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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

モノクマ「苗木クン、目が覚めたかい?」苗木「ボクは…生きてるのか?」

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  1. 1 : : 2013/12/03(火) 00:54:26
    *注意*

    初ss
    ダンガンロンパchapter5ネタバレを含みます
    希望に満ちた苗木はいない

    …それでもオマエラ読むのかい?
  2. 2 : : 2013/12/03(火) 01:00:51
    モノクマ「そうそう!戦刃むくろを殺したクロである苗木クンをプレス機でぺちゃんこにしようとしたら、あろうことか死んだエキストラの邪魔が入っちまったのです…」ショボン

    苗木「そうか…アルターエゴが助けてくれたんだな。それにモノクマ!ボクは誰も殺してないぞ!!」

    モノクマ「うぷぷ…どうかしらねぇ…。その証拠がキミにはあるのかい?」

    苗木「ぐっ…」
  3. 3 : : 2013/12/03(火) 01:12:11
    苗木(確かにボクは、昨日の夜の記憶が曖昧で…それにあの覆面…)

    苗木「……………」

    モノクマ「ありゃりゃ?自信なくなっちゃったの?」

    苗木「…違う」

    モノクマ「はい?」

    苗木「ボクはやっぱり誰も殺してない。それはボク自身が誰よりも知ってる」

    モノクマ「きゃーっ!そんなのが根拠になると思っちゃってる訳ぇ!苗木クン甘いよ!ハチミツより甘いよ!」

    苗木「…それに霧切さん……」

    モノクマ「はい?」

    苗木「霧切さんならボクが無実であることを証明してくれるはずだ…」

    モノクマ「……………苗木クン、忘れちゃったの?キミを犯人に仕立て上げた張本人こそ霧切さんじゃないか」

    苗木「それは違うよ!」
  4. 4 : : 2013/12/03(火) 01:24:56
    苗木「霧切さんはあのとき嘘をついていた。あんなに冷静な彼女が嘘をつくなんて…きっと、ボクを殺してでも守りたいものがあったんだよ」

    モノクマ「でもそれって苗木クンの推測でしょ?」

    苗木「それにモノクマ。お前が『タイムアップ』を宣言したのはボクが疑われ始めたときだった。そのとき霧切さんはお前に反論したんだ。もし彼女がボクをクロだと思っているんなら、反論なんてしないはずなんだよ」

    モノクマ「……………」

    苗木「これが霧切さんがボクをクロだと思ってない証拠だ!」ロンパ!

    モノクマ「……………」

    苗木「黙ってないでなんとか言えよ!」

    モノクマ「長い」

    苗木「えっ?」

    モノクマ「苗木クン長いよ!そんな分かり切ってることダラダラ並べたって、誰も楽しんでくれないだろ!!」

    苗木「何言ってるんだよ!!」
  5. 5 : : 2013/12/03(火) 01:46:32
    モノクマ「えー、そんなわけで絶望的に長い前振りをぶっ飛ばす勢いでサクッと始めちゃいましょう!」

    苗木「始めるって…何をだよ…?」

    モノクマ「んもぅ、分かってるんでしょう?おきおきだよお・し・お・き!!」

    苗木「!?…ふざけるな!ボクは殺してないって言ってるだろ!」

    モノクマ「それぐらい知ってるよ!いくら残念な姉ちゃんだからってパンピーな苗木クンに殺されたりしないことぐらいはボクだって分かるよ!」

    苗木(さっきから訳が分からないことばかり言っている…でも……)

    苗木「今、認めたんだな。ボクが誰も殺してない事を…」

    モノクマ「うーん…いささか複雑な気持ちではありますがこうでもしないとお話が進まないのですよ…ストーリーテラーも楽じゃないね」シュン

    苗木「…とにかく、それならボクを罰するのは校則違反なはずだぞ」

    モノクマ「…うぷぷぷぷ」

    苗木「?」

    モノクマ「ぶひゃひゃひゃひゃ!苗木クンおっかしーぃ!よく見てみなよ、この部屋を!!」

    苗木(部屋を見てみろって…。…殺風景で狭くて暗い。目につくものは学園に配備されているモニターぐらいだ…ん?)

    苗木「………監視カメラがない!?」

    モノクマ「その通り!ここには苗木クンの様子を外に伝えるための監視カメラがありません!つまり無法地帯ってわけですよ!」

    苗木「くそっ…汚いぞモノクマ!」

    モノクマ「失敬な!むしろさっきまでゴミ捨て場にボロ雑巾のように横たわっていたキミのほうこそ不潔じゃない!?」
  6. 6 : : 2013/12/03(火) 01:57:11
    モノクマ「ま、誰も見てないからってキミを殺したい放題するわけじゃないから安心していいよ…」

    苗木「じゃあ…お前はボクに何をしようとしてるんだ…?」

    モノクマ「うぷぷ…それはね…『死よりも辛い絶望』を味あわせたいんだよぉ!!」

    苗木「死よりも辛い…絶望?」

    モノクマ「百聞は一見にしかず!これを見よっ!」ポチッ

    苗木(そう言ってモノクマはどこからか取り出したスイッチを押した。壁のモニターの画面がパッと明るくなる。そしてそこに映っていたのは霧切さんと…)

    苗木「ボク…?」

    モノクマ「うぷぷぷぷ…その通りだよ苗木クン!」

    苗木(…間違いない。トラッシュルームを背景に映っていたのは、霧切さんとボクだった…)
  7. 8 : : 2013/12/03(火) 02:12:41
    モノクマ「カワイイと評判の苗木クンがもう一人!なんという胸アツ展開!」ドキドキ

    苗木「…どういうことなんだよ…説明しろよモノクマ…!」

    モノクマ「はいはい落ち着いてね。セリフがどこぞのかませメガネみたいになってるから」

    モノクマ「さて、モニターの向こうに映っているもう一人の苗木クンはな、なんと!不二咲クンが作った苗木クンのアルターエゴを搭載したクローンなのです!」ハアハア

    苗木(ボクの…アルターエゴ…?)

    モノクマ「死より辛い絶望とはすなわち、生きながらに存在を忘れられること…そんな生き地獄へ苗木クンをお連れします!」

    “超高校級の幸運”苗木誠おしおき
    マジックチェンジショー!

    モノクマ「そいじゃ、ボクは体育館にスタンバっとかないといけないのでちょっと待っててねぇ~!」シュポン

    苗木「……………」

    苗木(監視カメラの映像はボクと霧切さんを追うように切り替わっていく。ボクはこの異常な光景に目を見張るより他なかった…)
  8. 9 : : 2013/12/04(水) 01:21:22
    苗木(どうやらボクの偽物と霧切さんは体育館に向かっているらしい。…しばらく無言で歩いていた霧切さんが、不意に振り返ってボクの偽物の方を見る)

    霧切『苗木君。何度も同じことを訊くようで申し訳ないけれど…』

    苗木(?)『どうしたの?霧切さん』

    苗木(偽物のボクが霧切さんをじっと見つめる。霧切さんはそんな様子を見て、うつむき加減に話はじめた)

    霧切『私は戦刃むくろ殺しの学級裁判中…どうすれば生き延びることが出来るのかずっと考えていたの』

    霧切『別に自慢できることではないけれど、私は自分の身に降りかかる災いを何となく予感できる。「死神の足音が聞こえる」なんていうのだけどね』

    霧切『でも…今回はそれが少しも感じられなかった。おかしいと思うでしょう?あなたと私だけにアリバイがない状況なのに、自分の死を微塵も予感してないなんて』

    苗木(霧切さんはいつものように淡々と語っている。でも…いつもの霧切さんらしくない。自信なさげでしおらしい声だ)

