ミケ「エルヴィン率いる」リヴァイ「調査兵団第一分隊の」ハンジ「日常!」
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- 1 : 2015/07/20(月) 22:29:31 :
- 今月号の別冊マガジンの1コマから作りました。
(今月号に関するネタバレになる可能性もあるのでご注意ください。)
キースが団長だった頃(エルヴィンが分隊長だった頃)のエルヴィン分隊のお話です。
今月号の1コマから分隊のメンバーはエルヴィン、ミケ、リヴァイ、ハンジ、ナナバであったのではないかと思っているので、このメンバーで構成しています。
テーマを思いついたら投下する感じですので、亀更新です。
よろしくお願いします。
いつかリヴァイとナナバがメインのSSを書きたいなと思っています。
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- 2 : 2015/07/22(水) 01:46:26 :
- このSSの進行について
各回ごとにテーマがある予定ですので、冒頭にテーマが入ります。
例:episode.〇「〇〇〇〇」
The main character of this episode is 〇〇.
〇〇〇のところにはそのテーマの主人公または視点となる人物の名前が入ります。特に主人公等、設定しないテーマについてはこの記載はありません。
現在、ナナバさんを原作通りの品行方正キャラで行くか、崩すか検討中です。
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- 3 : 2015/07/23(木) 01:15:33 :
- episode.1「ようこそ第一分隊へ」
The main character of this episode is Nanaba
バタバタバタッ
ナナバ「こんなに日に限って寝過すとは!」
調査兵団本部
バンッ
ナナバ「ハァ・・間に合った。」ホッ
ガヤガヤ
ゲルガー「珍しいな、おまえが寝坊か?」ニヤニヤ
ナナバ「ゲルガー、面白がらないでくれよ。こんな大事な日に遅刻せずに良かった。」
ゲルガー「ああ、そうだな。おまえは遅刻してたら削がれていたかもしれねぇな。」ハハッ
ナナバ「えっ!?」
ゲルガー「なんだおまえ、まだ見てないのか!?」
ナナバ「配属表か?まだだけど・・・。」
ゲルガー「そうか、おまえは第一分隊だとよ。さすが首席だな!」
ナナバ「第一分隊・・・」ゴクッ
ゲルガー「なんだビビってるのか?まぁ、いいじゃねぇか。変わり者の集まりとは言え、強者揃いだぜ?しかも死んだ奴がいないっていうじゃねぇか。当分、旨い酒が飲めるぞ!」
ナナバ「ははっ、そうだといいんだけど・・。」
ゲルガー「まぁ、頑張れよ。俺は配属された分隊に挨拶に行ってくるわ。おまえもビビってねえでちゃんと挨拶行けよ?」
ナナバ「ああ・・。」
ナナバ「第一分隊か・・・。」
「調査兵団第一分隊」は最近では街でも有名になっている。有名になっている最たる理由は、壁外に出るたびにその大半は失われるといわれる調査兵団の中でも唯一結成以来、死者を出していない。そして、他にも理由がある。
ダダダダダダッ
兵士A「なんだ?」
兵士B「あれって、ハンジ班長じゃないか?」
ハンジ 「うちの分隊にくる新兵は・・・」ジィー
ハンジ「!!」
クルッ
ナナバ「!!」ビクッ
ハンジ「ナナバっていうのは誰かなー!?」キョロキョロ
ナナバ「ハッ!私ですが・・・。」バッ
ハンジ「いいよいいよ、今は敬礼は。後で嫌でもするんだからさっ。」
ナナバ「はぁ。」
ギュッ
ナナバ「な、なんですか!?」ビクッ
ハンジ「いや、これからよろしくね!」ニコーッ
ナナバ「はい、よろしくお願いします。」
ハンジ「これから挨拶に向かうつもりだったんだろ?案内するよ!」
ナナバ「はい。ありがとうございます。」
ナナバ「(まだ心の準備ができてないけど、まぁいいか。)」
この人はハンジ・ゾエ。調査兵団の役職で言うと班長だ。調査兵団に所属したばかりの頃は班長に学ぶことも多かったから顔は知っている。そしてこの変わり者の集まりである調査兵団の中でも屈指の変人であることも・・・。
ハンジ「さぁ、ついたよ。みんな待ってるからさ!中に入ってよ!」
ナナバ「・・・。」ゴクッ
コンコンッ
「はい。」
ナナバ「本日より第一分隊に配属になりましたナナバです!」
「どうぞ。」
ナナバ「失礼します。」
ガチャ
リヴァイ「・・・。」ジロッ
ミケ「・・・。」スンッ
エルヴィン「君がナナバか。ようこそ第一分隊へ。」
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- 4 : 2015/07/24(金) 01:36:50 :
- episode.2「変わり者の巣窟」
The main character of this episode is Nanaba
エルヴィン「リヴァイ、そんな怖い顔して見たら新兵が硬まってしまうぞ。」
リヴァイ「俺は元々こんな顔だ。」フンッ
エルヴィン「まぁ、そうだな。ナナバ、どうか怖がらないでやってくれ。」ニコッ
ナナバ「はぁ・・はい。(って言われてもな・・。)」チラッ
リヴァイ ジィー
ナナバ 「(無理だろうっ!!)」ゾッ
ハンジ「まぁまぁ、みんな揃ったことだしさっ!自己紹介でもしようよっ!」
リヴァイ「めんどくせぇな。」
エルヴィン「そういうな。では、私から始めようか。私の名前はエルヴィン・スミス。この第一分隊の分隊長だ。君も色々と噂は聞いていると思うが、この分隊はなかなか個性的な面子の集まりでね。と言っても、兵士としての実力は調査兵団一と言っても過言ではない。君が兵士としてこの分隊で大いに活躍することを期待しているよ。」
ナナバ「はい!ありがとうございます!」
この人はエルヴィン・スミス。第一分隊分隊長だ。その明晰な頭脳と統率力で次期調査兵団団長としての呼び声が高い。
ハンジ「じゃ、次はミケね!」
ミケ スッ
ナナバ「(すごい背が高いな・・)」ポカーン
ミケ「俺の名前はミケ・ザカリアスだ。ミケでいい。副分隊長をやっている。よろしくな。」スンッ
ナナバ「はい、よろしくお願いします。」
この人はミケ・ザカリアス。第一分隊副分隊長だ。兵士としての実力はリヴァイさんの次と言われる調査兵団屈指の実力者だ。ほとんど喋らない寡黙な人とは聞いていたけど、話すところは初めてみたな・・。そういえばゲルガーがこの人の近くに行くときは気を付けろって言ってたけど、どういう意味だろう?
ハンジ「はい、次!リヴァイね。」
リヴァイ「なんで、おまえに仕切られなきゃなんねぇんだ。」ハァ
ハンジ「いいから、ほら早く!」グイッ
リヴァイ「俺の名前はリヴァイだ。」
ハンジ「それだけ?」
リヴァイ「ああ、それだけだ。」
エルヴィン「ほかにもあるだろう?」
リヴァイ「・・・よろしくな。」フイッ
ナナバ「はい!よろしくお願いしますっ!」
この人はリヴァイさん。その実力は調査兵団始まって以来の逸材で、街中では「人類最強の兵士」なんて呼ばれている。この第一分隊を有名にしている理由の一つと言っても過言ではないだろう。先輩方からはいい評判ばかり聞くが、新兵の間ではその風貌と雰囲気から恐れられていた。
ハンジ「よしっ!次はいよいよ私だ!」
ハンジ「私の名前はハンジ・ゾエ!班長もやってるから、私の講義とか受けたことあるかな?」
ナナバ「ええ、まぁ。」
ハンジ「じゃ、話は早いね!私は第一分隊の中でも作戦や巨人研究を担当している。巨人に関することなら調査兵団で私の右に出る者はいないよっ!」ドンッ
リヴァイ「巨人に対しての歪んだ執着の間違いじゃないのか?」
ミケ「・・・フッ」スンッ
ハンジ「ちょ、なんだよ!巨人はねぇ・・・!!」
エルヴィン「ハンジ、今日はここまでだ。」
ハンジ「ちぇ。まぁ、このメンバーじゃ一番会話が成立するのは私だと思うから、わからないことがあったら何でも聞いてよ」ポンッ
ナナバ「はい、ありがとうございます。」
リヴァイ「次はおまえだ。」
ナナバ「はっ、はい!!」
ナナバ「わ、私は南方訓練兵団卒業生のナナバです。よろしくお願いしますっ!」バッ
エルヴィン「美しい敬礼だ。歓迎するよ。」
リヴァイ「おい、エルヴィン。涼しい顔しているがおまえはこいつのこと何にも知らないわけではなかったんだろ?」
エルヴィン「そうだ。今期の首席が調査兵団に入ったと聞いてね。ぜひうちに配属してほしいとキース団長にお願いしたのは私だからな。」
ナナバ「そうなんですか・・光栄です。」
リヴァイ「こいつは何考ているかわからないところがあるからな、気を付けろよ。」
ナナバ「そ、そうなんですか?」
リヴァイ「俺が嘘言ってるとでも?」ジロッ
ナナバ「いえっ!!」アセッ
エルヴィン「主な活動は明日からだから、今日はゆっくりしてくれ。」
ナナバ「はい。」
第一分隊は調査兵団の間では別名「変わり者の巣窟」と呼ばれている。今日からこの第一分隊での生活が始まるんだ。
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- 5 : 2015/07/24(金) 01:38:01 :
- ★作者より
出だしは背景説明で硬くなりました。次回からは少しずつラフに行きたいと思います。各エピソードは繋がって読めるようになっています。
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- 6 : 2015/07/26(日) 21:30:04 :
- episode.3「洗礼(1)」
リヴァイ「おい、ナナバ。」
ナナバ「はいっ!」ビクッ
リヴァイ「おまえが使う部屋を案内する。ついて来い。」
ナナバ「はいっ!」
ミケ「俺も自分の部屋に戻る。途中まで一緒に行こう。」スッ
バタンッ
ハンジ「行っちゃったねぇ。」ハァー
エルヴィン「心配か?」フッ
ハンジ「まぁね。あの二人の洗礼は強烈だからさっ。」ヤレヤレ
ハンジ「ま、耐えてもらわないとだね♪」ニヤニヤ
エルヴィン「・・・ハンジ、楽しんでるな?」
スタスタスタッ
ナナバ「・・・あ、あの・・」
リヴァイ「なんだ?」
ナナバ「いえ、リヴァイさんではなく・・その・・。」
リヴァイ「ミケか?」
ナナバ「はいっ・・なぜこんなに近くで匂いを嗅いでるのでしょうか?」アセッ
リヴァイ「そいつの悪い癖だ。初対面の人間の匂いを嗅ぐんだ。」
ナナバ「へぇ・・・。」
ミケ スンスンッ
ミケ「・・・フッ。」ニヤッ
ナナバ「!!」
リヴァイ「そして、勝手に一人で笑いやがる。気持ち悪いだろ?」
ナナバ「はい・・・」
ミケ「・・・。」チラッ
ナナバ「!!」
ナナバ「いえ、そんなことはっ!!」アセッ
ミケ「・・・悪くない。」ボソッ
リヴァイ「だとよ、良かったな。」
ナナバ「はぁ・・・。(ゲルガーが言っていたのはこれか!)」ゾッ
ミケ「じゃ、俺はここまでだ。」
リヴァイ「ああ。おまえの部屋はまだ先だ。行くぞ。」
ナナバ「はい!」
ナナバ「(それにしても・・・何の匂いがするんだろ?)」クンクンッ
リヴァイ「・・・。」ジィー
ナナバ「なんですか?」
リヴァイ「おまえじゃ、わからねぇよ。誰もあいつが嗅いでる匂いは分からん。」
ナナバ「そうなんですか?」
リヴァイ「あいつは鼻がきくんだ。巨人の匂いも嗅ぎ分けられる。」
ナナバ「す、すごい力ですね。巨人探知機みたいだ。」
リヴァイ「巨人探知機?」
ナナバ「何か?」
リヴァイ「ほぉ、おもしろい。」
ナナバ「?」
リヴァイ「着いたぞ。」
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- 7 : 2015/07/26(日) 22:28:09 :
- episode.4「洗礼(2)」
リヴァイ「ここがおまえの部屋だ。」
ナナバ「はい、案内していただいてありがとうございます。」
スタスタッ
ナナバ「(ここがこれから生活する部屋か。)」
リヴァイ「おいっ!」
ナナバ「はいっ!」ビクッ
リヴァイ「何、ボサッとしてやがる?」
ナナバ「えっ?何か問題でも?」
リヴァイ「その机をなぞってみろ。」
ナナバ「はい・・・。」
スーッ
リヴァイ「その手についたものは何だ?」
ナナバ「埃でしょうか?」
リヴァイ「そうだ。掃除しろ。」
ナナバ「はっ?」
リヴァイ「二度言わせるな、掃除しろ。今すぐにだ。」
ナナバ「はいっ!」
パタパタパタッ
サッサッ
キュッキュッ
ナナバ「(すぐに掃除とはどういうことだろ?しかも、ずっと見てるし・・・。)」チラッ
リヴァイ「・・・。」ジィー
ナナバ「よしっ!終わりました。」
リヴァイ「掃除の順序は間違っていない。なかなかいい筋だ。」
ナナバ「はぁ・・・ありがとうございます。」
リヴァイ「だが・・・。」ジロッ
ナナバ「・・・!」ビクッ
リヴァイ「ここをよく見てみろ。」チョイチョイ
ナナバ「はい。」
ジィー
ナナバ「あっ!」
リヴァイ「見えたか?」
ナナバ「はい、隅に埃が・・。」
リヴァイ「こういうところはこれを使うんだ。」スッ
ナナバ「(なんだ、あれ?棒に雑巾を巻き付けてある!)」
スーッ
リヴァイ「ほらっ。」ズイッ
ナナバ「・・・綺麗に取れてる。」パチクリ
リヴァイ「今度からはこれを使え。」ドンッ
ナナバ「ありがとうございます。」
リヴァイ「じゃ、俺は部屋に戻る。」
ナナバ「あ・・・ありがとうございました。」ポカーン
ルンルンルンッ♪
ハンジ「あ!リヴァイ!!どうだった?君の洗礼にナナバは耐えられたかな?」キラキラッ
リヴァイ「何、楽しそうにしてやがる?普通だ。まぁ、どんな奴もおまえよりマシだがな。」
ハンジ「なーんだ。」
リヴァイ「なんだ、だと?」ギロッ
ハンジ ハッ!
クルッ
ガシッ
リヴァイ「・・・逃げるな。」
ハンジ「えっ?逃げてないよ?」ハハハッ
リヴァイ「部屋に帰るついでだ。おまえの部屋の掃除もみてやる。」
ズルズルズルズル・・・
ハンジ「・・・ううっ(余計なことを聞くんじゃなかった。)」
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- 8 : 2015/07/28(火) 22:55:19 :
- episode.5「人類最強の敵」
The main character of this episode is Levi
夕食の時間
ナナバ ヒョイ
リヴァイ「・・・。」
ナナバ ヒョイ
リヴァイ「・・・。」
ハンジ「ねぇ、ナナバ。何してるの?」ヒョコ
ナナバ「み、見ないでくださいよ!」バッ
ハンジ「あれ?ピーマン除いてる・・・。」
ナナバ「うっ!!」アセッ
ハンジ「さては、ピーマン嫌いなんだ!ナナバ、味覚がお子様だなぁー。」ハハハッ
ミケ「・・・フッ。」
エルヴィン「ナナバ、好き嫌いはいけないぞ。」
ハンジ「そうだ♪そうだ♪私が直してあげるよ!」ムフフッ
ナナバ「えっ・・・ハンジさんにだけは絶対にイヤです!」
ハンジ「なんでだよっ!」ガーン
ナナバ「研究の材料にされそうですから。」
ハンジ「・・・(うっ、何も言えない!)」くっ
リヴァイ「・・・ナナバ、食え。」
ナナバ「えっ!?」
リヴァイ「壁外調査に行ったら食糧も限られてくる。好き嫌いなんか言ってる場合じゃないだろ。立派な兵士になるためには食え。」
エルヴィン「リヴァイ・・・まともなことを言うじゃないか。」
ミケ「そうだな。」
ハンジ「見直したよ!リヴァイ!」ガシッ
リヴァイ「うるさい、離せ。俺は当たり前のことを言ったまでだ。」ブンッ
ナナバ「(うーん・・・食べたくない。)」
リヴァイ「何してる?早くしろ。」
ナナバ「リヴァイさんは苦手なものはないんですか?」
ハンジ「あ!リヴァイの苦手なものを知りたい?そりゃ、汚いものだよー!埃とかカビとか・・やつらは我ら調査兵団の誇る人類最強の敵だね!」
ゴンッ
ハンジ「・・・・。」チーン
ナナバ「リヴァイさんは、それ食べれるんですか?」
リヴァイ「はっ?これか?」
ナナバ「はい、それです。」ゴクッ
リヴァイ「このキノコがどうした?」
ナナバ「キノコは菌ですよ?カビとかに近い菌ですから。」
リヴァイ「!!」サーッ
リヴァイ バババババババッ
ミケ「(すごい速さだ・・・そんなに嫌なのかリヴァイ。)」
エルヴィン「ナナバの方が上手だったようだな。なかなか面白い。」
ナナバ「じぁ、食べなくてもいいですか?」
エルヴィン「リヴァイがあれでは何も言えないよ。」フッ
ナナバ「(・・・・よしっ!)」ガッツ
こうして人類最強に敵が一つ増えたのであった。
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- 11 : 2015/07/30(木) 18:01:09 :
- episode.6「おまえはどっちだ?」
夕食後
ハンジ「ねーねー、そういえばさー。」ゴロゴロ
エルヴィン「なんだ、ハンジ?」
ハンジ「今更聞くことじゃないと思うんだけど・・・。」
ミケ「?」
リヴァイ「・・・(食後の紅茶はいいな。)」ズズズッ
ハンジ「ナナバって男?女?」
ナナバ「な、何をいきなりっ!」ガタッ
ハンジ「だってさ、ナナバってとても中性的だから、どっちなのかなーって気になって。」ジロジロ
ナナバ「好奇心満々の顔でこっち見ないでくださいよっ!」
リヴァイ「ハンジ、お前と一緒にしてやるな。」
ハンジ「へっ!?何?リヴァイ、どういう意味?」キョトン
リヴァイ「おまえが日替わりだからって、こいつを一緒にしてやるな。」
ハンジ「はぁ!?私はれっきとした女性だっ!」ダンッ
リヴァイ「巨人にしか発情しない女か。」
ミケ「フッ・・・笑わせるな、リヴァイ。」
ハンジ「兵士でいるとき以外は、ちゃんと女性のはずなのに・・・。」ムムーッ
エルヴィン「ハンジは常に兵士の心を持って研究に取り組んでいるからな。女性に見えないのは私の責任もあるかもな。許せ、ハンジ。」
ハンジ「エルヴィン、さすがは分隊長!紳士!」
ミケ「静かに紅茶を飲みたいだけだな。」
リヴァイ「ああ。」
ハンジ「さぁ、ナナバ!どっちなの答えて!」
ナナバ「どっちって・・・。(改めて聞かれてもなぁ。)」
ハンジ「答えてくれないなら、確かめるまで!」イヒヒヒッ
ナナバ「ちょっと!その怪しい手つき、止めてくださいよっ!変態!」ゾゾっ
リヴァイ「確かにハンジは変態だな。」
ミケ「ああ。」
エルヴィン「否定はできん。」
ハンジ「ちょっと!エルヴィンまで!触るならどっちの性別であったって、女の私が触れば問題にならないだろっ!」
リヴァイ「今日は女か。」
ハンジ「だから、日替わりじゃないっての!」
ナナバ「女性が触ったって、いやなもんはいやですよ!」
ハンジ「ナナバ!覚悟!」ガバッ
ガターンッ
ナナバ「・・・。」ハァ
リヴァイ「ほぉ、かわしたか。」
ミケ「なかなかいい動きだ。」
エルヴィン「さすが今期の全教科首席の優等生だな。」
シュンッ
クルクルクルッ
ナナバ「!!」ササッ
ダンッ!
ナナバ「ちょっと!何するんですか、リヴァイさん!こんな古びたフォークが壁に刺さるなんて、どんな力で投げてんですか!」
リヴァイ「なかなか動けると思ったら、ついな。」
ハンジ「まだまだだよー!」ガバッ
ナナバ「またですかっ!」シュッ
エルヴィン「・・・。」
ミケ「・・・。」
ガタンッ
バタンッ
ナナバ「もう!いい加減にしてださいっ!」ダダダダッ
ハンジ「もう一丁!!」ビョン
リヴァイ「・・・。」スッ
ブンッ
ダァァァァン!!
ナナバ「もう今日は寝ますっ!おやすみなさい!」ダダダダッ
ハンジ「イタタタタタッ!なにすんだよ!リヴァイ!」
エルヴィン「逃げられたか。」フッ
リヴァイ「そんなもん、あいつの同期にでも聞けばわかるだろ。」
ハンジ「確かに!訓練兵なら入浴とかみんなで一緒だし、部屋も男女で別々だもんね!」
エルヴィン「それは無理だな。」
ハンジ「えっ!?なんで?」
エルヴィン「今期の首席は曰くつきだ。」
リヴァイ「曰くつきだと?」
エルヴィン「お前たちはナナバを見てなんとも思わないか?」
リヴァイ「なにも。」
ミケ「ないな。」
ハンジ「・・・・美しいかな?」
エルヴィン「その通り。ハンジが興味を持ったように、中性的に見えるからな。そのうえ、あの美しさだ。訓練兵時代は大変だったそうだ。」
ハンジ「そうなんだ・・・。」
エルヴィン「男女問わずに大騒ぎでそれはそれは大変だったらしいぞ。それで教官たちが考えてナナバだけは個室で入浴も一人だったらしいぞ。それも最後にな。」
リヴァイ「・・・。」
ミケ「・・・。」
ハンジ「そうなんだ。なんかかわいそうだな。」
エルヴィン「本当ならあれだけの実力の首席だ。キース団長が掴んで離さないと思ったんだが、そういう事情で少し迷いがあったらしい。それで私が迎えることにしたんだ。」
リヴァイ「あのおっさん、クソ真面目なところあるからな。」
エルヴィン「そういうわけだ。あまり騒ぎ立てないでやってくれ。」
リヴァイ「ハンジ、わかったか?」ジロッ
ハンジ「わかったよ、今は我慢する。」
どうやら新兵もここにたどり着いたのには理由があるようだ。
そしてその性別は謎のまま・・・。
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- 12 : 2015/07/31(金) 00:31:24 :
- episode.7「扉は開かれる(1)」
ハンジ 「ナナバー?」
エルヴィン「ハンジ、ナナバならいないぞ。」
ハンジ「えっ?そうなんだ。」
エルヴィン「リヴァイと一緒に街に買い物に行ったよ。」
ハンジ「リヴァイと!?」
エルヴィン「何をそんなに驚いてる?」
ハンジ「だって、リヴァイとじゃナナバが緊張しちゃうでしょ。」
エルヴィン「だからだよ。」
ハンジ「?」
エルヴィン「まだまだ私たちに緊張しているからな。特にリヴァイに対して一番緊張しているようだ。」
ハンジ「だから、リヴァイと?」
エルヴィン「ああ。二人で半日でも過ごしてみれば打ち解けるだろう。」
ハンジ「エルヴィンはライオンのように子育て厳しいからなぁ。」ヤレヤレ
エルヴィン「私はおまえたちのお父さんじゃないぞ。」
ハンジ「わかってるよっ!そうやってまた意地悪に真面目に返さないでよっ!」ムムッ
ミケ「(・・・うまくやってるか、あの二人?)」スンッ
その頃・・・
ナナバ「あ、あの・・。」
リヴァイ「なんだ?」
ナナバ「昨夜はすいませんでした。ハンジさんがおかしなことするので騒々しくなってしまって。」
リヴァイ「おまえは謝る必要はない。騒いで襲い掛かっていたのはハンジだ。」
ナナバ「はぁ・・・(やっぱり二人だと余計に緊張するな。)」
ガヤガヤ
リヴァイ「壁外調査が近いからな。それにおまえは部屋を与えてもらったばかりだ。何か揃えたいものがあれば自由に買ってこい。」
ナナバ「はい。」
街人A「あれ、調査兵団のリヴァイじゃないか?」ヒソヒソ
街人B「巨人を一人で何十体も倒すらしいぞ。さすがは人類最強だな。」ヒソヒソ
ナナバ「すごい有名人ですね・・。」
リヴァイ「チッ・・・うるさい野郎共だ。」
ナナバ「みんな、リヴァイさんのこと悪く言ってるわけではないですよ?きっと希望なんだと思います。」
リヴァイ「俺のことを何も知らない奴らに勝手に崇められてもな。おまえだってそうじゃないのか?」
ナナバ「えっ・・・?」
街人C「ねぇ、あの人カッコいいわね。」ヒソヒソ
街人D「見かけねぇ綺麗な姉ちゃんがいるな。調査兵団か?」ヒソヒソ
ナナバ ハッ!!
