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このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。

苗木「キボウハ…マエ二…」

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  1. 1 : : 2015/05/16(土) 19:33:58
    初投稿です。衝動的に書きましたので割と雑です。

    こうしたほうがいいああしたほうがいいとかあれば是非教えてください!

    途中で作りも変えることもやぶさかでさありませんので、是非よろしくお願いします!
  2. 2 : : 2015/05/16(土) 19:36:02
    苗木「僕の名前は苗木誠。【超高校級の幸運】なんてクズみたいな才能だけど、覚えてくれたら嬉しいな!よろしくね!」

    彼は、何処か違和感がある。

    桑田「おう!よろしくな苗木!お前なかなか結構イケメンだな?なぁ今度一緒にナンパしね?」

    苗木「あはは!ありがとう桑田くん!でも夜更かしは程々にしないとダメだよ?将来有望なんだから!」

    平均より低い身長?中性的な顔立ち?それとも服装?

    大和田「へぇ、お前にも兄弟居んのか…」

    苗木「うん、出来のいい妹。昔っから良く懐いてくれてて、ここに来る時も一番喜んでたんだ!だけど身長が抜かされちゃって…」

    大和田「お、おう…」

    違う。そうじゃない。

    セレス「まったく、タダでさえ息が詰まりそうな状況なのに、石丸くんに続いて喧しい人がさらに増えるなんて…」

    苗木「はは、ごめんねセレスさん!でもこれからよろしくね!皆んなで仲良く過ごそうよ!」

    セレス「はぁ…」
  3. 3 : : 2015/05/16(土) 19:37:32
    立ち振る舞い、声色、表情。確かに騒がしいくらいには元気だけれど、別に違和感に思う所はない。

    苗木「すごい綺麗な筋肉しているねぇ、大神さん。きっと想像もできない努力をしてきたんだろうな」

    大神「日々の鍛錬と食事。そして何より、目標と譲れぬものがあれば、人はどこまでも強くなれる」

    苗木「そうなんだ!やっぱり心も強いんだね!大神さんは!」

    だけど…、彼を見ていると…、なんだかとても…

    苗木「ねえ、聞いてる?霧切さん」

    …っ!?

    霧切「…ごめんなさい、苗木君。ちゃんと聞いてるわ」

    苗木「あ、別に責めてるわけじゃないんだよ。ただなんか難しそうな顔してたから」

    霧切「…優しいのね。でもごめんなさい、やっぱり今は話をするような事はないわ」

    苗木「そっか分かったよ。またなんかあったら声掛けるね!」

    露骨な拒絶に嫌な顔一つせずに離れていく彼の笑顔は、曇りを知らない快晴の青空のように清々しかった。

    …そう、まるで映像の中の曇る事のないデジタルな太陽のような。
  4. 4 : : 2015/05/16(土) 19:39:37
    モノクマ「ヤってヤってヤりまくっちまえー!」

    舞園「…嘘、…ですよね」

    不二咲「そっ…、そんなぁ」

    唐突に告げられる現状。そしてそれを打破するための手段。コロシアイをせよ。

    三流ミステリーかと思ってしまう内容だけれど、残念ながらあのモノクマと名乗るぬいぐるみは本気らしい。

    現に先ほど、自爆して見せた。

    おそらくあと少し私が気づくのが遅れたら、掴んでいた大和田君はどうなっていた事か…。

    しかしそんな事件があったにも関わらず、彼は同じ事を繰り返そうとしていた。


    苗木「モノクマアァァァ!!!」
  5. 5 : : 2015/05/16(土) 19:40:19
    苗木「モノクマアァァァ!!!なんて事するんだぁ!もう少し遅かったら、大和田くんが怪我していた所じゃないか!」

    山田「ちょっ!苗木誠殿、危ないですぞ!また爆発したら危険ですぞ!と言うか怪我じゃ済みそうになかったですぞ?」

    石丸「そうだぞ苗木君!気持ちは分かるが暴力は良くない!」

    苗木「クッソ!離してくれ!僕はあのあん畜生をぶん殴らないといけないんだ!」

    モノクマ「おやおやぁ?さっきのアレ、見てなかったの?バカなの?学園長への暴力は禁止だって言ったよね〜うぷぷ」

    拳を握り締め、顔を真っ赤に染め怒り狂ってるような彼と、それを止める二人。そして何処か楽しげにそれを煽るぬいぐるみ。

    見ていてイライラする。

    彼の行動や周りの事にイライラしているのではなく、何にイライラしているのかわからない自分にイライラしている。

    一体何がおかしい?

