この作品は執筆を終了しています。
未来の私へ
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- 1 : 2015/11/13(金) 22:19:25 :
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私はとても久々に家に帰り部屋の整理をしている。
机の引き出しを開けて中のものを全てだす。
1番下に手紙が入っていた。
誰からだろう…?
私に手紙をくれる人なんていなかったはずなのに。
そう思いながら開けてみる。
ガサガサ…
私は思わず微笑んだ。
その手紙はの差出人は「昔の私」だった。
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- 2 : 2015/11/14(土) 00:20:42 :
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未来の私へ
この手紙を読んでいる時、私は「クリスタ」?それとも「ヒストリア」?
気になるけどどっちでもいいや。
未来の私はなにをしているのかな?
まず生きているのかな?
明日から私は訓練兵団に入ります。
上位10番以内には入れないだろうと思います。
でも入っていてもいなくても調査兵団にはいってるんじゃないかな?
昔からの夢だったもんね。
外の世界を見てみたい。こんな私でもなにか役に立ちたい。
といっても今の「外の世界」は数年前までは壁の中だったんだけどね。
でも正直不安や心配はたくさんあります。
でも私に話せる人はいないので手紙に書こうと思います。
お母さんも私のことは嫌いだもんね…
少し悲しい。
自分に当てた手紙なら素直に自分の不安を打ち明けられるもんね。
私は自分に自信がありません。ずっと虐げられて生きてきたから。
本家の子に言われた言葉がずっと胸に残って消えません。
「あんたはいるだけで罪なのよ。あんたは生まれてきたらダメな存在なのよ。」
周りの人たちが同じようなことをいっているのを何度か聞きました。
その中には私の話をよく聞いてくれていたおばさんもいました。
その時から誰の言葉を信じればいいのかがわかりません。
昔から何度も色んな人に心を壊されてきました。
私は心を閉じがちになっています。
そんな私が集団にまじって生活していけるか…
苦しいけれど、今私にできることは
今を生きていきぬくこと…
この手紙を見ている私がどうか幸せでありますように…
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- 3 : 2015/11/14(土) 17:29:26 :
懐かしいな。そういえば、家を出る前にこんな手紙書いたな。
今の私はヒストリアだ。女王になっている。
この時には想像もつかなかった。こんな私になっているなんて。
私はずっと虐げられていた。
お前なんて産まれてこなければよかったんだ…!って。
訓練兵になった時から嫌われたくなくて、仲間が欲しくて、ずっといい子を演じていた。
でも、今思えばそんなことしなくてもよかったな、と思うよ。
素の私をだしたときにコニーが言った一言
「やっぱ、お前はそっちの方があってるな。今までのお前って確かにいい子ちゃんだったけど、どこか作り笑いみたいなところがあって正直気持ち悪かったからな。」
この言葉に少し救われた。
昔の私へ、ありがとう。
この手紙を書いていてくれて。
もし届くならば、あの時の私に伝えたいことがある。
自分は何で、何をするべきなのか。それは一瞬で出る答えではない。
答えを出すことを焦る必要なんてないよ。ゆっくり、ゆっくり見つけていけばいい。
荒れて、平穏が訪れることのなかった私の青春という海。
心という船は傷つけられてばかり。
大人の私でも傷ついて眠れなくなることはあるけれどそれは避けようのないことだ。
その時は何もかもが嫌になることがあるかもしれないけれど
自分を信じて進めばいいんだよ。
意味のない人生なんてないからなにも恐れなくていいんだ。信じることを忘れないで。
やっぱり不安になり、色々怖くなることもあるけれどまっすぐ自分を信じて歩いて。
いつでも悲しみは避けては通れない。悲しみに直面して自分がこなごなになることもある。
私もたくさんの悲しみに直面した。仲間の死、友人の死、信じていた人の裏切り…
数え上げたらキリがない。
でも過去ばかり振り返っていてもしようがない。
辛くても笑顔を見せて、この苦くて辛い、時には甘い良い事もある今を生きていこう。
『ありがとう、昔の私。初心を思い出させてくれて。』
心からそう思う。
届くはずのない言葉。どうやっても届かない言葉。
届くと信じて今、叫ぼう。
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- 4 : 2015/11/14(土) 17:29:44 :
〜fin〜
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- 5 : 2015/11/14(土) 17:30:51 :
- お疲れ様です。面白かったです!
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- 6 : 2015/11/14(土) 18:37:24 :
- 実際こんな感じだろうなと思ってしまうほど良かったです!
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