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ユミル「エレンの野郎が死んだ!?」ミカサ「皆は一体どこに…」

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  1. 1 : : 2015/05/05(火) 18:58:26
    アルミン「エレン!!ミカサ!!どこぉ!?」スライム「ピギー!!」
    http://www.ssnote.net/archives/32924
    の続きです。

    進撃×DQ。
  2. 2 : : 2015/05/05(火) 20:22:11
    夜、西の王都、宿屋…


    ユミル「どういうことだ!!あの野郎が死んだ!?」



    サシャ「」スー

    ライナー「…あぁ。エレンの幽霊を見た」




    ユミル「…!」



    ライナー「お前は、こっちの世界での幽霊のことは…」


    ユミル「知ってるよ…」
  3. 3 : : 2015/05/05(火) 20:29:35
    ユミル「…そうか……エレンが…」


    ライナー「喋れるならお前はまだマシだな。サシャなんかずっと泣き腫らして、挙句の果てに寝てしまったからな…」


    ユミル「…泣きつかれたんだろ。静かで良い…」





    ユミル「…」



    ユミル「…このこと、ミカサたちにはまだ黙っとけ。私は風に当たってくる」


    ライナー「…今夜は……風が強い」


    ユミル「…」


    ライナー「外の声なんて……誰にも聞こえやしないだろう…」


    ユミル「…悪い」スタスタ
  4. 4 : : 2015/05/05(火) 20:35:17
    ビュオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォ…



    ユミル「…」





    初めてあの野郎と話した時………今思えば意外だが、話しかけたのは私からだった。


    あの時も、こんな風の強い夜だった……。




    ——――—————————――———
    —―――――――――――――
    ――――――――――
    ――――――
    ――
  5. 5 : : 2015/05/05(火) 20:37:31
    >>4 訂正


    ビュオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォ…



    ユミル「…」








    初めてあの野郎と話した時………今思えば意外だが、話しかけたのは私からだった。


    あの時も、こんな風の強い夜だった……。



    ——————————————————
    —―――――――――――――
    ――――――――――
    ――――――
    ――
  6. 6 : : 2015/05/05(火) 20:38:45
    >>5 訂正


    ビュオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォ…



    ユミル「…」








    初めてあの野郎と話した時………今思えば意外だが、話しかけたのは私からだった。


    あの時も、こんな風の強い夜だった……。



    ―――――――――――――――――
    ―――――――――――――
    ――――――――――
    ――――――
    ――
  7. 7 : : 2015/05/05(火) 20:43:14


    ユミル『はあ、はあ…』タタタタタ


    くそっ、ふざけんなよあのハゲ教官!

    一人で訓練の後片付けさせられたせいで飯食うのも遅れるし、
    風が強くなってきて作業も遅れるし…!






    ビュオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォ!


    ユミル『うわっ…!』
  8. 8 : : 2015/05/05(火) 20:54:11

    なんだよこの風!飛ばされる所じゃねえか!

    クリスタに来るなって言っといて正解だったな…。


    ユミル『近くに屋内対人格闘場があるな。風が収まるまで休んでいくか…』




  9. 9 : : 2015/05/05(火) 20:59:29

    ユミル『…』




    エレン『8…9……950……1…2…』グッ グッ



    ユミル『…お前……エレン・イェーガーか?なにやってんだ?こんな時間、こんな場所で…』


    エレン『ん…?誰だ…お前』

    エレン『オレは自主訓練やってんだよ。日課なんだ』
  10. 10 : : 2015/05/05(火) 21:08:04
    ユミル『いくらこの中に風が入ってこないからって…呑気すぎだろ』


    エレン『…風?』



    ビュオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォ…!



    エレン『うお、本当だ!なんだあの風!?』

    ユミル『∑気づいてなかったのかよ!』

    ユミル((どんな集中力だよ!?))
  11. 11 : : 2015/05/05(火) 21:13:38
    エレン『…ん?お前は何しに来たんだ?お前も自主訓練に来たのか?』

    ユミル『てめえと一緒にすんなっての。私はこの風が収まるまで避難しにきただけだ。…くそっ、飯を食う時間がさらに延びちまう!』

    エレン『なんだ、お前も飯まだなのか?』


    ユミル『あぁ…………って、ん!?お前も!?』クル


    エレン『オレもまだなんだ!後で一緒に食べようぜ!』
  12. 12 : : 2015/05/05(火) 21:20:07
    ユミル『お前は普通に飯食う時間くらいあったろう!?』

    エレン『あぁ、あったけど?』

    ユミル『なんで飯食ってねぇんだよ!?』

    エレン『だから、自主訓練しなきゃって思ったから』


    ユミル『はぁ!?おま、本気で言って………………!?』



    エレン『』ジッ


    ユミル『…!!』




    …本気だ。
  13. 13 : : 2015/05/12(火) 17:04:41
    ドラゴンクエストと進撃どっちも好きな俺としては最高にたぎるSSだぜ
  14. 14 : : 2015/05/13(水) 23:04:43
    ユミル『お前……イカれてるよ』


    エレン『は?』




    私の口から出た言葉はそれだけだった。
    いや、それしか出なかったんだ。


    目の前のバカをからかうことも、
    精々やってなっていう呆れた言葉を出すことも、
    …何も、出来なかった。


    それはやっぱり、目の前のアイツが真剣だったからだと思う。


    真剣だから馬鹿に出来なかったし…
    …放っとけないから無視することも出来なかった。
  15. 15 : : 2015/05/13(水) 23:05:08
    ━━━━━━━━━
    ━━━━━━━
    ━━━━━
    ━━━



    ユミル「…」






    …人の死なんて、いくらでも見てきた。





    エレン『ユミル、お前ってさ…クリスタ以外にも優しくなれるんだな』




    ウォール・マリアとウォール・ローゼの間でも、惨劇を目にしてきた。




    エレン『なんだよユミル、お前強いじゃねぇか!』パァッ




    なのに、なのに……!
  16. 16 : : 2015/05/13(水) 23:05:30
    エレン『…なぁ、ユミル』



    エレン『お前、いつか言ったよな? オレがイカれてるって』


    エレン『…けど、オレは好きで異常者でいるわけじゃない。異常でいないといけないんだ』


    エレン『自分の成し遂げる目的が、普通じゃないなら…』



    エレン『…オレは、異常でいるよ』ニッ


    エレン『…ま、お前も十分異常だけどな。クリスタに対して』ハハッ

  17. 17 : : 2015/05/13(水) 23:05:59
    「…うるさい奴だった。自分のことは省みないくせに、他人ばっかり気にして、ぎゃあぎゃあ騒いで…」ポロッ






    ユミル「…うるさい…奴だったよ」ポロポロ







    …あぁ。


    雨でも降ってるのか?


    ……いや。


    …これは私の…。






    「…畜生……」ポタポタ





    …勝手に死んでんじゃねぇよ、死に急ぎ。







  18. 18 : : 2015/05/13(水) 23:06:28

    西の王都、大通り…






    ビュオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ…







    アルミン「…」スタスタ






    ━━━━━━━━━
    ━━━━━━━
    ━━━━━
    ━━━




    ゲマ『あなたの仲間は、あなたを含めて13人に対して、現在占いでは11人……』



    ゲマ『誰か二人は……亡くなっています』




    ゲマ『これは、残り二人がどこか別の世界にいるわけではありません。魔界にいるなら魔界にいると出ますから』




    ゲマ『私の占いは、特定した生物がそのままの状態……つまり生きてさえいるならば、水晶に映し出すのです』




    ゲマ『…それでもなお、占いに出ないというのであれば………それはそういうことです』




    ゲマ『…真実を知るのは恐いでしょう?』




    ゲマ『されど恐怖……恐怖を感じることこそが、生きているということなのです』





    ゲマ『…真実を知りたくば、紙にそれぞれの人物を想いなさい。さすれば、誰が生きているか……誰がもう会えないか、たちまちにわかるでしょう』

  19. 19 : : 2015/05/13(水) 23:07:00

    ━━━━━━━━━
    ━━━━━━━
    ━━━━━
    ━━━





    ビュオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ…





    アルミン「…」スタスタ




    アルミン「…」スタスタ




    アルミン「…」スタスタ






    アルミン「…」スタ…スタ…






    アルミン「…」 …ピタッ









    「…どうしたら良いんだろう…?」




  20. 20 : : 2015/05/13(水) 23:07:30
    エレンは…生きてるよね?





    エレン……君がいなかったら、僕は…!







    アルミン「」ハッ




    何を考えてるんだ!?



    エレンさえ生きていれば良いなんて…。



    まるで、他の皆にエレンの為に死んでいてくれって言ってるようなものじゃないか!!





    アルミン「…最低だ……僕は」



    アルミン「…」



    アルミン「…」




    アルミン「……でも」





    「エレン、君だけは…」
  21. 21 : : 2015/05/13(水) 23:07:47
    宿屋前…




    アルミン「…真実を知る勇気……」


    アルミン「恐怖を、悲しみを味わう覚悟は、まだないよ……ゲマさん」




    アルミン「…皆に言う勇気も…」





  22. 22 : : 2015/05/13(水) 23:08:20
    アルミン「…あれ、ユミル? あのベランダに繋がっている部屋が僕たちの部屋かな…?」


    アルミン「…行こう」スタスタ



    今は…まだ…





  23. 23 : : 2015/05/13(水) 23:08:37
    数十分後…




    西の王都宿屋、アルミンたちの宿泊部屋にて…




    ミカサ「…」





    ジャン「だぁからなぁ!!なんでついてきたんだよ!!」



    女「この王都には至る所に衛兵たちがいるのだ!仕方ないだろう!?」



    ジャン「お前さっき衛兵をアゴで使ってたじゃねぇか!」



    女「あれはあれ、これはこれだ!」




    サシャ「」スー




    ライナー「…よお、ミカサ」



    アルミン「おかえりミカサ」




    ユミル「…何か……手がかりはあったか?」
  24. 24 : : 2015/05/13(水) 23:11:16

    ミカサ「…その人はだれ?」


    ライナー「よくわからんがジャンが連れてきた。訳有りのようだ」


    ジャン「連れてきたんじゃねぇ、着いてきたんだ!」


    女「この私を案内出来たんだ、光栄に思え!」


    ジャン「あぁ!?」




    ミカサ「…」

  25. 25 : : 2015/05/13(水) 23:11:40

    ミカサ「何故サシャは寝てるの? 確かに遅い時間だけど」



    ライナー「ちょっとな。夕食食ったら眠くなったんだろ」


    サシャ「」スピー


    ライナー(…これで良いんだよな?)チラッ


    ユミル(上出来だ)チラッ
  26. 26 : : 2015/05/13(水) 23:11:57

    ミカサ「…とりあえず、ルイーダの酒場に捜索依頼を出してきた」


    ライナー「ルイーダの酒場?」


    ユミル「そのルイーダってのは冒険者の手助けをする女だ。依頼の仲介、仲間の確保……何百年と冒険者たちを助けてきたんだ」


    ライナー「い!?」


    アルミン「いや、ルイーダって人が何百年も生きてる訳じゃないよ?きっと」


    ユミル「ルイーダって名前を襲名した女がルイーダになるんだよ」


  27. 27 : : 2015/05/13(水) 23:12:17

    ミカサ「それと、二つ依頼を持って帰ってきた」


    アルミン「クエストを受注したってこと!?」


    ユミル「前触れも何もあったもんじゃねぇな全く」




    ギャーギャー ギャーギャー


    ライナー「どんな依頼なんだ?」


    ミカサ「一つは、魔王軍の討伐」




    ライナー「」

    アルミン「いや…それはちょっと…」

    ユミル「出来るかぁ!」
  28. 28 : : 2015/05/13(水) 23:12:27

    ミカサ「魔王軍の紋章を持ってくれば一つにつき100ゴールド」


    アルミン「…え?」


    ライナー「あ、そういう意味か…」




    ユミル「しかし一つにつき100ゴールドなんてぼろいなぁ」


    アルミン「それだけ魔王軍を倒したいんじゃないかな」
  29. 29 : : 2015/05/13(水) 23:12:37

    ミカサ「…もう1つの依頼は、未開拓地の調査」



    アルミン「未開拓地?」


    ミカサ「東の大陸南方に、山々に囲まれた場がある。そこの調査」


    ライナー「…それも変な話だな。なんでそんな依頼が西の大陸に舞い込んでるんだ?」


    アルミン「確かに。東の大陸にも王都はあるんでしょ?東の王都で依頼を出せば良いじゃないか」


    ミカサ「…とにかく強い冒険者を探しているらしい」


    ユミル「それだけ危険な場所だってのか。報酬は?」


    ミカサ「…どんなことでも」


    三人「?」





    ミカサ「叶えられる範囲ならば、どんなことでも東の王が1つだけ叶えてくれる…」









    三人「…は?」





    ミカサ「…それが報酬」
  30. 30 : : 2015/05/30(土) 15:17:52


    アルミン「な、ならそれを利用すれば…」


    ミカサ「皆の捜索を、東の王に頼めるかもしれない…!」


    ライナー「…ふむ。ならば、これからの目的は皆を探しつつ東の大陸へ向かうと?」


    ユミル「…それが妥当だな。しかし気前良いなぁ東の王ってのは」






    女「…気前が良いのは王だけだ。奴の息子なぞろくでもないガキだぞ」


    ジャン「」シュゥ…

    ユミル「?」
  31. 31 : : 2015/05/30(土) 15:23:19

    ユミル「あんた、東の王を知っているような口ぶりだな」


    女「そうとも。何度も面会をしたわ」


    アルミン「あなたは一体…?」


    女「私は西の王女、レイチェル・イェーガー。頭が高いぞ貴様ら」






    「「「「「…」」」」」












    !!!!????
  32. 32 : : 2015/05/30(土) 15:28:47
    ジャン「てめぇが王女ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!?」


    西王女「うるさい」


    アルミン「い、イェーガーって…」


    西王女「? 代々続く家名だが」


    ライナー「エレンとは…関係ないようだな」


    サシャ「エレンがなんですって!!?」ガバッ


    ユミル「寝てろばか」ゴスッ



    西王女「……エレン?」
  33. 33 : : 2015/05/30(土) 21:12:52
    ミカサ「…聞いたことは?」


    西王女「…いや。知らんな」


    アルミン「ベルトルト、アニ、マルコ、コニー、クリスタ、ミーナ…」





    西王女「…マルコ、だと?」ピクッ




    アルミン「え…!」
  34. 34 : : 2015/05/30(土) 21:17:10
    ジャン「知ってるのか!?」ガッ


    西王女「な、なんだ!?近いぞ貴様!!」


    ジャン「知ってるんだろ!?なんでもいいから教えてくれ!!」グワッ


    西王女「だ、だから近い…」



    ジャン「なぁ!!!頼むよ!!!」ガババッ






    西王女「」カァッ




    ジャン「え」
  35. 35 : : 2015/05/30(土) 21:19:43
    ユミル「落ち着けセクハラ野郎」バキッ


    ミカサ「女性を脅したらだめ」ゴキッ


    ジャン「げふっ!!」






    ライナー「…だ、大丈夫ですか?」


    西王女「あ、あぁ…。ぶ、無礼な輩だな」
  36. 36 : : 2015/05/30(土) 21:23:28
    サシャ「えっと…この人は誰ですか?」


    ライナー「さっきも仰ってたがこの方は…」






    「その女は西の王女のレイチェル・イェーガーだッキー」パタパタ



    西王女「ドラキー?」


    アルミン「キドラ!遅かったね」


    ユミル「なにしてたんだ?」




  37. 37 : : 2015/05/30(土) 21:31:50
    キドラ「その王女のことについて調べてたッキー。まさか連れ込んでるとは思わなかったッキーけど」


    ジャン「つ、連れ込んでねぇよ…」ピクピク


    ライナー「まだ言うか…。というか、こっちの世界に来てから頑丈になったんじゃないか、ジャン」


    ジャン「嬉しくねぇ…」



    サシャ「王女様ですかー。女の子の憧れですね!」



    ユミル「…お前がそんなこと言うと腹立つな」


    ミカサ「右に同じく…」



    サシャ「二人とも私をなんだと思ってるんですか!!?」
  38. 38 : : 2015/05/31(日) 09:38:47
    西王女「話を進めてもいいか?」


    アルミン「あ、はい」


    西王女「マルコという名は聞き覚えがある。確か、東の王が言っていた名だ」


    ジャン「東の王ってことは…いるとしたら東の国か」


    ユミル「東の国っていったら魔法の国だな」


    西王女「武装の西、魔法の東、未知の北、とよく言われるものだ」


    アルミン(そういえば、このメンバーもほとんど武闘派だな…。だから西の大陸に飛ばされたとか?)
  39. 39 : : 2015/05/31(日) 09:43:26
    サシャ「それと、さっきだれかエレンって言いませんでしたか?…もしかして、何処かにエレンがいたんですか!?」キョロキョロ


    ミカサ「落ち着いてサシャ。気持ちはわかる。けど、エレンはまだ…」


    サシャ「………そう…ですよね…。やっぱりエレンは…」シュン

    ユミル「!!」

    ライナー(いかん!!)
  40. 40 : : 2015/05/31(日) 10:16:49
    サシャ「…やっぱりエレンは、死」

    ユミル「よしよーし、サシャ、ちょっと外に出ようなー」グィッ

    サシャ「んぶっ」


    ユミル「ちょっとこいつ落ち着かせて来るわ」


    ライナー「…あぁ」



    ライナー(間一髪だ…。こういうときのユミルは頼りになるな)


    アルミン「…」

    ミカサ「…?」
  41. 41 : : 2015/05/31(日) 10:20:57
    ガチャ バタン


    キドラ「…エレン、ねぇ」


    ミカサ「なにか知っている?キドラ」


    キドラ「…どこかで聞いたことがあるような…ないような…」


    ジャン「あるのか?」


    キドラ「…………………あ」



    アルミン「あ!?」


    ミカサ「あ、なに!!?」
  42. 42 : : 2015/05/31(日) 10:24:25




    キドラ「…いや、やっぱりないッキー」


    ジャン「はぁ!!?」


    ミカサ「…キドラ、そのような言い回しは控えるべき」


    アルミン「紛らわしいなぁ…」


    キドラ「ご、ごめんッキー」
  43. 43 : : 2015/05/31(日) 10:30:14
    ジャン「…で、明日からどうする?またこの王都を探すのか?」


    アルミン「…いや、その必要はないよ」


    ライナー「なにか聞いたのか?占い師から」


    アルミン「うん。実はね…」






    キドラ「…」


    キドラ(エレン…確か、魔王様が言っていた名。それ以外でもどこかで聞いたことがあるような…)


    キドラ(…ま、そんなこと洩らしちゃったらオイラが魔王軍だってばれちゃうし。イーのお願いのためにも黙っておくのが得策ッキー)
  44. 44 : : 2015/05/31(日) 10:40:53
    ミカサ「…西の大陸には私たち以外の仲間はもういない?」


    アルミン「うん。あとは東の大陸に三人、北の大陸に二人…」


    ライナー「…ん?あと二人はどこだ?オレたちは全員で13人だぞ」


    アルミン「それは…」グッ



    西王女「…何の話をしているのだ?」


    ジャン「黙って聞いてろ」
  45. 45 : : 2015/05/31(日) 10:47:12
    ゲマ『…恐らく、貴方の仲間の内二名は………既に亡くなっています』


    アルミン「…その占い師さんでも、どこにいるかはわからないんだって。三つの大陸にいないことは確かなんだけど…」


    ミカサ「…そう」


    西王女「…よくわからんが、三つの大陸以外となると、異世界くらいしか候補がないぞ」


    ジャン「異世界ぃ?」


    キドラ「まぁ…魔界とかだッキーね」


    ライナー「…改めて考えてみると、厄介なことになったな」フゥ




    アルミン(…ゲマさんは、魔界にもいないって言っていた)

    アルミン(…やっぱり、だれか二人は、既に…)
  46. 46 : : 2015/06/03(水) 06:42:14
    期待だ!
  47. 47 : : 2015/06/04(木) 21:57:33
    ライナー「とりあえず、次は東の大陸に向かうということでいいか?」


    アルミン「…うん」


    ジャン「マルコ、それからあと二人か…」


    ミカサ「東の大陸は西の大陸以上に大きいと聞いている。その中からわずか三人…」





    ガチャ 


    ユミル「やっぱり、次は東の大陸か?」



    ジャン「お、戻ってきた」


  48. 48 : : 2015/06/04(木) 22:02:23

    ライナー「どうだ、サシャは落ち着いたか?」
                 ・・・・・


    ユミル「ん」クイッ



    サシャ「ど、どうも…」


    キドラ「…何かは知らないけど、もういいッキーか?」


    サシャ「は、はい!お蔭様で…」エヘヘ

    ライナー(頼むから余計なことを言わないでくれよ…)

    ユミル(こいつに守秘義務の概念なんかあるんだろうか…)



    キドラ「…フーン」

    アルミン「…」
  49. 49 : : 2015/06/04(木) 22:07:19


    西王女「時にお前たち、どうやって東の大陸に渡る気だ?」



    キドラ「ん~…やっぱり、船だろうッキーね」


    アルミン「それしかないと思ってるけど…」


    キドラ「…ただ」


    アルミン「?」


    ユミル「ただなぁ…」


    アルミン「??」

    ジャン「なんだよお前ら」

    ミカサ「またなにか問題が?」


    サシャ「…船ってなんですか?」

    ライナー「冗談はよせサシャ。流石に船を知らないなんてことが…」

    サシャ「?」

    ライナー「…」
  50. 50 : : 2015/06/04(木) 22:14:52
    西王女「このご時世、大陸と大陸を行き来するのも楽ではないのだ。海中では人間は思う様に動けない。そこを狙ってくる魔物も当然いる。…最近はやはり魔王軍が面倒でな」


    アルミン「…ここでも魔王軍…」


    ジャン「奴らは人が密集する所を狙っているんだろう?ならオレたちが都会に出てくりゃ、当然奴らと接触する確率は高くなる」


    サシャ「魔王軍の狩りも、中々要領を得ていますね…」

    ライナー「狩りってお前なぁサシャ…」




    西王女「…狩り、だと?」


    全員「…ん?」


    ジャン(…なんか、キレてね?)