リヴァイ「・・・違うのか?」
ナナバ「いえ・・・同じです。ずっと嫌でした。自分のことを知らずに見かけだけで判断して騒いで・・・息苦しいなって思ってました。」
店員「おーい!リヴァイの旦那!頼まれてたもの仕入れてますぜっ!」
ナナバ「?」
リヴァイ「そうか、助かる。」
店員「あれ?見かけない子を連れてるねー。新しい兵士さんかい?」
ナナバ「はい。」
店員「リヴァイの旦那、怖いだろ?」ヒヒっ
ナナバ「い、いえっ!!」アセッ
リヴァイ「おい、ジジィ。余計なこと話しかけるな。」
店員「口は悪いし、こんな見た目だけどね。とってもいい人なんだよ。こんな小さな街の商人の役にも立たない老いぼれでもね、困った時には助けてくれるんですわ。」
リヴァイ「チッ、よく喋りやがる。」
店員「はい、これおまけ。」ポンッ
ナナバ「・・・オレンジ?」
店員「どうぞ。頑張んな。」
ナナバ「ありがとうございます。」ペコッ
リヴァイ スタスタスタスタ
ナナバ「・・・街の人には冷たいというわけでないんですね。」ボソッ
リヴァイ「・・・冷たい?」ジロッ
ナナバ「す、すいませんっ!」
リヴァイ「あのジジイは前から知ってるからな。俺を知らないで色々言ってる奴らとは違う。」フイッ
ナナバ「そうなんですか。」
ナナバ「(リヴァイさんは本当はどんな人なんだろう?)」
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- 13 : 2015/08/02(日) 01:11:50 :
- episode.7「扉は開かれる(2)」
ナナバ「では、寄りたい店に行ってきます。」
リヴァイ「ああ。」
一時間後
ナナバ「これでだいたい揃ったかな。」
男の子「うわぁぁぁぁん。」
ナナバ「ん?・・・どうしたの?」
女の子「投げたボールが枝に引っかかって。」
ナナバ「どれ・・?・・・うわぁぁ!!」
リヴァイ「何、驚いてやがる。受け取れ。」ビュン
ナナバ「!!」バシッ
ナナバ「どうぞ。」ニコッ
男の子「ありがとう!」
女の子「木の上の兵士さんもありがとうございます!」ペコッ
リヴァイ「ああ。」スタッ
ナナバ「・・・(やっぱりいい人なのかな。)」
スタスタスタッ
リヴァイ「・・・おまえは俺やエルヴィン達を信頼できるか?」
ナナバ「どうしたんですか、急に?」
リヴァイ「おまえはまだ配属されて間もない。俺たちに緊張してしまうのも当然だ。だがな、調査兵団ではそんなことにいつまでを気を配ってはやれない。」
ナナバ「はぁ・・。」
リヴァイ「どんな状況であれ、壁外調査はやってくる。外では何が起きるかも分からない。どんなに熟練した兵士ですらどうにもならないことだらけだ。」
ナナバ「そうなんですか。」アセッ
リヴァイ「安心しろ。俺はおまえを脅かしたくて言ってるわけじゃない。」
ナナバ「?」
リヴァイ「俺たちもお前に命を預ける。おまえも俺たちに命を預けろ。」
ナナバ「・・・(命を預ける!?)」
リヴァイ「なぜ、俺たちが必ず生きて帰れていると思う?」
ナナバ「皆さんが強い兵士だからではないでしょうか?」
リヴァイ「それだけじゃない。俺たちは互いに信用している。お互いの命を預けられるほどにな。」
ナナバ「・・・。」ゴクッ
リヴァイ「分隊にいる仲間を信用する。それだけだ。出来るか?」
ナナバ「・・・は、はいっ。皆さんの命をお預かりするなんて出来るか不安ですが。」
リヴァイ「バカ野郎。出来るか出来ないかじゃねぇ。おまえがやるかやらないかだ。」
ナナバ「はい!!やります!」
リヴァイ「安心しろ。お前にそんな重さを感じさせないくらいに俺が削いでやる。」
ナナバ「は、はいっ!」
リヴァイ「・・・そういえば、おまえは同期には仲間はいるのか?」
ナナバ「いますけど・・・。」
リヴァイ「どんな奴らだ?」
ナナバ「そうですね、ゲルガーとかリーネやヘニングっていう同期がいます。あとモブリットも。彼らは見た目とか一切気にしなくて、むしろそういう人たちを怒ってくれたりもして。大変な訓練でしたけど、彼らのような仲間がいてくれて良かったと思っています。」
リヴァイ「そいつらも調査兵団か?」
ナナバ「はい。」
リヴァイ「そいつらのことは大事にしろよ。いつかおまえも成長して、そいつらが命預けられるようになれ。そしてそいつらのことを守り抜け。」
ナナバ「・・・はいっ!」
ミケ「・・・戻ってきたぞ。」スンッ
ハンジ「本当に!?」
バタバタバタッ
ハンジ「ナナバ!おかえりっ!」ムギュ
ナナバ「い、痛いですよ。ハンジさん。」アセッ
エルヴィン「おかえり。どうだったかい?少しはリヴァイと仲良くなれたか?」
ナナバ「はい。少しリヴァイさんのことが分かった気がします。」ニコッ
エルヴィン「うん、いい顔だ。」
ハンジ「リヴァイの話はまどろっこしくて分かりにくかったと思うんだけさ・・・」コソコソ
リヴァイ「何、コソコソ喋ってやがる。」ジロッ
ハンジ「単にね、私たちと仲良くしようって言いたかったんだよ。」
ナナバ「へっ?」
ハンジ「私たちはもう仲間なんだ!緊張せずにノビノビとね。」
エルヴィン「ハンジはノビすぎだぞ。」
ハンジ「ここでは敬語も不要だよ!少しずつでもいいから、ねっ?」
ナナバ「はぁ・・・わかりました。」ドキドキッ
リヴァイ「ナナバ、忘れ物だ。」ボンッ
ナナバ「あ・・ありがとう。」ボソッ
ミケ「・・・フッ。」スンッ
エルヴィン「・・・。」クスッ
ハンジ「・・・(よしっ!)。」ガッツ
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- 14 : 2015/08/02(日) 01:34:36 :
- episode.8「モブリット・バーナー」
ハンジ「ナナバ!」バタバタバタッ
エルヴィン「ハンジ、たまには静かに登場できないのか?」
ハンジ「ごめん、ごめん!ナナバは?」
リヴァイ「本部に行ってる。」
ハンジ「えー!聞きたいことがあったのに!」
エルヴィン「その手に握りしめてるのは何だ?」
ハンジ「ああ!そうなんだよ!リヴァイに締め上げられて部屋を片付けてたんだけど・・・。」
リヴァイ「クソメガネ、掃除は終わったんだろうな?」
ハンジ「今はそれどころじゃないんだよっ!」ハーハー
エルヴィン「何をそんなに興奮してるんだ?」
ハンジ「掃除してたらナナバたちの座学試験の答案用紙が出てきてさ、おもしろい奴がいたんだよっ!」グワッ
ミケ「ナナバの成績はどうなんだ?」
ハンジ「ダメダメ!完璧な解答で優等生すぎるんだもんっ!」
リヴァイ「おまえはどんな問題を作ってんだ?」ズイッ
-問.巨人を倒す方法を答えなさい。-
エルヴィン「まともな質問だ。」
リヴァイ「答えはうなじ削ぎだろ?」
ミケ「リヴァイ・・・ざっくり過ぎだろ。」
ハンジ「みんなそう書くんだけどさ、ここだよ!ここ!」
エルヴィン「ほぉ。」
ミケ「・・・。」スンッ
リヴァイ「おまえみたいな奴だな。」
ハンジ「だろっ!」ガシッ
エルヴィン「で、彼を探したいと?」
ハンジ「もちろんだよっ!こんなこと書くなんて!きっと私と彼は気が合うはずさっ!」ルンルン
エルヴィン「気の毒に。」ハァ
ミケ「(・・・匂いだけ嗅いでみたいな。)」スンッ
リヴァイ「そいつは早く逃げるべきだな。」
エルヴィン「で、その彼の名は?」
リヴァイ「・・・モブリット・バーナー?」
ハンジ「(ナナバ、早くかえっておいでー♪)」ワクワク
モブリット・バーナーの解答
-問.巨人を倒す方法を答えなさい。-
頭より下、うなじにかけての縦1m横10cmを狙う
でも他にも急所はあるかもしれません。我々は巨人についてもう少し詳しく知る必要はないのでしょうか。
-
- 15 : 2015/08/02(日) 16:12:00 :
- episode.8「ハンジ撃退法」
-エルヴィンの場合-
バタバタバタバタ
バァァァン!!
ハンジ「エルヴィン!あのさー」
エルヴィン「ハンジ、ノックは?」
ハンジ「えっ?忘れてた。それでさー。」
エルヴィン「ハンジ、この書類の提出を頼んだはずだが・・・。」
ハンジ「(やばっ!)失礼しましたっ!」ビュン
エルヴィン「・・・これはリヴァイに頼んだ書類だ。」フッ
-ミケの場合-
ダダダダダダッ
ミケ「(ハンジ(の匂い)が近づいてくる!!)」スンッ
バンッ!
ヒュッ!
バァァァァン!
ハンジ「ミケ!聞いてよー!」
しーん
ハンジ「って、いない??」
しーん
ハンジ「じゃ、仕方ないか。」ハァ
バタンッ
その頃、屋根では・・・。
ミケ「(・・・しばらくはここで読書でもするか。)」
ミケにしかできない撃退法。
-リヴァイの場合-
ダダダダダダッ
ハンジ「リヴァァァァイ!」
ガチャッ
ハンジ「!!うっそ、開かない!!」ガチャガチャ
リヴァイ「・・・ふん。こっちはてめえのせえで仕事が溜まってるんだ。真正面から殴られなかっただけ助かったと思え。」
ハンジ「なんだよぉ!ケチっ!」ブーッ
-ナナバの場合-
ハンジ「やっぱ、こういうときは優しいナナバだよね!」ウンウン
コンコンッ
ナナバ「はい。」
ハンジ「お邪魔するよ!」
ナナバ「今、取り込んでるんで後にして。」
ハンジ「ナナバにまだ巨人の話をしてなかったよねー。」
ナナバ「(・・・聞いてないな、この人。)」ゾワッ
ハンジ「巨人の捕獲作戦なんだけど、今まで・・」
ナナバ「3回成功している。」
ハンジ「うっ・・!!そうなんだ!それでね・・」
ナナバ「意思の疎通の実験をした。」
ハンジ「ううっ!!そうそれでね・・・」
ナナバ「次は日光の遮断で、次は痛覚。」シラッ
ハンジ「(くっ!!)」
ナナバ「今までやってきたのは過去の捕獲作戦の反復が中心で、その先に移行するには至っていない。調査委兵団としてはチャンスがあれば積極的に捕獲し、新たな巨人の情報入手に努める。」
ハンジ「(ううっ・・・)」タジッ
ナナバ「新しい情報が入ったら聞きますよ。他には?」チラッ
ハンジ「うわぁぁぁん!ナナバの意地悪!!」バタバタバタッ
リヴァイ「あいつ、すっかり馴染んだな。」
エルヴィン「首席らしい撃退法だ。」
ミケ「(・・・敵に回さない方がいいかもしれん。)」スンッ
その頃ハンジは・・・
ハンジ「見てろよー!新しい情報見つけて、いっぱい話を聞かせてやるんだから!」フフフッ
-
- 16 : 2015/08/02(日) 16:13:48 :
- ★作者より
原作と捕獲作戦の成功回数が異なるのは時系列を考慮して設定しています。
-
- 17 : 2015/08/02(日) 16:25:29 :
- episode.9「ミケの鼻」
ナナバ「ミケは本当に鼻が利くね。どれだけ利くの?」
ミケ「・・・もうすぐエルヴィンのところにキース団長がくる。」
ナナバ「あっ!」
トントンッ
ナナバ「!!」バッ(敬礼)
キース「エルヴィンに用がある。」
ナナバ「はい、こちらです!」
スタスタスタッ
ハンジ「そんなに鼻が利くなら、ミケが壁外で指示すればいいんじゃない?」コソッ
ミケ「バカを言うな。俺は作戦までは考えられん。」
リヴァイ「そういえば、前にナナバがおまえのことを巨人探知機みたいだって言ってたな。」
ミケ「探知機か。」
ハンジ「確かにね。ミケの鼻を使わないにしても巨人を察知してうまく避けたり、戦ったりしながら進めばもっと壁外での行動範囲が広がらないかな。」
リヴァイ「鼻以外の察知する方法か。おもしろい。エルヴィンに話してみる価値がありそうだ。」
ナナバ「戻りました。何の話をしてるんですか?」
ミケ「巨人探知機が役に立つかもしれないって話だ。」
ナナバ「?」
これが長距離敵索陣形の始まりだったかも・・・しれない。
-
- 18 : 2015/08/02(日) 17:03:41 :
- episode.10「哀しき別れと優しき仲間」
エルヴィン「ナナバはもう出かけたのか。」
ミケ「ああ、同期の奴らが迎えに来ていた。」
ハンジ「落ち込んでたもんね。」
ミケ「初めての壁外だからな。」
エルヴィン「今回も多くの新兵が失われたからな。」
バンッ!
ハンジ「やっぱり、調査兵団の壁外調査をもう1度見直すべきなんだよっ!もっと上手い方法があっていいはずだっ!」
ミケ「そうは言ってもな。」
リヴァイ「あのおっさんが首を縦に振らないだろ。」
エルヴィン「・・・。」
その頃・・・
ナナバ「うう・・。」
ゲルガー「分かってはいたけど、やっぱり堪えるな。」
モブリット「ああ、一緒に過ごした仲間が目の前で多く失われたんだ。」
リーネ「ほら、ナナバ。しっかり立てる?」スッ
ナナバ「リーネ、ありがとう。」ぐすっ
モブリット「ここに多くの兵士が眠ってるんだな。」
ゲルガー「俺もいつかここに眠ることになるのかもしれないな。」
ヘニング「ゲルガー、そういうこと言うなよっ。」
ゲルガー「悪い・・つい。」アセッ
モブリット「彼らの分まで僕たちは戦おう。」
ナナバ「ああ。」
ゲルガー「そろそろ行くか。」
夕方・・・
ナナバ「・・・戻りました。」
エルヴィン「戻ったか。大丈夫か。」
ナナバ「・・はい。」
エルヴィン「今日は無理するな。ゆっくり休みなさい。」
ナナバ「ありがとうございます。」
ガチャ
ナナバ「・・・!」
ナナバ「(白い花?いい香りだ・・。)」
ミケ「・・・気に入ったか?」
ナナバ「ミケ!これは?」
ミケ「きれいな花が咲いてたからな。よかったらもらってくれ。」
ナナバ「・・・ありがとう。」
コンコンッ
ナナバ「はい?」
リヴァイ「おい、少し下に来ないか?」
ナナバ「なにか?」
リヴァイ「紅茶を淹れてやる。」コポコポ
コトッ
リヴァイ「飲め。」
ナナバ「・・・ありがとう。」ズズズッ
ナナバ「・・・おいしい。いつもの紅茶と違う。」
リヴァイ「ああ・・薬草がブレンドされている。心が休まる効果があるそうだ。今のお前にはちょうどいい。」
ナナバ「(・・・リヴァイさん。)」
ダダダダダダッ
バァァァン!
ハンジ「ナナバー!おかえり!」ギュゥゥゥ
リヴァイ「全く、こいつは直球だな。」
エルヴィン「本当に。」クスッ
ミケ「・・・フッ。」スンッ
ナナバ「ハンジ、痛いって!」
ハンジ「へへへー♪」ムギュゥゥゥ
ナナバ「(・・・みんな、ありがとう。)」ぐすっ
-
- 19 : 2015/08/05(水) 22:37:11 :
- episode.11「対人格闘技術訓練」
ギリギリギリギリッ
ナナバ「ねぇ、リヴァイ・・・。」グググッ
リヴァイ「なんだ?」
ナナバ「なんで対人格闘の訓練相手が毎回私なんだ?」アセッ
リヴァイ「当たり前だ。」
バンッ
ビュン
ダンッ
ガシッ!!
ナナバ「当たり前・・?人類最強を毎回相手する身にもなってほしいよ。」ビュン
リヴァイ「ナナバ、角度が甘いぞ。」スッ
ナナバ「・・・クッ!エルヴィン分隊長にお願いすればいいじゃないかっ!」
リヴァイ「分隊長が一兵士と組むわけないだろ。」
ナナバ「ミケは!?」
リヴァイ「あいつはでかいからな。」ブンッ!!
ナナバ 「背丈ならハンジも同じくらいじゃないか!」
リヴァイ「あいつとなんて組めるか。見てみろ。」
ナナバ「・・・!!」シュッ
リヴァイ「ほぉ、避けたか。」
ハンジ@対人格闘中
ハンジ「モブリットー!これ作ってみたんだけど、君に振りかけていいかな?」ダダダダッ
モブリット「ヒィィィ!これは対人格闘訓練ですよ!」ダダダッ
ハンジ「だって、こんなときじゃないとなかなかモブリットに研究の成果をお披露目できないからさー」ブンッ
モブリット「うわぁぁ!!助けてぇぇぇ!!」
ナナバ「・・・(モブリット、ハンジを紹介してごめん。)」ゾッ
リヴァイ「組めないだろ?」
ナナバ「・・・確かに。」
リヴァイ「やはりおまえは甘いな。」ブンッ
ナナバ「!!」
ビュン
クルッ
ダァァァァン!
