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サシャ「パンが無いぃ!!」
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- 1 : 2016/01/09(土) 18:32:18 :
- 題名・サシャ「パンがなぃぃぃ!!」
題名にもあるように「サシャ」が中心?かな…
登場人物ーー
サシャ、エレン、ミカサ、アニ、アルミン、クリスタ、ミーナ、ユミル…とたくさん出てきます汗
・休日の出来事です。1週間に1回休みがあるという設定になってます。
・訓練兵時代の話です。
・日常…?系だと思います。
みんながこう、ワチャワチャしてます…
コメントいただけると嬉しいです!!
誹謗中傷はやめて下さい。
誤字脱字あるかもしれませんが、よろしくお願いします!!
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- 2 : 2016/01/09(土) 18:41:30 :
- 「パンがないですっっ!!」
そう、その事件は朝のサシャのこの一言からはじまった。
「パン?」
ズズッとスープを飲みながら向かいの席に座るサシャを見ながらミカサは呟いた。
「はいいぃ!!!パンです!パンッ!」
手に持ったスプーンをガンガンと机に叩き今にも泣きそうなサシャ。
「はっ?あんじゃねーかよ。パン」
ミカサの隣に座っていたエレンは、自分のパンを口に含みながらサシャのパンを指で指した。
そう、パンはサシャの皿の上にある、のだが。
「ちーがーいーまーすーー!!!このパンじゃないんですっ!!私のパンンンン!!!」
そう今度は泣き叫び、机に突っ伏すサシャ。
「はぁぁぁ!?訳わかんねーぞ。お前の皿の上に、パンあんだろ?」
もう一度エレンがそう言うとムクッとサシャは起き上がり、このパンじゃない、このパンじゃない、と呟く。
「え?もしかして他にも持ってた…とか?」
その様子を見てエレンの隣にすわっていたアルミンはサシャを落ち着かせるようにして言う。
「そうなんですっ!!!聞いてくださいっ!!!皆さんっ!!!」
息を吹き返したようにサシャは目の前に座ってるアルミン、ミカサ、エレンに向かって話し始めた。
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- 3 : 2016/01/09(土) 23:00:49 :
- 「昨日の夜のことです…私はパンを、クリスタから貰いました。クリスタはお腹がいっぱいだから、くれると。」
「「「・・・」」」
「それで、その時は嬉しくて、明日の朝食べようと、私の部屋のとっておきの場所に隠してたら…なくなってたんでーーすぅぅぅぅ!!!」
そこまで言うとまた、ウワァァンと机に頭を打ち付けた。
「はぁぁ?要するに、誰かにとられたんだろ。」
なんだ、そんな事か、といった風にエレンはまたスープを飲む。
「えぇぇぇ!?」
サシャはエレンの発言に驚き、バッと顔を上げエレンの方に顔を近づける。
「ゴホッッ!!っ、サシャ、驚かせんなよなっ!!」
いきなりサシャの顔が目の前に現れ、むせるエレン。
「ぬ、盗んだって、誰でしょう?」
「知らねーよっ!!」
はぁ、とまた呆れたようにエレンはサシャの方を見た。
「でも、サシャ。」
ミカサはエレンの背中をさすりながら、サシャの方を見て少し考えながらこう言った。
「自分が食べたとか?」
「えっ!?それは、ないですっ!!私は、食べ物の事に関して、そう言う事はしませんっ!!朝の為にとっておいたんですっ!!」
心臓を捧げるような勢いでサシャは胸をそらす。
「んー、隠し場所とかさ。サシャ以外に知らないの?」
今まで黙っていたアルミンはサシャに言った。
「それは、ないです!とられたり、したら、イヤですから。教え、てません!」
上を向きながら考えるようにしてサシャは答えた。
「うーーん。パンを勝手に食べる人なんているのかなぁ」
アルミンはうぅーーん、と、腕を組みながら考える。
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- 4 : 2016/01/10(日) 13:14:31 :
- 「えーー、サシャのパンを」
エレンも腕を組みアルミンと同様に(いるかぁ?)と首を捻る。
「勝手に食べる」
ミカサも考えたが、(食に1番関心のある人なんてサシャしか思いつかない)、と首を捻る。
「人か…」
アルミンはそう呟くともう一度サシャの方を見る。
「あーーー!!」
大きな声を出したかと思えばサシャはポンと手を叩く。
「いますよっ!!クリスタですっ!!」
「はぁぁ!?お前にパンあげた本人がなんで盗んで食うんだよ」
エレンは呆れたようにして言う。
「サシャ、むやみに人を疑うのは良くない。」
ミカサもそれはあり得ないと首を横に振る。
「まぁ、僕もクリスタはあり得ないと思うなぁ。パンくれた本人だよ?」
アルミンもははっ、と少し笑いながらもサシャの言葉には否定した。
「うーー…そうですかねぇ〜じゃぁ、誰なんでしょう?」
3人の反応を見て少し下を向きながら空っぽの皿を見つめるサシャ。
「うーん、もうさ、諦めるとか?」
パン1個だし、とアルミンが言う。
「なにいってんですかぁぁ!!パンですよっ!!パンッッ!!!食べた犯人、絶対に許しませんっっ!!!!」
フッと顔をアルミンの方へ向けメラメラと炎が出そうなほどサシャは意気込んで言う。
「こうなれば、1人ずつに聞き出して、パンを…!まずは…!!」
ガタッと椅子を引きサシャは机に手をついてそう言った。
「おい、マジかよ。パンだぞ?」
そんな風に呆れたように言うエレンにサシャは見下すように、
「エレン、パンだぞ?じゃ、ありません。パンです。私が大切に貰ったパン。朝、本当は食べるはずだったパン。されど、パン、たかが、パン?私は絶対に、犯人を見つけますっ!!」
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- 5 : 2016/01/10(日) 15:27:15 :
- そんなサシャ初めて見る…といった感じで3人ともその場で固まってしまった。
サシャは食べ物の事に関しては誰よりも貪欲だ。けど、これは…暴走?しそうだ。
その時3人とも同じことを思った。
《サシャを今日1人にしてはいけない!》
と。
3人同時に立ち上がり慌てて引き止める。
「サシャ、おちつけ、落ち着けな?」
「そうそう!ホラッ僕たちも手伝うし」
