この作品は執筆を終了しています。
進撃の巨人Another ――番外編―― 第13話 『求めるは近き、見つめるは遠き』
-
- 1 : 2013/12/01(日) 19:36:33 :
-
進撃の巨人Another ――番外編―― 第13話
――Part 1――
――――前回までのあらすじ――――
季節は初夏に移り変わった。104期訓練兵・第5席「ユーク・トラス」は様々な人との
関わりを通じ、己にとっての護るべき『玉《ぎょく》』を定め、決意を新たにした――――
夜も寝苦しくなり始めた初夏、ミカサの提案で、皆で川へ水浴びに行くことに!
アニはユークへの気持ちを募らせ始めるも、当の本人はいざ知らず…
アニは、びしょ濡れとなった自身を庇うユークの姿に戸惑うも、アニもまた彼の心情を知らず――――
――――――――
――――
――
-
- 2 : 2013/12/01(日) 19:38:17 :
――――対人格闘訓練――――
ユーク「先日の水浴びは、楽しかったな」
ミカサ「ええ、アニも貴方もいい思い出が出来たようで、私も満足」ホッコリ
ユーク「それは、何の事だい?」
ミカサ「貴方だけが、透けたアニの服の事を知っている」
ユーク「(どきり!!)」ビクッ
ミカサ「そして帰り道、アニをおぶっていた貴方は、間違いなく何か感じていた筈」ニヤニヤ
-
- 3 : 2013/12/01(日) 19:39:19 :
ユーク「な、何の事かな?///」プーイ
ミカサ「恥ずかしがらなくてもいい」クスッ
ユーク「……///」シーン
ミカサ「それで、感触はどうだった?」ニマニマ
ユーク「…さぁ、どうだろうね?///」
ミカサ「正直に言えばいい」ニヤニヤ
-
- 4 : 2013/12/01(日) 19:39:39 :
ユーク「君に正直に話せば、忽《たちま》ち拡散しちゃうだろ?」
ミカサ「それは、勿論」
ユーク「なら、尚更駄目だな。絶対に言わないよ」
ミカサ「でも、それも状況次第」
ミカサ「あまり芳しくない結果に成り得るのであれば、そんな事はしない」
ユーク「本当だろうね?」ジッ
-
- 5 : 2013/12/01(日) 19:40:11 :
ミカサ「ええ、私を信じて」ジーーッ
ユーク「……柔らかかったよ」
ミカサ「え?何が?」ニマニマ
ユーク「勿論、彼女の身体がね」
ミカサ「それは、どこの部位?」
ユーク「…知らないね、もう」プーイッ
-
- 6 : 2013/12/01(日) 19:41:20 :
ミカサ「ふふ、恥ずかしがって」クス
ユーク「恥ずかしいのは、寧ろ正常だろ?」
ミカサ「ええ、大丈夫。誰にも言わないから」
ユーク「そうか。信じて良かったよ」
ミカサ「こんな面白い事、広めたら勿体無い」
ユーク「なんだよ。結局、魂胆はそこに起因するのか…」ハァ
-
- 7 : 2013/12/01(日) 19:41:56 :
ミカサ「そんなに悪い話じゃない」
ユーク「まぁ、良かったという事で!」
ミカサ「そうね、この話はこれで終わりにしましょう」
ユーク「それじゃ、今日も宜しくお願いね?」スッ
ミカサ「ええ、今日も鍛えましょう!」スッ
ユーク「じゃあ、俺が先攻だっ!!」ダッ
-
- 8 : 2013/12/01(日) 19:43:25 :
ミカサ「ふふっ、かかってきなさい」
ミカサ「返り討ちにしてみせよう!」バッ
バシバシ! ドカッ!
ビュンッ! ササッ!
ミカサ「(そういえば…もうすぐ“あの日”だった!!)」
ミカサ「(近日中に、ユークに相談してみよう!)」
-
- 9 : 2013/12/01(日) 19:44:16 :
――――――――
アニ「(この前は、帰りにユークにおぶってもらっちゃったね)」
アニ「(あいつの背中…暖かくて、頼もしかった…)」
アニ「(なんでそんな風に思うのか、今の私には…よくわからないけど…)」
アニ「(とても心地良かった)」ポーー
アニ「(そういえば、服が濡れちゃって…あいつに庇ってもらったんだよね)」
アニ「(…嬉しかった///)」
-
- 10 : 2013/12/01(日) 19:45:38 :
アニ「(あいつが庇ってくれなかったら…私は…)」
アニ「…...!」ハッ
アニ「(そういえば、私って…)」
アニ「(事ある毎に、あいつに世話になっているよね)」
アニ「(私って、あいつに貰ってばかりだなぁ)」
アニ「(私も何か、ユークに恩返しが出来たらいいのにな――――)」
-
- 11 : 2013/12/01(日) 20:04:30 :
――――数日後 掲示板――――
――――成績一覧――――
【104期訓練兵 第27回 定期試験 成績順位】
第1位 ミカサ・アッカーマン(943 / 1000)
第2位 ライナー・ブラウン(901 / 1000)
第3位 ベルトルト・フーバー(861 / 1000)
第4位 アニ・レオンハート(855 / 1000)
第5位 マルコ・ボット(797 / 1000)
第6位 ユーク・トラス(776 / 1000)
第7位 エレン・イェーガー(752 / 1000)
第8位 ジャン・キルシュタイン(751 / 1000)
第9位 ユミル(742 / 1000)
第10位 コニー・スプリンガー(719 / 1000)
第11位 サシャ・ブラウス(701 / 1000)
第12位 クリスタ・レンズ(671 / 1000)
・
・
・
第16位 ミーナ・カロナイナ(623 / 1000)
・
・
・
第43位 アルミン・アルレルト(517 / 1000)
・
・
・
-
- 12 : 2013/12/01(日) 20:05:09 :
――――――――
ユーク「なん…だと…!?」ワナワナ
マルコ「やった!ついに5位だ!!」
ジャン「……」ギリギリ
エレン「おお!1つ上がった!!」ウキウキ
ユーク「成績が…下がっている…」
ジャン「ちくしょー!エレンに1点及ばなかったぁー!!」ガァーー!!
-
- 13 : 2013/12/01(日) 20:05:52 :
エレン「落ち着けよ、ほぼ同率じゃねぇか」ハハハ
ジャン「1点でも、差が出来ている事が悔しいんだよっ!!」
ユーク「マルコは、何があったんだ?」
ジャン「そうだ、そうだ!」
エレン「そうだな、俺も気になる」ワクワク
マルコ「うぅーん、最近は訓練に身が入るようになってね」
-
- 14 : 2013/12/01(日) 20:06:22 :
ユーク「何か、あったっけ?」
マルコ「まぁ…僕にとって大切なものが出来てね」
マルコ「それを守る為に、僕がもっと強くならなくちゃと思ったら、やる気が出てね」
ジャン「なんだよ、そりゃ?」
マルコ「ははっ、秘密さ」ニコ
エレン「ふぅーん、そういうものなのか」ヘェーー
マルコ「(もしかしたら、彼女の成績が上がっているのも…同じ事を考えていたりしてね)」
ユーク「……」
-
- 15 : 2013/12/01(日) 20:08:09 :
――――――――
ミーナ「やった!10番台に到達したよっ!!」ウキウキ
アニ「よかったね。もう少しじゃないか」
ミーナ「うん!私、もっと頑張るっ!!」
アニ「(でもユーク…アンタは一体、何やっているんだい?)」チラ
アニ「(前回より、点数も成績が下がっているね…何かあったのかな?)」ソワソワ
アニ「(…私が元気づけて…あげるべきなのかもね)」
-
- 16 : 2013/12/01(日) 20:10:44 :
アニ「(庇ってくれた分も、おぶってくれた分のお礼もしなきゃ!)」
アニ「(でも…いつがいいだろう?)」モンモン
アニ「(私がユークと会えるのは、朝食と夕食の時か、例の夜の倉庫くらいだし)」
アニ「(私は…一体、何を…あいつに返してあげられるんだろう?)」
アニ「(次に会う時まで、あいつが喜ぶような事を…考えておかないとね)」
アニ「(どうしようかなぁ?)」
-
- 17 : 2013/12/01(日) 20:11:10 :
――――――――
ライナー「ミカサに少しだけ追いついたな」
ベルトルト「まぁ、1位への道は、少し遠いと思うけどね」
ライナー「まぁ、一歩ずつな」
ベルトルト「…『彼』は大丈夫だろうか?」
ライナー「…そうだな。また俺達との差を意識してなければいいが…」
(『――番外編―― 第3話』参照)
ベルトルト「頑張ってほしいね、『彼』には」
ライナー「あぁ、そうだな」
-
- 18 : 2013/12/01(日) 20:12:12 :
――――――――
クリスタ「うぅーん、またまた12位…遠いなぁ」
ユミル「そう、くよくよするな、クリスタ!」
クリスタ「ユミルも少し順位が落ちちゃったね」
ユミル「まぁ、私の事はいいんだよ」
ユミル「(調節してクリスタが10位に入れるように謀ってたなんて…言えねぇよな)」
クリスタ「うぅーん…」
-
- 19 : 2013/12/01(日) 20:13:32 :
――――――――
コニー「よっしゃ!今度はオレがトップ10入りだぜ!!」
サシャ「ぐぬぬ、コニーやりますねぇ」ムムム
コニー「このまま憲兵団へ一直線だぜ!」
サシャ「そうはさせませんよ!憲兵団に入るのは私です!!」
コニー「へっへー、今のザマじゃ、まだまだ天才のオレには勝てねぇよ!!」
サシャ「いいえ、私も負けませんから!!」
-
- 20 : 2013/12/01(日) 20:14:32 :
ワーワー ワイワイ
ガヤガヤ エレンエレン!
