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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

モノクマ「魔法ヶ峰学園の絶望的コロシアイだよ!」

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  1. 1 : : 2015/06/29(月) 23:50:22
    魔法系SSです
    簡単に言うと能力者達のコロシアイ…です
    他にもこのようなSSはたくさん存在しますが……
    とりあえず、個性が出せてインパクトがあるようなものにしたいです
  2. 2 : : 2015/06/30(火) 00:02:07
    ……そこは、ある都市の中心に建っていた……


    【希望ヶ峰学園】別の名では……



    【魔法ヶ峰学園】……そう呼んでいた……


    別に必ずしも魔法を持つ【ウィザード】や【ウィッチ】だけが入れるわけじゃない


    ただ、超高校級の才能を持つ人達の多くが【魔法】を持っている事から勝手に名付けられた


    ……とりあえず、自己紹介をしておこうと思う


    僕の名前は……


    苗木「苗木誠だ」


    僕はこの学園に【超高校級の幸運】…つまり、一般の高校生から抽選で選ばれたんだ


    正直、不安だったけど……卒業したら【二つの意味で】成功を必ず約束されるなんて……


    そんなの聞かされた後では、到底断れなかった
  3. 3 : : 2015/06/30(火) 19:12:10
    え?話が飛躍しすぎなんじゃないかって?


    なら、順を追って説明するけど……


    わからないことがあったら言ってね


    この世界では魔法を使う者…【ウィザード】と【ウィッチ】が増え始めたんだ


    その発端となったのは…昔、この学園の創立者に魔力があったらしいんだ


    最初はみんな化け物扱いしてきたけど……


    その後、魔力を持つ者たちが格段に増えたんだ


    それが代々続いてきて…今では、魔力を持つ人がいるのは当たり前だ


    さっきも言った通り、魔法ヶ峰学園っていうのは……


    本来は希望ヶ峰学園っていう名前なんだけど…


    超高校級の才能を持つみんなの9割が魔力を持っていたことから名付けられたんだ


    まぁ、この学園の創立者がウィザードだったというのも理由でもあるんだ


    ちなみに魔力は無い人もいる






    ……僕もその一人だ





    今じゃ魔力を持たない人たちを【イレギュラー】って言うんだ


    イレギュラーはもう2割ほどしか存在しないんだ


    ……人には魔力の器があってその中に魔力が注がれる事で魔法が使えるんだけど……


    イレギュラーの人たちには魔力の器があろうとそれが空だ


    だからこそ、イレギュラー扱いされるんだ


    もちろん、魔力の器から魔力が消えたら魔法なんて使えないけど


    ……さて、【今話すべきことはこれぐらい】かな?


    疑問があるならこの上のウィークポイントを論破してほしいな


    後々、順を追って説明するものもあるからそこは更新身を任せてね?
  4. 4 : : 2015/06/30(火) 19:19:16
    ……それにしても…大きいな……


    ……入るのが怖じ気付いてしまうくらいだ


    もちろん、不安もあるからだろう


    その不安の中でも一番の原因は…


    【イレギュラーの僕が本当にみんなと仲良くなれるんだろうか?】


    そう言う事だ


    だけど…ここまで来たんだ


    どうせ引き返すことなんて今更出来ない…


    それなら、今早く入ったほうがマシかな…


    苗木「…よし!頑張るんだ!」


    何に頑張れと言ったのか、自分でも分からないほどパニックになっている


    だけど、こうでもしないと…決意が固められない気がしたからね


    僕は門をくぐり、玄関ホールへと足を踏み入れ……た?