    霧切『私は自分の能力を過信しすぎていたのね。裁判中に自分は絶対、黒幕の尻尾を掴めると』

    霧切『でも…私は結局、黒幕の正体にたどり着くこともできず、苦し紛れのウソを庇ってくれたあなたを見殺しにしようとした…』

    霧切『ねえ苗木君、正直に答えて。あなたは本当に私のことを恨んでないの?憎んでないの?』

    苗木(喉の奥から絞り出したような声。霧切さんの綺麗な瞳がじっと僕の偽物に注がれていた)

    苗木「霧切さん…ボクは……」

    苗木(?)『霧切さん…ボクは……』
  9. 10 : : 2013/12/04(水) 01:44:08
    苗木(?)『ボクは怒ってない。それは本当だよ。むしろ、ボクが霧切さんの矛盾を見逃したからこそ君を助けられた…そんな風に考えてたかな』

    霧切『……………』

    苗木(?)『そりゃ、怖いって気持ちでいっぱいだったよ。でも、それ以上に霧切さんとの絆を守れたんだ。我ながらなかなかの男前だ!…なんて思っちゃったりしてね』アハハ

    苗木「…っ!」

    苗木(ボクは絶句した…。あの偽物が語った言葉はボクの意志と同じ…いや、ボクの意志よりもずっと美化されたものだった)

    霧切『…………………よ…』

    苗木(?)『霧切さん?』

    霧切『苗木君のくせに…生意気よ…』ポロポロ

    苗木(泣いていた。あの霧切さんが泣いている。チークを入れたように僅かに頬が染まっていた。枯れそうな声が途切れ途切れに聞こえてくる)

    霧切『あなたがアルターエゴに助けられたとき…私、心の中で安堵していた。失いそうになって初めて気がついたの…あなたが、私の思っているより遥かに尊くて大切な存在だったことに……』

    苗木「霧切さん………」

    苗木(彼女の姿がふと、あの日の舞園さんと重なる。ボクが守ると誓ったのに、守れなかった舞園さんに……)

    苗木「霧切さん…!」

    苗木(霧切さんを抱き寄せてあげたい。あの日の舞園さんのように…)

    苗木(ボクはモニターに向かって思わず手を伸ばした。だけど…霧切さんを抱きしめるのはボクじゃない)

    苗木(?)『大丈夫だよ。キミはボクが守る。…守ってみせる』ギュッ

    霧切『苗木君…!!』
  10. 11 : : 2013/12/04(水) 02:06:09
    モノクマ「どうだった?自分がラブコメしてる様子を第三者目線で鑑賞するのは?」

    苗木「……………」

    苗木(あれから…霧切さんと偽物のボクはモノクマに最後の決戦を申し込んだ。戦刃むくろを殺した真犯人を突き止め、この学園の謎を解き明かす、最後の学級裁判を……)

    モノクマ「ちょっと、聞いてる?」

    苗木「…ああ、聞いてるよ。とても胸糞悪い気持ちだ」

    モノクマ「おやおや。お人好しの塊みたいなキミにもそんな感情があるなんてねぇ…いい加減化けの皮が剥がれてきちゃった?」

    苗木「そんなわけ…ないだろ」

    苗木「ボクは決めてるだけだ。恨むのも憎むのも、ずっとお前だけだって…」

    モノクマ「…キミの思想には呆れを通り越して感心するよ」トテトテ

    モノクマ「キミを絶望させるのはちっとばかし骨が折れそうだね。…よーし!こうなったら奥の手だ!!」

    葉隠『んん?苗木っち、なんか臭うべ!』

    朝日奈『ホントだ!苗木から洗ってない犬の臭いがするよ!』

    腐川『あっち行きなさい!シッシッ!』

    苗木(?)『あ…あはは…』

    苗木(画面の向こうでボクの偽物が、大切な仲間たちに囲まれて、笑っているのが見えた)

    苗木(どうして?本当ならあそこで笑っているのはボクなのに。あんな偽物じゃないのに…!)

    苗木(悔しさ?憎悪?絶望?嫉妬?…分からない)

    苗木(この吐き気のような気持ちはなんなんだ…?)
  11. 12 : : 2013/12/04(水) 02:21:10
    モノクマ「会わせてあげるよ。キミの偽物…苗木クンならぬ“苗偽クン”にね!」

    苗木「苗…偽……」

    モノクマ「よっと。苗偽クンを無線で呼んであげるよ」ポチッ

    苗偽『…ボク、捜査を始める前にシャワーを浴びてきていいかな?みんなが言うとおり、ひどい臭いだしさ』

    朝日奈『うん、それがいいよ!気分リフレッシュしたいもんね!』

    葉隠『こっちは俺らに任せて、苗木っちはシャワーしてくるといいべ!』

    苗偽『朝日奈さん、葉隠クン。ありがとう。それじゃあちょっと失礼させてもらうね』スッ

    苗木(にっこりと愛想良く笑う苗偽…そいつはボクの部屋に入り込み、シャワールームへの扉を開けた)

    モノクマ「うぷぷ、シャワールームには監視カメラがないんで、ここまで来るルートをちゃっちゃと作っちゃいました!」

    苗木(偽物が扉を閉める…と、ほぼ同時に、後ろのドアが開け放たれた)

    苗偽「こんにちは、本物さん…」
  12. 13 : : 2013/12/04(水) 19:57:36
    支援
  13. 14 : : 2013/12/04(水) 21:35:38
    苗偽「ボクの名前は苗偽誠だ。ごらんの通り何の特徴もない、至って普通の高校生。取り柄と言えば人より少しだけ前向きな事かな?」ニコ

    苗木「……………」

    苗偽「どうしたの苗木クン?…ってわぁ!?」

    苗木(ボクは目の前の偽物に殴りかかった。それを苗偽は間一髪でかわし、ドテンと尻もちをつく)

    苗偽「ふう…ギリギリ避けられたよ、幸運だね」ニコニコ

    苗木「ふざけるな!ふざけるなよ、偽物のクセに…!」

    苗偽「…えっと、言いたいことがよく分からないんだけど……」

    苗木「そんな風にボクのフリをして仲間たちを騙して…許さないぞ偽物!!」

    苗偽「………は?」

    バチン!

