この作品は執筆を終了しています。
『さよなら』を言った日
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- 1 : 2015/11/08(日) 12:28:54 :
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エレクリ
死ネタ有り
亀更新
以上がOKな方のみお進みを…
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- 2 : 2015/11/08(日) 12:30:42 :
なにがなんだかわかんない…。
意味もなくふらふらと歩き回っている。
私はどこ?
本当の自分が見えない。
エレンを失ってからずっとこうだ。
私たち人類はあの日自由を手に入れた。
代償にエレンと人類最強、リヴァイ兵長の死をはらって…
人々は喜びにわきかえっていた。
でも私は永遠に「喜ぶ」という感情はわかない。
愛していたエレンが死んだ…
私には受け入れがたい事実。
でもみてしまった…
目の前で。
でもまだエレンが帰って来てくれるのを待っている自分がいる。
もう自分がわからない。
「クリスタ!!お前なんでこんなところにいるんだ!探したんだぞ!危ないから戻るぞ!」
誰かの声。
ユミル…
ユミル「バカか、お前。滑って落ちたらどうするんだ。いくぞ。」
言われて気がついた。
私は崖のそばを歩いていた。
それも今日は雨。
別に滑って落ちて死んでもよかった。
なんなら死にたかった…
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- 3 : 2015/11/08(日) 16:22:43 :
- 期待です
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- 4 : 2015/11/08(日) 20:29:51 :
- >>3
名無し様
コメありがとです!
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- 5 : 2015/11/08(日) 20:30:09 :
- 私はずっと立ったまま動かない。
地面を踏みしめる。
一歩歩く。
一歩あるくごとに私は振り返り足跡をみる。
雨だからすぐに消えてしまう。
怖い。
ただ怖い。
エレンとの記憶が、思い出が、みんなの中のエレンがこの足跡のように消えていってしまいそうで…
どれだけ強くつけようとも無残にも消えてしまう…
ユミル「クリスタ?なにしてるんだ。早くしないと本当に真っ暗になっちまう。」
ユミルは私にずっとついていてくれる。
ごめんね、ユミル。
こんな私に付き合わせちゃって。
この傷はなかなか癒えてくれない。
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- 6 : 2015/11/08(日) 21:12:37 :
…朝か。
途中でユミルにおぶられて部屋まで戻った。
そこからの記憶がない。
すぐ寝てしまったんだろう。
私はたまに記憶がないままなにかをしていることがある。
だから記憶がないと本当に怖い。
それから部屋に閉じこもることが多くなった。
窓をみる。
結露がついている。
寒くなったな。
キュッ…キュッ…
私は指先で文字を書く。
"I want to see you"
あなたに会いたい。
かじかんでいる指先で
夢を描いた。
二度と叶うことのない夢。
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- 7 : 2015/11/08(日) 22:00:41 :
- 期待です!
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- 8 : 2015/11/08(日) 22:20:24 :
- >>7様
コメありがとです!
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- 9 : 2015/11/08(日) 22:20:31 :
- なんで私はこうなっちゃったんだろう…
なんでこんなうじうじしだしちゃったんだろう。
私は本当の私を皆の前で出したことがない。
皆、本当の私に気づかない。
エレンを除いて。
私も本当の自分を出すのが怖かった。
ただただ嫌われない
良い子
を演じていた。
周りからの良い子評価に甘んじて
ありのままの弱さ
に向き合わずに逃げていた。
私には翔ぶことのできる翼はあるのに
翔べずにいるんだ
1人になるのが怖くて、辛くて
暖かな陽だまりにずっと座って
肩寄せていた。
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- 10 : 2015/11/08(日) 23:09:21 :
- "クリスタ!"
誰…ドアの開いた音なんてしなかったのに…
へ?
エレン「クリスタ!久しぶりだな。」
エレン?
ほっぺをつねってみる。
ギュー
痛い…
ほっぺをたたく
ペチ
やっぱり痛い…
エレン「あはは。やっぱりクリスタはかわいいな。」ナデナデ
クリスタ「ちょっ…ちょっとー///やめて…///」
エレン「やなこったー」ナデナデ
クリスタ「むー」プクー
「でも、どうしてここにいるの?」
エレン「いや、な。お前があまりにも元気がなかったから、ちょっとあおうとおもってな。」
クリスタ「私のこと見ててくれたの…」
エレン「あぁ。」
「でも、俺がこの世界にいれるのはあと5分。短時間だけ許されているんだ。」
クリスタ「そんな…
私はエレンがいないと生きていけない!