ナナバ「イタタ・・・会話しながらの不意打ちなんてずるいよ!」
リヴァイ「戦いにずるいもクソもあるか。次、行くぞ。」
ナナバ「・・もぉ、わかったよ。」ハァ
そしてこれからもリヴァイの対人格闘の相手はナナバのままであった。
その頃、ハンジとモブリットは・・・
キース「こらぁぁぁ!ハンジ!!おまえは対人格闘がなんたるものか分かっているのか!!」グワァ
ハンジ「研究の成果を試したくて、つい・・・。」アセッ
ゲルガー「おーい、モブリット!降りて来いよ!もう大丈夫みたいだぞー!」
モブリット「・・・本当に?(降りたくない。)」ゴクッ
咄嗟にかなり高い木の上に逃げたモブリットであった。
-
- 20 : 2015/08/06(木) 21:41:56 :
- episode.12「ナナバの災難」
エルヴィン「ナナバ、採寸は済んだのか?」
ナナバ「はい。でも一体なんですか?兵服なら間に合ってますし・・。」
ミケ「そうか、知らないのか。」
ナナバ「?」
エルヴィン「年に1度、調査兵団に資金を提供してくれる貴族等を集めてダンスパーティーを開催している。」
ナナバ「へっ!?なんで、そんな・・。」
エルヴィン「我々、調査兵団は常に資金難だ。私たちに資金を出してくれる貴族達は貴重だからな。」
ナナバ「ということはさっきの採寸は・・・。」
リヴァイ「おまえの正装服の用意だな。」
ハンジ「えっ!?どっち?どっち?どっちで作ったの!?」ワクワク
エルヴィン「今回は2週にわたり開催される。招待客は入れ替わる。」
ナナバ「?」
エルヴィン「ナナバには隔週で衣装を替えてもらう、よって両方だ。」ドンッ
ナナバ「ええっ!!!?」
ハンジ「楽しそう!」ワクワク
リヴァイ「ナナバの身にもなれ、楽しむな。」
エルヴィン「キース団長もナナバの参加は絶対だと言ってる。ここはなんとか耐えてくれ。」
ナナバ「でも・・踊ったことなんてないですよ?ってか、ハンジたちは踊れるの?」
ハンジ「もちろん!」
ミケ「ああ。」
リヴァイ「当たり前だ。」
ナナバ「(リヴァイも踊るんだ・・・。)」
ナナバ「どうしよう!?踊れないし・・。」
ハンジ「じぁ、一緒に練習しよう!」
エルヴィン「いい案だな。」
ミケ「ああ。」
リヴァイ「俺は厳しいぞ。」
ハンジ「頑張ろうねーナナバ!」
ナナバ「・・・ああ、わかったよ。」ドキドキ
こうしてナナバのダンス特訓が始まった。
-
- 21 : 2015/08/06(木) 21:52:39 :
- ★作者より
しばしの間、ダンス編です。お楽しみいただければ幸いです。
-
- 22 : 2015/08/07(金) 23:36:12 :
- episode.13「今宵は君とワルツを(エルヴィン編)」
The main character of this episode is Nanaba
練習第一日目
エルヴィン「まずは私が手ほどきをしよう。」コホンッ
ナナバ「よろしくお願いします。」ゴクッ
エルヴィン「ダンスパーティーだが、基本的にはワルツを踊れれば問題ない。」
ナナバ「はぁ。」
エルヴィン「まずはこう組む。」グイッ
ナナバ「うわぁぁ!(近い!!)///」
エルヴィン「君はリズム感はあるか?」
ナナバ「わ、わかりません。(近いから耳元で囁かれてるみたいだ。)///」
エルヴィン「ワルツは3拍子のリズムで、1拍目にアクセントがある。リズムに合わせてゆったりと大きく上下動して、流れるように優雅に踊るんだ。行くぞ。」
ナナバ「はい。」
ナナバ「(こうかな?)」
エルヴィン「なかなかいいセンスがあるぞ。」
ナナバ「ありがとうございます。」
エルヴィン「あとは女役の場合だが、相手に身を委ねるように踊るんだ。」
ナナバ「み、身を委ねる!?」アセッ
エルヴィン「そうだ、その方が色っぽいぞ。」ニコッ
ナナバ「////」
エルヴィン「ではご婦人、私のお相手をぜひ。」スッ
ナナバ「はい。///」スッ
エルヴィン「もっとしっかり私を見るんだ。」ボソッ
ナナバ「は、はい(分隊長の瞳、綺麗だな)///」
エルヴィン「基本的には反時計回りだからな。それを忘れないように。では、行くぞ。」ニコッ
ナナバ「はいっ(こんな接近戦、耐えられるのか!?)///」
ダンス終了後
エルヴィン「なかなか上手になったと思うぞ。ハンジよりも覚えるのが早いんじゃないか。」
ナナバ「ハンジにも教えたんですか?」
エルヴィン「ああ、リヴァイにも教えたよ。」
ナナバ「ハンジたちもあの接近戦を乗り越えたんですね。」
エルヴィン「接近戦・・・!?」
ナナバ「あ、いや・・別に・・」アセッ
エルヴィン「でも残念だ。」
ナナバ「?」
エルヴィン「当日のナナバはさぞ美しいだろうな。当日に君を見つめられないのは残念だ。」
ナナバ「な、何を言ってるんですか!!!///」ガタッ
エルヴィン「・・・私は何も変なことを言ってないぞ。」フッ
ナナバ「・・・!!」
ナナバ「・・・本当は私の様子を見て楽しんでますね?」
エルヴィン「さぁ、どうかな?」
エルヴィン「あとはもっと自信をもって、何より色っぽくだぞ。」ボソッ
ナナバ「(耳元なんかで囁いて!!)////」
エルヴィン「では、今度はミケかな?頑張りなさい。」ハハハッ
ナナバ「(絶対に楽しんでる!!)///」クッ
-
- 23 : 2015/08/08(土) 21:19:32 :
- episode.14「今宵は君とワルツを(ミケ編)」
練習3日目
ミケ「今日は俺か。」
ナナバ「うん・・・よろしくね、ミケ。」
ミケ「エルヴィンはどうだった?」
ナナバ「大変だったよ。」グッタリ
ミケ「?」
リヴァイ「どうせ、あいつに楽しまれたんだろ?」ハァ
ナナバ「なんで、それを!?///」
リヴァイ「あいつのやりそうなことだ。」
ハンジ「確かにね。」
ナナバ「で、なんでハンジたちもいるの?」
リヴァイ「次は俺だからな。どこまで教えたのか確認するためだ。」
ハンジ「ミケはワルツ上手いからねー。」
ミケ「あまりプレッシャーをかけるな。よし、始めるぞ。」
ナナバ「うん。」
ミケ「エルヴィンの指導が良かったんじゃないのか。だいぶうまくなってるぞ。」
ナナバ「そうかな?これでも毎晩練習してるんだよ。」
ミケ「・・・そうか。あとはワルツを純粋に楽しむことだな。」
ナナバ「楽しむ?」
リヴァイ「てめぇは力抜けってことだろ。」
ナナバ「やっぱり、緊張してるかな?」アセッ
ハンジ「うーん、そうだね。」
リヴァイ「ああ、ガチガチだ。そんな女、そそられないだろ。」
ナナバ「リヴァイ、分隊長みたいにからかうのはやめてくれ。」
リヴァイ「おまえはミケに緊張する必要はあるのか?」
ナナバ「それは・・・。」
リヴァイ「おまえはミケと一緒にいるときが一番リラックスしているように見えるが・・。」
ミケ「もう1度、踊るぞ。」
ナナバ「・・・うん。」ゴクッ
ミケ「そうだ、いい感じだぞ。」
ナナバ「(確かにミケといるときの私は気が楽だ。口数は決して他のみんなより多くはないけど、落ち着いていて強くて頼りがいがある。気負わずに自然体でいられるんだ。)」
リヴァイ「・・・。」
ハンジ「なんかよくなってきたねぇ。」
ナナバ「(うん、やっぱりミケとだと自然にいられる。知らず知らずのうちにワルツを楽しめている気がする!)」ニコッ
ハンジ「(おっ、ナナバに笑顔が出てきた!)」
ミケ「よし、いい感じだな。あとは慣れるだけか。」
ハンジ「ナナバ、ミケと息がピッタリだったね!」
ナナバ「ミケは上手だし、背が高いから・・・。」
ミケ「ナナバ・・・。」チラッ
ナナバ「・・・!!」ハッ
リヴァイ「そうか、背が高い方がいいか。俺はあいにくてめぇより小さいからな。俺の練習は不要だな。」スタスタッ
ナナバ「待って、リヴァイ!誤解だよ!」アセッ
バタンッ
ナナバ「まずいな、どうしよう。」ガクッ
ハンジ「大丈夫だよ!リヴァイはそんなことで本気で怒ったりしないさ。」
ミケ「気にするな。」
ナナバ「ミケ、ハンジ、ありがとう。」
さて、リヴァイとのワルツはいかに!?
-
- 24 : 2015/08/08(土) 21:55:30 :
- episode.15「今宵は君とワルツを(ハンジ編)」
The main character of this episode is Hans
練習5日目
ハンジ「ナナバ、元気出してよ!」
ナナバ「でも、リヴァイに本気で練習を断られたんだよ?」
ハンジ「まぁ、そのうち機嫌も直るよ。男役での参加は明後日で時間がないし、気を取り直して私と踊ろう!」ニコッ
ナナバ「ああ、ありがとう。」
ハンジ「よし、行くぞ!」
ナナバ「うん。」
ハンジ「うーん、ダンス自体は問題ないんだけどなぁ。」
ナナバ「何がダメかな?」
ハンジ「ナナバは男役なんだから、もっとこう女性をリードして大胆に男らしくさぁ。」
ナナバ「男らしくか。」うーん
ハンジ「自信ない男なんて魅力ないだろ?」
ナナバ「そうだけど・・・。」
ハンジ「じぁ、ちょっとだけお酒飲んでみれば?」
ナナバ「へっ?いいよ!!酒強くないし!」アセッ
ハンジ「お酒飲めば、ちょっとは大胆になるかもよー?ほら!」グイッ
ナナバ「!!」ゴクッ
数分後
ハンジ「ナナバ、もう1度練習しよう。」
ナナバ「・・・。」
ハンジ「ナナバ?」
ナナバ「ハンジ・・・おいで。」グイッ
ハンジ「ぬぁ!!!?ちょっとなに!??」アセッ
ナナバ「・・・今日も可愛いよ、ハンジ。今宵は私と一緒に踊ってくれ。」クイッ
ハンジ「(何!?何!?いきなり人の顎を指で持ち上げてくれちゃって!??どういうこと??お酒が効きすぎてるのか?)///」
ナナバ「どうした、ハンジ?」ニコッ
ハンジ「な、なんでもないよ。(こんな綺麗な顔で間近で微笑むなよ、意識しちゃうじゃないか。)///」
ナナバ「さぁ、踊ろう。」
スッ
グイッ
ハンジ「ひゃぁぁぁ!ナナバ、腰!腰に手をまわしすぎ!///」
ナナバ「なんで?ダンスは男性が女性をしっかりリードするものだろ?さぁ、ハンジは安心して身を委ねて私だけを見て。」ジッ
ハンジ「・・・(お酒飲ませるんじゃなかった!かっこよすぎるじゃないか!!何も逆らえない!)///」
ナナバ「なんだ、もう終わりか。残念だな。」
ハンジ「(ふぅ、やっと終わった。)」ホッ
グッ
ナナバ「素敵だったよ、ハンジ。また君と踊りたいな。」ボソッ
ハンジ「!!」///
翌朝
エルヴィン「ハンジ、どうした?朝からグッタリじゃないか。」
ハンジ「昨日は大変だったんだよ。」ハァ
ミケ「昨日はおまえが練習相手だろ。」
リヴァイ「おまえが何かしでかしたんだろ?」チラッ
ハンジ「うっ!!いや、ナナバが男役なのに自信なさそうだからお酒を勧めてみたんだけど・・。」
エルヴィン「?」
ハンジ「ナナバ、お酒強くないみたいで少し飲んだら豹変しちゃってさぁ。」アセッ
ミケ「どうなったんだ?」
ハンジ「すごい積極的でさぁ。ドキドキしちゃったよ。」
リヴァイ「ふんっ。どうせエルヴィン仕込みだろ。」
ハンジ「えっ!?そうなの!?」
エルヴィン「さぁ、どうかな?」フッ
さて、いよいよダンスパーティー本番・・・
-
- 25 : 2015/08/08(土) 22:23:18 :
- episode.16「今宵は君とワルツを(リヴァイ編)」
ダンスパーティー本番(2週目)
エルヴィン「ナナバ、綺麗だな。」
ハンジ「本当、これは男たちも放っておかないね。」
ミケ「・・・。」
リヴァイ「先週といい、本当にどっちかわからんな。」
ナナバ「・・・(やっぱりまだリヴァイ、怒ってるのかな?)」
ゲルガー「おい、ナナバ!すげぇ、見違えるな。」
ナナバ「・・・変かな?」
モブリット「変じゃないよ?綺麗だよ。」
ナナバ「そうか、ありがとう。」
ゲルガー「踊ってこないのか?おまえ、貴族の男どもの視線が半端ねぇぞ?」
ナナバ「なんか緊張しちゃって。」
ゲルガー「緊張って・・・おまえは先週も出てたんだろ?先週は何やってやんだよ?」
ナナバ「先週はハンジに相手してもらって、なんとかやり過ごそうとしたんだけど・・・。」
モブリット「?」
ナナバ「ハンジがなぜか私に近寄ってくれなくて。仕方なく酒の力を借りてやり抜けたよ。」ハァ
モブリット「ハンジさん、なんで助けてやらなかったんですか?」コソッ
ハンジ「だって、なんか意識しちゃってさ。それにまたお酒飲んでたし・・・そのうえ、他の女とイチャイチャしちゃってさ。おもしろくなかったんだ。」
モブリット「ははっ・・(あいつ酒癖良くないからなぁ・・。)」
貴族「そこのご婦人、私と踊りませんか。あなたのような美しい方が調査兵団にいるとは・・・。」ウットリ
ナナバ「・・・(どうしよう、嫌だな。)」
貴族「どうしたんですか?さぁ、ぜひ。」スッ
ナナバ「・・・。」チラッ
キース「・・・。」ジィー
ナナバ「(ううっ、兵団のため・・・ここは酒で!!)」グイッ
ハンジ「ああ!またナナバがお酒を!!」
リヴァイ「!!(あの野郎、女の格好で酒なんか飲みやがって!)」ダダッ
ゲルガー「おい、ナナバ!俺が・・」
スッ
ゲルガー「ミケさん?」
ミケ「下手に貴族に楯突くな。ここは兵団の中でも楯突くことが許される人間に任せておけ。」
ゲルガー/モブリット「?」
ナナバ「じぁ・・・。」スッ
リヴァイ「おい、待て。」
貴族「なんだね、君は!!・・・あなたはまさか、あのリヴァイか?」
リヴァイ「だったら、なんだ?悪いがそいつは俺と踊るんだ。指一本触れるんじゃねぇ。」ゴキゴキッ
貴族「ひぃぃぃぃ!!」バタバタバタッ
ナナバ「リヴァイ・・。」
リヴァイ「ったく、危なっかしい真似しやがって。」ハァ
ナナバ「ごめん。」うるっ
リヴァイ「さぁ、踊るぞ。・・・来い。」スッ
ナナバ「・・・うん。」スッ
キース「全く、リヴァイの奴は。」
エルヴィン「すいません。・・・でもいいじゃないですか。彼らはこの会場で注目の的ですよ。」
貴族「素敵ね。」
貴族「絵になるな。」
ザワザワ
ナナバ「もう踊ってくれないかと思ったよ。本当に怒ってしまったと思ったから。」
リヴァイ「バカ言え。俺は怒ってなんかねぇよ。おまえは十分に上達していたからな。必要ないと思っただけだ。」
ナナバ「でも、こうやってリヴァイと踊れて嬉しいよ。」
リヴァイ「・・・なんだ、酒が効いてるのか。」
ナナバ「はは、本心だよ。こんな瞬間に冗談は言わないよ。」
リヴァイ「そうか、俺も良かった。」
ナナバ「ありがとう、リヴァイ。」
リヴァイ「ああ。」
こうして兵団主催のダンスパーティーは幕を閉じたのであった。
しかしながら来年以降は兵団の壁外調査の立て続く失敗によりダンスパーティーは開催されることはなかった。
-
- 26 : 2015/08/08(土) 22:46:11 :
- episode.17「今宵は君とワルツを(番外編)」
エルヴィン「みんな、ご苦労だった。おかげで兵団主催のこのパーティーもすべて順調に終えることが出来たよ。」
ハンジ「ナナバにはヒヤヒヤさせられたけどね。」ヤレヤレ
ナナバ「・・・ごめん。」
ミケ「無事に終わったんだ。それでいいだろう。」
リヴァイ「そうだな。」
エルヴィン「よし、会場の片づけの邪魔になるからな。我々も戻ろう。」
ハンジ「待ってよ、エルヴィン!」
エルヴィン「なんだ、ハンジ?」
ハンジ「実は私たちからエルヴィンにちょっとした贈り物があるんだ。」
エルヴィン「贈り物!?それは楽しみだな。」
リヴァイ「贈り物って言っても、物じゃねぇけどな。」
エルヴィン「?」
ハンジ「じゃ、ちょっと準備するから!エルヴィンはそこで座って待ってて!」
エルヴィン「ああ。」
ハンジ「よし、いくよ!」
エルヴィン「これは・・・!!」
リヴァイ「ああ。ダンスの楽曲を弾いた楽器団に借りたんだ。」
ハンジ「今日はエルヴィンの誕生日だろ?調査兵団じゃ、たいした物は買えないし、心のこもったやつを送ることにしたんだ!」
ナナバ「私のダンス練習とは別にみんなでコッソリ練習していました!」
エルヴィン「ナナバはピアノか?」
ナナバ「はい、経験があるので。」
エルヴィン「ハンジがハープか。」
ハンジ「あんまり得意じゃないからね。」ハハッ
エルヴィン「ミケはバイオリンか。」
ミケ「嗜んだことがあるからな。」
エルヴィン「リヴァイ・・・君は?」
ハンジ「・・・なんだと思う?」イヒヒッ
エルヴィン「まさか・・・」
リヴァイ「ああ・・・歌い手だ。楽器ができるほどの教養は俺にはないからな。」
ハンジ「そんなことないよ!リヴァイはどれも出来るんだ。でもリヴァイが一番歌が上手いからさ。」
リヴァイ「チッ・・・余計なこと言うな。」
エルヴィン「みんな、ありがとう。ぜひ聞かせてくれ。」
ハンジ「よし、行くよ!」
ミケ/リヴァイ/ナナバ「おうっ!」
エルヴィン「(君たち、本当にありがとう。)」
-
- 27 : 2015/08/08(土) 22:46:52 :
- ★作者より
エルヴィンの誕生日はまだ先ですが、この流れで入れたかったので挿入しました。
-
- 28 : 2015/08/09(日) 01:02:41 :
- episode.18「それぞれの夢」
ハンジ「久しぶりだねー!壁の上にいるなんて。」
エルヴィン「調査兵団としての任務ではないのに登るのは初めてだな。」
リヴァイ「ピクシスの爺さんの依頼だからな。仕方ない。」
ナナバ「ここに登るとなんだか感慨深いね。」
ミケ「そうだな。」
ハンジ「ねぇ、そういえばみんなの夢は何?」
リヴァイ「は?」
ハンジ「いや、ナナバが感慨深いっていうからさ。この夕焼けをみんなで眺めてたら、つい聞いてみたくなってね。」
エルヴィン「夢か。」
ナナバ「そういうハンジは?」
ハンジ「そりゃ、巨人の生体の解明だよっ!そしていつか巨人を絶滅させて人類の勝利を勝ち取るんだ!」ガッ
エルヴィン「ハンジらしいな。」ハハッ
ミケ「ああ。」
ハンジ「そういうミケは?」
ミケ「そうだな。俺は巨人がいなくなって壁の外を自由に行けるようになったら、外の世界の匂いをたくさん嗅いでみたい。もっと俺たちが知らない景色や生き物があるかもしれないしな。」
ナナバ「そうだね。きっと知らない世界が広がっているね。」
ミケ「おまえはなんだ、ナナバ?」
ナナバ「私は・・・この世界がもっと自由になればいいと思うよ。壁の外の自由を勝ち取ることもそうだけど、この国自体もね。」
エルヴィン「ほぉ。ナナバは政治的なことも考えているのか。」
ナナバ「ええ、まぁ。分隊長はなんですか?」
エルヴィン「私はもちろん、巨人を絶滅させて人類の勝利を勝ち取り、真の平和を手に入れることだ。それがこの国と人類の発展にも大きくつながるだろう。」
リヴァイ「おまえらしいな。」
エルヴィン「リヴァイ、君はなんだ?」
リヴァイ「俺か・・・そんなこと考えたことねぇからな。」
ハンジ「巨人を絶滅させる!とか言ってるのに?」ハハッ
リヴァイ「それは夢じゃねぇ。俺がやらなきゃならねぇことだ。」
ハンジ「・・・。」
リヴァイ「そうだな。おまえら全員が生きてくれることかな。」
ナナバ「えっ・・!?」
リヴァイ「なぜ、驚く?」
ナナバ「意外だなって思ったんだ。」
ミケ「兵士だからな。」
リヴァイ「そうだな。だが、生き抜いてほしいとは思う。」
エルヴィン「リヴァイの夢が一番難しいかもしれないな。」
ミケ「ああ。」
ナナバ「でも、そうなれたらいいね。」
ハンジ「なろうよ!だって私たちは死傷者ゼロの第一分隊だよ!」ドンッ
エルヴィン「ははっ、そうだな。」
ハンジ「巨人のヒーローでもいたらいいんだけどねぇ。」ハァー
リヴァイ「バカか、おまえは。巨人に俺たちに味方するとか考える知性はないだろ。」
ハンジ「そうだけど・・・。」
ミケ「こんな時間が続けばいいな。」
ナナバ「うん。」
エルヴィン「そのためにも我々は最善を尽くし、進み続けよう。」
ミケ「ああ。」
ハンジ「もちろんだよ!」
ナナバ「はい!」
リヴァイ「・・・。」
壁の上で夕暮を見つめる5人。
この先に歩むそれぞれの道はまだ知らない。
-
- 29 : 2015/08/09(日) 17:43:04 :
- episode.19「暗闇の5人」
ある日の夜
ハンジ「あー今日も書類がまだ終わらないー」ゴロゴロ
リヴァイ「てめぇは今夜こそ風呂に入れ、クソメガネ。」ズズズッ
ナナバ「そうだよ、ハンジ。最近、ミケがハンジに近寄らないじゃないか。」
ハンジ「えっ!そうだったの!?」ビックリ
ミケ「・・・。」
エルヴィン「・・・(そろそろ部屋に戻るか。)」パラパラッ
チカチカ
ハンジ「なんだ?」
スッ
ナナバ「ランプが消えた?」
バサバサバサッ
エルヴィン「・・・(マズイ、書類を拾わないと。)」ゴソゴソッ
ナナバ「(・・・確か床下に替えのランプがあったはず。)」
ミケ「(・・・誰かなんとかするだろう。このままでいよう。)」スンッ
ハンジ「ひぃぃぃぃ!真っ暗すぎて怖いんだけど!!」
リヴァイ「(・・・物取りとかじゃねぇよな?)」ギロッ
ハンジ「(やっぱり怖いー!なんか掴めるもの掴めるもの・・・)」ガッ
リヴァイ「(念のため、ほうきでも握っておくか。)」ガッ
ミケ「・・・。」ズズズッ
エルヴィン「(・・・だいぶ拾えただろうか・・。)」ゴソゴソ
ナナバ「・・確かここらへんに・・。」ゴソゴソ
ガッ・・ズリッ
ナナバ「!!(あれ、なんか掴んだ!?)」ゾワッ
エルヴィン「!!」ギクッ
ナナバ 「(気味が悪い!離そう!)」パッ
チカチカ・・・ピカッ
ミケ「・・・ついたか。」
エルヴィン「ナナバ、何か触ったか?」
ナナバ「!!・・いや、何も。」ギクッ
エルヴィン「そうか。」
ミケ「おまえたちはなにやってるんだ?」
ハンジ「だってなにかにぶつかって怖かったから。」ぐすっ
リヴァイ「物取りかと思ったんだ。」チッ
エルヴィン「・・・この体勢では確実にハンジが削がれているな。」
ナナバ「さすがは人間肉削ぎ兵器だね。」
リヴァイ「おい、おれにそんな呼び名はねぇぞ。勝手に増やすな。」
暗闇の対応は人それぞれ。
果たしてナナバが掴んだものは・・・?
-
- 30 : 2015/08/11(火) 21:49:25 :
- episode.20「リヴァイはお母さん」
バタンッ!
ハンジ「今日の料理当番はリヴァイかい?いい匂いだなー夕飯が楽しみだ。」
リヴァイ「・・・。」トントントントンッ
ガチャ
ミケ「リヴァイ、飯はまだか?」
リヴァイ「あと少しだ、そこで待ってろ。」コトコトコトッ
パタンッ
ナナバ「お腹空いたな・・・そろそろ夕飯かな?」
リヴァイ「・・・。」ジュー
ハンジ「・・・。」ワクワク
ミケ「・・・(あと少しってどれくらいだ。)」ソワソワ
ナナバ「(あー、お腹空いた。)」ジィー
ガチャ
エルヴィン「お、もう夕飯の時間か?」
ハンジ「・・・。」ワクワク
ミケ「・・・。」ソワソワ
ナナバ「・・・。」ジィー
エルヴィン「・・・なんだか母鳥からのエサを待つひな鳥のようだな。」フッ
ハンジ/ミケ/ナナバ「!!」
リヴァイ「やめろ、こいつらの母親になんてなりたくねぇ。」イラッ
人類最強のお母さん?