    苗木「なっ、なんだこれ…?」


    目の前がぐらぐらぐらぐらなっている


    上と下さえ分からないほどぐるぐるしている


    僕の目の前は今、飴細工のように溶けていく玄関ホールが映っている


    自分の存在位置さえ分からなくなるほど、頭も混乱してきた…


    ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる……


    …………そして…………














    僕の目の前は暗転した
  5. 5 : : 2015/06/30(火) 19:20:58









    プロローグ【ようこそ、1人のイレギュラーと14人の能力者】






  6. 6 : : 2015/06/30(火) 23:14:29
    ……僕が次に目を覚ましたのは……


    固い机の上だった


    苗木「あ……れ……?」


    意識が朦朧とする中、目が覚める


    さっき何があったのか?それは、今も分からない


    苗木「ここは……?」


    だけど今はさっきと同じようにわからない事だらけだった


    見慣れない教室、いつ?どうやってここに来た?誰かが運んだ?運んでくれた人はどこへ?


    僕は頭が複数の糸が複雑に絡まっているような気がした


    それに、窓には打ち付けられた鉄板


    何故か教室なのに監視カメラというこれまた見慣れないものだ


    苗木「……わけが、分からない……」


    今まで以上に混乱している時、目線の先にあるものを見つけた


    手書きでこの世のものと思えないほどの字の汚さだ


    苗木「希望ヶ峰学園からのお知らせ…?……8時…体育館……集合…?」


    もしかして運んできてくれた人は職員の人だろうか?


    それなら、納得がいく


    苗木「とりあえず、安心していいんだよね……」


    だけど別の意味では安心なんて出来なかった


    苗木「あっ…!?8時過ぎてる…!」


    僕は乱雑に扉を開け、全速力でひたすら走った
  7. 7 : : 2015/06/30(火) 23:38:46
    苗木「ハァ……ハァー……」


    ここまで来るのになんでこんなに疲れているんだろう?


    僕は自分でも疑問に思った


    苗木「ここの扉を開ければ……」


    集合時間に遅れたけど、大丈夫なのかな?


    そんな気持ちを胸にした後、僕は思い切って扉を開けた


    苗木「ここが、体育館……」


    広い、それもとてつもなく


    体育館には入学式のような準備がされていた


    もしかして本当に入学式をするんだろうか?


    石丸「君!遅刻とは何事だね!もう10分は過ぎているではないか!!」


    苗木「あっ!えっと…!ごっ、ごめんなさい!」


    彼の名は石丸清多夏


    【超高校級の風紀委員】で学力も運動にしても常に1位で何より風紀を重んじる人だとか


    江ノ島「あんた、今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょうが…」


    彼女の名は江ノ島盾子


    【超高校級のギャル】でファッション雑誌の表紙などを次々飾り、高校生女子の注目の的だ


    なんか雑誌の顔と違う気がするけど……あんまり気にすることじゃないかな…?


    大和田「とりあえずさっききたお前…自己紹介しろよ。こっちの奴らは全員したからよ」


    彼の名は大和田紋土


    【超高校級の暴走族】で全国の暴走族を従えるグループのリーダーを務めている


    苗木「なっ、苗木誠です!よろしくお願いします!」


    朝日奈「なんか堅苦しいね…もっとリラックスしなよ!ほら!同級生なんだし!」


    彼女の名は朝日奈葵


    【超高校級のスイマー】で大会新記録を出していてフォームもプロポーションも完璧だと評判だとか


    大神「そうだぞ…苗木、と言ったな。我らは如何であろうと同等なのだ」


    彼女の名は大神さくら


    【超高校級の格闘家】で総合格闘技を極めていて霊長類最強って言われているらしい


    苗木「あっ、はい…じゃなかった。うん、わかったよ」


    桑田「にしても此処は何処なんだよ?玄関ホールにも鉄塊の扉があったしよ……」


    彼の名は桑田怜恩


    【超高校級の野球選手】で大会で必ず優勝している野球の天才児らしい


    不二咲「もっ、もしかして…犯罪に巻き込まれたとかぁ…?」


    彼女の名は不二咲千尋


    【超高校級のプログラマー】で革新的なプログラムを開発していて小動物的存在からファンも多いとか


    葉隠「なっ、なんだべ…!そっ、そういう考えは止した方がいいべ!俺の占いがそう告げてるべ!」


    彼の名は葉隠康比呂


    【超高校級の占い師】でどんな事でも3割当てる占い界の超新星だとか
  8. 8 : : 2015/07/04(土) 07:04:15
    舞園「あの…ここで一体何をするんでしょうか?」