「落ち着こう」
その言葉を聞きお皿を片付けに行こうとしたサシャは振り返り「手伝う?」と言ってきた。
「そー!今日は休みだし、本当は僕たち、街の方へ行こうかな〜って思ってたんだけど、まー、サシャのパン、盗んだ犯人許せないからさ。一緒に手伝うよ。犯人探すの。ね?」
アルミンは「だよね?」と言うようにミカサとエレンに同意を求める。
「お、おう!!俺、さっき、パンぐらいっていったけどよ。まー、その、犯人許せねーし!」
このままにしたらサシャ、ヤバい、と思いながらエレンは慌ててアルミンの意見に同意する。
「え、エレン…一緒に」
うっ、と言葉に詰まりながらもサシャは嬉しそうに言う。
「わたしも…犯人、捕まえてあげる」
サシャの目、怖い、とミカサは思いながらエレンと同様にアルミンの意見に同意した。
「み、ミカサぁぁ!!嬉しいですっ!!」
サシャは食器を机の上に置きミカサに抱きつく。
「うぅ、皆で、探しましょう。パンを」
ミカサの腕の中で少し泣きながらサシャは言った。
「そ、そうだね。パンというか、パンを奪った犯人だけど」
アルミンは少しほっとしながらサシャの様子を見てそう言った。
「アルミン…」
「ん?どうしたの、エレン?」
「食べ物の恨みってこえーな」
ボソッと口に手を当ててアルミンに言った。
「特に、サシャはね」
アルミンもエレンに向かって口に手を当てながら小さな声で言った。
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- 6 : 2016/01/10(日) 18:53:03 :
「で、どーすんだよ」
エレンは少し落ち着いたサシャに向かって言う。
「それじゃ、まずさ、サシャの部屋のメンバー教えてくれる?」
その質問に答えたのはサシャではなく隣いたアルミンであった。
「メンバーですか?」
パンごときで…とは思うが、少し目を赤くしたサシャを見るとなんだかかわいそうに思えてくるエレンとミカサとアルミン。声を震わせながらサシャはアルミンの質問に答える。
「えーと、クリスタと、ユミルと、アニ、ミーナ、ミカサです」
サシャは自分の指を1つずつ折りながら思い出すようにして答える。
「うぅーーん、その中にいると思うんだよな〜犯人」
アルミンは机の上で指を組みながらボソッと言う。
「えっ!?なんでだよ?」
「どうしてですか!?」
サシャとエレンの声が重なる。
「え、それはー、だって、昨日の夜、パンを貰ったんだよね?クリスタから」
アルミンにそう言われコクッとサシャはうなづく。
「で、その後に、隠して、眠ったと」
「そうですっ!!そして、朝起きて、トイレに行って、寝て、また起きて、箱を覗いたら…置いてあったパァンがなくなってたんですぅぅぅあぁぁぁ!!」
またサシャは頭を抱え、わたしのパンンンンと言いいながら、机に突っ伏す。
「サシャ、落ち着こう。その中にいるんでしょ?犯人」
サシャの隣の席に移動したミカサは背中を優しくさすり、サシャをなだめた。
「え、と、いうことは…ミカサぁ!?ミカサもパン盗んだ疑いかかるってことですかぁ!?」
「えっ!?」
確かに、ミカサも同じ部屋にいるため、そうなるのだが、いきなりそんなことを言われミカサも動揺する。
「落ち着けって!!ミカサが、そんなことをするわけ、ないだろ!!」
エレンはサシャに向かって言う。
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- 7 : 2016/01/10(日) 21:18:32 :
- 「みんな、落ち着いて!……サシャ、トイレに行く前、って何時か覚えてる?」
「えぇ?えー、あっ!!そう言えば、パンが気になって、その時見たんですよ!そしたら、まだありました!トイレ行く前…休みなのに早く起きすぎたと思ったから……6時!6時でした!!」
「というか、もうその時パン食っとけよ!!なんで朝まで…」
はぁ、とエレンは呆れたように言う。
「ですからっ!休みの日の、朝の楽しみにとっておいたんですっ!!」
またこの話に戻り堂堂巡りになりそうだったので、アルミンは違う質問をサシャに投げかける。
「とにかくっ!!朝の6時、トイレに行くため起きた。で、気になって箱を…?」
「あ、箱に入れてるんです。こんくらいの箱。鍵とかはないですけど」
手で形を作りアルミンにサシャは言う。
「…その箱の中のパンを見た。まだ、あったんだよね?」
「はい!ありましたっ!!」
「…それで、その後にトイレから帰って箱は見たの?」
「そりゃ、もちろんです!!入ってましたよ!!パァン」
そこまでアルミンは言うと腕を組み、うーーん、と唸る。
「やっぱり、その後に誰かが盗んだか、食べたとしか。サシャがトイレに行って、寝た後…」
暫し4人の間にシーンとした、空気が出来る。
「でも、わたしがその箱にパンが入れてあるなんて、知ってる人いないんですよ?」
「おー、確かに、サシャは誰にも言ってないもんな」
「なるほど」
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- 8 : 2016/01/10(日) 23:20:34 :
「いや、そうとも限らないよ?」
その3人の言葉を否定したのはアルミン。
「なんでだ?」
「ど、どーしてですかっ!?」
「なぜ?」
驚いて声を上げる3人にビシッと人差し指を立てアルミンは説明する。
「トイレに行った時、箱を確認したって言ったよね?で、しかも朝の6時…サシャの部屋のメンバーのうちの誰かが起きててサシャの行動を見てたかもしれない」
「行動を…って、箱を開けて確認するとこ、ですか!?」
「そう、2回も確認した。ということは2回も箱の中身を見られてしまう、危険があったということ。朝の6時なんて起きてる人もいたかもしれないし」
「ひぇぇぇ!!そんなに、わたしのパンを」
「それは、違うと思うけど」
ミカサはアルミンの推理を聞いてサシャの言葉を否定した。
「え?なんで、ミカサはそう思うんだよ」
エレンは隣にいるミカサにその理由を聞く。
「それは、例えその、箱の中身が何であれ、サシャがそれを見てたらなんだろうと思って、覗いてみる。それでパンがあって、食べてしまった、とか?」
「…アルミン。分かりました。犯人」
ミカサがそこまで言うとサシャは犯人が分かったと言い、キッとアルミンの方を向いた。
「え?だれ?」
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- 10 : 2016/01/11(月) 11:16:58 :
