このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
進撃の巨人×洒落にならない怖い話
- 進撃の巨人 × ホラー
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- 1 : 2015/06/21(日) 23:29:07 :
- *進撃の巨人のキャラクターで洒落怖のパロです。
*幾つか元ネタの改竄なども加えています。
*洒落怖には本当に怖い作品も多々あります。
*ハンジ「なぞのやくひんを てにいれた!」の方の息抜きのようなものです
*更新は亀スピードです。
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- 2 : 2015/06/21(日) 23:29:55 :
- 「一つ作り話をするよ」
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- 3 : 2015/06/21(日) 23:32:53 :
- 訓練で疲れた俺達は、たわいもない話をしていた。
アルミン「そういえば今日はエイプリルフールだよね?」
ジャン「ん?そうだな」
エイプリルフール。確か嘘をつく日だったよな…
ジャン「なあ、どうせだし俺らで何か嘘でもつき合おうぜ」
アルミン「嘘?」
ライナー「ほう…面白そうだな」
マルコ「わかったよ」
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- 4 : 2015/06/21(日) 23:35:08 :
- 思ったより俺の意見に賛同してくれるヤツは多かった。
ジャン「じゃあ俺からな!…俺はミカサと付き合ってる」
ライナー「嘘だろ」
アルミン「嘘だね」
マルコ「ジャン、余りにも嘘っぱち過ぎるのはどうかと思う」
ジャン「うぐ…」
確かに俺とミカサが付き合ってるというのは嘘だ。
でも俺がミカサを好きって言う気持ちは本物だ。
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- 5 : 2015/06/21(日) 23:36:46 :
- コニー「本当かジャン!?」
アルミン「えっ」
…何故か信じる輩もいたが。
ライナー「じゃあ次は俺だな。俺はクリスタと(ベルトルト「嘘乙だよ」
ライナー「」
…………
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- 6 : 2015/06/21(日) 23:39:46 :
- そして思ったより盛り上がりを見せた嘘の話はどんどんエスカレートしていった。
ライナー「もう眠くなってきたな……ベルトルト、俺はもう寝るぞ」
ベルトルト「うん、お休み」
気がつけば、もう起きているのは俺とマルコ、ベルトルト、アルミンだけになっていた。
ジャン「おいおい、優等生がこんな時間まで起きてて大丈夫かよ?」
マルコ「あはは、たまにはそんな話もいいじゃないか」
アルミン「そうだね」
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- 7 : 2015/06/21(日) 23:41:23 :
- ジャン「じゃ、次はベルトルトな」
ベルトルト「うーん…僕は皆みたいに器用に嘘が吐けないから、一つ作り話をするよ」
マルコ「作り話?」
ベルトルト「……………」
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- 8 : 2015/06/21(日) 23:47:39 :
- -Side Bertolt-
ある日、僕が目覚めるとそこは真っ白な部屋だった。
僕にはここまで至る記憶は何もなかった。
ただ起きたらここにいた…それだけだった。
呆然としたまま状況を把握できないでいたんだけど、そこに天井の方から声が響いてきた。
『これから進む道は人生の道であり**の業を歩む道。選択と苦悶と決断のみを与える。歩く道は多くしてひとつ、決して矛盾を歩むことなく』
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- 9 : 2015/06/21(日) 23:51:54 :
- …そう言われた。
そこで気付いたんだけど、僕の背後にはドアがあったんだ。
横にはべったりとした赤い文字で『進め』と書かれていた。
『3つ与えます。
ひとつ。右手のジオラマを壊すこと。
ふたつ。左手の人を殺すこと。
みっつ。あなたが死ぬこと。』
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- 10 : 2015/06/21(日) 23:57:16 :
- ジオラマというのは、あの模型のことだろうか。
壁の中にたくさんの家屋がある。
声はまだ続いていた。
『ひとつめを選べば、出口に近づきます。
あなたと左手の人は開放され、その代わり彼らは死にます。
ふたつめを選べば、出口に近づきます。
その代わり左手の人の道は終わります。
みっつめを選べば、左手の人は開放され、おめでとう、
あなたの道は終わりです』
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- 11 : 2015/06/22(月) 00:03:17 :
- めちゃくちゃだよ。どれを選んでもあまりに救いがないじゃないか。
馬鹿らしい話だよ。でもその状況を馬鹿らしいなんて思うことは出来なかった。
それどころか僕は恐怖でガタガタと震えた。
それくらいあそこの雰囲気は異様で、有無を言わせないものがあった。
一つの命か、たくさんの命か、僕の命か。
普通に考えれば一つの命だ。でも、僕には自殺なんてできなかった。
死にたい。そう思うことは多々あったけれど、僕は死ぬわけにはいかなかった。
……近くの命は寝袋に包まれていた。