    彼女の名は舞園さやか


    【超高校級のアイドル】で人気アイドルグループのセンターを務めている


    実は彼女と僕は同じ中学だったんだけど…もっとも彼女は僕の事なんて覚えていないだろう


    腐川「なっ、成り行きに身を任せなさいよ…」


    彼女の名は腐川冬子


    【超高校級の文学少女】で中でも得意の小説は恋愛小説でヒットを繰り返してきたとか


    山田「僕は二次元に現実逃避しておきますよ!デュフフフフフwwww」


    彼の名は山田一二三


    【超高校級の同人作家】で文化祭で本を1万部をも売り上げたとか


    十神「いかにも愚民が考えそうな事だな…」


    彼の名は十神白夜


    【超高校級の御曹司】で帝王学を学び彼自身も会社経営にいくつも成功している


    セレス「ウフフ…一体何が起こるのか…楽しみですわね」


    彼女の名はセレスティア・ルーデンベルク


    【超高校級のギャンブラー】でギャンブルで荒稼ぎをしていて総資産額は10億さえも超えているとか


    霧切「…………」


    彼女の名は………あれ?


    誰だろう…見たことない顔だな……


    舞園「彼女の名前は霧切響子さんなんですって!可愛い名前ですよね!」


    苗木「うわぁ!?まっ、舞園さん!?」


    突然舞園さんが話しかけてきて僕は腰を抜かしそうだった


    舞園「才能は話してくれませんでしたが…」


    霧切響子さんか…一体どんな人なんだろう?


    舞園「……あっ!話そうとしているの忘れてました!苗木クンって根黒六中ですよね?」


    苗木「うっ、うん…そうだけど…」


    舞園「やっぱり!私の事覚えています?クラスは別だったけど一緒の学年だった舞園です!」


    苗木「おっ、覚えているも何も…もちろん覚えているよ!」


    覚えていないはずはない


    舞園さんは中学校でもみんなから人気で、僕なんか話しかける隙なんてなかった


    苗木「というかどうして舞園さんが僕なんかの事を知っているの?」


    舞園「それはですね……」


    彼女が口を開こうとした途端…







    唐突にそいつはやって来た





    ???「うぷぷ……うぷぷぷぷ!」
  9. 9 : : 2015/08/02(日) 10:12:19
    ???「オマエラ…やっとボクの出番だよー!」

    大和田「あぁ?なんだこの声…気味悪りぃ」

    ???「コラー!学園長に向かってなんて言い草なんだ!」

    霧切「学園長……?」

    ???「そう!僕はこの学園の学園長なのだ!その名も…」

    自称学園長はそういった途端…



    モノクマ「モノクマなのだ〜!」


    教壇から出てきた

    もっとも、それはヒトでは無い

    ぬいぐるみだ

    胴体と顔が繋がっている…正確に言うと、首が無いぬいぐるみだ

    半分が黒、半分が白に分かれている

    腐川「えっ…?ちょっと、何コイツ…?」

    モノクマ「コイツ?コイツって名前の人はいません!僕はモノクマなのです!」

    モノクマ「えー、オマエラ入学おめでとうございます!」

    モノクマ「入学して間もないみなさんなのですが…」

    モノクマ「ここでオマエラに朗報です!」

    モノクマ「オマエラ…いや、能力者のオマエラにはコロシアイをやってもらいます!」

    葉隠「こっ、コロシアイ…!?」

    苗木「えっ……」

    僕は困惑した

    能力者のオマエラ?

    それって…全員が能力者だって事か……?

