このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
この作品は執筆を終了しています。
「暗い、暗い。夢の中で…」
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- 1 : 2015/08/19(水) 11:09:54 :
- 今回は、モブハンでこざいます。
自分の事を責めているハンジと、それを否定する優しいモブリットの話です。
宜しくお願いします。
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- 2 : 2015/08/19(水) 13:18:27 :
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ボコッ…。
ボコボコッ…。
『ここは…何処だろう…。』
辺りを見渡す。
ここ…。どこかで、見たことがある…。
確か…本で…。
小さい頃に、隠れて読んでいた本…。
外の世界の本で、見たことがある。
そう、それは。
海。
その本に書いてある海の説明はとても興味を祖剃る物だった。
海は青くて塩の味がするらしい。
そんな訳ないと思ったけど、本当なら、行きたいと思った。
魚や珍しい生き物が沢山いるらしい。
そして、凄く…深い。暗い。
暗い…けど、上から綺麗な光で照らせれている。
だから、明るい。
けど…此処には無いみたいだ。
体がどんどん沈んで行く。
嫌だ…。
何故かそんな気持ちに襲われた。
暗闇に吸い込まれて行く。
あがく。
けど、体は暗闇へと落ちて行った。
上へ手を伸ばすが、掴む物はただの水。
意識が遠くなって…。
目を閉じた…。
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- 3 : 2015/08/19(水) 18:42:23 :
- _____『ぶ、分隊長…!!』
_____『た、助け…』
_____『い、いやぁああ……』
_____『ハンジ…!』
_____『ハンジ…』
声が聞こえて目を開く。
辺りはさっきよりも暗い所。
きっと沈んでいったんだろう…。
それより…。
私が聞いたこの声には聞き覚えがあった…。
みんなの…声だ。
私が助けられなかった皆の声…。
あの、二人の声も聞こえた…。
ごめんね…。
助けてあげられなくて…。
だから、私も皆の所へ今から…行くよ
…。
目を瞑り、私は自分から身を授けた。
此処よりも深く、暗い所へ…。
皆の所へいく為に____。
「____長__!!」
また、声が聞こえた…。
瞑った目を開く。
目を開くと、暗いこの海に、光が照らしていた。
深くて、暗くて、寒かった所に光が照らす。
暖かい…。
そう思った…。
そして、私は自然と涙が出てきた。
上を見上げ、その光へ手を伸ばす。
『助…けて…』
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- 4 : 2015/08/19(水) 19:38:23 :
- 続き期待してます!
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- 5 : 2015/08/19(水) 19:43:27 :
- 文章いつの間にかめっちゃ上手くなっとる!!期待雛♪
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- 7 : 2015/08/19(水) 22:30:17 :
- _________________
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「ぶ、分隊長…?大丈夫ですか…?」
え…?あ…。
「モ、モブ…リット…?」
目の前には、副官のモブリットがいた。
とても、心配している顔だった。
声からも焦っている色が伝わって来た。
「汗…びっしょりですよ…。」
そう言って、持っていたタオルで私の汗を優しく拭いてくれた。
「それに…涙も出てます…。」
私は言われて気づき、頬を触る。
そこには、モブリットが言った様に、私の目には涙がつたっていた。
それをも、モブリットは優しく拭いてくれた。
タオルではなく、モブリットの手で…。
「どうしたんですか…?」
何時ものモブリットの声が聞こえる。
「ううん…。何でもないよ。」
こんな、優しいモブリットに迷惑は掛けられない。
だから、私は口を継ぐんだ。
「そんな訳ないじゃないですか…。話してください。お願いします…。」
そう言いモブリットは、そこの椅子に腰掛けた。
「…ありがとう。」
私は小さな声でそう言った。
モブリットの優しさが、声が、全てが、安心出来る。
「…夢…を見たんだ…。」
