このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
エレン「この力で、俺は巨人を駆逐する…!」 (安価あり・エレンチート)
-
- 1 : 2015/05/22(金) 16:34:58 :
- 安価で特殊能力を得たエレンが無双(?)するn番煎じのss
・キャラ崩壊
・捏造設定
・亀更新
・ネタバレ
が含まれますので、苦手な方は注意してください
エレンの能力
↓1~5
-
- 2 : 2015/05/22(金) 16:36:41 :
- 人を怒らせる
-
- 3 : 2015/05/22(金) 16:37:31 :
- すいませんこれであってますか?間違ってたらすいません。
-
- 4 : 2015/05/22(金) 16:46:24 :
- >>2
合ってますよ、有難うございます。
他のアニメのキャラの能力でも、オリジナルでも構いません。
ただ余りにもアレだと再安価するかもです。
取り合えずエレンの能力
↓1~4のどれかまたは複数
-
- 5 : 2015/05/22(金) 17:12:21 :
- スタンド 「世界」
-
- 6 : 2015/05/22(金) 18:15:12 :
- 人居ないみたいなんで先に少しストーリー進めます。
―840年 シガンシナ区―
「…レン、…エレン!」
エレン「…ん、ふあ…ミカサ?」
ミカサ「起きて、エレン。薪拾い終わった」
エレン「…おう、そうか。なら帰るか」
ミカサ「……うん」ジー
エレン「あん?どうしたミカサ」
ミカサ「エレン、結局手伝ってくれなかった…」
エレン「仕方ないだろ、勝負に負けたのお前なんだから。今回は負けた方が薪を拾う約束だったじゃねーか」
ミカサ「そ、それはそうだけど…でも、少し位手伝ってくれてもよかったと思う」
-
- 7 : 2015/05/22(金) 18:26:50 :
- ミカサ「大体エレンは強すぎる。今まで私は殆ど勝てたことがない。ので、エレンはもう少し手加減をするべき」
エレン「はあ?そんな事したら俺が負けるに決まってるじゃねーか。お前こそ自分の強さを自覚しろってんだ」
ミカサ「…で、でもでも」
エレン「あぁ、もう!分かったよ、薪半分持ってやるから!それでいいだろ?」
ミカサ「エレン!!」パァ
エレン「ったく、我が儘な奴だなぁ」
ミカサ「エレンが強すぎるのが悪い。後もう少し私に優しくすべき…」
エレン「ハイハイ、分かったから。さっさと行くぞ」スタスタ
ミカサ「…ムウ」トトト
-
- 8 : 2015/05/22(金) 19:18:36 :
- ~シガンシナ区 街中~
ワイワイ…ザワザワ、ガヤガヤ
エレン「ん?…おぉ、調査兵団の帰還か。おい、ミカサ!ちょっと見ていこうぜ!」
ミカサ「…」コクリ
~~~~~~~~~~~~~~~
調査兵団団長「何の成果も!得られませんでした!」
団長らしき人がそう叫んでいる。
部下を失い、それでも成果がなかった事が悔しいのだろう。
彼の目には涙が浮かんでいた。
そしてそれを見る、周りの人間の冷めた態度。
まるで異物を見るような、そんな冷たい視線が注がれる。
エレン「…行くぞ、ミカサ」
ミカサ「…うん」
二人はそっとその場を後にした…
~~~~~~~~~~~~~~~
-
- 9 : 2015/05/22(金) 19:28:01 :
- 電気を操れる。
例 電気を空中に留め、電磁石の力で自分を空中に引き寄せる。
例 電気を広範囲に広げ、人、動物等の感知。
例 電気を一直線に放電し、ビームみたいなものを放つ。
例 壁に電気を張り、電磁石の力で壁に張り付く。
みたいな能力
-
- 10 : 2015/05/22(金) 19:30:36 :
- ~シガンシナ区 エレン宅~
エレン「ただいま」
ミカサ「ただいま…」
カルラ「あら、お帰りなさい。随分遅かったけど、何かあったの?」
エレン「…別に」
カルラ「ふーん」
カルラ「ミカサ?何があったの?」
ミカサ「調査兵団の凱旋を見てた…」
カルラ「…!!」
エレン「…ッチ」
-
- 11 : 2015/05/22(金) 19:33:56 :
- 身体能力を無限にあげる。
-
- 12 : 2015/05/22(金) 19:36:13 :
- カルラ「エレン、貴方まだ調査兵団に行きたいとか考えてるんじゃないでしょうね?!」
エレン「…そうだけど、何か悪い?」
カルラ「悪いに決まってるでしょう?!壁の外に行った人類がどうなったか、まだわからないの?!」
エレン「別にいいじゃん。俺がそうしたいだけだし。母さんにとやかく言われる筋合いは無いよ」
カルラ「またこの子は…!あなたからも何か言ってやって頂戴!」
グリシャ「…エレン」
エレン「何?」
グリシャ「何故調査兵団に入りたいんだ?」
-
- 13 : 2015/05/22(金) 20:02:50 :
- エレン「別に調査兵団に入りたい訳じゃない。ただ、壁の外を見て回りたいんだ。こんな狭い所に、家畜みたいに引きこもってるのが嫌なだけさ」
グリシャ「…そうか。母さん、私はもう行く」
カルラ「あなた!!」
グリシャ「母さん、人の探求心は誰かによって抑えられるものでは無いよ」
グリシャ「エレン、帰ったらずっと秘密にしていた地下室を見せてやろう」
エレン「へえ!楽しみにしとくよ」
グリシャ「ああ、では行ってくる」ギィィ、バタン
カルラ「私は認めないからね。父さんはああ言ったけど、調査兵団なんて危ない所に行くのは反対よ」
エレン「別に良いさ。母さんが反対しようが俺の知ったことじゃない。俺は絶対に外の世界に行くんだ!」ガチャッ、ダダダ
カルラ「エレン!…ハア」
カルラ「いい、ミカサ。あの子は偶に回りが見えなくなることがあるから、その時は貴女が支えてあげてね?」
ミカサ「うん」
-
- 14 : 2015/05/22(金) 20:08:19 :
- 魔法を使える。
-
- 15 : 2015/05/22(金) 20:37:09 :
- 悪ガキA「おら、どうした異端者!悔しかったら殴り返してみろ!」ボカッ
「ううっ……!」
悪ガキB「へへっ、おらどうした?」ガンッ
街の街道から少し外れた場所で、金髪の少年が複数の少年達に殴られていた。
その数六人。明らかに多勢に無勢である。
だが金髪の少年は屈することなく彼らを睨み付けた。
「やり返すもんか!そんな事をしたら君達と同じだ!君達だって、僕の主張が正しくて言い返せないから、暴力に訴えるしか無いんじゃないのか?!」
悪ガキD「こいつ…!言わせておけば!」
悪ガキE「屁理屈ばっかり言いやがって!もういい、やっちまおうぜ!」
「ほう、楽しそうだな。俺も混ぜろよ」
-
- 16 : 2015/05/22(金) 20:57:35 :
- 悪ガキ達「「「「「「…ッ!!」」」」」」ビクゥ
「…あ、エレン!ミカサ!」
エレン「よう、アルミン。また派手にやられてんな」
ミカサ「大丈夫?」
二人の登場にアルミンは顔を輝かせる。
対照的に虐めていた少年達の顔は恐怖で青ざめ、はっきり分かるほどに震え上がっていた。
そんな少年達を一瞥しながらエレンは言った。
エレン「アルミンが世話になったな。こっからは俺達が相手だ」
悪ガキ達「「「……ヒッ」」」ガクガク
エレン「おい、どうした。怯えてんじゃねえよ。『良いから来いよ、この豚ども』」
瞬間、場の空気が一変した。
今まで怯えていた少年達が、まるで人が変わったかのような怒りの表情を浮かべる。
まるで獣の用に唸りながら、少年達は攻撃体制に入り…そのまま、エレン達に襲い掛かった。
-
- 17 : 2015/05/22(金) 23:09:03 :
- エレン「ハハハッ!良いぞお前ら!『ほら、もっと怒れ!』」
悪ガキ達「「「がぁぁぁあああッッッ!!」」」
エレンの言葉に呼応するかのように、少年達の攻撃は激しく、荒々しくなっていく。
たがそれでも、エレンに攻撃が当たることはない。
六人による波状攻撃にも意に介さず、ただ冷静に攻撃を捌き続ける…が。
エレン「はあ…何か飽きたし、終わらせるか」スッ
悪ガキ達「「「「「!?」」」」」
エレン「寝てな!」バチィッ
エレンの手から電流が迸り、六人の少年を瞬く間に気絶させる。
ミカサ「終わった?エレン」
エレン「見ての通り」
アルミン「流石だね、エレン」
エレン「取り敢えず移動しようぜ。アルミン、今日はどんな本を持ってきたんだ?」
アルミン「うん!今日の本はね…」
常人から見れば明らかに異常な一連の出来事も、彼等にとっては既に見慣れたもの。
他愛ない会話をしながら、彼らはいつもの場所へと歩き出した。
-
- 18 : 2015/05/22(金) 23:14:31 :
- ここで確認
エレンの能力
・他人を強制的に怒らせる
・身体能力の無限強化
・電気を操る
・スタンド『世界』
今のところこのくらい。魔法に関してはどんな風にするか考え中。ハリポタ見たいな奴かRPGの自然魔法か、型月で言う魔術にするか。
何か案があれば書いていただけると嬉しいです。ちなみにミカサにも能力付け様と思います。
ミカサの能力↓1~2
-
- 20 : 2015/05/23(土) 00:59:49 :
- シガンシナ区の路地裏。
そこに三人がいつも集まるお気に入りの場所がある。
アルミンが外の世界についての本を持ってくるときは、いつもここに集まっていた。
アルミン「見て、エレン!外の世界にはこんなものまであるんだ!」
エレン「おお…!改めて聞くと、やっぱスゲーな!」
ミカサ「…」キラキラ
~~~~~~~~~~~~
エレン「ったく、でもホントに可笑しいよな。ただ外に出たいって言っただけで、なんであそこまで言われるんだか」
エレン「そもそも、外の世界について何も知ろうとしないっていうのがまずおかしいんだ。確かに壁の中は平和かも知んねーけどよ…」
アルミン「まあ調査兵団という最もな例があるからね。多少は仕方ないのかもしれない」
アルミン「でも…少しみんな安心しすぎだとは思うよ。100年壁が壊されなかったからと言って、今日壊されない保証なんてどこにもないのに…」
ヒュウウウウウウウウ……
エレン「…!」ピクン
ミカサ「!!」ピン
-
- 21 : 2015/05/23(土) 01:13:05 :
- アルミン「…?エレン、ミカサ?どうかした?」
エレン「アルミン、お前今すぐ戻って爺さんと一緒に逃げろ」
アルミン「え?エレン、いきなり何を…?」
エレン「いいから!今すぐだ!…ミカサ!!」
ミカサ「問題ない」
エレン「っし、ならいくか!」
瞬間、爆発が起きたかと思わせるほどの轟音を響かせ、エレンは跳躍した。
ミカサも同様、こちらもおおよそ人間とは思えない動きで、エレンの後を追う。
それはもはや閃光の如く、二人は一気に壁へと向かう。
――そしてその時……人類はようやく思い出した。
超大型巨人「…」
――奴らに支配されていた恐怖を…
超大型巨人「…」スーッ
ドッッッゴォォォォォンンンンン!!!!
