ミカサ「ライナーを攻略する」
-
- 1 : 2015/12/04(金) 22:55:36 :
- タイトルミカサですが同郷トリオもよく出ます。あっイチャラブは特にないです。恋愛感情があるのはベルトルトくんだけです
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- 2 : 2015/12/04(金) 22:57:35 :
▼朝、食堂
ワイワイガヤガヤ…
ライナー「一限は立体機動訓練か」
ベルトルト「うん」モグモグ
ライナー「早く飯片付けて準備しないとな」
ベルトルト「うん」モグモグ
ライナー「今日は天気も良いし、絶好の立体機動日和だ」
ベルトルト「……ラ、ライナー」コソッ
ライナー「ん?」
ミカサ「…」ジッ
ライナー「うおっ!」
-
- 3 : 2015/12/04(金) 22:58:06 :
ライナー「驚かせるなよミカサ…お前、いつから俺の背後に」
ミカサ「…」
ミカサ「」スッ
ライナー「は?」
ベルトルト「えっ」
ミカサ「…じゃ」
ライナー「ちょ、待て。おい」
タッタッタッ…
ライナー「…」
ベルトルト「…」
ライナー「…これは」ヒョイ
ベルトルト「…パン…だね。…朝食の」
-
- 4 : 2015/12/04(金) 22:58:43 :
▼翌日、同時刻
ミカサ「…」スッ
ライナー「待てミカサ」
ミカサ「嫌」
ライナー「あっ、おい」
タッタッタッ…
ベルトルト「…」
ライナー「…」
ベルトルト「…せっかくだし食べたら?」
ライナー「うーん…」
-
- 5 : 2015/12/04(金) 22:59:17 :
ミカサ「」スッ
ライナー「ミカ
タッタッタッ…
ベルトルト「…」
ライナー「…」
-
- 6 : 2015/12/04(金) 23:01:15 :
- 毎朝ライナーに自身の朝食(パン)を分けるというミカサの奇行は、一週間が経っても止める気配を見せなかった。
ライナー「なあ、何故毎朝俺にパンをくれるんだ?」
ベルトルト「分からないよ…僕、ミカサじゃないもの」
ライナー「だよな…俺も分かんねえ」
ベルトルト「…心当たりはないのか?」
ライナー「ああ…恐ろしいことに、これといって思い当たる事が何一つねえんだ…」
ベルトルト「それは恐ろしいな…」
ライナー「ああ…」
-
- 7 : 2015/12/04(金) 23:05:59 :
- ライナー「仕方ねえ。ここは本人に直接問うか」
ベルトルト「待った」
ライナー「ん?どうしたトイレか?」
ベルトルト「違う」
ベルトルト「ライナー、思い直した方がいい」
ライナー「なに?」
ベルトルト「毎回ほぼ無言でやってくるあのミカサの慈善活動…」
ライナー「おう」
ベルトルト「…なんか聞いちゃダメな雰囲気醸し出してるだろ?」
ライナー「…」
ライナー「だな」
-
- 8 : 2015/12/04(金) 23:06:28 :
ライナー「ありゃ触れたらまずい、禁忌的なオーラを放ってやがる」
ベルトルト「だろ」
ライナー「どうしたもんか…」
ベルトルト「どうしたものかな…」
ライナー「それより連れションはいいのか?」
ベルトルト「僕、今尿意ないから」
ライナー「そうか」
ベルトルト「というか連れションしたいわけじゃないから」
ライナー「そうか」
-
- 9 : 2015/12/04(金) 23:07:24 :
-
アニ「こんなところでヒソヒソ話しちゃって、なにしてんの」
ベルトルト「あ、アニ…!」
ライナー「よう奇遇だな」
アニ「…もしかして、ミカサのこと?」
ライナー「お、分かるか。ご明察」
ベルトルト「さすが!」
アニ「あんな奇怪な行動、毎日目にしてたら嫌でも察するよ」
アニ「で、ライナー。あんた一体何したの」
ライナー「なんもしてねえよ」
アニ「嘘はいいからさっさと吐きな」
ライナー「なんもしてねえって」
アニ「ほらカツ丼おごってやるから」
ライナー「なんもしてねえんだって」
アニ「故郷のお母さんも悲しんでるよ…」
ライナー「そういう地味に笑えない冗談やめろ」
ベルトルト「それだッッ!!!」クワッ
ライナー「!?」
アニ「ベルトルトうるさい」
-
- 10 : 2015/12/04(金) 23:11:06 :
-
ベルトルト「ご、ごめん」
アニ「いいよ。それでなんだって」
ベルトルト「えっと…」
アニ「あんたもカツ丼欲しい?」
ベルトルト「う、ううんそうじゃなくて」
ベルトルト「ミカサは…ライナーに"なにかされた"から、やってるんじゃなく、」
ベルトルト「"なにもしてこない"から、やってるんじゃない?」
ライナー「なるほどな。いや待て分からん」
アニ「右に同じく」
ベルトルト「だから!えーと、その…とにかく何かアクションを起こせばやめるんじゃ…ないかな」
アニ「煮え切らない返事だね。もっとはっきり言いなよ」
ベルトルト「やられたらやり返すんだライナー」
ライナー「はっ!?」
-
- 11 : 2015/12/04(金) 23:11:44 :
▼翌朝、食堂
ミカサ「…」スッ
ライナー「おい」ガシッ
ミカサ「!」
ミカサ「…離して欲しい」グッ
ライナー「はは、今日という今日はそう簡単にゃ逃さねえぞ」
ライナー「なあ、ミカサ。一つ話があるんだが…」
ミカサ「」ガンッガンッ
ライナー「ひとまず、掴まれた腕を振って俺の手を机に叩きつけるのやめてくれないか。クソ痛え」
ベルトルト「(ライナーの血で机が赤に染まっていく…)」
アニ「(きたな。席替えよ)」スッ
-
- 12 : 2015/12/04(金) 23:12:32 :
ライナー「そう焦らずとも話が済んだら離すっての…はー、痛え」
ミカサ「それで話とは」
ライナー「おう、まずはこいつを見てくれ」ドンッ!
