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ミカサの葛藤

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  1. 1 : : 2015/10/23(金) 21:13:50

    五作目、前作同様の短編投下します。

    前作は悲しい感じになったので、今回はハッピーエンド目指し頑張ります♪
  2. 2 : : 2015/10/23(金) 21:46:06


    訓練兵団に入団して一年ばかり経った今日。


    一日の訓練が終わり、夕食前に談話室で飲み物を飲みながら休憩していた。



    「おーい!ミカサー!」



    元気な声で呼び掛けながら駆け寄ってくる男の子。



    「ここ、座るぞ?」



    と言い、テーブルを挟んで正面に座る。


    笑顔で語りかけるこの男の子の名前はエレン。


    私の幼馴染みでもあり、大事な家族でもある。


    私は幼少の頃、事件に巻き込まれ両親を失った。


    帰る場所の無くなった私に帰る場所を与えてくれたのがエレンの家族である。


    しかし、エレンの家族も六年前の巨人によるシガンシナ侵攻により、母のカルラおばさんが巨人の犠牲となり、また父であるグリシャおじさんも行方不明となってしまった。


    残ったのは私とエレンの二人だけである。


    お互い血は繋がってないけど、かけがえのない大事な家族である。


    お互い巨人への復讐の為、訓練兵団へ入団したのである。



    「なあ、ミカサ。相談があるんだけどいいか?」


    「構わない。」



    大事な家族の相談だ、断る理由は無い。


    その家族からの唐突な一言。



    「俺、好きな人が出来たみたいなんだ!」


    「!?」



    全身に雷を受けたような衝撃が走る。


    私の戦いが始まる・・・そんな予感がした。

  3. 3 : : 2015/10/24(土) 07:04:33



    「その、好きな人っていうのが――――――」


    「対人格闘の時に組み合っててさ―――――」



    エレンが何かを喋っている・・・。


    え?これは恋愛相談っていうやつなの・・?



    訓練では大して疲れてない体が、一気に疲弊したように感じる。


    私の心の中で、自問自答が始まった。



    うん、これはあれだ!


    思春期特有の気の迷いに違いない。


    家族である私に、一通り話を聞いて欲しいだけ。


    好きなだけ喋らせれば、エレンも満足して話が終わるだろう。


    ほら、今も頬を赤らめ、照れながら嬉しそうに喋っている。


    大事な家族の恋は応援すべき。


    エレンが満足なら良かった。


    うん、良かった。


    ・・・・。


    ・・・良くない。


    なんか、良くない。


    いや、全身全霊込めて全然良くない!



    一般的に幼馴染みによくある事として、相手の事を好きになってしまう事がある。


    かく言う私も、その中の一人。


    実は幼少の頃から好きだった。


    子供の頃は平気で、好きとか結婚してとか恥ずかしげも無く言葉に出していた。


    しかし、今ではこの気持ちを押し殺し、表に出さず日々を過ごしていた。


    ・・・ので、正直エレンが嬉々として話している相手の女を削ぎたい気分になった。


    無論、実際にはしないけど・・・。


    あまりに唐突だったので、よく聞いてなかったから相手が誰かも分からない。

  4. 6 : : 2015/10/24(土) 12:22:36



    「おいっ!ミカサ?」


    「・・・・。」


    「聞いてんのか?」


    「え、あ・・ごめんなさい・・少しボーっとしてた。」


    「おいおい、頼むぜ。んで、続きなんだけどさ、そいつの蹴りがさ―――――」


    「・・・・。」



    私は未だかつて無い死んだ目で話を聞いている事だろう。


    嫌だ!嫌だ!エレンが他の女に奪われるのは!


