このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
この作品はオリジナルキャラクターを含みます。
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青桐の黒羽 Episode of「霧嶋 絢都」
- 東京喰種トーキョーグール
- 4742
- 49
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- 1 : 2015/05/06(水) 19:22:16 :
- どもっ、Mr.Eです!
突然ですが、《アヤト》こと霧嶋絢都の短編エピソードを書きます。
アヤトがアオギリに入るお話です。
彼はなぜアオギリに入ったのか?
彼はなぜアオギリに入ってすぐ幹部になったのか?
彼の心境は?
交互ご期待ください!
-
- 2 : 2015/05/06(水) 20:39:46 :
- 五年前
馬鹿(アネキ)と住んでいた家を出た。
周りは、人間との馴れ合いが大切だとか何とかウザかったから。
とにかく、むしゃくしゃした。
そして、強さが欲しかった。
強くなり、喰種が人間より上だって事をゴミどもにわからせてやる。
俺の羽で跳んでやる
ただ、それだけだ…それだけ───────
東京喰種 Episode of「霧嶋絢都」
〜青桐の黒羽〜
-
- 3 : 2015/05/06(水) 21:26:30 :
- ─────────────14区
輝きを見せる歓楽街の裏に広がる闇に、一人の少年とそれを取り囲む三人の男。
少年は見たところ中学生ぐらいであろう。
背は低くまだ幼いが、整った容姿と鋭い眼光は威圧感を見せる。
対する男たちは皆、体格がよく明らかに危ない連中だ。
それにも、関わらず少年は眼をそらす事なく睨みつけている。
「おい!お前か、最近ウチの喰場荒らしてる野郎は!」
男たちの中で前に立っている如何にもリーダーらしき男が声を張り上げた。
「おいおい、まだ餓鬼じゃん。餓鬼はママのオッパイでも吸ってろ!」
それに便乗し横に立っていた細身の男が少年をけしかけ、ゲラゲラと下品な笑い声をあげた。
「……ぜぇ」
黙っていた少年が口を開いた。
「アァ⁉︎何だって?」
「うぜぇって言ってんだ、雑魚」
ニヤリと馬鹿にするように笑う。
「ンだと、テメェ‼︎」ビキビキ
男たちはかなり短気らしく、子供に馬鹿にされ怒った。
両眼が赤くなる。
「テメェ、死んだぞ⁉︎」
「やってみろよ…雑魚がぁ‼︎」
少年は男たちに跳びついた────────
勝負は一瞬で着いた。
少年の圧勝。
男たちは手も足も出ず、少年の足元に倒れている。
「…弱ぇ」
そう言うと少年はリーダー格の男の腕を取りを捻り始めた。
男は声にならない声をあげた。
「ッッッ‼︎ぁッッッ‼︎」
骨が軋む音と肉が抉れ血管が千切れる音が喰種の耳にはよく聞こえる。
「おい」
少年は男に呼びかけるが男はそれどころではない。
仕方なく、捻る手を止めまた呼びかけた。
「おい、テメェらが仕掛けてきた喧嘩だろうが…負けるんだったら喧嘩売るんじゃねぇよ、バァー…カ」
「くっ……」
「この区仕切ってるの誰だ、教えろ」
「なんで────グゥっ‼︎」ビキビキ
「質問してんのはコッチだ。勝手に質問してんじゃねぇよ。また、勝手に喋ったら今度は折るぞ」
「わかった…わかったから…」
「んで、誰だ?」
「み、巳鉢って人だ…」
「どこにいんだよ」
「そ、それは知らない…あ、あの人は気紛れだか────ィいッ‼︎まっ、待ってくれ!本当なんだ!」
「チッ…役立たずが」
そう言うと少年は腕を一気に捻り上げた。
「グァァっっっ‼︎ぐぅぅッ!」
男は悲鳴を上げ、転がり回った。
「弱ぇ奴は奪われる…それはこの世のルールだ」
そう言い少年は男の顔面を思いっきり踏みつけた。
骨が折れる音と同時に血が飛び散った。
男は全く動かなくなってしまった。
「チッ……」
見上げた夜空は澄んでおり三日月が浮かぶ。
少年の名は霧嶋 絢都(きりしま あやと)
ここ東京に住む喰種である。
-
- 4 : 2015/05/07(木) 18:38:31 :
- パートナーやらせていただきましょうか?
