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この作品は執筆を終了しています。

ゴーストハンターはエレン・イェーガー*エレンチート+現パロ 傷物語が元ネタ

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  1. 1 : : 2015/07/12(日) 13:22:42
    こんにちは^_^
    初心者ですが、頑張ります!
    今回は現パロを書いてます。キャラ崩壊しないように気をつけていきます
  2. 2 : : 2015/07/12(日) 15:59:27
    頑張ってください。
  3. 3 : : 2015/07/12(日) 18:31:44
    ありがとうございます!頑張っていきます

  4. 4 : : 2015/07/12(日) 20:27:40

    ”ゴーストハンター” それは世界中のありとあらゆる心霊現象を引き

    起こす『本当の原因』······否、『ゴースト』の引き起こす問題を解
    決する職業·········と、言ってもそのゴーストハンターは俺一人だ。

    いや、厳密にいうと俺の影の中にも一人いる。

    俺の影の中に住んでいる彼女は、自身も、ゴーストだ。

    そして彼女はゴーストの中で一番、最強、無敵の吸血鬼だ。

    そんな彼女は俺のゴースト退治にちょくちょく付いてきては···ゴーストを喰らっている。

    彼女がゴーストを喰らうのは、嫌っているからでも、恨んでいるからでもない。

    彼女が言うにはただの食事らしい······

    そして、俺、エレン・イェーガーは昔、瀕死の彼女を助けるために、彼女に血を吸わせた。

    今回は、俺が彼女を助けたことにより、どれほどひどい目に会い、恐ろしい地獄を見た話、物語を語らせて貰おうと思う


    ······いつまでも前置きを言っていると示しがつかないから、最初にはっきりと言っておこう。

    この物語はバットエンドでもなければ、ハッピーエンドでもない。

    ただの何でもない物語だ。

    お待たせして、すまなかった。

    それでは語らせて貰うとしよう。

    俺がゴーストハンターになる切っ掛けを与えてくれた
    彼女の物語を······






  5. 5 : : 2015/07/12(日) 20:41:13
    はい、エピローグが終わりました
    ・・・ベタですねぇ
    もう既にキャラ崩壊してるし・・・
    まぁ、とにかくがんばります!
  6. 6 : : 2015/07/13(月) 22:11:08
    期待だぁぁぁぁ!!
  7. 7 : : 2015/07/13(月) 22:19:10
    できれば、コメント下さい。お願いします

    ーーーーーーーーーーーー



    その日、俺はいつも通り高校に行った。

    高校二年生の最後の日、つまり、終業式を受けた後、特に何もすることなく、高校の周りをフラフラと放浪者のごとく歩いていた。

    なんとなく腕に巻いた腕時計を見る。

    時刻は午後の五時ちょうどだった、そんなことが意外にも嬉しく感じた。

    そして、春休みまで残り七時間しか無いことに対して少し憂鬱を感じた。

    春休みは宿題も無く、家でゴロゴロしながらゲームでもするといった感じだろう。

    しかし、それは悪魔で普通の高校生の話だ。

    俺のような落ちこぼれには親の前でそんな真似は出来ない。


    エレン「ハァ···」


    別に落ちこぼれたから親と仲が悪くなった訳でもない、見捨てられた訳でもない。

    ただ、確実に親との間には深い溝が出来ただろう。

    今さら自分の学力にみあわないこの高校に入学したことに山のような量の後悔を覚える。

    そんな後悔を振り払い、前を向き、またフラフラと歩く。

    そして、校舎の駐輪場に置きっぱなしの自転車をとろうと横断歩道を渡ろうとしたとき、前から誰かが歩いてきた。

    その人は俺のような友達も少なく、クラスメイトの顔でさえほとんど覚えていない奴でさえ知っているほどの人物だった。

    その人の名前はクリスタ・レンズだ。

    金髪で、髪型はストレートだが、校則に従ったストレートパーマ。

    きちんと整えられた学校指定のブラウス、1ミリも改造されていないスカート。

    これまた学校指定の靴下に、学校指定のスクールシューズ。

    見るからに優等生といった感じだった。

    そして彼女は優等生だ。

    風の噂だが、異常なほどに頭がいいらしい。

    学年でぶっちぎりのトップだそうだ。

    当たり前だが、一位がいれば、最下位もいる。

    だが、彼女は中学生の頃からずっとトップの成績を維持しているらしい。

    俺みたいな落ちこぼれとは天と地ほどの差があるだろう。

    このまま、互いが互いを見ることもなく、ただ通り過ぎると思い、
    横断歩道の前にたち、信号が赤から青に変わるのを待っていたその時だった······
  8. 8 : : 2015/07/13(月) 22:19:36
    期待ありがとうございました!嬉しいです
  9. 9 : : 2015/07/13(月) 22:23:59
    横断歩道の前にたち、信号が赤から青に変わるのを待っていたその時、その瞬間に強い風が吹いた。

    いや、それだけならなんとも思わないのだが···その風で、めくれてしまっていたのだ。













    彼女の、クリスタ・レンズのスカートが。
  10. 10 : : 2015/07/13(月) 22:42:20
    色は純白だった。

    俺は”それ”を凝視してしまった。

    別にそれの表面積がかなり削れてきわどい訳ではない。

    むしろ、大きめと断言できるだろう。

    ありとあらゆるところに細かい刺繍が施されている、真ん中には花の模様のさらに細かい刺繍が施されていている。

    そして、それの全体を観察するのと同時にめくれあがったスカートも元の場所に戻った。

    スカートが元に戻ると、俺は慌てて目をそらす。

    しかし、遅かった。

    クリスタもこちらを凝視していたからだ。

    ······とても、気不味くなってきた。

    今すぐにでもチャリで家に帰りたい!

