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  1. 1 : : 2015/06/15(月) 17:04:51
    やぁ。

    僕は悪魔。

    僕は人の心に住み着くんだ。

    でもね、他の悪魔と少しだけ違うとこがあるんだ。

    それはね…。

    その住み着いた人間が強く思った事を叶えることが出来るんだ。

    凄いでしょ?

    あ、でも僕ってわがままだから気に入らなかったらすぐに出ていくんだ。

    でもね、とても面白い人間がいたんだよ。

    それで、このお話はさ、僕が住み着いたある人間の兄弟のお話。



    それにしても人間って面白いね~。

    いろんなことを考えててさ~。

    はは、笑っちゃうよ~。


    あ、ごめん、ごめん。


    じゃあ、話そうか。


    はじまり、はじまり~♪
  2. 2 : : 2015/06/15(月) 17:06:43
    期待!
  3. 3 : : 2015/06/15(月) 17:18:38


    僕は、(まなぶ)

    お父さんとお母さんは、お偉いさんで周りの人を自由に操れる人らしいんだ。

    だから、子供にも厳しい。

    成績は学校で一番じゃないといけないし、運動神経だって良くないと。

    だから、家庭教師や体操をたくさん習ってお父さんやお母さんに褒めてもらおうと思った。

    けど、僕には、一人の兄がいる。

    それこそ、お父さんが待ち望んでいたくらいの人だ。

    成績は優秀で、運動神経も良く、周りからも好かれている。

    僕も兄さんを見習って頑張った。

    それで、いい成績を取った。

    でもね、僕気付いたんだ。

    僕に、兄さんがいる限り、僕は褒められることなんて無いんだって。

    いつもそうだ。

    ある、絵のコンクールで賞をとった時も、兄さんは兄さんの書いた作文が高く評価され、お父さん達は兄さんの方へ行ってしまった。

    その時は仕方ないって思ってた。
  4. 4 : : 2015/06/15(月) 17:20:09
    >>2期待ありがとう!
  5. 5 : : 2015/06/15(月) 17:28:01
    だって、兄さんは凄い人だ。

    僕なんて到底追い付かない上の人だ。

    何で勝とうとしても必ず負ける。

    だから、仕方ないんだ。

    それでも、僕は頑張った。

    勝とうとして。

    褒めて欲しくて。

    兄さんもだけど、僕だって頑張ってるんだよって、知って欲しくて。

    でも、そんなこと全部無駄だった。

    僕が頑張っている間に兄さんは僕が頑張っている以上に成長した。

    頑張ったって、何したって。

    兄さんには勝てないんだから。
  6. 6 : : 2015/06/15(月) 17:34:31
    じゃあ、どうすればいいんだ。

    僕には何が出来る?

    兄さんの引き立て役?

    何?

    教えてよ。

    ねぇ、兄さん。

    兄さんは何でも知ってるでしょ?

    だから教えてよ。

    僕は何の為に生まれてきたのか。

    どうしてここに居るのか。

    どうしたら、兄さんに勝てるのか…。
  7. 7 : : 2015/06/15(月) 17:39:08
    めっちゃ共感できる…!
    期待っ!
  8. 8 : : 2015/06/15(月) 19:34:23
    >>7期待ありがとう!
  9. 9 : : 2015/06/15(月) 19:39:39
    でもね、僕だって、兄さんと仲がいいときだってあった。

    毎日の様に遊んで、話して、とても楽しかった。

    けど、ある日、ぱったり兄さんは僕と目もあわせてくれなくなった。

    それからかもしれない。

    兄さんが僕を裏切ったんだ。

    寂しかった。

    誰も僕を見てくれなくなった。

    兄さんが悪いんだ。

    兄さんは僕の全てを奪っていった。

    お父さんも。

    お母さんも。

    友達も。

    楽しいとか、嬉しいとかの感情も。




    奪ったんだ。
  10. 10 : : 2015/06/15(月) 19:41:45
    ねぇ、兄さん。

    僕はただ見てもらいたいだけなんだよ。

    小さい頃から、お父さん達は兄さんのばかり見て。

    僕のことなんて一切見てくれない。
  11. 11 : : 2015/06/15(月) 19:43:28
    期待やで。
  12. 12 : : 2015/06/15(月) 20:06:11
    >>11期待ありがとうございます!
  13. 13 : : 2015/06/15(月) 21:21:24
    兄さんは、そんな僕の願いも奪っていくの?