    苗木「うっ…!」

    苗偽「立ちなよ。ひ弱なボクのストレートなんて大したダメージじゃないだろ?」

    苗木(そう言ってそいつはボクを見下ろす。嫌悪に下卑、侮蔑、失望…。黒い感情を露わにするボクの偽物を見て、ボクはただ、『ボクが人を蔑むときはこんな顔をするのか』と他人事のような分析をしていた)
  14. 15 : : 2013/12/04(水) 22:13:48
    苗偽「本物?偽物?それはボクらが決める事じゃない。彼らがボクを『本物』と言えばボクが『苗木誠』だ。お前の方こそ偽物になる」

    苗偽「許さざるべきはボクじゃなくて彼らだろ?」

    苗偽「ボクみたいな偽物に気付かない、愚かな彼らだよ……」

    苗木(偽物から腐った臭いがしているような気がする。もちろんゴミの悪臭じゃなくて、その言葉からにじみ出る偽物の内面…)

    苗木(なんて言うかこう…終わったヤツ独特の臭いだ)

    苗偽「ま、超高校級の彼らをゴミクズみたいなボクが否定する権利なんてないんだけどね」

    苗木「それは…違うよ」

    苗偽「はぁ…、大丈夫?キミ、本気で自分が彼らに胸を張れるぐらい立派な人間に成長したと思ってるの?」

    苗木「…彼らは愚かじゃない。霧切さん、十神クン、朝日奈さん、葉隠クン、腐川さん……、みんなボクの大切な仲間だ」

    苗木「彼らを愚かだなんて言うボクなんてボクじゃない!」

    苗木「そう言って彼らを嘲るお前は、ボクの姿を借りた偽物でしかないんだ!!」
  15. 16 : : 2013/12/04(水) 22:29:30
    苗偽「…あぁ……本物はやっぱり格好いいな…」

    苗偽「ボクを偽物だと決める権利…本物のキミだけが持てる希望…本物である希望…」

    苗偽「ずるいなぁ。ずるいなぁ。ボクも欲しいよ」

    苗木「…悪いけどこれだけは譲れない。お前がボクの姿と声、言葉を借りているうちは、お前は偽物にしかなれないんだよ」

    モノクマ(うぷぷ…すっかりボクの存在も忘れて、自分だけの世界に浸っちゃってるなぁ)

    モノクマ(苗木クンは気付いてないのかな?)

    モノクマ(偽物である苗偽クンを咎めるほど、キミ自身が偽物に近づいていることに…)

    モノクマ(キミのブラックボックス、ゆっくりじっくり見せてもらっちゃおうかな!こいつは見ものだぜぇ…)

    苗偽「…じゃあ、ボクはキミを殺せばなれるのかな?本物の『苗木誠』に…」
  16. 18 : : 2013/12/04(水) 22:54:02
    苗木「なにっ…!?」

    苗偽「幸運なことに、ボクは人の首を絞めれるロープを持っている。心臓を貫けるナイフを持っている。頭を砕けるハンマーを持っている」

    苗木「それでボクを殺す気か!?」

    苗偽「でも、まだ足りない…キミの心をえぐる言霊が足りない…真実が足りない…絶望が足りない…」


    ゴトン


    苗木(ボクのそばに、偽物が言っていた凶器…ロープ、ナイフ、ハンマーが転がる)

    苗偽「キミをボクが殺しても、ボクは本物になれない。偽物としての劣等感が膨らむだけだ」

    苗偽「ボクが本物になるためにはキミに『苗木誠』を辞めてもらうより他ない。…だからそれは自殺用にどうぞ」

    苗偽「見せてあげるよ。自ら命を絶ちたくなるぐらいに絶望的な絶望を…」

    苗偽「あはっ、あはははははっ!!」

    苗木「ボクは絶対に自殺なんてしないぞ…!」

    モノクマ(ありゃ、これまた急展開だね。まあボクがいる限り、苗木クンが自殺なんて考えられないけど)

    モノクマ(苗木クンは生きたまま絶望させて私様の玩具になってもらわねば困るからのぉ…うぷぷぷぷぷ……)
  17. 19 : : 2013/12/04(水) 23:27:02
    オチだこんなに気になるとは······支援です
  18. 20 : : 2013/12/05(木) 01:53:02
    苗木(ボクの偽物はこの部屋から出て行った。今思えば、あいつが出入りしてるのはボクの部屋のシャワールームだから、あいつについていけばボクはこの状況から脱出できたんだけれど)

    苗木(それを…なぜかボク自身が許さなかった。あいつの言う『絶望』を乗り切らない限り、何度でもここに帰ってきてしまう気がして…)

    モノクマ「バカだなぁ。あんな勝負、真っ向から受けちゃうなんて。そう思わせる事こそ苗偽クンの策略だよ」

    苗木「!?」

    モノクマ「『何で考えてる事が分かったんだ』って言うんだろ?…ボクってエスパーですから!」

    苗木「止めろ」

    モノクマ「やーん、苗木クンコワーイ!殺る気ビンビンですなー!!」

    苗木「茶化さないでくれ…どうにかなりそうだ…」

    モノクマ「んん~?苗偽クンに何をされるまでもなく限界モードだね、苦しむ前に早めに逝っといたら?」

    苗木「……………」ギロッ

    モノクマ「はいはい、黙っとくよ」

    モノクマ(あーあ。目つきもずいぶんすさんじゃって、苗木クン犯罪者予備軍かよって感じ)

    モノクマ(苗木クン、キミがあの偽物の言葉にイライラする理由は分かってんのかしら)

    モノクマ(キミってやつはこの監禁状態になってから、やたら絶望に過敏反応しちゃって、絶望はぜーんぶ敵だと思いこんじゃって…)

    モノクマ(結果、心の一部の『自分の絶望』すらストレスとして捉えてしまってる)

    モノクマ(具現化した自分の絶望の姿を見て、そのイライラもマックス!!)

    モノクマ(知らぬ間に強い希望の光で色を濃くしたの絶望の影に浸食されていっちゃってるのさ…)


    =情報処理室=


    私様「絶望が絶望を呼ぶ絶望的な絶望スパイラル…ああっ!なんて絶望的っ!!」

    私様「苗木ぃ…あんた最高よ!希望の光こそが絶望の媒介…希望がついえない限り絶望は増え続ける…」

    私様「希望発見器のフリをした絶望育成器!!…後は苗偽がそれを完成させてくれるのを待つだけ…うぷぷ…うぷぷぷぷぷ……」
  19. 21 : : 2013/12/05(木) 02:11:15
    苗木「なんだこれ…ひどい…」

    苗木(希望ヶ峰学園の寄宿舎2階は、爆撃でも受けたかのようにコンクリートが砕けて散らばっていた…)

    モノクマ「ちなみに2階には監視カメラはありませんがご心配なく!苗偽クンの瞳にはあらかじめカメラを仕込んでるから、彼目線の映像がリアルタイムでお届けされるよ!」

    苗木「いや、それよりも…!!」


    =学園長の書斎=


    苗偽「あ、霧切さん!」

    霧切「苗木君。シャワーはもういいの?」

    苗偽「貴重な操作の時間はあまり無駄にできないよ」

    苗木(霧切さん…っ)

    苗木(ボク目線のカメラだからだろうか、彼女の声がカメラを通して聞いたとは思えないほどクリアだ)

    苗偽「霧切さん、何か手がかりらしいモノはあった?」

    霧切「この壁の向こうに、大きな空間が広がっていると思うんだけれど…肝心のパスワードが分からなくて立ち往生していたの」

    苗偽「パスワードは多分ーー…」

    霧切「何か心当たりがあるの?」

    苗偽「霧切さんの名前…」

    霧切「…あなたが試してみれば?どうせ外れだと思うけど…」

    ピピーッ!!

