この作品は執筆を終了しています。
ー愛想のないガキー
- 進撃の巨人 × 私小説
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- 1 : 2015/08/07(金) 21:41:12 :
- 注意‼︎
進撃の巨人17巻、またはマガジンを読んでいない方は読まない事をお勧めしますっ‼︎ネタバレになってしまいますので・・・汗
今回はリヴァイとケニーの雑談?を妄想して書きました。
それでは・・・始めっ‼︎
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- 2 : 2015/08/07(金) 22:06:49 :
- ーここは、どこか知らない所・・・真っ白な空間に、黒いテーブルと椅子があった。椅子はなんの嫌がらせか、相手と向かい合うように置いてあった。
リヴァイ「ー・・・・」
ケニー「・・・・」
リヴァイ「・・・・座るか?」
ケニー「あぁ・・・・歳だからな、腰が痛くて仕方ねぇよ」
リヴァイ「連続殺人鬼から出るセリフとは思えねぇな、まあいい・・・」
俺とケニーは椅子に座る。ケニーは座った瞬間踏ん反り返っていた。
リヴァイ「アンタその癖やめたらどうだ?憲兵にいた時もそんな偉そうにしてたのか?」
ケニー「ああ、前にも教えたろうリヴァイ、この世で一番偉いのは、この世で一番強い奴のことを示す、力さえありゃあいいのさ」
リヴァイ「そうだった、それがあんたの教えだった・・・」
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- 3 : 2015/08/07(金) 22:41:01 :
- テーブルには紅茶のはいったカップがあり、ケニーは足をどかして飲んだ。
俺もその後に飲んでみたが、ペトラが淹れてくれてた紅茶に比べたり少し苦かった。
リヴァイ「苦ぇ・・・」
ケニー「茶の味に文句言うのを見ると、調査兵団に入ってからはマシな生活を送ってたようだな」
リヴァイ「あぁ、代わりに人類最強なんて十字架を背負わされたけどな」
ケニー「十字架?勲章の間違いだろ?お前は自分の力でどん底からそこまでいったんだ、飯は美味く、仲間からは絶大な信頼を受けられる、それの何処が?」
リヴァイ「・・・・飯が美味いか・・・その信頼してくれる仲間達の屍を踏み越えて食う飯が美味いと思うか?」
ケニー「・・・・」
リヴァイ「そりゃあ地下街にいた頃よりは幾分
はマシになった、壁外だって壁の中にはない自由があった・・・だがその代償は多く、とても大きかったんだ、言っとくがその代償にはアンタが殺した俺の部下も含まれてるからな」
ケニー「仕事だからな・・・そして俺の夢を叶える為・・・」
リヴァイ「・・・・」
俺は呆れるように深く息を吐いた。
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- 4 : 2015/08/07(金) 23:00:06 :
- ケニー「しかし、あんなゴロツキだったお前が人に愛情を持てるようになったとはな、随分デカくなったもんだ、身長の方はアレだけどな」
ケニーは何が可笑しいのか、顔をしわくちゃにして大笑いした。
リヴァイ「老けた笑みしやがって・・・俺がガキだった頃は1回もそんな顔しなかったくせによ」
ケニー「俺もお前と同じように、色んなモンを貰ってきたのさ、元より、俺には失う物は何も無かった・・・」
リヴァイ「・・・アンタの部下は違うのか?」
ケニー「あいつらか・・・あいつらは違うな、いや、そうであって欲しくない」
リヴァイ「?」
ケニー「簡単な話だリヴァイ、俺とお前は金貨の表と裏だという事さ、お前は全てを背負って生きている、だが俺は得てはそれを捨ててきたのさ、そうした方が楽だから・・・」
リヴァイ「・・・・」
ケニーはしばらく黙り込み、深く帽子をかぶった。
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- 5 : 2015/08/07(金) 23:33:14 :
- リヴァイ「・・・・」
ケニー「・・・・俺はなリヴァイ、夢があったんだよ、夢がな・・・」
リヴァイ「それは何度も聞いた・・・」
ケニー「その為にはどんな事も出来たんだよ」
リヴァイ「驚いたな、アンタに人殺し以外の何かが出来たのか?」
ケニー「はははそりゃそうだな」
リヴァイ「・・・そのアンタの夢って何だ?」
ケニー「・・・ある男と、同じ景色を見てみたかったんだ・・・」
リヴァイ「・・・・何だそりゃ」
俺はケニーがまたつまらない冗談でも言っているのだろうと思っていたが、そこにいつものケニーのふざけた表情は無かった。
ケニー「確かめたかったんだよ・・・そこから何が見えんのか、どんな気分なのか、それは俺にも見る事はできるのか・・・」
リヴァイ「・・・・」
-
- 6 : 2015/08/07(金) 23:41:22 :
- 今日はここまでにします。続きはまた明日で
それではおやすみ。