――鳥籠の中の、屈辱を…
そしてその瞬間――人類は思い出した。
-
- 22 : 2015/05/23(土) 01:21:29 :
- 最後の行はミスです。すみません。
ミカサ「エレン!壁が!!」
エレン「チッ!やってくれんじゃねえかこいつ!!」
超大型巨人が壁を壊した瞬間、彼らは既に壁の上にいた。
エレン「よう、初めましてだな。クソ野郎」
エレン「そして、さよならだ」バチッ
その言葉と同時に、エレンの体周りに電気が発生する。
それはそのままエレンの手の平に集まり…
エレン「オラァッ!!」ギュアッ!!
超大型巨人「!?」
まるでビームのように、超大型巨人の頭を撃ち抜いた!
-
- 23 : 2015/05/23(土) 02:01:33 :
- エレンはもうすでに人類最強?
-
- 24 : 2015/05/23(土) 02:05:55 :
- >>23さん まあリヴァイ兵長よりは強いですかね…多分
-
- 25 : 2015/05/23(土) 02:17:24 :
- 超大型巨人「…」ズズズズ…
突然の攻撃によって頭部を失った超大型巨人は、大量の蒸気を噴出しながら成す術もなく崩れ落ちていく。
ミカサ「エレン!倒したの?」
エレン「いや、頭を吹っ飛ばしたが今一手応えが無かった。多分逃げられたな…」
ミカサ「そう…」
エレン「巨人は不死身っつーのは本当らしい。頭吹っ飛ばして死なないとなると…」
ミカサ「エレン、今はそんなことより逃げないと。巨人はもう入ってきている」
エレン「はあ?逃げる?馬鹿言うなよミカサ。ここでこいつら殺さねえで、いつ殺るってんだ」
ミカサ「でも…」
エレン「逃げるんだったら母さん連れて先に逃げてろ。俺も後から追いつくからよ」
ミカサ「それはダメ!エレンが残るのなら私も残る!」
エレン「はあ、勝手にしろ。死ぬんじゃねーぞ?」
ミカサ「うん、大丈夫」
-
- 26 : 2015/05/23(土) 02:19:08 :
- こうして彼らは巨人との戦いに身を投じるのだった。
だが彼らは知らない。
ここでの選択が、後に大きな心の傷となって残ることを…
-
- 27 : 2015/05/23(土) 02:34:17 :
- エレン「でやああッッッ!!!」バチィッ
巨人「」シュウウウウ…
エレン「成程、ようやく分かってきた。お前らは項の辺りが弱点らしいな…」
巨人を倒すこと数十体。
ここに来て漸く、エレンは巨人の弱点を発見していた。
巨人「アーー」ブン
エレン「おっとぉ」ガシィ
エレン「俺を潰そうなんざ、100年はえーよ」
エレン「行くぜ!『世界』(ザ・ワールド)」
エレン「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁ!!」ドドドドドドドド
巨人「」シュウウウウ…
エレン「ふう、ここら辺の巨人は片付いたが…」チラッ
巨人「「「「「アアーー」」」」」ワラワラ
エレン「限がねえな…」
エレン「だがまあ、ここまでやりゃあ街の人達も逃げただろう。そろそろ俺達も逃げるか…」
エレン「ミカサ、そろそろ俺達も逃げようぜ」
-
- 28 : 2015/05/23(土) 02:51:26 :
- エレンは近くで戦っていたミカサに声をかける。
此方も、相当に奮戦したらしく彼方此方に巨人の死骸が転がっていた。
ミカサ「エレン、逃げるの?」
エレン「ああ、こいつら倒しても倒しても沸いてきやがる。正直このままじゃジリ貧だ。ここらが潮時だろ」
ミカサ「そう、エレンがそう言うのなら、そうしよう」
エレン「ああ。そうだ、逃げるついでに家でも見ていくか?」
ミカサ「そうね…。(また私は、家を失うのね)」ボソッ
エレン「…そんな顔するなよ。俺達はまだ生きてんだから、家位また新しく作ればいいだろ?」
ミカサ「…!ふふ、そうね。エレンの言う通りだった。まだ私達は生きている」
エレン「だろ?ほらさっさと行くぞ。早くしないとまた母…さん…に…」
エレンの言葉が唐突に止まる。
彼の目線は、自らの家の方に向けられていた。
彼は最前線で戦っていたため今まで気が付かなかったのだが、彼の家は大きな瓦礫の下敷きになっていたのだ。
そして、その傍に立つ巨大な生物。
その生物の手に握られている、女性の影…
-
- 29 : 2015/05/23(土) 03:05:58 :
- エレン「やめろおおおおおおおおッッッ!!!!!!」ガアンッ
瞬間、エレンは自らの肉体を限界まで強化した。
そしてそのまま、その生物に向かって全力で跳びかかる。
その姿はまるで砲弾の如く、瞬く間に音速を超えたエレンは、周囲を衝撃波で破壊しながら、その生物―巨人を殴り飛ばす。
殴られた巨人はそのまま壁まで吹っ飛んでいき、爆音とともに壁にめり込んだ。
エレン「母さん!母さん!」ポロポロ
カルラ「…っ…ああ、エレン…?」
エレン「ああ、そうだよ。俺だよ!」ポロポロ
カルラ「良かった…無事、だったのね…」
エレン「俺の事は良いよ!何で…何で母さんが逃げてないんだ!」
カルラ「瓦礫のせいで…足が潰されてね…逃げられなかったのさ…」
エレン「なんで…なんで…」
エレン「と、とにかく!今担いで逃げるから!」
-
- 30 : 2015/05/23(土) 03:24:07 :
- カルラを担いで逃げようとするエレン。
だがカルラは知っていた。
もはや自分が助かる見込みがないことを。
巨人に一度握りつぶされたのだ。もはや今生きていることすら、奇跡に近い。
カルラ「エレン、一度しか言わないから、よくお聞き」
エレン「そんなの後でいいだろ!今はとにかくカルラ「エレン!!」
カルラ「お願いだから聞いて。これは…ゴホッ…母さんからの…最後のお願いだから」
エレン「…」コクン
カルラ「エレン、貴方は強いわ。人間どころか…巨人すら一蹴するほどに…」
カルラ「でも、でもね。だからこそ、もう少し…周りを見てほしいの…」
エレン「周りを…見る…」
カルラ「そう。これから…貴方は、長い道のりを歩くことになるでしょう。その途中、仲間とか…友達とかもたくさんできるでしょう…」
カルラ「その時に…貴方は、相手の事を考えなさい。壁の外に憧れるのもいい。でも偶には…自分の身近な…壁の中にも目を向けなさい…。これが…母さん…からの…。おね…が…」
エレン「母さん?母さん?」
カルラ「」
エレン「ああ、あ…あああああああああああ!!!!!!」
-
- 31 : 2015/05/23(土) 03:25:39 :
- 今日はここまで。
また明日更新します。感想などがアリアしたら、遠慮なく書き込んでくれると嬉しいです。
ちなみに、ミカサの能力はまだ募集中ですので、よろしくお願いします。
-
- 32 : 2015/05/23(土) 09:01:18 :
- 期待!
ミカサの能力は
物体変換
例 アルミを鉄に変える。
例 鉄から武器を作り出す。
ていうか鋼の錬金術師の錬金術みたいなもの
-
- 33 : 2015/05/23(土) 12:18:20 :
- >>32さん
ありがとうございます。
ミカサの能力
・身体能力上昇
・金属類を自在に操る
になります。
よろしくお願いします。
-
- 34 : 2015/05/23(土) 14:36:49 :
- ミカサ「エレン!」タタッ
エレン「……ごめんな、ミカサ」
ミカサ「…え?」
エレン「俺のせいで…母さんが…」
ミカサ「エレン…」
お互いに言葉はない。
有るのは母を死なせたのは自分という自責の念のみ
暫くの間、彼等はその場から動けなかった。
そこへ、一人の男が走ってきた。
「エレン!ミカサ!良かった、やっと見つけた!」
エレン「…?ハンネスさん?」
ハンネス「何してんだ、お前ら!早く逃げるぞ!」
エレン「ハンネスさん…俺のせいで…母さんが…母さんが!」
ハンネス「…そうか。だが取り敢えずは逃げよう。ここでお前らが死ねば、それこそカルラが悲しむ」
そう言うと、ハンネスは二人を担いで走り始めた。
ハンネス(すまない…カルラ…)
ミカサ「…」ズキッ
ミカサ(ああ…また、これか…)
こうして、彼等はシガンシナ区を後にした。
巨人討伐数エレン・75体、ミカサ・56体という前人未到の快挙でありながら、母を喰われ、故郷を追われた彼等にとっては屈辱的な記憶でしかなかった…
-
- 35 : 2015/05/23(土) 14:50:29 :
- 期待!!
エレン=6000人兵士、
これ位の強さだと思うんだが....
-
- 36 : 2015/05/24(日) 10:24:01 :
- >>35
今のとこそんくらいですかね?
一応、能力の強化も視野に入れてるんで最終的にはもっと行くかもです。
-
- 37 : 2015/05/24(日) 11:13:16 :
- ~ウォール・ローゼ トロスト区近郊~
超大型巨人、および鎧の巨人によってウォール・マリアが陥落してからおよそ数時間。
避難民で溢れるこの場所に、二人はいた。
エレン「なあ、ミカサ」
ミカサ「なに?エレン」
エレン「お前…これからどうする?」
ミカサ「…どういう意味?」
エレン「俺は二年後、訓練兵団に志願する。その間、少しこの壁の中を周ってみようかと思ってな」
エレン「思えば俺は…壁の外ばっか見てて、中の事なんか気にしたことも無かった。だから、兵団に行くまでに、この壁の中をもっと知っておきたいんだ」
ミカサ「…エレンが行くなら、私も行く」
エレン「…いいのか?正直、飯とか色々大変になると思うが…」
ミカサ「大丈夫。例えご飯が無くても、エレンと一緒なら私はそれでいい」
エレン「…そうか。なら、行くか」
ミカサ「うん。…あ、行く前に、アルミンには一言言っておいた方がいい」
エレン「それもそうか。なら、それが終わってから出発だ」
ミカサ「うん!」
-
- 38 : 2015/05/24(日) 11:19:02 :
- こうして、この日を境にエレンとミカサは壁内の探索へと出かけた。
目指すは壁の北側、ウォール・シーナ。
この旅が彼らにいかなる影響をもたらすのか、それはまだ誰も知らない。
-
- 39 : 2015/05/24(日) 11:28:12 :
- ~ウォール・マリア陥落から数日後 ウォール・シーナ内のとある牧場~
ここの牧場で暮らしているヒストリア・レイスは、目の前で行われている惨劇が全く理解できなかった。
自分が望まれない子であることは知っている。
そして、誰からも愛されない子であることも知っている。
でもこれは…?
今日、ロッド・レイスと名乗ったこの男は、自分が君の父親なのだといった。
その男は、随分前に出ていったきりだった母親を連れて、一緒に暮らそうと言ってきた。
その矢先、いきなり黒い男達に囲まれ、そのまま母は殺された。
「お前さえ産まなければ…」
そう言い残して…
-
- 40 : 2015/05/24(日) 11:43:12 :
- 母を殺した後、黒い服を着た男は真っ直ぐにこちらを見た。
ああ、どうやら次は自分の番らしい。
先程母の喉を掻き切ったそのナイフで、自分も同じように殺されるのだろう。
恐怖は感じない。
いや、ただ現状を脳がまだ理解してないだけか…
何方にしろ死ぬことに変わりはない。
どうせ自分は生きていてはいけないのだ。
そう思って顔を上げたヒストリアの視界の隅に、ちらりと光るものが映った。
-
- 41 : 2015/05/24(日) 12:05:01 :
- ~~~~~~~~
王政直属対人制圧部隊隊長、ケニー・アッカーマンは殺しの天才である。
憲兵、貴族、ゴロツキなど、今まで殺してきた人間はもはや数えるのも面倒な位だ。
・・・・・・・・・
だからだろうか、その得体のしれない何かに気が付いたのは…
ケニー「…ッッ!!??」ゾクゥッ
それは一瞬だった。
何が起きたのか、理解するよりも先に体が動く。
危険を報せる自らの本能に従い、ケニーは思い切り後方の跳ぶ。
結果として、彼の行動は正しかった。
数瞬前まで彼が立っていた地面は、黒く焼け焦げていたからだ。
「よう、随分楽しそうなことしてんじゃねえか」
そして次の瞬間、あたりに不気味な声が響き渡った。
-
- 42 : 2015/05/24(日) 12:13:54 :
- ケニー「…誰だ」
「なに、ただの通りすがりさ」
ケニー(子供…?)
