってねぇじゃねぇか…」
アルミン「し、仕方ないじゃないか…//
君が真剣な問いかけするから…//」
ユミル「悪かったって…しゃぁねぇ…『お返し』だな」
ギシ
体勢をまた入れ替えられ
僕がベッドに足を投げ出して上半身を起こしている状態になった
ユミルが僕の足の間から四つん這いで這いより
僕の秘所に舌を這わせる
ペロ…
アルミン「…ッ…//」ゾク
ユミル「ハッ//…ちょっと起ってきたな…//」
ペロ
アルミン「君…わざとやってる…//?」
ユミル「さぁなぁ……//」ペロ…ペロ…
ゆっくりとだが
まるで子犬が水を舐めるかのようにペロペロと舐め上げられる
アルミン「…//」
男が自分で『する』時は…
基本的に刺激を与えるのは竿であって
亀頭などは余り触らない
だから正直…
手でされる事には多少耐性があっても
舐められる事に対して僕は耐性が全然ないのである
それになにより…
ユミルが僕のを咥えてくれたり舐めてくれたりと
いった事はそれこそ初めての時以来だった
アルミン「…//」
ユミルの口内はとても熱を持っており
本当に腰を融かされるかのような感覚と
舐め上げられる刺激による腰がじりじりと熱くなるような感覚
それらが混ざり合う
ユミル「…」チュゥ…
チュパ…
いつもは僕よりも高い目線にいるユミルの顔が僕の下にあるというのはちょっとした『優越感』のような物がある
それに…何よりもユミルの『上目使い』は…とても可愛らしい
そんなことを言ったら歯を立てられる気がするので止めておくけど…
アルミン「……//」
ユミル「一回抜いとくか…?」
アルミン「いや…もう大丈夫//」
ユミル「ん」
ピリ
ゴムが入れられた小袋を破いてゴムを取り出し
僕の性器に被せてしまう
サイズも本当にピッタリだった
ユミル「さて…これで『準備完了』だ…」
アルミン「…//」
ユミル「……お前が入れるか?…私から行ってもいいが…」
アルミン「僕にさせてもらえないかな…?」
ユミル「おっけ…じゃぁ…少し恥ずかしいが…//」
ベッドに体を預けて足を開き
クパ…
と自分の性器を指で軽く開くユミル
アルミン「…//」バクバク
正直…
この光景は官能的過ぎる
心臓が張り裂けそうなほど脈を打っていて、本当に痛い
ギシ
アルミン「…い…行くよ…//?」
ユミル「あぁ…いいぞ…//」
ツプ
グ…ググ…
アルミン「…え?…あれ…」
ユミル「いや…その位置と…角度で大丈夫だ…ッ!」ギリ…
アルミン「大丈夫…?」
ユミル「問題ねぇ…ッ…痛ッ…」
アルミン「ごめん、一気に行くよ…」
ユミル「ん…」
ユミルの腰をググっと一息に引き付ける
ユミル「ッッッツ!!」ビク
瞬間
ビチッ
と繊維が裂けるような感覚が体に響いた後
ユミルの体が跳ねる
…見れば僕の性器は既にユミルの中にすべて入っており
お互いに繋がっていた
ユミル「…ッハ…痛ってぇッ…!…ハァッ…!」
アルミン「ユミル…全部入ったよ…もう大丈夫だから…」
ユミル「あぁ……フー…ん?…あ……痛み引いてきたな…
長引くもんだと思ってたが…濡れてたからか…?」
アルミン「もう少し待とうか、多分動いたら痛みでるでしょ?」
ユミル「あぁ…ちょっとだけ…待ってくれ」
退屈にならないように、抱き寄せて唇を重ねる
アルミン「ッフ…ン…」
ユミル「ッハ…ン…」
数分程舌を交えた後胸に手を当てられたから唇を離す
ユミル「助かった…もう大丈夫だ」
アルミン「うん…なら良かった」
-
- 65 : 2016/07/28(木) 15:21:48 :
- ユミル「よし…動いてもいいぞ…」
アルミン「その前に…一ついいかな…?」
ユミル「あ?…どうした?」
アルミン「君…
『めちゃくちゃ熱いんだけど…』
これ大丈夫?…いくら体内って言える位置でも
流石に熱すぎるよこれ!?」
挿入してからずっと疑問に思っていたことを吐き出す
しかし…コ、コンドーム越しでこれは…
ユミルの言ってた『生』が怖いんだけど…
低温火傷どころか普通に火傷するんじゃ…
ユミル「そうか…?」
アルミン「そうだって!?
え…本でも暖かいとかは書いてあったけど…
これは熱すぎるよ!?」
ユミル「あ~…私基礎体温高いからな…
冬はほぼ毎日クリスタが湯たんぽ代わりに
布団に潜り込んで来る位だったし…
(やべ…もしかして破瓜の傷治してたり…
…って訳じゃねぇな…
まぁ巨人になれる人間は基礎体温高いのかね…
私だけだし知らねぇけど…)」
アルミン「ッ~…でもこれ40度とかって位じゃきかないよ!?」
ユミル「うるせ、いいから動けよ
結構私もいい感じなんだからよ」
アルミン「わ、わかったけど!…風邪とかを引いてて熱がある
って訳じゃ無いんだよね?」
ユミル「だから言ってんだろ、私は普通の奴に比べて基礎体温
が高いだけだ」
アルミン「っ…わかった…動くね?」
ズズ
ズ…
ユミル「…(痛みもないし…思いの外…クるな…)」
アルミン「ッ…ごめん…この感じだと…早そうだ…//」ゾクゾク
腰を引いて突き出す
この単純な動きだけで手で何度もするような感覚が走る
ユミル「おいおい、気張ってくれよ?
出来るなら一緒にイきたいもんなんだがな//?」
アルミン「ッ…うん…わかったよ…//」
歯を食いしばり腰を動かす
落ち着いて…ゆっくりでいいから…
アルミン「ッフ…ッ…//」ギリ…
ユミル「…ッ…(顔ヤベェな…可愛いいな全く//)」ゾク
アルミン「ッ…ユミル…?」
ユミル「…どうした//?」
アルミン「すっごく気持ちいい…//」ニコリ
ユミル「……おまッ…//」ゾクゾクゾク
キュゥと締め付けが強くなるのが感じられる
アルミン「ッツぁ…ちょっと…っ…ッは//」ビク
突然締め付けが強くなったことで暴発しかけてしまったが
なんとか堪える事に成功する
ユミル「ッ…お前な…いきなり過ぎんだよ…//
言葉だけであんなにクるとは思わなかったぞ…//」
アルミン「だって本当に気持ちいいんだ…//
それこそ一回出してしまってから二回戦に入って
長くしていたい位にはね…//」
ユミル「ばっかやろ、最初の一回こそ長くやるってもんだ
ゆっくりでいいから続けろ、正直今ので私の
方もかなりいい感じなんだ//」
アルミン「でも…速くは動かせないよ…?
