このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
この作品は執筆を終了しています。
東京喰種re, to.Haise__me.Kaneki. 【序】 合作
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- 1 : 2015/06/02(火) 22:10:15 :
- この作品は、以下のメンバーとの合作になります。
【緋色】
(http://www.ssnote.net/users/enjyujyudan)
【紅蓮】
(http://www.ssnote.net/users/ittanmomen)
【あざみ】
(http://www.ssnote.net/users/Us1A)
【執筆担当】緋色・紅蓮・あざみ・隻眼のオタク
【記載担当】隻眼のオタク
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- 2 : 2015/06/02(火) 22:15:41 :
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夜の静寂に包まれた薄暗い裏路地に、真っ赤な花が咲いた。
辺りを彩るのは、赤、赤、赤。
鼻孔を刺激するその花は、人間の血だった。
「ちくしょう。服に血がついちまった。白鳩にバレなきゃいいんだけどな」
喰種の男は自分の服に付着した血を眺めながら呟いた。
捕食のために人間を殺したのはいいが、このまま街を歩いていたら怪しまれる。
どうしたものかと思考を巡らせていた。
だからこそ、こちらに近づく足音に気づくのに遅れた。
(白鳩ッッ!?)
一瞬身構えるが、こちらに歩いてくる少年には喰種の捕食器官『赫子』があった。
ホッと胸を撫で下ろすと、少年に向かっていった。
「俺だけじゃこんなに喰えないから、半分どうだ?」
少年は首を横に振る。
どうやらいらないようだ。
「そうか」
死体に向かって手を伸ばした───瞬間、腹部に衝撃が走り、大きく喀血する。
何が起こったのか理解が追いつかない。
ゆっくりと腹部に手を当てると、硬い何かに触れた。
それは、赫子だった。
「お、お前…………ッッ!?」
少年を振り向くと、二度驚愕。
彼は隻眼だった。そして、捜査官の服、白いコートを着ていた。
「喰種じゃ……ない、のか……っ」
悪人面の少年は細く微笑む。
そして、閉じていた口を開く。
「喰種? あほか」
少年はクインケを展開し、構える。
「俺たちは喰種お前らの力を使う───クインクスだ」
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- 3 : 2015/06/02(火) 22:26:18 :
- 合作メンバーが豪華すぎる‼︎
期待ッ!
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- 4 : 2015/06/02(火) 22:52:28 :
「へへへ……喰種はクチク…喰種はクチクだ……」
蔑むような目で、既に虫の息の男を一瞥したジャン・キルシュタイン二等捜査官は、自身の赫子で彼を何度も突き刺した。
突く。紅く、鮮やかな動脈血が鈍い破裂音と共に吹き出る。もう一突き。男の体が痙攣する。
突く。また突く。もう一突き。
また一突き。
「がっ……が、ぁぁぁぁあっっ」
「死に急ぎ野郎だけには負けねぇ……」
男の着ているシャツも、ジャンの腕も、既に真紅に染まっている。いつしか彼は痙攣どころか、ピクリとも動かなくなっていた。
それでも手を休めない彼をたしなむように、闇の中から凛とした声が響いた。
「そりゃあ俺のことか?」
彼と同じく、白い服と箱を携えた、声の主の少年と、金髪の小柄な少女が立っていた。
「エレン………それとアニもか。」
ぶるん、と手を振って喰種の血を振り払う。地面には洒落にならない量の血痕が付着した。
__________一般人が困るだろうが。
「おぃジャン……"必要以上に痛めつけない"って喰種対策法にもあっただろ」
「だからなんだ、喰種を殺さずに捕獲しろ、とでも言いてぇのか?」
「違う……ソイツはもう死んでんだ。無駄に痛めつけんなっつってんだよ」
「だからテメェは死に急ぎ野郎なんだよ……」
いつものように聞くに堪えない口論が始まる。くだらないとばかりに、アニは無表情で、弱々しく輝く月を眺めていた。
ズッ………
地を這い近づく気配。
それは明確な目的と殺意を持って、彼らへと向かった。
「危ない‼︎」
アニが叫んだ_________刹那、
相変わらず弱々しい月明かりに、白黒のツートンカラーの髪が照らされる。
一等捜査官、佐々木琲世のクインケ:ユキムラ1/3の矛先は、確実に先程の喰種の赫子を捉えていた。
「油断しない! 」
不意に強くなった一塵の風に、そのクセ毛をなびかせながら、彼は困ったように、呆れたように、そう、短く言葉を切った。
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- 5 : 2015/06/02(火) 23:05:17 :
- 期待しかないです!
