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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

罪木「風邪は不治の病ですよぉ」

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  1. 1 : : 2015/09/12(土) 19:19:44
    どうもゆーたまろです。

    今回の作品は短い作品でございます

    1レスSS(ダンガンロンパ公式グループ)の投稿よりも少し多くなってしまったので書かせていただきたいと思います

    注意:タイトルと執筆者の方は関係ございません。本当だよ?

    スーパーダンガンロンパの終了後が舞台となっております。

    それでは・・・どうぞ
  2. 2 : : 2015/09/12(土) 19:20:00
    ==================================================

    目を開けた時私はカプセルの中に入っていた、まるで卵の殻であるかのような自分の身体を包み込むそれは私の目覚めと共に電子音を響かせて開いた

    身体を起こそうと上半身に力を入れるが何か別の力によって戻される

    首だけで周りの様子を確認するとおびただしい数のケーブルが私に繋がれていた

    無理やりに引き剥がそうとも考えたがうっすらと感じる頭痛がそれを抑制した

    「おはよう、罪木」

    頭上から声が聞こえてくる。それは知らない声では無かった
  3. 3 : : 2015/09/12(土) 19:20:10
    どこで聞いたのだろう

    思い出そうと目を閉じると様々なことがフラッシュバックしてきた。

    ジャバウォック島

    コロシアイ

    血、首つり、死

    裁判

    オシオキ

    激しい頭痛と共に先ほどまで生活していたジャバウォック島での思い出と

    罪を犯してしまった私の末路が頭の中から激しくノックする

    吐き気を催しながらもその声の主が誰かの答えにたどり着くことができた
  4. 4 : : 2015/09/12(土) 19:20:22
    『私を殺した男の声』


    「大丈夫か?」

    心配そうな声がもう一度頭上から聞こえる。その声で我に返り

    「ここは・・・?」

    長らく声を出していなかったからだろう、かすれた声は、ここはどこ?まで言うことができずに空気に霞んでいく

    「ここは未来機関、詳しい話は後で話すから」

    そう言うと彼は私から離れていき

    間もなく私を拘束するそれはその効力を無くしただのケースと化した物から彼の手を借りて外へ出た

    周りのケースの様子を見るとちらほらと空のケースと中身の入ったケースがある

    「皆もはやく起きるといいな」

    私が周りに向けた目線を悟ったのであろう 彼は真剣な顔で口を開く

    その後別室で絶望更生プログラムというものを詳しく説明された
  5. 5 : : 2015/09/12(土) 19:20:34
    ==================================================

    私が目覚めて数週が経ち、日常生活に支障をきたさない程度に回復した

    「それじゃ、後は任せた」

    医療器具の詰め込まれた清潔な部屋から彼が出ていく

    外は酷い有様であった

    瓦礫と舗装されていない道路、映画でよく見る荒廃した土地をそのまま表したかのようなものだった

    生き残りが少ない中、応急手当や治療ができるのが私しかいなかったため

    保健室というプレートを掲示されている部屋を任された

    ここが、終わってしまった世界の私の”居場所”

    少し何かが引っかかるような気がしたが、それは霧ががった視界の先にある何かであり私はそれ以上考える事をしなかった

    「ふゆぅ・・・」

    一息つくと西日の射した窓へ歩きカーテンを閉めた
  6. 6 : : 2015/09/12(土) 19:20:47
    ==================================================

    『コロセ』

    誰?

    『ミンナミンナコロセ』

    どうしてそんなことを言うのでしょうか

    声を発せず心の中で叫ぶ

    『イマサラナニヲイウ』

    確かに過去の私は人を殺したそれも大量に、そして絶望更生プログラムでも

    けれど、もう私には仲間がいる居場所がある

    『イバショ?ナカマ?』





    『私様の事を忘れたの?居場所で有り仲間であった私様を』
  7. 7 : : 2015/09/12(土) 19:20:58
    ==================================================

    「はっはっはっ・・・・」

    酸素が上手く取り入れられずに上体を起こしたまま胃の中の物をすべて吐き出す

    全身に服が貼りつき、頬に髪の毛がこびりつく

    何だったんだ、あの夢は

    落ち着けば落ち着こうとするほど心拍数が上がっていきまともに座ってさえいられない程だった

    私は知っている、あの声、あの霧の向こうのシルエットも


    「江ノ島」



    「盾子」

    霧が晴れると同時に私は落ち着きを取り戻した
  8. 8 : : 2015/09/12(土) 19:21:12
    ==================================================