    霧切「…………」
  20. 22 : : 2013/12/05(木) 17:37:13

    =隠し部屋=


    霧切「こんなの…最低よ。私から何もかも、忘れる機会すら奪って…本当に最低な父親」

    苗偽「…ボクみたいな他人が言えることじゃないかもしれないけど、やっぱりお父さんは霧切さんのことを…」

    霧切「慰めなら無用よ」

    苗木(楽しげな包装のプレゼントボックスに納められた遺骨。希望ヶ峰学園長…霧切さんのお父さん…)

    苗木(画面の向こうの偽物はずいぶん女々しい悲鳴をあげたりしてたけど…ボクは声も出せなかった)

    苗木(霧切さんを想うと声が出なかった…)

    苗木「あっ…」

    苗木(薄暗い隠し部屋。その奥に据え付けてある戸棚の上に置かれた写真立て。…幼い頃の霧切さんが笑っている…)

    モノクマ「苗木クーン!大丈夫?なんかセンチメンタルじゃね!?」

    苗木「……………」

    モノクマ「…ダメか」ショボン

    モノクマ(『本物』に執着し続けてる今のキミ、最高に絶望的だけどね!)
  21. 23 : : 2013/12/06(金) 01:21:01
    霧切「苗木君。悪いけど、しばらく一人にさせてくれないかしら」

    苗偽「霧切さん…」

    霧切「ごめんなさい。だけど、少し考える時間が欲しいの」

    苗偽「…でも、誰かが殺しに来るかもしれないよ。ここには監視カメラもないし、もしかしたら黒幕が…」

    霧切「大丈夫よ。私たちのなかにはもう、コロシアイを企む人はいないわ。それに、最後の学級裁判は黒幕もフェアに臨んでくる。…もう人は死なないの」

    苗偽「でも、そんなの罠かもしれないし…」

    霧切「罠でも私は戦う。もう、誰一人と殺させない」

    苗偽「分かったよ…でも何かあったらすぐに知らせてね。そのときは…ボクが守るから」

    霧切「…苗木君のクセに生意気よ」

    苗木(そういってクスリと笑みを浮かべた。無表情だった彼女がこうやって笑っている。なんだか新鮮な光景だ)
  22. 24 : : 2013/12/06(金) 01:44:02
    面白いです。期待です^ ^
  23. 26 : : 2013/12/07(土) 00:59:24
    苗偽「あ、霧切さんが笑った!…可愛いね」

    霧切「!?///な…何を言っているの苗木くん?」

    苗偽「…もしかして動揺した?」ニヤニヤ

    霧切「してないわ!早く出て行って!!」///

    苗木(ホントだ…霧切さん、あんなに動揺してる)

    苗木(ボクがからかおうとしたときは、むしろ、からかい返すぐらい余裕があったはずなのに…)

    モノクマ「こうして見てると、ずいぶんとお似合いのカップルじゃあありませんか!」

    モノクマ「うぷぷ…やっぱりキミの方こそ偽物なんじゃない?むしろそうだった方が幸せじゃない?」

    苗木「何だと…!」

    モノクマ「だって苗偽クン、霧切さん口説くのずいぶん巧いじゃん。それこそキミとは天と地ほどの差…むぎゅう!」

    苗木(ボクは『この状況でモノクマはボクを殺しにはこないだろう』という勝手な推論を立てて、モノクマに肘打ちを食らわせておいた)

    モノクマ「ちょっと、学園長への暴力は校則違反だよー!!…と言いたいところですが、ここであえてボクは口を閉ざします」

    モノクマ「もうじき”お楽しみ“が始まる時間だからねぇ…」

    苗木「お楽しみ…?」

    苗木(”お楽しみ“という言葉に恐怖を覚えてしまうのはなぜだろう…)

    苗木(…そんなの決まってる。モノクマの楽しみがまともな訳がない)

    苗木(ボクは背筋に若干の寒さを覚えてモニターに視線を戻したが…)

    苗木「あれ…?」

    苗木(画面が真っ暗だ。偽物は目を閉じているのか?)
  24. 27 : : 2013/12/07(土) 12:02:49
    苗偽「霧切さん…あれだけかっこつけたあとで申し訳ないけど、ボクは正直、怖い」

    苗偽「でも『何かあったら守る』っていうのは本当だよ。だから信じて」

    苗偽「ボクがキミを守る。…絶対だ」

    霧切「『信じて』なんて言われるまでもないわね」

    霧切「あなたは私を命を懸けて守ってくれた。…だから、今度は私の番」

    霧切「もうあなたを見捨てない。なにがあっても、あなたを生きて帰すためなら、私はそれに命を懸ける」

    苗偽「霧切さん…、ありがとう」

    苗木「くそっ…」

    苗木(何でなんだ…どうして…?)

    苗木(そのやり取りはボクと霧切さんだけのモノなのに…なのに何で?あんなに偽物がそのやり取りを悠々としているんだ…!!)

    苗偽「霧切さん…キミと出会えた幸運に、ボクは心から感謝してるよ」

    苗木(違う。こんな受け答えができる時点で本物な訳がない…!)

    苗偽「だから霧切さん…」


    ドンッ


    苗木(小さな衝撃のような音を聞いた)

    霧切「苗…木…君…?」

    苗木(霧切さんの途切れ途切れの声を聞いた)

    苗木(そして偽物の声)

    苗偽「キミはボクと出会ってしまった不運を呪いながら…死んでよ」

    苗木(モニターの映像が明るくなる)

    苗木(そこには…ソ…コ…ニ…ハ………)

    苗木「うわあああああぁぁぁっ!!!」

    モノクマ「エクストリーム!!これこそまさに絶望だね!!!」

    霧切「苗木君…いえ…あなたは…誰…なの……?」

    苗偽「ひどいなぁ霧切さん!ボクたちずっと協力してきた仲間じゃないか!」

    苗偽「僕の名前は…『苗木誠』だ」

    苗偽「どうかその名前を忘れないで…」

    苗偽「キミを殺した男の名前をね!!!あはははははははははははははは!!!!」

    苗木(偽物の高笑いが響き渡る)

    苗木「霧切さんっ!!!!!」

    苗木(そこは…ナイフで刺された霧切さんの腹部から流れ落ちる血で、もはや地獄絵図へと変貌していた…!)
  25. 28 : : 2013/12/07(土) 13:57:29
    霧切「違う…!あなたが…こんな事するは…ずが…ない…!」

    苗偽「『どうして?』じゃなくて『違う』なんだね…。悲しいよ」

    苗偽「まるでボク自身を否定された気分だ」

    苗木(限界だった)

    苗木「ふざけるなっ!!何が『ボク自身』だ…!偽物のクセに…まがい物のクセに…!!」

    苗木(思わずモニターに向かって怒鳴る。悔しさと怒りと…舞園さんが殺されたときのような、あの濃い絶望…)

    霧切「嘘よ…私は知ってる…あなたが…優しい人だってこと…」

    苗偽「……………」

    霧切「誰よりもひたむきで、正直者で…だからみんな、あんなに心を…許してくれてるのよ……」

    苗偽「…なんだよキミ…気持ち悪い…」ボソッ

    霧切「?…何か言った…?」

    苗偽「ううん、何でもない」ニコ

    苗木(霧切さんの言葉を聞いて…逆上したボクの心は冷めていった)

    苗木(霧切さんがボクをそんな風に思ってくれてたなんて…)

    苗偽「『キミはボクをそれだけ想ってくれてたんだ。それは嬉しいかな…』ってあいつなら言うのかなぁ」

    苗偽「でも、それはあいつの感情だ。ボクじゃないよ…」

    霧切「何を言って…」

    苗偽「じゃあボクの本心を教えてやるよ!!!」

    苗偽「絶望しろ!!ボクに絶望しろ!!キミを殺したボクに絶望しろ!!キミを殺したボクのすべてに絶望しろ…いや、してくれ…!!!」

    霧切「苗木君…いえ…モノクマ…!!」

    霧切「あなたはモノクマね…」

    苗木(霧切さんが気づいた!!)

