ssnote

x

新規登録する

作品にスターを付けるにはユーザー登録が必要です! 今ならすぐに登録可能!

このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

この作品は執筆を終了しています。

エレン「………」ゴゴゴゴゴ※エレンチート

    • Good
    • 23

loupe をクリックすると、その人の書き込みとそれに関連した書き込みだけが表示されます。

▼一番下へ

表示を元に戻す

  1. 1 : : 2015/07/30(木) 16:13:12
    ・初投稿

    ・エレンチート

    ・ゆっくり更新

    ・ゆっくり更新(大事な事なので2回)

    エレンチートを書いてみたかっただけ。
  2. 2 : : 2015/07/30(木) 16:15:01

    ~847年 兵士訓練所~

    キース「貴様は何者だ!」

    アルミン「シガンシナ区出身!アルミン・アルレルトです!!」

    キース「そうか!バカみてぇな名前だな!親がつけt」


    エレン「……おいお前……今、俺の親友を馬鹿にしたのか……?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


    キース「」
  3. 3 : : 2015/07/30(木) 21:55:15
    キース「(え?なにこの子怖い)」

    キース「き、貴様は何者だ!!敬礼を解くとはいい度胸だな!!」

    エレン「そんな事はどうでもいいんだよ……」ゴゴゴゴゴゴゴ

    キース「だ、誰が列を乱s」

    エレン「それよりお前今俺の親友の名前を馬鹿にしたよな……?」ゴゴゴゴゴゴ

    キース「いや今のh」

    エレン「馬鹿にしたよな……?確かに聞いたぞ……『バカみてぇな名前』って……」ゴゴゴゴ

    キース「き、貴様開拓t」

    エレン「人の親友の名前を馬鹿にしてんじゃねぇよ……殴るぞ……」ゴゴゴゴゴ

    キース「(あれ話が通じない)」

  4. 4 : : 2015/07/31(金) 06:19:07
    教官がんばれーwww
    期待だよ!
  5. 5 : : 2015/07/31(金) 08:45:54
    なんか…ものたりないお…まあ期待だよ!
  6. 6 : : 2015/07/31(金) 09:46:06
    期待あり
    すっごいゆっくり更新なんで物足りないのは真面目にごめんなさい
    できるだけキリのいいとこまで書くようにしまする
  7. 7 : : 2015/07/31(金) 09:47:48

    ミカサ「いけない……!アルミン!」

    アルミン「エレン!今のは違うんだよ!い、今の教官のはその、そう、儀式なんだよ!」

    キース「(あ、それ言っちゃう?)」

    エレン「儀式だ……?人を馬鹿にする儀式って何だよ……」ゴゴゴゴゴゴ

    エレン「去年の口減らし作戦で殺されたアルミンのじいちゃんが一生懸命考えてくれた名前を……!」ゴゴゴゴゴ

    アルミン「そうだけど!でも今は堪えて!お願い!」

    ミカサ「エレン、落ち着いて!貴方は人を殴ってはいけない!」

    エレン「……」ゴゴゴゴゴ

    アルミン「エレン!ここで教官に逆らったら開拓地に逆戻りだ!そうしたら巨人の殺し方を知る事ができないんだよ!?」

    エレン「……!!」ゴゴゴゴゴ

    エレン「チッ……仕方ねぇ……」ゴゴゴゴ

    ミカサ「よかった……さあ、列に戻って」

    キース「(あれ?びっくりするほど蚊帳の外)」



    ジャンは頭突きされ コニーはぶらさがり サシャは芋を食して走らされた

    しかしそういったイベントが霞むような存在感がエレンにはあった

    エレン「…………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
  8. 8 : : 2015/07/31(金) 18:16:45
    期待しかない・・・だと!?

    期待です!!!!!
  9. 9 : : 2015/07/31(金) 18:19:11
    期待ありです。こっから過去編入ります
  10. 10 : : 2015/07/31(金) 18:20:45


    ~時は遡り 844年~


    エレン「ミカサ?」ゴゴゴゴ

    グリシャ「そうだ。お前と同い年の女の子だ。」

    グリシャ「この辺りには子供がいないから仲良くするんだぞ」

    エレン「……そいつの出方次第だけど」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    グリシャ「(怖い自分の子が怖い)」

    コンコン


    ~~~~~~~~~~~



    ミカサ母「この印は私達一族が受け継がなきゃいけないものなの」

    ミカサ母「ミカサも自分の子供ができた時にはこの印を伝えるんだよ?」

    ミカサ「どうやったら子供ができるの?」

    ミカサ母「さぁ。お父さんに聞いてみなさい(ゲス顔」

    ミカサ父「(ここで振るなよ)」

    ミカサ父「イ、イェーガー先生がもうじき診療に来るから、先生に聞いてみよう」

    ミカサ母「……チッ」


    コンコン ガチャ


    人攫いA「どうも失礼します」グサ

    ミカサ父「」

    ドサッ...

    ミカサ「えっ…お父…さん?」

    人攫いB「いいか大人しくしろよ。コイツて頭を割られたくなかったら……」

    ミカサ母「うあぁぁぁ!!」バッ

    人攫いB「!?」

    ミカサ母「逃げなさい!ミカサ!」バタバタ

    ミカサ「え…?え…?」

    人攫いB「こいつ……いいかげんにしろ!」ドス

    ミカサ母「」

    ドサッ...

    ミカサ「お母…さん…?」

    人攫いA「何やってんだ!殺すのは父親だけだって――」

      ―――中略―――

    人攫いA「価値があったのは母親だ!お前がビビって殺すから!」

    人攫いB「しかたねぇだろ!?抵抗されたんだ!」


    ミカサ「(お母さん……私はどこに逃げればよかったの……?)」

    ミカサ「(寒い……)」


    ガチャ


    エレン「……ごめんください」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


  11. 11 : : 2015/07/31(金) 22:58:07


    人攫いB「……!?おいガキ!どうしてここが分かった!」

    エレン「……そこのお前。お前がミカサか?」ゴゴゴゴゴゴゴ

    ミカサ「……!?(誰、この子……?)」

    人攫いB「!?無視すんな!お前は何なn」

    エレン「まぁいいか……見たところ被害者だし……助けてから確認すれば……」ゴゴゴゴゴ

    人攫いB「……『愛想のねぇガキ抱き合わせ』で売ってやる……」ブン

    パシッ

    人攫いB「……え?」

    エレン「……遅い」ゴゴゴゴ

    人攫いB「離せっ…!あれ?手が動かな」

    エレン「……次は俺が殴るぞ」ゴゴゴゴゴゴ

      ゴ ド ン

         ベチャ

    人攫いA「え?」

    人攫いB改め壁にへばりついた肉片「」グチャァ…

    人攫いA「……は?え?あいつどこ行っ……」

    エレン「そういや右手掴んでたっけ……とれちまったな」ポイッ

    人攫いBの右手「」ゴロン

    人攫いA「……え?え?嘘だろ?」ガシッ

    エレン「ほう、斧を持ったな。血もついてる。」ゴゴゴゴ

    エレン「それが凶器か」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    人攫いA「え?いや、これは、え?待って。え?」

     グ シ ャ

    人攫いA改め床にへばりついた肉片「」グチャァ

    ミカサ「」

    エレン「もう大丈夫だ。安心しろ」ゴゴゴゴゴ

    ミカサ「(なぜだろう素直に安心できない)」

    エレン「お前がミカサだな?」ゴゴゴゴ

    エレン「俺はエレン…医者のイェーガー先生の息子で父さんとは前に会った事があるハズだ」ゴゴゴ

    エレン「診療の付き添いでお前の家に行ったんだ。そしたら――」ゴゴ

    ミカサ「3人いたはず」

    エレン「……そのようだ」ゴゴゴゴゴゴゴ

    人攫いC「てめぇ……何した?俺の仲間に…?」

    壁&床の肉片「」グチャァ

    エレン「………見ての通りだ」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    人攫いC「信じらんねぇ……殺してやr」

    エレン「遅い」ゴゴゴ

    人攫いC「え?」フラッ

    エレン「蹴ろうとした足は ここにあるが」ポイッ

    人攫いCの右足「」ゴロン

    人攫いC「え?あれ?うまく立てない」フラフラ

    エレン「…勝てば生きる。負ければ死ぬ……」ゴゴゴゴ

    エレン「戦わなければ 勝てない が……」ゴゴゴ

    エレン「貴様らのようなクズは 戦った所で俺には勝てない」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

    人攫いC「え?え?……誰か、助け」

     ズ ド ン


    その時、私は思い出した。この光景は何度も見てきた。

    そうだ。この世界は残酷なんだ。

    圧倒的な強者しか生きる事を許されない残酷な世界。

    その時から私は自分の体を完璧に支配できた。

    何でもできると思った。

                  ―――ミカサ・アッカーマン回顧録
  12. 12 : : 2015/08/01(土) 18:01:42

    憲兵「逃げようとした所を背後から素手で心臓を摘出……しかも前方に」

    憲兵「これを……あの子がやったと……?」

    人攫いCの遺体(背中から胸にかけて大きな穴)「」

    憲兵「しかも片足が引きちぎられている……」

    憲兵「残りの遺体…ってこれだけ?」

    憲兵「検死する部分なんて残って……」

    憲兵「……ウッ」


    グリシャ「エレン!麓で待っていろと言っただろう!何て事を!」

    エレン「……有害な獣を駆除した…」ゴゴゴゴゴゴゴ

    グリシャ「エレン!今回は運が良かっただけだ!」

    グリシャ「もし目撃者が多ければ、お前は人類全てを敵に回すかもしれない所だったんだぞ!」

    エレン「……でも……早く助けてやりたかった」ゴゴゴ

    グリシャ「(効果音のせいで説得力が)」

    ミカサ「イェーガー先生…私、ここからどこに向かって帰ればいいの……」

    ミカサ「私にはもう……帰る所がない……」

    ミカサ「寒い……」

    エレン「……」スッ

    グリシャ「!エレン!そのマフラーは……!」

    エレン「……やるよ…これ」グルグル

    エレン「あったかいだろ?」ゴゴゴ

    ミカサ「……あったかい……けど重い……」

    マフラー(10kg)

    エレン「力をセーブする為に使ってたけど……俺には軽すぎて意味が無い……」ゴゴゴゴ

    グリシャ「(話題を変えなきゃ)」

    グリシャ「ミカサ、私達の家で一緒に暮らそう」

    グリシャ「辛い事が沢山あった。君には充分な休息が必要だ」

    ミカサ「……」

    エレン「ほら…帰ろうぜ。俺達の家に」ゴゴゴゴゴ

    ミカサ「……うん。帰る……」グス

    ミカサ「」ズリズリ

    グリシャ「(マフラー重いだろうに)」
  13. 13 : : 2015/08/02(日) 16:34:46

    ~845年~

    ミカサ「エレン。起きて。日が暮れてしまう」

    エレン「ん……もうそんな時間か」ゴゴゴゴゴ

    エレン「薪持って帰らないと……」ゴゴゴゴゴ

    ミカサ「待ってエレン。少し減らさないと路地を通れない」ポイポイ

    エレン「おっと…いつも悪いな…」ゴゴゴゴ


    ハンネス「ようエレンにミカサ。相変わらず薪の塊が歩いてる様に見えるな」

    エレン「ハンネスさん……」ゴゴゴゴ

    ミカサ「私はまだまだ……マフラーもまだ20kgだし……」

    ハンネス「(いつも元気だ)」

    エレン「やっぱり俺は……壁の外に出てみたい」ゴゴゴゴ

    ハンネス「以前一度 勝手に出たからな。50mの壁をぴょんと飛び越えて」

    ミカサ「あの時は動揺するアルミンをなだめるのが大変だった……」

    ミカサ「『そんな……あの壁は50mだぞ……!?』って 混乱して……」

    ハンネス「でも結局 巨人を殺せなくてまたぴょんと帰ってきたな。ははは」

    エレン「……あの時は迷惑かけた……」ゴゴゴ

    エレン「巨人は、殴っても蹴っても、頭を吹き飛ばしても復活するんだ……」ゴゴゴ

    ハンネス「そうだ。だが前も言った通り巨人の殺し方は教えないぞ」

    ハンネス「教えちまったらお前一人でまたぴょんと壁外に出て 満足するまで戻ってこないだろ」

    エレン「………」ゴゴゴゴゴ

    ハンネス「それは駄目だ。お前がいないと、カルラやミカサは誰が守る。」

    エレン「ハンネスさんたちが酔っ払ってなければ守れるだろ……」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

    ミカサ「エレン。駄目。ハンネスさんたちは、あなたが壁外に出てからお酒を飲むようになった」

    ミカサ「『兵が酔っ払っていればエレンも家族を放っておけないだろう』って考えて」

    ハンネス「……バラすなよミカサ」

    エレン「だが……このままじゃまるで家畜だ……」ゴゴゴゴゴ

    ハンネス「まぁまぁ。あと2年すればお前も訓練兵に志願できる」

    ハンネス「しっかりと兵団の中で巨人の殺し方と 集団行動を学んでからまた考えろ」

    ハンネス「さもないと、仲間も家族も お前が殺すことになる」

    エレン「……クッ」ゴゴゴゴゴ

    ミカサ「ハンネスさん。いつもありがとうございます」

    ハンネス「いいんだよ。どっちにしろシラフじゃ怖くてエレンにでかい口叩けねぇ臆病兵士だ」ゲラゲラ

    ミカサ「さぁエレン、帰ろう」

  14. 14 : : 2015/08/03(月) 13:24:36


    エレン「ただいま……」ゴゴゴゴゴ

    カルラ「おかえりなさい。遅かったのね」

    エレン「ああ……色々あって……」ゴゴゴ

    ミカサ「エレンが調査兵団に入りたいって」

    グリシャ「やっぱりか。うん。私はこれから二つ上の街に診療……」

    カルラ「あなたは強い子だから 逆に心配なのよね。絶対に人に手をあげちゃ駄目よ。」

    グリシャ「帰ったら秘密にしていた地下室を見せてやろうと思ったら、いつの間にか薪部屋になってた」



    悪ガキA「どうした異端者!悔しかったら殴り返してみろよ!」

    アルミン「そんな事するもんか!それじゃお前らと同レベルだ!」

    アルミン「僕の言ってる事が正しいから反論できずに殴るしかできないんだろ!」

    アルミン「つまり僕に降参してるのと一緒だ!」

    悪ガキA「…っ!うるせぇぞ屁理屈野郎!」


     「 や め ろ 」


    悪ガキB「ヒッ!こ、この声は……」

    エレン「もう一度だけ言う」ゴゴゴゴゴ

    エレン「やめろ」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    悪ガキA「わっ、わっ、わっ、悪かった、わかった、」

    悪ガキB「たすっ、助けて……」

    悪ガキC「ブクブクブク」キゼツ

    エレン「次に俺の親友を殴ってみろ。貴様らは生まれてきた事を後悔するだろう」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

    エレン「分かったらとっとと失せろ。次は無い」ゴゴゴゴゴゴ




    エレン「アルミン。大丈夫か?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

    アルミン「一人で立てるよ……」


  15. 15 : : 2015/08/03(月) 13:38:01
    アルミンが超大型巨人が
    現れたときに言う言葉を
    もう使っている・・・だと!?
    タイミングがはやすぎワロタwww
  16. 16 : : 2015/08/03(月) 13:59:19
    期待
    今後の投稿が楽しみす
  17. 17 : : 2015/08/03(月) 13:59:36



    エレン「俺の力を見ても変わらず接してくれるのはお前らと……ハンネスさんくらいだ」ゴゴゴゴゴ

    エレン「感謝してる」ゴゴゴゴ

    アルミン「最初はびっくりしたけどね。好奇心が勝っちゃっただけだから」

    ミカサ「私はその力に命を救われた。感謝こそすれ恐れる理由などない」

    エレン「そうか…。で、あいつらは何だって?」ゴゴゴゴ

    アルミン「壁の外に興味を持っただけで異端だって殴られた……」

    アルミン「下手に壁外に出てヤツらを刺激しないようにって、王政府の方針なんだ」

    エレン「確かに巨人の再生能力は正直舌を巻く」ゴゴゴゴゴ

    エレン「俺は結局どうすればいいのか分からず帰るしかなかった……」ゴゴゴゴ

    アルミン「……実際に試した人の言葉は説得力があるね」

    ミカサ「あの時は大変だった。情報を隠す為にハンネスさんたちが右往左往した。エレンは反省するべき」

    エレン「……俺は別にこの力を隠さなくても……」ゴゴゴ

    アルミン「隠さなきゃ駄目だよ。もしその力を利用したい奴が、カルラおばさんたちを人質にとったりしたら…」

    エレン「……ハンネスさんの言う通りか……ならせめて この狭い壁の外に出たいな」ゴゴゴゴ

    ミカサ「でもその考えは異端……目立ってしまっていいことはない」

    アルミン「そう…僕らは異端、だけど…壁の中が未来永劫安全だと思ってる人もどうかと思うな」


    アルミン「100年壁が破られなかったからって 今日破られない保証なんてどこにも無いのに……」


      ド ォ ン


    ミカサ「!?」ビリビリ

    アルミン「地震…!?」ビリビリ

    エレン「………蒸気……つまり……」ゴゴゴゴゴゴゴ


    アルミン「壁から…手……?蒸気……」

    アルミン「そういえば……エレンは言ってた……巨人は再生する時蒸気を……」

    アルミン「でも……50mを超える巨人なんて……エレンが戦ったのは……」

    アルミン「どのくらいの大きさだって言ってた…?いやそれよりも今は…エレン?」

    ミカサ「……エレン?」

    エレンがいた所(靴が地面にめり込んだ跡)
  18. 18 : : 2015/08/03(月) 21:20:10
    ブフォッ!!www
    エレン!!勝手に行くなよ!!www
  19. 19 : : 2015/08/03(月) 22:45:50




    エレン(常人には目視困難な速度で疾走中)

    タッタッタッダンッ!

    ~シガンシナ区壁上~
     
     スタッ

    エレン「でけぇな……なにしに来た……」ゴゴゴゴゴ

    超大型巨人「(!?)」

    エレン「前会った巨人は……何言っても無反応だったが……」ゴゴゴゴ

    エレン「お前今、俺を見ただろ」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

    超大型巨人「(………)」

      ズオォォ

    エレン「大体お前 その図体でどうやって入ってくる気……」ゴゴゴゴゴ


      ド ッ ゴ ォ ォ ォ ォ ン


    エレン「……扉を蹴破った……?だがお前が入るには小さ……」ゴゴゴゴ

    エレン「!?」ゴゴ

    エレン「(なんだあの量の巨人は!?なんでシガンシナの前に群がってやがる!)」ゴゴゴ

    エレン「(じゃあ今の蹴りは奴らを入れる為…?しまった!ミカサ!アルミン!母さん!)」ゴゴ

    (ハンネス『集団行動を学んでからまた考えろ』)

    (ハンネス『さもないと、仲間も家族も お前が殺すことになる』)

    エレン「(……ッ!)」ゴゴゴ


  20. 20 : : 2015/08/04(火) 18:36:43



    アルミン「壁に……穴を開けられた!巨人が入ってくる!」

    バッバッシュタッ

    エレン「二人とも無事か!?」ゴゴゴゴ

    ミカサ「エレン!どこ行ってたの!」

    エレン「……畜生……あの破片の飛んだ先は……!」ゴゴゴゴゴ

    エレン「母さんが!」ゴゴゴ

    ミカサ「エレン!私も行く!」

    アルミン「もう…駄目だ…この街は…無数の巨人に占領される…」


    エレン「母さん!生きててくれ……!」ゴゴゴゴ

    カルラ「エレン…?エレンかい?」

    エレン「母さん!よかった無事だった!今この瓦礫を……」ゴゴゴゴ

    ズシン ズシン

    ミカサ「エレン!巨人が!」

    エレン「ええい……邪魔をするな巨人風情がッ!」ゴゴゴゴゴゴゴ

    ガララララッ!

    ミカサ「瓦礫を持ち上げた……流石エレン……」

    ハンネス「カルラ!エレン!ミカサ!」

    エレン「ハンネスさん!母さんを頼む!足を怪我してる!」ゴゴゴゴゴゴ

    ミカサ「エレン!巨人かそこまで!」

    ズシン!ニタニタ

    エレン「邪魔だと言っただろうがッ!」ゴゴゴゴゴゴ

    ブンッ ズガァン

    巨人「ウオオオオオ!」

    ハンネス「あの巨大な瓦礫を投げつけた…力は知ってたが実際に目の当たりにすると凄ぇな……」

    エレン「ハンネスさん!アルミンは!?」ゴゴゴゴ

    ハンネス「あ、おう!もう避難済みだ!」

    エレン「じゃあ母さんとミカサを頼む!俺はしんがりで巨人を足止めする!」ゴゴゴゴゴ

    カルラ「エレン!本気なの!?」

    ハンネス「エレン…巨人の殺し方だが」

    エレン「……!!」ゴゴゴ

    エレン「今はいい……ハンネスさんは正しかった……母さんが怪我したのも俺のせいだ……」ゴゴゴゴ

    ハンネス「…!?何言って」

    ズシン ズシン

    ミカサ「新手が来た!」

    エレン「じゃあ頼む!」ババッ

    ハンネス「何だってんだ畜生……ええい、カルラ!しっかり掴まれ!ミカサ!逸れるな!」

    ミカサ「エレン!死なないで!」

    エレン「誰に言ってる……」ゴゴゴゴ

    エレン「(そうだ……戦う奴は背後を気にしなきゃいけないんだ……)」ゴゴゴゴ

    エレン「(何の為に戦うのか……それを理解するべきなんだ!)」ゴゴゴゴ

    エレン「ふんっ!」ゴシャ

    巨人「オアアアア!」ドォン!

    エレン「らぁ!」ドゴッ

    巨人「アエアアエエエ!」ドガァン!

    エレン「知ってるよ……てめぇらがこのくらいじゃ死なねぇ事くらい……」ゴゴゴゴゴ

    エレン「だが俺はあいにくまだてめぇらの殺し方を知らないんでな」ゴゴゴゴ

    エレン「死んだ方がマシだと思っても叶えてやれんぞ!それでもよけりゃかかってこい!」ゴゴゴゴゴゴ




    ドォン!ズドォン!バキバキバキ!グアアアア!


    兵士A「避難……!は思ったより進んでるな……」

    兵士B「巨人って案外足遅いのか……」

    兵士A「巨人ってこんなに苦しそうに鳴くのか…気味悪いな……」

  21. 21 : : 2015/08/05(水) 11:29:13



    巨人達「アアアアアアアアアアア……」バキバキ

    エレン「ふぅ…何度も何度も性懲りも無く再生しやがって……」ゴゴゴゴ

    エレン「そろそろ同じ顔の相手は飽きてきた……避難完了次第壁を越えるか……」ゴゴゴゴ

    エレン「……俺が巨人の殺し方を学んだら……」ゴゴゴゴ

    エレン「てめぇら一匹残らず駆逐してやるからな……待ってろ」ゴゴゴゴゴゴ


    兵士A「シガンシナ区の住民、マリア内に避難完了確認!」

    兵士B「全員ではないだろうが……あとは犠牲になったと考えるべきか……」

    兵士A「残念だがそうだな……。閉門!」

    エレン「奴等の足を破壊しても足止めできるのはせいぜい1~2分…」ゴゴゴゴ

    エレン「避難も終わったみたいだし潮時か……よっと」ゴゴゴ

     ピョーン スタッ

    ミカサ「エレン!?」

    エレン「ミカサ!?まだ港にいたのか!?」ゴゴゴゴゴ

    ミカサ「よかった……シガンシナの人はみんな避難できたって……」

    エレン「ああ…そのようだ……シガンシナ区だけで済んだから守りきれた……」ゴゴゴ

    アルミン「エレン!次の便でローゼ付近行きは最後だよ!」

    エレン「アルミン!お前も残ってたのか!?」ゴゴゴ

    アルミン「カルラおばさんはとっくに避難したよ。僕らはエレンを待とうと思って。」

    ミカサ「あなたを一人にはさせない。さあエレン」

    エレン「ふう……守れた……よかった……」ゴゴゴ



    ~次の日~



    エレン「マリアが……突破された……!?」ゴゴゴゴゴ

    アルミン「昨日あれから シガンシナ区とマリア領をつなぐ扉が破壊されたって……」

    アルミン「詳しい事は分からないけど、マリア領内に南から大量の巨人が……」

    エレン「それで叩き起こされて全員ローゼ内に避難って言われたのか……」ゴゴゴゴ

    ミカサ「扉を見張ってた兵士が馬で命からがら逃げてきたんだけど……」

    ミカサ「全身武器が通じない鎧を纏ったような巨人だったって……」

    エレン「巨人は裸だろ!?鎧を着るのか!?」ゴゴゴゴ

    アルミン「分からない。でも人類の活動領域がローゼ内まで減ってしまったのは確かだ」

    エレン「……俺……俺が……」ゴゴゴ

    エレン「俺があの場を離れたせいだ……」ゴゴゴ

    アルミン「!?」

    ミカサ「エレン、それは違う。」

    エレン「でも、俺がいれば防げた!俺は結局守れなかった……」ゴゴゴ

    ミカサ「違う!」

    ミカサ「エレンがいたから、今まで奴は壁を壊せなかった。違う?」

    ミカサ「エレンがいなかったら、シガンシナの人も マリアの人も もっと沢山死んでいた。」

    ミカサ「エレンは、みんなを守った。凄い、凄いことだと思う」

    アルミン「ミカサの言う通りだよ エレン。」

    アルミン「仮にエレンがあの場に残り続けていたとしても、きっと別の場所の扉が壊されていたよ」

    エレン「そう……か……」ゴゴ

    アルミン「それに今の問題は もっと別にある……」

  22. 22 : : 2015/08/06(木) 09:03:55



    エレン「食料不足……?」ゴゴゴゴゴ

    アルミン「うん……まさか誰も100年無事だった壁が破られると思ってなかったからね……」

    アルミン「マリアの人類をローゼ内に詰め込んだら ローゼ内の食料はすぐ底をついてしまう……」

    エレン「つまり……皆飢え死にしちまうって事か……?」ゴゴゴゴ

    アルミン「最悪、限りある食料をめぐって人類同士の殺し合いが起きてしまうかもしれない」

    エレン「どうすればいい……俺の……俺の力は役に立たないのか……」ゴゴゴゴ

    アルミン「…………」

    アルミン「違う。ここからエレンの力が最大限必要になる!」

    エレン「……?」ゴゴゴゴゴ


    ~~開拓地~~


    エレン「母さん……足の具合は?」ゴゴゴゴ

    カルラ「みんなよくしてくれるから……でも、働けないのは申し訳なくて」グス

    カルラ「父さんが行方不明なんだから、私が父さんの分まで頑張らなきゃいけないのにね……」

    エレン「一度帰って来たのにどこ行ったんだ父さん……」ゴゴゴゴ


    ~回想~


    グリシャ「エレン!腕を出しなさい!」

    エレン「あ、父さん!無事だったんだな!母さんも心配してたんだぞ!」ゴゴゴゴ

    グリシャ「いいから腕を出しなさい!」

    エレン「腕?ほら。それより今まで一体どこに」ゴゴゴ

    グリシャ「」つ注射器

    ポキン

    グリシャ「あ、針が通らない」

    エレン「行ってたんだよ母さん足怪我したんだぞ医者がいなくてどうすr」ゴゴゴゴ

    グリシャ「エレン」

    エレン「何だよ!話の途中」ゴゴゴ

    グリシャ「飲みなさい」

    エレン「やだよ」ゴゴゴ


    ~~~~~

    エレン「父さん……母さんの足を診てからまたどこ行ったんだ……」ゴゴゴゴ

    ミカサ「エレン、本来の目的……」

    エレン「そうだったな……」ゴゴゴゴ

    エレン「母さん。言いにくいんだけど……」ゴゴゴゴ

    カルラ「どうしたの?深刻な顔して……」

    エレン「……金、貸してくれ」ゴゴゴゴゴゴ

    カルラ「」


  23. 24 : : 2015/08/06(木) 12:10:05


    エレンやアルミンの家の全財産の他ハンネスさんも快くお金を貸してくれた。

    そのお金でアルミンは農耕についてのあらゆる学問の本を買い漁り、吸収していった。

    植物学、作物栽培学、植物病理学、農林気象学、土壌肥料学、応用昆虫学……

    ミカサを始めとする農業を生業としていた人たちの知恵も借りた

    そしてエレンは……

    エレン「草は刈った。岩はどうする?」ゴゴゴゴ

    アルミン「うーん、邪魔にならない場所にまとめて置いとけばいいかな。日当たりのよくない場所とか」

    エレン「分かった。ちょっと行ってくる」ゴゴゴゴ

    ポイポイ ガラガラ

    アルミン「耕す方法だけど…普通の鋤や鍬じゃ効率が悪いなぁ……」

    アルミン「そうだ、牛や馬に引かせる道具を元に図面を引こう……」シャッシャッ

    ミカサ「ここの土はなんだかパサパサしてる。私の経験はあまり役に立たなさそう……」

    アルミン「土については僕が調べておくから、ミカサは苗の育ち具合をお願い。」

    ミカサ「その事だけど、葉っぱの色が悪い。原因は多分肥料ではないかと」

    アルミン「んー…多すぎても駄目だ。新たに肥料の量や種類別に分けて観察しよう」

    エレン「アルミン。岩を片付けたぞ」ゴゴゴゴ

    アルミン「お帰りエレン。ちょうどよかった。こういうの作れるかな」つ図面

    エレン「……材料が要るな、ちょっと廃品漁ってくる……」ゴゴゴゴ

    アルミン「目立たないようにね?ってもう無理かな……」

    ミカサ「草刈りの段階で鎌が雲を引いてた。もう騒ぎになってる」

    アルミン「あぁ……それは空気の圧縮による……ってじゃなくて、早く言ってよ!?」

    アルミン「えーっと、なんとか説得してくる。憲兵にばれたらどうなるか……」バタバタ

    エレン「ただいま……」ゴゴゴゴ

    ミカサ「お帰りなさいエレン。こんなにたくさんのガラクタどうしたの?」

    エレン「近所にいいのがなかったから、ちょっと遠出して色々拾ってきた。」ゴゴゴゴ

    ミカサ「騒がれなかった?」

    エレン「目立つようなヘマはしてない……さて作るか……」ゴゴゴゴ

    アルミン「ふう。優先的に収穫物を配る約束で口止めしてきた……ってエレン。どうしたの?」

    エレン「鉄の形を整えたいんだが、金属は引っ張ると伸びちゃってちぎるのにコツがいるんだな……」バキバキ

    アルミン「凄い音がするよエレン。また騒ぎになるからちぎらないで、ねじって形を整えられない?」

    エレン「その手があったか……やってみる」グニグニ

    エレン「できた。どうだ?」ゴゴゴゴ

    アルミン「いいと思うよ。早速お願い」

    エレン「よし、行ってくる」ゴゴゴ

    エレン「………」ガガガガガガガガガガガガガガ

    ミカサ「エレン、駄目。早くたくさん耕したいのは分かるけど、力任せだといい土にならない。」

    エレン「そうなのか。どうすればいい?」ゴゴゴ

    ミカサ「ゆっくり、押し付けるように。」

    エレン「分かった。」ガリガリガリガリ

    ザワザワ

    ミカサ「(見物人が増えてきた……)」

    ミカサ「(ただの心優しい力持ちの旦n……ただの力持ちの少年程度の認識を植え付けなければ)」

    アルミン「んー……土にもよるけど大量に作るなら穀物より芋や根菜の方がより大人数の」ブツブツ

    ミカサ「……ので、エレンは皆さんの為にも頑張っている。どうか暖かく見守ってほしい」

    スゴイ!イイコダ!ケンペイニナンテイワナイヨ

    ミカサ「ありがとう。(アルミンの考えた演説、意味はよくわからないけどすごい)」

    エレン「(これじゃ時間かかるな……夜も働くか)」ガリガリガリガリ

  24. 25 : : 2015/08/06(木) 22:31:01

    ~しばらくして~


    アルミン「ミカサ、どうだった?」

    ミカサ「アルミンの言った通り。穀物は駄目だったけど、大根ならなんとか」

    アルミン「うん。この土地の土や気候だと、穀物は育たないみたいだね。」

    アルミン「でも芋の実験もうまく行ったし、エレンの力があれば食糧難はなんとかなりそうだ!」

    エレン「本当かアルミン……!」ゴゴゴゴ

    ミカサ「よかった……」

    エレン「アルミン……お前は救世主だな……これでみんな生きていけるんだな……」ゴゴゴ

    アルミン「僕は考えただけだよ。色んな人がだんだん協力してくれるようにもなったし、なにより」

    アルミン「エレンの力が僕の予想以上だったからこそ叶った話だ。」

    アルミン「救世主はエレンだよ。」

    エレン「アルミン……」ゴゴゴゴ

    ミカサ「でも、まだ気は抜けない。」

    アルミン「ミカサの言う通りだ。まだ大量栽培の計画の目処が立っただけで、大変なのはこれから……」


    憲兵「よく開墾されてるな。ここならよさそうだ」

    憲兵「命令を伝える!全員よく聞け!」

    憲兵「ここの土地では『小麦』を栽培するように!」


    アルミン「…………え?」

    エレン「………!?」ゴゴゴゴゴ

    ミカサ「………は?」


    憲兵「命令は伝えた!種を有難く拝領し、耕作に励め!」


    アルミン「ちょ……ちょっと待って下さい!」


    憲兵「なんだ子供。さっさと仕事にとりかからんか」

    アルミン「こ、この土地の気候風土を鑑みるに、小麦の栽培には適さないかと……」

    憲兵「ここで小麦を作る事は王政府からの命令である!」

    憲兵「シーナ中央の学術院でも栽培可能とのお墨付きも出ている!」

    憲兵「何も知らん子供がでしゃばるな!!」バッ

    アルミン「ヒッ……!」


    パシッ


    エレン「………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


    憲兵「……なんだ子供。その汚い手を離せ!」

    エレン「……貴様が……貴様がこの土地の何を……」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

    エレン「それはいい……だがアルミンを……殴ろうと……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    憲兵「貴様ぁ……誰に向かって口を聞いている?親の名前は何だ。一緒に銃殺してやる」

    エレン「……死体がどうやっtアルミン「す、すいません!」

    エレン「!?」ゴゴ

    アルミン「ほら、エレン離して!」パッ

    ミカサ「エレン、こっち」グイッ

    アルミン「どうもすいません!こいつ、頭がちょっとコレでして!大目に見てやって下さい!」

    アルミン「小麦ですね!立派な種だなぁ!頑張って育てます!お疲れ様です!」

    憲兵「……チッ。次は無いからな。では励め!」


    ザッザッザッ....


    エレン「お前ら……これでいいのかよ……!」ゴゴゴゴゴゴ

    アルミン「いい訳無いだろう!」

    アルミン「でも……ここで君があの憲兵を殴ったら……」

    ミカサ「エレン。アルミンの判断は正しい」

    エレン「お前まで……!」ゴゴゴゴ

    ミカサ「あなたは殴ろうとしていた。殴れば彼は死んでいた。」

    ミカサ「そうすれば、この食料不足の折、憲兵隊は隙を逃さずここの人達を皆殺しにする」

    エレン「……そんなもん、俺が全員……!!」ゴゴゴゴゴ

    ミカサ「エレンが全員殺すとする。そうすればそれこそ国と、人類と戦う事になる」

    ミカサ「人間同士での殺し合い。貴方はそれを避ける為に、ここで頑張ってきたんじゃなかったの?」

    エレン「………くっ……!」ゴゴ

    アルミン「……仕方、ないよ。」

    アルミン「色んな本を読んだから知ってる。本に書いてる事は、現場では役に立たない事が多い」

    アルミン「本を書いた人が、現場を知らずに書いたからだ」

    アルミン「だから、ミカサやみんなと実験して、手探りでようやく分かった事なんだ」

    アルミン「それを、中央の人が知ってるわけない。いや、僕達しか知らない。」

    アルミン「作ろう……小麦。」

    エレン「だけど……!」ゴゴゴゴ

    アルミン「……エレン。まだ開墾してない土地あるよね?」

    エレン「は?命令が来た土地は全部……」ゴゴゴゴ

    アルミン「命令が無い土地は?」

    エレン「!!」ゴゴゴ

    アルミン「命令されてない土地で何を作ろうと僕達の自由だ。」

    アルミン「少しでも土地を見つけて、そこで僕らの正解を実証しよう。」

    エレン「………」ゴゴゴ




    アルミン「(足りない、だろうな)」

  25. 26 : : 2015/08/07(金) 07:40:38
    アルミンの予想通り、ローゼ内の全開拓地から収穫された作物を全て合わせても 壁内人類全員には少なすぎた。

    私たちがいた開拓地では小麦は不作。しかし命令耕地の隙間を縫うように開墾された畑の収穫量は

    小麦の収穫量を大きく上回っていた。

    エレンの行動範囲は割り当ての開拓地に留まらず、ローゼ全域を開墾して回った。

    不思議な少年の目撃情報はなぜか憲兵には届かなかったが、後に確認した所この数ヶ月だけで

    エレン一人が開墾した土地の総面積は全開拓地の50%を占めたという。

                            ―――――ミカサ・アッカーマン回顧録
  26. 27 : : 2015/08/07(金) 07:42:20

    846年。壁内人類史上最悪の作戦「ウォールマリア奪還作戦」が行われた。

    壁内人類の総人口の1割を導入しての大規模奪還作戦……その実態は単なる「口減らし」であった。

    事実、作戦参加者は巨人の殺し方も知らず 主に働けない老人や病人が対象になった。

    その中には アルミンの祖父も含まれていた。

    彼らはただ壁の内側から追い出され、巨人に捕食されていった。それだけだった。

                          ―――――ミカサ・アッカーマン回顧録


    ~そして、847年~


    キース「貴様は何者だ!」

    アルミン「シガンシナ区出身!アルミン・アルレルトです!!」

    キース「そうか!バカみてぇな名前だな!親がつけt」


    エレン「……おいお前……今、俺の親友を馬鹿にしたのか……?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


    キース「」




    キース「(え?なにこの子怖い)」

    キース「き、貴様は何者だ!!敬礼を解くとはいい度胸だな!!」

    エレン「そんな事はどうでもいいんだよ……」ゴゴゴゴゴゴゴ

    キース「だ、誰が列を乱s」

    エレン「それよりお前今俺の親友の名前を馬鹿にしたよな……?」ゴゴゴゴゴゴ

    キース「いや今のh」

    エレン「馬鹿にしたよな……?確かに聞いたぞ……『バカみてぇな名前』って……」ゴゴゴゴ

    キース「き、貴様開拓t」

    エレン「人の親友の名前を馬鹿にしてんじゃねぇよ……殴るぞ……」ゴゴゴゴゴ

    キース「(あれ話が通じない)」


    ミカサ「いけない……!アルミン!」

    アルミン「エレン!今のは違うんだよ!い、今の教官のはその、そう、儀式なんだよ!」

    キース「(あ、それ言っちゃう?)」

    エレン「儀式だ……?人を馬鹿にする儀式って何だよ……」ゴゴゴゴゴゴ

    エレン「去年の口減らし作戦で殺されたアルミンのじいちゃんが一生懸命考えてくれた名前を……!」ゴゴゴゴゴ

    アルミン「そうだけど!でも今は堪えて!お願い!」

    ミカサ「エレン、落ち着いて!貴方は人を殴ってはいけない!」

    エレン「……」ゴゴゴゴゴ

    アルミン「エレン!ここで教官に逆らったら開拓地に逆戻りだ!そうしたら巨人の殺し方を知る事ができないんだよ!?」

    エレン「……!!」ゴゴゴゴゴ

    エレン「チッ……仕方ねぇ……」ゴゴゴゴ

    ミカサ「よかった……さあ、列に戻って」

    キース「(あれ?びっくりするほど蚊帳の外)」


  27. 28 : : 2015/08/07(金) 07:45:01



    コニー「オイ……あの芋女まだ走らされてるぞ」

    エレン「…………」ゴゴゴゴゴゴゴ

    マルコ「5時間ぶっ通しだよ。すごいね」

    エレン「…………」ゴゴゴゴゴ

    コニー「しかし死ぬ寸前まで走れと言われた時より 今日はメシ抜きと言われた瞬間の芋女より」

    コニー「エレンに詰め寄られた時の教官の方が悲壮な顔してたよな」

    エレン「…………」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

    コニー「ダウパー村ってのは確か人里離れた山奥にある少人数の狩猟の村だ」

    マルコ「まだそんな村があったなんて……」

    エレン「…………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    マルコ「(なんだろう気まずい)」

  28. 29 : : 2015/08/07(金) 19:04:53


    マルコ「そ、そう言えば君は出身とか聞かれなかったけど……いや聞かれてたけど」

    マルコ「結局どこに住んでいたんだい?」

    エレン「……アルミンと同じシガンシナ区だ……」ゴゴゴゴゴ

    エレン「そこから開拓地に移って……12歳になるまで……拠点はそこだった」ゴゴゴゴゴ

    マルコ「……そうだったのか……それは……(拠点?)」

    コニー「って事はよ。『その日』もいたよなシガンシナに!」

    コニー「見たことあるのか?超大型巨人!」

    エレン「……あぁ……」ゴゴゴゴゴゴ


    ~食堂~


    エレン「だから……見たことあるって…………間近で」ゴゴゴゴゴゴ

    モブ「本当か!?どのくらい大きいんだ!?」

    エレン「……壁から首を出すくらいだ……」ゴゴゴゴゴ

    モブ「何!?俺は壁を跨いだと聞いたぞ!!」

    エレン「……跨いでくれりゃよかったんだがな……」ゴゴゴゴゴ

    モブ「どんな顔だったの!?」

    エレン「皮膚がほとんど無くて口が無駄にでかかったな……」ゴゴゴゴゴ

    モブ「ウォール・マリアを破った『鎧の巨人』は!?」

    エレン「……鎧の巨人を実際に見たのは壁を見張ってた兵だけだ……」ゴゴゴゴ

    モブ「じゃ、じゃあ……普通の巨人は!?」

    エレン「……とにかく数が多い。鬱陶しい。」ゴゴゴゴゴゴ

    モブ「!?」

    マルコ「(まるで戦った事があるみたいな)」

    エレン「巨人なんてな……実際大した事ねぇ……」ゴゴゴゴゴ

    エレン「俺が殺し方を学びさえすればどうにでもなる……」ゴゴゴゴゴゴ

    マルコ「(あれ、『俺達』じゃないんだ)」

    エレン「やっと兵士として巨人の殺し方を学べる……」ゴゴゴゴゴ

    エレン「調査兵団に入って巨人を駆逐してやる……」ゴゴゴゴゴゴ

    ジャン「オイオイ正気か?今お前調査兵団に入るって言ったのか?」

    エレン「……………あぁ………そうだが………?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    ジャン「(あれどうしよう怖い)」

    エレン「……お前……お前は………」ゴゴゴゴ

    エレン「……誰だ?」ゴゴゴゴゴ

    ジャン「ジャン・キルシュタインだ!!」

    エレン「……?」ゴゴゴゴ

    ジャン「け、憲兵団に入って内地で暮らしたいって言った男だ!!」

    エレン「………??」ゴゴゴ

    ジャン「きょ、教官に頭突きされて思わずうずくまった男だよ!!」

    エレン「……あぁ……お前か……」ゴゴゴゴ

    マルコ「(ジャン。痛いよ君)」

    ジャン「ゴホン!オレは正直者なんでね。心底怯えながら勇敢気取ってる奴より」

    ジャン「よっぽど爽やかだと思うがな」チラ

    エレン「……そうか……」ゴゴゴ

    ジャン「…………」

    ジャン「あ、あーすまない。正直なのはオレの悪いクセだ。」

    ジャン「気ィ悪くさせるつもりはないんだ」チラ

    エレン「……そうか……」ゴゴゴ

    ジャン「…………」

    ジャン「あ、あんたの考えを否定したいんじゃない」

    ジャン「どう生きようと人の勝t

    カンカンカンカン

    モブ「晩飯は終わりだ。片付けるぞー」

    ジャン「…………」

    ジャン「と、とにかく」

    ジャン「これで手打ちにしよう。」

    エレン「…………ん?何がだ?」ゴゴゴ

    ジャン「………(自分でわかんなくなってきた)」

    マルコ「(この人痛いな。かわいそうだから友達になってあげよ)」

    エレン「……まぁいいか」スタスタ

    ミカサ「…………」スタスタ

    ジャン「! な、なぁアンタ!」

    ミカサ「?」

    ジャン「あぁ……えっと……見慣れない顔立ちだと思ってな……つい……」

    ジャン「すまない……とても綺麗な黒髪だ……」

    ミカサ「どうも」

    スタスタ...