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- 6 : 2015/06/03(水) 22:41:17 :
- 月光が輝かしい夜。
一人の男が立っていた。男の娘と書いて『おとこのこ』まさにそんな姿の男。
「なんで僕は赫子が出せないんだろう」
「赫子が使えたらみんなの役に立てるのに・・・・」
この男、アルミンアルレルト三等捜査官。
佐々木ハイセ率いる"クインクス"に所属しているが、赫子を出す事ができない。
だが、彼には一つの優れた才能がある。
「頭」だ。彼はとても頭がキレる。
その頭を使い、何度もクインクスを勝利に導いた。
ガサガサ
後ろの方から音が聞こえる。
「誰?」
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- 7 : 2015/06/03(水) 23:59:16 :
- 問いかけた瞬間_______刹那。
羽根の様な形状の輝いた物が無数の数飛んでくる。
その攻撃はアルミンに命中_____はしなかった。
万が一の時の為、一手先を踏んで移動していたのだ。
今の攻撃から察するに先の攻撃の手は喰種。そして羽赫。
羽赫はスピードに任せきった単調な攻撃をしかけてくる。いくら単調的だとは言え、速い分に厄介な相手である事は変わらない。
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- 8 : 2015/06/04(木) 00:05:00 :
- そう考えて思考をフル作動し、作戦を練っていると、あちらの方から姿を見せてくれた_____ラッキー。
アルミンが一般人であれば死ぬ事は免れなかっただろう。
だが、アルミンは戦える。
彼は赫子を出せなくても____捜査官なのだから。
「早く逃げる事をオススメするよ。でも、逃がす事は出来ない」
「僕に赫子を出す力はない。でも___僕は捜査官だから」
手持ちのアタッシュケースのスイッチを素早く押す。
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- 9 : 2015/06/04(木) 00:31:40 :
- こんな大口を叩いたのだ。勝たなければ恥をかく。
恥をかかない為にがんばらねば……。
「腹減ってんだよ……俺」
喰種が唐突にアルミンに話を振った。
「そんな事知らないよ。勝手に餓死でもしててよ。喰種さん」
アルミンのアタッシュケースから剣のような物が出現する。
尾赫:マエン
梟討伐作戦で討伐された《魔猿》の赫子から作られたクインケ。
3等捜査官の彼には扱いが難しいが、もしもの時の為の保険として持ち歩いている。
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- 10 : 2015/06/04(木) 00:35:02 :
- 「大人しく食われろぉぉぉ!」
喰種が叫ぶと、羽赫特有の物体が無数飛んでくる。
流石に防ぎきれない。どうする。どうするどうするどうするどうするどうする。
このまま食らって死ぬ?却下。
防ぐ?却下。
これ以上案が浮かばない。勝てると思ったがそれはただの自惚れ。実際には手も足も出ない。
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- 11 : 2015/06/04(木) 21:30:53 :
- 死ぬ_________そう確信した刹那。
見覚えのある赫子がアルミンを庇うようにして前に立ち塞がっていた。
「オレの親友に____手を出すな!」
言葉を溜めて言い放つ。その刹那と同時に余っていた赫子で敵を攻撃。
見事に敵の腹を射抜き、叫き____息を引き取っていった。
「大丈夫か?」
そう言うと少年は座り込んでいるアルミンに手を伸ばし、引き上げてくれる。
その癖のある髪が、月光に照らされながら。
「ありがとう……エレン」