ただでさえギリギリなのに…//」
ユミル「ゆっくりでいいって言ったろ?
ゆっくりでも感じるしイケるもんなんだよ…//
ほら、動かねぇなら私が動くぞ//?」
グィ…と僕の腰に回した足を引き付けることで互いの腰を
密着させるユミル
密着させた後、さらに引き寄せることでユミルの奥に
押し当てるような感覚が腰に響く
たった数回繰り返すだけで絶頂しかけてしまう
アルミン「わ…わかったからっ…
ちょっと一息つかせてくれる…//?」
ユミル「何だよ…仕方ねぇな…//」
アルミン「君は良くても僕はギリギリなんだからね…//?」
何度か深呼吸をして体…主に下半身を落ち着かせる
ズ…ズズ…
ユミル「フッ…ハァ…//」
ほんの少しだけ波が引いたので
ユミルの呼吸に合わせて体を動かす
アルミン「ツッ…」
体の奥を突き上げられたことによりユミルから
吐息混じりの嬌声が漏れ出す
アルミン「…こう…かな//?」
腰を密着させ、押し付けるようにしてユミルのお腹の奥深く
を細かく刺激する
ユミル「ッ…ッは…//」
ギシ…
アルミン「…ッ…//」
シーツを掴み、目を閉じて僕の一挙一動に
感じる姿を晒すユミル
僕だけにしか見せない姿
僕しか見れない姿
とても愛おしい
-
- 66 : 2016/07/29(金) 08:08:27 :
……
アルミン「ねぇ…ユミル…//?」
ズッ
ユミル「…ッ…//?」
アルミン「君っ…初めてだよね…//?」
ユミル「そうだが…ッ…どうした…//?」
アルミン「いや…初めてなのに奥で感じる子って少ないんでしょ//?」
ユミル「…あ?…あぁ…そうだろうな//?」
ズズ!
ユミル「ッ//!?」ビク!
アルミン「ユミルって結構…
『淫乱』だよね?」ボソリ
腰を強く押し込んだのちに
耳元で囁く
ユミル「…ッ…おまッ…ァッ…//」ゾクゾクゾク
囁いた途端に締め付けが強くなる
恐らく…
ユミルは『被虐趣味』があるというよりは
『耳』も感じるのだろう
アルミン「あはは//…だってそうじゃないか…//
今だってこんなに締め付けてるのに…//?」ボソボソ
ユミル「やめッ…//」ブルッ
アルミン「ごめんね…//?
正直僕ももう我慢できないんだ…//
だから…ペース上げるね…//」ボソ
ペチャ…
ユミルの耳のふちに舌を触れさせて滑らせる
ユミル「ッ…//!」ビク‼
一気にペースを上げ
腰を動かす
ユミル「ッ!待ッ//!」
グィ!
腰を引こうとするユミルを逃がさない様に引き寄せ
抱き上げる
ユミル「うぁっ!……ぃやっ//!」
アルミン「はは//今の凄く可愛いよ//
もっと聞かせて//?」ゾク
ユミル「ッつぁ//……(この体勢やべぇ!…奥に…!)」ビク
ユミルの腰をホールドし
少し浮かして落とす
対面座位は上下に動くストロークが浅いので
刺激が弱く長い時間僕は動かせるし
ユミルは体重により先端が深く、強く当たる事で奥が刺激され
大きく感じることが出来る
僕たちにピッタリな体位
ユミル「ッ…!アルッ…ミン…//!!(やばっ…もう…)」
アルミン「ッうぁ//…ッ…ッフ…」ゾクゾク
ユミルの息と声が震え始め
限界が近いことを理解し強く腰を引き付け
奥に突き入れると
ユミル「イッ…//!~ッ…ッ!!//」ギリ…
ギュゥゥ
アルミン「ッあ//…ッ~//!…ッ//」ビク!
ドク…ドク…
ドク…
一際強く膣の締め付けが強まり下半身の筋肉の躍動と
同調してため込んだ熱が放たれる
ユミル「~~ッ//…ッ……ッア…//」ギュゥゥ
ユミルは額を僕の鎖骨に押し当てるようにして俯き
足は僕の腰に回され逃がさまいとガッチリと固定され
全身で僕の体に抱き付つくようにして
呼吸すら投げ捨て意識を快楽に預けている
アルミン「ッハァ…ッハ…はぁ…//」ブルッ
ユミル「ッ……ハッ…っはぁ…//…あ~…//」カクン
アルミン「大丈夫…?」
ユミル「あ、あぁ…すまん…ッ…今は…
動かないでくれると助かる…ッ//」
アルミン「気持ちよかった…ありがとうユミル//」
ユミル「私もだ…正直ここまで意識飛んだのは
初めてだからよ…//」
アルミン「ふふ//…腰上げれる//?」
ユミル「ちょっと待て…ッ…//…うあ…//」ググ
ズ…
ズル…
ユミル「~~ッ//っぁ//…ッ…ッハァ…//」ビク…
足に力を入れて体を持ち上げようとしたユミル
しかし余韻が残っていたのか
十数センチ体を持ち上げる事にも足腰に力が入らないようで
苦労したようだった
アルミン「(可愛い…//)っと……こんなに出てたんだ…//」
精液だまりにはユミルに手でして貰った時の
二倍ほどの量が溜まっていた
ユミル「出しすぎだろ…//すげぇ出てるじゃねぇか…//
私が手でしてた時の倍くらい出てるんじゃねぇか?//」
アルミン「うん、出てると思う…//
だって気持ちよかったからさ…//」
ユミル「…//…まぁ…ならいいんだがよ…//」
疲れた…
とベッドに体を預けるユミル
アルミン「シャツベタベタになっちゃった…
脱いでおけばよかったね?」
ユミル「あぁ…全くだ…ベタベタして鬱陶しいな…」ヌギ…
シャツをスルっと脱いでしまうユミル
下着は既に取り払っていたからスルン…と形の良い
双丘がさらけ出される
アルミン「…//」ドキドキ
ユミル「…?…あぁ、そういえば触るのはシャツの中でだったし
見るのは初めてか」
体を揺らすことで僕に揺れ動く胸を見せつけてくる
………
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- 67 : 2016/07/29(金) 09:58:16 :
アルミン「よし……じゃぁ…」
『もう一回行こうか』
ユミル「は!?おまっ…そんなの無理だろ!?