    キドラ(…怒ってるっぽいッキーね)
  51. 51 : : 2015/06/04(木) 22:23:23
    西王女「その言い方だと、我々人間が、奴らに一方的に蹂躙されているように聞こえるが…?」


    サシャ「え、えぇっと…」


    キドラ(…多分、謝っておいた方がいいと思うッキー)ヒソヒソ

    サシャ「…!」


    サシャ「ご、ごめんなさい…」



    ジャン「ほら、てめぇも落ち着けよ」

    西王女「…うむ。すまん」ペコッ

    ジャン「…い、いや」



    アルミン「…何か、イイ感じ?」

    ミカサ「…うん。イイ感じ」

    ライナー(…ミカサもこういう話をするんだな。意外だ…)

    ユミル(女子寮でエレンとの秘話を赤面して話してたミカサを思い出した…)
  52. 52 : : 2015/06/04(木) 22:27:32
    西王女「」フゥ


    西王女「…すまんな。だが、お前の言う通りなのかもしれない。不安を国民たちにそのまま伝えてしまっているのは、我々王家なのかもしれないな…」


    全員「!」


    西王女「我々が、せめて魔王軍に一矢報いれば…!!」ギュウッ


    ジャン「…お前」


    キドラ(…)
  53. 53 : : 2015/06/04(木) 22:29:32
    西王女「…そのために、今回王宮を抜け出したのだしな」











    ジャン「…はい?」


    西王女「聞こえなかったのか?私はいま家出中なのだ」



    全員「は!!?」
  54. 54 : : 2015/06/04(木) 22:32:23
    ジャン「おま…!いいのかよそれ!!」

    西王女「良い筈がない」

    サシャ「で、ですよねー」


    ライナー「一人で魔王軍と…!?なんて無謀なことを!」




    西王女「一人?誰がだ?」


    アルミン「え?」
  55. 55 : : 2015/06/04(木) 22:41:20
    西王女「私は勇者たちと共に魔王を討つ」


    アルミン「ゆ、勇者さんたちと?お知り合いなんですか?」


    西王女「そういうお前たちこそ。まぁ、それなりにな」


    西王女「…終われんのだ。このままでは…!」




    西王女「この国を、私の国民たちを……!奴らの奴隷になどにさせてたまるか!!私は、自らの手で守るべきものを守る!!!」



    ジャン「…!」

    サシャ「……すごい」


    ユミル(…こいつ、私たちんとこの王なんかとは全然違うな)

    ユミル(まだ王女のくせに、こいつの方がよっぽど王っぽいぜ)
  56. 56 : : 2015/06/04(木) 22:50:15
    キドラ(…奴隷ね)

    キドラ(うちの魔王様が、そんなレベルのことを望んでいるならよっぽど楽なんだけどッキーな)




    西王女「私は明日、勇者たちとともに東の大陸に渡航する」


    ユミル「」ピクッ

    ミカサ「それは、船で行くということ…!?」


    西王女「勇者がいれば、魔王軍も手は出すまい。その考えも込みで、ルーラを使わずに船で行くのだ」


    ライナー「…出会ってすぐに不躾で悪いのだが…」



    西王女「…共に行くか?」ニコッ




  57. 57 : : 2015/06/04(木) 22:58:07
    …その頃、西の王都西入口



    ゲマ「…あれが、異世界から来た異次元の存在、ですか」


    ゲマ「ふむふむ。他にも数名この王都に…。しかし、似たような
    感覚を初期のあやつからも感じましたねぇ…」
       ・・・・・・


    ゲマ「…懐かしい。あれから既に一年が経過している…」







    ?『頼むよ!!なぁ!!』



    ゲマ「…」
  58. 58 : : 2015/06/04(木) 23:02:44



    チャキ





    ゲマ「!!!」


    ゲマ(殺気…!)



    「鳳凰縦一文字斬り!!」ズッ



    ゲマ「アタックカンタ!」トゥルルルル


    キィン 




    ズバァァァァァァン!
  59. 59 : : 2015/06/04(木) 23:08:05
    「そこで何をしている」


    ゲマ「…ほっほっほ。これはこれは……勇者レオ君とその御一行さんではありませんか」


    勇者「貴様…!」チャキ


    魔法使い「ゲマ…!」

    戦士「そちらこそ、魔王軍の三将殿がなぜここに?」ニィッ

    僧侶「こんな所で…一体何を!?」
  60. 60 : : 2015/06/04(木) 23:12:20
    ゲマ「ただの散歩ですよ、散歩」


    勇者「嘘をつけぇ!!貴様のことだ、今度はなにを企んだ!?」


    ゲマ「酷いですねぇ。今回は本当に散歩なのですが」


    勇者「…」



    魔法使い「油断しちゃ駄目よ、レオ。アイツの言うことなんかこれっぽちも信用しないで」

    勇者「分かっているよ…」グッ


  61. 61 : : 2015/06/04(木) 23:18:36
    ゲマ「その言い方だと私が大嘘つきとなってしまうのですが?」

    魔法使い「なにが違うってのよ!!」


    ゲマ「相手を騙すのに必要なことは嘘だけではありません。真実を教えるのもまた必要なのです…。先程も、ある少年に残酷な真実を突き付けてきました」



    戦士「…騙すために、か?」


    ゲマ「さぁ?ただ、尋ねられのでお答えしただけです」



  62. 62 : : 2015/06/04(木) 23:25:12
    ゲマ「あぁそれと…先日はうちのイーが貴方がたの遊び相手になり、更には今日、イシュダルの館を貴方がたが物色なさったとか」



    勇者「どっちも人聞きが悪い…」


    僧侶「特に後半です…」



    ゲマ「ただ、イーのことにしろイシュダルのことにしろ…ラッキーでしたね」


    勇者「…なに?」

  63. 63 : : 2015/06/04(木) 23:33:39
    ゲマ「イーの甘さから…また、イシュダルを退けたという少年たちの功績から…今の貴方がたがある」


    勇者「…」



    ゲマ「しかし、と次からはイーが貴方がたを見逃すことはしませんので、悪しからず」


    戦士「…貴様、何かしかけたのか!?」


    ゲマ「命令したのは我らが主、魔王ですので」






    勇者「幻魔王デスタムーア…!!!」ギリッ
  64. 64 : : 2015/06/04(木) 23:37:32

    ゲマ「…さて、ほかの三将二人にならって…私は気まぐれという名
    のラッキーで貴方がたを見逃しましょう」フワッ
     ・・・・


    僧侶「待ってください!!」



    僧侶「貴方たちは仲間ではないのですか!?なぜあのイーという者を手に掛けたのですか!!」



    ゲマ「…」
  65. 65 : : 2015/06/04(木) 23:39:18
    ゲマ「…私は人間が嫌いです」



    僧侶「!!」


    勇者「…!」



    ゲマ「…ルーラ」



    シュウウウ…シュン!


  66. 66 : : 2015/06/04(木) 23:42:52

    魔法使い「…何が、どうなってんの?」


    戦士「よくはわからんが、次に三将イーに出会った時は更に警戒する必要がありそうだな」



    勇者「…魔王軍め」


    僧侶「…」


    僧侶(次に三将イーに出会った時……私は、しっかりと彼と戦えるだろうか?)
  67. 67 : : 2015/06/06(土) 02:00:28
    超絶期待
    超絶頑張れ
  68. 68 : : 2015/06/13(土) 20:36:40
    ゲマの好感度
    原作ドラクエより
    底辺
    (パパス焼いたりしたから)

    アルミンと会った辺り
    急上昇

    三将発覚時
    マジかよおい!?(°д°
    みたいな感じでかなり下
  69. 69 : : 2015/06/13(土) 23:20:05
    これはドラクエシリーズの何を参考にしているのだろうか?w
    いろんな種類出てくるからわからんねぇ〜
  70. 70 : : 2015/06/14(日) 09:34:21
    翌日、西の大陸東の沖海上…



    サシャ「」ポカーン



    海「」ザザーン…




    ライナー「…おい、サシャの奴を見てみろよ」


    ジャン「初めて船に乗って、広大な海を見て…、現実が脳のキャパを越えちまったんだろ」

  71. 71 : : 2015/06/14(日) 09:39:14
    アルミン「勇者さん、今回もありがとうございます」ペコッ


    勇者「いやいや、僕たちの方だって。君たちでしょ、イシュダルを退けてくれたのは」


    魔法使い「君たちのおかげで、西の大陸の脅威は減ったと言っても過言じゃないわ。本当にありがとう」


    ミカサ「…あの館で身体を張ったのはジャンだから。ジャンにお礼を言ってあげてください」


    勇者「あぁ、レイチェルに気に入られたあの子かい?」チラッ
  72. 72 : : 2015/06/14(日) 09:43:43
    西王女「おい、のどが乾いた。紅茶をもて」

    ジャン「なんで!オレが!!」

    西王女「さっきポーカーで私に負けたからな。主の言うことも聞けんのか?負け犬」

    ジャン「ぐぎぎぎぎぎぎぎぎぎっ…!!」



    ユミル「…仲のよろしいことで」

    ジャン「どう見たらそう言えるんだよ!!?」

    キドラ「見たまんまそうだッキー」
  73. 73 : : 2015/06/14(日) 09:46:53
    ジャン「ちくしょおおおぉぉぉ!!」ダッ


    キドラ「何だかんだ言っておきながら行くんだッキーね」


    ユミル「ああいう所は義理堅いからな」




    西王女「…なぁ、ユミルとか言ったか」

    ユミル「ん?」

    西王女「…おまえたち、この世界の人間ではないな?」
  74. 74 : : 2015/06/14(日) 09:48:49
    期待です。

    ss書くの頑張れ。
  75. 75 : : 2015/06/14(日) 09:52:27
    ユミル「! 勇者にでも聞いたか?」


    西王女「なんだ、勇者は既に知っていたのか?」


    ユミル「…!?」


    西王女「まぁ、まず私が西の王女だと知らん時点で西の国の民ではない。しかし、この一月において西の大陸に渡航して来たものはいない」


    キドラ「成程、あとは異世界から来た人間くらいだと?」


    西王女「違ったか?」
  76. 76 : : 2015/06/14(日) 09:58:01
    ユミル「…いや、概ね当たりだ」

    ユミル(…こいつ、本当に王女か?)

    ユミル「そうだな、あんたには話しておくか。私たちの今までの経緯をな」



    ダッ ダッ ダッ

    ジャン「はぁ、はぁ…」

    西王女「…ならば聞かせてもらうか。紅茶でも飲みながら」

    ジャン「てんめぇ、後で覚えてろ…!」ゼェ ゼェ
  77. 77 : : 2015/06/14(日) 10:04:38
    サシャ「…ライナー、島が見えます」


    ライナー「島? …あぁ、確か世界の中心にあるという中央の島だろう。…5」


    戦士「うむ。あそこには島を丸々覆うような魔物がおるのだ…6」


    僧侶「あ、ダウトです」


    戦士「なぜバレた…」


  78. 78 : : 2015/06/14(日) 10:06:00
    サシャ「でも、そんなものいませんけど?」

    ライナー「…そうか…」

    戦士「…」

    僧侶「…」










    「「「…え?」」」
  79. 79 : : 2015/06/14(日) 10:09:46
    勇者「東の大陸に近づいたら、近くの岸で降ろして欲しい?東の王都まで行かなくていいのかい?」


    ミカサ「皆がどこにいるかが分からないので。しらみつぶしに探します」


    魔法使い「そう。でも、道中には魔物もいるし、盗賊とかもいるから…気をつけてね?」


    アルミン「はい。よろしくお願いします!」
  80. 80 : : 2015/06/14(日) 10:13:27

    ドタドタドタ…


    戦士「勇者、一大事だ!!」


    勇者「魔物か!?」チャキ



    戦士「中央の島に…オセアーノンがいない!!」



    勇者「へ?」

    魔法使い「うそぉ!!」


    アルミン「オセアーノン?」
  81. 81 : : 2015/06/14(日) 10:18:41
    ダダダダダッ


    西王女「レオ!!聞いたか!?」

    ジャン「おい、引っ張んなよ!!」


    勇者「あぁ…!チャンスだ!」


    ミカサ「何を…?」


    勇者「船長!!」

    船長「あいよぉ!!」ガラガラ
  82. 82 : : 2015/06/14(日) 10:57:43
    船「」ゴゴゴッ…


    サシャ「ひゃああ!?」


    ライナー「船が向きを変え始めた!誰かが舵をきっているのか!?」


    アルミン「勇者さん、どうするつもりですか!?」

    勇者「巻き込んでしまってすまない…!」

    ジャン「なんだと!?」
  83. 83 : : 2015/06/14(日) 11:08:42
    勇者「このまま、中央の島に上陸する!」



    ミカサ「…!」


    ユミル「どういうことだ!なんで今すぐなんだよ!」


    僧侶「文献によるとこの数百年、オセアーノンがあの中央の島を離れたことはないとありました!しかし今日、オセアーノンはいない…!」


    ユミル「えさを取りに行ってるだけかもしれねぇだろ!」


    戦士「オセアーノンならば島の上からでも食事ができる!手を伸ばせば海なんてすぐそこだからな…」
  84. 84 : : 2015/06/14(日) 11:12:23
    サシャ「えっと…異常事態…なんですかねぇ?」

    キドラ「…」

    サシャ「キドラ?」

    キドラ(…もうばれちゃったッキー。しかし、そのオセアーノンはどこ行ったッキー?)



    アルミン「なるほど…確かに勇者さんたちにとってはチャンスなのかも」

    ジャン「なんでだよ!?」

    アルミン「忘れたのかい?あの島には魔界への扉があるんだよ?」
  85. 85 : : 2015/06/14(日) 11:14:19
    ジャン「…あ」

    ミカサ「そう。もしかしたら、このまま魔界に行くなんてことも…」


    ライナー「え」



    勇者「いや、流石にそこまでする気は…」

    魔法使い「少しはあるんでしょ」

    勇者「…まあ、少しはね」
  86. 86 : : 2015/06/14(日) 13:12:58
    数分後、中央の島…



    ジャン「…島ってのは、こんな小さい物なのか?アルミン」

    アルミン「いや、これは特別だよ。直径100mくらいかな」

    ユミル「その小せえ島を覆うような魔物がいるってか?冗談だろ。100mはある魔物って意味わかんねぇぞ」



    ライナー「魔法使いさん、船の警護はいいんですか?」

    魔法使い「いいわよ、ガラマとマァヤに頼んであるし」
  87. 87 : : 2015/06/14(日) 13:18:44
    ミカサ「…これは…」

    勇者「…なんだ?これ…」

    サシャ「みなさーん、何かありましたよー」

    西王女「テーブルか?これは。ジャン、早く来い!」



    ジャン「…あいつ、オレを召使いかなんかと勘違いしてねぇか?」

    キドラ「実際そうだと思うッキーけど」
  88. 88 : : 2015/06/14(日) 13:31:05
    アルミン「…」


    僕たちは、世にも奇妙なものを見つけてしまったんだと思う。


    世界の中心に浮かぶ、中央の島。

    その島には、なぜか一つの円卓テーブル。

    更に奇妙なのは、その円卓テーブルの周辺にあるもの。


    テーブルを囲む様に設置された、13個の椅子。

    椅子の目の前には、心臓を模したような物が置いてあり、それぞれに細い長方形の穴が空いている。

    そして、心臓のような物の横には、短剣がそれぞれある。


    一つの円卓テーブル。
    13個の椅子。
    13の心臓のような物。
    そして、13本の短剣。


    魔界への扉の代わりにあるものは、幾つもの謎だった…。
  89. 89 : : 2015/06/14(日) 13:35:58

    アルミン「…なにこれ?」

    ジャン「お前にわかんねぇようだったらお手上げだな」

    勇者「とりあえず、少しずつ調べていこう」



    サシャ「この椅子、番号が振ってありますね」

    ミカサ「本当。これは1。その横には2と13…」

    ユミル「どうやら、1から13まで順列に並べてあるみてぇだな」

    魔法使い「あら、よく見たら短剣にも番号があるわ」


  90. 90 : : 2015/06/14(日) 13:40:44
    勇者「じゃあこの短剣から調べてみようかな………ん?」グイッ


    ライナー「どうしたんですか?」


    勇者「こ、この短剣…」グイッ グイッ

    勇者「も、持ち上がらない!」

    ライナー「は?」

    魔法使い「ちょっとちょっと。魔王を倒そうって勇者様がそんな短剣に負けてどうするの?」



    西王女「…いや、どうやらそのようだぞ」

    魔法使い「え?」
  91. 91 : : 2015/06/14(日) 13:44:55
    西王女「この6と書かれた短剣も…ビクともしない」グイッ

    ジャン「はぁ?」

    アルミン「…6?」


    サシャ「そういえばこの5と10の短剣だけ、この心臓っぽい物に既に刺さっていますね」

    ユミル「心臓に短剣が刺さってるなんて…嫌な表現だな」

    アルミン「5と、10…」


    ミカサ「…勇者さん、次は私がやる」
  92. 92 : : 2015/06/14(日) 13:50:12
    勇者「う、うん」


    西王女「この短剣…いや、テーブルも椅子も、心臓も…全てオリハルコンで出来てるぞ」


    ジャン「マジか!?」

    ユミル「よっしガメるか」

    西王女「それが出来たら苦労はせんだろう」


    サシャ「オリハルコンってなんですか?」

    キドラ「世にも希少な金属だッキー。とても硬質で、この世で一番硬い金属と言われてるッキー」

    サシャ「へ?」
  93. 93 : : 2015/06/14(日) 13:55:31
    キドラ「売った時なんてどうなることやら…」

    サシャ「肉食べれますかね…」ジュル

    キドラ「一生いけるッキーね」

    サシャ「ふっひょおおおおおおおお!!!」ガバッ

    キドラ(…やりすぎだった気がするッキー、この造形物)