    そんな気不味さの中、恐る恐るクリスタの方を見る。

    目があった、ここでまた目をそらせば、中身のそれを見たと疑われるだろう。

    だからといって上手い言い訳があるわけでもない。

    俺は馬鹿でもきずくような言い訳をしてしまった。


    エレン「み、見てないよ?」


    あぁ、これはバレただろう。

    しかし、クリスタの反応は意外だった。


    クリスタ「えっへっへ///」


    おぉ、この場面ではにかむのか······

    さすが優等生の中の優等生、器の大きさが違う。


    クリスタ「な~んかさぁ」


    クリスタはそういって俺にジャンプで近づいてきた。

    クリスタは膝のバネを利用して、十歩ほどある距離を三、四歩で近づいてきて、正面に立った。
  11. 11 : : 2015/07/14(火) 22:11:23
    クリスタ可愛い・・・
  12. 12 : : 2015/07/14(火) 23:36:08
    クリスタ「ほい、ほい、ほいっと」ピョン ピョン ピョン


    クリスタ「エレンくん······だったよね?」


    え、何で俺の名前を知ってるんだ?

    俺は一度もクリスタと会ったことが無いぞ······?


    エレン「な、何でお前は俺の名前を知ってるんだ?」


    クリスタ「? 何言ってるの?同じ学校じゃない」


    そんな、同じクラスじゃない。見たいなノリで言われても、反応に困る!


    クリスタ「こういうスカートとかって意外とセキリュティが低いんだね···やっぱり、コンピューターとか見たいにウィルスから守る必要が有るのかな?」


    エレン「さ、さぁな」


    ウィルスはスカートがめくれた時に中身を見る(主に俺)なんだろうな······

    ふと、俺意外にもスカートの中身を見た奴がいるんじゃないかと不安になり、周りを見渡した。

    幸い、俺とクリスタ以外に誰もいなかった。

    つまり、クリスタのそれをーーーパンツを見たのは俺だけだ、それに対して優越感を覚えた。

  13. 13 : : 2015/07/16(木) 22:22:27
    エレン「まぁ、気にしなくていいと思うぞ。影になってあんまり中は見えなかったし」


    嘘もはなはだしかった。


    クリスタ「う~ん、女の子は見えたなら、はっきり見えたっていってくれた方が気が楽なんだけど······」


    エレン「悪いな、気を楽にしてやれなくて。でも、事実は隠せないからな」


    嘘もはなはだしかった。


    クリスタ「じゃあ、私のパンツの色とか柄とか説明されてたのも私の錯覚なのかな?」


    エレン「ああ、超錯覚だ。俺は今さっき美しい景色について説明してたんだ」


    これは微妙に間違いではなかった。(意味がわかる人は文章理解能力がある)


    エレン「まぁ、そういうことで。じゃあな」


    俺は気不味いので、さっさとその場を離れることにした。

    後ろも振り向かズンズン歩く。

    すると、後ろから待ってよ~と言う声がした。


    クリスタ「ハァ···ハァ···やっと追い付いた···エレン君って歩くの速いんだね」


    エレン「え、うん、まぁ···」


    え?なんでコイツついてくるんだ?


    クリスタ「せっかく会えたんだから、もっとお喋りしようよ」


    エレン「お喋りって······何について喋るんだよ」


    クリスタ「じゃあ······そうだ、こういう噂が最近女子の間で広まってるんだけどね···」


    はぁ?なんで俺に女子の最近の噂を話すんだ?

    俺がクリスタの発言に疑問を抱いているのもお構いなしに、クリスタは女子の間で広まっているという噂について喋りだした。


    クリスタ「それが、結構興味深い内容なんだけど、夜になると吸血鬼がでて外を歩いていると血を吸われて殺されちゃうんだって」


    吸血鬼?なんでそんな奇抜な話題が噂になってんだ······?

    ·········はは~ん、コイツ、本当はパンツを見られたことがかなり恥ずかしいんだな。

    だから、吸血鬼がでるなんて噂話をして俺の記憶からパンツのことを消そうとしているな?

    だが、残念なことにお前のパンツは俺の眼球に、脳に、細胞一つ一つに、心に刻んで、焼き付いている!!