学校であまりできませんが
-
- 5 : 2015/05/07(木) 19:23:51 :
- あと文章力がひどいです
-
- 7 : 2015/05/07(木) 20:47:24 :
- Mr.E
さんよろしくです
仲良くしましょう
-
- 8 : 2015/05/07(木) 21:15:04 :
- >>7
こちらこそ、よろしくです
作者さん!
-
- 9 : 2015/05/08(金) 16:18:53 :
- ─────アヤトがこの14区に来て一週間
手当たり次第に喰種を締めて回った。
彼にとって喧嘩はトレーニングと同じ、とにかく強い奴と戦いたかった。
戦い、殺し、共喰いを続けた。
只々、強くなるために。
しかし、もう相手になるほどの強敵はいなかったのでこの区を仕切る「巳鉢」と言う喰種を探していたが…
「…チッ、クソが全然見つからねー…」
前に殺した奴によれば、その巳鉢と言う喰種は気紛れでいつもどこにいるかはわからないらしい。14区内にいるのは確かだが…
時は22時。今日は仕方なく諦め、また明日探すことにした。
「今日はどこで寝るか…」
ここに来てからはずっと野宿だ。
最初は外で寝ることに抵抗があったが、もう慣れてどこでも寝ることができた。
しかし、季節は冬。
喰種と言えども寒い。
寒さだけは慣れることができるものではなかった。
「今日は一段と冷えるな…どこか…ん?」
裏路地をチラッと見た時、テントの様なものが見えた。
気になり、近付いて見てみるとキャンプ用の簡易テントが建物の間に張ってあった。
中を覗いて見ると誰もおらず、雑誌や服などが綺麗に積まれていた。
「…ここにするか」
靴を脱ぎ中に入ると割と広い。人一人が寝るには充分だった。
アヤトは丸めるように体を縮め、眼を瞑った。
(…ぜってー、巳鉢て野郎を見つけてやる…
俺には力が必要だ…強く…もっと……強く……)
-
- 10 : 2015/05/08(金) 17:50:54 :
- キキキキキタイ
-
- 11 : 2015/05/09(土) 10:23:45 :
- 期待です
-
- 13 : 2015/05/13(水) 07:59:44 :
- ───────────────朝
テントの隙間から射す日差しと外から聞こえる賑やかな音がアヤトを目覚めさせた。
(……今、何時だ……ん?)
目覚めて気ずく、自分の背中が暖かい。
それにとても柔らかい。
そして自分の腹に巻きつく見知らぬ腕。
「・・・うおおッ⁉︎」
勢いよく起き上がり、状況を理解しようとする。
しかし、頭が追いつかない。
とりあえず・・・
「だ、誰だ!テメェ‼︎」
アヤトの腹に巻きついていた者の正体…
それは、紫の髪に下着姿の若い女だった
「うーん……うるさいですね〜」
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- 14 : 2015/05/13(水) 16:16:06 :
- 女は起きたかと思うと、またアヤトの体に抱きついた。
「お、おい!テメェ!離せ!」
「うーん……あと五分……zzz」
女が真正面から抱きつき顔がアヤトの目の前に来る。
剥がそうとしたが、その華奢な体からは想像できないほどの力で引き剥がすことができない。
「お、おい……いい加減に…っ!」
パチッ
その時、女の目が開いた。
そして、アヤトを見るなり目を見開いた。
「・・・くまさん?」
「違う‼︎て言うか離せっ‼︎」
「うーん、くまさんイケメンになりましたね〜チューしちゃお」
「ハァ⁉︎お、おいお前・・・ッ!」
俺の初めてがぁ‼︎──────────
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- 15 : 2015/05/13(水) 17:23:52 :
- ワオ///期待!
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- 16 : 2015/05/13(水) 17:42:41 :
- >>15
アヤトは童貞と見た
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- 18 : 2015/05/19(火) 16:20:10 :
- 期待です!
紫…あっ…
違うかな…期待です!(二回目)
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- 19 : 2015/05/25(月) 20:32:21 :
- >>18
期待ありがとうございます!