    サシャ「ああ、これもダメ、これももてないぃぃ…」グイッ グイッ
  94. 94 : : 2015/06/14(日) 14:05:35
    「うおおおおおおっ!!?」


    アルミン「…え?」


    勇者「み、ミカサちゃん、そんなにあっさり…」

    ミカサ「勇者さん、これ、全然重くないけど」つ短剣


    西王女「ジャン、貴様はどんな腕力をしてるんだ?」

    ジャン「つっても、別に重くねぇぞ?これ」つ短剣


    サシャ「持てました、持てましたぁ!!これで一生お肉三昧ですぅ!!!」つ短剣



  95. 95 : : 2015/06/14(日) 14:08:43
    ユミル「おいおい、勇者ってのは名ばかりかぁ?」

    勇者「うーん…」

    魔法使い「レオ、ミカサちゃんと交代したら?勇者業」


    アルミン「ミカサ」

    ミカサ「なに、アルミン」

    アルミン「その短剣の番号は?」

    ミカサ「1」


    ジャン「オレは6だな」

    ライナー「サシャは…9か」

    サシャ「ぐへへ…お肉毎食…」
  96. 96 : : 2015/06/14(日) 14:12:25
    アルミン「…!」

    ユミル「…ミカサが1、ねぇ…」


    アルミン「ユミル!」

    ユミル「あぁ。お前は12か13な」

    アルミン「うん」

    ユミル「多分私が11あたりだろう」

    アルミン「え?7とか8じゃないの?」

    ユミル「手ぇ抜いてたんでよ。ライナー、お前は2だ」

    ライナー「は?」
  97. 97 : : 2015/06/14(日) 14:16:54

    アルミン「うん、やっぱり僕は13だ」つ短剣


    魔法使い「うそ、アルミンちゃんまで!?」

    アルミン「…ちゃん?」


    ユミル「11っと…」つ短剣


    ライナー「うん?なんだこの2の短剣。普通に持てるぞ」つ短剣


    勇者「えっと…君たちは一体…」

    西王女「阿呆かお前は。どう見てもなにかあるだろう」
  98. 98 : : 2015/06/14(日) 14:19:33
    ライナー「アルミン、これは…」



    アルミン「…間違いない」



    アルミン「これは、僕たちの為に作られた物だ!!」
  99. 99 : : 2015/06/14(日) 20:50:02
    このss素晴らしいのです!
  100. 100 : : 2015/06/20(土) 17:52:03
    訓練兵での成績が番号となっているのですな
    期待です
  101. 101 : : 2015/06/25(木) 22:11:02



    ライナー「…オレたちの為?」


    ジャン「オラッ、ちゃんと聞きやがれ」バコッ


    サシャ「ウゲッ」



    アルミン「まずは確かめだ。ミカサ、ライナー。二人の短剣を交換してくれないかい?」



    ミカサ「わかった。ライナー」つ短剣


    ライナー「おう」つ短剣
  102. 102 : : 2015/06/25(木) 22:12:42

    パシッ






    ズンッ




    ミカサ「!?」パッ


    ライナー「うおおおっ!!?」パッ







    ドォン!
  103. 103 : : 2015/06/25(木) 22:18:18


    ライナー「おま…どんな怪力だミカサ!いくらなんでもおかしいぞ!!」


    ミカサ「ライナーこそ…。驚いて短剣を落としてしまった」




    シュウウゥ…


    西王女「二本とも地面にのめりこんでるぞ…」


    魔法使い「何kg…どころじゃないわね。何t…かしら」



    アルミン「…これで確定だね」


    ユミル「あぁ」
  104. 104 : : 2015/06/25(木) 22:27:29


    アルミン「これ、選ばれた人間じゃないと持てない短剣なんだよ」


    ライナー「おいおい、それがオレたちだってかぁ?」


    勇者「…選ばれし者? かつての天空の武具みたいな?」



    西王女「…ふむ、それなら納得がいく。ただ天空の武具等は、勇者の血筋以外の者が身につけても、通常の武具より多少重くて上手く扱えない程度だった筈だが?」


    魔法使い「…この短剣、なんか過剰に魔力がこめられてるわね。なんか、これでもかってくらいに」


    ジャン「そりゃあ選ばれし者…つまりオレたち以外にいじられたくないからだろ?」


    西王女「まぁそうだとは思うが…そうすると疑問が一つ出てくるぞ」
  105. 105 : : 2015/06/25(木) 22:37:14
    西王女「この短剣だのテーブルだのは…一体何をする物なんだ?」



    サシャ「やっぱり…刺すんじゃないですかぁ?」


    魔法使い「サシャちゃんの言う通りね。刺してくださいって感じでわざわざ穴まで空いてるんだし」


    サシャ「ですね!!では早速…」



    ジャン「…まてよ」


    西王女「なんだ小間使い」


    ジャン「誰がだよ!!?…じゃねぇ、確認するがこの番号ってのは…」


    ユミル「成績順だろう?多分」


    ライナー「まだ最終成績はでてないがそうだろうな」





  106. 106 : : 2015/06/25(木) 22:42:15
    キドラ「成績? 何それッキー」


    サシャ「私たちで誰が優秀かっていうのを決めるものですよ、キドちゃん
  107. 107 : : 2015/06/25(木) 22:45:16

    訂正>>106



    キドラ「成績? 何それッキー」


    サシャ「私たちで誰が優秀かっていうのを決めるものですよ、キドちゃん
  108. 108 : : 2015/06/25(木) 22:48:25
    訂正>>107



    キドラ「成績? 何それッキー」


    サシャ「私たちで誰が優秀かっていうのを決めるものですよ、キドちゃん!」


    キドラ「き、キドちゃん?」タジタジ


    サシャ「女の子なんですから、ちゃんづけです!」


    キドラ「…こいつ苦手ッキー」



    キドラ(それにしても成績順ッキーか…)











    「惜しい」キキッ
  109. 109 : : 2015/06/25(木) 22:52:37
    サシャ「? 何か言いましたかキドちゃん?」


    キドラ「キキキッ、何のことッキー?」


    サシャ「いえ、今絶対何か言いましたねー!?」


    キドラ「キキキッ!」パタパタッ






    ミカサ「…どうしたのアルミン。顔色が良くないようだけど」


    アルミン「…」


    ミカサ「…アルミン?」
  110. 110 : : 2015/06/25(木) 23:04:58
    アルミン(13個の椅子、13本の僕らにしか持てない短剣、そして13個の心臓みたいなもの…!!?)



    アルミン(そして既に、二本の短剣、5と10の短剣がすでに心臓のようなものに刺さっているだって…!?)












    ゲマ『…貴方の仲間は、貴方を含めて13人でしたね』


    アルミン『…はい』


    アルミン((…嘘だ。嘘だと、そう言ってくれ…!!!))








    ゲマ『…恐らく、貴方の仲間の内二名は………既に亡くなっています』








    アルミン「…二人は既に、死んでいる…?」


    ミカサ「え?」


    アルミン「…二人…!!?」

  111. 111 : : 2015/06/25(木) 23:08:49
    アルミン「まさか……………………!!!」





    サシャ「じゃ、やりますか!」


    ユミル「うっし」


    ライナー「せーのでいくぞー?」


    ジャン「ガキかよ……。…せーの」






    「ダメだ!!!!!」

  112. 112 : : 2015/06/25(木) 23:30:22
    ジャン「うおおおお!!?」


    ライナー「な、なんだよアルミン…。びっくりしただろう」



    アルミン「絶対に心臓に短剣を突き付けちゃダメだ!!」


    サシャ「心臓って……たしかに心臓に似てますけど、実際の心臓ってわけじゃ…」


    ユミル「…おい、まさか……」









    アルミン「心臓みたいなものなんかじゃない、それは本当に僕たちの心臓なんだよ!!それは僕たちへの罠かもしれないんだ!!」





    「「「「「「「わなぁ!!!!???」」」」」」」
  113. 113 : : 2015/06/25(木) 23:42:44


    西王女「どういう意味だ?アルミン」


    アルミン「あまり信じたくはないけど、そのオリハルコン製の心臓はおそらく僕らの心臓とリンクしているんだ!!」


    西王女「! 呪いのわら人形のような話だな…」




    ユミル「そうか……罠ってことは…、この短剣をこの心臓に刺すことができるのは私たちだけ…だからか?」


    ライナー「成程、短剣を持てるという発見の喜びで目をくらませ、調子に乗らせてってところで罠をはるってか。もし真実ならとんでもない代物だな…」



    サシャ「そ、そうですよ!!ライナーの言う通りです。これが本当に私たちの心臓かどうかわからないじゃないですか!!」

  114. 114 : : 2015/06/25(木) 23:50:41
    勇者「試すのはやめた方がいいよ、サシャちゃん」


    魔法使い「正直、アルミンちゃんの話は…信憑性ありよ。有り得ない話じゃない、十分可能性はある…」


    サシャ「…うう、でも…」



    ジャン「おいサシャ」



    サシャ「は、はい?」


    ジャン「ようやく手掛かりが見つかって嬉しいのはわかるけどよ、取り返しがつかないことになったらどうする気だ?ちょっと待ってろよ」





    サシャ「…もう、なってるかも…」ポロ


    ジャン「あ?」


    サシャ「もう!なってるかもしれないから!!頑張って否定しようとしてたんじゃないですかぁ!!!?」
  115. 115 : : 2015/06/25(木) 23:58:23

    ジャン「? なにを言って…」




    ライナー「」ハッ


    ユミル「くそっ!!」




    ジャン「……?」



    アルミン「わからないのかい、ジャン。既に5と10の心臓には短剣が刺さっているんだよ?」





    ジャン「え」


    ミカサ「…」
  116. 116 : : 2015/06/26(金) 00:10:08



    アルミン「もう死んでいるだよ。二人ね…」










    ジャン「…」


    ミカサ「…誰が?」


    ユミル「…一人は確定している」




    「「「「「「「え?」」」」」」」



    ライナー「ゆ、ユミル…」


    サシャ「なんで…」
  117. 117 : : 2015/06/26(金) 00:16:43
    ユミル「いつかは言わなきゃいけないことだ。なら、早めに言っておくべきだった。そうだろう?」


    ライナー「…」


    サシャ「…」


    ユミル「…決まりだな」


    ミカサ「…なにか、知っていたの?」












    ユミル「既に、エレンは死んでいる」






    ミカサ「え」




    アルミン「…」


    ジャン「…!!?」



    ユミル「…すまない…」
  118. 118 : : 2015/06/28(日) 23:26:53
    期待してるンゴ!
  119. 119 : : 2015/07/03(金) 18:30:32
    ━━━━━━━
    ━━━━━
    ━━━






    ジャン「…ゆ、幽霊?」


    ライナー「あぁ…」


    サシャ「私たちの名前を呟いてましたし、エレンの幽霊で間違いなかったと思います…」


    ジャン「幽霊って…そんなもん、いるかどうかなんて…」



    ユミル「…こっちの世界では幽霊は存在するんだ。青白く透けた、ただそこらを歩き回る存在。こちらの声には反応せず、何も見えていないかのように歩き回る」



    ジャン「…!」
  120. 120 : : 2015/07/03(金) 18:31:00
    ミカサ「あなたたちは…」



    ユミル「…」

    アルミン「ミカサ…」


    ミカサ「いつ、そのことを…?」





    ライナー「西の王都で見た。黙っていてすまなかった…」


    ユミル「…今こんな状況下で、しかもエレンが死んだなんて…言うべきじゃねぇと思った。アイツはどんな形にせよ、私たち全員にとって特別だからな…」


    サシャ「…」グスン
  121. 121 : : 2015/07/03(金) 18:31:22
    アルミン「…ごめん」



    ミカサ「…何が?」



    アルミン「…先に謝っておこうって思って」



    ユミル「…やっぱり、占い師にまだなにか言われてたんだな?」


    アルミン「…うん」
  122. 122 : : 2015/07/03(金) 18:31:42
    …そうして僕は、話してしまった。



    13人の内、二人の行方はわからないんじゃなくて、既に死んでしまったということ。


    そして、占い師からもらった紙を使えば、その二人が誰かというのもわかってしまうということも。



    …全部……話してしまったんだ…。





    「…ふざけてんのかよ、その占い師」




    西王女「…ジャン…」




    ジャン「こんな残酷な話があってたまるかよ…!」
  123. 123 : : 2015/07/03(金) 18:32:02
    ミカサ「…アルミン」



    アルミン「…」







    ミカサ「アルミン、申し訳ないけれども、すぐにその紙を使って欲しい」


    アルミン「え…」


    サシャ「ミカサ…どうしてですか!?」




    ミカサ「……なにが?」



    サシャ「エレンが死んでしまったんですよ!!なんで…そんな、何も思ってないように…!!!」
  124. 124 : : 2015/07/03(金) 18:33:25
    サシャ「エレンは、ミカサにとって…!!!!」



















    ミカサ「今喚いても!」



    サシャ「!!」





    ミカサ「…エレンが還ってくるこ




    ミカサ「今泣いても、エレンが目の前に現れるわけではない」



    ミカサ「もしそれでエレンが帰って来てくれると言うならば、いくらでも喚き、泣き叫ぶ」


    ミカサ「ならば今の私がすべきことは、エレンの本懐を成し遂げること。それのみ」



    ライナー「本懐…」
  125. 125 : : 2015/07/03(金) 18:34:36
    >>124 訂正


    サシャ「エレンは、ミカサにとって…!!!!」



















    ミカサ「今喚いても!」



    サシャ「!!」





    ミカサ「…エレンが還ってくることはない」




    ミカサ「今泣いても、エレンが目の前に現れるわけではない」



    ミカサ「もしそれでエレンが帰って来てくれると言うならば、いくらでも喚き、泣き叫ぶ」


    ミカサ「ならば今の私がすべきことは、エレンの本懐を成し遂げること。それのみ」



    ライナー「本懐…」
  126. 126 : : 2015/07/03(金) 18:35:20
    ミカサ「エレンならばこう言うだろう」



     






    「こんな世界に負けてたまるか!!絶対に皆を見つけ出して!元の世界に帰る!!そして壁外に行くんだ!!!」






    ライナー「…!!」


    サシャ「エレン…」グズッ


    ジャン「…あのバカかと…思っちまったよ」


    ユミル「…わかってる。わかってるんだよ、そんなことは…」


    アルミン「…そうだ」






    「まだ、諦めるわけにはいかない!!」


  127. 127 : : 2015/07/03(金) 18:43:40
    アルミン「…じゃあ、始めるよ。僕が占いで見た結果はこうだ」


    アルミン『蝋燭の炎の色は様々です。左のお皿には、橙、赤、黄、若草、緑、灰色の蝋燭が』


    アルミン『上のお皿には、青、茶色の蝋燭が』

    アルミン『そして右のお皿には、黒、桃、水色の蝋燭が立っています』




    アルミン「左のお皿は西、上は北、右は東、それぞれに位置する大陸を表している。蝋燭は僕らを示していて、炎の色は僕が持っている皆のイメージカラー」


    アルミン「そして、この13枚の紙はある人を想いながら念じると、紙の使用者の、その人に対するイメージカラーが紙を染めるんだってさ」




    勇者「…よくできた占いだね」


    西王女「色んな意味でな」
  128. 128 : : 2015/07/03(金) 19:21:29
    アルミン「ついでにいうと、僕のイメージカラーは橙だよ」


    ジャン「西の大陸に橙の炎の蝋燭…あるな」

    魔法使い「間違っていることはなさそうね」



    アルミン「…じゃあ、念じてみようか」





    勇者「…これで、全員の所在と生死がわかるわけか…」



    ジャン(…マルコ)

    ライナー(ベルトルト、アニ…)

    サシャ(…聞きたくないけど……皆を探す為に…)

    ユミル(…クリスタ)

    ミカサ(…)



    ミカサ(…慈悲を…)
  129. 129 : : 2015/07/03(金) 19:27:26

    ━━━━━━━
    ━━━━━
    ━━━



    アルミン「…結果」


    アルミン「ミカサが赤」

    アルミン「ライナーが黄」

    アルミン「ベルトルトが黒」

    アルミン「アニが青」

    アルミン「エレンが金」

    アルミン「ジャンが若草」

    アルミン「マルコが水」

    アルミン「コニーが茶」

    アルミン「サシャが緑」

    アルミン「クリスタが白」

    アルミン「ユミルが灰」

    アルミン「ミーナが桃」

    アルミン「そして、僕が橙だ」
  130. 130 : : 2015/07/12(日) 13:35:59

    ――――――――――
    ――――――――
    ――――――
    ――――
    ――

    一時間後、海上…


    ライナー「落ち着いたか、ユミル」


    ユミル「…」


    アルミン「…無理もないよ。だって、クリスタが…」




    「言うな!!!!」






    ユミル「…言うんじゃねぇ…」


    アルミン「…ごめん」
  131. 131 : : 2015/07/12(日) 13:41:19


    アルミン「…」


    占いの結果を正確にまとめると、既に亡くなっていたのは…。

    104期生の中で最も中心的な二人だった。


    エレンと…クリスタ。


    ユミルとサシャの二人にとっては、エレンとクリスタ…特にクリスタと仲良くしていたため、とてもショックが大きかったようだ。


    …けど、それはこの場にいる全員に言えることだった。
  132. 132 : : 2015/07/12(日) 13:48:02

    西王女「お前以外の連中はどこだ?」


    ジャン「ミカサは船首の上でボーっとしてるよ。サシャは寝込んでる。ライナーとアルミンはユミルについてるってよ」


    西王女「…そうか」


    戦士「…あの中央の島には罠があったそうだな」


    ジャン「あぁ。その罠にまんまと引っ掛かったのがエレンとクリスタってことらしい」


    僧侶「それが罠だとしたら…一体誰がそんなことを?」


    ジャン「さてね。ただ、その犯人は大体目星はつく」


    勇者「そ、そうなのかい?」


    魔法使い「どういうこと?」
  133. 133 : : 2015/07/12(日) 13:57:31
    ジャン「あの罠には、オレたちでしか知り得ない物があった。オレたちの成績だ。これは、この世界ではオレたちしか知らない筈」


    戦士「…待て。それは、お前たちの中に裏切り者がいるということか?」


    ジャン「…可能性はある。だけどよ、そんなことは信じたくないもんで…オレとアルミンでもう一つ仮説を立ててみた」




    ジャン「…この世界に、オレたち以外で、オレたちの世界から来た奴がいるかもしれない」


    西王女「…おいおい。確かにそれならお前たちの成績とやらを知ってても不思議はないが……」


    ジャン「ないことはねぇよ。大体、オレたちだってこの世界にどうやって来たかわからねぇんだ。どんな可能性だってある」



    ジャン「…その犯人が、もしかしたらオレたちをこちらの世界に引きずり込んだ黒幕だって可能性もな」
  134. 134 : : 2015/07/12(日) 14:27:48

