エレン「クリスタの甘き執着心と微笑ましい独占欲」
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- 1 : 2015/10/25(日) 00:59:28 :
- ヤンデレと言う言葉を知っているだろうか?
人間の性格や状態を指す言葉だ。
病んでいるとデレが合わさってヤンデレと呼ばれている。
アルミンから聞いたがヤンデレとは自分に振り向かない男を刺したり、自分の家に監禁したりする精神状態らしい。
聞いた当時は怖いとは思っていた。
自分に振り向かないから殺したり、閉じ込めたりするのは自分勝手で、俺には分からないことだった。
そして、俺には関わりのないことだと思っていたが、俺の考えはすべて否定されることとなった。
ヤンデレという言葉の印象と関わりのないという考えがーーーーークリスタ・レンズによって変えられることとなった。
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- 2 : 2015/10/25(日) 01:51:50 :
- 期待です!
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- 3 : 2015/10/25(日) 02:35:51 :
- そんな俺の狭い世界を拡げてくれた彼女と出会ったのは蒸し暑さの残る夏だった。
アルミン「暑い...」
隣ではアルミンも暑さにやられ、呻くように夏を呪う言葉を放っていた。
流石は夏だ。今日もサボることなく働いている太陽が恨めしい。
雲に隠れてサボってくれれば少しはマシになるというのに...
ジャン「エレン、へばってんのか」
エレン「へばってねぇよ!お前こそ、暑さで馬の被り物被る失態を犯してんじゃねぇか!」
ジャン「誰が馬の被り物だ!」
ジャンが馬鹿にしてくる。
暑さでイライラしている時の挑発だったために俺は簡単に乗せられてしまう。
怒りに身を任せてジャンの服を掴む。
ジャンも俺の服を掴み、殴り合いが始まる寸前ーーー
ミカサ「エレン、問題を起こしてはダメ」
何処からか現れたミカサによって止められる。
突如として現れたミカサにジャンは頬を赤く染めて、俺の服を離す。
ミカサ「エレン、今問題を起こすのは得策ではない。開拓地行きにはなりたくないでしょ?」
ミカサの正論に俺は押し黙る。
ジャンを押し退けて、ミカサから逃げるようにその場を後にする。
アルミン「エレン、待ってよ!」
慌てた様子でアルミンも後を追ってくる。
後ろを盗み見ると、ミカサが少し悲しそうに俯いているのが視界の端に映り、自分の自分勝手な行いに舌打ちをしてしまう。
エレン「ミカサは悪くないだろ...」
後悔を呟くが、ミカサに聞こえるわけもなく、風に乗って聞こえていたアルミンだけが困ったように笑った。
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- 4 : 2015/10/25(日) 03:11:58 :
- アルミン「後からミカサに謝っておきなよ」
アルミンが先ほどから同じことを繰り返し言ってくる。
これで七回目ぐらいだと記憶している。
確かに俺はミカサを傷付けたし、自分自身も悪かったと思っているが、悪かったと思っているからこそ謝りにくい。
どうやって謝ろうか頭を悩ませていると騒がしい声が遠くから聞こえる。
アルミン「あれ、なんか騒がしいね」
エレン「だな。あっ、ライナーがいるから聞こうぜ」
アルミン「そうだね」
俺達はライナーと呼んだガタイのいい、頼れる兄貴的存在のライナー・ブラウンの元へと近付く。
エレン「ライナー、何の騒ぎだ?」
ライナー「んっ?エレンか。クリスタが頭を打ったらしくてな。クリスタ自身は大丈夫だって言ってるんだが、頭だからな。万が一とういうこともあるから救護室に連れていこうとしてたんだ」
ライナーが詳しく教えてくれるが、俺はクリスタという人物と関わったことがない。
可愛く、天使な少女だとアルミンやライナーが話しているのは聞いていたが、現実に天使などいるわけもないと鼻で笑ったのは覚えている。
どうして天使と呼ばれているのか少し気になり、人混みを掻き分けてクリスタを探す。
ユミル「クリスタ、本当に一人で行けるのか?」
クリスタ「うん。クラクラもしないし大丈夫だよ」
人混みの中心まで行くと、二人の少女がいた。
ミカサのような光をも吸い込むような黒髪とは違い、赤みがかった黒髪をした少女が、金髪の少女を心配していた。
クリスタという言葉に反応して金髪の少女を見ると、少女に見とれ息を吸うのを忘れる。
初めて見るクリスタは花のように可憐で、小動物のように可愛らしかった。