    胸がチクリどころの話ではない。


    例えるなら、全身を超硬質ブレードでズタズタに引き裂かれた気分だ。


    エレンは家族である私から見ても、この数年の成長ぶりは著しい。


    身体能力もそうだが、少年から青年へと精悍な顔つきへと変わってきた。


    母親のカルラおばさんも近所で評判の美人だったので納得できる。


    訓練兵団に入団後も、他の女からの視線を少なからず集めていた。


    ・・・ので、精神的に未熟なエレンを守る為、常にエレンの側について目とオーラで寄り付く女を威嚇していた。


    他の女がエレンに惚れるのは分からなくもない。


    しかし、まさかエレンが他の女を好きになるなんて・・・。


    ・・・世界は残酷だ・・・。

  5. 7 : : 2015/10/24(土) 22:46:23


    エレンが好意を持っている女性・・・。


    どんな人なんだろう?


    エレンがこんなに顔を赤らめて話す人。


    エレンがこんなに目を潤ませて話す人。


    エレンがこんなに息を荒くして話す人。


    ・・・ん?


    顔が赤くて息をも荒い・・よく見ると目も虚ろだ。


    これは・・・。



    「―――で、気になり出したんだよ。それでさ―――」


    「エレン!」



    話を遮るように、私は手のひらをエレンの額に当てる。


    やはり・・・熱がある。



    「エレン、熱が出てる。」


    「え?・・・そういや、体がだるいな。」



    やはりエレンは体調管理に疎い。


    私がエレンの唐突な話で、まともに顔をよく見てなったから異変に気付くのが遅れてしまった!


    いつもの私なら直ぐに気付いたはず!


    なんたる不覚!


    恋人になる以前に、家族として失格だ・・・。



    「エレン、医務室に行こう!」


    「えっ?うわっ!!!」



    私は電光石火の如く、エレンを担ぎ上げ医務室へと走り出した。

  6. 8 : : 2015/10/24(土) 23:34:21


    医務室に着き、エレンをベッドへと寝かせて改めて顔を見る。


    息遣いが荒く、先程より苦しそうだ。


    辺りを見回すが保険医は不在のようだ。



    「ミカサ・・・悪いな・・・。」


    「構わない、家族だから。」


    「・・・・。」



    エレンにそう答え、薬棚を物色し解熱剤を探す。


    解熱剤を見つけ、水を汲んできてエレンに飲ませ話しかける。



    「しっかり休んで早く治して欲しい。」


    「・・・ああ。」



    と、力なく答えるエレン。


    暫く安静にして寝かせておこうと思い、訪ねてみる。



    「私はもう行くけど大丈夫?」



    少し間を空けて、答えるエレン。



    「・・・もう少し居てくれるか?」



    ・・・予想外の返答。


    いつもなら、早く行けだの、大丈夫だのと言うのにどうしたんだろう?



    「構わない。」




    私がそう答えると、さらにエレンは言葉を続ける。



    「なぁミカサ・・お前俺の話ちゃんと聞いてたのかよ?」



    「・・・恋愛・・相談の事?」



    私は聞き返す。



    「・・・はぁ~・・そうだよ。やっぱり聞いてなかったなお前・・・。」



    エレンがため息まじりに答える。


    ため息をつきたいのは私の方だ。


    こんな状態でもこんな話をするなんて・・・


    正直もう聞きたくない!