    勇者「…どうやら、相当大きな話になってきたみたいだね」

    僧侶「…神よ…」


    魔法使い「でも…魔界への扉は?あの中央の島にはそれがある筈」


    西王女「円卓テーブルの下にある可能性はある。だが、魔法のような物がかかっていてな…全員で持ち上げようとしたが全く敵わなかった」


    戦士「じゃあオセアーノンは、もう魔界への扉が破られないって思ったからいなくなったのか」


    勇者「じゃあどっちにしろ、魔界へはまだまだ遠いってことか…」ハァ

  135. 135 : : 2015/07/12(日) 15:16:45
    「岸だぁ~~~~!!!東の大陸が見えたぞぉーーー!!!」


    勇者「着いたか…。アルミン君たちに上陸の準備をするよう伝えるよ」タタッ


    魔法使い「私はミカサちゃんに伝えにいこっと」タタッ


    僧侶「サシャちゃんを起こさなきゃ…」タタッ


    戦士「…ジャン、食糧と水が必要だろう。あとで取りに来い」


    ジャン「あ?いや、今からでも…」


    戦士「いいから座っておけ」


    ジャン「お、おう」


    戦士「…」フッ


    西王女(…気を使ったつもりかあの単細胞め)

  136. 136 : : 2015/07/12(日) 16:25:59
    西王女「…ジャン、本当に行くのか?」


    ジャン「当たり前だろ。仲間が二人死んだからって諦めるわけににいかねぇだろうが」


    ジャン「東の大陸には…ベルトルトとミーナ、それから…マルコ。その三人がいる」


    ジャン「三人ともを見つける為には、しらみつぶしに東の大陸を歩き回るしかねぇんだよ」



    西王女「…私たちは、東の王都に着き次第、徴兵をかける」
  137. 137 : : 2015/07/12(日) 16:32:53
    ジャン「は?なんだよいきなり。徴兵って何の為のだ?」


    西王女「対魔王軍精鋭部隊を結成する」


    ジャン「…!!魔王軍と戦う為の兵士を、か!?」


    西王女「そうだ。我々は魔王軍にうって出る」

    西王女「魔界への行き方も不明、敵戦力の数も不明だがな」


    ジャン「…どのくらいやるんだ?その徴兵」



    西王女「魔王軍が滅びるまでだ」


    ジャン「…本気、なんだな」



    西王女「お前たちも入って良いぞ」

    ジャン「やなこった。あんなバケモノどもと何度もやりあう程、死に急ぎじゃねえよオレは」
  138. 138 : : 2015/07/12(日) 16:36:07

    ジャン「ん? ちょっと待てよ…」


    ジャン「お前、家出中じゃなかったか!?」


    西王女「そうだが」


    ジャン「魔王軍が滅びるまでずっと東の王都にいる気か!!?」


    西王女「そのつもりだが、何か問題でも?」


    ジャン「…もういい」


    西王女「?」
  139. 139 : : 2015/07/12(日) 16:40:28
    西王女「…ジャン」


    ジャン「なんだよ」


    西王女「もし、もしだ…」


    西王女「もし、元の世界に帰る方法が見つからず、行き場がなかったら…」


    ジャン「縁起でもねぇもしだな」


    西王女「黙って聞け!!」
  140. 140 : : 2015/07/12(日) 16:46:23
    西王女「…その…」


    ジャン「?」


    西王女「…私の所に来い。い、一生面倒を見てやる」


    ジャン「…そ、それって…!!」


    西王女「…」









    ジャン「い、一生お前の下僕になるってことか!!?」


    西王女「…」



    ジャン「…ん?なんだよ急に立ち上がって」

    ジャン「お、おい。何だその構えは?」

    ジャン「ちょ、おいおいおい何だよこの闘気は…!!これ、やば」





    グアァァァァァァァァァァ







    戦士「何だ今の悲鳴。それにしてもジャンのやつ遅いな…。レイチェルめ、もしやうまく行ったのか?」
  141. 141 : : 2015/07/25(土) 10:35:58
    エレンチートの方も書いてください!
  142. 142 : : 2015/08/02(日) 20:47:37
    ☆期待☆
  143. 143 : : 2015/08/08(土) 23:12:58

    東の大陸、西海岸。

    海辺の教会近く…。



    サシャ「…ジャンはどうしたんですか?そのマル焦げっぷりは」


    ジャン「…ちょっとな」クロコゲ


    アルミン「やるね王女様」


    ライナー「呪文を使われたのか?」

  144. 144 : : 2015/08/08(土) 23:19:24

    ユミル「…」


    ミカサ「…勇者さんたちに降ろしてもらったのは良い。…けど、これからどう進むか」


    キドラ「普通に東の王都を目指したらどうッキー?」


    ミカサ「その道中で拾える人を探す。…それが一番?」


    アルミン「うん。近くに教会もあるみたいだし、早速行ってみようか」
  145. 145 : : 2015/08/08(土) 23:22:25

    ライナー「あ、悪いが先に行ってくれ」


    ジャン「何か用事でもあるのか?」


    ライナー「少しな」


    キドラ「…」






    ユミル「…」


    サシャ「ユミル…」


    ユミル「情けねぇ声だしてんじゃねぇ。私も少し外れるからな」


    サシャ「…はい」

  146. 146 : : 2015/08/08(土) 23:31:04
    海辺の教会にて…。


    褐色少女「シスター、誰かいるぞ。船から降りたみたいだぜ」


    シスター「またそんな言葉使いして…」


    褐色少女「そんなのは俺の勝手だろ!」


    シスター「はいはい。…こちらに向かって来てますね、あの人たち」

  147. 147 : : 2015/08/08(土) 23:35:52
    褐色少女「…チビどもは外で遊んでるぞ。まずいんじゃねぇか?」


    シスター「先程の船は王国の船です。そんなものに乗れるような方々が悪人な筈がありません」


    褐色少女「じゃあ、兄ちゃんはどこだ?」


    シスター「彼は森の方に薪を取りに行ってくれました。彼には頼りきりですね」


    褐色少女「それならそれで良いじゃねぇか!ずっとここにいてくれるってことだろ!?」
  148. 148 : : 2015/08/08(土) 23:38:59
    シスター「彼には仲間が居ます。彼だってすぐにでも仲間を探しに行きたい筈なのに…」


    褐色少女「…でも、それはもうすぐ…」


    シスター「はい。だからもう少しだけなんですよ」




    「…彼がここにいてくれるのは」
  149. 149 : : 2015/08/14(金) 09:32:44
    ウォォォォォー…



    褐色少女「?!」


    シスター「あの声は…山賊ウルフ!」


    褐色少女「シスター!チビどもを頼む!!」


    シスター「はい!ミリア、貴女はどうする気ですか!?」


    褐色少女「あの冒険者どもの見物だ!」ダッ


    シスター「なっ…ミリア!?」
  150. 150 : : 2015/08/15(土) 00:04:10
    Armin side …


    ジャン「…おいおい…」


    山賊ウルフ「グルル…」 

    山賊ウルフ「…」 

    山賊ウルフ「…グルル?」

    山賊ウルフ「…グル、グルル!」




    ジャン「…30体くらいか?」


    アルミン「山賊ウルフの群れ…とんでもないね」


    ミカサ「…数が多い。一人当たり8体くらいと戦うことになる」


    ミカサ「皆、いける?」
  151. 151 : : 2015/08/15(土) 00:07:35
    サシャ「いつまでもウジウジなんてしていられません」ギュウ…


    サシャ「戦って、生き残る。その覚悟は出来ていますよ」ギリリ…




    アルミン「そうさ」


    アルミン「そんなことじゃ、エレンに怒られちゃうよ」スッ



    ジャン「あの野郎にふっかけられんのはゴメンだね」


    ジャン「クリスタにも心配させたくねぇしな」






  152. 152 : : 2015/08/15(土) 00:13:41


    ミカサ「…」チャキ


    ミカサ(戦って、戦って…この感情を消さなければ)


    ミカサ(諦めという、逃げ道でもあるものを)




    アルミン「…けど、ユミルとライナーがいなくなった途端に出てきたねこいつら」

    サシャ「そういえばキドラもいませんね」


    ジャン「…狙われてるのか?」


    ミカサ「彼らに訊けば分かる。それだけ」



    ミカサ「…ただし、無駄な部位を削ぎ落とした後に」



    「教えてもらう…!」




    アルミン「…それ、ただの拷問」
  153. 153 : : 2015/08/15(土) 08:14:16

    山賊ウルフA「ヒュオ!」ビッ


    ミカサ(袈裟斬り…)ヒョイ


    こちらから斬り込もうと、相手からかかってこようと…、相手の出方を見なければならない。


    相手が腕を使うのは肩を。足を使うなら太ももを見ていれば分かる。

    相手が何をしようとしているのかが。


    ミカサ「…最近はよく見える」


    山賊ウルフA(全然あたらねぇ…)ゼェ ゼェ


    ミカサ(相手の動きが止まって見える!)ヒュッ


    ミカサ「隼斬り」ヒュヒュン
  154. 154 : : 2015/08/15(土) 08:21:22
    サシャ「五月雨撃ち!」ドドドドドッ


    ジャン「良い弓捌きだな!」タタン


    サシャ「ありがとうございます!」


    ジャン(そうだ。最近、少し思うことがある)


    …オレたち、強くなってきてないか?


    けっこう魔物は襲ってきた。

    勇者連中と一緒にいたときは特に。

    海上のマーマン戦なんかは熾烈な戦いだった。


    ジャン「いけるぜ…!」グッ

    ジャン「マヌーサ!」ポワァン


    山賊ウルフB「」ポワァン

    山賊ウルフC「」ポワァン

    山賊ウルフD「」ポワァン


    ジャン「まどろみ斬り!メダパニ斬り!」
  155. 155 : : 2015/08/15(土) 14:05:34

    山賊ウルフE「な、なんだこいつら!」

    山賊ウルフF「人間がぁっ…!強いぞあの双剣の女とレイピア男!」


    山賊ウルフ隊長「ならば弓女と金髪のガキを狙え!特にガキの方は何もしてないぞ!!」



    アルミン「なにもしてなかった訳じゃないんだけどね…!」キィン


    山賊ウルフ隊長「あ、あの輝き…!呪文か!?」


    アルミン「集中してたんだよ、まだ慣れてないから…」キィン キィン


    山賊ウルフ隊長(なんだあの溜めは…!呪文詠唱の時間が長すぎる!でかいのがくるぞ!)



  156. 156 : : 2015/08/15(土) 14:15:22

    山賊ウルフE「と、止めろぉ!!あのガキを全員で止めるんだ!!」ダダッ


    山賊ウルフ隊長「! よせお前ら!!退けぇ!!」



    ウォォォォォ…!

    ダダダダダッ…!


    アルミン「くっ!」


    ミカサ「アルミン!」


    サシャ「お任せください!」


    サシャ(敵影…25!)ギリリ




    サシャ「一秒25(にぃごぉ)連射!!!」


    ビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビッ!!!


    山賊ウルフF「ぐわぁっ!!」ズサッ

    山賊ウルフE「ギッ」

    山賊ウルフR「足がぁっ!?」



    山賊ウルフ隊長「全員の足に正確に矢を…!」


    ジャン「なんつぅ連射速度だ…!」
  157. 157 : : 2015/08/15(土) 14:19:17

    アルミン「そんなことができるなら始めからやってよ…!」キィン キィン


    サシャ「見せ場を残してあげたんですよ♪」


    アルミン「ははっ、ありがとう!」キィンキィンキィン



    アルミン「ギラ!イオ!」キィン



    カッ



    山賊ウルフ隊長「…!」





    ボゴォォォォォォォン!
  158. 158 : : 2015/08/21(金) 23:31:59


    ジャン「…やったか?」


    アルミン「多分」


    ミカサ「アルミン、いつの間に攻撃呪文を?」


    アルミン「本を読んでたら自然に出来るようになったんだ。他にもいくつか使える呪文があるよ」

    サシャ「流石は天才アルミン、本の虫ですね」


    ジャン「そんなレベルじゃねぇだろ…」




  159. 159 : : 2015/08/21(金) 23:35:41
    ミカサ「そういうジャンこそ。いつの間に呪文を?」


    ジャン「いや…オレもいつの間にか、自然とな」


    サシャ「…呪文ってそんな簡単なものでしたっけ?」

    アルミン「そんなことはないと思うけど…」

    サシャ「あなたが言っても説得力0ですからね」



    「ハハッ、中々やるじゃないか冒険者ども!!」
  160. 160 : : 2015/08/21(金) 23:40:14
    ジャン「!」

    サシャ「新手!?」


    ミカサ「いえ、違う」



    褐色少女「へへっ」


    アルミン「なんだ、人間か…」ホッ



    褐色少女「双剣のバトルマスターにレイピア使いの魔法剣士、超速連射の狩人。そして…」チラッ


    アルミン「…ぼく?」



    褐色少女「賢者の卵、か」


  161. 161 : : 2015/08/22(土) 14:20:45
    褐色少女「けど詰めが甘いね」


    アルミン「どういうこと?」


    ミカサ「一体逃げた」





    ━━━━━━━━━
    ━━━━━━━
    ━━━━━
    ━━━



    山賊ウルフ隊長「ハァッ、ハァッ…」
  162. 162 : : 2015/08/22(土) 14:24:14
    山賊ウルフ隊長「やってくれやがるぜ、人間…!!」


    山賊ウルフ隊長「…それよりも、あの金髪はなんだ!?呪文を同時に使いやがった!そんなことができるのは、この世にただ一人なだけの筈…」


    山賊ウルフ隊長「勇者たちとは違う、また別の猛者が出てきやがった…!デスタムーア様に報告せねば!」
  163. 163 : : 2015/09/01(火) 17:25:20
    アルミン「賢者の卵って…どうして僕が賢者を目指してるってわかったの?」

    褐色少女「はぁ?なに言ってんだ?」

    褐色少女「呪文を同時に扱える奴なんざ賢者以外いないだろうが」

    アルミン「えっ、そうなのかい?」


    ジャン「…シガンシナの三人組ってなんだかんだ言って似た者同士だよな」

    サシャ「そうですね」


    ミカサ「?」


    ジャン(自分たちがいかに常識外れか気づいていねぇんだ)
  164. 164 : : 2015/09/01(火) 17:28:50
    褐色少女「それよりも来てくれよ、兄ちゃんたち!」

    サシャ「どこへですか?」

    褐色少女「教会!もうすぐ飯の時間なんだ!」

    サシャ「ご一緒しましょう!!」キリッ


    ジャン「即答かよ!」

    アルミン「ユミルたち放っといて良いの?」

    ミカサ「あの二人も子供じゃない。危険くらい一人で回避できるはず。キドラもそう」
  165. 165 : : 2015/09/01(火) 17:35:20
    Ymir side …


    ユミル「…どこだここ」

    ユミル「いつの間にか森の方に歩いてきちまったのか…?」


    ユミル「…くそっ」ドサッ




    「ちくしょう…」

  166. 166 : : 2015/09/01(火) 17:43:30
    ユミル「なんで、どいつもこいつも…私を置いていくんだ…!」


    ガスッ





    ユミル「っ…クソォォォォォォォォォォォォォォ!!!」
  167. 167 : : 2015/09/01(火) 23:18:50
    クリスタ『ユミル、みんながまってるよ!ほら、いこ?』


    エレン『全力でかかってこいよ!アニ直伝の蹴りと締めを味あわせてやるぜ!』



    ユミル「…なんで、どいつもこいつも…!!」




    …ザッ


    ユミル「!!」バッ
  168. 168 : : 2015/09/01(火) 23:23:01

    ゴンズ「おっ、人間か」ザァッ


    ユミル「なっ…」ゾクッ


    (まずい!!)


    ユミル「ピオラ!」ブゥン


    ゴンズ「ん?」


    ユミル「」ダッ


    ダダダダダッ…


    ゴンズ「ほぉ、良い判断だ…」
  169. 169 : : 2015/09/01(火) 23:30:18
    ユミル(なんだあの威圧感!!どう考えてもまずい!戦うのは得策じゃない!!)ダダダッ


    ゴンズ「が、判断が一足遅かったな」ザッ


    ユミル「」ズザァ



    ユミル「…は?」


    (先回りされた…!?)
  170. 170 : : 2015/09/01(火) 23:39:09
    ゴンズ「ピオラで加速しきる前に追いついてやっただけだぜぇ、人間…!」


    ユミル「ぐぅっ…!てめぇ、何者だ!?」


    ゴンズ「俺の名はゴンズ!魔王軍幹部ゴンズ様だ!!」


    ユミル(…!幹部…!?)


    ユミル(…だめだ)


    (どうやら、早々にアイツらに会えそうだ)
  171. 171 : : 2015/09/01(火) 23:49:06

    ユミル「…」


    ゴンズ「…んん?なんだ、既に諦めてんのか?…生を!」


    ユミル「…ああ。殺すならさっさと殺せ」

    ユミル「私はもう疲れた…」


    ゴンズ「そうかそうか!ならつまらねぇが殺してやるぜ!!」

    ゴンズ「…だが、お前に一つ聞いておくことがある」


    ユミル「…あ?」
  172. 172 : : 2015/09/02(水) 00:17:48
    ゴンズ「ここいらでよぅ、魔物を見なかったか?動物の魔物だ」


    ユミル「魔物…?」


    ゴンズ「確か、元の動物の名前は…二文字の…なんだったかな…」ウーン

    ユミル「…」



    (待ってろよ、クリスタ、エレン…)

    (いまそっちに行くからな…)
  173. 173 : : 2015/09/04(金) 17:01:03
    ゴンズ「そいつとオレとでよぉ、あるシスターを拐う予定でな」


    ユミル「シスター…?」


    ゴンズ「あぁ、まるで聖女のようなシスターだと聞いている。身寄りのないガキを片っ端から集めて面倒みてるみたいでな。そのシスターをガキどももろともさらっちまおうって話だ」


    ユミル「…聖女か」

    ユミル(あいつは女神だったなぁ…)


    ゴンズ「更にそいつは世にも珍しい能力の持ち主らしい。生き物の才能みてぇなもんを見抜き、引き出しちまうことが出来るらしいのさ」

    ゴンズ「これで魔物の才能を引き出し、魔王軍強化に貢献させようってな!」
  174. 174 : : 2015/09/04(金) 17:33:04
    ユミル(魔王軍に目をつけられるなんて…不運な奴だな)

    ユミル(クリスタみたいな奴が狙われる、か…)



    クリスタ『ユミルももっと素直になれば良いのに…』

    クリスタ『そうしたら、皆もきっと理解してくれるよ?ユミルは本当は優しいって!』



    ユミル「…おい、腐れ猪」


    ゴンズ「…今、なんて言った人間」
  175. 175 : : 2015/09/04(金) 17:35:48
    ユミル「気が変わった」カチャチャ


    ユミル「てめぇは刺し違えてでも私が殺す…!」ギラリ


    ゴンズ「正気かよ人間…!勝目なんざ万に一つもねぇぞ!死に急ぎやがって…!」



    ユミル「死に急ぎ、か…」
  176. 176 : : 2015/09/04(金) 17:38:10



    「本望だ」




    ユミル(あいつらの声が聞こえる…!)



    エレン『いけ!遠慮すんな、ぶっ殺しちまえユミル!!』

    クリスタ『シスターを守ってあげて!けど、無理しちゃダメだよ!?』
  177. 177 : : 2015/09/04(金) 17:56:10

    ユミル「来いよ、豚」


    ゴンズ「」ブチッ




    ゴンズ「ならこっちからぶち殺しに…!!!」グォッ


    ユミル(今だ!!)ヒュ


    ユミル「」パッ



    ゴンズ「消えた!?」
  178. 178 : : 2015/09/04(金) 18:03:03
    ユミル「ピオラでのスピードを甘く見たな。加速さえしきれば、てめぇみたいな鈍足はどうにでもなんだよ。…しかし重たいなこの武器。よくこんな物振り回せるもんだぜ」ズシッ


    ゴンズ「は…!?」

    ゴンズ(こいつ、盗賊か!俺の武器を盗みやがった!)