アルミン達が天使と言うのも納得出来る。
クリスタ「じゃあ、行ってくるね」
クリスタはユミルを置いて、一人で救護室へと向かった。
アルミン「クリスタ、大丈夫かな」
ライナー「クリスタが大丈夫って言っているんだから大丈夫だろ。それよりもクリスタは今日も可愛いな」
アルミン「可愛かったね。クリスタの笑顔だけで元気が出るよ。元気を与えてくれるなんて、やっぱりクリスタは天使だよ」
アルミンとライナーが息を荒くして語り合う。
息を荒くはしているが、発情して興奮しているわけではないので嫌な気分ではなかったが、仲間外れ感がして別の意味で嫌だった。
楽しそうに語り合う二人を見て、好きなものがあることが羨ましく思う反面、巨人への復讐心しかない俺自身が汚く思えて嫌になる。
アルミン「エレンもそう思うよね!」
エレン「は?」
突然問いかけられた質問が理解出来ずに素っ頓狂な声をあげてしまう。
アルミン「だから、クリスタが天使かって話だよ!ちゃんと話聞いててよね!」
エレン「お、おう...すまん」
アルミンの勢いに気圧され、素直に謝ってしまう。
アルミンはライナーとのクリスタの魅力話に戻り、熱く、そして楽しそうに語り合っていた。
周りが引くほどに。
エレン「天使か...」
先程のアルミンの言葉を思い出して呟く。
アルミンの目には、クリスタは可愛らしく、慈悲に溢れ、常に他人に元気を与える笑顔を見せてくれる、まさしく天使みたいな女の子に見えているのだろう。
しかし、俺にはどうしても彼女が天使には見えなかった。
寂しさを隠した笑顔を貼り付け、何かにすがり付くように必死になっている彼女はーーー
エレン「クリスタ...か」
ここにいる誰よりも人間に見えた。
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- 5 : 2015/10/25(日) 03:54:04 :
- クリスタが救護室へと向かった後に、入れ替えるように教官が現れて訓練が始まった。
今日の訓練は装備品を背負っての競走ーーーつまりは重装備しながらもマラソンだ。
スタートと同時にアルミンとはぐれて、必死に追いかけていたミカサの背中も今じゃ見えないほどに引き離されていた。
後ろを振り返ると、誰も付いてきていないようで、誰の姿も見えない。
訓練兵の大半は、訓練を受けたという世間体を気にしての入隊であるため、必死に訓練に参加するやつなんて極小数だった。
俺は現在ミカサ、俺の順で二位。
成績的にはプラスになるために嬉しくはあるが、手を抜かれている感じがしていい気分ではない。
エレン「はぁ...はぁ...」
ゴールが目前まで近付き終わりが見えてくる。それととも体力的も終わりを見え始めた時、俺の視界に外にいるはずのない少女の姿が映る。
クリスタだ。
クリスタが気を失って地面に倒れていた。
頭を打って救護室に向かっている途中で、気を失ってしまったのだろう。
エレン「大丈夫か?」
倒れているのだから大丈夫なわけがないが、かける言葉が思い付かずに思わず言ってしまった。
当然、問いかけた質問の返答は帰ってこない。
思わず、後方に視線を向けて後方で激を飛ばしている教官の姿を探すが、距離があるようで教官どころか、人ひとり姿が見えない。
エレン「あああああああ!くそ!」
やけになり、大声をあげてクリスタを乱暴に背負う。
クリスタを背負ってゴールにいる教官の元まで走ることになったために、速度は落ちる。
ゴールが遅くなるほど、本来なら貰えるはずだった点数よりも低い点数を貰える。
クリスタ「くぅ...」
クリスタは乱暴に扱われ、苦痛の声を上げるが知ったことではない。
命に関わる事かもしれないために多少の痛みは我慢してもらう。
背負ってみて分かる。クリスタは小さく、華奢だ。
強く抱けば折れそうで、クリスタを支える手に入れる力が自然と弱くなる。
こんな小さな身体にどんな悩みを抱えているのかと思うと、自分の胸の中をモヤモヤとした黒い靄が心を支配する。
エレン「くそぉぉおおおおお!」
靄を払い除くために大声を張り上げ、教官の待つゴールまで走る。
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- 6 : 2015/10/25(日) 04:04:51 :
- 期待です
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- 7 : 2015/10/25(日) 04:12:32 :
- エレン「あれ、ここはどこだ」
俺はいつ閉じたか分からない瞼を開くと、木で作られた屋根が見えた。
自分がいる場所を把握するために上体を起こし、周りを見渡す。
木の机、白のベット、薬品、薬品、薬品、エロ本.....