ミカサ「すごく…多いです」
ライナー「だろ」
ライナー「今まで貰ったパンだ。返す」
ミカサ「いらない…」
ライナー「遠慮するな」
ミカサ「もう衛生的に食べられる代物じゃないだろうから、いらない…」
ライナー「これは全て昨日街で買ってきた物だ、安心しろ」
-
- 13 : 2015/12/04(金) 23:12:55 :
ミカサ「でも…」
サシャ「あっじゃあ私がいただきます!!」ヒョコ
ミカサ「」ドゴッ
ミカサ「それはあなたがお金を出して買った物。それなら余計に受け取ることはできない…」
ライナー「サ、サシャーー!!!!」
サシャ「」ピクピク
コニー「だ、大丈夫かサシャぁっ!?」サッ
コニー「……あっ」
コニー「やべーー!脈がねえー!!!」
ベルトルト「…あの…脈を計る場所間違えてるよコニー」
-
- 14 : 2015/12/04(金) 23:13:36 :
-
結局ミカサに受け取ってもらえなかったパンを、処理する三人
アニ「だめふぁっはか(だめだったか」モグモグ
ライナー「はへだっは…(だめだった」モシャモシャ
アニ「次の案あふ?(次の案ある?」モグモグ
ライナー「いや、なふぃ(いや、ない」モシャモシャ
アニ「ほふ…参ったへ…(参ったね」モグモグ
ベルトルト「…ふたりとも、食べてから話した方が…」
ライナー「あ、おいアニ。口にパンくず付いてるぞ」ヒョイ パク
アニ「んー」モグモグ
ベルトルト「…」
ライナー「…(ベルトルトがすごい顔でこちらを見ている)」
ライナー「(腹減ってイライラしてんのか?)」スッ
ベルトルト「!!(なんでパンを僕の口に突っ込むんだよ!!!)」モソモソ
ライナー「(無言でパンを頬張っている。よかった、これで合ってたか)」ヨシヨシ
アニ「…(何やってるんだろうこいつら)」
-
- 15 : 2015/12/04(金) 23:14:21 :
ベルトルト「でもさあ!だめだったって言うけどさあ!」
ライナー「お、おう」
ベルトルト「それはパンを受け取ってもらえなかった、ってだけで、失敗したとは限らないんじゃあないかな!!!?」
アニ「こいつどうしたの。自分のキャラ見失ってるよ」
ライナー「あとで捜索願出すわ」
ベルトルト「ふたりとも聞いてる!?!?」
ライナー「まあ」
アニ「まあまあ」
-
- 16 : 2015/12/04(金) 23:14:44 :
ベルトルト「だからさあ!明日になったらミカサの奇行がピタッと止んでるかもしれないじゃん!!?」
ジャン「呼んだか?」ヒョコ
ライナー「お、ジャン」
アニ「噂をすれば…」
ライナー「噂どころか名前を呼んだ覚えすらねえけどな」
ジャン「ああ?…なんだよおい、こいつは珍しい三人組で…」
アニ「フンッ!」ドゴッ
ベルトルト「あ、すごい。ジャンが宙を舞って…女子更衣室にゴールイン!!」
ライナー「扉が真っ二つだ」
ベルトルト「うーん、9.5点」
ライナー「9点」
アニ「10点」
ライナー「自分で採点すんなよ」
アニ「いいから逃げるよ、この騒ぎに人が来たらまずい」
ライナー「らじゃ」
ベルトルト「じ、じゃあミカサのことはひとまず明日まで保留で…」
アニ「ん」
-
- 17 : 2015/12/04(金) 23:16:06 :
▼翌日
ライナー「はああああぁ…」
アニ「はああああぁ…」
ベルトルト「……はは…」
ライナー「まさかなあ」
アニ「まさかねえ…」
ベルトルト「…えっと、向こうの方が一枚上手だったね…」
ライナー「ああ…まさかパンやめて芋で来るとはな…」
アニ「どうすんのさ、これじゃ実質前と変わんないよ」
ベルトルト「(´ . . `)」
ライナー「…俺、芋が大好物なんだ」
アニ「初耳」
ベルトルト「ラ、ライナー…!」
ライナー「だからベルトルトには感謝している」
アニ「そう。だけどそういう問題じゃない」
-
- 18 : 2015/12/06(日) 23:01:13 :
-
アニ「もう本人に聞いた方が早いんじゃないの?」
ベルトルト「待ってくれアニ」
ライナー「よく考えてみろ」
アニ「なに?」
ライナー「突然、俺に食べ物を恵んでくるようになったミカサ…」
アニ「うん」
ライナー「なんか怖いだろ」
アニ「…」
ベルトルト「…」
アニ「ちょー怖い」
ベルトルト「だよね!」
アニ「うん」
-
- 19 : 2015/12/06(日) 23:06:16 :
-
アニ「ごめん、私が浅はかだった」
ライナー「いいんだ、分かってもらえりゃ」
アニ「確かに謎に満ちた相手に突っ込むのは気が引けるよ」
ライナー「おう…」
ベルトルト「だったら…ミカサのことをよく知ってる人達に事情を聞いてみたらいいんじゃないかな」
ライナー「ああその手があった」
アニ「いいね、乗った」
ベルトルト「はは…それじゃあ早速だけどアニ、ミカサと一番仲の良い女友達って」