    結局モノクマが消えた後も怒る彼を鎮めてから一旦解散する事になった。
  6. 7 : : 2015/05/16(土) 22:24:10

    再び全員で集まったのは食堂。今後についての打ち合わせという事らしい。すっかり彼も落ち着いて、今は自己紹介の時の笑顔で打ち合わせをしていた。

    そんな彼のおかげなのか、先ほどのような事があったにも関わらず、打ち合わせ自体の雰囲気はそこまで暗くならずに進んでいく。

    石丸「と言うわけで、皆んなで手分けして手がかりを探そう!きっと何が見つかるはずだ!」

    葉隠「何かって、なんだべ」

    朝日奈「そんなの此処を出る為の何かだよ!」

    葉隠「だから、何かってなんだべ?」

    朝日奈「それは…、そのぉ」

    苗木「まぁまぁ。とにかく探して見ない事には何も始まらないよ!とにかく行動あるのみ!何もなくっても、それが分かるだけでも大きな手がかりだよ!」

    霧切「そうね。私もそれに賛成だわ。まずはここについても詳しく知りたいし」

    どちらにしろ、この硬直状態をどうにかするには、彼の言った通り行動するしかないのだろう。
  7. 8 : : 2015/05/16(土) 22:27:30
    十神「ふん。勝手にしろ。俺は一人で行動させてもらう」

    そう言って立った十神君に合わせて、慌てて腐川さんも立ち上がる。
    勝手な行動をする彼らに、当然石丸君が声をかけかける。

    石丸「こら君達!勝手な行動は慎みたまえ!」

    十神「黙れ愚民。俺に指図するな。後お前、ついてくるな」

    腐川「そ、そんなぁ…」

    一方的に言い放つ十神君に、目すら合わせず冷たく言われ切なげに声を漏らす腐川さん。
    そして背を向けその場を去ろうとする十神君を、呼び止めようと石丸君が口を開けた時

    苗木「そっかぁ。十神くん別行動か。まぁまぁ石丸くん良いんじゃないかな?一人で居たい時もあるんだしさ!」

    石丸「っ苗木君!しかしだね、集団行動と言うのは…」

    苗木「石丸くん。協調性は大事だけど、一人ひとりの事も考えなきゃ。だって彼は今《とても不安》で、一人で居たいんだよ」

    十神「…ほう。この俺が不安だと?」

    苗木「あれ?違った?ごめんね!さっきの態度がウチの妹とそっくりで!あいつ怖かったり不安だったりするとすぐ強がるからさ」
  8. 9 : : 2015/05/16(土) 23:18:33
    期待です!!
  9. 10 : : 2015/05/17(日) 18:30:52
    十神「…おい。あまり下らないことを言うなよ?俺がお前の妹と一緒だと?貴様らのようなのと一緒にするなよ愚民っ」