エレン「はぁ!?」
起きたばかりで回らない頭が、白黒で描かれた女性の全裸画が隣のベットの上に置かれていた。
驚愕の声を上げ、恥ずかしく思った俺はエロ本から視線を逃がす。
心臓が早鐘を打ち、顔の温度を急激の上げていく。
エレン「すーはー、すーはー」
息を整えて、気持ちを落ち着かせる。
見間違え、見間違えに決まっている。
その、たまたまエロい夢を見て、現実と夢が混ざって幻影が見えたに違いないと自分の中で完結付け、もう一度見てみる。
もう一度見てみて、ベットの上にあったのはーーー
エロ本《やぁ》
エレン「死ねぇぇえええええええ」
勢いに任せ、ベットの上にあったエロ本を破く。
紙が破れる音が部屋に鳴り響く。
ガチャっと、俺がエロ本を破ると同時に部屋の扉が開けられる音が鳴る。
反射的に扉の方を向くと、クリスタが立っていた。
クリスタは雪のように白い頬を赤く染める。クリスタの視線の先にあるのは、俺の両手に握られたエロ本。
今気付いたが、俺は上半身が裸だ。
クリスタ「ご、ごめんなさい!」
エレン「待て!誤解だ!!」
誤解を抱いて扉を閉めようとするクリスタを制する俺の声が訓練所に響いた。
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- 8 : 2015/10/25(日) 05:58:07 :
- どうにか、クリスタの誤解を解くことに成功し、俺はどうして自分がベットで寝ていたのかを聞いた。
目を覚ました時から気付いていたが、俺が寝ていた部屋は救護室だ。クリスタなら分かるが、教官の元まで運んだ俺が寝ていた理由が分からない。
クリスタ「あ、ごめんなさい」
クリスタは先程の羞恥心に染まった謝罪とは違い、何かに恐れた表情を浮かべて謝ってくる。
なんで謝られたのか分からずに首を傾げる。
エレン「いや、謝って欲しいんじゃなくて、俺がここにいた理由が知りたいんだけど。」
クリスタ「その...私を背負ったままゴールした直後にエレンは倒れちゃったの...ごめんなさい」
確かに教官の元までクリスタを運んだのは覚えている。
教官は俺が背負ったクリスタを見るなり、血相を変えて飛んできた。
俺は疲れた身体を休ませるために地面に腰を下ろし、先にゴールしていたミカサを見つけて謝ろうと立ち上がったのは覚えている。
しかし、立ち上がった瞬間に周りの景色が歪み、暗い闇が辺りを覆ったかと思うと、ミカサの慌てた声が聞こえた。
俺は反射的に何かを呟いた気がするが、覚えてない。
クリスタ「ごめんなさい」
申し訳なく謝罪を繰り返す彼女は泣いていた。
可愛らしい顔は涙で崩れていて、天使と呼ばれていた彼女の影もない。
そんな同情を誘う姿に俺は憤りを感じていた。
エレン「謝るな」
俺の声は怒りで震えていた。
俺の怒りを感じた彼女は肩を大きく震わせて、瞳から零れ落とす涙の量を増やす。
謝るなと言われた彼女は律儀にも謝罪の言葉は声に出さず、嗚咽だけを声のする。
俺は綺麗な瞳から零れる涙を指で拭う。
俺の行動に驚いた彼女は、驚いて俺の顔を見上げる。
エレン「謝るな、お前は何も悪くないだろ。悪いのは出来るだけいい成績を取ろうとお前を背負っているのに無理をして走った俺だろ!」
クリスタ「ち、違うよ!私が一人で救護室に行こうとしたのが悪いんだよ!」
エレン「確かに一人で行こうとしたのは悪いけどよ!俺もあの場にいた。あの時、無理矢理にでも付いていくべきだったんだよ。行かなかった俺にも責任があんだよ!」
クリスタ「ち、違う「そうなんだよ!」
クリスタの否定の言葉を俺は遮る。
イライラする。クリスタの行動、表情、言動全てが俺をイライラさせる。
クリスタを泣かせる俺が、クリスタを困らせる俺が、クリスタを悲観的な言葉を話させる俺が、どうしよもないほどムカつく。
エレン「お前がなんで全てが自分が悪いと思うか分からない。なんで泣くんだよ。なんで謝るんだ。なんでーーー」
俺の口から言葉が溢れる。
彼女とは今日が初めて話す。どうして、俺がこんなに彼女の事で感情的になっているのか分からない。
彼女に恋をしたか?それとも同情?