    今、俺が死んで俺の眼球が他の人に移植されたら、その人は一生、クリスタのパンツの幻を見ることになるだろう。

    それくらい衝撃的だったのだ。

    優等生のパンツというものは。
  14. 14 : : 2015/07/16(木) 23:03:17
    エレン「···」ニヤニヤ


    クリスタ「? 何をニヤついているの?」


    エレン「いやぁ、何でもないよ。続けてくれ、···っていうか、なんで吸血鬼なんだ?」


    クリスタ「それはわからないんだけど······確か、その吸血鬼の見た目は、背筋も凍るような冷たい目をしていて、とっても綺麗な女性の人で、街灯に照らされていたのに”影ができてなかった”······らしいよ。だから、吸血鬼」


    エレン「はぁ~ん」


    あれ?ええっと···吸血鬼は太陽が苦手だから影ができないんだっけ?よくわからないけど。


    エレン「で、その噂がどうかしたのか?」


    クリスタ「いや、実はね、その噂か本当なら、私会ってみたいんだ。吸血鬼に···人より上の存在に」


    エレン「でも、血を吸われて殺されちゃうんだろ?」


    クリスタ「うん、そうだね······」


    噂については、内容が出尽くしたらしい。

    一気に話すことがなくなった。

    そして、クリスタが次にお喋りの話題として選んだのは


    クリスタ「どうしてエレン君には友達がいないの?」


    という、話題だった。

    それについての俺の答えはすぐに出た。


    エレン「友達を作ると、人間強度が下がるから」


    クリスタ「? どういうこと?」


    エレン「ほら、友達と親しくなるとさ、友達が傷ついたり、ヘコんだりした時に自分も悲しくなるじゃん?そういうことだ」


    クリスタ「でも、友達が嬉しい思いをしたときは自分も嬉しいでしょ?」


    エレン「いや、友達が嬉しいと妬ましい」


    クリスタ「ヒネたこというね···」





  15. 15 : : 2015/07/17(金) 23:13:17
    できれば、コメント下さい!
    アドバイスとかそんなのでもいいので、お願いします!
  16. 16 : : 2015/07/17(金) 23:28:04
    俺とクリスタは話し込んでるうちに校門の前まで来ていた。

    クリスタは右に曲がるらしいが、俺は横断歩道を渡り、前に行くのが通学ルートだ。

    さっきから横断歩道の前で立ち止まって俺達は話している。

    次に信号が青になったら別れ時だろう。

    そう思っていると、クリスタが


    クリスタ「携帯電話かして」


    と、言ってきた。なので、素直に携帯電話を渡した。

    クリスタは、俺の携帯電話を俺が渡すなり、すぐにいじり始めた。

    優等生とはいえ、さすが女子高生。

    打鍵のスピードが半端ない。

    クリスタは携帯を数十秒でいじりるのをやめ、俺に返した。

    俺が携帯電話の画面を開くと、電話帳に家族以外のクリスタ・レンズの名前が新規登録されていた。


    クリスタ「私の電話番号とメアド、登録しておいたから」


    エレン「え?」


    クリスタ「ざーんねん、友達できちゃったね♪」


    クリスタはそう言って道を右に曲がり、帰っていった。


    エレン「なんだかな~」


    クリスタ・レンズはお高くとまった、いかにも優等生といった性格だと思っていたけど······。


    エレン「すっげぇいい奴じゃん」
  17. 17 : : 2015/07/18(土) 21:50:24
    俺はクリスタと別れ、家に帰りついたらすぐに家を出た。

    本当は自転車を使いたいところだが、親や妹たちに出掛けたことがバレるため、徒歩で家を出た。

    俺が向かっているのは、町にある唯一の大型書店だった。

    まぁ、俺が家族にバレたくない買い物する時は大体決まっている。

    エロ本を買う時だ。


    エレン「······ふむ、さすが。期待を裏切らない品揃えだ」


    ·········言い訳をさせてほしい。

    忘れられないのだ。クリスタのパンツが。

    あんなにお喋りしたはずなのに、ほとんどパンツのことしか覚えてない。

    クソ!クリスタはいい奴なのに!




  18. 18 : : 2015/07/22(水) 10:48:58
    面白いです‼︎
    頑張ってください!
  19. 19 : : 2015/07/24(金) 18:13:33
    期待ありがとうございます!
  20. 20 : : 2015/07/24(金) 18:56:38
    エレン「これ、お願いします」っエロホン×2


    店員「は、はい······2980円です」


    俺はエロ本と一緒に他の本を買ったりして誤魔化さない。

    そんなことをするくらいならエロ本にエロ本を一冊上乗せする。


    店員「ありがとうございました~」


    自動ドアをくぐり、俺は帰り道をとても慎重に帰り道を急いだ。

    なぜ慎重に帰るかというと、エロ本を買った帰り道ほど気を付けなければならない童貞··········じゃない、道程は無いからだ。

    俺が今日買ったエロ本のテーマは『眼鏡委員長・下着メイン』だ。

    そんな帰り道に交通事故にあってしまったら······確実に不味いことになる!

    そして、それがクリスタに知られたとしたら······。

    俺は確実に誤解される!
  21. 21 : : 2015/07/24(金) 22:39:37
    そんな感じに、大袈裟に言ってみたが、実際にはそんなことは万が一にでもない。

    なぜかというとだが、ここは、日本の田舎の中の田舎。

    キング・オブ・田舎だからだ。

    街灯も少ないこの暗い道、その上、今は夜だから5メートル先がやっと見えるか見えないか位だ。

    ··················いや、おかしい、何かおかしい。

    確かにここは田舎で夜は暗いが、さすがにに暗すぎないか?