    苗偽「モノクマ…?あんな悪趣味なやつ関係ないよ」
  26. 29 : : 2013/12/07(土) 14:25:49
    支援
  27. 34 : : 2013/12/07(土) 15:27:11
    霧切「あなたが…なんと言おう…と…関係ない…わ」

    霧切「あなたは…私を殺し…た…学級裁判…を乗り切る事…は…不可能…よ……」

    霧切「ねぇ、…苗木君…の…偽物…さん…?」

    苗偽「…それは違うよ、霧切さん…それは都合のいい現実逃避だ……」

    苗偽「ボクは『苗木誠』だ…偽物なんかじゃ…!!」


    ズシャッ!!


    霧切「…ああっ!!!」

    苗木(偽物が霧切さんに刺したナイフを引き抜いた…。霧切さんの苦しそうなうめき声…)

    苗偽「さあ、トドメを刺さなきゃね…」

    苗木「止めろ!何をする気だ…!!」

    霧切「無駄よ…私は…何をされても…絶望なんて…しないわ……」

    霧切「私は…最期まで…苗木君…の…希望…を信じて…い…る…」

    苗偽「ふうん…自分の死より苗木誠の希望、か…」

    苗木(そう言って偽物は両手でナイフを握りしめて、高く掲げる…)

    苗木「止めろ…止めろ……!!!」


    シュッ


    苗木(振り下ろされたナイフに苦痛の悲鳴を上げたのは…)

    苗偽「ぐああああああぁぁぁっ…!!!痛いぃ…痛いよおぉ…!!!!」

    霧切「苗木君っ…!?」
  28. 35 : : 2013/12/07(土) 16:23:00
    苗偽「あはっ…『偽物』のボクなんて傷つこうが興味ないんでしょ…?」

    苗偽「でも…それで絶望してくれてるなら、ボクも本望だよ……」

    霧切「あなたは…何者なの…………!?」

    苗偽「さよなら、霧切さん…きっと彼はキミが大好きだったよ…」

    苗木(暗転。そしてまた世界が明るくなった時には…目の前でうずくまる霧切さんは起きあがらなかった…)


    苗木「霧切さんっ…!!」ボロボロ

    苗木(顔が熱い。涙が止まらない。最後までボクを信じてくれた霧切さんが…殺された…)

    苗木(あいつに…ボクの偽物に…!!)

    モノクマ「どお、苗木クン?絶望した?」

    苗木「……………」

    苗木(モノクマの言葉なんてどうでもいい…)

    苗木(『霧切さんが殺された』…その事実だけが頭をぐるぐると回る…)

    苗偽「さて…早くしないと…ボクも死んじゃうね……」

    苗木(吐息混じりの声を吐き出しながらそいつはうめいた)

    苗木(こいつ目線のカメラの映像じゃ詳しいことは分からないけど…)

    苗木「自分を刺したのか…!!」

    モノクマ「うぷぷ、そゆこと!そいじゃボクは苗偽クンをちょっくら救いに行ってきやす!!」ピョコン

    苗木(モノクマは呆然としたボクを置いて、どこかへ行ってしまった…)

    苗木「くそっ…」
  29. 38 : : 2013/12/07(土) 19:25:15
    ゆっくりでも構わないので、続き楽しみに待ってます^o^/
  30. 39 : : 2013/12/07(土) 19:39:20
    朝日奈「きゃあぁぁっーーー!!霧切ちゃんっ!苗木っ!!」

    十神「モノクマが『緊急事態だ』と喚くから来てみれば…」

    葉隠「おおお…俺は信じないべ!苗木っちと霧切っちが殺されちまったなんて!!」

    ジェノ「ダァホ!鉄仮面女ならともかくまこりんはギリギリ生存中じゃねーかゲラゲラゲラ!!」

    十神「貴様、あれだけ死体を見るなと言っていたろうが!」

    苗偽「あれ…これって…ボク…忘れられてる…?」

    モノクマ「こらー!苗木クンが緊急事態なんだって言ってるでしょうが!!」

    朝日奈「そ、そうだよ!早く手当てしないとっ…!!」

    モノクマ「そういうことなら“殺人ドクター”の異名を持つボクに任せて!!」

    葉隠「殺人って殺しちまってるべ!!」

    モノクマ「至急、この患者をモノクマ救急センターへ搬送します!!」

    苗木(モニターの映像がガクガクと揺れる。偽物が担架に乗せられてしまったので、映るのは天井だけだ)

    十神「おいモノクマ…苗木に刺さった包丁を勝手に処分するんじゃないぞ」

    モノクマ「分かってるよもう…御曹司は細かいなぁ…」

    モノクマ「あとこれ!」ポイッ

    朝日奈「モノクマファイルだ!」

    モノクマ「霧切さんを殺して、苗木クンを刺したクロ探し…うぷぷ、頑張ってちょ!!」

    苗木(ガラガラという車輪の音を響かせながら、モノクマと偽物はそこから遠ざかっていった)
  31. 40 : : 2013/12/07(土) 21:18:57
    面白いわ、支援
  32. 41 : : 2013/12/07(土) 22:01:12
    面白い!
    ファイト!
  33. 42 : : 2013/12/08(日) 00:36:27
    =保健室=

    朝日奈「よかったぁ…とにかく苗木が無事でよかったよ…」

    葉隠「不幸中の幸いってやつだべ!」

    苗偽「大丈夫だよ。みんな、心配してくれてありがとう」

    十神「勘違いするな。お前には事件当時の状況を聞きに来たのだからな…」

    苗木(保健室でお見舞いに来てくれたみんなと談笑する偽物…)

    苗木(ああやって、あいつがボクの仲間たちと楽しそうに笑いあっているのがものすごく不愉快だ)

    モノクマ「男の嫉妬は見苦しいですぞぉ!」

    苗木「うわっ!お前いつ帰ってきたんだよ!」

    モノクマ「モノクマは神出鬼没…気がついたらほら、あなたの後ろにも…」

    苗木「はぁ…」

    苗木(モノクマの冗談になんか付き合ってられないな)

    苗木(それよりも、あいつがどうやってこの状況を潜り抜けるのかが問題だ)

    十神「苗木。お前の知る限りの情報を話せ」

    苗偽「うん。ボクはみんなと食堂で別れてシャワーを浴びた後…」

    苗木(偽物の言い分はこうだった)

    苗木(シャワーを浴びた後、近くから調査を始めようと思い寄宿舎2階へ。学園長の書斎に立ち入ったところ隠し部屋のようなものを奥に見つける。気になって覗いてみたところ、腹部を刺されて死んでいた霧切さんを発見)

    苗木(慌てて彼女のそばに駆け寄ったところ、犯人に襲われて逃げられてしまう…)