どちらも違う気がする。
ただ単にムカつくんだ。誰かを助けられないことが。
エレン「なんでお前は無理して笑うんだよ!」
俺の言葉にクリスタは明らかな動揺を見せる。
何かを恐れる暗い色は色濃く現れ、自傷行為を起こしても不思議ではないほど取り乱している。
クリスタ「だって、嫌われちゃう。もう一人は嫌だ。ごめんなさい。迷惑かけないから嫌わないで」
エレン「馬鹿か!」
クリスタ「えっ、ば、馬鹿?」
エレン「馬鹿だろ!どうしてお前を嫌わないといけないんだよ!勝手に俺の気持ちを決めつけてんじゃねぇよ!」
俺はクリスタの肩を掴み、心に届くように気持ちを強く言葉にする。
息を荒くし、クリスタの瞳を見詰める。
強く、逃がさぬように。長く、安心させるように。
クリスタはまた泣く。大粒の涙を零して。
けど、先程とは違い、溜め込んでいた涙を吐き出す涙だった。
彼女が全ての悲しみを吐き出すまで俺は待った。彼女の泣き顔を見ないように、彼女の顔を胸に抱き締めながら。
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- 9 : 2015/10/25(日) 09:36:21 :
- そして、その日からいくつもの時が過ぎた。
暑かった気温も過ごしやすい丁度良い気温へと変化し、山も茶色や赤に色を変えていた。
今日は数少ない訓練が休みの日だった。
休みなのだから好きなことが出来る。腹筋、背筋、腕筋など好きな筋肉が鍛え放題だ。
いつも鍛えてばかりでは身体に悪いから、たまの休日には休むのも悪くないかもしれない。
そんな楽しき貴重な休日を俺はーー
アルミン「クリスタ親衛隊による罪人エレンの審判を決めようと思う」
「「おぉー」」
むさ苦しい男共に囲まれて、刻々と訪れるであろう理不尽な正義の鉄槌と名の八つ当たりから逃れる方法を模索する。
身体は何重にも巻かれた縄のおかげで動かすことは出来ない。
辛うじて、顔が動かせるのが俺に与えられた自由だった。
アルミン「では、罪人エレンの罪を遡っていこう。ライナー親衛隊副隊長」
ライナー「はっ!これはまだ暑さが残る夏の出来事です。その日はいつも以上に陽射しが強く、暑さが際立った日でした。その日のクリスタは首筋から汗をかいており、可愛らしさの中に妖艶な雰囲気を持っており、天使が堕天した様子を描いておりました」
アルミン「いや、その報告は後からでいいから...後からね。もう一度言うけど後からね」
アルミンは後からの部分を必要以上に強調し、言葉の裏に後から絶対に教えろと脅迫しているのが見え見えだった。
それにしても今の彼らからはいつもの彼らのイメージとかけ離れた言葉遣いをしているのが気持ち悪い。
アルミンが堅苦しい言葉遣いやライナーが従順な言葉遣いが俺に違和感を抱かせる。
ライナー「はっ!その日、エレンはいつも通りに早めに起床し、訓練所の裏手で人に隠れて自主錬を行っていました」
エレン「いや、なんで知ってんだよ」
ライナーは俺の言葉を無視して語り出した。
俺の一つ目の罪を。
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- 10 : 2015/10/26(月) 09:24:33 :
- それはクリスタと知り合った日の次の日だった。
俺はライナーの言う通り、訓練所の裏手で自主錬を行っていた。
なぜ裏手なのかと言うとただ単に頑張っているのが恥ずかしいからだ。
俺はいつも通りの時間に自主錬を切り上げて、部屋に戻った時の事だった。
俺の部屋に先客ーーそれも俺の布団に先客がいた。
もぞもぞと動く布団を見て、ベルトルトだなと思い、布団を奪おうと近付いた。
????「ダメなのに...こんな所をエレンに見られたら嫌われちゃうのに...ううん、エレンは嫌うわけないって言ってくれたから大丈夫!けど...」
布団から独り言が聞こえてくる。
その声は鈴の音のように澄んでいて、とても男のものとは思えない。
声に聞き覚えのあった俺は布団の主に話しかける。
エレン「クリスタ、何やってるんだ」
クリスタ「エ、エレン!?なんでここに!?」
エレン「こっちの台詞だ」