    ユミル「さて……魔王軍幹部もたいしたことねぇな」


    ゴンズ「てめぇ…」ブチブチブチッ


    ユミル(怒らせろ!このまま戦ったら絶対に敵わねぇ…!騒ぎを起こしてアイツらに報せるんだ!)
  179. 179 : : 2015/09/04(金) 19:01:00
    ユミル「かかってきやがれブサイク!!」ダッ


    ゴンズ「」グン


    ユミル「!!」


    ユミル(速い!)


    ゴンズ「なめてんじゃねぇぞ人間!!」ブォ

    ユミル「しまっ…」



    ガィンッ
  180. 180 : : 2015/09/04(金) 19:05:27
    バキンッ!




    ユミル「がっ…」ズザァッ


    ユミル(し、しびれた…!?なんて力してやがる…!!これじゃあ動けねぇ…!)


    ゴンズ「ちぃ、俺の武器で身を守りやがったな。壊れちまったじゃねぇか」


    ゴンズ「俺の武器の代償は…お前の命だ、人間!!」
  181. 181 : : 2015/09/04(金) 19:07:39
    ゴンズ「死ねぇ!!!」グォッ


    ユミル「く…そ……」


    ユミル(ここまでか…!)ギュゥ












    「メラミ」カッ




    バォォン!
  182. 182 : : 2015/09/04(金) 19:14:53
    ゴンズ「ガアァ!!?」ボォォ



    ユミル(呪文…)


    ゴンズ「ずああぁぁぁぁぁぁ!!!誰だぁ!!?」




    ????「人間さ。少し特別な、ね…」
  183. 183 : : 2015/09/04(金) 19:32:37
    【Party1】所持金:23540G

    [アルミン・アルレルト] Job:僧侶
    E:裁きの杖 E:甲羅の盾 E:絹のローブ
    E:神官のタイツ E:素敵なサボ E:麻のマント
    持ち物:イオの巻物

    [ライナー・ブラウン] Job:戦士
    E:鉄の斧 E:鉄の盾 E:厚手の鎧
    E:鉄の膝当て E:鉄のグリーブ
    持ち物:毒消し草,上薬草×3

    [ユミル] Job:盗賊
    E:バタフライダガー E:バタフライダガー E:ターバン
    E:旅人の服 E:忍のズボン E:木の靴
    持ち物:果物ナイフ×10,薬草×10,世界樹の葉

    [ミカサ・アッカーマン] Job:バトルマスター
    E:鉄の剣 E:鉄の剣 E:エレンのマフラー
    E:絹のローブ E:ガーターベルト E:ハイヒール
    持ち物:イーの想い出の鈴

    [ジャン・キルシュタイン] Job:魔法剣士(魔法戦士)
    E:魔剣士のレイピア E:銀のリスト
    E:鎖かたびら E:鉄の膝当て E:ウエスタンブーツ
    E:破幻のリング
    持ち物:魔物図鑑,装備道具全集

    [サシャ・ブラウス] Job:狩人
    E:狩人の弓 E:旅人の手袋
    E:うさみみバンド E:かくれみの服
    E:ニーソックス E:素敵なサボ E:疾風のリング

    【キドラ】 Job:ドラキー
    E:スーパーリング
    持ち物:悪魔の手鏡(通信用),魔王軍の紋章

    【袋】
    訓練兵団制服セット×5


    【北の大陸の行方不明者】
    ・アニ・レオンハート    ・コニー・スプリンガー

    【東の大陸の行方不明者】
    ・ベルトルト・フーバー   ・マルコ・ボッド
    ・ミーナ・カロライナ

    【死亡(推定。エレンのみ幽霊確認)】
    ・エレン・イェーガー    ・クリスタ・レンズ
  184. 184 : : 2015/09/06(日) 23:30:38
    ユミル「…ぁ…」


    ????「少し眠っていなさい。休まるよ」

    ゴンズ「何をぬかしてやがる!?」


    ????「…あぁ、わかりにくてすまない」


    ????「君たち二人に言ったんだ」

    ゴンズ「…なっ」



    カッ




    ユミル(…誰だ…?)

    ユミル「」フッ
  185. 185 : : 2015/09/06(日) 23:32:34

    Liner side …



    ライナー「なあ、キドラ」


    キドラ「んー? なんだッキー?」


    ライナー「おまえ

  186. 186 : : 2015/09/06(日) 23:35:57
    >>185 訂正

    Liner side …



    ライナー「なあ、キドラ」


    キドラ「んー? なんだッキー?」


    ライナー「おまえは人を殺したことはあるか?」

    キドラ「…ないけど。急になんだッキー?」

    ライナー「…オレはある」

    キドラ「へぇ。それは驚きだッキーね」

    ライナー「驚いているようには見えないが?」

    キドラ「このご時世、人を殺しでもしなければ生き残れないなんてことはザラだッキーよ」
  187. 187 : : 2015/09/06(日) 23:40:12
    ライナー「いや、オレは人を殺さなければ生き残れないというわけではなかった」

    ライナー「…殺さなくてはならなかった。そう思い込んでいただけなんじゃないかって思うんだ」

    キドラ「…」

    ライナー「…自分の大切な者たちを守る為に他人を殺すなんてこと、それはおかしいと、普通なら気づける筈なのに」

    キドラ「…状況に依ると思うッキーけど」
  188. 188 : : 2015/09/06(日) 23:45:31
    ライナー「切迫した状況でもなかった。すぐにでも壁を壊さずとも、力を貸してくれる人間たちを探せば良かった」

    ライナー「ただの伝承を信じ…悪魔の末裔と罵り…彼らを見極めようともせず…彼らを…殺した」

    ライナー「何万、何十万と…彼らを…」ギリリ


    キドラ「…話が全く見えて来ないんだッキーけど。なぜその話をいまするんだッキー?」


    ライナー「…大切な仲間が、二人も死んだ」
  189. 189 : : 2015/09/08(火) 06:34:13
    期待です
  190. 190 : : 2015/09/12(土) 17:36:00
    ライナー「かけがいのない奴らだった。オレが使命を忘れてしまうほどの…優しい二人だった」


    ライナー「あの優しい二人の人間が死んで…なぜ一匹の化物がまだ生きているんだ」


    ライナー「なぜまだオレは生きているんだ…」


    ライナー「何万人と人々を殺したオレが、なぜ…!」



    キドラ「…」
  191. 191 : : 2015/09/12(土) 17:42:12
    キドラ「…お前が過去になにをやらかしたか訊く気はないし、興味もないッキー」

    キドラ「ただ、一言だけ言わせてもらうッキーよ」



    キドラ「…ライナー、そのままでいいのッキー?」



    ライナー「なに…!?」


    キドラ「自分のしでかしたことを嘆き、友の死を悲しみ、その場でうずくまる…」

    キドラ「このままじゃ、誰も報われない」

    キドラ「そんな簡単なことになぜ気付かない、ライナー」
  192. 192 : : 2015/09/12(土) 17:46:01
    ライナー「気づいてはいるさ…」


    ライナー「だがどうしようもない。何をすれば贖罪にあたるかもわからないんだ…!」


    ライナー「エレンとクリスタは死んだ!!人間が生き返る筈もない…」

    ライナー「オレの行いも償えない。人類を破滅へと導いてしまったんだぞ…!」



    キドラ「だからといって立ち止まるのかッキー」


    ライナー「…」
  193. 193 : : 2015/09/12(土) 18:04:34
    面白いです!期待してます!
  194. 194 : : 2015/09/12(土) 19:30:22
    キドラ「悪いことをしたら謝るのが基本だッキー」


    ライナー「…は?」


    キドラ「迷惑を掛けてしまった者たち全員に謝りに行けばいい」

    キドラ「こちらの世界では死人が生き返るという事例もある。死人を生き返らせる方法を探しに行けばいい」


    キドラ「ただこれだけのこと。何を躊躇する必要があるッキー?」


    ライナー「そんな…先の見えない…」

    キドラ「途方の無い話だということはオイラもわかってるッキー。けど、どうせ死ぬくらいなら…」


    キドラ「死ぬ代わりにその人生、雲を掴むような希望に捧げるのも悪くはないと思うッキーが?」

  195. 195 : : 2015/09/12(土) 19:47:18
    ライナー「…オレは…」



    「…人間か」



    ライナー「何!?」バッ

    キドラ「」バッ



    バズズ「ふん…久しぶりにあの女以外の人間を見たな」


    ライナー「魔物…サルか!?」

    キドラ「バズズって魔物だッキー!」

    バズズ「俺様の名前を呼び捨てにしてくれるとは…良い度胸じゃねぇかドラキー風情が…!」ゴォッ



  196. 196 : : 2015/09/12(土) 19:52:02
    ライナー(…かなり強いな、あの魔物)


    キドラ「名前…?バズズってのは種族名の筈ッキー!おかしなことを言うなッキー!」

    ライナー「…そんなにおかしいのか?それ」

    キドラ「当たり前だッキー!ライナーだって人間って呼ばれたら変な気分するッキー?それと一緒だッキー!」

    ライナー「あー、成程」


    バズズ「ふん…俺様の名はバズズだ。それ以外の何者でもねぇ」


    ライナー「…あんなこと言ってるが」

    キドラ「???」
  197. 197 : : 2015/09/12(土) 19:55:29
    バズズ「それより…お前、ライナーといったな」

    ライナー「? ああ」

    バズズ「よし…」






    バズズ「魔物たちの国、ユグドラシルへと来い。ミーナ・カロライナがお前を待っている」





    ライナー「は」
  198. 198 : : 2015/09/12(土) 20:10:41
    ライナー「ミーナが…!?」

    バズズ「さっさとしろ」


    キドラ(ミーナって確か…ライナーたちの仲間の一人!)


    ライナー「ま、待ってくれ!オレには他にも仲間がいるんだ!そいつらも連れていきたい!」

    バズズ「…仕方のない奴だ。オレはこの辺りにいる。翌日、ここに来い。もうすぐ夜だしな」

    ライナー「あ、ああ」


    キドラ(…悪い奴ではなさそうだッキーね)
  199. 199 : : 2015/09/12(土) 20:17:00
    バズズ「それと…この近くに教会がある」

    ライナー「教会?」

    キドラ「皆もそこにいるかもッキーね」


    バズズ「その教会に若造どもが集まるらしい。気をつけた方が良いぞ」

    ライナー「若造って…何のことだ?」





    バズズ「魔王軍だ」
  200. 200 : : 2015/09/12(土) 20:29:20
    Armin side …

    海辺の教会にて…。


    子供A「うわあ、あしかたーい!」

    子供B「おめめおっきー!」

    子供C「みてみて!うまづらだー!」

    子供D「このマフラーちょうだーい!」

    子供E「このこちっちゃい!!」


    サシャ「な…なんですかこの状況」

    ジャン「誰だ馬面って!馬面って吹き込んだ奴!!」

    褐色少女「率直な感想じゃねぇか?」

    ジャン「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


    アルミン「あはは、皆かわいいね。ねっ、ミカサ」

    ミカサ「…」

    アルミン「…ミカサ?」

    ミカサ「このマフラーは渡さない…!!何があっても!!」

    アルミン「何を本気の目で言ってるの!!?」
  201. 201 : : 2015/09/12(土) 20:34:59
    シスター「ようこそいらっしゃいました、旅の方々。私はここでシスターを務める、マリアと申します。こっちはミリアです」

    褐色少女「へへっ、よろしくな兄ちゃんたち」

    アルミン「初めまして、アルミン・アルレルトです」

    ジャン「ジャン・キルシュタインだ」

    ミカサ「ミカサ・アッカーマン」

    サシャ「夕食はまだですか?」キョロキョロ

    ミカサ「」ジロッ

    サシャ「さ、サシャ・ブラウスです!」ビシッ
  202. 202 : : 2015/09/19(土) 20:11:21
    期待です
  203. 203 : : 2015/09/20(日) 23:20:11
    シスター「先程の戦い、拝見させていただきました。結果として、この修道院を守ってくださったあなた方に感謝いたします」

    アルミン「い、いえ!僕達は自分の身に降りかかる火の粉を払っただけですから…!」

    シスター「そうご謙遜なさらずに。立派な戦いぶりでしたわ」

    アルミン「え、えぇっと…」



    サシャ「あのアルミンがタジタジですよ、タジタジ」

    ジャン「あのシスター美人だしな。歳上好きのアルミンじゃあ無理もねぇだろ」

    ミカサ「アルミンは歳上が好みではなくて、慣れてないだけ」


    アルミン「ミカサ!ジャン!!」カァッ
  204. 204 : : 2015/09/20(日) 23:27:45
    シスター「それはそうと、もうすぐお夕飯にするので、よろしければあなた方もいかがですか?」

    褐色少女「そのつもりで呼んできたんだぜ、シスター」

    シスター「あら、そうだったの。ではそうしましょう」


    アルミン「いや、その前に訊きたいことが…「是非ともいただきたいですね!!」ちょっと、サシャ…!」


    ジャン「良いじゃねぇか別に。腹も減ったし夜もふける。しかもタダ飯食らわしてくれるってんだ、遠慮せずにいこうぜ」

    ミカサ「アルミン、そうさせてもらおう。すみません、私達以外にも二人と一匹いるのですが、彼らの分もお願い出来ますか」

    シスター「はい、喜んで」


    アルミン「…仕方ないか。早く皆を探したいんだけどな」


    アルミン(…そして、証明したいんだ)



    (エレンもクリスタも…他の皆も…。絶対に生きてるって)
  205. 205 : : 2015/09/20(日) 23:32:57
    Ymir side …



    …………ぃ



    (…)



    …………い



    (…?)






    ????「起きなさい」

    ユミル「うわあぁぁ!!?」バッ

    ????「…なんだ、元気じゃないか」


    ユミル「……あ?」


    ユミル(何があったんだっけ…)

  206. 206 : : 2015/09/20(日) 23:36:10
    ユミル「…あんた、誰だ?」


    ????「名乗る程の者じゃないが…元医者とだけ言っておこう」


    ユミル「元、ね…」

    ユミル(そういえばそうだった。あの腐れ猪に殺られそうになった時にこのおっさんが……………………………!!?)



  207. 207 : : 2015/09/20(日) 23:54:58
    ユミル「おい!!あの腐れ猪はどこだ!?」

    元医者「腐れ猪?」

    ユミル「さっきのゴンズとか言ってた魔王軍幹部だ!!」

    元医者「君の後ろにいるよ」

    ユミル「は?」クルッ


    ユミル「…あ?」


    ユミルが振り返った先には、確かにゴンズが居た。しかしその身は黒く染まり、息絶えているのがわかった。


    ユミル「…あんたがやったのか?」

    元医者「どうにも静かになってくれなくてね。放っといたらまずいし、仕方なくさ」

    ユミル「……」


    元医者だと言う男の身体や服には、ほこり一つついていない。
    つまり、その元医者は無傷で魔王軍幹部を倒してしまったのだ。

    …更に述べると、争った形跡もない。

    ゴンズが抵抗する間もなく、その命が尽きてしまったことがわかる。


    ユミル(魔王軍幹部に圧勝って……どんなくらいの強さか検討がつかねぇ。三将のイーや勇者クラスってことかよ)
  208. 208 : : 2015/09/24(木) 00:07:14
    エレ←ユミもいいよね!

    期待期待!!!!!!!!!!!!!!!
  209. 209 : : 2015/09/24(木) 00:16:19
    いつ更新ですか?
  210. 210 : : 2015/09/24(木) 15:33:57
    期待!
  211. 211 : : 2015/09/25(金) 22:54:03
    ユミル「おっさん、一体…?」


    元医者「時間がない」


    ユミル「は?」


    元医者「私は妻を探している。心当たりはないか」

    ユミル「…いや、まず言うことがあんだろ。その人の名前はなんだよ。名前もわからないんじゃ心当たりもくそもないだろ」

    元医者「名前は忘れてしまった。…おそらく、死んだ時に」



    ユミル「…なに?」



    …こいつ今、何て言った?
  212. 212 : : 2015/09/25(金) 23:00:55
    ユミル「…あんたはなんだ。腐った死体?幽霊?」

    元医者「人聞きの悪いことを…。生き返ったんだ。恐らくね」

    元医者「息子に全てを託して、私は死に………そして生き返った」


    ユミル「…面白くねぇジョークだな」

    元医者「面白くないのは当然だよ」


    元医者「全て真実なのだから」





    ユミル「………………………………どうやって」ボソッ


    元医者「?」
  213. 213 : : 2015/09/25(金) 23:10:39
    ユミル「どうやって生き返ったぁ!!!!」







    元医者「…」



    ユミル「言え!!力ずくでも吐かせるぞ!!!」


    元医者「敵わぬと…解っているはずだが?」


    ユミル「それでも戦わなきゃいけねぇ時がある」

    ユミル「今がそうだ」
  214. 214 : : 2015/09/25(金) 23:15:56
    元医者「…どうやら君も、大切な人を亡くしたようだね」


    ユミル「…も?」


    元医者「僕もそうさ。妻を守れなかった」


    ユミル「え…」



    ユミル「でもあんたさっき、奥さんを探しているって…」


    元医者「僕は、ある別の世界で死んで生き返った。ならば妻もそのはずだ」


    ユミル「どういうことだ!?」
  215. 215 : : 2015/09/25(金) 23:20:42
    元医者「この世界には、また別の異世界で死んだはずの者が存在する。そこのゴンズという魔物もそうだ」

    ユミル「は…!?」

    ゴンズ「」


    元医者「他にも数多くの死んだはずの人と魔物が存在するんだ。全員が全員元死人ってわけではないけどね」

    元医者「ならば別世界で死んだ妻も、この世界で生きている可能性が高い」
  216. 216 : : 2015/09/25(金) 23:34:49
    ユミル(じゃあここは、死後の世界…!?…ん!?ってことは、私たちはどうなんだ!?)


    元医者「…ちなみにここは天国でも地獄でもないよ。現実さ」


    ユミル「…心読むなよ」

    元医者「顔に出てたよ」


    ユミル「…なんつーか、私が思う死者蘇生とは違うみたいだな」

    元医者「気がついたら生き返ったって感じだったからね。それに自覚している者も少ないだろうから、あまり知られてはない。内密に頼むよ」
  217. 217 : : 2015/09/25(金) 23:51:43
    ユミル「…死者蘇生の手がかり、見つかるかと思ったのによ」

    元医者「…そういう呪文ならあるけど、神に祝福されてなかったり、遺体がなかったりすると駄目だろう」

    ユミル「ザオラルとかだろ?そのくらいは知って…」ハッ


    ユミル「……遺体?」



    ユミル(そういえば、アイツらの身体はどこだ?)


    ユミル(遺骨もなかった。魔物が荒らしたにしては綺麗過ぎた)


    ユミル(じゃあどこだ?誰かが後始末をした?なぜ?メリットは?後々のメンバーも罠に嵌めるために?)


    ユミル「そもそもアイツらは、本当に罠にかかったのか…!?」


    元医者「どうやら糸口を掴んだようだね」


    ユミル「」ハッ
  218. 218 : : 2015/09/26(土) 00:00:20
    元医者「…じゃあ、僕はもういくよ」ザッ


    ユミル「あ、おい!!あんた、名前は!?」


    元医者「僕は何もわからない。自分がかつて医者だったこと以外は、なにも…」


    元医者「…ルーラ」



    シュウウゥ…シュン!