    その理由はすぐにわかった。

    ここら一帯の街灯の明かりがついてないからだ。

    停電か?いや、それはこの間あったばかりだ。計画停電とかなんとか······


    エレン「いや、今は家路を急ごう。この二冊が早く開けてほしいと言っている」


    そう、俺は事故に会わないように家路を急ぐ必要がある。

  22. 22 : : 2015/07/24(金) 23:30:14
    クリスタとヒストリアを別人と言うことにします。
    できるだけ別人と分かりやすく表現します。

    これからエレン君は超チートになっていきます。
  23. 23 : : 2015/07/24(金) 23:53:22
    ヒストリアの話し方を少し、いやかなり変えます。
  24. 24 : : 2015/07/25(土) 00:13:29
    ???「おい、そこのうぬ」


    そう、俺はこんな風に誰かに話しかけられても、俺は気にしな······

    うぬ?何だ、その古風な呼び方·········


    エレン「なんですか?」


    俺は、誰かわからないので妙に丁寧な口調で応えた。

    そして、振り返った瞬間に話しかけてきた相手を見て、驚いた。

    驚愕した。いや、驚愕したなんてもんじゃない。

    そんな言葉じゃ、表現できない。

    なぜなら、その話しかけてきた相手の両手両足が無かったからだ。
  25. 25 : : 2015/07/25(土) 13:40:30
    期待です
  26. 26 : : 2015/07/25(土) 14:48:04
    髪は目も眩むほどのまぶしい金髪。

    整った顔立ち、鋭く、冷たい目。

    透き通るような白い肌。

    長身、足長。

    女。

    そして············両手両足が無い。

    明かりの消えた街灯にへたりこんでいる。

    いや、最初から両手両足が無かったわけではないのだろう。

    引きちぎられたような跡がある。

    いや、右足は傷口が刃物で切られたように滑らかだ。

    エレン「と、とにかく救急車を」


    117番だったか?いや、119番?

    くそっ、アドレス帳に登録しとくんだった!


    ???「きゅうきゅうしゃ?そんな物はいらんわ」

         ........
    ???「うぬの血をよこせ」


    エレン「! お、おい、お前······」


    動揺する俺を無視して、彼女は話を続けた。


    ???「儂(わし)は·········鉄血にして、熱血にして、冷血の吸血鬼······ヒストリア・レイスじゃ」


    エレン「きゅ、吸血鬼······」


    吸血鬼だって?そんな奴はいるわけが······

    俺が考えていると、雲に隠れていた月が出てきて、一筋の光がさした。

    その月光にてらされた彼女、ヒストリアには、影がなかった。











    そう、吸血鬼には影ができない
  27. 27 : : 2015/07/26(日) 09:55:01
    エレン「吸血鬼ってのは···不死身じゃないのかよ······?」


    ヒストリア「本来はそうなのじゃが······血を流しすぎた。もはや手足の再生も出来ない」


    ヒストリア「じゃから、うぬの血をよこせ」


    エレン「ど、どれだけいるんだ?その······血は」


    ヒストリア「······一人分くらいあれば急場はしのげるじゃろう」


    エレン「一人分って!」


    俺死んじゃうじゃん!

    献血だって怖くて出来なかったのに。


    エレン「うっ······」ジリ


    俺は恐怖のあまり、一歩後ろに下がった。

    その瞬間、彼女は、ヒストリアは


    ヒストリア「う、嘘じゃろう?儂を見捨てるのか?」


    さっきまでの鋭い目が嘘だったかのように、とても弱々しい目になった。

    目には涙が溜まっている。


    ヒストリア「い···嫌だ!いやだいやだいやだいやだ!死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくないよぉ!何でもします!助けたら何でもしますからぁ!」


    ヒストリアは、溜めていた涙がダムが崩壊したように一気に流れ始めた。

    俺は、そんな彼女を

    着ているドレスはボロボロ。

    さっきまでの古風な喋り方も使わずに泣きじゃくる。

    四肢はちぎれて、見るも無惨な姿の彼女を、美しいと思った

    助けたいと思った。


    エレン「ちくしょう!」


    俺は、腕に抱えていた二冊のエロ本を近くにあったゴミ箱にブチ込んだ。

    ヒストリアは、流す涙が血の色なにっている。

    死の前兆なのだろうか。じゃあ急がないといけない。


    エレン「おい!諦めんな!」


    俺はグイッと首をヒストリアに差し出した。

    彼女に血を捧げるために·········助けるために。


    ヒストリア「え······いいの·········?」


    エレン「いいわけねぇだろ!」


    エレン「そうだよなぁ!俺は今までちゃらんぽらんに生きてきて、てきとうに生きてきただけだもんなぁ!俺なんかが死んでも世界になんの影響も出ないよなぁ!」


    ヒストリア「あ···」


    エレン「次の人生じゃ、絶対うまくやる!小さなことでいちいち罪悪感を持たない、嫌なことは全部他人のせいにする、要領のいい人間関係をつくって絶対うまくやる·········だから!」


    エレン「俺の血を吸え、一滴残らず吸い尽くせ」


    ヒストリア「あ、ありがとう···」


    ザクリと、首に鋭い痛みが走る。


    段々と意識が薄れてきた。そんな意識のほんの少しを振り絞って、クリスタのことを思い出す。

    今さら思い出す人物がクリスタだけだったから······人間強度が高かったからこんな判断が出来たのだろう。

    下手に友達がいたら、こんなこと······人を助けるために自分が死ぬなんてこと、出来なかったかもしれない。

    まぁ、でもこれでよかったのだろう。

    俺みたいな人間の人生の最後は、人助けに使うべきだったのだろう。

    ············こうして、俺、エレン・イェーガーの人生は終わりをつげた











    はずだった。
  28. 28 : : 2015/07/26(日) 13:23:56
    おお!!期待!!
  29. 29 : : 2015/07/26(日) 14:17:38
    期待ありがとうございます!
  30. 30 : : 2015/07/26(日) 15:35:34
    唐突に意識が回復した。