    思い出したその日からも私は医務室での仕事を全うしていた

    「ありがとう、罪木さん」

    診察が終わり、薬を渡すと1つ下の幸運の青年は私に感謝を伝えた

    「お気をつけてくださいね風邪は万病の元ですからね」


    扉が閉まり1人になる

    「ふゆぅ・・・」

    ため息を1つ、あの日から毎日のように江ノ島 盾子は私の夢にあらわれる

    コロセと私に投げかける

    でも私はコロサナイという選択をした

    「お、やってるな おつかれさん!」

    急に窓の外から声をかけられ心臓が躍る

    「日向さん」

    窓枠に腕と顎を乗せてニカッと笑う

    「順調か?」

    私の事をまっすぐ見つめ話しかけてくる

    「俺たち未来機関の健康面は罪木に任せてるからな」

    ふあぁ、とあくびを1つして、おっとこんな時間かと呟くと彼は本部に戻ろうとする背中を私は見続けた
  9. 9 : : 2015/09/12(土) 19:21:22
    ==================================================

    次の日、1つ下の幸運が死んだ

    過労だったという

    私の心の中に渦巻くこの気持ち

    これはいったいなんだろう
  10. 10 : : 2015/09/12(土) 19:21:31
    ==================================================

    葬儀が終わると、日向さんは最近咳が止まら無くて、一応なと言い私の診察を受けた

    「風邪は万病の元ですからね、気を付けてください」

    私はいつもの台詞で日向さんを送り出す


    「サンキュ、罪木」

    後ろ向きに手を振りながらドアを開け部屋から出て行った
  11. 11 : : 2015/09/12(土) 19:21:45
    ==================================================

    その日の夜も深けた頃

    私はベッドから上体を起こし立ち上がる

    「ふふふふふふ」

    笑いが止まらない笑ってはいけないと思いつつも口角は下がることを知らずに笑いは口から漏れ出す


    ドアを開ける

    長い廊下をスキップしながらある部屋へと向かった

    これから起こることを想像すると絶頂にも似た高揚感が私を包み込む


    嗚呼、私はこれをするためにあのカプセルから奇跡的に目を覚ましたのね

    日向 創と書いてあるプレートが掲げてある部屋へ入る

    ぐっすりと寝ている彼を横目に私はポケットに忍ばせた1本の注射器を愛おしそうに眺める

    苗木 誠で行った実験もしっかりとしたデータが取れた

    彼は本気で殴ったとしても起きないだろう

    「ふふふふふ」

    口からまた漏れ出してくる笑いを今度は抑えようとはしなかった


    私のことは仲間と言い、そしてここを居場所だといった


    違う、まったくもって違う

    居場所ならここではなく

    彼は仲間などでは無い


    私の居場所であり仲間は


    江ノ島 盾子ただ一つだったのだ


    それに彼は私を許してくれなかった人だ

    どうせまた私を許してはくれないだろう

    注射器の針を腕に刺し

    「許してくださいね」

    と彼の耳元で呟くと彼の命を終わらせる液体を注入した
  12. 12 : : 2015/09/12(土) 19:21:58
    数秒後彼は陸に打ち上げられた魚のように激しく痙攣させる

    口からは唾液が漏れ出し

    飛び出しそうなほど眼球を押し出す

    それもまた微弱になり

    弱々しく目を閉じていく


    呼吸が止まる


    私は、全身にかいた汗と絶頂を感じ


    彼の耳元で

    「日向さぁん・・・風邪は不治の病ですよぉ」

    もう一度囁くと部屋を後にした
  13. 13 : : 2015/09/12(土) 19:24:11
    ありがとうございました。

    最初に申した通り1レスSSを少しはみ出してしまった作品に少し肉付けをして書き上げました

    そのため経緯などがあまり詳しく書けず

    目がチカチカするような無様な文章になってしまいました

    申しわけありません


    それではまた別の作品で会いましょう
  14. 14 : : 2015/09/12(土) 19:26:16
    素敵なIFだと思います
  15. 15 : : 2015/09/12(土) 19:26:56

    スレタイ最初びっくりしました!!

    内容はもっとびっくりしました!!

    最後のオチで全身が震え上がりました。恐怖演出を使わない見事なホラーです。

    文章も相変わらず読みやすくて、お上手でした!

    お疲れさまでした!

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