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悔いなき選択 “知られざる勝負”後日談
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- 1 : 2016/01/03(日) 00:07:10 :
- 悔いなき選択2巻特装版付属の“知られざる勝負”で珍しい紅茶を手に入れたその後です
短いです
しばしお付き合いくださいm(_ _)m
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- 2 : 2016/01/03(日) 00:09:07 :
- ファーラン「お、その茶葉はこの間の戦利品か」
リヴァイ「ああ、今日はゆっくり楽しめそうだ。イザベル、砂糖をもってこい」
イザベル「砂糖って高いんだろ?いいのかよ?」
リヴァイ「こいつは濃い。俺とファーランはそのままでいいが、お前には苦いだろ」
イザベル「俺もそのままでいい!」
ファーラン「お前この前もそう言って、結局砂糖入れまくってただろ」
イザベル「あ、あれは初めてだったからだ!」
リヴァイ「おい、淹れたぞ。さっさと席につけ」
ファーラン「…ん?えらく上等なカップ使ってるんだな」
リヴァイ「ああ、この間商人からくすねておいた。上等な紅茶には相応の器を用意してやらねぇとな」
ファーラン「……。ったくお前は抜け目がないな」
リヴァイ「冷める前によく味わえ」
イザベル「よっしゃ!早速飲…」
リヴァイ「お前は冷ましてから飲め」
イザベル「………フーフー」
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- 3 : 2016/01/03(日) 08:02:37 :
- ファーラン「俺には味の違いはよくわからんが、どうだリヴァイ、気に入ったか?」
リヴァイ「ああ……悪くない。渋みの中に円やかさと仄かな甘みを確かに感じる。普段のものもバカにはできねぇが、こいつはやはり一味も二味も格上だ」
ファーラン「髄分ご機嫌だな。…そうだ、お前ならできるんじゃないか?」
イザベル「何をだよ?」
ファーラン「腕相撲勝負で金稼ぎ…だよ」
リヴァイ「金稼ぎ?大した金になるとは思えんが」
ファーラン「そりゃあ地上の居住権の足しにはならないが、お前が飲む紅茶くらいにはなるんじゃないか?」
リヴァイ「ほう…」
イザベル「けどさ、俺たち相手に渡せるようなもの何も持ってないぜ?勝っても何ももらえないのに金払う奴なんかいないだろ?」
ファーラン「賭けるものはリヴァイに何でもいうことを聞かせる権利」
リヴァイ「…あ?」
ファーラン「お前の名はかなり有名だ。腕相撲だとしてもお前を倒せたとなると格が上がるってもんだ」
イザベル「へぇ…」
ファーラン「しかも勝てばリヴァイが言いなり。今までリヴァイにやられた奴らはこぞって集まると思うぜ」
リヴァイ「お前にしちゃあ珍しい提案だな」
ファーラン「たまには悪ノリしたっていいだろ?それに最近じゃ憲兵も手応えないしな。まあ、暇つぶしってところだ」
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- 4 : 2016/01/03(日) 15:44:19 :
- リヴァイ「…自分で拘る紅茶の分くらいは自分で稼ぐか」
イザベル「おっ!やるのか?」
リヴァイ「ああ」
ファーラン「決まりだな。じゃあ手頃な机を用意するよ」
イザベル「じゃあ俺は他の仲間に呼び込み頼んでくる」
ファーラン「頼んだ。リヴァイはゆっくり紅茶でも続けてくれ」
リヴァイ「待て、ファーラン」
ファーラン「なんだ?」
リヴァイ「綺麗な水を張った桶と布も用意しろ」
イザベル「何に使うんだ?」
リヴァイ「参加者は全員きっちり手を洗ってもらう」
ファーラン「…………」
イザベル「兄貴だもんな…」
リヴァイ「あの店は俺がこの辺で唯一信頼している店だ。だが今回集まるのは平気でドブ水に手を突っ込むような汚ぇ奴ばかりだ」
ファーラン「…わかった、持ってくるよ」
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- 5 : 2016/01/03(日) 18:14:58 :
ファーラン「よし、準備は整った。…が」
「あいつを倒すのは俺だ!」
「土下座させて靴を舐めさせてやる!」
「仲間をやられた礼をしねぇとな」
ワイワイガヤガヤザワザワ
ファーラン「なあ…集まりすぎじゃないか?」
イザベル「呼び込みもバッチリだぜ!」
ファーラン(思ったより大事になっちまったな…)
リヴァイ「おい、最初にやるのは誰だ」
男A「俺が行く!」
イザベル「でけー男だな」
ファーラン「リヴァイ、分かってるな?」
リヴァイ「ああ」
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ファーラン「いいか?全力は出すなよ」
リヴァイ「手を抜けと?」
ファーラン「あからさまに手加減するのはマズイ。こういう商売にはコツがあるんだよ」
リヴァイ(何故こいつはこんなにのりのりなんだ…)
ファーラン「強そうな奴とはギリギリの勝負に見せかけるんだ。弱い奴は瞬殺でいい」
イザベル「なんでだよ、弱い奴に手加減しねぇと客がいなくなっちまうだろ?」
ファーラン「弱っちい奴は大体見ればわかる。ここの奴らは力を知ってるからな。そんな奴に手加減なんかすればあとの奴らがやる気をなくす」
イザベル「なるほどな」
ファーラン「そこそこ力を持った奴とギリギリの勝負をすることで、他の力自慢どもは希望を持つ」
リヴァイ「わかった。そのへんの判断はお前に任せる」
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- 6 : 2016/01/03(日) 21:39:49 :
- リヴァイ(こいつには手を抜けばいいんだな)
男A「へっ!悪いな、一発目から勝たせてもらうぜ!」
リヴァイ「その前に手を洗え」
男A「は?」
リヴァイ「そこに水と布があるだろうが。さっさとしろ」
男A「知るかよ!いいから始め…ぉぶっ!?」
リヴァイ「………………」
ダァァァァァァン!!!