- 「ミカサ、ミカサ、ですよぉぉぉぉぉ!!!こんなにも、正確に食べる状況をこと細かくっ!!パン、返してくださいぃぃ!!!」
隣にいたミカサの肩に手をかけ揺さぶるサシャ。
「え!?ち、違う、わたし、じゃない」
「おい!ミカサが食うわけねーだろ!サシャのパンなんて!絶対あり得ねー!」
「エレン、さっきから、庇ってばかりですね!!まさか…」
「サシャ、落ち着いて、本当に。ミカサではあり得ないことは確かだよ」
アルミンは少し気まずそうにエレンとミカサを見る。
「アルミンまで…!」
「だって、ミカサは」
アルミンがそう口にする前にエレンが慌てて言う。
「だぁぁ!!その、ミカサは俺と…一緒に、いた」
「え?」
「…心配で、昨日の夜は一緒にお布団で…」
少し下を向きながらミカサはボソボソという。
「も、もしかして!一緒に寝ていたんですかぁぁぁ!?」
サシャは驚いて2人を見比べると、コクとエレンとミカサは頷いた。
「…うん、僕もびっくりしたよ。エレンの横にミカサがいるから」
はぁぁ、とアルミンはため息をつきそういう。
「…っということは、ミカサはあり得ないじゃないですか!」
「っだから!さっきから、言ってんだろっ!!!ったく、ミカサもいきなりびっくりするからやめろよな!」
「…心配だった」
「ま、まぁまぁ、ほら、バレるとまずいからさ、サシャ、黙っといてね?」
シーと人さし指を口にして、アルミンは言い、「それで」とまた、話を元に戻す。
「…つまり、ミカサ以外ってなるんだけど」
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- 11 : 2016/01/11(月) 18:31:23 :
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「えーと、ミカサ以外だとわたしの部屋には…ミーナ、クリスタ、ユミル、アニ、ですね」
「うーーん、パン盗みそうな奴とかいなさそうだけどな」
エレンは1人1人の顔を思い浮かべながら考える。
「僕も、そう思うけど。実際パンが無くなってるんだし…聞いてみる?」
「き、聞くって誰にですか!?」
慌ててサシャはアルミンに質問をする。
「え、それは、ミカサ以外の全員に。もしかしたら、ボロ出すかもしれないじゃない?」
「ボロ…って、なんだよ、アルミン」
「んーと、ほら、色々聞いてるとポロっと余計なこととか犯人って言っちゃうんだよね。」
「…つまり、アルミンはみんなからその時間のアリバイを聞くってこと?」
サシャの隣にいたミカサはアルミンの言うことを聞きながら、ボソッと言った。
「アリバイ…ですか?」
「なんか、凄い事件的になってんな」
「確かにアリバイって言ったら、なんか大げさだけど、一応聞いてみる、ってこと。アリバイなんてみんな寝てるっていうと思うしさ。」
「ま、確かにな!色々言ってても仕方ないし!!行くかっ!」
エレンはガタッと椅子を引き、机に手をついて立ち上がる。
「よし、行こう」
ミカサもサシャにそう言い、エレンと一緒に立ち上がった。
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- 12 : 2016/01/11(月) 18:32:50 :
- 期待です!!
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- 13 : 2016/01/11(月) 19:25:08 :
- >>12 期待コメントありがとうございます^ ^ 矛盾点あったら…すみません!
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- 14 : 2016/01/11(月) 21:13:44 :
「あ、ちょっと待って」
アルミンは3人が立ち上がった後に椅子を引きながら呼び止める。
「一応、状況としては、朝6時にサシャは起きた。その後、パンの入ってる箱を確認。この時点ではまだあったんだよね?それからトイレに行く。帰ってきてまた箱を確認。この時点もまだパンは箱にあった。それからサシャは安心して眠って朝起きたらパンがない。これで良い?」
「す、すごいですっ!!全くその通りです!!アルミンっ!!」
サシャはアルミンが今までの状況を綺麗にまとめたことに驚き、声をあげる。
「すっげー、やっぱりアルミンは凄いなぁ」
「うん、本当に凄い」
「あ、ただ、状況まとめただけだし…ね?よし!じゃ、行こうか」
アルミンは少し照れながら、4人でサシャ、ミカサの部屋へと向かった。
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「はー、緊張するな、女子の方は」
エレンはキョロキョロと男子とは違う雰囲気に戸惑いながら歩く。
「エレン、あまり男子はこっち入っちゃいけないから…色々聞いたらすぐに出なくっちゃ」
アルミンも周りを見れば女の子だらけのこの場所に戸惑いながらエレンに言う。
「ここです、ココ!」
ピタッと、ある扉の前にサシャは止まった。
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- 15 : 2016/01/11(月) 22:14:32 :
- 「それじゃ、入りますよ〜、とその前に、普通に聞くんですよね?」
サシャはノブを回すのを途中でやめてアルミンに聞く。
「ん?まー、そうなるね。パンが無くて…っていう風に話すしかないと思う」
ハハッと少し笑いながらアルミンは質問に答えた。
「分かりましたっ!ではっ!!」
ガチャリとノブを回して、サシャ、アルミン、ミカサ、エレンの順に部屋の中に入っていった。
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「お、サシャって………なんでお前らっ!?いや、いや!!こっち来てんだよ!?」
ユミルは布団の上であぐらをかきながら、クリスタと話してるのをやめて入って来た4人に声をかける。
「えっと、少し、聞きたいことがあって。」
アルミンがそう言うとヒョッコリとユミルの後ろから顔を出して
「なになに!?なんかあったの!?」
興味津々でミーナが聞いてくる。
「そう、とても大切なこと。アニは?」
ミカサはチラッと隣のベッドを見るがアニがいないことに気がつきミーナに聞く。
「アニ?アニなら、トイレ行ったよ」
そう言いながらミーナはベッドから降りて、ミカサの前に立った。
「なに?わたしも気になるっ!」