    だけど僕はイレギュラーだ

    能力者なわけが無い……

    僕は思考回路がショートしそうだった

    十神「能力者…コロシアイ…ふん、なるほどな」

    舞園「こっ、コロシアイだなんて…!」

    不二咲「うっ、うぅぅ…!もう、イヤだよぉ…!」

    山田「これは…二次元だけに存在していいはずなのですが…およよ?」

    大神「ぬぅ…ぬぅぅぅぅぅ!」

    モノクマ「このコロシアイから脱出する条件は一つだけです!」

    モノクマ「6人が生き残る事!それまではみんなでコロシアイしないとでれませーん!」

    セレス「そんな…それでは私の夢は…」

    朝日奈「こっ、これって悪い夢なの…!?それなら早く覚めて!」

    モノクマ「僕が頬をつねってあげようか?夢じゃないからさぁ!」

    江ノ島「…………ふーん」

    モノクマ「では、各自の個室に電子生徒手帳と言うのがあります!」

    モノクマ「それを見て詳しく確認してくだい!」

    モノクマ「君たちの個室は寄宿舎の一階にありますので!」

    モノクマ「それでは!レッツコロシアイ!」

    石丸「こっ、コロシアイだなんて…風紀が乱れる…!」

    大和田「クソがぁ…!なんだこれはぁぁぁぁ!」

    腐川「なっ、何なのよこれ…!家に返しなさいよ……!」

    葉隠「これは嘘だべ…!俺の占いはそう告げてるべ…!!だから……!」

    霧切「………………………」

    桑田「こっ、こんなの…!アリかよ…!?」

    みんな、驚いている…そして怯えている

    だけど、イレギュラーである僕は誰よりも怯えていた

    【14人の能力者達】にいつ殺されるか分からない恐怖に…

    僕は初めて…







    自分の無能さを呪った





  10. 10 : : 2015/08/02(日) 10:15:13










    プロローグ【ようこそ、1人のイレギュラーと14人の能力者】



    END









    生き残りメンバー…残り【15人】


  11. 11 : : 2015/08/02(日) 10:18:40










    CHAPTER1【 タ ス ケ キ ル 】










  12. 12 : : 2015/08/02(日) 10:42:56

    【苗木誠の個室】

    苗木「あ…あぁ…」

    僕はベッドの布団に包まっていた

    男が情けないとは思うところはあるけど、この恐怖がわかる人はいないだろう

    自分だけみんな持っているものを持っていなくて、そしてそれが命を守るものなんだと

    その命を守るものが自分には無いのだ

    これ以上の恐怖は無い

    電子生徒手帳を見ると校則があったのをさっき見た

    1.【コロシアイ学園生活は自由です、期限は特定の人数が生き残るまでです】

    2.【6人まで生き残ったときにはその6人に学園を脱出する権利が与えられます】

    3.【コロシアイ学園生活には不自由が無いようにいたします】

    4.【チームを組む事は自由ですが、裏切りなどはそちらの責任となります】

    5.【監視カメラや学園長モノクマへの暴力を禁じます】

    6.【個室以外での故意の就寝は禁じます】

    7.【これらの校則を破った場合には学園長モノクマがオシオキという罰を与えます】

    8.【なお、校則は場合により増える場合があります】

    苗木「それが…何なんだよ…!」

    僕の頭の中の映像は…今、真っ暗だ

    何も見えていない…未来がないからだろうか?

    校則…

    これを破って楽になれるだろうか?

    オシオキ…コロシアイなのだから、死ぬという事だろう…

    なら、いっその事…

    そんな考えが浮かんでいるうちに突如として……

    ピーンポーン……

    苗木「…………!」

    呼び鈴が鳴った
  13. 13 : : 2015/08/02(日) 11:00:15
    苗木「……っ」

    僕は……個室にあった工具セットのスパナを手に取る

    苗木「誰だ……?」

    ???「えーっとよ…とりあえず、開けてくれねぇ?あっ!俺!桑田!桑田怜恩!」

    桑田怜恩…

    ……警戒はしてなさそうだ

    僕がそんなにチョロい奴とでも思っているのだろうか?