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- 20 : 2015/05/25(月) 20:41:22 :
- 「ん〜くまさん〜」
「なっ、お、おい、やめ……ッ‼︎」
な、なんだよ、こいつ⁉︎寝ぼけてんのか⁉︎
しかも、さっきからくまさんて…
あ! そこにあるクマのぬいぐるみのことか!
て、おいっ! 人とぬいぐるみを…あ、突っこんでる場合じゃ…うおおっ⁉︎近い近い近い近い近い近い近い近いッ‼︎
あ、もう鼻と鼻があたっ────────ンチュ
………………………あ
-
- 21 : 2015/05/31(日) 19:23:17 :
- 二回目///
-
- 22 : 2015/06/09(火) 22:37:17 :
- え……嘘だろ…
うん、嘘だ。絶対、嘘だ。
てか、夢だ。たぶん、これは夢。
いや、どんな夢だよ…
溜まってんなぁ…俺。
最近……やめとこう。生々しくなる。
てゆーか……
「いいかげん、離れろぉ‼︎」
「ぶへぇっ!」
両手で突き飛ばした華奢な体はゴロゴロと転がり、重なった本にぶつかった。
本の山は雪崩のように崩れた。
昨日は暗くて気づかなかった。
こんなに本があったとは。
「つつ…あれ、私……あ、メガネが…」
紫の髪の女は本の山の中をゴソゴソと漁る。
ん? メガネ? これか?
「おい…これか?」
側に落ちていたメガネをぐいと押し付けた。
女はそれを目を細め、確認する。
「あっ! これだわ、ありがとう……え? あなた…誰? あれ、あたし何で裸…ッ‼︎」
「え?」
次の瞬間、耳が裂けるような金切り声と共に雷撃のような蹴りが飛んできた。
-
- 23 : 2015/06/11(木) 05:24:14 :
- 雷撃の蹴りwなんかナルトの雷影みてぇだ
期待です
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- 24 : 2015/06/16(火) 22:18:17 :
- >>23
期待ありがとうございます
すいません、僕ナルトわからないんですけど
、強い蹴りを表現しようと思ったらこうなりましたw
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- 25 : 2015/06/17(水) 18:22:17 :
- 面白すぎるゥゥゥゥ
ァァフォオォルゥテッシモッッッフォーー
-
- 26 : 2015/06/17(水) 18:25:57 :
- そのままアヤトは女と突き合って…… グフフフフフフ(ゲス
-
- 27 : 2015/06/17(水) 18:58:45 :
- >>26
あ、ありがとうございます(ヒキ
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- 28 : 2015/06/18(木) 04:09:50 :
- アヤトくんは半殺しにでもされるのかな
(殺)
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- 29 : 2015/06/20(土) 14:29:15 :
- ハヨカケヨ
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- 30 : 2015/06/21(日) 10:49:03 :
- >>29
すいません、事情があって放置してました
本当にすいません
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- 31 : 2015/06/21(日) 11:20:44 :
- ─────────────ッ
目を開けると赤黒い空が見えた
周りを見回すと裸の眼鏡女とテントは消えていた
あの腐れ女の蹴りのせいでかなりの間気絶していたみたいだ
「いてぇ…くそっ…あの女どこ行きやがった…見つけたら殺す……ん?」
なんだ……これは…血の匂いか?
しかも、この血…多分喰種だ
「…あっちか」
暗い裏路地の奥から匂いがしている
匂いの濃さからして近い、しかもかなりの量だ
息を殺し奥に進む
進めば進むほど匂いはきつく、鼻を刺激した
「ん? なんだ?」
道の真ん中に何かが落ちている
血に塗れた異物…いやこれは…人の右腕か
その右腕は所々骨が飛び出していて、五本の指は本来曲がるはずのない方向へ曲がっている
これは多分拷問の後だ
たく…胸糞悪りぃ…俺でもこんなことしねぇよ
その時、不意に奥から何かが飛んできた
素早く反応し、後方へ防御姿勢をとりながら跳躍
なんだ⁉︎ 攻撃か?