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- 12 : 2015/06/04(木) 21:34:46 :
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- 13 : 2015/06/04(木) 21:35:00 :
「勝手に一人で行動しない! 何度も言ってきたでしょ。」
チームワークが何よりも大切だ。佐々木一等が常に掲げるモットー。
聞き飽きた。耳にタコ、いや、耳にイカさえできるほど聞いた。
「大勢で行動した際の、捜査対象に気付かれる可能性を考慮しました。指導を受けるほどのミスでしょうか」
アニ。アカデミーを特待生で卒業した二等捜査官は、呆れたように、いつもの冷たい目で反論する。
「屁理屈言わない。ジャン、怪我しそうになったじゃないか! 」
「そうだよ……僕も一人で怖かったし、みんなで協力しよう! 」
アルミンは半ば怯え気味に、震え声で佐々木一等の考えに賛同した。
クインクスとしては役立たずのクセに、と蔑む目でアルミンを一瞥したアニは、面倒くさい、とばかりに短い捨て台詞を吐いた。
「チームワークばかりにこだわっていて、いざという時に臨機応変に対応できなければ………」
「……この世から喰種などいなくなりませんよ。」
乾いた木製の扉の音と共に、アニは出て行った。
「あぁ……もぅ…」
頭を抱える佐々木一等を尻目に、俺はアルミンにいつもの質問を投げかけた。
「なぁアルミン…………ミカサは?」
「まだ寝てるよ。」
やっぱな。
日々の訓練とか全然してねぇニートなのに、何故か、アイツは強い。
「喰種は、いなくならない……か。」
頭を掻いて顎をさすり、クインケを片手に携えて、今日も俺たちはCCGへと向かう。
_______新しい1日が、また、始まる。
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- 14 : 2015/06/04(木) 21:38:56 :
「ジャン」
アニは自動販売機で飲み物を選んでいるジャンに声を掛けた。
「なんだよ。お前から話し掛けてくるなんて珍しいじゃねーか。どうした?」
「佐々木一等のこと、どう思う?」
唐突な質問に一瞬思考するが、アニの冷たい視線に急かされる。
「そりゃあ、俺たちみたいなまともじゃないヤツらをまとめてくれてるいい先輩だと思うぜ?」
「その佐々木一等もまともじゃない」
アニはジャンに背を向けると、ことさら冷たく言った。
「私にはどうやら、あの上司は合わないみたい」
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- 15 : 2015/06/04(木) 22:34:01 :
- 期待
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- 16 : 2015/06/07(日) 07:45:23 :
- そんな話をしていると、1人の男が割って入ってくる。
「ジャン、アニ」
エレン・イェーガーだ。
「今から飯でもどうだ?」
ジャンとアニは、目を合わせた。
何か、合図でもしているのだろか?
そんな事を考えていると、アニの声が耳に入ってきた。
「私は別に構わないけど」
相変わらず、シンプルな返事だ。
「けっ!誰がてめぇなんかと!」
ジャンもジャンでいつも喧嘩腰だ。
「ミカサも来るんだけどなー」
ピクッ
ジャンが薄っすらとだが、反応を見せた。
「それは本当だろうな?」
「嘘をつく理由なんてねぇだろ?」
「よし!行ってやる!」
時々こいつは馬鹿になる時がある。
ミカサはニートだ。来るはずがない。
エレンは呆れた顔をしながら、こう言った。
「近くのラーメン屋で良いか?」
「いいよ」
アニは相変わらずシンプルだ。
「仕方ねぇ」
こいつは何時も、うざい言い方だ。
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- 17 : 2015/06/08(月) 07:04:38 :
- 期待!面白い!