アニ「アルミン」
-
- 20 : 2015/12/06(日) 23:11:42 :
-
アルミン「ミカサがライナーに餌付けしてる?」
アニ「そうさ」
ライナー「違う」
アルミン「え…どっち?」
アニ「だから、ミカサが毎朝ライナーを芋で餌付けしてるんだって」
アルミン「そうなの?」
ライナー「そうなんだが違う」
ベルトルト「…」
ベルトルト「(仲の良い女…友達…?)」
-
- 21 : 2015/12/06(日) 23:21:31 :
- エレン「よう!アルミンにライナーにベルルっ、」ヒョコ
エレン「ベルトルト!……と、アニ?」
ベルトルト「ベルルってなんだコラ」
ライナー「落ち着け。ただ噛んだだけだ」
アニ「名前に過敏になりすぎでしょ」
ベルトルト「2人には分からないよ!」
ライナー「そうだな」
アニ「うん」
ベルトルト「これはひどい」
アニ「だって私達ベルトルトじゃないし」
ベルトルト「><」
-
- 22 : 2015/12/06(日) 23:22:26 :
-
エレン「なあライナーとベルトルトはともかく、アニまで集まってどうしたんだ?」
アルミン「あっそれはね…」
アルミン「…」
アルミン「ライナー、なんで?(小声)」コソッ
ライナー「小声でコソッと聞く必要あったか」
アルミン「ほら、僕って博学で知らないものは無いってイメージが定着してるから…ここで知らないって答えちゃうと、キャラ的にちょっとね」
ライナー「その発言も小声で通せよ」
ベルトルト「博学を自称するんだ…」
アルミン「よそで性転換する薬作っちゃうくらいだからね」
ベルトルト「あっ認めざるをえない」
アニ「メタい」
ベルトルト「しーっ、しーっ」
-
- 23 : 2015/12/10(木) 23:33:04 :
-
エレン「キャラ的に?性転換?メタい…?」
ライナー「おい、裏事情がエレンに筒抜けちゃってるぞ」
ベルトルト「ワオ」
アニ「こうなったら生きては帰せないね…」
ライナー「何故お前が殺る気満々なんだ」
アルミン「ちょっ、アニ!ファイティングポーズとるのやめてよ!」
エレン「なんだなんだ?さっきの話の続きか?」
アルミン「ああエレン、君は気にしなくていいから」
エレン「そうかじゃあ気にしない!」
アルミン「ついでにさっきの話も忘れていいから」
エレン「そうかじゃあ忘れる!」
アニ「最高にチョロい」
-
- 24 : 2015/12/10(木) 23:46:42 :
- ベルトルト「いち…に……あれ?」
ベルトルト「おかしい…」
ライナー「どうした、これ見よがしに首をひねって」
ベルトルト「コニーが二人いるんだ…」
ライナー「落ち着け。今俺達と話してるのはエレンだ」
アニ「部屋の奥でサシャとトーテムポールごっこしてる方がコニーだよ」
ベルトルト「そうか…超大型級おバカキャラが突然目の前に現れたもんだから、僕てっきりコニーが双子だったのかと…」
アニ「エレンのバカは今に始まったことじゃないよ。ある意味コニーとは双子だと言ってもいい」
ライナー「おいおい。エレンが桁外れのバカだったからってそりゃあ失礼だろう、」
アニ「あんたも大分失礼だよライナー。」
ライナー「奥にいるコニーに」
アニ「エレンにフォロー入れたんじゃないのかい」
-
- 25 : 2015/12/10(木) 23:57:44 :
-
アルミン「三人とも、あとで宿舎裏集合ね(にこにこ」
ライナー「やべっ」
アニ「ベルトルトなにか話題逸らしてよ」
ベルトルト「えっ!?えっと…」
ベルトルト「そういえばなんで僕達が一緒に行動してるのか聞きたいんだったよね!?」
アルミン「あっそうだそうだ」
ライナー「一難去ってまた一難じゃねえかバーロー」
ベルトルト「だ、だって…」
エレン「えーと…三人で行動するぐらいだから、友達なんだろ?お前ら仲良かったんだなあ!」
ライナー「ぐぬぬ」
エレン「アニ、お前って一匹オオカミのイメージだったけど…ちゃあんと友達いるじゃねーか!ったく大事にしろよ!」
アニ「…」
-
- 26 : 2015/12/11(金) 00:08:34 :
-
アニ「違うよ」
エレン「へ?」
アニ「私達三人は仲が良くて、友達だから…一緒にいるんじゃない。」
アルミン「うん?」
アニ「…」
エレン「え、っと…ちょっと、アニさん?」
アニ「…私は」
アニ「私はライナーのことが好きで、最近ライナーを悩ませてるミカサの行動が見過ごせないから、力になろうとこうして同行させてもらってる」
ライナー「!?」
ベルトルト「!!??!??!?」
-
- 27 : 2015/12/11(金) 00:12:33 :
アニ「…と、いうことさ。アルミン、エレンに説明頼んだよ」
アルミン「………と、いうことらしいです」
エレン「まじかあ」
ライナー「いやいやいやいや」ガシッ