    腐川「そ、そそそうよ!十神君があんたの妹と一緒な、なな訳ないじゃな

    十神「お前は黙っていろ!」

    彼の些細な一言が彼のプライドに触れたのだろうか。此処に来て初めて感情的になる十神君を、焦った感じで慌てて彼がなだめる。

    苗木「ご、ごめん!そんな怒るとは思わなくって!不安なのは皆んな一緒だから、そんなに周りに当たらないで」

    十神「俺が八つ当たりだと!?貴様良い加減にっ!」

    大神「二人とも、その辺りにしてはどうだ?特に十神、少し見苦しいのではないか?」

    大神さんの一言で、場が一瞬にして静まり返る。

    霧切「まさに鶴の一声ね」

    舞園「?何か言いましたか?」

    霧切「…いいえ、何でもないわ」

    十神「…っち!とにかく俺は別行動だ。貴様は勝手にしろ」

    桑田「言われなくてもそうするっての。なぁ苗木ー」

    苗木「そういうこと言っちゃダメだよ桑田くん。皆んな大切な仲間なんだからね!」

    桑田「へいへーい」
  10. 11 : : 2015/05/17(日) 18:32:28
    >>9さん
    ありがとうございますー!
  11. 12 : : 2015/05/19(火) 02:05:41
    優しく桑田君をたしなめる彼の言葉遣いは、なんだか友達を諌めるというより、子供に諭すような言い方だった。しかし意外なのはそんな言葉で注意された桑田君が、特に何も反応しない事だ。

    苗木「大神さんもありがとう。ごめんね」

    大神「何、今回はお主の優しさがあやつを怒らせたが、気にすることはない。皆、苗木に助けられておる」

    苗木「僕が?そんな、僕なんかが皆んなの役になんてたってないよ!だってさっきも十神くんをおこらせちゃったし…」

    時々彼が見せる、自分を下等な何かとしてへりくだるような態度。時に堂々と、時に今みたいな対応をする彼は、相変わらずよくわからない。

    セレス「あら、大神さんは先ほど気にするなと言っていたではありませんか。わたくしも、先ほどのは理不尽な八つ当たりに見えましたわ。それに、あまり自分を卑下してはいけませんわよ」

    不二咲「そ、そうだよぅ。苗木くんはこんな状況でも諦めないで私たちを励ましてくれてるでしょぉ」

    舞園「つまりそういう事です。もっと苗木くんは自信を持っていいと思いますよ!

    そうですよね、霧切さん!」

    霧切「…ええ、そうね。もっと胸を張っていいと思うわ」

    苗木「皆んな…。まだ会ったばかりの僕なんかのために、ありがとう!うん!こんな僕でも皆んなの役に立ってるなら嬉しいよ!」

    山田「いやですからそれを止めろと言っているのですぞ?」

    江ノ島「なんか気合の入れ方がズレてね?」

    苗木「あはは!ごめんごめん!」

    腐川「グギギィ!眩しい、笑顔が眩しいわっ!」

    明るい笑い声が溢れる。体育館での出来事がまるで夢か何かのように、食堂はすっかり和やかになった。もちろん全員が全員、そんな楽天的な気分ではないだろうけど、少なくとも表面上は。

    しかし、どうしたも私はそう手放しに今を受け入れる事ができずにいた。

    他でもない、彼のせいで…。
  12. 13 : : 2015/05/19(火) 15:54:29
    そしてそれから数日が経ち、現状の平和が許せないモノクマから〔動機〕が渡された。全員が促されるまま視聴覚室へ向かい、渡された〔動機〕を確認する。

    苗木「っな!」

    霧切「……」

    舞園「…っ!?」

    江ノ島「おいおい冗談じゃないわよ…!」

    周りの反応を見る限り、似たような内容なのだろう。

    内容は、おそらく大切なモノの破壊か何か。そして最後に「真相は卒業後に!」とふざけたテロップが流れた。成る程、これで外へ出たい欲求を煽るわけね。実際ほとんどの人が青ざめた顔をしている。