    ジャン「」ドキドキ


    ミカサ「待ってエレン」

    エレン「どうした?」ゴゴゴゴ

    ミカサ「変な人に声かけられたからちょっと不安。少し一緒にいて」

    エレン「変な人?奇遇だな……俺もさっき話してた奴が……名前なんだっけ」ゴゴゴ


    ジャン「」



    サシャ「パァン!神ぃ!」

    クリスタ「あっ、まず水から飲まないと……」

    ユミル「お前……『いいこと』しようと……ん?なんでこいつ立ったまま気絶してんだ?」

    ジャン「」

  29. 30 : : 2015/08/07(金) 22:32:09
    期待
  30. 31 : : 2015/08/07(金) 22:50:45
    期待ありです
  31. 32 : : 2015/08/07(金) 22:53:58

    ~次の日~


    キース「まずは貴様らの適正を見る!これが出来ない奴は囮にも使えん!」

    ミカサ「(エレンの足手まといにはならない)」プラーン

    ジャン「(ミカサ見てるかな……)」プラーン

    コニー「(……やべぇ股が痛ぇ ベルトの場所間違えた)」プラーン

    サシャ「(コニーの頭芋みたいで美味しそう……)ジュル」プラーン

    エレン「………」プラーン


    メガネ教官「今期は優秀な者が多いな」

    キース「(グリシャよ……お前の息子怖い)」


    ~夜~


    ベルトルト「(ライナー…来た。彼だ)」

    ライナー「(あいつが…?)」

    ベルトルト「(間違いない)」

    エレン「………ふぅ。今日は退屈だった……」ゴゴゴゴゴゴ

    アルミン「僕もなんとか出来たよ。自信ついたな」

    ライナー「(なるほど。聞いた通りの効果音だな)」

    ベルトルト「ねぇ、君達はシガンシナ区の出身だよね」

    エレン「ああ。巨人なら見たぞ。」ゴゴゴゴゴ

    ベルトルト「うん。実際に巨人を見て、その恐ろしさも知ってるのに……」

    ベルトルト「君達はどうして兵士を目指すの?」

    アルミン「僕は……実際に見たわけじゃないんだ。」

    アルミン「でも 上からの理不尽な命令で おじいちゃんが殺されて……」

    アルミン「何か……できる事はないかなって……」

    ベルトルト「そうか……君は?」

    エレン「巨人を殺す方法は兵士にならなきゃ学べんだろ」ゴゴゴゴゴゴ

    ベルトルト「ああ そう。(ですよね)」

    ライナー「きょ、巨人の恐怖とかは無かったのか!?」

    ベルトルト「(よせライナー!彼はそういう次元じゃない)」

    エレン「入ってきたら怖い。家族や友達が死ぬ。だから入る前に殺す。」ゴゴゴゴゴ

    エレン「で、兵士だ。恐怖を感じたから兵士になったって感じだな」ゴゴゴゴゴ

    ライナー「ああ そう。(自身の命の危機とかは無いわけね)」

    エレン「話は終わりか?じゃあ寝るぞ。」ゴゴゴゴゴ

    ライナー「お、おう……」

    ベルトルト「ライナー……君は実際に彼の脅威を目の当たりにしてないから」ブルブル

    ライナー「まって立場逆な気が」


  32. 33 : : 2015/08/08(土) 15:23:38



    ~対人格闘訓練~


    エレン「……参ったぞ……まさかの俺最大のピンチ……」ゴゴゴゴ

    ミカサ「どうしよう……考えてなかった……」

    ミカサ「とりあえず殴っちゃ駄目。蹴るのも駄目。」

    エレン「……それは分かってるが……」ゴゴゴゴ

    アルミン「……相手が怪我しなかった事ないもんね……」

    エレン「アルミン。どうしたらいい」ゴゴゴゴ

    アルミン「えーと、えーと……とにかく、『格闘』だと思っちゃ駄目だ。」

    アルミン「できるだけ防戦に徹して、暴漢役なら相手の体に木剣を触れさせるだけ。」

    アルミン「兵士役なら相手の木剣を取り上げるだけ に集中して。優しくね?」

    エレン「優しく触れ、優しく取り上げる……」ゴゴゴゴゴ

    ミカサ「優しく……/// そうだエレン私と組もう私なら平気」

    アルミン「あとはできるだけ丈夫な人と組んでね。ミカサなら平気だと思う。」

    ミカサ「そう。私は丈夫。エレンに貰ったマフラーも徐々に重りを増やして今は50kg」

    アルミン「それに、ミカサを傷付けないように無意識なセーブが働くと思うし……」

    アルミン「あっ、教官が来ちゃうからじゃあね!」タタタタッ

    エレン「よ、よしっ!じゃあミカサ……」ゴゴゴゴゴ

    ミカサ「(この世界は美しい……)」

    ライナー「エレン!俺と組んでくれ。ガタイがいいから誰も組んでくれないんだ」

    エレン「……確かにライナーの方が丈夫そうだな。ミカサに怪我させたら嫌だし」ゴゴゴゴゴ

    ミカサ「(そして残酷だ……)」

    ベルトルト「(ライナー!何してるんだ!)」

    ライナー「(お前が実際に体験してないからとか言うからさ)」

    ベルトルト「(ぼぼぼ僕は知らな)」

    ミカサ「あなたが私の相手になってくれるの?」

    ベルトルト「」

    ベルトルト「(落ち着け僕!ただの女の子じゃないか!エレンでもないのに何を怯える!)」

    ベルトルト「ああ、僕はベルトルト。対人格闘よろしくね。」

    ベルトルト「エレンと仲がいいみたいだけど……」

    ミカサ「エレンは私の家族。」

    ベルトルト「へぇ?妹がいたなんて知らなかったな……」

    ミカサ「妹ではない。ちなみに姉でもない」

    ベルトルト「え?」

    ミカサ「私は今少し機嫌が悪いので、マフラーを外してもいい?」

    ベルトルト「え?あ、マフラー?あぁ、動きにくいもんね」

    ミカサ「そう。動きにくい」クルクル

    ドスゥン!!

    ベルトルト「」

    ミカサ「どっちが暴漢役?」

    ベルトルト「」


  33. 34 : : 2015/08/09(日) 09:23:02




    ライナー「よし行くぞエレン!」ダッ

    エレン「(優しく、取り上げるだけ……)」ゴゴゴゴ

    パシッ

    ライナー「お?おいおい実戦だと刃物だぞ。刃の部分を掴んでどう」

    ライナー「す……る……?」

    ライナー「(あれ?空が下に)」

    ドスン!!

    エレン「……柄を離せよ;投げる気なんて無かったぞ」ゴゴゴゴゴ

    ライナー「(……今、何をされた?)」

    ライナー「じゃなくてだな!実戦だと刃物なんだから、そんな所掴んだら大怪我……!」

    エレン「ああ……普通はそうらしいな。俺は平気なんだ」ゴゴゴゴ

    ライナー「」

    ライナー「……まぁ、あれだね。訓練ってのは技術を身につけるものだからね」

    ライナー「刃は掴まない方法で取り上げるね。やりかたをね。」

    エレン「……?そういうもんか……難しそうだな……」ゴゴゴゴ

    ライナー「そうだ!訓練は難しいんだ!分かったら今度はそんな所掴むなよ!」ダッ

    ライナー「(俺とした事が一瞬ビビってしまった。刃物が通らないなんてハッタリだろ!)」

    エレン「(………じゃあ、何処を掴めばいいんだ……手首とかか?)」ゴゴゴゴゴ

    パシッ

    ライナー「!!(全力で向かったのに的確に手首を掴まれた……!)」

    ライナー「(コイツ……スピードも反射神経もずば抜けてるのか……)」

    エレン「これならいいだろ?」ゴゴゴゴ

    ライナー「まだだ。短刀を取り上げるまでが訓練だ。」

    エレン「………どうすれば離してくれる?」ゴゴゴゴ

    ライナー「暴漢にいちいち聞くのか?」

    ライナー「そうだな……手首を掴んでる手を離してくれたら離すよ」

    エレン「……そうか」パッ

    ライナー「バカめ!そんなワケねぇだr……」ダッ

    パシッ

    ライナー「(一瞬で同じ所を掴み直された!?)」

    エレン「……嘘つきやがったな」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

    ミシッ

    ライナー「グッ!」ポトッ

    エレン「お、離したな」ゴゴゴゴ

    ライナー「……エレン!暴漢がいちいち正直に言うわけないだろ!」

    ライナー「別の、方法を検討しろ!」

    ライナー「やってられん!ベルトルトと組んでくる!」

    エレン「……それも、そうか……」ゴゴゴゴ

    ライナー「(……手首の骨がイカれた……バレないうちに治さないと……!)」

    ライナー「(ここなら人目もないな)」シュー..

    ライナー「(ん?なんだか蒸気が多い気が……)」シュゥゥゥゥゥ

    ベルトルトのようなもの「」シュゥゥゥゥゥゥゥゥ

    ライナー「」

    ベルトルトのようなもの「やあ。らいなあもちりょうかい?」シュゥゥゥゥゥゥゥ

    ライナー「」


    エレン「ミカサ。やっぱりミカサと組もうと……ん?ベルトルトはどうした?」ゴゴゴゴ

    ミカサ「……久しぶりに思いっ切り動いたら 見失ってしまった……」マフラークルクル

  34. 35 : : 2015/08/09(日) 20:47:39
    期待してる。
    ので、できれば今日更新して欲しい。
  35. 36 : : 2015/08/09(日) 20:57:23
    期待ありがとうございます
    頑張って更新ペース上げていきます
  36. 37 : : 2015/08/09(日) 20:59:03


    ~兵站行進~


    キース「どうしたアルレルト!貴様だけ遅れているぞ!」

    キース「貴様には重いか!?貴様だけ装備を外すか!?」

    エレン「………」ゴゴゴゴゴゴ

    ミカサ「エレン。そろそろ分かってると思うけど……」

    エレン「……ああ……アルミンは根性があるからなんとかする……」ゴゴゴゴゴゴ

    キース「イェーガーとアッカーマン!列を乱すな!!進みすぎだ!!」


    ~座学~


    メガネ教官「巨人は不死身ではない。」

    メガネ教官「後頭部よりうなじにかけての縦1m横10cm」

    メガネ教官「ここを大きく損傷した巨人は再生する事なく絶命する」

    エレン「な……何っ!!」ゴゴゴゴ

    メガネ教官「どうしたイェーガー。(大声出すからびびった……)」

    エレン「あ……いやすいません……」ゴゴゴゴ

    エレン「ただ……たったそれだけでいいのかと思って……」ゴゴゴゴゴ

    メガネ教官「……たったそれだけだと思って見くびるな。」

    メガネ教官「人類はその『たったそれだけの事』ができないが為に活動領域が後退した」

    エレン「そう……だな……思いつきもしなかった……そんな場所……」ゴゴゴゴ

    エレン「殺せる……これで奴等を殺せる……」ゴゴゴゴ

    メガネ教官「(何の話してるんだろうこの子)」

  37. 38 : : 2015/08/09(日) 21:05:01


    ~再び対人格闘~

    エレン「よっ」ゴゴゴゴ

    パシッ

    ミカサ「あっ//」ポトッ

    エレン「!!すまんミカサ!痛かったか!?」ゴゴゴ

    ミカサ「う、ううん。大丈夫(エレンが手首を……//)」

    ミカサ「それより暴漢の手首を掴む事に成功したエレンは、手首を握力で潰せる。ので、勝ち。」

    エレン「そういうの分かった仲の方がやりやすいな」ゴゴゴゴ

    ミカサ「(よく知った仲だなんて……//)」

    ミカサ「次はエレンが暴漢。」

    エレン「これは慣れないんだよな……触れさせるだけ……よっ」ゴゴゴゴ

    ピトッ

    ミカサ「うっ//」

    ミカサ「はい。エレンの勝ち。(エレンが優しく触れ……//)」

    エレン「おいおい。暴漢が勝っていいのか?;」ゴゴゴ

    ミカサ「エレン並の力を持った暴漢がいたら人類は滅んでる。のでエレンには勝たなくてもいい」

    エレン「……そういうもんか?でも、それだとお前の訓練が……」ゴゴゴ

    ライナー「そういう事で困ってると思ったぞ!」

    ベルトルト「(ライナー、本気?アニをエレンとぶつけるなんて……)」

    ライナー「ミカサは暴漢役のベルトルトを思う存分退治してくれ。」

    ミカサ「」ギロッ

    ベルトルト「」ガクガクガクガク

    エレン「ライナー。何を……」ゴゴゴ

    ライナー「まぁ待てエレン。あいつが見えるだろ」

    エレン「アニか……またうまくサボってるな」ゴゴゴ

    ライナー「大事な訓練でサボっていれば守る物も守れない!そう思うだろ?」

    エレン「まぁ……そうだな……」ゴゴゴゴ

    ライナー「という訳であいつに説教だ。おいアニ!教官の頭突きは嫌か!?」

    アニ「……チッ 面倒くさい……(あいつがマリアを攻めあぐねた元凶?馬鹿馬鹿しい)」

    ライナー「さぁエレン。暴漢として襲いかかれ」

    ライナー「(アニの格闘術は俺たちの中で最強だ。柔で剛を制する技にお前はどう戦う?)」

    エレン「アニ……?ライナーが変な事言ってすまん……」ゴゴゴゴ

    アニ「(なんでそういう気配りできるんだコイツ)いいからかかってきなよ」

    エレン「よし……じゃあ行くぞ(相手は女の子だから、優しく触れさせるだけ……;)」ゴゴゴ

    アニ「シッ!!」

    バキッ!!

    アニ「いっ…!!」

    エレン「……?足蹴ったのか。中々速いな……」ゴゴゴゴ

    アニ「……ッ!!(こっちの足がイカれる……!)」

    エレン「だがこうだ。」ピトッ

    アニ「っ!!//(木剣で優しく触れるな……!)」

    エレン「俺の勝ち。これでいいか?」ゴゴゴゴ

    ライナー「え、い、いやまd」

    アニ「まだだ!木剣を取り上げてみせる!」

    アニ「(あたしを馬鹿にしやがって……!)」

    エレン「構わんが大丈夫か?涙目だぞ?;」ゴゴゴ

    アニ「うるさい!」ガシッ

    エレン「お?」ゴゴゴ

    ライナー「(掴んだ!相手の力を利用するとか言ってた投げ技に入る!)」

    グィッ!

    アニ「……」

    エレン「……」ゴゴゴ

    グィッ!!

    アニ「………」

    エレン「………」ゴゴゴ

    アニ「(コイツ……『崩し』がかからない!?)」

    アニ「(体を動かすのに『慣性』を一切使ってないとでもいうの!?)」

    エレン「……ひっついた所悪いが……」ゴゴゴ

    エレン「こうだ」ピトッ

    アニ「ひゃっ!!///」

    アニ「(何その 木剣の力加減……///)」クタクタ

    ライナー「おい……アニ……大丈夫か?;」

    アニ「……私の技……おかしいな……」

    アニ「ライナー。ちょっと相手してよ。」

    ライナー「へ?いや、俺は」

    バキッ!! スパン!! ドゴン!!

    ライナーだったもの「」

    アニ「おかしいな……間違ってはいないハズ……」


  38. 39 : : 2015/08/09(日) 21:18:08


    エレン「ふーむ。本来はそういう技なのか」ゴゴゴ

    エレン「お前の倍近くあるライナーが宙を舞うとは……」ゴゴゴゴゴ

    アニ「!!」

    エレン「ところで、最初に蹴った足、大丈夫か?;」ゴゴゴゴ

    アニ「……蹴られたのはアンタでしょうが(だからなんでそういう気配りできるの)」

    エレン「俺を本気で殴る蹴るした奴は前にもいたが……うむ。心配でな」ゴゴゴ

    エレン「打撲くらいにはなってると思うから、医務室だな」ゴゴゴ

    アニ「へっ、平気……ツッ……!」ズキン

    エレン「よし、運ぼう」ヒョイ

    アニ「やめっ///自分で歩ける//」

    エレン「なら今すぐ歩いてみせろ。俺より早くだ」ゴゴゴゴ

    アニ「くっ……///」

    エレン「それと、今度技教えてくれ。対巨人戦の参考になるかもしれん」ゴゴゴゴ

    アニ「だっ、誰があんたなんかに……!」

    エレン「嫌なら別にいい」ゴゴゴ

    アニ「…………ッ!!」プルプル

    ギャーギャー

    ミカサ「………………」

    ミカサ「………………」クルクル

    ベルトルト「えー。ミ、ミカサマフラーとっちゃう?え、とっちゃう?」

    ミカサ「いけない?ちょっと激しく運動したいの」

    ベルトルト「えーと、えーとマフラーつけてた方が激しい運動になるんじゃナイカナー?」

    ミカサ「運動量ではなく、動きの問題。」

    ベルトルト「きょ、きょ、今日は肌寒いぞー?マフラーがないと寒いとオモウナー」

    ミカサ「じゃああなたがこれつければ?」ドスン!!

    ベルトルト「ムリッス」


    ウニャアアアアアアアアアアアアアアアア!!


    ライナーだったもの「おれたちってさあ。なんかやくにたつのかな」

    ベルトルトだったもの「とりあえずきもちいいんじゃない」
  39. 40 : : 2015/08/10(月) 08:30:13


    ~食堂~

    アルミン「エレン!ミカサ!」

    エレン「アルミン。席とっといてくれたのか」ゴゴゴゴ

    ミカサ「私は今日はいえ今日もエレンの隣に座りたいのでアルミンに感謝」

    アニ「ちょっと、アンタ」


    ミカサ「…………………何?」ゴゴゴゴゴゴゴ

    アルミン「(あれ?ミカサもその効果音出せるようになったんだ)」

    アニ「あんたじゃないよ。用があるのはエレン……」

    エレン「おう。アニか。足は平気か?」ゴゴゴゴ

    アニ「……うん。もう平気……」

    アニ「……あのさ、今日は医務室まで運ばせちゃってさ、その、あ、あ、あ、」

    エレン「……どうした?」ゴゴゴゴ

    アニ「あ……明日技教えてやるよ(ありがとうくらい言えないのかあたしは……!)」

    エレン「本当か!ありがとう」ゴゴゴ

    アニ「い、いいよ別に(言われてどうすんだよ……)」

    ミカサ「ねぇアニ。私にも技 教えて?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    アニ「は?」ゴゴゴゴゴゴゴ

    アルミン「(あれ?アニも出せるんだ。実はみんな出せるのかな!)」

    エレン「ん?駄目なのか?アニ。」ゴゴゴゴ

    アニ「えっ!?え………っと」

    アニ「その、あんたは巨人対策に技を学びたいんだろ!?」

    アニ「対巨人相手には エレンじゃないと無理なんじゃないかって、そう、そう言いたかった!」

    エレン「ああ、そう言われればそうか……」ゴゴゴゴ

    ミカサ「ほ、本来は対人用の技のはず!私も学んで格闘術の成績を伸ばしたい!」

    アニ「え、えーと…。えーと……;」

    アニ「あ、あたしも憲兵団狙いなんだよ!ライバル増やしてどうすりゅ、るのさ!」

    アルミン「(あ、噛んだ。)」

    ミカサ「その理屈だとエレンに教えるのもおかしい!」

    アニ「えっと、えっと、エレンはもう対人格闘1位確定だろ!教えても順位は変わらないよ!」

    ミカサ「なら私も2位確定だから 順位変わらない!」

    アニ「あ、あたしはこの技があればまだあんたに追いつけ、つけ、つけ、つけるもん!!」

    ミカサ「ぐぬぬ」

    アニ「ぐぬぬ」

    アルミン「(このこ可愛いな)」

    エレン「ミカサ。いつもサボってたアニがやる気を出すつもりになったんだ」ゴゴゴゴゴ

    エレン「教えてもらう立場として、条件は呑むべきだと思う……」ゴゴゴゴゴ

    ミカサ「!!……エレンがそう言うのなら……」ギリギリ

    アニ「ほーらみろほーらみろ!(フン……分かってるじゃないか……)」

    アルミン「(アニ。多分それ逆だよ)」

    ジャン「氷の女王と噂されるアニが今子供のようにはしゃいでなかったか?」

    マルコ「そんなはずないだろジャン。それに君が見てたのはミカサだろ」

    ジャン「いや、そうだけど今ミカサとアニが一緒にいてだな、それで」

    アニ「シッ!!」バキッ

    ジャン「きるしゅたいんっ!」ズドーン!

    マルコ「派手に飛んだね」

    アニ「じゃあエレン……明日からよろしく……///」スタスタ

    エレン「おう。……しかしキレがある技だな……」ゴゴゴゴ

    キース「今しがた大きな音が聞こえたが誰か説明してもらおうか」

    ミカサ「アニに蹴り飛ばされた音です」

    キース「誰がだ」

    ミカサ「えー……、えーと、申し訳ありません。名前を失念しました」

    ジャン「ジャンじゃん」チナミダ

    ミカサ「えーとそう、ジャンジャンです」

    ジャン「」

    マルコ「ジャン!死ぬな!誰か……誰か助けて下さい!誰か助けて下さい!」

    キース「セカチューか……少しは慎みを覚えろ」

    アルミン「(いまのでいいんだ)」


    ライナーだったもの「きょおのごはんはなにかなあ」

    ベルトルトだったもの「いつものすうぷとぱんだよ。わあい」

  40. 41 : : 2015/08/10(月) 16:07:11


    ~次の日の対人格闘訓練~


    アニ「つまりさ……相手の力を利用するんだ。ここで教えているのとは違うんだよ」

    エレン「相手の力……?相手が強ければ強いほどよく効くってことか?」ゴゴゴゴゴ

    アニ「……強さの度合いによるけどね」


    ベルトルト「いやー、体が健康なのって素晴らしいねライナー!」

    ライナー「そうだな!怪我をしないのが一番だよな!」

    ミカサ「……で、私の相手をするのはどっち?」クルクル

    ベルトルト「そっち」

    ライナー「そっち」

    ライベル「「…………」」

    ライベル「「この裏切りもんがああぁぁあぁ!」」

    ミカサ「両方でいいのね?」

    ニャアアアアアアアアアアアアアアアア!!



    エレン「そうか。慣性を利用するのか……巨人はでかいから効きそうだな……」ゴゴゴゴゴ

    アニ「どうやって技をかけるのかは知らないけどね。」

    エレン「原理さえ分かれば工夫するさ……誰だお前ら」ゴゴゴ


    ナライ―「ならいい。」

    ベ+2(ルト)「であるからして、P(1)は成り立つ。つまり教官はハゲである」


    ミカサ「ごめんなさい。やりすぎて名前の文字がごちゃってしまった」

    エレン「……夕飯までに治るのかこれ」ゴゴゴゴ

  41. 43 : : 2015/08/11(火) 09:14:12


    ~夕食~


    べ+2(ルト)「ているが、この証明は帰納ではなく純粋に自然数の構造に依存した演繹」

    ナライ―「ならいい。」

    エレン「……治んねぇな」ゴゴゴゴ

    ミカサ「ごめんなさい……」

    アルミン「あ、明日には治ってるよ!……多分」

    ギャーギャー

    エレン「ん?あっちが騒がしいな……」ゴゴゴゴ

    コニー「俺のパンがねぇ!サシャ!お前だな!」

    サシャ「ふっふっふ。油断するからですよ~。そちらの方々も食べていないようなので私が」


    エレン「ギロッ」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    サシャ「わにゃんっ!」ビクゥッ!!

    エレン「………人の食い物を盗るんじゃねぇ……」ゴゴゴゴゴゴゴ

    サシャ「ははははははい!盗りませんごめんなさいすいませんお許しを!」ガクガク

    エレン「……分かったのならコニーにパンを返してこい」ゴゴゴゴ

    サシャ「わんっ、はい!ただいま! コココニー、返します!申し訳ありませんでした!」ガタガタ

    コニー「おう!分かればいいんだ!ありがとなエレン!」

    アルミン「怖がらせすぎだよエレン;ごめんねサシャ、エレンはちょっと開拓地で色々あって……」

    サシャ「し、して、しょ、処分はいかほどで……」

    アルミン「(処分?)」

    エレン「コニーも言ったが、分かればいい。もう人の食い物盗るなよ」ゴゴゴゴゴ

    サシャ「はい!盗りません!ある、あり、ありがとうございますエレン様!」ババッ

    アルミン「エレン様?え、いつの間にそんなに親しくなったの?」

    エレン「……俺は知らんぞ?」ゴゴゴゴ

    ミカサ「サシャには動物的な勘の良さがある。本能で理解したのだろう。生物としての差を」

    サシャ「」オスワリ

    アルミン「なるほどねー納得……する自分に素直に納得できない」

    ナライ―「ならいい。」

    ベ+2(ルト)「3.1415926535897932384626433832795028841971693993751058209749……」

  42. 44 : : 2015/08/11(火) 11:24:43


    ~馬術~


    ライナー「どうしちまってたんだ……俺は……」

    ベルトルト「もうずっと醒めない夢を見ているような気分だった」


    マルコ「へー、クリスタ馬術上手だね。教わることないんじゃないの?」

    クリスタ「えへへ。そんなことないよ」

    ユミル「さすが私の嫁だな」

    コニー「んー?ジャンどこいった?」

    ジャン「目の前にいるだろ。」

    コニー「うわっ!馬が喋った!!」

    ジャン「お前バカだからそれ本音で言ってるはずだよな。腹立たしさ倍だな」

    アルミン「ミカサ!マフラー外すの忘れてる!馬がきついよ!」

    ミカサ「おっと、うっかりしていた。」クルクル ズシン


    クリスタ「おかしいな……」

    ユミル「どうした?どこか痛めたなら私がお姫様だっこで運んでやるぞ」

    クリスタ「そうじゃなくて……世話してる時はなんともないのに、訓練になるといつも馬が怯えるの」

    コニー「クリスタ、馬の考えてる事分かるのか!?ジャンじゃなくて!?」

    ジャン「怒っていいよな。なあ。もう怒っていいよな」

    マルコ「ジャン、どうどう、どうどう。」

    ジャン「………」ピキッ

    クリスタ「なんとなくだけど分かるの。訓練になると何かに怯えてる……」



    エレン「……この訓練俺に必要か?走った方が速いぞ」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    アルミン「それはエレンだけだよ!馬が怯えるから気持ちを鎮めて!」

    馬「」ガクガクガクガク



    クリスタ「」

    クリスタ「(なんなのあの人)」


    ライナー「(あの子可愛いな。結婚したい)」

    ベルトルト「(アニどこかな……)」


    ミカサ「私も持久力では馬には勝てない……」ショボン

    アルミン「いや、瞬間速度でも勝つのはおかしいからね?」



    ~ロッククライミング~


    キース「高所に慣れなければ立体機動はできん!登れ!」

    エレン「」ピョーン

    キース「」

    全員「」

    エレン「ん?」ゴゴゴゴ

    キース「だ、誰が飛び乗れと言った!登るんだ!やり直せイェーガー!」

    エレン「……え?目的は崖の上に上がることじゃ……」ゴゴゴゴ

    シャカシャカシャカ

    ミカサ「ミカサ・アッカーマン、到着しました」バッ

    キース「(早っ!!)」

    エレン「ミカサ。教官がやり直せって言うんだ」ゴゴゴゴ

    ミカサ「うん。アルミンに聞いてきた。これは精神力を鍛える訓練で、本来は命綱を……」

    キース「(あ、気付かなかったけどこいつら命綱つけてない)」

    ミカサ「……で、命綱を切って反応を見たりするんだって。普通の人は落ちたら死んでしまうから。」

    エレン「……なるほど、度胸試しみたいなもんか……」ゴゴゴゴ

    エレン「でも俺はこの程度の高さじゃ頭から落ちても無傷だしなぁ……」ゴゴゴゴ

    ミカサ「やだエレンったら。まさかエレンが怪我する高さがあるみたいな言い方……」

    エレン「それもそうか。ははは」ゴゴゴゴゴ

    キース「(なにこいつら)」

    エレン「そういうわけなんで、俺はこの時間何してればいいですか?」ゴゴゴゴ

    キース「……広場を走ってこい。何周でもいい。訓練時間終了まで」

    エレン「了解!……速さはいかほどで?」ゴゴゴ

    キース「速さだと……!?なら全速力で走ってろ!!」





    ピクシス「おぬしの訓練所が局地的な竜巻に襲われたらしいの」

    ピクシス「災難じゃったな……訓練兵に怪我人などは出んかったかの?」

    キース「はい誰も怪我しませんでしたはいもう色々いいですはい」
  43. 45 : : 2015/08/11(火) 11:55:29
    お疲れ様でした
    おもしろかったです!
  44. 46 : : 2015/08/11(火) 12:04:00
    ありがとうございます

    実は書きためた分わりとできたのでちょっと更新ペース上がるかもしれません
  45. 47 : : 2015/08/11(火) 12:07:35

    ~立体機動訓練~



    プシュゥゥゥゥゥゥ ズバババン!

    ジャン「クソッ……またアニとベルトルトか……!」シュゥゥゥゥ

    アニ「……(エレンに会いたいな)」シュゥゥゥゥゥ

    ベルトルト「……(アニ……綺麗だな)」シュゥゥゥゥ


    キース「(……)」

    キース「(アニ・レオンハート 斬撃の進入角度に非の打ち所がない)」

    キース「(性格は孤立気味なのになぜか時々はしゃぐ)」

    キース「(ベルトルト・フーバー あらゆる技術をそつなくこなし高い潜在性を感じさせる)」

    キース「(……が、時々何かに怯えている)」


    ジャン「先に巨人を見つけて点数を稼ぐしかねぇ!憲兵団になるのはオレだ!」プシュゥゥゥゥゥ!


    キース「(ジャン・キルシュタイン 立体機動装置の理解が深く性能を引き出す)」

    キース「(抜き身すぎる性格により軋轢を生みやすいが個人的に実は高く買っている)」


    コニー「お前の後を追って正解だったぜ!」シュゥゥゥ

    ジャン「!?」シュゥゥゥ

    コニー「オラァ!」ズバッ

    コニー「あれ?斬れてない!あっ刃が逆だ!」シュゥゥゥ

    ジャン「」


    キース「(コニー・スプリンガー 小回りの効く機動が得意)」

    キース「(でもバカ)」


    サシャ「アルミン!見つけました!十時方向に1、一時方向に1!距離100!」プシュゥゥゥ

    アルミン「よし!僕が合図で突っ込むから2秒後に死角から攻撃!ライナーは右、サシャは左!」シュゥゥ

    アルミン「先に仕留めた方はもう片方のバックアップに回って!」シュゥゥゥゥ

    ライナー「いいのか?今回は殺傷能力を見る試験だぞ!?」シュゥゥゥ

    アルミン「それでもいい!これが僕の殺傷能力だ!状況、開始!」ブシュゥゥゥゥ


    キース「(アルミン・アルレルト 体力こそ兵士の基準に達しないものの……)」

    キース「(瞬間的状況判断能力と知能が秀逸。指揮官としての活躍が期待できる)」


    サシャ「さすがエレン様の幼馴染ですね!懐が広い!開始!」ブシュゥゥゥゥ

    ライナー「……まぁ、乗っかって損は無いか……。開始!」ブシュゥゥゥゥ

    アルミン「(巨人は僕を見る。二人は死角……いける!)」シュゥゥ

    ズババン!!

    サシャ「やったー!」シュゥゥ

    ライナー「恐ろしいほどうまくいったな……」シュゥゥ

    アルミン「タイミング、角度ともに完璧!サシャ!気を抜かず索敵!ライナーは後方を警戒!」ブシュゥゥ

    アルミン「ガスの残量には気を配って!散開!」プシュゥゥ

    サシャ「りょーかいでーす!」プシュゥゥ

    ライナー「(訓練で後方から襲ってくるものもないだろうに……)」ブシュゥゥ


    キース「(ライナー・ブラウン 屈強な肉体と精神力を持つ)」

    キース「(優秀な兵士と言って思い浮かぶ典型。面白味は無いが不安も無い)」

    キース「(サシャ・ブラウス 素早い身のこなしと型破りな勘の良さがある)」

    キース「(なぜか特定の訓練兵に逆らわない。弱み握られてないかとか心配)」

    キース「(そういえば一時を境に盗み食いしなくなったな……)」
  46. 48 : : 2015/08/11(火) 13:04:32
    期待してる
  47. 49 : : 2015/08/11(火) 13:34:44
    期待です(=´∀`)人(´∀`=)
  48. 50 : : 2015/08/11(火) 18:24:09
    期待ありです。
  49. 51 : : 2015/08/11(火) 18:25:47


    シュゥゥゥゥゥゥ ズバンズバンズバン!!

    ミカサ「……(エレン見てたかな)」シュゥゥ


    キース「(ミカサ・アッカーマン あらゆる難解な科目を期待以上にこなす実現力がある)」

    キース「(イェーガー訓練兵から離れないことを除けば完璧な人材。しかし……)」

    タタタタタタタタ

    エレン「………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


    キース「(立体機動訓練なのになんで走ってんのあいつ)」

    キース「イェーガー訓練兵!!立体機動に移れ!!」

    エレン「何故ですか?」ゴゴゴゴ

    キース「(これだよ)」

    キース「そういう訓練なの!とにかく地面に触ったら失格!いい!?」

    エレン「……了解しました」ゴゴゴゴゴ

    ピョン

    ガッ ガガッ ガッ ガッガッ

    キース「(木の幹を蹴って移動し始めた)」

    キース「(うん。地面に触ってはないけどさ。うん。)」

    キース「(……装置使ってないじゃん)」

    エレン「邪魔だなこの装置……」ガッガッガガッ

    キース「(でしょうね)」

    エレン「まぁ、刃がついてるからいいとするか……よっ!!」

    ターンッ

     キラッ

     ズ バ ン
       
     ドドドドドドド

      ズズズズズ ズズーン バキバキバキ

    ミカサ「エレン。思いっ切りやりすぎじゃない?」

    エレン「……巨人だと思うと加減ができなくてな……」ゴゴゴゴゴ


    キース「(よく見てなかったけどイェーガーがブレードを振ってちょっとしてから音がした)」


    ミカサ「でもハリボテはもちろん、射線上の木が全部なくなってしまった。」

    ミカサ「これだと後に訓練する人が困る。」

    エレン「んー、向こうのハリボテを4体ほど巻き込もうと思ったのがまずかったか……」ゴゴゴゴ

    ミカサ「エレン。部隊で戦う時は周りに兵士がいるから……」

    エレン「……そうだな。工夫するか……」ゴゴゴゴゴ

    キース「(採点官たちに避難命令出しといてよかった)」

    キース「(エレン・イェーガー あらゆる実技で期待の成層圏を軽くぶっちぎる)」

    キース「(訓練所では手に余る というかこの壁内で手に余らない場所ってあるのだろうか)」

    キース「(恐らく無いと思う。彼は神か悪魔か と。)」

    キース「……訓練所どうしよ。嫌だなあ。責任とりたくないなぁ。」

  50. 52 : : 2015/08/11(火) 20:56:25
    キースさん最後弱音…w期待です(=´∀`)人(´∀`=)
  51. 53 : : 2015/08/11(火) 22:25:41



    ~夕食~


    アルミン「それは衝撃波だね。」

    エレン「衝撃波?」ゴゴゴゴ

    アルミン「森から轟音が聞こえたと思ったら、やっぱりエレンの仕業だったのか……」

    アルミン「おそらくブレードの先端が音の速さを超えたんだね。前にもあったよ。開拓地で……」

    エレン「音に速さってあるのか?」ゴゴゴ

    アルミン「うん。遠くの大砲の音は、発射されてから少しして音が聞こえるでしょ?」

    サシャ「私は大砲の音は知らないんですが……」

    アルミン「まぁ、とにかく音の速さを超えると、音を伝える媒質中……つまり空気だね。」

    アルミン「ブレードの周りの空気中から発生したんだろう。」

    エレン「昔木の棒を振り回した時はそんなの出なかったが……」ゴゴゴゴ

    アルミン「その代わりに棒の先端がなくなったでしょ?ブレードは丈夫だから。」

    コニー「うーん、俺バカだからわかんねぇけど、そのショーゲキハが出るとうるさい以外に何なんだ?」

    アルミン「広範囲が破壊されるから巨人が密集してたら一網打尽にできるかも……って」

    アルミン「エレン、立体機動訓練所壊した?;」

    コニー「へー。よくわかんねーけど巨人がたくさんいても戦えるのかエレンは。すげーな」

    エレン「あぁ……壊したというか……壊れたというか……」ゴゴゴゴ

    アルミン「気を付けてよエレン……僕らが訓練できなくなったらどうするのさ」

    エレン「……すまん……ミカサにも言われた……」ゴゴゴ

    ミカサ「でも、エレンが相変わらずすごい事は分かった。私も頑張らないと」

    サシャ「エレン様はすごいんですね!」

    コニー「俺もショーゲキハ出してぇな。」

    アルミン「ミカサはどこまで頑張る気?あとコニー、多分エレンにしか出せないよ。て言うか出されたら困る」

    アルミン「それと前から気になってたけどなんでサシャはエレンに様をつけるの?」

    サシャ「?エレン様はエレン様ですよ?」

    エレン「そんな呼ばれ方したことないから、なんというか新鮮だな……」ゴゴゴゴ

    コニー「じゃあ俺も呼んでやろうか。エレン様」

    ミカサ「エレンは昔からの働き的にも敬称を付けられるべき。エレン様」

    アルミン「で、衝撃波の話に戻るけど……」

    アニ「(エレン様、か……//)」

    ミーナ「でさー。アニ?聞いてる?アニ?おーい」

    ジャン「楽しそうだな。俺も様付けで呼んでくれよ(ミカサに呼ばれたい)」

    ミカサ「意味が分からない」

    ジャン「」

    コニー「なんでジャンに様つけるんだ?」

    サシャ「ジャンサマ……語呂が悪いですねぇ。なんか安っぽいです」

    ジャン「」

    コニー「でもせっかく本人が呼んで欲しいって言うんだから呼んでやるか!ジャンサマ!」

    サシャ「そうですね!ジャンサマ」

    ミカサ「ところでジャンサマの名前ってなんだっけ。」

    ジャン「」

    エレン「……じゃあ俺も……」ゴゴゴゴ

    ジャン「てめぇは呼ぶなよ!?絶対呼ぶな!!」

    エレン「……すまない……」ゴゴゴ

    サシャ「いやいやいや、エレン様は悪くないですよ!」

    ミカサ「そう。エレンは悪くない。悪いのはジャンサマ」

    コニー「呼べっつったり呼ぶなっつったり、エレンが傷付くからやめろよ!ジャンサマ!」

    ジャン「」

    マルコ「みんなごめん。回収するね。 ジャン、君は強い人ではないから……」ズルズル

    コニー「そういえばジャンだったなあいつの名前。あれ?なんで忘れてたんだ?忘れたからいいか」

    アニ「(ジャンサマ……wwジャンざまぁ……www)」プルプル

    ミーナ「ヘイ!アニちゃん!体はここでも意識はどこに?」ブンブン

    アルミン「……で、ソニックブームっていうのは音の事で、衝撃そのものはショックウェーブと……」ウンヌン

    サシャ「それよりエレン様!私あれから一度も食べ物を盗ってません!褒めてください!」

    エレン「え?あ、ああ……サシャは偉いな。」ゴゴゴゴ

    サシャ「わんわん!」フリフリ

    ミカサ「エレン。私も褒めて。私も頑張っている。」

    エレン「え?え、えーと、ミカサも偉いな。」ゴゴゴゴ

    ミカサ「……///」

    アニ「(エレン……私も褒めてもらいたい///)」

    ミーナ「アニの顔に落書きしちゃお……」カキカキ

    ベルトルト「ねぇライナー、アニが顔に落書きされてるんだけどどうしたら」

    ライナー「な、なぁクリスタ!今度一緒に出掛けないか!」

    クリスタ「え、えーと……」

    ユミル「私の嫁に近寄んじゃねぇよゴリラ」

    クリスタ「ちょっとユミル!そんな言い方……」

    ベルトルト「ねぇライナー。アニがミーナに……」

    ユミル「さっきからうるせぇぞノッポ!」

    ベルトルト「」

  52. 54 : : 2015/08/11(火) 22:56:07

    ミーナ「そうだ、部屋から化粧道具もってこよ……」イソイソ

    コニー「ん?さっきサシャに尻尾ついてなかったか?」

    サシャ「?人間に尻尾はありませんよ?」

    コニー「そう……だよな。気のせいだよな。」

    エレン「そういえば獣は走る時尻尾でバランスをとるって前アルミンが言ってたな」ゴゴゴゴ

    サシャ「じゃあ、私たちにも尻尾があれば立体機動のバランスがもっとよくなりますかね!」

    アニ「(サシャに尻尾…… エレンへの態度からして犬の尻尾しか……駄目だ想像したらw)」プププ

    ミーナ「フフフ~ン♪何が楽しくて笑ってるのか知らないけど、元がいいから笑顔に化粧が映えるなぁ」ヌリヌリ

    マルコ「ふぅ。訓練兵で蘇生術に慣れるとは思わなかったよ。ジャンで……」

    マルコ「みんなそろそろ食事の時間は終わり……ってユミルとライナーは何してるの?」

    ユミル「ごめんってクリスタ!……あー、クリスタが口を利いてくれなくなって;」

    ライナー「こっちはベルトルトがいじけて……;」

    ベルトルト「ノッポは黙ってろだってさ……どう思うクリスタ……」イジイジ

    クリスタ「ひどいね……ユミルの暴言は最近ひどい……背が高くていいのにね」イジイジ

    マルコ「(ジャンを蘇生してる間に一体何が)」

    ベルトルト「背が高くていい事なんてあんまりないよ」イジイジ

    クリスタ「でも私小さいから高い所から世界を見たいな。そうだ肩車してよベルトルト」イジイジ

    ベルトルト「いいよ。僕が一番背が高いからきっと違う世界が見えるよ」ヨイショ

    クリスタ「わー。高いな。背が高いってやっぱりいいのにね。ユミルは知らないね。」

    ライナー「おいベルトルト!口利いてくれなくてもいいからそこ代われ!!」

    ユミル「いや私に代われ!」

    クリスタ「ユミル言ったじゃん。ベルトルトが一番のっぽなんだよ。」

    ベルトルト「そうだよ。」

    クリスタ「じゃあ女子寮までれっつごー。」

    ベルトルト「はいおまかせー。」テクテク

    ライナー「女子寮……だと!羨ましじゃない裏切り者がああ!」ズルズル

    ユミル「クリスタ!謝るから頼むからそこから降りて私の上にいいい」ズルズル

    マルコ「……はぁ。なにやってるんだか……ってミーナ!?アニ!?」

    ミーナ「やーマルコ。どう?アニ」

    アニ「……(尻尾かぁ。あたしは猫がいいかなぁ)」キラキラリーン

    マルコ「へぇ、ミーナがしたの?アイシャドウがきいててアニのビューティーさが一段と……」

    ミーナ「でしょでしょ!?アニってナチュラル系美人だからやりすぎてもくどくないし……」

    マルコ「本人は何て?」

    ミーナ「ん?いや何も?無許可だし」

    マルコ「」

    ミーナ「だってさぁ。私と話してたのに反応なくなっちゃうんだよ?ひどくない?」

    アルミン「つまり衝撃波っていうのはそういう事なんだよ。あ、マルコ。」

    マルコ「アルミン。君がいながらこの惨状とは。」

    アルミン「え?あ、時間忘れてた。つい夢中になっちゃって……エレン!ミカサ!時間!」

    エレン「尻尾って……ん、もうこんな時間か」ゴゴゴゴ

    ミカサ「尻尾……あ、部屋に戻らないと。」

    サシャ「尻尾が美味しい生き物もいますよ!」

    コニー「尻尾の話でこんな盛り上がると思わなかったな。さて部屋に帰るか。」テクテク

    アルミン「え?尻尾?衝撃波は?」

    アニ「(尻尾の話終わっちゃった……ミーナの話に戻るかな)」

    ミーナ「はいアニ。鏡~」

    アニ「……!?」

    アニ「え、え、え、え、え、え、え、なにこれ!?いつの間に!?」

    ミーナ「いつの間って……ずっと。自信作でーす。」

    アニ「(えっどっどうしよう!!こんなのエレンに見られたら……)」

    エレン「アニ?」ゴゴゴゴ

    アニ「」

    アニ「(やさしくころしてください)」

    エレン「化粧か……よくわからんが、なかなかいいんじゃないか?綺麗だぞ」ゴゴゴ

    アニ「」

    アニ「/////////」

    アニ「……ミーナ。」

    ミーナ「なに?」

    アニ「……ありがとう……」ポロポロ

    ミーナ「わわわ泣かない!崩れる!部屋に退散!」バタバタ

    ミカサ「エレン!今度私も化粧する!」

    エレン「いや、兵士が化粧してどうするんだよ。」ゴゴゴ

    ミカサ「でもエレン、綺麗って……」

    エレン「お前なら化粧しなくても綺麗だろ……ふぁ……寝るか……」ゴゴゴゴ

    ミカサ「………//////(この世界はとても美しい……)」フラフラ

    サシャ「おっと!ミカサ大丈夫ですか?運びますね。じゃあエレン様、また明日~」ズルズル

    エレン「おぅ…」テクテク

  53. 55 : : 2015/08/12(水) 00:05:49
    期待してる
  54. 56 : : 2015/08/12(水) 08:14:12



    アルミン「……え?え?」

    マルコ「……そうか……君は何も覚えていないのか……」

    マルコ「でもこれは覚えておいてほしい。」

    マルコ「この兵舎で、僕も君もいなかったら」

    マルコ「ツッコミ不在なんだ。」

    アルミン「……え、あ、うん…」

    マルコ「……今、ベルトルトがクリスタを肩車して女子寮に向かった。」

    アルミン「!?」

    マルコ「ライナーとユミルもいる。恐らく修羅場になるだろう」

    アルミン「……そ、そんな……」

    マルコ「君も来てくれ。否、来なければならない。僕らにはその責任がある」

    マルコ「それが僕らに与えられた、役割(ロール)なんだ……」

    アルミン「……そうだね。僕も腹を括ったよ」

    マルコ「ありがとう。アルミン。さぁ、行こうか……」


    アルマル「「女子寮へ!!」」



    後に「肩車事変」と呼ばれる事になるこの日の騒動は多数の犠牲者を出す痛ましい事件だった。

    ライナーとユミルによる謎の肩幅アピール、いじけたベルトルトに登って降りてこないいじけたクリスタ。

    仲裁の為に女子寮に飛び込んだアルミンとマルコは女性陣からの鉄拳を浴び殉職。

    独力での事態収拾が困難と判断したサシャは上位存在であるエレンに助けを求めるため

    就寝時の下着姿で男子寮に突入。

    安眠妨害(いい意味で)と出血多量(主に鼻から)により多くの男子訓練兵が犠牲になった上、

    目的はどうあれサシャが下着姿でエレンのベッドに突撃するという事態にミカサとアニがエレンに詰め寄るも

    エレンが何か言う前になぜかミカサとアニが激突。

    両雄(?)が繰り広げる死闘に騒ぎを聞きつけてやってきた教官が巻き込まれ重症を負うなど

    火に油を注ぐ結果となった。

    結局とっくにいじけ終えてそれぞれの部屋で安眠していたクリスタとベルトルトが発見され、

    表面上だけではあるが事態は収拾されたという結論となった。


  55. 57 : : 2015/08/12(水) 10:02:02
    えっ…えっ!?教官!?笑
    てかこれ半分以上サシャが悪いよね笑
    期待です(=´∀`)人(´∀`=)
  56. 58 : : 2015/08/12(水) 11:12:48