    彼はチャラい性格だし、間違いなく僕を疑っていない

    …………コロスナラ…イマダ……

    苗木「イイヨ…イマアケルカラ…」

    イマナラコイツヲコロセル…

    ガチャ……

    桑田「チィース!確か…苗木だったよな?実はよ、相談があるんだよな!」

    苗木「ドウシタノ?」

    桑田「あー、えっとな…お前が何と無く信頼できるからよ…頼むんだけどよ…」

    桑田「俺とチームを組んでくんねぇ?」

    フフフ…ボクガシンライデキル、カ……

    キミノソノカンガエ……イツマデツヅクカナ…?

    苗木「イイヨ…ジャア……イマココデキミトボクハチーム…」

    桑田「あっ、アッサリだな…まっ、まぁ…ありがとよ!」







    苗木「ソシテココデオワカレダ」




    桑田「!?」


    苗木「アァああぁアァぁぁぁアアアァああぁぁアァアア!」


    僕の狂気を纏ったスパナは桑田クンの頭を狙って……




    振り下ろされた
  14. 14 : : 2015/08/02(日) 18:19:34
    桑田終わったかな笑でも苗木桑田チームを見てみたい気もする!期待です!
  15. 15 : : 2015/08/02(日) 19:22:31






    だが、少し軌道が逸れて…桑田クンの頭の隅の方にヒットした

    桑田「ぐっ…!」

    苗木「ハァー…ハァー…はぁー…はぁー…」

    ……?僕は、何を、やって、いたんだ?

    自分でも考えられない行動を取ってしまって困惑してしまう

    僕は…このスパナで……





    桑田クンの頭を…かち割ろうとしたのか?





    苗木「うっ、嘘だ…」

    僕が…コロシアイの引き金を引こうとしたのか?

    苗木「嘘だ嘘だ嘘だ…」

    僕が…桑田クンの心を利用して…殺そうとしたのか?

    苗木「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ…!」

    僕が…



    罪のない人間の命を失わせようとしたのか?



    苗木「嘘だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」





    僕は……考え事なんてできる状態なんかじゃなかった

    ただ、桑田クンを見ると……自分のさっきの行動が頭にフラッシュバックして……

    罪の意識に囚われそうになるから…逃げたかった…

    桑田クンが後ろで何か叫んでる

    きっと、僕を恨んでいるのだろう

    殺したがっているのだろう

    僕の戦局は…最悪の場合と結末へ向かおうとしていた












    本当に…最悪な場合へと……



    ???「かっ、彼は……今!桑田クンを……!?」

    ???「えぇ、あなたも見らしたでしょう?」

    ???「これは…コロシアイの引き金を引こうとしたといっても過言でも無いべ!」

    ???「なっ、何てことだ…彼は…僕等を…!」

    ???「……そんな事はさせない!僕が必ず止めて見せよう!」

    ???「えぇ、そうですわね……ウフフ」

    ???「あぁ……こりゃあ…殺るっきゃねぇべ」
  16. 16 : : 2015/08/02(日) 23:32:35

    【教室】

    苗木「ハァ…ハァ…はぁ…はぁ…」

    僕は全速力で駆け抜け、教室へと逃げ込んだ

    無論、鍵もちゃんとかけた

    苗木「ぼっ、僕が…がぁぁ………うっ、うぐぅ…!」

    いくら一瞬正気を取り戻したとはいえ、まだ半狂乱状態のままだ

    自分が、この手で、桑田クンを、殺そうとした…

    僕は殺意を常に持っていたのだろうか?と、困惑する

    その気になれば…誰かを殺そうとしていたんだ

    僕は自分の殺意に恐怖を覚え、戦慄する

    僕はフラフラした足取りで何故か、ロッカーへと隠れた

    とりあえず狭い場所で落ち着こうとでも思ったのだろう

    ロッカーの扉を閉め、深呼吸をしようと空気を吸おうとした……






    だけど、急な音に驚き思わず空気を飲み込む


    バターンッ!



    苗木「っ…!?」

    それは扉が前のめりに倒れていく音

    隙間から覗くと扉の真ん中辺りが凹んでいる

    誰が来たんだ?僕を殺しに来た?