ベルトルト「ごめんちょーっとアニ借りるね!?」ガシッ
エレン「おー」
-
- 28 : 2015/12/11(金) 00:21:46 :
-
アニ「なんだい、二人して乙女を乱暴に引っ張って…」
ライナー「いや、待て、おい…なあおい」
アニ「なに?」
ライナー「ああ、もう…こいつは…言葉にならねえ…」
アニ「ため息つかないでよ」
ベルトルト「あっア、アアアアアアニ、あの、あの、あのさ」
アニ「…言いたいことがあるならちゃんとまとめてから口に出しな」
ベルトルト「ちょっと待って3秒ちょうだい!」
アニ「いいよ」
ベルトルト「ライナー、カウント!」
ライナー「あー、いーちにーいさーん」
ベルトルト「はい!(挙手」
アニ「どうぞ」
ベルトルト「えー、三人で行動している理由が"ライナーに好意を寄せているから"は、非常にまずいんじゃないでしょーか!?」
ライナー「よく言った」
アニ「いや、仕方ないじゃん」
ベルトルト「仕方なくないよ!?」
-
- 29 : 2015/12/11(金) 00:32:26 :
ライナー「そう、それだ…それを言葉にしたかったんだ俺は」
ライナー「ベルトルト、でかした」
ベルトルト「あっうん」
アニ「やるじゃん」
ベルトルト「そ、そうかな」
ベルトルト「…へへ」
ベルトルト「ってそうじゃなくて!」
アニ「どうしたのさ、ライナーの代弁者」
ベルトルト「変な呼び名付けないでよ!」
ライナー「あーあそういう事言っちまうんだなー。唯一の幼馴染、ライナー傷付くー」
ベルトルト「もういっぺんそんなふざけた言葉口にしてみろ、削ぐぞ」
ライナー「すまん」
-
- 30 : 2015/12/11(金) 00:49:28 :
-
ベルトルト「三人でアルミンに尋ねてきた後であれだけどさ!僕達三人に繋がりがあったらさ、まずくない!?ねえ!」
アニ「でもこれ片思いの設定だから、何も知らない部外者の私がたまたま同期の鎧の巨人を好きになったっていう感じで…」
アニ「いけるんじゃない?」
ライナー「あー」
ベルトルト「いけないよ!!」
ベルトルト「設定とか知らないから!ライナーも飲まれないで!!」
ライナー「落ち着けベルトルト」
ベルトルト「え!!あ、うん」
ライナー「ひとまず冷静になれ」
ベルトルト「そうだね…」
ライナー「いけるぞ」
ベルトルト「ライナァァアアア!!」
-
- 31 : 2015/12/11(金) 01:14:36 :
-
ライナー「よく考えてみろ、この年代に甘酸っぱい恋愛事情は付き物だ」
ベルトルト「甘酸っぱいかな!?うさんくささ満点だよ!?」
ライナー「それにな、エレンの発言を思い出せ」ボソッ
ベルトルト「え、エレン…?」ボソボソ
ライナー「エレンの発言からも察するに、アニは孤立したイメージが定着している…」
ベルトルト「…うん」
ライナー「これだと、訓練兵として目立たず過ごせてはいるがどこか不信感が拭えない」
ベルトルト「うーん…」
ライナー「そこに恋愛が絡みゃ、皆興味津々になってほっとかねえさ。交友の輪が広がるし女の子らしさも出てグッと好印象だ」
ベルトルト「え、ええ?…あれ?えっと…」
ベルトルト「この先ずっと冷やかされるのは…かわいそうじゃないか?」
ライナー「なら、冷めたとか言ってさっさと憲兵になっちまえばいい。憲兵団に入団できる人員は限られてるからな、冷やかす同期もそう現れん」
ライナー「そんなに心配しなくとも、一過性の恋がある事を全員ご承知だろ。冷めたで十分通用する」
ベルトルト「そ、そっか」
ベルトルト「(あれ、なんだかよく分からないけど言いくるめられそう…)」
ライナー「ただなあ」
-
- 32 : 2015/12/11(金) 01:17:59 :
ライナー「この通り、俺は別にいいんだが…なあアニ」
アニ「なに」
ライナー「そろそろ俺のスネに連続ローキックするのやめてくれ」
アニ「二人でこそこそ内緒話始めるのが悪いんだろ」ゲシゲシ
ベルトルト「ま、まあまあ」
アニ「人の頭上でのんびりこそこそしやがって」ゲシッ
ベルトルト「いてっ!」
ライナー「怒ってるポイントそこか」
-
- 33 : 2015/12/11(金) 01:19:44 :
-
ライナー「真剣な話なんだ聞いてくれ」
アニ「いいサンドバッグだー」ゲシゲシ
ライナー「ベルトルト(新しいサンドバッグ)やるから」
アニ「いいよ。で、なに」
ベルトルト「!?」
ライナー「恩に着る。それでな…」
ベルトルト「ちょっと待った。ねえライナー、唯一の幼馴染を売る気か」
ライナー「いいだろお前のが俺よりサンドバッグっぽいし」
ベルトルト「それどこを指して言ってる!?」
ライナー「実は前々から思ってたんだ…こいつ、前世はサンドバッグじゃねえかなって」
ベルトルト「それどこを指して言ってるの!?ねえ!」