ユーク「(最近、気が緩んでいたみたいだ)」
ユーク「(こんな体たらく、“2人”に言った事に対して、立場がないじゃないか!)」
(『――番外編―― 第8話』参照)
ユーク「(…悔しい)」
ユーク「(何かきっかけが欲しい…何か…)」
ユーク「(…そういえば)」
ユーク「(マルコが言っていた…『大切なもの』…)」
-
- 21 : 2013/12/01(日) 20:16:12 :
ユーク「(俺にとってのそれは…アニ達3人)」
ユーク「(この前、そう決めたばかりだ…)」
(『――番外編―― 第11話』参照)
ユーク「(そして、アニ…)」
ユーク「(君を『玉』として護ろうと決めた…家族のように…)」
ユーク「(…それだけじゃあ…ダメなのか?)」
ユーク「(俺の成績が下がった原因…)」
-
- 22 : 2013/12/01(日) 20:16:33 :
ユーク「(その原因がたった今、俺が思った事であるとするなら…)」
ユーク「(俺には…何が足りないんだ?)」
ユーク「……」
ユーク「(心が…もやもやとする)」
ユーク「(俺は…この感覚の正体が…どうしても掴めない…)」
ユーク「(…答えが…出ない)」
-
- 23 : 2013/12/01(日) 20:17:35 :
――――その日の夜 食堂――――
ミカサ「ユーク、少し相談がある」ヒョコッ
ユーク「なんだい、ミカサ?」
アニ「私も居るけど、いいの?」
ミカサ「構わない。アニにも話を聞いてほしい」
ユーク「わかったよ、それで?」
ミカサ「実は、次の次の休暇日は、エレンの誕生日に当たる」
-
- 24 : 2013/12/01(日) 20:18:13 :
ユーク「そうだったんだ!」ハツミミ!
アニ「ふぅーん」ヘェーー
ミカサ「ので、貴方達にエレンの誕生日会を開催するのを手伝ってほしい」
ユーク「いいよ!賛成だ!!」
アニ「まぁ、いいんじゃない?」
ミカサ「ありがとう!では早速、打ち合わせを始めよう」
-
- 25 : 2013/12/01(日) 20:18:51 :
ユーク「君がエレンよりも早く来て、ここに座ったのはその為だね?」
ミカサ「ええ、そういう事」ニコ
アニ「成功すればいいね」
ユーク「アニも手伝うんだから、そんな他人事のように言っちゃダメだろ?」クスッ
アニ「ごめん、そうだったね」
ミカサ「そんな訳で2人とも、よろしくお願いします」ペコリ
-
- 26 : 2013/12/01(日) 20:19:10 :
ユーク「分かったよ、頼まれた!」
アニ「それで、何から始めたらいいの?」
ミカサ「日程は、休暇日にしようと思う」
ミカサ「場所は、食堂」
ユーク「時間は、夕方頃かい?」
ミカサ「ええ、でももう少し早く始めて、お昼過ぎでもいいかもしれない」
-
- 27 : 2013/12/01(日) 20:19:27 :
ユーク「確かに、その方がいいかもね」
アニ「夕食と被らないし」
ミカサ「そういう事」
ユーク「了解だ!」ワクワク
アニ「(ユークったら、自分の事のように楽しそう)」チラ
ミカサ「それで、買い物についてなのだけれど――――」
-
- 28 : 2013/12/01(日) 20:21:02 :
- Part1おわり
続きはまた明日!と言いたいところだけど、
明日は、おそらく本編かな?
-
- 29 : 2013/12/02(月) 20:40:07 :
――Part 2――
――――夜 倉庫――――
ユーク「1週間ぶりくらいだね」ナデナデ
アニ「うん」スリスリ
ユーク「今日も耳掃除するんでしょ?」
アニ「うん…お願い///」スリスリ
ユーク「今回は、よく1週間持ち堪えたね。偉いよ!」ナデナデ
アニ「辛かった…」ウズウズ
-
- 30 : 2013/12/02(月) 20:40:45 :
ユーク「じゃあその鬱憤は、俺が解消してあげよう!」スチャ
アニ「よろしくお願いします」ゴロン ジッ
ユーク「それじゃあ、今日も始めるか!」ホジホジ
アニ「(あぁ、気持ちいいなぁ♪)」ニャーン
ユーク「(アニ、とても気持ち良さそうだ)」
アニ「♪」ニコニコ
-
- 31 : 2013/12/02(月) 20:41:58 :
ユーク「(見ているこちらが、寧ろ癒される)」ウットリ
ユーク「(心なしか、アニから猫の鳴き声が聞こえてきそうな程、和んでるなぁ)」ニコニコ
アニ「(…やっぱり、気持ちいい♪)」ニャーン
アニ「(最近は、少しずつユークの手捌きにも慣れてきた)」
アニ「(もう、あんな恥ずかしい声は出さないっ!!)」キリッ
ユーク「あっ、少しだけ奥に発見!」ムッ
-
- 32 : 2013/12/02(月) 20:42:20 :
アニ「(この気持ち良さ、やめられないなぁ♪)」ニャーン
ユーク「採掘開始っ!」ホジホジ
アニ「…きゃぁっ!!///」ビクリッ!
ユーク「ごめん、痛かった?」ナデナデ
アニ「だ、大丈夫…びっくりしただけ///」ドキドキ
ユーク「そうか…また少し奥の方、行くよ?」ホジホジ
-
- 33 : 2013/12/02(月) 20:43:20 :
アニ「う、うん。そう言う風に言ってもらえれば、安心する…///」ギュッ ドキドキ
ユーク「本当に1週間ぶりのようだから、いつもより多めだね」ホジホジ
アニ「恥ずかしいから、そういう事は言わないで…///」モジモジ
ユーク「ごめん、女の子に向かって失礼だったね」ハンセイ
アニ「(ユークは優しいなぁ…///)」ポーーッ
ユーク「アニ、気持ちいいかい?」ホジホジ
-
- 34 : 2013/12/02(月) 20:44:37 :
アニ「うん。アンタ上手だから、ついつい癖になるよ…///」ウットリ
ユーク「それは、俺も嬉しいな!」ホジホジ
アニ「♪」ニコニコ
アニ「……!」ハッ
アニ「(あっ!そういえば、ユークを元気づけようって話だったんだ!!)」ピコーン
アニ「(私としたことが、誘惑に負けてすっかり忘れていた!)」
-
- 35 : 2013/12/02(月) 20:44:57 :
アニ「(どうしようかなぁ?)」ウーン
アニ「(今は、こんな状態だけど…)」
アニ「(ユークにも…また耳掃除…してあげるべきなのかな?)」
(『――番外編―― 第1話』参照)
アニ「(でも、ユークからしてほしいって、言われた事なんてないし…)」
アニ「(そんな事は、全然思っていないのかな?)」
アニ「(…一応、後でそれとなく聞いてみよう!)」
-
- 36 : 2013/12/02(月) 20:45:27 :
――――――――
ユーク「はい、こっちは終わり。反対側向いて」サッ
アニ「うん///」ゴロン ジッ
ユーク「……」ホジホジ
アニ「……///」モジモジ
ユーク「……」ホジホジ
アニ「……///」ソワソワ
-
- 37 : 2013/12/02(月) 20:46:38 :
ユーク「…アニ、落ち着きがないけど、どうかした?」キョトン
アニ「え?いや…何でもないよ…///」ソワソワ
ユーク「(何を考えているんだろ?)」
アニ「(…『単に気持ちがいいから』とは、良い訳として言いにくい)」
ユーク「……」ホジホジ
アニ「(気持ちいいなぁ♪)」ニャーン
-
- 38 : 2013/12/02(月) 20:47:37 :
ユーク「…はい、こっち側も終わり!」
アニ「ありがとね」ムクリ
ユーク「今日は、すぐに起きるんだね?」
アニ「え?」
ユーク「だって、いつもは耳掃除中に寝落ちしちゃうか、暫くは膝枕を続けているでしょ?」
アニ「そうだったっけ?」
-
- 39 : 2013/12/02(月) 20:48:17 :
ユーク「アニが気付いていないだけで、実際はそうだよ?」
アニ「そ、そうなんだ」゙
アニ「(恥ずかしい…///)」モジモシ
ユーク「今日は、もう終わりにする?」
アニ「えっと…あのね」モジモジ
ユーク「ん?」キョトン
-
- 40 : 2013/12/02(月) 20:49:03 :
アニ「今度は、久しぶりに…私が…耳掃除してあげるよ///」
ユーク「あ、ほんと?」ラッキー!