    だとすれば…可能性があるのは、桑田クンだ

    あぁ…やっぱり殺しに来たのか

    僕は悟った……







    事は全く持って外れていた

    石丸「苗木クン!君を…倒しに来た!僕らを殺すつもりなら…!」

    葉隠「石丸っち…躊躇なんかいらねぇべ!あんな奴によ!」

    苗木「……!?」

    僕の僅かな視界に入ったのは……

    拳を固く握り締めている石丸クン、腕を組んで余裕の表情を出す葉隠クン…そして…


    セレス「ウフフ…苗木クン、あなたの罪は…重いですわよ?」

    まるで…獲物を狩るような冷酷な視線で教室を見渡しているセレスさんだった
  17. 17 : : 2015/08/02(日) 23:58:20
    どうして、彼らが…?

    彼らの会話を聞く限り、僕が桑田クンを殺そうとしているのを見ていた……?

    ……始めから終わりまでを何処からか見ていたのだろう

    場所は……僕の向かい辺りにある石丸クンの個室

    あの面子ならあの場所が一番妥当だろう

    石丸「僕は……最初見た時、君を良い人だと思っていた!性格も真面目で……!」

    石丸「なのにどうして君が!」

    石丸クンは僕をそう見ていたのか

    桑田クンも同じ事を言っていたな……

    葉隠「人は見かけによらず……ってか?ははっ!お前の印象を良い奴だと思った俺は馬鹿みてーだな!」

    葉隠クンも怒り口調で話す

    セレス「およしなさい、二人共…じっくり、獲物を炙っていきましょう?」

    僕はセレスさんの微笑みに…足が震える

    だけど、バレたらいっかんの終わり…

    僕は足の震えを無理矢理止める

    石丸クンたちは教壇の下…机の下…隅々まで調べる…

    どうしよう…何か案を考えないと…!

    確実に殺される…!

    さっきは死にたがっていた死にたがり野郎が今は怖気付いたやろうに早変わりした

    理由は簡単だ

    恐怖に怯えながら死ぬのは嫌だ

    ただそれだけだ

    恐怖…それは、心に一生染み付くものだ

    死んでも忘れられない思い…考えるだけで背筋が寒気がする

    ……それに、少し生きてみたいとも此の期に及んで思った気がした

    僕が後退りしたところからコンッ…と、音が聞こえた


    バケツだ


    苗木「これだ…!」

    僕は小声で呟き、バケツを持つと……

    ……コーン…コーン…

    石丸「!」

    葉隠「おっ!ビンゴだべ!」

    セレス「では…作戦決行、ですわ」

    彼らは僕がロッカーからこっそり出て投げたバケツにまんまとハマってくれた

    一時期、誰もいない事を気配や視覚、聴覚で確認して僕は外に出た

    苗木「はっ…はっ…はっ……」

    息が途切れ途切れになっている

    相当緊張したのだろう

    バレたら死ぬ、バレなければ死なない……

    そんな運命の2択を迫られていた…たった2択でも怖いものは怖い

    苗木「はっ……はっ……はぁ…すぅー……はぁー……」

    息を整え、頭も回ってきた








    そんな最中の、不幸だ


    ズドォン!!


    苗木「がっ…ぅぐっ…!?」


    上から裁きの鉄槌と言わんばかりの強烈な拳が落ちてきた


    石丸「……君が出るのを待っていたぞ」


    いや、どちらかといえば正義の鉄槌…怒りよりの正義の鉄槌だ


    ロッカーの上に身を忍者のように潜めていた石丸クンは…怒りの顔に染まっていた
  18. 18 : : 2015/08/03(月) 16:48:31
    ……思えば、おかしい話だ

    負け組のイレギュラーである凡人と勝ち組の能力者である非凡人…

    負け組が勝ち組の気配を探ったって、感知できるわけがない

    同じように逆に考えても同じだ

    勝ち組が気配を消したら負け組が察知できるわけない

    そんな事に…どうして、頭が回らなかったんだろう?