    ~次の日の朝~

    コニー「それで朝から走らされてんのかオレたち……」タッタッタッ

    アルミン「まぁ殉職とか重症とかはさすがにオーバーだけどね」ボロボロ

    マルコ「そうだね」ボロボロ

    ミーナ「でもあんたたちは自業自得よ;事情がどうあれ突然女子寮に入ってくるなんてさ……;」タッタッタッ

    ミーナ「こっちはそれなりの格好してるんだし……;///」タッタッタッ

    アルミン「ライナーとベルトルトがもう入ってたから大丈夫かなとか思っちゃったね……;」タッタッタッ

    ミーナ「ベルトルトはいじけて目が死んでたし、ライナーはクリスタしか見てなかったし……」タッタッタッ

    ミーナ「むしろ冷静に状況を客観視できる人間に来られたら困るというかね;」タッタッタッ

    アルミン「あ~……;」タッタッタッ

    マルコ「周りを見る力が仇になったね。」タッタッタッ

    マルコ「……でもサシャはもう少し周りを見た方がいいと思うんだ」タッタッタッ

    ミーナ「……ほんとにね」タッタッタッ

    エレン「サシャ。お前は女の子なんだからああいう格好でだな……;」ゴゴゴゴ

    サシャ「ごめんなさいエレン様……」ションボリ

    コニー「オレは寝てて見てなかったんだがどういう格好だったんだ?」タッタッタッ

    アルミン「コニー。君はちょっと黙って」タッタッタッ

    ミカサ「エレン。私も気になる。『ああいう格好』だなんてまるでよく見たような言い方……」ゴゴゴ

    アニ「待ちなよエレン。その言い方だと『ああいう格好』でなければサシャが夜ベッドに来てもいいとも聞こえるけど」ゴゴゴ

    エレン「いや待てよ;俺だって別に見たくて見たわけじゃ……」ゴゴゴ

    サシャ「見たくないモノを見せてしまって本当にごめんなさいエレン様……」ションボリ

    エレン「いやそういう意味じゃなくてだな。そりゃ当然見たくないってわけじゃ」ゴゴ

    ミカサ「エレン?」ゴゴゴゴゴゴゴ

    エレン「……」ゴゴ
  57. 59 : : 2015/08/12(水) 14:11:09
    エレン笑っ
  58. 60 : : 2015/08/12(水) 14:11:16
    あ、期待ですよ(=´∀`)人(´∀`=)
  59. 61 : : 2015/08/12(水) 14:34:03
    いつも期待ありがとうございます
  60. 62 : : 2015/08/12(水) 14:34:37


    ミカサ「とにかくサシャはエレンのベッドに近寄らないこと。」タッタッタッ

    ミカサ「ましてや夜に下着でだなんてそんなうらやまいやらしい事は家族でもない限り許されない」タッタッタッ

    ミカサ「そして私はエレンの家族。エレン、今夜予定ある?」タッタッタッ

    エレン「え?いや普通夜に予定なんかないが。開拓地じゃあるまいし」ゴゴゴ

    アニ「じゃ、じゃあさ今夜久々に技教えてやるよ!」タッタッタッ

    エレン「んー、アニの技は大体教えてもらったからなー。」ゴゴゴ

    ミカサ「……フッ」タッタッタッ

    アニ「い、いや、今まで教えた事のない新しい技だよ!そ、その……寝技とか興味ある?///」タッタッタッ

    ミカサ「」

    エレン「ネワザ?それはどんな技なんだ?」ゴゴゴ

    アニ「……!!/// じゃ、じゃぁ、今夜教えてやるよ……///」タッタッタッ

    ミカサ「エレン。寝技とは組み伏せた相手を寝転がった状態で抑えつける技。」

    ミカサ「つまり、サイズが違う巨人には通じない。」

    エレン「そうなのか……じゃあいいかな」ゴゴゴ

    アニ「……チッ!」タッタッタッ

    ミカサ「そういうわけで寝技の練習は今夜私とやろう////」タッタッタッ

    エレン「え?いいよ。巨人には通じないって言ったのお前じゃねぇか。」ゴゴゴ

    ミカサ「」


    ジャン「………ウラヤマシイ…ウラヤマシイウラヤマシイウラヤマシイ………」チナミダ

    クリスタ「みんなごめんね?;元はといえば私がいじけちゃったせいで……」タッタッタッ

    ユミル「そんなワケない!元はといえばノッp……。………私の暴言のせいだ」タッタッタッ

    ベルトルト「僕からもごめん。僕がいじけなければこんなことには……」タッタッタッ

    ライナー「何、気にするなベルトルト。全面的に非は俺にある」タッタッタッ

    ベルトルト「ライナー……君ってやつは……」ジーン

    ライナー「だがどうしてもお前が悪いと思ってるなら、謝罪の代わりと言ってはなんだが」タッタッタッ

    ベルトルト「何だいライナー?僕にできる事なら……」タッタッタッ

    ライナー「後頭部の匂い嗅がせてくれ」

    ベルトルト「」

    ベルトルト「ライナー……君ってやつは……」ドンビキ

    ユミル「次私な」

    ベルトルト「帰れ」

  61. 63 : : 2015/08/13(木) 05:06:11
    期待です!!
  62. 64 : : 2015/08/13(木) 07:09:33
    その次俺な(=´∀`)人(´∀`=)笑っ

    期待です(=´∀`)人(´∀`=)
  63. 65 : : 2015/08/13(木) 10:56:47
    期待ありです
  64. 66 : : 2015/08/13(木) 10:57:58


    ~技巧術~


    アルミン「もうすぐ卒業か……思えば早かったね」カチャカチャ

    マルコ「そうだね。機動装置の分解整備も随分手慣れたよ」カチャカチャ

    コニー「そうだな!俺もおとといやっと正しく組み立てられるようになったぜ!」ジャーン

    アルミン「それはちょっと慣れたってのとは違う気がするけどまあいいや」カチャカチャ

    マルコ「コニー、随分早く組み立てたね。整備は?」カチャカチャ

    コニー「………;」ダラダラ

    アルミン「何のために分解したんだい」カチャカチャ


    マルコ「そろそろ成績順位も固まりつつある……10位付近の人たちはピリピリしてるね」カチャカチャ

    アルミン「そうだね……調査兵団狙いのエレンには関係ないけど」カチャカチャ

    アルミン「整備終了っと……そういえばマルコも上位だよね?ピリピリしてる?」

    マルコ「してるよ。実は組み立てる時間アルミンに負けて内心かなり焦ってる;」カチャカチャ

    アルミン「えっ!?;いや、組み立てだけならまだしも今回は整備なんだから、念入りに時間をかけてした方がいいよ;」

    マルコ「……じゃあ整備終わったらもう一度分解して組み立て時間勝負してくれるかい」カチャカチャ

    アルミン「えっ。あ、あはは……;(手を抜いたらバレるだろうな;)」

    ジャン「はっはっは!面白そうだな!とっくに整備も終わった俺が相手してやってもいいぜ!」

    マルコ「ジャンか。そういえば立体機動だけじゃなくて装置整備系の技巧でも高得点だったね」

    ジャン「そう!これこそ文武両道!憲兵団になるのはオレだ!」

    エレン「うーーーむ………;」ゴゴゴゴゴ

    ジャン「お?どうしたエレンwまだバラバラとは組み立て方忘れたか?w」

    エレン「いや、そうじゃないんだが……;」ゴゴゴゴゴ

    ババババババババババババ

    エレンの立体機動装置「」キラキラ

    ジャン「」

    エレン「まただ……;どうしても組み立てが2秒を切れん;」ゴゴゴゴ

    アルミン「切らなくていいよ」

    マルコ「よし!整備終了!じゃあ一回バラすからジャン勝負……あれジャン?ジャーン?あ、死んでる……」
  65. 67 : : 2015/08/13(木) 22:40:02



    ~成績発表~

    主席 エレン・イェーガー

    2位 ミカサ・アッカーマン

    3位 ライナー・ブラウン

    4位 ベルトルト・フーバー

    5位 アニ・レオンハート

    6位 ジャン・キルシュタイン

    7位 マルコ・ボット

    8位 コニー・スプリンガー

    9位 サシャ・ブラウス

    10位 クリスタ・レンズ



    ~解散式の夜~

    ワイワイ ガヤガヤ


    ジャン「これで内地…!内地の安全で快適な暮らしがオレを待っているっ!」

    マルコ「王の近くで仕事ができる……!光栄だ……!」

    ジャン「まだそんな事言ってんのかマルコ。本音を言えよ~w内地で楽して暮らせるからだろ?w」

    マルコ「いや、僕は……!」

    ジャン「あーすまんすまんwお前はそういうヤツだったなwだがお前らはどうだ!?」

    モブ達「ソリャマァ・・・」「ナイチデアンゼンナクラシ・・・」「イイナ・・・」

    ジャン「だよなwみんな内地に行きたいよなw」

    エレン「……こいつら兵士なのか……?」ゴゴゴゴゴゴ

    アルミン「まぁまぁエレン。普通は上位10名の憲兵団……つまり内地行きの特権を目指して兵士に志願するから」

    ジャン「おいバケモン。お前は調査兵団だよなw壁外にはバケモン仲間の巨人もいるもんなw」

    エレン「ん……?バケモンって俺の事か?」ゴゴゴゴゴ

    ジャン「心当たりがあればそれで当たってるよwなんだ?怒るのか?ww」

    エレン「いや……そう呼ばれるのも久しぶりだと思ってな……なんか懐かしかった」ゴゴゴゴ

    エレン「シガンシナではよく呼ばれてたからな……バケモン……みんな元気だろうか」ゴゴゴゴ

    アニ「(なにこの人素敵)」
  66. 68 : : 2015/08/14(金) 08:17:10


    エレン「……内地の安全で快適な暮らし……か……5年前まではここも内地だったんだがな」ゴゴゴゴゴ

    ジャン「トゲがある言い方じゃねぇか。俺がおめでたいヤツだと言いたいのか?」

    ジャン「4年前の奪還作戦では人口の1割を投入したが全滅した。」

    ジャン「巨人一体倒すのに平均15人は死んでる。だが巨人の総数は人類の15分の1じゃ済まないぞ」

    ジャン「もう充分分かった。人類は巨人に勝てない。俺は誰よりも現実を見てる」

    エレン「違うな。お前は現実逃避してる」ゴゴゴゴゴ

    ジャン「は?話聞いてたか?」

    エレン「お前こそ聞いてたか?『ここも5年前までは内地だった』」ゴゴゴゴゴ

    エレン「次に壁が破られるとお前が逃げ込んだシーナが最前線になる。『内地』は無くなる」ゴゴゴ

    エレン「さらに破られると世界は全部『壁外』になる」ゴゴゴ

    エレン「お前はその現実から目を逸らし 『巨人に勝てない』と勝手に言い訳を作って」ゴゴゴ

    エレン「せめて壁が全部壊されるまではおもしろおかしく生きたいと思ってるだけだ」ゴゴゴゴ

    ジャン「……じゃあお前は巨人を殺してろよ。そのバケモンじみた力で。」

    ジャン「さぞかしいっぱい殺せるだろうな。しっかり内地でおもしろおかしく暮らす俺を守ってくれやww」

    アニ「(うわ……)」

    ミカサ「(最低……)」

    ミーナ「(今のはないわ……)」

    エレン「ああ……元気でな。今までありがとう。楽しかった」ゴゴゴ

    アニ「(やだもうこのひと素敵)」



    ミカサ「エレン。かっこいい」

    ジャン「」

    エレン「突然どうした?;」ゴゴゴ

    マルコ「(ジャンって蘇生しないでおくとどうなるんだろう)」

    ミカサ「私も調査兵団に行く」

    エレン「お前は次席だろ。憲兵団に行けよ」ゴゴゴ

    ミカサ「ジャンがいるから嫌だ」

    ジャン「」ピシッ

    マルコ「(あ ヒビ入った)」

    エレン「調査兵団は危険だぞ」ゴゴゴ

    ミカサ「あなたが憲兵団に行くなら私も憲兵団にしよう。駐屯兵団に行くなら私もそうしよう」

    ミカサ「エレンは私が一緒にいないと。 早死にする。エレンの周りの人が。」

    エレン「……確かにミカサになだめてもらったことは何度もあるが……」ゴゴゴ

    アルミン「僕も調査兵団にするよ」

    エレン「アルミン!?お前は座学はトップなんだから技巧に行けよ!」ゴゴゴゴ

    エレン「お前ならシーナ中央の学術院でも活躍できるって教官も言ってたぞ?;」ゴゴゴ

    アルミン「……………」

    ~~~~~~~~~~~~~~~

    (憲兵「ここでは『小麦』を作れ!」)

    (憲兵「シーナ中央の学術院からもお墨付きが出ている!」)

    (アルミン祖父「元気で暮らせよ。生きるんだ。」)

    ~~~~~~~~~~~~~~~

    アルミン「……現場が見えない所で遊んでる連中の仲間なんて、死んでもごめんだ……!」

    エレン「そ、そうか……」ゴゴゴ


    サシャ「私は当然エレン様についていきます!」ピョコ

    エレン「サシャ!?どこから…… それより調査兵は危険なんだぞ」ゴゴゴ

    サシャ「……?そうなんですかね?エレン様の側にいれば大丈夫な気がします!」

    ミカサ「サシャは勘がいいから安全な場所を本能で感じ取る。」

    ミカサ「つまり私もアルミンも大丈夫。」

    コニー「そうなのか?うーむ、ならオレも調査兵団にしようかな……」

    アルミン「コニーまで!どうして?」

    エレン「確か、村のみんなを見返すために憲兵団にって……」ゴゴゴ

    コニー「いや、憲兵団には行きたいんだけどな」

    アルミン「??じゃあなぜ?」

    コニー「うーん。所属兵団を書く紙とかあると思うんだよ」

    アルミン「まぁ、兵士になれば書類仕事もあるだろうね。報告書とか」

    コニー「オレどうしても『けんぺい』の『けん』って書けないんだよ」

    アルミン「」

    コニー「『ちゅうとんへい』の『ちゅうとん』も書けねぇ。」

    コニー「これは調査兵団にするしかないかと……」

    アルミン「(それでいいのかいコニー)」

    エレン「何だ……調査兵団志望ばっかりだな……」ゴゴゴゴ

    エレン「これじゃあんな事言ったジャンが悪者みたいに……あれジャンどこ行った?」ゴゴゴ

    マルコ「溶けたよ」

  67. 69 : : 2015/08/14(金) 09:36:32
    期待です!!!あと、とっても面白いです!!
  68. 70 : : 2015/08/14(金) 21:50:17
    ありがとうございます。
  69. 71 : : 2015/08/14(金) 21:53:12



    ~深夜~


    ベルトルト「……ライナー。どうする?」

    ライナー「壁内で5年暮らして分かった事がある。」

    ライナー「エレン以外は普通だ」

    ライナー「壁内にはあんなのが沢山いるわけじゃないって分かった」

    アニ「唯一可能性があるとしたら『人類最強』リヴァイ兵士長とやらか……」

    ベルトルト「一人で一個旅団並みって言うし、エレンみたいな人かも……」

    ライナー「なら今回は調査兵団が調査で出払ってるタイミングがいいな」

    ベルトルト「でも、エレンはどうする?」

    ライナー「エレンを殺せれば一番いいんだが……」

    アニ「わっ、私はそれには反対だよ!」

    ベルトルト「アニ、声が大きい……」

    アニ「ご、ごめん」

    ライナー「言い方が悪かったな。俺もエレンを『殺そうとする』のは反対だ」

    ライナー「はっきり言って何しても死ぬと思えない。だから労力と時間の無駄でしかない」

    アニ「そ、そう!私もそう思ってた!」

    ベルトルト「アニ、声……」

    ライナー「だが今のエレンは兵士だ。今回はスルーできない」

    ベルトルト「調査兵団行きと言っても、新兵がそのままいきなり調査に駆り出されるとは考えにくいもんね」

    ライナー「そしてエレンは5年前とは違う。巨人の殺し方を知った」

    ライナー「5年前、俺が一日待たされた理由がよく分かったよ。あれは巨人がどうとかそういう次元じゃない」ガクガク

    アニ「で、どうするの。」

    ライナー「まぁ聞け。攻撃は予定通り行おう」

    ベルトルト「えっ、こんな危険なエレンがいるのに、この区画から!?」

    アニ「別の区画に穴開けても すぐ飛んできそうだけど……」

    ライナー「そうだ。だからこそ正面から壁を壊す」

    ライナー「そしてエレンには暴れてもらう。派手にな」

    アニ「どういうことだい?」

    ライナー「壁内人類の中でもエレンは異常だ。ならその異常性を壁内人類に見せつけてやるのさ」

    ベルトルト「!! そうか!エレンがあのおかしな力で巨人と大乱闘すれば……」

    ライナー「ああ。大勢が目撃するだろう。そして考える。あの力が自分たちに向けられたら……」

    ベルトルト「それで壁内人類にエレンを殺させるの?」

    ライナー「巨人で殺せないのに人類がどうやって殺す……;最後まで聞け」

    ライナー「エレンがそこで壁内人類と反発し、皆殺しにしてくれるのが最も理想的だが」

    ライナー「ミカサやアルミンがいる。これは楽観しすぎの悪手だろう」

    ベルトルト「エレンが彼らを手にかけることはないだろうね……つまり壁内人類にも」

    ライナー「最悪でも壁内人類と分裂させられればそれでいい」

    ライナー「そこからが勝負だ。エレンをこっちに引き入れる」

    アニ「!! 賛成!!」

    ベルトルト「アニ声…… なるほど、エレンを孤立させてこっちに引き込む……」

    ライナー「そうだ。104期の気のいい連中の中でも何人かはエレンを庇うだろう」

    ライナー「ミカサやアルミンをはじめ、クリスタとかクリスタとかクリスタとか」

    ライナー「まとめてこっちに引き込む。」

    アニ「……(ミカサも引き込むのか……)」

    ベルトルト「人選が偏ってるような気がするけど、最も現実味がある作戦だね。」

    ライナー「決行は明日だ。調査兵団はいない。訓練兵も駆り出されるが士気は低いだろう」

    ライナー「つまり、エレンは暴れる。頼むぞベルトルト!」

    ベルトルト「分かった……明日……!壁を壊す!」

    アニ「(ミカサが巨人に殺されれば……傷心のエレンを……////)」

    ライナー「(クリスタはそれとなく俺が守れば株上昇して結婚)」

    ベルトルト「(なんだろうなぜか不安)」


  70. 72 : : 2015/08/14(金) 22:20:39
    期待してる
  71. 73 : : 2015/08/14(金) 23:28:49
    いつも期待ありです
  72. 74 : : 2015/08/14(金) 23:32:37



    ~次の日~


    エレン「今日は壁上砲の整備……終われば所属兵科決めて、明日はそれぞれの兵団か。」ゴゴゴゴ

    コニー「それぞれっても俺も調査兵団だから別に別れないんだけどな。」

    エレン「本当にいいのかコニー……?憲兵団狙ってたろ……?;」ゴゴゴ

    コニー「まぁ憲兵団がいいけど……なんかジャンがいると思ったら嫌だな」

    エレン「そういえばジャンあれから固体に戻ったのかな……」ゴゴゴ

    サシャ「当然私もエレン様についていきますよー!」

    トーマス「俺もだ。昨日エレン言ったろ?『壁が壊されれば内地は無くなる』。」

    トーマス「マリアそのものはまだあるんだ。奪還すればローゼも内地になる」

    ミーナ「そういう事。できる事からやるべき事をやろうってね。」

    サシャ「土地が奪還できれば、もっとたくさん食べ物も作れます!お、おに、お肉とかも……」ダラダラ

    エレン「お前ら……」ゴゴゴ

    サムエル「さ、整備だ!巨人と戦うとき、大砲が使えませんじゃ格好つかないからな!」

    エレン「(……固定砲も最新技術で一新された……)」ゴゴゴ

    エレン「(だが、ずっと引っかかる……あれから5年だ……)」ゴゴゴ

    エレン「(なぜ5年も奴等は攻めてこない?)」ゴゴゴ

    エレン「(マリア陥落からすぐにローゼ、シーナと破れば人類は滅んでいた……)」ゴゴゴ

    エレン「(勿体つけるのはなぜだ?準備期間か?他に何か理由が?)」ゴゴゴ

    エレン「(気味の悪い静けさだ……次に襲ってくるのはいつだ?)」ゴゴゴ

    エレン「いや……考えても分からないか……アルミンじゃないんだ……」ゴゴゴ

    ミーナ「アルミンがどうしたの?」

    エレン「いや、5年前のシガンシナでは、アルミンが『今壁が破られない保証は無い』って」ゴゴゴ

    エレン「言ったその瞬間に壁が破らr」


      ド ォ ン ! ! !


    超大型巨人「………」シュゥゥゥゥゥゥ

    エレン「……俺のせいか?;」ゴゴゴ



  73. 75 : : 2015/08/15(土) 02:37:59
    期待!!
  74. 76 : : 2015/08/15(土) 05:32:36
    やだもうこのひと天才。

    ギャグとかとシリアスとかと丁度いい感じに

    入っててめっちゃ面白いwww!!!

    期待期待期待……

    最初に思ったのは、エレン

    「ゴゴゴゴゴゴ」常時出てんのねwww

    お気に入り登録しましたわー
  75. 77 : : 2015/08/15(土) 08:52:07
    ↑と全く同意笑っ

    期待です!(=´∀`)人(´∀`=)
  76. 78 : : 2015/08/15(土) 09:04:23
    お気に入り登録ありがとうございます
    期待ありです。これから壁が破られるんでちょっとシリアス続きます
  77. 79 : : 2015/08/15(土) 09:05:17
    あ、エレンの効果音は常時出てます。
  78. 80 : : 2015/08/15(土) 09:08:48




    エレン以外「うわあぁぁぁっ!」ブァッ

    エレン「……!みんな蒸気で飛ばされたか!」ゴゴゴ

    エレン「総員!立体機動に移れ!!」ゴゴゴゴ

    ビシッ ビシッビシッ

    エレン「サムエル……頭を打ったか…!」シュバッ

    シュゥゥゥゥ ガシッ シュバッ

    エレン「よっ……と。装置を使うのは久しぶりだな……」ゴゴゴゴ


      ド ッ ゴ ォ ォ ン ! !


    エレン「……チィッ!!」ゴゴゴ

    トーマス「壁が壊された……また巨人が…… やっぱり人類は……巨人n」

    エレン「サシャ!サムエルを頼む!!」ゴゴゴゴ

    サシャ「わん!」

    エレン「固定砲整備4班!町に巨人が入ってくる前に本部に合流!充分な補給を受け指示を待て!」ゴゴゴ

    エレン「……俺はヤツを仕留めてくる」ゴゴゴゴゴ

    シュバッ ダダダダ スタンッ


    エレン「……よう……」ゴゴゴゴ

    エレン「5年振りだな……!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


    超大型「(やっぱり怖い)」





    エレン「お前……やっぱり俺を見たな……?」ゴゴゴゴ

    エレン「やわな扉の部分だけを狙って蹴ってくるその行動……」ゴゴゴゴ

    エレン「やっぱてめぇ知性あるな?」ゴゴゴゴ


    超大型「(固定砲を破壊している暇は……無い!)」

    超大型「(何より彼に手を出すのは上策ではない!)」

    超大型「(壁は壊した!上出来だ!撤退!)」

    ブシュゥゥゥウウウウウウウゥゥゥゥゥ!!!!!

    エレン「……なんだこの蒸気の量……目眩まし……?」ゴゴゴ

    エレン「煙に紛れて仕掛けてくる気か?図体の割に小心者……」ゴゴゴ

    シュゥゥ

    エレン「!? いない……!?」ゴゴゴ

    エレン「突然現れて突然消える……5年前と同じ……」ゴゴゴ

    エレン「……逃げ足早いってわけか……鈍そうな見た目に騙されたよ………!!」ゴゴゴゴ

    兵士「何をしている訓練兵!超大型出現時の作戦は既に開始している!!ただちに持ち場に」

    エレン「壁に穴開いちまったからな。巨人……また集まってたらだいぶ余裕ないか。」ゴゴゴ

    エレン「……?思ったより少ないな。まだ一匹も入ってないか……じゃあ報告か……」ゴゴゴ

    兵士「貴様話を」

    エレン「ん?あぁ……先遣班か。俺は報告に戻ります。あとよろしく……」ピョーン

    兵士「……あれ?この壁50mだよね?」


  79. 81 : : 2015/08/15(土) 15:30:35
    笑期待です(=´∀`)人(´∀`=)
  80. 82 : : 2015/08/15(土) 18:45:33
    期待です!!
  81. 83 : : 2015/08/15(土) 19:33:08


    ~トロスト区 本部~


    キッツ「お前たち訓練兵も卒業演習を合格した立派な兵士だ!今回の作戦でも活躍を期待する!」

    ピョーン スタッ

    エレン「ミカサ!」ゴゴゴ

    ミカサ「エレン!」

    エレン「すまん……超大型を逃がした……!」ゴゴゴゴ

    アルミン「エレン!報告は!?」

    エレン「してきた!」ゴゴゴ

    アルミン「それでいい!戦場で情報は命だ!エレンの報告で超大型の対策も進む!」

    アルミン「超大型を逃がした理由は!?」

    エレン「突然出現し、壁を壊した後、体中から大量の蒸気を噴出させて視界を奪い、気付いたら消えていた」ゴゴゴ

    アルミン「……電撃作戦特化か……厄介な破城槌だ……」

    アルミン「でも、今回は兵士だ……避難はしない……ローゼは突破させない!!」



    キッツ「各班ごと通路に分かれ指揮官の指示の下に補給支援・情報伝達・巨人の掃討などを行え!」

    キッツ「前衛部に駐屯兵団!中衛部に訓練兵団!後衛部に駐屯兵団の精鋭部隊を配置!」

    キッツ「敵前逃亡は死罪だ!心臓を捧げよ!」


    ジャン「畜生……畜生……なんで今日なんだよ……明日から内地行きだったのに……!!」

    ダズ「オエエェェ!!」

    エレン「……ジャンか。よかった……固体に戻ったのか……」ゴゴゴ

    ジャン「あぁ!?よくねぇよバケモン!!溶けてた方がよかったよ!!喰われずに済むからな!!」

    エレン「落ち着けジャン!」ゴゴゴ

    ジャン「落ち着いて死にに行けってのか、あぁ!?」


    エレン「 落 ち 着 け 」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


    ジャン「」

    ジャン「ハイ(こわいよこのひとこわい)」

    エレン「よし。ちょっとアルミンの話を聞け」

    ジャン「アルミンの話?」

    アルミン「……だから……こう……やっぱり……」ブツブツ

    アルミン「……うん。やっぱりこの作戦はおかしい。」

    ミカサ「アルミン、どういう事?」

    アルミン「……悪手なんだ。対巨人戦慣れした調査兵団がいないからこんな作戦が通ったのかも……」

    エレン「悪手?」ゴゴゴ

    アルミン「……うん。」


    アルミン「前衛に駐屯兵の、精鋭抜き部隊。実戦慣れしてないから弱い。」

    アルミン「中衛に訓練兵。もっと弱い。」

    アルミン「未避難の住民が集中してる後衛部分に、精鋭部隊。実戦慣れはしてないけど強い」


    アルミン「この配置で、与えられる命令が部隊単位での補給・伝達・掃討はおかしい」


    アルミン「前衛部隊と中衛部隊は弱い。彼らに掃討命令まで出しちゃ駄目だ。自殺行為なんだ」

    アルミン「この配置で理想的なのは、前衛で索敵と巨人の分散、中衛でその補佐、」

    アルミン「そして後衛の精鋭部隊での巨人の各個撃破。補給部隊は別に用意する」


    アルミン「でも、全員に戦えと命令を出してる。」

    アルミン「精鋭が抜かれた前衛の駐屯兵は巨人と戦っても崩れるだろう。すると中衛の訓練兵が押し出される。」

    アルミン「でも、後衛の精鋭部隊は未避難の住民の側から離れられない。守るのが使命だからね」

    アルミン「すると前衛まで押し出される訓練兵と 後衛の精鋭の間に空白が……溝ができる」

    アルミン「こうなると最悪だ。確実にどちらかの補給線は途切れる。」

    アルミン「弱い訓練兵部隊は全滅……残った精鋭もガス切れでまともに戦えない」

    アルミン「……鎧の巨人が出現したら、防ぐ術が無くなる」



    ジャン「はぁ……ただでさえ絶望的な状況下で更に絶望的なお話をどうもありがとよ……」

    エレン「……アルミン、どうすればいい?」

    アルミン「……エレンとミカサは多分精鋭……後衛に配置されるだろう」

    アルミン「……命令に違反しない形で、なるべく前に出られない?エレンだけでいい」

    ミカサ「……そう言われても、どうすれば……」

    ジャン「なんだか聞いたらまずい話を聞いてる気がしてきたぞ……;」

    アルミン「みんなが生き残る為の話だよ。君も内地に行きたいだろう?」

    ジャン「……しゃぁねぇな……」
  82. 84 : : 2015/08/15(土) 22:30:33



    アルミン「じゃあ、手はず通りに。頑張ってね」

    エレン「……本当にうまく行くのか……?」ゴゴゴ

    アルミン「うーん。でも、混乱した状況下では筋書き通りにいかないものだから。隙はあると思う」

    ジャン「じゃあ俺たちは行くぞ……頼んだぞお前ら」

    イアン「イェーガー訓練兵と、アッカーマン訓練兵!」

    ミカサ「来た。本当に」

    イアン「……?お前たちは特別に後衛部隊だ。」

    イアン「避難が遅れている今、住民の近くに多くの精鋭が必要だ」

    エレミカ「「了解しました!」」ババッ

    イアン「(あれ物分かりがいい)」


    ~中衛 アルミン率いる34班~


    ミーナ「……じ、実戦……巨人と戦う……;」

    ミリウス「ちょ、調査兵団に入る前の腕ならしみたいなもんだろ!」

    トーマス「そ、そうだな……誰が一番巨人を多く狩れるか勝負だ!」

    アルミン「駄目だ」

    トーマス「!?」

    ナック「な、なんだアルミン!怖気づいてるのか!?」

    アルミン「そうじゃない。ただ、恐怖を誤魔化してるだけじゃ死ぬよ」

    ナック「何を……!?」

    アルミン「34班!!索敵しつつ待機!!」

    トーマス「待機!?前進命令だぞ!」

    アルミン「お願いだから、少しだけ僕を信じて!」

    アルミン「微速前進しながら索敵。これなら命令違反にもならない」

    トーマス「……それ、屁理屈……!」

    ジャン「……俺からも頼む。」

    トーマス「ジャンまで……」

    アルミン「……前衛部隊が見える?」

    トーマス「え?……前衛ってそりゃ……あれ?」

    アルミン「もう崩れてる。今突っ込んだら無駄死になんだ。」

    ミーナ「そんな……」

    トーマス「じゃ、じゃあどうしろってんだよ!」

    アルミン「全員、ガスを節約して。索敵。他の中衛部隊には見つけ次第伝達。秘策は、これから来る。」

  83. 86 : : 2015/08/16(日) 08:55:00


    ~後衛 ローゼとの扉~


    ディモ「荷台を押せ!!」

    住民「ふざけんな!!いくら押してもそんなもん通れねぇよ!!」

    ディモ「無駄口を叩くなら手伝え!この積み荷はお前らのチンケな人生じゃ一生かかっても稼げねぇ価値がある!!」

    住民「何考えてる!人通すのが先だろ!!」

    住民「おい兵士!なんとかしろよ!」

    兵士「し、しかし……」

    ディモ「やってみろ下っ端!俺はここの商会のボスだ!てめぇの雇い主とも古い付き合いだ!!」

    ディモ「下っ端の進退なんざ冗談で決めるぞ!?」


    エレン「……ほう……つまり手伝ったら昇格できる……と?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


    ディモ「」

    ディモ「(なにこのひと怖い)」

    ディモ「!! そ、そうだ!!手伝ったら昇格させてやる!謝礼も出すぞ!!」

    エレン「よし。のった」ゴゴゴゴ

    ディモ「おお!お前は話が分かるな!昇進を期待していいぞ!!」

    エレン「要するに この荷台を……向こう側に移せばいいんだな?」ゴゴゴゴ

    ディモ「そうだ!分かってるならさっさt」

    ヒョイッ

    ディモ「……え?」

    エレン「よっ…思ったより軽いな……」テクテク

    ディモ「な、な、な、何をしている!!貴様、な、何を」

    エレン「そう騒ぐな……今、向こう側にこの荷台を」ゴゴゴゴ

    エレン「移す、からさっ!!」ブンッ!!

    ポーーーーイ

    ディモ「」

    荷台「高いなー」

    壁「俺を超えただと……」

    ヒュルルルルルルル...

    エレン「はいオーライ……」ゴゴゴ

    パシッ

    荷台「nice catch!☆」

    ディモ「」

    エレン「ほら、これでいいだろ?えーと謝礼は……」ゴゴゴ

    住民「巨人だ!こっちに来るぞ!」



    巨人「」ドシンドシンドシンドシンドシンドシン

    精鋭A「速い……私達を無視する……奇行種か!」

    精鋭B「精鋭の俺達で追い付けない……!!このままじゃ住民の所に……!」

    ブシュゥゥゥゥゥ ヒュンヒュン

    ザクッ..

    ズシーン..

    ミカサ「ふう。」

    エレン「ようミカサ。流石だな」ゴゴゴ

    ミカサ「そんな……///」テレテレ

    ディモ「」

    精鋭「」

    住民「と、扉が通れるぞ!!」

    住民「やった!!」

    ワァァァァァ...

    イアン「よく仕留めたアッカーマン!流g」

    エレン「中衛まで前進して巨人を掃討してきまーす」ゴゴゴゴゴ

    イアン「」

    ミカサ「イェーガーの援護に回りまーす」

    イアン「ま、待て!住民の避難g」

    エレン「(結構アルミン待たせたかな……)」タタタタタ

    ミカサ「?個別に巨人掃討の命令も出てますよね?」

    イアン「出てるが、しかし優先すべきは住民の安全を」

    ミカサ「そうですか。では私は残ります。」

    イアン「お、おう。」

    ミカサ「でもイェーガーは、彼は、『命令に従って』行ってしまいました」ショボン

    イアン「え?あれ?もう見えない!?」

    ミカサ「でも『命令』は巨人の掃討でした。ので、『命令に従った』彼は間違ってませんよね?」

    イアン「いや、えーと、それはだな……」

    精鋭「イアン!次の巨人が来るぞ!何してる!」

    ミカサ「アッカーマン、『命令に従って』住民の防衛にまわりまーす」シュゥゥ

    イアン「……もういいか。確かにそういう命令だったし。」

    ミカサ「(やっぱりアルミンはすごい)」ズバァ

    巨人「グワアアアアア」


  84. 87 : : 2015/08/16(日) 17:47:52
    期待してる
  85. 88 : : 2015/08/16(日) 18:07:43



    ~アルミン率いる34班改め、104期兵中隊~



    アルミン「索敵は横一列!トロスト区の端から端までに索敵線を張る!!」

    アルミン「伝達は口頭!途中の兵を介して素早く伝えて!」

    トーマス「おいアルミン!巨人をもう何匹も通してるけどいいのか!?」

    アルミン「構わない!行動が予測しづらい奇行種は後衛の精鋭班に任せる!」

    アルミン「通常種は引き付け、分散させた後に後衛に任せる!索敵気を抜かないで!」


    ジャン「……中衛に配置された104期訓練兵がほとんど指揮下に入ってるな……」

    マルコ「104期兵ならみんな知ってるからね。アルミンの作戦は訓練でも常に結果を出した事を」

  86. 89 : : 2015/08/16(日) 18:09:17


    アルミン「まだだ……まだ攻撃に移っちゃ駄目だ……まだ耐えろ!」

    タタタタタ スタッ

    エレン「アルミン!待たせた!」ゴゴゴゴゴ

    アルミン「来た!秘策!」

    コニー「エレン!?後衛だって聞いたけどどうしたんだ!?迷子か!?」

    アルミン「コニー!みんなにエレンが来た事をできるだけ大声で伝えて!」

    コニー「大声?わかんねぇけど任せろ!ンー、ンー、ゴホン。」


     \ エ レ ン が 来 た ぞ ぉ ぉ お お お ぉ ぉ お お お ! ! /


    ユミル「おぉぅ。微妙に高い声がよく通る……;」ビリビリ

    コニー「へっへぇ。村じゃよくこうやって嘘ついたな。」

    アルミン「今回は嘘じゃないよ。ありがとうコニー。」

    マルコ「でもこれに何の意味が……」

    エレン? エレンガキタ? エレンナラ エレンガイレバ

    ザワザワ

    ジャン「腹立たしいが、ここまで予定通りだ……こっから本番だぞ?」

    マルコ「……成る程、ね。」

    コニー「? ? どういうことだってばよ?」

    エレン「……俺もアルミンに計画は聞いたが、意味まではよく……;」ゴゴゴ

    アルミン「エレン。君は自分が訓練中にどれだけ周りの目を集めたかなんて、興味ないだろうね。」

    エレンダ… エレンガイルゾ… アイツナラヤレル… コレナラカテル…

    ザワザワ ザワザワ

    アルミン「でも104期兵ならみんな知っている。君の力を。さてと……」スゥゥ


    アルミン「みんな!!今から反撃に転ずる!!こっちにはエレンがいるぞ!!」


    ウ ォ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ ! !


    サシャ「エレン様!お待ちしておりました!!」ピョコ

    トーマス「すげぇ……」ビリビリ

    ジャン「クソッ……腹立つくらい計画通りかよ……」ニヤリ

    マルコ「はぁ……君には敵わないよ、アルミン」ビリビリ

    コニー「おお!?なんだ!?なんだかわかんねぇけど盛り上がってるな!!」ビリビリ


    エレン「………?;なんで皆……俺の事……」ゴゴゴゴ

    アルミン「エレン。君は、巨人を蹴散らせるだろう?」

    エレン「おう……まぁ……」ゴゴゴゴゴ

    アルミン「今まで僕らは極力戦闘を避け、後衛に巨人を流してきた。」

    アルミン「犠牲者は少ないけど、彼らの『巨人に勝てない』という思いを助長することになった」

    アルミン「士気は下がった。そこに英雄の出現だ」

    アルミン「一人で巨人軍団を蹴散らせる、唯一の存在……」

    アルミン「みんなは今、勝てると思ってる。エレン。君がいるからだ。みんな君を待ってる」

    エレン「俺……を……?」ゴゴゴ


    ウ ォ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ ! !

    エレン!エレン!エレン!エレン!エレン!


    エレン「……どうして……俺みたいなバケモノを……こんな事……」ゴゴゴ

    アルミン「エレン。悪いけどそれは後にして。わりと時間が無いんだ」

    アルミン「エレン!君は遊撃!!巨人が密集していて、かつ味方がいる所で殲滅をお願い!!」

    アルミン「総員!!2体以上の巨人との戦闘は禁止!!分散に努めて!!」

    アルミン「一体の巨人に対しては、最低でも6人で当たる事!!」

    アルミン「囮・攻撃・索敵全て必ず二人一組で行動!!お互いの死角をカバーしつつ互いにバックアップ!!」

    アルミン「うなじの優先順位は最低!!手、頬、目、足、うなじの順に攻撃優先度を設定!!トドメを急ぐな!!」

    アルミン「親指を削げば掴まれない!頬を削げば噛まれない!これで巨人の殺傷力は事実上ほぼ0!!」

    アルミン「だが深追いはするな!!巨人が集まりだしたらエレンを呼べ!!」

    アルミン「あとは追って指令する!総員、状況開始!!」

    全員「「「「ウオォオオオォオオオオォオオオオ!!!!」」」」



    ウォォオオオォ!!

    イアン「何だ……?急に士気が上がった?中衛か?」

    ミカサ「(アルミン……うまくいったのね……エレン、こっちは私に任せて)」ズバン

    巨人「アアアアアァアア!!」



  87. 90 : : 2015/08/17(月) 00:46:35
    おおおおおーー!!!期待です!超期待です!
  88. 91 : : 2015/08/17(月) 09:30:07
    期待ありです。
    ちょっとアルミン頭脳チートも入っちゃってます
  89. 92 : : 2015/08/17(月) 09:33:13




    エレン「……ぞろぞろぞろぞろと団体でいやがる……」ゴゴゴゴ

    エレン「だが俺は5年前とは違う……お前らを殺せる!!」ゴゴゴゴゴゴゴ

    ズババババズバンズババン!!

    巨人「グアアアアアア!!」

    囮モブ「すげぇ……あの数の巨人を一瞬で……」

    エレン「……だぁ!また折れた!!」ゴゴゴゴ

    補給モブ「エレン!アルミンの指示で各屋根の上に等間隔で刃とガスがある!」

    エレン「……助かる!……いや、素手の方がいいかもしれんな……要はうなじを破壊すりゃいいんだろ?」ゴゴゴ

    エレン「でも一応刃は全部足しとこう……さて」ゴゴゴゴゴ

    ドゴォンドガァズガァ!!

    エレン「……んー。肉をこそぎ取る手の動きは……こうから……こうがいいか。」パー グー

    エレン「……一匹仕留め損ねたな……まぁ慣れか……」ゴゴゴ

    伝達モブ「エレン!あっちに『巨人溜まり』ができてる!救援頼む!」

    エレン「分かった!今行く!!」ピョーン

    補給モブ「彼にとって訓練ってなんだったんだろう」

    攻撃モブ「でいっ。よっしゃ討伐1!」シュゥゥ




    アルミン「サシャ、コニー、ユミル……あとライナー、ベルトルト、アニも索敵と攻撃!!」

    コニー「おう!……『さくてき』って何だ?」プシュゥゥ

    サシャ「獲物を探して位置を知らせることです!」シュゥゥ

    ユミル「……私は好きにやりたいんだが……」

    アルミン「二人行動が原則だからクリスタはユミルと組んで!!」

    ユミル「了解!!何でも従います!!」プシュゥゥゥ

    アルミン「トーマス、ナック、ミリウス、ミーナ、ダズは囮!無理はしないで!!」

    ジャン「アルミン!問題発生だ!端の方はお前の指示が間に合わない!」シュタッ

    アルミン「やっぱり口頭伝達じゃタイムラグに対応しきれないか……」

    アルミン「ジャンとマルコ!僕の指令は頭に入ってるよね?」

    ジャン「あぁ!?まぁ、一応……」

    マルコ「全部覚えてるよ!どうしたらいい?」

    アルミン「これよりジャンとマルコを副指揮官に任命する!」

    アルミン「マルコは右翼!ジャンは左翼それぞれ中央やや端寄りで指揮をお願い!」

    ジャン「!! 俺に指揮しろっていうのかよ!マルコは分かるが……」

    マルコ「ジャン。ジャンならできるよ。僕は知ってる。」

    ジャン「マルコ……」

    アルミン「時間が無いんだ!二人とも早く……お願い!」

    マルコ「了解!ほら、ジャンも!」プシュゥゥ

    ジャン「チッ……これで貸し借り無しだからな!!」ブシュゥゥゥ

    アルミン「これで伝達線は維持できた……エレンの位置は!?」

    伝達モブ「報告!エレンは現在B区画西で『巨人溜まり』を掃討中!」

    アルミン「終わったらA区画の『巨人溜まり』に向かわせて!あっちはそろそろ戦線維持が限界だ!」

    伝達モブ「了解!」ブシュゥゥ

    アルミン「補給班!各区画の物資状況は!?」

    補給モブ「報告!D区画に『巨人溜まり』が発生!補給困難な状況!」

    アルミン「正反対か……でもエレンならトロスト区の端から端まで30秒かからない!」

    アルミン「成績上位者を中心とした攻撃チームに巨人の分断を支援させて!」

    アルミン「(一時撤退の鐘はまだか……!?……人口も増えたから避難に時間はかかるか……!)」




    エレン「うぉおおお!」ゴゴゴゴゴ

    ドゴォグシャバキ

    巨人「アウアアアウアアア!!」

    エレン「次はA区画に群れてるって聞いた……」ダッ

    エレン「んー…?あの顔……5年前に見たな……」ゴゴゴゴ

    エレン「シガンシナくんだりからこんなとこまでご苦労なこった……ようやく殺してやれるぜ!」ゴゴゴゴ

    ドォン!!ドォン!!グオオオアアアアア!!

