このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
苗木「モノクローンライラの悲劇」
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- 1 : 2015/08/10(月) 01:24:27 :
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はじめまして、もりしおです
初SSとなります。楽しんでいってください
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- 2 : 2015/08/10(月) 01:41:26 :
その日、僕たちは体育館に呼び出された
もちろん、あのクマに
「オマエラってさぁ、出たくないわけ?」
「……は?」
大神さんが死んで1ヶ月くらいたった
その間、僕たちはコロシアイを起こさなかった
起こさないように……していた
「出たくないの?ねぇねぇ!」
モノクマはしつこく聞いてくる
「何?アンタはコロシアイをしろっていうの?!」
「するわけないべ!オーガのためにも皆のためにもここで死ぬわけにはいかないんだべ!!!」
「あらあら、バカふたりが何を怒って…うぷぷ」
「ば!バカっていうな!!」
そんなモノクマと朝日奈さんと葉隠君の喧嘩にしびれをきらせたのか、彼女が口を出した
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- 3 : 2015/08/10(月) 01:49:42 :
「それで私たちに何をさせたいの?」
「そうそう、これを投入すればオマエラはコロシアイをすると思うんだ!」
「『これ』………?」
そういってモノクマがとりだしたのは…
「じゃじゃーん!!!『モノクロームライラ』でーす!」
「モノクロームライラ……?なんだそれは」
腐川さんがモノクマから『それ』とった
「ビーズ…みたいな物よ……赤黒いだけでほかは仕掛けなんてないわ…」
「こ、これがなんだっていうんだよ…」
モノクマはうぷぷ…と笑った
「さぁ、なんだろうね……何日かたてばわかると思うよ?」
「うぷ、うぷぷぷぷ~!」
そう言ってモノクマは姿を消した
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- 4 : 2015/08/10(月) 11:10:25 :
僕たちはとりあえず食堂へ戻ることにした
「霧切ちゃん、何か・・・わかった?」
霧切さんは首を横にふった
「何もわからない・・・ただの赤黒いビーズ、それだけ」
「そうなんか・・・」
皆の少しの沈黙
皆、恐れているかもしれない
この変なビーズだって
もしかしたら、人を恐怖に陥れるかもしれない
なにが起きても仕方がないのだ
僕たちは、そういう事を嫌というほどわかっているんだ
それでも・・・
それでも僕たちは・・・
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- 5 : 2015/08/10(月) 11:37:36 :
「おい、いつまでこうしてる」
そう言ったのは、やはり十神君だった
「動かないと何も始まらないんだろ?」
「・・・そ、そうよ!白夜様の言う通りだわ!」
「・・・うん、そうだね」
「で、でも・・・どうするんだべ?」
「・・・」
すると朝日奈さんが手を叩いた
「あのさ、そのモノクロームライラってやつをどこかに隠そうよ!」
「そうね。脱衣所のロッカーでいいんじゃないかしら」
「それで決まりだべ!」
皆に笑顔が戻る
僕も安堵の息をもらした
「じゃあ苗木、お前が隠しに行け」
「ええっ!?なんで僕が!?」
「私も苗木がいいと思うー!」
「俺も賛成だべ!」
「白夜様が言うなら・・・いいんじゃない?」
「私も、苗木君がいいと思うわ・・・」
「皆・・・どうして僕に・・・」
霧切さんが肩に手をのせてきた
「皆あなたのことを一番信頼してるのよ・・・?」
葉隠君と朝日奈さん、腐川さんが近づいてきた
「そうよ・・・まあ。白夜様には到底及ばないけどね!」
「どっちなのさぁ・・・」
「苗木っちは安心できるべ!」
ただ十神君はそっぽをむいたままだった
「・・・俺がお前を選んだ理由くらい自覚しておけ」
そして十神君は食堂を出ていった
それって・・・・・・
ーーーなんでもない
「ありがとう、皆」
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- 6 : 2015/08/11(火) 18:49:30 :
僕はモノクロームライラを手に取ると、早速脱衣所へ向かった
上から2番目…左から3番目………
よし!ここにしよう!!