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- 18 : 2015/06/09(火) 18:29:20 :
- 豪華メンバーだな‼️神作になること間違いなし‼️
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- 19 : 2015/06/11(木) 03:58:11 :
- エレアニなら最高だなアニカカカカ((*゚Д゚*))カワユスだからなキタ━(゚∀゚)━イだよー
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- 20 : 2015/06/11(木) 06:20:21 :
スタスタ
静かに歩いていると、一つの断末魔が聞こえる。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ビクッと身体を震わせると、声が聞こえた場所に向かう。
モグモグ
クチャクチャ
嫌な音が聞こえる。
「喰種か?」
エレンが二人に問いかける。
「そんなの、知るわけねぇだろ。馬鹿か?」
「あ?てめぇに言われたくねぇんだよ!」
「うっさい」
グチャグチャ
段々と音の発生源が近づいてくる。
そして、現場に到着すれば、1人の喰種が、人の死肉を食らっていた。
それを呆然とし、眺めていると、1つの声が聞こえた。
「お前ら喰種か?」
その喰種がこちらを向いた瞬間、1つの写真がエレンの頭をよぎる。
(Sレート・・ナキか・・・・)
エレンはジャンとアニの足を蹴るようにして、合図を送る。
「あぁ・・・腹減って死にそうなんだ・・」
エレンが最高の演技をしている。
「その肉分けてくれ・・・」
ジャンの演技は少し、ぎこちない感じがする。
「私も」
シンプルすぎる。
「仕方ねぇな!分けてやるよ!」
ナキはそう言って、笑顔で死肉を弄りだした。
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- 21 : 2015/06/11(木) 19:56:29 :
_________ブチブチッ
と、不快な音を立てながら、肉を引きちぎったナキは、胸クソ悪い薄ら笑いを浮かべ、赤い塊を寄越してくる。
「ほらよ、感謝し…………」
__________ドスッ
初めに動いたのはアニ。
彼女の肩あたりから、碧い光沢を放つ甲赫が姿を現し、ナキの土手っ腹に深々と突き刺さっていた。
「……………ろ。」
何が起こったか分からない、そんな顔をして彼は不思議そうに、俺たちを見つめる。一瞬間が空いて叫んだ。
「おっ………お腹痛ぇぇぇぇえええ‼︎」
空気に触れて酸化された、ドス黒い色をしたヤツの血が、俺たちの顔へ飛んだ。1歩、2歩、3歩、クインケを展開し距離を取る。
ジャンも既に、赫子を出していた。
「オラオラオラオラオラッッ‼︎」
けたたましい轟音と、ジャンの調子に乗った掛け声と共に、羽赫特有の小弾丸が勢いよく飛び出した。
「おぃお前ら、一等に言われた通り、まずはクインケで戦えよ‼︎」
2人共クインケの入った"箱"は、完全に放置していた。俺の渾身の叫びも、ジャンの攻撃を防いだ、ナキの赫子の耳がキーンとする金属音で掻き消される。
「テメェら、何者だぁ⁈」
「俺たちか?俺たちは………」
ジャンがまだ言い終わらない内に、ナキが凄んだ。指を曲げて、パキッと乾いた音を出す。
「覚悟しろ、ガキンチョ……グチャミソにしてやるぅ‼︎」
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- 22 : 2015/06/11(木) 19:58:29 :
ナキは相性のいい羽赫のジャンに向かって駆け出す。
ジャンは羽赫を固形化して弾丸のように撒き散らすが、当然羽赫では甲赫相手に分が悪い。
精々赫子に傷をつけれてる程度だ。
「ちぃッッ」
地面を強く蹴って跳躍。
一瞬遅れてナキの赫子が元いた場所を高速で通り抜ける。
もし避けていなければ、確実に勝負の決め手になっていただろう。
アニがそれを見て接近。
赫子を槍のような形状に変化させ、ナキの心臓を貫かんとばかりに突っ込む。
しかし敵もさるもの。