-
- 31 : 2015/08/12(水) 20:44:55 :
- episode.21「・・・削ぐ!」
リヴァイ「俺が削ぐ!」
ナナバ「いいや、私だ!」
ミケ「違う、俺だ!」
リヴァイ「おまえら、何を言っている。削ぐのは俺が一番上手いだろ?」フンッ
ナナバ「リヴァイこそ、何を言ってるの?リヴァイの削ぎは大胆すぎるんだよっ!それに比べれば、私はこの中で誰よりも深く綺麗に削げる!」ムムッ
ミケ「おい、それを言うなら俺だ。俺はおまえたちの両方が出来る。大胆かつ正確に削げる!」スンッ
ハンジ「・・・ねぇ、何やってるの?」
エルヴィン「・・・。」
ナナバ「何って、誰が削ぐか決めてるんだ。」
ハンジ「何を削ぐの?」
リヴァイ「・・・エルヴィンの髭だ。」
ハンジ「はっ!?」
リヴァイ「何を驚いてやがる?」
ハンジ「ヤレヤレ・・・うちの男どもは。」ハァー
ミケ「ナナバ・・男扱いされてるぞ。」
リヴァイ「なんだ、男に決まったのか?」
ナナバ「もぉ、どっちでもいいよっ。」フンッ
リヴァイ「チッ、開き直ったな。」
エルヴィン「私の髭をそってくれた人は1週間書類作業が免除だ。」
ハンジ「えええー!!私も参加する!!」ぬぉぉぉぉ!!
リヴァイ「ダメだ。」
ハンジ「なんでだよ!私が免除されればみんなに迷惑が掛からないじゃないか!」
ナナバ「ハンジはやればちゃんと出来るのに、巨人にばかり夢中になって疎かにするのがいけないんだよ。」
ハンジ「ううっ・・。」ギクッ
ミケ「それにおまえが免除になれば俺達の誰かに負荷が増える。おまえの分は手伝うのを断ればいい。」スンッ
ハンジ「ミケ!!」ガーンッ
リヴァイ「そうだ。おまえがやらなければ力で躾けて片付けさせるだけだ。」ギロッ
ハンジ「ヒィィィ!(何も言い返せない!)」ううっ
ワー
ワー
ハンジ「もう、いいもん。」ショボン
エルヴィンの髭剃り担当が決まるにはもう少し時間を要するのであった。
-
- 32 : 2015/08/13(木) 19:52:29 :
- episode.22「夏の風物詩(1)」
壁外調査中
ミケ「!!」ビクッ
リヴァイ「いるのか?」
ミケ「ああ、前方約700メートル樹木付近に奴がいる!」
ハンジ「巨人!?」ひゃほほう!
ミケ「・・・俺は退避する。後は任せた、リヴァイ!」ビュン
リヴァイ「チッ、しょうがねぇな。わかった。」ビュン
ナナバ「えっ!?ちょっとミケ!?どこ行くんだよ!」
ハンジ「巨人ー!!エルヴィン、捕獲していい?」キラキラ
エルヴィン「ハンジ・・・捕獲作戦はキース団長の許可が下りないと言ってるだろう。」ハァ
ハンジ「でもっ!!」
エルヴィン「それにミケが逃げたということは巨人はいない。」
ハンジ「えっ!?」
ナナバ「じゃ、何がいるって・・・?」
エルヴィン「そろそろ、リヴァイが戻ってくるだろう。」
ビュン
ハンジ「本当だ、戻ってきた。」
エルヴィン「ご苦労だったな。」
リヴァイ「ああ、本当に。この時期のあいつには手が焼ける。」チッ
ナナバ「リヴァイ、何やってたの?」
リヴァイ「これだ!」ズイッ
ハンジ/ナナバ「・・・カブト虫?」キョトン
エルヴィン「昔からあいつはカブト虫の臭いが苦手なんだ。この時期は苦労するよ。」フッ
ハンジ「臭いってそんなにする?」クンクン
エルヴィン「俺達にはわからない。でもこれがいると巨人の匂いを察知できないそうだ。それは困るからな、こうやってリヴァイに追い払いに行ってもらっている。」
ハンジ「って、連れてきちゃってるじゃん!」アセッ
リヴァイ「俺からしたら風呂にしばらく入ってない時のこいつの臭いの方が強烈だ。」ビシッ
ハンジ「ええっ!ひどい!」ガーンッ
ナナバ「ふーん、これをミケがねぇ・・。」ジィー
ビュン
ミケ「リヴァイ、追い払ったか?」
リヴァイ「・・・。」
ナナバ「ミケ・・・。」ズイッ
ミケ「いやぁぁぁぁぁぁ!!!」
-
- 33 : 2015/08/13(木) 19:56:03 :
- ★作者より
久しぶりにミケさんに「いやぁぁぁ!」と言わせてみたくなってしまい作ってしまいました。すいません(;'∀')
-
- 34 : 2015/08/14(金) 18:53:01 :
- episode.23「拾った」
バサッ
エルヴィン「ハンジ、落としたぞ。」
ハンジ「ああ、エルヴィン。拾ってくれてありがとう。」
エルヴィン「これは私が依頼した書類じゃないか。重要な書類だぞ。取り扱いには気を付けてくれ。」
ハンジ「あははは、そうだね。ごめんよ。」アセッ
タタタタタッ
ナナバ「ハンジ!これ落としてたよ!」
ハンジ「ん?ああ、これか!ナナバ、拾ってくれてありがとう。」
ナナバ「これ、何?」
ハンジ「ああ、これ?この前、壁外調査に行ったときに拾ったんだ。巨人が排泄した物質の化石かも知れないなーって。分析しないと!」フフフッ
ナナバ「えっ?巨人って排泄しないよね?って、ことは・・・。」ゾゾっ
エルヴィン「ハンジ、趣味が悪すぎるぞ。」
ハンジ「人じゃないよっ!唾液か胃液が硬化したものだ!変な言い方をしないでくれっ!」ムッ
ミケ「・・・おい。」スンッ
エルヴィン「?」
ミケ「拾った。」ドンッ
ぶらーん・・・
ハンジ/ナナバ「リヴァイ!」
リヴァイ「・・・おい、猫じゃねぇぞ。変な言い方して、摘まみ上げてんじゃねぇ。」イラッ
宿舎に戻る途中に街に買出しに出たミケに遭遇し、馬車に乗せてもらっていたリヴァイなのでした。
-
- 35 : 2015/08/15(土) 16:28:29 :
- episode.24「夏の風物詩(2)」
ナナバ「ううっ・・・!ここまでか!私はここで負けるのか!」ガクッ
リヴァイ「・・・おい、何やってる?」
ナナバ「リヴァイ!お願いがあるんだ!こいつの生死を確認してほしいっ!先に進めないんだ!」ガッ
リヴァイ「これか?」
ナナバ「ああ。」ゴクッ
リヴァイ「・・・断る。」
ナナバ「えっ!なんでだよ!」
リヴァイ「蝉じゃねぇか。てめえで確認しろっ。」ギロッ
ナナバ「だって、このひっくり返っている奴が苦手なんだよ!いきなり動いたりするじゃないかっ!」アセッ
リヴァイ「分かった。俺が見分け方を教えてやる。覚えろ。」
ナナバ「うん。」ドキドキ
リヴァイ「ひっくり返っている奴の脚をよく見てみろ。こいつの脚が閉じていれば死んでいる。開いていれば・・・。」クルッ
バタバタバタバタバタッ
ミーンミーン
ブーンッ・・・
ナナバ「うぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」ダダダダダダッ
リヴァイ「フン、進めたじゃねぇか。・・・開いているときは生きているから可哀想だしひっくり返してやれと言おうと思ったんだが・・・。」ハァ
その日の夕飯
ハンジ「ねぇ、これどうしたの?」
ミケ「さぁな。」
エルヴィン「リヴァイがなんかやらかしたんだろう。」フッ
ガチャ
リヴァイ「飯の時間か。」
ハンジ「リヴァイ・・・今日の夕飯はナナバが料理当番なんだけど・・・。」
リヴァイ「!!」
ハンジ「キノコ尽くしだって。」アセッ
リヴァイ「(あいつ!!)」チッ
その日、リヴァイはパンと紅茶しか食べられないのであった。
ナナバ「リヴァイが悪いんだ。ミケの時はちゃんと追い払ってあげてるってエルヴィンが言っていたのに・・・。」ムーッ
-
- 36 : 2015/08/16(日) 14:22:41 :
- episode.25「風邪をひく」
ハンジ「リヴァイが風邪を引いただって!!?」バンッ
エルヴィン「ああ、この時期の風邪は厄介だからな。君たちも気をつけなさい。」
ナナバ「は・・・はい。(リヴァイが風邪かぁ。)」アセッ
ダダダダダダッ
ミケ「・・・ハンジ?」
リヴァイの部屋
リヴァイ「ゴホッ・・・ゴホッ(だるいな。)」ハァ
コンコンッ
リヴァイ「・・・(誰だ?)」ボソッ
ハンジ「リヴァイ!」バァァン
リヴァイ「・・・(なんだ、てめぇか。)」ボソッ
ハンジ「大丈夫?あまり声も出てないじゃないか!早く良くなるようにこれを作ったから食べてよ!」ボンッ
リヴァイ「・・・(おい、このドブのような色の飯はなんだ?)」ボソッ
ハンジ「風邪にいいっていうものをかき集めて作ったんだよ!リヴァイに早く良くなってほしいんだ!」キラキラ
リヴァイ「・・・(そうか。)」ボソッ
ハンジ「早く食べて食べて!」ニコーッ
リヴァイ「・・・・。」モグッ
ハンジ「良かった!食欲もありそうだね!しっかり食べるんだよ!」バタンッ
シーン・・・
リヴァイ「・・・(マズイな。)」モグッ
コンコンッ
リヴァイ「・・・?」
ガチャ
ナナバ「リヴァイ、ハンジはもう行ったよね?それは全部食べたことにしてあげるから、これを飲んでゆっくり休んで!」トンッ
リヴァイ「・・・(オニオンスープか、助かるな。)」
ナナバ「栄養が着くように卵入りだよ!あ・・・でも、ハンジには内緒だからね!ハンジはハンジなりにリヴァイのことを心配してるんだから!」
リヴァイ「・・・(ああ。)」ボソッ
ナナバ「じゃ、お大事に。」バタンッ
ガチャ
ミケ「・・・。」スンッ
リヴァイ「・・・(おまえか。)」ボソッ
ミケ「おまえのことだ。換気の悪い部屋で寝てるのも気持ち悪いだろう。少し開けておいてやる。」バタッ
リヴァイ「・・・(助かる。)」ボソッ
ミケ「また後で閉めに来るからな。ゆっくりしていろ。」スンッ
バタンッ
リヴァイ「・・・(なんか聞こえるな)。」
廊下
ハンジ「リヴァイ、大丈夫かなー?心配だな・・・。やっぱり今日はついてあげようかな。・・・ん、エルヴィン?そこで何やってるの?」
エルヴィン「何って君を待っていたんだ。先日、私が渡した次回の壁外調査に関する意見書は目を通してくれたか?」
ハンジ「え?目は通したけど・・・。」
エルヴィン「悪いが、キース団長から提出を急かされている。こらから私の部屋で色々と意見を聞かせてくれないか。」
ハンジ「ああ、わかったよ。リヴァイは大丈夫かな?」
エルヴィン「大丈夫だよ。さぁ、行くぞ。」
ハンジ「う、うん・・・。」
エルヴィン「(ゆっくり休むのが一番の薬だろう・・・リヴァイ、今日はゆっくり休みなさい。)」フッ
リヴァイ「・・・(あいつら・・・早く治そう。)」
みんなのおかげで翌日には回復しリヴァイでした。
-
- 37 : 2015/08/16(日) 19:54:23 :
- episode.26「ハンジの休日」
The main character of this episode is Hans
ハンジ「やぁ、モブリット!いらっしゃい!」
モブリット「ど、どうも・・・。」
スタスタスタッ
モブリット「あの・・・いい加減、私に非番を合わせるのは止めてもらえませんか?」アセッ
ハンジ「じぁ、モブリットが私の非番に合わせてくれるの?」キョトン
モブリット「合わせませんよ!そんなこと分隊長にお願いできません!それに、おかげで変な噂が立ってしまって、こっちは大変なんです!」///
ハンジ「ふーん、別にそんなの気にしなければいいんじゃないかなぁ?」
モブリット「そりゃ、ハンジさんなら気にしないでしょうけど・・・」アセッ
ハンジ「さぁ、モブリット!今日も私の部屋で色々と励もうじゃないか!」ニカッ
モブリット「(・・・・聞いちゃないな、この人は。)」うっ
廊下(ハンジ部屋の前)
ワー
ワー
リヴァイ「・・・(ん?モブリットが来ているのか?)」スタスタッ
1時間後・・・
ハンジ「それでねー、この研究成果が・・・。」
モブリット「なるほど、それは・・・。」
リヴァイ「・・・(まだやってるのか)」
3時間後・・・・
ハンジ「これなんだけど・・・。」
モブリット「いや、この仮説はですね・・・。」
リヴァイ「・・・。」
5時間後・・・
ハンジ「そうか!なるほど、つまりこれは・・・」
モブリット「そうですね!では・・・。」
ガチャ
ハンジ「ん?リヴァイ??」
リヴァイ「おまえら・・・随分と健全な男女交際だな。」フンッ
モブリット「な、何を言ってるんですかっ!違いますからっ!!(リヴァイさん、あんたもかっ!)」///
こうしてハンジ(とモブリット)の休日は過ぎていくのであった。
-
- 38 : 2015/08/17(月) 21:20:58 :
- episode.27「珍客」
ニャー
ナナバ「あれ、猫だ。どこから来たんだろう?」
ハンジ「モフモフだねー。」
ナナバ「分隊長、どうします?」
エルヴィン「猫は自由な生き物だからな。好きにさせておけばいい。」
リヴァイ「・・・俺の部屋には来るなよ。汚れるからな。」フンッ
ミケ「・・・。」スンッ
-エルヴィンの部屋-
ニャー
エルヴィン「なんだ、私の部屋に来たのか?」
ニャー
エルヴィン ニコニコニコ
!!
スゴスゴ・・・
エルヴィン「お、寄ってきたのか。いい子だ。」ナデナデ
ナナバ「猫ですら分隊長への抗えない何かに気づいたのか!」ハッ
リヴァイ「野生の勘だな。」
ハンジ「さすがはエルヴィン!」
-ハンジの部屋-
ニャー
ハンジ「私は今最大のチャンスを手に入れた。巨人のあの脚の強さ、あれはもしかしたらある動物の生態も関係してるかもしれない・・・。」ムフフッ
バッ
ミギャァァァァ
ハンジ「触らせてー!!研究しよー!」
バタバタバタバタッ
ナナバ「ハンジ・・・。」アセッ
リヴァイ「しょうがない野郎だ。」
-ミケの部屋-
ミケ「・・・。」スン
トコトコトコ・・・
ミケ「・・・?」
ニャー
ピタッ
ハンジ「すごい!自然に寄り添ってる!」
リヴァイ「猫はジジィとか静かな奴好きなんだ。ガキとかはピーピー騒ぐしうるさいから苦手なんだよ。」
ミケ「(・・・リヴァイの奴。まぁ・・こいつが気持ちよさそうだからいいか。)」スンッ
ZZZZ・・・
-ナナバの部屋-
ニャー
ナナバ「可愛いねー」ムギュゥゥゥ
ニャー
スリスリ
リヴァイ「あの猫、オスだな。」
ハンジ「違うよ、メスだよ。」
ナナバ「またその話かっ!」イラッ
-リヴァイの部屋-
ニャー
リヴァイ「てめぇ、来るなって言っただろうが。」イラッ
ニャー
ゴロゴロ
リヴァイ「だから、毛がつくだろうが!!」ゴゴゴゴゴッ
ゴロゴロ
バババババッ
ハンジ「何、あれ?」
ナナバ「猫の後を追って、掃除しているのか?(すごい速さで追いかけているじゃないかっ!)」アセッ
ミケ「どうする、エルヴィン?」スンッ
エルヴィン「・・・遊ばせておいてあげなさい。」フッ
-
- 39 : 2015/08/18(火) 20:55:03 :
- episode.28「珍客・・・その後」
ハンジ「あの猫、本当に可愛かったなー。」ナデナデ
リヴァイ「・・・。」イラッ
ナナバ「本当だね。」ナデナデ
リヴァイ「・・・。」イライラッ
ミケ「いなくなると淋しいもんだな。」ナデナデ
リヴァイ「・・・。」イライライラッ
エルヴィン「猫は自由な生き物だ。仕方がないさ。」ナデナデ
リヴァイ「・・・おい。」イライライライラッ
エルヴィン「どうした、リヴァイ?」ナデナデ
リヴァイ「俺を猫代わりに撫でんじゃねぇ!」ムスッ
ハンジ「いやー、サイズ的にさ。」
ナナバ「触りやすいし。」
ミケ「ジャストサイズだ。」スンッ
エルヴィン「・・・ということだ。」
リヴァイ「俺はこれでも毎朝髪型をセットしてるんだぞ。」ボソッ
ワー(ナデナデ)
ワー(ナデナデ)
リヴァイ「聞いちゃいねぇな。」ハァ
-
- 40 : 2015/08/19(水) 20:53:56 :
- episode.29「リヴァイの逆襲」
ゴンッ
ハンジ「うわぁぁ!」
ドタッ
ナナバ「ちょっと、ハンジ!急に転ばないでくれよ!」うわぁ!
ドタッ
バサッ
リヴァイ「・・・フンッ。」
ドンッ
リヴァイ「ほぉ・・・。」キラッ
ナナバ「ちょ、リヴァイ!重いよ!何してるんだよ!」バタバタッ
ハンジ「ナナバ、暴れないでくれよ!下にいる私が一番キツイんだよっ!」うぅっ・・。
エルヴィン「リヴァイ、何している?」
リヴァイ「てめぇらが俺を小さい小さいと猫扱いしやがるから、おまえと同じ高さになってみてやろうかと思ってな。」
エルヴィン「・・・なるほど。」
ミケ「(それでも俺の方が高いな。)」スンッ
ハンジ「だからってなんで私とナナバが踏み台なんだ?」アセッ
ナナバ「そうだよ!」ぐぐっ・・
リヴァイ「おまえらの厚みを重ねたら丁度エルヴィンと同じ高さになる。それだけだ。」
ハンジ/ナナバ「それだけで!!?」ガーンッ
エルヴィン「リヴァイの恨みは怖いな。」
ミケ「・・・ああ。」
ハンジ「こら!エルヴィン、ミケ!自分たちは害がないからって涼しい顔するな!」ううっ
ナナバ「リヴァイ、どいてくれってば!!」バタバタ
ギャー
ギャー
リヴァイ「・・・・(この眺め、悪くない。)」シミジミ
-
- 41 : 2015/08/20(木) 21:06:49 :
- episode.31「よーい、ドンッ!」
壁外調査中
ハンジ「リヴァイ!右側、頼んだよ!」
ギュィィィィン
リヴァイ「・・・わかってる。」
グルグルグルグル
ザシュッ
ザシュッ
バンッ!!
リーネ「さすがは人類最強、削ぐ瞬間の迫力が違うね!」
ハンジ「ミケ、次は左側よろしくっ!」
ミケ「・・・。」スンッ
ズバッ!!
シュゥゥゥゥ
ゲルガー「さすがはミケさん!一撃だ!」
ハンジ「(・・・次はいよいよ私だ。)」ドドドドッ
エルヴィン「準備はいいか、ハンジ?」
ハンジ「ああ、もちろんだよ!」
エルヴィン「・・・ナナバも既に準備はいいようだな。」チラッ
ギュィィィン
ナナバ「・・・。」ギリッ
エルヴィン「よーい・・・」
ハンジ「ドンッ!!!」
ドドドドドドドッ
ゲルガー「おい、なんだよ!あれ!!」アセッ
リーネ「ハンジさん、あれじゃ巨人に追いつかれるよ!」
モブリット「ナナバ!なんで討たないんだ!!」
ナナバ「・・・。」ギュィィィン
ハンジ「いいよー!その調子だ!全速力で走っておいでー!!」ハハハッ
エルヴィン「・・・。」
ハンジ「(そろそろいいかな・・・)」
ドドドドドッ
ハンジ「ナナバー!測定完了!後はよろしくっ!」
ナナバ「了解!」
ギュィィィィン
ズバッ
ギャァァァァァ
シュゥゥゥゥ
キース「こらぁ!貴様ら!何をやっている!!!」
ハンジ「巨人の走行速度を測定しようと思いまして・・。」アセッ
キース「今回の任務にそんなものはないはずだ!」
エルヴィン「申し訳ありません団長。しかしながら壁の外への志が高い者の熱意をすべて否定して抑え込むのは難しいものですので・・・許容できる範囲で我々兵団の利益となるものに限って許可しました。」
キース「利益だと?」
エルヴィン「巨人の走る速度をある程度のパターンで想定できていれば、団長の考える巨人に真っ向から挑む戦いにも必ず役に立つはずです。」
キース「ぐぬぬ・・・。そうか。」
リヴァイ「またうまく丸め込んだな。」
ミケ「・・ああ、恐ろしい男だ。」
モブリット「あんた、何やってんですか!?」
ハンジ「いや、巨人と一緒にスタートしてそこから馬の走行速度と離れた距離を考慮して計算すれば巨人の走る最高速度が分かると思ってさぁ・・。」ハハハッ
モブリット「生き急ぎすぎです!!」
ゲルガー「じゃ、あのミケさんたちの動きは・・・。」
ハンジ「ああ、対象の巨人以外は排除しないと正確に速度が測れないだろ?だから左右で排除してもらったんだ。」
ゲルガー「ナナバは?」
ナナバ「私はハンジから許可が出たら測定終了の合図ということで、その瞬間に巨人を削ぐ役目だよ。」
モブリット「そんな危ない役目、引き受けないでくれよっ!」アセッ
ナナバ「・・・ハンジの命を預かるのは確かに緊張するけど、まぁ削げるかなと思って。」シラッ
ゲルガー/モブリット「(・・・こいつ、立派な第一分隊(変人の集まり)の一員だ。)」ゴクッ
ナナバ「・・・?」
ハンジ「次はどの子と追いかけっこしようかなー♪」
リヴァイ「おい、いい加減にしとけよ。」ハァ
-
- 42 : 2015/08/22(土) 00:19:09 :
- episode.32「〇〇力」
ナナバ「ねぇ、リヴァイ。紅茶にはどんなお菓子が合うと思う?」
リヴァイ「それはおまえ、クッキーとかの焼き菓子だろ。」
ナナバ「そうかなぁ。なかなか手に入らないけど、紅茶にはケーキが合うと私は思うんだよね。」
リヴァイ「ほう。クッキーよりケーキの方が紅茶に合い、クソ旨いと言うのか?」
ナナバ「えっ・・・?合わないかなぁ?」
リヴァイ「おまえはどのケーキが合うって思うんだ?」
ナナバ「うーん・・・やっぱり無難にショートケーキ?」
リヴァイ「バカ言え。紅茶に合うのはドライフルーツのたくさん入ったパウンドケーキだ。あのリキュールが染みた感じがまた紅茶とよく合う。」フンッ
ナナバ「ええっ?それって焼き菓子系に入っちゃうんじゃないの?」アセッ
ワー
ワー
ハンジ「何・・・あの会話。片方の言葉遣いがやや気になるが、完璧に女子の会話じゃないか!」アセッ
ミケ「ああ、女の会話だ。女子力だな。」スンッ
エルヴィン「リヴァイは紅茶に関することにはうるさいからな。まぁ、彼にとっては紅茶には何もないのが一番かも知れんが・・・。」
女子力の高いリヴァイとナナバ!?