    ジャン「改めて見るとやっぱりバケモンだな……すげぇ……」

  90. 93 : : 2015/08/17(月) 13:10:57
    期待です!
  91. 94 : : 2015/08/17(月) 15:17:42








    ポツ…ポツ…

    サァァァァァァァ


    アルミン「(雨が……降ってきた……)」

    クリスタ「アルミン!雨が降ってきたよ!」

    アルミン「……足元に注意して!滑らないように……」

    アルミン「巨人の体は高温だから、濡れれば蒸気が出る……位置が分かりやすくなって……好都合……」

    アルミン「10m級以上は脅威度は低い!エレンに任せて、見つけにくい7m級、3m級の数を確認……」

    ユミル「エレンはA区画の『巨人溜まり』を一掃して、D区画に向かったらしい!」

    アルミン「そう……か……今後発生しそうな巨人溜まりの位置……数と動き的に……」ダラー…

    クリスタ「!!………アルミン、鼻血が……!」

    アルミン「僕は皆の命を預かったんだ……!鼻血くらいどうした……!」ツー・・・


    ベルトルト「……なんて集中力だ……」

    ライナー「実際恐ろしいな……指示も的確すぎる……味方に引き入れる戦術で正解だ……」

    ライナー「そして、アルミンの指示でエレンは最大限暴れる。予定通りだ……」



    伝達モブ「報告!!トーマスが負傷!!奇行種の壊した建物の瓦礫で足を折った!」

    アルミン「!!」

    伝達モブ「アルミン!ミリウスが掴まれて重症だ!アバラがやられてる!」

    伝達モブ「ミーナが負傷!ワイヤーを引っ張られて全身打撲だ!」

    アルミン「……(負傷者が出始めたか……)」

    ダズ「アルミィン!ナックが、ナッ、ナックがぁ!!」グスッ

    ダズ「ナックが喰われたぁ!!死んじまったよぉ!!」ヒック ヒグッ

    アルミン「………ッ!!」

    ナックガ? シンダ? クワレタ? シヌ? シヌノカ?

    ザワザワ

    アルミン「(……くそっ……これ以上は士気がもたない……)」

    アルミン「負傷者はここに集めろ!囮部隊をいくつか医療班にする!準備!」

    伝達モブ「アルミン!緊急事態だ!本部との補給線が途切れた!!」

    アルミン「このタイミングで……ッ!!理由は!」

    伝達モブ「本部の兵が戦意喪失して籠城した……『巨人溜まり』ができて近寄れない……」

    伝達モブ「つまり、今あるガスが最後だ……」

    アルミン「………………」ギリギリギリ

    ダズ「アルミィン!ナックがぁぁ!!」

    アルミン「……巨人に負ければ……!死ぬんだ……!だからっ、勝たなくちゃいけないんだよっ!!」ツー・・・

    ギリギリギリギリ ツー・・・

    ダズ「……?アルミン、その血……お前、唇を」

    アルミン「これは鼻血だ!気にするな!!一旦ジャンとマルコをここに呼んで!」


    ザワザワ……


    エレン「……何だ……不安の波が……」ゴゴゴ

    エレン「そうか……誰か……死んだのか」ゴゴゴ

    エレン「…………」ゴゴゴ

    エレン「……今更……のはずだ……」ゴゴゴ

    エレン「5年前のシガンシナだって……俺は兵士の死体の山のそばで戦ってた……」ゴゴゴ

    エレン「今回だって……前衛の先遣班の全滅を見捨てて戦ってる……」ゴゴゴ

    エレン「なのに……なのに……」ゴゴゴ

    エレン「何だよこの気持ちは…………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    マルコ「エレン!アルミンが一旦集合だって!エレン!?後ろに巨人」


      ヴ ォ ッ ! !


    巨人だったもの「」シュゥゥ

    エレン「……ああ。了解した……」ダッ

    マルコ「」


  92. 95 : : 2015/08/17(月) 15:41:30
    期待してる
  93. 96 : : 2015/08/17(月) 16:36:57
    期待です!
  94. 97 : : 2015/08/17(月) 22:02:34
    期待ありです
    ちなみにミカサはエレンの足手まといにならないように努力してきた設定なので
    重り入りマフラーとかで
    覚醒に上乗せして原作よりだいぶスペック↑です
  95. 98 : : 2015/08/17(月) 22:06:39



    ミーナ「うぅ……」

    サシャ「ミーナ!気が付きましたか?」

    ミーナ「……サシャ……ここは……つっ!」ズキン

    サシャ「無理しないで下さい!全身打撲で、アルミンのいるとこまで運ばれて来ました」


    トーマス「くそ……油断した……」

    ミリウス「うぅ……」

    ミーナ「……怪我人がこんなに……」


    ハンナ「アルミン!!アルミン!!」

    アルミン「ハンナ……とフランツ!フランツは……足が……!?」

    ハンナ「フランツがぁ!!助けて!!助けてぇ!!」

    フランツ「……あ……ぅ……」

    マルコ「右足が……巨人に喰われたのか……」

    アルミン「切断部を縛って!早く!それから消毒!」


    ジャン「で、どーすんだよアルミン……こんなに人を集めたらすぐにでも巨人が団体でお出ましだぜ」

    アルミン「ふぅ。医療班、あとお願い。助かるかは賭けだな……マルコもこっちきて」

    アルミン「二人とも、戦況は?」

    ジャン「似たようなもんだ……こっちでもぽつぽつ人が死に始めた……奴ら止めても聞かねぇんでやんの……」

    マルコ「こっちも……。助けに行って巻き添え。冷静な判断ができなくなってるね。」

    アルミン「……彼らにこれ以上の戦闘は無理だね。エレンに任せよう」

    アルミン「ジャンの言う通り、人を集中させた。『巨人溜まり』を意図的に作る」

    ジャン「作るって……俺たちをエサにか?大量に集まってくるぞ?」

    アルミン「うん。聞いたと思うけど、本部との補給線も途切れてる」

    ジャン「戦意喪失で籠城……気持ちは分かるけどよ……クソッ」

    カンカンカンカンカンカンカンカン

    マルコ「一時撤退の鐘だ……」

    ジャン「住民の避難がようやく完了ってか……だが壁は50m……エレンでもねぇ限りガスが大量に要る」

    エレン「俺がどうしたって?」ゴゴゴゴゴ

    ジャン「……もう驚く気力もねぇな。慣れちまったよ……」

    アルミン「エレン。来たね。今、ここに人を集中させて巨人を集めてる」

    アルミン「そこでだ。……集まる全巨人の殲滅を、君に任せる」

    ジャン「はぁ?いくらこいつでも全方位から集まる大量の巨人を相手なんて……」

    アルミン「全方位じゃない。後ろに流した巨人は鐘を聞く限り後衛が始末しただろう」

    アルミン「正面と左右にだけ警戒すればいい」

    ジャン「正面と左右『だけ』ってお前……それでも充分広……」

    ミカサ「エレン!!」シュタタ

    エレン「おう、ミカサ。」ゴゴゴゴ

    アルミン「ミカサ、どうしてここに?」

    ミカサ「撤退の鐘が鳴ったのに誰も壁を登らないから、撤退を支援してくるって言って出てきた」

    アルミン「ミカサもいれば成功率は格段に上がるね……みんなを呼んで」




    アルミン「さて、今の状況だけど……」

    アルミン「大きな『巨人溜まり』は二つ。今ここの周りと、籠城中の本部。」

    アルミン「計画は単純。この二つの『巨人溜まり』をエレンに殲滅してもらう」

    コニー「おお。簡単だな。オレでも分かるぜ」

    ジャン「で、俺の疑問だ。いくらこいつがバケモンでも、できんのか?」

    ジャン「ざっと見ただけで10m以上が10……20……。小さいの合わせれば総数は100匹以上になるか?」

    アルミン「普通に戦えば、エレンでも殲滅できるとして、先にこっちが崩れるだろうね」

    アルミン「……民家があるからできれば避けたかったんだけど……仕方ない」

    アルミン「エレン。『衝撃波』の使用を許可する」

    コニー「お!おお!出た!ショーゲキハ!」

    ジャン「?なんだそりゃ」

    コニー「知らねぇのか?エレンが出せる巨人を大量に殺す技だよ」

    ジャン「あぁ!?んなもんあるならなんで今まで使わなかったんだよ!」

    アルミン「……多分あんまり刃ももたないし、何より周りに人がいたからね。」

    アルミン「巻き込まれれば死ぬからね。それに建物も多分全部……」

    ジャン「……そ、そんなすげぇのか……」

    ミカサ「確かにあれなら殲滅できるだろう。」

    サシャ「エレン様はすごいんですよ!!」ピョコ

    エレン「あれをか……分かった。やってみる」ゴゴゴ

    アルミン「まずこの周りね。本部付近ではまだ使わないでね。本部が壊れたら補給できないから」

    アルミン「間に合わなそうな所は、主にミカサにお願いしていいかな」

    ミカサ「エレンとの共同作業ね。任せて」


    ライナー「さらにエレンには必殺技があるらしい。これで後衛からもエレンが見えるだろう」

    アニ「……(私もエレンと共同作業したいな)」
  96. 99 : : 2015/08/18(火) 08:23:53
    期待してる
  97. 100 : : 2015/08/18(火) 08:38:02




    エレン「さて、作戦開始か……ちょうどいい具合に雨も上がったな……」ゴゴゴゴゴ

    巨人「」ウロウロ ワラワラ

    エレン「来た来た……久しぶりだし 味方を巻き込まないように……ふぅ……」ゴゴゴゴ


    エレン「…………らぁ!!!」


     キラッ


      ズ  バ  ン

       
     ドドドドドドドドドドドドドドドドド

    巨人「アワアアア」

    巨人「オオオオオ」

    巨人「ウエアエアア」

      ズズズズズズズズズズズズズズズズ


     ガシャン!ガシャーン!!パリーン!

     ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオ

     ズズーン バキバキバキ ズズーン


    ジャン「」

    マルコ「」

    ライナー「」

    ベルトルト「」

    コニー「おぉぉう!!かっけー!!やっぱオレも出してー!!」

    サシャ「さすがエレン様です!!」

    ミカサ「この前より範囲が絞れてる。さすが。」

    アルミン「……実際に見るのは初めてだから、分かっててもすごいな……」キーン

    クリスタ「み、みみ、耳が……」キーン

    ユミル「おいアルミン!!先に言えよ!クリスタが耳痛いって……」キーン


    ベルトルト「『うなじの破壊』とかそういうレベルじゃないねこれ」ガクガク

    ライナー「俺……巨人化しなくてよかった……鎧とか多分意味ない……」ガクガク

    アニ「硬化した自分の皮膚に潰されるのがオチだろうね(エレンかっこいいなぁ)」



    エレン「ふぅ。うーん……街が散っちゃったな。」ゴゴゴ

    ボロボロ

    アルミン「……仕方ない、と思うしかないよ。僕らの命には代えられない……」

    エレン「そう……だな」ゴゴゴゴ

    アルミン「あと2回くらいできる?それで殲滅できると思う。あと壁の近くは避けてね。」

    アルミン「君が壁を壊したらそれこそ冗談じゃ済まないんだからね」

    エレン「分かってるよ。気をつけてる……」ゴゴゴゴ



    ドドドドドドドドドドドドドドドドドド


    イアン「何だ……?街が……轟音と共に崩壊している……?何が起きてるんだ……」



    アルミン「これで一つ目は片付いたね」

    エレン「二度目でヒビ、三度目で折れて交換……同じ刃だと2回が限度か」ゴゴゴ

    アルミン「使用頻度とかの目安も分かったね」

    ジャン「しっかしだいぶすっきりしたな。この辺じゃもう立体機動できねぇぞ」

    ユミル「クリスター。もう耳押さえてなくていいぞ。クリスタ?」

    クリスタ「…………?」

    アルミン「ユミル。クリスタは耳塞いでるから聞こえないよ。ジェスチャーで伝えないと」

    ハンナ「フランツ!気がついたのね!」

    フランツ「(すごい音が聞こえて目を覚ましたら右足と街がなくなっていたでござる)」

  98. 101 : : 2015/08/18(火) 19:04:49


    ~トロスト区 本部~



    補給班A「もう……だめだ……終わりだ……」

    補給班B「」カチャカチャ

    補給班B「よし!」

    補給班A「?そんなものが何の役に……」

    補給班B「」パクッ

    補給班A「」


    エレン「 や め ろ 」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


    補給班A「」

    補給班B「」


    補給班A「(えなにこの人こわい)」ガタガタガタ

    補給班B「(こわいこわい今すぐ引き金を引きたい)」ガチガチガチ


    エレン「そいつを寄越せ」パッ

    補給班B「あっ」

    グシャ

    エレン「……仕組み知ってりゃもうちょいスマートにできたんだが……」ゴゴゴ

    補給班「(銃を素手で握りつぶす人が登場したんですけど)」

    エレン「お前ら補給の班か。補給任務が放棄されたせいで……」ゴゴゴ

    エレン「……苦労したのか?俺は別にしてないな……聞いてなかった……」ゴゴゴゴゴ

    補給班「(なにいってるんだろうこいつ)」

    補給班「きょ、巨人が入ってきたの!どうしようもなかったのよ!!」

    補給班「今だって巨人に囲まれて」

    エレン「どこにいる?」ゴゴゴゴゴ

    本部の周り「すっきり」

    補給班「」

    エレン「巨人って殺したら死体蒸発するんだな……便利だな……」ゴゴゴゴ

    シュバッ

    ミカサ「エレン。巨人の掃討お疲れ様。」

    エレン「おう。次はどうする?」ゴゴゴゴ

    補給班「(ふえた)」

    ミカサ「アルミンから聞いてきた。内部に侵入した3~4m級を殲滅。」

    ミカサ「それで補給ができるって。みんなガスを私に託してくれた。」

    補給班「そ、そんな巨人の殲滅だなんて、簡単に……」

    ミカサ「何?この人たち」

    エレン「あれだ。補給任務を投げ出した連中だ。」ゴゴゴ

    ミカサ「そう。あなたたち、兵士は向かない。開拓地で畑でも耕してればいい」スタスタ

    補給班「」

    エレン「さて殲滅するか……隠れてたら厄介だな……」スタスタ

    ミカサ「奇行種がいたらの話……隠れてるかもしれないなら探す……」スタスタ

    補給班「」

    補給班「」




     ドゴン!!

    巨人「アアアアア」

    エレン「これで7体……あとは……」ゴゴゴ

    ミカサ「エレン。お疲れ様。7体で全部みたい。アルミンに知らせよう」

    エレン「俺が行ってくるよ。ガス要らないし。」シュタッ

    ゾロゾロ

    ジャン「まさか徒歩で本部まで行くとはな……」

    アルミン「ガスが無い人もたくさんいるし、なによりエレンの衝撃波で建物が減っちゃったからね」

    アルミン「討ち漏らしはエレンに倒して貰いながら、徒歩で行くのが確実なんだ」

    エレン「ふぅ。ミカサは?」ゴゴゴゴ

    アルミン「ガスを補給したのち索敵を頼んでおいたよ。」

    アルミン「怪我人と医療班を置いてきたとはいえ、ここは一番人が集まってる場所だからね」

    ジャン「いつ巨人がくるか分からんってことだ。はぁ。補給中に襲われたらひとたまりもねぇぞ」

    エレン「その時は俺がなんとかするさ。じゃ、俺も索敵してくる」シュタッ

    マルコ「ほんとにエレンって装置使わないよね……」シュー

    コニー「いいなぁ……ショーゲキハ……」シュー

    ジャン「普通に考えれば分かる……あんなバカみてぇな奴には敵わないって事くらい……」シュー

    アルミン「何を言ってるんだいジャン。さて僕は補給班と話をしてくる……」

    ジャン「あぁ!?敵前逃亡と同じだろあいつらは!ほっとけよ!!」シュー

    アルミン「いやぁ、ははは。助けた恩を売って囮くらいにはなってもらうよ」スタスタ

    ジャン「あいつってあんな奴だったか……?;」シュー

    マルコ「何かを成すには人間性をも捨てる必要があるんだよ」シュー



    ジャン「ようやく壁を登れる……」

    アルミン「怪我人は慎重に運んでね。」

    ハンナ「フランツ……死なないで……」

    マルコ「出血が多いから……早く医者に診せないと……」


    エレン「よっ」ピョーン

    スタッ

    ジャン「」

    ジャン「慣れたと思ったんだがなぁ……50mをそう、柵か何かを乗り越えるかのように跳ばれても……」

    アルミン「まぁそれは仕方無いよ……ってエレン?」

    ミカサ「……エレン?」

    ミカサ「……嫌な予感がする。早く登ろう」シュゥゥ


    ライナー「(始まったか……)」ニヤリ


  99. 102 : : 2015/08/18(火) 21:43:06
    期待!!
  100. 103 : : 2015/08/18(火) 22:33:21



    ~ローゼ壁上~


    エレン「よっと。」スタッ

    ザワザワッ

    エレン「?」ゴゴゴ

    駐屯兵「な、なんだ……?壁を……ひと跳び……?」

    駐屯兵「そ、そんなワケないだろ!そ、装置のガスを使ったんだ……多分」

    エレン「(なんか人多いな……壁上だろここ……)」

    イアン「……エレン・イェーガー訓練兵。」

    エレン「……ん?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    イアン「(やっぱりこわい)」

    エレン「……えーと……あぁ……後衛にいた……えーと……」ゴゴゴ

    エレン「偉い人。」ゴゴゴ

    イアン「……イアン・ディートリッヒ精鋭班長だ。」

    エレン「あぁ……イアン班長。お疲れ様です。そうだ、仲間が……怪我人がいるんです。救護班を」ゴゴゴ

    イアン「……手配させる。イェーガー。君は一緒に来てくれ」

    エレン「なぜです?」ゴゴゴ

    イアン「……命令だ。上からのな」

    エレン「……(アルミンも命令には従えって言ってたな……)」ゴゴゴ

    エレン「分かりました。」ゴゴゴゴ

    イアン「うむ。この下だ。下りるぞ」バシュッ

    エレン「はい……」ピョン

    イアン「……!?り、立体機動に……!!」

     ピューーーーーーー

      スタッ

     \おりましたよー?/

    イアン「なんだろう胃が痛い」


    ~ローゼ内水門付近~


    エレン「……?そうか。普通の人は立体機動で下りるから遅いか……」ゴゴゴ

    ヒッ.. オ、オチテキタゾ キズヒトツナイ バ、バケモノ

    エレン「………ん?」ゴゴゴゴゴゴ

    キッツ「……!!?き、貴様がエレン・イェーガー訓練兵か!?」

    兵 兵 兵 兵 兵 兵 ズラリ

    エレン「ああ……そうだが……なんで包囲されてるんだ?」ゴゴゴゴゴ

    プシュゥゥ スタッ

    イアン「ハァッ、ハァッ、ふ、普通に疲れた……」ゼエゼエ

    イアン「ゴホン、ヴェールマン隊長。彼がエレン・イェーガーです」

    エレン「あ、イアン班長。なんか先行っちゃってすいません;」ゴゴゴ

    イアン「(何その気遣い)」

    シュタッ シュタッ

    エレン「……あ、他の駐屯兵も降りてきた……ってミカサ!?アルミン!?」ゴゴゴゴ

    ミカサ「エレン!」

    アルミン「エレン!これは何事?」

    エレン「さ、さぁ……突然命令だから付いて来いって」ゴゴゴゴ

    キッツ「ええい、静まれ!!」

    アルミン「(……!!兵による包囲、あの怯えた顔……)」

    アルミン「(壁上からは固定砲でも狙われてる)」

    アルミン「(……迂闊だった!憲兵じゃなきゃ大丈夫だと思った……!)」

    キッツ「今 貴様らがやっている行為は人類に対する反逆行為だ!」

    キッツ「貴様らの命の処遇を問わせて貰う!」

    キッツ「下手にごまかしたりそこから動こうとした場合はそこに榴弾をブチ込む!躊躇うつもりも無い!」

    ミカサ「!?」

    エレン「……は?」ゴゴゴゴ

    キッツ「率直に問う!!貴様の正体は何だ!!?」

    エレン「……は?え?いや何言ってんのあの人……」ゴゴゴゴ

    キッツ「シラを切る気かバケモノめ!!大勢の者が見たんだ!!」

    キッツ「貴様がトロスト区の街を吹き飛ばした瞬間!50mの壁をひと跳びにした瞬間!!」

    キッツ「そして今!50mの高さから落下して貴様は傷ひとつ負っていない!!」

    ジャキッ ジャキジャキッ

    エレン「……兵が銃を構えた……!?」ゴゴゴ

    キッツ「我々人類はお前のような得体の知れない者をウォール・ローゼ内に侵入させてしまっているのだ!!」

    キッツ「たとえ貴様らが王より授けられし訓練兵の一人であってもリスクの早期排除は妥当だ!!」

    キッツ「私は間違っていない!!」

    キッツ「今にもウォール・マリアを破壊したという鎧の巨人が姿を現すかもしれない!!」

    キッツ「今我々は人類存亡の危機の現場にいるのだ!!もう5年前の失態は許されない!!」

    キッツ「分かったか!?これ以上貴様相手に兵力も時間も割くわけにいかん!!」

    キッツ「私は貴様らに躊躇無く榴弾をブチ込めるのだ!!」

    エレン「………!!」ゴゴゴゴ

    エレン「(やべぇ……あのおっさん話長いくせに何言ってるか全然分かんねぇ……!!)」ゴゴゴゴゴ

  101. 104 : : 2015/08/19(水) 08:19:01

    リコ「彼らの反抗的な態度は明らかです。有益な情報も引き出せそうにない……」

    リコ「おっしゃる通り、兵と時間の無駄です」

    ミカサ「………」

    ミカサ「」スチャ

    エレン「ミカサ!なんでブレードを抜いた!?」ゴゴゴ

    ミカサ「彼らはエレンに銃口を向けている。アルミンにも向けている。これ以上理由は必要?」

    エレン「(ミカサまで訳分かんねぇ事言い出した……)」ゴゴゴ


    イアン「隊長……彼女がミカサ・アッカーマンです。私達精鋭と共に後衛に就きました」

    イアン「彼女の働きは並の兵士1000と等価です。失えば、人類にとって大損害です」

    キッツ「……!!」


    エレン「(くそ……どいつもこいつも何言ってるのかまるで分からん!こういうのが得意なのは……)」ゴゴゴ

    エレン「アルミン!つまりあいつらは何が言いたいんだ?;」ゴゴゴ

    アルミン「……えっとね。シガンシナでエレンをバケモノ呼ばわりして避けた人たちがいたでしょ?」

    アルミン「彼らは、その人たちと同じなんだ」

    エレン「……アルミン?お前、なんか様子が……」ゴゴゴ

  102. 105 : : 2015/08/19(水) 08:35:09


    キッツ「もう一度問う!!貴様の正体は何だ!?」

    エレン「……!!」ゴゴゴ



    エレン「いや、突然そんな根源的な質問されても……」ゴゴ



    キッツ「はぐらかす気だな!その手には乗らん!」スッ

     ド ォ ン !

    エレン「!!(自分は話長いクセにこっちの話聞かないで撃ってきた!!)」ゴゴゴ

    エレン「(撃ち落として……いや駄目だ!榴弾だから破片がミカサとアルミンを襲う!)」ゴゴゴゴ

    エレン「(ならタイミング良くキャッチ……も駄目か!掴んだ衝撃で爆発しちまう!)」ゴゴゴゴ

    エレン「(俺が盾に……無理か。二人をカバーできるほど俺の体はでかくない)」ゴゴゴゴ

    エレン「(考えろ……考えろ……!!)」ゴゴゴゴ

    エレン「ハッ(そうだ……確かアニが言ってた……)」ゴゴゴゴ


     ~回想 対人格闘訓練~


    アニ「私の技はここで教えてるのとは違う……相手の力を利用するんだよ」

    エレン「相手の力を利用……?どうやってだ?」ゴゴゴ

    アニ「例えばあたしが最初に足蹴ったやつ……」

    エレン「ああ、あれもう痛まないか?;」ゴゴゴ

    アニ「(……その気配りは何なんだいちいち)……平気だよ」

    アニ「あれは、相手が前に進もうとしてる時にその力を使って転ばそうとしたんだ」

    アニ「ちょっと歩いてみな」

    エレン「こうか?」テクテク

    アニ「急に止まれって言われたら?」

    エレン「こうなるな」ピタッ

    アニ「じゃあそっから歩こうとして……」

    エレン「………」ゴゴゴゴ

    アニ「片足を前に出そうとした瞬間に その足を動かすなって言われたら?」

    エレン「………」グニョーン ピタッ

    エレン「おお。前に転びそうになった。」ゴゴゴ

    アニ「……普通転ぶんだよ。そんな前かがみで固定できるのはマイケルくらいだよ」

    エレン「まいける?誰だ?」ゴゴゴ

    アニ「……何でもない……あと力を利用する分かりやすい例としては……」キョロキョロ

    アニ「あそこに岩があるだろ?ちょうど人の頭くらいの大きさの」

    エレン「あるな。」ゴゴゴ

    アニ「持ってきてくれるかい?」

    エレン「おう。」ヒョイ

    アニ「……あんた、それアルミンが持てると思う?」

    エレン「んー……アルミンじゃきつそうだな。ミカサなら持てそうだ。」ゴゴゴ

    アニ「じゃあ、それをぽいっと投げつけられたとして、アルミンが正面に跳ね返せると思う?」

    エレン「さすがにそれは。俺やミカサじゃあるまいし。」ゴゴゴ

    アニ「……単純な筋力じゃ私でも無理さ。で、投げてきてよ」

    エレン「え?今お前自分で無理だって」ゴゴゴ

    アニ「『単純な筋力』だったらの話だよ。岩が飛んでくる力を利用して、岩を跳ね返す」

    エレン「そんな事が……じゃあ、ほら」ポーイ

    アニ「ふっ!」
     
     パシッ! クルクルッ ブン!

    エレン「おお!」パシッ

    エレン「綺麗に回ってたが、今のは筋力じゃないのか?」ゴゴゴ

    アニ「(綺麗に……///もっと褒めてもいいのに///)……ああ」

    アニ「遊びで回ったわけじゃない。あれは…そう 力の道を作ったのさ」

    エレン「力の道?」ゴゴゴ

    アニ「そう……岩が飛んでくる力は強い。正面から打ち消そうとしても、アンタかミカサでもない限り無理だ」

    アニ「だから岩が飛んでくる力を殺さずに、受け流して、力の通り道に沿らせて……」クルクル

    アニ「ちょっと、方向をずらしてやっただけなのさ。弱い奴が強い奴を倒す為の技だよ」

    エレン「そうなのか……実際に目の当たりにしたら、説得力あるな……」

    アニ「だ、だろ?///」

    エレン「よし。もっと教えてくれ!っと、その前にこんな岩が訓練場にあったら危ないな。片付けてくる」ゴゴゴ

    アニ「(……その気配りはどこから来る)」


    ~~~~~~~~~~



    エレン「(そうだ……あれならっ!!)」ゴゴゴゴゴ

     ダンッ! パシッ!

    エレン「(勢いを殺さずに 衝撃を与えずに……)」ゴゴゴゴゴ

     クルクルクルクルクル……

    エレン「(力の向きだけを変える!!)」ゴゴゴゴ

    エレン「せぇいっ!!」ブンッ!

    キッツ「!?」

    ミカサ「!?」

    アルミン「……!?」

    ヒューーーーーーーーーー……

    キッツ「どうした!どうなった!?なぜ爆発しない!?」

    リコ「隊長……!!上です……!!」

    イアン「弾が垂直に……!!」

  103. 106 : : 2015/08/19(水) 09:46:12
    ぶは笑キッツ当たれもう笑っ

    期待です!笑
  104. 107 : : 2015/08/19(水) 19:53:37
    期待ありです
  105. 108 : : 2015/08/19(水) 19:57:21


    エレン「とりあえずはよし……だがこのままだと落ちてくる……石でもぶつけて爆発させれば」ゴゴゴ

    エレン「これでいいか。よっ!!」ブンッ!


    ヒュルルルルル……  ドーン!


    キッツ「は……!?空で爆発……!?」

    エレン「ふぅ……無事かみんな。」ゴゴゴゴ

    ミカサ「ええ、無事。……まさかいきなり撃ってくるとは……」

    エレン「お前がブレードを構えたりするからだろ;一旦刃を……」ゴゴゴ

    キッツ「きっ……貴様!!何をした!!答えろ!!!」

    エレン「あぁ……?榴弾を真上に投げて、上空で石をぶつけて爆発させたんだよ。」ゴゴゴゴゴ

    エレン「お前なぁミカサやアルミンが怪我したらどうすr」

    兵「ひぃぃ!!ば、バケモノだぁ!!」ガタガタガタ

     パァン!

    兵「う、うわああああぁ!!」

    パァン!パパパァン!パァン!

    イアン「やめろ!!誰が撃てと言った!!」

    エレン「……」シュババババババ

    兵「……??」

    エレン「ほら」グー

      パー

      パラパラ……

    イアン「弾が……手の中に……全部掴みとったというのか……!?」

    エレン「撃ってくるとかマジか?俺以外に当たったらどうすんだっての……」ゴゴゴゴ

    エレン「そろそろ怒るぞ?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


    ~~~~~~

    駐屯兵「前衛の安否が気になります……」

    駐屯兵「ハンネス隊長と共に5年前に逃げ延びた3人の子供達が訓練兵をしていると聞きました」

    駐屯兵「彼らも前線に……」

    ハンネス「ああ……」

    駐屯兵「……申し訳ありません……無駄話が過ぎました」

    ハンネス「無事だ」

    駐屯兵「え……?」

    ハンネス「強い子たちだ。それぞれが生き抜く術を持っている」

    ハンネス「一人は高い戦闘技術を 一人はとても賢い頭を」

    ハンネス「そしてもう一人は……」

    ハンネス「…………」

    ハンネス「(あれ、エレンをなんて表現したらいいんだろう)」

    ~~~~


    コニー「どーしたんだろーなエレン。ミカサやアルミンまで。」

    コニー「しかも喋るなってさ。あれ?何を喋るなって言われたんだ?」

    クリスタ「エレンたちが駐屯兵に連れていかれた事かな?」

    ユミル「そうなら今お前言ったぞ?」

    クリスタ「あっ!むぎゅ……」クチトジ

    ユミル「(天使)」

    ジャン「大方……エレンのバケモンじみた力のことだろ……」

    ジャン「守秘義務ってバカか駐屯兵は……104期なら全員知ってるぞ」

    クリスタ「むぎゅぎゅ……」

    ライナー「結婚……今回はエレンは派手に暴れたからな。」

    ライナー「すぐ人類全体に知れわたるんじゃないか?」

    ユミル「おいゴリラお前最初何つった」
  106. 109 : : 2015/08/19(水) 21:20:46
    レン「(天使)」

    期待です(=´∀`)人(´∀`=)
  107. 110 : : 2015/08/19(水) 23:32:46
    期待してる
  108. 111 : : 2015/08/19(水) 23:58:50


    ダズ「マルコ……俺……もう駄目だぁ……もう巨人と戦えない……」

    ダズ「仲間が目の前で喰われた……!のに俺は悲しみも憎しみも感じなかった……」

    ダズ「ただ心底俺じゃなくてよかったって思った!!」

    ダズ「でも……次は俺の番だ……気付いたんだ……俺たちの仕事ってのは……!!」

    ダズ「つまりは巨人に喰われるまで戦わされ続けるってことなんだろ!?」

    ダズ「喰い殺されるくらいならいっそ今……!!」ガチャ

    マルコ「やめろ!!しっかりしろよ!お前だけじゃないんだぞ!みんな恐怖と戦ってるんだ!!」

    マルコ「サシャを見ろ!!あんな目に遭ってもなお気高き兵士のままだ!!」


    サシャ「……(エレン様まだですかねー。)」フリフリ


    マルコ「」

    ダズ「」

    マルコ「……尻尾?」

    ダズ「尻尾?」

    サシャ「え?人間に尻尾はありませんよ?」

    ダズ「……だよな。」

    マルコ「やっぱり疲れてるんだな皆」

    ダズ「そうだな休めば気分もよくなるなきっと」


    ヒュルルルルル……  ドーン!


    マルコ「!?砲声……いや空で爆発!?」

    サシャ「花火ですかね!?」

    コニー「たーまやー!!」

    ユミル「ちょっと黙れお前ら」

    クリスタ「間違って大砲を撃っちゃった……とか?」

    ジャン「……いやおかしい!固定砲は垂直上方向に撃てるようにできてない!」

    サシャ「じゃあやっぱり花火ですかね!?」

    コニー「かーぎやー!!」

    ユミル「何度も言って悪いがホントにちょっと黙っててくれお前ら頼む」

    ライナー「(……あれはエレンが連れて行かれた方……始まったな)」

    ライナー「(よし、そろそろエレンに加勢しに行くぞ!)」バシュゥゥ

    ベルトルト「(了解!エレンを味方に引き込む!!)」バシュゥゥ

    アニ「(エレン今行くよエレン////)」ブシュゥゥ

    ジャン「あっちはエレンが……ちっ!!」バシュゥゥ

    コニー「あ、おい!お前ら!自分らだけ花火見に行く気か!!ずるいぞ!!」

    サシャ「私も見たいです!!」

    クリスタ「むぎゅぎゅ(ユミルは黙ってろって言った……)」

    ユミル「クリスタお前だけが本当に私の天使だよ」

  109. 112 : : 2015/08/20(木) 08:31:24


    ~~~

    パラパラパラ……

    エレン「そろそろ怒るぞ?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    キッツ「ひっ……!!」

    アルミン「……エレン。ちょっと。」

    エレン「ん。アルミン、怪我は無いか……ってお前」ゴゴゴ

    ミカサ「アルミン!鼻血が……!」

    アルミン「ああ……気にしないで……ちょっと」ダラー…


    アルミン「怒ってるだけだから」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


    エレン「」ゴ

    ミカサ「」

    アルミン「……僕までこの効果音を出すようになるとは思わなかったよ」ゴゴゴゴゴゴ

    アルミン「エレン。そろそろ怒る……って言ったけど、ごめん。その役、僕に譲ってくれる?」ゴゴゴゴ

    エレン「お、おう……」ゴゴ

    ミカサ「で、でもアルミンはエレンみたいな力は」

    アルミン「……再装填まで15秒ってとこか……ちょっと説得してくる」ゴゴゴ

    アルミン「二人は……そうだな。敬礼してて。あとミカサはとりあえずブレードしまって。じゃ」スタスタ

    エレン「……普段怒らない奴が怒ったら怖いな」ケイレイ

    ミカサ「駐屯兵は後悔するかも。特にあの小心者っぽい隊長は立ち直れないかも……」ケイレイ



    駐屯兵「ひ、一人出てきたぞ……!!」

    キッツ「き、貴様そこで止まれ!!」

    アルミン「……アルミン・アルレルト訓練兵です。」バッ

    アルミン「エレン・イェーガー訓練兵は……彼は、人類の敵ではありません」ゴゴゴゴ

    キッツ「(あれ?この子雰囲気変わった)」

    キッツ「い、命乞いに貸す耳はない!!目の前で正体を晒しておいて何を言う!!」

    駐屯兵「そ、そうだ!大砲を跳ね返したり、銃弾を掴みとったり……」

    駐屯兵「明らかに人間じゃない!!バケモノ!!」

    キッツ「そうだ!奴は危険なバケモノだ!奴が危険でないというのなら証拠を出せ!!」

    キッツ「それができなければ危険を排除するまでだ!!」

    アルミン「……」

    アルミン「フー……」

    イアン「(溜め息?)」


    アルミン「ではヴェールマン隊長。あなたが危険でないという証拠をお見せいただけますか?」


    キッツ「……………は!?」


    キッツ「……私が危険?貴様一体何を……!!」


    アルミン「あなたは、公に心臓を捧げた兵士であるエレン・イェーガーが危険だと言う……」

    アルミン「今一度お聞かせ下さい。なぜです?なぜ彼は危険なのですか?」


    キッツ「それはっ……!!誰が見たって異常だからだ!!」

    キッツ「そんなっ……数々のバケモノじみた行動からも明らかだ!!」


    アルミン「……異常だと危険ですか?」

    アルミン「イェーガー訓練兵が常軌を逸する身体能力を持っている事は私も充分承知です」


    キッツ「き、貴様も知っているじゃないか!!だったら……!!」


    アルミン「たとえば……調査兵団には、人類最強と呼ばれる兵士がいます。」

    アルミン「知らない者はいません。リヴァイ兵士長……英雄です」

    アルミン「その戦力は、一人で一個旅団並だとも言われています。」


    アルミン「……ヴェールマン隊長は、リヴァイ兵士長も危険だから抹殺すべきだと仰るので?」


    キッツ「……は?」

    キッツ「は、話をはぐらかすな!!今はイェーガー訓練兵の話をしている!!」

    キッツ「リヴァイ兵士長は関係無い!!」


    アルミン「はい。リヴァイ兵士長個人については今は関係ありません。」

    アルミン「私が言いたいのは、双方とも驚異的な能力を持っているという点では共通している、という事です」

    アルミン「ここにいるイェーガー訓練兵が、リヴァイ兵士長に匹敵する逸材であったら?」


    キッツ「は……!?貴様さっきから何を……!!」


    アルミン「そもそもこの場は何なのですか?」

    アルミン「誰の権限で、何を裁く場なのですか?」

    アルミン「何かを裁くというのなら、イェーガー訓練兵が何か命令違反を犯したか、或いは敵前逃亡でもしたか」

    アルミン「作戦開始時から後衛にいらっしゃった駐屯兵の方々の中で、彼が何か罪を犯した所を目撃した方でもいましたか?」

    アルミン「ここにいる皆さんは後衛の精鋭部隊とお見受けします。いかがですか?」

    ザワザワ ザワザワ

    駐屯兵「確かに、あいつはいたけど命令には逆らわなかった……」

    駐屯兵「第二のリヴァイ兵長かと思うくらい強くて、次々に巨人を倒してたぞ……」

    駐屯兵「アッカーマンもだ。頼りになった。おかげで住民の被害が防げたんだ」

    ザワザワ ザワザワ

  110. 113 : : 2015/08/20(木) 18:47:52

    イアン「……隊長。私も確認しています。イェーガー、アッカーマン両名とも命令違反の類は一切ありません」

    イアン「少々反抗的ではありましたが、命令には忠実でした」

    キッツ「……ッ!!」

    キッツ「だからっ!!だから何だと言うのだ!!」


    アルミン「……公に心臓を捧げると誓った無実の兵士に対しての榴弾の使用、更には一斉射撃……」

    アルミン「一方的で理不尽な恫喝、尋問、脅迫……」

    アルミン「私は訓練兵団を卒業したばかりのしがない一兵士に過ぎませんが……」


    アルミン「そんな私にも、このような暴挙に出るあなたの方が危険に見えます。」ゴゴゴゴゴ


    キッツ「」


    アルミン「この件は後に上に報告させて頂きます。」ゴゴゴゴ

    アルミン「後ろめたいものがなければこの場はこれで我々を解放して頂けるはずですが……」ゴゴゴゴ

    ザワザワ ザワザワ

    駐屯兵「そうだ……何をやってるんだ俺たちは……」

    駐屯兵「巨人と戦うのが仕事だろ……なんで兵士を……それも逸材を……」

    ザワザワ ザワザワ

    キッツ「……………ッ!!!!!」


    キッツ「静まれえええぇぇぇえええ!!!!!」


    キッツ「迎撃態勢をとれ!!ヤツらの巧妙な罠に騙されるな!!」

    キッツ「バケモノが人に化け、人の言葉を弄して我々を欺こうとしているのだ!!」

    キッツ「今日突然現れたこんな不確定要素を、英雄リヴァイ兵長と比較するなど言語道断!!」

    キッツ「これ以上ヤツらの口車に乗せられてはならん!!砲撃用意!!」バッ


    アルミン「(まぁ、そうだろうな。考える事を放棄してる……怖いんだろうな……だけど……)」


    ライナー「今日突然現れたわけではありません!!」シュタッ

    ベルトルト「お待ちを!!」シュタッ

    アニ「……(エレン来たよ///)」シュタッ

    ジャン「まためんどくせぇ事態に……貸しだからな!」シュタッ


    キッツ「!!?」


    ライナー「ライナー・ブラウン訓練兵です!!」バッ

    ベルトルト「ベルトルト・フーバー訓練兵です!!」バッ

    アニ「……アニ・レオンハート訓練兵です(颯爽と現れちゃった//エレン見てたかな//)」バッ

    ジャン「ジャン・キルシュタイン訓練兵です!!」バッ


    キッツ「な……何だ貴様らは!!」


    ライナー「先程も申し上げましたが、イェーガー訓練兵は今日突然現れたのではありません!!」

    ライナー「イェーガー訓練兵は我々と3年間、共に訓練生活を送りました!!」

    ライナー「我々104期訓練兵には、彼の力を知らない者などおりません!!」


    キッツ「……だっ!!だから何だと言うのだ!!貴様ら少数が知っていようと……!!」


    サシャ「私も花火見たいです……ってエレン様!!会いたかったですー!」シュタッ

    コニー「花火花火……ってあれ?エレン!?お前花火出せるようになったのか!?」シュタッ

    マルコ「二人とも、それどころじゃないよ。ちょっと黙って敬礼してて」シュタッ

    クリスタ「むぎゅむぎゅ」シュタッ

    ユミル「可愛い。可愛いけどお前は喋っていいからなクリスタ」シュタッ

    ワラワラ ワラワラ 

    シュタッ シュタタッ シュタッ


    キッツ「!?な、なんだというのだ……」



  111. 114 : : 2015/08/20(木) 18:50:28


    アルミン「……私とアッカーマン訓練兵は、幼少の頃よりイェーガー訓練兵を知っています」

    アルミン「彼は幼い時分からこの驚異的な力を持ち、マリア陥落時には人々を助け、開拓地で2年飛び抜けた働きを見せ……」

    アルミン「そして!我ら104期訓練兵と3年間苦楽を共にしました!」

    アルミン「その間!私の知る限りでは彼が理由無く他人に危害を加えた事はありません!!」

    アルミン「むしろ常にその力で我々を幾度となく救ってくれました!!」


    モブ訓練兵「そうだそうだ!!」

    モブ訓練兵「今回の戦いだって、エレンのおかげで俺たちは生き残れたんだ!!」

    モブ訓練兵「エレンは3年間真面目な訓練兵だったぞ!!」


    アルミン「みんな、敬礼して」ボソッ


    104期訓練兵「ハッ!!」ババッ!!