ライナー「……」
アニ「色」
ライナー「そうだ色だ」
ベルトルト「はいダウトー!」
-
- 34 : 2015/12/11(金) 01:28:02 :
-
ライナー「うるせえ!犠牲なくして勝利なし、だ。何かを犠牲にしないと物事は始まらん」
ベルトルト「だからって仲間を切り捨てるやつがあるか!」
アニ「ある」
ライナー「あるある」
ベルトルト「アニはせめて中立でいて!」
アニ「なんで」
ベルトルト「2対1はキツイ」
アニ「そ」
アニ「さっさと本題入ってよ、ライナー」
ライナー「おう」
ベルトルト「…(一文字で流された…)」
ライナー「好意を寄せている対象が俺であることは別に構わん。だが、お前はそれでいいのか?」
アニ「まあね。もう取り消せないでしょ」
ベルトルト「いや、今からでも訂正しに行
ライナー「確かに今更取り消せねえよな…」
ベルトルト「ねえ思うんだけどさ、二人とも僕の意向をちょくちょく無視してない?」
-
- 35 : 2015/12/11(金) 01:28:09 :
-
ライナー「自分の意思ないんだろ」
ベルトルト「うっ!」
ライナー「なら意向もクソもない」
ベルトルト「ぐ、ううっ…!」
アニ「ベルトルトはどうしたの。急に胸を押さえてもがき苦しんでるけど」
ライナー「きれいに刺さったんだろ」
アニ「なにが?」
ライナー「言葉の矢だ」
アニ「へえ」
アニ「…三人で動ける理由ができたんだ」
アニ「言ってしまった過去を嘆いても仕方ない。それより、この状況を活かしてミカサをなんとかする手立てを考えようよ」
ライナー「…」
ライナー「ああ、そうだな」
ライナー「ひとまずアルミンのとこに戻らねえと」
アニ「そら、いつまでも苦しんでないで行くよベルトルト」
ベルトルト「う、うぐっ…ぐうう」
-
- 36 : 2015/12/11(金) 01:38:11 :
-
アニ「お待たせ」
アルミン「あっち向いて…あっ、おかえりー」
ライナー「なにしてんだ」
エレン「お前らが話し込むから、暇になっちまってよ。にらめっこして時間潰してたんだ、30分くらい」
ライナー「30分ひたすらにらめっこを…?」
ベルトルト「長く待たせて本当ごめん…」
エレン「いいやいいんだ、これが結構白熱してさ!ミカサがすげー強えんだよ!」
アニ「へえ、ミカサが」
アルミン「エレンとミカサでもうかれこれ100試合くらいしてるよね」
ミカサ「今のところ私の全勝」
ベルトルト「エレン弱すぎない…?」
エレン「いつもの真顔でいるだけなのに、なんか笑っちゃうんだよなあ…くそっ、全勝はないだろ!」
ミカサ「ではもう一度勝負しよう。今度は私が負ける」
エレン「いやそれじゃ意味ないんだって…」
-
- 37 : 2015/12/11(金) 01:40:23 :
-
アルミン「それで、僕らに聞きたい事ってなんだったっけ?」
ベルトルト「ああうん。そう、ミカサが」
ミカサ「ええ」
ベルトルト「…ミカサ?」
ミカサ「ええ」
ベルトルト「ミカサ!?」
ライナー「総員退避ー!!!」グイッ
-
- 38 : 2015/12/11(金) 01:44:00 :
- ベルトルト「ぐえっ」
アニ「うっ」
ライナー「すまん急用ができた!またいつかな!」ダッ
アルミン「あっうんー」
エレン「おお、じゃーな」
エレン「…なんか慌ただしかったなあ」
ミカサ「ライナーとベルトルトに、アニ…一体何の用だったの?」
エレン「さあ…?」
アルミン「強いて言うなら…告白宣言…?」
ミカサ「…?」
-
- 39 : 2015/12/11(金) 13:13:19 :
- ーー私はミカサ。
エレンの家族、アルミンの親友。
アルミンは賢い…とても賢い。
早くも訓練生活に馴染んでいる。
体力的な面では少し心配だけど、座学は常にトップ。ひとりで十分やっていける。
けれど、エレンは私がいないとだめ。
エレン「うーん立体機動のコツがうまく掴めねえ…」
ミカサ「…エレン、放課後私が特訓してあげ
エレン「あっライナーだ!ライナー!」ダダダッ
ミカサ「…」
エレン「なあライナー!わりーんだけどさ、ちょっと相談があるんだ。いいか?」
ライナー「おういいぜ、どんと来い」
ミカサ「…」
-
- 40 : 2015/12/11(金) 13:15:42 :
- 私はミカサ。
エレンは私がいないと
エレン「うー、座学のこの問題わかんねえ…」
ミカサ「エレン、私が教えてあげ
エレン「あっライナー!」
ライナー「ようエレン。難しい顔してどうした」
エレン「座学でわかんねえとこあってさ…」
ライナー「どれ、見してみろ。俺でよけりゃ教えてやるぜ」
エレン「本当か!?」
ミカサ「…」
-
- 41 : 2015/12/11(金) 13:31:45 :
- いないと…
エレン「うわっと!?」ガッ、 ズテン!