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- 11 : 2015/10/26(月) 15:10:39 :
- クリスタから事情聴取を取った。
理由を聞く度に頭が痛くなるのを自覚し、聞き終えた頃には頭を抱えて蹲っていた。
この部屋にいた理由は簡単に言うと俺に会いたかったからだと言う。
顔を赤くして「これが恋なのかな」と身体をクネらせるクリスタは可愛いが、恋ではないだろう。
初めて気持ちをさらけ出せて、その上言って欲しかった言葉をたまたま投げかけたのが俺だっただけだ。
彼女が俺に寄せているのは恋心ではない。絶対に嫌わない相手を失いたくないという執着心だ
傷つけ合って好きが増減を繰り返す恋心とは全くの別物だ。
エレン「クリスタ、男子寮は女子禁制だぞ。ライナーやアルミンに見つかってみろ。発狂して教官にバレて罰則だぞ」
しかし、俺は彼女に恋心ではないとは言わない。
彼女は今、ガラスのような心をしている。俺への恋心という名の勘違いが彼女の心を壊さずにいられるのだ。
俺が執着心だと教えた瞬間に彼女は壊れるだろうから、俺は言わない。
クリスタ「大丈夫だよ。まだ起床には1時間近くあるからね」
そう言って向日葵のように綺麗な笑顔を咲き誇させる。
その笑顔は反則級に可愛らしく、俺の胸を締め付けた。
クリスタ「だから今から一緒にもう一度寝ようよ!」
エレン「ふざけるな!」
無理矢理にも一緒に寝ようと企むクリスタによって布団へと引っ張り込まれる。
抵抗するも引っ張り込まれる際に当たる柔らかい感触に力が焦り、力が抜けて引っ張り込まれた。
俺を逃がさぬように後ろから抱き締めるクリスタから「えへへ」と幸せそうな声を聞いていると今日だけだったらいいかと思えてしまう俺が恨めしい。
そして俺はクリスタの体温に惑わされながら、心地よい眠気に負けて夢の世界へと旅立った。
朝、アルミンに起こされた頃にはクリスタもクリスタの体温も布団の中にはなかった。
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- 12 : 2015/10/27(火) 02:43:49 :
- 面白いです期待してます
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- 13 : 2015/10/28(水) 01:25:04 :
- ライナー「羨ましいなボケェ!!」
ライナーが怒りを込めた拳を俺の顔面目掛けて振り下ろす。
ライナーの拳を避けようと試みるが、完全に避け切ることは出来ずに、頬を掠める結果となる。
それでもライナーの怒りは留まることを知らずにーーー
アルミン「ウホウホと奇声を上げてエレンに襲いかかった」
ライナー「俺をホモに仕立てようとすんな!!」
アルミン「ライナーの好感度とエレンの貞操を両方一気になくす作戦がっ!!」
ライナー「誰だよ。アルミンを親衛隊長にしたの!!」
何故か知らないが、親衛隊内で争いが始まった。
今の内に逃げれないか模索するが、縄がきつ過ぎて動けない。
闘争は諦め、先程のライナーの話を思い出す。ライナーの話は本当にあった話だ。
ライナーは確かに寝ていたと思ったんだが、なんで知ってんだよ。しかも、俺の感じたことを言い当てるあたり、流石のライナーと言ったところだ。
周りを見守っているからこそ、相手の思っていることを理解し、共感できる。それがライナーが兄貴と呼ばれる所以だろう。
ライナーはモテるから、クリスタにゾッコンでなければ今すぐにでも春は来たのにな。
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- 14 : 2015/10/28(水) 02:59:48 :
- 期待してます
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- 15 : 2015/10/29(木) 03:36:32 :
- アルミン「さぁ、エレン。次の君の罪を話そうか」