出てきたのは10歳くらいの子供だった。
フードを被っているので顔までは分からないが、声からすると男だろうか。
ケニー「おいおい、よりによって餓鬼かよ。良い子はもう寝る時間だぜ?」
「生憎、良い子ではないもんでな。と言うか、おっさんには用はねえ。俺が用があんのはそっちだ」クイ
ヒストリア「…え?」
エレン「え?じゃねえ、お前だ。お前に話があんだよ」
-
- 43 : 2015/05/24(日) 12:31:27 :
- ヒストリア「あ、えっと…何でしょう…?」
「お前、今から自分がどうなるか分かるか?」
ヒストリア「え…?あ…」
「ほら、さっさと答えろよ?分かるか?」
ヒストリアに対し質問を投げかける少年
と、ここで今まで呆気にとられていた黒服が動いた。
少年を拘束しようと、数人で取り囲む。
黒服「「「…」」」ザッ
「ッチ!うざってえな!」ガァンッ
が、少年を拘束するには至らない。
無造作に振るわれた拳の一撃で、数人の黒服はまとめて吹っ飛ばされた。
「お前らの相手は後でしてやるからよ。ちょっと待ってろ」
「で、質問の続きだ。お前は今から、こいつ等に何をされると思う?」
-
- 44 : 2015/05/24(日) 12:41:52 :
- ヒストリア「え、えっと…殺される…ですか?」
「おお、正解だ。何打、自分の状況は分かってんだな」
「じゃあ次の質問だ。お前は、どうしたい?」
ヒストリア「え…?」
「今此処で大人しく殺されたいのか、それともまだ生きていたいのかって聞いてんだ」
唐突な質問に、ヒストリアは答えられない。
そもそも自分はどうなりたいのだろう?
誰からも愛されず、誰からも必要とされなかった少女は、今まで自分の意志と言うものを問われていた。
ヒストリア「わ、私は…多分、い、生きてちゃ…いけない子だから…」
ヒストリア「だから…こ、ここで死ぬのが…正しいことだと…
「おい」
-
- 45 : 2015/05/24(日) 12:43:12 :
- ミス
今まで自分の意志→×
今はじめて自分の意志→○
申し訳ないです。
-
- 46 : 2015/05/24(日) 13:04:12 :
- 「生きてちゃいけないとか、何が正しいのかなんて聞いてねえ」
「俺が聞いてんのは、お前の意志だ」
ヒストリア「私の…意志…?」
「そうだ、周りの連中とか関係ない。お前自身は、どうしたいんだ?」
ヒストリア「私…自身…」
その時、ヒストリアは初めて、少年が自分の目を見て話していることに気付いた。
ヒストリア(綺麗な目…)
見る者を魅了するかのような美しい金の瞳。
その瞳に宿る、強い意志。
この二つは、ヒストリアの心を動かすには十分だった。
ヒストリア「…きたい」
ヒストリア「私、まだ生きたいっ!」
-
- 47 : 2015/05/24(日) 13:20:17 :
- 「そうか。それがお前の意志か」
ヒストリア「うん…」
「だったら、俺と一緒に来い」スッ
此方を真っ直ぐに見つめながら、少年は手を差し伸べた。
「お前の事は、俺が守ってやる。お前に害をなそうとする者は、俺が全部叩き潰す。お前が一人の時も、俺たちが傍にいる。だから…」
……俺と一緒に、世界を見に行こう……
差し伸べられた手。
初めて掛けてもらえた言葉。
そのどれもが、今のヒストリアにはひどく眩しく映った。
-
- 48 : 2015/05/24(日) 13:30:51 :
- ヒストリア「わ、私を…守ってくれる?」
「ああ」
ヒストリア「私の、傍にいてくれる?」
「勿論」
ヒストリア「私を…愛してくれる…?」
「当然だ」
ヒストリア「うん。私、貴方についていく」ニコッ
気付けば、いつの間にか頬には涙が伝っていた。
嬉しい筈なのに、なぜ涙が出るんだろう?
そんな事を考えつつ、ヒストリアは少年の手に腕を伸ばす。
背後から何か止めるような声が聞こえるが、今のヒストリアには関係ない。
ゆっくりと腕を伸ばし、差し出された手を握る。
「うん、いい笑顔だ」
そう言って少年も、しっかりとヒストリアの手を握った。
-
- 49 : 2015/05/24(日) 13:42:53 :
- しっかりとヒストリアの腕をつかんだ少年は、そのまま彼女を抱き上げる。
そして、此方を見ている黒服たちに向けてこう言った。
「そういうことだ。此奴は俺が貰っていく」
ロッド「ま、待て!その子を離せ!」
「断る。これは既に決定したことだ。邪魔をしても構わんが…此方も反撃はするからな」
「おい、しっかり捕まっていろよ」
ヒストリア「うん!」ギュッ
ケニー「逃すと思うか?」
「さあ?だが、お前は俺を捕えることは出来ねーよ」
ケニー「ほう?」
「じゃあ、縁があったらまた会おう。『世界』」ギュアッ
その言葉とともに、彼らの前からヒストリアと少年は忽然と消え失せた。
ロッド「な!?消えた?」
ケニー「チッ!おい、ぼさっとすんな!全員散会!見つけ次第殺せ!」
ケニー「どんな手品か知らんが、まだそう遠くへ行って無い筈だ、急げ!」
ロッド「…ヒストリア…」
-
- 50 : 2015/05/24(日) 13:45:09 :
- 一旦終わります。
続きは夜にでも。
ヒストリアの能力を募集します。
何か案があれば、遠慮なく書いてください。
それでは、ありがとうございました。
-
- 51 : 2015/05/24(日) 17:51:28 :
- ヒストリアの能力:
1.重力を操る
-
- 52 : 2015/05/25(月) 18:01:08 :
- >>51さん
レスありがとうございます。と、言うわけでヒストリアの能力は重力操作で行きます。
スマホからちょこちょこ更新していきます。
-
- 53 : 2015/05/25(月) 18:19:15 :
- 現在、ヒストリアは少年に抱き抱えられる形で移動していた。
最初こそ、少年の人間離れしたスピードに驚いたものの、今では落ち着きを取り戻している。
さらに言えば、ヒストリアにとって、この少年に抱えられることは決して嫌ではなかった。
ヒストリア「ねえ…」
「うん?何だ?」
ヒストリア「貴方、名前は何て言うの?」
「ああ、そういやまだ言ってなかったな。俺はエレン。エレン・イェーガーだ」
ヒストリア「エレン…いい名前ね。私はヒストリア。ヒストリア・レイス」
エレン「ヒストリアか。よろしく」
ヒストリア「うん、此方こそ」
エレン「ああ。…後20分位で俺らの拠点に着く。だからもう少し待っててくれ」
ヒストリア「分かった」
-
- 54 : 2015/05/25(月) 19:10:55 :
- ヒストリア「そういえば…」
エレン「ん?」
ヒストリア「どうして私を助けてくれたのか、聞いてもいい?」
エレン「…」
ヒストリア「あ…いや、無理にとは言わないけど…」
エレン「俺のせいかもしれないからだ」
ヒストリア「え…?」
エレン「お前が殺されそうになったのが、俺の…正確には俺の親父のせいかもしれないからだ」
ヒストリア「それって…」
エレン「はっきりしたことは、まだ分からん。だが、これだけは言っておく。俺はお前にとって敵になるかもしれん」
ヒストリア「…」
エレン「だから…「いいよ」…え?」
ヒストリア「エレンは、私を助けてくれたでしょ?だから良いの」
エレン「…」
ヒストリア「それに…エレンは守ってくれるんでしょう?」
エレン「…!ああ、当然だ」
ヒストリア「なら、それで良いの。エレンが居れば、私は平気だから…」ニコッ
エレン「……ありがとう」
-
- 55 : 2015/05/25(月) 19:19:50 :
- ~ウォール・シーナ 王都内 空き家~
ヒストリア「ここ?」
エレン「ああ…入るぞ。おい、いま…?!」ガチャッ
「エレン!!!!」ダキッ
「エレンどこ行ってたの?心配した怪我してない?お腹空いてない?ああエレンもうどこにも行かないでエレンエレンエレン……」
エレン「だあっ!離れろミカサ!暑いんだよ!」
ミカサ「そんな事言ってもエレン……?」ジー
ヒストリア「…?」キョトン
ミカサ「エレン、この女は何?」
エレン「ああ、それについても説明するから。取り敢えず離れろ」グイッ
ミカサ「むう、仕方ない」シブシブ
エレン「ったく、いつも大袈裟何だよお前…。取り敢えず説明するとだな……」
~エレン説明中~
-
- 56 : 2015/05/25(月) 19:30:37 :
- ミカサ「そう。そんな事が…」
エレン「ああ。だから、今日からこいつも、一緒に住むから。…良いか?」
ミカサ「エレンが一度決めたことに、私は文句は言わない」
エレン「…ありがとうな」
ミカサ「いつもの事。所で…」
ヒストリア「は、はい!」ビクッ
ミカサ「私はミカサ。エレンの家族。これからよろしく、ヒストリア」
ヒストリア「…あ、はい!よろしくお願いします!」ペコリ
ミカサ「ヒストリア、私達はもう家族。敬語はいらない」
ヒストリア「え…それは…」
ミカサ「…いらない」
ヒストリア「でも…」
ミカサ「…」ジー
ヒストリア「わ、分かった」
ミカサ「そう。ヒストリアはいい子」ナデナデ
ヒストリア「あ、ありがとう…」
-
- 57 : 2015/05/26(火) 01:11:59 :
- ミカサ「所でエレン、ヒストリアに能力はないの?」
ヒストリア「能力?」
エレン「ああ?いや、無いんじゃねえの。確かめてないから何とも言えんが」
ミカサ「でも話を聞く限り私の時と似ている。何かできても可笑しくはない」
エレン「そうか?ミカサが特別なだけじゃね?」
ミカサ「わ、私が特別…///」テレテレ
ヒストリア(むう……)
ヒストリア「ねえ!能力ってなんの話?」ユサユサ
ミカサ「…ハッ!御免なさい、少し我を忘れていた。能力と言うのは、私とエレンが使える不思議な力の事」
ヒストリア「不思議な力?」
-
- 58 : 2015/05/26(火) 02:05:06 :
- ミカサ「ヒストリア、貴方は今日どうやってここまで来たの?」
ヒストリア「?いきなり何?」
ミカサ「これは能力の話をする上で重要な事。答えて」
ヒストリア「それは、エレンに…あ!そういえば、エレンは私を抱っこしてたのにすごく速く走ってた!」
ミカサ「エレンに抱っこされたという部分がすごく気になるけど…まあ、そういうこと。エレンが人間離れした身体能力なのも、能力によって体を強化しているから」
ミカサ「かくいう私にも能力がある。それは後ほど説明するとして…今は、貴女の能力を知ることの方が大事」
-
- 59 : 2015/05/26(火) 02:23:08 :
- ヒストリア「でも、どうやったら私の能力がわかるの?」
ミカサ「確かめる方法はある。外に来て」
ヒストリア「え?まあ、いいけど」
~屋外~
ミカサ「さて、準備はいい?」
ヒストリア「え?準備ってなに…!?」
ミカサ「…」ズズズズ
ヒストリア「ミ、ミカサ…その地面から出てる黒いの、何?」
ミカサ「これは砂鉄。土の中に含まれる鉄。私の能力は、金属を操ること」
ミカサ「ブレードだろうが大砲の弾だろうが、それが金属ならば私は支配することができる。…あ、後自分の体も完璧に支配できる」
-
- 60 : 2015/05/26(火) 02:33:00 :
- ヒストリア「後半は知らないけど、すごい能力ね!」
ミカサ「そう。ヒストリアもこんな力があるはず。私のようにやってみて」
ヒストリア「で、できるかな…?」
ミカサ「理屈じゃないの。これは…そう、いわば本能に近い」
ミカサ「ので、頭で難しく考えない方がいい。やってみて」
ヒストリア「う、うん。…スゥー…はあっ!!」カッ
ズンッッッ!!!