エレン「うー…やべ、ヒザすりむいちまった…あーあズボンまで破けてら」
ミカサ「では私が医務室まで運ぼう」ヨッコラセ
エレン「は!?」
エレン「運ぶってなんだよ!?俺は荷物じゃねーぞ、担ぐな!下ろせ!!」
ミカサ「…」スゴスゴ
ライナー「なにもめてんだ。…あー、怪我したのか」ヨイセ
エレン「!?」
ミカサ「!!?」
ミカサ「(エレンを…お姫様だっこ…!?)」
エレン「ばっ、やめろよライナーまで!?自分で歩けるよ!」
ライナー「そしたら血が垂れて服汚しちまうだろ。いいから黙って医務室まで連れてかれてろ」
エレン「でも!」
ライナー「…んー」
ライナー「お前の為を思ってやってんだ、頼む。少しの間辛抱してくれないか」
エレン「…ラ、ライナー」
ライナー「それに破けたズボンなら俺があとで裁縫してやるよ」キラッ
エレン「」キュンッ
ミカサ「」キュンッ
ミカサ「!!(キュン…!?)」ハッ
-
- 42 : 2015/12/11(金) 13:35:09 :
-
ミカサ「(あぶない…敵の術中にかかるところだった)」
ミカサ「(…でもエレンは)」
エレン「ライナーってすごいよなあ。成績はトップクラスで、同期皆から頼りにされるくらい器もデカイんだぜ。あー、俺もああなりてえなぁー」
ミカサ「…(完全にOUT…)」
ミカサ「(敵は高度な技術を用い、至れり尽くせりでエレンを洗脳している)」
ミカサ「…ライナーは危険」
ミカサ「早急にライナーを攻略しなければ」
-
- 43 : 2015/12/11(金) 14:06:00 :
-
ミカサ「ひとまず、対抗するために何か役立つ知識を得よう」スタスタ
ミカサ「アルミンも言っていた。戦いにおいて情報収集は肝だと」スタスタ
ミカサ「というわけで図書館に到着。役に立ちそうな本を探す」
ミカサ「攻略…攻略…ライナー攻略…(良い資料はあるだろうか」ジ-
ミカサ「(小説…新聞…雑誌)」
ミカサ「(? 男子攻略マスター本?)」
ミカサ「(これだ!!)」バサッ
ミカサ「なになに…この本の通りに行動すれば、相手はイチコロ…(!」ペラッ
ミカサ「ライバルにギャフンと言わせることができるでしょう…(!!」ペラッ
ミカサ「…つまり、ライバル(ライナー)をギャフンと言わせてイチコロにできる…」
ミカサ「…ミカサ、がんばる」
ミカサ「それで、まずは何をすればいい?」ペラッ
-
- 44 : 2015/12/11(金) 14:16:19 :
- ーーこうしてライナー攻略作戦を実行し約半月…
ミカサ「(先程のように、最近ではライナーの方からアクションをかけるようになってきた)」
ミカサ「(これは良い兆候…)」
アルミン「なんだったんだろねー、ライナー達の用って」
エレン「まあ、必要があればまたそのうち尋ねてくるんじゃねーか?」
ミカサ「(今回、私が居ない間に再びエレンに近づこうとしていたのは抜かったけど…)」
ミカサ「(私がもっとアプローチして、ライナーの気を引けば大丈夫。以後再発させない)」
ミカサ「(ライナーがエレンに寄り付かなくなるまで…洗脳が解けるその日まで)」
ミカサ「待っててねエレン」
エレン「え?なにを?」
ミカサ「(そろそろ次の段階に移るとしよう…)」
エレン「なあミカサ、なんの話だ?俺アルミンと喋ってたからよく聞いてなかったんだけど…ミカサ?おーいミカサー」
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- 45 : 2015/12/11(金) 14:35:04 :
-
*急なプレゼントでドキッ❤︎とさせたあとは、彼をもっと意識させちゃおう!