ただでさえ私は今体が……
それに男だって一回出したら暫く出来ないだろ!?」
アルミン「うん、だから…
僕が回復するまでは『口』でしてあげるよ
それに…
もう膜は無いから
遠慮なく『指』でも出来るでしょ…?
『こんなこともあろうかと』思って
普段から爪は整えてあるし…
あぁ、そんなに怯えた顔しないで…
僕は今『賢者タイム』って奴だけど
君にしてあげてる内に興奮してくるからさ…
それに安心してよ
さっき君に挿入している最中に何となくだけど
君が感じてたポイントは『覚えてる』から…
退屈はしないはずだよ」
ギシ…
ユミル「ッ…待、待てアルミン//!;」
這い寄ってくる僕に怯えた表情でストップを投げかけるユミル
でもユミル、『口では』止めてるけど…
君の表情はどう見てもやめてほしいって顔ではないんだよね…
鏡で自分の顔を見させてあげたいくらいだ
アルミン「女性って…『何度でも』イケるんでしょ?
僕は時間を置きさえすれば
後二回はイケそうな感覚だから…
その間の休憩時間は君に充ててあげるよ」ペロ
ツプ
指を唾液で湿らせてからユミルの膣内に挿入する
…本当に熱い
熱めのお湯の中に指を入れてるような感じだ…
ユミル「待ッ…ッ//!」ビク
アルミン「僕のサイズから考えて二本は確実に入るよね
まぁ、先ずは一本で…」
クリュ…
ヌチュ
ユミルが感じていたポイントに指先を当てて軽く押し込んでみる
ユミル「ッ…//」ピクン
アルミン「うん、『ここ』と…後は…『ここ』でしょ?」
クリュ…
ユミル「ッ~//」ビク
アルミン「よし…合ってるみたいだね…じゃぁ…
ここからは『口』で『クリトリス 』
も一緒に刺激してあげるから
いっぱい気持ちよくなってね//?」ペロ…
ユミル「いやっ//待って…~~ッ//!!」ビクビクッ‼
-----
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-
ドク…ドク…
アルミン「ッ~//…ッはぁ……はぁ…//」ブルッ
ズ…
ユミル「ッ……~ッ…//」ビクッ…
ズル!
ユミル「ッ~~//!」ビクンッ!
これで三度目の射精…
正直この量をこの短時間で出せたことなど人生で一度もない
ユミルの『膣内 』がとても気持ちいい
からだろう…
『名器』と言うやつなのだろうか…
アルミン「よいしょっと…//」クル…ポイ
ゴムの口を縛った後、ティッシュでくるんでゴミ箱へ
……
アルミン「ユミル…?
ユミル~?起きてる~?」パチパチ
ユミルの目の前で指を何度か鳴らす
ユミル「アッ…~ッ…//」ブルッ…ビクン…
アルミン「……う~ん…やり過ぎちゃったかな…?
流石に腰やらナニやら痛くなってきちゃったし…
……これ以上は可哀想だし休ませてあげようか」
思い返せば…
僕と一緒に→手と口で三回→また一緒に→また手と口で三回…
それで今もイってて…前戯で一回だから…
十一回もイってるのか…
確かに二回目に僕と一緒にイった辺りから抵抗無くなってた記憶
あるし…
限界だったのかな…
それに…
よく見ればマットレスも汗やら
『ユミルの出したモノ』でベタベタのグチャグチャだし…
…これ今日洗って明日一日で乾くかな…?
まぁ何はともあれ後処理を始めてしまおう
でもその前にまずはユミルの体を綺麗にしてあげないと…
アルミン「ユミル?僕少し水を汲んで来るから少し待っててね」
バケツとタオルを一応飲み水用の水差しも持って
井戸へ向かう事に
ガチャ
アルミン「あ…一応鍵は閉めておこう…
他の子に見られたりしたらユミルが可哀想だし…」
カチャン
スタスタ…
---
--
-
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- 68 : 2016/07/29(金) 16:43:04 :
-井戸-
カラカラ
チャプン…
アルミン「よっと…」ゴト
「おいアルミン」
アルミン「っ!?」ビク
突然暗がりから声をかけられたので体が跳ね上がり
危うく汲んだ水をひっくり返しそうになる
エレン「…」
アルミン「エレンか……びっくりしたじゃないか…」
エレン「あぁ、悪い…お前こんなところで何してんだ…
って言いたい所だけど…まぁ…いいや」
アルミン「どうしたの?」
エレン「どうしたもこうしたもあるか…お前…
どんだけユミルと盛り合ってやがったんだ
めちゃくちゃ声聞こえてたからな…
声の感じからしてありゃユミルなんだろうけどよ…
アイツあんな可愛らしい声出せたんだな…」
アルミン「ちょっとエレン?…はぁ…まぁいいけど…
それよりもそんなに響いてた?」
エレン「そりゃぁな
おかげで俺以外の男子は
一回トイレにいくハメになってたよ」
アルミン「ライナー……それにベルトルトもか…
もう…何してるのさ二人とも…
あぁぁ……どう皆に会えばいいんだろう…」
エレン「まぁあれは仕方ないだろ…
それとまぁお前らの関係は全員理解してるから
必要以上に警戒しなくてもいい…
問題は……女子だ…つってもサシャは寝てるから
それ以外の女子だが…」
アルミン「…?」
エレン「お前が一体どうすればユミルをあそこまでよがらせる
のかっていう話題で今持ちきりだぞ」
アルミン「え!?」
エレン「クリスタを中心に男子も女子も皆で話し合ってる
お前が『媚薬でも盛ったんじゃないか』とか
単純にお前が『絶倫なんじゃないか』とか…
正直凄いぞ…
女子ってあんなにストレートに下ネタ話せるんだな…」
アルミン「……///」
エレン「まぁ…正直俺も興味が無い訳じゃ無いから…
全員から伝言預かってる」
アルミン「……?…伝…言…??」
エレン「あぁ……」
『ユミルを休ませたら食堂に来い』
アルミン「ッ……最悪だ……」
エレン「じゃぁ俺はこれで…
それとこれは女子たちからの伝言だけど…」
『もし後処理で困ってるなら力になるよ』
エレン「だってさ」
アルミン「うぁぁぁ…//嘘でしょ……//」
エレン「嫌かも知れねぇけど来といた方が身のためだぞ
目がガチだったからな…主にクリスタの…
すっぽかしたりでもしたら…
明日をゆっくり過ごせる保証は出来ねぇ、また後でな」
スタスタ
アルミン「……ごめんユミル
僕らは暫くおもちゃにされそうだ…」
---
--
-
-医務室-
ガチャ
アルミン「はぁ…憂鬱だなぁ…」
外の空気に慣れたからか
部屋に入ったとたんに汗などの饐えた臭いが鼻につく
アルミン「うわ…これは流石に換気しないと不味いな…」
キィ…
窓を開けて換気
ユミルは…寝てしまっているようだ
アルミン「…」
まぁ…疲れてるだろうし仕方ない
起きてしまうかもしれないけど拭いてあげよう
ジャブ…
ギュウ…
ポタ…ポタ…
アルミン「ちょっと冷たいけど我慢してね」
ゴシゴシ
ユミル「……ン?…あ?」パチ…
アルミン「おはよう、ごめんね今体拭いてるんだ
終わったら綺麗なベッドに移してあげるから」
ユミル「お?…あぁ…私意識トんでたのか…
お前もうちょっと手加減しろよ…体痛ってぇ…」ズキ…
ギシ…
アルミン「ごめんね…僕も興奮してて
色々と歯止めが利かなくなっちゃったんだ
…はい、両手上げて」バンザイシテ
ユミル「はー…全く…正直毎回あんなにトばされてたら
体持たねぇよ…」ホラヨ
ゴシゴシ
アルミン「でも凄く可愛かったよ?