    ユミル「…行っちまった」
  219. 219 : : 2015/09/26(土) 01:22:30
    更新来ましたーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!
    やったあぁぁぁあ!

    あ、期待です!
  220. 220 : : 2015/09/26(土) 12:20:40
    期待です
  221. 221 : : 2015/09/26(土) 12:43:10
    続きが楽しみです(≧ω≦)
  222. 222 : : 2015/09/28(月) 20:27:18
    まさか医者ってグリシャ…?
  223. 223 : : 2015/09/28(月) 20:56:02
    そーゆーこと言うな!
  224. 224 : : 2015/09/30(水) 04:39:05
    絶対にユミルがエレン以外好きになるとかやめてほしい
  225. 225 : : 2015/09/30(水) 15:01:28
    それな
  226. 226 : : 2015/10/01(木) 12:47:59
    続き待ってますです
  227. 227 : : 2015/10/01(木) 18:19:10
    期待です
  228. 228 : : 2015/10/01(木) 20:16:33

    Armin side …

    夜、海辺の教会内食堂…


    サシャ「ん~!美味しいですねーこの野草のパスタ!!」ガツガツ

    子供B「シスターはおりょーりがじょーずなんだよ!」

    サシャ「すごい美人ですし…すぐにでもお嫁さんにいけますね!!」ガツガツ

    子供B「相手のおにーちゃんはその気がないんだけどねー」

    サシャ「?」ガツガツ





    アルミン「…役割…ですか?」カチャ

    シスター「はい」

  229. 229 : : 2015/10/01(木) 20:21:38

    シスター「この世の多くの生き物たちは、その多くがとある役割を神から与えられています。“自由に生きなさい”、と…」

    シスター「しかし、ごくまれに、決まった役割を与えられている者が存在します。私やミリアがそうですね」

    褐色少女「へへっ」ピース


    シスター「そして、その役割を役割通りに全うしようとすると、その役割において無限の成功を果たすのです」

    アルミン「はあ…」
  230. 230 : : 2015/10/01(木) 20:26:01
    ミカサ「それが、あなたとどう関係が…?」

    シスター「私は他人の役割がわかります。鑑定士という役割を持つからだと思いますが…」

    ジャン「じゃあ、あれか。あんたは他人を成功に導けるってことか………いでででで!!」

    子供C「きゃははは!」グイー


    アルミン「才能とは違うのですか?」

    シスター「才能のより凄まじいものと捉えて頂ければ…」
  231. 231 : : 2015/10/01(木) 20:28:01
    シスター「…そして、こんな話をあなた方にするということは……おわかりですか?」

    アルミン「…」



    シスター「あなた方四人には大いなる役割が与えられています。それこそ、かつての導かれし者たちのように…」



    ミカサ「…!!」

    サシャ「へ?」
  232. 232 : : 2015/10/01(木) 20:34:47
    シスター「しかも、皆さん全員が、その役割を全うしようとしているのです。…皆さん、いつのまにか技や呪文が使えるようになったり、武器の扱いや身の捌き方が思う様になっていませんか?」


    アルミン「…そういえば、いつの間にか攻撃呪文が使えるようになりました」

    ジャン「オレも…呪文使えてるな」

    ミカサ「戦う際に相手の隙の継ぎ目や狙い目がわかるようになっていました」

    サシャ「私は速射と連射が出来るようになっていましたねー」ガツガツ


    褐色少女「賢者に魔法剣士、バトルマスター、狩人…」

    アルミン「そういえばミリアちゃんは?」

    褐色少女「ちゃんづけすんな!!……私は盗賊だ」
  233. 233 : : 2015/10/01(木) 23:52:25
    期待!
  234. 234 : : 2015/10/07(水) 21:48:06
    期待です!!!
  235. 235 : : 2015/10/08(木) 21:14:33
    アルミン「…しかし、その役割というものは、一体何の為に…?」


    シスター「…使命を果たすために。私はそう考えています。ある者は文明を繁栄させ、またある者は世界を滅ぼす。勇者や魔王と呼ばれる者たちのことです」


    ミカサ「魔王にも役割が与えられているのですか?」


    シスター「…神は必ずしも善にかたむくというわけではありません。神は平等なのです」


    褐色少女「」ピクッ


    シスター「あのような者たちにも、役割を与えられている者はいるのです」


    ジャン「あのような者たちだあ…?」
  236. 236 : : 2015/10/08(木) 21:18:10
    褐色少女「おーらチビども!寝るぞー!!」


    子供A「えー」

    子供B「まだサシャおねえちゃんであそぶー!」

    サシャ「えへへ…」


    ジャン「…“で”って言ったな」

    アルミン「知らぬが仏ってやつだね」



    褐色少女「オラ、上行ってろ!!」


    子供たち「「「「「はーい!!」」」」」
  237. 237 : : 2015/10/08(木) 21:25:47
    ワーワー キャッキャッ


    ジャン「どうしたんだ?急にガキどもを寝かしつけたりして」


    褐色少女「わからねぇか?」

    ジャン「あ?」


    ミカサ「」ピクッ

    サシャ「え」ピクッ


    アルミン「どうしたの?」




    サシャ「こ、この教会…たくさんの魔物に囲まれています!!!」


    アルミン「ちょっ…」

    ジャン「おいおい…」


    ミカサ(…どうして?)

    ミカサ(シスターもミリアも、私たちより早くに気がついた)


    シスター「数は…およそ300ですか」


    ジャン「今日これで何戦目だよ、本当によぉ…」チャキ

    アルミン(この人数で300体…厳しいかもしれない)
  238. 238 : : 2015/10/08(木) 21:37:04
    海辺の教会周辺…


    キメイラ「ジャミ様!!」

    オーク「お待ちしておりました、ジャミ様!!」


    ジャミ「うむ。中の様子はどうだ」


    オーク「はっ!一階にはシスターとあの盗賊のガキ、それから見知らぬ冒険者らしき者が四人!二階の子供が五人です!!」


    ジャミ「冒険者?まあ良い。報告にあったパラディンはいるか?」
                       ・・・・・

    オーク「今の所は見当たらないので、外にいるかと…」

    ジャミ「そうか。それはそれで好都合だ…!!行くぞ!突撃態勢に入れ!!」


    「「「「「「「オオオオオオオオオォォォォォォォォォォ!!!!!」」」」」」」
  239. 239 : : 2015/10/08(木) 21:43:08
    オオオオオォォォォォ…


    サシャ「うひゃあ…。これ、まずい状況ですよね?」

    ジャン「かなりな。それにしては落ちついているように見えるぞ」

    サシャ「慣れたんですよ!!別に慣れたかぁねぇんですけどね!!!」ウガー

    ジャン「なんだよ急に!?」



    シスター「せめて…もう一人居てくれれば」

    褐色少女「仕方ねぇよ。兄ちゃん抜きでいくしかねぇ!!」


    ミカサ「…兄ちゃん?」

    アルミン「ユミルたちも、早く戻ってきてくれたら…!」
  240. 240 : : 2015/10/08(木) 21:48:33
    「ぎゃああああぁぁぁぁぁ!!」



    ジャン「!!?」

    サシャ「なんですか今の!!」

    ジャン「外からだ!!行くぞ!」ダッ

    褐色少女「」ダッ


    シスター「ジャンさん!ミリア!」


    ミカサ「…ジャン、変わった」

    アルミン「…ジャンだけじゃないよ」

    アルミン「ユミルも…サシャも。こちらの世界に来てから、大きく変わった」

    アルミン「僕たちも、きっとね!」ダッ

    ミカサ「うん」ダッ


    アルミン(…それにしても、ミカサって思った以上にジャンのこと見てるんだな)
  241. 241 : : 2015/10/08(木) 21:53:47


    ランスアーミー「なんだこの女ぁ!!」

    シードッグ「とっ捕まえろ!!」



    ユミル「ピオラ!!」ドンッ


    オーク「…!!速いぞ!」



    ユミル(なんだかよくわからねぇが、あの教会の中にアルミンたちがいるはずだ!!)

    ユミル(仲間の元に駆けつける…!私も大分、死に急ぎの女神様に近づいてきちまったな!)
  242. 242 : : 2015/10/08(木) 22:11:26
    ジャミ「おっと」ザッ


    ユミル「お…!」ザザァ


    ジャミ「何だ女?あの教会の加勢にでも来たのか?」


    ユミル「まあ…そんなところだ。てめえら、魔王軍だな?」


    ジャミ「いかにも!俺は魔王軍幹部ジャミ!!我らが三将、ゲマ様の命により、シスターマリアを捕えに来た!!」


    ユミル「幹部…またかよ!!」

    ユミル(…ゲマ。それが最後の三将の名か!)

    ユミル(イー、イシュダル、ゲマ。私が見たのはイーだけだが…。どいつもこいつもクソ強いんだろうな)


    ジャミ「…また?」ピクッ
  243. 243 : : 2015/10/08(木) 22:21:37
    ジャミ「…貴様、もしやゴンズに会ったか?」


    ユミル「あ?あの腐れイノシシか」

    ジャミ「貴様…!ゴンズが来ないのはそういう訳か!!」


    ユミル「…なんか、勘違いされたか?」


    ジャミ「おのれ…!!貴様もゴンズの元へ送ってやる!!」

    ユミル「げっ」



    「メラミ!!」ボォッ



    ジャミ「ぬっ!?」キィン


    ユミル(アルミンか!ていうか、今のは…!)ダッ
  244. 244 : : 2015/10/08(木) 22:30:39
    ジャン「ユミル!こっちだ!」

    ユミル「ジャンか!」タタタッ

    褐色少女「この姉ちゃんがさっき言っていた仲間か!?」


    ジャン「もう一人と一匹いるけどな!」

    ユミル「なんだこのガキ?」


    アルミン「良かったよ間に合って。ていうか、ある意味最悪のタイミングで戻ってきたね」

    ミカサ「戻ってくるのが妙に遅かった。何かあったの?」

    ユミル「ちょっとな。ライナーとキドラは!?」

    サシャ「まだ戻ってきてないですよ!この数は、ちょっと危ないので早く戻ってきて欲しいんですけどね!」


    シスター「…」
  245. 245 : : 2015/10/08(木) 22:39:31
    シスター「申し訳ありません。巻き込んでしまって…」


    サシャ「え?なにがですか?」


    シスター「彼らの狙いは私なのです」


    サシャ「へ?」


    ジャン「まぁ、そうだろうな。シスターが居れば、簡単に強力な戦士の生産に繋がるということだろ?」

    アルミン「魔王軍としても、人間に勝つために、兵力を欲しているんだろうね」


    シスター「そうです。それ故に、投降することはできません」

    シスター「そのようなことをしてしまえば、魔王軍は瞬く間にこの世界を制圧してしまうでしょう」

    シスター「自ら命を捨てることも、勇者レオに止められてしまいました。『たった一つの世界の為に、尊い一つの命が失われて良い筈がない』、と」
  246. 246 : : 2015/10/09(金) 11:21:02
    期待!
  247. 247 : : 2015/10/10(土) 00:08:22
    超期待よ!!!!!!!!!!!!!!!
  248. 248 : : 2015/10/12(月) 10:57:16
    めっちゃ期待です!
  249. 249 : : 2015/10/14(水) 22:29:50
    ユミル「…そうか、あんたがシスターか」


    シスター「…私のことを知っているんですか?」

    ユミル「ちょっとな。…ま、掃除、手伝ってやるよ」

    シスター「掃除?」




    ユミル「あぁ。粗大ゴミのゴミ掃除だ…!」チャキ






    ジャミ「…フン」






    アルミン(…なにがあったかはわからないけど、今はエレンたちのことは考えてないみたいだ。やる気十分だな)


    アルミン「よし。作戦を立てよう」
  250. 250 : : 2015/10/14(水) 22:37:30
    アルミン「とりあえず、今のところは魔王軍はこちらに向かって来てない。ユミルに引っ掻き回されたところを立て直しているみたいだね」

    ミカサ「敵はおよそ300体。教会をぐるりと囲んでいる。海側に100、森側に200」

    ユミル「その中に魔王軍幹部と名乗るジャミってのがいる。…そういえばアイツ、さっきアルミンの呪文を弾いたぞ」

    褐色少女「弾いたというよりはかき消したって感じだな。バリアでも張ってるかもしれないぜ」

    ジャン「魔王軍幹部ってだけで厄介のに魔法無効化かよ。めんどくさいことこの上ねぇな」

    サシャ「その幹部を相手にするチームと教会を守るチームとで分けなきゃいけませんね。…はあ。早くご飯食べたいです」シュン

    シスター「…」
  251. 251 : : 2015/10/14(水) 22:45:48
    シスター「…教会を守る側に人員を多く割いていただけませんか」


    ジャン「あ?そりゃ一体…」

    アルミン「はい。僕もそうしようと言い出すところでした」

    ジャン「おいおいアルミン!」

    ユミル「何か策でもあるのか?」


    アルミン「当てがあるんですね?」

    シスター「はい。そろそろ戻って来られるはずです」


    ミカサ「外部に誰かがでている?」

    褐色少女「パラディンの兄ちゃんなんだ!頼りになるんだぜ!」


    アルミン「こちら側にもライナーとキドラがいます。内側の僕らと外側の彼らで、森側の魔王軍をはさみうちにしてしまいましょう」


    サシャ「うん?じゃあ海側は…」


    アルミン「海側の魔王軍は実力で。外側の魔王軍と魔王軍幹部は策で倒す!これしかないよ!」

  252. 252 : : 2015/10/14(水) 23:05:07
    教会防衛チーム~海側及び教会周辺担当~

    アルミン「…ミリアちゃん、まだ10歳でしょ?戦えるの?」

    褐色少女「バカにすんなこのチビ!私は強いんだぞ!!」

    ジャン「…男二人が防衛にまわるってどうなんだ?」

    サシャ「頼りにされてないんじゃないですかね?」


    対魔王軍幹部チーム~森側及び魔王軍幹部担当~


    ミカサ「狙いはシスターなのに、前へ出るなんて…大丈夫ですか?」

    シスター「はい。それに、あのジャミをどうにかするには私の力が必要なはずです」

    ユミル「全く…もう夜だぞ。私も一戦やりあったばっかだし、とっとと寝てぇんだが。魔王軍も勤務熱心なこったぜ」
  253. 253 : : 2015/10/14(水) 23:18:46

    キメイラ「…ジャミ様、人間側も覚悟を決めたようです」

    オーク「ガハハハハ!!死の覚悟か、はたまた従属の覚悟か…!」


    ジャミ「…全体、突撃態勢!!構えろぉ!!!」




    ザザザッ!




    アルミン(魔物が隊を為している!これで魔王軍とは全面対決か…!)

    アルミン(正直、厳しいけど…!この一戦の意味は大きい!もしここで良い戦果を挙げれば、人間たちからも、魔王軍からも注目されるはずだ!)

    アルミン(そうなれば、更なる情報が入ってくるはず!例えば…)


    アルミン(死者蘇生や、人探しのアイテムなんかの!そうなれば…)



    アルミン「…みんな」グッ






    アルミン「勝つぞ!!」


    ミカサ「…」フッ






    「「「「「おおっ!!!」」」」」







    ミカサ(エレン……見てる?)



    ミカサ(ようやくアルミンが、その才能をうまく使い始めた)



    ミカサ(そして、それは…)






    (皮肉にも、貴方のおかげ)





    ミカサ(本当に…)







    (世界はいつでも…残酷だ)
  254. 254 : : 2015/10/15(木) 20:11:42
    いいね!
    最高!
  255. 255 : : 2015/10/18(日) 16:36:27
    期待!
  256. 256 : : 2015/10/18(日) 20:48:30
    海側…。



    ジャン「チェアぁ!!」


    スピン


    ランスアーミー「がっ…」

    ドサッ


    ジャン「次!」クルッ



    シードッグ「「「「グルルルルルル!!」」」」



    ジャン「お、多いってんだよ!!」




    アルミン「バギマ!」


    ヒュルルルル

    ザシュザシュザシュ!


    シードッグ「グロロロァ!!」

    ドサドサドサ



    ジャン「アルミン!世話掛けるな…!」

    アルミン「お互いさまだよ!」

    アルミン「それよりも…やっぱり数が多い!もう既に倒した数は昼間の分を越えてるよ…」トゥルルル

    ジャン「おい、どうすんだ!?全部倒すとキリがねぇぞ!」ヒュヒュン

    アルミン「さっきの魔王軍幹部…!アイツを倒せれば、指揮系統が麻痺して、すこしは状況が良くなるはずなんだけど…」カッ



    ジャン「…結局、ミカサ任せかオレは」ボソッ


    アルミン「ジャン、何か言った?」ブン


    ジャン「い、いや…!」




    ジャン「…」
  257. 257 : : 2015/10/18(日) 21:06:01
    白黒エレンさん応援してます!
    頑張って下さい!
  258. 258 : : 2015/10/18(日) 21:10:15
    褐色少女「オラァ!!」ブォン



    マッドプラント「グゲァ…」


    リカント「あの斧のガキを殺せぇ!!」

    リカントマムル「おお!」



    褐色少女「ああめんどくせぇ!!斧無双!!」ブォンブォンブォン



    ビュゴォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!



    アルミン「なっ…」

    サシャ「た、竜巻!!風神ですか、ミリアちゃんは!!?」

    ジャン「なんつう奴だ…まとめて吹き飛ばしやがった!」



    褐色少女「風神!?そんな大層なもんじゃねぇよ…!」



    褐色少女「よぉく覚えておきなモンスターども!!この顔を!俺の名はミリア…!!」

    褐色少女「…昔、大魔王ラプソーンを倒し、世界に平和をもたらしたある一人の青年がいた…その一番の弟分!!かつて勇者と謳われたその男に、俺の祖先は一生ついていったという…」



    オーク「!!」

    キメイラ「なんだと!?」



    アルミン「魔物たちが驚いている…?」




    褐色少女「伝説の大盗賊にして義賊!!ヤンガス!!!俺はその子孫だ!!!!」



    魔物たち「「「「「なっ…」」」」」



    「「「「「うわあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」」」」」
  259. 259 : : 2015/10/18(日) 21:21:03
    アルミン「な、なんだ?あの魔物たちの怯え様…」



    夜の帝王「や、ヤンガスの子孫だあ!!」

    ヘルパイレーツ「逃げろ!!!叩きつぶされるぞおおお!!!」



    ジャン「…そりゃそうだろ。あいつらにとって、絶対的な存在、それが魔王や大魔王だ。それを倒しちまうような人間様だぜ?その子孫だろうがなんだろうが、ビビるに決まってるだろ」

    サシャ「…もしかして、ミリアちゃんって強いんですか?」

    ジャン「大口叩いても釣りが来るくらいには、多分強いだろうな…」

    サシャ「ひええ…」





    オーク「確かか!?」

    ダンビラムーチョ「わかりませぬ…。何故昔のことですし、その後ヤンガスは異世界へも旅立っておるはず。実際にこの世界にヤンガスがいたかどうかすらも、真偽の確かめようがないのですじゃ」

    キメイラ「だが、あの実力、あの啖呵…!どう考えても、今ここであの小娘は仕留めるべきだ!」

  260. 260 : : 2015/10/18(日) 21:28:31
    褐色少女「さあ、かかってきやがれ…!!この両目がまだ輝くうちは…!!」



    褐色少女「この世界で、テメエらなんぞに…!!!でけぇ顔はさせねぇからなぁ!!!!!」ゴオッ




    ジャン「…言うじゃねぇか」ニィッ

    アルミン「サシャ!!」

    サシャ「はい!!」ビッ



    ボゥン



    キメイラ「煙幕!少しはクールな野郎がいるじゃねぇか…」

  261. 261 : : 2015/10/18(日) 21:36:46
    褐色少女「なにしやがる!!」

    アルミン「せっかくノッて来た所を悪いけど、少し落ち着こう。向こうに悪知恵が働きそうな奴がいた。勢いだけで勝てるなら、戦いに策なんて要らないよ」

    褐色少女「…じゃあどうすんだよ」ムスッ

    ジャン「今のお前の啖呵で半分くらいの魔物が逃げた。大分楽になったぞ。けど、まだ指揮官はいる」

    サシャ「あの妙に大きい魔物二匹ですか」

    ジャン「オークと…もう片方は確かキメイラって奴だ。キメラの亜種だが、珍しい魔物だな」

    アルミン「そう。つまり、あの二匹を倒してしまえば、海側は僕らの勝ちだ」

    褐色少女「…ん。わかった」



    モウモウ…


    アルミン「もう少しで煙幕が晴れる。晴れる前に、先手を撃とうか」


    ジャン「…なにする気だ?」


    アルミン「えへへ。ちょっとね…」キィン


  262. 262 : : 2015/10/18(日) 22:27:29
    オーク「…出てこないな」

    キメイラ「あの煙じゃあ突っ込むわけにはいかねぇし、ぶっ放したらぶっ放したで横から隙を突かれるかもしれねぇし…。待つしかねぇんだが…でてこねぇな」

    オーク「煙が晴れる間に隠れるかもしれないな。周囲に目を光らせときゃ問題ねぇだろ」



    トゥルルルル



    オーク「!?」

    キメイラ(呪文詠唱!?)