アニ「う、うん!いつも私ばかりで悪いしね」アセアセ
アニ「(案外、すんなり通ったね)」イガイ
ユーク「(本当は、できればいつでも頼みたかったんだけど…)」
ユーク「(アニが基本的に寝落ちしちゃうから、状況的に無理だったんだよね)」
-
- 41 : 2013/12/02(月) 20:49:39 :
ユーク「(でも、アニの方から誘ってくれるとは、なんという僥倖だ!)」
アニ「それじゃあ、寝転がって」チョコン
ユーク「お願いします」ゴロン ジッ
アニ「アンタほど上手じゃないから…あまり期待しないでね?」ホジホジ
ユーク「前にしてもらった時は、少なくとも下手ではないと思ったよ?」
アニ「ふふっ、なにそれ?上手でもないって事?」クスリ
-
- 42 : 2013/12/02(月) 20:52:02 :
ユーク「まぁ、やっていくうちに上手になるさ」
アニ「そ、そうだね」ホジホジ
ユーク「(そう。やっていくうちに…ね)」
アニ「(や、やっていくうちにって事は…///)」ドキドキ
ユーク「……」
アニ「……///」ホジホジ
-
- 43 : 2013/12/02(月) 20:52:29 :
ユーク「……」
アニ「ど、どうかな?気持ちいい?」ホジホジ
ユーク「うん。上手だよ?」アンシン!
アニ「そう、よかった」ニコ ホジホジ
ユーク「(どきりっ!!)」ズキュンッ
ユーク「(“また”…だ)」ドキドキ
-
- 44 : 2013/12/02(月) 20:55:32 :
ユーク「(この感覚…アニと居る時にだけ…現れている?)」
ユーク「(俺に一体、何が起こっているんだ?)」ムムム
ユーク「……///」ドキドキ
アニ「……」ホジホジ
アニ「(ユーク、気持ちいいんだ…嬉しいなぁ!)」パァァ
アニ「(…そうだ!少し気になっていた事を聞いてみよう!!)」
-
- 45 : 2013/12/02(月) 20:56:23 :
――――――――
アニ「ねぇ、少し話…いいかい?」ホジホジ
ユーク「ん、何だい?」チラ
アニ「アンタってさ…やっぱり、私の身体には…興味がないわけ?」ジッ
ユーク「…まだその事を…気にしていたのかい?」ジッ
(『――番外編―― 第10話』参照)
アニ「う、うん…少し…ね///」モジモジ
ユーク「…興味がないわけじゃない」
-
- 46 : 2013/12/02(月) 20:56:56 :
アニ「え?」ドキリ
ユーク「でもね、“そういう事”じゃないんだよ」
アニ「そ、それって…?」
ユーク「…アニは、どうしたいんだい?」
アニ「…最近、アンタが元気ないように思えてね…それでさ」
ユーク「なるほどね。それじゃあ…『心配掛けてごめん』…でいいのかな?」
-
- 47 : 2013/12/02(月) 20:57:16 :
アニ「うぅーん、そんな答えを望んでいるわけじゃないんだけど…」
ユーク「つまり、どういう事?」
アニ「アンタがなんで元気がないのかが…知りたくてさ…」モジモジ
ユーク「…成績が下がったからだよ」
アニ「この前の発表の?」
ユーク「そっ。マルコに…負けちゃったからね」
-
- 48 : 2013/12/02(月) 20:57:43 :
アニ「でも、アンタ達の順位が入れ替わる事なんて、これまで日常茶飯事だったじゃないか」
アニ「何を今更…」
ユーク「いや、アニ達とまた差が離されてしまった事が…悔しいんだよ」
アニ「そう…なんだ」
アニ「(そういう事だったの?本当に?)」ジッ
ユーク「(半分嘘だ…ばれたかな?)」チラ
-
- 49 : 2013/12/02(月) 20:58:32 :
アニ「……」ジーーッ
ユーク「(疑っているって顔だ)」ジッ
アニ「本当に…それだけ?」
ユーク「あぁ、それだけの事さ」
ユーク「(ごめん、嘘なんだ…)」
アニ「……」
-
- 50 : 2013/12/02(月) 21:00:30 :
ユーク「……」
アニ「…ねぇ、ユーク」ボソリ
ユーク「…何だい、アニ?」
アニ「アンタはさ…私に触りたいとか…考えた事はないの?」
ユーク「…またその話かい?」スクッ
ユーク「それは、さっき終わって…」
-
- 51 : 2013/12/02(月) 21:01:22 :
アニ「ううん!終わってないよ!!」ズイッ
アニ「アンタは…話を逸らしただけ…」
ユーク「…ばれていたか」
アニ「…こんな状況なんだよ?」
アニ「普通の男女なら、到底考えられないような」
ユーク「……」
-
- 52 : 2013/12/02(月) 21:02:51 :
アニ「アンタは、いつも快く私を迎えてくれるけど」
アニ「“その時”に、いつも何を考えているの?」
ユーク「……」
アニ「ねぇ…答えてよ」
アニ「教えてよ…アンタの気持ちを!」ジッ
ユーク「…俺はね」
-
- 53 : 2013/12/02(月) 21:04:55 :
アニ「私も…少しくらいなら…いいと思っているんだよ?」ジッ
アニ「アンタが“そう望む”んだったら…私は…!!」
ユーク「アニ」
アニ「私は、“アンタならいい”って…そう思えるかも…しれないからさ」
ユーク「アニっ!!」
アニ「!!」ビクッ!!
-
- 54 : 2013/12/02(月) 21:06:50 :
ユーク「そんな事を…口にしないでくれ!!」
アニ「…どうして?」ポロッ
アニ「ねぇ、どうして…答えてくれないの?」ポロポロ
アニ「私はこんなにも…アンタの気持ちが…知りたくて堪《たま》らないのに…」グスッ
ユーク「……」
アニ「ぐすっ…うぅぅ…」グスッグスッ
-
- 55 : 2013/12/02(月) 21:07:22 :
ユーク「アニ…」ダキッ ギュッ!
アニ「うぅっ…うぅぅ…」グスッグスッ ギューーッ
ユーク「俺が怒った理由…わかる?」ナデナデ サスサス
アニ「…ううん」フルフル ギューーッ
ユーク「それはね…アニが自分を蔑《ないがし》ろにしていたからだよ」ナデナデ
アニ「私が…自分の事を?」グスッ
-
- 56 : 2013/12/02(月) 21:08:15 :
ユーク「少しの気の迷いが生じたからって…」
ユーク「そんな簡単に、自分を捨てないでくれ!」ギュッ
アニ「…うん」グスッグスッ
ユーク「俺は、アニの事を大切に想っている」
アニ「…!!」
ユーク「でも、それは…女の子としてよりも家族愛に近いもの…だと、思うんだ」ギュッ
-
- 57 : 2013/12/02(月) 21:09:35 :
アニ「…うん」シュン
ユーク「だから一時の気の迷いの為に、自分を捨ててしまいそうだったアニが…許せなくて」
ユーク「つい、大声で怒鳴ってしまったんだ…ごめんね」ナデナデ
アニ「うん…うん。私も…ごめんなさい」グスッ
ユーク「これからは、“あんな事”を軽々しく、言っちゃダメだからね?」ナデナデ
アニ「ありがとう、ユーク…ありがとう…」グスッ ギューーッ
-
- 58 : 2013/12/02(月) 21:11:48 :
ユーク「思う存分、泣いていいからね?」ナデナデ ギュッ
アニ「……」グスッグスッ
ユーク「……」ナデナデ
アニ「(ユーク…)」スリスリ
ユーク「(アニ…」」ギューーッ
アニ「(私は…)」ギューーッ
-
- 59 : 2013/12/02(月) 21:12:54 :
――――――――
ユーク「今日は、この辺にして…戻ろうか?」
アニ「うん…今日もありがとね…」グスッ ズピッ
ユーク「(ごめんね、アニ…俺はきっと…)」
アニ「(私…嬉しかったん…だよね…?)」ゴシゴシ
ユーク「(この気持ちは、もしかしたら家族愛だけじゃない…のかもしれない…けど!!)」
ユーク「(俺がこの気持ちの正体に辿り着くまでは…誰にも言ってはいけないんだ!」
-
- 60 : 2013/12/02(月) 21:14:05 :
ユーク「(だから、アニ…君は“その時”まで、待っていてくれるかい?)」
ユーク「(俺は必ず、そこへ辿り着いて見せるから…その時は、絶対に!!――――)」
アニ「(ユークが私の事を、大切に想っていてくれている)」
アニ「(それが再確認できただけでも、良かったじゃないか)」
アニ「(焦る必要なんて…なかったんだよ)」
アニ「(ユークが返事をくれる、“その時”まで…私は、待とう!――――)」
-
- 61 : 2013/12/02(月) 21:16:16 :
Part2おわり
今回の話は、2人の転機となるかもしれませんね
この話が完成したのは、かれこれ1か月ほど前ですが、
特に文章に力を入れたので、少しでも感動していただけたら嬉しいです
-
- 62 : 2013/12/03(火) 18:08:13 :
――Part 3――
――――『次の』休暇日――――
ミカサ「それでは、買い出しに出掛けましょう!」
ユーク「エレンには、勘付かれてはいないようだ」
アニ「順調だね」
ミカサ「ええ、今日の事も出来れば気付かれない方がいい」
ミカサ「ので、細心の注意を払って、行きましょう」コソコソ
ユーク「なんかこの感じ、久しぶりだな」ソローリソローリ
(『――番外編―― 第6話』参照)
-
- 63 : 2013/12/03(火) 18:08:42 :
アニ「楽しんでいたのは、アンタ達だけでしょ?」ソソクサ
エレン「お前ら、何やっているんだ?」ヒョコッ
ミカサ「ひゃっ!?エ、エレン!!」
アニ「アンタこそ、何やっているんだい?」
ユーク「(絶妙なタイミングだったな)」
エレン「いや?あっちの方を歩いている時に、お前達3人が見えたからさ?」
-
- 64 : 2013/12/03(火) 18:09:11 :
ミカサ「そ、そ、そうだったの!」アセアセ
アニ「(ミカサ、慌て過ぎだよ…ユーク、頼んだよ?)」チラ
ユーク「(わかったよ)」チラ
ユーク「俺達3人で買い出しを頼まれてな。ちょうどさっき」
ユーク「これから出かけるところだったんだ」
ユーク「ね、アニ?」チラ
-
- 65 : 2013/12/03(火) 18:09:37 :
アニ「そういう事」
エレン「なんだ。じゃあ俺もついて行こうか?」
ミカサ「エ、エレンは…い、いいからっ」アセアセ
ユーク「(ミカサ…君はもう喋れなくていいから)」
アニ「(ぼろが出る前に口を封じておこう)」サッ
ミカサ「もがもが…」ジタバタ
-
- 66 : 2013/12/03(火) 18:09:58 :
アニ「暴れるんじゃないよ、エレンにばれてもいいの?」ヒソヒソ
ミカサ「(そ、それは嫌っ!)」シーン
エレン「ミカサもすぐに大人しくなったな」
ユーク「彼女も大人になったという事さ」
エレン「いつもは全力で抵抗するのにな」ハハハ
ユーク「まぁ、彼女の事は、今は置いておいて…」
-
- 67 : 2013/12/03(火) 18:10:22 :
エレン「そうだな。それでいいのか?」
ユーク「あぁ、今日は俺達3人で大丈夫だからさ」
ユーク「エレンは特訓するなり、勉強するなりで頑張ってくれ!」
エレン「そうだなぁ。勉強は嫌だけど…」
ユーク「マルコに逆転されて悔しくないのか?俺は悔しいぞ?」
エレン「…そうだよなっ!俺ももっと頑張って、マルコに勝ってみせるぞぉー!!」
-
- 68 : 2013/12/03(火) 18:10:46 :
ユーク「その意気だ!時間は今しかないんだからな?」(強調!)グッ!