    十神「霧切の死因は腹部の傷からの出血多量だった…つまりあいつは刺されてからすぐには死んでいなかったはずだ」

    苗偽「でも、ボクが見たときは彼女は死んでいたよ。脈も確かめたし、間違いない」

    十神「つまり、あいつが刺されたのはお前がシャワーを浴びている間か…」

    十神「それならば食堂を出てからのアリバイを確認するぞ」

    ジェノ「あたしと白夜様は大丈夫よねぇ!」

    十神「…貴様のストーカー癖などこれぐらいしか役に立たん」

    朝日奈「つまり2人はアリバイがあるって事だよね」

    葉隠「ま…まずいべ!俺はアリバイがないべ!でも植物庭園とか…とにかく5階にいたんだ!信じてくれ!」

    十神「貴様のような間抜けがあの霧切を殺せるとは思わんがな」

    朝日奈「あたしは4階…でも葉隠と同じで、アリバイはないかな…」

    ジェノ「つまりあの鉄仮面女ぶっ殺してまこぴょん刺したのはあんたら2人のどっちかってことねん!」

    十神「いや、怪しいヤツがまだ2人いる」

    葉隠「そ、それって誰なんだ!?俺の疑いが薄れるなら誰でもいいべ!!」

    朝日奈「あんたってヤツは…」

    十神「黙って聞け」

    十神「まず1人目はモノクマ…黒幕だ。厳密に黒幕が1人かは分からんがな」

    十神「だがこの可能性は極めて低いだろう」

    朝日奈「え、なんで?」

    十神「霧切や苗木はこれまで学級裁判で多数の謎を解いてきた。いわば黒幕に取っては邪魔な存在…だからこそ狙われたのかもしれん」

    朝日奈「それならなおさら黒幕が怪しいよ!」

    十神「しかし…ここに俺が入っていない時点でこの仮説は崩れ落ちる。『黒幕にとって邪魔な存在』とは霧切と苗木、そして俺の事だからな」

    朝日奈「何言ってんのこいつ!!」

    葉隠「ナルシストだべ!人間性が疑われるレベルのナルシストだべ!」

    ジェノ「てめーら白夜様disってんとぶったKILLぞ!!」

    苗木「と、十神クン…」ガックリ

    苗木(でも…これでこの場の空気はだいぶ和んだな。狙ってやった…わけないよね)

    十神「黙れ。命以外のあらゆる物を抹消させるぞ」

    葉隠「ひぃー!お助けー!」

    十神「チッ…まあいい。それよりも2人目の容疑者だ」

    苗偽「2人目…。十神クン、それって誰?」

    十神「それはな…」

    苗木(十神クンの腕が真っ直ぐに正面にいた人物を指差した。彼の正面にいたのは…)

    十神「苗木。お前だ」

    苗偽「ぼ、ボク!?」
  34. 43 : : 2013/12/08(日) 00:54:00
    ピンポンパンポン♪


    モノクマ『うぷぷ…オマエラ準備はできたかな?遅れてきたセミファイナル学級裁判が始まっちゃうよ~』

    十神「続きは学級裁判で話す。行くぞ」

    朝日奈「ま、待ってよ!苗木って立って動ける?」

    苗偽「ボクは大丈夫だよ…行こう、朝日奈さん」

    苗木(十神クンが…可能性に気付いてくれた!)

    苗木(自分が疑われるっていうのはいい気分じゃないけど、今回は例外だ)

    苗木(だってあいつはボクじゃない。あいつはボクを気取った偽物なんだから)


    =廊下=


    苗偽「ねえ十神クン。どうしてボクが怪しいの?」

    十神「それは学級裁判で話す。何度も言わせるな」

    苗偽「……………」ムスッ

    苗木(あいつ、あんな露骨にムッとした顔して…ボクになりきるつもりあるのか?)

    苗木(でもなりきるって言ってもAIだし、限界もあるだろう…。そのままみんなにバレてしまえばいいのに)

    苗木(そうこうしている間に彼らはエレベーターに乗り、いつものように深い暗闇に落ちていった…)
  35. 44 : : 2013/12/08(日) 01:32:14

    学級裁判開廷!


    モノクマ「めんどくさい説明は抜き!…それより、さっき面白そうなこと話してたじゃん?続き聞かせてよ!」

    苗偽「十神クン…」

    十神「苗木。お前がシャワーを浴びていたことを証明できるやつがいるか?」

    苗偽「…いない」

    十神「これではお前にアリバイがあるとは言えんな」

    朝日奈「でも苗木はナイフでお腹を刺されてたんだよ!」

    葉隠「まさか苗木っち、自分を刺したんか!?」

    苗偽「ち、違うよ!そんな痛そうなことできないって!!」

    十神「だが、自らを刺せばそれだけで犯人と疑われにくくなる。それに返り血もごまかすことができるからな」

    苗偽「返り血?」

    十神「モノクマファイルには、霧切の刺し傷は背中に達するとまではいかないものの、かなり深いものだと明記されていた」

    ジェノ「つまりそんだけ相手に接近しなきゃなんないワケで、返り血を浴びてる可能性が相当高くなるのねっ!」

    十神「現場の霧切の血痕を見る限り、あいつが殺されてから運ばれた可能性は少ない」

    十神「血を洗い流すにしても、近くで自分のシャワールームまで移動しないことにはどうしようもないだろう」

    十神「だが人数が減っているとは言え、誰にも見られないでシャワールームに逃げ込む前に目撃されてしまう可能性はある」

    十神「犯人は本当に、そんな危険な橋を渡るような真似をしたのか?」

    朝日奈「うーん…あたしだったらやらない」

    葉隠「朝日奈っちも誰か殺す気だべ!!」

    朝日奈「バカ、たとえ話だよ!!」

    十神「この解決策は2つ。あらかじめ血を流せるものや代えの衣服を現場に持ち込んでおくことと、『血塗れでも不自然でない』状況をつくってしまう事だ」

    苗偽「ボクはあのとき、自分の出血で血塗れだった。そこに霧切さんの血が混じっていても誰も気づかない…それが十神クンの考えか…」

    苗木「すごいや、十神クン!あの偽物を追いつめてるよ!………」

    苗木(思わず口に出してしまってから気付く)

    苗木(ボクは…学級裁判を楽しんでいる?)

    苗木「う、ううん!それは違うよ!」

    苗木(ボクはあくまでみんなに真実を突き止めてほしかったんだ!!)
  36. 45 : : 2013/12/08(日) 01:54:07
    十神「それだけじゃない。犯人は霧切を一撃で死傷させている。刺したナイフを抜いたのも、そのまま出血多量に陥らせるためだろう。それだけ明確な殺意があったというわけだ」

    十神「だが、同じ犯人に刺されているはずの苗木は、治療して間もなく歩けるぐらいには傷が浅かった」

    十神「当事者が生存していれば、それだけ不利な情報を漏らされてしまうかもしれん。きっと直接的な殺意の対象ではなくても、確実に殺しにくるはずだ」

    苗偽「それは…犯人が慌ててたんじゃないかな?」

    十神「それよりも『自分に刺したからこそ意図的に傷が浅かった』という答えの方が自然だと思うがな」

    十神「慌てて殺そうとするなら、めった刺しのほうが考えられそうだろう」
  37. 46 : : 2013/12/08(日) 08:45:29
    ついにかませメガネが報われるときが···
  38. 47 : : 2013/12/08(日) 12:26:01
    十神「それに朝日奈に葉隠…貴様らのアリバイもあるかもしれん」