ファーラン「顔面パンチからの背負い投げ…」
男A「がはっ…!」
リヴァイ「ルールが守れねぇなら戦う資格はねぇ。とっとと去れ」
イザベル「さっすが兄貴!メッチャ強ぇぜ!」
「こりゃやべえな……」
「ちゃんと手洗お」
「け、結局は腕相撲で勝てばいい話だがな!」
ファーラン(危ない…が、まあ他の奴らのやる気には影響ないみたいだな)
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- 7 : 2016/01/04(月) 08:44:33 :
- リヴァイ「次」
男B「お、俺だ!」
リヴァイ「手」
男B「わかってる!」
バシャバシャ!
ビチャビチャ!
リヴァイ「……」
男B「ほらよ!これで充分だろ!」
リヴァイ「てめえ…バカみたいに水を撒き散らしやがって」
男B「は?」
リヴァイ「机も地面も濡れちまったんだが?」
男B「んなことどうでもっ!?」
ダァァァァァァン!!!
男B「うぐっ…!」
ファーラン「背負い投げ二発目…」
リヴァイ「この道を俺がどれだけ掃いたと思ってる?机もだ」
イザベル「これでもちゃんと勝負の前に金取ってるのがすごいよな」
ファーラン「すごいというか…恐ろしいな」
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- 8 : 2016/01/04(月) 11:39:42 :
- リヴァイ「次」
男C「つ、次は俺だ!」
男C(おいこれ腕相撲でいいんだよな!?前の二人机につく前に戦闘不能だけど腕相撲で勝てばいいんだよな!?)
リヴァイ「………………」
男C(む…無言の圧力……)
ファーラン「なんだこの空気…。なんで男が手を洗うのを野次馬みんなで見守ってるんだ…」
男C「これで文句ないだろ!」
リヴァイ「…いいだろう」
男C「よしっ!コテンパンにしてやるぜ!」
リヴァイ「……………」
ファーラン「いくぞ、レディー……ゴー!」
男C「ふんっ…!」
リヴァイ「……………」
ファーラン(よし!いいぞ!一進一退の攻防を演じてる!)
男C「くっ…!あと一押し………」グググ
リヴァイ(こんなもんでいいのか?そろそろ終わらせ…!)
男C「しゃらぁっ!!!」
ビチャッ
イザベル「兄貴の腕にあいつの唾がかかった!」
ファーラン「はあ……」
リヴァイ「…………………」
男C「な、なんだ?急にビクとも…」
リヴァイ「…っ!」
ダァァバキッァァァァン!!!
男C「ぐあっ!あぁぁぁ!」
イザベル「瞬殺はすごいけど机まで壊れたな」
ファーラン「しかも手の骨までもっていきやがった…」
リヴァイ「ちっ…。おい、ファーラン、今日はもう終わりだ。着替える」
ファーラン「…はいよ」
リヴァイ「酒の臭いも酷ぇもんだ…。全身洗わねぇとな」
ファーラン「気の毒だが、治療費は自己負担で頼むぜ」
イザベル「兄貴かっこよかったぜ!」
「化け物だ…」
「下手に手を出すのはやめたほうがいいな…」
「もう帰ろ….」
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- 9 : 2016/01/04(月) 15:57:37 :
- リヴァイ「結局紅茶を買う足しにもならねぇが」
イザベル「もう誰も来なくなったしな」
ファーラン「今回は俺の考えが甘かったよ…」
リヴァイ「…まあ、たまにはバカをするのも悪くない」
イザベル「ああ!楽しかったぜ!」
ファーラン「それもそうだな」
イザベル「今度は掃除で勝負ってのはどうだ!」
ファーラン「それこそ誰もやらないだろ」
リヴァイ「手加減できる気もしないしな。だが丁度いい。お前ら、今日は徹底的に掃除するぞ」
イザベル「へ~い…」
ファーラン「りょーかい…」
知られざる勝負後日談 完
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- 10 : 2016/01/04(月) 15:58:28 :
- 以上で終了になります
閲覧ありがとうございましたm(_ _)m
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