    教室の床が、少し歪んだ気がした

    石丸「…………苗木クン、君は……」

    セレス「石丸クン、ご苦労様ですわ」

    葉隠「はっはっはっ!苗木っちの負けだべな!」

    苗木「ぁぐ……ぃが……!」

    僕は声にならないほどの悲鳴をあげる

    頭の骨にヒビが入ったんじゃないか?と、思わせるほどだ

    僕の頭からは血が流れてくる

    目が少しずつ赤くなり、口の中に血が入って来る…

    頬をつたって、床にポタッ…と滴り落ちる

    苗木「はっ……はっ……あぁあぁ……!」

    石丸「苗木クン、僕だって正直殺したくはない……」

    石丸「だけど…君がみんなに害を与えるとならば、僕は容赦しない!」

    苗木「ぅぐ……ぁがっ……!」

    葉隠「石丸っち、もういいべ……苗木っちはいずれ死ぬんだ」

    僕は力が抜けていくのを感じた……

    手に握り締めていたスパナが音を立てて落ちていく

    セレスさんはスパナを拾い上げるとフフッと笑った

    セレス「これで、桑田クンを殴りつけたのですね……ウフフ、愚かな人」

    苗木「…………」

    もう、喋る気力も無い……

    体の力が抜けていく……

    僕は死ぬ、のか?

    ……いや、いずれみんな死ぬ運命なんだ

    僕の終点はここだったんだな……

    僕は、意識が朦朧としている中…生死をさまよっていた
  19. 19 : : 2015/08/03(月) 17:01:43
    セレス「ウフフ…では、このスパナで一途に殺してあげますわ」

    葉隠「まっ、これでコロシアイなんて方法を使わずにみんなで脱出する方法を心置きなく考えられるな!」

    石丸「……あぁ、そうだな」

    セレスさん達の会話を聞くのが今は精一杯だ

    その、聴力も途切れ途切れに聞こえるからだんだんと落ちてきている気がする

    目がだんだん閉じていく……

    五感もだんだん失われていく……

    あぁ、やっぱり僕は死ぬ、のか?

    …………………………………………………………







    父さん

    母さん

    こまる

    ごめん

    僕は、死にます

    遺書でも残しておけばよかったかな

    さようなら






  20. 20 : : 2015/08/03(月) 17:12:30





































    ドゴォォォォォォォォォン!

    苗木「……ぇ?」

    いきなりの大爆音に僕の死の覚悟は消え去った

    力を振り絞って見たのは……もう片方の扉が消し炭になっているところ

    セレス「なっ…熱い……!」

    そして、一瞬の熱風

    葉隠「ななな!?なんだべこれ!?訳わかんねぇべ!」

    石丸「だっ、誰だ!?」

    セレスさん達も困惑している

    突然の来訪者…誰だか分かんないけど……

    僕は、どうせ死ぬんだ…助からない

    誰だか知らないけど……

    この僕の思考は、すぐに現れた人影が明かされた時に止まった

    苗木「どっ……うしっ……て?」

    石丸「なっ、何故君が!?」

    葉隠「なななななっ!?なんで来たんだべ!?」

    セレス「……まさかあなたが来るとは、予想していませんでしたわ」











    セレス「…桑田、クン?」

    桑田「……よぉ、苗木……助けに来たぜ」

    彼の……桑田怜恩の目からは…真剣な眼差しが放たれていた


  21. 21 : : 2015/08/11(火) 20:55:57
    桑田「おまえら…苗木に手ェ出してんじゃねぇよ!」

    桑田クンは鬼の形相で叫んでいる

    葉隠「何やってんだべ桑田っち!?桑田っちは苗木っちに殺されようとしたんだぞ!?」

    桑田「ハァ?何言ってんだよ?俺は死んでねぇっつーの!」

    葉隠「頭おかしくなったんか!?」

    僕はまだ紐がこじれているように頭の思考回路がグルグルとしていた

    何故?どうして彼が?

    だって僕は彼を…

    桑田「今助けてやるから、待ってろ苗木!」

    桑田クンは忘れたのか?