ピョンとベッドからクリスタも降りてきてアルミンの前に立つとその後ろからユミルもついてきた。
「なんだよ、こんなとこまで来てさ。エレンにアルミンさんよ」
欠伸をこらえながらユミルはさも興味なさそうに聞いてくる。
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- 16 : 2016/01/11(月) 23:08:06 :
「それじゃ、ズバリ言う。サシャのパン知らない?」
「えぇぇ!?ちょ、ミカサ!」
慌ててアルミンが止めたが時すでに遅し。
「はぁぁ!?パン?」
「パンですか?」
「パンって?」
3人とも頭にハテナマークをつけ、目が点になっている。これが演技でなかったら凄いというものだ。
「えっとね、朝起きたら、クリスタから貰ったサシャのパンが無くなってたんだって。だから、知らないかな〜って」
アルミンは分かりやすく3人に説明をする。
「私が、あげた…パン?のこと、サシャ」
サシャにパンをあげた本人ークリスタはそう言う。
「そうです!朝起きたら、無くなってて…」
「はっ、自分で食ったんだろ」
呆れたようにユミルは言うがさっきと同じくサシャは全力で否定。
「でもさ、パンなんて置いてあったら気がつくでしょ?」
ミーナはサシャに向かってそういった。
「いえ、、、あまり言いたくないですが…仕方ありませんっ!四角い箱に入れて、保管しといたんですっ!」
「箱だぁ!?」
「ハコ…?」
「箱って?」
「ね、もし良かったらさ、サシャ、箱見せてくれる?」
アルミンは3人の反応を見て聞いた。
「えぇ!?」
「なんだ?アルミン、見たらなんか分かんのかよ」
「うーん、出来ることはやろうかな、ってね」
「…わかりました!パンのためなら仕方ありません!!」
そう言いサシャが自分のベッドに向かおうとした時、扉が開き、今までトイレに行っていたアニが帰ってきた。
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- 18 : 2016/01/12(火) 07:43:29 :
- 「あ、アニ!!」
真っ先に声をかけたのはエレン。
その場にいるはずのない声を聞き、少し驚いたように目を大きく開け、エレン、アルミン、ミカサを見た。
「…なにしてんの?」
眉をひそめ、不思議そうに3人を見つめるアニ。
「あ、アニにも聞こうと思って。実は、サシャのパンが無くなっちゃって。探してるんだ」
「パン?」
アニもさっきの3人と同様少し首をかしげながら答える。
「あ、今出しますからっ!!アルミン、待っててください」
ゴソゴソとベッドの隣の机の上を探してる。
「ったく、知るわけないだろ、んなモノにパン入れてる方がおかしい」
机の上をゴソゴソと探してるサシャに向かってユミルは言う。
「見つかった?」
「あ、ミカサ、まだです〜朝パンが無くなって…パニックになってぐちゃぐちゃにしてしまって」
「でも、大変だね、アルミンもエレンもミカサも、サシャのパン探しに手伝ってるんでしょ?」
ミーナはそう言いながらアルミンの方を見て言う。
「いやぁ、その、気になってさ」
「うん、アルミンもエレンもサシャのパン探し、率先してやってるなんて!」
クリスタは凄い!と言いながらエレンの方を見て言う。
「ま、まぁなー、俺も気になるからよ。率先…ではない。」
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- 19 : 2016/01/12(火) 12:00:01 :
- 「で?みつかったのかよ」
イライラしながらユミルは腕を組みその場に立ちながら、サシャを見る。
「はぁ、まだ箱見つからないの?」
アニもユミルと同じで少しイライラしながらサシャとミカサが机の上を探してるのを見て言った。
「あ、ありましたっ!!」
パッとサシャは取り出し、中を皆んなに見せる。
「なんだこれ、タオルとか、って、干し肉なんて入ってやがるっ!!」
ユミルはサシャのその箱に手を入れて取り出す。
「や、やめてくださいっ!!これは大切なものなんですっ」
パッと勢いよく奪うと丁寧にまた箱の隅に入れた。
「うーーん、特にこれといった……あまり手がかりないかも…なんかごめんね。サシャ」
アルミンは箱の中身を見ながら申し訳なさそうに言う。
「 ……あ!!!」
「どうしたの?エレン」
エレンが声を上げ、驚いたように箱を見てるのをミカサは気がつき、話しかけた。
「えっ?いや、その、なんでもねー」
「そう?」
「あ、あとさ、もう1つ、ミーナ、クリスタ、ユミル、アニ、にききたいことがあるだけど」
アルミンは箱の中身を見るのをやめて後ろにいた4人の方へ振り返ってそう言った。
「あ?」
「なぁに?」
「なんでしょうか?」
「なに」
「起きた順番ってわかる?朝」
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- 20 : 2016/01/12(火) 13:06:51 :
「ええっ?朝…えーと、まず、私が1番かな…でも、サシャはもういなかったけど」
人差し指を顎に当て今朝のことを思い出しながら言うクリスタ。
「私が起きた時、クリスタが起きてたから…私が2番目か」
チラッとクリスタを見て少し考えながら言うユミル。
「私は3番目ですかね!アニが1番遅かったので」
うん、と大きく頷きアルミンに向かって言うミーナ。
「それじゃ、私が4番目じゃない?最後…だったから」
そんなミーナの言葉を聞き、アルミンの方をチラッと見て言うアニ。
「なるほど、じゃー、サシャが…」
4人の言葉を聞いてクルッと体の向きをサシャの方に向け質問するアルミン。
「私は、1番早くに起きました!」
「よし、つまり、サシャ、クリスタ、ユミル、ミーナ、アニの順で起きたんだね?」
アルミンは今までの言葉を整理して5人に確かめる。
「そうですね、というか、3人ともミカサのことは聞いてこないんですね」
「はっ?あいつならよく、エレンのとこに行くじゃねーか。昨日も夜からいなかったし。気づいてねーの、お前だけだぞ」
呆れたようにまたユミルはサシャに向かって言った。
「えぇぇ!!?みんな、そんなことまで…」
「っっ!とにかく!!アルミン、なんかそれで分かったのかよ?」
エレンは話を戻そうとアルミンに詰め寄ると、アルミンはブツブツ何か言っている。
「アルミン?」
ミカサは心配になりエレンと顔を見合わせ2人でアルミンの顔を覗き込むと
「分かったよ」
とアルミンは呟いた。