ジャンを視線で牽制しつつ、赫子でアニの攻撃を防ぐと、腕を振ってアニを吹き飛ばし、ジャンに向かって赫子を突き出す。
「死ねぇぇえぇぇぇぇぇぇッッッッ!」
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- 23 : 2015/06/11(木) 20:01:17 :
ナキの耳に入ったのは、ジャンの肉を貫く生々しい音────ではなく、金属のような硬い音だった。
「だから言ったろ。クインケを疎かにすんじゃねーよ」
エレンのクインケが展開され、ナキの攻撃の軌道を逸らしたのだ。
甲赫:ツルギ
鋭利な剣のような形をした剣型のクインケ。
「……ふん。別に、助けなんていらなかったのによ」
「死にかけたクセによく言う───なぁッ!」
エレンがツルギを横薙ぎに振り払うと、ナキは後方に跳躍して回避。
距離を取る───掛かった。
「アニッッ!」
「言われなくても───ッ」
アニの赫子が放出され、ナキに向かって空気を切り裂きながら伸びる。
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- 24 : 2015/06/11(木) 20:05:06 :
- そしてその赫子はナキの腹を貫いた。
肺まで行ったのかは知らないが、呼吸がマトモに出来ていない。
それをチャンスと見たのか、アニがナキに向かい、猛襲をかける。
「さっさと死ね____!」
甲赫でナキの腹をもう一突き。
アニは怒髪天の如く怒り狂っている。
(そうか。アニは親を喰種に……)
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- 25 : 2015/06/11(木) 20:06:46 :
-
「你好」
不意に声がした。アニを見てみる。恐る恐ると。
振り向いた瞬間、2人はあり得ないと言う顔をした。
アニの腹を男の腕が貫いていた。
「お前らの生き死には俺が管理する」
「あ・・・・・・」
ドサァ
アニが地面に倒れる。そして、一つの声が聞こえた。
「タタラさん!」
「ヒナミか・・・・」
カチ
何処からも知れない場所からスイッチを押す音が聞こえてきた。
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- 26 : 2015/06/11(木) 23:03:01 :
- 「ナキさん大丈夫ですか?」
「あ・・・・」
エレンとジャンは戦闘態勢をとる。
エレンはクインケを、ジャンは赫子を。
「ヒナミ。ナキを頼む」
「タタラさんは?」
「彼奴らを始末する」
「さぁ」
その瞬間だった。空から一人の男が降りてきた。
白と黒のツートンカラーの髪の毛の男。
「さっさん!?」
ジャンの中での愛称はさっさん。
「一等・・・・・」
エレンの中ではこう。
「大丈夫?2人とも」
「でもアニが!」
そんな話をしていると、1つの声が聞こえる。
「お兄・・・・ちゃん?」
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- 27 : 2015/06/11(木) 23:04:52 :
ヒナミと呼ばれた少女は、ありえないといった表情でかぶりを振りながら、両手で口を覆う。
「一等、あの少女と知り合い……なんですか?」
エレンの問い掛けに、琲世は首を横に振る。
「……いや、知らない」
琲世はそれよりも、言うと、クインケを展開。
「あの喰種、そこらの喰種とは何かが違う」
タタラを睨みながら、しかし琲世の首筋には冷や汗が垂れていた。
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- 28 : 2015/06/11(木) 23:06:04 :
「お前がリーダーか?」
タタラの目は赤くなり、ハイセを睨んでる。
「援護します!」
エレンはツルギを持って、近付こうとする。
「いや…君達は待機だ」
「ですが…」
「上官命令だ」
ハイセは言いながら、クインケを構える。
「…」
タタラは赫子を出し、攻撃する。
「くっ…」
ハイセはクインケで防いだが、態勢は崩した。
「次は当てるよ」
「…っ」
「やっぱりクインケだけじゃ敵わないか…」
(どうすればいい…!?)
