この作品は執筆を終了しています。
ミカサ「家族に求める条件」
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- 1 : 2015/10/18(日) 14:11:24 :
- 今作品は今現在執筆途中のssにて盛大な矛盾点を発見した為プロットを書き直し中、ですので息抜きの閑話として見てください。
エレンとミカサの家族物語です。
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- 2 : 2015/10/18(日) 14:24:25 :
- 「ねぇ父さん、今から帰って家に間に合うの?」
「ああ、正直怪しいとこだが…宿屋は最近窃盗や犯罪が続出してるからな…出来れば家で安全な休息を取らせたいところだ」
馬車の中で揺られながら父さんに聞いてみた。
父さんの言ってる事の半分以上理解出来なかったけど何と無く危ないんだろうという事だけは分かった。
「あとどんくらい掛かりそう?」
「まだまだ掛かるな…もう少し辛抱してくれ」
「…うん」
そんなにかかるのか…。しかも外は真っ暗、唯一の光源は父さんが持ってるライトのみ。
こんな真っ暗で丁度良い具合に揺れると眠くなってきた…。
「ほらミカサまだ時間掛かりそうだしちょっと寝ようぜ…ふあぁぁ…」
「…でも、まだ寒い」
「ほら、これを掛けておけば暖かいぞ」
馬車の横に置いてあったブランケットを広げてミカサに被せる。
「エレン、エレンも一緒に入ろう」
裾をクイクイッと引っ張るミカサが何だか可愛らしく、それでいて意識も限界だったので俺も一緒に包まる。
ミカサとほぼ抱き合った様な状態でとてもポカポカしてていい匂いがして心地良かった。
そして俺はそのまま深い睡眠に堕ちた。
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- 3 : 2015/10/18(日) 20:33:09 :
- 「きて…起きてエレン」
「…ん?」
誰かの呼びかけにより睡眠から目を覚ました、目が覚めたばかりで頭が働かない。
「家に着いた、入ろう」
「ん…おう」
ミカサが腕を引っ張るので流れに付いてく。
中ではお母さんが目に涙を浮かべていた。
「エレン!ちょっとそこに座りなさい」
その後長々と説教をされた、人を殺すとはどういう事なのか、人の命は尊いだとか、頭が痛くなりそうだった所をミカサが助けてくれた。
「はぁ…ミカサちゃんに免じてお説教はここまでにしましょう、さ、ご飯があるから食べなさい」
「…ありがとうございます」
食事、風呂、歯磨きを済ませ、俺とミカサは寝ることになった。
「ミカサ、お前はベッドで寝てくれ、俺は床で寝る」
「…エレンも一緒に寝よう、私は一人ではとても寂しい」
「……はぁ、仕方ない寝るよ、でも今日だけだからな」
まぁ俺も今年で10歳になる身であり、そして物心付き思春期なる物の時期なので勿論異性に対してドキドキしたりするだろう、しかもミカサは顔が整ってて可愛いから特に危険な人物だ。
馬車の時のは眠くてほぼ意識なかったから仕方ないということにして。
「おやすみ」
「…おやすみ」
ミカサは俺の腕に抱き着きながら眠りにつく、俺も今日は果てしなく疲れたので直ぐに寝てしまった。
「起きて、起きてエレン」
「ん…もうちょっと寝かせてくれよ…」
「…ふっ…!」
「おぐぅっ!何するんだよミカサ!何でゲンコツ食らわすんだよ!」
「起きないエレンが悪い…」
目覚ましがまさかのゲンコツとは…何とも目覚めの悪い朝だ。
しかも身体が怠い…昨日の疲れが予想以上に大きかったんだろうか。
「…朝ごはん、食べよう」
「…ああ」
そしてお母さんに上手い事騙されて俺がミカサを案内する事になった。
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- 4 : 2015/10/21(水) 00:10:28 :
- 期待!