    奪わないでよ。

    お願いさせてよ。

    それくらい、いいでしょ?


  14. 14 : : 2015/06/15(月) 21:28:50
    あるとき、僕はテストで悪い点を取った。

    本当に都合が悪かった。

    いつもは僕の点数なんて、気にしないくせに。

    その日だけ、聞いてきたんだ。

    「そう言えば、お前もテストだったらしいな。見せてみろ。」

    って。

    僕は見せた。

    何を言われるかなんて分かっていた。

    「お前はこんな点数しか取れないのか。兄は優秀でも、弟は駄目だな。」

    比べないでくれ。

    兄さんなんかと比べないでくれよ。

    お父さんは僕のことなんか見てくれなかったくせに。

    何も知らないくせに。

    全部、全部、兄さんのせいだ。



  15. 15 : : 2015/06/15(月) 21:31:49
    僕は兄さんへの憎しみが積もっていった。

    死んじゃえよ。

    こんなことを思ってしまった。

    兄さんなんかが居なかったら、僕だって、お父さん達に愛されていたのに。

    兄さんが居たから、僕がこんなにも苦しい思いをしたんだ。

    だから、死んじゃえよ。

    僕は心の中で強く思った。

    この時の僕の願いは、兄さんが居なくなることだった。

  16. 16 : : 2015/06/15(月) 21:32:49
    あ~よくあるよくある>_<
    長男長女は評価高いのに私ら次男次女以降は、ねぇ…。
    期待
  17. 17 : : 2015/06/15(月) 21:34:16
    期待ありがとう!
    だよね…。
    あるよね。
  18. 18 : : 2015/06/15(月) 21:39:22
    じゃっじゃぁ~ん~♪

    みんなぁ~。

    悪魔だよ~。

    どうどう?

    この弟凄いでしょ。

    ぼくは色々な人間の心に住み着いてきたけど、こんなに一つのことを強く思ってる人は久しぶりだね~。

    兄への思いがこの人間はとても強いみたいだ。

    ねぇ、ねぇ、ぼく今さ、もう一人の人間の心にも住み着いているんだ。

    その人間も中々、見物だよ~。

    でもでも、今はこの人間だからね。

    じゃあ続きを話すとしようかな。

    はじまり、はじまり~。
  19. 19 : : 2015/06/15(月) 21:53:24
    願っても、願っても、この願いは叶わないらしい。

    僕はもう頑張ることを止めてしまった。

    成績は落ち、僕以外の全てから距離をとった。

    『なぁ。』

    僕が学校を休んで部屋に籠って居たとき。

    一人の声が聞こえた。

    久しぶりに聞いた声だ。

    僕の、大嫌いな、憎い、憎い、兄さんの声だった。

    「なんだよ。兄さん。」

    僕は嫌味を言う様に返した。

    『…。いや、何でもない。』

    何でもないんだったら話し掛けんなよ。

    迷惑なんだよ。

    兄さんとなんて、会いたくないよ。

    本当に、死んじゃえばいいのに。

    そしたら、僕もこんな生活止めるのに。

    兄さんが居なくなってから、僕は机に向かった。

    紙と鉛筆を持ち。

    紙にあることを沢山書いた。

    そして、その紙をぐしゃぐしゃに丸め、ゴミ箱に捨てた。

    僕は、こんなにも兄さんを憎んでいたらしい。

    僕以外の人は全員信用出来ないのに。

    自分が信用出来なくなりそうだ。

    気分が悪い。

    少し外へ出掛けよう。
  20. 20 : : 2015/06/15(月) 21:58:42
    僕が帰って来たとき、お父さんとお母さんが帰って来ていた。

    海外に仕事に行っていたはずなのに。

    何故だろう。

    そして、いつもより、様子が可笑しかった。

    泣いていた。

    何があったのだろうか。

    お父さんが僕の方に来て言った。

    「お前の兄は死んだ。」

    この一言だった。

    他人の様に、さらっと言われたその言葉は僕にとって、とても嬉しいことだ。
  21. 21 : : 2015/06/15(月) 22:03:15
    あらわ、悪魔か…>_<弟くんよ!嬉しくても顔に出すなよ!
    期待……!
  22. 22 : : 2015/06/15(月) 22:04:11
    「え、あぁ、そうですか。」