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- 21 : 2016/01/12(火) 14:43:44 :
「えぇ?!犯人かっ!?」
「犯人!?」
「うん。バッチリ」
そうニコッとアルミンは2人の方に顔を向けながら言った。
「だ、誰なんですか!?」
サシャも驚いたようにアルミンに詰め寄ると「その前に、サシャ、あと聞きたいことが…この箱ってさ」ゴニョゴニョと口に手を当て話すアルミン。
「んーと、そうですね。あそこのスペースに置いてます」
サシャはアルミンの質問に答えた。
「うん、分かったよ。本当に犯人」
スゥと息を吐きながらその場にいる皆の顔を見てアルミンは言った。
────────────────
「はー?犯人って、食った奴いるってことかよ」
アルミンの言葉を聞いてユミルは言う。
「うん、バッチリ!まず、ね」
そうアルミンが話し出そうとするとエレンは少し眉をひそめながら
「な、なぁ、本当にここで言うの?犯人…」
「え?うん、分かっちゃったから」
エレンの反応に不思議そうな顔をしてアルミンは答える。
「それじゃ、教えてアルミン」
エレンの方を向き、それからアルミンの方へ向きなおしたミカサは言った。
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- 22 : 2016/01/12(火) 18:28:00 :
- 「えっと、まず、今聞いた、起きた順番!サシャが1番、早く起きたってことだからサシャが起きる前に誰かが盗んだ。サシャ、2度目に起きたのは何時?」
アルミンはサシャの方へ向かって聞く。
「えーーと!確か…7時ですかね〜食堂へ行ったのは30分くらいだったので、多分、7時です!」
少し上を向いて考えるようにしてアルミンの質問に答えた。
「うん、ということは、サシャが寝た…6時少し過ぎ…から7時の間にサシャの箱からパンをとった…」
「えっ?でも、箱の中にパンがあったなんて知らなかったよ」
ミーナは不思議そうに言う。
「あ、それはね、サシャが2回、確認したんだって。箱の中のパン。そこで実は起きてた誰かが、サシャのその[箱]の存在に気がついたんだと思う。」
「はーん、つまり、私達、全員パン食えるってか」
ユミルは不満げに言う。
「で、でも、誰かが食べたなんて…信じられないよ」
ギュと服を握りしめクリスタは言った。
「それで?犯人は誰なのさ」
アニはつまらなさそうな顔をしてアルミンに聞く。
「あ、えーと、それで思ったんだけど、サシャが箱を見せてくれた時、結構小さめで驚いたんだ。しかも隠してある場所が机の横の…小さいスペース。さっきは、ほったらかしに机の上に置いて探してたけど、、、いつもそこに置いてあるんだよね?サシャ」
「あ、そうです!アルミン、さっき私が言った通りの場所に置いてあります。」
「それで、僕思ったんだ。犯人はいないって」
「はっ?」
そう声をあげたのはユミル。
みんなも驚いてアルミンの方を見る。
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- 23 : 2016/01/12(火) 20:27:41 :
- そんなみんなの反応を見てアルミンはビシッとまた人差し指を立て言う。
「犯人は、ネズミさ」
「えぇぇぇぇぇ!?」
1番大きな声をあげたのはサシャ。
「ちょ、ちょっとまって!ネズミさんが、パンとったの?」
クリスタも慌てて言う。
「さっきのスペースに箱があったとしたら、みんなが寝てる…どの角度からも見えないんだよ」
「えぇ!?で、でも、起き上がってみてたかも…」
サシャは信じられないといった感じで反論する。
「うん、でも、そこまでしたら、サシャ、君だって気づくはずだよ。」
「確かに」
ミカサはアルミンの意見に同意する。
「え?何?じゃー、ネズミが食ったと」
少し呆れたたように、エレンは言った。
「そう言うこと!今のネズミは、パンでも食べちゃうからね」
「いやいや、ありえないだろ。ネズミなんてな」
ユミルはあまり納得していない。
「アルミンが言うからそうなんじゃない?」
アニは自分の爪を見てそう言う。
「じゃ。じゃぁ…ネズミさんが…箱を開けて…私のパァンを食べたと」
しょんぼりとサシャはネズミさんが…とまた言っている。
「開けた…というか、何かの拍子で開いてたとかさ」
アルミンは少し微笑みながらサシャに向かっていった。
「ま、そーだよな!!俺たち、仲間に裏切り者なんて、いねーよなっ!!」
「うるせぇ、裏切りとか、パンだろ」
バシッとエレンの頭を叩くユミル。
「ユミル、やめて」
「はんっ!結局だ、サシャ、そんなこんなで大騒ぎしやがって!!」
エレンとミカサを見ていたユミルは今度はサシャの方にむかっていった。
「ま、まぁ、犯人、とか、いなくてよかったじゃない!」
「かー。クリスタは優しいなぁ」
「そうですよっ!!ネズミさんで…よくはないですけど…私のパァァン」
「まだ言ってんのかっ!うるさいんだよ!!パンパンパンっ!サシャさんよぉ!」
「一件落着ですかね?」
そんなクリスタ、サシャ、ユミル、のやりとりを見てアルミンに向かってミーナはそう言った。
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- 24 : 2016/01/12(火) 22:17:33 :
「うん。そうだね…」
「アルミン?」
「えっ!?」
「なんか、あまり元気がなさそうな」
ミーナは心配そうにアルミンの顔を覗く。
「いやぁー、色々疲れちゃって」
「なんかよくわからないけど、私は眠いからまた寝る」
後ろで黙ってその状況を見ていたアニは眠そうにしながら自分のベッドへと行こうとする。
「えっ?もう昼ごはんだよ!アニ。」
クリスタの横を通り抜けベッドへ行こうとするアニに声をかける。
「えぇ?!もう、そんな時間っ!?私、先にご飯、行ってきます!!」
サシャは驚いたようにしてその場から立ち去った。
「ちょ、てめぇーー!午前中の私たちの貴重な時間を潰しやがって!!パンで!クリスタ、私たちも先に行くぞ!」
「あ、アニは?」
「眠いから、少し寝たら行くよ」
「ほら、あー言ってんだから。寝たい奴は寝かせとけ」
ユミルはそう言い、クリスタの手を引っ張って食堂へと向かった。
「はぁー、なんだろなぁ〜あっけないな、アルミン、俺たちも行こうぜ。ミカサも、ミーナも」
小さな欠伸をしながら疲れたようにエレンは頭の後ろで腕を組みそう言うと
「うん」
「行こう、エレン」
「行きますかぁ」
3人ともそれぞれ返事をしてその場からドアの方へ向かって歩き、ドアノブに手をかけ外へ出た。