    そして誰よりも狼狽しているのは舞

    舞園「い、いや苗木「うわぁぁああああ!うわああああああああああ!!!!やだぁぁぁあ!!!うわぁああ!」

    全員「!?」

    …舞園さんの筈だったなのにも関わらず、苗木君が一番混乱しているみたい。

    苗木「な、なんだよコレ!何なんだよ!ふざけんなぁああ!!!うわぁああっ母さん!父さん!こまる!出なきゃ!ここから出なきゃ!!」

    霧切「っ!苗木君、落ち着いて、今はとにかく落ち着くの」

    苗木「き、きり、ぎりさん…」

    大和田「おう苗木!とにかく一回落ち着け!」

    石丸「大和田君の言う通りだ!とにかく今は冷静にならねば!」

    朝日奈「そ、そうだよ苗木…!私も驚いちゃったけど、慌てたってどうしようもないし!」

    明るく優しかった苗木君が一変してここまで錯乱しているような姿に、周りの皆んなは恐怖が伝染するかと思ったが、逆に冷静になれた人が居たようだ。いや、無理に活力を絞り出してるのかもしれないが、その理由はやはり彼が中心なのだろう。混乱を生みたかったモノクマは、どこかふて腐れたような仕草をして去っていった。

    しかし、最後に微かに、だけど確かに呟いた一言が、どうしても引っかかった。

    「…うぷぷぷ、今夜が楽しみだねぇ」
  13. 14 : : 2015/05/19(火) 20:04:14
    苗木誠…。【超高校級の幸運】として希望が峰学園に来た、私たちと同じ生徒。【超高校級の幸運】とは、抽選で選ばれたあくまでも一般人の筈…。未だ私は記憶が黙らないけど、私の感が、彼に強烈な違和感を告げている。


    一体彼は何者?

  14. 15 : : 2015/05/19(火) 20:05:20
    そしてモノクマが言っていた夜時間。アレの言葉から察するに今晩に動きがあるのだろう。ここは概ね想定通りでもある。なんせ、一部の人は大きく取り乱し、そうでなくても皆顔色が優れなかった。故に今回の動機とモノクマの言葉に騙されて、誰かが凶行に及ぶ恐れは大いにあった。だから私は密かにコインランドリーに隠れ、誰かが部屋から出るかどうかを確かめようとした矢先、

    よりにもよって、彼に出会ってしまった。

    「き、霧切さん?どうしたの…?夜時間は出歩きは、禁止だ、よ」

    霧切「…苗木君」

    振り向いた先にいたのは、先程よりも幾分か元気を取り戻したように見える彼だった。しかしやはりどこか不安げな雰囲気を醸し出していて、最初のような明るそうな空気は感じられない。

    かく言う私も、後ろから突然声をかけられ、内心動揺したが、悟られていないだろうか。などと場違いな考えが一瞬よぎるが、今はそんな事を考えている時ではない。

    とにかく今はこの場から退散しなければならない。幸い彼はお人好しの気があるようなので、適当に誤魔化して脱出を

    霧切「そういう貴方は、こんな時間に何をしし苗木「質問に質問で返さないでよ…っ」…」

    キッとつぶらな瞳でこちらを睨む彼は、見る人によってはある意味魅力的に感じるかもしれないが、今の私にとっては邪魔でしかない。恐らくは正義感で聞いているのだろうか。モノクマにあそこまで怒っていたのは彼だけだから。

    霧切「そうね。確かに失礼だったわ、ごめんなさい。これからコインランドリーに行くの。実は洗濯した筈のモノが無くって。だからちょっと探しに行こうとしていたの」

    苗木「…そう、なんだ。ごめんね、疑ったりして!僕なんかに声掛けられて不快だったよね!すぐ消え失せるから!
    …霧切さんも早く戻りなよ?」
  15. 16 : : 2015/05/19(火) 20:06:37
    そう言って彼はすぐに振り返り扉の鍵を開けて部屋の中へ姿を消した。扉がしまった音を聞いた瞬間、言いようの無い疲労感が口と共に溢れ出てきた。

    霧切「…はぁ。何なのかしら一体」

    自分の理解が及ばない相手と二人っきり、想像以上に緊張していたのかもしれない。もう今日は帰って寝よう。色々あったし疲れてしまった。また明日色々考えれば…は?