臨戦態勢をとる
しかし、飛んできた物は赫子などではなく顔面が抉れた人の頭だった
鼻は切られ左目は抉り取られ右目は飛び出している
口は首まで裂けており、頭の肉は皮一枚のところでこめかみからぶら下がっている
あまりにも酷い…常人であれば悲鳴を上げ逃げ出しただろう
しかし…一体誰が……
「なんだい? 君も彼のお友達かな?」
「えっ?」
声が聞こえた瞬間、腹が熱くなり視界がボヤけた────────────────
-
- 32 : 2015/06/21(日) 21:24:03 :
- ボヤけていた視界は背中からの衝撃で一気に晴れる
「ッッッ…ハァッ!」
詰まった息が吹き返す
なんだ…何がっ!
熱くなった腹を抑えようとした
しかし、そこにあったのは突き刺さる赤黒い赫子
「なんだ…よ、これ…⁉︎」
「君…まだ生きてるんだ、やるね」
声の方向…裏路地の闇から出てきたのは身長180㎝はあろう大男でフルフェイスのマスクを装着している
そのマスクはホッケーマスクのような形をしている
こいつは…聞いた事がある
ホッケーマスクに金髪…間違いない
13区の死神──────────ジェイソンだ
-
- 33 : 2015/06/21(日) 22:28:54 :
- …チッ、なんでやつが14に
でも、関係ねぇ……いきなり俺に攻撃しやがったんだ……ただじゃ…
「すまさねぇ‼︎」
「!」
体内のRc細胞が激しく暴れ、全身が熱くなる
両眼は禍々しい赤色に染まり、肩からは黒い羽が皮膚を突き破り現る
その羽でジェイソンの赫子を斬り離し、一定の間合いをつくるため後ろに跳躍する
「君やるね…僕、ますます…」
「気に入ったよ‼︎」
「!」
二本の赤黒い赫子もとい鱗赫がジグザグに迎撃してくるが、落ち着いて躱しまた後ろに跳躍する
赫子がぶち当たった壁は粉々に砕け、砂埃をたてる
やつの赫子……鱗赫か
本数は二本、特徴的なのは鱗が一枚一枚返しのようになっていること
これが破壊力を産んでいるのか…
チッ…やっぱ厄介だな
こっちはまださっきの赫子の攻撃と壁にぶつかった衝撃でまだ傷が完全に癒えてねぇのに…
でも、まぁ…
つま先に力を込め出来るだけ高く跳躍する
ジェイソンは反射的に身構える
「関係ねぇがな!」
「ぐぅッ!」
大きな発射音と共に大量の羽赫の矢が放たれる
矢はジェイソンの二本の赫子を砕きいた
ジェイソンは腕を交差させ顔の前で盾にするが、他の部位を矢が捉える
その反動で大きな体が壁まで吹き飛ばされ、ぶち当たる
「ぐぅッ…ふぅ!」
「さっきのおかえしだ、デカブツ野郎」
「君……強いね…でも調子に乗らないほうが…」
「いいヨォ‼︎」
「!」
高速接近からの赫子の迎撃
さっきよりも赫子のキレが増している
やばい逃げきれない!
二本の内の一本は赫子で防いだが、残りの一本が左脚に容赦なく刺さる
俺の身体が宙づりになった
「君の赫子…なかなかいいね。羽赫の割には一発一発が重いでもね、君だけじゃなく羽赫は全体的に接近戦が弱い、だから…」
「ハッ」
「…何がおかしい」
「テメェの頭だよ、なんだただのキチガイかと思ったがちゃんと考える脳はあるんだな」
「なん…だと」
マスクの下からでもわかる
やつは顔に青筋立てて怒ってる
単純なやつだ
「接近戦が弱い? ハッ、さっきからゴタク並べて笑えるよ…俺はなぁ…接近の方が得意なんだよ!」
さっきまでうねらせていた羽を結晶化させる
さぁ…ここからだ‼︎
-
- 34 : 2015/06/22(月) 20:52:52 :
- 結晶化した羽を結合させ、一本の大きな刃にする
身体を半回転させた勢いでジェイソンの赫子を真っ二つに斬る
ジェイソンはステップバックで距離を取るが、関係ない一気に距離を詰める
さっきまで、距離を取った闘いをしていた相手が距離を詰めてきたことにジェイソンは驚いた様子だ
そのおかげで隙ができた
それを見逃さない
「バン」
豪々しい音と共に数多の光の矢がジェイソンを包み込む
「ぐっ……あッッッ‼︎」
ジェイソンの身体に無数の矢が刺さり、血が噴出す
「ハッ…ハッ…こん…のぉ…ガキィィ‼︎」
「ハッ! 無様だな。ガキ相手でも舐めてかかるんじゃねーよ、バァー…カ」
-
- 35 : 2015/06/27(土) 09:29:36 :
- 「調子に乗りすぎたな……ガキィィ!」
ジェイソンは指を鳴らす
次の瞬間から、さらなる力がジェイソンの身体に纏う
聞いたことがある
己を纏う赫子を持つ者……赫者
見たところ完全ではない、半赫者ってとこか
さぁ……こい
どれだけ強く……
「え?」
刹那、ジェイソンの巨躯が消えた
どこだ
横?