    僕も素っ気なく応えてしまった。

    「お前は自分の兄が死んだと言うのに、随分嬉しそうだな。」

    お父さんが言った。

    お母さんが続けて言う。

    「学はあの子のことを憎んでらしたのよ。この家に大事なのは、お前なんかじゃないのに。」

    「なんで、あの子が死ななきゃいけなかったの。」

  23. 23 : : 2015/06/15(月) 22:54:38
    うわ、親ヒドッ!期待
  24. 24 : : 2015/06/16(火) 18:30:35
    期待ありがとう!
  25. 25 : : 2015/06/16(火) 18:44:25
    お母さんは泣きながら言った。

    けど、僕は全然平気だった。

    だって、兄さんが死んだんだもん。

    そんなこと言われても、今の僕には嬉しさの方が勝つんだから。

    僕はお父さんに言った。

    「兄さんの代わりに僕、頑張るね。」

    笑ってみせた。

    すると、お父さんは。

    「誰がお前なんかに期待などするか。何やったってあいつに敵わなかったお前が、兄さんの代わりなど出来るはずがないだろう。」

    「………。」

    予想もしていなかったその言葉に僕は唖然とした。

    兄さんが死んだのに。

    居ないのに。

    どうして、僕を見てくれないの。

    手に力が入った。

    「僕だって、頑張れば出来るんだよ。期待しといてよ。お父さん達をがっかりさせたりしないから。」

    いくら言われようが、僕は笑った。

    ひきつった笑顔で言ってみせた。

    「…。今から、葬儀に準備をしにいく。お前は残ってろ。」

    「うん。」

    あ、でも、待って。

    少し聞きたいことがあるんだ。

    「ねぇ、兄さんはどうして死んだの。」

    少し間を取ってお父さんは言った。

    「ビルから飛び降りたんだ。自殺と処理された。お前には関係ないがな。」

    「行きましょ。」

    「あぁ…。」

    僕は静かになった、広い、広いリビングに一人になった。

    「そっか。飛び降りたんだ。」

    どうしよう。

    笑いが止まらないよ…。

    兄さん、死んでくれてありがとう。

    感謝するよ。

    「ははははっ!」

  26. 26 : : 2015/06/16(火) 18:47:30
    あぁー。

    今までで一番嬉しいよ。

    部屋に戻るか。

    僕は部屋に戻った。
  27. 27 : : 2015/06/16(火) 18:51:06
    やぁ。

    ボクだよ。ボク。悪魔さ。

    ねぇ、ボクいい子でしょ?

    この人間の願いを叶えてやったんだ~。

    ほら、この人間凄く喜んでるよ。

    まぁ、もう叶えてあげることは出来ないけどね。

    でも、この人間そろそろつまらなくなりそうだなぁ。

    ま、まだ見てみようかな。

    じゃあ続きいこうか。
  28. 28 : : 2015/06/16(火) 19:01:49
    僕は買ってきた、物を机に置いて椅子に座った。

    僕は心の中で思った。

    もし、僕の願いを叶えてくれた奴がいるなら、僕はそいつに感謝をするよ。

    あはは、僕可笑しいのかな。

    兄さんが死んだのにこんなに笑ってるのって。

    でも、当たり前だよね。

    憎んでた人が死んだんだから。

    これで、お父さん達は僕をしっかり見てくれるよ。

    さっきはあんなこと言われたけどさ、絶対僕は兄さんの代わりになるよ。

    これでも僕、兄さんの弟だからね。

    兄さん。

    見てる?

    見てたらいいな。

    僕が活躍するところをしっかり見ててよね。

    あ、兄さんが僕を憎んでも構わないよ?

    だって、兄さんは勝手に死んだんだから。

    でも、なんで、いきなり飛び降りなんて…。

    って、何考えているんだ。

    兄さんのことなんて知らない。

    _______『…。いや、何でもない。』

    ……………。

    あのとき…。

    まさか…。

    …。な訳ないよね。

    もう、兄さんのことなんて考えたくもない。

    はぁ。

    兄さんは死んでも僕を苦しめるの?