    生まれ変わったかのような感覚だ。

    いや、むしろ生き返ったかのようだ。


    エレン「ああ、夢だったのか!」


    そう叫んでみた。

    もちろん、夢ではなかった······夢だったとしたら、意識が回復したこの場所は俺の部屋であるべきだからだ。

    だけど、ここは俺の部屋じゃない。

    ていうか、見たこともない場所だ。

    毎朝、俺を起こしに来る妹たちもいない。


    エレン「············」


    夢落ちになるまで、二度寝三度寝を繰り返したい。

    ここはどこだ?

    ······廃墟か?

    今、俺は床に寝転がっている。

    寝転がっている床はひび割れが激しい。

    体を起こそうとして、気づいたことがある。

    俺の腕を枕にして、すやすやと金髪の美少女が寝ていた。


    エレン「え···えええええええ!!?」


    なんだよ、まったくわかんねぇよ!

    なんだよ、この状況!


    エレン「お、おい起きろ!おい!」


    美少女「う~ん···あと五分······」


    そんな、お決まりの台詞を言って寝返りをうつ美少女。


    エレン「おい···痛っ」


    口のなかを噛んでしまった。

    ん?俺ってこんなに八重歯長かったっけ?

    俺は再び美少女を起こそうとした。


    エレン「おい、起きろって!」


    美少女「う~ん······あと気分」


    エレン「どんだけ寝るつもりだよ!」


    美少女「四十六億年くらい?」


    エレン「地球がもう一個できちゃうぞ!」


    くそ······こいつ、いつまで寝てるつもりだよ。

    いや待てよ、こいつが何者かわからないのに起こすのは不味くないか?

    俺は俺の腕にしがみついている美少女から、腕をそっと引き抜いて立ち上がった。


    エレン「ここは······」


    辺りを見渡す。

    この廃墟は······塾か?

    辺りに学校で使われていそうな机と椅子がある。

    だが、この独特の雰囲気で学校ではなく、塾だとわかった。

    窓には木のいたが釘で打ち付けられて、外の光が入ってこないようになっている。

    ······なにかおかしい。

    なぜ、外の光は入ってこないようになっていて、本来なら真っ暗なはずなのに······。
         .....................
    どうして俺はこんなにもはっきりと景色が見えるんだ?

    なぜかはわからないが、とりあえずこの廃墟から出よう。

    俺は教室(?)のドアを開け、階段らしきものを見つけた。

    この階段を降りながら、つぶやいた


    エレン「うわぁ······ごみだらけだ」


    ごみの量が尋常じゃない。

    ごみを踏まないように、歩く

    しかし、どうしてこんなによく見える?


    エレン「あそこが出口か」


    一階に降りた俺は、出口を見つけた。

    一応、携帯で時間を確認する。


    エレン「三月······二十八日!?」


    確か、終業式の日は二十五日だったはずだ······

    じゃあ、あの日から三日も経っているのか!?

    アドレス帳を確認すると、クリスタのメアドと携帯番号が登録されていた。


    エレン「じゃあ、クリスタのパンツは夢じゃなかったんだな」


    財布の中身も減っている。

    男性向け女性ファッション誌を二冊買ったのも夢じゃない。

    ······記憶が微妙に改変されている気がする。まぁ、気のせいだろ。

    問題はその後のことだ。

    吸血鬼······いや、本当は違ったのかも。

    交通事故にあった人を見て、気が動転して気絶。そして気絶している間に夢を見たのかも······。


    エレン「とにかく、外に出るか」


    気分的に、口に出したくなったので、そうつぶやいた。

    出口から射す日の光が、やけに眩しく感じる。

    多分、三日間も日の光を見てなかったからだろう。

    俺は、出口から足を踏み出して外に出た。

    その瞬間に燃えた。

    俺の体が燃えた。

    一瞬で全身が燃え上がった。
  31. 31 : : 2015/07/27(月) 22:51:24
    エレン「ぎゃあああああああ!!」


    熱い熱い熱い熱い!痛い!

    全身がものすごい速度で燃えていく。

    吸血鬼は太陽に弱い。

    だから太陽の光を浴びると燃える······たしかそうだったはずだ。

    でも······それと俺になんの関係が·········!?