生きていく意味がない!」
エレン「意味ならあるさ。
お前を必要としている人はたくさんいる。
お前はそれの答えを焦って当てのない真っ暗闇に自分を探しているんだ。」
「でも、答えはここにあるじゃないか。
俺がお前には生きていて欲しい。
それに、お前の大切なチャームポイントの笑顔も
誰かを思う涙もここにある。
焦って探すまでもなく答えはここにあるじゃないか。
それで自分を見失うな。」
クリスタ「エレン…」
エレン「そろそろいかなきゃ」
クリスタ「え!ちょっとまってよ!まだいかないで!まだ話したい!一緒にいたいよ!」
エレン「ごめんよ。先に逝っちまって。
俺は向こうでまってるから。
ゆっくりこっちに来い。
ゆっくりだぞ。
早く来たら許さねぇぞ。
幸せになった、って報告まってる。」
クリスタ「うん…わかった。ゆっくり…ゆっくりいくから。
それまでまっててね?」
エレン「なにがあろうとまってるさ。じゃあな」
エレンは消えていった。
私、絶対に幸せになるから!
ゆっくりいくからね。
私がお婆さんになっても見つけてよね。
見つけなかったら怒るんだから!
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- 11 : 2015/11/08(日) 23:19:58 :
- ……………
…………
………
……
…
パチ…
ん…
あれ?
なんだ、さっきのは夢だったんだ…
ん?なにか手に握っている。
紙。
ガサガサ…
" " " " " "
Never give up!
The happiness surely comes!
" " " " " "
諦めるな。
幸せはきっと訪れるから。
諦めない!
ありがとう!
私は弱さと向き合う強さを手に入れて、初めてちゃんと前へ進むよ。
ちゃんと夢へ進むよ。
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- 12 : 2015/11/09(月) 00:35:57 :
- 期待してます頑張ってください
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- 13 : 2015/11/09(月) 01:49:44 :
- 私だって永遠なんて無いことくらいわかっていた。
でも1人になる時を想像しなくなくて気づいていないふりをしていた。
でも今、やっと永遠なんて無いことと向き合えた。
だからこそ今から、今までの笑あったあの日も、喧嘩したあの日も、すべて強く胸に刻んでいく。
久しぶりの朝日。
眩しい。
この空のどこかにエレンはいるのかな…
いると信じよう。
「絶対私も生きていくからねーーーー!!!!」
声をあげて叫ぶ。
届いたかな?
私たちは違う道を選んで歩んでいるだけで、ちゃんと心は隣同士にあるもんね。
ユミル「おい!クリスタ。なにがあった⁉︎いきなり叫んで。」
ユミルが走ってくる。
私の気がちがったとでも思ったのだろう。
クリスタ「ごめんね。心配かけて。私、ちゃんと前を向いて歩くから。」
ユミル「よかった。ちゃんとしたクリスタに戻ってる…」
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- 14 : 2015/11/09(月) 01:51:30 :
- ザァァァ…
ザァァァ…
エレンのお墓はここにある。
海のそば。
エレンがあんなに見たがっていた海。
なのにエレンは海を見ずに死んじゃったもんね。
だから、せめてお墓くらいは海の側がいいよね。
他にもここにはたくさんの人のお墓がある。
これだけ皆がいればさみしくないよね?
「エレン、さようなら。本当に今までありがとう。」
やっと言えた。
涙が零れる。
でももう会えないからの『さようなら』じゃない。
『さようなら』というと何もかもが終わってなくなってしまうと思っていた。
でも、私は気づいたんだ。
『さようなら』は悲しい言葉なんかじゃない。
これからの人生の一歩を踏み出すための一言。
これを言えたらなんだか変わった気がした。
強く…なれた、見たいな感じ?
エレンと私は今、別々の道を歩いている。
でも、私たちには同じ、分かち合う言葉がある。
『愛している』
だから、たとえ違った道を歩いていたとしても途絶えはしないこの思いを胸にして進み、飛び立つよ。
次の、新しい空へ。
〜fin〜
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- 15 : 2015/11/09(月) 01:53:25 :
- 結構思ってたより短編になったんですぐ終わりました。
見てくださった方、ありがとうございます
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- 16 : 2015/11/09(月) 01:56:52 :
- >>12様
遅くなりましたがコメありがとです!
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- 17 : 2015/11/09(月) 08:00:45 :
- 凄い良かったよ!!
こう言うSS中々みないからね!
これからも書くのを頑張ってください!
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- 18 : 2015/11/09(月) 17:06:38 :
- >>17様
あたしこういう感じのssしか書けないんです…
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- 19 : 2015/11/09(月) 17:06:52 :
- それと、ありがとうございます!
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- 20 : 2015/11/09(月) 23:00:50 :
- 感動しました!
文章書くのうまいですね。尊敬します。
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- 21 : 2015/11/09(月) 23:42:56 :
- >>20
いっかくじゅう様
ありがとうございます!
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