    本当に迷惑な兄だね。

    まぁ、いいよ。

    兄さんのことなんて時期に忘れるさ。

    さよなら。

    兄さん。

    バイバイ。
  29. 29 : : 2015/06/16(火) 19:16:37
    ________________
    __________
    ____
    _

    「なんで、お前はこんな点しか取れないんだ!」

    そんな。

    「あいつはいつも満点だった。期待しといてくれとか言っときながら、どこに期待すればいいかわからんな。」

    どうして。

    「やっぱり、お前は駄目だな。あいつが居れば。」

    なんで。

    「お前なんかに我が会社を任せることなんてできない。」

    「もういい。部屋に戻れ。」

    「はい…。」

    どうしてなんだ。

    頑張ってるのに。

    兄さんなんて居ないのに。

    どうして、僕を。

    褒めてくれないんだ。

    どうしてなんだ。

    死んだのに、死んだって、変わらないじゃないか。

    何がいけないんだ。

    頑張ってるんだ。

    なのに、どうして、僕は結果を出すことが出来ないんだ。

    しっかりやってるよ。

    予習だって、僕の学校の誰よりも頑張っているのに。

    学校では、一番なのに。

    僕の出した点数が一番なのに。

    お父さんは満足しないんだ。

    なんで。

    これも、兄さんのせいなのかな。

  30. 30 : : 2015/06/17(水) 18:11:16
    はは。

    やっぱり、兄さんは死んでも僕を苦しめるんだね。

    前にも考えた。

    同じことを考えた。

  31. 31 : : 2015/06/17(水) 18:54:34
    なんだこれ……期待すぎるだろ!すこし怖いけど、期待!([ ∂ ]∀[ ∂ ])アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒゴッ!!!ゴホッ!ゴホッオエェェェー!!!
  32. 32 : : 2015/06/17(水) 19:15:08
    >>31期待ありがとうございます!
  33. 33 : : 2015/06/17(水) 19:20:03
    うぁぁぁぁ…泣けるー!期待っ!
  34. 34 : : 2015/06/17(水) 19:30:56
    ん?うちのコメ消えt((

    期待
  35. 35 : : 2015/06/17(水) 19:38:58
    僕の気持ちはその時のままだ。

    兄さんが居なくなっても、僕は兄さんを憎むよ。

    恨み続けるよ。

    さぁ、勉強しなきゃ。

    僕は自分の部屋に戻ろうとした。

    そのとき。

    「おい、お前、あいつの部屋片付けといてくれ。頼んだぞ。」

    「えっ、何で僕が。」

    「ん、何だ。文句があるのか。」

    「…。いや、無いです。」

    「…。だろうな。段ボールは用意してある。頼んだぞ。」

    「……。」

    都合のいいときだけ、人を良いように使って。

    本当に最悪だ。

    でも、お父さんの頼みなら。

    僕を少しでも、見てくれるんなら。

    僕はなんだってするよ。
  36. 36 : : 2015/06/17(水) 19:42:06
    >>33期待ありがとう!

    >>34読みやすいように非表示にさせてもらってる!
    そんな読む人いないんだけどね♪ごめん!終わったら戻すよ!期待ありがとう!
  37. 37 : : 2015/06/17(水) 21:35:18
    お、お父さん最低…!期待…!
  38. 38 : : 2015/06/17(水) 22:26:14
    期待
  39. 39 : : 2015/06/18(木) 20:36:31
    >>37期待ありがとう!

    >>38期待ありがとう!
  40. 40 : : 2015/06/18(木) 20:43:35
    とは、いっても…。

    やる気でないな。

    だって兄さんの部屋だよ?