    「たわけっ!早くこっちに戻ってくるのじゃ!」


    そんな声がした。

    俺は声の聞こえた方を見る。

    水分が飛んで、カラカラに乾いた眼球で見る。

    声のする方には、あの金髪の美少女がいた。


    美少女「何をしておる!速く戻ってこい!」


    美少女から言われた通りに、俺は廃墟の中に戻ろうとする。

    だが、全身が燃えているせいで、激しい痛みが体を襲う。

    あまりの痛みに、俺はもがくことしかできない。

    助けてくれ!と、大声で救いを求めたいが、眼球と同じように、カラカラに干からびた喉では声も出せない。

    俺は、救いを求めて、美少女の方に腕を伸ばした。


    美少女「······わかった!待っておれ、今すぐ助けにいくぞ!」


    美少女は、俺のSOSに気づいてくれたようで、自分も廃墟から飛び出して、俺の方に走ってきた。

    彼女も、太陽光に当たった瞬間に全身が燃え上がった。


    エレン「············!」


    精一杯に叫ぶ、早く助けてくれ。と。

    だが、やはり声はでない。

    美少女は俺の両足をつかむと、ズルズルと廃墟の入り口に向かって引きずり始めた。

    その歳にしてみれば、力は強い方だろう。

    彼女は、細い腕で俺をゆっくりと、だが確実に引きずる。

    かなりの時間を要したが、俺は廃墟の中に戻ることができた。

    そして、俺と美少女が廃墟の中に入ったとたん、全身の炎は嘘だったかのように消え去った。

    そして、俺の迷彩柄のズボンも、フードつきのパーカーも、燃えているどころか、ほつれてさえいない。

    彼女の着ているワンピースも同様だ。

  32. 32 : : 2015/07/29(水) 08:12:28
    できればコメントください。コメントが入ったら、
    いつも書いている分+コメントの数×百文字で書いていきます
  33. 33 : : 2015/07/30(木) 01:21:41
    期待です( ´ ▽ ` )ノ×100♪w
  34. 34 : : 2015/07/30(木) 12:09:29
    期待ありがとうございます!
    百文字追加の投稿をします!
  35. 35 : : 2015/07/30(木) 12:12:31
    というか······×100ってコメント百個分じゃないですか!
    100×100って10000じゃないですか!
  36. 36 : : 2015/07/30(木) 23:35:15
    あはは笑ファイト( ´ ▽ ` )ノニコォ
  37. 37 : : 2015/07/30(木) 23:35:38
    追加 期待です( ´ ▽ ` )ノ
  38. 38 : : 2015/07/31(金) 01:55:18
    期待です
  39. 39 : : 2015/07/31(金) 08:52:06
    期待
  40. 40 : : 2015/07/31(金) 09:24:37
    エレン「なんだよこれ······俺は···どうなっちまったんだ······?」


    分からない、分からない。

    いや、分かっている。分かっているはずなんだ。

    昔、吸血鬼が出てくる漫画で読んだことがある。

    そう、吸血鬼に血を吸われると

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・
    吸われた人間は吸血鬼になってしまう

    つまり、俺はあの日、あの時に、あの吸血鬼に血を吸われたことで、自分も吸血鬼になって······成ってしまった。









    だが······俺は···あの吸血鬼を助けるために死ぬ覚悟はしていたが···
    ・・・・・・・・
    人間をやめる覚悟はしていただろうか?

    いや、していなかっただろう。


    「おい、うぬ!聞いておるのか!?」


    エレン「あ···悪い。聞いてなかった」


    一つ疑問が残っていた。

    この金髪美少女は誰だ。

    俺が目覚めたときに、俺に寄り添って寝ていたこの金髪美少女。

    第三者から見たら、限りなく犯罪的な場面に見えるだろう。

    幼い女の子を廃墟に連れ込み、一緒に寝る、男子高校生。

    こんな誤解をされないために、俺は美少女に質問した。


    エレン「お前は誰なんだ?」


    美少女「? 何を言っておる。儂じゃぞ。儂。」


    オレオレ詐欺ならぬ、ワシワシ詐欺だ。


    エレン「いや、わかんねぇから」


    美少女「ふむ···まあ、こんな幼女姿では分からんでも仕方ないかの。」


    美少女「儂は、おぬしが助けた、鉄血にして、熱血にして、冷血の吸血鬼、ヒストリア・レイスじゃ」


    エレン「はああ!?嘘つけ!お前、もっと大人で俺より年上だったろ!」


    ヒストリア「子供っぽくて悪かったのう」


    エレン「いや、悪くはねぇけど···」


    ヒストリア「確かに、おぬしから、血を吸い付くしたがな、それだけでは全然足りなかったのじゃ。だから、それ相応の姿になっておる」


    エレン「つまり、血が足りない分は、体を縮めて、再生する範囲を縮めた。ってことか?」


    ヒストリア「そういうことじゃの」


    エレン「と、とにかく、それはおいといて。ちょっと聞きたいことがるんだけど···」


    ヘタレでチキンな、エレン・イェーガー。

    つまり、俺は、マイルドな質問から始めた。


    エレン「ここは、どこだ?」


    ヒストリア「確か···塾とかいうものらしいぞ。もう潰れておるがの」


    次の質問は、もっとも聞きたいことをダイレクトに聞いた。


    エレン「俺は···吸血鬼になってしまったんだよな?」


    ヒストリア「なってしまった。とはなんじゃ」


    エレン「いや、俺はてっきり死ぬんだと思ってたんだが」


    俺がそう言うと、ヒストリアは少し、顔を歪めた。


    ヒストリア「別に···好きでおぬしを吸血鬼にしたのではない。血を吸えば、誰もが吸血鬼化してしまう」


    エレン「まあ······そうだよな」


    ヒストリア「それに、おぬしを吸血鬼化させないと、いけない事情もある」


    エレン「事情?なんだよそれ」


    ヒストリア「ほれ、あの時、儂は両手両足が無かったじゃろう」


    エレン「無かったな。···でも、俺の血を吸ってさいせいしたんじゃねぇのか?というか、何で無くなってたんだ?」


    ヒストリア「ヴァンパイアハンターに奪われたのじゃ」


    エレン「ヴァンパイアハンター?吸血鬼退治の専門家みたいなものか?」


    でも、何で奪われるんだ?というか、退治されるんだ?