    霧切「…ちょっと待って。何で私"忘れてる"の?」

    わずか数刻前の、自室を出た理由。そして彼に出会わなければ行っていた監視。しかしそれは、彼との会話を経てすっかり抜け落ちていた。

    霧切「…っまさか、意識をずらされた!?」

    自分の不注意かもしれないが、そんなことを想像してしまう。彼の僅かな会話によって私の行動が《監視》から《自室待機》に差し替えられた、と。飛躍しすぎかもしれない。被害妄想の類か…。だけど、あるいは。
  16. 17 : : 2015/05/19(火) 20:07:00
    桑田「お?霧切じゃん。何やんてんだこんな時間に?」

    霧切「あら、桑田君」

    どうやらみんなで決めたルールは、割と破られているようだ。

    霧切「どうしたのかしら。夜時間に外へ出るのは禁止の筈よ」

    桑田「それそっくりそのままお前に返すわアホ。外に人の気配を感じたから覗いただけだっつーの」

    霧切「あらそう。ごめんなさいね。私もすぐに戻るわ」

    桑田「たくよ…」

    霧切「…ねぇ桑田君」

    なんとなく、声をかけてみた。

    桑田「ん?どした?」

    霧切「大したことじゃ無いのだけれど、ちょっと気になって。良いかしら?」

    桑田「んだよ。手短になー」

    霧切「時間は取らせないわ。…苗木君についてなのだけど」

    桑田「恋バナなら他所でやってくれじゃあなお休み」

    霧切「ちょっ!そんなんじゃないわ!誤解しないで」

    桑田「…なんだよ。好きな食べもんは草餅とか言ってたぞ」

    霧切「そんな情報今はどうでも良いの。貴方、苗木君について違和感とか感じなかったかしら?」

    桑田「違和感?なんでだよ。確かにあいつ、今日は空元気みたいな感じだったけどよ。昼間あんな事があったんなら仕方ねーっつーか」

    霧切「そうじゃないの。もっと日常的なところで、普段から何か感じない?」

    桑田「んー、卑屈な態度取る割には大人っぽい雰囲気が時々あるけどよ、それくらいだぜ?別に普通じゃね?」

    霧切「…そう、ありがとう」
  17. 18 : : 2015/05/22(金) 01:14:04
    ぶつくさ言う桑田君の戻る姿を見て、やはり彼への拭えない何かを確認したくなるのを抑えて、自室のドアノブを捻る。

    今度は自分の意思で自室へ帰るのだ。理由は、本来なら見つからずに隠れる予定が、すでに2人もの人に見つかってしまった事。もしこれ以上見つかる事があれば、このルールの崩壊がおこる。タダでさえ強制力のない物なのだから、私が壊してしまった場合真っ先に糾弾の的となる。そして事件が起こった暁には…。

    いけない。こんな状況で良くない考えが浮かび続ける。とにかく、こんばんは事件がない事を祈る事にした。


    【死体が発見されました!一定の捜査時間の後学級裁判を開きます!】


    恐れていた事が、現実となる。


  18. 19 : : 2015/05/22(金) 01:14:37
    朝起床し、朝食をとる為にヘアから出た瞬間、あたり一帯に異様な匂いが立ち込めていた。思わず眉を潜め、周りを確認すると、そこには同じように苦しそうな顔をしている石丸君と大神さん、それから彼がいた。

    思わず彼と目が合うと、鼻をつまみながら笑顔で手を振ってきた。

    石丸「これは一体どういう事だと言うのだ!?なんなのだ一体!」

    大神「うむ…確かにこの匂いは異常だ。誰か心当たりのある者はいるか?」

    苗木「…いや、僕は何も知らないよ。ねぇ霧切さん、何か知ってる?」

    ありふれた質問。流れ的に何も不思議ではない疑問。口調も何もかも別段変わりない。しかし彼が口にした瞬間、普通が普通に感じなくなる。疑心暗鬼だろうか…。だが、こんな事を考えている場合では無い。