    嫌に決まってる。

    ま、適当に段ボールに詰めてよしにするか。

    ガサガサゴソゴソ

    それにしても、兄さんの部屋は綺麗だな。

    「…。」

    って、こんなこと場合じゃなかった。

    さっさとすまそう。

    机の物を段ボールに詰めていく。

    パサッ…。

    なんかのノートが落ちた。

    俺は、それを拾って段ボールに入れようとした。

    でも、手が止まった。

    「これ…。日記…?」

    ノートには日記と書かれていた。

    興味はないけど、見てみたい気持ちに襲われた。

    「少しだけなら…てか、もう死んでるんだし。」

    ペラッ。

    そして、僕は兄さんの日記を読み始めた。
  41. 41 : : 2015/06/18(木) 21:00:36
    ○月□日◇曜日

    今日は学と一緒にお出掛けをした。

    緑が沢山ある、公園の原っぱの真ん中で、二人で笑って、喋って、楽しかった。

    その時、学が僕に聞いてきた

    『兄さん!ぼく、兄さんみたいになるよ。』

    学は笑ってそういった。

    僕はこう返した。

    『学は学のままでいいんだよ?僕みたいになんかにならなくていいんだよ。僕がいる限り、学は自由だからね?』

    そう言うと、学はその意味がわからなかったみたいで、キョトンとしていた。

    『わ、分かった。』

    僕は思った。

    僕が学を守らなくちゃ。

    お父さん達から、学を守らなくちゃ。

    僕みたいになったら、辛い思いをするよ。

    だから、学は学のままでいてほしい。

    ×月○日■曜日

    今日、お父さん達に呼び出された。

    成績が最近良くない、とのことだった。

    僕は、お父さんのご機嫌伺いをしなきゃならない。

    だって、僕が手を抜いたりしちゃ、学に辛くて、苦しい思いをさせちゃうからね。

    いつも、いつも、勉強に、習い事、夜更かしをしてまでも成績を上げ、皆に愛想笑いをして、好感度をあげる。

    その繰り返しが毎日だから。

    そんな、生活、嫌だよね。

    それと、学と最近遊べてない。

    学は寂しがったりしていないだろうか?

    心配だ。また、話したいよ。
  42. 42 : : 2015/06/18(木) 23:10:40
    ………。期待
  43. 43 : : 2015/06/20(土) 12:34:49
    >>42期待ありがとう!
  44. 44 : : 2015/06/20(土) 12:45:00
    なんだよ、これ。

    そう思いながら何ページか飛ばして、他のページを見た。

    ペラッ。

    ○月●日■曜日

    今日は、僕が書いた作文が高く評価された。

    嬉しくない。

    お父さま、学は?

    学の方が凄いじゃないか。

    コンクールだよ?

    賞を取ったんだよ?

    とっても凄いんだよ?

    僕なんかよりも、学の事を見てあげたら?

    僕、正直嫌なんだ。

    お父さまの、その期待がとても、重たいよ。

    つらいよ。

    もう、嫌だ…。

    学…ごめんね。

    兄さんは、諦めるみたいだよ。

    学を守ることを。

    ご機嫌伺いを。

    学に全てを押し付けて逃げるかも知れないよ。

    その時は、ごめんね。
  45. 45 : : 2015/06/20(土) 12:53:51
    ●月●日●曜日

    今日はなんにもなかったけど、思ったことが沢山あるんだ。

    そのことを書こう。

    僕はこの日記に学のことが沢山書いてあるね。

    なんでかな。

    学が大好きだからかな。

    学がいるから、頑張れるんだ。

    僕のたった一人の弟だから。

    学は今どんな気持ちなの?

    嫌なことはない?