    「バギマ!!」



    ビュオオオオオ!



    キメイラ「自分で煙幕晴らしてきやがるとは…!」ビュオォ

    オーク「だが!この程度で俺たちが…!」ビュオォ


    グラッ


    オーク「…やられる…わけ…?」

    オーク(なんだこれは…眠い…!?)


    キメイラ「…まさか、今のバギマは…ラリホーが…」

    キメイラ(上乗せ…!?いや、ちげぇ!そんなんじゃねぇ、もっと練りこまれていたような…)

    キメイラ(まさか…呪文の合成…!?)



    キメイラ「!!」

    キメイラ「カァッ!!!」ギンッ


    アルミン(気合いでラリホーを弾いた!?)


  263. 263 : : 2015/10/18(日) 22:35:40
    キメイラ「おうオーク!ボーっとしてんじゃねぇ!!やべぇのが出てきやがった!!あの金髪の小娘は絶対にここで殺すぞ!!」

    オーク「ガァッ!!」ギンッ


    アルミン(あっちも…!クソッ、気合いとかで解けるような呪文の掛け方はしてないぞ!)


    オーク「ああっくそっ!!なんのことだ!?」

    キメイラ「あの小娘、放っておくといずれ賢者に成り得る!今ここで逃すと、賢者が二人もこの世に出来ちまうぞ!協力されたらまずい!!」

    オーク「賢者!?ガハハハハッ!!賢者の卵にヤンガスの子孫か!今夜は豪勢なご馳走だな!!!」ズンッ



    アルミン「…ちなみに僕、男の子なんだけどな」キィン



    「「…へ?」」


    アルミン(チャンス到来!)キュピーン



    アルミン「ベギラマ!!」ボォッ



    ズザザザザザッ!



    キメイラ「ぬっ!」ヒュウン

    オーク「うおぉ!」バッ



    キメイラ(俺たちを分断させやがった!)
  264. 264 : : 2015/10/18(日) 22:58:06
    キメイラ(ていうか、ほかの三人が消えてやがる!こいつら、若造と甘く見たら痛い目に合いそうだな…)


    アルミン「君の相手は僕だ」ザッ


    キメイラ「おいおい…俺もなめられたもんだな。お前…死んだぜ?」バサァ






    オーク「キメイラに一人で挑む気か、あの小僧。正気の沙汰とは思えんな…」


    ビシュン!


    オーク「あぁ!?」チッ

    オーク(矢がかすった…!)


    サシャ「あ、貴方の相手は私です!」


    オーク「はぁ?」


    サシャ「か、覚悟してください!」ギリリ


    オーク「…何の冗談だ」ゲンナリ
  265. 265 : : 2015/10/18(日) 23:07:49
    教会周辺…



    ジャン「マヌーサ!」ポワァン


    褐色少女「おい、馬兄!」


    ジャン「ハッ倒すぞお前!!」クワッ


    褐色少女「本当にあの二人だけに任せて大丈夫なのか!?俺たちも行った方が…!」

    ジャン「そんなことになったら教会を守る役目がいなくなるだろうが!!現に…見ろ!!ミカサ達が討ち漏らした魔物共が来てるぞ!」


    褐色少女「くそっ!じゃあ何で俺じゃないんだよ!」


    ジャン「さっきもアルミンが説明してただろうが!!あの二匹に対してはあの二人が一番相性が良いんだよ!!」

    褐色少女「あああああああもう!!我慢すりゃいいんだろ我慢すりゃあ!!」

    ジャン「最初からそうしてろ!!」


    ジャン(ミカサたちは…あいつ等、無事なんだろうな!!)
  266. 266 : : 2015/10/18(日) 23:22:13
    今回はここまでにします。

    ありがとうございました。


    >>257 名指しで応援、ありがとうございます。




    このssもようやく半分くらいに来ました。

    構想はほとんど出来上がっており、後は細かい部分を考えて書くだけなので、少しずつ進んでいくかと思います。

    亀更新ですみません。


    ここで進撃の短編集の宣伝をさせて頂きます。


    もうすぐ、進撃の巨人の短編集のスレッドを立ち上げます。

    短編のお題は、ネタ切れ防止の為に安価制も取っています。


    今のところこちらのリクエストが来ています。


    ・エレンが前世のことで苦しんでいるのを皆もしくはアニが救う
    ・リヴァイ班+エルヴィン+ハンジでほのぼの系
    ・現パロエレアニほのぼの系(-S-さんリク)
    ・現パロエレユミほのぼの系
    ・チートエレユミシリアス系(まんまるたまごさんリク)
    ・現パロ104期生+リヴァイ班ギャグ系(作者様は神様さんリク)
    ・エレンが苦しんでいるのをアニが救う



    安価の内容としましては、

    ・場面、状況、ジャンル
    ・登場人物
    ・雰囲気
    ・何をするか

    です。

    例をあげると、

    『中世ローマで、ヴァンパイアのエレンと村娘のアニの、純愛の話。吸血行為ありで』

    等になります。

    よろしくお願いします。


    それとは別に、自分で考えているお題はこちらです。



    ・なんでもアルミン(104期生原作沿いギャグ系)
    ・歪んだ向上心(エレアニ原作沿いシリアス系)
    ・三人組の苦悩(同郷三人組原作沿いギャグ&ほのぼの系)
    ・弟エレン(エレン中心原作沿いほのぼの系)
    ・女の子でも兵士になれますか?(ミーナ中心原作沿いギャグ&ほのぼの系)
    ・三角関係その1(ジャンミカエレ原作沿いギャグ系)
    ・虚実と真実(エレヒス原作沿いシリアス系)
    ・We love Hanncho !!(エレン愛され&34班原作沿いギャグ系)
    ・名前と声掛け(エレアニ原作沿い純愛系)
    ・今日の君は!(104期生原作沿いギャグ&ほのぼの系)
    ・死に急ぐな、生き急ぐな(ユミル&死に急ぎ組原作沿いギャグ系)
    ・昨日の敵は今日の友(ユミル&ミカサ&死に急ぎ組原作沿いほのぼの系)
    ・俺のライバル(エレン&ベルトルト原作沿いシリアス系)
    ・ボーイズトーク(104期生男子中心原作沿いギャグ系)
    ・みんなのマルコ(マルコ中心原作沿いほのぼの系)
    ・俺では翼になれなかった(リヴァイ&新リヴァイ班原作沿いシリアス系)
    ・お母さん!(ペトラ中心&リヴァイ班学パロほのぼの系)
    ・食い倒せ!店!!(サシャ&コニー学パロギャグ系)
    ・三角関係その2(ミカエレアニ原作沿いほのぼの系)
    ・It's the surprised time !(エレン中心&104期生原作沿いほのぼの系)
    ・祝い時(アニエレ&104期生原作沿い純愛系)
    ・これぞアニキクオリティ(ライナー中心原作沿いギャグ系)
    ・Heart swapping(エレアニ&104期生中心原作沿いギャグ&シリアス系)
    ・孤高の狩人よ(キース&ミカサ原作沿いほのぼの系)
    ・そよ風とともに(エレン中心&104期生原作沿いほのぼの系)
    ・クリスタの奔走(クリスタ中心&104期生原作沿いほのぼの系)


    まだまだ安価及びリクエスト、お待ちしております。
  267. 267 : : 2015/10/19(月) 00:03:02
    楽しみです!!
  268. 268 : : 2015/10/19(月) 01:46:27
    カプはエレユミでバレンタイン
    告白&デートをする
    もお願いします!
  269. 269 : : 2015/10/24(土) 15:56:14
    >>268 承りました。進撃の短編集に含めさせて頂きます。


    森側…。



    ユミル「ハァ、ハァ…」チャキ


    ミカサ「フー…」



    シスター「ふ、二人とも…」




    ジャミ「どうした?もう終わりか?」



    ユミル「呪文が効かねぇっつうから私たちで来たのによ…。直接攻撃まで効かねぇとはな…」

    ミカサ「あのバリア…思ったよりも強力」

    ユミル「策は…さっきの奴以外になさそうだな」



    ジャミ「なに…?」

    ジャミ「このバリアを…どうにか出来るとでも言うのか?」
  270. 270 : : 2015/10/24(土) 19:29:40
    ミカサ「その余裕が貴様に死をもたらす」

    ユミル「せいぜいそのバリアの中でふんぞり返ってな」



    ジャミ「…ならば、とっとと当初の目的を果たすとしよう!」ザッ



    シスター「!!」




    ユミル「シスター!」ダッ


    ミカサ「させない…!」ダッ
  271. 271 : : 2015/10/24(土) 19:36:33
    ジャミ「邪魔だ…!!バギマ!」トゥルルルル


    ビュゴォォォォォォォォォォォォォォ!



    ミカサ「ぐぅっ!!」ザシュ


    ユミル「ミカサ!!…くそ、近づけねぇ!」



    ジャミ「ふん、他愛もない…。さあ、共に来いシスター・マリア」


    シスター「…いやです」
  272. 272 : : 2015/10/24(土) 19:41:28
    ジャミ「シンプルな答えだ。ならば、すこし眠っていてもらおう!!」ゴォッ



    シスター「…引っかかりましたね」


    ジャミ「!?」ピタッ



    シスター「邪なる威力よ、退け!マホカトール!!!」


    キィン


    ジャミ「ぬぅぅ!!?」バチチッ



    ジャミ「結界系の破邪呪文か!!悪あがきを…!」

    シスター「そうです。これで貴方は動けない」

    ジャミ「!?」バチバチッ


    シスター「更に…」スッ




    パキン



    ジャミ「バリアが…割れただと!!?」
  273. 273 : : 2015/10/24(土) 19:48:01

    ジャミ「貴様まさか…!勇者の血筋を」

    シスター「今です!!」





    ユミル「キラージャグリング・ナイブス!!!」ビュビュビュビュ

    ミカサ「獣斬り・火炎!!」ボォッ






    ドドドドッ

    ボォォォォォォォン!
  274. 274 : : 2015/10/24(土) 20:00:40

    ボォォォォ…



    ユミル「…やったか!?」

    ミカサ「ぐうっ…」ドサッ

    ユミル「ミカサ!?」



    シスター「ミカサさん!」タタッ

    ユミル「おい、奴はどうなった!?」

    シスター「わかりません…。しかし、ダメージは与えたはず」


    ミカサ「その通り…。けど、まだ油断はできない…」

    シスター「! 動いてはいけません、バギマで裂傷を負ったんですから…。今治します」

    ユミル「…そうだぜ、張り切る気持ちは分かるがここは大人しく治されとけ…って、え?」

    ミカサ「治す…?」
  275. 275 : : 2015/10/24(土) 21:12:59
    シスター「べホイミ」パァッ


    ミカサ「あ…」シュウゥ…


    ユミル「おいおい、マジで治ってくぞ…。魔王軍につけられた傷は、そう簡単には治らないんじゃないのかよ?」

    シスター「え?ああ、それなら。聖地を巡礼した者なら、マ素や邪悪な魔力を取り除けますよ」

    ユミル「聖地ぃ?うさんくせぇな名前的に」

    ミカサ「…けど、治っていく」





    ジャミ「…バカが。傷など治しても、どうせ死ぬぞ」



    「「「!!!」」」
  276. 276 : : 2015/10/24(土) 21:27:48
    シスター「くっ…!」パァァ…

    ミカサ「この馬…!」シュウゥ…


    ユミル(ミカサとシスターは治療で動けない!ジャミは多少のダメージがある!この状況ならどうすれば…!!)


    ジャミ「やってくれたな人間!!代償に死ね!!」ゴォッ


    ユミル「死ねるかよ!!ジバリア!!!」トゥルルルル



    ボゴォン!



    ジャミ「ぐぬぅっ!!なんだこの呪文は!地面が砕けた!?」

    ジャミ「だが…!!足止め程度だこんなもの!!」



    ユミル「今だ!!」



    ジャミ「何!!?」

    ジャミ(後ろ!?)クルッ






    ユミル「嘘だバーカ」


    ジャミ「…はぁ?」



    ユミル「逃げろ!!今の内だ!!」


    シスター「ミカサさん、下がりますよ!」ダッ

    ミカサ「ユミル…!」ダッ
  277. 277 : : 2015/10/24(土) 21:31:57
    ジャミ「こ・の……!!!」ピキピキ


    ユミル「…ああ、後ろ。気を付けた方が良いぜ」


    ジャミ「二度も引っかかるか馬鹿者が!!メラ…」



    「ラリルマ!!」トゥルルルル




    ボゴォォォン!


    ジャミ「ミぐるぁぁ!!?」




    キドラ「隙ありだッキー」


    ユミル「バカはてめぇだぜ馬野郎。人の忠告くらいちゃんと受けとけ」
  278. 278 : : 2015/10/24(土) 21:43:39
    ジャミ「まだ仲間がいたのか…!おのれ……………………!?」シュウゥ…



    キドラ「…」



    ジャミ「貴様…キドラ!?」


    ユミル「…なに?」



    キドラ「…久しぶりッキーね、ジャミ」



    ジャミ「…さっきの攻撃はどういう了見だ、キドラ」


    キドラ「大人しくくたばれって意味ッキーけど」


    ジャミ「」ブチッ


    ユミル(煽るなよめんどくせぇ…。逆上してくれるならありがたいが)
  279. 279 : : 2015/10/24(土) 21:47:56
    ジャミ「貴様、魔王軍を裏切る気か!?」


    ユミル「!!?」


    ユミル(キドラが…魔王軍!?)


    キドラ「魔王軍ねぇ…。オイラは命の恩人に付き添っていただけで、お前みたいなのは仲間とは思ってなかったッキーけど」


    ジャミ「…なるほど、最初から味方ではなかったと。そう言いたいわけか」


    ジャミ「ならば、心置きなく殺せるというものだ!!」グァッ



    ボゴォオン!
  280. 280 : : 2015/10/24(土) 22:46:23
    期待です!!!!!!!!!!!!!!!
    (b・ω・)b
  281. 281 : : 2015/10/25(日) 16:56:40
    ユミル「キドラァ!!」



    ジャミ「まだだ!!」ドォッ



    ドゴゴゴゴォン!



    ユミル(ドラキーの身体で、あんな巨体の攻撃を受けたら…)ゾクッ




    ジャミ「ふん…」


    パラパラ…


    ジャミ「…バカな」



    キドラ「…誰がバカッキーか」



    ユミル「む、無傷ぅ!?」




    ジャミ「そ、そんなはずは…!貴様は一切避けようとはしなかった!!なのになぜ!!?」


    キドラ「敵にわざわざからくりを教えるほどバカじゃないッキーよ!」パタパタ


    ジャミ「おのれ…!ならばもう一度だ!!」ゴォッ



    ユミル「!! これ以上は…!!」チャキ



    ジャミ「」ニッ


    キドラ「!!」

  282. 282 : : 2015/10/25(日) 16:58:53
    ジャミ「」クルッ



    ユミル「なっ」




    ジャミ「そんなに死にたくば貴様から死ね」コォッ



    キドラ(凍える吹雪!!)





    ジャミ「ガアッ!!!」ボッ






    ユミル「クソッタレエエエエェェェェ!!!」バッ
  283. 283 : : 2015/10/25(日) 17:02:37
    「大切断!!!」グォッ



    ガキィン!



    ジャミ「ばははっ」ゴフッ




    ユミル「!!」



    ライナー「危ない所だったな」ザッ


    ユミル「…もっと早く出てこい、ゴリラ」ドサッ


    ライナー「タイミングを見計らっていたんだ。丁度良かっただろう?」ニヤッ


    ユミル「けっ…」
  284. 284 : : 2015/10/25(日) 17:09:12
    ジャミ「…ぎ、ぎざまらぁ…!!!一体何人仲間を隠して…!!!」


    ライナー「もう一人いるぞ」



    ユミル「へ?」



    ジャミ「ど、どこだ!!!」キョロキョロ


    キドラ「どこだろうッキーねー」


    ライナー「左右前後…どこだろうな」



    ジャミ「く、くそぉ!!鼻が効かん…!!」


    ライナー「さっき叩っ斬ったからな」





    キドラ「…あ、上とか?」




    ジャミ「!!」バッ





    「ハズレ」




    ドスッ



    ジャミ「ゴぽッ…」



    ユミル「…地面から槍が…!」







    「下でした」
  285. 285 : : 2015/10/25(日) 20:31:19
    おぉ~!!
    期待!!
  286. 286 : : 2015/10/25(日) 22:17:31
    ユミル「この声は…」


    ミカサ「まさか…!!」ゴホッ




    ドンッ



    ベルトルト「ひ、久しぶり」スタッ




    ユミル「べ、ベルトルさん…」



    ベルトルト「…そう呼ばれるのも、随分懐かしいよ。たった三か月間呼ばれなかっただけなのに…」





    ミカサ「べ、ベルトルト…」

    シスター「…やはり、彼のことを知っているんですね」パァァ…

    ミカサ「……それはどういう…」

    シスター「…もう少しで治りますからね」パァァ…

    ミカサ「…」
  287. 287 : : 2015/10/25(日) 22:23:03
    ライナー「感傷に浸るのは後にしよう。…ユミル!立てるか!?」


    ユミル「ハッ、お前らが来るのが遅かったから疲れただけだぜ」スクッ

    ベルトルト「…ごめん」

    ユミル「大体、女が男よりも働くってどうなんだ?」グチグチ

    ベルトルト「…」




    キドラ「…あの二人、いつもあんな感じッキーか?」

    ライナー「…ベルトルトは押しに弱いからなぁ…」



    ユミル「…申し訳ないって思ってんなら、その分働けよ」


    ベルトルト「…」キョトン




    キドラ「…あれもいつも通りッキー?」

    ライナー「…いや、丸くなったのかなユミルの奴」





    ベルトルト「…うん」グッ
  288. 288 : : 2015/10/25(日) 22:29:24
    ジャミ「貴様…報告に゙あ゙っだ、パラディン……か!!」グググッ



    ベルトルト「君たちこそ、二度もここを襲いに来るとはね…」



    ベルトルト「…僕がいる限り、シスターにも、子供たちにも、修道院にも…!!」ブォンブォン




    ズザァ



    ベルトルト「何人たりとも手出しはさせない」サァァ…
  289. 289 : : 2015/10/25(日) 22:42:53
    ジャミ(あれは…砂塵の槍…)ググッ

    ジャミ(落ち着け…!いくらこちらが不利とは言っても、一対一ならば俺が勝つ!!)