君の喘ぎ声もだし…
何より僕に抱き着くときに真横に
腕を回すんじゃなくて腕を交差させて
肩にかけてくるところがもう…//」カワイカッタナァ…
ユミル「わ、わかったからやめろっ//!」ハヤクフケヨ‼
アルミン「わかってるって…」
ゴシゴシ
アルミン「…っと、はい…上半身はこれでお終い」
-
- 69 : 2016/07/30(土) 21:55:15 :
アルミン「…『コッチ』もしてあげようか?」
ユミル「やめろっての、お前の事だから『興奮してきた』
とかいって押し倒すつもりだろ…
もう今日は終わりだ終わり!」カセッ‼
アルミン「ふふ…」
タオルを僕からもぎ取って足を拭いていくユミル
ユミル「おい、あっち向けよ」
素っ気なく僕に後ろを向くように促すユミル
おそらく『下』を拭きたいのだろう
今更だと思うけど…
アルミン「もー…舐めたくらいなんだから
気にする事でもないでしょ?」
ユミル「アホか、お前は体を洗う時にエレンに
裸見られるようなことがあっても気にしないだろうが…
クソする時に一緒に個室入ろうとはしねぇだろ…
『親しき仲にも礼儀あり』、だ」ハヨウシロムケ
……
アルミン「…わかったよ、それもそうだね」クルリ
親しき仲にも礼儀あり…か…
その通りかな
ゴシ…ゴシ…
ユミル「よし、終わったぞ……
と言いたいところだが…下着を替えたいな…
アルミン、悪いがクリスタになんか上手い事言って
下着持ってきてくれるように言ってくれねぇか」
アルミン「あ~…それなんだけど…
僕らが『シテた』事皆に筒抜けみたいなんだよね」
ユミル「…?…そりゃ付き合ってんだからそれ位察すんだろ」
アルミン「いや…主に君の喘ぎ声で…どういう状況かも
筒抜けなんだよね…
君を休ませたら食堂に来いって言われてるし…
質問攻めにされるのが目に見えてるね」
ユミル「ま…マジで…//?
そんなに声出てたのか…//?」
アルミン「うん…そうらしい…
『後処理に人手がいるなら手伝う』なんて
伝言も言い渡されてるからね
多分君が色々と『出した』事もバレてるだろうね」
ユミル「マジでかぁぁぁぁ…//
お、お前のせいだからな…!?//
私止めろっていったじゃねぇか…//」
アルミン「『口ではね』?」
ユミル「口で『も』だ//!」グリグリ
アルミン「痛い痛い!;」イテテテ
ユミル「あぁぁ……もういい、過ぎちまったことは仕方ねぇ//
それじゃぁ服頼むわ…ここで大人しくしてるからよ//」
綺麗なベッドに移動してもぞもぞと布団を被り直すユミル
……可愛い
アルミン「それじゃぁ行ってくるね」
ユミル「ん」
ガチャ
---
--
-
-食堂-
っ……
アルミン「あ…開けたくない……嫌だなぁ…」
食堂の扉の前で立ち止まる
中に入ったら何と言われるんだろうか…
そう思いドアノブに手をかける
と
僕の思惑に反して扉が開く
アルミン「え?」
ギィィ
ライナー「ふぅ…酒飲むとトイレが近くなるな…っと……お…?
お?(^ω^)」
イラッ
ドス!
ライナー「おふぅっ…;
お前、いきなり『肝臓 』打つんじゃねぇ…;」
アルミン「ごめんね、なんか無性にイラッとしたから」
ライナー「ぐ……お前最近躊躇なくなってきてやがんな…
まぁいい…俺はトイレ行ってくるが
中で皆待ってるぞ
おーいアルミン来たぞー!」
ガタンッ!
ダダダダダ
ダダダ!
クリスタ「遅かったねアルミン!皆待ってるよ!
さぁ来て来て!」
グィグィ
アルミン「ちょっとクリスタ!?」
とてつもない速度で距離を詰めてきたクリスタに
驚く暇もなく腕を抑えられ
引きずられるようにして皆のいるテーブルへ
遠くのテーブルに皆の視線が突き刺さる
アルミン「ッ……;」
皆心なしかニヤついてるのが嫌だ…
取り敢えず説得してユミルの着替えを
取りに行ってもらわないと…
アルミン「ハァ…」
---
--
-
-
- 70 : 2016/08/02(火) 20:26:32 :
-医務室-
ユミル「アルミン遅いな…?
下着取りに行かせるだけだろうに…」
ガチャ
ユミル「遅ぇぞアルm……」
クリスタ「お邪魔しま~…ッ…っわ…すっごい匂い…//」クンクン
アルミン「ごめんね…?
一応換気してたんだけど…//」
そんなに嗅ぎたくなる匂いでもないと思うけど…
ユミル「クリスタ…?