──────────
─────────
────────
「あ、僕、少しお腹痛いからトイレ行ってくる。先に行ってて」
食堂へ向かう途中アルミンはお腹を押さえて立ち止まりエレン、ミカサ、ミーナに向かってそう言った。
「え?大丈夫なのかよ。アルミン」
「う、うん。パン事件解決したら、ホッとして…お腹痛くなっちゃった。ごめん、だから先に行ってていいよ」
「分かりましたっ!私達先に行ってますね!」
ミーナは振り返りながらアルミンに言う。
「おう、じゃー、お大事にな。アルミン」
「お腹…気をつけて」
エレンとミカサにもそう言われアルミンは「ありがとう」と言い一目散にトイレへと向かった。
「そんなに腹が痛いのか?走っていったぞ」
「確かに」
「まぁ、仕方ないです。先に行ってましょう!」
ミーナ、エレン、ミカサはアルミンの走っていく姿をチラッと見て、そのまま、また、食堂へと向かっていった。
──────────
-
- 25 : 2016/01/13(水) 07:39:19 :
そんな心配をされてるアルミンは、というと。向かう先はトイレではなくて、さっきみんなで集まっていたあの部屋であった。
アルミンは少し息を整えながらドアの前に立ち、ノブを回す。
「……」
ガチャリ…と、無言でドアの扉を背後でアルミンは閉めた。
「だれ?」
遠くのベッドからアルミンに向かって声がかけられる。
「……」
それでもまだ黙ってるアルミンにもう1度声がかけられる。
「だれなの?」
そう言うとベッドで寝ていたアニはむくっと起き上がり、扉の前に立ってるアルミンの方へ体を向けた。
「やぁ、寝てるとこ起こしてごめんね」
アルミンはアニが起きたのを確認して1歩前へと出ながら声をかける。
「アルミン?なんで…ここにまだいるんだい?」
アニはベッドから腰をあげるとアルミンの方へ一歩近づきながら言う。
「実は…犯人が分かったからなんだよ」
少し下を向きながらアルミンは答える。
「犯人?犯人って、あんた、さっき、ネズミとかって言ってたじゃないか」
「それは…嘘だよ。アニが僕たちについた嘘と同じ」
アルミンがそう言うとアニはアルミンのことをジッと見る。
「なんか、まるで…私が嘘ついて…犯人みたいな感じだね」
フッと少し笑いながらアニは言う。
「…どうして、サシャがパンを隠してる場所が箱の中って分かってたの?」
アルミンは声を震わせながら言った。
-
- 26 : 2016/01/13(水) 12:55:56 :
「箱の…中?」
「アニがあの時、トイレに行ってる間、確かに僕たちは他の3人に、『四角い箱の中に…』って言ってたけど…アニが来てからは一言も『箱』なんて言葉は出さなかった。」
「……」
「あの時…サシャが箱を探すのに時間がかかってた時、アニはこう言ったんだ。『はぁ、まだ箱見つからないの?』って」
そこまでアルミンは言うとアニは、はぁ、と少しため息をつく。
「それだけで、私が…パンを盗んだと」
「パンに入れてる箱の事実を知ってたのはサシャ本人。確かに僕たちは聞かされたけど、アニだけなんだよ。あの時、誰からも聞いてないのに[箱]のことを口にしたのは。」
ジッとアルミンはアニの目を見て答える。
「さっきも、あんた、言ってたけどさ。ベッドの角度からじゃ、サシャが机の上で何やってるかなんて誰からも、分からないって」
「うん。だけどそれはみんなが[東向き]に枕を置いていた場合だよ」
「…!!」
「たぶんアニは…みんなと逆方向の[西向き]に枕を置いて…寝ていた」
そう言いながらアルミンはアニのベッドへと近づき、枕の位置をみる。
そこにはみんなと枕の位置が違う、アニの枕がベッドの上にあった。
「…そう、私のだけ、西向き。あんた、観察眼凄いね…よく見えるよ。サシャの机も。」
「…それじゃ、認めるの?」
恐る恐るアルミンはアニに聞く。
「いや?ただ、そうだね、ってだけ。私は知らない」
「確かに…パンなんて食べちゃえばわからないし。証拠とかってないけど。」
-
- 27 : 2016/01/13(水) 14:01:21 :
- 「だろうね。しかも私は起きるのが1番遅かったから…」
「それは、アニ、君が嘘をついてる」
アニの言うことに首を振りアルミンはもう一度アニの目を見て言う。
「嘘…」
「うん。サシャが1番早く起きたって言ってたけど、サシャが起きる前に、箱からパンを取る。それをずっと隠し持ってたとしたら?寝てるフリをしてたとしたら?本当はクリスタが1番早く起きたんじゃなくて、アニ、君だ。君が誰よりも早く起きて、寝たフリをした」
「なんだいそれ。早く食べればいいだろう」
「僕が思うに今回の犯人はパンを食べることが目的じゃない。パンを盗ることに目的がある気がするんだ」
アルミンはそう言いながら左手を顎に当て考えながら言う。
「…なるほどね。ということは犯人は今も、パンを持ってる、っていうのがあんたの考えなんだ」
アルミンの話を一通り聞き、アニはそう答える。
「うん。」
「そう…納得したよ」
「だから、アニ…その上着の中を見せて」
「…!!」
「犯人じゃ、ないんでしょ」
そこまで言うと部屋のドアが勢いよく開く。
-
- 28 : 2016/01/13(水) 19:09:04 :
- 「アニっっっ!!!!!!」
そこに立っていたのはエレンとミカサであった。
「ふ、2人ともっ、なんで!?」
アルミンは驚き、ミカサとエレンの2人を交互に見た。
「なんかよ、気になって。悪い。全部聞いちまった。」
信じられない、といったような顔でアルミンに言いながら、アニを見るエレン。
「み、ミカサも聞いてたの!?」
「私は…エレンが行ったから私も来た。話は…全て聞いてしまった。ドアの外で…ごめん」
ミカサも驚いた顔でアニを見る。
「…ったく、傷つくよ。」
アニはボソッとアルミンに呟く。
「え?」
「いつから、あんた達はそんな風な目で私を見るようになったのさ」
下を向きながらアニは静かに言った。
「あ、アニっ!さっきの話、聞いてたけどよ!!う、嘘だよな!?もし、クソつまらない冗談で話合わせてるだったら、まだ間に合うっ!!」
必死にエレンはアニに向かっていった。
「エレン、さっき、あなたが持ってたこの…」
そこまで言うと今度はミカサがエレンの手から一本の髪の毛をとる。
そしてそれをアニの目の前に垂らした。
「み、ミカサッ!!」
「エレン、これは何よりこの女が箱を覗いたって証拠。」
顔色ひとつ変えずにミカサはエレンに言う。
-
- 29 : 2016/01/13(水) 20:58:54 :
- 「ミカサ…その髪の毛は?」