『弱いね』
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- 29 : 2015/06/11(木) 23:07:04 :
「!?」
『弱いね、ハイセ』
『このままじゃ…何も守れないよ?』
『ねえ…力が欲しいだろ?僕を受け入れてよ』
頭で響いた声が、まるで悪魔の囁きだ。
「黙ってろ…」
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- 30 : 2015/06/11(木) 23:07:58 :
- 『君じゃ誰も守れない』
次第にその声は大きくなっていく。
『ねぇ、僕を受け入れてよ・・』
「黙れ!!」
突然叫んだハイセにエレン達は驚いている。
「さっさん?」
「一等・・・・」
ハイセは歯を食いしばり、撤退を命じた。
「今の僕たちにこいつらは無理だ・・」
「撤退する」
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- 31 : 2015/06/11(木) 23:09:12 :
敵を前にして背を向けるなんて____
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- 32 : 2015/06/11(木) 23:09:25 :
とある日、ハイセ達はある喫茶店に寄ろうとした。
ハイセはこの喫茶店で休まないか?とアキラ、エレンに声をかけた。
ドアを開くと、濃厚な珈琲の匂いがする。
そして、1人の女性が接客に出る。
この出会いが、これからの運命を左右する事になる。
「いらっしゃいま・・・・カネ・・キ?」
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- 33 : 2015/06/11(木) 23:12:33 :
- 「カネキ?」
ハイセははて?と言うような顔で店員の女性を見つめていた。
「あ、すいません。顔見知りと似ていたもので....」
少し悲しいそうな顔をする店員さん、だが、ハイセも同様に少し頭が痛む。
「取り敢えず珈琲でも頂こうかな」
アキラはそう言うと、堂々と奥のヒッソリとした席に着き、珈琲を3つ頼んだ。
「一等、彼の方は知り合いですか?」
エレンはハイセに訪ねる、あの女性とは知り合いなのか、を。
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- 34 : 2015/06/11(木) 23:13:32 :
- "知り合い"今の僕では分からない。
前の僕の知り合いかも知れないし、
知り合い以上のなにかの可能性もあるし、知り合い以下の可能性もあるし。
ハイセは少し考え込むと、ハッキリと言った。
「今の僕には分からない。けど、前の僕なら知っているかも知れない」
「そうですか」
そうして、時間がって行くと、注文していた珈琲が3つ運ばれて来た。
3人は珈琲を一口頂く、その匂いが嗅覚を擽り、濃く、酸味が絶妙な具合に出来ていた。
「美味しいな」
アキラがそう呟くと2人も続けて言う、美味いと。
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- 35 : 2015/06/11(木) 23:17:19 :
ハイセの頬に、何か暖かい物が一滴流れてくる。
店員の女性は優しく微笑んでいた。
ハイセは思わず珈琲カップを落とし、頭を押さえだす。
それを見つけた女性店員は慌てて駆け寄って来る。
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- 36 : 2015/06/11(木) 23:18:15 :
- 『喫茶店re』
この店は何か懐かしい感じがして、懐かしい人が居るような気がした。
ズキッ頭が割れるように痛み出す。
「ぐ・・あぁ!」
「一等!」
エレンは驚いた素振りを見せ、ハイセに近づく。
「ハイセ!」
それに続き、アキラもハイセに声をかける。
カネキ
カネキ
カネキ
カネキ
ずっと頭の中で店員さんの言った言葉が動いている。
何かをほりだすように。
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- 37 : 2015/06/11(木) 23:19:36 :
「ハイセ!お前は誰だ!」
「僕は・・・・ああぁ!」
ハイセの頭の中は真っ白になり、色が付いていく頃には、1分の時間が経っていた。
「僕は・・・」
「金木研だ・・・」
「やむ終えまい」
アキラはそう言うとクインケを展開し、戦闘の体勢を取る。
それに続き、エレンもクインケを展開した。
「カネキ!」
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- 38 : 2015/06/11(木) 23:21:21 :
「痛い…痛い…」
「カネキ!」
「どうしたんだ、トーカ!?」
「四方さん!」
「カネキが…!」
「カネキ…!?」
「四方さん」と呼ばれた男性は、アキラ、エレン、そしてハイセを見る。
「よ、も、さん…?」
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- 39 : 2015/06/11(木) 23:22:23 :
"トーカ"と呼ばれる女性は、"四方"と呼ばれる男性と、何かを話し出した。
「あぁっ!!」
ハイセは未だに頭痛に苦しまされている。
『体を返せ』
『ねぇ、僕を受け入れてよ』
『トーカちゃんがそこにいるじゃないか』
『今、ここに立つべき存在は君じゃない』
頭の中で、悪魔のような声が囁きだす。
いや、違う。悪魔なんかじゃない。
あれは、前の僕だ。
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- 40 : 2015/06/11(木) 23:23:11 :
- 「トーカ。やるぞ」
「はい」
四方の呼びかけにトーカも応える。
1、2、3、4、5、6、7、8、9、、、、
辺りには沈黙が続く。
CCGはハイセにクインケを向け、戦闘態勢を取っている。
ハイセ、いやカネキは頭をずっと抑えて、苦しんでいる。
そして、トーカ、四方は逃げ出す準備をしている。
、、、、10!