エレン「それじゃあ、俺はひとっ走り行ってくるぜ!!」クルッ ダッ!
タッタッタ
ユーク「…これでよし」フゥ
アニ「…もういいよ、ミカサ」パッ
ミカサ「苦しかった…」ケホッ
ユーク「それじゃあ、また邪魔が入らないうちに“次へ”行こうか?」スタスタ
アニ「そうだね」スタスタ
ミカサ「誰も心配してくれない…寂しい」トコトコ
-
- 69 : 2013/12/03(火) 18:11:21 :
――――街中――――
ユーク「買い出しという名目だが…」
アニ「まぁ、嘘はついてないよね…半分」
ミカサ「そうね。教官が指示したという事以外は、至って事実」
ユーク「まずは、小物や装飾品から買いに行くか?」
アニ「そうだね、食材は最後に…」
ミカサ「ええ、それでは雑貨屋から行きましょう!」スタスタ
-
- 70 : 2013/12/03(火) 18:12:09 :
――――街中――――
ユーク「さて、買い出しという名目だが…」
アニ「まぁ、嘘はついてないよね…半分」
ミカサ「そうね。教官が指示したという事以外は、至って事実」
ユーク「まずは、小物や装飾品から買いに行くか?」
アニ「そうだね、食材は最後に…」
ミカサ「ええ、それでは雑貨屋から行きましょう!」スタスタ
スタスタ トコトコ
ワイワイ ペチャクチャ
-
- 71 : 2013/12/03(火) 18:12:42 :
――――雑貨屋――――
ユーク「飾り用のキラキラや輪っか用の紙とか探せばいいの?」キョロキョロ
ミカサ「ええ、その通り」
アニ「招待数もある程度絞ってあるから、そんなに大袈裟なものじゃなくてもいいよね?」
ユーク「そうかもね。あまり派手だと、エレンも気恥ずかしいかもしれないし」
ミカサ「食堂とは言ったけど、14人座れるだけのスペースと机があれば、それで十分」
アニ「参加者は、私達とエレン」
-
- 72 : 2013/12/03(火) 18:13:05 :
ユーク「そして、ライナーやベルトルトをはじめとした」
ミカサ「アルミン、マルコ、ジャン、コニー、ユミル、クリスタ、サシャ、ミーナ」
ユーク「以上14名だな」
アニ「誰に向かって説明したの?」
ミカサ「今は、そういう無粋な事は言わないの」メッ!
アニ「わかったよ」
-
- 73 : 2013/12/03(火) 18:13:40 :
ユーク「順応は必要な事だよ?」ニコ
アニ「…うん」
ミカサ「それでは、再び探しましょう!」
ユーク「探しているうちに良い物も見つかるかもね!」ガサゴソ
ミカサ「ええ、プレゼントも用意しなくては…」ガサゴソ
アニ「何がいいだろうね?」キョロキョロ
-
- 74 : 2013/12/03(火) 18:14:11 :
ユーク「エレンの希望はわかるかい、ミカサ?」チラ
ミカサ「いいえ、怪しまれてもいけないので聞いては来なかった…でも」
アニ「…?」
ユーク「でも?」
ミカサ「心の籠ったものであれば、例えどんな下手な手作りのものでも」
ミカサ「エレンはきっと、快く受け取ってくれるはず」ニコ
-
- 75 : 2013/12/03(火) 18:14:36 :
ユーク「…そうだな」
アニ「大切な事だね、それは」
ミカサ「ええ、なので心を込めて選びましょう!」
ユーク「さーて、何か珍しいものはないかなぁ?」ガサゴソ
アニ「ユークは今の話、ちゃんと分かっていたの?」クスクス
ミカサ「本当に…」クスッ
-
- 76 : 2013/12/03(火) 18:16:18 :
ユーク「あぁ、ちゃんと聞いていたさ!」
ユーク「大切なのは、エレンに喜んでもらう為に心を込める事」
ユーク「そしてエレンはどんなプレゼントでも、快く受け取ってくれるはず」
ユーク「…だろ?」
ミカサ「ええ、その通り」ニコ
アニ「なんだ。ちゃんと聞いていたんじゃないか」
-
- 77 : 2013/12/03(火) 18:17:28 :
ユーク「だから、びっくりするような面白そうな物がないか、探しているんだよ」ガサゴソ
ミカサ「ふふっ、やっぱり分かっていないのかもしれない」クスッ
アニ「ほんとにね…」クスリ
ユーク「♪」ガサゴソ
ミカサ「…私達も探しましょう!」チラ
アニ「そうだね。探そうか――――」ガサゴソ
-
- 78 : 2013/12/03(火) 18:17:50 :
――――市場――――
ミカサ「今度は、食糧品」
アニ「暑さにやられてダメにならないように保管しなきゃね」
ユーク「食糧庫に置かせてもらえるか、帰ったら交渉しようか」
ミカサ「そうね。来る前に予め交渉(物理)しておけばよかった」
ユーク「ミカサ、またよからぬ方向(物理)で解決しようとしていなかった?」
アニ「……」
-
- 79 : 2013/12/03(火) 18:18:13 :
ミカサ「そんな事はない」クスリ
ユーク「だといいんだけどね」ハハ
アニ「……」ジーーッ
ミカサ「(…アニが見つめている)」タラタラ
ユーク「それで、何の料理を作るんだい?」
ミカサ「今回もまた、アニに料理を決めてもらった」
-
- 80 : 2013/12/03(火) 18:19:10 :
ユーク「『今回もまた』って?」
ミカサ「前回のシチューは、アニが献立として決めてくれた」
(『――番外編―― 第9話』参照)
ユーク「どうしてまた、シチューにしたんだい、アニ?」
アニ「シチューの料理法は、他のいろんな料理に応用できるんだよ」
アニ「野菜を切ったり、煮込んだり、アクをとったり」
アニ「そんな基礎的な動作が、色々と詰め込まれているからね」
-
- 81 : 2013/12/03(火) 18:19:59 :
ユーク「勉強になるよ」
ユーク「それで、今回の料理は?」
ミカサ「今回は、誕生日という事で『グラタン』!!」ババーン!
ユーク「もう夏なのに、それは熱くないかい?」アハハ
アニ「確かに誕生日らしい料理だけど、考えどころかもね」
ミカサ「……」シュン
-
- 82 : 2013/12/03(火) 18:21:16 :
ユーク「そんな顔をしないでくれよ」
アニ「アンタもさっき言っていたでしょ?」
ユーク「気持ちを込める事が何よりも大事」ニカッ
アニ「後は、相手がそれを快く受け取るのを待つだけさ」ニコ
ミカサ「そうだった。ありがとう!思い出す事ができた」パァァア
ユーク「それじゃ、他にも料理は作るとして…」
-
- 83 : 2013/12/03(火) 18:22:35 :
ユーク「(俺が作るわけじゃないけど…)」
ユーク「(…俺もアニに料理を習おうかな?)」
アニ「他の献立は、私が考えてもいいの?」
ミカサ「ええ、アニに可能範囲でよろしくお願いする」ペコリ
ユーク「アニ、責任重大だな」ハハ
アニ「じゃあ、こんな料理を作ろうと思うんだけどさ――――」
-
- 84 : 2013/12/03(火) 18:23:33 :
――――――――
ユーク「ふぅ、買った、買った」ヨイショッ!