別に来ることもなかっただろ…」
クリスタ「でも『人手がいる』と思ったからさ
はい、下着」
ミカサ「私もいる」ヌゥ
ユミル「お前もかよ…
というか…よく手伝おうと思うな…?
自分でいうのもなんだが相当『やらかした』から
運び出すのも億劫な位なんだが…」サンキュー
ミカサ「問題ない、手袋等は用意している…
にしても…これは…」
グチャ…
ユミル「な?」
クリスタ「これ…『何回分』…?
いくらなんでもこれは予想以上なんだけど…
良く脱水にならなかったね…;」タラ…
ユミル「だろ…?
アルミンの奴何回止めろって言っても
やめなかったんだぜ?
おかげで意識トばされたからな…」
クリスタ「き、気絶するほど…//?
ア、アルミン…//?」
アルミン「だってユミルの顔止めてって言ってるようには
見えなかったんだよね…
どこか物欲しそうな…ね?」
クリスタ「わぁ…//」
ユミル「してねぇって!」
ミカサ「正直ユミルのそのような顔は…見てみたいものがある
が…まずはこちらを終わらせてしまおう」
クリスタ「確かに…これ以上時間置いちゃうと
シミになっちゃいそうだね」
アルミン「じゃぁ…運んじゃおうか…」
----
---
--
-
-水浴び場-
ユミル「ったくよぉ、無駄に分厚過ぎんだよなこのマットレス
洗うのも一苦労だぜ…」
マットを四人で抱えて水浴び場へ入り
桶で水をかけていく
ザバ…
バシャ…
ピチャ…ピチャン…
アルミン「確かに…吐瀉物なんかで汚れる事が
あるかもしれないのに持ち運び
しにくいってのは考え事だね…」
ミカサ「衛生面的にも進言しておくべきかもしれない…
シーツはこれでいいだろう」ギュゥゥゥ…
ピチャ…ピチャ…
クリスタ「さて…もう汚れも流せたかな?」
ユミル「スプリングとかは使ってないから
水で流すだけだしな…
後は土がつかないように下にシートでも引いて
日干しすりゃいいだろ」
アルミン「あ、どうせマットも洗うんだからここで
体拭けばよかったね…
というか水浴びしちゃえばよかったね」
ユミル「あ~…でもいいわ、拭いちまったし」
アルミン「……そっか」(´・ω・`)
ユミル「裸見たいだけじゃねぇかお前!」
クリスタ「あははw」
ミカサ「……」
アルミン「じゃぁ戻ろうか」
クリスタ「さっきの話の続きねアルミン!
手伝ってあげたからちゃんと守ってね!」
アルミン「あぁ…そうだったね…」
ユミル「私は疲れたから部屋戻って寝る…
体痛ぇ…」
アルミン「ごめんね…?
これからは…まぁ…少し弱めにするからさ?」
クリスタ「ふふ、アルミンに
主導権握られちゃったねユミル//?」ニヤニヤ
ユミル「言っとくけど今日だけだからな
次からは私がリードするから問題ねぇ」
アルミン「ふぅん…耳、首元…内腿……後は…おへそでしょ?」
ユミル「ちょ//」
クリスタ「?」
アルミン「ユミルの性感帯だよ」ニヤニヤ
クリスタ「そうなの…//?」
アルミン「うん、挿入 れてる時に
舐めてあげると凄いんだよ…?
もう可愛くてね…?」
クリスタ「……//」ドキドキ
ユミル「うるせぇ!さっさと食堂に行けよ!」ゲシッ
アルミン「痛いって//」ニヤニヤ
スタスタ
-----
----
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--
-
-
- 71 : 2016/08/03(水) 01:39:49 :
-翌日-
アルミン「……」パチ
……?
いつの間にか部屋で寝ていた様だ
アルミン「あれ…?」
知らない天井だ…
じゃなくて、ここどこだろう…?
アルミン「えっと…」ムクリ
体を起こして視線を天井から正面へ
取り合えずここはどこだろうか…
ムギュ
アルミン「え…」
本来しない筈の感触が右手に残る
アルミン「……ッ!?」
そこで自分の姿を確認し、驚愕する
僕は上半身に何も身に着けておらず
そして
僕の横に毛布を被った人間大の膨らみがあった
アルミン「……;」ダラダラ
脳味噌をフル回転
第一に『この人間は誰なのか』
大きさから少なくともライナー、ベルトルトではない事を悟る
…もしこの膨らみがライナー若しくはベルトルトであり
且つ僕の脳内で考えうる最悪の状況であった場合
少なくとも僕のお尻は今無事ではなかっただろう
膨らみの大きさから恐らく
ユミル以下クリスタ以上
最も最良なのはユミル
昨日の関係があるのでもし『間違い』があったとしても
まだ問題ない
それ以外の女子だった場合
僕は様々な意味で『終わる』事になる
めくらないといけないのか
覚悟を決めて毛布に手をかける
アルミン「ッ…」ドキドキ
パサリ
アルミン「ッ……終わった…っ;」
僕の横で寝ていたのは
ミカサだった
アルミン「ミ、ミカサ…」ユサユサ
ミカサ「…?」パチ
アルミン「ごめん、もしかして…何かあった…?」
ミカサ「……」ムクリ
ミカサが体を起こす
はだけた上半身は僕と同じように衣服をまとっておらず裸だった
アルミン「ご、ごめん!僕はなんてことを…っ」
ミカサ「…成程、まず…落ち着いてアルミン」
アルミン「で、でも…」オロオロ
状況を理解したのか
僕に落ち着くように促すミカサ
ミカサ「恐らくあなたの考えている事は起こっていないので
安心してほしい
貴方が服を着ていないのは理由がある…
一応私も着ていないのにも理由はある」
アルミン「そうなの…?」
ミカサ「昨日あった事を簡単に説明しよう」
ミカサ曰く
昨日食堂に戻った僕はライナー等に質問攻めにあった
ここまでは僕も思い出せた
そこから先は
お酒に逃げた僕が酔ってしまったそうだ
アルミン「ってことは…僕が吐いちゃったって事…?」
恐らく酔った僕を介抱していたミカサに僕の吐瀉物が
かかってしまった…という事か…
それはそれで申し訳なさすぎる
アルミン「本当にごめんねミカサ…
僕の介抱までしてくれたのに…」
ミカサ「それは勘違い…
アルミンは酔ってはいたが吐いてはいない」
アルミン「…??