「トーカ!」
「はい!」
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- 41 : 2015/06/11(木) 23:24:12 :
- トーカ、四方は突然と走り出し、カネキを抱え、遠くの彼方へ走り出す。
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- 42 : 2015/06/11(木) 23:25:21 :
- あれからの僕の記憶はない。
気がつけば、コンテナの中でトーカちゃんと寝ていた。
髪の毛は真っ白になり、記憶がすべて戻っていた。
眼帯のマスクもあり、人肉も沢山置いてあった。
試しに外に出てみると、辺りは真っ暗な夜。
夜は喰種の行動が一番活発になる時間帯。
僕は襲われる心配はないけど。
試しに赫子を出してみる。
赫子を出す感覚も戻っていた。
あの時の様に。
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- 43 : 2015/06/11(木) 23:26:11 :
「アンタ、やつれたね………」
不意に後ろから声をかけてきたのはトーカちゃん。懐かしい。とても懐かしい。
その言葉はどこか儚げな体温を持って、僕の身に沁みた。
「………………ぇ、と」
どう答えたらいいかわからなくて、
どう返したらいいかわからなくて、
どう接したらいいかもわからなかった。
ただ、顎をさすって俯くしかない。
いつか、僕がQsクインクスになる前、歩道橋の上で再会した時の事をまざまざと思い出す。
そのまま黙ってもじもじしていたら、彼女はクスッと笑ってみずみずしいその唇を開いた。
「おかえり、カネキ………………」
___________え
あのトーカちゃんが、
毒舌美脚の羽赫の喰種が、
優しくて、それはあまりにも優しすぎたから、逆に寒気すら感じるほどの暖かい言葉をくれた。
大きく見開いた僕の瞳には涙が滲んで、視界がぼやけた。前に立つトーカちゃんが大きく歪む。
感喜で胸がいっぱいになった。さながら、満ち潮で干潟が潤されるように。精一杯の笑顔で返した。
「ただいま。トーカちゃん」
夜空に散りばめられた星屑が、今夜は一際輝いて見えた。
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- 44 : 2015/06/11(木) 23:27:08 :
- 同刻、CCG喰種対策局本局では、緊急に会議が開かれていた。
辺りを埋め尽くすは過去に多大な成績を掲げた者、人間離れをした身体能力を持つ特等捜査官などと言った面々で埋め尽くされていた。
「本題に移ろう」
和修吉時が、冷静に、冷ややかな声で言い、周りは本題に移った。そう、佐々木ハイセ1等捜査官の事だ。
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- 45 : 2015/06/11(木) 23:30:07 :
「ハイセが暴走したって本当なんですかぁ?」
黒髪を首らへんまで伸ばし、バッテンの様な縫い目の跡が特徴的な少年___否、男性は真剣な表情で和修に問いかける。
「あぁ本当だ。鈴屋推特等」
鈴屋推特等捜査官。僅か2年間で二等捜査官から推特等捜査官まで階級を上り詰めた、歴代でも上位に入る実力者。
彼はよくハイセと一緒に捜査等をしたそうなので、とてもショックを受けている筈だ。
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- 46 : 2015/06/11(木) 23:30:48 :
- だが_____そんな事は万として無かった。
「そうですか。なら殺るまでですね」
その言葉に周りは騒然とした。
あの和修でさえ驚いた表情を隠せない様子だ。
「?__何か可笑しな事がありますか?」
「もうハイセはCCGの敵なんですよね?」
_______正論だ。
ハイセ自体_____否、クインクス自体がこのCCGではよく思われていない。
その様な気に食わない連中のメンター____いわゆる指揮官がいなくなると言えば_______。
-
- 47 : 2015/06/11(木) 23:32:34 :
- 「そうとなれば、佐々木ハイセ一等捜査官の歴を抹消。彼をこれからSSレート《ハイセ》及び《百足》として対処する」
結論は出たようだ。和修はたんたんと命令を下す。
「これからの方針はハイセの捜索だ。見つけた瞬間、彼を伐つ」
「以上。解散とする」
これでハイセを殺す口実はできた___。
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- 48 : 2015/06/11(木) 23:33:21 :
次回:東京喰種re 【破】
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- 49 : 2015/06/11(木) 23:35:07 :
- これにて序はおわりになります!