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- 7 : 2015/08/08(土) 07:41:43 :
- ケニー「俺は自分の保身しか考えてねぇ王政の豚共とは違う、ただ肥えるだけの人生なんてつまんねぇだろ?そこはお前と同じさリヴァイ、俺も自由を求めていたんだ・・・そこが地獄だろうと何だろうとな・・・」
リヴァイ「・・・・」
ケニー「けど気付いちまった、俺達人間は本当の自由を知らない、分かったところできっとそこには辿り着けない・・・皆何かに縛られて生きてんだ・・・現にこの世界がそれを現している」
リヴァイ「・・・随分お喋りなんだな」
ケニー「ばか言え、俺は元々結構喋る」
リヴァイ「・・・・」
-
- 8 : 2015/08/08(土) 11:32:25 :
- ケニー「なぁリヴァイ、お前にはあるのか?夢というやつは」
リヴァイ「・・・・どうだろうな、昔はあった気がするが、今となってはそれは使命になっちまったかのかもしれない」
ケニー「お前は本当に何でも背負うんだな」
リヴァイ「あぁ・・・」
ケニー「・・・・それがお前の選んだ道か?」
リヴァイ「あぁ、これから先も変えるつもりはない」
ケニー「・・・・そうか、まぁ死なねぇ程度に頑張れよ」
ケニーは椅子から立ち上がって、俺に背を向けて歩いていく。
リヴァイ「おいケニー、どこに・・・」
ケニー「あぁ、そろそろ行かなきゃならねぇんだよ、悪りぃな」
リヴァイ「だからどこに?」
ケニー「俺も初めて行く場所さ、お前にはまだ早ぇよ」
俺も慌てて席を立ち、ケニーのあとを追う。
リヴァイ「おいケニー、待て!」
ケニー「うるせぇガキだな、別れくらい静かに出来ねぇのかよ?」
リヴァイ「別れ?」
ケニー「お前ももう気づいてんじゃねぇのか?俺はもうこの世にゃあいない人間なのさ、
向こうに行ったら・・・そうだな、ウーリのところに行こう、冥土の土産を聞かせてやりてぇしな」
リヴァイ「何独り言言ってやがる、おいっ!」
ケニーはとうとう俺の声に答えなくなった。
そしてどんどん俺の事を遠ざけて行く。
リヴァイ「・・・ ケニー」
ケニーは返事をしない。
リヴァイ「ケニーッ‼︎」
こんなに叫んでも、あいつは俺に一瞥もくれない。
リヴァイ「・・・・っ、また、またアンタは、俺から去っていくのかっ⁉︎」
ケニーは結局振り向いてはくれなかったが、代わりに小さく手を振った。
その時、俺の目からは何かが流れていた。
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- 9 : 2015/08/08(土) 11:39:36 :
- 辺りは暗くなり、目を開けると俺はベッドの上に寝ていた。
リヴァイ「・・・・」
しばらく黙り込んで、俺はヒストリアが真の王となった事を思い出し、正装に着替える。
そしてヒストリアの元に行ったらいきなり肩を殴られてしまった、しかしそこに嫌悪感はなかった。むしろ喜ばしかった。
リヴァイ「ふふ・・・お前ら、ありがとうな」
ケニー、俺は今確かに使命を背負って生きている。けど、ガキだった頃には得られなかった守りたいものが出来たんだ。アンタのお陰なのかもしれない。
自分は人の親にはなれないと言っていたが
俺にとって父親はケニー、あんた1人だけだ。
ー終わりー
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- 10 : 2015/08/08(土) 11:42:22 :
- ありがとうございましたっ‼︎
17巻を読んでいない方本当にすいませんでした汗
もし良かったらコメントくださいっ‼︎
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- 11 : 2015/08/08(土) 17:10:45 :
- とても面白かったです!
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- 12 : 2015/09/16(水) 12:41:21 :
- とてもいい作品でした!!
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- 13 : 2016/03/20(日) 00:13:10 :
- ありゃりゃなんか目から汗が
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- 14 : 2017/08/21(月) 20:38:48 :
- ええやん……ええやん!(泣)
リヴァイの笑顔になるシーン未だにピンときてなかったけど、これ読んでスッキリした
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- 15 : 2017/08/21(月) 22:46:11 :
- いいね!勧めてくれて有難うございます!
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