なんとなく決めたロッカーの扉を開ける
もう一度モノクロームライラを見てみた
…本当にこれはなんなのだろう
例え恐ろしい物だとしても……
「絶対…お前の思惑通りにはならないからな!」
監視カメラがない中でモノクマに言ってみる
もちろん聞こえないのは百も承知だ
僕はそのビーズを中に入れようとした
そのとき、ビーズが光った
「!?」
一瞬の出来事だった
「な、なんだろう…」
何気なく僕はモノクロームライラを見つめた
目を疑った
舞園さん
舞園さんが見える
笑顔の舞園さんが見える
笑顔の舞園さんはこっちを見ると近付いてきた
笑顔で笑顔で包丁持って楽しそうにこっちに来て包丁持って笑顔で楽しそうに包丁持ってこっちに来て
近付いて近づいてちかづいてチカヅイテ
「う……」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ビーズを思いっきり地面に叩きつけた
ダンダンダンダン
踏みつける
ダンダンダンダン
ダンダンダンダン
「やめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろ!!!!!」
ビーズの中でも
夢でも幻でも
舞園さんは見えた
嬉しいはずだった
だけど
嫌だった
舞園さんは包丁を持ってた
笑顔だったけど
殺気が伝わった
僕でもわかった
ダンダンダンダン
ダンダンダンダン
割れることはないけど
それでも踏み続ける
やめることはできない
「はぁ……はぁ……」
疲れて僕は座り込んだ
急いでモノクロームライラを拾い、ロッカーの中にいれる
そして脱衣所の全てのロッカーの鍵をかけた
誰も取らないように、僕なりの考えだ
「か、鍵を………」
どこかに捨てないと……
さっきの光景が蘇る
あのまま僕は舞園さんに殺されたかもしれない
ビーズの中の出来事だけど
やけに現実味があった
いや、現実味というどころではない
僕は………
確かに感じた
舞園さんは
微かに僕に触れていた
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- 7 : 2015/08/11(火) 18:54:17 :
- 手が僕の服に触った
見えた
感じた
きっとこれは……
モノクロームライラは……
自分のトラウマを現実に出すことが出来る物かもしれない
モノクロームライラを手に取った人のトラウマを読み取り
それを現実に出す………
ゾワッ
鳥肌がたつ
このこと…一応皆に教えないと……
……その前に鍵だ
鍵は……
トラッシュルームで燃やしてしまおう
そう思って僕はトラッシュルームへと急いだ
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- 8 : 2015/08/11(火) 19:00:51 :
トラッシュルームに行く途中、さっきの出来事について思い出していた
舞園さんは……
はっきり言うと僕のトラウマだ
僕を犯人に仕立てようとした……
でも、舞園さんは死んだ
舞園さんの事件の謎が解き終わった時
僕は心のどこか奥深くで……
舞園さんが死んだ事への安堵の気持ちが出ていたんだ
もしかしたら僕は処刑されていたのかもしれないって……
僕は………僕は…………
「苗木君」
「!?」
肩に手を置かれ、思わず後ろを振り向く
「霧切さん……」
「どうしたの?」
どうしよう…さっきの事、霧切さんには先に言った方がいいかな…
……うん
「実はさ……」
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- 9 : 2015/08/11(火) 19:18:56 :
- おお…先が気になります。期待です!
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- 10 : 2015/08/11(火) 20:00:48 :
- >>9
おおっ!ありがとうございます!
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- 11 : 2015/08/11(火) 20:16:36 :
僕は全てを話終え、一息ついた
「そう…舞園さんが…」
霧切さんは腕を組んだ
「ちょっとさ、モノクロームライラの正体を考察してみたんだけど…」
「へぇ、教えてくれるかしら?」
「うん。….僕はモノクロームライラはトラウマを現実に出す物なのかなって思ったんだ」
「トラウマを…?」
霧切さんは話にかなり興味をもったようだ
「つまりあなたにとって…舞園さんはトラウマなの?」
「そ…それは……」
「そうなのね?」
ズバッと言われると反論すらできない
僕は仕方なく頷いた
「…まぁ、気持ちはわかるわ。あなたを犯人にしようとした彼女だから…」
「…うん」
「あなたはモノクロームライラの罠にかかって、トラウマである舞園さんを見てしまったと……」
「…」
「でも、あなたの言ったことで一つ疑問があるの」
「疑問…?」
「舞園さんはあなたに触れたんでしょ?」
「それはつまり、舞園さんは実体化したということになるわよね?」
「……!!」
「苗木君…あなたは幸運ね」
そうか……
あの時僕がモノクロームライラを叩きつけなかったら……
僕は死んでいた
「あは…幸運……か…」
「良かったわね苗木君」
「……そうだね」
「…これからあなたはどこへ行くの?」
「え、えっと…」
「そんなたくさんの鍵を持って…」
「あ、あのこれは…」
「……まぁいいわ。食堂で待ってるわね」
「あ…うん、ごめん……」
「ありがとう霧切さん」
「……お礼を言われる必要はないわよ」
霧切さんは少し顔を赤らめた
そして食堂へ戻って行った
……よし、トラッシュルームへ行こう
少し話をできて安心した僕は、トラッシュルームへ向かった
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- 12 : 2015/08/11(火) 20:20:31 :
カチャ
ここも、いい思い出はない
どこもかしこもいい思い出はないけど
ここは……好きではない
僕は鍵を見つめる
ちょうど当番だったので、鍵を開ける
そして鍵を全て投げ込んだ
溶けるのにはまだ時間はかかるけど、何時間もすればなくなるだろう