    こんな兄さん嫌だと思うよ。

    だって、僕から学を遠ざけていったんだから。

    けど、今では、後悔するよ。

    とってもね。

    なんで、僕は学を避けたんだ。

    遠ざけたんだ。

    少しでもいいから、話せば良かったじゃないか。

    今の学は僕のことを嫌いだと思うよ。

    今では、僕のことを見てくれないもんね。

    でも、いいんだ。

    良いよ。

    僕はもうすぐ…。

    いなくなるから。
  46. 46 : : 2015/06/20(土) 15:12:46
    ここまで読んだ時、僕の目からは何かが流れた。

    日記が濡れてしまった。

    ポタッポタッ

    僕は、そんな思いで、次のページを開いた。

    ペラッ。

    その日付は、兄さんが死んだ時の日にちだった。

    ○月○日○曜日

    今日、さっき学の部屋に行ってきた。

    けど、学は僕と話たくないみたいだった。

    だから、『なんでもない』って言っちゃった。

    本当は、伝えたかったんだ。

    学だけには。

    僕は、もう、生きることが辛くなってしまったって…。

    もう、死にたいって。

    言いたかった。

    けど、部屋に戻って考えてみたら、迷惑だと気づいたよ。

    それにさ、僕は死ぬのが怖いんだ。

    とっても。

    死にたいって思いは強いよ。

    でも、いざ、死ぬってなると、やっぱり恐怖があるよ。

    でも、僕はもう生きたくないから、死ぬんだ。

    そう思って僕は学の部屋にまた行った。

    留守だったみたい。

    学には悪いけど、僕は学の部屋に入ってしまったんだ。

    僕は部屋を歩き回っていると、何かにぶつかって、倒してしまった。

    ゴミ箱だった。

    僕は慌てて、ゴミをゴミ箱に入れてるときに。

    見ちゃったんだ…。

    学が書いた、僕宛の紙を。

    そこには、死ねとか、大嫌いとか、消えろとか。

    たくさん、真っ黒になるまで書いてあった。

    僕、勘違いしてたみたいだね。

    僕がしていたこと。

    つまり、学を守るってことは、学を苦しめる行為だったみたいだ。

    僕が、学を辛くて、苦しくて、悲しくさせていたんだ。

    ごめんね。

    学。

    学が願うなら、僕は笑って死んであげる。

    それで、学が喜ぶなら。

    僕がしてきたことは学とって辛いことだった。

    でも、僕が死んで、学が笑って、幸せに暮らせるんだったら。

    死ぬことなんて、いい方じゃないかな。

    僕が居ても、困るだけだから、いっそ消えてあげる方が学のためなんだ。

    学、僕がしてきたことはとても嫌だったと思う。

    だから、死んだって、許さなくてもいい。

    憎んでもいい。

    けど、学は幸せに生きてね。

    今までごめんね。

    さよなら。

    学…。













  47. 47 : : 2015/06/20(土) 15:14:18

















    兄さん…。

















  48. 48 : : 2015/06/21(日) 11:09:16
    あわわ、目から塩水が……期待!
  49. 49 : : 2015/06/22(月) 18:03:23
    >>49期待ありがとう^^
  50. 50 : : 2015/06/22(月) 18:23:50
    どうしてだ。

    どうしてなんだ。

    悲しくて、悲しくて、たまらないよ…。

    なんでだよ。

    なんで、涙なんか出るんだよ。

    なんでっ…。

    「…ぅ…ぁぁ…」ポタポタッ

    僕は、馬鹿だッ…。

    兄さんは裏切って無かったじゃないかっ…。

    ずっと、僕を見てくれてたじゃないかっ…。

    守ってくれたじゃないかっ…。

    ポタッポタッ

    どうして、あのとき僕は、あんな態度をとったんだ。

    ____________



    『なぁ。』

    なんで…。

    『いや。何でもない…。』

    どうして。

    今なら分かるのに。

    兄さんの声が、暗くて、落ち着いてて、消えそうな声だって。

    分かるのに。

    分かるのにっ…。

    あぁ…。

    兄さんがこの世から消えて欲しいって。

    僕が願ったことなのに。

    兄さんにとても、会いたいよ。

    会って、謝りたいよ。

    もし、もう一回願いが叶えられるなら…。

    願って良いのなら。

    兄さんに会いたい。

    生き返って欲しいっ…。

    生き返ってよっ…。

    お願いだっ…。

    僕なんて、いらないから。

    消えても良いから。

    死んでもいいからっ。

  51. 51 : : 2015/06/22(月) 18:39:13
    目から海水が溢れてくるよ…!
    期待だよ…!
  52. 52 : : 2015/06/22(月) 18:40:42
    頑張って。すごい泣ける
  53. 53 : : 2015/06/25(木) 22:42:25
    >>51期待ありがとう!