私は、夢の事を話出した。
「そこはさ、海って言う所だったんだ…。」
「海ですか…?」
モブリットが戸惑っている。
まぁ、当たり前か。
外の世界の事だからね…。
「そう。海。そこはさ、暗くて、深くて、静かなんだ…。そして、とても青い。水なんだけど、塩の味がするんだ。」
「その、海ってとこがどうかしたんですか…?」
「あ、うん。私ね、その海の中に居たんだ…。暗くて、静かで、とても深かった…。」
「誰も居なくて、一人だった…。」
私の話を真剣に聞いてくれるモブリット。
心の中で、『ありがとう』とまた、お礼を言った。
「どんどん沈んで行って…。足掻いても、手を伸ばしても…。掴む物は水だった…。そして、意識が無くなったんだ…。」
「…。」
「その後にさ…声が、聞こえたんだ…。」
「声…ですか…。」
「うん。声…。その声は、私が助けてあげられなかった部下や仲間の声だった…。」
「…!!」
私のこの発言にモブリットはびっくりしている。
「申し訳なかった…。謝りたかった…。守りたかった…。」
「どうして、守れなかったんだって…。」
「…ハンジ…さん…。」
「だから、皆の元へ逝こうとした…。だけどね…。」
「逝こうとして、目を瞑ったら、声が聞こえたんだ…。それで瞑った目を開けたんだ…。」
「…。」
「そしたら、光があったんだ…。暗かった海に光が照らしてて…私はその光に手を伸ばしたんだ…。」
「暗くて、寒くて、深かったこの海に、光があって、とても暖かったんだ…。」
「その光に手を伸ばした時に…ふと思ったんだ…。『助けて』って…。」
「そこで、私の夢は終わったんだ…。」
「そ、その…。すみませんでした…。思い出させてしまって…。」
モブリットば私を慰めようとした。
けど、言葉が見つからず、私に謝った。
「ううん…。聞いてくれてありがとう…。」
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- 8 : 2015/08/20(木) 20:49:21 :
- 聞いてくれたからか分からないけど、安心したからかも知れない…。
けど、思っていたことが、口から溢れ出した。
「どうして…さ…守ってあげられなかったんだろう…助けてあげられなかったんだろうっ…!!」
目から涙が零れる。
「私をっ…私を助けて死んで行った部下も居たっ…どうしてっ…」
「私なんてっ…私なんて要らなかったのにっ…!!どうして助けたのっ…助けてあげることも出来ない私をっ…守ることの出来ない私をっ…どうしてっ…!!!」ポタッポタッ
「ハ、ハンジ…さ…」スッ
モブリットはハンジを慰めたかった。
けど、出来なかった…。
今、自分の目の前にいるハンジさんは、何時もの分隊長じゃなかった…。
まるで、小さな子供の様に泣き崩れて居たからだ…。
「私なんてっ…私なんかっ…!!」
「っ…」グッ
モブリットはハンジがそこまで言った時、優しくハンジを抱き締めた。
「モ、モブリット…。」
そして、優しい声で。
「そんなこと…そんなこと言わないでください…。自分には貴方が必要です。」
そのまま、モブリットはハンジに言う。
「いろいろ大変な事もあります。ですが、居なくなって欲しいなど、思ったことありません…。むしろ、居て欲しいと思ってます…。」
「でもっ…」
「それに、この調査兵団にとっても必要不可欠です…。貴方が居なくなったら、巨人の実験はどうなるんですか…?巨人の秘密は明かされないままになるんですか…?何より、分隊長のその力はとても大きな物です…。」
「けどっ…私はっ…!!」
モブリットは少し力を込めてハンジに言う。
「死んでいったっ…死んでいった部下や仲間を…分隊長は裏切るんですか…?
「巨人に勝ちたいと、もう負けたくないと、人類を守る為に心臓を捧げました。ですが、分隊長はそんな思いを裏切るんですか…?自分から、居なくなりたいと、要らないなどと言って…皆の思いを踏みにじるんですか…?」
「違い…ますよね。自分の知っている分隊長は、とても優しくて、仲間思いで、頼りになって、尊敬できる方です。」
「だから、言わないでください…。要らないなど…。お願いです…。そんなことを言ってしまっては…本当に居なくなってしまいそうで…自分だって怖いんです…。」
「ごめん…」
「ごめん…モブリットっ…」ポタッポタッ
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- 9 : 2015/08/20(木) 23:51:15 :
- ひゃあああああ!期待です!!
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- 10 : 2015/08/20(木) 23:55:22 :
- >>9ミカサしか愛せないさん
期待ありがとうございます!
