この作品は執筆を終了しています。
「願い、そして描く」 【超短編】
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- 1 : 2015/09/15(火) 21:19:29 :
- どうも、Rin.と申します!これは自分の処女作です、ので、お暇がある方はどうぞ!
このssはアルミン視点となっており、原作をなぞりつつ、そして最後を想像し、書いております。なのでかなりハイペースになると思うので、短編として投稿させていただきますがご了承ください。
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- 2 : 2015/09/15(火) 21:22:08 :
ーーーーこれは、ある少年少女の物語。
アルミン「…今日も疲れたね」
エレン「そうだな」
ミカサ「エレンは好き嫌いをなくすべき、ので、野菜を食べさせてあげる」
エレン「いらねーよッ!」
アルミン「はは…」
これが日常。何気なく訓練をこなし、食堂へ行き、食事をとりながらこの茶番を繰り返す。
側から見れば何の面白味もない光景だが、慣れてしまえば自然と笑みが浮かんでくる。結論、僕はこの時間が嫌いじゃない。厳しい訓練の後だからかもしれないが。
しかしそれも今日で終わりだ。
エレン「どうしたんだ?アルミン。機嫌が良さそうだな」
ミカサ「アルミン、顔がニヤけている」
アルミン「ニヤけっ…!?まあ、何でもないよ」
そう言うと「そうか」と、また先程のやり取りを繰り返す。やはりこの二人はお似合いだ。そして、この場に僕は必要無い、と思うのだけれど、この二人は何とも言わない。
その心遣いが、嬉しくもあり、少し辛くもある。
そんな事を考えつつ、部屋へと行き、皆と会話をしてから眠りにつく。そして目覚め、また訓練に励む。
そうした三年間は何でもない日々だったが、僕にとってはそれが実に良い思い出となった。
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- 3 : 2015/09/15(火) 21:31:02 :
- 思い耽っていると、不意に隣の彼が問う。
エレン「お前…兵団の希望はどうするんだ?」
僕は少し悩み、こう口にする。
アルミン「僕は調査兵団に入る!…向いてないのはわかってる。だけど、死んでも足手まといにはならないよ」
エレン「!!」
やはり彼は驚いた顔をした。無論、わかっている。僕に戦いに関する才能、能力は無い。だけども、僕の志は彼と同じだ。そして、何よりも僕は彼らの行く末を見届けたい。
その気持ちを素直に彼へとぶつける。すると彼はこちらを見つめ、こう言った。
エレン「そうか。なら、お互い頑張ろうぜ」
アルミン「…ありがとう」
彼は実に真っ直ぐで、心地の良い男だ。誰にでも厳しく、それでいて仲間思いだ。目つきが悪くて言葉遣いも少し荒いけど。
そして翌日、突如現れた超大型巨人により、次なる関門が破られた。
昨日、訓練兵団を卒業した僕らも、兵士として住民を守る事となった。
新兵もとい104期訓練兵のみで編成された班で出撃命令が出たのだ。勿論、新兵が胸を張って戦場へ出られる訳も無く、辺りは絶望による重い空気が漂っていた。僕とて例外では無い。が、しかし彼らは違った。実に冷静で、震える僕を励まそうと目の前へ立つ。
ここで僕は確信した。昨日の言葉は口だけで、僕は結局この二人の足手まといのままだと。
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- 4 : 2015/09/15(火) 21:41:51 :
結局、不安の残るまま出撃となった。そして僕が所属する班は壊滅、それに加え、班長エレン・イェーガーは僕を助け、死んだ。
アルミン「エレン!はやくッ!!」
返答は無い。残ったのはこちらに差し伸べていた彼の左手のみ。嗚呼、僕の決意が友人を殺したのだ。
二人の行く末も、二人行く末を見届けることすらも出来ない。自分の無力さを知った。しかし数時間後、彼は巨人となり、僕ら救った。だが、やはり彼は人類の目の敵とされ、批難された。大勢の者が彼の勇姿を見ていたはずなのに。
ここで僕の中の何かが切れたような気がした。
アルミン「これから死にゆくその時まで!彼の戦術価値を説きます!!」
南側領土、最高責任者『ドット・ピクシス』司令の言葉により、エレンの死刑執行は免れ、後に英雄たる功績を残す事となる。
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- 5 : 2015/09/15(火) 21:45:40 :
- そして月日は流れ、調査兵団入団。ここでも彼の巨人の力は大きく、我ら人類勝利の希望を民衆に与えた。
そして、多大な犠牲を払い、裏切り者、アニ・レオンハートの捕獲に成功。その時から、彼は何処か心に闇を抱え始めた。そしてアニ捕獲から数日後。
ベルトルト「やるんだな!?今…ここで!」
ライナー「あぁ!!勝負は今!ここで決める!!」
アニに引き続き、ライナー・ブラウン、ベルトルト・フーバーの裏切りが発覚した。
彼らはこの先の鍵となるエレン・イェーガーの捕獲もとい拉致を試みたが、エレンに眠る鍵の力により失敗に終わる。
その後、この世の仕組みについての謎が解明されて行く。