    >>52本当にありがとう!頑張ります!
  54. 54 : : 2015/06/25(木) 22:55:55
    『もしーもーし。聞こえる?』

    『その願いは無理な話だよ~?』

    『おーい。分かってる?』

    なんだ。

    今、部屋から聞こえた訳でもない、人は誰も居ない。

    僕が感じたのは、頭の中に響く様な感じだったんだ。

    「だ、誰だ。」

    僕は問う。

    『あ、あれ?もしかして僕に聞いたんじゃないの?』

    『いやいや、君が死にたいとか、兄さんを生き返らせてくれとか願うからさ、僕に聞いてるのかと思ったよ~。』

    「…!!」

    『じゃ、悪魔違いなんで、僕帰るね~。』

    ま、待て。

    『ん?何?』

    お前、なんなんだ。

    誰だ。

    なんで、俺の気持ちを知っている。

    「誰なんだ…。」

    そして、僕が一番聞きたいのは、願いが叶えられないってどういうことだ…。

    『…。僕は悪魔。名前は無いよ。君の心に住み着いてるんだ。』

    『だから君の気持ちはお見通しなんだ。』

    『で、願いが叶えられないって言うのは、君の願いは一度叶えたから、もう無理ってこと。』

    悪魔、住み着いている、気持ちがわかる、一度…叶えた…。

    何を。

    何を叶えたんだ。

    今の僕は頭が良く周り、悪魔とか、気持ちがわかるとか、そんなことは直ぐに受け入れた。

    けど、一つだけ疑問があるんだ。

    叶えたってなんだい。

    何を叶えたんだ。

    僕が願ったこと…。

    それは、一つだけじゃないか。

    自分で分かってるんだ。

    『分かってるじゃん。そうだよ。君の兄をこの世から消したんだよ。死なせたんだ。』

    だよね。

    それしかないよね。

    さっきも分かってたじゃないか。

    僕が願ったから。

  55. 55 : : 2015/06/26(金) 17:20:12
    期待です!!!!
  56. 56 : : 2015/06/26(金) 18:45:01
    >>55期待ありがとうございます!
  57. 57 : : 2015/06/27(土) 23:30:32
    本当に僕のせいだったんだね。

    『じゃあ、ばいばい。』

    待って。

    もう一回だけ。

    僕の願いを叶えてから行ってよ。

    叶えられるでしょ。

    ねえっ…。

    「ねえっ…!」ポタッポタッ

    『………。だから、無理って言ってるじゃないか。それに、叶えられない理由はもう一つあるんだ。』

    なんだよ。

    『一つはさっきも言った様に、もう願いを叶えたら。もう一つは、死んだものを生き返らせたら、時空が狂う。』

    「………。」

    『たとえ、叶えられたとしても、君の兄さんは苦しい思いをするだけじゃないのか?ちゃんと考えるんだね。』

    僕は、死んでもいいからっ…。

    兄さんの生き返りと交換に僕の命をあげるからっ…。

    叶えてよっ…。

    『だから…。』

    時空が狂う?

    それがなんだ…!

    兄さんが苦しい思いをする?

    それはそうかもしれない。

    けど、僕がしたことは、兄さんを殺した原因。

    僕は知ってる。

    兄さんは、努力をする人だって。

    諦めない人だって。

    分かるんだ。

    それに、兄さんはこれからの世界で活躍する人だ。

    僕の命なんて、入らないものだよ。

    ねぇ、ある人を生き返らせることは、命が増えるってこと。

    だけど、ある人をこの世からけせば、変わりないんじゃない?

    『笑わせないでくれ。ただの屁理屈じゃないか。』

    『そんなん、この世界の人が生き返ってるよ。』

    そうだね。

    でも、僕は君に選ばれた人じゃないの?

    『あぁ。そうだ。僕は君を選んだ。だって面白いんだもん。一人の人に対してへの思いが強すぎてね。』

    なら、分かるはずだよ。

    兄さんが死んだことで、僕は嬉しくなった。

    けど、真実を知った時の僕の気持ちが大きく変わったことを。

    『それくらい分かるよ。あーあ。君は僕よりもわがままだね。』

    じゃあ、叶えてくれるの?

    『あー、うん。叶えてあげるよ。君をこの世から消すことくらい簡単だ。あまり人関わってないから、記憶を変えることも簡単だしね。』

    ありがとう。

    これで、兄さんを生き返えらせれる。

    兄さん。

    生きて。

    『…。じゃあ、まずは君から。』

    あ、待って。

    『ん?何?』

    この日記に書いてあることも消えるの?