    ヒストリア「何をいっておる?儂は化け物じゃぞ。退治されて当然じゃ」






  41. 41 : : 2015/07/31(金) 10:54:10
    おー!更新されてる( ´ ▽ ` )ノ♪
    期待してます( ´ ▽ ` )ノ
  42. 42 : : 2015/07/31(金) 12:08:28
    期待ありがとうございます!
  43. 43 : : 2015/07/31(金) 13:12:10
    エレン「俺の思考を読むな。それにしても化け物ねぇ···」


    ヒストリア「うむ、化け物じゃ。それに、今、こうして手足は再生しておるが、この手足は仮の手足に過ぎぬ」


    エレン「仮の手足?どういうことだ?」


    ヒストリア「そうじゃな···どこから説明してよいのやら······」


    ヒストリア「まず、吸血鬼の再生能力の仕組みから話そうかの」


    ヒストリアは廃墟の非常階段に腰かけた。

    長い話になりそうなので、俺も非常階段に腰かけた。


    ヒストリア「吸血鬼の再生能力は、意外と奥深くての」


    エレン「いいから早く話せよ」


    ヒストリア「ほざくな、ガキ」


    恐っ!こいつ、恐わっ!


    エレン「ごめんなさい······って、お前もガキだろ」


    ヒストリア「何をいっておる。儂はこう見えても五百年は生きておるぞ」


    エレン「えぇ!?じゃあ、お前五百歳なのか!?」


    ヒストリア「そうじゃ、本当ならおぬしは対等に口を聞ける立場ではないぞ」


    ヒストリア「って、話をそらすな!」


    いや、お前がそらしたんだろ。


    エレン「とにかく、話してくれよ。吸血鬼の再生能力のメカニズムをさ」


    ヒストリア「うむ、そうじゃな」


    ヒストリア「例えば、吸血鬼の腕がちぎれたとする」


    エレン「ちぎれたとする」


    ヒストリア「そうすると、ちぎれた腕は消滅し、胴体から新しい腕がはえてくるんじゃ」


    エレン「でも、お前の手足は再生してなかっただろ」


    ヒストリア「それが、儂は特殊なやり方をされたんじゃよ」


    特殊なやり方?十字架でちぎられたとか?


    ヒストリア「儂は···吸血鬼の手足というより······うむ···表現が難しいの」

             ・・・・・・・・・・
    ヒストリア「まあ、吸血鬼としての存在力を奪われたんじゃよ」


    エレン「ふ~ん、手足じゃなく存在力をね···」


    ヒストリア「そうじゃ、だから手足は再生しない」
  44. 44 : : 2015/07/31(金) 21:54:36
    期待( ´ ▽ ` )ノ
  45. 45 : : 2015/08/01(土) 00:00:47
    エレン「ゴメン、全然分からない」


    ヒストリア「そうじゃろう。儂だってよくわかっておらん」


    エレン「そうか」


    何て言うか···コイツって意外と頭悪いんだな。

    五百歳にもなってるくせに。


    エレン「あ、そういえば気になってたんだけど···」


    俺は、さっき聞き損なった質問をした。

    もっとも気にしていた質問をした。


    ヒストリア「うむ、申してみよ」

        ・・・・・・・・・・・
    エレン「俺は人間に戻れるのか?」


    その質問をした瞬間、ヒストリアは表情を歪めた。

    いかにも、不愉快だ。のオーラを出している。

    少し間を開けて、彼女は口を開いた。


    ヒストリア「·········戻れる。保証する。儂の名に懸けての」


    声を低くして、ヒストリアは言った。

    重みのあるしゃべり方だ。
  46. 46 : : 2015/08/01(土) 00:25:37
    ヒストリア「って、また話がそれたじゃろうが」


    エレン「わ、悪い」


    ヒストリア「じゃから、うぬには儂の奪われた本当の手足を取り返してほしいのじゃ」


    取り返す?で、でも···相手はヴァンパイアハンターとかいう奴なんだよな?


    エレン「いやいや、無理だって。俺、喧嘩とか格闘術とか経験したことないし」


    ヒストリア「なにを言っておるのじゃ。それは、うぬが人間だったこ頃の話であろう」


    ヒストリア「儂に血を吸われて吸血鬼になったのじゃ。はっきり言って、今のうぬは今弱体化している儂くらいなら軽く捻り潰せるぞ」


    エレン「え?じゃあ、お前は吸血鬼の中で弱い方なのか?」


    ヒストリア「違うわ!」


    怒られた。それもすごい剣幕で。

    それにしても短気な奴だ。


    ヒストリア「儂はゴーストキラーと呼ばれておるほど強いのじゃぞ!」


    エレン「いまいちその凄さが分からねえけど···とりあえず、お前は強いってことだな。」


    ゴーストって···おばけとか、妖怪変化とか、その類か?