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- 6 : 2015/09/15(火) 21:47:04 :
- ロッド・レイスの暴挙、キース・シャーディスとグリシャ・イェーガーの過去、巨人の硬化能力による壁の修復。裏切り者、ライナー、ベルトルトの捕獲。そしてアニとの再会。そうした裏切り者の三人の処罰が人類への協力となった事。本当に色々あった。そうした苦労の果てに、遂に僕達は海なる物を発見する。
アルミン「ここが…海…」
エレン「本当にあったのか…」
ミカサ「……泣かないで、二人とも」
「そうだよ。エンディングはまだ早いよ。…全くあいつら、故郷がどうなっても良いっていうのか」
以前の超大型巨人の様に突如現れた獣の様な容姿の巨人。その巨人により、兵団は半壊。それを見たエレンはミカサを肩に乗せ、そして獣の巨人を連れ、走り去っていった。それなのに僕はただただ見ているだけだった。
何故ついて行かなかったのか後悔し続けるとも知らずに。
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- 7 : 2015/09/15(火) 21:48:31 :
そして数時間が経った。が、エレンもミカサも獣の巨人さえも戻ってはこなかった。
僕達は辺り一面を捜し続けた。そして見つけたのは、獣の中身であろう者の死体、幸せそうな笑みを浮かべるミカサの死体、そしてやり切ったような顔をしたエレンの死体、そして辺りには数え切れない程の巨人の死体。
アルミン「え…れん?み…かさ?」
ジャン「アルミン!!」
アルミン「うわぁぁぁぁぁぁあ!!僕は!何も変わらない!!…数年前のあの日からなんッにも!変わっちゃいない!!この役立たず!本当に…!死んじまえ…」
コニー「アルミン…」
結局、エレンは最期に歴史に綴られるであろう偉業を成し遂げた。それは全巨人の駆逐。
壁の中で生きる民衆達は歓喜し、既に壁中が大騒ぎだ。そんな中、僕は一人、部屋で絶望していた。
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- 8 : 2015/09/15(火) 21:49:57 :
- どれくらいそうしていただろうか。不意に部屋の扉が叩かれた。
リヴァイ「俺だ、入るぞ」
返答はしない。否、出来ない。
リヴァイ「いつまでそうしているつもりだ」
アルミン「……」
無視という無礼を咎めず、彼は話を続ける。
リヴァイ「俺は幾度と無く部下、同志を亡くしてきた。…その度にこう言う『お前の死は俺の力となり、これからも生き続ける。そして俺が必ず巨人を駆逐しよう』と」
リヴァイ「だが結局、巨人を駆逐したのはあいつ、エレンだ。俺はもう必要の無い存在だ。死んでいったあの二人にはもう何とも言えない、何かをしてやる事すらも出来ない」
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- 9 : 2015/09/15(火) 21:50:51 :
リヴァイ「あいつらの過去も、思っていた事も、あいつらの…意志を継ぐ事すら出来ない」
リヴァイ「だが、お前はどうだ?…してやれるだろッ!過去も!思いも知っているはずだ!それにお前にはまだ未来がある!あいつらの意志を継ぐ事も出来るだろッ!!」
その時の彼は、泣いていた。それは自然に出た物なのかもしれない。だが、確かに彼は泣いていた。僕はその理由を後に知ることになる。
リヴァイ「…悪い、上司の最期の愚痴だ。適当に聞き流してくれてもいい。……じゃあな」
そう言い残し、彼は去っていった。
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- 10 : 2015/09/15(火) 21:52:16 :
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そしてその数日後、彼は他界した。以前から宣告されていたそうだ。
アルミン「だからあんな事を…
『あいつらの意志を継ぐ事も出来るだろッ!!』
意志…。僕に出来る事、か」
その日、僕は行動に移した。彼らの意志、夢、出来事を綴った物語を歴史に残そうと。
アルミン「…そうだ。二度とこのような事が起きぬよう、彼らの英雄譚をーーーー」
『ーーーー願い、そして描こう』
「願い、そして描く」 〜fin〜
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- 11 : 2015/09/15(火) 21:54:18 :
駄文によるお目汚し失礼しましたm(_ _)m
これにてこのssは終了です、ハイ。本当に超短編でしたがw
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- 12 : 2015/09/17(木) 00:50:05 :
- とても面白い作品ですね!
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- 13 : 2015/09/17(木) 07:21:48 :
- >>12
本当ですか!?ありがとうございます!
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