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- 12 : 2015/06/22(月) 00:05:34 :
- 僕はその寝袋にそっと近寄る。
…チャックが少し、開いているのが見えた。
僕は何故か、そのチャックに手を伸ばしてしまった。
そしてチャックを下げていく。
………その中にいたのは、紛れもない僕の親友だった。
ライナーだった。
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- 13 : 2015/06/22(月) 00:08:05 :
- 僕は一気に体の芯から凍えていくのがわかった。
僕が終わらせようとしていた道は、僕の親友であり依存相手のものだったんだ。
殺せなくなってしまった。
だから僕は、そこにあった鉈で自分の首をはねようとした。
……やっぱり出来なかった。
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- 14 : 2015/06/22(月) 00:09:19 :
- 僕は本当に臆病だ。
ただ一つの命も簡単に殺せない。
ふと、視界の隅にさっきのジオラマが映った。
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- 15 : 2015/06/22(月) 00:10:12 :
粉々になった何かの残骸から、赤い液が垂れていた
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- 16 : 2015/06/22(月) 07:56:49 :
- 期待
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- 17 : 2015/06/22(月) 16:27:51 :
- それは血ではなかったけれど、本当に赤い…赤黒い液体だった。
倒壊した家屋の隙間から見える人形の目は、こちらをギョロリと見つめていた。
それから僕はライナーを起こそうとしたけど、いくら揺すっても起きなかった。
そして、ガチャリと音を立ててドアが開いた。
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- 18 : 2015/06/22(月) 16:33:29 :
- 次の部屋に入ると、右手にはどこかで見たことのある木造の建築物の模型、左手には同じように寝袋があった。
床にはやはり紙が落ちてて、そこにはこうあった。
「3つ与えます。
ひとつ。右手の模型を壊すこと。
ふたつ。左手の寝袋を燃やすこと。
みっつ。あなたが死ぬこと。」
そして、またさっきと同じようなことが書いてあった。
僕はそんな文章には目もくれず、何を捨てるかを考えていた。
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- 19 : 2015/06/22(月) 16:38:27 :
- 寝袋から見えるきれいな金髪。それだけで、僕は寝袋に包まれているのは誰かがわかった。
その時ふと思った。模型なんか壊したところで本当に人が死ぬのか?
普通ならありえないよ、そんなこと。
でも、僕は本当に人が死ぬんだと思ったんだ。特に根拠もない、けど明確に。
僕はすぐ側に用意してあった松明を手に取った。
とてもきれいな紅い炎を点して、模型はぼうっと燃え盛った。
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- 20 : 2015/06/22(月) 16:38:53 :
- 人を殺すことに対しての感情が麻痺していった
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- 21 : 2015/06/22(月) 17:44:47 :
- めっちゃ見たことある話っすね
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- 22 : 2015/06/22(月) 20:55:18 :
- 模型が燃え尽きる頃、ガチャリと音を立てて次のドアが開いた。
模型は跡形もなく燃え去っていて、そこからは肉の焦げるような臭いがした。
次の部屋に入ると、今度は右手に何かしらの建物の模型があった。
中に自由の翼が見えた。
左手には今回は寝袋ではなく、僕らの故郷での思い出が綴られた日誌があった。
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- 23 : 2015/06/22(月) 21:01:57 :
- 足下にあった紙切れを素早く拾うと、そこにはこうあった。
『3つ与えます。
ひとつ。右手の模型を壊すこと。
ふたつ。左手の日誌を切り裂くこと。
みっつ。あなたが死ぬこと。
ひとつ目を選べば、出口に近づきます。
あなたとあなたの大切なものは開放され、その代わり彼らは死にます。
ふたつ目を選べば、出口に近づきます。
あなたと彼らは開放され、その代わりあなたの故郷は破滅します。
みっつ目を選べば、あなたの大切なものと彼らは開放され、おめでとう、
あなたの道は終わりです』
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- 24 : 2015/06/22(月) 21:05:13 :
- 僕はいとも簡単に模型の前に立った。
まるで機械のように、決められていたかのように。
そして僕は、目の前の模型を踏み抜いた。
プチッ、と何か潰れるような音がした。
その時、僕はそんな感覚すら気にならなかったよ。
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- 25 : 2015/06/22(月) 21:10:16 :
- しかし、ドアが開く音はしない。
すぐさま僕はもっと念入りに模型を踏み潰す。
すると、ドアが開いた音がした。
グシャグシャになった模型には目もくれず、僕はドアを開いた。