    キッツ「………!!!な、な、な……!!」


    エレン「お、お前ら……」ゴゴゴ

    ミカサ「みんな……みんなエレンの事を認めてる……」



    ライナー「(対立図が出来た!!)」

    ライナー「(あの指揮官にもメンツはある……榴弾をエレンが防ぐとは思わなかったが、まぁ想定内だ)」

    ライナー「(指揮官の様子を見る限り、エレンの排除を断行するだろう)」

    ライナー「(周りの駐屯兵も疑問を持っている……反乱が起こる……!)」

    ライナー「(そのままエレンを中心に革命組織でも立ち上がれば、王に……!!)」

    ライナー「(故郷に帰るための『座標』に……!!)」



    キッツ「わ、わ、わ、わ、わ、わた……、私は!!」


     パチ パチ パチ パチ パチ


    キッツ「!?」

    ピクシス「見事な敬礼じゃのう。今期は逸材が多いと聞いたがこれほどとは……」

    キッツ「ピクシス……司令……!!」

    ピクシス「状況は早馬で伝わっておる……この騒動は途中から見とった」

    ピクシス「イェーガー訓練兵とやら。こいつの無礼を許してはくれんか。」

    ピクシス「図体の割には子鹿の様に臆病な男なんじゃ。」

    ピクシス「……作戦立案者については……少し考慮が必要かの」

    キッツ「司令!!私は」

    ピクシス「黙れ。」

    キッツ「」

    ピクシス「訓練兵諸君。ワシにお主らの話を聞かせてはくれんかの?」

  112. 115 : : 2015/08/20(木) 23:27:57


    ~壁上~


    アルミン「(ドット・ピクシス……トロスト区を含む南側領土を束ねる最高責任者であり)」

    アルミン「(人類の最重要防衛の全権を託された人物……)」

    エレン「よっと」50mピョーン

    ピクシス「ほっほほ。便利でええのう」

    アルミン「(……そして、生来の変人として知られている……)」


    ピクシス「アルレルト訓練兵……と言ったか。お主、あの場を本気で切り抜けられると思っておったのか?」

    アルミン「……はい。」

    アルミン「5年振りの巨人襲撃の折に、変人と名高いあなたが現場に出向かないはずがありません」

    アルミン「僕がやったのは周りの兵の説得と……騒ぎを聞きつけた司令が来るまでの時間稼ぎです」

    ピクシス「ハッハッハッハッハ!豪気な作戦じゃな!」

    ピクシス「いやいや実に良い。実に面白いぞお主ら」

    ミカサ「………」

    ピクシス「キッツの奴は隊長職から降ろした。」

    ピクシス「慎重な判断ができる奴のはずなんじゃが、用兵が駄目でな……まさか奴自身が作戦を立てるとは」

    エレン「えっ……じゃあ増援の中に新しい隊長が?」ゴゴゴゴ

    ピクシス「いや、指揮はワシが自ら執ろう」

    ピクシス「作戦立案については、アルレルト訓練兵に一任する」

    アルミン「!?」

    ピクシス「できぬか?」

    アルミン「い、いえ……!!しかし、一介の訓練兵が人類存亡を賭けた作戦立案など……!」

    ピクシス「思ったんじゃが、イェーガーの力を効率的に使うのが作戦の鍵……違うか?」

    ミカサ「確かにエレンの力は、兵団の下で効率的に運用されてこそ最大限人類の役に立つ……」

    ピクシス「しかしワシらはイェーガー訓練兵の力を詳しく知らん。」

    ピクシス「彼の力を最もよく知り、かつ機知に長けた者が作戦を立てるのは当然だと思うのじゃが?」

    アルミン「……仰る通りです。アルミン・アルレルト訓練兵、作戦立案の任、引き受けさせて頂きます!」バッ

    ピクシス「……かたいのぉ。まぁ、早速聞くが……」


    ピクシス「……何ができる?」

    アルミン「……トロスト区を奪還できます。」


    エレン「……!?」ゴゴゴ

    ピクシス「ふむ。超大型や鎧の脅威がローゼ崩壊に直結する今、とりあえずそれが急務かの。して方法は。」

    エレン「……!!(やべぇ……頭良い人たちって何話してるのかよく分かんねぇ……)」ゴゴゴ

    アルミン「方法は至極単純です。『トロスト区前門付近の大岩をエレンが穴まで運び、穴を塞ぐ』」

    アルミン「デメリットとして、トロスト区の前門は使用不可能になります。」

    ピクシス「うむ。さて、イェーガー訓練兵。」

    エレン「はい?」ゴゴゴゴ

    ピクシス「お主はあの岩を持ち上げ、穴まで運べるかね?」

    エレン「……単純すぎて思いつきませんでしたが……やれると思います」ゴゴゴゴ

    ピクシス「『思う』とは?」

    アルミン「エレンでもあれほどの質量を持ち上げようとした事はありません」

    アルミン「ですが、今まで彼が持ち上げられないものはありませんでした。」

    ピクシス「いやすまん。聞き方が悪かったの。」

    ピクシス「お主はやるのかやらんのか、どっちじゃ」

    エレン「だからわかんないんでちょっと試して来ていいですか?ついでに道の巨人も潰してきます」ゴゴゴ

    ピクシス「それではいくらお主でもすぐには戻れんじゃろ。なにせ時間がない」

    ミカサ「時間?確かにいつ鎧の巨人が現れるかは分かりませんが……」

    アルミン「そうじゃないよミカサ。確かに時間と共にローゼ突破の確率も上がるけど……」

    アルミン「それ以前に、兵がちょっと、ね……」

    エレン「………?」ゴゴゴ

    ピクシス「まぁあれじゃ。試すのは作戦開始後にしてくれんかの?」

    エレン「……??はい……」ゴゴゴ

  113. 116 : : 2015/08/21(金) 01:24:24
    期待してる
  114. 117 : : 2015/08/21(金) 10:11:34


    ~ローゼ扉付近~


    ザワザワ ザワザワ

    訓練兵「トロスト区奪還作戦だと!?これからか!?」

    訓練兵「嘘だろ!?扉に空いた穴を塞ぐ技術なんかないのに……!!」

    訓練兵「上は何考えてんだ!?もうトロスト区に入ったって無駄死にだろ!?」

    訓練兵「穴を塞げない以上ウォール・ローゼの扉を死守するしかないのに……」

    訓練兵「畜生……そんなに手柄が欲しいのかよ……」


    ダズ「また……あの地獄に?」

    ダズ「……いやだ!!死にたくねぇ!!家族に合わせてくれぇ!!」


    駐屯兵「そこのお前!!聞こえたぞ!!任務を放棄する気か!?お前……!!」

    ダズ「ええそうです!!この無意味な集団自殺には何の価値も成果もありません!!」

    駐屯兵「お前……人類を……規律を何だと思っている……」

    駐屯兵「私にはこの場で死刑を下す権限があるのだぞ」

    ダズ「……いいですよ……巨人に喰い殺されるより100倍いい……!!」

    ザワザワ ザワザワ

    訓練兵「オイ……聞いたかアレ……」

    訓練兵「こんな状況じゃ無理もないだろう……」

    訓練兵「ねぇ……こっちにも反逆者が出ないかな……」

    訓練兵「私だって……死に方くらい選びたい……」

    駐屯兵「オイ貴様ら……」

    訓練兵「!! あ……い、今のは冗談で」

    駐屯兵「やれ!!」

    訓練兵「え!?」

    駐屯兵「派手にやれ!!できるだけ大勢で!!」

    駐屯兵「我々駐屯兵団の中にも不満を持った者は多い!騒ぎに便乗しここを去る!」

    ジャン「ここを去ってどこに行くんですか?」

    駐屯兵「娘に会いに行くんだよ!どうせこの扉も破られるのだから!」


    ベルトルト「(ライナー……これは……)」

    ライナー「(まずいな……ピクシス司令がエレンを連れてっちまうとは予想外だ……)」

    ライナー「(エレンが王に従属するか、王に逆らうかが判然としない今、俺たちは動けない……)」

    アニ「(エレンを壁上に発見!)」

    ライナー「(!!よく見つけたな!!)」

    アニ「(………別にずっと探してたとかそういうわけじゃないんだけどそう偶然その偶然視界に////)」

    ベルトルト「(アニ?別に聞いてないよ?アニ?)」

  115. 118 : : 2015/08/21(金) 10:12:58


    ~ローゼ壁上~


    ピクシス「巨人に地上を支配される前、人類は種族や理が違う者同士で果てのない殺し合いを続けていたと言われておる」

    ピクシス「その時に誰かが言ったそうな。もし人類以外の強大な敵が現れたら人類は一丸となり争い事をやめるだろうと……」

    ピクシス「お主はどう思うかの?」

    エレン「そんな言い伝えがあるんですか……それは……」ゴゴゴゴ

    エレン「随分とおめでたい話ですね……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    ピクシス「ハッハッハッハッハ!お主もワシと同じで品性がひん曲がっとる」

    ピクシス「……そろそろ人類は一つにn」

    エレン「あ、ハンネスさん!無事だったのか!」ゴゴゴ

    ハンネス「エレン!?ミカサやアルミンも無事か!?」

    ピクシス「………………」

    エレン「今のところみんな無事だよ。これからトロスト区を奪還するんだ」ゴゴゴゴ

    ハンネス「奪還……?どうやっ」

    ピクシス「………………」

    ハンネス「」

    ハンネス「あれだ。任務に集中しろよな。な。」

    エレン「?ああ。じゃあまたな」ゴゴゴ

    ハンネス「(エレンが司令の横に……力の事が司令の耳まで届いたか……)」

    ピクシス「(ハンネスとか言ったか……給料下げよ)」



    ピクシス「コホン。」


    ピクシス「注!!!もおおおおおおおおおおおおおおおく!!!!!」ビリビリ


    ハンネス「(み、耳が……)」キーン


    ピクシス「これよりトロスト区奪還作戦について説明する!!!」

    ピクシス「この作戦の成功目標は!!破壊された扉の穴を!!」

    ピクシス「塞ぐ!!!!」

    ピクシス「事である!!!!」


    訓練兵「え……?塞ぐって……どうやって?」


    ピクシス「穴を塞ぐ手段だが!!まず彼から紹介しよう!!!」

    ピクシス「訓練兵所属!!エレン・イェーガーじゃ!!」

    エレン「(ここって敬礼すべきだよな)」ゴゴゴゴゴゴ


    コニー「お、エレンだ。あんなとこにいたのか。おーい!」フリフリ

    サシャ「エレン様ー!!」フリフリ

    ユミル「お前らちょっと黙れって言ったよな。司令の話の途中だからな?」

    クリスタ「むぎゅむぎゅ」


    ピクシス「彼は信じがたい身体能力を持っておる!!」


    訓練兵「(知ってる)」


    ピクシス「彼は前門付近にある大岩を持ち上げ!!破壊された扉まで運び穴を塞ぐ!!」

    ピクシス「諸君らの任務は彼が岩を運ぶまでの間!!彼を他の巨人から守ることである!!」


    訓練兵「『彼』を守る?『岩』を守るの間違いだろ?」

    訓練兵「まぁエレンだからな。できるだろ」

    ダズ「お、エレンか。これは助かったかも」

    駐屯兵「嘘だ!!そんな訳の分からない理由で命を預けてたまるか!!俺たちは使い捨ての刃じゃないぞ!!」

    ダズ「いや、エレンならいけますって」

    駐屯兵「!?」


    駐屯兵「スーパーマンだとよ……」

    駐屯兵「そんなまやかし真に受ける奴が何割いるって見積もってんだろうな……馬鹿にしやがって」

    コニー「ははは。あいつら知らないんでやんの。エレンならいけるって」

    サシャ「ですよね。エレン様がいれば大丈夫なのに、なんでわざわざ離れるんでしょう」

    駐屯兵「!?」


    駐屯兵「お、俺は降りるぞ!!人類最後の時を家族と……!!」

    訓練兵「何言ってんだあいつ」

    訓練兵「エレンだろ?エレンなら岩くらい楽々だろ」

    駐屯兵「」


    駐屯兵「娘に……娘に最後に一目」

    訓練兵「なんだエレンがいるんだ。怯えて損しちゃった」

    訓練兵「エレンだもんね。巨人も一人で大丈夫でしょ」

    駐屯兵「」

    駐屯兵「……!?」


    駐屯兵「あいつか……榴弾を跳ね返した奴だ」

    駐屯兵「銃弾も素手で掴みとってたよな」

    駐屯兵「50mの壁もひと跳びなんだよな」

    訓練兵「え?銃弾ってつまりエレンに発砲したんですか?それはまた……命知らずですね」

    駐屯兵「いやー隊長が馬鹿でさ。」

    ヤイノヤイノ

    エレンエレン エレンナラ エレンダッタラ

    ワイワイ


    ピクシス「…………」

    ピクシス「(あれ思ったより士気が高い)」

    ピクシス「(これからちょっと名演説しようとしたのに必要なくなっちゃった)」

    アルミン「はい司令。作戦立てましたので説明しますよ」

    ピクシス「」

  116. 119 : : 2015/08/21(金) 13:32:13
    期待してる
  117. 120 : : 2015/08/21(金) 16:02:06
    期待しています!続き頑張ってください!
  118. 121 : : 2015/08/21(金) 16:15:55
    ぶは(爆笑)期待です!!
  119. 122 : : 2015/08/21(金) 16:36:03
    エレンではなく岩を守れとw

    期待です!
  120. 123 : : 2015/08/21(金) 19:05:38
    皆さん期待ありです。
  121. 124 : : 2015/08/21(金) 19:08:50



    イアン「巨人と戦う必要が無い?」

    アルミン「はい。……精鋭以外は。」

    アルミン「この作戦は、エレンが確実に岩を運ぶ為に障害になるであろう巨人の殲滅から始めます」

    アルミン「ですが、今はトロスト区全域に巨人が散ってしまっている状況です。」

    アルミン「これではいかにエレンと言えど、殲滅に時間がかかりすぎます。」

    イアン「(時間があればできるんだ)」

    アルミン「通常種の巨人はより多くの人間に反応して集まります」

    アルミン「これを利用して巨人を壁際にでも集めることができれば……」

    アルミン「あとは後日大砲で……いや弾が無駄か……エレンの衝撃波ならいいかな」

    アルミン「すぐにでもエレンの衝撃波で殲滅できます」

    イアン「(できるんだ)」

    アルミン「次に索敵網を張り、残党巨人の位置と数を把握、エレンに殲滅させます」

    アルミン「巨人が一体だった場合、精鋭による戦闘で排除することでエレンの手間も省けます」

    アルミン「もちろん穴も常に観察します。巨人が何体入ってきたかを随時報告させます」

    アルミン「巨人を殲滅した後は、穴から侵入してくる巨人を精鋭班で排除すれば」

    アルミン「比較的安全に岩を運べます」

    イアン「ふむ……」

    エレン「……(やべぇ巨人の殲滅と岩を運ぶ以外よくわかんねぇ)」ゴゴゴ

    アルミン「しかしこの作戦はエレンが岩を運べる事が前提条件です」

    アルミン「だから……エレン。岩持てるかちょっと確認してきて。巨人はできるだけ無視して」

    アルミン「ちょっと確認したらすぐ戻ってきてね」

    エレン「おう。」ピョーン

    イアン「(軽っ!)」

    ズズズズズズ

    イアン「速っ!お、持ち上がってる……?」

    ズシーン

    アルミン「ん……?ちょっと傾いたら戻っちゃった……」

    ズズズズズ

    イアン「また持ち上がってるぞ」

    ズシーン

    アルミン「やっぱり戻ったね。ふむ」

    エレン「アルミン!問題発生だ!!」ピョーン

    イアン「(速い)」

    アルミン「見てたよ。何があったの?」

    エレン「これを見てくれ。」パラパラ

    イアン「イェーガーの手の中から……石?石なんか拾ってる場合じゃ……」

    アルミン「ふむ……。エレン、説明して」

    エレン「ああ……端を掴んで持ち上げるとこまではうまくいったんだが……」ゴゴゴ

    エレン「ある程度まで持ち上がったら、掴んでるとこが砕けて落ちちまうんだ」ゴゴゴ

    エレン「これは、その時砕けた大岩の破片だ」ゴゴゴ

    イアン「(それ握力で岩を砕いたってことだよね。いや別に驚かないけどさもう)」

    アルミン「なるほど……端を持ってしまうと重心の関係で 岩自身が自重に耐えられなくて割れてしまうんだね」

    エレン「よくわからんが、俺はどうしたらいい?」ゴゴゴゴ

    アルミン「……エレン、地面に潜れる?」

    アルミン「要は重心部分を持てばいい訳だから、地面に潜って地中から岩の中央部分を持ち上げるんだ。」

    エレン「……どういう事だ??」ゴゴゴ

    アルミン「えっとね、例えば料理が乗ったお皿があるとする」

    エレン「うむ」ゴゴゴ

    アルミン「指一本で支えろ……って言われても、端に指を添えたら……」

    エレン「俺なら支えられる……あ、でも料理は落ちちゃうな;」ゴゴゴ

    アルミン「そういう事だよ。お皿の中央に指を当てるでしょ?」

    エレン「なるほど。ちょっとやって……」ゴゴゴ

    アルミン「待ってエレン。何度も岩の下に潜ったら土が柔らかくなって、本番で困るかもしれない」

    アルミン「これはぶっつけ本番で行こう」

    エレン「……分かった。」ゴゴゴ

    アルミン「あとやっぱり、巨人の殲滅は必要だね」

    アルミン「岩にぶつかられて重心が狂ったら、また潜るところからやり直しだ」

    アルミン「最悪、蟻地獄みたいな地形になってエレンはともかく岩が出てこれなくなる」

    イアン「……(全然分からん)」

    アルミン「さて……作戦開始だ。」


  122. 125 : : 2015/08/21(金) 23:43:22



    ~巨人誘導作戦~



    アルミン「これより、トロスト区奪還作戦第一段階、巨人誘導作戦を開始する!」

    アルミン「本作戦の目的は巨人との戦闘ではない!あくまでも誘導に徹しろ!!」

    アルミン「ジャンとマルコは両翼の指示!」

    アルミン「エレンは全体を支援して!」

    ジャン「また俺たちが指揮補佐か……」ブシュゥゥ

    マルコ「ここは素直に光栄に思っておこう。駐屯兵の先輩方を訓練兵が指揮するんだからね」ブシュゥゥ



    ジャン「……俺はむしろ、その辺りに問題を感じるんだよなぁ……」



    アルミン「この作戦の要は、『誘導線』を縦に長く深く張ること……!」

    アルミン「これは本部を中央に、放射状に、雪の結晶のように張る」

    アルミン「最終的に収納するその線を途切れさせないように気を付けて!」

    アルミン「エレンは主に誘導線上の巨人のみを排除して!」

    エレン「任せろ!!」ゴゴゴ

    ドギャン!!バォングシャ!グアアア

    サシャ「やっぱりエレン様は凄いですねー♪」プシュゥゥ

    クリスタ「むぎゅぎゅ」プシュゥゥ

    ユミル「クリスタ。お前は喋っていいからな。な。」プシュゥゥ


    ジャン「補給状況と被害状況も随時報告!今回はガスが命だ!足りない所はすぐに言え!」ブシュゥゥ

    マルコ「ワイヤーはなるべく高い所に張って!!低所には10m級以下が待ち構えている!」ブシュゥゥ


    ベルトルト「ライナー……このままじゃ」プシュゥゥ

    ライナー「今は集中しろ!俺たちだって喰われりゃ死ぬんだぞ!」ブシュゥゥ

    ライナー「(参った……!これは最悪調査兵団までエレンについていくしかないか……!?)」ブシュゥゥ

  123. 126 : : 2015/08/22(土) 01:34:13
    期待してる
  124. 127 : : 2015/08/22(土) 09:15:14


    アルミン「…………」

    アルミン「(作戦は今のところ順調……でもさっき包囲された時……)」

    アルミン「(ジャン辺りが真っ先に飛んできて、それを追ってサシャやコニー、マルコが来ると思ってた)」

    アルミン「(だけど実際に最初にエレンをかばったのはライナー、ベルトルト、アニ、それからジャン……)」

    アルミン「(………何だ?この違和感は……;いや、きっと考えすぎ……)」


    駐屯兵「全く……なんだってあんな尻の青い小僧が指揮官だ……?」ブシュゥゥゥ

    駐屯兵「それに補佐で仕切ってるのもガキ二人だ。遠足じゃねぇっての……」ブシュゥゥゥ


    マルコ「……!!おいっ!!そこ、陣形を乱すと……!!」プシュッ

    駐屯兵「うるせぇ!いつまでもガキに指図されてられ……え?」

    巨人「アーン」


    グシャ


    ジャン「………!!畜生起きちまった!!なんだってこんな予感ばっかり……!!」ブシュッ!


    ジャン「アルミン!!右翼3番の誘導線が根本から千切れた!!マルコが見えねぇ!!」

    アルミン「!!?」

    アルミン「右翼3番……増援の駐屯兵を主に配置した中堅部隊のはず……!!」

    アルミン「エレン!!右翼3番の誘導線を繋げて!!最優先!!」

    エレン「聞こえた!!今行く!!」ドカァン!!


    アルミン「……どうして……」

    ジャン「……命令無視だ。増援のおっさん方はガキの言うことなんざ聞けませんとさ……」

    ジャン「……うすうすそんな感じはしてた……すまん……俺が報告すべきだった……」ギリ

    ジャン「早急に復旧する!アルミン、指示……」

    アルミン「……僕……僕が……想定できたはずなのに……」

    ジャン「………!!」ピキッ

     ガン!!

    アルミン「痛ッ!?」

    ジャン「しっかりしろアルミン!!作戦中だろうが!!」

    ジャン「お前は今指揮官なんだぞ!!お前がしっかりしねぇでどうすんだよ!!」

    ジャン「俺……!!俺にだって……分かるんだよ!俺はお前には届かねぇ……!!」

    アルミン「ジャン……」

    ジャン「俺は指揮できるってもお前には届かねぇ!戦ってもエレンはもちろんミカサにも届かねぇ!!」

    ジャン「お前の代わりは今いねぇんだよ!!早く指揮しやがれ!!右翼が壊滅するぞ!!」

    アルミン「………!!」

     ギリッ!!

    アルミン「総員!!これより撤退に移る!!」

    アルミン「誘導線を格納!!確実に巨人を引き込む!!右翼付近の者は誘導線の復旧を援護!!」

    アルミン「ジャンも左翼の指揮に戻って!!総員伝達!!」

    ジャン「ふぅ……そうでなくっちゃよ……手間かけさせやがって畜生」ブシュゥゥ

    アルミン「エレン!誘導線の復旧急いで!!」

    エレン「おおおおおおおおおお!!!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    ギャギャギャギャドギャギャギャギャギャンギャギャン

    エレン「開いた!!」ゴゴゴゴゴゴ

    アルミン「マルコ!!」

    マルコ「……」

    アルミン「右翼!!誘導線の格納急いで!!負傷者を保護!!」

    エレン「ミカサ!!マルコを頼む!!」ゴゴゴゴゴ

    ミカサ「!!」

    シュババババ

    ミカサ「マルコを回収!」

    アルミン「総員撤退!!巨人がそこまで迫ってる!全速!!」

    ジャン「撤退!!急げ!!」

    巨人「アァァアアアァァ」ドシンドシンドシン

    ドシン ドシン

  125. 128 : : 2015/08/22(土) 18:52:07


    ~壁上~


    アルミン「当初の予定通り、大部分の巨人を街の隅に集める事に成功しました」

    アルミン「……が、極力戦闘を避けたにもかかわらず 約1割の兵を失いました……」

    ピクシス「失ったのではないぞ。」

    ピクシス「兵は勝手に死んだのではない。ワシの命によって死なせたのじゃ」

    ピクシス「……人類を生き長らえさせる為なら ワシは殺戮者と呼ばれよう」

    アルミン「…………」




    ジャン「!……エレンか……殲滅はお前の仕事だろ……こんな所にいていいのかよ」

    エレン「……マルコの様子を見に来た」ゴゴゴゴゴ

    ジャン「……そうか」

    マルコ「……………」

    エレン「……目、覚まさないんだな……」ゴゴゴ

    ジャン「……右腕を巨人に喰われたんだ。血も大量に失った」

    ジャン「今はまだ息をしてるが、この先どうなるか分からんとさ」

    ジャン「……もしかしたら、もう目覚めないかもしれねぇ……」

    エレン「………俺がもっと早く助けられたら……」ゴゴゴ

    ジャン「自惚れんじゃねぇぞエレン。」

    ジャン「確かにてめぇはバケモンじみてる。だがそんなお前でもトロスト区の端から端まで30秒弱かかるんだ」

    ジャン「30秒もありゃ、ちょっとくらい早く気付こうが やられる奴はやられてたさ」

    エレン「…………」ゴゴゴゴ

    ジャン「それにだ。お前はバケモンだから気付いてないかもしれんが……」

    ジャン「お前一人で戦ってるわけじゃねぇだろ。」

    ジャン「アルミンが作戦を立てなかったら?ミカサがマルコを拾わなかったら?」

    ジャン「みんなが巨人をおびき寄せなかったら?」

    ジャン「ただのバケモンでしかねぇてめぇがもし一人なら 今頃入ってくる巨人と殺す巨人でどっこいどっこい」

    ジャン「バカだから穴の塞ぎ方も思いつけねぇ」

    ジャン「そうして足止めされてる間に 別の区の扉がドカーン ってな。」

    ジャン「分かったか?お前一人でできる事なんざたかが知れてんだよ。」

    エレン「……俺は、勝手だった」ゴゴゴゴ

    エレン「俺はお前らとは違う……巨人に噛まれても傷もつかない……」ゴゴゴゴ

    エレン「みんなはそうじゃないのにな……」ゴゴゴゴ

    エレン「自分だけ安全なのをいいことに、お前の頭がめでたいとか、本当に酷い事を言った……」ゴゴゴ

    ジャン「ああそうだね。よーやく気付いたかこのバカ。」ベー

    エレン「………すまない」ゴゴゴゴ

    ジャン「………ハッ」

    ジャン「てめぇがバカなのは今に始まった事じゃねぇよ。今更クヨクヨすんじゃねぇ気持ち悪ぃ」

    ジャン「……てめぇにはやることが……それも、てめぇにしかできねぇことがあるだろうが……」

    ジャン「頭カラッポのバケモンのくせに似合わずウジウジしてねぇでさっさとやることやってこい。」

    エレン「……ジャン」ゴゴゴ

    ジャン「あ?」

    エレン「…………ありがとう」ゴゴゴ

     バッ  タッタッタッ…

    ジャン「……………」

    ジャン「はぁ………何がしたいんだろうな……俺って……」


  126. 129 : : 2015/08/22(土) 22:49:17



    ~エレンによる誘導巨人の殲滅~



    アルミン「エレン。分かってるよね」

    エレン「ああ。衝撃波だろ。壁を傷つけず、できるだけ建物も巻き込まず……」ゴゴゴゴ

    アルミン「みんなが頑張って障害物の少ない所に巨人を集めたからやりやすいと思う。」

    アルミン「場所と向きはこっちで指定した通りに。2回くらいでいけるかな?」

    エレン「………ああ。任せてくれ」ゴゴゴゴ

    アルミン「……?エレン、どうしたの?」

    エレン「……いや別に……ただ……」ゴゴゴ

    エレン「……ジャンっていい奴だったんだな、と思ってな」ゴゴゴゴ

    アルミン「?」

    エレン「やっぱ何でもない。行ってくる」ピョーン

    巨人「オオアア」ワラワラワラ

    エレン「(……みんな……よくこんな一箇所に集めたな……)」ゴゴゴ

    エレン「……ジャン……マルコ……俺は俺にできる事をやるよ」ゴゴゴゴゴゴゴゴ


     キラッ


      ズ  バ  ァ  ン

     
       ヴ ォ ッ

       
     ドドドドドドドドドドドドドドドドド

    巨人「アワアアア」

    巨人「オオオオオ」

    巨人「ウエアエアア」

      ズズズズズズズズズズズズズズズズ


    駐屯兵一同「」

    イアン「(間近で見ると凄まじい)」


     ガシャン!ガシャーン!!パリーン!

     ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオ

     ズズーン バキバキバキ ズズーン

     グオオアア エエアアアア ウォオオ


    コニー「うっひょぉ!!やっぱ何度見てもかっけーな!!」

    サシャ「エレン様ー!!さすがですー!!」

    ミカサ「前回より更に高威力……しかも範囲は絞れている……やっぱりエレンはすごい」

    ピクシス「ふむ……しかし市街地での使用には向かんか……」

    クリスタ「あっ!耳塞ぐの忘れて……あれ平気だ」

    ユミル「(とっさにクリスタの耳を塞いだのはいいが自分の耳が)」キーン


    駐屯兵「巨人の群れが……ゴミみたいに飛んだぞ……」

    駐屯兵「なんか、あいつがいれば勝てる気がしてきた」

    アルミン「(うん。やっぱり間近でエレンの力を見せることで士気が上がった……)」


    アルミン「んー、7割ってとこかな……集まり次第もう一発……ってあれ?戻ってきた」

    エレン「アルミン!問題発生だ!」ピョーン

    アルミン「どうしたんだいエレン」

    エレン「……いや、すまん……その、ちょっと力入れ過ぎたようで……」ゴゴゴ

    エレン「機動装置のグリップが潰れた……」グシャァ

    アルミン「あーあー……ワイヤー巻き込んじゃってるね……技巧班!グリップの交換修理……」

    アルミン「そういえばエレンって機動装置あんまり使わないから、ブレードの柄は別に用意した方がいいかも」

    アルミン「まぁ、今は時間ないから機動装置の予備のグリップパーツでいいか……」

    エレン「すまん……手間かける……」ゴゴゴ

    ジャン「おいアルミン!何か問題か!?」

    アルミン「いや、大丈夫!!エレンが立体機動装置のグリップを握り潰しちゃっただけだから!!」

    ジャン「んだよ驚かせやがって。よくある事じゃねぇか」

    駐屯兵「(よくねーよ)」


  127. 130 : : 2015/08/23(日) 00:32:49
    期待してる
  128. 131 : : 2015/08/23(日) 08:47:50



    ~残党巨人殲滅作戦~



    アルミン「集めた巨人はエレンの衝撃波で無事に殲滅……あとは残りの巨人……よし」

    アルミン「これよりトロスト区奪還作戦第二段階、残党巨人殲滅作戦を開始する!!」

    アルミン「今回の作戦では波紋状に広く索敵線を張る!!」

    アルミン「巨人の位置、数、サイズを的確に伝達すること!!」

    アルミン「なお本作戦では指揮補佐としてジャン、イアンさん、リコさん、ミタビさんを四方に配置!!」

    ジャン「わざわざ先輩にさん付けするたぁ、マルコの一件が堪えてるなアルミンの奴……;」

    イアン「アルレルト!!我々の階級は気にするな!!指揮官としての自覚を持て!!」

    リコ「イアン……」

    アルミン「……感謝します!!ジャンはC-5、イアンはE-3、リコはH-5、ミタビはE-7でそれぞれ指揮!」

    アルミン「特にイアン班は前門より侵入する巨人の確認も任せる!気を抜かないように!」

    アルミン「巨人が単独であり、なおかつ独力での討伐が可能と判断した場合のみ交戦を許可!!」

    アルミン「エレンは指示通りに動いて巨人の殲滅!」

    エレン「任せろ!!」ゴゴゴゴ



    伝達モブ「ポイントA-6に10m級1!」

    伝達モブ「B-2と3、C-1から4にかけて巨人多数!」

    伝達モブ「ポイントB-3から西に向かって巨人が移動中!奇行種と思われる!」

    伝達モブ「ポイントH-1、I-1、J-1にそれぞれ巨人を確認!」

    伝達モブ「ポイントG-1から5にかけて巨人確認!」

    伝達モブ「前門より10m級1、3m級3が侵入!」

    伝達モブ「ラインF!1から4にかけて巨人多数!」

    伝達モブ「ポイントE-1から4にかけて巨人多数!E-5に侵入する勢い!」

    アルミン「(……やはり残党と呼べる数か……新しいのは門から入ってくる奴……)」

    アルミン「エレンは当初の予定通りライン10から順に掃討!!」

    アルミン「ミカサはエレンの討ち漏らしを狙って!エレンの掃討ラインを越える奇行種を優先!!」

    エレン「よし……行くぞ!!」ダッ

     ヒュン グシャッ ガォン! アアアア!

    ミカサ「いた…奇行種!」ブシュッ

     ズバァン! 

    アルミン「通常種を掃討ライン以降に呼ばない為にもエレンの動きに合わせて索敵線は南に格納!!」

    アルミン「ミカサ、ミタビを中心とした精鋭班は孤立した個体を優先的に討伐!!」

    エレン「うおおおおりゃああ!!」ガィン ズシャァ ズガァン

    ミカサ「ふっ!」ズバッ

    伝達モブ「速い……ライン5以北までの巨人掃討を確認!」

    伝達モブ「前門より新たに巨人侵入!およそ10m級2!」

    アルミン「………!……エレンに伝達!!掃討ラインを湾曲!!ポイントE-5を経由して!!」

    アルミン「始点はそのまま1ラインずつ減らして!!」

    エレン「了解!!」ゴゴゴゴ

    アルミン「……巨人は入り続けている……スピードが命だ……」

    伝達モブ「エレン、ポイントA-1からE-5を経由、J-1までの掃討ラインを構築!!」

    アルミン「エレンに伝達!始点、経由点、終点をポイントE-1を中心に徐々に収縮!!」

    アルミン「索敵線もエレンの動きに合わせて収縮……!取りこぼしのないように!!」

    エレン「(数が増えてきた……!)」ゴゴゴゴゴ

    アルミン「………もう少し……もう少し……!!」

    エレン「このっ……邪魔だぁぁああああ!!」ゴゴゴゴゴ

     ギャギャギャギャドギャギャギャギャギャン

    巨人「アアアア」

    巨人「オオエオエオエエ」

    アルミン「今だ!!総員、ガスと刃の補給!!」

    アルミン「精鋭班を残して撤退!!このまま最終段階に入る!!」

    アルミン「諸君の健闘に感謝する!!」
  129. 132 : : 2015/08/23(日) 08:59:45


    アルミン「続けてトロスト区奪還作戦最終段階開始!!」

    アルミン「総員補給を急いで!!エレンはその間前門付近の巨人を殲滅!!」

    エレン「ふぅっ、あれ、もうトロスト区内に巨人がいないのか!?」ゴゴゴゴ

    アルミン「岩を運んでる間にまた入ってくるよ!気を抜かない!」

    アルミン「エレンはこのまま岩の真下に潜って持ち上げる!!」

    アルミン「残り精鋭は囮及び巨人の掃討!!」

    エレン「さて潜る……ん?どうやって土の中に潜るんだ?」ゴゴゴゴ

    エレン「まぁいいか。普通に手で土を掘れば……」ガガガガガガ

    リコ「イェーガー、潜りました。もう見えない……」


    ズズズズズズズズズズ


    イアン「……岩が……」


    ズズズズズズズズズズズ


    エレン「おおおおおおおおおお!!」ゴゴゴゴゴゴゴ


    ミタビ「すげぇ……持ち上がってる……」


    エレン「………くっ!!くそっ!!」ズリズリズリ

    アルミン「エレン!どうしたの!?君でもやっぱり重い!?」

    エレン「いや岩そのものは案外重くねぇ!!」ゴゴゴゴゴ

    エレン「だが……足が埋まっちまって……地面を耕しながらしか歩けねぇぞ!!」ズリズリズリズリズリ

    ミカサ「……つまり、走れない!?」

    エレン「歩くより……のろい!!」ズリズリズリズリズリ

    アルミン「……そうか……岩の質量に対して接地面はエレンの足のサイズ……」

    アルミン「接地圧が高すぎる!これじゃ巨人が入ってくるのが速い……!」

    リコ「前門から巨人2体侵入!10m級と6m級!」

    アルミン「……………!!!」

    アルミン「…………………ッ!!」

    アルミン「………………ミカサ!!!」

    ミカサ「何!?」

    アルミン「マフラー、今何kg!?」

    ミカサ「え?なんで……」

    アルミン「いいから!!」

    ミカサ「……!!……150kg……」

    イアン「(は?)」

    アルミン「外して!!」

    ミカサ「わ、分かった!」クルクル

     ズシィ..ン!!

    イアン「」

    リコ「」

    ミタビ「」

    アルミン「これよりミカサは全巨人の殲滅!!他は全員でそれを援護!!」

    アルミン「エレンが穴に辿り着くまでエレンを死守!!」

    ミカサ「了解!!」ピュン

     ズババン!!

    巨人「グアアア」

    巨人「アアアア」

    イアン「」

    リコ「」

    ミタビ「」

    アルミン「皆なにしてるの!!早く援護!!」



    エレン「くそおおおおおじれってええええええ!!」ズリズリズリズリズリズリ

    アルミン「ミカサ!!前門よりおよそ10m級4体!!」

    ミカサ「……」ヒュンヒュンヒュン

     ズババババン!!

    巨人「アアアアアアア」

    イアン「何で今までマフラーつけてたのお前」

    ミカサ「……ッ!」

    ミカサ「一匹取りこぼしたッ!!」

    ミタビ「うおおおお!」

     ザシュッ ズシーン

    ミタビ「俺も驚いてるよ!でも今はそれどころじゃ……!!」

    リコ「……ッ!!前門より新たな巨人侵入!!およそ10m級……5体!!」

    エレン「くそ……!!見えるのに手が出せねぇってのがなんとも……!!」ズリズリズリズリ

    アルミン「エレンの今の仕事は穴を塞ぐことだ!!穴さえ塞げれば巨人はもう入ってこない!!」

    エレン「分かっては、いるんだけど、よッ!!」ズリズリズリズリズリ

  130. 133 : : 2015/08/23(日) 18:56:25


    ミカサ「5体同時……!」ヒュインヒュイン

     ズバン!

    ミカサ「……!残り4体が散開した!?奇行種……!!」

    ミタビ「う、うわあああ!!」

    ミカサ「………シッ!!」ヒュン

     ズバン!

    ミタビ「おお、助かっ……てない!」

    巨人「アアアア」グラァ

    ズシーン!!

    イアン「ミタビィィィイイイイィ!!」

    リコ「ミタビが巨人の死体の下敷きに……!?」

    アルミン「救護班もまだ近づけない…!!」

    ミカサ「あと3体…!!」ヒュンヒュン

    エレン「おおおおおおお!!」ズリズリズリズリズリ

    イアン「イェーガー!!穴はもうすぐそこだぞ!!」




    ズバァン!!

    ミカサ「あと2体……!!」ヒュゥン

    リコ「はぁっ!」ズバン!

    巨人「アアアアア」

    リコ「目を潰した!アッカーマン!!」

    ミカサ「了解!」ズバァン!

     ドーン…

    ミカサ「最後の一匹……エレンが!!」


    アルミン「エレン!後ろから10m級接近!」

    エレン「馬鹿野郎振り返れないんだよ足が埋まってるんだってば!!」ズリズリズリズリズリ

    イアン「ここは通さん!!」

     バシッ

    巨人「アーン」

    イアン「あっ」

     パクッ…

    イアン「ああ……」

    アルミン「ああ!イアンさんが巨人に!!」

    エレン「巨人に何なんだよ振り返れないって言ったよな俺くそがあああ!!」ズリズリズリズリズリ

    ヒュゥン!!

    イアン「あ……アッカーマン……俺に構うn」

    ミカサ「失礼します!!!」

     グシャッ!!

    イアン「ぶへっ!!!」

    巨人「ゴックン」


    アルミン「ああああイアンさんが巨人にくわえられた上にミカサに顔面を蹴られてそれから」

    エレン「気になるから解説すんじゃねぇえええええ!!もう扉すぐそこだろうがあああ!!」ズリズリズリ


    巨人「ゲェーップ」

    ミカサ「ちゃんと飲み込んだ……よし!」ヒュン

     ズバァン!

    巨人「アアアアアア」

     ズシーン!!


    アルミン「………どうなったかは塞いでから自分でみてくれ☆」

    エレン「そうするけどそれはそれでむかつくううううう!!」ズリズリ…ズリ…

    グゴゴゴ

    エレン「うおおおおおおおおおおおお!!どうなったか見てやるううう!!」ゴゴゴゴゴゴ


     ド ォ ォ オ オ オ ォ ォ オ オ オ オ ォ オ オ ン ! ! !


     オォォォォォォォォォォォォォ


    リコ「………」

    リコ「皆……死んだ甲斐があったな……!!」

    エレン「はっ!!えっみんな死んだの!?」ゴゴゴゴゴ

    イアン「かってに……ころすな……」シュゥゥゥ

    ミタビ「……右に同じ」ガクン


    リコ「人類が今日……初めて勝ったよ……」

    アルミン「そうだけど!それは一旦おいといてイアンさんとミタビさんを!!」

    ミカサ「エレン。体が泥だらけ」フキフキ

    エレン「おう、ミカサ……すまねぇな。苦労させた……」ゴゴゴゴゴ

    ミカサ「……いいの///エレンのおかげでトロスト区を奪還できた……」フキフキ

    エレン「地面潜った時に体中土だらけになったからな……風呂入んねぇと……」ゴゴゴゴ

    ミカサ「……エレンは頑張った。ので、きょ、今日は私が体を洗ってあげようか?///」フキフキ

    エレン「え、いいのか?」ゴゴゴ

    ミカサ「!!////(この世界は美しい……)」

    アルミン「そこの二人も何してんの!!うわイアンさんすごい顔……」

    イアン「ふぉもいっふぃりふぇられふぁふぁらふぁれふぇふぃふぁ(思いっ切り蹴られたから腫れてきた)」

    リヴァイ「………オイ……ガキ共……これはどういう状況だ?」


  131. 134 : : 2015/08/23(日) 23:20:38



    ~~~~~~~~~~




    ジャン「そんでそれから休む間も無く死体回収だ……伝染病の蔓延阻止だと。」

    ジャン「理屈は分かるが流石に休みたかったよ……」

    ジャン「……アルミンのおかげか、死体はほとんどが駐屯兵のタダ飯食らいのおっさんばっかりだったが……」

    ジャン「……当然訓練兵にも死人は出たさ。ぽつぽつ見知った顔もいたよ……」

    ジャン「……なんつーか、あの作業は……多分これからも慣れねぇな……」

    ジャン「あんな作業しなくてよくなれば一番いいんだがな……」

    ジャン「ミーナは打撲完治まで暇してるらしい。こないだ愚痴ってた」

    ジャン「ミリウスはアバラをやられてリタイア……内臓も破裂してたらしい。よく助かっただと」

    ジャン「トーマスは複雑骨折。両足イってたらしい。痛かったはずだとか笑ってやがった」

    ジャン「足といえば、フランツも助かったらしい。……もう兵はできないけどな」

    ジャン「ハンナも兵をやめるらしい。フランツに付き添って生きてくとよ。見せつけやがって……いつもか」

    ジャン「見せつけるといえばエレンの野郎、何考えてんだか……!!」

    ジャン「作戦のあとミカサと風呂入ったらしいぜ!?」

    ジャン「『泥を洗ってくれるって言うからてっきりミカサは着衣かと』とかなんとか言い訳して……!!」

    ジャン「そう思ってたんならミカサが裸で入ってきた時点で断れってんだよな羨ましい……!!」

    ジャン「……ふぅ。思い出さないでおこう……無駄に腹立つから……そうだ怪我人の話だったな」

    ジャン「精鋭班ではミタビさんが全身複雑骨折。イアンさんはミカサに蹴られて頬骨粉砕と歯が数本……」

    ジャン「巨人の腹の中を体験した貴重な人だよwとにかく熱くて臭かったらしい……」

    ジャン「まぁでも、生きてたからよし だよな……」

    ジャン「…………」

    ジャン「………まぁ、こんくらいだな。お前が3日も昏睡してる間に起きた事って言えば……」


    ジャン「……マルコ。」


    マルコ「ははは……色々あったみたいだけど、それでも皆相変わらずなんだね……」


    ジャン「バカばっかりだからな。あんな目にあっても別に人が変わったりするもんじゃないらしい……」

    マルコ「……みんなそれだけいい奴だってことじゃないかな……」

    ジャン「……目が覚めたと思ったら優等生かよ……お前こそ変わんねぇな……」

    マルコ「そういうジャンは、変わったよね。」

    ジャン「……そうか?」

    マルコ「なんていうか……頼もしくなったっていうか……大人になったっていうか……」

    ジャン「……てめぇ今まで俺をガキだと思ってたって事かそりゃ……」

    ジャン「……まぁ……言い返せねぇけど……」

    マルコ「ははは……ほら、やっぱり大人だ。」

    ジャン「チッ……面白くねぇな何か……」

    マルコ「……そうか……エレンは無事に穴を塞いだのか……」

    ジャン「あの馬鹿が通った跡な。クソ深ぇ車輪跡みたいになってたぞw」

    マルコ「……エレンは凄いよね。彼がいれば、マリア奪還も途端に現実味を帯びてくる」

    ジャン「……力だけだろ。上手く使わなきゃ結局無駄なんだよ。お前とか、アルミンとかがよ」

    マルコ「…………僕は……」


    マルコ「………悔しいよ………」ポロポロ

    ジャン「………あぁ」

    マルコ「……右腕……無いんだ……これじゃ兵は……できない……」ポロポロ

    ジャン「……そうだな」

    マルコ「3年……訓練したのに……兵になる為に……なのに……兵になれないって……」ポロポロ

    マルコ「僕は………悔しい……」ポロポロ

    ジャン「…………」

    ジャン「3日寝てた分、栄養が足りてねぇんだ。血も足りねぇ」

    ジャン「だから、あんまり無駄に水分を体から出すな……」

    マルコ「………」ポロポロ

    ジャン「………また来る」


    マルコ「……ジャン」

    ジャン「あ?」


    マルコ「……ありがとう……」

    ジャン「…………」



    ジャン「…………」

    ジャン「…………ったく、どいつもこいつも……」


  132. 135 : : 2015/08/23(日) 23:23:57
    期待してる
  133. 136 : : 2015/08/23(日) 23:34:18
    いつも期待ありです。
  134. 137 : : 2015/08/24(月) 08:21:04



    ~火葬場~



    コニー「お、ジャンか……どこ行ってたんだ?」

    ジャン「……マルコの様子見てきた。」

    サシャ「目、覚ましたんですよね。よかったです」

    ジャン「ああ……」

    サシャ「それにしても エレン様どこ行っちゃったんでしょう……」

    ジャン「……今回の事であいつの力も公になっちまったからな……別に隠してねぇけど」

    ジャン「最低でも 兵法会議にはかけられるか……」

    コニー「なんでだ!?エレンは英雄だろ!?」

    ジャン「まぁ……バカにはわかんねぇよ……いや、むしろ連中がバカか……」

    コニー「? ?? 何の話だ?」

    ライナー「エレンの力が内地の貴族連中にも知れ渡れば、よくてエレンの力の取り合い」

    ライナー「悪くてエレンの力を危険視して排除しようとする勢力も出るだろう」

    ライナー「(そこが、これからの動きの鍵か……)」

    ライナー「(エレンが中央と敵対するようになれば 確実に内戦になる……)」

    ジャン「…………」


    ジャン「………おい、お前ら。所属兵科は何にするか……決めたか?」

    サシャ「エレン様についていくので、調査兵団一択ですかね?」

    コニー「俺も調査兵団だな。そうしようと思ってたし……ジャンはやっぱり憲兵団か?」

    ジャン「…………お前らはそうだよな。ああ……」

    ジャン「俺は………」

    (キッツ『危険なバケモノは排除するぅ!!』)

    (エレン『俺は……勝手だった……すまない……』ゴゴゴゴ)

    (マルコ『……僕は……悔しい………』ポロポロ)

    ジャン「俺は………」

    ジャン「………調査兵団になる」

  135. 138 : : 2015/08/24(月) 18:05:42
    キッツはいつになってもムカつく
  136. 139 : : 2015/08/24(月) 18:58:00



    ~審議所地下~



    エレン「ここは……地下牢……だな」ゴゴゴゴ

    憲兵「そうだ。しばらく入ってろとの命令だ」

    エレン「ミカサやアルミンはどこ連れてかれた?」ゴゴゴゴ

    憲兵「貴様が知る必要は無い」

    エレン「……………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    憲兵「(こわい)」

    エレン「………まぁ、入れって言われたら入ってやるけどさ」ゴゴゴゴゴゴ

     テクテク

     ガシャン

    憲兵「(ホッ)」

    憲兵「体も拘束する」ガチャガチャ

    エレン「………」ゴゴゴゴゴ

    憲兵「よし。大人しくしてろよ」ガシャン

    エレン「………大人しくしてろって言われたら大人しくしてるけどさ」ゴゴゴゴ

    エレン「もし、俺の大事な仲間に何か危害が加えられていたりとかしたらさ」ゴゴゴゴゴ

     ミシミシミシ… ドゴォン!!