ミカサ「これは…!?」
ミカサが驚いたのも無理はない。
ヒストリアの周り、半径1mほどの地面が唐突に陥没したのだ。
-
- 61 : 2015/05/26(火) 02:39:14 :
- エレン「へえ、重力操作か。また凄いもん持ってんな」
ミカサ「エレン!」
ヒストリア「重力…操作…?」
エレン「そ。対象の物体とか、一定範囲の空間の重力を自在に操れるってことだ」
ヒストリア「そ、そうなんだ。私、そんなすごいのを…」フラッ
エレン「おっと」ダキ
ミカサ「!!」
エレン「ま、今はそこまでいけないみたいだけどな。頑張って修行すりゃ、いずれは強くなれるさ」
ヒストリア「うん、がんばる…zzz」
エレン「寝ちまった。おい、ミカサ。俺らもそろそろ寝るか?」
ミカサ「うん…(羨ましい)」
-
- 62 : 2015/05/26(火) 02:49:36 :
- ミカサ「所でエレン、明日からはどうするの?」
エレン「あー、そうだな。何日か休んで、もう一回北側でも周るか」
ミカサ「そう…。今回は、私も行く」
エレン「ああ、ならヒストリアも連れていくか。丁度の能力の修行にもよさそうだ」
ミカサ「え…?付いて行って良いの?」
エレン「ん?当然だろ。…ああ、今回はちょっと緊急事態だったからな。悪かったよ」
ミカサ「…ちゃんと話てくれる?」
エレン「ああ。今は無理だが、時が来れば」
-
- 63 : 2015/05/26(火) 02:56:04 :
- ミカサ「なら、いい」
エレン「悪いな」
ミカサ「大丈夫。それはそうと、エレン。旅をするなら、ついでにアルミンのいる開拓地に行くべき」
エレン「ああ、確かに。ヒストリアも紹介しとくか」
ミカサ「アルミンも寂しがってるかもしれないし」
エレン「そうだな。いけそうなら、俺達の旅に同行させるか」
ミカサ「それはいい。アルミンも喜ぶ」
エレン「まあ、先ずは北に行くとこからだな。そろそろ寝るぞ」
ミカサ「うん。お休み、エレン」
-
- 64 : 2015/05/26(火) 03:20:36 :
- この日より数日後、エレンたちは北へ向けて出発した。
途中アルミンと合流し、4人になった一行は壁の中の隅々まで探検した。
この事が彼らにとってプラスとなったかマイナスとなったかはわからないが…少なくとも、新たな何かを得るには十分なものではあった。
そして、2年後――
教官「貴様は何者だ!!」
「トロスト区出身、ジャン・キルシュタインです!」
-----
---
エレンたちは…
エレン「…」
ミカサ「…」
訓練兵団に入団した…
-
- 65 : 2015/05/26(火) 03:22:58 :
- 今日はここまで。
次回から訓練兵団時代になります。
書いてて思ったんですが、いまいちエレンが無双してませんね。
なので、訓練兵時代は結構頑張らせようかと思っています。
よろしくお願いします。
-
- 66 : 2015/05/26(火) 16:17:11 :
- エレンの訓練兵団時代のエピソードを
詳しく書いてくれたらうれしいです。
-
- 67 : 2015/05/26(火) 21:29:44 :
- 期待してあげるね♪
-
- 69 : 2015/05/27(水) 02:11:34 :
- ~通過儀礼後~
「オイ…あの芋女まだ走らされてるぞ」
エレン「へえ…5時間ぶっ通しか(中々の体力だ)」
アルミン「まあ、彼女にとっては走らされることよりご飯抜きの方がつらいみたいだけどね」
エレン「確かに、すっげー悲壮な顔してたもんな」
「そう言えば、君は出身とか聞かれてなかったけど、どこに住んでたの?」
エレン「ああ、俺は此奴と同じ、シガンシナ区だ。そっから色々あって、ここに来た」
「ってことはよ!『その日』もシガンシナ区にいたよな!?」
「オイ!見たことあるのか!?」
-
- 70 : 2015/05/27(水) 02:23:22 :
- エレン「そうだな…超大型巨人は、壁から顔出すくらいでかくて、全身筋肉みたいでキモかったな」
「「「おおおお!!」」」
「なに!?俺は壁を跨いだと聞いたぞ!?」
エレン「いや、そこまではなかったな」
「じゃ、じゃあ鎧の巨人は!?」
エレン「あー…なんか固そうだったけど、それ以外は普通だな」
「なら、普通の巨人は!?」
エレン「まあ、でかくて顔がキモイ奴ばっかだな。正直、思ったほど威圧感とか、恐怖はなかった」
「おいおい、正気か?巨人が大したことないだあ?」
エレン「お前…確か、憲兵団に行きたいとか言ってた…」
ジャン「ああ、俺は正直者なんでね。おびえながら勇敢気取るより、よっぽど爽やかだと思うがな」
-
- 71 : 2015/05/27(水) 02:31:39 :
- エレン「ふーん。まあ、別にいいんじゃね?お前の考えを否定する気はないし、頑張って憲兵団に入ればいいさ」
ジャン「お、おお…」
エレン「ほら、これからよろしくな」スッ
ジャン「ああ…よろしく…」パンッ
ジャン(なんか知らんが、負けた気分だ…)
ミカサ「…」スッ
ジャン「!?」
ジャン「な、なあ…あんた」
ミカサ「?」
ジャン「その…綺麗な黒髪だ…」
ミカサ「…どうも」
~~~~~~~~~
<ミカサ、カミキレバ
<エレンガ、ソウイウナラキロウ
ジャン「…」ズリイイイイイ
「おい!?今お前俺の服で何を拭った!?」
ジャン「人との…信頼だ…」
-
- 72 : 2015/05/27(水) 02:46:49 :
- 「エレーン!ミカサー!」
エレン「お、ヒ…クリスタじゃねえか。どうした?」
クリスタ「ううん。姿を見かけたから、声をかけただけ」
エレン「そうか。ミカサ、クリスタの事頼むな」
ミカサ「当然。改めてよろしく。クリスタ」
クリスタ「うん、よろしくね!あ、私今からちょっと用事があるから、ミカサ先戻ってて」
ミカサ「…」コクリ
クリスタ「エレンも、また明日ね」
エレン「ああ、ちょっと待てクリスタ」
クリスタ「え?」
-
- 73 : 2015/05/27(水) 02:55:26 :
- そう言って、エレンは一つのパンを取り出した。
エレン「あいつの分はこれにしろ。さっきの余りだ」
クリスタ「え…?でも…」
戸惑うクリスタに、エレンはパンを押し付ける。
エレン「良いから、お前はちゃんと食っとけ。大きくなれねえぞ」
クリスタ「…うん、ありがとう。でも、何でわかったの?」
エレン「家族の事だからな。分かって当然だ」ナデナデ
クリスタ「もう…。敵わないなあ、エレンには」
エレン「そんなことより、早く行ってやろうぜ。初日から飢え死にされるのは、後味が悪い」
クリスタ「うん。そうだね」
-
- 74 : 2015/05/27(水) 03:04:01 :
- パンと水を持って移動する二人。
話題は、クリスタの名前に関する事になっていた。
エレン「しかし、クリスタ。今更だがよかったのか?」
クリスタ「名前の事?仕方ないよ。本名だと狙われるかもしれないし」
エレン「すまないな…」
クリスタ「もう!本人が良いって言ってるんだから、エレンが謝ることないって何度も言ってるでしょ!」プンスカ
エレン「はは、そうだったな。お!なあクリスタ、あいつじゃないか?」
クリスタ「本当だ!倒れてるじゃない。早く行ってあげないと!」
エレン「あ、いや待て…」
「パァアンッ!!」ドォオッ
クリスタ「きゃああああ!!」
-
- 75 : 2015/05/27(水) 03:12:14 :
- エレン「はいストップ」ガシッ
「あうっ」
クリスタ「び、びっくりした…」
エレン「クリスタ、水を貸してくれ」
クリスタ「あ、うん」スッ
エレン「ほら、先ずは水分補給からだ。慌てず、ゆっくり飲むんだぞ」
「…」ゴクゴク
エレン「落ち着いたら、これ食べろ。小さく千切ってやるから食い易いだろ」
「あ、ありがとうございます!!」
「ハッ…。まさか、あなた方二人が、神様ですか!?」
エレン「…あー、クリスタ、後任せた」
クリスタ「え!?めんどくさそうな流れになったらいきなり私に振るの!?」
「神ぃぃぃぃぃいいい!!!」
クリスタ「ちょ、ちょっと!静かにしないとばれちゃう!!」
エレン「さて…」
エレン「んで?あんたは何の用なんだ?」
-
- 76 : 2015/05/27(水) 03:23:16 :
- 「気づいてたのか」
エレン「まあな。で、用件は?」
「アンタにはないよ。私が用があんのはそっちの金髪だ」
クリスタ「ん?私?」
「ああ。晩飯のパン隠してる時から苛ついてた…。お前、『いいこと』しようとしてるだろ」
エレン「…」
クリスタ「え?」
「それは芋女のためにやったのか?おまえの得た達成感や高揚感は、その労力に見合ったか?」
クリスタ「…」カチン
クリスタ「別に…貴女には関係ない。私がここで『いいこと』をして、貴女に不利益があるわけじゃないでしょう?」
「なに…?」
-
- 77 : 2015/05/27(水) 03:31:30 :
- クリスタ「関係ないのにいきなり出てきて、偉そうに説教垂れないでよ。私は、『自分の意志』で行動したの。そのことに関して、貴女に色々言われる筋合いはないわ」
「…ッ!てめえ…」
エレン「はいはい、そこまで。そろそろ寝ないと、明日に響くぞ」
クリスタ「エレン…」
エレン「クリスタ、俺が此奴を女子寮まで運ぶから、先に行って準備しててくれ」
クリスタ「う、うん。分かった…」タタタッ
エレン「ふう、済まないな。ただ、あいつも悪気があったわけじゃないんだ」
「ああ、分かってる。こっちも悪かったな、いきなりあんな喧嘩腰で」
-
- 78 : 2015/05/27(水) 03:42:38 :
- エレン「…」
「なんだ?そんな顔して」
エレン「いや、優しいんだなって、思っただけさ」
「はっ、私が優しい?お前、頭大丈夫か?」
エレン「夕食の時からあいつを気に掛けてくれるなんて、優しい証拠だ」
「…!!」
エレン「…クリスタとは、仲良くしてやってくれよな」
「どうだか。あいつ次第だな」
エレン「素直じゃねえなあ…」
「なっ…、うるせえ!」
エレン「はは…ま、よろしく」
<エレーン!コッチダヨー!