    「そんなにその女がいいなら、その女に看病してもらうといい!」



    私は嫉妬や怒りなど、様々な感情が交錯しエレンに冷たく言い放ってしまった。

  7. 9 : : 2015/10/25(日) 00:41:10


    なんて事を言ってしまったんだろう・・


    身体は完全にコントロール出来るのに、心はコントロール出来ない・・


    こんな冷たい事言ってしまった・・


    エレンに嫌われてしまう・・


    そんな風に、私が自責の念にかられていると、



    「は?もう、してもらってるけど・・・」



    驚いたように答えるエレン。



    「え?」



    この時私はエレン以上に驚いた顔をしてたと思う。



    「察しろよな・・。お前本当に話を聞いてなかったんだな・・・。」


    「え?他の女性の事じゃ・・・?」


    「お前の事だよ・・ミカサ。」



    突然の言葉に頭が回らない・・・


    エレンの眼差しに体が熱くなる・・・



    「対人格闘の時にアニに組手をしながらお前の事を相談してたんだ・・・」


    「直接言え!って言われたけど、恥ずかしかったから、相談と言う形で遠回しに伝えようとしたんだよ。」


    「結局、お前には全然伝わらなかったけどな・・・。」



    熱のせいか、力なく笑うエレン。



    「直接言うぞ?ミカサ、お前が好きなんだ!家族としてじゃなく、一人の女性としてな。」



    エレンの言葉に胸の鼓動が早くなる・・・


    なんて事・・・。


    最初からエレンの話をしっかり聞いてれば・・



    「おい、ミカサ・・それで、返事――――」



    私はエレンの言葉を遮るように額にキスをする。


    そして優しく言葉をかける。



    「風邪が伝染るといけない。」


    「・・・ので、今はこれで我慢して欲しい。」


    「私も今まで我慢してきた。」


    「・・・ので、エレンの風邪が治ったらもう我慢しない。」



    私はそう答え、微笑んだ。



    「ありがとう、ミカサ。これからもよろしくな。」



    エレンもそう答え、微笑み返す。






    私は心に決めた。


    私が死ぬまで貴方を愛そう。


    全ての困難から貴方を守り抜こう。


    この美しくも残酷な世界の中で・・・



    ――――fin――――

  8. 10 : : 2015/10/25(日) 00:44:44

    期待コメントありがとうございました♪

    見易くする為、非表示にした事をご了承下さい。
  9. 11 : : 2015/10/25(日) 00:50:48
    面白かったです!やっぱりヤンデレよりこういうミカサの方が好きだなぁ
  10. 12 : : 2015/10/25(日) 00:58:36
    >>11 機械兵3号様コメントありがとうございます。ヤンデレだとハッピーエンドのゴールが難しいのでこのような形となりました。
  11. 13 : : 2015/11/14(土) 14:13:40
    良作乙!久しぶりにまともなミカサ見た気がする
  12. 14 : : 2015/12/25(金) 10:19:25
    エレンの話が紛らわしいwアニかと思ったわwでも面白かった!
  13. 15 : : 2023/07/11(火) 09:12:21
    http://www.ssnote.net/archives/90995
    ●トロのフリーアカウント(^ω^)●
    http://www.ssnote.net/archives/90991
    http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3655
    http://www.ssnote.net/users/mikasaanti
    2 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 16:43:56 このユーザーのレスのみ表示する
    sex_shitai
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    16 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 19:01:59 このユーザーのレスのみ表示する
    ちょっと時間あったから3つだけ作った

    unko_chinchin
    shoheikingdom

    mikasatosex
    unko

    pantie_ero_sex
    unko

    http://www.ssnote.net/archives/90992
    アカウントの譲渡について
    http://www.ssnote.net/groups/633/archives/3654

    36 : 2021年11月6日 : 2021/10/13(水) 19:43:59 このユーザーのレスのみ表示する
    理想は登録ユーザーが20人ぐらい増えて、noteをカオスにしてくれて、管理人の手に負えなくなって最悪閉鎖に追い込まれたら嬉しいな

    22 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:37:51 このユーザーのレスのみ表示する
    以前未登録に垢あげた時は複数の他のユーザーに乗っ取られたりで面倒だったからね。

    46 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:45:59 このユーザーのレスのみ表示する
    ぶっちゃけグループ二個ぐらい潰した事あるからね

    52 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:48:34 このユーザーのレスのみ表示する
    一応、自分で名前つけてる未登録で、かつ「あ、コイツならもしかしたらnoteぶっ壊せるかも」て思った奴笑

    89 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 21:17:27 このユーザーのレスのみ表示する
    noteがよりカオスにって運営側の手に負えなくなって閉鎖されたら万々歳だからな、俺のning依存症を終わらせてくれ

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ちぇりお

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