-
- 43 : 2015/08/22(土) 20:48:27 :
- episode.33「発作」
第一分隊宿舎
ハンジ「うぉぉぉぉぉぉ!巨人に触りたいー!!!!」
エルヴィン「なんだ、始まったのか。」
ミケ「ああ、そのようだな。」
リヴァイ「チッ、めんどくせぇな。」
ナナバ「どうする?今日は私が非番だけど、ハンジの相手をしてあげるのは難しいよ?」アセッ
ハンジ「あー!!つまんない!巨人、捕まえたい!!このままでは我々は同じことの繰り返しだ!!」ぐわぁぁぁ
エルヴィン「ここまでの状態では仕方がない。先方の分隊長には既に許可をとってある。ナナバ、頼まれてくれるか?」
ナナバ「ああ、わかったよ!エルヴィン!」バッ
ギュィィィン
第三分隊宿舎
バンッ!!
兵士「なんだ、窓から何か飛び込んで来たぞ!」ザワッ
モブリット「ナナバ!!」
ナナバ「モブリット!すぐに来てくれ!ハンジが面倒なことになってるんだ。」
モブリット「ハンジさんが!?って、窓から急に入ってきて!最近の君はどうなっているんだよ!?」アセッ
ナナバ「・・・まぁ、いいんじゃない?周りも好意的だし。」
兵士「ナナバだ・・・。」おおっ
兵士「ナナバさんよ、カッコイイ!」キャー
モブリット「でも、分隊長の許可を取らないと・・(ナナバの破壊力、何も言い返せない!)」
ナナバ「それなら、エルヴィンがもう取ってるって。」
モブリット「ええっ!?」ガーンッ
そして再び第一分隊宿舎
ハンジ「うぉぉぉぉぉ!」
リヴァイ「おい、ナナバはまだか。だんだん耳がおかしくなってきたぞ。」
ミケ「・・・来た!」スンッ
バンッ!
ナナバ「お待たせ!モブリットを連れてきたよ!」
モブリット「・・・ハンジさん?」
ハンジ「モブリットー!!!捕まえることが無理なら、せめて私の考察を聞いてくれー!」ガバッ
モブリット「うぁぁぁぁ!」バタッ
エルヴィン「助かったな。」
ナナバ「もう行っていいかな?私、リーネと用事があるんだけど・・・。」
ミケ「年に数回あるこの発作では、我々の撃退法も通用しないからな。」
リヴァイ「こいつはクソメガネの発作の特効薬だな。」フンッ
モブリット「(呼ばれた理由はそれかっ!)」
年に数回、現在の巨人との対抗策に不満を爆発させるハンジ。
これには通常の撃退法が通じないため、モブリットがなぜか招集されるはめになる( ̄▽ ̄)
-
- 44 : 2015/08/22(土) 21:10:06 :
- episode.34「今日は何の日」
ナナバ「はい、リヴァイ。」ポンッ
リヴァイ「・・・なんだ、これは?」
ナナバ「よかったら、使ってね。」
リヴァイ「(・・・手が荒れない洗剤?)」
ハンジ「リヴァイ!」
リヴァイ「・・・なんだ?おまえに呼び止められるとろくなことがねぇ。」ギロッ
ハンジ「そんな怖い顔しないで!はい、これ。」ボンッ
リヴァイ「・・・これは?」
ハンジ「気に入った?今度、使ってみてよ!」ニコッ
リヴァイ「(・・・ハタキだと?)」
ミケ「おい・・。」
リヴァイ「なんだよ?」
ミケ「・・・。」ポンッ
リヴァイ「おまえもか・・・これはなんだ?」
ミケ「感謝の気持ちだ。使ってくれ。」スンッ
リヴァイ「(・・・エプロン?)」
エルヴィン「やぁ、リヴァイ!」ニコニコ
リヴァイ「なんだ?(もはやいい予感はしねぇ。)」ギロッ
エルヴィン「ぜひ、使ってくれ!」ポンッ
リヴァイ「おい・・・おまえら一体なんなんだ?ちなみに言っておくが、今日は俺の誕生日じゃねぇぞ。」
ハンジ「わかってるよ!」
リヴァイ「じぁ、何の日だって言うんだ?」
ナナバ「何の日って・・・」
エルヴィン「・・・母の日だ!!」ドンッ
リヴァイ「・・・はっ?」
ナナバ「だって、リヴァイは食器とか置いておくと、洗っておいてくれるし。」
ハンジ「いつも机が散らかっていると整えて、埃も払ってくれてるし。」
ミケ「料理も一番上手い。」
ハンジ/ナナバ「どう見てもお母さんじゃんねー。」ウンウン
リヴァイ「・・・おまえらの贈り物の理由は分かった。エルヴィン、貴様のは何だ?」イライライラッ
エルヴィン「何って、肩たたき券だが・・。定番だろう?いつでも使ってくれ、揉んでやるぞ。」ニコニコ
リヴァイ「(・・・怖いだろ。)」ゾゾっ
第一分隊ではなぜか母の日にリヴァイが労われる。
-
- 45 : 2015/08/23(日) 15:40:16 :
- episode.34「夢のような人」
main character of Levi
リヴァイ「・・・。」
ガタッ
トントンッ
ナナバ「!!」
リヴァイ「・・・なんだ、おまえか。」
ナナバ「それはこっちのセリフだよ、リヴァイがこんなところにいるなんてビックリだ。」
リヴァイ「そうか?」
ナナバ「だって、屋根の上なんて決して綺麗とは言えないじゃないか。ここに来るのは私とミケくらいだと思っていたよ。」
リヴァイ「なんだ、おまえらはここでよく喋っているのか。」
ナナバ「寝つけない時とか、たまにね。リヴァイは?」
リヴァイ「ああ、俺も今日はいつも以上に寝つけなくてな。」
ナナバ「リヴァイはあまり眠らないもんね。」
リヴァイ「・・・おまえもか?」
ナナバ「いや・・そういうわけじゃないんだけど。窓を閉めるときに空を見上げたら、あまりにも月が綺麗だったからね。なんとなく屋根に上りたくなったんだ。」
リヴァイ「ガキみてぇだな。」チラッ
ナナバ「そうかな。」フフッ
リヴァイ「まぁ・・・確かに今日は綺麗だな。」
ナナバ「だろ?」
ハンジの部屋
ハンジ「うーん・・・書類が終わらない。朝までに片付けないとエルヴィンに怒られちゃうよ!」ううっ
「・・・。」
「・・・。」
ハンジ「何か上から声がするな。あの声は・・・リヴァイとナナバか。」
ナナバ「ねぇ、やっぱり次の団長はエルヴィンかな?」
リヴァイ「さぁな、先のことは分からんがこのまま行けばそうなるだろう。」
ナナバ「・・・。」
リヴァイ「嬉しそうな顔だな。」
ナナバ「当たり前じゃないか!キース団長もすごいとは思うけど、エルヴィンほど団長に向いている人はいないよ!」
リヴァイ「そうだな。」
ナナバ「そうしたら、みんなも分隊長になるんだろうね。」
リヴァイ「ハンジはもう少し精神的な成長が必要だな。」
ナナバ「そうかな。ハンジは突っ走るところはあるけど、肝心なところではいつも冷静だよ?この前、夢で自分が分隊長になって、モブリットに怒られている夢を見たって言っていたな。」ハハッ
リヴァイ「・・・あり得る光景だな。」
ナナバ「リヴァイが分隊長になったら、とてつもなく強い分隊が出来そうだよね。」
リヴァイ「バカ言え。俺はそういうのにはならない。」
ナナバ「えっ!?」
リヴァイ「俺は危険な場面で誰よりも早く突っ込んで行くのが仕事だ。そんな奴が部下を抱えるわけにはいかないだろ。エルヴィンだって、それは分かっている。」
ナナバ「そうか。」
ハンジ「(・・・なんだか、変わった話をしていそうだね。リヴァイとナナバは。)」
ナナバ「そういえば、ハンジは太陽みたいだよね。」
リヴァイ「はっ?」
ナナバ「いつも元気でキラキラして周囲に元気をくれる。それにキラキラしているだけじゃなくて、温かい日差しもくれるだろ?」
リヴァイ「何の話だ?」
ナナバ「ただ急に思いついただけだよ。・・・第一分隊のみんなを例えてみようかな・・。」
リヴァイ「詩人みてぇだな。」フンッ
ナナバ「ミケは大地かな。静かに大きく構えていて頼りがいがある。」
リヴァイ「・・・確かにな。」
ナナバ「・・・リヴァイは風かな?」
リヴァイ「風はエルヴィンだ。」
ナナバ「!?」
リヴァイ「俺達に道を示してくれる。たまに向かい風になるときもあるがな。」
ナナバ「確かにそうだね。上手いじゃないか、リヴァイ。」
リヴァイ「・・・お前は・・・」
ナナバ「・・・。」ドキドキ
リヴァイ「・・・月だな。」
ナナバ「月!?」
リヴァイ「月は太陽とは違って柔らかい光があるからな。それに満ち欠けをして色々な表情があるだろ。」
ナナバ「それって褒めてくれているの?」
リヴァイ「受け取り方は人それぞれだ。」
ナナバ「・・・ありがとう。」
リヴァイ「・・・俺はなんだ?」
ナナバ「夢かな。」ボソッ
リヴァイ「たとえが他と違うじゃねぇか。」ハァ
ナナバ「でも、リヴァイって人類の夢だと思うんだよね。その強さや存在が希望の光になるっていうか・・。少なくとも兵団のみんなはそう思っているし、国民だって感じている人はいるはずだ。」
リヴァイ「夢か・・・随分と重いな。」
ナナバ「はは・・・ごめん。」アセッ
リヴァイ「今日は月が綺麗だな。」
ナナバ「それ、さっき言ったよ?」ハハッ
リヴァイ「ああ。」
ハンジ「(・・・仲良くなったなぁ。二人とも。さて、私も続きをやるかっ!)」ヨシッ
ある日の満月の夜。
-
- 46 : 2015/08/24(月) 22:30:07 :
- episode.35「どいつも頭突けない」
壁外調査中
キース「貴様!しっかりやらんかっ!」ゴンッ
兵士「ぐわぁぁ!」うぅっ
ハンジ「あー、またやってるねぇ。」
リヴァイ「いつものことだ。」
ナナバ「あの頭突きは受けたくないな。」ゾゾッ
エルヴィン「あれはキース団長の代名詞みたいなものだからな。」ハハッ
ミケ「・・・!!」スンッ
エルヴィン「巨人か!?」
ミケ「ああ・・・前方約500メートル先・・・・。」
ハンジ「巨人だって!?これは私が行かせてもらうよ!!」ドドドドドッ
ナナバ「待って、ハンジ!巨人を前に君を単独で行動させるなんて恐ろしすぎる!!」ドドドドドッ
リヴァイ「・・・チッ、仕方ねぇな。」
エルヴィン「みんな、頼むぞ。」ハァ
ミケ「・・・了解。」スンッ
キース「ん?・・・また、第一分隊か!どこに行く!!?」
数分後・・・
ハンジ「うわぁぁぁぁ!!」
モブリット「何やってるんですか!ハンジさん?」ビュン
ハンジ「ひどいじゃないか、リヴァイ!ナナバ!せっかく生け捕りにしようと思ったのに!こんなにすぐに仕留めたら、何のサンプルも取れないよっ!」
ナナバ「モブリット!!ハンジが暴走するから、私とリヴァイで巨人を先に仕留めたんだ。」アセッ
ドドドドドドッ
キース「貴様ら!ここで何をしている!」グワァ
エルヴィン「!!・・・申し訳ありません、キース団長。」
キース「(うむ・・・分隊長を頭突くわけにもいかないだろう。)」アセッ
ミケ「・・・。」スンッ
キース「(こいつは背が高すぎて頭突きにくい。)」チラッ
リヴァイ「・・・。」
キース「(・・・こいつは論外だ。)」ゾッ
ハンジ「・・・・せっかくの巨人が。」ブツブツ
キース「(今、こいつに接触すれば、巨人を捕えさせろと詰め寄られて話が長くなる・・。)」くっ
ナナバ「(ううっ・・・頭突きはイヤだな。)」ビクビクッ
キース「(こいつに・・・いや、ダメだ。至るところにいる熱心なこいつの信者に後でなにを言われるか・・・。)」イライラ
「・・・。」
キース「(仕方がない、こいつだ!)」グワァ
ゴンッ!!!
「・・・痛っ!!」シュゥゥゥゥ
ハンジ「モブリット!」
モブリット「・・・うぅっ(僕はただハンジさんの絶叫を聞いて飛んできただけなのに。)」グスッ
その日以降、第一分隊が何かやらかした時に傍にいると代わりにキース団長に頭突きをされるという噂が兵団内に広まった。
-
- 47 : 2015/08/25(火) 22:30:30 :
- episode.36「分かりすぎる男」
The main character of this episode is Mike
ナナバ「ねぇ、ハンジ。なんで私やリヴァイまで一緒に来なきゃいけないんだよ?今週の買出し担当はミケとハンジだろ?」
リヴァイ「全くだ。おまえ・・・戻ったら約束通り部屋を片付けろよ。」チッ
ハンジ「ああ、わかっているよ。だってさ、ミケと買出しに行くと時間を持て余して退屈なんだよ。」
ナナバ「そういえば、ミケと一緒に買出しは今までないなぁ?そんなに退屈なの?」
リヴァイ「ああ。クソする時間が十分ありすぎるくらいに暇で退屈だ。」
ナナバ「?」
ハンジ「ミケはね、・・・違いが分かりすぎるんだ。」ハァ
ナナバ「違い?」
リヴァイ「ほら、見てみろ。」
コーヒー店
ミケ「・・・。」スンッ
店主「どうですか、ミケさん?」ゴクッ
ミケ「しっかりした味わいとフルーティで芳醇な香り・・・グアテマラだな。」フッ
店主「さすがですね、これは南の方から取り寄せて来たんですよ!」
ミケ「・・・。」スンッ
店主「・・・。」ドキドキッ
ミケ「この強い甘みを感じる香は・・・コロンビアか。」
店主「そうです!!いやー、毎回ミケさんには驚かされますよ!」キラキラッ
ハンジ「ああ、また店主が滾っちゃってるよっ。」ハァ
リヴァイ「行く店、行く店でああだからな。買出しが長くなる。」
ナナバ「なるほどね。」
ハンジ「・・・どうする?あの調子じゃ当分かかるよ?」
リヴァイ「俺は紅茶でも飲みに行くか・・・。」
ナナバ「えっ!?みんなで一緒に行こうよ!ケーキ付、リヴァイの奢りで!」フフッ
ハンジ「本当!?やったぁぁぁ!」
リヴァイ「・・・チッ、仕方ねぇな。特別だぞ。」
違いが分かりすぎる男・ミケの買出しは長い。
-
- 48 : 2015/08/25(火) 22:34:38 :
- ★作者より
コーヒーはコロンビアとかキリマンジャロとか地名が多いのでどうしようか迷ったのですが、壁の中ではそれが何の意味かは分からずに使っているという設定で書きました。
-
- 49 : 2015/08/26(水) 21:06:11 :
- episode.37「さぁ、おいで!」
兵士「キャァァァ!」ドサッ
ハンジ「ん?どうしたの?」
ナナバ「落馬かな?」アセッ
「大丈夫か?」
兵士「!!・・・スミス分隊長!!」
エルヴィン「立てるか?」
兵士「・・・はいっ。」アセッ
フラッ
エルヴィン「ふらついているじゃないか、ほら私の手をとって。」
兵士「で、でもっ!///」
エルヴィン「さぁ、おいで。」ニコニコ
兵士「/////」カァァ
ナナバ「すごいね、エルヴィン。カッコいいね。」
ハンジ「エルヴィンは紳士の鑑だからね。」
リヴァイ「俺には理解できないが・・・。」
ハンジ「よしっ!私も!」
クルッ
ハンジ「さぁ、おいで!」ニコッ
シーン・・・
ミケ「・・・嫌な予感しかしないな。」スンッ
ナナバ「うん、行ってはいけないという悪寒しかしない。」ブルッ
リヴァイ「クソメガネの呼びかけで渋々出ていくのはモブリットくらいだな。」ハァ
ハンジ「なんだよっ!じゃ、次はミケ!」フンッ
ミケ「(・・・なぜ、俺が。)」アセッ
ハンジ/リヴァイ/ナナバ ジィーッ
ミケ「・・・さぁ、おいで。」ボソッ
リヴァイ「どうだ?」
ナナバ「意外といいかも。」
ハンジ「なんか渋い大人の感じが悪くないね。」
リヴァイ「次、ナナバな。」
ナナバ「えっ!?私も!?今、自分に来ないようにしただろ!?」
リヴァイ「・・・してねぇよ。」チッ
ハンジ「ナナバ!やって!やって!」ドキドキッ
ナナバ「うぅっ・・・(恥ずかしいなぁ。)」アセッ
ハンジ「・・・(期待!)」ドキドキッ
ナナバ「さぁ・・・おいで?///」ニコッ
リヴァイ「・・・おまえ、ずるいな。」
ナナバ「何がだよ!?」
ミケ「その困った感じではにかみながら微笑むのはな。そう言われても仕方がない。」スンッ
兵士たち「キャー、ナナバさん!!」ザワザワ
ナナバ「うわっ!」ゾワッ
ハンジ「ちょっと、君たち!ナナバにドキドキしていいのは私だけなんだよ!ほら仕事に戻って、戻って!」さぁさぁ
リヴァイ「いつからナナバはてめぇのもんなんだよ。」ハァ
ハンジ「何、呑気に構えてるんだよ!?最後はリヴァイだろ?」
リヴァイ「はっ?」
ミケ「はっ?じゃないだろ。散々、人に恥ずかしい思いさせといて。おまえもやるべきだ。」
ナナバ「そうだよ、リヴァイ!ずるいよ!」
リヴァイ「・・・。」チッ
ミケ/ハンジ/ナナバ「・・・。」ゴクッ
リヴァイ「・・・来い!」ギロッ
ナナバ「・・・私!?」
ハンジ「ぶわっはははは!」
ミケ「リヴァイ、ナナバは犬じゃないんだぞ。」ハァ
ハンジ「リヴァイにお願いしたのが間違いだった!あー、腹痛いっ!」ゲラゲラ
バキッ
ハンジ「・・・。」チーン
エルヴィン「君たち、私で遊ぶんじゃないぞ。」
リヴァイ「・・・俺にそんな言葉が言えるか。」フンッ
紳士・エルヴィンの真似をするのはなかなか難しい。
-
- 50 : 2015/08/27(木) 20:02:51 :
- episode.38「どちらと言えば」
*episode.37の続き的な部分があります。
ハンジ「ナナバがリヴァイの犬と言えばさぁ・・・。」
ナナバ「その表現、止めてくれない?私は犬でもないし、特にリヴァイのではないよ。」ムッ
リヴァイ「おい、なぜそこに拘る?」
ミケ「その話を掘り返されて嫌なのはリヴァイだからな。」フッ
ハンジ「でもさ、ナナバは犬か猫かどっちかって言ったら犬じゃない?」
リヴァイ「こいつは猫だろ?いざというときのやり返し方が犬とは思えない。」
ミケ「・・・それはそうだな。」スンッ
ナナバ「なんだよっ!いいよ!あのモフモフなところ可愛いし。」プンッ
ハンジ「ミケは・・・犬だね。」
ナナバ「そうかな?」
リヴァイ「ああ、犬だ。見かけによらずに犬だな。」
ナナバ「ハンジは?」
ミケ「・・・犬だな。」
リヴァイ 「よく、見ていろ。」
ポイッ
ハンジ「うわぁ!これ前回の壁外調査でみんながまとめた巨人に関する報告書じゃないかっ!読みたい!ねぇ、読んでもいいよね?ね?」キラキラッ
リヴァイ「犬ってのはな、学習能力が高いだけあって条件反射を起こしやすい生き物だ。」
ナナバ「・・・なるほど。」
ミケ「・・・リヴァイは・・・。」
ハンジ/ナナバ「猫でしょ?尻尾を振る生き物じゃないし。」
リヴァイ「・・・悪かったな、猫で。」フンッ
ガチャ
エルヴィン「リヴァイ、ちょっといいか?」
リヴァイ「ああ。」
ナナバ「エルヴィンはどっちだろう?」
ミケ「そうだな。」
ハンジ「うーん・・・難しいな。」
リヴァイ「俺はあの作戦がベストだと思うが・・・おまえはまたあの無駄死にさせるような作戦を支持するのか。」
エルヴィン「そう言うな、リヴァイ。団長には団長の考えがある。私の提案はまだ時期尚早すぎたのだ。」
リヴァイ「・・・そうか、エルヴィンがそう言うなら信じよう。いつかおまえの考えていることがやれる日が来ることもな。」
ナナバ「!!」
ミケ「そうか。」
ハンジ「わかったぞ!」
ミケ/ハンジ/ナナバ「(エルヴィンは猛獣使いだ!)」
エルヴィン「・・・なんだ、どうした?」
リヴァイ「おい、おまえら。また余計なこと考えてるんだろう?・・・ジロジロ見んじゃねぇ。」チッ
-
- 51 : 2015/08/29(土) 00:29:57 :
- episode.39「ハンジの正義」
The main character of this episode is Hans
ガヤガヤ
エルヴィン「こうやって街まで出て、酒を呑むのは久しぶりだな。」
リヴァイ「誰かさんが酒を呑むと豹変するからな。」チラッ
ナナバ「・・・。」ううっ
ハンジ「私は結構好きだけどね、お酒を呑んだナナバ。」
ミケ「おまえは楽しんでいるだけだろう。」スンッ
兵士「おっ!第一分隊の皆さんがお揃いでっ!」へへっ
リヴァイ「チッ、駐屯兵団の酔っ払いか。」
兵士「ははっ、安心しろよ!人類最強に絡む度胸はないさ。」
リヴァイ「・・・。」
兵士「俺はなぁ、こいつに用事があるんだよ。」
ハンジ「・・・私!?」
兵士「そうだよ、おまえだよ!調査兵団の奇行種班長!まだ巨人を捕獲したいなんてキース団長に言っているらしいな!?」
ハンジ「それの何が悪いって言うんだ!?巨人を絶滅させるには必要なことだろう!?」
兵士「はっ!?バカ言うんじゃねぇよ!おまえのやろうとしていることはな、自己満足なんだよ。」
ハンジ「はっ!?どこが自己満足だ!私は人類のために!」イラッ
兵士「じゃ、聞くけどな。おまえのやろうとしていることで何人の兵士が死ぬんだ?おまえのために心臓を捧げろってか!?」ガッ
ハンジ「・・・・。」クッ
兵士「そりゃ言い返せねぇよな!死なない保証なんておまえには出来ないだろうからなっ!」ハハッ
ハンジ「うるさい、黙れ!何もわかっていないのはおまえの方だ!」ガシッ
兵士「何だと!?」ムカッ
ハンジ「いいかっ!よく聞け!巨人を捕獲して情報を得ることは大切なことなんだ!なぜだか分かるか!?・・・分からないだろうね、その低俗な言葉しか発することができない、そして巨人と戦ったこともなく、人間のリヴァイにすら怯えているような臆病者のおまえには・・。」