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- 5 : 2015/10/21(水) 00:28:08 :
- 「案内するって言ってもなぁ…そんなに案内するべき所があるか…?」
言いにくいが実際このシガンシナ区の名所とかあっただろうか。
強いて言うなら調査兵団が偶に通るぐらいだ。
少しの間頭を捻る、やっとこういうのに適任の人物が思い浮かんだ。
「よし決めた、まず俺の友達を紹介する」
「…分かった」
ミカサの手を握り先導する、近所の人達が冷やかしたりしてくるが全てを無視。
こういうのは取り合ったら負けなんだよ。
目的地に着いたのでドアを3回叩く。
奥からトタトタと足音が近づいてくる、ドアが開いた。
「あれ、エレン?…それと……どちら様、でしょうか」
「あーえっと、こいつはミカサだ俺ん家に居候?してる」
父さんと母さんにミカサの事を聞かれたら居候って答えろと念を押された。
居候の意味は知らないけどまぁ取り敢えず「あーこいつの親がクソ野郎に殺されてよー!殺してやったらこいつの住む場所ないから俺の家に泊めてるんだー!!」なんて言った日には間違いなく非難の声がそこら中から聞こえることになるだろう。
「へぇ、そうなんだ、僕はアルミン よろしくねミカサさん」
「…ミカサでいい よろしく、アルミン」
「アルミン、ここら辺を案内しろって言われたんだけどよ、どこら辺案内してするべきだと思うか?」
「案内か、取り敢えずシガンシナ区を一周すれば良いんじゃないかな?」
「他にはどこを案内すればいい」
「うーん…ウォールマリアの近くの草原とかで良いんじゃないかな」
「結構ざっくりだなぁ」
「仕方ないよ、そんな急に言われても困るよ」
何はともあれやはり友達は持っておくべきだな、と痛感させられたよ。
「まぁサンキュー、アルミンも一緒に案内するか?」
「え?ああ、僕はいいや これから勉強しなきゃいけないし、ごめんね」
「ん、そうか、じゃあ行ってくるわ」
「うん、行ってらっしゃーい」
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- 6 : 2015/10/29(木) 22:01:07 :
- 「んで、ここれが開閉扉ってやつだ、この先には巨人がわんさかいるんだぞ」
「何でエレンが誇らしげなの?」
クエスチョンマークを頭上に乗せながら首を傾ける。
エレンは気にするな、と一言で一蹴した。
「でここがウォールマリアに繋がる扉だ」
「ん?よぉ、エレンじゃねぇか、そっちの子は…ガールフレンドか?このやろ、俺より先に彼女作るたぁどういうことだぁ?」
「うわっハンネスさん、てか酒臭っ!じゃなくて、こいつは俺の彼女じゃねぇ!居候だよ!バーカバーカ!」
彼女、という言葉で耳まで真っ赤になり、恥ずかしさから一気に捲し立てる。
それでもハンネスに軽くあしらわれウォールマリアにほっぽり出された。
「くっそー!いつか調査兵団になって、それで強くなって絶対にハンネスさんの事を見下してやる!」
空に向かって大声で叫びストレスを発散する、ようやく一段落し再度案内を再開する。
「そーだな、ここら辺なら良いところあるから連れてくぞ!」
「…分かった」
ミカサの手を掴み連れて行く、町から外れ緑の景色が視界いっぱいに広がる。地面には白と紫色の花たちが混在している。
町の喧騒は遠のき代わりに川のせせらぎ、そよ風が運んでくる花の甘い香りが心を落ち着かせてくれる。
「…綺麗」
「だろ?んでこの先にとっておきの場所があるんだぜ」
幅の広く浅い川の上を服が濡れないよう裾を摘みながら渡った。
川の先は長い年月かけて成長した木々があり、その先にはエレンやミカサ以上の、下手すれば一般的人男性程の高さの長細い草が生い茂っている。
「えーと、確かここら辺に…」
草を掻き分けながら進むエレン、それに引っ張られるミカサ。
「あった!ミカサ、ここが俺たちのとっておきの場所だぞ!」
「……大っきい」
それは草同士を編んで作られたドーム、入り口にはこれまた草製の幕が垂れている。
エレンは幕を開け中に入る、ミカサもそれに続く。
中は子供3人は簡単に入れる程の大きさ、外とは違いドームの中の空気はひんやりしていた。
地面草で作られた絨毯で覆われていた。
「…広い、そして涼しくて心地いい」
「えっへん、俺が製作、アルミンが…地図…じゃない…えっと…」
「…設計図?」
「そう、それ!アルミンが設計図を作ったんだよ!」
軽く雑談を交わしゆったりと過ごしていた。
「…少し暗い…」
「あ、わり、…とこれで大丈夫か?」
指を草同士の隙間に差し込み、穴を押し広げ光が入りやすくする。
それを何箇所かで行う、薄暗かったドームは暖かい日差しが差し込んできた。
「…うん、ありがとう」
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- 7 : 2015/10/30(金) 15:31:03 :
- 「でさ、ミカサ、話があるんだが…」
「…何?」
「……」
クッソ、いざ言うとなると何でこんなに恥ずかしいんだ…!?
恥ずかしがるな俺!
「あー、何だその、俺はミカサの面倒を見なきゃいけないだろ?…兄として」
「…兄?」
「ああ、俺の方が年上だからな!」
多分だけどな!実際どうかなんて知らん!!
「だから、兄として俺は妹にどう接すれば良いのかワカンネェんだ」
「…だから私に相談してるの?」
「ああ、そうだ…お前は俺に兄に何を求める?」
「私は…」
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- 8 : 2015/10/30(金) 15:40:13 :
- 「…やっぱ教えない」
「はぁ!?待ってくれよそれじゃ俺はお前にどう接すれば良いのか…!」
「好きなように接すれば良い、私はそれで満足」
「好きなように…って適当な…」
全くまだまだ子供だな、こいつも。
「よし、そんじゃ魚取ろうぜ!そこの川にわんさかいるんだぜ!」
「…面白そう」
「2匹目!…うわぁっ!と、逃がすかぁ…!!」
「…ふふっ」
くそっ!何で魚はこんなに掴みにくいんだよ!
取り敢えず地面にはおかねぇと!
やっと大人しくなった…、ふぅ、これで一安心。
「10匹目、捕まえた」
「なっ!?…クソ!絶対勝ってやる!!」
「…エレンは子ども」
妹に負ける訳に行くか!絶対に勝ってやる!!
「はぁ…はぁ、疲れだぁ〜」
俺12匹、ミカサ30匹…何でそんなに捕まえられるんだよ、つか悔しい。
…やばい、激しい運動をした所為で眠気が……。
「…エレン、寝てるの?」
「可愛い…」
エレンの頭に手をそっと乗せゆっくりと撫でる。
エレンはくすぐったそうに軽く寝返りを打つ。
地面の上では痛いだろうと思いエレンの頭を膝の上に乗せる。
「…私は…エレンがいればそれで良い」
〜End〜
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