次の部屋は、何もない部屋だった。
僕は思わず「えっ」と声を洩らしたけど、ここは出口なのかもしれないと思うと少し安堵した。
やっと出られる。そう思ってね。
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- 26 : 2015/06/22(月) 21:13:34 :
- すると再び、頭の上から声が聞こえた。
『最後の問い。
君の使命と大切なもの、
壁内人類。
そして、君。
捨てるとしたら、何を選ぶ』
僕は何も考えることなく、黙って今来た道を指さした。
するとまた、頭の上から声が聞こえた。
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- 27 : 2015/06/22(月) 21:18:17 :
- 『おめでとう。君は戦士として矛盾なく道を選ぶことが出来た。
人生とは選択の連続であり、匿名の幸福の裏には匿名の不幸があり、匿名の生のために匿名の死がある。
ひとつの命は地球よりも重くない。
君はそれを証明した。
しかしそれは決して命の重さを否定することではない。
最後に、君がしたことはどれだけのことなのか感じてもらう。
おめでとう。
おめでとう。』
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- 28 : 2015/06/22(月) 21:22:45 :
- 僕はぼうっとその声を聞いて、安心したような、虚脱したような感じを受けた。
とにかく全身から一気に力が抜けて、フラフラになりながら最後のドアを開けた。
光の降り注ぐ眩しい部屋、目が眩みながら進むと、足にコツンと何かが当たった。
床には、朱い鮮血と たくさんの同期と たくさんの調査兵と たくさんの一般人の 死体があった。
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- 29 : 2015/06/22(月) 21:25:47 :
…これで、おしまい。」
ベルトルトの話が終わった時、俺らは唾も飲み込めないほど緊張していた。
こいつのこの話はなんなんだろう。
得もいわれぬ迫力はなんなんだろう。
そこにいる誰もが、ぬらりとした気味の悪い感覚に囚われた。
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- 30 : 2015/06/22(月) 21:30:40 :
- 俺は、食堂から持ってきた水をグッと飲み干すと、勢いをつけてこう言った。
ジャン「…んな気味の悪い話はやめろよ!楽しく嘘の話をしよーぜ!ほら、お前もやっぱり何か嘘ついてみろよ!」
そう言うとベルトルトは、口角を吊り上げただけの不気味な笑みを見せた。
その表情に、体の底から身震いするような恐怖を覚えた。
そして、口を開いた。
ベルトルト「もう、ついたよ」
アルミン「…え?」
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- 31 : 2015/06/22(月) 21:31:11 :
「一つ作り話をするよ」
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- 32 : 2015/06/22(月) 21:33:22 :
- *第一作目終了*
元ネタ:「ひとつ、作り話をするよ」
割と有名所です。
それにしても上手く原作の不気味な雰囲気が出せなかった…
ほとんど改変で出来てました。
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- 33 : 2015/06/22(月) 21:35:57 :
- あと現パロもあるかもしれません
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- 34 : 2015/06/22(月) 21:38:47 :
- ※リアルやリゾートバイトなどのとても長い話は載せるのは一部だけになると思います。特にリゾートバイトは載せたいです…
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- 35 : 2015/06/22(月) 23:06:35 :
- 進撃風になっててよかったよb
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- 36 : 2015/06/22(月) 23:48:43 :
- >>35
ありがとうございます!
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- 37 : 2015/06/23(火) 19:49:15 :
- テスト期間に突入しました。
多分一週間ほど書けません
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- 38 : 2015/06/29(月) 12:09:14 :
- 次の予定は『双眼鏡』です
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- 39 : 2015/07/01(水) 03:00:19 :
- 多分明日から更新再開すると思います
今回のテスト自信ありません…orz
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- 40 : 2015/07/02(木) 22:36:49 :
なんだかゾワッときました。
期待です!
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- 41 : 2020/07/05(日) 06:59:00 :
- ベルトルト、怖えええw
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