……どういう事?」
ミカサ「アルミンが酔った事は事実だが、吐いてはいない
服を着ていないのはアルミンの話を聞いたライナーが
お酒を吹き出したから
私はクリスタの吹き出したお酒を浴びてしまった」
う、羨ましい…
じゃなくて…
アルミン「でもそれならどうしてミカサも一緒に…?」
ミカサ「…一応介抱という意味もあった
アルミンに何かあった場合も
直ぐに対応できるように…
私も脱いでいたのはもしアルミンが
吐いた際に後処理が楽になるから…
恐らく無いと解ってはいたが…」
アルミン「…?
無いって…酔ってたんでしょ?」
ミカサ「アルミンは『お酒に強い』…ので…
吐く事は無いと考えていた」
アルミン「へ…?…僕はお酒に弱いんじゃ?」
ミカサ「…いや…?
アルミンはお酒には強い、それも凄く…」
アルミン「でもハンネスさんに飲まされた時に
倒れたよね?」
ミカサ「あの時は倒れたのではなく酔いが回って
『眠くなっただけ』
エレンから話を聞いたおじさんが寝ていたアルミンを
診察をしてそう言っていたのだから間違いない
決して弱いお酒では無かったこと、当時のアルミンの
年齢から考えて…
今のアルミンはとてもお酒に強い事がわかる」
アルミン「……そう…なの?
でもエレンが…」
ミカサ「エレンはおじさんが診察している間ハンネスさんに
怒って殴りかかっていた
なので未だにアルミンがお酒に弱いのだと
勘違いしているのだろう」
-
- 72 : 2016/08/04(木) 02:12:07 :
- アルミン「そうだったんだ…」
ミカサ「思い出してみてもらえばわかるが…
昨日ユミルがクリスタのジュースに細工していたのを
アルミンが見破り、自分のものと取り換えてユミルと
一緒に消費したでしょ?
その時ユミルは酔っていたのにアルミンは
酔っていなかった
あのユミルとほぼ同じ量を飲んでいたのにもだ」
アルミン「そういえば…そうだね」
ミカサ「まぁ、この話はこれで…」
アルミン「…それはわかったんだけど
…ここはどこなの?」
ミカサ「……?
女子寮だが…?」
アルミン「……うん
なんとなくわかってたけど…こんな感じなんだね」
確かに間取りというかベッドの位置等は男子の部屋と同じ
だ…
違う所があるとすれば…
確かに女の子特有のいい香りがする…
というのもあったりするが…
それ以上に
アルミン「………うん;」
グチャ…
散乱した衣服がどこに視点を移しても視界に入ってしまう
ミカサ「一応言っておくが……私の荷物ではない」フィ
…
アルミン「ユミル……」ハァ…
ミカサ「いや……ユミルでもない」
アルミン「……」
思考を停止
僕の脳裏に浮かんだ可能性を
彼方へと追いやる
ミカサ「アルミン」
アルミン「言わないで、考えたくない」
ミカサ「アルミン……考える事を放棄してはいけない」
アルミン「……」
ミカサ「あの散乱した衣服はクリスタの物」
アルミン「……だよね」
ミカサ「クリスタは思いの外身の回りの事がおろそか
サシャの方がまだ…」
アルミン「……うん、今はその事は置こう」
ミカサ「…」
アルミン「僕の服は…確か昨日着替えた時にクリスタ達に
回収されちゃったんだけど…」
ミカサ「おそらくあれだろう
ユミルの机の上の…」
ミカサは自分の物であろう下着とシャツを
僕はミカサの指さしたテーブルの上にある衣服を身に着ける
アルミン「ここが?」
ミカサ「そう」
アルミン「……」
キチンと整理整頓された机
勉強用具や教科書、その他の必要な道具は
ひとまとめにされている
恐らく取り出しやすい配置を考えて並べているのだろう
アルミン「……」
ミカサ「…ユミルはとても頭がいい
成績という面では私が上回ることが多いが…
私よりユミルの方が頭がいいと思う」
アルミン「……どうして?」
ミカサ「この間のテストを憶えているだろうか?
アルミンが満点を取ったあのテスト」
アルミン「うん…憶えているけど…」
ミカサ「私はあの時の点数はユミルに勝っていた
『点数』では…だが…」
アルミン「??」
ミカサ「私はいくつか解けない問題があった…
用紙を返された後アルミンに聞いた問題…憶えてる?」
アルミン「うん」
ミカサ「あの後ユミルが部屋を出た後に用紙が目に入ったので
勝手に拝見させてもらったが全ての問題が埋まっていた」
アルミン「…でも点数は君が上回っていたんでしょ?」
ミカサ「先ほども言ったが『点数では』…
その時に確かめたがユミルの解答は全て正解だった」
アルミン「つまり……」
ミカサ「ユミルは全ての問題を解いておきながら
解答用紙に書き込んでいなかった
私の分からない問題もそう、すべて理解していたのに
何問かは解答をかき込まずに提出していた」
アルミン「何で……」
ミカサ「ユミルは立体機動だろうと
馬術だろうと手を抜いていることが多いのは
上位のほとんどの人間が察している
理由は分からないが…
同じように座学でも手を抜いているのだろう」
アルミン「……そうだったんだ
座学でもか…知らなかったな…」
ミカサ「座学はアルミンが頭一つ抜けているが…
恐らくマルコ等の座学上位に並ぶことも可能だろう
座学成績は2位~5位以内といった所だろうか?」
アルミン「……」
ガチャ
ユミル「おう、起きたか
出るぞ、準備しろ~」
アルミン「へ?」
ミカサ「行こうアルミン」
アルミン「いや、行くってどこに…?」
ユミル「あ?
教えなかったのかよミカサ?」
ミカサ「別の話をしていたので…」
アルミン「えっと…?」
ユミル「今から『風呂』に行くぞ」
-
- 73 : 2016/08/18(木) 07:52:22 :
アルミン「お風呂…?」
ユミル「そうだ、昨日汗かいただろ?
ミカサがどうせなら行こうってよ」
アルミン「……一昨日入ったけど…?」
ミカサ「本来入浴は水浴びのように日常的に行うもの
……入れるならいつだって入るべき
もし可能なら私は毎日入りたい位だ」
ユミル「私も久しぶりにお湯に浸かりたいしな…
昨日あれだけ体くっつけてたんだし
今更恥ずかしいって事もないだろ?」
アルミン「それも…そうだけど…」
一緒に入るんだね…まぁいいんだけどさ…
ユミル「決まりだな…クリスタ達はまだ寝てるが
書置き残してるし大丈夫だろ」
アルミン「じゃぁ…一応僕も部屋に書置き残してくるね」
ユミル「おう、着替え持って来いよ」
アルミン「うん」
スタスタ
---
--
-
-街-
お風呂を貸してくれる宿に向かう途中
何故か露店でいくつかの食品と果物、飲み物を買っていく
ユミルとミカサ
更に薬局で何かを買って来たらしく別の紙袋も持っていた
アルミン「さっきから食べ物買ってるみたいだけど…
お腹が空いたならどこかお店に留まって
食べればいいんじゃないの?」
ユミル「あ?