沢山の期待やお気に入りありがとうございます!
次回の投稿までにはしばらく時間がかかりますが、それまで待っていてくれたらな、と思います!
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- 50 : 2015/06/12(金) 00:01:55 :
- _____アトガキ?
はい、どーも紅蓮です( ´ ▽ ` )ノ
今回は畏れ多くもオタさん、緋色さん、あざみさんと合作させていただきました。
まず僕からも、読んで下さった方々並びに期待して下さって方々、本当にありがとうございました!
一応高3なので、僕は執筆に参加できないことが多々ありまして…………そのせいで皆さん(特にオタさん)には大変迷惑をかけてしまいました。すみません。
次回作もどうぞよろしくです。
それでは。
-
- 51 : 2015/06/12(金) 07:12:44 :
- 面白い!続きできたらURL貼って下さい!期待してます!
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- 52 : 2015/06/12(金) 07:55:14 :
- 次ぎは破かタイトルエヴァの劇場番ですね!続きに期待
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- 54 : 2015/06/12(金) 21:26:55 :
- >>53 知らなかったそうなんですね!
-
- 55 : 2015/06/12(金) 22:57:14 :
- いい感じに本編とは別ルートですね。続きが楽しみです。
-
- 56 : 2015/06/14(日) 22:30:57 :
- >>55
ありがとうございます!
次回も良い感じの別ルートで進行して行きますのでよろしくです!
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- 57 : 2015/07/27(月) 17:51:42 :
- 続きはいつ出るんですか?
-
- 58 : 2015/07/27(月) 21:00:40 :
- 続きに期待してます
-
- 59 : 2015/07/29(水) 09:26:07 :
- >>57
すいません!
現在、製作中なので今しばらくお待ちを。
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- 60 : 2015/07/29(水) 09:26:17 :
- >>58
ありがとうございます!
-
- 61 : 2016/07/13(水) 11:18:07 :
- 続き楽しみ〜!エレンチートにこそっと期待
-
- 62 : 2016/11/29(火) 12:48:25 :
- セリフの横に名前を書いてないから、誰か言ってるのかわからなかったから書いて頂けると助かります。SS書いたことない人が言って申し訳無いっす
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- 63 : 2020/10/01(木) 13:26:35 :
- 高身長イケメン偏差値70代の生まれた時からnote民とは格が違って、黒帯で力も強くて身体能力も高いが、noteに個人情報を公開して引退まで追い込まれたラーメンマンの冒険
http://www.ssnote.net/archives/80410
恋中騒動 提督 みかぱん 絶賛恋仲 神威団
http://www.ssnote.net/archives/86931
害悪ユーザーカグラ
http://www.ssnote.net/archives/78041
害悪ユーザースルメ わたあめ
http://www.ssnote.net/archives/78042
害悪ユーザーエルドカエサル (カエサル)
http://www.ssnote.net/archives/80906
害悪ユーザー提督、にゃる、墓場
http://www.ssnote.net/archives/81672
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http://www.ssnote.net/archives/81774
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http://www.ssnote.net/archives/84057
害悪ユーザースルメ、カグラ、提督謝罪
http://www.ssnote.net/archives/85091
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何故、登録ユーザーは自演をするのだろうか??
コソコソ隠れて見てるのも知ってるぞ?
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