エレン「お、そろそろ行くか」
「待ちな」
エレン「ん?」
「ユミル。私の名前だ」
エレン「ユミル…良い名前だ。俺はエレン。エレン・イェーガー」
ユミル「ふん、よろしくな」
エレン「ああ、よろしく」
-
- 79 : 2015/05/30(土) 18:35:31 :
- 期待!
-
- 80 : 2015/05/30(土) 18:36:51 :
- そんな期待で大丈夫か?
…一番いい期待を頼む
世界で一番の期待!
-
- 81 : 2015/05/30(土) 19:46:40 :
- 期待です!!!!!!!!!!!!!!!
-
- 83 : 2015/05/31(日) 01:05:23 :
- ~翌日~
キース教官「今日は貴様らに立体機動の適正検査を受けてもらう!」
キース教官「両側の腰にロープを繋いでぶら下がるだけだ!」
キース教官「全身のベルトでバランスをとれ!これが出来ん奴は囮にもならんからな、強制的に開拓地行きだ!」
――――――――――――――――――
―――――――――――――
――――――――
眼鏡教官「これは初歩の初歩だが、この段階から既に立体機動の素質がわかる」
教官A「成る程…」
眼鏡教官「…!見ろ、あの子だ」
ミカサ「…」ピタッ
眼鏡教官「全くブレがない。素晴らしい素質だ」
眼鏡教官「んん、今期は…」チラ
ジャン「…」プラプラ
クリスタ「…」ピタッ
眼鏡教官「ほう、中々出来るものが多いようだ」
-
- 84 : 2015/05/31(日) 01:14:06 :
- エレン(んー、難しくは無いが…)フラッ…ピタッ…
キース教官(ふむ、まあまあか…)
キース教官「下ろせ」
エレン「ふう…」カチャカチャ
キース教官(……ん?)
キース教官「おい、イェーガー。貴様、そのベルトで違和感は無かったのか?」
エレン「…?まあ、ちょっとぐらつきましたけど…それ以外は…」
キース教官「そうか…おい、ワグナー。貴様のベルトとイェーガーのベルトを交換しろ」
-
- 85 : 2015/05/31(日) 01:20:11 :
- トーマス「は、はい」
エレン「…?」
キース教官「イェーガー、そのベルトでもう一度やってみろ」
エレン「はあ…」
ギシッギシッ
エレン「…」ピタッ
エレン(んん?何かさっきよりも簡単に…)
キース教官「…貴様のベルトの金具部分が破損していた。先程よりバランスを取りやすい筈だ」
キース教官「ここが壊れるなど聞いたことが無いが、新たに整備項目に加える必要があるな…」
エレン「はあ…」
キース教官「まあ、貴様は問題無い。期待しているぞ」
エレン「ハッ!」
キース教官(まさかこのベルトであそこまでバランスを取るとは…。グリシャ…貴様の息子は一体…)
-
- 86 : 2015/05/31(日) 01:38:58 :
- ~同日 夕食時~
アルミン「凄いね、エレン!ベルトが壊れてるのにあそこまでバランスがとれるなんて!」
ミカサ「エレンだから、あの程度は当然」ドヤァ
クリスタ「そうだよ(便乗)」ドヤァ
エレン「何でお前らがドヤ顔してんだ」ハァ
「あ、あのっ!」
エレン「うん?…ああ、お前は確か昨日の…」
「は、はい!私、サシャと言います。昨日は私をわざわざ運んで頂いたそうで、ありがとうございました!」ペコリ
エレン「別に、気にしなくていいさ。それより、お前も此方で飯食うか?」
サシャ「良いんですか?」
エレン「まあ、飯は大勢で食った方が美味いだろ。お前らもいいか?」
ミカサ「エレンが言うなら」
クリスタ「別に良いけど」
アルミン「僕も構わないよ」
エレン「ほら、だからこっち来て座れよ」
サシャ「は、はい!ありがとうございます!」
-
- 87 : 2015/06/03(水) 00:25:09 :
- 「よう、お前ら」
クリスタ「!!」
エレン「おう、ユミル。お前も一緒に食べるか?」
ユミル「…良いのか?」
エレン「構わんさ。さっきも言ったが、飯は大勢で食った方が美味い。人数が増えるのは歓迎だ」
ユミル「なら遠慮なく…」
クリスタ「…」
エレン「どうした、クリスタ?」
クリスタ「別に…」プクー
エレン「そんな顔するなよ。意外といい奴だぞ?ユミルは」
クリスタ「本当に?」
エレン「まあ、何かとツンデレなとこもあるが、基本は面倒見の良い姉のような奴だ」
ユミル「…おいこら、誰がツンデレだって?」
エレン「まあまあ、クリスタと仲良くしたいんだろ?」ボソボソ
ユミル「…ッチ、後で覚えとけよ…」ボソボソ
クリスタ「ムウ…エレンがそう言うなら…」
エレン「おう、そうしろ。ミカサもアルミンも、ユミルと仲良くしてやってくれな」
ユミル「おい!何でお前が私の保護者みたいになってんだ!」
ミカサ「エレンが言うなら、仲良くしよう」
アルミン「ハハハ、よろしくねユミル」
ユミル「…ッチ、まあよろしくな」
-
- 88 : 2015/06/03(水) 00:33:50 :
- ―――――――――――――――――
――――――――――――――
――――――――――
エレン「ふう、さっぱりした」フロアガリ
アルミン「明日も早いし、もう寝ようか」
「何だ?もう寝ちまうのか?」
エレン「うん?お前らは…」
「ああ、自己紹介が未だだったな。俺はライナー・ブラウン。こっちが幼なじみの…」
「ベルトルト・フーバー。宜しくね」
エレン「おう、ライナーにベルトルトだな。俺はエレンだ。よろしく」
アルミン「僕はアルミン。宜しくね」
ライナー「おう、此方こそ。そういや、エレン。今日のお前凄かったな」
エレン「俺が?何かあったか?」
アルミン「多分、エレンが壊れたベルトでバランスを取った事を言ってるんじゃない?」
-
- 89 : 2015/06/03(水) 01:25:30 :
- エレン「ああ、あれか…」
ベルトルト「普通あそこまでバランスは取れないよ。どうやったの?」
エレン「別に、普通にやったら出来たからな…特に意識してなかった」
ライナー「マジか…凄いなお前」
エレン「大したことはねえよ。つか、お前らだってかなり上手かったって聞いたぞ?」
ライナー「いやいや、お前と比べると俺らこそ大したことは無いさ」
ベルトルト「確かに。まだ訓練兵が始まったばかりだけど、最終的に上位10人に入れるレベルだと思うよ」
エレン「あー…まあ、あんまりそういうの興味ねえし…」
-
- 90 : 2015/06/03(水) 02:18:06 :
- ライナー「ほう…?訓練兵を志願する奴は、大体が憲兵狙いだと思っていたが…お前は違うのか?」
エレン「まあな。俺は憲兵になんぞ興味はねえ。よって順位も大して気にしねえ」
ライナー「なら、お前は何が目的で訓練兵になったんだ?」
エレン「そうだな…強いて言うなら、巨人を倒す術を身に付けるため…かな」
ライナー「…」
ベルトルト「…」
エレン「俺には夢があってな。これは、アルミンとも約束してるんだが、壁の外の世界ってやつを見てみたいんだ」
ライナー「壁の…外の世界…」
エレン「ま、その為には巨人が邪魔だからな。まずはそいつらを駆逐しなきゃならねえが…」
-
- 91 : 2015/06/03(水) 02:24:28 :
- ライナー「ってことは、お前もしかして…」
エレン「ああ、俺は調査兵団志望だ」
「ハハハッ!何を言い出すかと思えば!てめえはとんだ死に急ぎだった見てえだな!」
エレン「…?何だ、ジャンか…」
ジャン「ああ?何だその態度?」
エレン「別に?で、将来の憲兵さんは俺らに何の用だ?態々盗み聞きまでしてよ」
ジャン「いやいや。此方こそ、偶々巨人を駆逐する何て言う馬鹿を見たもんでな、ついどんな奴か見たくなったのさ」
エレン「あっそ。ならもう戻れよ。言ったのは俺だ。満足したろ」シッシッ
ジャン「…ッ!てめえ…ちょっと出来るからって調子に乗りやがって…」
-
- 92 : 2015/06/03(水) 02:35:33 :
- エレン「何だよ…面倒な奴だな…」
「おい、ジャン。その辺にしておけよ」
ジャン「うるせえ、マルコ!こういう奴は一度しっかり絞めとかねえといけねえんだ!」
エレン「へえ…」
「「!!」」
瞬間、場の空気が一変する。
身体中に突き刺さるかのような冷たい氷に似たナニかが、その場に充満する。
エレン「俺を…どうするって?言ってみろよ、ジャン」
ジャン「お、お前…」
ジャン(なんだこいつ…!?さっきまでとはまるで雰囲気が違う!)
先程までとは別人のようなエレンの変わりように、ジャンは驚きを隠せない。
いや、それはジャンだけでなく、その場にいた殆どの人間に当てはまった。
そう、彼を昔から知っている人物を除いては…
-
- 93 : 2015/06/03(水) 02:45:25 :
- アルミン「エレン、その辺りで許してあげなよ」
エレン「……ま、そうだな」
同時に、場の張り詰めていた空気が弛緩する。
先程までとは打って変わった、和やかな雰囲気で、エレンはジャンに喋りかけた。
エレン「ほら、ジャン。お前もベッドに戻れよ。明日も早いぞ」
ジャン「あ、ああ。また明日な…」
対するジャンはすっかり毒気を抜かれた表情で、自分のベッドに帰っていった。
マルコ「あ、おいジャン!ご、御免ね。あいつには俺から言っておくから…」
エレン「気にすんな。で、お前は…マルコだったか?」
マルコ「ああ、そうだよ。君はエレンだよね。これからよろしく」
エレン「此方こそ」
マルコ「じゃあ、俺もベッドに戻るよ。また明日な」
エレン「おう、またな」
-
- 94 : 2015/06/03(水) 06:00:23 :
- 書き方がうまい!
期待です!