*普段から熱い眼差しで彼を見つめ、目が合ったらすかさずピースやウインクでサイン!これで今以上にドキドキすること間違いなし!
ミカサ「ふむふむ」
ミカサ「ではやってみよう」
-
- 46 : 2015/12/11(金) 15:37:55 :
- ▼食堂、朝食の時間
ミカサ「…」ギンッ
ベルトルト「ね、ねえミカサが何かを睨み殺さんばかりの眼力でこちらを凝視してる気がするんだけど」
ライナー「奇遇だな俺もそう感じる」
アニ「その何かとはきっとライナーのことだろうね」
ベルトルト「ひい…」
アニ「あんたさあ、早く謝んなよ…」
ライナー「俺に心当たりはねえぞ!?」
アニ「あんな殺意持たせるだけのことをしたんじゃないの?ほら、見なよ」
ミカサ「もぐもぐ」ギギンッ
エレン「ミカサ、おーいミカサ。目が血走っててこえーんだけど」
アルミン「瞬きぐらいしなよ…充血してるよ…」
ライナー「…」
アニ「手と口を動かしてはいるけれど、目だけはあんたを睨みつけたまま…」
アニ「もう、あんたがよほどの恨みを買ったぐらいしかないでしょ」
ライナー「う、うーん。そこまで言われるとちょっと揺らぐ」
ベルトルト「でも今日は芋を持ってこないし、見てるだけだし…少し様子をみよう」
-
- 47 : 2015/12/11(金) 17:57:19 :
- ▼立体機動訓練
ライナー「よっと」パシュッ
ベルトルト「ラ、ライナー!10時の方向から超高速で何かが来てる!!」
ライナー「なに?」
…シュウウウッ
ミカサ「」バチッ
パシュッ、シュウウ…
ライナー「…」
ベルトルト「…今のは」
ライナー「…ミカサだな」
ベルトルト「え、バチッて、えっ」
-
- 48 : 2015/12/11(金) 18:10:34 :
-
ベルトルト「高速で目の前を横切ったと思ったらウインク!?ウインクするためだけに飛ばしてきたのか彼女は!?」
ベルトルト「確かミカサの班は僕らとは真逆の位置でスタートしてたよね!?追跡能力高すぎない!?」
ライナー「落ち着け!また来るぞ!」
…シュウウウッ
ミカサ「」ダブルピ-ス
パシュッ、シュウウ…
ベルトルト「…!?!!?!?」
ライナー「だ、だめだ…脳が考える事を放棄しようとしやがる…それぐらい難解だぜこいつぁ…」
アニ「この…っ待ちな!」パシュッ
ベルトルト「ア、アニ!」
アニ「はあ、はあ…ねえミカサの行方…知らない…?私同じ班なんだけど…あいつ、暴走して…っすぐ連れ戻さないと」ゼエハア
ライナー「あーもうすぐ現れると思うぞ、音的に。13時の方向」
アニ「本当…?削いでいい…?」ジャキッ
ベルトルト「早まっちゃだめ!!」
-
- 49 : 2015/12/14(月) 18:07:16 :
-
ライナー「…来たっ!!」
…シュウウウッ
ミカサ「…」シュウウッ
ミカサ「(ウインク、ピース……)」
ミカサ「(どうしよう。次にやるネタが思いつかない)」
ミカサ「(先ほどやったものと被るのはダメな気がする)」ウ-ン
ミカサ「(…とりあえず今の気持ちをジェスチャーすればいい?)」
ミカサ「(あの本にも書いてあった。自分の気持ちを伝えることは何より重要だと)」サッサッ ササッ
パシュッ、シュウウ…
ライナー「…」
-
- 50 : 2015/12/14(月) 18:16:05 :
-
ベルトルト「…立てた親指を首に向け、横へ掻き切るような仕草…」
アニ「くたばれ…もしくはあとで殺るからそこで待ってろ、かな」
ライナー「物騒すぎるにも程があるぞ!?」
ベルトルト「僕、ちびりそう」
アニ「…あとで生理用ナプキンやるから我慢しな」
ベルトルト「い、今の比喩だから!ジョークだから!」
アニ「あ、そうなの」
ベルトルト「うんごめんいらない気遣いさせて!」
アニ「そう」
アニ「でも一応何個か分けてあげ
ベルトルト「ままま間に合ってるから大丈夫!!」
アニ「そう」
ライナー「(間に合ってるってなんだ、自前のがあんのか)」
-
- 51 : 2015/12/14(月) 18:49:19 :
-
ライナー「なあ、もっと俺の心配もしてくれよ」
ベルトルト「あっ、ご、ごめん」
アニ「他人事だからぶっちゃけどうでもいい」
ライナー「コラ」
ベルトルト「ま、まあまあ」
ライナー「くっ、俺が一体何をしたって言うんだ…」
アニ「本当だよ。何したのさ」
ライナー「こっちが聞いてんだよ!」
ベルトルト「でも、ほら…ミカサなりの愛情表現かも」
ライナー「んな爆弾なんぞいらん!」
-
- 52 : 2015/12/14(月) 19:02:24 :
-
ミカサ「…」シュウウウッ
ミカサ「(私の今の気持ち…)」