喧騒が止んだのに気付き、見上げると薄笑いをしたアルミンが立っていた。
頬を赤く腫らしていることから痛い目を見たことが分かる。
自業自得だから仕方ないのだろうが。
エレン「俺の罪って、クリスタが自分からやってくることだろ!」
アルミン「それは本気で言ってるの?」
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- 16 : 2015/10/30(金) 03:43:40 :
- アルミンが無表情で尋ねてくるが、本気で分からない。
クリスタが自分からやっているだけだ。
俺は被害者なはずだろ。
しかし、アルミンの俺を射抜く視線に謎の罪悪感を覚えて逸らしてしまう。
どうして今目をそらしたんだろう。
親友の恋心を踏み躙ったから?
それは的を得ていない回答かもしれない。
じゃあ、どうして背けた?
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- 17 : 2015/10/31(土) 03:48:00 :
- ガチャとドアが開く音が鳴る。
部屋にいる全ての人間が扉に視線を向ける。
扉の影から顔を覗かせるのは、小柄の金髪少女。天使と呼ばれるクリスタ。
突如のクリスタの登場に喧騒にまみれた部屋が静寂に包まれる。
クリスタ「エレン、やっと見つけた!」
部屋の中を見渡し、俺を見つけるなり満開の笑顔を浮かべて近づいてくる。
決して速くない速度で近付くクリスタを誰も止めない。
注意だが、ここは女子禁制の男子寮だ。アルミンもクリスタの登場は予想外だったのか、口を開けて固まっていた。
クリスタ「探したんだよ。自主練習してるのかなと思っていつもの場所行ってもいなかったから」
エレン「あ、あぁ」
半分聞き流す状態の俺に、クリスタは頬を膨らせて抗議してくる。
俺の元のたどり着いたクリスタは俺に抱きつき、胸元に頬を擦り付ける。
クリスタの目には俺が縛られていることは見えてないらしい。早く気付いて縄を解いて欲しいんだけど。
クリスタに抱き締められ、クリスタの柔らかい感触にドギマギさせられる。
心臓が高鳴り、落ち着かない。落ち着かないのになんで安心する。
クリスタの暖かい体温が、クリスタの甘く、清潔感の漂う匂いが、クリスタの女の子特有の柔らかい感触が俺を安心させる。
そうか、アルミンが何を言いたいのか分かった。
いや、俺は分かっていたんだ。
俺は最低なことをしていたことを
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- 18 : 2015/11/01(日) 02:14:03 :
- 期待です
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- 19 : 2015/11/02(月) 22:22:18 :
- クリスタ「エレン、どうしたの?」
クリスタは俺の顔を見て驚いて尋ねてくる。
今、俺は泣きそうな顔をしている。
今から口に出す言葉はクリスタに嫌われる可能性がある言葉だから。怖い、けど騙している方が辛い。
エレン「ごめんな」
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- 20 : 2015/11/04(水) 13:20:41 :
- クリスタは謝れている理由が分からずに眉をひそめている。
エレン「俺はクリスタを利用していた。怖かったんだ。一人が」
俺は淡々と自分の罪を話し始めた。
クリスタは静かに、表情を消した顔で話を聞いてくる。
エレン「今のクリスタなら俺から離れないって分かっていたんだ。だから俺はクリスタを拒絶出来なかった。拒絶しなかった」
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- 21 : 2015/11/04(水) 16:04:50 :
- 期待
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- 22 : 2015/11/08(日) 21:24:34 :
- 期待!