    憲兵「」

    エレン「貴様等の命とかちょっと俺にとってはどうでもいい事になるんだよな」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    憲兵「」

    エレン「おっと。拘束具壊れちゃったな。」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    エレン「まぁ、仲間が無事ならここにいてやるから大目にみてくれや」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    憲兵「」

    憲兵「(こわいよこわいよこわい)」ガタガタガタガタガタ


  137. 140 : : 2015/08/24(月) 18:59:01


    リヴァイ「ようやく接触の許可が降りたと思ったら、今度は何だ……騒がしい……」ツカツカ

    エレン「(ん……?あれは………)」ゴゴゴ

    エレン「(……誰だ?あのちっさいオッサン……)」ゴゴゴ

    エルヴィン「初めまして。エレン・イェーガー君。」

    エレン「……!!自由の翼……ってことは調査兵団の人!」ゴゴゴゴ

    エルヴィン「……私は調査兵団団長、エルヴィン・スミスだ」

    エルヴィン「こっちはリヴァイ兵士長」

    リヴァイ「………フン」

    エレン「え、団長に……兵士長?あ、失礼しました……」ゴゴゴ

    エレン「(リヴァイ兵士長……確か……なんかすごい有名だった……)」ゴゴゴ

    エレン「(そうだ、確か『人類最小の兵士』とか……)」ゴゴゴ

    エレン「エルヴィン団長にリヴァイ兵士長……お会いできて光栄です。」ゴゴゴ

    エレン「リヴァイ兵士長は……お噂の通り……」ゴゴゴゴ

    リヴァイ「(ん……?何だ?なぜかイラッときた……)」イラッ


    エルヴィン「さてエレン。何か質問はあるか?」

    エレン「えーっと、どうして俺は地下牢に?」ゴゴゴゴ

    エルヴィン「今君の身柄は憲兵団が受け持っている。」

    エルヴィン「彼らは君の力を危険視している。だから猛獣を扱うように牢に閉じ込めた」

    エレン「(そうか……俺の力……憲兵にも知れたのか……)」ゴゴゴ

    エレン「俺と一緒にいた訓練兵は?」ゴゴゴ

    エルヴィン「君の力について話を聞いているよ。」

    エルヴィン「あの二人以外にも……君の過去を知る者全てにね」

    エレン「全て……!母さんも!?」ゴゴゴ

    エルヴィン「そうだ。当然カルラ・イェーガーにも話を聞いている」

    エルヴィン「心配はいらない。彼女の安全は保証しよう」

    エレン「…………」ゴゴゴ

    エルヴィン「……とりあえず今すべき事は、君の意志を聞く事だと思う」

    エレン「……俺の意志……?」ゴゴゴ

    エルヴィン「いつまた超大型巨人や鎧の巨人に扉が破られるか分からない。」

    エルヴィン「この状況で急務なのは……ウォール・マリアの奪還だ」

    エルヴィン「そして破壊されたあの扉を速やかに塞ぐには飛躍的手段……」

    エルヴィン「すなわち君の力が必要になる」

    エルヴィン「全ては君の意志次第だ。人類を救うも殺すも君次第なんだ」

    エレン「俺……が……、人類を……?」ゴゴゴ

    エレン「………(どうしよう……半分くらいしか話が分かんねぇ……)」ゴゴゴ

    リヴァイ「……オイ……さっさと答えろグズ野郎。お前がしたいことは何だ?」

    エレン「……俺がしたい事……俺は……」ゴゴゴゴ

    エレン「……兵団になんて所属しなくていい……とにかく巨人を一匹残らず駆逐したい……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    エルヴィン「(正直こわい)」

    リヴァイ「ほぅ……悪くない……」

    リヴァイ「エルヴィン……俺はコイツを信用したわけじゃないが……」

    リヴァイ「コイツの世話は俺が責任持つ。コイツが裏切ったり暴れたりすればすぐに俺が殺す」

    リヴァイ「……上にはそう言っておけ……」

    エレン「……(俺を殺す?どうやって?そんなに強いのかこの小さいオッサン……)」ゴゴゴゴ

    リヴァイ「…………」イラッ

    エルヴィン「……もう少しの間ここで辛抱してくれ。我々がなんとか話をつけてみる」


  138. 141 : : 2015/08/24(月) 20:11:33
    人類最小に小さいおっさんwww
  139. 142 : : 2015/08/24(月) 20:18:21



    ~ウォール・シーナ内~



    住民「トロスト区南門に出現した超大型巨人によって扉は破壊され……一時トロスト区全域を巨人に占領されるも」

    住民「決死の奪還作戦が成功し扉の封鎖を果たす……?」

    住民「一度破壊された壁を塞いだって?どうやって!?」

    住民「嘘に決まってる!これは王政側の発表だ!俺達内地の人間を騙すためにそんな嘘を触れ回っているんだ」

    住民「今に壁外のヤツらがウォール・シーナになだれ込んで来るぞ」

    住民「大変だ!この商会の回紙を見ろ!」

    住民「商会だと?王政のお墨付きの無い情報なんて信じられるか!」

    住民「王政の情報が正しいなんて根拠どこにあんだ!?」

    住民「お……おい……これはどういうことだ……」


    住民「一人の人間が……岩で扉を塞いだらしい……とか書いてあるぞ……」


    住民「何だそれは……」

    住民「そんな……SSみたいな事……」



    ~エレンのいる地下牢~



    エレン「ふぅ………」ゴゴゴゴゴ

    エレン「……………」ゴゴゴゴゴ


    エレン「暇だ………………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


    エレン「あーあ……そろそろ面倒だ……出ようかな……」ゴゴゴゴ

    エレン「こんな鉄格子……あってもなくても一緒なんだよな俺には……」ゴゴゴゴゴゴ

    見張り憲兵「(こわいよこわいよこわい)」ガクガクガクガクガク


    ハンジ「やー。ごめんねエレン。待たせてしまって。」

    ハンジ「でもやっとここから出られそうなんだ。」

    エレン「お……やっとか………」ゴゴゴゴゴゴゴゴ


    ~廊下~


    ハンジ「私は調査兵団で分隊長をやってるハンジ・ゾエ。」

    ハンジ「そっちの彼も分隊長のミケ・ザカリアス。」

    ミケ「……」スンスン

    エレン「………」ゴゴゴゴ

    ハンジ「そうやって初対面の人の匂いを嗅いでは鼻で笑うクセがある」

    ミケ「……フッ」

    ハンジ「多分深い意味は無いと思うね。まぁこんなのでも分隊長を務めるほどの実力者ではあるんだ……」

    ハンジ「あ!ごめん無駄話しすぎた。もう着いちゃったけど……大丈夫!」

    エレン「……?」ゴゴゴ

    ハンジ「むしろ説明なんて無い方がいい。エレンが思っていることをそのまま言えばいいよ」

    ハンジ「勝手だけど私達は……君を盲信するしかないんだ」

    ガチャッ

    エレン「………審議所!?」ゴゴゴゴ
  140. 143 : : 2015/08/24(月) 20:21:06

    憲兵「そのままゆっくり進め」

    エレン「……あ?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

    憲兵「(こわいよこのひとこわい)」

    憲兵「そ、そこにひざまずけ」

    エレン「…………」ゴゴゴ

     ガチャン!!

    エレン「………また拘束具……」ゴゴゴ

     ザワザワ

    エレン「(……憲兵……ピクシス司令……エルヴィン団長とリヴァイ兵長に……ん!?)」ゴゴゴ

    エレン「ミカサ!アルミン!」ゴゴゴ

    ミカサ「エレン!」

    アルミン「………」

    ダリス「そこ、静かに。……さぁ、始めようか」

    エレン「!!(あの人……誰だ?)」ゴゴゴ

    ダリス「エレン・イェーガー君だね?君は公のために命を捧げると誓った兵士である……違わないかい?」

    エレン「……はい」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    ダリス「(いい目だ)」

    ダリス「異例の事態だ。通常の法が適用されない兵法会議とする」

    ダリス「決定権は全て私に委ねられている」

    ダリス「君の生死も……今一度改めさせていただく。異論はあるかね?」

    エレン「は?……あぁ……はい……(場合によっては俺を殺すってことか……どうやって?)」ゴゴ

    ダリス「察しが良くて助かるな。この事態は異例を極め相反する感情論がこの壁の中にひしめいておる」

    ダリス「ある者は君のことを破滅に導く悪魔と呼び……またある者は希望へと導く救世主と呼ぶ」

    ダリス「やはり民衆に君の存在を隠すことは不可能だった。」

    ダリス「君の存在をいずれかの形で公表せねば巨人とは別の脅威が発生しかねない」

    ダリス「今回決めるのは君の動向をどちらの兵団に委ねるかだ」

    ダリス「その兵団次第で君の処遇も決定する……憲兵団か……調査兵団か……」

    ダリス「では憲兵団より案を聞かせてくれ」

    エレン「……(はっきり言ってまるで分からん)」ゴゴゴ

    ナイル「憲兵団師団長ナイル・ドークより提案させていただきます。我々は――」

    ナイル「エレンの人体を徹底的に調べ上げた後 速やかに処分すべきと考えております」

    ナイル「彼の存在を肯定することの実害の大きさを考慮した結果 この結論に至りました」

    ナイル「中央で実権を握る有力者達は彼を脅威と認識しています」

    ナイル「王族を含める有力者達は5年前や今回の事態を受けてもなお……壁外への不干渉を貫いています」

    ナイル「しかし今回の襲撃を受けエレンを英雄視する民衆……主にウォール・ローゼ内の民や商会関係者の反発が高まり」

    ナイル「その結果……我々に残されたこの領土を巡る内乱が生じかねない状況です」

    エレン「……(いかん……眠くなってきた……)」ゴゴゴ

    ナイル「彼の力が今回の襲撃を退けた功績は事実です」

    ナイル「その存在が実害を招いたのも事実。彼は高度に政治的な存在になりすぎました」

    ナイル「なのでせめてできる限りの情報を残してもらった後に 我々人類の英霊となっていただきます」

    エレン「……」ウトウト

    ニック「そんな必要は無い」

    エレン「……ハッ」ゴゴ

    ニック「ヤツは神の英知である壁を欺き侵入した害虫だ。今すぐに殺すべきだ」

    エレン「……!(あの格好……馬鹿みたいだ……でも言ったら怒られるだろうな……黙っとこ)」ゴゴゴ
  141. 144 : : 2015/08/24(月) 20:24:18

    ダリス「ニック司祭殿 静粛に願います。次は調査兵団の案を伺おう」

    エルヴィン「はい。調査兵団13代団長エルヴィン・スミスより提案させていただきます」

    エルヴィン「我々調査兵団はエレンを正式な団員として迎え入れ、」

    エルヴィン「彼の力を利用し ウォール・マリアを奪還します。」

    エルヴィン「以上です」

    エレン「(おお。分かりやすい。)」ゴゴゴ

    ダリス「ん?もういいのか?」

    エルヴィン「はい。彼の力を借りればウォールマリアは奪還できます。」

    エルヴィン「何を優先するべきかは明確だと思われます」

    ダリス「……そうか。ちなみに今後の壁外調査はどこから出発するつもりだ?」

    ダリス「ピクシス。トロスト区の壁は完全に封鎖してしまったのだろ?」

    ピクシス「あぁ……もう二度と開閉できんじゃろう」

    エルヴィン「東のカラネス区からの出発を希望します」

    エルヴィン「シガンシナ区までのルートは……また……一から模索しなければなりません」

    保守派「ちょっと待ってくれ!今度こそ全ての扉は完全封鎖するのではないのか!?」

    保守派「『超大型巨人』が破壊できるのは壁のうち扉の部分だけだ!」

    保守派「そこさえ頑丈にすればこれ以上攻められることは無いというのに……」

    保守派「そこまでして土地が欲しいのか!?商会の犬共め!!」

    保守派「お前らはできもしない理想ばかり言って我々を破滅に陥れるだけだ!」

    保守派「これ以上お前らの英雄ごっこには付き合ってられない!!」

    エレン「(そういやマリアの穴ってどうやって塞ぐんだ?……石材でも持ってって組めばいいか)」ゴゴゴ

    リヴァイ「……よく喋るな豚野郎……扉を埋め固めてる間に巨人が待ってくれる保証がどこにある」

    リヴァイ「てめぇらの言う我々ってのは……てめぇらが肥えるために守ってる友達の話だろ?」

    リヴァイ「土地が足りずに食うのに困ってる人間はてめぇら豚共の視界に入らねぇと?」

    保守派「わ……我々は扉さえ封鎖されれば助かると話しただけだ……!」

    ニック「よさぬか!この不届き者め!!」

    ニック「神より授かりしローゼの壁に……人間風情が手を加えるというのか!!」

    ニック「貴様らはあの壁を……人知の及ばぬ神の偉業を見てもまだわからないのか!!」

    エレン「(やばいあんたこそ服も言ってる事も馬鹿みたいだって分からないのかやばい吹きそう)」プルプル

    ダリス「話を進めよう。次に……エレン。君に質問がある」

    ダリス「調査兵団への入団を希望しているようだが……」

    ダリス「君はこれまで通り兵士として人類に貢献しその力を行使できるのか?」

    エレン「プフッ……はい、できます……!(やべえ一瞬吹いちゃった)」ゴゴゴ

    ダリス「?どうしたね」

    エレン「い、いえ……この姿勢ちょっと息苦しくて……」ゴゴゴ

    ナイル「……エレンの素性を調べるうちに6年前の事件の記録が見つかった」

    ナイル「彼は 当時9歳にして……強盗である3人の大人を惨たらしく殺害している」

    ナイル「その動機内容は正当防衛として一部理解できる部分もありますが」

    ナイル「根本的な人間性に疑問を感じます」

    ナイル「彼に人類の命運・人材・資金を託すべきなのかと」

     ザワザワ… ザワザワ…

    モブ「そうだ……こいつは子供の姿でこっちに紛れ込んだバケモノだ」

    モブ「しかし凶暴な本性までは隠すことができなかったんだ」

    保守派「なぁ……悠長に議論してる場合なのか?」

    保守派「今目の前にいるコイツはいつ爆発するか分からない火薬庫のようなものだぞ」

    保守派「あんな拘束具なんか無意味だ」

    エレン「……(まぁ……実際無意味だけど……)」ゴゴゴゴゴ

    エレン「(しかし……なんだか腹立ってきた……)」ゴゴゴゴゴゴゴ

    エレン「(ミカサの事件まで掘り返しやがって……あいつが心に傷を負ってるのが分かんねぇのか……)」ゴゴゴゴゴ

    エレン「……おい………お前ら………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    モブ「!?」

    エレン「さっきから黙って聞いてりゃ大人しくしてるのをいいことに好き勝手言いやがって……」ゴゴゴゴ

    エレン「内乱?神?利益?商会?王族?」ゴゴゴゴゴ

    エレン「ゴチャゴチャと関係無いだろが……そんなんで巨人に勝てんのかよ……!!」ゴゴゴゴゴゴゴ

    エレン「見たところ金持ちだろ皆……んなもん巨人に喰われりゃ全部無意味なんだ……!!」ゴゴゴゴゴゴゴ

    エレン「だったら前線で命張ってる奴に投資しろよ!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

     バキッ

    エレン「あ、手錠壊れた……」ゴゴゴ

  142. 145 : : 2015/08/24(月) 21:21:42
    ちょww住人wwSSだよw
    期待です
  143. 146 : : 2015/08/25(火) 01:25:37
    期待してる
  144. 147 : : 2015/08/25(火) 09:05:22
    期待ありです
  145. 148 : : 2015/08/25(火) 09:07:36


    ナイル「構えろ!!」

    憲兵「ハッ!」ジャキ

    エレン「ギロッ」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    憲兵「ヒッ!!」カチッ

     パァン!

    ナイル「何してる!!発砲は許可していないぞ!!」

    エレン「無駄だ」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

     パッ
       コロコロ…

    憲兵「ヒィッ!!」

    保守派「銃で……殺せない!?」

    モブ「バ、バケモノ……」

    ニック「悪魔め!!地獄へ帰れ!!」

    ザワザワザワザワ

    エレン「……俺を殺す事に決めたか?……方法を聞かせt」ゴゴゴ

     ス パ ン

    エレン「……え?」ゴゴゴ

     ツー…

    エレン「……血?」ゴゴゴ

    リヴァイ「………方法は、俺だ」

    エレン「……ブレード?」ゴゴゴ

     シーン……

    モブ「ヤツの額に……切り傷が……?」

    リヴァイ「……調査兵団の最新技術を詰め込んだブレードだ」

    リヴァイ「通常の刃の何倍にも密度を高めてある。『鎧の巨人』対策だよ。」

    リヴァイ「……もっとも、重すぎて俺にしか扱えないがな。」

    エレン「……え?」ゴゴゴ

    リヴァイ「まぁ、これは躾だ。体感しろ」

     スパン!スパン!スパン!

    ナイル「服を切り裂いて、体にも傷が……」

    ミカサ「ッ!!」ガタッ

    アルミン「待ってミカサ!!」ガシッ

    ミカサ「待たない!!」バッ

    リヴァイ「……どうした。確か……エレンのなじみか。」

    ミカサ「これ以上エレンを傷つけるなら、私が相手になる!!」

    リヴァイ「……ほぅ……で、お前は強いのか?」

    ミカサ「………」
     
     クルクル
       
       ズシーン!!

    ミカサ「……私のマフラーは150kgある。今それを外した……」

     ザワザワ ザワザワ 

    リヴァイ「……フッ」

      スッ……

    ミカサ「……スカーフ?」


         ド ス ン ! !


    リヴァイ「……俺のスカーフは、200kgだ」

     シーン...

    ミカサ「…………」ギリギリ


    ダリス「(あれ、ここ何を決める場だっけ)」

    エルヴィン「ちなみに私のヅラは300グラム。ふんわり軽くて自然な見た目」

    ナイル「誰も聞いてねぇよ」


    リヴァイ「……そして、俺にしか扱えないブレード……」

     スチャ

    リヴァイ「ナイル。」

    ナイル「な、な、何だ」ビクビク

    リヴァイ「お前らはコイツを解剖したいとか言ってたが……どうやる気だ?」

    ナイル「……!!」

    リヴァイ「銃で殺せない。拘束具も見ての通り意味が無い。」

    リヴァイ「傷を付けられるのは唯一、俺だけ……」

    リヴァイ「コイツは先のトロスト区奪還作戦で、侵入した巨人をほとんど一人で殲滅したらしい」

    リヴァイ「てめぇらの言う通り、敵になれば確かに脅威だろう。」

    リヴァイ「……だが、俺なら殺せる」

    リヴァイ「お前らは、どうする?」

    ナイル「……!!」

    リヴァイ「こいつをいじめた奴らもよく考えた方がいい。本当にこいつを殺せるのかをな」

    保守派「……!!」

    ニック「……!!」

    エルヴィン「総統……ご提案があります」

    エルヴィン「エレンの力は不確定な要素を多分に含んでおり、その危険は常に潜んでいます」

    エルヴィン「そこでエレンが我々の管理下に置かれた暁には」

    エルヴィン「その対策としてリヴァイ兵士長に行動を共にしてもらいます」

    エルヴィン「彼ほど腕が立つ者ならいざというときにも対応できます」

    ダリス「ほう……できるのかリヴァイ?」

    リヴァイ「むしろ、俺以外の誰にできるんだ」

    ダリス「……議論は尽くされたようだな。ここで決めさせてもらおうか……」

    ナイル「!お待ち下さい」

    ナイル「エルヴィン……聞きたい。内地の問題はどうするつもりだ!」

    エルヴィン「我々の壁外での活動が人類の安定から成り立っているのも理解している」

    エルヴィン「決して内地の問題を軽視してはいない」

    エルヴィン「そこで提案があります。事態の沈静化を計るために……」

    エルヴィン「次の壁外調査でエレンが人類にとって有意義であることを証明します」

    エルヴィン「その結果で今後を判断していただきたい」

    ダリス「ほう……壁外へ行くのか……」

    保守派「(さっさとここから消えてくれれば)」

    ニック「(あわよくばそこで死んでくれれば)」

    ナイル「………」

    ダリス「……決まりだな」


    ダリス「エレン・イェーガーは調査兵団に託す」

    ダリス「しかし……次の成果次第では再びここに戻ることになる」

  146. 149 : : 2015/08/25(火) 09:36:28


    ~審議所の一室~


    ミカサ「エレン!!怪我!!大丈夫!!??」

    アルミン「だから待ってってばミカサ……」

    エレン「……怪我……したのか……?したことないから……分からないんだが……」ゴゴゴゴ

    リヴァイ「してねぇよ」ドサッ

    ミカサ「!?」

    アルミン「……独力で衝撃波を発生させそれに耐える肉体が 刃で傷付くわけないじゃないか……」

    ハンジ「そういう事。びっくりさせてごめんね~エレン?」

    エレン「……え?」ゴゴゴ

    リヴァイ「お前を殺せるっつったのはブラフだ。」

    リヴァイ「お前は俺から見てもバケモンだ。殺せるわけねぇだろ」

    エレン「じゃ、なんで俺の体に傷が……」ゴゴゴ

    ハンジ「はい、お邪魔~。拭くよ」フキフキ

    ミカサ「傷……無い!?」

    ハンジ「そういうこと。このブレードはただのブレードに細工しただけ。」フキフキ

    ハンジ「一定以上の速度で振ると、先端から血糊が噴き出る仕掛けだよ」フキフキ

    ハンジ「ちょうど切り傷ができたように見えるってわけだ。」フキフキ

    リヴァイ「密度がどうのだの、鎧対策だのってのもウソだ。」

    リヴァイ「そんな鉄でも切れるようなブレードがあるなら欲しいくらいだ」

    ハンジ「調査兵団の最新技術を詰め込んだってのと、今のところリヴァイ以外扱えないってのはホントだよ?」フキフキ

    ハンジ「常人じゃ速度が足りないからねー。微妙な力加減もいるし……エレンやミカサなら使えるかもね」フキフキ

    エレン「じゃあ、俺は怪我してないのか……」ゴゴゴ

    エレン「怪我とか……肉体的な痛みは感じたことがないから……よく分からなくて……」ゴゴゴ

    ハンジ「だからこそ君も自分が怪我したと思い込んだのさっと。はい血糊拭けたよ。服がバラけたのはごめんね」

    エルヴィン「驚かせてすまなかった。しかし君の偽りない本心を総統や有力者に伝えることができた」

    エルヴィン「効果的なタイミングで用意したカードを切れたのも、君のおかげだ」

    エルヴィン「エレン。これからもよろしくな」

    エレン「……はい。よろしく……お願いします」ゴゴゴゴゴ

    エルヴィン「それから……ミカサとアルミン。」

    アルミン「はい。」

    ミカサ「……はい」

    エルヴィン「君たちの所属兵科の希望は?」

    ミカサ「私は調査兵団です」

    アルミン「……僕も、調査兵団希望です」

    エルヴィン「なら話が早いな……」

    エルヴィン「色々話したい事がある。エレンと3人で少しいいか」

    アルミン「……?はい……」


  147. 150 : : 2015/08/25(火) 19:23:49
    期待してる
  148. 151 : : 2015/08/25(火) 19:34:24
    いつも更新楽しみにしています。

    キャラクターの性格が原作と合っていて読んでいてとても楽しいです!

    応援してます!

    期待です!!
  149. 152 : : 2015/08/25(火) 19:51:04
    期待ありがとうございます。
    エレンのみチートパワーのせいで幼い頃よりムラハチ気味だったので
    エレンは原作より根暗設定です
    気遣いができるのは人に嫌われたくないと思って生きてきたせいです

    あと 原作の世界観壊したくないので 
    壁外調査終了あたりで執筆終了しようと思います

    原作が完結したら続き書くかもしれません
  150. 153 : : 2015/08/25(火) 19:53:19



    ~壁内のどこか~



    ベルトルト「ライナー。………」

    ライナー「ああ……エレンは調査兵団に引っ張られたようだ。」

    ベルトルト「じゃあ、僕らも調査兵団に?」

    ライナー「……………」

    ライナー「調査兵団そのものが王政と対立でもしない限り もうエレンと王政の対立図は望めないだろう」

    アニ「……じゃあどうすんのさ」

    ライナー「……エレンが強烈で考えてなかったが……ずっと引っかかってた事がある」

    アニ「……?」

    ライナー「俺達が壁を攻撃したのは5年前だ。そしてこの間2度目の攻撃……」

    ライナー「壁内人類がウォール・マリアを放棄して、人口の1割が殺された……」

    ベルトルト「……それがどうかしたの?」

    ライナー「……最初の口減らしは分かる。」

    ライナー「5年調べて分かっただろ?壁は内側に行くほど王政へ準じる姿勢が強く」

    ライナー「外側に向かうほど王政への不満は高まっている……」

    ライナー「だから、4年前の口減らし作戦は、王政に不満を持つ者を選んで殺す絶好の機会だ」

    ライナー「例えばアルミンのじいさんも、禁書をたくさん隠し持っていたといつか聞いた……」

    ベルトルト「……?つまり?」

    ライナー「まあ聞け。それから俺達はローゼを破った。」

    ライナー「正確にはトロスト区だけだが……誰もがローゼが破られると思っただろう」

    ライナー「ローゼは3~4年前の『ローゼの奇跡』によって必要な食料の大部分を生産している」

    ベルトルト「あの、原因不明の食料生産量の急上昇だね」

    ライナー「そのローゼが落とされれば、今度は人口の半分以上を殺す必要があるはずだ」

    ライナー「……引っかかるんだ……なぜそんな絶望的な状況下で……」

    ライナー「王は何もしなかった?」

    ベルトルト「!!」

    アニ「ライナー、それってまさか……!!」

    ライナー「今考えれば5年前からそうだったのかもしれない……」

    ライナー「故郷でもその可能性が囁かれたから俺達が攻撃を開始したんだ。」

    ベルトルト「……『風の冬』……!?」

    ライナー「そうだ…… 恐らく、今『座標』は王の下に無い……!!」

    ベルトルト「……!!」

    アニ「……!!」

    ライナー「……これで、エレンと王を敵対させ革命で……なんていう近道は無くなった」

    ライナー「辛いが……やはり壁内人類には滅んでもらうしかない」

    アニ「……………エレンは、私達を許さないだろうね」

    ベルトルト「……エレンだけじゃないさ」

    ベルトルト「この5年で分かった……壁内人類も、僕たちと変わらない……」

    ライナー「……辛い……辛いさ……でもな……全部終わっても、俺達は忘れない」

    ライナー「俺達は生きていくしかないんだよ……罪を背負って……」

    ベルトルト「…………」

    アニ「………それで……今後の活動……どうするの?」

    ライナー「……エレンは壁外調査に出るだろう。あれは規格外だ。新兵だろうと関係無い……」

    ライナー「うかうかしてると、本気で一度の遠征でマリアの穴が塞がれるかもしれん……」

    ライナー「だが逆に言うと、遠征中はエレンもリヴァイ兵長も壁を守っていない」

    ベルトルト「………つまり、次の遠征中が勝負、か……」

    ライナー「そうだ。俺とベルトルトは当初の予定通り憲兵団に入る」

    ライナー「調査兵団は真っ直ぐシガンシナに向かうだろう。」

    ライナー「だから、すぐには戻ってこれない場所……」

    ライナー「最北のユトピア区を叩く。」

    ベルトルト「仮にシガンシナの穴が塞がれたとして、マリア内の巨人だけでローゼを落とし……」

    ベルトルト「そのままシーナも落とす、か……」

    アニ「確かにトロスト区が塞がった今、シガンシナからユトピア区は一番時間がかかる……けど、あたしは?」

    ライナー「アニは調査兵団に入って、必要に応じて巨人を操り……」

    ライナー「兵団の帰還を妨害してくれ。」

    アニ「……分かった。」

    ライナー「もっとも、エレンがいれば大した時間稼ぎにならんかもしれんが……」

    ライナー「……あいつの性格上、仲間を見捨てて行くようなことはあるまい……」

    ベルトルト「………重い、ね」

    ライナー「……背負ったんだ。最後まで……責任を取るさ」

    ライナー「もう……後戻りはできないんだから、な……」


  151. 154 : : 2015/08/25(火) 23:44:00



    ~新兵勧誘式~



    コニー「よーやく調査兵団に入れるな。」

    サシャ「エレン様にくわえてミカサもアルミンもなんか先に入っちゃいましたもんねー」

    ジャン「相変わらずのーてんきだなお前らは。ちょっとは考えろよ……」

    ジャン「トロスト区の戦闘で同期が何人も死んだ。」

    ジャン「あれを上回る地獄が壁外調査では待ってるかもしれねーんだぞ;」

    コニー「そーゆージャンだって調査兵団じゃねーか。」

    ジャン「俺は調査兵団なんざ嫌に決まってるだろが」

    サシャ「え?じゃあやっぱり憲兵団にするんですか?」

    ジャン「……そうじゃねぇよ……ただ……」

    ジャン「……やりたくねぇからやるべき事から逃げるのは……違うだろ……」

    ジャン「……って思ったんだよ。」

    コニー「?んーよくわかんねぇけどエレンがいれば大丈夫だろ。それにオレ天才だし」キラーン

    サシャ「そうですね。エレン様がいるので大丈夫です!それに私も天才ですし」キラーン

    ジャン「……お前らに考えろって言った俺が馬鹿だったよ」


    ~~~~~


    エルヴィン「今回の襲撃で失った物は大きいが、これまでに無いほど人類は勝利へと前進した」

    エルヴィン「それは周知の通り、エレン・イェーガーの存在だ」

    エルヴィン「彼と諸君らの活躍で巨人の侵攻は阻止された」

    エルヴィン「彼に関してはむしろ君たちの方が詳しいはずだ。間違いなく我々の味方であり数々の働きでそれを証明している」

    エルヴィン「我々調査兵団は、彼の力を借り、一気にウォール・マリアを奪還する!」

    エルヴィン「電撃的な奪還の為には大量の人員が要る」

    エルヴィン「よって、今期の新兵調査兵にも一月後の壁外調査に参加してもらう!!」

    ライナー「(!? 新兵もだと!?)」

    ベルトルト「(アニが動きづらくなるか……?)」

    ライナー「(……いや、むしろ怪しまれず調査兵団の動向を探れる……好機だ!)」

    ライナー「(俺達は当初の計画通り、憲兵団に入って一月後にユトピア区を叩く!)」

    エルヴィン「…………」

    エルヴィン「以上だ。他の兵団の志願者は解散したまえ」

     ザザザッザザッザザザザ……

    エルヴィン「ほう……今期は比較的多いな。」

    エルヴィン「新たな調査兵を歓迎する!心臓を捧げよ!」

    兵士「「「ハッ!!」」」バッ!

  152. 155 : : 2015/08/26(水) 01:51:38
    期待してる
  153. 156 : : 2015/08/26(水) 09:04:43



    コニー「よーし!調査兵団だ!」

    サシャ「エレン様がそっちの方にいる気が!エレン様ー!!」

    エレン「!?サシャにバレた……」ゴゴゴ

    サシャ「お久しぶりですエレン様!!会いたかったです!!」ガバッ

    ミカサ「!!サシャがエレンに抱きつきそう……!?」

    エレン「待て」ゴゴゴ

    サシャ「わん」ピタッ

    ミカサ「あ、止まった」

    エレン「おすわり」ゴゴゴ

    サシャ「わん」ストッ

    エレン「………よしよし」ナデナデ

    サシャ「~♪」

    ミカサ「………エレン。羨ましい」

    エレン「おっとすまんミカサ。」ナデナデ

    ミカサ「~♪」

    コニー「ようエレンにミカサ!久しぶり!」

    エレン「コニー!お前も調査兵団か!」ゴゴゴ

    ユミル「相変わらずミカサと仲良いねぇ見せつけてくれちゃって。」

    ユミル「今度一緒に風呂入った時の事聞かせてくれよ」

    クリスタ「ユ、ユミル!そんな事……!//」

    エレン「ユミルとクリスタも……」ゴゴゴ

    ミカサ「……あの時の話は……ここではちょっと////」

    アニ「…………ちょっと待ちなよミカサ」

    ミカサ「…………何?いたの?私とエレンの美しい思い出に何か用?」

    アニ「……エレン……風呂場で何したのさ!」

    エレン「何ってそんな……ってアニ!?お前も調査兵団か!」ゴゴゴゴ

    ミカサ「エレンと私がお風呂で何をしたかはあとでじっくり聞かせてあげる。特にアニには。」フッ

    アニ「………ギリギリギリギリ」

    アニ「エレン!今日汗かいたろ!あ、あたしが洗ってあげようか///」

    エレン「え、いいのか?……ってお前もミカサみたいに裸で入ってくる気じゃないだろうな……」ゴゴゴ

    アニ「ギクッ」

    ジャン「…………久しぶりにこの羨ましい感じ………相変わらずエレンだなお前は」ゲッソリ

    エレン「……ジャン!?てっきり、憲兵団に行ったかと……」ゴゴゴ

    ジャン「行けばよかったと今猛烈に思った所だよ」ゲッソリ

    エレン「……マルコの事は聞いた。目が覚めたんだってな」ゴゴゴ

    ジャン「あぁ……もう兵はできねぇから故郷に引っ込んだがな……」

    エレン「そうか……」ゴゴゴ

    アニ「裸では入ってこないから大丈夫だよエレン(入ってから脱げばいいんだよそうだよ//)」

    ミカサ「なら私も。私も今日はエレンの体を洗う。」

    サシャ「……?よくわかりませんけど、私も洗いましょうか?エレン様?」

    ジャン「……真面目な話が台無しだよこれ」ゲッソリ

    ユミル「当然クリスタの絹の肌は私が優しく洗うからな」スリスリ

    クリスタ「えっ!?ちょっといつもそんな事考えながら洗ってたの!?//」

     ワイノワイノ

    エルヴィン「……アルミン。どう思う?」

    アルミン「………ライナーとベルトルトが……憲兵団……?」

    アルミン「………あの時エレンを庇いに来た順番……なぜ引っかかる……?」

    アルミン「……何か……何かは分からない……でも何かが不自然だ……」

    エルヴィン「…………『気のせい』だと思った事も含めて、頼む」

    アルミン「…………後で、お話しします。」


  154. 157 : : 2015/08/26(水) 23:03:00



    ~調査兵団・訓練~



    ネス「お前ら新兵にはこの一ヶ月で『長距離索敵陣形』を頭に叩き込んでもらう」

    ネス「前方半円状に長距離だが確実に前後左右が見える距離で等間隔に兵を展開……」

    ネス「可能な限り索敵・伝達範囲を広げろ。」

    サシャ「ん……?」

    コニー「あれ……?」

    ネス「? どうした。」

    サシャ「いえ、これって要はトロスト区の戦いの時にアルミンが張った『索敵線』ですよね?」

    コニー「そうそう。巨人見つけて伝達するやつ……」

    ジャン「まぁ、どこでも頭いい奴が考える事は同じってことだろ」

    アルミン「……まぁ、効率的で被害を抑える方法としては確実性が高いし……」

    ネス「エルヴィン団長が考案したものと類似したものを訓練兵が思いついたのか……」

    ネス「確かに作戦立案・指揮を任されるのも頷けるな……」

    エルヴィン「そうだ。その件に関しては報告を聞いた」

    ネス「団長!?」

    エルヴィン「アルミン。少しいいか。例の件だ。」

    アルミン「あ、はい。」ガタッ

    ネス「え?」

    エルヴィン「そういう事でアルミンをちょっと借りるぞ。」

    エルヴィン「この陣形は、アルミンの指揮の下索敵線を張った君たちならすぐに馴染めるだろう」

    アルミン「……あ、形状と配置ちゃんと覚えてね皆。」

    アルミン「壁外調査では馬を走らせながら陣形を保たなきゃいけないんだ。大変だよ」

    エレン「ふむ……」ゴゴゴ

    コニー「んー。一ヶ月で覚えられるかなぁ……アルミンは覚えなくていいのか?」

    アルミン「僕はもう全部覚えたよ。あとは訓練……っと今はそれどころじゃない。団長」

    エルヴィン「ああ。じゃ、皆励め。」

    カツカツカツ…

    ネス「」

    ミカサ「ネス班長。続きを教えて下さい」

    ネス「あ、ああ……」



    ~~~~~~~~~~~~



    アルミン「はいエレン。できたよ。エレン専用のブレードの柄……」

    エレン「黒いのか……おお。持ちやすいな。」ゴゴゴゴ

    ハンジ「当然!君の手の形に合わせて作ったからねぇ~」

    ハンジ「片手持ちでも両手持ちでも使いやすさが変わらない機能的な設計……んー我ながらいい仕事……」

    アルミン「素材は鉄とレアメタルの他に炭素素材、あとクロームをだいぶ足してみたんだ」

    アルミン「更に硬度を上げる為にちょっと大掛かりだけど特殊な熱処理を施してる」

    アルミン「当然これで立体機動はできないけど、これは腰にでもぶら下げておいて……」

    アルミン「必要に応じて瞬時に切り替えるくらいエレンなら余裕でしょ」

    エレン「ああ。これで衝撃波を使う時の力加減を気にしなくて済むな」ゴゴゴ

    ハンジ「心配は要らな~い。大量とはいかないけど量産しておいたから」

    ハンジ「たとえばそれを握りつぶしたとしてまだ代わりはあるよん。というわけで……」

    ハンジ「ちょっと、握り潰してみない?」ハァハァ

    エレン「え?」ゴゴゴ


  155. 158 : : 2015/08/27(木) 09:09:47



    ~~~~~



    コニー「ん!?巨人が来たら緑の煙弾で……??」

    サシャ「違いますよコニー!巨人を発見したら赤い煙弾です!」

    ジャン「ほー。珍しくサシャが正しく理解してるな。」

    サシャ「失礼ですね!進路を決めるのは緑の煙弾、奇行種は黒の煙弾を撃ち戦闘です!」

    コニー「おおすげぇ!どう覚えるんだ!?」

    サシャ「まず『巨人の血は赤い』と覚えます。『進路の草は緑』と覚えます。」

    サシャ「あとは消去法で黒は奇行種です!」

    ジャン「お前の口から消去法なんて言葉が出てくるとはな……これは本気で驚いた」

    コニー「なるほど!で、『しょーきょほー』ってなんだ?」

    サシャ「知りません!アルミンが教えてくれた通りに喋ってただけです!!」

    ジャン「……そんな事だろうと思ったけどさ……つまり緊急事態とか作戦続行不可とかは覚えてねぇわけだな」

    サシャ「……え 3種類以上あるんですか?」

    コニー「知らなかった……」

    ユミル「お前らは多分そんな判断を下す状況に一人で置かれないと思うぞ」

    ジャン「まぁ確実に誰かついてるだろうな……引率者」


  156. 159 : : 2015/08/27(木) 12:54:22

    ハンジ「エレーン。またまたできたよ。君用の新・兵・器☆」

    エレン「え、この前の黒くて長い柄だけじゃなかったんですか?」ゴゴゴ

    ハンジ「チッチッチ。甘いよエレン。君という超常兵士がいるのならば当然!!」

    ハンジ「その力を100%引き出せる装備を用意しないと勿体無い!!勿体無いの精神!!」

    エレン「は、はぁ……」ゴゴゴ

    アルミン「今回は細かい部分を中央の工房に依頼してたから少し時間かかったけどね」

    エレン「一週間しか経ってないけど……」ゴゴゴ

    ハンジ「見よ!!エレン専用立体機動装置!!」ババーン

    エレン「うわ……!!これはまた黒い……ですね」ゴゴゴ

    アルミン「炭素系素材の比率だね まぁそれだけじゃないけど……」

    エレン「……留め金まで黒い……ボンベまで……ってボンベやたら大きくないか?;」ゴゴゴゴ

    アルミン「よく見てよ。起動装置そのもののガス噴出口の数が多いでしょ?」

    エレン「見慣れた装置と随分違うと思ったら……;」ゴゴゴ

    アルミン「だってエレン普段立体機動しないでしょ?」

    エレン「まぁ……必要無いし」ゴゴゴ

    アルミン「だから逆に考えたんだ。『エレンに必要になる立体機動装置』をってね」

    ハンジ「エレン。君は50mなんて難なく跳べるけど、空中で移動できるかい?」

    エレン「それはさすがに……そういう時は装置のガスを使ってたな……」ゴゴゴ

    ハンジ「そういう事。まぁメカニカルなとこの説明は面倒だからアルミンに丸投げ~♪」

    アルミン「……;えーと、ボンベが大きいのも理由があるんだ」

    アルミン「大量のガスを、高圧力で入れてる。その分ボンベの強度も高くした」

    アルミン「トリガーも全指に対応……」

    エレン「本当だ……;複雑そうだな……;」ゴゴゴ

    アルミン「通常の立体機動装置と同じ操作と、『瞬間爆噴射』の操作の使い分けのためだよ」

    エレン「瞬間……なんだって?;」

    アルミン「実践の時教えるよ。トリガーの単体操作と同時操作で別々のアクションを……」

    アルミン「……まぁ、エレンの場合習うより慣れろだね。ちょっと起動装置付け替えるよ」カチャカチャ

    エレン「……俺こんなもん分解整備できんぞ;」ゴゴゴ

    アルミン「最初のうちはできる人がやるよ……っと。つけかえ完了…」カチャカチャ

    ハンジ「はいはいはい!実践なら解説しちゃうよ~?」

    ハンジ「壁外調査では巨人との戦闘は平地で行うからね。空中機動力が重要なのさ」

    ハンジ「というわけでエレンはとりあえず30mくらい跳んでね。」

    エレン「え、はい……よっと」ピョーン

    ハンジ「うーん。相変わらずだねー。いいねー。エレーン!!とりあえず適当にいじってみ!!」

    エレン「適当にって……;じゃあ、小指のトリガーとか?」ゴゴゴゴ

     カチッ

     ヴォシュッ!!

    エレン「うおっ!?」ゴゴ

    エレン「この……!!」カチカチッカチッ

     ヴォヴォシュッ ヴォシュッ

    エレン「おお……これは……!!」ゴゴゴゴゴ

    ハンジ「エレーン!!すごいぞー!!空飛んでるぞー!!」

    アルミン「さすがだな……使い方の説明も聞いてないのにぶっつけで使いこなすなんて……」

     ヴォシュッ!!