    葉隠「マジか!誰が証人になってくれんだべ!?」

    十神「それはモノクマだ」

    朝日奈「え?も、モノクマぁ!?」

    十神「朝日奈、葉隠。貴様らは確か4階と5階にいたと言っていたな。…どちらも現場の寄宿舎2階からは遠い」

    ジェノ「でもそいつらが必ずそこにいた保証はないのよねぇ!!めちゃんこアヤシス!!ていうか白夜様がそれ言ったんでしょゲラゲラゲラ!!!」

    十神「ついでに言っておくと俺と殺人鬼は2階の図書室にいた」

    十神「希望ヶ峰学園についてもう一度資料を読み返していたのだが…そこにモノクマが現れて『緊急事態だ!』とわめくので寄宿舎2階へ移動したんだ」

    葉隠「俺もモノクマが呼びに来たべ!」

    朝日奈「あたしもあたしも!」

    十神「以上のことを踏まえてモノクマに訊くが…」

    モノクマ「はいはい何ですかぁ?」

    十神「貴様が朝日奈と葉隠を呼びに行ったとき、2人とはそれぞれどこで会ったんだ?」

    モノクマ「ドキィッ!!」
  39. 48 : : 2013/12/08(日) 12:59:10
    モノクマ「そういうときは黙秘けーん!」テッテレー

    葉隠「ぼ、某未来から来たタヌキ型ロボットに怒られんべ!」

    モノクマ「ボクはタヌキじゃなーい!ネコだよ!…ネコじゃないよクマだよ!!」

    十神「余計なことは喋るな。それに黙秘権など認めたも同然だろう…」

    十神「こうなると苗木、消去法でお前への疑いが一番大きいんだ。…何か反論はあるか?」

    苗木「やっぱり十神クンはすごいな…。霧切さんがいない以上、希望は彼に託されてると言っても過言じゃないかも…」

    苗木(これ聞かれたら、それこそ社会的に存在をもみ消されそうだけど…)

    苗偽「…反論ならもちろんあるよ。だってボクは犯人じゃないから…」

    苗偽「だって黒幕が犯人の可能性が残ってる…その証拠もある…」

    十神「その可能性はない。俺が保健室で言っていただろう」

    苗偽「…あんな私情だけのバカみたいな仮説、信じるに値しないよ。考える能がないなら大人しくボクの話を聞いてもらえるかな?」

    十神「貴様…!!」

    朝日奈「な…苗木…?」

    苗偽「ん?どうしたの朝日奈さん?」ニッコリ

    苗木「演技が崩れてるぞ…それだけ追い詰められてるってことか?」

    苗偽「まあいいや。それより聞いてよ、黒幕が犯人っていう根拠をさ…」

    苗木(偽物は自信たっぷりにそういうと、懐からあるものを取り出す。まるで警察が現場で回収した物のように、真空パックに入れられて保管されている)

    十神「それは…凶器か!」

    苗偽「そう。モノクマがボクに渡してくれたものなんだけどね…」

    苗木(黒々としたボディに真っ赤な血がこびりついている。かなり大きいナイフみたいだ)
  40. 49 : : 2013/12/08(日) 13:33:12
    十神「大きさからして厨房の出刃包丁だと思っていたが…それはボウイナイフか!」

    葉隠「ぼういないふ…って何だべ?」

    十神「サバイバルナイフなどの原点と言える大振りのナイフのことだ。見栄えがいいのでハリウッド映画などで使われるナイフはほとんどこれだと思っていい」

    苗偽「こんなナイフ、学園内にはなかったよね。ボクに調達できるわけがない」

    十神「倉庫はどうだ?」

    朝日奈「うーん…。あたし、ドーナツ探すついでに脱出に使えそうな物がないか探してみたんだけど、刃物っていったら果物ナイフぐらいしか見当たらなかったよ」

    ジェノ「じゃあ根暗のサバイバルナイフみたいにどっかで拾ったってのは!?」

    葉隠「そんな偶然、何回もあるもんなんか?」

    苗偽「凶器の出所…これって重要だよね」
  41. 50 : : 2013/12/08(日) 13:42:30
    苗偽「それに2つ目。…ボクらの中にコロシアイをして、得する人っているのかな?」

    苗偽「ボクらはこれ以上無理にコロシアイをしなくても、全員で脱出できる希望があった」

    苗偽「もうお互いを蹴落としてまで生き残る理由は無いはずだ」

    苗偽「ほら!これってボクもみんなも犯人じゃない証拠って言えるんじゃないかな?」

    葉隠「ほ、本当だ!苗木っちすごいべ!!」

    朝日奈「うんうん!あたしもそう思うよ!!」

    苗木「ぐっ…」

    苗木(悔しいけど…偽物の言うとおりだ)

    苗木(ボクらにはコロシアイをする理由がない…)
  42. 51 : : 2013/12/08(日) 17:44:58
    十神「ならこういうのはどうだ?」

    苗偽「何?十神クン?」

    十神「苗木とモノクマ…お前たちが組んでいる可能性だ」

    朝日奈「えっ!?」

    葉隠「ななななっ…なんとっ!?」

    ジェノ「一理あるわねっ!さすが白夜様!!」

    十神「これなら凶器の出所や動機の件も片付く。それにお前が第一発見者であることやモノクマがわざわざ俺たちを呼びに来た理由もな…」

    十神「もう一度訊くぞ苗木、反論はあるか?」

    苗偽「……………」

    苗木(よしっ!追い詰めた!!)

    苗偽「それは……よ…」

    十神「聞こえないぞ。もっとはっきり言え」

    苗偽「それは…違うよ…!!」ギロッ

    十神・朝日奈・葉隠「「「!!??」」」ビクッ

    苗木(そのときの偽物の十神クンを睨み付ける視線は鋭かった。『ボクにこんな冷酷な表情ができるのか?』と思ってしまうぐらいに…)

    苗偽「ボクは今までずっと…それこそ舞園さんが死んでしまったときから、ずっとく黒幕を恨んできた」

    苗偽「そんなボクが黒幕と組んでいるだって…?」

    苗偽「はは、冗談キツいよ」
  43. 52 : : 2013/12/08(日) 18:10:25
    朝日奈「そ、そうだよ!それに苗木はこれまでみんなのために頑張ってくれたじゃん!」

    朝日奈「あたしは苗木が霧切ちゃんを殺したなんて考えられない…」

    葉隠「俺も…セレスっちにハメられそうになったとき、助けてもらったかんな」

    苗偽「朝日奈さん…葉隠クン…!ありがとう!」パアッ

    ジェノ「タッハー!まこちんの満面笑顔いただきました殺りたい!!!」

    十神「ジェノサイダー、お前はどう思う?」

    ジェノ「あたしは白夜様が正しいと言うならば地獄でもついて行きまっす!!」ビシッ!

    十神「……………」

    苗木(な…なんだよ…、ここまで来て…!!)

    苗木「ボクが仲間たちと築いた絆が…信頼が…」

    苗木(ボクの敵に、なるなんて…)

    十神「…確かに、苗木に誰かを殺すほどの度胸があるとは思えん。それにお人好しすぎるしな…」

    苗偽「ありがとう…十神クン」ニコ

    モノクマ「うぷぷ…議論はまとまりましたか?それではオマエラ、お手元のスイッチで投票してくださーい!!」

    苗木(みんなの手がスイッチに伸びる)

    苗木「ダメだよみんな…、その先には絶望しかないんだよ…!!!」

    苗木(そんなボクの声は、冷たい壁に吸い込まれていった………)
  44. 53 : : 2013/12/08(日) 19:02:28
    ブッブーーー!!!!!