兵士「・・・!!」クッ
ハンジ「我々、人類は常に巨人に怯えて生きている。なぜ、巨人が生まれ、そして今もなお生殖能力のない、人間を捕食するわけでもない奴らが数を増やし続けているのか・・・それを解明しなくてはいけない。そうしなければ、我々は奴らに怯えながら滅びるだけだ。おまえも、おまえの家族も全てだ!」
兵士「・・・!!」
ハンジ「そうなっていいわけがないだろうっ!?だから・・・私はこの世界から恐怖を取り除くために心臓を捧げ、そして前に進む!・・・このままただ戦うことだけを繰り返していても、壁の中でただ生きているだけでも意味がないんだ!!分かったか!」グワッ
兵士「・・・分かったよ、離せ!野蛮な女だな。」チッ
バッ
ナナバ「・・・ハンジ?」アセッ
ハンジ「・・・それに私は捕獲作戦で誰かを死なせるつもりはない。」フンッ
エルヴィン「・・・。」
ミケ「・・・。」
バンッ
ナナバ「待ってよ、ハンジ!」ダダッ
ハンジ「はぁ・・・また、やっちゃったよ。」
ナナバ「またって、よくあることなの?」
リヴァイ「・・・まぁな。こいつが変わり者なのは有名だからな。」
ミケ「今日はおとなしかった方だが。」スンッ
ハンジ「でも・・私は間違ったことは言ってないよっ。」ボソッ
エルヴィン「ああ、その通りだ。ハンジは間違ったことは言っていない。その気持ちは忘れるな。いずれその時は来る。ただし、時期は見極めるんだ。」
リヴァイ「・・・。」
ハンジ「分かっているよ、エルヴィン。私はそのために第一分隊にいる。エルヴィンを、そしてみんなを信じているからね。」
リヴァイ「その割には直談判が多い気がするが・・・。」
ハンジ「いやぁ、見極めながらもチャンスを引き寄せる努力は惜しんじゃいけないかなと思って。」ハハッ
ナナバ「・・・巨人の謎の解明は、ハンジの正義だね。」
ハンジ「・・・うん。」
リヴァイ「酒がまずくなった。宿舎で呑みなおすか。」
ミケ「そうだな。」
エルヴィン「では、戻るとしよう。」フッ
ミケ/リヴァイ/ハンジ/ナナバ「了解!」
-
- 52 : 2015/08/29(土) 22:38:52 :
- episode.40「第一分隊のルール」
リヴァイ「・・・俺とやるのか?」ギロッ
ハンジ「ああ!やってやろうじゃないか!リヴァイにはその強さがあるかもしれないけど、私にはこの頭があるんだ!」
リヴァイ「・・・ほう。」
ハンジ「いつもいつも私が負けるなんて思うなよっ!」フンッ
ワー
ワー
ナナバ「何をあんなに・・・。」
ミケ「さぁな。騒ぎ声が聞こえると思って来てみれば、この状態だ。」スンッ
バキッ
ハンジ「くそっ!リヴァイなんて知るか!」ヒリヒリ
リヴァイ「・・・。」フン
エルヴィン「二人とも、第一分隊のルールは忘れるなよ。」
リヴァイ「・・・!」チッ
ハンジ「分かっているよ!・・・悪かったよ、リヴァイ。」アセッ
リヴァイ「・・・ああ。」フイッ
ナナバ「第一分隊のルールなんてあったっけ?」
ミケ「おまえ・・・知らなかったのか?」
ナナバ「聞いてないよ。」
ミケ「第一分隊には1つだけルールがある。それは・・・」
エルヴィン「仲たがいを長引かせないということだ。もちろん、より良くするための議論の衝突は大歓迎だが、一人の人間としての感情を優先しすぎては壁外での戦いに支障が生じる。」
ミケ「そういうことだ。」
ナナバ「でも、あれで仲直りなの?」
エルヴィン「リヴァイが受け入れているということが許しているということだ。気にするな。」フッ
ナナバ「そうなんだ・・・でも、待てよ?」
エルヴィン「なんだ?」
ナナバ「あの、使った食器はその日のうちに洗えっていうのは?」
ミケ「リヴァイのルールだ。」
ナナバ「じぁ、水回りをきれいに保てっていうのは?」
ハンジ「リヴァイのルールだね。」
リヴァイ「分かっているくせに、おまえは全然できてないけどな。」
ナナバ「・・・もう聞かなくてもいい気がするけど、書籍をきちんと向きをそろえておけっていうのは・・。」
エルヴィン「全てリヴァイのルールだ。」ドンッ
ナナバ「私はどちらかというとそっちをルールなのかと思って過ごしていたよ。」ガーンッ
ミケ「・・・お前に初めに部屋を案内したり、色々してやったのはリヴァイだからな。」
リヴァイ「・・・いいじゃねぇか。」フンッ
ミケ「ルールといっても決して、破っても怒られないルールだからな。」
ナナバ「確かに・・・それで怒っているリヴァイを見たことはないかな。」
エルヴィン「それどころか、そっとやっておいてくれるからな。」ハハッ
ハンジ「私は怒られている気がするよ?」ムッ
リヴァイ「おまえは気にも留めてねぇからだ。」ハァ
第一分隊には1つのルールとリヴァイだけの複数のルールが存在する。
-
- 53 : 2015/08/30(日) 16:08:36 :
- episode.41「モブリット・バーナー(2)」
壁外調査中
ゲルガー「よお、ナナバ。」
モブリット「お疲れ様。」
ナナバ「なんだ、今夜の見張りはゲルガーとモブリットと一緒か。」
ゲルガー「なんだとは、なんだよ?」ひくっ
ナナバ「・・・なんか酒臭くないか!?まさか、見張り番の最中に呑んだんじゃないよね!?」チラッ
ゲルガー「ふざけんなっ!俺はこれでも兵士だぞ!呑んだのは見張り番に出る前だ!」フンッ
モブリット「安心しろ、ナナバ。ここへは一緒に来たが、呑んでいるところは見てないよ。」ハハッ
ナナバ「・・・それならいいけど、当番があるのに呑むなよ。」ハァ
ゲルガー「・・・。」ウトウト
ナナバ「ほら、このありさまだ。」
モブリット「まぁ、団長には内緒にしてあげようよ。これでも今日の壁外調査では頑張っていたんだよ。」
ナナバ「そうなんだ。」
モブリット「ああ、ゲルガーはミケさんに憧れているからね。いつかミケさんの役に立てるように強くなるんだって張り切っていたよ。」
ナナバ「ミケかぁ。確かにミケの傍にゲルガーを見かけることがあるかな。」
モブリット「ナナバはどう!?すっかりあの第一分隊の仲間入りって感じだけど・・。」
ナナバ「いや、私は彼らの足元にも及ばないよ。もっと・・・もっと強くならないと!」
モブリット「相変わらず真面目だな。それでけ強いのだから、もっと自信を前に出してもいいと思うけどね。ゲルガーみたいに第一分隊の誰かに憧れたりはしないのか?」
ナナバ「うーん・・・ないな。」
モブリット「ない?」
ナナバ「みんなそれぞれがすごいから。みんなが私の憧れであり、信頼できる仲間だ。」
モブリット「・・・。」
ナナバ「もちろん、モブリットやゲルガーたちもね。」フフッ
モブリット「それは嬉しいな。」ハハッ
ナナバ「モブリットはどうだい?随分とハンジに絡まれているけど、それでいいの?」
モブリット「確かに、私の非番に合わせて休むのでほとんど休暇がなかったり、巨人!巨人!と発狂すれば君たちに宿舎に呼び出されるし、訓練中に実験したものを試そうと追いかけられたりいろいろ大変だけど・・・。」
ナナバ「(・・・ハンジ、色々やってるんだな。)」ゾッ
モブリット「でも、尊敬しているよ。あの勇敢に巨人に向かう姿は上官としてやっぱりカッコイイと思うし・・・そりゃ危なっかしいけどさ。そして何より発想がすごいんだ。きっと何か・・・他の人には見つけられないものを見つけてくれるんじゃないかって、そんな期待を抱かせてくれる。」
ナナバ「モブリットはハンジのことをちゃんとわかっているんだね。」
モブリット「・・・そうかな?」
ナナバ「そうだよ。」ニコッ
ダダダダダダダッ
バンッ!!!
ハンジ「今日の見張りはモブリットとナナバだって!?私の話を聞いてもらうには最高の組み合わせじゃないか!今日は朝まで覚悟してくれよ!?」ニカッ
モブリット「何やっているんですか!明日も調査は続くんですから、あんたはとっとと寝てくださいよっ!」アセッ
ナナバ「・・・いいんじゃない?ゲルガーも寝ちゃったし、見張りは多い方がいいから。」クスッ
ハンジ「やった!今日の話はねぇ・・・。」
モブリット「ああ、もうっ!」ハァ
ゲルガー「・・・。」スースー
見張りの夜はまだ始まったばかり・・・。
-
- 55 : 2015/08/31(月) 21:39:46 :
- ★作者より
今週は多忙のため、亀更新になるかもしれません。(今日はお休みです。もしかしたら今月前半は亀更新かもしれません。)
のんびり仲良し、時々真面目な第一分隊のメンバーを引き続きよろしくお願い致します(*´ω`*)
-
- 56 : 2015/09/01(火) 21:16:08 :
- episode.42「宴の後で」
ハンジ「あー、今日もいいお酒だね!」アハハ
ナナバ「ハンジはいつも呑みすぎなんだよ。」アセッ
リヴァイ「そして喋りすぎだ。ほとんどてめぇが喋ってんだろ。」ハァ
ハンジ「にゃはは、何言ってるの!?こーんなしかめっ面して、思った以上に喋る人類最強はどこの誰かなー?」バシバシッ
リヴァイ「・・・・チッ、ぶつんじゃねぇ。」
数分後
ハンジ「・・・。」ウトウト
ミケ「ハンジがもうすぐ寝そうだぞ。ナナバ、寝室に連れていってやれ。」
ナナバ「・・・うーん。」コツンッ
リヴァイ「!?・・・おい、こっちが先に寝たぞ。」
ミケ「素面だからな、疲れたんだろう。このままおまえの肩にもたれかかっていても重いだろ?起こすか?」
ドサッ
ハンジ「・・・。」ぐー
リヴァイ「・・・いや、こっちも寝たみたいだからしばらくはこのままでいい。もう少ししたら、こいつらをたたき起こす。」
ミケ「左肩にはナナバ、膝の上にはハンジか。おまえも忙しいな。」フッ
リヴァイ「・・・くそ重い。」フンッ
30分後
リヴァイ「・・・なぁ、そろそろこいつらを起こそうと思うんだが・・・。」
ズリッ
ズシッ
リヴァイ「!!」
ミケ「・・・。」スー
リヴァイ「こいつまで俺の背中にもたれて寝てやがる。」チッ
ハンジ「・・・。」すぴー
ナナバ「・・・。」むにゃむにゃ
ミケ「・・・。」スー
リヴァイ「さて、どうする?」イライラ
更に30分後
カチャ
エルヴィン「なんだ、まだ呑んでいたのか?」
コツコツッ
エルヴィン「!」
リヴァイ「・・・。」スー
エルヴィン「みんな、寝ているのか。リヴァイは随分と囲まれて、人気者だな。」ハハッ
フワッ
エルヴィン「風邪ひくなよ。」フッ
宴の後の静かな夜。
-
- 57 : 2015/09/04(金) 17:40:16 :
- episode.43「飴とムチ」
第三分隊宿舎
ナナバ「だからさ、ここに兵士を配置すると・・・。」
モブリット「うーん・・・この場合、次列はどうなるんだ?」
ナナバ「あれ?私の説明が悪かったかな?もう1度、説明するよ。」ニコッ
モブリット「悪いな、ナナバ。助かるよ。」ホッ
ガヤガヤ
兵士A「あれ、ナナバさんだ。モブリットのところに来てるのか?」
兵士B「いいなぁ。私もナナバさんに座学を習いたい。」ハァ
モブリット「ところでハンジさんは、なんで今日は来れないんだ?」
ナナバ「あぁ・・・本当に君に教えるのは私しかいないって行きたがっていたんだけど・・・約束した張本人だし。」
リヴァイ「おい、まだ終わらねぇのか。おまえの頭はなんのためにあるんだ?とっとと覚えやがれ。」イライライラ
モブリット「リヴァイさん!すいません。」ビクッ
リヴァイ「おまえが片付かないと買出しが遅れる。」フンッ
ナナバ「なんかね、シュロほうきっていうすごい細かい埃も掃けるほうきが手に入りそうなんだって。あまり売っていない珍しいものだから、早く買いに行きたいんだよ。」コソッ
モブリット「リヴァイさんは買出しに行ってくれても大丈夫ですよ?」アセッ
リヴァイ「俺に1週間分の食料と雑用品の買出しを一人でしろっていうのか?」ギロッ
モブリット「いえ・・・そんなつもりでは!」ウワァァァ
ナナバ「今日はあいにく馬が出せなくてね。さすがのリヴァイでも一人では無理だよ。ごめんね。」
リヴァイ「ということだ、早く覚えろ!」ドンッ
ミシッ....
モブリット/兵士A/兵士B「(足が!しかも机にめりこんでいる!!)」ヒィィィィィ!
モブリット「が、頑張ります!」ババババババッ
ナナバ「リヴァイ、脅かしすぎだよ!変に刺激したら、買出しがもっと遅くなるかもしれないよ!?」アセッ
リヴァイ「(・・・ほうき。)」フンッ
兵士A「第一分隊の飴とムチだな。」
兵士B「ああ。」ゾッ
その頃、第一分隊宿舎では・・・
ハンジ「ねーエルヴィン。行っちゃダメかな?」
エルヴィン「ダメだ。」
ハンジ「私が約束したんだよね。」
エルヴィン「それに応えられないようになったのは誰のせいだ?」
ハンジ「・・・。」うっ
エルヴィン「私は君に提案したはずだ。壁外調査での実験に協力する代わりに、キース団長を納得できるような提案書を作るようにと・・・。」ハァ
ハンジ「だから、やったよ!!でも、すっごい重要な実験だからさ!夜な夜な考えても、まとまりきらなかったんだよ!」ぐわっ
エルヴィン「それで私が言った提出日に間に合わなかったのだな?」チラッ
ハンジ「!!あぁ・・・そうだよ!」アセッ
エルヴィン「だったら、どうするんだ?」ジィー
ハンジ「・・・うぅ・・急いで仕上げます。」シュン
エルヴィン「よろしい。頑張りなさい、ハンジ。」ニコッ
ハンジ「(・・・こういう時のエルヴィンって、目が絶対に笑ってないんだよな。)」ゾッ
その頃、第三分隊宿舎では・・・
リヴァイ「バカか。だから、ここは・・・。」ハァ
モブリット「すいません!!助かります!!」あわわ
ナナバ「(結局、教えてあげるんだからなぁ。)」クスッ
第一分隊の本当の飴とムチは!?
-
- 58 : 2015/09/05(土) 21:08:29 :
- episode.44「ハンジの誕生日」
The main character of this episode is Hans
リヴァイ「おい、エルヴィン。計画は順調なんだろうな?」
エルヴィン「ああ、もちろんだ。昨日はたっぷりと絞ったからな。徹夜で夕方まではぐっすりだろう。」
ナナバ「リヴァイって意外と心配性なんだね。」チラッ
リヴァイ「バカ言え。こんなこと準備して失敗したら格好がつかないだろうが。」フンッ
ミケ「・・・さすがにそろそろ起きてくる時間かもしれんな。俺はゲルガーたちのところに行ってこよう。」ガタッ
ガチャ
ハンジ「ナナバ、おはよう。昨日はエルヴィンのおかげで大変だったよー。」ハハッ
ナナバ「・・・。」ニコッ
ポンッ
ハンジ「えっ!?」
ナナバ「今日の主役には花の王冠をね。」クスッ
ハンジ「(花の王冠!?)」
ナナバ「さぁ、ハンジ!一緒に行こう!」スッ
ハンジ「ナナバに手を差し伸べられるなんて、お姫様になった気分だね。」ハハッ
ナナバ「・・・お姫様かは分からないけど、主役になるのはこれからだよ。」ニコッ
ハンジ「?」
ガチャ
ポンッ
エルヴィン「ハンジ、誕生日おめでとう。」
ハンジ「えっ!?」
エルヴィン「これは私たちみんなからのプレゼントだ。」
ハンジ「・・・エルヴィン。」じわっ
ポンッ
ハンジ「うわぁ!なにこれ!すげぇぇぇぇ!!」キラキラ
ナナバ「リヴァイ特製のパンケーキだよ。ハンジが来る瞬間に最後の一枚を乗せたんだ。」
リヴァイ「おい、余計なことを言うな。」チッ
ハンジ「すっげぇぇ、高い!!これ、どうやって積み上げたの!?」うわぁぁぁ
リヴァイ「?・・・普通に調理場で焼きながら投げれば積みあがるだろ。」
エルヴィン「その普通はきっとリヴァイだけだな。他の料理はナナバとミケが作ったんだ。」ハハッ
ナナバ「ちなみにね、このパンケーキの枚数にはちゃんと意味があるんだよ?」クスッ
ハンジ「えっ!?待って!!数えるよ!!」アセッ
リヴァイ「・・・。」
ハンジ「・・・私の歳の枚数だ。すげぇ!!!すごいよ、リヴァイ!!」
リヴァイ「・・・まぁな。」フンッ
ガチャ
ハンジ「ミケ!」
ミケ「丁度いいタイミングだな。」スンッ
パンッ!!
パンッ!!
モブリット「ハンジさん!」
ハンジ「モブリット!」
ゲルガー「お誕生日おめでとうございます!」
ハンジ「ゲルガーも!」
リーネ/ヘニング「こっちも忘れないでくださいね!」
ニファ「私もいますよ!ハンジさん!!」ニコッ
ハンジ「みんなっ!!」
ミケ「調査兵団のみんなを集めてきた。今夜はおまえの誕生祝いだ。」
ガヤガヤ
ハンジ「・・・。」
エルヴィン「ハンジ、どうした?」
ハンジ「・・・うおしぁぁぁぁ!今夜は呑むぞぉぉぉぉ!!(みんな、ありがとうっっ!!)」
ワー
ワー
今宵の夜は盛大に賑やかな第一分隊宿舎。
-
- 59 : 2015/09/05(土) 21:09:09 :
- ★作者より★
ハンジ、誕生日おめでとう(*´ω`)
-
- 60 : 2015/09/06(日) 18:49:20 :
- episode.45「リヴァイの休日」
The main character of this episode is Levi
チュンチュン・・
バタッ
リヴァイ「・・・いい天気だ。」
パタパタッ
サッサッ
フキフキ
ガチャ
エルヴィン「リヴァイ、昨日頼んだ書類はどうした?」
リヴァイ「ああ、もう出来ているが・・・。」チラッ
エルヴィン「どうした?」
リヴァイ「いや、なんでもない。」フイッ
エルヴィン「さすがはリヴァイだな、締切前に仕上げてくれて助かるよ。今日は非番か?」
リヴァイ「ああ。」
エルヴィン「また、宿舎内を掃除するんだろ?たまにはゆっくり休めよ。」ハハッ
バタンッ
リヴァイ「・・・(せっかく拭き掃除までしたのに、汚れたな。)」ハァ
フキフキ
ビュン
リヴァイ「!!」
ナナバ「リヴァイ!今日の買出し当番なんだけど、何か欲しいものある?」
リヴァイ「どこから来てんだ、てめぇは。」ギロッ
ナナバ「ごめん、ごめん。少量の買い物だから、森は立体機動で抜けようと思って。」アセッ
リヴァイ「だからといって、窓から来るかおまえは?」ジィー
ナナバ「?・・・聞きそびれたのを思い出したんだよ。歩いて戻るより、こっちの方が早いし効率的だろ?」
リヴァイ「・・・何もない。とっとと行け。」
ナナバ「邪魔して悪かったね。了解!」ビュン
リヴァイ「(窓の拭き掃除もやり直しか。)」ハァ
キュッキュッ
ハンジ「リヴァァァイ!!今日は非番なんだろー!?私とモブリットに付き合ってくれないか?」
ドンッ!!
ハンジ「ん?開かない?おい!リヴァイ!なんで閉めてるんだよっ!?」
ドンドンッ!
リヴァイ「お前たちに邪魔されずに掃除するには、その場所を締め切った方が効率的だからな。」フンッ
ハンジ「ちぇーなんだよ。」
そして・・・
ガチャ
ナナバ「!!」
ドンドンドンドンッ!!!
ミケ「おい、リヴァイ!開けろ!!!」
リヴァイ「・・・。」
ナナバ「ただいま。何やってるの?外まで聞こえてるよ。」
ハンジ「リヴァイがね、掃除を邪魔されないためには締め切ればいいって思ったらしいんだけど・・・。」ハァ
ミケ「俺はおまえが掃除をするって言うから、30分もトイレを我慢しているんだぞ!!」
ドンドンドンドンッ!!
リヴァイ「・・・。」キュッキュッ
ナナバ「トイレまで締め切ったんだね。」うっ
エルヴィン「そういうことだ。」
ミケ「(くっ・・・なんで俺が!!)」ドンドンッ!
リヴァイ「・・・あと少しだ。もう少し待ってろ。」
ミケ「もう少し!!?」うわぁぁぁぁ
エルヴィン/ハンジ/ナナバ「ミケ・・・頑張れ。」
リヴァイの掃除は続く・・・
-
- 61 : 2015/09/09(水) 23:14:18 :
- episode.46「最高速度で駆け抜けろ!」
ビュゥゥゥゥゥゥン
リヴァイ「おい、おまえら。ちゃんとついてきてるか?」
ミケ「ああ。」
ハンジ「ったく、リヴァイの立体機動の速さは尋常じゃないからね。少しはついていく方のことも考えてくれよ。」アセッ
リヴァイ「・・・これでも手を抜いてるんだが。そんなことを言えるようなら、まだまだ余裕なようだな、クソメガネ。」
ハンジ「・・・ちょっとリヴァイ、待って!まさか!!」
ナナバ「もう!ハンジのせいだよ!」アセッ
リヴァイ「いいか、おまえら。全員、最高速度で駆け抜けろ!」
ミケ「・・・。」
ハンジ「・・・。」くっ
ナナバ「・・・。」アセッ
ミケ/ハンジ/ナナバ「了解!!」
ビュゥゥゥゥゥン
ハンジ「・・・よし!見えてきた!!」
ガチャ
キース「?」
エルヴィン「・・・!!」
ビュゥゥゥゥン
ドンッ!!!