-
- 95 : 2015/06/05(金) 01:07:11 :
- >>94
ありがとうございます。
またちょこちょこ更新していきます。
-
- 96 : 2015/06/05(金) 01:17:06 :
- エレン「さて、どこまで話したかな?」
ライナー「あ…ああ、お前が調査兵団に行くって所までだな」
エレン「ああ、そうそう。まあ、俺にとって調査兵団も壁の外に出る手段でしかないわけだが…」
ライナー「調査兵団が手段…」
エレン「おう。しかも壁の外を探索するにはもう一個やらなきゃいけないこともあるし。全く、やることが多くて大変だ」ケラケラ
ベルトルト「…そこまでして、君達は外に出たいの?」
エレアル「「え?」」
ベルトルト「君達はシガンシナ区からきたんでしょ?なら、巨人を見た筈だ。その恐怖を目の当たりにしたのに、君達は巨人と戦うの?」
-
- 97 : 2015/06/05(金) 01:32:35 :
- エレアル「「当然だ」」
ライベル「「!!」」
エレン「あの日、確かに俺は母さんを巨人に殺された」
ベルトルト「なら…」
エレン「だが!それは全て俺の責任だ。俺が目の前の事に夢中になりすぎたから、母さんは死んだ…」
エレン「故に、俺が巨人を恐れる事も、恨む事もない。ただ、邪魔をするなら駆逐する。それだけだ」
アルミン「エレン…」
エレン「それだけ、この夢は、俺達にとって大切なものなんだ」
ライナー「…俺にも、あるぜ」
エレン「…へえ」
ライナー「巨人のせいで、帰れなくなった故郷に…絶対に生きて帰る。それが、俺の望みだ…!」
エレン「…いい夢だ。お互い、頑張ろうぜ」スッ
ライナー「…ああ!」ガシッ
-
- 98 : 2015/06/05(金) 01:40:51 :
- ライナー(エレン・イェーガー。先程の殺気といい壊れたベルトでバランスを保つ身体能力といい、、只者ではない)
ライナー(エレンだけではない、あのアルミンとか言うやつも恐らく普通じゃ無いだろう。でなければ、あの殺気の中平然としていられる筈が無い…)
ライナー(近い将来、この二人を敵に回すのか…相応の覚悟が要りそうだ…)
エレン「おい、ライナー?どうした、ボーッとして」
ライナー「あ、ああいや。何でもない」
エレン「そうか?ならいいけどよ」
アルミン「二人とも、そろそろ寝ないと明日に響くよ?」
エレン「おう、そうだな。なら寝るか、お休みお前ら」
アルミン「うん、お休み」
ライベル「「お休み」」
-
- 99 : 2015/06/05(金) 14:28:57 :
- ↑ の名無しさんに同意見
-
- 100 : 2015/06/06(土) 21:55:15 :
- 期待
-
- 102 : 2015/06/08(月) 00:36:58 :
- ~翌日~
キース教官「今日から暫くは基礎体力の強化だ!」
キース教官「腕立て、腹筋、背筋それぞれ50回づつを10セット!それが終わったら20キロのダッシュだ。終わったものは私に言いに来い!」
---------
------
----
ライナー(ふう、思ったよりきついか…)
ベルトルト(でもこれ位なら、まだ…)
キース教官(ふむ、あの二人はなかなかやるな)
クリスタ(結構きついなあ…)
アルミン(やっぱりきついや…あの二人に追いつくように、鍛えてはいたんだけどなあ…)
キース教官(あれは…アルレルトとレンズか。見かけによらず、体力はあるようだな…)
-
- 103 : 2015/06/08(月) 00:43:57 :
- キース教官(ブラウンやフーバーも、かなりの才能を持っていることは間違いない)
キース教官(同様に、今期はなかなかに出来る奴が多いな。それぞれ違う年に来ていたら、上位入りは確実だっただろう。だが、それもこの二人の前では霞んで見える…)
エレン「ふう、思ったより楽だったな。ミカサはどうだった?」
ミカサ「普段から鍛えてるから。これ位は余裕」
キース教官(あれだけの運動をこの短時間でやっておいて、あの余裕。一体どんな体力をしているのだ…)
ライナー(あいつら、もう終わったのか!?どんなペースで走ってやがる…)
ジャン(チッ…あの野郎、なかなかやるじゃねか)
-
- 104 : 2015/06/08(月) 00:52:39 :
- -----------
--------
----
エレン「おいおい、お前ら。大丈夫か?」
「ああ、勿論…っ、俺…は、天才だからな…」ゼエゼエ
エレン「何だそれ?取り敢えず水貰ってきといたから、飲めるか?」
「ああ…ありがてえな…」
サシャ「え、エレン…。私も、水くださ…」コヒュー、コヒュー
エレン「はいはい。おら、そこの天才も飲めよ」
「…ああ、すまねえ。つーか、俺はコニーだ。天才じゃねえ…」
エレン「そうか。ならコニー、ほらよ」
コニー「サンキューな、エレン」
-
- 105 : 2015/06/08(月) 01:06:19 :
- ライナー「あいつ…あれだけやっておいて、他人を気遣う余裕があるのか…」
ベルトルト「立てない人の介抱もしてるし、すごいな」
ジャン「…ケッ」
アルミン「まあ、エレンは小さい頃から鍛えてるからね」
ライナー「だがそれにしたって異常だろ…と言うか、お前も見かけによらず体力あるな…」
アルミン「そう?三人の中じゃ一番体力無かったから、よく分かんないな…」
ライナー(そりゃその二人が異常なんだ)
ベルトルト「エレンもだけど、あのミカサって子もすごいよね」
アルミン「ああ。まあミカサもエレンとずっと一緒にいるしね」
アルミン「ミカサ曰く、自分の体を完全に制御できるとかなんとか…」
ライナー「なんだそりゃ…」
ジャン「さすがミカサだな!」
-
- 106 : 2015/06/08(月) 01:27:56 :
- エレン「おい、お前ら!みんな終ったから飯行こうぜ!」
アルミン「あ、今行くよ!」
ライナー「おう!」
マルコ「僕らも行くよ。ほら、ジャン」
ジャン「分ってるよ…」
コニー「お前ら、俺を忘れんなよ!」
ライナー「しかしまあ…」
アルミン「どうしたの、ライナー?」
ライナー「いや、明日からもこんな感じかと思ってな」
アルミン「まあ、そうだろうね。少なくともひと月は、こんな感じじゃない?」
コニー「ええ!?マジかよ!!」
アルミン「まあ、体力は基本だしね。仕方ないよ」
エレン「まあ、言っても仕方ねえさ。取り敢えず、今後も頑張っていこうぜ!」
皆「「「「「おう!!」」」」」
-
- 107 : 2015/06/08(月) 01:39:10 :
- ~一月後~
ライナー「はあああああ!!!」ダッ
エレン「…ふっ」ガシッ
ライナー「ぬうっ!?(俺の全体重を片手で止めるとは…)」
エレン「よいしょお!!」グルンッ
ライナー「ぐあっ」ドサッ
エレン「悪い、ライナー。大丈夫か?」
ライナー「ああ、問題ない。やはりお前は強いな…」
エレン「そうか?喧嘩慣れしてるだけだと思うが」
ライナー「いやいや、それでもだ。俺を投げ飛ばすなんて、中々出来ることじゃねえ」
エレン「どうも…」
-
- 108 : 2015/06/08(月) 01:45:39 :
- ライナー「何だ、浮かない顔だな」
エレン「別に…ただ、人を相手にするのってのはどうもな」
ライナー「まあ、巨人を相手にしたいお前に取っちゃ、これは不要な訓練かもな」
エレン「そこまでは思ってねえがよ…」
ライナー「似たようなもんだろ?だがまあ、俺達は兵士として訓練兵団に入った。一度兵士になった以上、どんな状況にも対応できなきゃならんと、俺は思うからな」
エレン「…」
ライナー「だからこんな訓練も必要だと、俺は思う訳だ。兵士なら、逃げるわけにはいかんからな」
エレン「へえ…。良いこと言うじゃねえか、ライナー」
-
- 109 : 2015/06/08(月) 01:59:59 :
- ライナー「よせ、ただの持論だ」
エレン「良いじゃねえか。ふむ、兵士ねえ…」
ライナー「ああ。そこでだ、エレン。あそこにいる奴にも、兵士とは何たるかを教えてやろうじゃないか」
エレン「あん?」
「…」キョロキョロ…コソコソ
エレン「…ああ、アニか。また上手いことサボってんな」
ライナー「ああ。ここであいつにガツンと言ってやらんとな」スタスタ
エレン「あ、おい待てよ、ライナー」
~~~~~~~~~
アニ「…」コソコソ
ライナー「おい!」
ライナー「そんなに教官から頭突きされるのは嫌か?その小さい背をさらに縮めたくないんだったら、もう少し真面目に訓練したらどうだ?」
-
- 110 : 2015/06/08(月) 02:12:52 :
- エレン「お前、いきなり言うなあ…」チラ
アニ「…チッ」ゴゴゴゴゴ
エレン(メッチャ怒ってんじゃねえか…)
ライナー「ほら、エレン。行って来い」
エレン「はあ!?俺かよ!ッたく…アニ、やり方はしってるな」
アニ「ご託はいいから、さっさと来なよ」
エレン「はいはい、なら行くぞ!」
アニに向かって、木剣を構えて走り出すエレン。
対するアニは、顔の高さにまで腕を上げ、独特な構えをとった。
アニ「…!」ヒュッ
エレン(ほう、踏み込む方の足に蹴りを入れてくるか。面白い、なら!!)スッ
ズダァァンッッッ!!!!
決着は一瞬。
気が付けば、エレンの木剣はアニの首元に添えられていた。
-
- 111 : 2015/06/08(月) 02:21:21 :
- エレン「俺の勝ちだな」ニヤ
アニ「…」
アニ(こいつ…私の蹴りを、『ただの踏み込み』で潰した…!)
ライナー(信じられん…あのアニの蹴りを受けて体勢を崩さんとは…)
エレン「いてて、中々いい蹴りだな…つか」、ライナー!もういいだろ?」
ライナー「えっ!?あ、ああ…も「待ちな」」
エレン「お?」
アニ「もう一回だ」
エレン「へえ…」
アニ「もう一回私と勝負だ」
ライナー「お…おい、ア「良いぜ」」
エレン「ほら、もう一回してやるよ」
-
- 112 : 2015/06/08(月) 20:27:03 :
- 期待
-
- 113 : 2015/06/08(月) 22:43:33 :
- エレン!! やっちまえーーー!!!!
-
- 115 : 2015/06/10(水) 14:29:56 :
- アニ「どうもッ…!」シュッ
エレン「おっ!?」
先程とは違い、今度はアニから仕掛けた。
一瞬でエレンとの距離を詰め、すかさず攻撃に移る。
アニ「…!!」ガシッ
木剣を持っている腕を右手で掴んで引き寄せ、左手はエレンの顎をつかむ。
そしてそのまま、不安定となった足めがけて後ろから強力な蹴りを放つ―
アニ(獲った…!)
アニがそう思ったのも無理はない。
これは自分が最も得意とする技。
幼いころから父親に叩き込まれた、対人に特化した自慢の技。
故にアニは勝利を確信し――
次の瞬間、自分が宙に浮いていることに気が付いた。
-
- 116 : 2015/06/10(水) 14:50:12 :
- アニ(……え?)
困惑。
今の彼女の心中を表すのなら、その言葉が最も相応しいだろう。
それもその筈、自分は確かに技をかけ、そしてそれは決まった。
ならば宙に浮き、地面に倒れているのは相手でなければおかしい。
そう思ったのも束の間、不意に自身の体が落下し始め―
ドサッ―
アニ「キャッ!?」
可愛らしい声とともに、何かの上に落下した。
エレン「よっと…。大丈夫か、アニ?」
アニ「え?あ…」
突然の事に、頭が追い付かないアニ。
今自分の身に何が起こったのか、彼女はまるで理解できていなかった。
取り敢えず現状を把握しようとして…
-
- 117 : 2015/06/10(水) 14:57:31 :
- エレン「お~い、アニ?」
アニ「……」
アニは、自分がかなり恥ずかしい状況にいることを理解した。
まず、自分は横向きの体勢になっている。(何故か)
そして、体は宙に浮いている。(何故か)
どうやら二本の腕に支えられているらしい。(何故か)
そして、近くにはエレンの顔。(何故か)
つまり自分は今――
こいつ(エレン)に、所謂『お姫様抱っこ』されている―!?
エレン「おい、聞いてんのか?」
アニ「聞いてるよ。……取り敢えずさ」
エレン「?」
アニ「下ろしてくれない?」
エレン「おお、そうだったな」
-
- 118 : 2015/06/10(水) 15:18:05 :
- ~別所~
ミカサ「…」ジー
クリスタ「…」ジー
アルミン「相変わらずエレンは凄いね。…って、ミカサ?クリスタ?」
ミカサ「羨ましい…」
クリスタ「いいなあ…」
ユミル(こいつら…)
アルミン「はぁ…」
ミカサ「!?…コホン、そう、エレンは凄い」
クリスタ「そ…そうだよ!エレンは凄いんだもんッ!」
ユミル「まあ、確かにありゃ人間技じゃねえけどよ…」
ミカサ「そう。今のは傍から見ても、素人じゃ何が起こったか分からない」ドヤァ
クリスタ「それ程の技だったね。流石エレン!」フンス
ユミル(何でこいつらがドヤ顔するんだ…?)