アルミンはミカサの手に持ってる髪の毛の色を見、アニの方を見て、そして、もう一度ミカサを見て、問いかけた。
「これは、さっき、箱を開けた時、エレンが見つけた、金髪。これは、アニ、あなたのものでしょう?」
「そんなこと言われても…髪の毛なんて…どこにでもあるから」
呆れたようにアニはミカサに言う。
「もう1度言う。これは、エレンが箱を開けた時、見つけたもの。クリスタも同じ金髪。だが、クリスタはサシャにパンをあげた本人。あり得ない。つまり、アニ、あなたの髪の毛。さっきのアルミンの話とも合わせると、あなたが犯人」
エレンを押しのけるようにしてミカサはとめどなく話していく。
「お、おい!!それは、やり過ぎだ!ミカサっ!!犯人なんて…なぁ?」
エレンはアルミンに同意を求めるがアルミンは黙ったままだ。
「っ!!まさか、本当にアニがパンとったなんて思ってねーよな?っていうか、アニ否定しろよー。はっは…」
無理してエレンは笑おうとするがアニは何も言わずその場に黙ったまま立っている。
「アニ、とにかく、上着の中を見せて。それで全てわかる」
「ま、まてよ!ミカサ」
慌ててエレンはミカサがアニの上着の中を見ようとするのを止めようとする。
「なに?エレン…ここまで来て。本当にあの女がパンをとってないとでもいうの?」
「は?いや、その」
エレンの耳元でミカサは囁く。
「それとも…何か他の感情が妨げになってるの?」
「はぁぁ!?」
「アニっ!!!」
エレンとミカサがやり取りをしてる中、アルミンはアニの名前を呼んだ。
-
- 30 : 2016/01/13(水) 23:03:59 :
「1番、手っ取り早いのは…アニが、上着の中を見せることで白黒つけられるんだ!」
「アニ、さっさと見せて」
「ミカサ、言い方ってもんが!!あ、アニ、犯人じゃないだろ?な?上着の中を見るだけでいいんだ」
少しエレンは声を震わせアニに言う。
「はぁ…本当怖い」
今まで黙っていたアニが項垂れそう呟く。
「あんた達には…か弱い乙女の気持ちなんて、分からないだろうさ」
「はぁ?お前は男を空中で一回転させる女だぞ?んなわけあるかよ。って、早く上着見せてみろ。な?あまり長いと…本当に隠してるみたいだぞ!」
ニコッとまた無理に笑顔を作りながらエレンはアニに言う。
「いや。見せるのは…怖い」
アニはまだ顔を下に向けたままそう答える。
「はぁぁ!?見せろって!見せるだけでっ!!」
「アニッ!!僕たちに見せるだけで、見せるだけでいいんだっ!」
アルミンとエレンが必死にアニを説得する。
「エレン。アルミン。」
ミカサはそう2人の名前を呼ぶとアニのそばによった。
そして…
「不毛…これ以上ダラダラしてんだったら私があんたの服を引き裂いで見てあげる」
「み、ミカサぁぁ!?」
「ミカサ、落ち着けっ!!」
2人は慌ててミカサの方へと詰め寄ると
ミカサの前に立っていたアニが後ろに一歩下がる。
-
- 31 : 2016/01/13(水) 23:14:19 :
- 期待
-
- 32 : 2016/01/14(木) 07:54:26 :
- >>31 期待コメありがとうございます!
-
- 34 : 2016/01/14(木) 07:55:42 :
- 下に向けてた顔をフッとあげたかと思うと、
「ふふ、あははははははっ!!!」
顔を染めてさっきとは雰囲気が全く違う、アニが、笑いながら、お腹に手を押さえている。
「あ、アニ?」
アルミンは心配そうに近づく。
「あはははははっっ……あー、ひとまず、あんた達は、パンの場所が分かったってことだね」
そう言うとアニは右手を上着の中に入れそこから袋の中に入ったパンを取り出した。
「あ!!!」
驚いてエレンは声を上げる。
「そうさ、私が、パンをとったの」
「な、なんで、だよ!なんで、持ってんだよ!?アニっ!!」
「やっぱり…アニが」
「アニ」
「さあ?私は…パンを……食べ損ねた」
3人の質問にアニはそう答える。
「まさかね、アルミンがここまでやるなんて。思いもよらなかった…さっき、気づいてたんなら、なんでその時行動しなかったんだい?」
「…今だって信じられないよ。きっと何かの間違いだって…」
「アニ」
「なんで、お前はサシャのパンなんかっ、とったんだよっ!!」
エレンは信じられないといったようにアニを問いただす。
「やっぱり、あんたは乙女の気持ち…分かってないね」
「はぁ?」
「もしかして、前に食べられた復讐?」
エレンの隣にいたミカサはアニに向かって答える。
-
- 35 : 2016/01/14(木) 11:39:09 :
「よく覚えてるね。そうさ、前、食べられたのさ。パンを2個もね。」
「そ、そうだったのかよ!?」
「じゃ、それでアニは…サシャのパンを」
アルミンはアニの方を見て聞くと
「そうだね。食べ物の恨みは怖いってことを教えてやろうと思ったんだけど…あんたらの方が怖いね」
「えっ?」
「は?」
「私達が?」
「まさか、こんなにすぐパンをとったのが私だって分かるなんて」
「……んで、そのパン、どーすんだよ」
アニの持ってるパンを見ながらエレンは言った。
「は?コレ?」
「あぁ、食べ損ねたって…食うの?」
「ここまで来たら…もう、返すよ」
「ダメだ!」
エレンはそう言いアニの言葉を否定した。
「はっ?」
「食えよっ!!」
エレンは大きな声でそう言うとエレン以外、全員驚きの声を上げる。
「「「えぇぇぇぇぇ!?」」」
「だってよ、サシャのヤツ、アニの2つも食ったんだろ。んなもん!食ってよくね?」
「エレン、僕たちはサシャのパンを…」
「エレン、そのパンを返す…」
「だぁぁ!!もう!いいだろっ!!パンはネズミが食ったんだし、サシャにはネズミって言ってんだからよ。あ!だったら、4等分して食おうぜ!」
ポンと手を叩き、みんなに同意を求めるエレン。
「え、エレン…突拍子もないことを」
「私たちもパン食べるの?」
「なんなの、あんたさ」
「これで、一件落着だろ!ホラッ、みんなかえってくるから、アニ、パン4当分な!」
そう言いながらアニの手からパンの入った袋を取り、4等分にちぎった。
「おし、これがアニ、これが、ミカサ、アルミン…で、これが俺っ!」
1つずつパンのかけらを持った4人。
自分の手の中にあるパンを見つめる。
-
- 36 : 2016/01/14(木) 13:15:17 :
「ねぇ、本当にいいのかなぁ〜」
「なんなの。よくわからない」
「エレンが言うなら…」
「それじゃーー!みんなで、食おうぜ、いただきまーす!!」
パクっとエレンは口に入れる。