ど、どうして叫んでるんですかー!w
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- 12 : 2015/08/21(金) 23:53:01 :
- 「怖かったんだ…。私も。」
「どんどん仲間が居なくなって逝って…さ。焦って。エルヴィンにも迷惑掛けた…。」
「巨人を捕獲させてくれって、何度も、何度もお願いした…。早く、知りたくて、勝ちたくて、もう、失いたくなくて…。」
ハンジの素直な気持ちにモブリットは安心する。
「だから、研究に最近は没頭してた…。だからこんな夢見ちゃったんだろうね…。」
すると、ハンジは何かに気付いた用にモブリットに話しかける。
「モ、モブリット…あのさ…。」
モブリットは少ししてからその言葉の意味が通じた様で、すぐ様ハンジを抱き締めていた手をパッと放した。
「あ、え、えぇと…す、すいません!」
「いいや、良いんだけどさ~恥ずかしいって言うか~」
ハンジの声が明るくなった。
「でも、モブリットが私を慰めてくれたこと、嬉しかったよ!」
「も、申し訳ありませんでした…!!ぶ、分隊長に自分はなんてことを…」
「全然気にしてないよ~?」
「き、気にしてないって言うのもグサっときます…。」
「えぇー?どっちなんだよー」
「じ、自分でもわかりません…。」
モブリットは元気なハンジさんになって嬉しかった。
「で、でも…良かったです…。何時ものハンジさんに戻ったみたいで…。」
「………。」
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- 13 : 2015/08/22(土) 13:59:59 :
- 「ナナバ…と、ミケ…。あの二人の声が聞こえたんだよね…。あの海の中で…。」
「ナナバのさ…明るくて元気な声と、いつも壁外調査前に、大丈夫だって、安心させてくれたミケの声が聞こえて、もう、辛かったよっ…。」
「もう一度っ…二人に会いたいよ…。」
「分隊長…。その…。」
「分かってるよ…無理だって…。あの二人だってさ、最後まで守ろうとしたんだよね…。戦ったんだよね…。もう、死ぬってわかってても、巨人に立ち向かって、戦ったんだよねっ…。」
「怖くても、嫌でも、戦ったんだ…。」
「だから、私も頑張るよ…。怖くても、立ち向かう。だって、守りたいから、失いたくないから…。」
「そうですね…。自分も頑張ります。守りたいものがありますから。」
「……。モブリット…。君を失いたくない。だから、私はモブリットを守る。命を掛けて。守ってみせる。」
「分隊長…。」
「…。自分も…分隊長を失いたくありません。ですから、自分も分隊長を守ります。命を掛けて。助けます。」
「居なくならないで…くださいね…。絶対に。」
「うん…。居なくならないよ。絶対に。」
「巨人の謎を明らかにして、絶滅させて、外の世界にいきましょう…。そして、海ってとこに行きたいです。約束ですよ…?」
「…!!分かったよ、約束。破ったら、いけないからね~?」
「分隊長こそ、破らないでくださいよ…?」
「…絶対に、行こうね…。」
「えぇ…。行きましょう…。」
そう言って、ハンジはモブリットを優しく包み込んだ。
そして、落ち着いた声で、ゆっくりこう言った。
「ありがとう…。」
その、暖かみが隠ったハンジの声に、モブリットは恥ずかしさが隠せない。
「ぶ、分隊長…//」
「モブリットもさっきこうしてくれただろ?嬉しかったよ…?」
「い、いいですから放してください!!恥ずかしいです…!!」
「やだよ~モブリットは照れ屋だな~♪」
「な、何言ってるんですかぁ!」
「やだ~離しませーん♪」
「ぶ、分隊長!!」
『…。ありがとう…。モブリット…。』
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- 14 : 2015/08/22(土) 14:01:40 :
「暗い、暗い。夢の中で…」
E N D…
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- 15 : 2015/08/22(土) 14:09:51 :
- はい、終わりました。
短かったですが、読んでくださってありがとうございました。
本当に、死なないで欲しいですね…。
コメント、回覧ありがとうございました。とても嬉しかったです。
では、また次回。
ありがとうございました
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- 16 : 2016/01/03(日) 02:45:35 :
- 心に来た・・・
やばい、いい話・・。素敵だな・・
お疲れ様!
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- 17 : 2016/01/04(月) 18:30:49 :
- >>16零句さん
ありがとうございます!!
なんか、しんみりしてますが、そう言って下さると嬉しいです!
お気に入りありがとうございました。
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