アルミン(言ってることは正しいんだけどね…)
-
- 119 : 2015/06/12(金) 15:32:12 :
~~~~~~~~
ライナー(エレンの奴、アニの蹴りを受けてその場で一回転。そのまま体制を整え、着地すると同時に足払いで体勢を崩しやがった…)
ライナー(身体能力が高いとか言うレベルじゃない…何より、あのアニをこうも簡単にあしらうなんて…)
エレン「さて、大丈夫だったかアニ?」
アニ「お陰様でね…」
エレン「なら良かった。しかし、いい蹴りだな。俺も習いたいぐらいだ」
アニ「全部簡単に躱しておいて、よく言うよ…」
エレン「そうか?まあ、今回は偶然上手くいっただけで、次もこうなるとは限らんけどな」
-
- 120 : 2015/06/12(金) 15:38:19 :
- エレン「さて…おい、ライナー!」
ライナー「お、おお?どうした、エレン」
エレン「俺はこの通りやったからよ、次はお前の番だぞ」
ライナー「…え?」
エレン「何だ、お前?人にやらせておいて、自分は何もしないつもりか?なあ、アニ」
アニ「…そうだね、次は、あんたが私を襲う番だ」
ライナー「え…?いや、俺は…」
エレン「やれよ、ライナー。兵士としての責任を、教えてやるんだろ?」ニヤ
ライナー「…ああ。兵士には引けない状況がある。…今がそうだ!」ダッ
--------------
---------
------
ライナー「」チーン
-
- 121 : 2015/06/12(金) 15:44:50 :
- エレン「いやあ、やっぱ凄いな。あのライナーすら宙に浮かすとは…」
アニ「…どうも」
エレン「その技、誰からか教わったのか?」
アニ「…お父さんが」
エレン「へぇ…親父さんの技術なのか。凄いな…」
アニ「どうでもいい…」
エレン「ん?」
アニ「対人格闘なんて、大した得点にならない。周りを見なよ、真面目にやってるのは、訓練馬鹿と単なる馬鹿だけ。他は適当に流すもんさ」
アニ「…」シュッ
エレン「うおっ!?」ガシッ
アニ「とにかく、点数の高い立体機動じゃないと意味がない。目指してるのは立派な兵士なんかじゃなく、内地の特権を得ることだから」
-
- 122 : 2015/06/12(金) 15:55:38 :
- いきなり木剣を構え攻撃するアニ。
だがそれに動揺することなく、エレンは片腕でその攻撃を受け止める。
アニ「この世界では、何故か巨人殺しの技術を高めた奴ほど、巨人から逃れられる…どうして、そんな茶番になると思う?」
エレン「…どうしてだ?」
アニ「…」シュッ
エレン「うおっ!?」
一瞬の隙を突いた足払い。
エレンは上向けに倒れ、その上からアニが木剣を構えて伸し掛かる。
アニ「それが人間の本質だからでは?」
アニ「私の父もあんたらと同じで、現実離れした理想に酔いしれていた。私はそんな父を心底下らないと思いながらも、この技の習得を強いる父に逆らえなかった」
アニ「私はこの下らない世界で兵士ごっこに興じられるほど、馬鹿には離れない…」
-
- 123 : 2015/06/12(金) 16:07:57 :
- エレン「…そうか」グッ
アニ「!?(こいつ…)」
エレン「確かに、お前の言うことは正しい。人は目の前に恐ろしいものがあると逃避したがる。それは紛れもない事実だ」グググッ
アニ(私の体を、片腕で持ち上げている!?こいつ、いったいどんな筋力して…?)
エレン「だがな…!!」グイッ
アニ「!?」
その技は、またも一瞬だった。
アニの体をある程度浮かせたエレンは、空いているもう片方の手で、アニの服の襟をつかむ。
そのまま猫を持つように上にあげ、一気に体を反転させる。
その間約3秒。
その3秒間の間に、先程とは真逆の状況が出来上がった――
-
- 124 : 2015/06/12(金) 16:28:18 :
- エレン「人っていうのは、それが全てじゃねえ」
エレン「確かに、人は臆病で利己的だ。だが、この壁の中にいる人間の全てがそうだとは思わないことだ」
アニ「!!」
エレン「俺は、俺達は見てきた。どんなに絶望的な状況でも、どんなに恐ろしい敵がいても、決して逃げず、諦めない奴らを、俺は見てきた」
エレン「確かにお前は正しいよ。そんな連中がいることも知ってるし、世の中はそれが大半だってことも知ってる。そして、俺はそれが悪いとも思わない」
エレン「ただ、世の中はそれが全てじゃない。…俺が言いたいのはそれだけだ」スッ
アニ「…」
エレン「偉そうに説教して悪かったな。別にお前を否定するわけじゃないんだ。…ただ」
エレン「もうちょっと、希望を持ってもいいと思うぜ。この世界は残酷だが…同時に、美しくもあるんだからな」ポンポン
アニ「…うるさい。頭撫でんな」
エレン「おお、悪い。さて、俺はまたライナーとするか。付き合ってくれてありがとな。できれば、またしようぜ」
アニ「…気が向いたらね」
アニ(…エレン。エレン・イェーガーか…)
-
- 125 : 2015/06/15(月) 02:27:48 :
- ~その日の夜 夕食時~
ワイワイ…ガヤガヤ…
ジャン「そうだ。だからその時は一瞬だけガスを強く吹かせばいい。そうやって慣性を利用した方が、ガスの消費も少なくて済む」
ジャン「ま、誰にでもできる技ってわけでもねえんだけどな」チラ
エレン「…」モグモグ
ジャン「でも、俺があんまり立体機動が上手いからって、あんまり言いふらすんじゃねえぞ?競争相手が増えちまうからな!」チラ
エレン「…」モグモグ
ジャン「いいか?訓練兵団では立体機動が全てだ。それ以外はどうでもいいが、立体機動だけはちゃんとしとけよ!」チラ
エレン「…はあ」
エレン「おい、ジャン」
ジャン「ああ?なんだあ、エレン?」
エレン「少しうるせえぞ。黙って食えとは言わんが、もう少し静かに喋れねえのか」
-
- 126 : 2015/06/15(月) 02:37:55 :
- ジャン「ハッ!何だよ、嫉妬かあ?」
ジャン「自分に才能が無いからって僻んでんのかあ、エレン?」
エレン「いや、本当に五月蠅いんだって。これ見よがしに自慢するのは構わんが、少しは他人の迷惑を考えろってんだ」
ジャン「ハハハッ!おいおい、言い訳なんて見っともねえぞ!素直に言ったらどうだ?僻んでるんですってよお!」
エレン「はあ…。もういいや」スッ
ジャン「お?どうした、やるか?」
エレン「おい、ミカサ。隣いいか?」ガタ
ミカサ「ええ、丁度空いてる。ので、ここに座るといい」スッ
エレン「おお、すまんな」
ガッッ!!!
ジャン「ふっっざけんなよ!!てめええええええ!!!!!」
-
- 127 : 2015/06/15(月) 02:52:05 :
- エレン「ああ?何すんだよ!!」
ジャン「うるせえんだよ、この野郎!!」グイッ
エレン「おい、引っ張んなよ!服が破けるだろ!」
ジャン「服なんてどうでもいいだろうが!羨ましいッ!!」
エレン「はあ?お前、いい加減に…」
エレン(仕方ねえ。あれをやってみるか…)スッ
アニ「!!」
このままじゃ埒が明かない。
そう思ったエレンは、この場を収める最適な方法を思いつく。
自らの胸倉を掴んでいたジャン手を取り、思い切り自分の方へ引く。
そして反対の腕でジャンの顎を掴み、そのまま不安定となった足へ強烈な蹴りを放つ――!
ジャン「ガッ!?」ズデン
不意を突かれたジャンに、成す術はない。
抵抗する暇すら与えられず、ジャンは地面に叩き付けられる!
-
- 128 : 2015/06/15(月) 03:04:09 :
オオオオオ!!!ナンダイマノ!!…スゲエ!
ジャン「痛え…。てめ、何しやがった…!」
エレン「あんまり五月蠅かったんでな。ちょっとしたお仕置きだ」
ジャン「何だと!!」
エレン「因みに此れはな、お前が対人格闘サボってる時に身につけたものだ」
エレン「…お前がどこの兵団に行こうと関係ないが、俺達は兵士なんだ。もうちょっと、自覚を持つべきだと思うぜ」
ジャン「…兵士が、なんだ…って…」
エレン「?」
ガチャ…ギィィィィ…
キース教官「…今しがた、大きな音が聞こえた気がしたが…。誰か説明して貰おうか?」
-
- 129 : 2015/06/15(月) 03:10:52 :
- エレン(やっべ、ちょっとやりすぎたか…)
キース教官「…」コツコツ
ミカサ「…」スッ
キース教官「ん?」
ミカサ「サシャが放屁した音です」
サシャ「えっ!?」
キース教官「…また、貴様か」
サシャ「!?!?!?」
キース教官「少しは、慎みを覚えろ…」ギィィ…バタンッ
エレン「ふう、危なかった。サンキューな、ミカサ」
ミカサ「エレンの為だもの。当然のこと」
サシャ「当然じゃありませんよ、ミカサぁ!」
-
- 130 : 2015/06/15(月) 03:24:29 :
- エレン「いや、サシャも済まんかった。お詫びに俺のパン半分やるよ」
サシャ「え!?良いんですか、エレン!!」
エレン「ああ、迷惑かけたからな。遠慮すんな」
サシャ「やった!!有難うございます、エレン!!」
エレン「さて、ジャン!」
ジャン「ああ?何だよ?」
エレン「さっきのが悔しいんだったら、対人格闘の時に俺に挑んで来い。いつでも受けてやるよ。ま、怖かったら無理にとは言わんが…」
ジャン「上等だ!!今に見てやがれ!あっという間にお前なんか倒してやる!」
エレン「おお、楽しみにしてるさ。さてと…」
ミカサ「?エレン、どこかに行くの?」
エレン「ああ、ちょっと体動かしてくる。心配すんな、そこまで激しい運動はしねーよ」
ミカサ「そう。あまり無理はしないでね」
エレン「おう、分かってるさ。じゃ、また明日な」スタスタ
ミカサ「うん」
アニ「…」スッ
-
- 131 : 2015/06/15(月) 04:23:04 :
- スーパースーパー
超絶期待だぁぁぁぁ★
-
- 132 : 2015/06/19(金) 16:14:27 :
- >>131
有難うございます!
更新遅れてすみません。またちょこちょこ書いていきます。
-
- 133 : 2015/06/19(金) 16:38:38 :
- ~夜 訓練所付近の森~
シュッ…シュッ…バシィッ…!