それを見たミカサも食べ、アルミンも戸惑いながらパンのかけらを食べる。
「ん?食わねーの?」
アニがなかなか食べないのを見てエレンはアニの手の中にあるパンを見た。
「…はぁ、いただきます」
パクっとアニも食べた。
「おっし!!それじゃ、なんか、色々あったけど、まぁー、良かったな」
「良かったのかな…本当にこれで」
「私もよくわからなくなってきた」
「えー、これで良いんだよっ!」
「ごめん」
そんな3人の会話を聞きながらアニは謝った。
「え?いやいや、それは、サシャにって、あいつも人のパンとっておいてなぁ〜言えねーよな」
エレンは笑いながらアニに言う。
「アニも、悪いけど…サシャも…どっちもどっち?」
「私は複雑だ」
「ってことでー!腹減ったし、食堂へ行こうぜ。俺たち途中で引き返してきてよ。食ってねーんだわ」
「そうだね、それじゃ、アニも行こ?」
アルミンはニコッと笑いながらアニを誘う。
「分かった。行く」
アニも素直に返事をしてアルミン、ミカサ、エレン、アニ、の4人で食堂へと向かった。
途中でクリスタ、ユミルに会ったが、
「遅いな、お前ら、なにしてたんだ?」
「アルミン、大丈夫?」
と声をかけられたぐらいでみんなパン事件のことはネズミが犯人だと思ってるようだ。
──────────
-
- 37 : 2016/01/14(木) 13:27:42 :
- 「あ、サシャ」
椅子に座りながらジッとしてるサシャを見てアルミンは話しかけたが、ピクリとも動かない。
「ん?っていうか、今日、スープだけ?」
エレンは机の上の空っぽになった皿と深い皿に入ってるスープを見て呟く。
「そんなはずはない…パンも」
「…」
「あっ!!!」
エレンが声を上げるとサシャはビクッと肩を動かす。
サシャはモグモグと口いっぱいに何かをほおばってるのだ。
「やられたね」
アニはボソッと呟く。
「てめぇーー!サシャァァ!!俺のパン食ったろ!!」
「私のも」
「はぁ…」
「僕のも…」
モグモグとパンを噛み、ゴクリと飲み込むとサシャは口を開く。
「えっ?帰ってこないかと思って」
そう言いながら、ヒックとしゃっくりをあげ4人分のパンを平らげたサシャは満足そうな顔で言う。
「ぬぁぁぁ…俺のパンが」
「私のパンが…」
「パンが…」
「僕のパンが…」
「「「「ないっっ!!!!!」」」」
────────パンがないっ!!
-
- 38 : 2016/01/14(木) 13:31:31 :
- 執筆終わりました!!
オチは…こんな感じですが汗
サシャ中心のを書きたくて…汗
アニのあのシーンを…どうしてもいれたかった…笑
アルミン、エレン、ミカサ…凄い事件的な感じで動いてるけど…「パン」ですからね…汗^_^;
グダグダ長くなってしまいましたが、
ここまで読んでくださった方ありがとうございます!
もし宜しければ感想コメいただけると嬉しいです!!
-
- 39 : 2016/01/21(木) 18:52:38 :
- 乙です!
そりゃサシャも他の人のパン食べてるんだから、取られても文句言えないなぁ…
まあ、結局どっちもどっちという結果にして誰が悪いという白黒ハッキリ着けないのが良いと思いました。
サシャの食べ物の恨みも怖かったですが、エレン達の勘の良さにもびっくりしました!
その良い勘をもっと他の事にも使えたら良いのにな…エレン達…^_^;
最後の落ちもサシャらしくて面白かったです。
話もとんとんと進んで行き、とても読みやすかったです。
とても良く、面白いssだと俺は思いました!
-
- 40 : 2016/01/21(木) 19:23:53 :
- >>39
感想コメントありがとうございます!
最後のオチがサシャらしいと書いてくださって嬉しかったです(^^)
丁寧にコメントくださって本当にありがとうございますっ!!
-
- 41 : 2023/07/12(水) 17:57:36 :
- http://www.ssnote.net/archives/90995
●トロのフリーアカウント(^ω^)●
http://www.ssnote.net/archives/90991
http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3655
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2 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 16:43:56 このユーザーのレスのみ表示する
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16 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 19:01:59 このユーザーのレスのみ表示する
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36 : 2021年11月6日 : 2021/10/13(水) 19:43:59 このユーザーのレスのみ表示する
理想は登録ユーザーが20人ぐらい増えて、noteをカオスにしてくれて、管理人の手に負えなくなって最悪閉鎖に追い込まれたら嬉しいな
22 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:37:51 このユーザーのレスのみ表示する
以前未登録に垢あげた時は複数の他のユーザーに乗っ取られたりで面倒だったからね。
46 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:45:59 このユーザーのレスのみ表示する
ぶっちゃけグループ二個ぐらい潰した事あるからね
52 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:48:34 このユーザーのレスのみ表示する
一応、自分で名前つけてる未登録で、かつ「あ、コイツならもしかしたらnoteぶっ壊せるかも」て思った奴笑
89 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 21:17:27 このユーザーのレスのみ表示する
noteがよりカオスにって運営側の手に負えなくなって閉鎖されたら万々歳だからな、俺のning依存症を終わらせてくれ
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