下?
後ろ?
違う──────────上‼︎
「俺に奪わせぇろぉぉお‼︎」
鱗赫による連続攻撃
一撃一撃が重い
振動で背骨が響く
患部から血が飛び散る
口の中で鉄の味が広がり、腹の中から込み上げてきた液体が口から噴出す
天地が逆転する
あぁ、やばい……死ぬ
なんで、俺は……俺はこんなに弱いんだ……
力が欲しイ……羽ガ…ホシイ……キョウシャハ
「オレダ」
力が漲る、傷が癒えてく
二つの羽は腕を包み込み、剣のようになった
今までに感じたことのない、高揚感
そしてこの赫子
これは本当に羽赫か?
今はこれが何かはわからない、ただ…
俺はまだ、戦える‼︎
-
- 36 : 2015/07/02(木) 23:45:53 :
- 遅い
-
- 37 : 2015/07/04(土) 19:02:10 :
- >>36
すいません、今テスト期間中で書けないです…
あと4日お待ちいただけたら更新できます
いつも遅くてすみません
ご愛読くださってる皆様これからもこんなものですがよろしくお願いします
-
- 38 : 2015/07/07(火) 21:33:46 :
- 「ふぅー…ふぅー…」
不思議だ…全身が重くて、今にも倒れそうなのに不思議と落ち着いている。
足が動く。右手も動く。左手も動く。いける‼︎
つま先に力を込め、距離を詰める。
ジェイソンが反応し赫子を横に振るう。
体を軽く逸らし回避。顎が地面に着きそうなぐらい低く走る。
剣は圧倒的な存在感を放つが羽のように軽い。
軽すぎて剣のことさえ忘れるほどだ。
ジェイソンとの距離約二m。剣が届く!
「ラァッ‼︎」
「ッあ⁉︎」
一突き、二突き。貫通はするが、すぐに癒えるな……剥がすか
もう一撃。今度は突きではなく。左上からスラッシュを斬った。
しかし、攻撃を中止。後方へ飛び、距離を取った。
……厄介だ。あの再生力もそうだがヤツのあの赫子がとにかく邪魔だ。
それに接近ではまだヤツの方が上。
ただ、突っ込んでも無意味。
ここは遠距離攻撃で怯ませて……
強烈な殺気を感じたのはこの時だった。
ジェイソンではないもの──────上か!