    私はこの臭いを知っている。記憶になくても、体の底で覚えている。だけど…

    霧切「…」

    大神「どうした霧切よ。何か心当たりがあるのか?」

    石丸「そうだぞ霧切君!何か少しでもわかる事があるなら教えて欲しい!」

    霧切「…わかったわ。ついてきて」

    苗木「…」

    私は皆んなを置いて歩き出した。それは心当たりがあり、それを確かめるため。

    この心当たりが、外れている事を確かめるため。

    霧切「…っ!?」

    石丸「なっ、なあああああああ!?」

    【死体が発見されました!一定の捜査時間の後学級裁判を開きます!】

    大神「何だ今の報そっぬうう!?」

    苗木「…え、まいぞの、さん…?…え?」

    そこにあったのは、トラッシュルームで焼却炉に首から先を突っ込んだ状態で倒れてる舞園さんの死体だった。
  19. 20 : : 2015/05/22(金) 01:15:49
    いやもう完全に自分の所為なんだけど

    コメントの無さ絶望的ィィィィ!!!(ビクンビクン
  20. 21 : : 2015/05/22(金) 07:11:56
    き、期待です
  21. 22 : : 2015/05/22(金) 09:33:43
    >>21さん!

    あ、どもっす!ありがとうございまふ!
  22. 23 : : 2015/06/03(水) 23:10:07
    見入っているんだと思いますがね。
    期待です。
  23. 24 : : 2015/06/09(火) 17:21:07
    期待!
    更新待ってます!
  24. 25 : : 2015/06/09(火) 17:38:29
    期待!
  25. 26 : : 2015/06/15(月) 19:28:55
    みなさんありがとう!
    大好き!

    男だけど!
  26. 27 : : 2015/06/15(月) 19:29:00
    モノクマ「あーあ、起こっちゃった!起こっちゃいましたねぇ〜」

    唐突で、陽気な声が後ろからかけられる。振り向くまでもない。どうせ例の如くあの忌々しいマスコットがいる。

    霧切「モノクマ…」

    モノクマ「うぷぷ、コロシアイ!コロシアイですよ奥さん!いやぁこの瞬間を待ってました!」

    石丸「ま、待ちたまえ!コロシアイだと!?と言うことは、僕たちの中に犯人が…?」

    モノクマ「そのとーりです!オマエラの中に、舞園さやかをコロしたクロがいるのです!」

    大神「ふむぅ…」

    霧切「ねぇ、今の言った『クロ』とは何かしら?」

    モノクマ「おや、普通そこが気になる?流石ですねぇ霧切さん」

    霧切「え?」

    モノクマ「うぷぷぷぷ。それではオマエラ、折角なので体育館に、集合しやがれ!」

    間も無く、同じ内容の放送が校内に響き渡る。

    大神「…しかし、舞園をこのままにしておくには」

    石丸「しかし、モノクマを無視するわけにも…。くっ、それにしてもなんて匂いなんだ!」

    霧切「そうね。早い所体育館に向かいましょう」
    言うや否や顔を青く染めて駆け出す石丸君。まぁこんな状況だ。あれが普通の反応なのだろう。大神さんもやはり顔を歪めつつその場から離れた。強靭な肉体と精神を兼ね備える彼女と言えど、やはりここは非日常と言えるのだろう。では、かく言う私は?

    冷静に今の状況を分析をしている私は、何?






    苗木「…舞園さん。






    “行ってきます”」
  27. 28 : : 2015/06/17(水) 22:51:55
    遅れてやってきた彼は、江ノ島さんを突き飛ばしながら前へやってくると、昨日の朝のような形相で、怒涛の勢いで呼び出したモノクマへ言葉を浴びせる。

    ・この集まりは何なのか
    ・舞園さんが死んだ時、お前は何していたのか
    ・さっきの発言は何なのか
    ・お前はクマなのかタヌキなのか

    など、矢継ぎ早に騒ぐ彼。隣では突き飛ばされ?で頭がいっぱいの江ノ島さん。最後の質問にだけ過剰に反応したモノクマなど、カオスに相応しい状況が眼前に広がっている。

    そしてついにモノクマがキレた。

    モノクマ「だぁぁぁ!!うっさいよ!物事の意味を一々求めんなよ!意味不明!」

    苗木「うるさいモノクロタヌキ!三枚に下ろして煮込み鍋にすんぞ!」

    セレス「まぁ、汚い言葉遣い」

    モノクマ「またタヌキって言いやがったな!…いよぅし、やってやろうじゃんか!目の前の圧倒的な悪の迫力に、正直ブルってるぜ! だ、だけどなぁ!僕は悪に屈する気はない!!最後まで戦い抜くのがモノクマ流よ!! 僕を倒していけぇ!」