    モノクマ「きゃきゃきゃ!オマエラ大不正かーい!!」

    モノクマ「霧切さんを殺したのはボクじゃないよー!!」

    十神「不正解だと…!?おいどういうことだ、説明しろモノクマ!!」

    モノクマ「あー…それはみんなを見事欺いたペテン師さんに聞いてね」

    朝日奈「そ、それって誰なの…!?」

    モノクマ「うぷぷ、それはね…」

    苗木(モノクマが全て言う前に、そいつはモノクマの正面の証言台に躍り出た)

    苗偽「はーい、ボク!ボクだよみんな!!」

    葉隠「な、苗木っち!?」

    ジェノ「アタシを陥れようたぁいい根性…ぶえっくしょ!!!」

    腐川「えっ、何?な…何が起こってるの…?」

    苗偽「腐川さん、これからボク以外のみんなはまとめて処刑されちゃうんだよ!」

    腐川「は…?な、何よそれ、きゅきゅきゅ…急すぎるわ…!!」

    朝日奈「ひどい!あたしたちを騙したんだね!!」

    朝日奈「あたしが信じた優しい苗木は…全部ウソだったの…?」ポロポロ

    苗偽「ああ、朝日奈さん…泣かないで。それはいわばボクの一面。その『優しい苗木』ってのはボクの一部分にすぎないんだ」

    朝日奈「そ、そんな…」

    葉隠「こ、これは悪い夢だべ!!誰か助けてくれー!!!」

    苗偽「まったく…葉隠クン。キミのクズっぷりは来世まで受け継がれるね。生まれ変わった人が可哀相だよ」

    葉隠「嫌だー!!死にたくないべー!!!」

    十神「苗木、どういうつもりだ…!!」

    苗偽「惜しかったね十神クン。でもザコい。しょせんは主人公っぽいザコキャラ止まりだったんだね、ガッカリ」

    十神「貴様…!!!」

    苗木(響く阿鼻叫喚。まさに絶望の巣窟。偽物はその中で悠々とその様子を眺めている)

    苗偽「でも絶望しないで!キミたちが僕に騙されちゃったのは、個々の能力不足以上に『苗木誠』っていうネームバリューの恩恵があったからなんだし!!」

    苗偽「だから堂々と絶望の人柱となって来てよ!」
  45. 54 : : 2013/12/08(日) 19:17:32
    【超高校級の御曹司】十神白夜おしおき
    『人間★失格』

    十神「くそ…苗…木……貴様だけは…許…さ……」バタリ

    【超高校級のスイマー】朝日奈葵おしおき
    『ウォーター・イリュージョン・ショー』

    朝日奈(苗木…サイテー!!あんたが死ねば良かったんだよ…!!!)ゴボゴボゴボッ!!

    【超高校級の占い師】葉隠康比呂おしおき
    『三割の確率で聞きました!』

    葉隠「苗木っちぃ!!これが夢じゃねーなら俺はどうなっちまうんだべえぇっ!?」バクンッ!!

    【超高校級の文学少女】腐川冬子おしおき
    『はじめてのイタズラなチュウ』

    腐川「あああ…あんたなんて、五臓六腑をぶちまけて…し、死ぬべきよ!そうに決まって…」グチャァッ!!

    苗偽「んー…終わった終わった!清々しーぃ!」

    苗木「……………」

    苗木(あれ…なんでボクは生きてるんだ…?)

    苗木(みんな…みんな死んでしまった…それなのに…)

    苗木「何でボクは…生きてるんだよ…!!」
  46. 55 : : 2013/12/08(日) 19:31:44
    苗偽「おーい本物さーん!見てるんでしょ?出ておいでよ!モノクマに頼んで裁判場に直接行けるドアの鍵、解除してもらったからさ!」

    ガチャン!

    苗木「……………」

    苗木(あいつの呼びかけに応えるように…僕は裁判場へ移動した…)

    苗偽「どお?誰もがみんな、キミを呪って死んでいったよ」

    苗木「……………」

    苗偽「これで絶望してくれたよね?みんなを陥れて殺した『苗木誠』に嫌気が差したなら、このナイフで『苗木誠』を殺してよ」

    苗木(偽物は霧切さんを殺した凶器であるボウイナイフをボクに手渡す)

    苗偽「さぁ、さぁ…!!」

    苗木(目の前に迫る狂喜の顔)

    苗木(それを見て、ボクは確信した)

    ドスッ!

    苗偽「えっ…?何…これ…おかしいで…しょ…?」

    苗木(ボクは手にしたナイフを、目の前のボクの喉元に突き立てた)
  47. 56 : : 2013/12/08(日) 20:11:16
    苗偽「キミは…何をして…いる…のかな…」

    苗木「お前を見ていて気付いたよ」

    苗木「ボクとお前は正反対…だけど同時によく似ている」

    苗木「どっちが本物とか偽物とかそういうんじゃないんだ」

    苗木「ボクらは2人とも『苗木誠』なんだよ…」

    苗偽「ぼ、ボク…も?ボクも…本…物で…いい…の…?」

    苗木「もちろん…だから死なないとね」

    苗木「みんなを殺した『苗木誠』をボクらで殺さなきゃ…」

    苗木「…うん、…分かっ…た……」ニコ

    グチュッ

    苗木(ボクの喉元からナイフを引き抜く)

    苗木(彼の死に顔は穏やかで…何だか使命を全うしたみたいだった…)
  48. 57 : : 2013/12/08(日) 20:33:26





    =情報処理室=


    江ノ島「ふーんへーほー…それがあんたたちの答えなわけね」

    江ノ島「まさか2人とも死んじゃうなんて…絶望的ぃ…」///

    江ノ島「でも案外平凡な答え」

    江ノ島「AIはあくまで与えられた情報以上の事は演じられない。『苗木誠』の人格を与えられて生まれたAIは『苗木誠』以上の存在にはなれないってわけ」

    江ノ島「あの苗偽はいわば苗木のダークサイド…『堕苗木誠』(ダナエギマコト)とでも言うべきなのかしらね…」

    江ノ島「…いっけない、あたしったらこの生活はじめて独り言増えちった☆」
  49. 58 : : 2013/12/08(日) 20:47:12
    モノクマ「えー…このテレビをご覧のオマエラ!この通り希望ヶ峰学園の『希望』…15人の【超高校級】の生徒たちはコロシアイ、全滅しました!」

    モノクマ「全ての希望は絶望に潰されて消えてしまったのです…」

    モノクマ「これはすなわち絶望の勝利!絶望は希望より優れていることの証明と言えるのではないでしょうか!!」

    モノクマ「うぷぷ…それでも希望を捨てきれないとお困りの方!更なる絶望エンターテイメントを近いうちに展開することを約束しましょう!!」

    モノクマ「うぷぷ…うぷぷぷぷ…ぶっひゃっひゃっひゃっひゃ!!!!!」



    -END-
  50. 59 : : 2013/12/08(日) 20:49:07
    こんな亀更新&長すぎるssにたくさんの支援ありがとうございました!
  51. 60 : : 2013/12/08(日) 20:55:23
    面白かった 、乙です
  52. 61 : : 2013/12/09(月) 16:08:57
    お疲れさんです
  53. 62 : : 2013/12/10(火) 00:14:12
    すごく面白かったです!
    お疲れ様でした
  54. 63 : : 2015/06/02(火) 22:54:36
    霧切様は死なないでほしかった
  55. 64 : : 2017/02/15(水) 23:18:51
    ほんとは死んでなかった的なストーリーを書いて欲しいです!
  56. 65 : : 2017/06/05(月) 11:57:40
    苗木らしさが最後を決めていて良かったです!
    面白かったですお疲れ様です!
  57. 66 : : 2019/06/06(木) 17:12:50
    救いは無かった...。
  58. 67 : : 2020/12/27(日) 00:09:30
    面白かった〜

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