上に視界をやる。
ビルの非常階段にシルエットが見えた。そこには白銀の短髪にマスクを口につけた高身長の男が立っていた。
「你好」
-
- 39 : 2015/07/08(水) 21:04:53 :
- 男は高さ5m以上はあろうところから飛び降りるとこちらを見つめ、口を開いた。
「お前……名前は?」
「…あ?」
「名前だ。あるだろう」
「…霧嶋絢都」
なぜ、答えてしまったんだろう。
ヤツは明らかに危険だ。なのに名前を聞かれ、答えてしまった。
体がこいつには逆らうなと危険信号を鳴らしているからだ。
「霧嶋……お前…俺たちのとこに来るか?」
「あ?…どういう……」
「だから、俺たちのところに来るんだ」
「は? なんだいきなり、意味わかんねぇー。テメェ、人に指図する前に名前ぐらい名乗れよ。バァー…カ」
「……俺の名は」
次の瞬間、男が消えた。
目を見開いた時には遅く、首を鷲掴みにされた。指が喉に食い込み声がうまく出なかった。
「タタラだ。そして馬鹿が嫌いだ、要領悪くてムカムカする」
「くっ…はぁ……は、はなせぇ…」
「うん、今離す。ノロ」
タタラが軽く俺の体を宙に投げ飛ばした。
そこにまるで蛇のような太い赫子が体に捻じ込まれてきた。
体が鞭のようにうねり、壁にぶち当たった。
体内すべての内臓にパンチをくらったような感覚に襲われ、みるみると視界が暗くなっていった───
-
- 41 : 2015/07/11(土) 11:06:36 :
- ────────……ッ
なんだ……俺…何してた…
……そうだ、ジェイソン…ヤツと戦っていて…それで……
その時に気づいた。
俺の体は椅子に縛り付けられ、自由を奪われていたことを。
目も布で巻かれて視界がゼロの状態だった。
「んだよ……ここ…おい! なんだよ、これ! 外せ!」
「気がついたか」
暗闇の中で聞こえた声に悪寒が走った。
そして、頭の中で一人の声と結びつく。
「テメェ…さっきの! さっさとこれ外せ‼︎」
「うるさいやつだな…」
自分の光を拘束していた布が外される。
目の前にはさっきのタタラと名乗った男とタタラより背の高い不気味なボディガード?が立っていた。
頭が混乱している中で一つの言葉を絞り出す。
「…ここは…どこだ」
「ここは11区。アオギリの樹のアジトだ」
「俺をどうする気だ」
「それは君の答えで変わる…これが最後だ、霧嶋…アオギリの樹に入れ」
「…嫌だと言ったら」
「無論、殺す」
「お前たちの……狙いはなんだ」
「『鳥籠』を壊す」
「『鳥籠』?」
「あぁ。霧嶋…この世界はおかしいとは思わないか?」
「…」
その答えは勿論Yesだった。
この世界に不満を持たないやつのほうが変だからだ。
「俺たちは一つの命にしか手をかけない。それに比べ人間は多くの命に手をかけ、奪い、壊す。どう考えても悪は人間だ。なのに…」
「俺たちが否定される」
「そうだ。ヤツらは俺たちの生き方を否定した、存在自体も。だから、俺たちはその世界を『鳥籠』を壊す。霧嶋、お前は何かのために力を欲している、そうだろう」
「……あぁ、そうだ」
「ヤツらが気に食わないだろ」
「気に食わない!」
「ヤツらを殺したいだろ」
「殺したい!」
「ならば、俺たちと来るんだ。力をやる」
「………わかった。俺は…アオギリの樹に入る」
-
- 42 : 2015/07/11(土) 11:21:00 :
- その後、聞いた話だとあの時タタラ達は「神代リゼ」と言う喰種を探していたらしい。
そして、俺があの時会った紫の髪の女がそうらしい。
だが、今はもうリゼは必要なくなったさらに強い「個体」を手に入れたとかなんとか……
とにかく、あれから5年。
俺は死に物狂い戦ってきた。
今では幹部にもなった。部下もできた。力も…つけた。でも、まだ足りない。
もっと力がいる…もっと…
「高いとこ好きだね。アヤトくん、タタラさんから伝言」
「…エト」
「考え事してたの?」
「…少し、昔の事を思い出していた……それよりなんだ?」
「タタラさんが今度の「オークション」でボディガードやってほしいって。マダム相手の仕事はいいお金になるから、お願いしていい?」
「編成は?」
「アヤトくんのチームとナキさん、あとはミザさんたち…かな?」
「……わかった」
…多いな
「あ、アヤトくん。もし「フロッピー」が来たら片付けといてね」
「……ああ」
お前達がそうしたんだろうが……
でも、今はやるしかない。
俺は跳ぶ。このクソッタレな世界でも。
ここで、俺の羽で跳んでやる────────
end
-
- 43 : 2015/07/11(土) 11:24:31 :
- ご愛読ありがとうございました。Mr.Eです。
はあぁー……やっと終わったぁあああ!
かなりの亀投稿ですいませんでした。
もともと、もっと短編になるはずだったんですがまぁまぁ長くなっちゃいました(笑)
いやぁー…キャラの過去って考えるの難しい!
まぁ、何がともあれなんとかなったんで良しとしましょう(笑)
最後にもう一度、ご愛読ありがとうございました!
-
- 45 : 2016/11/24(木) 04:49:38 :
- 最高
- 著者情報
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