    腕を振り回しながら彼の元へ走るモノクマ。一緒ビグッと肩を震わせる江ノ島さんが目に入ったが、それどころでは無い事態になった。

    苗木「うぉらぁっ!」

    モノクマ「ヒデブッ!」

    彼がモノクマを、天高く蹴り飛ばした。

    俗に言う、サッカーボールキックという奴だろうか。
    しかし、空中の物体からは無情な声が響く。

    モノクマ「うぷぷぷ!学園長への暴力は校則違反だって、言ったよねぇ〜」

    江ノ島「っ!?危ない、苗木く」


    モノクマ「助けて!グングニルの槍!!!」


    ガッ
  28. 29 : : 2015/07/19(日) 00:58:16
    質問・・・
    僕を倒して行けってことはだよ・・・倒そうとする行為は
    ルール違反じゃないのでは・・・? 期待
  29. 30 : : 2015/07/19(日) 01:40:24
    あれ?江ノ島が苗木君って....きのせいかな?

    期待です
  30. 31 : : 2015/07/20(月) 21:52:37
    次の瞬間苗木のカッコいい所がみれたらいいな(ゝω・´★)
  31. 32 : : 2015/07/27(月) 20:57:57
    今三日坊主が発動してサボってました!
    書き溜めたらまた載せます!

    ちなみにモノクマのセリフは原作通りっすよ(ノ゚∀゚)ノ
  32. 33 : : 2015/08/06(木) 01:16:29
    WAO 確かめてみたらそうですね
    うーん どういう意味なんでしょうかね・・・
  33. 34 : : 2015/08/18(火) 14:00:45
    ガッ


    腐川「…、っは…」

    朝日奈「ちょっと…」

    息を呑む一同。

    モノクマ「……あれれ?おっkしいなぁ〜」

    江ノ島「………」

    ヘタレ混む江ノ島さんと、一同を見下ろすモノクマ。

    モノクマ「確かbくは、苗木くんに向かってgんグニruの槍を召喚sたはずなのに」

    カマセ「…これはどう言うことだ?」

    突然の事態について行けてないが、数少ない分かっていることは…

    苗木「…………」

    葉隠「て、転変地域だべ!」


    モノクマ「なんd僕が槍に、天joにhりつけにさrてrngggggggggggggggggピーーーーー」


    苗木「………あれれ?おっかしいなぁ?僕そんな強く蹴ったっけな?」

    山田「え、えぇっとぉ、モノクマを蹴り上げた苗木誠殿の足元から黒い槍が"一本"飛び出し、それが蹴り上げたモノクマを」

    セレス「見事貫き、天井へ串刺し、ですか」

    苗木「いやぁ、たまたまだよ」

    霧切「…ありえないわ」

    そう、あり得ない。
    蹴り上げた先のモノクマを、恐らく黒幕が呼んだ槍が貫くなんて、事前に準備をしていたか、最初っから狙いはモノクマ自身に合ったか、この二つの可能性が大きい。
    しかし、その二つとも絶対的に無いだろう。何故なら意味が無いから。モノクマは言った。我々の"絶望"を望むと。その言葉が本当ならこんな事あるわけが無いのだ。
    だが、まだある。
    もっとも、核心的で、もっとも楽観的で、もっとも考えたくない選択肢が。