ミカサ「14人前ともなると、量も結構となる」ズシッ
アニ「後は、そうだね」キョロキョロ
ユーク「まだ、買う物あるのか?」ズシズシ
ミカサ「両手が塞《ふさ》がってきた」ズシィ
アニ「サラダ用の野菜を買っておかないとね」トコトコ
ユーク「待ってくれよ、アニぃー」ズシズシ
ミカサ「(私はここで待とうか?――――)」
-
- 85 : 2013/12/03(火) 18:23:51 :
――――帰路――――
ユーク「結局、3人とも両手が塞がっちゃったな」ハハッ
ミカサ「結構、重たい」ズシィ
アニ「最後の野菜達が重たいね」ズシズシ
ユーク「…ようやく兵舎が見えてきたな」ジーーッ
ミカサ「荷物を食料庫の前に置いて来て、その後に教官に交渉(物理)に行きましょう!」
ユーク「だから『物理』はダメだって!」
-
- 86 : 2013/12/03(火) 18:24:08 :
アニ「それに、あの『野生種』に食べられてしまわないように、1人は見張りをしなきゃね」
ミカサ「確かに。では、私とユークで交渉に行く」
ミカサ「ので、アニに見張りを頼みたい」
アニ「仕方ないね、わかったよ」
ミカサ「サシャと闘うのが嫌ならば、私が代わりに見張りでも構わない」
アニ「いいよ。私が交渉へ行っても、結局ユークが全部喋っちゃうんだし、私は不要だよ」
-
- 87 : 2013/12/03(火) 18:24:32 :
ミカサ「それも、そうかも」クスリ
ユーク「それよりもミカサは、自分のエレンへの想いの強さを教官へ伝える事が仕事だよ?」
ミカサ「わかった。頑張る」
ミカサ「2人とも、今日は本当にありがとう!」ペコリ
ユーク「ははっ、どういたしまして」ニコ
アニ「でもそれは、兵舎に着いて、全て終わった後にしなよ」クスリ
-
- 88 : 2013/12/03(火) 18:24:52 :
ミカサ「それもそう。では、頑張って帰ろう!」オーー!
ユーク「(今日は、楽しかったな)」
アニ「(ミカサったら、あんなに嬉しそう)」
ミカサ「(エレン、当日は楽しみにしていて♪――――)」ニコ
-
- 89 : 2013/12/03(火) 18:25:47 :
Part3はこれで終了
明日でこの話も終わりです
でも明日は、長めのPartだからお楽しみに!
-
- 90 : 2013/12/04(水) 18:36:59 :
――Part 4――
――――『次の次の』休暇日――――
ミカサ「それでは、皆。今日は集まっていただき、ありがとう」
ミカサ「今日皆には、エレンの誕生日を祝ってもらいたくて招待した」
ミカサ「ので、料理も食べて、皆にも楽しんでいってもらいたい」ニコ
エレン「正直、驚いたぜ!」
エレン「皆、ありがとな!!」
アルミン「発案はミカサで、アニとユークが手伝ったらしいよ?」
-
- 91 : 2013/12/04(水) 18:37:13 :
エレン「そうだったのか!ありがとな、3人とも!!」
ミカサ「ええ、嬉しそうでなにより」ニコ
ユーク「誕生日おめでとう!」
アニ「料理も期待してなよ」
エレン「そうだな!わくわくしてきた!!」
ミカサ「それでは皆、初めにエレンを祝いましょう!」
-
- 92 : 2013/12/04(水) 18:37:39 :
ユーク「アニ」
アニ「うん、ミカサ」
ミカサ「ええ、そして皆、せーのっ!」
「「「お誕生日おめでとぉーう!!」」」
パチパチ パチパチ
エレン「うっ…ありがとな…お前ら」グスグス
ユーク「エレン、泣くの早過ぎだ」
アニ「涙腺脆かったんだね」
-
- 93 : 2013/12/04(水) 18:38:05 :
ミカサ「さぁ、エレン!まずは私が作ったグラタンを食べてほしい!!」ワクワク
エレン「おう!いただくぜ!!」パクッ
ミカサ「ど、どうだろうか?///」ドキドキ
エレン「…すっげぇ、美味いぞっ!!」キラキラ
ミカサ「よかったぁ///」パァァ
アニ「それじゃあ、皆も食べていいよ」
-
- 94 : 2013/12/04(水) 18:39:00 :
ユーク「いただきまーっす!!」パクパク
アニ「ふふっ、アンタ早いね?」クスッ
ユーク「お腹も減っていたし、アニの料理をいち早く食べたくてね!」ニカッ
アニ「そ、そうなんだ…///」ポッ
ユーク「今日も美味しいよ、アニ?」ニコ
アニ「ありがとう、ユーク///」
-
- 95 : 2013/12/04(水) 18:39:57 :
ワイワイ キャッキャッ
クリスタ「このグラタン、美味しいねっ!!」ピョンピョン
ユミル「ほんとだな、こりゃいける!」ガツガツ
ジャン「(ミカサのグラタンか…どれ)」パクッ
ジャン「(うん…生きててよかった…俺)」ジーン
ライナー「いやぁ、美味いな」
ベルトルト「料理の1つ1つが丁寧に作ってあるね」
-
- 96 : 2013/12/04(水) 18:41:01 :
ミーナ「マルコ、このサンドイッチも美味しいよっ!」
マルコ「ありがとう!食べてみるよ」
ミーナ「美味しいよね?」
マルコ「うん、卵がとてもふんわりとしているね」
コニー「オレはグラタンが美味いと思うぞ!」
サシャ「私はサンドイッチの方ですかね?」
-
- 97 : 2013/12/04(水) 18:41:28 :
ワイワイ ガヤガヤ
パクパク モグモグ
ユーク「よかったね、ミカサ」
アニ「皆、アンタの作ったグラタンを褒めてくれているよ」
ミカサ「その様で、安心した」ホッ
ユーク「また1つ腕を上げたね」
アニ「アンタはよく頑張ったと思うよ、私は」
ミカサ「ありがとう、嬉しい」ニコ
-
- 98 : 2013/12/04(水) 18:42:05 :
ユーク「それじゃあ、そろそろプレゼントを渡そうか?」ヒソヒソ
アニ「そうだね。盛り上がっている今が頃合いかも」ヒソヒソ
ミカサ「それじゃあ、ユーク。皆の注目を集めてほしい」ヒソヒソ
ユーク「あいよ」
アニ「頼んだよ?」
ミカサ「では、3、2、1…どうぞ」サッ
ユーク「(せーのっ!)」スゥッ
ユーク「皆!聞いてくれ!!」
-
- 99 : 2013/12/04(水) 18:42:26 :
ザワザワ ガヤガヤ
ピタッ シーン
エレン「ん?どうしたんだ、ユーク?」
サシャ「何か始まるんですか?」
ユーク「あぁ!まだ誕生日会の盛り上がりは、これからさっ!!」グッ
ライナー「(ユークの奴、随分と熱が入っているな)」ヒソヒソ
ベルトルト「(きっと、彼も楽しんでいるんだよ)」ヒソヒソ
クリスタ「(なんだろ?)」ジッ
-
- 100 : 2013/12/04(水) 18:42:46 :
ジャン「(そっか、確かに今かもな)」ジーーッ
ユーク「ご馳走も食べて、皆気分が良くなったところで!」
ユーク「エレンへのプレゼントへと移ろうか!!」イエーーイ!
ミカサ「イエーイ!!」ピーッス!
アニ「い、いえーい…」プルプル
エレン「おぉ!それは嬉しいな!!」ワクワク
-
- 101 : 2013/12/04(水) 18:43:32 :
ユーク「皆も何かしら、持って来たんだろ?」
ジャン「へっ、たりめーじゃねぇか!」
ライナー「俺達を嘗めてもらっては困るな」フフン
ベルトルト「うん!ちゃんと用意して来たさっ!!」
クリスタ「そっか!やっぱり一番のお楽しみは、プレゼントだよね!!」キャッキャッ
ユミル「私だってちゃんと持って来てやったぞ?」ヘヘッ
-
- 102 : 2013/12/04(水) 18:44:16 :
ミーナ「勿論、そんなに大事なものを忘れるわけないじゃない!」エヘン
コニー「おう、俺も持って来たぞ!」
エレン「ほんとか、お前ら!?」
エレン「いやぁ、楽しみだ!!」ワクワク
ユーク「うん。それじゃあ、誰から渡す?」チラ
ミカサ「私は最後がいい」
-
- 103 : 2013/12/04(水) 18:44:38 :
ユーク「そうだね。その方がきっといいさ!」
ミカサ「ありがとう」
ユーク「それじゃあ、特攻隊長はジャンに任せるぞ!」ビシィ
ジャン「おっ!俺が一番ってか?」ニヤ
ユーク「最近ジャンは、“誰かさんのお陰”か知らないが」
ユーク「エレンとは、意気投合し始めたようだしな!」ニカッ
-
- 104 : 2013/12/04(水) 18:45:05 :
ジャン「へっ!随分と言うじゃねぇか、どこかの『誰かさん』よぉ」ニヤ
ユーク「頼んだぜ、ジャン?」ニヤ
ジャン「よっしゃ!期待しておけよ、エレン?」ズイズイ!