    エレン「おお!急降下!!」ゴゴゴ

     シュタッ

    エレン「これは……これは凄いな……!!」ゴゴゴゴゴ

    アルミン「エレン、ガスの残量は?」

    エレン「ん?……あ、もう半分以上無い」ゴゴゴ

    アルミン「やっぱりか……まぁ予備のボンベも持っていけばいいけど、回数制限あるってことで。」

    エレン「んー。いつも落ちる時になんとなくじれったかったから急降下はありがたかったんだが……制限付きか……」ゴゴゴ

    アルミン「しょうがないよ。ここまでの瞬間機動力を得るためにはガスの消費が大きすぎる」

    アルミン「とにかく、エレンは今日からその立体機動装置を使ってね。」

    ハンジ「そういう事で、今までつけてたこっちの装置は私が回収~……ん?」

    アルミン「どうしました?」

    ハンジ「……エレンの立体機動装置のここんとこのベルトの金具……壊れてるんだけど……」

    アルミン「え?あ、本当だ……この部分は整備項目にのってないな……」

    アルミン「エレン、いつから壊れてたの?」

    エレン「え?壊れてたのか?」ゴゴゴ

    ハンジ「まぁ、整備項目に無いんだからいつ壊れたかなんて分かんないよね。」

    アルミン「ひょっとしたら一番最初の適性試験の時から壊れてたりして……なんてね」

    エレン「ははは。そんなまさか。色々無茶な動きしたからどっかで壊れたんだろ」ゴゴゴ

    アルミン「そうだよね。あはは」
  157. 160 : : 2015/08/27(木) 15:27:03
    期待してる
  158. 161 : : 2015/08/27(木) 23:47:57



    ~~~~~~~~~



    クリスタ「うーん……」

    ユミル「どうしたクリスタ?恋の悩みか?そして相手は私か?」

    クリスタ「そうじゃなくて……壁外調査は馬術が重要になるでしょ?」

    ユミル「スルースキルが上がってきたなクリスタ……あぁ、馬術が重要だな」

    クリスタ「エレンって、馬術どうするんだろうと思って。ほら、馬が怯えるでしょ?」

    ユミル「……要らねぇんじゃねぇの?自分で走るだろ……」


    オルオ「兵長!スカーフを。」

    リヴァイ「……フン」スッ

    サシャ「ミカサ!マフラー!」

    ミカサ「うん。お願い」クルクル

    荷車×2「」ガラガラガラ……

    ミカサ「さて、今日は馬上での訓練……陣形を保たないと」パカパカ

    リヴァイ「ガキ共は逸れりゃ置いてきゃいいんだ……」パカパカ


    ユミル「あいつらも自分で走ればいいと思うんだ」



    ~~~~~~~~~


  159. 162 : : 2015/08/27(木) 23:49:03



    ミカサ「………」ゴシゴシ

    アニ「………」ゴシゴシ

    サシャ「ミカサ、シャンプーとって下さい」ゴシゴシ

    ミカサ「はい」

    サシャ「どうもです。~♪」ゴシゴシ

    サシャ「いたっ!……んー、やっぱり立体機動装置のベルト痕にお湯は染みますねー;」ゴシゴシ

    アニ「同感だね……兵士になって何がきついかってこれがね」ゴシゴシ

    ミカサ「私はあまり痛くない。アニもまだまだ修行不足」ゴシゴシ

    アニ「あんたみたいなのと一緒にしないでくれよ……」ゴシゴシ

    サシャ「ふーんふーん♪」ゴシゴシ

    ミカサ「今日もたくさん運動した。ほら、こんなに汚れが……」ゴシゴシ

    アニ「やっぱり運動量だけで言うと群を抜くからね。その分汚れもつくさ」ゴシゴシ

    サシャ「あ、こんな所にも砂がこびりついちゃってます……」ゴシゴシ






    エレン「なぁ……今更言うのもなんだが……何で俺はいつも洗われてるんだ?;」ゴゴゴゴ


    ミカサ「エレンは頑張っている。私はそんなエレンを少しでも支えたい。のでこうなった//」ゴシゴシ

    アニ「そりゃ、あんたはその……//人よりたくさん動かなきゃいけないじゃないか///」ゴシゴシ

    アニ「そ、それに今や人類の希望なんだから、しっかり綺麗にしとかないと……//」ゴシゴシ

    サシャ「私は楽しそうだったからです」ゴシゴシ

    エレン「楽しそうって……;お、お前らはその、年頃の娘なんだし……」ゴゴゴ

    サシャ「エレン様~♪かゆいところないですか?」ゴシゴシ

    エレン「ああ……ってかゆいところはないけど!ないけどさ!」ゴゴ

    アニ「なんだいあんた……///あんたでもそういうの意識するのかい///」ゴシゴシ

    エレン「当然、俺だって……それにその、自分の裸体を見られる事に抵抗だってその……」ゴゴ

    アニ「だから私達も脱いでるじゃないか//」ゴシゴシ

    エレン「そういう問題じゃ……」ゴゴ

    ミカサ「私はエレンの裸体など見慣れている。エレンも私の裸体など見慣れているはず。子供の頃から。」ゴシゴシ

    エレン「いや、それは……もっと小さい頃の話……」ゴゴ

    ミカサ「この前だって見た」ゴシゴシ

    エレン「あれは……その……」ゴゴ

    サシャ「お風呂では裸になるのは当たり前じゃないですか?なんで服を着てお風呂に入るんですか?」ゴシゴシ

    エレン「サシャ、そうじゃなくてだな……っ!?」ゴゴ

    ミカサ「アニ。変な所を触らないで」ゴシゴシ

    アニ「な、なんのことだい?///へ、変な所ってどこさ////」ゴシゴシ

    ミカサ「………エレンn」

    エレン「ストップ!ミカサ!ストップ!」ゴゴ

    ミカサ「……………」ゴシゴシ

    エレン「ちょ、ミカサ……っ!?」ゴゴ

    アニ「あ、あんただって触ってるじゃないか!///変なとこ……////」

    ミカサ「?どこに?変なとこってどこ?」ゴシゴシ

    アニ「……………//////」

    ミカサ「……フッ」ゴシゴシ

    エレン「お、お前ら……少しはその……恥ずかしがったりだな……」ゴゴゴ

    サシャ「エレン様はシャンプーが目に入っても痛がらないので洗いやすいんですよねー♪」ゴシゴシゴシ

    エレン「まぁ、実際痛くないし……視界が泡だけになって見えなくなるくらいで……」ゴゴ

    アニ「見えないならいいじゃないか//」ギュ

    ミカサ「むしろ私は見てほしい//」ギュ

    エレン「!?……な、なんか感触が……」ゴゴ

    サシャ「??これは私もいくべき流れですかね?それともやめるべき?」ピトッ スッ ピトッ ススッ

    エレン「サシャ……!!その付かず離れずの感じもまた何か……!!」ゴゴゴ


     キャッキャッ ワイワイ


    ハンジ「エレン?今日使った装備についてだけど……っと?おや?」

    ハンジ「危ない危ない邪魔するところだった……いいねぇ。若いねぇ。この件は明日にしよ……」スタスタ


  160. 163 : : 2015/08/28(金) 00:15:34
    期待してる
  161. 164 : : 2015/08/28(金) 09:20:15



    ~~~~~~~~~~~



    ヴォシュッ!! ズバババババン!!

    エレン「あー……;また折れた……」ゴゴゴ

    ハンジ「うーん。エレンの力の汎用性は限りないけど、刃が持たないね―」

    エレン「よっと……やっぱり素手でいいんじゃ……」ゴゴゴゴ

    アルミン「まぁそうだけどね。でも超大型に過去2度逃げられてるわけだし……」

    エレン「うっ……;」ゴゴゴゴ

    アルミン「突然現れ突然消える巨人を、逃さず迅速に確実に仕留める方法としては」

    アルミン「やっぱりエレンの力と長い武器による瞬間的多段斬撃が確実だと思うんだ」

    アルミン「そもそも、超大型レベルになるとうなじの弱点わかりにくいし……」

    エレン「あー……それは思った。どこから縦1m横10cmなんだろうって……」ゴゴゴゴ

    ハンジ「そういう事で、やっぱりこれが必要みたいだね~♪」ガチャッ

    エレン「おお?今度は黒いブレード?」ゴゴゴゴ

    アルミン「うん。柄と同時に考案はしてたんだけど、起動装置に力を入れてて完成が遅れたね」

    エレン「長い……な。」ゴゴゴゴ

    アルミン「うん。通常のブレードよりだいぶ長いよ。クロームの比率もいじったし、不純物も色々と試して……」

    エレン「不純物?純粋な鉄の方が硬いんじゃないのか?」ゴゴゴ

    アルミン「まぁ、硬いことは硬いんだけどね。純粋だと脆くて折れやすいんだよ」

    アルミン「とにかくこのブレードはエレン専用だね。強度を上げる為に厚みも増したし、先端に行くほど重みも増してる」

    アルミン「振り回すだけなら他の人でもできるけど、エレンの力を最大に引き出す事を考えて作られたものだから」

    エレン「……?つまり、どういうことだ?」ゴゴゴ

    アルミン「要するに、今までのブレードと同じように振るだけで小さな衝撃波が出るよ。計算上ではだけど」

    エレン「!!それって安全なのか!?」

    アルミン「殲滅戦や……超大型対策だね。安全とは言い難いし量産もきついから、いつもは素手だね」

    ハンジ「アルミンアルミンアルミンアルミン。そろそろ実際に見てみたいんだけど……」ハァハァ

    アルミン「あ、はい……じゃ、エレン。この刃でさっきと同じように木を上からスライスしてね」

    エレン「おう。」ゴゴゴ

    ハンジ「衝撃波の実演かぁ……こないだも見たけどワックワクするよね!」

    アルミン「ハンジさん下がって……;誰か!モブリットさん呼んで!」

    モブリット「はいはい、すまないねアルミン。分隊長回収しますね」ズリズリ

    ハンジ「近くで見たい~近くで見たい~いじわる~」ズリズリ

    エレン「さて……」ゴゴゴ

     ピョーン ヴォシュッ!

     ズバンズバンズバン!!

    アルミン「成功……だね。柄と合わせて使ってもらおう……」

  162. 165 : : 2015/08/28(金) 17:34:16



    ~~~~~~~~~~~



    ミカサ「………」ゴシゴシ

    アニ「………」ゴシゴシ

    サシャ「ミカサ、石鹸とって下さい」ゴシゴシ

    ミカサ「はい」

    サシャ「どうもです。~♪」ゴシゴシ

    サシャ「いたっ!……んー、やっぱり立体機動装置のベルト痕にお湯は染みますねー;」ゴシゴシ

    アニ「同感だね……兵士になって何がきついかってこれがね」ゴシゴシ

    ミカサ「私はあまり痛くない。アニもまだまだ修行不足」ゴシゴシ

    アニ「あんたみたいなのと一緒にしないでくれよ……」ゴシゴシ

    サシャ「ふーんふーん♪」ゴシゴシ

    ミカサ「今日もたくさん運動した。ほら、こんなに汚れが……」ゴシゴシ

    アニ「やっぱり運動量だけで言うと群を抜くからね。その分汚れもつくさ」ゴシゴシ

    サシャ「あ、こんな所にも砂がこびりついちゃってます……」ゴシゴシ






    エレン「なぁ……毎度毎度言うのもなんなんだが……何で俺は洗われてるんだ?;」ゴゴゴゴ


    ミカサ「エレンは頑張っている。私はそんなエレンを少しでも……」ゴシゴシ

    エレン「それは前も聞いた;だから……その……恥ずかしいとかあるだろ!?;」ゴゴゴ

    サシャ「うーん、なんでしょうかねー。」ゴシゴシ

    サシャ「私は……もしエレン様以外の男の人に自分の裸を見られたとしたら……」ゴシゴシ

    サシャ「……恥ずかしくて、方言で泣き喚く気がします……;」ゴシゴシ

    アニ「ああ……あんたのその敬語って方言隠しなんだ……」ゴシゴシ

    サシャ「はい……」ゴシゴシ

    エレン「へー……って話逸れてる!」ゴゴ
  163. 166 : : 2015/08/28(金) 17:34:42

    サシャ「エレン様の場合だとなぜでしょうね?裸を見られる事の抵抗が全く無いというか……」ゴシゴシ

    サシャ「むしろ裸になるのが当然のような気がするというか……」ゴシゴシ

    エレン「だいぶ誤解を招く発言だぞサシャそれ」ゴゴ

    ミカサ「完全に降伏した獣は、相手に自分の弱点を全てさらけ出して降伏の意を示すという」ゴシゴシ

    ミカサ「多分そんな感じだろうと思う」ゴシゴシ

    エレン「とか冷静に言ってるミカサはどうなんだよ;」ゴゴ

    アニ「猛獣に近いっていう点ではミカサもサシャと変わんないんじゃないかい?」プッ

    ミカサ「…………」

    ミカサ「サシャ、アニにシャンプーしてあげて」ゴシゴシ

    サシャ「たまにはいいですね。はいアニ~♪」ゴシゴシゴシ

    アニ「ちょっ、待っ、痛い痛い痛い!サシャ!目に入る!!」バタバタ

    サシャ「あっ!!す、すいません;エレン様の時の癖で;」

    ミカサ「……フッ」ゴシゴシ

    ミカサ「……エレンは私の裸体など見慣れているはず。恥ずかしがることはない」ゴシゴシ

    エレン「いや、なぜかいつもサシャがシャンプーを目に入れるから見慣れてはいない……じゃなくて!」ゴゴ

    サシャ「あ、そういえば今日はエレン様のシャンプーまだでしたね」

    アニ「!?……ってことは、み、み、み、見えてるのかい!?////」ババッ

    エレン「そうそう、アニのその反応は正常……」ゴゴ

    アニ「『その反応』ってことはこっち見えてるってことじゃないか!///」

    エレン「!……いや、その、それはだな、言葉のあやというか」ゴゴ

    アニ「ちょっ、目が見えない!///でもエレンは見えてて……!!///」アタフタ

    ミカサ「今まで散々裸でエレンの体を洗っておいて今更何をしているのやら……」フッ

    エレン「だからって目の前で仁王立ちされても目のやり場に困るんだがミカサ」ゴゴゴ

    ミカサ「そう。じゃあ今日は私がエレンをシャンプーしよう」

    アニ「目が……;うう……;染みる……;見えない……;」

    ミカサ「………///さすがエレン……///とっても大きくて立派……////素敵……////」サワサワ

    アニ「!?////なっ、なっ、なっ、なっ、なっ、何が!?///何言って/////」

    ミカサ「? 何って……エレンの背中が大きくて立派だと言った。」セナカサワサワ

    アニ「」

    ミカサ「そもそも私はエレンをシャンプーするのだから後ろに回ってるのは見えなくても分かるはず」

    ミカサ「……一体何を想像したのやら。はしたない」ゴシゴシ

    アニ「……………//////////////」バタバタバタ

    サシャ「じゃあ今日は私がエレン様の前を洗いますね!」ピョン

    ミカサ「……それはそれで捨てがたい……けどシャンプーも捨てがたい……」ゴシゴシ

    アニ「ま、ま、ま、ま、ま、前って、サシャあんた!!/////」

    サシャ「? 当然エレン様の胸板ですけど……」

    アニ「」

    ミカサ「……仕方ない……今日は譲ろう……久しぶりに気分がいいし」フッ

    アニ「…………ギリギリギリギリギリ」

    サシャ「エレン様は思いっ切りこすっても痛がらないので楽なんですよねー♪」ゴシ!ゴシ!ゴシ!

    エレン「ああ実際痛くはないからなでもなサシャ目の前でそんなに激しく上下運動したらな」ゴゴ

    ミカサ「おっとこれはよくない。シャンプーの量を足そう」ゴシゴシゴシ

    エレン「あ、見えなくなった。ふう」ゴゴ

    エレン「………」ゴゴゴ

    エレン「(毎回毎回これはこれで悪くないと思っている自分がいるのが怖い)」ゴゴゴ


    キャッキャッ ワイノワイノ


    ハンジ「あ、ジャン!悪いんだけど、エレン呼んできてくれないかな?部屋にいると思うから!」

    ジャン「は?あ、はい……」


    ジャン「おいエレン!ハンジ分隊長が呼んd」

    キャッキャッ ワイノワイノ

    ジャン「」

    ジャン「」ピシッ

    ハンジ「ふーむ。これがジャンの石化現象か……興味深いな~♪」

    アルミン「ハンジさん!ジャンで遊ばないで下さい!モブリットさんが探してましたよ!」

    ハンジ「え、モブリットが!?じゃあ逃げなきゃ!!」ピュー

    アルミン「えっ?」

    モブリット「分隊長!なんで僕の名義で中央に発注依頼してるんですか!!身に覚えのない請求が……」

    モブリット「しかも何ですかこの『超硬質猫耳』って!身に覚えのない噂と白い目が……」

    アルミン「(……変人の巣窟……)」

    ジャン「」


  164. 167 : : 2015/08/28(金) 23:24:28



    ~~~~~~~~~~



    ヴォシュッ!! ズバァン!!

    エレン「ふぅ……」ゴゴゴ

    アルミン「お疲れエレン。柄と刃は成功だね」

    エレン「……やっぱり、ガスがなぁ……このサイズのボンベでもう空だ……」ゴゴゴ

    アルミン「うーん………寿命の短い機動装置をいつまでも付けてたとして邪魔だからなぁ……」

    アルミン「……思い……切るか……?」

    エレン「?何がだ?」ゴゴゴ

    ハンジ「アルミン。君ならそう言うと思ったよ。ふっふっふっふっふ」

    アルミン「は、ハンジさん!その箱……!!」

    箱【危険】【火気厳禁】

    エレン「何だこれ?」ゴゴゴゴ

    アルミン「………腹を括るか………」

    アルミン「……エレン。君のその専用立体機動装置だけど……2号機なんだ」

    エレン「2号機?」ゴゴゴゴ

    ハンジ「そう。この箱の中に入ってるのが、記念すべきエレン専用立体機動装置のプロトタイプ……ふひひひ」

    アルミン「ハンジさん。その笑いかた怖いです。……これなら今の問題を解決できる。でも」

    アルミン「すごく危険なんだ……でもエレンなら……怪我もしないし……」

    エレン「……つまり?」ゴゴゴ

    ハンジ「順を追って話そう」


    ハンジ「事の始まりは数年前……中央の氷爆石の鉱床を横道に逸れた場所で発見された小さな鉱床……」

    ハンジ「そこには氷爆石の亜種が眠っていた……」

    ハンジ「名付けて!『氷爆炎石』……!!」

    エレン「ひょうばく……えんせき……?」ゴゴゴ

    ハンジ「シッ!!エレン!!声が大きい!!」

    アルミン「ハンジさんの方が大きいよ」

    ハンジ「氷爆石と変わらないと思われたそれは……とても危険な性質を秘めていた……」

    ハンジ「氷爆石がガスの結晶だというのは知ってるよね?」

    エレン「はい……訓練所で習いました……」ゴゴゴ

    ハンジ「『氷爆炎石』もガスの結晶。そこは変わらなかった。でもね……」


    ハンジ「そのガス……燃えるんだよ……」


    エレン「………は?」ゴゴ
  165. 168 : : 2015/08/28(金) 23:24:45

    ハンジ「それもただ燃えるだけじゃない。爆発的に燃えるんだ。」

    ハンジ「万が一鉱床で火花でも散ったら、それだけで中央の鉱床は………」

    エレン「………ゴクリ」ゴゴゴゴ

    ハンジ「当然、そんな危険な代物は使用禁止。所持するだけで重罪だ」

    ハンジ「中央憲兵によってその存在は隠匿された……」

    ハンジ「でも、存在そのものを消してしまうことはできない……裏ルートで出回るんだよね……たまに」

    エレン「ま……まさか……」ゴゴゴ

    ハンジ「そのまさか。この箱の中には見た目こそ変わらないけど」

    ハンジ「『氷爆炎石』を使ったエレン専用立体機動装置が入ってるんだなぁ……♪」

    アルミン「なんでそんなに嬉しそうなんですか」

    ハンジ「バレれば大罪。裏ルートだからコスト度外視。」

    ハンジ「輸送やボンベに詰める作業は物理・情報両面から極めて慎重に行われた……」

    ハンジ「どう……?これだけでワックワクしてこなぁい……?」

    エレン「…………;」ゴゴゴ

    ハンジ「その禁断の立体機動装置の封印を……今!解く!」パカッ

    アルミン「ちょっ、そんなすぐ……!もっと慎重に」

    ハンジ「大変だったんだよー書類の偽装とか……モブリットの名義使ったり……」

    エレン「(モブリットさん……;)」ゴゴゴ

    エレン「……で、つまり……燃えるガスを使うとどう変わるんですか?」ゴゴゴ


    アルミン「……簡単に言うとね。火を吹いて空を飛ぶんだよ。」

    エレン「」ゴゴ

    ハンジ「いやー、ロマンだよねぇ~。生きててよかった……」


    ハンジ「常人なら使用しただけで皮膚に大火傷を追う……」

    ハンジ「一歩間違えれば装置もボンベも大爆発!使用者は灰も残らない……」

    ハンジ「ガスはご禁制。流用がバレれば調査兵団そのものが解体されちゃうかも……?」


    ハンジ「ま、とりあえず使ってみてよ」ポン

    エレン「ええっ!!話の内容から打って変わって軽すぎませんか!?」ゴゴゴ

    アルミン「……本当に少量のガスで、爆発的に燃えるんだ。だからガスの消費量は圧倒的に少ない」

    アルミン「……輸送作業、ボンベに詰める作業は命懸けだけど ね」

    ハンジ「その辺はまぁ、エレンにも手伝わせるとしてさ。君なら爆発しても平気だろうし」

    ハンジ「さぁ使った使った!!」

    エレン「は、はい!」ゴゴゴ

    アルミン「ハンジさん見たいだけなんじゃ……」

    ハンジ「じゃ、もし爆発しても巻き込まれないように遠くで見てるねー」スタスタ


    エレン「ふぅ……よっ!」ピョーン

    エレン「使い方は変わらない……!」カチッ

     ヴォッ!!

     ヴォヴォッヴォッ!!

    ハンジ「さすがだねーエレン。禁断の機動装置をやすやすと。んー。感動……」ニヤニヤ

    エレン「よっ……と……ガスの残量は……ほとんど減ってない!?」ゴゴゴ

    アルミン「エレン!すごかったよ!……あっ」

    エレン「……ハンジさん……一つ問題が……」ゴゴゴゴ

    ハンジ「何かな?」

    エレン「………分かってるくせに聞かないで下さい……」ゴゴゴ

     ボロボロ

    エレン「服……燃えました」ゴゴ


  166. 169 : : 2015/08/29(土) 03:30:16
    期待してる
  167. 170 : : 2015/08/29(土) 08:55:38
    いつも期待ありです
    書きためた分だいぶできたんで連投気味になるかもしれません
  168. 171 : : 2015/08/29(土) 08:56:20



    ~~~~~~~~~



    ミカサ「………」ゴシゴシ

    アニ「………」ゴシゴシ

    サシャ「………あれ?今日のエレン様なんか焦げ臭くないですか?」ゴシゴシ

    エレン「(燃えるガスの事は言っちゃ駄目だっけ……)ああ……火薬で立体機動する実験で……」ゴゴ

    ミカサ「ついに火を使ったか……」ゴシゴシ

    アニ「どおりで煤がこんな所にまで」ゴシゴシ

    サシャ「ほら、タオル黒くなっちゃいました」ゴシゴシ

    エレン「……………」ゴゴゴゴ

    サシャ「あれ?いつもの突っ込みが来ませんね?」ゴシゴシ

    エレン「ああ……もう突っ込む気が失せたというか……」ゴゴゴ

    ミカサ「え、それは困る。」

    サシャ「私は……エレン様が望むのなら////」

    アニ「何の話をしてるんだいあんたら」

    エレン「……考え方を変えた……のかもしれない」ゴゴゴ

    エレン「お前ら3人も……こんなに毎日尽くしてくれるんだから……」ゴゴゴ

    エレン「俺は実績で、それに応えるしかないんじゃないかと思い始めたんだ」ゴゴゴ

    ミカサ「エレン……///」

    アニ「エレン……///」

    サシャ「エレン様……勿体無いお言葉……」

    エレン「だからって全裸でそうして目の前に立たれるとやっぱり目のやり場に困るんだが」ゴゴ



    ~~~~~~~~~~~



    ハンジ「エレン!これを見てくれ!」

    エレン「……?黒い制服?コートまで黒い……」ゴゴゴ

    アルミン「ほら、プロトタイプで立体機動をすると服が燃えてしまっただろ?」

    アルミン「だから、熱に強い素材で服を作ってみたんだ。主に炭素系繊維だね」

    エレン「そうか!これで立体機動の度に服が燃えなくて済むんだな!」ゴゴゴ

    ハンジ「まぁ逆に言うと、その服じゃないと立体機動できないってことにもなっちゃうけど♪」

    エレン「……よく考えると、俺真っ黒ですね。服もコートも、刃も装置も柄まで黒い……」ゴゴゴ

    アルミン「意図したわけじゃないんだけどね。エレン専用って事を考えて作るとどうしてもね」

    ハンジ「いや、これは……いける!」

    エレン「何がですか?」ゴゴゴ

    ハンジ「人類の希望!調査兵団の黒い彗星!!エレン・イェーガー!!どう?」

    エレン「どうもなにも、星が黒かったら夜空で見えないんじゃ」ゴゴゴ

    エルヴィン「やあエレン。なにやら格好良いな。」

    エレン「あ、団長!」ゴゴ

    ハンジ「エルヴィン!格好良いでしょ~?なんかこう~ 黒いなんたら~!みたいなコピーない?」

    エルヴィン「ふむ。そういうのは任せるよ。私はアルミンに話があって……例の件だ」

    アルミン「! はい。じゃ、エレン今日の訓練も問題無いと思うけど頑張ってね」テクテク

    エルヴィン「うむ。そういうわけでアルミンを借りていくぞ」スタスタ

    エレン「アルミン、団長に信頼されてるな……」ゴゴゴ

    ハンジ「んーどうだろうね?」

    エレン「え?」ゴゴ

    ハンジ「エルヴィンは誰かを信用とか信頼とかあんまりしないから。まぁそれよりエレンのコピーだけど」

    エレン「まだその話続くんですか」ゴゴゴ

    ハンジ「当然だよ!!エレンは『二つ名』をなんだと思っているんだ!!」

    ハンジ「それはロマン!!リヴァイですら『人類最強』とか言われてるんだよ!?」

    ハンジ「ましてや君は人類の希望なんだから、むしろ最強の座をリヴァイは譲るべきだよ!」

    エレン「……はぁ(『人類最小』だと思ってたなんて言えない)」ゴゴ

    ハンジ「まぁコピーの事はおいといて。君がそう真っ黒なら、遠くからでも君だって分かるだろ?」

    エレン「………まぁ、そうです……ね……」ゴゴゴゴ


    ハンジ「……そこに、『要』があるんだよ」

  169. 172 : : 2015/08/29(土) 09:00:59


    ~~~~~~



    エルヴィン「結果を、どう思う?」

    アルミン「……意外……なところもありましたが……現段階ではなんとも……」

    エルヴィン「出待ちということか……」

    アルミン「この作戦がうまく行けば、当面の問題はなくなります」

    アルミン「さらにこの件もうまく行けば……人類は大きく……攻勢に出られるかもしれません」

    アルミン「……ですが、個人的には……この件はうまく行って欲しくないと思っている自分がいます」

    エルヴィン「それが普通だろう。……アルミン。私はな」

    エルヴィン「君に知る限りの情報を全て与えたし、作戦内容も包み隠さず教えた。だが……」

    エルヴィン「私は君を信用してるわけではない」

    アルミン「……!!」

    エルヴィン「ただ、君なら隠していても自力で答えに辿り着いてしまう……」

    エルヴィン「そう思ったからこそ、君に全てを話すという選択肢を選んだに過ぎない」

    エルヴィン「はっきり言おう。私は、君を利用している。」

    エルヴィン「利用できるものは何でも利用するつもりだ。人類の勝利の為ならば……」

    アルミン「……承知しています」



    ~~~~~~



    ハンジ「さぁ!今日からエレンを織り交ぜての索敵陣形訓練だよ~!」

    エレン「ようやく……って感じですね」ゴゴゴ

    ハンジ「まぁ、今まではエレンの身体能力、汎用性の調査とかが主だったからねー」

    エレン「あぁ……あの一日中水の中に放り込まれたり、食事無くされたり、睡眠無くされたり……」ゴゴゴ

    ハンジ「ホントは毒物摂取実験とかもしたかったんだけどね~♪」

    ハンジ「まぁ万が一死んじゃったら困るからね。ブレード丸呑みとかも試したかったなぁ……」

    エレン「ブレード丸呑みはできませんよ?;喉の太さとか的に……;」ゴゴゴ

    モブリット「分隊長、準備できました」

    ハンジ「りょーかーい。エレンは馬より早く長く走れるわけだから、自分でこれを引っ張ってもらう」

    ハンジ「『多連結特殊荷車』。見ての通り大量の荷車が縦横にくっついてる感じだねー」

    ハンジ「そしてその上にはマリアを塞ぐ為の資材がわんさか。石材に木材に壁材その他。」

    ハンジ「こんな重量馬何頭いても運べない。そこで君のでばーん」

    エレン「……はい。」ゴゴゴ

    リヴァイ「おいメガネ。面合わせだ。」

    ハンジ「やーリヴァイ。エレンには前も説明したけど、君の扱いは通常兵ではなく『特殊兵』ということになる」

    ハンジ「表向きには特殊兵の補佐・監視。実際は資材の護衛をする……」

    ハンジ「リヴァイ率いる特殊作戦班。通称『リヴァイ班』のみなさんでーす!」

    エルド「よろしくな。」

    オルオ「……まったく兵長の命r」ガリッ

    ペトラ「よろしくね。エレン」

    グンタ「よろしく。」

    ミカサ「………わくわく」

    エレン「……ん?ミカサ?」ゴゴゴ

    ミカサ「私もリヴァイ班。名前は気に入らないけど。エレン班にすればいいのに」

    リヴァイ「名前なんざどうでもいい。さっさと始めるぞ」

    ハンジ「じゃあエレン 今日のところはちゃんとこれ引っ張って陣形保ってね~♪」

    エレン「あ、はい……あ、ブレーキとかついてる……使いやすい……」ガラガラ

    エルド「……話は聞いてたが、実際にあれ引っ張ってるとこ見たらなんかな……」



    ~~~~~~~~~



    サシャ「もうすぐ壁外調査ですね!エレン様とマリア奪還!楽しみです!」

    ミカサ「エレン。そろそろ……」

    エレン「そうだな……」ゴゴゴ

    エレン「サシャ。ちょっと来てくれ」ゴゴゴ

    サシャ「はいはい!なんでしょうエレン様!」

    エレン「……ここじゃなんだな……ちょっと俺の部屋まで」ゴゴゴ

    サシャ「?はい」

    テクテク ガチャ

    エレン「これでよし、と……」ゴゴゴ

    サシャ「どうしたんですか?鍵まで掛けて……」

    エレン「サシャ。」ガシッ

    サシャ「わんっ!」ビクッ

    エレン「お前に……とても大事な話があるんだ。」ゴゴゴゴゴゴ

    サシャ「………………はい?」

  170. 173 : : 2015/08/29(土) 09:14:52



    ~そして、新兵入団から一ヶ月後 カラネス区~


    エレン「いよいよ、か………」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

    ガラガラガラガラガラ

    住民「あれか……あの真っ黒なのが『特殊兵エレン・イェーガー』……」

    住民「正直眉唾だと思ってたが……あんな量の物資を一人で引っ張ってる……」

    エレン「………」ゴゴゴゴゴ

    調査兵「団長!間もなくです!」

    調査兵「付近の巨人はあらかた遠ざけた!開門30秒前!!」

    エルヴィン「いよいよだ!これより人類はまた一歩前進する!開門始め!」


    エルヴィン「第57回壁外調査を開始する!!前進せよ!!」

    ドドドドドドドドドドドドドド

    調査兵「左前方!!10m級接近!!援護班の取りこぼしだ!!」ドドド

    調査兵「右側からもおよそ10m級接近!!危ない!避けろ!!」ドドド

     ド ォ ン!!

    調査兵「うわあ!」

    調査兵「ひっ……!」

    エルヴィン「怯むな!!援護班に任せて前進しろ!!隊列を乱すな!!」ドドド

    エルヴィン「進め!!進めぇえええ!!」ドドド


    ドドドドドドドドドドドドドドドド………


    エルヴィン「今回の目的はウォール・マリアの奪還!!」

    エルヴィン「その為に特殊兵エレンには巨人との戦闘よりも……」

    エルヴィン「マリアの穴を塞ぐ為の大量の物資を運ぶ事を優先してもらう!!」

    多連結特殊荷車「」ガラガラガラガラガラ……

    エルヴィン「ひとまずはトロスト区の南を目指す!」

    エルヴィン「諸君の健闘に期待する!総員長距離索敵陣形展開!!」バッ


    ドドドドドドドドドドドド………


    アニ「(エレンのいる多連結特殊荷車は次列中央・待機……)」

    アニ「(まさかエレンほどの力を戦闘に使わないとは……)」

    アニ「(エレンが戦わない以上、今巨人を呼べば被害甚大により撤退もあり得る……)」

    アニ「(そうなればエレンも帰還する……今は時間を稼ぐためにトロスト区南までは行くか……?)」

  171. 174 : : 2015/08/29(土) 18:08:17


    パシュゥゥゥゥゥゥゥ...


    アニ「赤い煙弾……巨人か……」バシュゥゥゥゥゥゥ...

    アニ「(…………?いや考えろ!何かがおかしい……!)」

    アニ「(リヴァイ兵長がいながら5年かけてもトロスト区からシガンシナ区へのルートを構築できなかった)」

    アニ「(……そんなんでカラネス区からトロスト区までの壁外をエレンの力無しで行けるのか……?)」

    アニ「(そもそも物資を運ぶだけならエレン単独でも充分なはず……)」

    アニ「(エルヴィン団長は一体何を考えている……?……少し周りに聞いてみるか……)」


    アニ「ねえサシャ。エレンのことなんだけど……」

    サシャ「わん」

    アニ「」


    パカラッパカラッパカラッ....


    アニ「サ、サシャ?その……カラネス区からトロスト区までは……距離があるよね……?」

    サシャ「わん」

    アニ「ぶ、物資を運ぶだけなら、エレン一人でも、充分なんじゃないかなー……とか思ったんだけど……」

    サシャ「わん」

    アニ「」
  172. 175 : : 2015/08/29(土) 18:09:24


    ミカサ「アニ。どうしたの?」

    アニ「ミカサ!?あんた、特殊作戦班じゃ……」

    ミカサ「私だけ遊撃。新兵で強いから。」

    アニ「……?まぁいいよ。それよりミカサ……サシャの様子が……」

    ミカサ「………」

    ミカサ「実はサシャは昨日から何も食べていなくて思考が鈍化している」

    サシャ「わん」

    ミカサ「ので、話があるなら私が聞こう。壁外調査は馬に乗るからマフラーもないし」

    アニ「……そ、その、エレンの事なんだけど……」

    ミカサ「……エレンは私の家族。」

    アニ「いやそれは知ってるけど!そうじゃなくて……」

    ミカサ「そう。エレンが心配なの。大丈夫。私は特殊作戦班の一員。」

    ミカサ「索敵を誰かに任せれば、エレンの特殊荷車を遠くから見せてあげられる……少しなら」

    ミカサ「そういうわけでサシャ索敵お願い。」

    サシャ「わん」

    ミカサ「さあアニ行こう。すぐ行ってすぐ戻らないと陣形の維持に支障をきたす」

    アニ「あ、え?う、うん……」



    パカラッパカラッパカラッ……



    ミカサ「見えてきた。エレンの多連結特殊荷車。」

    ガラガラガラガラガラ....

    ミカサ「ここからでも見える。エレンの黒い服。かっこいい。」

    アニ「う、うん……」

    ミカサ「ここからでも見える。荷車に積まれた大量の物資。」

    アニ「うん……」

    ミカサ「あんな大量の物資は、エレンの前を走る予備の馬を全部動員しても運べない。違う?」

    アニ「違わない……」

    ミカサ「つまり、エレンがあそこで走って引っ張っている。エレンにしかできない。」

    ミカサ「荷車を引くエレンの黒い服、見えるでしょ?」

    アニ「うん……」

    ミカサ「エレンが元気そうでよかった。さあ、早く陣形に戻って。被害が出てしまう」

    アニ「……?うん……」

  173. 176 : : 2015/08/29(土) 18:11:04


    パカラッパカラッパカラッ……


    アニ「(ミカサの言う事は何もおかしくない……)」

    アニ「(でも作戦についてはやっぱり気になる……頭が回るのは……)」

    アニ「(アルミンだ。アルミンに聞いてみよう……)」


    パカラッパカラッパカラッ……


    アニ「アルミン!ちょっといい……?」

    アルミン「……アニ?陣形を保たないと駄目だよ?」

    アニ「その、エレンのことなんだけど……」

    アルミン「…………」

    アルミン「……エレンが気になるのかい?僕も少し気になるから許可を貰ってるけど……」

    アニ「……様子を見に行く許可?」

    アルミン「あ、なんだ。もうミカサと見に行ったのか。僕もミカサに特別に許可貰ったんだ」

    アニ「うん。様子は見れたけど……その、作戦について……」

    アニ「物資を運ぶならエレンだけで充分だと思わない?」

    アニ「エレンに運んでもらってから、エレンを前衛にして部隊で行くとか……」

    アルミン「…………」

    アルミン「うん。アニの言う事も一理あるね。当然そっちの方が合理的だ」

    アニ「だ、だろ?」

    アルミン「でも忘れたのかい?建前上はエレンはまだ危険でリヴァイ班が監視してるってことを。」

    アニ「いや、忘れてないけど……」

    アルミン「…………」

    アルミン「だから少なくとも門を出る時はエレンには監視と部隊が必要なんだ。」

    アルミン「そして門を出たら壁外。エレンだけ先行させれば僕たちが危険になるし」

    アルミン「だからと言って物資を置いて行ったら本末転倒だ。」

    アルミン「つまり、こうするしかなかったんだよ。作戦に問題があるのは、仕方ないんだよ」

    アニ「……?そう……そう……か………」

    アルミン「…………」

    アルミン「どうしたの?僕、何か間違った事言ったかい?」

    アニ「いや……言ってない……けど……」

    アルミン「じゃあ早く陣形に戻らなきゃ。全体に被害が及んだらそれこそ取り返しがつかないよ?」

    アニ「……うん……」



    アルミン「アニ……か……考えすぎ……だよね……」

  174. 177 : : 2015/08/29(土) 22:03:31


    パカラッパカラッパカラッ……


    アニ「……考え……すぎだったのかな……」

    パシュゥゥゥゥゥ

    アニ「緑の煙弾……進路……」バシュゥゥゥゥ

    アニ「……あれ?この方角……」


    ~五列中央・待機 リヴァイ班~

    パシュゥゥゥゥゥゥゥ

    グンタ「緑の信煙弾を確認……!?」

    ペトラ「あれ……?兵長、この方角だとローゼにぶつかっちゃいますよね?」

    リヴァイ「…………」

    リヴァイ「エルド。撃て」

    エルド「……了解!」バシュゥゥゥゥゥ

    リヴァイ「……ローゼが見え次第、俺達は初列左翼に移動する」

    ペトラ「え……?ぶ、物資の護衛は……」

    リヴァイ「……ローゼにぶつかりゃ陣形が無くなるだろ。左から来る巨人からも逃げられん」

    リヴァイ「だから俺達精鋭が先頭と左翼で巨人を排除するんだよ」

    ペトラ「………!?」

    オルオ「了解。おいペトラ。乗馬中で200kgのスカーフをつけてない兵長の命令が間違っているわk」ガリッ

    エルド「お前は乗馬中舌を外したらどうだ」


    パカラッパカラッパカラッ……


    コニー「あれ?壁が見えてきたぞ?もうマリアか?」

    ミカサ「いいえ、あれはローゼ。カラネス区とトロスト区の間の壁」

    コニー「うおっ!?ミカサか。お前なんとか班じゃないのか?」

    ミカサ「そう。特殊作戦班。ここにいるのは任務。」

    コニー「??」


    パカラッパカラッパカラッ……


    エルヴィン「……後方に伝達してくれ。」

    エルヴィン「これよりウォール・ローゼに沿って移動。索敵陣形は解除する。」



    コニー「ついに壁にぶつかっちまったぞ……?陣形って今どうなってるんだ?」

    ミカサ「陣形はもう無い。解除命令が口頭で伝えられた。私たちはローゼに沿って移動する」

    コニー「……?なんで一旦壁から離れてまたくっつくんだ?」

    コニー「エルヴィン団長は地図読み間違えちゃったのか?」

    ミカサ「……そうではない。上を見て」

    調査兵「装填!本隊に巨人を近寄らせるな!」

    コニー「壁上に兵士!?」

    ミカサ「主に大砲で巨人を排除してくれた。これからも支援してくれる。」

    ミカサ「そして私は特殊作戦班として、前方と左翼の巨人を掃討する」パカラッパカラッ

  175. 178 : : 2015/08/29(土) 22:50:53



    アニ「(……ローゼに沿って移動……!?)」

    アニ「(これじゃ、右側が壁に阻まれて左から来る巨人を回避できない……)」

    アニ「(壁上砲の支援があるからといって、巨人との戦闘は避けられない悪手……!)」

    アニ「(どうしてこんな……)」

    調査兵「5m級接近!」

    調査兵「壁上砲じゃこっちが巻き添えを食う距離まで詰められた!」

    巨人「アー」ドシンドシン

    ミカサ「……」ヒュンヒュン

     ズバン!

    ミカサ「……ふう」ヒュン

    調査兵「気を抜くな!まだまだ来るぞ!」

    ミカサ「………」ヒュンヒュンヒュン


    エルド「シッ!」

    グンタ「らっ!」

    ズババン!!

    ペトラ「次!」

    オルオ「ガリッ」

    ズババン!!

    調査兵「照準!撃て!」

    ドォン!!

    リヴァイ「…………」

     オ ォ ォ ン ..

    ズババババババン!!

    リヴァイ「…………」

    オルオ「お見事です兵長!」


    クリスタ「あれが……人類最強……」

    クリスタ「……エレンの方が強いと思うな」

    ユミル「そうだな。しかし何だってんだこの有様は。これじゃ巨人と戦争しに来たみたいだ……」

    コニー「あれ?訓練では確か壁外調査じゃいかに巨人と戦わないかって……あれ?」

    アルミン「…………」

    コニー「……お、サシャ!なぁ、ジャン見なかったか?なんか見かけないんだけど……」

    サシャ「わん」

    コニー「……?」

    アルミン「………ジャンだね。………うん。さっき見かけたけど。元気そうだったよ。」

    コニー「そ……うか?ならいいんだが……なんか、壁外出てから一度も見てないから……」


  176. 179 : : 2015/08/30(日) 00:04:49




    ~ウォール・ローゼ最北 ユトピア区~




    ライナー「そろそろ……か……」

    ベルトルト「…………」

    ライナー「調査兵団が壁外調査に出てから半日は経つ。もうだいぶ離れているだろう」

    ベルトルト「……憲兵団があれほど腐っていたとはね……」

    ライナー「ああ……驚いた……。だが、だからこそこうも簡単に抜け出せた」

    ライナー「サボりなんざ日常茶飯事だし、憲兵の制服着てりゃ駐屯兵でさえ不審に思わん」

    ライナー「……こんなに堂々と立体機動装置つけててもな」

    ベルトルト「………アニ、大丈夫だろうか」

    ライナー「……エレンが守ってるだろ。そして俺達は、そのエレンを避ける為にここにいるんだ」

    ベルトルト「そうだね……」

    ベルトルト「……じゃ、やるよ。今、ここで。」

    ライナー「ああ……勝負は今、ここで決める。頼んだぞ」

    ベルトルト「うん。行ってくる」

     プシュゥゥゥゥ

    ベルトルト「……憲兵の制服着てるだけで、無断で立体機動で壁に上ることさえ見て見ぬふりか……」

    ベルトルト「……そうだ……こんな腐った人類……滅ぶしかない……滅ぼすしかないんだ……!」


       タッ!

     ガリッ!!

     
      カ ッ ! !


     ド ォ ン ! !


    超大型巨人「(……ここを壊す……僕等は戦士だ……!このままシーナまで落とす!!)」


     ヴォシュヴォシュッ 

      
       ズ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ バ ァ ン ! !


    超大型巨人「(…………え…………?)」

    超/大/型/巨/人「(………………あ……れ…………?  アニ……)」


    ド ズ ゥ ゥ ゥ ゥ ン .....!!