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- 23 : 2015/11/12(木) 05:24:49 :
- まだかな
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- 24 : 2016/01/09(土) 12:22:53 :
- まだかなまだかな
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- 25 : 2016/09/08(木) 10:11:54 :
- 放置だワーオ
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- 26 : 2016/09/11(日) 15:05:17 :
- なななななななななななななななななみみみみみみみみみみみみへへへへへへへへへへへへへへへへへイイイイイイイイイイイイイイイるふひよによぬぬよによなよなるたをちをぬをちるこちんちんちんちんちんちんちんちんんちちんちんんちんちんちんちああああああななななななるるるるるるる
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- 27 : 2016/12/29(木) 04:26:24 :
- <<26 完全にキチガイだなお前
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- 28 : 2017/02/25(土) 13:19:50 :
- 乗っ取りでもいいからだれかー
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- 29 : 2017/05/02(火) 22:15:22 :
- クリスタ【そんなの関係ないよ!
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- 30 : 2017/06/04(日) 15:59:38 :
- (´·_·`)
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- 31 : 2017/06/18(日) 22:35:08 :
- aaaawwwwwwwwwwwwwwwwwwawawhwppkwjpjxpyyysrmr?!tenrxq?
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- 32 : 2017/06/24(土) 20:14:57 :
- ぶんぶんぶん
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- 33 : 2017/06/24(土) 20:15:07 :
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- 34 : 2018/07/16(月) 10:56:39 :
- 戻ってきてくれ
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- 35 : 2019/03/29(金) 00:03:13 :
- 頼むーー
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- 36 : 2019/07/23(火) 11:38:36 :
- aaaawwwwwwwwwwwwwwwwwwawawhwppkwjpjxpyyysrmraaaawwwwwwwwwwwwwwwwwwawawhwppkwjpjxpyyysrmraaaawwwwwwwwwwwwwwwwwwawawhwppkwjpjxpyyysrmraaaawwwwwwwwwwwwwwwwwwawawhwppkwjpjxpyyysrmraaaawwwwwwwwwwwwwwwwwwawawhwppkwjpjxpyyysrmraaaawwwwwwwwwwwwwwwwwwawawhwppkwjpjxpyyysrmraaaawwwwwwwwwwwwwwwwwwawawhwppkwjpjxpyyysrmraaaawwwwwwwwwwwwwwwwwwawawhwppkwjpjxpyyysrmraaaawwwwwwwwwwwwwwwwwwawawhwppkwjpjxpyyysrmraaaawwwwwwwwwwwwwwwwwwawawhwppkwjpjxpyyysrmraaaawwwwwwwwwwwwwwwwwwawawhwppkwjpjxpyyysrmraaaawwwwwwwwwwwwwwwwwwawawhwppkwjpjxpyyysrmraaaawwwwwwwwwwwwwwwwwwawawhwppkwjpjxpyyysrmraaaawwwwwwwwwwwwwwwwwwawawhwppkwjpjxpyyysrmraaaawwwwwwwwwwwwwwwwwwawawhwppkwjpjxpyyysrmraaaawwwwwwwwwwwwwwwwwwawawhwppkwjpjxpyyysrmraaaawwwwwwwwwwwwwwwwwwawawhwppkwjpjxpyyysrmraaaawwwwwwwwwwwwwwwwwwawawhwppkwjpjxpyyysrmraaaawwwwwwwwwwwwwwwwwwawawhwppkwjpjxpyyysrmraaaawwwwwwwwwwwwwwwwwwawawhwppkwjpjxpyyysrmraaaawwwwwwwwwwwwwwwwwwawawhwppkwjpjxpyyysrmraaaawwwwwwwwwwwwwwwwwwawawhwppkwjpjxpyyysrmrあ
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- 37 : 2019/07/23(火) 11:38:50 :
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- 38 : 2019/07/23(火) 11:39:05 :
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- 39 : 2019/08/23(金) 22:37:15 :
- 何やってんだよいい大人が
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- 40 : 2020/04/12(日) 01:00:47 :
- えっおわり?
- 著者情報
- この作品はシリーズ作品です
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彼女達の〇〇デレ シリーズ
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