誰も居ない夜の森の中に、鋭い音が響く。
何かを壁に打ち付けるようなその音は、まるで楽器のようだった。
一寸の乱れもなく、流れるように響くその音はある種の音楽を奏でているようでもあった。
…と、不意にその音が止まった。
エレン「…何の用だ?」
アニ「…気付いてたの?」
エレン「あんな熱い視線を感じたら、誰だって気が付くさ」
アニ「そう…。(気配は消してた筈なんだけどね)」
エレン「それで?要件は何だ?」
アニ「別に…偶々こっちに来たら、アンタが居ただけ。特に用はないよ」
エレン「ふーん…」
-
- 134 : 2015/06/19(金) 19:09:59 :
- そう言うと、エレンはアニの事を気にもせずトレーニングに戻った。
突き、払い、蹴り、異なる技が次々と繰り出される。
途切れる事の無い流水のようなその動き。
月明かりに照らされ、まるで舞う様なその姿に、何時しかアニの目は奪われていた。
アニ(綺麗…)
エレン「そう言えばよ」
アニ「え?」
不意に、エレンが口を開く。
どうやら一通りのトレーニングは終ったらしい。
エレン「さっきの俺の蹴りはどうだった?中々上手く決まったと思うんだが」
アニ「…はぁ。何を言い出すかと思えば…」
-
- 135 : 2015/06/19(金) 19:24:57 :
- アニ「全然なってない。まだ修行が足りないね」
エレン「そうか?何処が駄目なんだ?」
アニ「全部さ。姿勢とか重心とか、その他諸々。あれが決まったのはまぐれだね」
エレン「おいおい、そこまで言うか?なら、お前がお手本見せてくれよ」
アニ「良いよ…と言いたい所だけど、今日はもう遅いから、また明日ね」
エレン「仕方ねーな。明日、約束だぞ」
アニ「はいはい…」
アニ「…ねえ、そんなにこの技が気に入ったの?」
エレン「あ?…まあ、気に入ったと言えばそうだな」
-
- 136 : 2015/06/19(金) 19:47:06 :
- アニ「何で?」
エレン「え?」
アニ「昼にも言ったけど、ここでは格闘術なんて役に立たないんだよ?なのに、何でそこまでするの?」
エレン「…」
エレン「何でだろうな…」
アニ「何それ?」
エレン「さあな…。俺にもよく解らねえ」
エレン「ただ…そうだな。多分、俺は後悔したくないんだと思う。無駄だと言って、後からやっとけば良かった何て言いたくないんだ」
エレン「だから、やれることは全部やる。例え他人から無駄だと言われても、やらないで後悔するより、ずっと良いと思うから」
アニ「…」
-
- 137 : 2015/06/19(金) 20:28:26 :
- アニ「アンタ、変わってるね」
エレン「そうか?」
アニ「ああ、アンタは変わってるよ」
エレン「まあ良いじゃねえか。人間には、色んな奴がいるってことさ」
アニ「…そうかもね」
エレン「ああ、だからアニももっと自信もって良いと思うぞ」
アニ「何それ?偉そうに励ましてるつもり?」
エレン「いや、別にそんなつもりじゃ…」
アニ「フフッ、冗談だよ」
エレン「お前…」
アニ「悪いね、アンタが予想通りの反応するからさ。お詫びに、さっきの技教えて上げるよ」
エレン「お、本当か?」
アニ「ああ。明日からの対人格闘の時間、楽しみにしとくんだね」
エレン「おう!望むところだ!」
アニ「フフッ、じゃあまた明日」
-
- 138 : 2015/06/29(月) 04:19:11 :
- ~翌日~
アニ「そう、姿勢と足捌きはそんな感じ」シュッ
エレン「成程、こんなもんか」ガッ
ガキッ…シュッ…ガガガッ…メキッ
ライナー「あいつら、とんでもない動きしながら何普通に会話してんだ?」
アルミン「まあ、エレンについては昔からだけど、アニも大概だよ、あれ」
ライナー「ああ…(アニの奴、珍しく全力だな…)」
ライナー「それにしても、対人格闘はあの二人がトップで決定か」
アルミン「だろうねえ」
アルミン(にしても、あんなに楽しそうなエレンは久しぶりに見たな…)
-
- 139 : 2015/06/29(月) 04:26:48 :
- ~馬術訓練~
キース教官「今日は馬術の訓練だ!全員、馬小屋に集合しておけ!」
~~~~~~~
クリスタ「わあ、色んな子がいる~!」キラキラ
ミカサ「楽しそうね、クリスタ」
クリスタ「うん!こんなに沢山の馬を見るのは久しぶりだから…」ナデナデ
ミカサ「そう、楽しそうで何より」クス
クリスタ「うん!ミカサも後で一緒にお世話しない?」
ミカサ「ええ、そうしましょう」
アルミン(女神かな?)
ジャン(天使が二人…)
ライナー(結婚を前提にお付き合いしてください…)
「おお!色んな馬がいるな!」
-
- 140 : 2015/06/29(月) 04:32:30 :
- 「「「!!」」」ピクンッ
クリスタ「!」
ミカサ「…」
ジャン「なんだ、どうした?」
ライナー「馬たちが、急に大人しくなったな…」
エレン「おお、皆よく育ってるな~」ナデナデ
馬「♪」
ミカサ「クリスタ…」
クリスタ「うん、馬にも分ったんだと思う。今、この場で最も強いのが誰なのか」
ライナー「何だそりゃ?」
アルミン「ま、端的に言えば、エレンが来たから馬が大人しくなったってこと」
ベルトルト「…すごいな」
-
- 141 : 2015/06/29(月) 04:41:03 :
- エレン「ん?こっちにも小屋があるな…」
教官「ああ、そっちには行かない方がいい。少し凶暴な馬が隔離されてるんだ」
アルミン「凶暴…ですか?」
教官「ああ、基本的にこの種は穏やかなんだが、そいつだけは例外的に凶暴でな」
教官「身体スペックは他の馬と比べてもずば抜けて良いんだが、如何せん乗りこなせる人が居ないので、ここにいるわけだ」
エレン「へえ、面白そうだ」ガチャ
教官「あ、おい!」
「「「エレン!!」」」
教官の言葉を聞いても、エレンは躊躇いもせずドアを開ける。
慌てて、後についてい他のメンバー達。
そこには…
-
- 142 : 2015/06/29(月) 04:50:43 :
- 「…」ズン
「「「!?」」」
馬とは思えぬ威圧感。
すらっと細く引き締まった肉体と、長く伸びた鬣。
雪の如く美しい純白の体。
その場にいた殆どの訓練兵が息をのむ中、その馬に近づく一つの影。
教官「おい!あまり近づくと襲われるぞ!」
エレン「…」
エレン「ふむ、良い目をしている…」スッ
「…」ギロッ
エレン「なあ、俺と来ないか?」
「…ヒヒーン」
エレン「ふふ、いい子だ」ナデナデ
-
- 143 : 2015/06/29(月) 05:02:40 :
- 教官「…信じられん」
キース教官「流石、と言ったところか」
教官「キースさん!?」
キース教官「丁度いい。おい、イェーガー!」
エレン「ハッ!」
キース教官「その馬はお前にやろう。精々、大事にしろ」
エレン「ハッ!有難うございます!」
教官「…良いんですか?」
キース教官「構わん。どうせ、イェーガー以外に乗りこなせる奴はいないだろう」
教官「まあ、確かにそうですが…」
キース教官「ならば、彼奴に任せた方が良い…。さて、」
キース教官「お前ら!早く準備しろ!!」
-
- 144 : 2015/06/29(月) 05:12:44 :
- エレン「これからよろしくな!」ナデナデ
「♪」スリスリ
エレン「ところでお前、名前は?」
「…」フリフリ
エレン「そうか、無いのか…。そうだな、ヴァイスとかどうだ?」
「!」コクコク
エレン「おお、そうか!なら、お前は今日からヴァイスだ!宜しくな!」
ヴァイス「ヒヒーン」
ジャン「なあ、彼奴馬と会話してないか?」
クリスタ「え?普通じゃない?」
アルミン「え?ジャンも会話できるでしょ(顔的に)」
ジャン「いや、普通ではないだろ…。それとアルミン、ちょっとこっち来い」
アルミン「ごめんごめん、冗談だよ」
ミカサ「クリスタ、後で馬との話し方を教えてほしい…」
クリスタ「うん、良いよ!ミカサは容量いいから、すぐ出来ると思うけど…」
ミカサ「がんばる」ムン
-
- 145 : 2015/06/29(月) 05:26:14 :
- ~数十分後~
エレン「行け、ヴァイス!全力疾走だ!」
ヴァイス「ヒヒーン!」ダダッ
ミカサ「レーゲン、あと少し。頑張って」
レーゲン「…!」ダッ
クリスタ「ハイリッヒ!その調子、すごいよ!」
ハイリッヒ「ヒーン!」ダダッ
ベルトルト「三人ともすごい速さだね…」
ジャン「あいつら、何で振り落とされないんだ?」
ライナー(俺は馬になりたい…)
コニー「あいつらに負けてられるか!行くぞ、ドンナー!」
ドンナー「ヒーン!」ダッ
サシャ「私だって負けません!メテオール、狩猟民族の意地を見せますよ!」
メテオール「ヒヒーン!」ダダッ
-
- 146 : 2015/06/29(月) 05:37:04 :
- エレン「いやあ、良かった。ありがとな、ヴァイス」
ヴァイス「♪」
クリスタ「エレン、すっかりその子と仲良くなったね」
エレン「まあな。だって此奴、可愛いんだぜ。クリスタも、仲良さそうだな」
クリスタ「うん、この子は素直だからね」
ミカサ「ふう…」
エレン「おお、ミカサもお疲れ」
ミカサ「エレン…。ええ、お疲れ様」
クリスタ「ミカサも、すっかりその子と仲良くなったみたいね」
ミカサ「そう。思いの外楽しかった…」キラキラ
エレン「そりゃあ、良かった。さて、此奴らの世話が一通り終わったら、俺達も飯行くか」
クリスタ「あ、手伝うよ」
ミカサ「私も」
エレン「おお、ありがとな。んじゃ、さっさと終わらすか」
-
- 147 : 2015/06/29(月) 05:45:49 :
- ~数十分後~
エレン「ふう、ちょっと遅くなったか?」
ミカサ「私達のはアルミンに頼んでる。ので、問題はない」
エレン「流石だ、ミカサ」
ミカサ「でしょう?もっと褒めても、問題ない」ドヤァ
クリスタ「…」
エレン「ん?どうした、クリスタ」
クリスタ「え!?あ、いや、ちょっと懐かしいなって。こんな風に三人で過ごすの、最近は無かったから」
エレン「ああ、そうだな…。何だ、寂しかったのか?」ニヤ
ミカサ「もう、クリスタはまだお子様…」ヤレヤレ
クリスタ「ちょ、違うもん!そんなことないもん!」
-
- 148 : 2015/06/29(月) 05:54:55 :
- ミカサ「どうだか…」ハァ
エレン「お子様は見え張るからなー」ニヤニヤ
クリスタ「もう!二人とも馬鹿にして!」プンスカ
エレン「ま、大丈夫さ」
クリスタ「え?」
ミカサ「そう、私達の絆は壊れる事はない」
クリスタ「…」
エレン「そう。外の世界を、一緒に見るんだろ?」
クリスタ「…うん!!」
ミカサ「その為には、まず『掃除』しなければならないけど」
エレン「大丈夫、俺達なら楽勝さ。ここにも、仲間になりそうな奴は何人かいるしな」
クリスタ「そうだよね。…うん、ありがとう。二人とも、これからも宜しくね!」
エレン「おう!」ニッ
ミカサ「ええ」ニコッ
-
- 149 : 2015/07/02(木) 03:38:01 :
- つ
づ
き
は
よ
-
- 150 : 2015/07/02(木) 03:38:35 :
- ほ
う
ち
か
い
?
-
- 151 : 2015/07/21(火) 22:28:02 :
- 作者さん頑張って下さい
-
- 153 : 2015/08/03(月) 21:04:42 :
- ホウチ ヤメイ
-
- 154 : 2015/11/18(水) 22:55:42 :
- 超絶期待!!
-
- 155 : 2016/11/20(日) 10:36:15 :
- 頑張ってください
- 著者情報
- 「進撃の巨人」カテゴリの人気記事
- 「進撃の巨人」カテゴリの最新記事
- 「進撃の巨人」SSの交流広場
- 進撃の巨人 交流広場