あ~…お前は大人しくついて来ればいいんだ」
アルミン「……??」
ミカサ「大丈夫、アルミンは何も心配する事は無い」
アルミン「…?…うん、ならいいんだけど…?」
ユミル「一応聞いておくけど今日用事あるか?
早く帰りたいとかよ?」
アルミン「え?
特に用事もないし…遅くならなければ大丈夫だよ?」
ユミル「そうか」
ミカサ「着いた…
この前の部屋が空いているようなので
取ってしまおう…
アルミンは先に部屋に行っていてほしい」
アルミン「わかった
ユミル…荷物貸して?」
ユミル「お、頼むわ」
--
-
ガチャ
ボスン…
宿に着き、ユミルから手渡された荷物を
テーブルの上に置いてベッドに寝転がる
柔らかく包み込まれるような感覚
うん、やっぱりいつも使ってるベッドとは質が違うなぁ…
ガチャ
ユミル「おう、待たせたな」
ミカサ「さて…どうしたものか…
時間は十分にある…が…」
ユミル「正直私は今すぐ始めてもいいんだがな?」
ミカサ「私は…少し汗を流しておきたいというか…
綺麗にしておきたいというか…//」
ユミル「アルミンなら気にしないだろ…というか喜々として
舐めに来るぞ」
アルミン「…?…??」
ミカサ「どちらかと言えば私の精神的な問題…
ので、私は先にお風呂に入りたい」
ユミル「でも終わった後どうせ汗かくぞ?
汗はかかなくても多分…色々と…な…?」
ミカサ「……成程、だがかけ湯だけでも
させて貰えるとありがたい」
ユミル「……それもそうか、アルミン風呂行くぞ」
アルミン「う…一緒に入るんだったね…」
ユミル「当たり前だ、とはいってもちょっと体を流すだけでいいか?」
アルミン「…入ったら帰るんじゃないの?」
ユミル「流石に気づけっての
風呂もあって、食い物と良いベッドがあんだぞ?
だったらする事なんざ一つしかねぇだろ?」
アルミン「…………」チラリ
ミカサ「……」
アルミン「……本当に?……え……?」
ミカサ「…」コク
アルミン「その…大丈夫なの?」
ミカサ「大丈夫、ではいこう」
ユミル「服ももうここで脱げばよくないか?
どうせ脱ぐんだし」ヌギ
ミカサ「……確かに」ヌギ
アルミン「ちょっと…?」
ユミル「あ?お前も脱げよ?
私は先に入ってるぞ」ポイ
ベッドの上に脱いだ服を乱雑に投げ捨て浴室に向かう
ユミルと
パパッと服を畳んでテーブルの上に置くミカサ
ユミルに関しては前も後ろも隠さずに浴室に向かうので
男らしさすら感じる
ミカサ「アルミン、行こう」パサリ
一応体の前面を縦に広げたバスタオルで隠して
僕の手を引くミカサ
とても女性らしい仕草
思わず顔が熱くなる
アルミン「い、今脱ぐから先に行っててっ//」ドキドキ
--
-
ユミル「ふぅ……」チャプ
アルミン「……//」
ミカサ「……どうしたの?」
アルミン「いや……何でもない//」チャプ…
-
- 74 : 2016/08/21(日) 05:49:53 :
- ユミル「恥ずかしいだけじゃねぇか?」
ミカサ「…一度一緒に入っているのだから問題ない」
アルミン「君は良くても僕は慣れないよ…//」
ユミル「…お前やっぱミカサと一緒に入ってたんじゃねぇか」
アルミン「………あ」
ユミル「まぁ別にいいけどな、なんとなくわかってたし」
アルミン「うん……ごめんね。嘘ついてた…」
ユミル「気にすんな、私とミカサの事を考えての嘘だろ?
なら別にいいんだよ」
ミカサ「……そろそろ大丈夫、ベッドに向かう?」
ユミル「いや…せっかく湯に浸かっちまったしちょっと
ここで遊ぼうぜ?」
ヒタリ
アルミン「っ//…遊ぶって…正直僕昨日の疲れも考えると
二回イケるかどうかなんだけど…//?」
しなだれかかって来るユミルを抱きとめる
ユミル「そうなのか?」
アルミン「言っておくと男は
やり過ぎると『痛くなる』んだからね//?」
ミカサ「精力剤は買ってきているので……
…痛みはともかく出来ない事は無いだろう」
アルミン「いや…我慢してする事も出来るけどさ…
そのために薬局に寄ったんだね…」(;´・ω・)
ミカサ「他にも買ってきているが…後で飲んでおくといい」
アルミン「う……うん…有難く使わせてもらうね…」
明日大丈夫かなぁ…
ミカサ「それとユミル、お風呂の中で始めるのは
お湯が汚れてしまうので…」
ユミル「ちぇ、じゃぁ上がるか…」ザバ
ミカサ「ふぅ…」ザバ
--
-
アルミン「………//」
ミカサ「…」ジー
ユミル「…」ジー
アルミン「あ…あの…そんな見つめられると
動きにくいというか…
始めにくいというか…//」
ミカサ「最初はユミルからでいい」ドウゾ
ユミル「私は昨日したしお前からでいいぞ
(これ以上アルミンに主導権とられたくねぇ…)」ドウゾ
ミカサ「……」
ユミル「……」
……
ユミル「仕方ねぇ、じゃんけんで…」
アルミン「じゃぁさ……
間をとって『二人ですればいいんじゃない』?」
ユミル「!?」
ミカサ「!?」
ユミル「はぁ//!?何考えてんだお前!//」
ミカサ「それは…//」
アルミン「嫌かい…?じゃぁそうだね…
僕が選んでいいならユミルから始めるけど…?」ペロ…
ユミル「ッ…//いや…
(どうする…?これもうミカサと始めるのが
私にとっては最善なんじゃ…)」
ミカサ「わかった……私は構わない
あまり話さない訓練兵ならまだしも…
ユミル……貴方なら……構わない」パサリ
ユミル「っ…//」ドキリ
アルミン「……//」ドキドキ
体に巻いていたタオルを取り払うミカサ
自分でけしかけておいてだけど…
この二人の絡みはとても興味がある
まずミカサ
『訓練所で一番の美人は?』
と聞けば大抵の訓練兵はクリスタ…と条件反射のように返して
くるが、いやでもミカサも…
と数舜遅れて名前が挙がる程には美人だ
簡単に言えば『タイプの違い』だろう