ミカサ「無事に伝わっただろうか」
ミカサ「"喉が渇いた"」サッサッ ササッ
ミカサ「(念のため3回繰り返してジェスチャーしたけれど)」
ミカサ「…即興で考えたにしては良いジェスチャーだった、と思う」
ミカサ「ふふふ…」
キース「楽しんでいるところ悪いが、貴様には説教が待っている」ヒョコ
ミカサ「あっ」
ミカサ は キース教官 から
ゲンコツ を もらった ‼︎ ▼
ミカサ「いたい」ジンジン
-
- 53 : 2015/12/15(火) 11:50:11 :
-
ライナー「はー、やれやれ」スタスタ
ライナー「普通に立体機動訓練終えてきちまったけど、奇襲かけられたりしないだろうな…」
ミカサ「こんにちはライナー」
ライナー「おうっ!?」ビクッ
ミカサ「何?」
ライナー「い、いやちょうどお前のこと考えてたところに、角を曲がったら本人がいたもんだからな!はは、驚いたぜ!」
ミカサ「そう。奇遇」
ライナー「ああまったくだ!」
ライナー「…ところで、こんな所でつっ立って何してるんだ」
ミカサ「それは
キース『立体機動訓練のあのザマはなんだ!水の入ったバケツを両手にさげて、廊下に立っていろ!』
ミカサ「と言われて、今に至る」
ライナー「…そうか」
-
- 54 : 2015/12/18(金) 19:56:10 :
-
ライナー「…(ここ最近、コイツのおかげで気苦労が絶えないとはいえ…こんな典型的な罰喰らってるなんて…)」
ライナー「(なんか可哀そうになってきたな)」
ミカサ「…(なぜまだ居るのだろう)」
ライナー「ちょっと待ってろ」スタスタ
ミカサ「?」
ライナー「ただいま。もうバケツ離していいぞ」スタスタ
ミカサ「?…どういう風の吹き回し?」
ライナー「別になんてことはねえさ」
ミカサ「?」
ライナー「キース教官にお前の具合が悪そうだと報告した。それだけだ」
ミカサ「??」
ライナー「はは、教官とすれ違う時は演技しとけよ?じゃあな」
ミカサ「???????」
-
- 55 : 2015/12/22(火) 00:03:02 :
- ミカサ「…私は…とても元気。目の前にいるあなたの肉を削ぐことだって容易い」
ミカサ「なんなら今ここで証明してみせる」スッ
ライナー「ばっ、早まるな!!バケツで俺を削ぐ気か!?」
ミカサ「…わかった、ブレードを取ってこよう。3分欲しい」
ライナー「バケツじゃなけりゃいいって問題じゃねえ」
ライナー「ったく…誰が3分やるか!」
ミカサ「うーんなら1分…」
ライナー「短縮しても同じだ」
ミカサ「ならさんじゅうびょ
ライナー「もういい!訳を説明してやるから口を閉ざせ!」
-
- 56 : 2015/12/22(火) 00:07:12 :
-
ライナー「なあ、バケツ持って廊下に立ってるって恥ずかしくねえか」
ミカサ「いえ別に」
ライナー「だよな恥ずかしいよな。見てるこっちも居た堪れねえ」
ミカサ「あなたは誰と会話してるの?」
ライナー「だから俺はお前の具合が悪そうだとキース教官に報告し、それを聞いた教官はお前の身を案じて罰を中断させてくだすったんだ」
ミカサ「簡単に騙される教官…」
ライナー「そりゃ日頃の行いのおかげさ、腐ってもお互い立派な優等生サマだ。教官の信頼も厚い」
ライナー「今回その信頼を裏切った事は非常に残念だがな」
ミカサ「へーえー」
ライナー「(こいつ真面目に聞いてねえ)」
ミカサ「…ひとつおかしい点がある」
ライナー「なんだ」
-
- 57 : 2015/12/22(火) 00:24:52 :
-
ミカサ「あなたが私を庇ったところで、あなたに利益は何もない…むしろ、リスクしかない」
ライナー「そんな事はない。同期は大事な仲間だ」
ライナー「そしてお前もその一人だ」
ミカサ「…つまり」
ミカサ「私に好意がある?」
ライナー「は?」
ミカサ「そういうこと?」
ライナー「え、まあ…うん、そうだな…」
ライナー「…(仲間として)好意は持っていることになるな」
ミカサ「そう。ありがとう」
ライナー「お、おう」
ミカサ「じゃ」バシャ-!
ライナー「っ、おい!?」
ライナー「バケツを廊下に放り出すな!こぼれた水で俺の足元まで浸ってるじゃねーか!」
ミカサ「?…あなたは"バケツを離していい"と言った。だからその通りにしたまで」
ライナー「」
ミカサ「それじゃ」スタタ
ライナー「…」
ライナー「……はあ〜…本当仕方のねえやつだなぁ、バケツ片付けんのも忘れて…」
ライナー「…雑巾借りにいかねえとな」ビショビショ
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