ミケ「着いたな。」
ハンジ「ああ。」ゲッソリ
ナナバ「ガス、使い切ったんじゃないかな。」グッタリ
リヴァイ「!!」
キース「こぉぉぉぉら!!貴様ら、何やっているんだ!」
ハンジ「(・・・このタイミングで、キース団長!)」ヒィ
ナナバ「(そういや、今日はエルヴィンに会いに来るって言ってたっけ。)」ゾゾッ
ミケ「・・・リヴァイ。」
リヴァイ「何って、買出しの帰りだが・・・。」
キース「買出しに立体機動を使うバカがいるかぁぁ!」ぐわっ
ミケ/ハンジ/ナナバ「(どうする!?どうやって切り抜ける!?)」アセッ
エルヴィン「・・・キース団長、これは第一分隊の訓練ですよ。」
リヴァイ「・・・!?」
キース「訓練だと!?」ギロッ
エルヴィン「はい。第一分隊宿舎は街へ抜けるまでに森に囲まれています。この森は立体機動の練習をするにはうってつけですからね。私の判断ですよ。」ニコッ
キース「・・・そ、そうか。ガスはあまり無駄にするなよ。」
エルヴィン「はい、心得ています。」
ミケ「まずいな。」
ハンジ「ああ。」
ナナバ「後でたっぷりとエルヴィンに絞られるね。」ゾッ
リヴァイ「・・・(エルヴィン・・・)。」
この後、たっぷりとエルヴィンに絞られた4人。
-
- 62 : 2015/09/15(火) 21:12:58 :
- episode.47「秋の味覚」
ハンジ「そろそろ色んなものがおいしくなってくる季節だよねー。」
エルヴィン「そうだな。この時期は色々なものが収穫の時期を迎えるからな。」
ハンジ「秋の味覚って言えばなんだろう?」
リヴァイ「栗だろ?」
エルヴィン「キノコだろ?」
ハンジ「そうだよ、キノコだよ。」
リヴァイ「・・・。」チッ
スタスタスタッ
ミケ「・・・リヴァイ、どうした?」スンッ
リヴァイ「・・・秋の味覚と言えばなんだ?」
ミケ「キノコだな。色々な香りがするから、それで季節を楽しめるな。」フッ
リヴァイ「・・・そうか。」チッ
ミケ「・・?」
スタスタスタッ
ガチャ
ナナバ「やぁ、リヴァイ。今日は私が料理当番だから食材を少し買い足そうかと思うんだけど・・・。」
リヴァイ「丁度いい。おまえにとっての秋の味覚はなんだ?」
ナナバ「うーん、秋の味覚かぁ。色々あるからなぁ。」
リヴァイ「・・・いいから、さっさと1つ言え!」
ナナバ「?・・・わかったよ、そうだなぁ・・・やっぱりキノコじゃない?色々な種類があっておいしいよね。」
リヴァイ「・・・もういい。」クルッ
ナナバ「・・・リヴァイ?」
夕方
ナナバ「あれ?」
ミケ「どうした?」
ナナバ「食糧庫にキノコがあったはずなんだけど・・。」
エルヴィン「だけど?」
ナナバ「全部、栗に代わってるんだ。」
エルヴィン「それは・・・」
ミケ「リヴァイの仕業だな。」
ダダダダダダダッ
ハンジ「みんな!!」
ナナバ「どうしたの、ハンジ?そんなに急いで。」アセッ
ハンジ「今、モブリットのところに行ってたんだけど、リヴァイが急にたくさんのキノコを置いていったって。なんかあったの?」
エルヴィン「リヴァイ・・・。」
リヴァイ「・・・。」フンッ
-
- 63 : 2015/09/15(火) 21:14:23 :
- ★作者より★
過去のepisodeより、リヴァイはナナバの一言でキノコが嫌いになっています。たとえ嫌いでも食べ物は決して無駄にしないのがリヴァイらしいかなと思ってます( ̄▽ ̄)
-
- 64 : 2015/09/21(月) 01:15:04 :
- episode.48「深夜の攻防戦」
ある日の夜
ナナバ「ふぁ・・・眠いな。」
キィ
ナナバ「(あれ・・・リヴァイの部屋が開いてる。)」
ガチャ
ナナバ「リヴァイ?いるのか?」
リヴァイ「・・・。」
ナナバ「なんだ、いるんじゃないか。扉が開いてるよ?」
リヴァイ「・・・。」
ナナバ「(あれ?寝ているのかな?)」
ソロッ
ナナバ「(これで起きていたら怖いな。)」ゴクッ
ヒョイ
リヴァイ「・・・。」
ナナバ「なんだ・・・寝ているのか。」ホッ
ナナバ「それにしても座ったまま寝ることが多いって聞いたけど、本当に座って寝てるなんて。」
リヴァイ「・・・。」
ナナバ ジィーッ
ナナバ「(リヴァイ、こんなときでも眉間にしわが寄ってる。)」クスッ
リヴァイ 「・・・。」ピクッ
ナナバ「!!(起きるっ!!)」アセッ
シーン
ナナバ「(大丈夫そうかな?)」ホッ
チラッ
ナナバ「(それにしても綺麗な髪をしているな。羨ましいくらいだ。)」ジィー
サラッ
ナナバ「(近づきすぎて、髪に触れちゃったよ。大丈夫かな?)」チラッ
リヴァイ「・・・。」
ナナバ「・・・大丈夫か。」ホッ
スーッ スーッ
ナナバ「(寝息が聞こえる。これでも安眠しているのかな?)」
バサッ
ナナバ「!!」
ヒュゥゥゥ
ナナバ「なんだ・・・カーテンか。」ホッ
グイッ!!!
ナナバ「!!!」
リヴァイ「・・・ナナバ、おまえは一体何をしている?」ギロッ
ナナバ「リヴァイ・・・その手を離してくれないか?それに、顔が近いよ。」アセッ
リヴァイ「・・・。」チッ
バッ
ナナバ「ゲホッ・・ゲホッ・・。」ホッ
リヴァイ「・・・。」
ナナバ「いつから起きてたんだよ?起きたなら、目を開ければいいじゃないか。」
リヴァイ「ここまで来るとは思わなかったからな。」
ナナバ「!!そんな最初から起きていたの?」
リヴァイ「俺を誰だと思ってる?」
ナナバ「・・・。」
リヴァイ「おまえに寝込みを襲う趣味があるとはな。」
ナナバ「勘弁してくれよ!扉が開いていたから教えてあげようとしただけだよ。」
リヴァイ「・・・。」ジロッ
ナナバ「・・・リヴァイは近くでマジマジと見られてよく目を開けなかったね。」
リヴァイ「足音でおまえだとわかっていたからな。ハンジだったら飛び起きていたところだ。」
ナナバ「あはは・・・それは私も同じだろうね。」
リヴァイ「さすがに顔が近づいたときはむずかゆかった。」
ナナバ「・・・堪えてたんだね?」
リヴァイ「・・・ああ、こんな顔でも必死でな。」
ナナバ「(こんな顔!?)・・・じゃ、必死で堪えたことは誰にも言わないでおくよ。」
リヴァイ「それはこっちの台詞だ。おまえが俺の寝込みを襲おうとしたことは黙っておいてやる。」
ナナバ「・・・お互い・・・だね?」クスッ
リヴァイ「・・・ああ。」
ナナバ「おやすみ、リヴァイ。扉は私がちゃんと閉めとくよ。」
リヴァイ「すまないな。おまえもゆっくり休め。」
バタンッ
深夜の静かな一瞬の攻防戦。
-
- 65 : 2015/09/21(月) 01:16:23 :
- ★作者より★
最近、停滞気味&まとまりが悪くてごめんなさい。
季節の変わり目の淋しさも相まってしんみり的なイメージが多いです。充電しつつ、第一分隊のみなさんにも和気あいあいしてもらえるように頑張ります。
-
- 66 : 2015/09/22(火) 23:14:54 :
- episode.49「深夜の攻防戦(2)」
モブリット「ハンジさん、まだ続けるんですか?」
ハンジ「もちろんだよ、モブリット!私の考えた考察で大事なのはここからだからね。今夜も眠れないよ?覚悟しておいてくれ。」
モブリット「覚悟って・・・いつものことじゃないですか。」ハァァ
ハンジ「そんな嫌な顔をしないでくれよ。ちゃんと眠らずに済むように、コーヒーでも一杯飲んで一息入れよう。」
ガチャ
ハンジ「ん!?」
モブリット「あれは・・・エルヴィン分隊長?」
エルヴィン「・・・。」
ハンジ「・・・寝ているようだね。ん?」
パサッ
ハンジ「ここで書類作業をしていたのか。相変わらずの仕事人間だな、エルヴィンは。」
モブリット「このままでは風邪をひいてしまいます。掛物を取ってきますね。」ダダッ
シーン
ハンジ「仕事で疲れて眠っているエルヴィン・・・これはなかなかお目にかかれないねぇ・・・」ジィー
エルヴィン「・・・・。」スー スー
ハンジ「・・・。」ニヤッ
ジョキジョキ
キュッキュッ
ハンジ「・・・ぶふっ。(早くモブリット帰ってこないかな)」ブルブル
エルヴィン「!!」パチッ
ハンジ「!!」
エルヴィン「全員、出撃!!!!」ドンッ
リヴァイ「!!」
ミケ「!!」
ナナバ「!!」
モブリット「!!」
バタッ
ズササササッ
バンッ!!
ミケ「エルヴィン、どうした!?」
ナナバ「!!」
モブリット「!!」
リヴァイ「おい、クソメガネ。一体これはどういう状況だ?説明しろ。」
ハンジ「・・・。」アセッ
ナナバ「エルヴィン?」
エルヴィン「・・・ん?・・・!!これは何だ!?」
ミケ「どうした、何かあったのか・・?・・・!!ぶふっ・・・ハンジ、おまえがやったのか!?」
モブリット「あんた、私がいない間に分隊長に何をしてるんですかっ!!」
ハンジ「いやぁ、帰ってきたモブリットを笑わせようと思ったんだよ。」
ミケ「それでリヴァイの目を書いた紙をエルヴィンの瞼に張り付けたのか?」アセッ
ハンジ「へへへ・・・似てるだろ?」アセッ
ナナバ「エルヴィンはそれに気づいて叫んだの?」
エルヴィン「いや・・・夢を見ていたようだ。」
ハンジ「へっ!?寝言だったの!?」
リヴァイ「寝言だったとはいえ・・・すべての元凶はおまえだろうが・・・。」ジリッ
ハンジ「ちょっと待ってよ、みんなを起こしたのはエルヴィンじゃないか!」
リヴァイ「ごちゃごちゃ言うんじゃねぇ。」ジャキッ
ハンジ「うわぁぁぁぁ!!」ダダッ
ギャー
ギャー
こちらは深夜の激しい攻防戦。
-
- 67 : 2015/09/23(水) 16:10:59 :
- episode.50「クソメガネ」
調査兵団本部書庫
ガタッ
ハンジ「・・・ん?」
バサッ
ドサドサドサッ
ハンジ「・・・イタタタタタッ、調べものしてたら寝ちゃってたみたいだね。・・あれ?メガネがない・・・どこいったんだ?」
キョロキョロ
ハンジ「うーん・・・この視力じゃ見つけようがないな。よし、誰か呼んでこよう。」
ザワザワ
ゲルガー「おい、あれ誰だ?あんな女いたか?」
リーネ「え・・・あれってもしかしてハンジさん!?」
ハンジ「・・・!!」
ダダダダッ
ガシッ
ゲルガー「!!」
ハンジ「モブリット~!!助けてくれよー!!メガネがどっか行っちゃったんだ~。」
兵士A「いえ、私はモブリットでは・・・。」アセッ
ハンジ「ああ!ごめん、メガネがないとよく見えなくて・・・」パッ
リーネ「ハンジさんって、結構視力悪いんだね。」
ゲルガー「ああ。」
ダダダダダッ
ガシッ
ハンジ「なぁ、ミケ!メガネがどっか行っちゃったんだよ!一緒に探してくれよ!」ダキッ
エルヴィン「・・・ハンジ、私はエルヴィンだ。メガネを失くしたのか・・・ミケは今は本部にいないから、リヴァイやナナバに手伝ってもらったらどうだ?」
ハンジ「ああ!エルヴィン!ごめん!そうだね、リヴァイたちを探してみるよ。」アセッ
ダダダダダッ
リヴァイ「・・・おい、クソ・・・・?」
ナナバ「ハンジ?メガネしてないの?」
スーッ
リヴァイ/ナナバ「(気づいてないのか・・!?)」
ハンジ「(あれ?今、一瞬リヴァイとナナバの声がしたような気がするんだけど、どこにいるんだ?)」
兵士B「はぁぁ・・・怖かった。あの人とすれ違うだけども緊張するんだよなぁ。」ハァ
兵士C「ああ、本当だ。毎回、何か叱られるんじゃないかってビクビクしてるよ。」ハハッ
ハンジ「!!」
ダダダダダダッ
ハンジ「(いたっ!!)」ガシッ
「!!」
ハンジ「なぁ!メガネ探すの手伝ってくれよ!私と君の仲じゃないか!」ドンッ
キース「・・・。」
リヴァイ「あいつは一体何やってるんだ?」
ナナバ「メガネがなくて大変なのはわかったかな。」アセッ
キース「・・・。」
兵士たち「(うわぁぁぁぁ!!なんてことをやってくれたんだぁぁ!!)」サーッ
ナナバ「団長と誰を間違えたんだろう・・・」ゾッ
リヴァイ「クソメガネ・・・メガネがないとただのクソだな。」フンッ
ナナバ「ねぇ・・・その表現、やめなよ。探すの手伝ってあげようよ?」
リヴァイ「チッ、仕方ねぇ。」ハァ
キース「・・・。」ワナワナ
ハンジ「??」
このあと、リヴァイとナナバの協力によりメガネを無事に発見したハンジなのであった。
-
- 68 : 2015/09/27(日) 16:05:17 :
- episode.51「馬蹄投げ」
エルヴィン「よし、今日は馬蹄投げをしよう。」
ナナバ「馬蹄投げって・・・エルヴィン、それも訓練なの?」
ミケ「いや、訓練ではないな。」
ハンジ「兵士の遊びなんて酒場でくだならい賭け事するくらいだろ?不健全じゃないか。」
エルヴィン「まぁ、訓練とは違って爽やかに運動をしようということだ。」
リヴァイ「・・・。」
ハンジ「そうだね、簡単な兵士たちのスポーツって考えればいいよ。」
ハンジ「リヴァイ、君はちゃんと採点者を見つけてくるんだね。」
リヴァイ「・・・わかった。」ビュン
ナナバ「採点者って?それぞれがくいに入ったものを数えればいいだろ?」
エルヴィン「リヴァイのは特別なんだ。後でわかる。」
ナナバ「??」
20分後
ビュゥゥゥゥン
ダンッ
リヴァイ「モブリットに頼んできた。」
エルヴィン「そうか。では、始めよう。」
ハンジ「よし、一番手は私がいこうかな?」フフッ
ナナバ「ハンジ、自信たっぷりだね。」
ハンジ「これは意外と得意なんだ。行くよ!」ブンッ
カンッ
ハンジ「ああ!!惜しい!!」
エルヴィン「これは1点だな。」
ミケ「・・・・。」スンッ
ブンッ
ナナバ「くいにかかった!!」
ミケ「・・・フッ。」スンッ
エルヴィン「さすがミケだな、3点だ。」
スッ
リヴァイ「・・・。」スタスタッ
ブンッ
ビュゥゥゥゥゥゥゥン
ナナバ「えっ!!?リヴァイ、どこに投げているんだよ?くいはすぐそこだろ??」
ミケ「言っただろ、ナナバ。」
ナナバ「!?」
ハンジ「リヴァイは特別だって。」
その頃・・・
リーネ「あれ?モブリット・・・こんなところに突っ立って何してんの?」
モブリット「リヴァイさんに頼まれて・・・。」アセッ
リーネ「頼まれたって、何を?」
ビュゥゥゥゥゥン
モブリット「来た!!リーネ、下がって!」バッ
リーネ「えっ?」
ドンッ
ドンッ
ドンッ
リーネ「・・・何これ?くい?馬蹄投げ!??」
モブリット「さすがはリヴァイさん・・・すべてくいに蹄鉄がかかっている!」
エルヴィン「リヴァイと普通のルールで戦っては勝負にならないからな。ハンジが考え出したんだ。」
ナナバ「そうなんだ・・・。」アセッ
ハンジ「まぁ、それでもリヴァイがいつも1番なんだけど。」ヤレヤレ
リヴァイの馬蹄投げは特別ルール。
-
- 69 : 2015/10/12(月) 16:41:44 :
- 作者より
ご無沙汰しました。
このところ脳内でハンジさんにガンガン蹴り起こされているイメージが降ってきておりまして、第一分隊の皆様が以下のような会話を繰り広げるので、少し投稿します。新たなepisodeの投下は明後日の予定です。その前振り的なものを以下に↓
ガンガンッ
エルヴィン「ハンジ、やめなさい。」
ハンジ「だってさ、この作者、最近ずっとお眠り状態じゃないか!?私たちが全然動いてないんだよ!?」
ナナバ「まぁ、確かにね。」
リヴァイ「ハンジ、やめろ。ただでさえ、空っぽのこいつの頭が本当にすっからかんになっちまうだろ。まぁ、こいつが書かなければ俺には災難が降ってこないから助かる。」
ハンジ「そんなっ!!!私はもっと動きたいんだよ!ほら、もっとこうさぁ・・・活発に!!」ビョンビョン
エルヴィン「ハンジ・・・(やめなさいと言ったのに)疲れているんだろう、そのうちまた我々が活動する時が来る。」
ミケ「・・・・」スンスン
ナナバ「ミケ?」
ミケ「・・・確かに疲れてはいるようだ。」フッ
リヴァイ「そんなことより、エルヴィン・・・貴様の明後日の予定はなんだ?」
エルヴィン「明後日か・・・明後日は定例の会議が入ってるからな。夕方までは本部にいるぞ。」
リヴァイ「そうか。」ズズッ
ハンジ「・・・。」
ミケ「・・・。」
ナナバ「・・・。」
エルヴィン「なんだ、お前たち。私の誕生日でも祝ってくれるのか?」
リヴァイ「チッ・・少しは遠慮して言え。ああ、盛大にな。」
エルヴィン「ははっ、私はちょっとやそっとのことでは驚かないぞ?」
バンッ!!!
ミケ/リヴァイ/ナナバ 「!!」ビクッ
ハンジ「何を言っているんだい、エルヴィン?そんなの決まっているじゃないか。調査兵団一冷静で頭脳明晰な男、エルヴィン・スミスを驚かせる最高に滾るやつを用意しておくよ?」フフフ
本episodeに続く・・・
-
- 70 : 2015/10/13(火) 23:59:11 :
- episode.52「新たな決意(1)」
10月14日当日
ガチャ
ハンジ「やぁ、みんな。準備は捗っているかい?」
ナナバ「うん、私は飾り付けも終わったよ。それにハンジに頼まれたものも用意したよ。」
ハンジ「ケーキは?」
リヴァイ「ミケが作っている。」
ミケ「そろそろ仕上げだ。」スンッ
ハンジ「リヴァイ、君はちゃんと何か手伝っているのか?」アセッ
リヴァイ「バカ言え。俺には重大な任務がある。俺たちの意思を奴に示す重要な・・・それに、こいつはでかい図体に似合わず、こういう作業が上手いからな。」
ミケ「!!」ガタッ
ナナバ「危ないっ!!」
ガシッ
リヴァイ「チッ、危なっかしいな。大事なケーキだ。最後の最後で崩すな。」
ミケ「すまない。」ホッ
ハンジ「私はそろそろ本部に向かうよ。最高に滾るものを見せるには入念な準備が必要だからね。」ムフフッ
リヴァイ「・・・・チッ、気色悪いな。俺も準備に街に向かう。ミケ、ナナバ、お前たちも準備が終わったら、本部に合流だ。あと、ハンジ!おまえの相棒も連れてくるのを忘れるなよ。」
ハンジ「ああ!彼はとても大事な役目を背負っているからね。もちろんだよ。」ニカッ
調査兵団本部
キース「以上で、本日の定例会議は終了する。何か言い残したことがある者はいないか。エルヴィン、お前はどうだ?」
エルヴィン「いえ、私はなにも。」
キース「では、解散だ。」
ガヤガヤ
ガチャ
エルヴィン「!!」
リヴァイ「・・・。」
エルヴィン「なんだ、ここまでお出迎えか。」
リヴァイ「・・・まぁな。あいつらも待っている。こっちへ来い。」
エルヴィン「・・・ああ、今日はゲストだったな。分かったよ、ついて行こう。」
トントンッ
ハンジ「どうぞー!」
ガチャ
エルヴィン「モブリット・・・君も来ていたのか。」
モブリット「はい・・・私はハンジさんから頼まれまして・・・エルヴィン分隊長、誕生日おめでとうございます。」
エルヴィン「ああ、君まで巻き込んですまない。ありがとう。」
リヴァイ「いつまで話しているんだ。早く座れ。」
エルヴィン「一体、何をするんだ?」
ハンジ「ほら、いいから!」ドカッ
ナナバ「モブリット、頼んだよ!」
ハンジ「みんな、少しの間、じっとしていてくれよ。」
リヴァイ「それは、こっちの台詞だ。」ハァ
モブリット「・・・・・。」ジィー
シュッシュッ
エルヴィン「私たちを描いているのか?」
モブリット「はい、ハンジさんやナナバが第一分隊のみんなで揃った肖像画が欲しいって私に依頼してくれたんです。」
ナナバ「モブリットは調査兵団の中でも絵の才能があるからね。」
ハンジ「どこかの誰かさんとは大違いだ」クスッ
リヴァイ「・・・・。」フンッ
30分後・・・
ギシッギシッ
ミケ「おい・・・動くなと言ったのはどこの誰だ?」
ハンジ「だって、落ち着かなくて。」アセッ
モブリット「ちょっと、もう少しですから!おとなしくしていてくださいよ!」アセッ
エルヴィン「ハンジ、モブリットやみんなの言うことを聞きなさい。」
ハンジ「えーでもさ、なんかこう違うんだよね。このかしこまってる、距離感!?私たちはさぁ・・・ほらっ!」グイッ
リヴァイ「!!」グイッ
ナナバ「うわぁ!!」グイッ
ハンジ「ほら、やっぱり!こうでなくちゃ!」ギュゥゥゥ
モブリット「・・・・。」
ミケ「モブリット、どうした?」
モブリット「いえ・・・今の瞬間の皆さんがとても素敵だったので・・・このまま描かせてもらいますっ!!」
10分後
モブリット「できました。後は少し手直しをして改めてお渡しします。」
エルヴィン「モブリット、すまなかったな。本当にありがとう。」
-
- 71 : 2015/10/14(水) 00:00:32 :
- episode.53「新たな決意(2)」
ナナバ「エルヴィン!!」ニコッ
パサッ
エルヴィン「花束か・・・いい香りだ。ナナバ、ありがとう。」
ナナバ「どういたしまして。誕生日おめでとう。」
ドンッ
エルヴィン「!!・・・なんだ、リヴァイ?」
リヴァイ「俺達からだ。受け取れ。」
エルヴィン「ありがとう、開けてもいいかな。」
リヴァイ「ああ。」
ミケ「・・・。」ゴクッ
ハンジ「・・・。」ワクワク
ナナバ「・・・。」ドキドキ
エルヴィン「・・・これは、私がおまえに頼まれて預けたループタイじゃないか。」
リヴァイ「ああ。そうだ。」
ナナバ「でもね、それは今までエルヴィンが持っていたものとは違うんだよ。」
エルヴィン「!?」
ミケ「我々が持っている正装時に身に着けるものから、紐を解いて編み込んである。」
エルヴィン「何っ!?」
リヴァイ「つまり、俺たちは繋がっているということだ。」
エルヴィン「?」
ナナバ「あ、ごめんね。リヴァイのじゃ分からないよね。つまり、私たちは常にエルヴィンを団結して支持するっていう意志を表しているんだよ。そうしたいって、リヴァイが考えたんだ。プレゼント考案担当だからね。」クスッ
ミケ「リヴァイにしてはセンスが良かったな。」フッ
リヴァイ「チッ・・・おまえら、好き勝手言いやがって。」イラッ
エルヴィン「いや・・・嬉しいよ。私はすべてにおいて優秀な部下を団長から預かっているのに、ここまで想ってもらえて光栄だよ。」
モブリット「よかったですね、エルヴィン分隊長。」
エルヴィン「ああ。そういえば、ハンジは?」
ミケ「もう外で待っているんじゃないか。宿舎に戻ったら盛大に祝う予定だからな。」
ナナバ「ミケのお手製ケーキもあるしね。」
エルヴィン「それは楽しみだな。さぁ、戻ろうか。」
ガチャ
エルヴィン「!!」
ズラッ
兵士たち「・・・。」ゴクッ
エルヴィン「これは・・・。」
兵士「全員、エルヴィン分隊長に敬礼!!!!」
兵士たち「敬礼!!!!」ドンッ
エルヴィン「・・・。」
兵士「エルヴィン分隊長!我々はあなたのその圧倒的な思考力と冷静な判断力に常に救われてきました!エルヴィン分隊長・・・あなたは・・・我々、調査兵団・・・いや人類にとって巨人から自由を手にいれる道を照らしだす希望の光です。全人類に代わって、エルヴィン分隊長に敬礼を!!!そして、その光が灯った今日という尊い日に敬礼を!!」
兵士たち ドンッ(敬礼)!!!