    殴打した時のショックで?

    ……いや、それなら僕にここまで肩入れするわけない

    桑田クンは、石丸クンの拳を軽く避ける

    桑田「くらえ!」

    ポケットから出したのは……野球ボールだ

    それをセレスさんめがけて思いっきり投げる

    葉隠「……!セレスっち!右に避けるべ!」

    葉隠クンが指示するとセレスさんは右に避けて、ボールをギリギリでかわす

    しかしその時に桑田クンは僕を抱え救出する

    桑田「ひとまず隠れるぞ!退散だ!」

    桑田クンは僕を抱えたまま必死に走っている

    石丸「待ちたまえ桑田クン!何故君は……!!」

    セレス「お待ちなさい、石丸クン…ここは追うのは得策ではありません」

    セレス「ここはじっくり、鬼ごっこをして追い詰めるとしましょう……」

    セレスさんは不敵な笑みを浮かべ、僕らを見過ごした
  22. 22 : : 2015/08/11(火) 21:28:44

    【トラッシュルーム】

    桑田「ふぅー……たまたま鍵が開いててよかったぜ…」

    苗木「…………ど、…うし…………て?」

    桑田「ん?」

    苗木「……ど、うし………て……僕を……た、す……け…………た、…の?」

    僕は息がまともにできない中、桑田クンに疑問を投げかけた

    桑田「……んーとよ、苗木…なんでかわからねぇけど苗木がピンチだと勘で思ったんだよな…」

    桑田「それで助けないわけねぇ!って、ことで助けたわけよ!」

    苗木「…………僕が、あんなことしたのに…?」

    桑田「……さっもいったけどよ、俺実際死んでねぇし……」

    桑田「それに、俺と苗木はチームだろ?さっき組んだばっかじゃねぇかよ!」

    僕らが、チーム……?

    どうしてまだそんな事が言えるんだろう……?

    苗木「ぼくは、あんな酷いことしたのに……」

    桑田「まぁ、確かに痛かったぜ?だけどよ……」


    桑田「チームの絆っつーか、結束力?って、んな簡単に壊れねぇだろ!」



    苗木「……!」

    僕は、その時理解した

    彼こそ、まっとうな人間なのだと

    僕が彼を殺すために組んだ脆いチームの絆は……

    彼にすれば、強い強固なチームの絆に他ならなかったのだ

    彼は僕を信じてくれた

    あんな事をしても、なお……

    その思いに僕は、どう答えるべきなんだ?

    ………いや、考えなくとも答えは導かれている

    苗木「桑田クン、僕は…ハッキリいって君を殺すつもりでいた」

    苗木「何もしていない君を…僕が恐怖に飲み込まれたせいで」

    苗木「全ては僕の弱さが原因だ」

    苗木「今だからこそ、ハッキリ言おうと思う……桑田クン、僕はイレギュラーだ」

    苗木「どんな能力も無いし、魔力の器は空っぽだ」

    苗木「これから、僕の魔力が湧き出る可能性は低いと思う」

    苗木「僕はこんな弱い人間なんだ…君と比べたら役立たずの無能だ」

    苗木「それを踏まえて、もう一度聞きたいんだ」

    苗木「それでも僕と……チームを組んでくれる?」



    桑田「…………………へっ、そんなの知ったこっちゃねぇよ!」



    桑田「苗木がどんな奴であろうと俺はついていくぜ!俺は、一度決めたら曲げないタイプだからな!」

    桑田「だからよろしく頼むぜ!」

    苗木「…………ありがとう………」

    苗木「僕からもよろしく頼むよ、桑田クン…本当にありがとう」

    そして、僕と桑田クンは互いに握手をした

    この固い握手が、切れることは何があろうと絶対に無い…必ずだ

    いつの間にか、僕の息は整っていて…血も止まっていたし痛みも無くなっていた

    そして、不思議と僕は安心感に包まれた
  23. 23 : : 2015/08/24(月) 17:38:34
    桑田めっちゃいいやつじゃん!期待

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mabusato415

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