それこそ『太陽と月』と例えるのが分かりやすい
見上げた人間が目を眩ませる程の美貌と一言二言言葉を交わす
だけで体の底から活力が湧いてくるような…
そんな太陽のような存在であるのがクリスタであるなら
闇の中にぽっかりと浮かぶ月のようなミカサは
見たものの視線を吸い寄せ釘付けにし
何も語らず、それでいて存在感を放ち続ける
そんなミカサと
ユミル
恐らくクリスタやミカサとも別種の美貌を持つ
じゃぁ誰に聞いても美しいと返ってくるかと言えば
そんな事は無い
現にコニーは彼女の事を不細工と言うし、多くの男子が
彼女の事を嫌っている
主に性格面での評価が多いが…
僕は彼女の内面にとても惹かれている
言葉にすると少し変かもしれないけど…
『支配されたい』というか…
『全てを預けたい』と思ったりもする
ミカサ「ユミル……とても綺麗だ……
アルミンの気持ちがよくわかる」スル…
アルミン「でしょ?…綺麗でしょ?」
ユミル「お前が自慢すんじゃねぇよ//」
ミカサ「ッフ…」カプ
ユミル「ッ…//」
ドサリ
肩を撫でた後首筋に甘噛みし
押し倒した後に膝を股に割り込ませて覆いかぶさる
-
- 75 : 2016/08/26(金) 06:05:37 :
アルミン「…//(いいね!いいね!小説みたいだ!)」ドキドキ
小説を読みながら頭に思い描いていた場面を
思い出しながら重ねていく
ミカサ「ユミル…キスをしてもいいだろうか…?」
ユミル「あぁ//?んなもん勝手にすりゃいいだろうが…//
一々私に聞くんじゃねぇ…//」
アルミン「…//(初々しい!初めて夜を共にする
恋人同士みたいだね!)」←謎のテンション
恥ずかしそうに顔を逸らすユミル
相対するミカサは微笑みながらユミルの顔を見下ろしている
ミカサ「では失礼して…目を閉じてもらうと助かる」
ユミル「…」
ミカサ「…」
チュ
アルミン「!!」キマシ
……
ミカサ「…フゥ」スッ
ユミル「……//?
こんなんでいいのか…//?」
ミカサ「いきなりメインディッシュを食べる程
余裕がない訳では無い…
いわば前菜程度…
ここから少しずつペースを上げていくつもり」ギシ
チュ…
チュ…
唇、頬
キスをしては離れ、またキスをしては離れを繰り返すミカサ
ユミル「そんな悠長にしてていいのかよ//?」
ユミルもある程度受けに回りながらもミカサの腰や胸に手を
這わせ柔らかく撫でている
ミカサ「激しくするのもいいが…時間はたっぷりとある…
それにテクニックに自信があるわけではないが
ある程度の知識も入ってはいる…
貴方も私も女だからある程度感じる位置も
探りやすい…
アルミンは昨日の疲労もあるから、貴方の体に
火を点けるのは私の役目…
という訳で…
『一時間ほど…一緒に楽しもう』」カプ
ユミル「ッ……てめぇ…そんなにしたら潰れるだろうが//」
ミカサ「大丈夫、そうならない様に…
一時間経った所でアルミンに懇願してしまうであろう
程度に抑える
アルミンも今の内に精力剤を飲んでおくといい」
アルミン「うん……一時間か…我慢できるかな…」
ミカサ「大丈夫、傍から見ればじゃれている程度の事なので…
どちらかと言えば退屈になって
寝てしまう心配をした方がいいかもしれない」
アルミン「じゃぁ退屈にならない様に僕は
ユミルの『表情 』を見てようかな」
ユミル「ふざけんなッ//」
ベッドに寝転がりユミルの顔を観察する
気恥ずかしさがあるのだろう
顔も少し赤く、僕を見ては目を逸らしてしまう
まぁ目線が合うたびに僕が微笑みかけるからだろう
アルミン「精力剤も飲んじゃおうか」ガサガサ
紙袋の中を探り、恐らく精力剤であろう
手の平の中にすっぽりと納まる小瓶を見つけコルクを抜く
ぐいっと中身を一気に呷ると
昔イェーガー先生から風邪の時に処方された栄養剤と
どこか血のような鉄臭い味が舌に鎮座し、香りが鼻腔に抜ける
ハッキリ言って不味い
まぁ…これで彼女たちを長く愉しませてあげる事が出来るなら
有難い事だろう
--
-
-開始から十分経過-
ずっとキスを続けていた二人
浅く短いキス、深く長いキス
7:3程の割合で行っていたようで、最初は僕を気にしていた
ユミルも段々とミカサとのキスに意識を持っていかざるを得ない
状況になっていた
ユミル「ハァ…アァ…//」ピク…
ミカサがキスと一緒に体を撫でていたからか
少しずつ
ユミルの吐息に熱が混じっているのがわかる
ミカサ「ユミルのこのような声は初めて聴く…」ツツ…
ユミル「うるせ…//」プイ
ユミルの下腹部に指を滑らせるミカサ
少しくすぐったいのか、感じるのか
体勢をずらして逃げようとしているユミル
アルミン「いやぁ…見てるだけってのも
退屈になるかなって思ってたけどやっぱりいいね
凄く魅力的だよ二人とも」キラキラ
正直興奮してきた
ミカサ「混ざる?」
アルミン「うぅん、もう少し様子見するよ
興奮して来たっていうのはあるけど…
『まだユミルにも余裕あるみたいだし…』」
ミカサ「わかった、必ずユミルから『おねだり』させてみせよう」
ユミル「ぜってぇしねぇかんな!//」
アルミン「楽しみにしてるよ」ニッコリ
--
-
-
- 76 : 2018/01/03(水) 23:16:50 :
- 続きが気になります( ੭ ˙ᗜ˙ )੭
-
- 77 : 2018/02/08(木) 23:41:16 :
- 上手いとても上手い、ので続きがとても気になる 早く続きを書いて欲しいとても期待している
-
- 78 : 2018/02/14(水) 14:36:00 :
- ミカサとユミルの百合イイ! 続きが気になります。
- 著者情報
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