    『あぁ、そうだろうね。君の存在は無くなる訳だし。』

    じゃあ………。

    「……。」

    僕は、その日記にあることを書いた。

    消えるってことは分かってる。

    けど、兄さんに伝えられたら、いいと思って。

    「あ、ありがとう…。兄さん。」ポロポロ

    『……。じゃあ…。』

    そう悪魔は言うと、手を前に出した。

    そこからは記憶が無い。

    きっと、死んだんだ。

    でも、兄さんが生き返えったんだ。

    何もないこの世界はつまらない。

    けど、兄さんのことを考えると、楽しくなるよ。

    兄さん…。




































    バタッ。
  58. 58 : : 2015/06/27(土) 23:36:40
    どう?

    これが僕が住み着いた人間のお話。

    あーあ。

    思い出すだけでも、面白いよ。

    あの時は二個も叶えちゃったけど、もうしてないよ。

    そんなこと。

    あの時は、あの人間の気持ちが…とても強くて、可哀想で…。

    って、あ、あっれ~…。

    僕何考えてんだろう。

    そんなこと考えてないよ!

    だって、人間って悪魔が考えない様なことをよく考えるからさ!

    ちょっと興味が合っただけだよ。

    あ、そうそう、今度は違う人間のお話をしてあげる!

    この人間の兄だったっけな~?

    よく覚えてないや!

    じゃあ、また今度。

    ばいーばいー。




    あーあ、いい人間居ないかなぁ。

    住み着きたいなぁ。
























    E N D
  59. 59 : : 2015/06/27(土) 23:41:23
    はい。『兄』終わりました。
    初めてのオリジナルで難しかったですが、コメントなど嬉しかったです!
    次回も書こうと思っているので、是非見てくださいね。

    回覧・コメントありがとうございました!

  60. 60 : : 2015/06/27(土) 23:42:38
    ひなのん面白かったよ!
  61. 61 : : 2015/06/28(日) 10:08:08
    >>60見てくれてありがとう!嬉しいよ!
  62. 62 : : 2015/06/28(日) 10:13:40
    すごく良かったよ〜!!
  63. 63 : : 2015/06/28(日) 10:18:01
    泣けるよ~!!
  64. 64 : : 2015/06/28(日) 11:23:47
    >>62よ、良かった~!初オリジナルだからちょっと心配だったけどそう言ってもらえて嬉しい!ありがとうございました!
  65. 65 : : 2015/06/28(日) 11:25:16
    >>63最後までコメント&回覧ありがとう!ちょっとシリアスにしてみたり、してなかったり♪泣けてもらえて良かったよ!次回は別視点からだよ!お楽しみに~
  66. 66 : : 2015/07/06(月) 13:54:10
    これからも頑張って!
    感動しました(´;ω;`)
  67. 67 : : 2015/07/06(月) 16:22:18
    >>66ありがとう!頑張るよ…!!感動してくれて嬉しい…!!
  68. 68 : : 2015/07/19(日) 18:25:06
    何このハイクオ……。
    感情移入しやすい俺はとてもとても共感しまくりました!お疲れ様です!
  69. 69 : : 2015/07/19(日) 18:53:51
    >>68回覧、コメントありがとうございます
    お気に入りまで!感謝です
    初オリジナルにそう言って貰えると、自信がつきます。
    ありがとうございます
  70. 70 : : 2020/10/03(土) 09:00:26
    高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
    http://www.ssnote.net/archives/80410

    恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
    http://www.ssnote.net/archives/86931

    害悪ユーザーカグラ
    http://www.ssnote.net/archives/78041

    害悪ユーザースルメ わたあめ
    http://www.ssnote.net/archives/78042

    害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル)
    http://www.ssnote.net/archives/80906

    害悪ユーザー提督、にゃる、墓場
    http://www.ssnote.net/archives/81672

    害悪ユーザー墓場、提督の別アカ
    http://www.ssnote.net/archives/81774

    害悪ユーザー筋力
    http://www.ssnote.net/archives/84057

    害悪ユーザースルメ、カグラ、提督謝罪
    http://www.ssnote.net/archives/85091

    害悪ユーザー空山
    http://www.ssnote.net/archives/81038

    【キャロル様教団】
    http://www.ssnote.net/archives/86972

    何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
    コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
    http://www.ssnote.net/archives/86986

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