エレン「初めはジャンか。何だろうな?」ワクワク
ジャン「ほらよ!ありがたく受け取りやがれ!」スッ
エレン「サンキュー!早速、開けてもいいか?」ドキドキ
-
- 105 : 2013/12/04(水) 18:45:23 :
ジャン「へっ、恥ずかしいが、しゃあねぇな!」ニッ
エレン「なんだろうなぁ」ガサガサ
ジャン「……」
エレン「お!これは…!!」
ユーク「何が入っていたんだ?」チラ
ジャン「…どうだ、エレン。俺の実力を見たか?」ニヤ
-
- 106 : 2013/12/04(水) 18:45:40 :
エレン「あぁ!やっぱお前のセンスはすげぇよ!!」キラキラ
ミカサ「一体、何が入っていたの?」チラ
アニ「私達には見えないね」チラ
ユーク「なるほどな、これを選んだのか」
ライナー「エレン、俺達にも見せてくれ」
ベルトルト「なにが入っていたんだい?」
-
- 107 : 2013/12/04(水) 18:45:59 :
エレン「…これだ!!」ジャーーン!
クリスタ「あ!あれって…」
ユミル「…ほぉ、あの馬面、誕プレとしては中々やるじゃねぇか」ヘッ
マルコ「アルミン、あれって」
アルミン「うん。間違いないと思うよ」
ユーク「外の世界の本…だよな?」チラ
-
- 108 : 2013/12/04(水) 18:46:45 :
ジャン「あぁ…そうだ!」ニッ
エレン「…すっげぇ、嬉しい」キラキラ
ユーク「エレンも感動して、言葉に力が入っていないようだよ」クスッ
ミカサ「エレン、良かったわね」ジーン
アニ「あいつ、一番目にしてハードル上げすぎだよ、全く」クスリ
サシャ「なぁんだ、食べ物じゃないんですかぁ」ガッカリ
-
- 109 : 2013/12/04(水) 18:46:57 :
コニー「オレは、難しい本はわかんねぇなぁ」
ミカサ「サシャ、今は大事な時だから、邪魔しないで」バッ
サシャ「もがもが…」ジタバタ
ユーク「コニー、君はもっと本を読んで、知見を広めるべきだ」バッ
コニー「もがもが…」ジタバタ
アニ「似た者どうしが2組だね」クスッ
-
- 110 : 2013/12/04(水) 18:47:17 :
エレン「これは…海や火山が載っている本だよな?」
ジャン「そうだな…あの時には時間がなくて、皆で読めなかったものだ」
(『――番外編―― 第7話』参照)
エレン「お前…こんな危険な真似して…」
ジャン「アルミンだって、あの時に1冊こっそりと買ってただろ?」
ジャン「冊数が少なけりゃ、努力と運次第で、ばれやしねぇよ」
エレン「…ありがとな」
-
- 111 : 2013/12/04(水) 18:47:40 :
ジャン「おう!ありがたく受け取っておけ!!」ヘヘッ
ユーク「はい、感動をありがとう!」
ミカサ「ありがとう、ジャン」
ミカサ「エレンも嬉しそうで、私も嬉しい!」ニコ
ジャン「(どきりっ!!)」
ジャン「へっ、別に大した事じゃねぇよ」プイ
-
- 112 : 2013/12/04(水) 18:47:59 :
ミカサ「うん。ありがとう」ニコ
ジャン「お、俺はもういいだろ?」チラ
ユーク「あぁ、元へ戻っていいよ」
ジャン「ったく、恥ずかしいったらないぜ」
ミカサ「では次は、誰がいいだろうか?」
アニ「ジャンがハードル上げちゃった所為で、次は行き辛いね」
-
- 113 : 2013/12/04(水) 18:48:11 :
タジタジ ソワソワ
ユーク「じゃあ、次は俺が一転させてみるか!」
ミカサ「『一転』とは?」
ユーク「ジャンとは違った…美しさだよ」トオイメ
ミカサ「…?」ポカン
アニ「…?」ポケーー
ユーク「まっ!見ていてくれ――――」スタスタ
-
- 114 : 2013/12/04(水) 18:49:03 :
――――――――
エレン「皆!色々なプレゼントありがとな!」
エレン「どれもこれも気持ちがこもっていて、すげぇ嬉しかったぞ!」ニコニコ
ユーク「エレン、まだ全員は終わっていないぞ?」チラ
アニ「そうだよ」チラ
エレン「…そうだよな!」チラ
ミカサ「……///」ソワソワ モジモジ
-
- 115 : 2013/12/04(水) 18:49:56 :
ユーク「それじゃあ最後は、ミカサだよ?」
アニ「頑張って!」
ミカサ「う、うん…///」
エレン「ミカサ」ジーーッ
ミカサ「わ、私のプレゼントは…」
エレン「何だ?」ワクワク
-
- 116 : 2013/12/04(水) 18:50:18 :
ミカサ「ま、まずは…この…料理のつもりだった」モジモジ
エレン「あぁ!すげぇ美味かったからな!!」ニカッ
ミカサ「う、うん!嬉しいっ…」ニコ
ミカサ「アニ達にも手伝ってもらったけれど…」
ミカサ「私は…エレンの為に…一生懸命に作った!」ジッ
エレン「あぁ。お前の気持ちは、ちゃんと食べて受け取ったよ」ニッ
-
- 117 : 2013/12/04(水) 18:50:46 :
ミカサ「そ、それともう1つ…プレゼントがあるの…」モジモジ
エレン「…それは?」
ミカサ「…エ、エレンの…お願いを…何でも1つだけ…聞いてあげる事!!」ドーン
エレン「え!?」ドキリッ
ユーク「(…ほぉ、なるほどねぇ)」ヘェェ
アニ「(最後の締めとしては、中々に面白いモノをプレゼントしたね)」ホゥホゥ
-
- 118 : 2013/12/04(水) 18:51:07 :
ミカサ「エ、エレンは…私に…何をお願いしたい?///」チラ ジッ
エレン「(…何でもか…あっ!!)」ピコーン
ユーク「(おっ!エレンは早速、何か思いついたのか?)」チラ
アニ「(一体、何をお願いするんだろうね?)」チラ
ユーク「(さぁな?それは俺にも解らないさ)」チラ
エレン「(ずっと気になってた、“あの事”をお願いにしてみよう!)」ウン!
-
- 119 : 2013/12/04(水) 18:51:26 :
ミカサ「エ、エレン…決まった…?///」モジモジ
エレン「あぁ!決めたぜ?」ニッ
ミカサ「じゃ、じゃあ…遠慮なく言って?///」モジモジ
ユーク「(ミカサは勝負に出たな)」チラ
アニ「(何とか上手く行くといいけどね)」チラ
エレン「じゃあ、『遠慮なく』頼むぞ?」ジッ
-
- 120 : 2013/12/04(水) 18:51:50 :
ミカサ「う、うんっ!!」ジッ
エレン「ミカサ…」ジッ
ミカサ「エ、エレン?」ジッ
エレン「俺は、お前に…」
ミカサ「『私に』…?」
ミカサ「(遂に、“本当の家族”になってほしいって!?)」ドキドキ!!
-
- 121 : 2013/12/04(水) 18:52:06 :
ユーク「(遂に、エレンも言うのか!?)」ワクワク
アニ「(どうなるんだろう…?)」ソワソワ
エレン「お前の…」
ミカサ「(わ、『私の』…?)」ドキマギ
ユーク「……」ワクワク
アニ「……」ソワソワ
-
- 122 : 2013/12/04(水) 18:52:27 :
エレン「俺に、お前の腹筋を触らせてほしいんだ!!」ドーーンッ!!
ミカサ「…え?」
ユーク「…は?」ズテンッ!!
アニ「……(放心)」ポケーー
ミカサ「エ、エレン…今、何て言ったの?」エーット?