    シーン……


    ライナー「………?扉が………破壊されない?」

    ライナー「何やってんだベルトルトの奴……」プシュゥゥゥ


    ライナー「おい、ベルトルト!!一体何……!!」


     「 お い …… 一 体 何 を や っ て い る ? 」


    ライナー「…………え?」


    ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


    ライナー「………………え?」


    エレン「もう一度聞く。ここで一体、何をやっている?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    エレン「なぁ…… ライナー……!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


    ライナー「(黒……い………)」

    ライナー「(これが………死……神………?)」


  177. 180 : : 2015/08/30(日) 00:09:28



    ライナー「エ……エレン………お前……どうして……ここに……?」

    ライナー「へきがっ……そう!壁外調査に行ったんじゃ……!」


    エレン「ベルトルトの名を呼んでいたが……どうした?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


    ライナー「ベッ……その……ベルトルト……と……そう、任務で……」

    ライナー「憲兵団の任務、で……ユトピア区の壁の、その、補強具合、をだな……」

    ライナー「だが……先に行ったベルトルトが……戻って……いや、いつまで経っても返事がなくて……」

    ライナー「お、大きな音は聞こえるし……何か、あったのか、と、思ってだな……」


    エレン「……目を疑った……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    エレン「ベルトルトが壁に上って来て……なにやらブツブツと……」ゴゴゴゴゴゴゴ

    エレン「腐った、だの……人類を滅ぼす、だの……」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

    エレン「まるで何言ってるのか……で、見てたら………」ゴゴゴゴゴ

    エレン「ベルトルトの奴……飛び降りて……光ったと思ったら……」ゴゴゴゴゴゴ

    エレン「壁をぶっ壊した超大型巨人になりやがった……!!」ゴゴゴゴゴゴゴゴ


    ライナー「…………!!………ハハ……そんな………バカな。」

    ライナー「超大型巨人が出たって言うのなら……どこ行った……?」


    エレン「アルミンや……調査兵団の皆が作ってくれたこの刃……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    エレン「こいつでうなじの辺りを……30cm単位でキザんで……」ゴゴゴゴゴゴゴ

    エレン「衝撃波で吹っ飛ばしてやったら……蒸発して消えたが……」ゴゴゴゴゴゴゴ

    エレン「………殺せたのかな……手応えはあったが………」ゴゴゴゴゴゴゴゴ


    ライナー「!!!!!」

  178. 181 : : 2015/08/30(日) 00:11:42


    エレン「だが……ベルトルトが巨人になったんだ……」ゴゴゴゴゴゴゴ

    エレン「教えてくれよ………これって………ベルトルトを殺したって事か………?」ゴゴゴゴゴゴ

    エレン「つまり………マリアのみんなは………ベルトルトに殺されたって事か………!?」ゴゴゴゴゴゴ


    ライナー「…………!!」

    ライナー「………ハ、ハハッ……!」

    ライナー「ハハハハハハハハハッ!!」

    ライナー「エレン……お前……疲れてんだよ……!!」

    ライナー「そんな真っ黒な服着てさあ……ベルトルトが巨人になった!?何言ってんだ!?」

    ライナー「つまり、今、超大型巨人が現れて……」

    ライナー「お前が、仕留めたって、それ、それだけの、話だろ!?」

    ライナー「お、大手柄じゃないかエレン!!あの超大型を!あの超大型を仕留めたんだぞ!?」


    エレン「じゃあ……ライナー……教えてくれよ……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

    エレン「ベルトルト………どこ行った?」ゴゴゴゴゴゴゴゴ


    ライナー「さ、さあな…!!その辺でサボってるんだろ!!憲兵団は腐敗、してるんだ!!」

    ライナー「任務ってのも実はウソで、俺達はここにサボりに来たんだ!!」

    ライナー「ユトピア区に、その、なんだ!穴場の居酒屋があるって聞いてな!!」

    ライナー「憲兵団じゃ!ガキでも普通に酒飲んでるんだぜ!!??」

    ライナー「そう!なかなか見つからないから!!壁の上から探そうとしたんだ!!」

    ライナー「そしたら!超大型が出たっていうじゃないか!!お前が!」

    ライナー「これはサボってる場合じゃないな!!報告に帰ろうぜエレン!!」


    エレン「………そうだな……報告……しなきゃな……」ゴゴゴゴゴ


    ライナー「そうだぜ!!なんたって、なんだその黒い格好!格好良いじゃねぇか!!」

    ライナー「そんな、人類の希望のお前が!超大型巨人を!!仕留め、仕留め、殺、殺、殺し……!!」

    ライナー「……めでたいことじゃないか!!なあ!!久しぶりに会えたし!!嬉しいし!!」

    ライナー「これはやっぱ、穴場の居酒屋探すしかないな!!祝杯だな!!」


    エレン「……なあ、ライナー……」ゴゴゴゴゴゴ

    ライナー「何だっ!?未成年だから酒飲まないとでも言うのか!?」

    エレン「……めでたい……事なんだよな……」ゴゴゴゴゴゴゴ

    ライナー「そうだっ!!人類が勝利に近づいたんだぞ!!凄いことだろが!!」

    エレン「じゃあ……何で……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


    エレン「お前…………さっきからずっと……泣いてんだ……?」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


    ライナー「……………え……?」

      ポトッ

    ライナー「……え……俺……泣……」ポロポロ


    ライナー「……こ、これは嬉し泣きだ!!」

    ライナー「か、感極まったんだ!!ついに超大型を排除したんだ!!」

    ライナー「うれ、嬉しいに決まってるだろ!!?」


    エレン「ライナー」ゴゴゴゴゴゴゴ


    ライナー「嬉しいに……決まってるだろ……畜生……ベルトルト……!!」ポロ

    ライナー「…っく……うう……ううう!!」ポロポロ


    エレン「ライナー。」ゴゴゴゴゴゴゴゴ


    エレン「ベルトルトが……超大型巨人だったんだな?」ゴゴゴゴゴゴ


    ライナー「………………」

    ライナー「………」ゴシゴシ

    ライナー「エレン。どうして……ここにいる。」

    エレン「………」ゴゴゴゴゴ


  179. 182 : : 2015/08/30(日) 00:14:20



    ~回想~



    アルミン「エレンを……連れて行かない、ですか?」

    エルヴィン「そうだ。」

    エルヴィン「5年前、壁が破られた時……」

    エルヴィン「最も巨人との戦闘に長けた我々調査兵団は、壊滅的打撃を受け帰還直後だった」

    エルヴィン「トロスト区襲撃の際、我々調査兵団は……壁外調査により不在だった」

    エルヴィン「報告によると、超大型巨人には知性がある」

    エルヴィン「……今回、彼らにとって最も脅威なのは何だ?」

    エレン「………俺……?」ゴゴゴゴゴゴ

    エルヴィン「そうだ。君の力が最大の障害だ。」

    エルヴィン「そして彼ら……巨人勢力とでも呼ぼうか。彼らは我々調査兵団も脅威と見なしている」

    エルヴィン「この2つが壁内から消えた時、彼らは攻撃を仕掛けてくるだろう。そこを叩く」

    アルミン「ちょっと待って下さい!エレンを連れて行かないのに、エレンを壁内から消すとは?」

    エルヴィン「……正確には、『エレンは壁外に行った』と思わせる」





    エルヴィン「5年前に破壊されたのは、マリア南端のシガンシナ区だ。」

    エルヴィン「今回はローゼ南端のトロスト区だ。」

    エルヴィン「しかし彼らは、そのままトロスト区の内門を破ればいいのに……」

    エルヴィン「なぜかエレンによって穴が塞がれても何もしなかった。」

    エルヴィン「なぜ知性巨人は何もしなかった?」

    アルミン「………」

    ミカサ「………」

    エレン「………まさか、俺……?」ゴゴゴゴ

    エルヴィン「推測ではそうだ。」

    エルヴィン「5年前も、シガンシナ区の南門が破られた時はマリアは破られていなかった。」

    エルヴィン「……しかし話を聞く限り、エレンがローゼ付近に避難したと見るやいなや」

    エルヴィン「ウォール・マリアへの内門を破った。」

    エレン「………」ギリ

    エルヴィン「……人類の当面の目的は、彼ら壁を壊す巨人の排除だ」

    エルヴィン「しかし、エレンがいる所には彼らは来ない。」

    エルヴィン「だが超大型巨人の出現・消失時の報告を鑑みるに……」

    エルヴィン「エレンによる電撃的な攻撃以外での排除は望めない。」

    エルヴィン「そして、こうしている間にもエレンのいない区が……」

    エルヴィン「今まさに破られようとしているかもしれない。」




    エルヴィン「そこで、だ。エレン。君には『英雄』になってもらう」

    エレン「『英雄』……?」ゴゴゴゴ

    エルヴィン「そうだ。超常的な力を操り人類を勝利へ導く英雄。」

    エルヴィン「その英雄が、マリアを取り返す為に……大掛かりに壁外へ出撃する……と」

    エルヴィン「とにかく派手に流布する」

    アルミン「しかし、情報だけで知性巨人が騙されるでしょうか……?」

    エルヴィン「無理だろう。だから、少し大掛かりな芝居を打つ必要があるな」



    エルヴィン「芝居の内容はともかく。エレンが扉の防衛の為にローゼ内に残ったとして……」

    エルヴィン「恐らく、エレンがいるのとは別の区が襲われるのは目に見えている」

    エルヴィン「そこでだ。アルミン」

    アルミン「! はい!」

    エルヴィン「仮に、君が知性巨人だとして……」

    アルミン「…………」

    エルヴィン「エレンがウォール・マリアの穴を塞ぐ為にシガンシナ区へ向かったとする。」

    エルヴィン「君なら、どこを叩く?」

    アルミン「…………エレンの脅威を鑑みるに……エレンから最も遠い場所に位置する……」


    ~~~~~~~~~


    エレン「ここ……。最北のユトピア区だ」ゴゴゴゴゴゴゴゴ

    ライナー「…………」

    エレン「巨人は南から来る……という通説もあったし……」ゴゴゴゴゴ

    エレン「知性があるなら裏をかいて北から来る……と……」ゴゴゴゴ

    エレン「団長らは読んだ」ゴゴゴゴゴゴゴ

    ライナー「…………まんまとはまったってわけか……」

    エレン「俺は……ただずっとユトピア区壁上の物陰に隠れて待機……」ゴゴゴゴ

    エレン「………まさか本当に来るとは……俺も思ってなかったよ……」ゴゴゴゴ

    ライナー「じゃあ、何だ。お前にしか引っ張れない荷車とか……」

    ライナー「それを引っ張って、今壁外に出てるのは何者だ」

    エレン「ジャンだ」ゴゴゴ

    ライナー「!?」

  180. 183 : : 2015/08/30(日) 00:19:19


    ~回想~


    ハンジ「これが『多連結特殊荷車』。君にしか引っ張れないだろうね。」

    エレン「はぁ……じゃあ、これが壁外に出てるって事は、俺が壁外に出てるって事になるのか……」ゴゴゴ

    エレン「……??ん?じゃあどうやってこれを壁外に引っ張るんですか?」

    ハンジ「ふっふっふ~。こいつが君にしか引っ張れないのは……」

    ハンジ「あくまで『マリアの穴を塞ぐ為の物資を積んだ状態』での話だ」

    エレン「………!?」ゴゴゴゴ

    ハンジ「たとえば……この石材……とか……私みたいな普通の人間が片手で……」

     ヒョイッ

    エレン「!?」ゴゴゴゴ

    ハンジ「ふふふ。びっくりした?びっくりした!?触ってごらん。ほら」ヒョイ

    エレン「………!?この感触……紙!?」ゴゴゴ

    ハンジ「正確には特殊防水紙だけどね。雨振ったらバレるでしょ。普通の紙だと」

    エレン「じゃあ……本番で使うのは……」ゴゴゴゴ

    ハンジ「そう。ぜーんぶ、ハリボテ。」

    ハンジ「これなら予備の馬を総動員させればなんとか引っ張れるんだよねー。」

    エレン「……ん?でも俺が引っ張らないとバレるんじゃ……」ゴゴゴ

    エルヴィン「その件なら心配無用だ。」

    エレン「団長……と……」ゴゴゴゴ

    ジャン(黒髪カツラ)「…………」ピキピキ

    エレン「………お前………ジャン……か……?」ゴゴゴゴゴ

    ジャン(黒髪カツラ)「笑うなよ!?絶対笑うなよ!?何で俺なんだよ……」

    エルヴィン「アルミンの推薦だ」

    ジャン(黒髪カツラ)「あの野郎……また貸しを増やしていきやがっていつどう返してくれるんだ」

    ハンジ「ぶははははははは!!……ごめんごめん。で、ジャンにはこれに乗ってもらう」

    ハンジ「高速車椅子。座席は高い位置。走ってるように見える為に大きな車輪に足の形の板が二枚……」

    ハンジ「これに座った状態で多連結特殊荷車の先端にくっついてもらう……」

    ハンジ「予備の馬総動員で引っ張らせるニセモノの物資。その先端にはニセモノのエレン……」

    ジャン(黒髪カツラ)「……偽物のエレンとか言われるとなんか腹立つ……!!」

    エルヴィン「ちなみにこのカツラは私物だ。大事に扱ってくれ」

    ~~~~~~~~~~~


    エレン「さすがに出発の時はバレるから俺が引いてた……」ゴゴゴゴゴ

    エレン「援護班がわざと取りこぼした10m級の巨人が襲ってくる時……」ゴゴゴゴ

    エレン「全員がその巨人の方を見たその一瞬を突いて、俺はジャンを荷台から車椅子ごと放り出し……」ゴゴゴゴ

    エレン「こっそりローゼの上にジャンプして、ここユトピア区目指して全速力で走った……」ゴゴゴゴ

    エレン「当然、ジャンには俺と同じ服を着せてある……特殊兵専用の黒い服だ」ゴゴゴゴ

    エレン「……作戦を知らされていない一般の調査兵から見ても、俺に見えるだろう」ゴゴゴゴゴ

    ライナー「……なんでそんなに真っ黒なんだ……」

    エレン「……アルミンによると、俺専用に作ると熱や衝撃の関係でこうなるらしい……」ゴゴゴゴゴ

    ライナー「……作戦を知ってるのは誰だ?」

    エレン「エルヴィン団長と、5年以上前から調査兵団で生き残ってる人……」ゴゴゴ

    エレン「ミカサとアルミン……ジャン……それとサシャだ」ゴゴゴゴ

    ライナー「サシャ!?」

  181. 184 : : 2015/08/30(日) 00:24:13


    ~回想~


    エレン「サシャ。今からとても大事な話をする。いいか?」ゴゴゴゴゴ

    サシャ「わん」

    エレン「俺は今度の壁外調査に行かない」ゴゴゴゴ

    サシャ「!?」

    エレン「そういう作戦だ。代わりに超大型巨人を倒してくる」ゴゴゴゴ

    サシャ「………!!」

    エレン「お前、俺が近くにいるかどうか大体わかっちゃうだろ?」ゴゴゴゴ

    サシャ「あ、はい。なぜか。」

    エレン「壁外調査中、俺がいないって事がお前の口から漏れたら困るんだ」ゴゴゴ

    サシャ「………!」ムググ

    エレン「……息は漏らしてもいいぞ」ゴゴゴ

    サシャ「! ぷはぁ。はぁ。はぁ。」

    エレン「いいか。俺がいないから壁外調査は非常に危険になる」ゴゴゴ

    サシャ「…………ゎん」

    エレン「だが……人類の為なんだ。どうか、頑張ってくれ。」ゴゴゴ

    サシャ「わん!」

    エレン「この事は、絶対に誰にも言うなよ。ミカサとアルミンがごまかしてくれる手筈だ。」ゴゴゴ

    サシャ「わん」

    エレン「だが、ミカサとアルミンにも言うな。誰が聞いてるか分からない」ゴゴゴ

    サシャ「わん」

    エレン「俺が戻ってくるまでだ。それまで、絶対に、誰かに言ってはいけない。いいな?」ゴゴゴ

    サシャ「わん」

    ~~~~~~~~~


    ライナー「そうか……しかし、ジャンが……変わったんだな……」

    ライナー「俺の知ってるジャンは……自分の事しか考えない男だった……」

    エレン「ああ……俺も驚いたよ……」ゴゴゴゴゴ

    エレン「ジャン……実は責任感も強くて……面倒見もよくて……情にも厚くて……いいやつなんだよ」ゴゴゴ

    ライナー「褒めすぎだな……本人が聞いたらどうなるか、思い浮かぶよ……はは……」

    エレン「………そうだな」ゴゴゴゴゴゴ

    ライナー「…………」

    エレン「…………」ゴゴゴゴゴゴ

    ライナー「………ここまで話した……って事は、このまま俺を見逃すつもりはないんだろ?」

    エレン「……ああ………」ゴゴゴゴゴゴ

    エレン「……信じたく……なかったよ………お前も、ベルトルトも……」ゴゴゴゴゴゴ

    エレン「ずっと、俺達を騙してたなんて………どうしてだよ……」ゴゴゴゴゴ

    ライナー「…………言い訳をするつもりはない。」

    エレン「………お前も、巨人なんだろうな……このまま、連れて行くぞ」ゴゴゴゴ

    エレン「洗いざらい、喋ってもらわなきゃならない」ゴゴゴゴゴゴ

    ライナー「…………そうはいかないんだよ……悪い、な……」

    ライナー「覚えてるか?対人格闘……最初、俺はお前に騙し討ちを仕掛けた」

    エレン「………ああ……」ゴゴゴゴ

    ライナー「だから知ってる……もう、ここまで来てごまかしが通用するお前じゃない」

    エレン「………俺に勝てると思うのか……?」ゴゴゴゴ

    ライナー「さぁな。だがもう騙し討ちはしない。」


    ライナー「宣言する。これから、ユトピア区の扉を二つとも破壊する!!」


      ガリッ!!

     カ ッ ! !


    鎧の巨人「(…………本当にすまなかった。エレン。だが……!)」ドォォォン……

    鎧の巨人「(せめて、あとこの命一つで我慢してくれや!!)」ドッ!


     ドドドドドドドドドド!!


  182. 185 : : 2015/08/30(日) 00:26:25


    エレン「ユトピア区内で巨人に……?あいつ……宣言通り扉に向かってやがる……」ゴゴゴゴ

    エレン「………」シュッ

      ガ キ ィ ィ ン ! !

     ドドォン!!

    鎧の巨人「(ぐおっ!!……刃は通らないのに、圧力だけで俺を吹っ飛ばすか……!!流石だな!!)」

    エレン「……特別製の刃が折れた……なるほど……お前が『鎧の巨人』か……」ゴゴゴゴ

    エレン「………やっぱり、素手か……」ゴゴゴゴ

     フッ

    エレン「………らっ!!」ゴゴゴ

     ゴシャッ!!

    鎧の巨人の頭部「」ブチブチブチッ

     ドォン!

    鎧の巨人「(……!蹴り、か……!?頭部が吹っ飛んだ……!!)」ユラ

    エレン「……フー……」ガシッ

     ビキビキビキビキビキビキッ

    鎧の巨人「(……!!腕がねじ切られた……!?)」

     ミシミシミシビキビキビキ

    エレン「おおおおおお!!」ゴゴゴゴゴ

    鎧の巨人「(……勝負にならない……あっという間に頭・両腕・両脚がもぎ取られた……!!)」

    鎧の巨人「(だが時間で再生する!もうもぎ取る部分は残ってないぞ!!)」


    エレン「なぁ……ライナー……」ゴゴゴゴゴ


       ゴン!!


    エレン「こうするしか………なかったのかな………」ゴゴゴゴ


     ゴィン!!ゴン!!ゴィン!!


    鎧の巨人「(……何だ……?拳……?殴られている……?)」


    エレン「俺……俺もさ……小さい頃からさ……」ゴゴゴゴ

    エレン「バケモノだって……呼ばれ続けてたからさ」ゴゴゴゴ


      ガン!!ゴン!!ガン!!ゴォン!!


    鎧の巨人「(……どこだ、どこを殴られている……!?)」


    エレン「お前らも……バケモノだろ……?」ゴゴゴゴゴ


      ガン!!ゴン!!ガン!!ゴン!!


    鎧の巨人「(特定できない……!?まさか……!!)」


    エレン「お前らと……共存……するような道もさ」ゴゴゴゴゴゴ


       ゴァン!!ゴガン!!ガン!!ゴガン!!


    鎧の巨人「(全身の装甲を、全方位から殴られている!!?)」

    鎧の巨人「(まずい……!自分の装甲の圧迫が……!)」


    エレン「なかったのかな……とかさ……思ったり……さ……!」ゴゴゴゴゴゴ


       ガン!!ゴガン!!ガガン!!ガン!!


    鎧の巨人「(本体が……!!苦しい……!!潰れ……!!)」


    エレン「なぁ……教えてくれよ……ライナー……!」ゴゴゴゴ


     ゴン!!ガン!!ゴン!!ガン!!ゴン!!ガン!!


    鎧の巨人「(あ……!!ああぁ……!!アあァぁぁぁぁ!!!!!)」


    エレン「……他に……道は無かったのかよ……」ゴゴゴ


      ゴン... ガン... ゴン... ガン....


    鎧の巨人だった硬い球体「」シーン...


    エレン「教えてくれよ……ライナー……ライナァァァアアアア!!」ゴゴゴゴゴゴ


    エレン「フー…… フー……」ゴゴゴゴ

      ポロ ポロ……

    エレン「……涙……か……。なんか……久しぶりだな……」ゴゴゴ




  183. 186 : : 2015/08/30(日) 00:29:46





    ~壁外 ローゼ付近 調査兵団~



    調査兵「うわあああ!!」

    ペトラ「でぇいっ!」ズバッ

     ズシーン...

    エルヴィン「負傷者は壁上に運べ!」

    グンタ「……犠牲者が増えてきた……」ズバッ

    エルド「正面からの巨人を討伐するまで進めないからな……」ズバン ズシーン

    エルド「加えて平地での立体機動……人も集中するから巨人も集まる……」

    エルド「このままだと長く保たないぞ……」

    オルオ「チィッ!ガスと刃を補給してくr」ガリッ

    エルド「オルオの舌も長く保たないぞ……」


     ドシンドシン

    ナナバ「後ろの巨人が追いついてきた……!」

    ゲルガー「……そろそろ気付けに一杯欲しい所だぜ……!」ズバッ


    ミケ「……囲まれたな……」スンスン

    ハンジ「陣形を解除してローゼにくっついて進んでるからね……」

    ハンジ「縦に長い形になってる。横からの巨人には対処しきれない」プシュゥゥ

    ハンジ「かもねッ!!」ズバン!!

    ミケ「……フッ」ズバン!!



    リヴァイ「俺は正面の巨人を掃討する」

    リヴァイ「お前は側面を援護しろ」

    ミカサ「了解」


     ォ ォ オ オ ン

     ヒュンヒュンヒュン

     ズバババババッババババッバババババババン!!


    ユミル「おーおー。準バケモンが二人いりゃあ壮観ですこと……」

    クリスタ「……?アニ?壁を見上げてどうしたの?」

    アニ「………」

    アニ「(おかしい……壁上の兵士は相変わらずこっちに砲撃している……)」

    アニ「(ローゼが破られれば彼らに報告が行くはず……)」

    アニ「(つまり、まだ壁は破られていない……?どうして……?)」

     パシュゥゥゥゥゥゥゥゥ……

    アニ「……!?」

    クリスタ「え?壁上から……黄色の信煙弾……?」




    エルヴィン「……………」

    エルヴィン「最優先で伝達!!総員!!立体機動で壁を上れ!!!」


    アニ「!!?」


    コニー「え!?壁を上るのか!?ここで壁外調査は終わりか!?」プシュゥゥ

    ハンジ「……どうやら、うまくいったみたいだね」プシュゥゥ

    ユミル「あぁ?なんだこの命令……まぁ帰れるならいいが……」プシュゥゥ

    クリスタ「え?え?馬はどうするの?物資は?」プシュゥゥゥ

    サシャ「わん」プシュゥゥ


    ミカサ「エレン……やったのね……」

    リヴァイ「ボサっとするな。俺達は撤退の支援だ」


    アニ「え……?え……? 一体、何が起こっているの……?」プシュゥゥ


      プシュッ プシュゥゥゥッ ガリガリ… プシュゥ……


    アニ「……!?エレンが立体機動装置で壁を上ってる?」

    アニ「どうしたんだろう……いつもはひと跳びなのに……」


    ジャン(黒髪カツラ)「痛っ!!痛ぇ!!なんだこの使いにくい立体機動装置は!!」プシュゥ

    ジャン(黒髪カツラ)「何だこのトリガーの数!あと重い!!ボンベも刃も重い!!でかい!!」プシュゥゥ


    アニ「」


    ミカサ「ジャ……エレン。早くのぼって」プシュゥゥ

    ジャン(黒髪カツラ)「お、おうっ、任せ……痛ぇ!!」ガン


    アニ「」

    アニ「………は?」

  184. 187 : : 2015/08/30(日) 00:33:56



    ~ローゼ壁上~



    エルヴィン「…………」


    コニー「もう壁に上って一時間近く経つんだが……お!夕焼けがきれいだ!」

    クリスタ「どうしたんだろう……巨人は馬は狙わないけど、世話しないと……」

    ユミル「そうだな。心配だな。私の世話で我慢してくれクリスタ」



    ジャン(黒髪カツラ)「あー……一日中車椅子にしがみついて予備馬の尻を眺めるってのはキツい……」グッタリ

    ミカサ「ジャン。人に聞こえる……先輩達が人払いしてくれてるけど、上る時誰かに見られた」

    アルミン「お疲れジャン。特殊機動装置2号機使いにくかったでしょ。重いし……」

    ジャン(黒髪カツラ)「それだけじゃねぇよ……なんだこの真っ黒……光で熱がこもって……」ゲッソリ

    サシャ「わん」

     ザッザッザッ

    ナナバ「……!ちょっと、こっちは……!」

    アニ「ちょっと!!どういう事なの!?」バッ


    ミカサ「……アニに見られていたらしい。もっとてきぱき上れなかったのか」

    ジャン(黒髪カツラ)「……なんつーか、あれだ、水くれ……あとこれ取ってもいいか」

    ミカサ「まだ駄目」

    アルミン「アニ、ごめんね、その、説明はあとでするから……」

    アニ「あとでって……!!」


     ダン!!


    エレン「……………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


    ミカサ「エレン!!」

    アニ「エレン……?」

    エレン「……ミカサ……皆無事か……?」ゴゴゴゴゴゴ

    ミカサ「うん……私は大丈夫」

    ジャン(黒髪カツラ)「無傷ってわけにはいかねぇだろ……。今回もだいぶ死んだぜ……」

    エレン「…………そうか……」ゴゴゴゴゴ

    サシャ「エレン様っ……!!」バッ

    エレン「待て。」ゴゴゴゴ

    サシャ「わん」

    エレン「……本当によくやったな。だがまだ、話すのは帰ってからだ。」ゴゴゴ

    サシャ「わん」

    アルミン「お疲れエレン。エレンはまず団長に報告に行って。ジャンはすぐ着替えて」

    ジャン「ふう。ようやくこの熱くて重い格好から解放か……」ヌギヌギ

    アニ「……何が……どうなって……」

    ジャン「……話すのはもうしばらくかかりそうだ……ああエレン。団長にこれ返しといてくれ」ポイ

    エレン「……ああ。」パシッ



    エレン「エルヴィン団長。」ゴゴゴゴ

    エルヴィン「……町に被害は?」

    エレン「……少し。鎧を仕留める時に建物が……」ゴゴゴ

    エレン「その後確認しましたが、怪我人はいません」ゴゴゴ

    エルヴィン「……そうか……鎧も仕留めたか……」

    エレン「………鎧の残骸……というか……鎧の部分は消えずに残りました……」ゴゴゴ

    エルヴィン「……ほう」

    エレン「それを兵団基地まで届けてから来たので少しかかりました。独断で無用な被害を呼びました」ゴゴゴ

    エルヴィン「……そうだな。だが今は……物資を内側に運んでくれ」

    エレン「了解」ゴゴゴゴ

    エルヴィン「馬は当初の予定通りリフトで壁内に運ぶ。」

    エルヴィン「物資は多連結特殊荷車で運ぼう。一度分解して運んでくれ」

    エレン「了解……あ、団長。ジャンがこれを返しておいてくれと」つ黒髪カツラ

    エルヴィン「うむ。よかった。実はお気に入りなんだ」



    ピョーン ピョーン

    ジャン「あー乾いた服で気持ちいい……装置も軽い……」

    コニー「お!ジャン!元気だったか?」

    ジャン「あぁコニー。ちゃんと元気だぜ。……エレンも相変わらず元気だな」

    ピョーン ピョーン

    ペトラ「特殊兵エレン……実際に50mの壁をこうやってジャンプで往復してるのを見るとね……」

    エルド「……しかも荷車ごと物資を持ち上げてな」

    グンタ「あいつを見てると巨人に勝てる実感が湧いてくるよ」

    オルオ「フン。あんな小僧でも少しは役にt」ガリッ

    アニ「(破られていない壁……エレンだと思ったらジャン……でもあの物資はエレンにしか……)」

    アニ「(一体……何がなんだか……)」

    エレン「ハンジさん。特殊荷車の荷物は?」ゴゴゴ

    ハンジ「んー。もう同じ手は使えないと思うし、このまま壁外に破棄しちゃおう」

    エレン「了解です」ゴゴゴ


    ポイポイ グシャ


    アニ「!?」

    アニ「あの石材……不自然に跳ねたあと潰れた……」

    アニ「………まさか……ハリボテ……」


    エルヴィン「……よし。これより我々は壁の内側に降り、ローゼ内側からカラネス区へ帰還する!!」

  185. 188 : : 2015/08/30(日) 00:40:29



    ~ローゼ内 調査兵団基地~



    アルミン「ライナーと……ベルトルトが……?」

    エレン「ああ……俺も未だに信じたくない」ゴゴゴゴ

    エレン「だがあいつらは……目の前で巨人に変身した」ゴゴゴゴ

    サシャ「そんな……」

    ジャン「…………冗談きついぜ……クソ……」

    ミカサ「………」

    エルヴィン「……ライナー・ブラウンとベルトルト・フーバー……」

    エルヴィン「君たち104期訓練兵の……3番と4番だったか」

    アルミン「……はい。」

    リヴァイ「……で?二匹ともしっかり仕留めたんだろうな……」

    エレン「……!……はい……」ゴゴゴゴ

    リヴァイ「結構な事じゃねぇか。これでもう壁を破る奴は……いまんとこいねぇわけだ」

    リヴァイ「いつ第二第三のヤツらが出るかは知らんがな」

    エレン「……あいつらが……人類の敵……」ゴゴゴ

    エレン「あいつら……トロスト区で俺が兵に囲まれた時……真っ先に駆けつけてくれたのに……」



    アルミン「……………」

    エルヴィン「アルミン。君の『気のせい』の件だが。」

    アルミン「……はい……」

    エレン「『気のせい』?何の話だ?」ゴゴゴ

    アルミン「……うん。エレンの言ったその、トロスト区での出来事の話だけどね……」

    アルミン「彼らは、真っ先に駆けつけてくれた……」

    ミカサ「ええ。私も覚えてる。」


    アルミン「……そこに何か違和感を感じたんだ」


    エレン「違和感……?何でだ?」ゴゴゴ


    アルミン「………僕も、誰かが駆けつけてくるだろうとは思ってた。104期の仲間がね」

    アルミン「先陣を切った誰かに続いて、みんなエレンを庇いにくる……そこまで予測してた」

    ジャン「……はぁ?じゃあ俺があそこで面倒臭ぇ事態に首突っ込んだのもお前の計画通りってか?」

    アルミン「状況を元に事態を予測しただけだよ;」

    アルミン「とにかく、あの時のジャンなら……真っ先に来てくれると思ってた。ありがとう」

    エレン「実際真っ先に来てくれたしな」ゴゴゴゴ

    ジャン「………はぁ。それで、返済のご計画は……?」


    アルミン「話を戻すよ。僕はジャンが一番に来てくれると思った。」

    アルミン「でも実際にあの場に辿り着いた順番は?」

    エレン「……真っ先に庇いに来てくれたのが……ライナー……次がベルトル……ト……!!」ゴゴゴ

    ミカサ「………!!」

    アルミン「次に違和感を感じたのは、真っ先にエレンを庇いにきたあの二人が、憲兵団に行った時だ」

    アルミン「なぜ違和感を感じたのかは……明確には分からない……というか直感的で説明が難しい……」

    アルミン「だから、やっぱり気のせいだと思ったんだ。ライナーもベルトルトも仲間だったし……」

    エルヴィン「しかし、彼らは巨人だった。」

    エルヴィン「この時点で、完全に『気のせい』という説は消え去ったと見ていい」


    ジャン「オイオイオイオイオイ!待てよ!次は俺が巨人だとか言い出すんじゃないだろうな!」

    アルミン「……今のところ104期全員に疑いはあるよ。もちろん僕にもね」


    アルミン「エレンが穴を塞いでから、団長に言われて……『気のせい』の件も話したんだ」

    アルミン「それで、念の為……というのかな。団長に頼んで、104期のみんなの身辺を調べてもらった」

    アルミン「戦死者、離脱者も含めて……」

    アルミン「その結果、ライナーとベルトルト……彼らと同じ村の出身の人間が一人いる事が分かった」

    エレン「……それは、誰だ?」ゴゴゴ

    アルミン「思い出して。トロスト区で庇いに来てくれたのは、ライナー、ベルトルト……次は?」

    ミカサ「…………!!!」

    エレン「そんな……まさか……」ゴゴゴゴ


    アルミン「……アニ・レオンハート。彼女の出身地は、『巨人の二人』と同じだった」


    エレン「……!でも、出身が同じってだけで……!」ゴゴゴ

    アルミン「当然そうだ。僕だって友達いなかったから、シガンシナ出身の同年代の子の事なんて知らないよ」

    アルミン「全く関係無いかもしれない。」

    アルミン「でも、もしかしたら、あるかもしれない。」

    アルミン「ライナーとベルトルト……二人とも、皆信用してた。もしかしたらを考えて備えないと……」

    アルミン「巨人には勝てない。」

    エレン「………」ゴゴゴゴ



    アルミン「あの時庇いに来た順で言えば、アニ、ジャン、サシャ、コニー、マルコ、クリスタ、ユミル……」

    アルミン「この辺りは特に疑わないといけない。当然最初からエレンの側にいた僕とミカサも。」

    サシャ「わ、私もですか!?」

    エレン「………;」ゴゴゴゴ

  186. 189 : : 2015/08/30(日) 01:00:40
    期待してる
  187. 190 : : 2015/08/30(日) 08:50:50


    エルヴィン「エレン。壁上で話した……『あれ』を持ってきてくれないか。」

    エルヴィン「途中で基地に預けてきたという、『あれ』だ」

    エレン「え……あんなもの……いえ、はい……」ガチャッ

    アルミン「団長、『あれ』とは?」

    エルヴィン「まぁ、見てくれ」


    エレン「持ってきました……」ゴゴゴゴ

     ズン

    球体「」シーン


    サシャ「……?たま、ですね。」

    エルヴィン「そうだ。みんな、これをどう思う?」

    サシャ「……すごく……大きいです……///」

    エルヴィン「そういうのいいから」

    ミカサ「団長。セクハラです」

    エルヴィン「悪いがシリアスなシーンなんだ。控えてくれ」



    ジャン「……っつっても、玉、としか言えねぇな……表面なんかグシャグシャで……」

    サシャ「あんまり転がりそうではありませんね。運動会には向かないと思います」

    ミカサ「……エレン、これは何?」

    エレン「えーっとこれhエルヴィン「エレン。待ってくれ」

    エレン「あ、はい……」ゴゴゴ

    エルヴィン「皆、思った事を言ってくれ」


    ミカサ「……見ての通り、玉……大きな。」

    サシャ「直径2mくらいですかね?」

    アルミン「……硬いものを無理矢理この形にしたみたいだ……こんな事ができるのは……」

    アルミン「ん、表面に無数の痕……?拳……?」

    ミカサ「!これは、エレンの拳の痕!」

    ジャン「見て分かるもんなのか?;」

    アルミン「まぁ、できるのはエレンくらいだね。恐らく硬い何かを拳で球状に形成したんだろう」

    エルヴィン「……その通りだ。」


    エルヴィン「これは、かつて鎧の巨人だったものだ」


    球体「」


    アルミン「……え?」


    サシャ「ええ!?つまり、鎧の巨人は……エレン様がグーパンチでこんなちっこくしちゃったってことですか!?」

    ジャン「マジかよ……どうしてこんな玉ころにしたんだ?」

    エレン「……刃が通らなかったから……要はうなじを潰せばいいのかと思って全身ごと……」ゴゴゴ

    エレン「まぁ、潰す前に首と両腕と両足をもいだけど……」ゴゴゴ

    ミカサ「凄い……やはり巨人などエレンの敵ではない。」


    アルミン「………巨人の死体なのに……消えてない……?」


    エルヴィン「うむ。今のところそれらしい反応をした者はいないか……」

    エルヴィン「エレンが言うには、しばらくは隙間から蒸気を噴出していたらしい。」

    エルヴィン「恐らく、内部で潰れた死体が蒸発していたんだろう」

    エルヴィン「鎧の巨人の『鎧』は、通常の巨人の肉体とはまた別の存在らしい……」

    エルヴィン「という事が分かっただけだ。」


    エルヴィン「そして『それらしい反応』とは、何の予備知識も無くこの玉を見せられ……」

    エルヴィン「これが『何だったのか』を知らないはずなのに、動揺等を見せる……そういった反応の事だ」


    アルミン「!!」

    サシャ「? ? どういう事ですか?」

    エレン「……全然分からん……」ゴゴ


    アルミン「つまり、事前告知無しでこの玉を見て、動揺した者が……」

    アルミン「『巨人側』である可能性が高い、という事ですね?」


    エルヴィン「そういう事だ。だからエレン。」

    エレン「は、はい……」ゴゴゴゴ

    エルヴィン「今のを、104期の全調査兵の前でもう一度やってくれ。」


  188. 191 : : 2015/08/30(日) 08:57:36




    ~ローゼ内 調査兵団基地 広間~



    エルヴィン「諸君。これを見てくれ。」

    エレン「よっ……」ズシン

    球体「」シーン


    ザワザワ ナンダ? タマ? ウホッ


    コニー「……?いくら俺が天才でもこんな大きなボールでサッカーはできねぇぞ?」

    ユミル「!……ふーん……」

    ユミル「おいクリスタ!団長がお前にタマを見せつけてきたぞ!どうする!」

    クリスタ「……えっ?え?その言い方なんか変な気がするんだけど……;」

    アニ「……(壁は……破られていない……あの色……どこかで……?)」


    エルヴィン「これは、かつて『鎧の巨人』と呼ばれていたものだ」

    エルヴィン「エレンの力により、超大型巨人及び鎧の巨人は討伐された。」



    アニ「!!!(………ライ……ナー……?)」

    ザワザワッ!! ヤッタ! サスガエレン!

    ユミル「ふーん……超大型も、か……」

    クリスタ「すごい……エレン……いつの間に……!」

    コニー「え?あれが鎧の巨人?思ったより丸っこいんだな……」



    アニ「………!!(負けた………!!)」

    アニ「(ライナーも、ベルトルトも……死んだ……)」

    アニ「(私の力では 壁を壊せない……)」

    アニ「(負けた……完全に……)」


    アルミン「…………」

    アルミン「アニ?元気ないね?」


    アニ「!……いや……ようやく人類は……攻勢に出られるんだと思って……」

    アニ「エレン……さすがだよ……みんなの命が報われる……」

    アニ「(……今の私に出来る事は……援軍が来るまでバレないようにすること……!)」


    アルミン「………」



    ~~~~~


    エルヴィン「アルミン。どうだった?」

    アルミン「……はい。全員をくまなく観察していました……」


    アルミン「明らかに動揺するような素振りはありませんでしたが……それらしい反応を見せたのは……」

    アルミン「アニと、ユミル。」

    エルヴィン「……ああ。私にもそう見えた」



    エルヴィン「……とにかく、私はユトピア区での巨人出現の報告をしに一度中央へ行く」

    エルヴィン「ハンジ。あとを任せた。104期新兵をアルミンも含めて監視してくれ。」

    ハンジ「りょうか~い。アニとユミルは特に、だね」

    ハンジ「(『ユミル』……か。偶然じゃないかもしれないよ、イルゼ……)」


  189. 192 : : 2015/08/30(日) 09:02:27



    ~ストへス区 憲兵団支部~


    区長「今回の作戦についていくつか言及させてもらう」

    区長「『演習』名目でローゼ上の固定砲の使用許可を依頼しておきながら実態は実戦に使った件……」

    区長「命令に背いて『特殊兵』を監視無し……単独でユトピア区に放った件……」

    区長「『超大型』が出現する目星がついていながら憲兵団に協力を依頼しなかった件……」


    エルヴィン「……『超大型』『鎧』は壁内に人間の姿で侵入していました」

    エルヴィン「どこに巨人の仲間が潜んでいるか分からない以上、最小限の情報共有のみで作戦を行う必要がありました」

    エルヴィン「被害を出さずに人類の大敵である『超大型』『鎧』を撃破できた件について……」

    エルヴィン「結果論であることは重々承知の上で、評価していただきたく存じます」


    区長「それに関しては評価する。……だが、結局やつらの正体、目的といった情報は得られなかった」

    区長「これではマリアを奪還したとして、また壁の破壊を待つだけではないのかね?」


    エルヴィン「敵が人間の姿でこちらに侵入した、という情報。これだけで充分価値があると思います」

    エルヴィン「……つまり、ヤツらの仲間は壁の中にまだ潜んでいる可能性……」

    エルヴィン「『ない』と言う方が不思議です。必ずいます。」


    エルヴィン「一人残らず追い詰めましょう。壁の中に潜む敵を……」

    エルヴィン「全て……」




  190. 193 : : 2015/08/30(日) 09:10:50


            ~続く~



    とりあえずこれで筆を置きたいと思います
    これ以上は原作の世界観を壊しかねないので。
    もう壊れてるという突っ込みはナシで。
    原作が完結したら続き書くかもしれませんがそれまでは
    別の書こうかどうかまぁ迷い中です
    リクに気まぐれに応えたり応えなかったりするかもですね
    あればの話ですが

    とにかくここまで読んで下さった方ありがとうございました

    感想・質問等コメントして頂けると嬉しいです

  191. 194 : : 2015/08/31(月) 02:08:17
    神作
    続編希望
  192. 195 : : 2015/08/31(月) 02:49:17
    お疲れ様でした!
    まさに神作です
    続編にも期待します!
  193. 196 : : 2015/08/31(月) 22:49:37
    いいですね
    続編希望です
    頑張ってくださいね
  194. 197 : : 2015/09/06(日) 00:52:31
    すごく素晴らしい作品でした。
    期待しています
  195. 198 : : 2015/09/08(火) 16:27:17
    アルミンが切れたところが、面白かった
  196. 199 : : 2015/09/24(木) 21:25:14
    面白いです!期待!!
  197. 200 : : 2015/10/24(土) 01:57:38
    続きどこ

  198. 201 : : 2015/10/30(金) 00:05:30
    ギャグ、シリアス、モブキャラ達の反応、エレンのチートと効果音等、素晴らしかったです。
    この作品は自分が見てきた中で一番の作品です。
    次回作にとても期待しています。
  199. 202 : : 2015/11/01(日) 00:03:52
    マジでおもしもろかったです!!
        続編待ってます!!!!!!
  200. 203 : : 2016/02/20(土) 12:55:53
    おもしろい
  201. 204 : : 2016/02/20(土) 12:57:09
    まだ まd まだなn なのk のかぐはぁ
    まd ま まだn まd ぐはぁ
  202. 205 : : 2016/04/14(木) 20:10:33

    暇だったので短編書きました。よければどうぞ

    エレン「おーい、ベルベルト」ベルベルト「呼んだ?」ヒョコッ ベルトルト「」※短編
    http://www.ssnote.net/archives/45162
  203. 206 : : 2016/05/12(木) 17:32:56
    ゴゴゴゴがいちいち付いててやかましい
    必要な時だけていいと思う
  204. 207 : : 2016/05/14(土) 17:00:18
    いつのまにかゴゴゴゴになれてたwww
    期待!!!!!!!!!!
  205. 208 : : 2016/05/21(土) 15:03:56
    >>206 ssにやかましいって意味わからんのだが
  206. 209 : : 2016/07/09(土) 16:24:39
    エレン強すぎ!!羨ましい
  207. 210 : : 2016/10/04(火) 23:25:37
    >>206 それがいいんだろ
  208. 212 : : 2017/04/03(月) 07:00:47
    何年でも待ち続けるぞ!!
  209. 213 : : 2017/05/07(日) 07:21:21
    続編を見たい!!
  210. 214 : : 2017/07/26(水) 01:28:50
    裁判の時エレンが初めてゴゴゴゴを解いた!
    ニック司祭すげぇ!
  211. 215 : : 2017/07/29(土) 17:09:32


    暇だったのでまた短編書きました。よければどうぞ

    アルミンの憂鬱※短編
    http://www.ssnote.net/archives/54875

  212. 216 : : 2017/07/30(日) 11:39:14
    神作品だぁぁぁぁ!!!ほかみじかいのにこれは長くて読みごたえがありました。作ってくれてありがとう!!!!!!
  213. 217 : : 2017/08/18(金) 20:07:37
    続編希望
    期待です
  214. 218 : : 2017/08/25(金) 00:55:41
    続ききになるーーー
  215. 220 : : 2018/01/08(月) 20:30:38
    なんだこの作品はすごすぎる
  216. 221 : : 2018/01/08(月) 20:32:54
    >>1原作手伝ったほうがいい作品になるジャン
  217. 222 : : 2018/01/15(月) 00:03:30
    確かに(゚∀゚)すごすぎたわ
  218. 223 : : 2018/01/24(水) 10:13:14
    ゴゴゴゴゴゴがゲジュタルト崩壊wwww
  219. 225 : : 2018/06/16(土) 22:19:35
    こ、これは、か、神作やないか…
  220. 226 : : 2018/06/16(土) 22:19:54
    期待やでー
  221. 227 : : 2018/08/16(木) 18:46:41
    面白すぎる
  222. 228 : : 2018/11/17(土) 12:05:04
    続きをおくれ〜
  223. 231 : : 2020/11/13(金) 02:24:02
    何度見直してもとてもおもしろい神作です!

▲一番上へ

名前
#

名前は最大20文字までで、記号は([]_+-)が使えます。また、トリップを使用することができます。詳しくはガイドをご確認ください。
トリップを付けておくと、あなたの書き込みのみ表示などのオプションが有効になります。
執筆者の方は、偽防止のためにトリップを付けておくことを強くおすすめします。

本文

2000文字以内で投稿できます。

0

投稿時に確認ウィンドウを表示する

このSSは未登録ユーザーによる作品です。

「進撃の巨人」カテゴリの人気記事
「進撃の巨人」カテゴリの最新記事
「進撃の巨人」SSの交流広場
進撃の巨人 交流広場