    ヒストリア「本当に分かっておるのか?」


    エレン「わかってるって」


    ヒストリア「では、信用の証として儂の頭を撫でてみよ!」


    ヒストリアは胸を張ってそう言った。

    まぁ、幼女なので、いくら胸を張ってもたいしたことはない。

    俺にとってはタッチパネルみたいなものだ。

    ······そもそも、『胸を張る』という行為には、『胸部を主張する』という意味は無いのだけれど。


    エレン「よしよし」


    撫でた。

    うわっ、すげえ!

    量があるのに滑るみたいになめらかだ。


    エレン「これが、信用の証なのか?」


    ヒストリア「当たり前じゃ。うぬはそんなことも知らんのか?」


    いや、俺三日くらい前までは人間だし。

    まだ、新人だし。


    エレン「」
  47. 47 : : 2015/08/01(土) 00:56:28
    エレン「確か······吸血鬼に血を吸われた人間は、血を吸った吸血鬼の眷属になるんだったよな?そして、血を吸った吸血鬼の特性を引き継ぐ······」


    エレン「だったっけ?」


    ヒストリア「うむ。······じゃが、吸血鬼の中では、眷属というより、従僕といっておるがの」


    従僕って······。

    なんだか奴隷みたいだな。

    いや、実際奴隷みたいなものなんだろう。


    エレン「だけど、本当に俺なんかでも大丈夫なのか?吸血鬼になったとはいえ、格闘経験もあるわけじゃないのに······」


    ヒストリア「じゃから、それうぬが人間じゃったころの話であろうと言っておるではないか」


    エレン「う~ん···」


    ヒストリア「あぁ、もう!グジグジとうるさい従僕じゃの!そんなに疑わしいなら確かめてみればよかろう、吸血鬼の能力を!」


    エレン「どうやって確かめてみればいいんだよ」


    ヒストリア「おっ、あれくらいがいいかの」


    ヒストリア「そこの大きなコンクリート片を殴ってみよ」


    エレン「は?嫌に決まってんだろ。痛いじゃんか」


    ヒストリア「いいから、騙されたと思ってやってみよ」


    ほんとに大丈夫か?

    下手したら骨が折れるぞ、あれ。

    俺は、嫌々ながらコンクリート片に近づいた。


    エレン「折れたら責任とれよ!」


    右手にグッと力を込めて、コンクリート片目掛けて、思いっきり腕を前につきだした。




    吸血鬼の力とやらは、本物だったようだ。

    コンクリート片はくだけ散った。

    粉砕した。

    粉々どころか、粉になった。

    右手は、少しヒリヒリする程度だ。


    エレン「す、すげぇ···」


    ヒストリア「これでわかったかの?」


    エレン「あ、あぁ、疑って悪かった」


    ヒストリア「じゃあ、次は回復能力を試してみようかの」


    エレン「か、回復能力?」


    ヒストリア「そうじゃ。うぬ、右手を手刀の形にせよ」


    エレン「嫌な予感しかしねぇんだけど···」


    ヒストリア「次に、その右手を左腕に思い切り叩きつけてみよ」


    エレン「嫌だ」


    即答した。

    さっきのコンクリート片をみて、吸血鬼の腕力を思い知った。

    攻撃対象を自分にするのは恐い。


    ヒストリア「大丈夫じゃ、すぐに再生する。ほんの少しチクッとするだじゃぞ」


    エレン「余計恐いわ!」


    ええい、どうにでもなれ!


    エレン「オラッ!」


    今度は、左腕に激痛が走った。

    血が出てい······ない。

    再生した。

    マジかよ!こんな一瞬で!?


    エレン「気持ち悪い」


    ヒストリア「大丈夫じゃ。手足を取り返してくれれば、もとに戻してやる」


    エレン「マジで頼むぜ。こんな体嫌だ」








  48. 48 : : 2015/08/01(土) 23:23:00
    そうしていろいろやっている内に、日は沈み、夜になった。

    ヒストリアは、出掛ける直前に、俺に手足を奪ったヴァンパイアハンターの特徴を教えてくれた。

    おおまかに言うと、ヴァンパイアハンターは三人いるらしい。


    エレン「いや、待てよ···やっぱ、俺には無理なんじゃないか?」


    ヒストリア「なぜじゃ?」


    エレン「だって、お前でもそのヴァンパイアハンターの三人組には勝てなかったんだろ?じゃあ、お前の眷属の俺には勝てるわけないだろ」


    ヒストリア「大丈夫じゃ、一人ずつ相手をする限りに置いてうぬは確実に勝てる。」


    ヒストリア「それに、儂はあのヴァンパイアハンター達を正直ナておった」


    エレン「そうか····まぁ、この体なら大丈夫か···あ、でも、肝心なことを忘れてた」


    エレン「ヴァンパイアハンターはどこにいるんだ?大体、ここは田舎だけど···それなりに広い町なんだぜ?探しようがないだろ」


    人脈とかは皆無(ボッチ)の俺には、見つけるとか無理だぞ。


    ヒストリア「その点については心配いらん。吸血鬼の力が活発になる夜、その辺をブラブラしておれば、あちらの方からよってくるじゃろう。さながら街灯の光に群がってくる虫のようにな」




    そんなわけで、今、俺はブラブラとどこかの住宅街を放浪中だ。


  49. 49 : : 2015/08/02(日) 21:44:12
    ちょっと中途半端ですが、次回作です

    http://www.ssnote.net/archives/37911

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