エレン「二度も言わせるなよ…恥ずかしいな」
-
- 123 : 2013/12/04(水) 18:52:53 :
ミカサ「え、え?私の…腹…筋…?」アセアセ
エレン「そうだよ。ずっと気になってたんだよ!」
(『――番外編―― 第8話』参照)
ユーク「(エ、エレン…君は最後の最後に、盛大に仕出かしてくれたな!)」グググ スクッ
アニ「アンタ、思いっきりこけたけど、大丈夫なのかい?」サスサス
ユーク「大丈夫さ」
ユーク「だが、たった今のエレンの大失態には、少々文句がね…」
-
- 124 : 2013/12/04(水) 18:53:11 :
エレン「何だよ、『大失態』って!失礼だな!!」プンプン
ユーク「いや、怒りたいのはこっちの方!…って言うよりもミカサだよ!!」
ユーク「エレンの所為で、ミカサがあっち側へ召されちゃっただろ!」
エレン「いや、どういう事だよ?」
ユーク「ほら、見てみろよ!」スッ
ミカサ「……(放心)」チーン
-
- 125 : 2013/12/04(水) 18:53:37 :
アニ「(ミカサ、お悔やみ…)」ナムナム
エレン「おーい、ミカサぁ?どうしたんだよぉ?」ユサユサ
ミカサ「…エ…エレ…ン」グラグラ
ユーク「(凄い精神力だな。既に立ち直りかけている)」
アニ「(まぁ今までの、あの死に急ぎ野郎の事から察すれば、理解も適《かな》うかもね)」
エレン「それで、どうなんだ?」
-
- 126 : 2013/12/04(水) 18:53:56 :
ミカサ「え?何が?」
エレン「だから、お前の腹筋を触らせてくれるのか、ダメなのかだよ!」
ミカサ「エ、エレンは…何でそんな事を?///」モジモジ
エレン「いやさ、お前のあの底なしの体力もさ」
エレン「その腹筋があってこそなんじゃないかと、考えたんだよ」
ミカサ「そ、それで…私の腹筋を触らせてほしいと?」ワナワナ
-
- 127 : 2013/12/04(水) 18:54:29 :
エレン「そういう事だよ」
ユーク「(…あぁー、思い出したような気がする)」
ユーク「(確かあの長距離走の後、風呂場でそんな話していたっけ?)」
(『――番外編―― 第8話』参照)
ユーク「(いや、ちょっと待てよ。それってさ…)」モヤモヤ
ユーク「(俺がミカサの身体の構造に、興味を持った事を話したからであって…)」
ユーク「(このきっかけを作ったのって…実は俺じゃないのか?)」ピーン
-
- 128 : 2013/12/04(水) 18:54:48 :
ユーク「(あれ?俺このままだと…なんかまずくないか?)」タラタラ
ユーク「(…今のところ、その事実に気付いているのは俺だけのようだ)」
ユーク「(後はエレンが余計な事を言わなければ、万事解決する(誤魔化せる)のだが…)」
ミカサ「エレンは何をきっかけに、そんな事を思うようになったの?」
エレン「あぁー、確かユークがそう言ってたんだよなぁ」チラ
ミカサ「え、ユークが?」チラ
-
- 129 : 2013/12/04(水) 18:55:19 :
ユーク「……」フイッ
アニ「(どうするの、ユーク?)」チラ
ユーク「(もう知らないよ!後の成り行きは、まさに運任せだっ!!)」チラ
アニ「(頑張ってね…)」ハァ
ユーク「(全くだよ…)」ハァ
ミカサ「ユーク、どういう事?」ジッ
-
- 130 : 2013/12/04(水) 18:55:55 :
ユーク「…さぁ、俺には見解が付かないよ」フイッ
ミカサ「なぜ目を逸らすの?」ジーーッ
ユーク「…さぁ?」フイッ
ミカサ「もういい。エレンに直接聞くから」クルッ
ユーク「あっ!それはやばいって、マジで!!」アセアセ
ミカサ「さようなら、ユーク」チラ
-
- 131 : 2013/12/04(水) 18:56:16 :
ユーク「ちょ、ちょっと待って!弁解の余地をくれ!!」アセアセ
ミカサ「それじゃあ、エレン。続きを話して」ジッ
ユーク「エレン!君こそ今、何も言うんじゃない!!」
エレン「ユークがミカサの体力が維持されている原因が、筋肉にあるって言ってたからさ」
ユーク「おい、くそ鈍感エレンよぉ…」ガクッ
ミカサ「そう、ユーク。後で“付き合ってね”?」ニコ
-
- 132 : 2013/12/04(水) 18:56:45 :
ユーク「(アニ!助けてぇ!!)」チラ
アニ「(…アンタ1人で頑張りな)」フイ
ユーク「(え!?ちょっと!不条理な!!)」
アニ「(私の勇気を無下にした事への…ちょっとした “仕返し”だよ?)」クスッ
エレン「それでな、ユークがさ――――」
ユーク「エレンは、もうしゃべるなぁー!!」ジタバタ
ミカサ「逃がさない」ガシッ ニコニコ
アニ「(ふふっ――――)」ニコ
-
- 133 : 2013/12/04(水) 18:56:59 :
――――その日の夜 倉庫――――
ユーク「俺にわざわざ弱点を晒すなんて、何を考えての行動だい?」
ミカサ「そう難しく考える必要はない」
ユーク「ほんとかい?」
ユーク「油断を誘う為の、君の罠だったりして」
ミカサ「別に、そんな事は一切ない」
ミカサ「“前”と同じように、私にもしてくれればいい」
-
- 134 : 2013/12/04(水) 18:57:13 :
ミカサ「ので、私にもまた…お願い」ゴロン ジッ
ユーク「『付き合って』とか言うから、てっきりボコられると思って」
ユーク「それなりの覚悟を決めて、ここへ来たんだけどね」
ミカサ「そんな事はしない」
ユーク「そうかい。でもまさか、また耳掃除を頼まれるとは…」
ユーク「それも…アニ以上に、耳が弱いくせに」クスッ
-
- 135 : 2013/12/04(水) 18:57:35 :
ミカサ「いいから始めてほしい…お願い」ギュッ
ユーク「わかりましたよ」ホジホジ
ミカサ「相変わらず上手」
ユーク「それで、ミカサ」ホジホジ
ミカサ「何?」
ユーク「わざわざこの為だけに、休戦しているわけじゃないんでしょ?」ホジホジ
-
- 136 : 2013/12/04(水) 18:58:14 :
ミカサ「鋭い。半分正解」
ユーク「もう半分は?」ホジホジ
ミカサ「もう半分は、本当に貴方の耳掃除が希望だった」
ユーク「そう。お褒めに預かり、光栄だな」ホジホジ
ミカサ「あの…ユーク」
ユーク「ん?」
-
- 137 : 2013/12/04(水) 18:58:35 :
ミカサ「もう少し、上の方をお願い…痒いから」モジモジ
ユーク「『上』って、ここら辺?」ホジホジ
ミカサ「そう、そこ!」
ユーク「それで、話を戻すけど」
ミカサ「ええ」
ユーク「君は今日、エレンに決死の覚悟で臨んだね」
-
- 138 : 2013/12/04(水) 18:59:00 :
ミカサ「私なりの本気のつもりだった」
ユーク「その本気は、俺達にも伝わっていたよ。でも…」
ミカサ「…ええ」
ユーク「エレンの壁は、まだ崩壊とまでは行かなかったね」
ミカサ「残念だった」
ユーク「まっ!近道は遠回りって事さ」
-
- 139 : 2013/12/04(水) 18:59:24 :
ミカサ「そうね。私も急ぎすぎたかもしれない」
ユーク「ほんとだよ…物事には、順序ってものがあるのにさ…」ピタッ
ミカサ「どうかしたの、ユーク?」チラ
ユーク「いや、何でもないさ。こっちの話」ホジホジ
ミカサ「そう」
ユーク「…はい、反対側だよ?」パッ
-
- 140 : 2013/12/04(水) 19:00:09 :
ミカサ「ええ」ゴロン ジッ
ユーク「……」ホジホジ
ミカサ「そういえば…」
ユーク「何だい?」ホジホジ
ミカサ「貴方がプレゼントしたもの…」
ユーク「…あぁ、あれ?」
-
- 141 : 2013/12/04(水) 19:00:29 :
ミカサ「あの時の貴方の様子からは、おそらくサプライズ要素だと思っていた」
ユーク「まぁ、買い物の時もそう言う風に言っていたしね」
ミカサ「貴方がエレンにあげた『万華鏡』」
ユーク「ミカサも覗いてみたかい?」
ミカサ「ええ、とても綺麗だった」ウットリ
ユーク「あの雑貨屋で、ふと気になってね」
-
- 142 : 2013/12/04(水) 19:00:49 :
ミカサ「貴方もいいセンスをしていた」
ユーク「ありがとう」
ミカサ「ところで、ユーク」
ユーク「何だい?」ホジホジ
ミカサ「貴方はこうして、膝枕で私に耳掃除をしてくれているけれど」
ユーク「…それで?」ホジホジ
-
- 143 : 2013/12/04(水) 19:01:09 :
ミカサ「アニはいいの?」
ユーク「今アニとは、あまりこういったべたべたするのは…止《よ》したいんだ」
ミカサ「何かあったの?」
ユーク「いいや、こっちの都合だ」ホジホジ
ミカサ「そう」
ユーク「こっちも終わったよ?」パッ
-
- 144 : 2013/12/04(水) 19:01:31 :
ミカサ「ありがとう。でも…」
ユーク「ん?」
ミカサ「もう少し…このままで居させて…」ギュッ
ユーク「寂しいの?」
ミカサ「ええ、それに少し悲しい」ギュッ
ユーク「…エレンがきっと、ミカサの想いに応えてくれる日が、必ず来るから」
-
- 145 : 2013/12/04(水) 19:01:46 :
ミカサ「…ええ」
ユーク「だから今は、辛抱強く待っていてあげて」ニコ
ミカサ「…ありがとう、ユーク」ニコ
ユーク「…夜は、少し寒くないかい?」
ミカサ「そうね。この長椅子には毛布が敷いてあるけれど」
ユーク「直接椅子に寝転がったり、座ったりすると腰を痛めるからね」
-
- 146 : 2013/12/04(水) 19:02:09 :
ユーク「もう、毛布が常備されているのが、定番なんだよ」
ミカサ「そうだったの。アニの為?」
ユーク「そっ!アニの為さ」
ミカサ「…アニは幸せ者ね」
ユーク「不幸には、絶対にしないさ」
ミカサ「でも、貴方達はまだ互いに、最高の幸せではない」
-
- 147 : 2013/12/04(水) 19:02:28 :
ユーク「いずれ、君には感謝してもしきれないと思う時が…来るのかもね」
ミカサ「ええ。私がこれほどまで働いたのだから」
ミカサ「成功させないと…許さない」ニコ
ユーク「…身体にも、毛布掛けようか?」バサッ
ミカサ「ありがとう。いただくとする」モゾモゾ
ユーク「温かいでしょ?」
-
- 148 : 2013/12/04(水) 19:02:53 :
ミカサ「ええ。もう夏ではあるけれど…今は、温かく感じる」ヌクヌク
ユーク「アニもね、こうやって膝枕されながら、毛布に包まっているのが好きみたいなんだ」
ミカサ「まるで、猫みたい」クスッ
ユーク「本当にね」
ミカサ「今日はこのまま寝てしまっても、構わないだろうか?」ジッ
ユーク「どうぞ、今日は許そう」
-
- 149 : 2013/12/04(水) 19:04:10 :
ミカサ「…ありがとう」ヌクヌク
ユーク「今日は、よく頑張ったね」
ミカサ「ええ…」ウトウト
ユーク「おやすみ、ミカサ」
ミカサ「おやすみ…なさい…」ウトウト
ミカサ「Zzz――――」
-
- 150 : 2013/12/04(水) 19:04:41 :
――――――――
ユーク「(『近道は、遠回り』…か)」
ユーク「(アニも…もしかしたら俺だって…そうだったのかもしれないな)」
ユーク「(アニが積極的にアプローチを掛けてくれたのは…俺は嬉しかった)」
ユーク「(けれどそれが、アニを女の子として意識している為なのかは、正直わからない)」
ユーク「(俺は自分の気持ちすら…まともにわかっていない。だから…)」
ユーク「(“その”結論を出すのは…まだ、時期尚早なのかも…しれないな――――)」
進撃の巨人Another ――番外編―― 第13話
『求めるは近き、見つめるは遠き』
La Fin.