もう一度一息ついて、僕はトラッシュルームを後にした
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- 13 : 2015/08/12(水) 23:53:08 :
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「つまんないの」
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- 14 : 2015/08/13(木) 00:21:24 :
食堂に入って真っ先に目に入ったのは腐川さんだった
「あらやだまーくんお帰りなさいッ!」
「って、ジェノサイダー!?」
「いきなりくしゃみしたんだべ…」
「くしゃみなんだ……」
「そこの水泳巨乳馬鹿!!白夜様はどこだ!!」
「す、水泳きょ……!?!?」
「あ、朝日奈っち落ち着くべ!!」
「十神君の場所は誰にもわからないわ」
「もしかして白夜様……大!?大?!大変!!かなり時間がかかっているわ!!痔!?痔かしらん!?」
「ジェ、ジェノサイダー………」
「白夜様!アタシも大してくるわ!ゲーラゲラゲラゲラ!!!!」
ジェノサイダーは外に出ていってしまった
「女の子……だよね?」
僕は苦笑いをしながら言った
「どうかしら」
「えっ!?」
「冗談よ」
霧切さんはクスリど笑った
以前は感情を出さない彼女だったけど、大神さんの件のあと、かなり人が変わった
僕は霧切さんを見つめ………
「びゃ、白夜様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!?」
「!?」
外でとても大きな声がした
ジェノサイダーの声だ
「き、霧切さん!」
「えぇそうね…皆、行きましょう」
僕たちは急いで食堂を出た
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- 15 : 2015/08/13(木) 00:44:20 :
- 僕らは手分けして十神君とジェノサイダーを探した
「びゃっ、びゃびゃびゃびゃびゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
ほとんど日本語になってない悲鳴が聞こえる
二階からだ!!
僕は二階へ走った
「苗木!!」
階段を登り終えたとき、朝日奈さんに声をかけられた
「こっち!図書室!!!」
「わ、わかった!」
朝日奈さんのあとを追って走る
図書室の前に、もう皆はいた
ジェノサイダーは倒れているけど…
ただ、それよりも目に入ったのは………
地面に膝をつき、頭を抱えてうめいている十神君だった
「十神君っ!?」
「待って!」
十神君のそばで座ってた霧切さんが声を大きくする
でも冷静だった
「十神君……何があったの?」
「う…うぁぁ……」
「落ち着いて十神君。何が起きたの?」
「いっ……いぁっ……」
「十神君」
「やっ……やえっ……」
「やめろやめろやめろやめろっ!!!!!」
「…っ!?」
「と、十神!!?」
十神君は暴れだした
綺麗な髪さえもぐしゃぐしゃにし、手を振り回していた
爪で何かを切りそうな勢いで
「苗木君っ!」
霧切さんに呼ばれ、僕はハッとした
十神君を抑えないと……!
急いで僕は十神君を抑える
その時、爪で顔を切られた
「っ……!」
少し血がでる
油断してしまった
すぐに十神君は僕に馬乗りの状態になってきた
首を締め付けられる
「がっ………あっ…………」
息が苦しい
辛い
「苗木!!!!」
その声を聞いた瞬間、いっきに息が楽になった
「がっ、ガホッ!!ゲホゲホッ!!!」
咳き込む
その間に、朝日奈さんと霧切さんが十神君を捕まえていた
「十神っち…………許してくれ!」
葉隠君が十神君の首を思いっきり叩く
十神君は力が抜けたようにもう動かなくなった
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- 16 : 2015/08/13(木) 00:56:38 :
十神君が動かなくなったのを確認した霧切さんは、僕のもとへやってきた
「苗木君…大丈夫?」
「大丈夫かー?」
「大丈夫……?」
三人とも僕を心配してくれた
「う…ん、もう大丈夫だよ……」
「皆、ありがとう」
「どういたしまして」
朝日奈さんが嬉しそうに笑う
「………十神君」
一体彼に何が起きたんだろう
「相当パニック状態だったわね」
「そうだな…十神っちに何が起きたんだべ?」
「……んぅ……」
振り向くと腐川さんが起き上がっていた
「私は一体…?」
「………って白夜様!?!?」
「あ、腐川さん…これは……」
「あんた達白夜様に何をして……どうしたの苗木」
「えっ…?」
「首に傷があるじゃない……」
「あぁ、これは……」
「十神君がつけたものよ」
霧切さんが返してくれる
「そんな……!?白夜様がそんなこと………」
「……この状況からいくとそれしかありえないわね……」
「そうでしょ?十神がいきなり暴れだして……」
……………
あ
あれ
あれあれあれあれ
なんで?
どうして??
「…苗木君?」
どうして……
どうして!!!!!
「なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで!!!!」
「な、苗木っち?」
どうしてここに……
十神君の近くにあったビーズを拾い上げる
見覚えがある
「なんでモノクロームライラが落ちているんだ………」
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- 17 : 2015/08/13(木) 15:19:32 :
- 期待です!
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- 18 : 2015/08/24(月) 22:41:32 :
- >>17
ありがとうございますっ!!
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- 19 : 2015/08/25(火) 23:27:59 :
- 期待してます
執筆頑張ってください!
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