    セレス「あら、随分面白い曲芸ですわね。もしかして、全部分かってらしたの?」

    苗木「まさか!衝動的に蹴っただけだよ。まさか天井まで行くとは思わなかったけどね」

    腐川「ば、バカ言ってんじゃないわよ。あ、アレは槍が天井まで突っ込んだ毛、結果じゃない」

    モノクマ「全くフザケンナよオマエラ!特に苗木くん!僕の体をよくも壊したな!高いんだぞ!」

    朝日奈「あ!新しいの出てきた!」

    怒っているつもりなのか、プンプンとジェスチャーのように腕を振り回すモノクマ。状況が違えば人気が出たかもしれないが、今はそれどころではない。

    モノクマ「くそう!校則違反をした苗木くんにオシオキをしてやろうと思ったのに、なんで壊れるのかなぁ。全く、スペアじゃなかったら即死だったよ」

    葉隠「それはそういう使い方で良いんだべか?」

    大和田「…知るかよ、てか今なんて言った?おいクマ野郎!今"壊れ"って」

    不二咲「それよりも、オシオキって?」

    モノクマ「えー?教えなきゃダメ?」

    大神「ダメだ。どういう事なのだこれは。貴様。何をしようとした」

    モノクマ「何を?そんなの決まってるじゃん」


    モノクマ「オシオキだよ。つまり"処刑"だよ、悪い生徒には罰を与えないといけないのさ」

    桑田「んなっ!?」

    山田「はっ、はわわわわわっ!このクマとんでもない事言ってる!?」

    モノクマ「だけど記念すべき校則違反第一号へのオシオキが不発だなんて…、しかも僕の体一つオジャンなんて…絶望的ぃ」

    十神「なるほど見せしめか。この場でお前は自分の力を誇示しようと考えた訳か」

    セレス「ですが、失敗に終わった。そうですわね?苗木くん」

    苗木「うん、本当"運が良かった"よ」

    朝日奈「おお!【超高校級の幸運】!」

    そんな都合のいい話があるだろうか。
    【超高校級の幸運】とは、抽選で選ばれた一般人。実験の一環。それがこんな豪運を持っているのだろうか?だけど何故か、その事を誰も気にしていない。これから先、果たしてどうなるのだろうか。

    その後、釈然としないモノクマによって、学級裁判についての話と、モノクマファイルを渡された。舞園さん殺しの犯人探しをせよとの事だ。既に検討は付いているけど、彼の行動が木になる。よってあえてまだ口にはしない。
    さぁ、どう出るの?あなたは…。

  34. 35 : : 2015/08/18(火) 14:03:14
    苗木「大丈夫だった、"江ノ島さん"」

    江ノ島「…っ」

    モノクマの説明の後、全員が一旦部屋へ戻っていき、捜査へ移る事になった。そう、私と彼以外は。

    苗木「やっぱり、ちょっと顔色悪いね。それにさっき突き飛ばしたりしちゃって、ごめんね」

    江ノ島「う、ううん。私は、大丈夫で、だよ。ほら、私って鍛えてるし、さ」

    苗木「そうなんだ!さっき押しちゃった時に引き締まった感触があったから、少し安心はしてたんだ!」

    不気味な、彼と二人っきり、体育館で。
    ここでの生活が始まってから真っ先に違和感を感じていた。しかし度々会話をしていくうちにその感覚も薄れ、時折忘れてすらいた。そしての事が更に彼への疑心を強めている。

    苗木「…本当に大丈夫?部屋まで送ろうか?」

    江ノ島「いや!マジで大丈夫だからさ!私も部屋もどんね!し、心配してくれてサンキュ!」

    苗木「あ…(´・ω・`)」

    そのまま彼を置いて体育館を後にする。一刻も早く彼の元から去りたい。さもないと、この違和感が"また消される"かもしれない。段取りが狂い始めた今、これ以上下手は打てない。去りゆく私の背中に、彼は一言声を掛けた。

    苗木「気をつけてね、【江ノ島さん】」

    いつも以上に優しく、誰も聞いた事がないであろうほど、絶望を抱かせる一言だった。
  35. 36 : : 2020/08/03(月) 02:57:46
    期待

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hutomashi

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