-
- 151 : 2013/12/04(水) 19:04:58 :
【投稿完了 / シリーズ名 / 話数 / タイトル / URL】
――本編――
【13/11/30 進撃の巨人Another 第26話 『蓄積』】
http://www.ssnote.net/archives/3742
【13/11/27 進撃の巨人Another 第25話 『帰る先』】
http://www.ssnote.net/archives/3554
【13/11/23 進撃の巨人Another 第24話 『隠れる』】
http://www.ssnote.net/archives/3249
【13/11/21 進撃の巨人Another 第23話 『行き互い』】
http://www.ssnote.net/archives/3189
【13/11/18 進撃の巨人Another 第22話 『次世代』】
http://www.ssnote.net/archives/2988
【13/11/15 進撃の巨人Another 第21話 『鍵《ヒント》』】
http://www.ssnote.net/archives/2740
【13/11/10 進撃の巨人Another 第20話 『懐古、そして展望』】
http://www.ssnote.net/archives/2440
【13/11/08 進撃の巨人Another 第19話 『待つ者』】
http://www.ssnote.net/archives/2307
【13/11/06 進撃の巨人Another 第18話 『以心』】
http://www.ssnote.net/archives/2219
【13/11/05 進撃の巨人Another 第17話 『志と命』】
http://www.ssnote.net/archives/2140
【13/11/04 進撃の巨人Another 第16話 『選ぶ』】
http://www.ssnote.net/archives/2041
【13/11/03 進撃の巨人Another 第15話 『悪癖』】
http://www.ssnote.net/archives/1992
【13/11/02 進撃の巨人Another 第14話 『クチは...』】
http://www.ssnote.net/archives/1943
【13/11/01 進撃の巨人Another 第13話 『ドウキ』】
http://www.ssnote.net/archives/1886
【13/10/31 進撃の巨人Another 第12話 『人柄』】
http://www.ssnote.net/archives/1841
【13/10/30 進撃の巨人Another 第11話 『危機と嬉々』】
http://www.ssnote.net/archives/1815
【13/10/29 進撃の巨人Another 第10話 『見上げる先』】
http://www.ssnote.net/archives/1748
【13/10/28 進撃の巨人Another 第9話 『辛辣』】
http://www.ssnote.net/archives/1702
【13/10/10 進撃の巨人Another 第8話 『本物』】
http://www.ssnote.net/archives/805
【13/10/10 進撃の巨人Another 第7話 『捨てる』】
http://www.ssnote.net/archives/800
【13/10/10 進撃の巨人Another 第6話 『側』】
http://www.ssnote.net/archives/796
【13/10/10 進撃の巨人Another 第5話 『指令』】
http://www.ssnote.net/archives/795
【13/10/10 進撃の巨人Another 第4話 『再び』】
http://www.ssnote.net/archives/793
【13/10/10 進撃の巨人Another 第3話 『解散式の夜』】
http://www.ssnote.net/archives/792
【13/10/10 進撃の巨人Another 第2話 『見たもの、見るもの』】
http://www.ssnote.net/archives/791
【13/10/10 進撃の巨人Another 第1話 『4人目』】
http://www.ssnote.net/archives/790
-
- 152 : 2013/12/04(水) 19:05:10 :
- ――番外編――
【13/11/30 進撃の巨人Another ――番外編―― 第12話】
http://www.ssnote.net/archives/3487
【13/11/24 進撃の巨人Another ――番外編―― 第11話】
http://www.ssnote.net/archives/3066
【13/11/17 進撃の巨人Another ――番外編―― 第10話】
http://www.ssnote.net/archives/2668
【13/11/12 進撃の巨人Another ――番外編―― 第9話】
http://www.ssnote.net/archives/2257
【13/10/27 進撃の巨人Another ――番外編―― 第8話】
http://www.ssnote.net/archives/1550
【13/10/24 進撃の巨人Another ――番外編―― 第7話】
http://www.ssnote.net/archives/1374
【13/10/15 進撃の巨人Another ――番外編―― 第6話】
http://www.ssnote.net/archives/1078
【13/10/14 進撃の巨人Another ――番外編―― 第5話】
http://www.ssnote.net/archives/1040
【13/10/13 進撃の巨人Another ――番外編―― 第4話】
http://www.ssnote.net/archives/941
【13/10/12 進撃の巨人Another ――番外編―― 第3話】
http://www.ssnote.net/archives/923
【13/10/12 進撃の巨人Another ――番外編―― 第2話】
http://www.ssnote.net/archives/878
【13/10/11 進撃の巨人Another ――番外編―― 第1話】
http://www.ssnote.net/archives/845
――雑談――
【随時更新中 進撃の巨人Another シリーズ ――思い出(過去コメント)保管所――】
http://www.ssnote.net/archives/1038
【随時更新中 進撃の巨人Another シリーズ ――雑談所――】
http://www.ssnote.net/archives/924
――その他情報媒体――
【随時更新中 SS Pedia記事 『進撃の巨人Another』】
http://dic.ssnote.net/article/%E9%80%B2%E6%92%83%E3%81%AE%E5%B7%A8%E4%BA%BAAnother
-
- 153 : 2013/12/04(水) 19:08:38 :
番外編もこれで13話が完結し、ようやくここまで来ました
少し大学が忙しすぎて、ろくに本編を書けておりません
もしかしたら、2週間ほど番外編をおし進めるかもしれません
番外編も早く完結させたいのも、私の想いの1つではありますが、少々腑に落ちない気持ちです
-
- 154 : 2020/10/06(火) 15:02:03 :
- 高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
http://www.ssnote.net/archives/80410
恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
http://www.ssnote.net/archives/86931
害悪ユーザーカグラ
http://www.ssnote.net/archives/78041
害悪ユーザースルメ わたあめ
http://www.ssnote.net/archives/78042
害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル)
http://www.ssnote.net/archives/80906
害悪ユーザー提督、にゃる、墓場
http://www.ssnote.net/archives/81672
害悪ユーザー墓場、提督の別アカ
http://www.ssnote.net/archives/81774
害悪ユーザー筋力
http://www.ssnote.net/archives/84057
害悪ユーザースルメ、カグラ、提督謝罪
http://www.ssnote.net/archives/85091
害悪ユーザー空山
http://www.ssnote.net/archives/81038
【キャロル様教団】
http://www.ssnote.net/archives/86972
何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
http://www.ssnote.net/archives/86986
http://www.ssnote.net/categories/%E9%80%B2%E6%92%83%E3%81%AE%E5%B7%A8%E4%BA%BA/populars?p=51
-
- 155 : 2020/10/06(火) 15:03:07 :
- 高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
http://www.ssnote.net/archives/80410
恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
http://www.ssnote.net/archives/86931
害悪ユーザーカグラ
http://www.ssnote.net/archives/78041
害悪ユーザースルメ わたあめ
http://www.ssnote.net/archives/78042
害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル)
http://www.ssnote.net/archives/80906
害悪ユーザー提督、にゃる、墓場
http://www.ssnote.net/archives/81672
害悪ユーザー墓場、提督の別アカ
http://www.ssnote.net/archives/81774
害悪ユーザー筋力
http://www.ssnote.net/archives/84057
害悪ユーザースルメ、カグラ、提督謝罪
http://www.ssnote.net/archives/85091
害悪ユーザー空山
http://www.ssnote.net/archives/81038
【キャロル様教団】
http://www.ssnote.net/archives/86972
何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
http://www.ssnote.net/archives/86986
http://www.ssnote.net/categories/%E9%80%B2%E6%92%83%E3%81%AE%E5%B7%A8%E4%BA%BA/populars?p=51
- 著者情報
- この作品はシリーズ作品です
-
【進撃の巨人Another】 シリーズ
- 「進撃の巨人」カテゴリの最新記事
- 「進撃の巨人」SSの交流広場
- 進撃の巨人 交流広場