エルヴィン「・・・・ハンジ、おまえが言っていたのはこれか?」
ハンジ「・・・。」コクッ
エルヴィン「・・・本当に滾ったよ。お前たちには敵わないな。」ハハッ
ゲルガー「さぁ!これから第一分隊の宿舎で宴だ!!!いい酒呑もうぜ!!」
リーネ「こらっ!今宵は分隊長のお祝いでしょ!あんたは酒のことばっかりなんだから!」ゴンッ
ゲルガー「いってぇ!!」
兵士たち「ハハハハ」
ガヤガヤ
エルヴィン「リヴァイ・・・盛大な祝いをありがとう。」
リヴァイ「・・・ここからだからな。俺達の目指すものにはまだ遠い。おまえには頑張ってその頭を使ってもらわないとな。」
エルヴィン「ああ、わかっているよ。全ては人類の勝利のために。」
リヴァイ「ああ。」
エルヴィン「今日は前進への第一歩だ。」
(作者より)エルヴィン、お誕生日おめでとう!!!
-
- 72 : 2015/10/28(水) 19:51:56 :
- episode.54「見張りは2人」
壁外調査
モブリット「こうやって同期で語り合うのも久しぶりだな。」
ゲルガー「そうだな。やっぱりお前らと一緒に呑む酒は格別に旨いぜっ!」
リーネ「・・・あんた、いつでもおんなじ顔してバカみたいに呑んでるじゃない。」ハァ
ナナバ「・・・ん?」
ヘニング「ナナバ、どうした?」
ナナバ「いや・・今、兵士が部屋に戻っていくのが見えたから・・。」
ゲルガー「どうせ、見張り番で便所にでも行ってんだろ?」グビッ
ガタッ
モブリット「ナナバ?」
ナナバ「私もちょっとお手洗いでも行ってくるよ。」ニコッ
ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥ
ナナバ「(今夜は結構風が強いな。)」ブルッ
トントントントンッ
「・・・!!」
ナナバ「やぁ、やっぱり今夜の見張りだったね。」
リヴァイ「・・・なんだ、おまえか。」
ナナバ「・・・。」
リヴァイ「なんだ?」
ナナバ「見張りは2人体制が決まりだよね。もう1人は?」
リヴァイ「・・・帰した。」
ナナバ「えっ?」
リヴァイ「横で寒いだの、眠いだのうるさいからな。見張りに集中できやしねぇ。俺一人で十分だ。」フンッ
ドサッ
リヴァイ「!?重てぇな、どういうつもりだ。」
ナナバ「どういうって、見張りだよ。いくらリヴァイが人類最強でも背中に目はついてないからね。」
リヴァイ「だからって背中合わせでくっついてくるな。重い。」
ナナバ「ははっ、風が強くて少し冷えるからね。少しは大目に見てくれないかな?」
リヴァイ「・・・。」フンッ
ナナバ「ねぇ・・・リヴァイ。」
リヴァイ「なんだ?おまえも帰した兵士みたいにうるさく話しかけるつもりか。」
ナナバ「・・・。」
リヴァイ「チッ・・・早く言え。」
ナナバ「巨人って本当にいなくなると思う?」
リヴァイ「はっ?」
ナナバ「いや、こうやって壁外調査に行くたびに巨人と戦っているけれど、この世界にどのくらいの巨人がいるかもわからないし、壁の中にいる私たちにはこの世界がどのくらい広いかも分からないだろ?」アセッ
リヴァイ「・・・まぁな。おまえは俺たちの戦いが無駄だって言いたいのか?」
ナナバ「そんなわけないだろ!そんなことを思っていたら、私はここにいない!ただ・・・」
リヴァイ「ただ?」
ナナバ「ただ、たまに漠然と思うだけだよ。」
リヴァイ「・・・。」
ナナバ「・・・。」
リヴァイ「・・・確かに」
ナナバ「・・・!?」
リヴァイ「確かにおまえが言うように巨人がいなくなるかなんて今は分からない。だが、この先、5年後、10年後、100年後・・・そのもっと先はどうなっているかなんて誰にも分からないだろ。」
ナナバ「ああ。」
リヴァイ「俺達はその分からない先を繋げるために、必死でもがいてんじゃねぇのか。たとえこの命がてめぇで思ってるより早く尽き果てたとしてもだ。」
ナナバ「・・・私たちは繋げていかなくてはいけない・・か。」
リヴァイ「俺はそれがせめてもの共に戦って死んでいった奴らへの弔いだと思っている。」
ナナバ「!!・・・そうだね。」
リヴァイ「ああ。」
ナナバ「そういえば・・」
リヴァイ「なんだ、まだ喋る気か?俺は見張り中だと・・」
ナナバ スッ
リヴァイ「!?」
ナナバ「分かっているよ、邪魔したね。私は帰るよ。」
リヴァイ「・・・。」
ブンッ
ボフッ!
ナナバ「リヴァイ、一体何を投げてるんだよ!?・・・マント?」
リヴァイ「帰るなよ・・・ずっと、此処にいれば良いだろ。」
ナナバ「見張りは邪魔されたくないんじゃなかったの?」
リヴァイ「チッ、うるさい奴だな。見張りは・・・」
ナナバ「2人体制だからね。」クスッ
その頃
リーネ「ねー、ナナバ戻ってこなけど・・・」
ゲルガー「珍しく長い便所だな。」
モブリット「放っておいてあげよう。昔からナナバはよく気が付く奴だからさ。」
今夜は急遽、ナナバも見張り番。
-
- 73 : 2015/11/12(木) 14:28:56 :
- episode.55「似合わない言葉」
カチャ
ハンジ「なんだ、まだ起きてたの?」
エルヴィン「ああ、ハンジか。キース団長から依頼された書類が山積みでね。今、一息入れに来たところだ。」
ハンジ「団長は人使いが荒いからなぁ。」
エルヴィン「はは、そう言いながらもしっかりと尊敬のまなざしで見つめるのが君のいいところかな。」
ハンジ「なっ・・・こんなときに変なこと言わないでくれよっ。だいたい調査兵団の一員として団長を尊敬するのは・・・。」
エルヴィン「ところで、お前も飲むか?」
ハンジ「(・・・振っておいて聞いてないのか。)ああ、じぁもらおうかな。」アセッ
カタカタッ
ハンジ「隙間風か?」
エルヴィン「そのようだな。今度の非番の時にミケにでも直してもらうか。」
ハンジ「それがいいね。ミケは修理とか上手いから。・・・それにしても寒いね。」
エルヴィン「寒いな。」
ハンジ「・・・。」
エルヴィン「なんだ、目を丸くして?」
ハンジ「いや、寒いねって言って寒いと言葉が返ってくるのって温かいなって思って。」
エルヴィン「・・・。」
ハンジ「なんだよ?今度はエルヴィンが目を丸くしてるじゃないか。」
エルヴィン「いや、ハンジにしては情緒的なことを考えるなと思っただけだ。」
ハンジ「私だってたまにはそんなことも考えるよ。調査兵団のいる状況は普通じゃないからね。こういう風に明日も会話が出来るとは限らない。」
エルヴィン「ああ、そうだな。」
ハンジ「だから、酒を呑んで笑い合っていたってどこかで不安がつきまとう。こころから休まることなんて・・・もう忘れちゃったかな。」
エルヴィン「・・・。」
ハンジ「でも、不思議だね。たわいもない言葉の返しなのに今のはなんだか温かかったよ。コーヒーのおかげかな?ありがとう。」
エルヴィン「我々も人ということだな。」
ハンジ「調査兵団の中でも屈指の変人の集まりだけどね。」ニカッ
『「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ』俵万智の短歌が好きでなんとなく書き上げました。
オチのないエピソードですが余韻を楽しんでもらえれば光栄です。
-
- 74 : 2015/12/24(木) 23:58:54 :
- episode.5221「思い出の日」
調査兵団第一分隊宿舎
コンコンッ
ナナバ「リヴァイ、入るよ。」
「・・・。」
ナナバ「・・・リヴァイ?」
「・・・。」
ナナバ「・・・。」ソロリ・・
バッ
ナナバ「!!」
ミケ「やめておけ。眠っている。」スンッ
ナナバ「ミケ!(なんで確認のために覗き込もうとしたのが分かったんだ?)」アセッ
エルヴィン「いいじゃないか。都合がいい。このまま少し休ませよう。」
ハンジ「そうだね、たまには人類最強にも昼寝は必要さ。」ハハッ
モブリット「ハンジさん!早くしてくださいよ!間に合いませんよ!?」
ハンジ「ああ、悪い。モブリット、リヴァイが寝ているんだ。声はあまり大きくしないでくれ。」
モブリット「そうだったんですか、気づかずにすいません。」
エルヴィン「さぁ、お前たち。部屋を出よう。」
ミケ「ナナバ、おまえもやることがあるだろう?行くぞ。」
ナナバ「ああ・・うん。」
バタンッ
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
バタバタバタッ
兵士A「チッ、これだから街は苦手なんだよ。ガキが走り回って鬱陶しい。」
兵士B「ここら辺は王都と言っても、地下街の入口が近いからな。物騒なんだよ。地下街の奴らなんて・・。」ドンッ
兵士A「(おい、やめておけ)」コソッ
兵士B「・・・ああ、そうだな」チラッ
リヴァイ「・・・。」フンッ
ドンッ!!!
子供「うわぁ、ごめんなさい。」
リヴァイ「ああ?」ジロッ
子供「!!!」
母親「こら!こっちに来なさい!」
子供「うわぁぁぁん。」
母親「静かにしなさい、調査兵団の兵士なんて・・・。」コソッ
リヴァイ「・・・。」フイッ
ドンッ!!
リヴァイ「(チッ、またクソガキか・・・!!!)」
子供「・・・。」ジィー
リヴァイ「・・・。」
「おいで、リヴァイ。」
リヴァイ「!!」
クシェル「ごめんなさい、少し人見知りな子で・・。」
リヴァイ「・・・(何がどうなっていやがる!?)」
子リヴァイ「・・・。」ジィー
クシェル「あらあら、そんなに兵士さんが珍しいかしら?」クスッ
リヴァイ「あの・・・あなたの名前を・・・」
クシェル「クシェ・・・オランピアと言います。この子は・・・。」チラッ
子リヴァイ「・・・ただのリヴァイ。」
リヴァイ「・・・そうですか。」
クシェル「よく言えたわね、偉いわ。」ポンポンッ
子リヴァイ「・・・。」ジィー
リヴァイ(これはどういう状況だ・・・。幻覚でも見ているのか。一緒に来た兵士たちも、もう見当たらねぇ。・・・それにしても愛想のないガキだな。)
キュッ
クシェル「ああ、ごめんなさい。リヴァイ、離しなさい。兵士さんのマントをつかんではダメよ。」
子リヴァイ「・・・一緒に行こう。」
リヴァイ「はっ?」
クシェル「何を言っているの?兵士さんは任務があるのよ?」
リヴァイ「か・・あなた達はどうしてここへ?」
クシェル「どうして?ああ・・・この身なりじゃ王都に住んでいる人間にはとても見えませんよね。・・・私たち、地下街で暮らしていまして・・・実はこの子の誕生日が今日なんです。それで奮発して買出しに出てきていて、これから戻るところなんです。」
リヴァイ「・・・そうですか。」
子リヴァイ「行こう。」グイッ
リヴァイ「・・・わかった。」
クシェル「・・・大丈夫なのですか?こらから地下街に戻るんですよ?」
リヴァイ「・・・構いません。今日は非番なので。」チラッ
クシェル「すいません。この子の我儘に付き合ってくださって。あの・・・失礼でなければお名前は?」
リヴァイ「・・・エルヴィンです。ただのエルヴィン。」
クシェル「!・・・エルヴィンさんですね、よろしくお願いします。」クスッ
リヴァイ「・・・はい。」
ガチャ
リヴァイ「・・・。」スーッ
パラパラッ・・・
クシェル「すいません、汚いところで。綺麗にはしているつもりですが、環境が環境なので。」
リヴァイ「いえ・・・。」
クシェル「今から準備しますので、座っていらしてください。」
リヴァイ「はい・・。」
子リヴァイ「一緒に蒔き割りしよう。」
クシェル「こら!それはリヴァイの仕事よ!」
リヴァイ「構いません。・・・行くか?」
子リヴァイ「・・・。」コクッ
-
- 75 : 2015/12/25(金) 00:01:05 :
- episode.5221「思い出の日(2)」
カンッ バキッ
子リヴァイ「・・・すごい。」ボソッ
リヴァイ「なんだ、てめぇはそれしかできねぇのか?」
子リヴァイ「・・・いつもは母さんが手伝ってくれる。」
リヴァイ「あ?いつまでも母親に頼ってるんじゃねぇ。これくらいできなきゃ、一人で生きていけねぇぞ?」
子リヴァイ「一人じゃない。母さんがいる。」
リヴァイ「!!・・・ああ、今はな。」
子リヴァイ「母さんはずっと一緒だ。」
リヴァイ「・・・おまえ、母さんが好きか?」
子リヴァイ「・・・。」コクッ
リヴァイ「そうか。だったら、その大好きな母さんに苦労ばかりかけてねぇで少しでも楽させてやれるように強くなれ。」
子リヴァイ「苦労?」
リヴァイ「チッ・・・せめて蒔き割くらい自分一人でやれ。」
子リヴァイ「・・・。」
リヴァイ「なんだ?」
子リヴァイ「そうすれば、母さんは喜ぶ?」
リヴァイ「そうだな。喜ぶかもしれん。」
子リヴァイ「・・・上手く割れない。」
リヴァイ「それはおまえがコツを知らないからだ。」
子リヴァイ「コツ?」
リヴァイ「・・・来い。」
1時間後
クシェル「すいません、お待たせしちゃって。出来ましたよ。」
子リヴァイ「母さん!見て!今日は僕がこんなに割った!」
クシェル「まぁ、こんなに!よく頑張ったわね。」ニコッ
子リヴァイ「これからは苦労をかけないんだ。僕だけで出来る。」
クシェル「苦労?・・・ふふ、ありがとう。リヴァイ。」ギュッ
クシェル「さぁ、先に部屋に戻って手を洗いなさい。」
子リヴァイ「はい。」バタバタバタッ
クシェル「ありがとうございます。本当はエルヴィンさんがほとんど割ってくださったんでしょう?」
リヴァイ「いえ。そんなことは・・・」
クシェル「あの子が上手く人と話せないのは私のせいでもあるんです。色々と制限を作ってしまったから・・・そのせいか少し甘えているところもあって。まさかあの子から苦労なんて言葉が聞けるとは思いませんでした。」クスッ
リヴァイ「彼はあなたが大好きなようです。」
クシェル「私も大好きですよ、大切な私の息子ですから。さぁ、部屋に戻りましょう。」
リヴァイ「・・・大切か。」
ガチャ
クシェル「さぁ、ここに座ってください。」
リヴァイ「はい。(そこはよくケニーが腰かけていたな。)」
クシェル「さぁ、リヴァイ。こんなものしか用意できなかったけど、お誕生日おめでとう。たくさん食べて大きくなるのよ。」
子リヴァイ「うん。」
リヴァイ「・・・。」
クシェル「エルヴィンさんは、今日が何の日かご存知ですよね?本当かどうかは分かりませんが、その昔、王が壁を作り人々を巨人から守った日ですって。そんな日に生まれたなんて。この子にはずっと静かに平和に暮らしてほしいけど・・・この子も誰かを守れるようなそんな立派な大人になっていくのかしら。」ふふっ
リヴァイ「いつか・・・なりますよ。あなたを守ってやれたかもしれないくらいに強い人間に。」ボソッ
クシェル「?」
子リヴァイ「僕、強くなる。」モグモグ
クシェル「リヴァイが強くなるの?母さん、楽しみだわ。でも、いつまでも自分の殻に閉じこもっていてはダメよ。周囲の人ともきちんと付き合えるようにならなくちゃ。そういえば・・・王が壁を作った話の中では素晴らしい仲間がいたのよね。確か・・・非才まれなる指導者と逞しい騎士、そして優秀な参謀に熱き信頼を寄せる部下だったかしら?あなたも少しくらいはお友達を作りなさい。」
リヴァイ「・・・。」
クシェル「ごめんなさい、口うるさい母親ですよね?」アセッ
リヴァイ「いえ。」
クシェル「・・・でもね、本当は強くなくてもいいんです。この子かいつまでも健やかに生きてさえいてくれれば・・・そう、生きてさえいてくれれば私はそれで満足なんです。」
リヴァイ「きっとこいつも同じように思っているのでは?」
クシェル「はい?」
リヴァイ「あなたが生きてさえいてくれればそれでいいと・・。」
クシェル「エルヴィンさんも、同じように?」
リヴァイ「まぁ・・。」
クシェル「お母様を愛されているのね。」ニコッ
リヴァイ「・・・。」ズズッ(紅茶を飲む)
--------------------------
-
- 76 : 2015/12/25(金) 00:02:44 :
- episode.5221「思い出の日(3)」
リヴァイ「!!」ガバッ
リヴァイ「(・・・夢か。)」
バンッ!
ハンジ「やぁ、リヴァイ!少しはいい夢でも見れたかな?」
リヴァイ「ああ、そうだな。」
ハンジ「そうか、それは良かった。下に降りておいでよ。」
リヴァイ「わかった。今、行く。」
ガチャ
エルヴィン「やぁ、良く寝たようだな。」
リヴァイ「ああ。」
ナナバ「もう分かっているとは思うけど・・・」
モブリット「お誕生日、おめでとうございます。」
リヴァイ「そうか・・・今日はそんな日だったな。」
ハンジ「そんな日だったなんて・・・」アセッ
リヴァイ「いや、なんでもない。」
ミケ「?」
エルヴィン「おまえのことだ、騒々しいのは好きではないだろう。小さくて申し訳ないが、我々からのささやかな誕生祝いだ。」
リヴァイ「それは、おまえの発案か。エルヴィン?」
エルヴィン「声をかけたのは私だか、祝い方を提案したのはハンジだ。」
ハンジ「君のことをよく分かっているだろ?」ニカッ
リヴァイ「(非才まれなる指導者・・・・優秀な参謀・・・)」
ミケ「フッ、たまには気が利いたようだな。ハンジ。」スンッ
リヴァイ「(逞しい騎士・・・)」
ハンジ「ナナバなんて、大きなお祝いできないからってリヴァイのために今日一番の美味しい肉を買い付けてきて料理をこしらえたんだよ!」
エルヴィン「ナナバは今となってはリヴァイを一番慕う部下だからな。」
ナナバ「そんな!私はリヴァイだけじゃない、この分隊の全ての兵士を尊敬しているし、信頼しているよ!」バッ
ミケ「そんなに熱く語らなくてもいい。」
ハンジ「みんな知っていることさ。」フフッ
リヴァイ「(熱き信頼を寄せる部下・・・。)」
エルヴィン「どうした、リヴァイ?」
リヴァイ「・・・悪くない。」
ハンジ「そうか、それは良かった!さぁ、祝いを始めよう。」
リヴァイ(叶わなかったこともたくさんあるが・・・生きていてくれればか。)
ナナバ「ねぇ、リヴァイ。やっぱり今日は変だよ?悪い夢でも見たのかい?」
リヴァイ「いや、その逆だ。」
ナナバ「逆?」
リヴァイ「おまえらとこうやって生きているのも悪くない。」
ナナバ「?・・・みんなもそう思っているはずだよ。リヴァイとこうやって一緒に戦って生きていくのは悪くないってさ。」
リヴァイ「そうか。」
ナナバ「ああ、きっとね。」
(みんなを眺めるリヴァイ)
(そしてそれを見返すナナバ達)
リヴァイ「お前ら、すまない。」
エルヴィン「それは違うぞ、リヴァイ。」
ミケ「そうだな。」
ハンジ「本当だよ、こう言うんだよリヴァイ・・・」
ナナバ「ありがとう・・・ってね。」
リヴァイ「そうだな・・・ありがとう。」
遠き昔を思い出した日・・・そして、思い出となってしまった日。
仲間に向けたもう1つの「ありがとう」
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