    ジャミ(一人ずつ追い込んで、倒せば良いだけのこと…!)




    ベルトルト「…わかってると思うけど、あのジャミには一人では勝てないよ。皆で協力しないと…」

    ライナー「なんだベルトルト、お前そういうことも言うようになったのか?」

    ユミル「ちったぁ成長したみたいだね、ベルトルさんよ」

    キドラ「…オイラ一匹で、あのジャミには対抗できるッキー」



    「「「!!!」」」



    ベルトルト「そうなのかい?キドラくん」

    キドラ「ただし、勝てるかはわからないッキーけど」

    ベルトルト「…わかった。ならとどめは僕に任せてくれ」


    ユミル「ほぉー言うようになったねぇ、本当!親友の成長についてどう思いますかライナーさん?」

    ライナー「ええ。あのおとなしくて控え目で、いつも自分の後ろにくっついていたベルトルトが…こんな大胆に物を言うようになっただなんて…」


    ベルトルト「二人とも、茶化さないで…」カァァ



    キドラ(こいつら、仲間が増えれば増えるほど、明るくなっているような…)

    キドラ(…だとしたら、イー。望みは、まだまだありそうだッキーよ)パタタッ
  290. 290 : : 2015/10/25(日) 22:54:21
    ジャミ「フゥー、フゥー…!!」



    ライナー「気を付けろ!手負いの獣ほど怖いものはないぞ!!」

    ユミル「ふざけてる場合じゃねぇぞライナー、ベルトルさん!!」

    ベルトルト「だから君たちでしょ!?」




    シスター「…大丈夫かしら、ベルトルトさんに皆さん。何ていうか、緊張感がないっていうか…」パァァ…

    ミカサ「…大丈夫です」スクッ

    シスター「え?」

    ミカサ「…皆は、強い。技や呪文のことは、よくわからないけど…」


    ミカサ「少なくとも、精神的には強い。あのエレンを見てきた皆だから…」スタスタ

    シスター(エレン…?)


    シスター「…あ!まだ動いては…!」


    ミカサ「大丈夫です」


    ミカサ「…エレンならばこの程度では挫けません」

    ミカサ「だから、エレンをずっと傍で見てきた私が、この程度で諦めてはいけない」

    ミカサ「エレンの名誉を守るために、私はいかなくてはならない」クス



    シスター(…笑った…)

    シスター「ここまで想われているなんて…罪な人なのね」


    シスター(エレンというお方は…どのような方なのかしら?)
  291. 291 : : 2015/10/25(日) 23:10:05
    ジャミ「凍えろ…!氷の彫刻と化して惨劇に泣くがよい!!」スウゥ


    キドラ「凍える吹雪だッキー!!」


    ユミル「さっき出しかけてたやつか!!」



    ライナー「オレに任せろ!!」バッ


    ベルトルト「!! バーハ!!」ブゥン



    ジャミ「カァッ!!!」ヒュオォォォォ!





    ライナー「ぐおおおぉぉぉぉぉ!!!」グググッ


    ジャミ(バーハが掛けられた状態で仁王立ちか…!敵ながら見事!!)
  292. 292 : : 2015/10/25(日) 23:18:02
    キドラ「魔力覚醒!!」ブブゥン



    ジャミ「!?」



    キドラ「おおおぉぉぉ!!ヒャダイン!!!」トゥルルルル



    ジャミ「」パキパキパキ



    ジャミ(胴体が凍結して…!動けん!!)



    ユミル「お次は足だ!!」ダッ



    ユミル「ポイズンダガー!!」ドッ


    ザシュ!



    ジャミ「…っかはぁ!!この程度で…!……!?」


    ジャミ(あ、足も動かんだとぉ!?)



    ユミル「ただし、神経毒だ。しばらく足は麻痺して動かせないぜ」
  293. 293 : : 2015/10/25(日) 23:28:39
    ライナー「そ、そして…とどめ、だ」グラッ

    ベルトルト「大丈夫かい、ライナー!?」

    ライナー「お前こそ…。準備、できたんだろうな?」

    ベルトルト「ああ。…ユミル、キドラくん、離れて!」



    ジャミ「な、何の真似だ…」



    ベルトルト「この砂塵の槍は強力でね…時には地面すらも砂と化す」

    ユミル(…そのおかげで、さっきは地面から進んで、ジャミの下から出てきたってことか)


    ベルトルト「この力は、時間さえかければ…」トスッ



    ズザアァァァ…



    ベルトルト「…こんな大きな砂の棺桶も作れる」




    ジャミ(…!!流砂!?)



    ベルトルト「君は生き埋めだ。もう二度と日の光を見ることはない」


    ベルトルト「地下1000mで、自分の愚かさを呪いながら朽ちるんだね」




    キドラ(…怖いッキーけど)コソコソ

    ライナー(アイツはいざって時は怖いぞ。オレも逆らえん)コソコソ

  294. 294 : : 2015/10/25(日) 23:37:42
    ジャミ「…くくっ」



    ベルトルト「…?」

    ユミル「…遂に頭イカれたか?なに笑ってやがる」



    ジャミ「ふ、不思議には思わなかった…か!?ゴフッ!!途中から、配下の魔物たちが貴様らを襲いに来なかったことに!!」


    シスター「!!」

    ベルトルト「…!?」




    ジャミ「クククククッ!!標的を変えさせてもらった…!あの教会のガキどもに!!」


    ジャミ「今頃、どうなってるかわからんぞ!!血気盛んな連中を行かせたからな…!!」




    ベルトルト「この外道…!!よくも!!!」







    ミカサ「皆!」タタッ



    ユミル「よ、どうだった」

    ミカサ「大丈夫。教会周辺の魔物はあらかた片付いた」



    ベルトルト「え」

    シスター「へ?」

    ジャミ「!?」
  295. 295 : : 2015/10/25(日) 23:44:23
    ミカサ「あとはジャンとミリアが残党を片付けてる」


    ユミル「やれやれ、ミカサがフリーで良かったなオイ」

    キドラ「ジャミのことだから、最後の最後は卑屈な手を打つとは予想してたッキーけど…。ドンピシャだったッキーね」

    ライナー「とにかく、なんとかなったわけだ」



    ベルトルト「…皆には敵わないよ」フゥ


    ジャミ「ば、ばかな…」



    ベルトルト「…さて、これで最後だ」



    ジャミ「!! ま、待て…!」



    ベルトルト「棺桶よ」




    「閉じろ」










    ズザザザザザ…





    バクン!
  296. 296 : : 2015/10/26(月) 00:59:06
    あらやだベルトルさん鬼畜ぅ…
  297. 297 : : 2015/10/26(月) 00:59:14
    こわいわぁ…
  298. 298 : : 2015/10/27(火) 22:39:09
    きったい〜
  299. 299 : : 2015/10/28(水) 00:21:16
    ベルトルさん...かっこえぇ
    期待です
  300. 300 : : 2015/11/01(日) 21:53:58
    面白い作品ありがとうございます^_^
  301. 301 : : 2015/11/07(土) 14:58:24
    海側…



    タタタタタッ



    アルミン「はあ、はあ…!」キィン


    キメイラ「おいおい、しつけぇぞ人間…!!」バサッ



    アルミン「あああああ!!!ベギラマ!!」トゥルルル

    ボォッ


    キメイラ「バカの一つ覚えなんだよ!!」バササッ


    アルミン(躱した…!やっぱりあの翼を封じる方が先か!!)



    キメイラ(…こいつ、考えなしか?なんでこんなに呪文を連発してきやがる。魔力に限界があることを知らねぇのか?)バサッ




  302. 302 : : 2015/11/07(土) 16:00:36
    オーク「キメイラの奴、楽しそうだな…。俺もあの金髪が良かったなぁ…」

    オーク「それに比べて…」チラッ



    ビシュシュン!



    オーク「ハズレだ」ヒョイヒョイ



    サシャ「…」ギリリッ



    オーク「戦い始めた途端無口になりやがって…。良い集中力だが、力不足。その矢の速度じゃあ当たらねぇな」


    サシャ「…狩人たる者、静かに身をひそめ、獲物を一矢で仕留めるものですよ」スッ


    オーク「…貴様、自分で何言ってるか分かってるか?一矢で仕留められてねぇじゃねぇか」


    サシャ「…今、二射を避けましたね?」


    オーク「…あ?」


    サシャ「その二本の矢は、どこへ行ったでしょうか」



    オーク「…!?」クルッ
  303. 303 : : 2015/11/07(土) 16:07:09
    ドサァッ


    キメイラ「…なんだこりゃ」



    アルミン「…ナイス、サシャ。作戦通りだよ」




    オーク「キメイラ!!?」


    オーク(俺の躱した二矢が、キメイラの両翼を貫いてやがる!!)

    オーク「…まさか、狙ったっていうのか」



    サシャ「狩人は自分から姿を決して見せません。獲物を仕留めるその時までは」

    サシャ「…言っている意味が、分かりますよね?」


    オーク「…俺が既に、終わりだとでも言いてぇのか」




    サシャ「はい。ちなみに、あのキメイラという魔物のものは即効性で、貴方のものは遅効性です」



    オーク「…何のことだ?」
  304. 304 : : 2015/11/07(土) 16:11:35
    オーク「」ガクッ


    オーク「…な、なんだ…こりゃあ…。動けねぇ…」


    サシャ「…貴方は一番最初、私の矢がかすっていました」



    オーク「…!?」

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    オーク『キメイラに一人で挑む気か、あの小僧。正気の沙汰とは思えんな…』


    ビシュン!


    オーク『あぁ!?』チッ

    オーク((矢がかすった…!))


    サシャ『あ、貴方の相手は私です!』


    オーク『はぁ?』


    サシャ『か、覚悟してください!』ギリリ


    オーク『…何の冗談だ』ゲンナリ
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


    オーク(あの時か…!!)
  305. 305 : : 2015/11/07(土) 16:20:30
    サシャ「麻痺毒の矢です。狩人はありとあらゆる異常状態の毒を使います」


    オーク「たたかうまえから…勝負は決まっていた…という…ことか…」


    サシャ「そうです。そして、貴方がたは勘違いをしていました。貴方の相手が私で、キメイラの相手がアルミンということではありません」


    サシャ「貴方の相手も、キメイラの相手も…私だったんです」


    オーク「…」


    サシャ「私は煙幕に隠れて貴方を、貴方との戦いに隠れてキメイラを狙った。これこそ狩人の戦いです」


    オーク「…貴様、名は?」



    サシャ「サシャ・ブラウス。104期訓練兵団所属の狩人です」


    オーク「サシャ。お前という狩人に敬意を払おう…」



    サシャ「…ありがとうございます」ビシュン
  306. 306 : : 2015/11/08(日) 09:50:32
    キメイラ「…じゃあ、あれか?お前程の呪文の使い手がただの囮だったってことか」


    アルミン「そう。サシャと君とあのオークという魔物が一直線状に並ぶのを待っていたんだ」


    キメイラ「…その作戦を考えたのは?」


    アルミン「僕だよ。そうでもしないと、僕はまだ君と直接戦って勝てるわけではないからね」


    キメイラ「…ケッ。お前、良いな…。賢者の卵が…」

    キメイラ(つまり、いつかは勝つつもりだったんじゃねぇか)


    アルミン「…じゃあ、とどめを刺す前に、いくつか訊きたいことだあるんだ」


    キメイラ「…」


  307. 307 : : 2015/11/08(日) 09:55:25
    アルミン「…まず、魔王の名前と魔王軍の目的」


    キメイラ「…まあ、それくらいなら良いだろ。俺たちのボスは大魔王デスタムーア様だ。目的か…。多分、聞いたら驚くぜ?」


    アルミン「…?」






    キメイラ「…人間たちとの、和平交渉だ」







    アルミン「な…!!!?」



    アルミン「和平交渉って…!!有り得ない!!!じゃあなんで、君たち魔王軍は人間に危害を加えるんだ!!!」



    キメイラ「知るかよ…!俺たちはただ、デスタムーア様の命令を聞くだけさ…」
  308. 308 : : 2015/11/08(日) 10:00:14
    アルミン(人間との和平交渉が目的で、人間に危害を加える…!!?そんなバカな話が有ってたまるか!!目的とやってることが正反対じゃないか!!)


    キメイラ「…で、ほかに訊くことは?ねぇならとっとととどめを刺せ」



    アルミン「…魔王軍の主戦力を挙げてくれ」


    キメイラ「…お前、バカか?そんなことを敵に話す奴がどこにいる」


    アルミン「…」


    キメイラ「…まあ、良いか。そんなことを話したからといって魔王軍が負ける筈がねぇ」
  309. 309 : : 2015/11/08(日) 10:15:26
    キメイラ「まずは大魔王デスタムーア様。あの方に敵う者はいねぇ…。ただ一人を除いてな」


    アルミン「…ただ一人?」


    キメイラ「いるんだよ、化け物が一人。ただ、そいつ自身はデスタムーア様に興味はねぇし、そいつも自分より強い奴の命令しか聞かねぇと聞く。それに封印されているらしいしな。ただ、そいつは魔王軍じゃねぇが」



    アルミン(大魔王以上の化物…。どんな生物なんだろう)

    アルミン「他には?」



    キメイラ「他だと、三将の方々に幹部の面々。それから、三将の一人、イー様の親衛隊くらいか。後は大体一般兵だな」


    アルミン(親衛隊…。西大陸の北の町で会った彼らか…)


    キメイラ「他には…姫くらいか」


    アルミン「姫?」


    キメイラ「イー様と同じく、人間である娘だ。見た目とは裏腹に膨大な魔力を持っている。魔力の絶対量ならデスタムーア様よりも上だな」


    アルミン「…大魔王よりも、上」


    アルミン(大魔王と言っても、最強である訳じゃないのか。けど、それが普通なのかも…)



    キメイラ「…他にも、魔王城の地下には色々な化け物が眠っている。間違っても魔王軍に挑むなんてことはしねぇ方が良い…」
  310. 311 : : 2015/11/13(金) 17:57:14
    ↑何言ってんですか
    今更で何ですが、コメント消していただけないでしょうか?
  311. 312 : : 2015/11/18(水) 18:19:22
    きったっい!
  312. 313 : : 2015/11/18(水) 22:46:47
    アルミン「そんことはしないよ。ただ、僕たちは仲間を探しているだけなんだ」


    キメイラ「仲間ぁ…?」


    アルミン「この世界に一緒にやって来た、苦楽をともにした仲間だ」



    キメイラ「へっ、まあ精々頑張るんだな。…時間だ、離れてろ」



    アルミン「え?」


    ゴロゴロ…


    アルミン「…なんだあれは。赤黒い雲…?」


    キメイラ「敵のお前に、ペラペラ情報話して…生き残れるわけねぇだろ」


    アルミン「!?」



    キメイラ「じゃあな小僧。立派な賢者になれよ…」




    ピカッ




    アルミン「ひかっ…」








    黒い閃光、轟音、岩盤のような風圧…。いくつもの脅威が、僕の前へと降り注いだ。

    一瞬が過ぎると、そこにはキメイラの陰はなく、底が見えない大穴が出来ていた…。
  313. 314 : : 2015/11/18(水) 23:07:06
    アルミン「…なんだ、今のは。今のが大魔王の力…?」

    アルミン「」ドサッ



    アルミン「…人間が逆らって良い生き物なのか…?大魔王というものは」




    ミカサ「アルミン!!」タタタッ


    サシャ「アルミーン!!!」


    ジャン「無事かアルミン!!!」




    アルミン「…皆」



    ミカサ「大丈夫?怪我はない?」ペタペタ


    ジャン「さっきの黒雷、こんな穴ぁあけやがったのか!?」


    サシャ「あ、それより、ベルトルトが来たって!!」




    アルミン「…えーっと、今の雷で耳が聞こえないんだけど…聞いてないね皆」


    サシャ「だからベルトルトが!!!」


    アルミン「いやだからなんて言っているかわからないんだけど!!?」





    ベルトルト「…」


    ライナー「覚悟は良いか、ベルトルト」


    ベルトルト「…ライナーは?」


    ライナー「ふっ。そんなもの、アルミンと再会した日に出来たさ」


    ベルトルト「…僕もだよ、ライナー」
  314. 315 : : 2015/11/18(水) 23:26:10
    同時刻、魔王城にて…



    大魔王「…」フゥ


    ゲマ「いかがでしたか、デスタムーア様」


    大魔王「貴様の部下はほぼ全滅じゃ」


    ゲマ「ほっほっほ。それはそれは…」



    シャンタク(西大陸で会ったあのガキどもか…。それほどまでだったとは)



    大魔王「そのうちのほとんどは教会周辺での戦いでやられた。ただ、幹部のゴンズだけは戦いが始まる前に一撃で殺されておるな」


    ゲマ「」ピクッ


    イシュダル「幹部が瞬殺とは…普通ではありませんね、その人間」


    大魔王「ふむ。そして此度の人間たちは、異世界からやってきた者たちのようじゃ」


    ゲマ「ほほう…。それが今回の一番の収穫でしょう」


    イシュダル「今回の襲撃で、海辺の教会にも護衛がつくでしょう。そう考えると…やはりそうでしょうね」



    大魔王「うむ。このアルミン一行なる者どもは、必ず葬らねばならぬ。良いな」



    ゲマ「はっ」


    イシュダル「は~あ、あのジャンって子に興味が出てきた所だったのに」


    ゲマ「イシュダル」ジロッ


    イシュダル「はいはい。…じゃあ、イーくんで我慢しよっと!!」クルッ
  315. 316 : : 2015/11/18(水) 23:32:24
    イー君頑張れ期待!
  316. 317 : : 2015/11/18(水) 23:35:04
    シャンタク「イー様なら休暇にお出になられました」


    イシュダル「…じゃあ、ヒストリアちゃん…♪」


    シャンタク「ヒストリア姫もついていかれました」



    イシュダル「え」


    ゲマ「な」


    イシュダル「ヒストリアちゃんいないの!!?」


    ゲマ「な、なんで止めなかったのですか!!?」



    シャンタク「『じじいの許可はもらったから。じゃ』…だそうです」



    ゲマ「…デスタムーア様…?」クルッ



    大魔王「…」


    大魔王「」シュン



    ゲマ「逃げずに説明してください!!」





    シャンタク「…」


    イシュダル「…そろそろ慣れた?『イー様』とか、『ヒストリア様』とか」


    シャンタク「…なんのことか、さっぱりです」


    イシュダル「無理しなくても良いのに。ね、じゃあ女子会に行きましょう!」


    シャンタク「意味がわからないのですが…」
  317. 318 : : 2015/11/21(土) 16:33:41
    翌朝、海辺の教会…



    ユミル「…」



    子供A「ねーごはんまだー!?」

    子供B「シスターここでいいのー?」カタン

    子供C「Dちゃん、馬兄ちゃんたち起こしにいこー!」

    子供D「うん!」タッ

    子供E「あ、ブツブツのお姉ちゃんだー!おはよー!」

    褐色少女「おいAも配膳手伝え。グデってしてんな!」



    ユミル「ガキどもは元気だな…。つーかせめてそばかすと言えクソガキ」グイッ

    子供E「いひゃい」




    ベルトルト「ほらみんな、朝ご飯ができるよー」




    サシャ「わあ、ベルトルトも働いていますね!ね、ライナー!」

    ライナー「」

    サシャ「ってライナーどうしたんですかその顔!?」

    ライナー「べ、ベルトルトが…こんな朝早くに起きて…しかも子供に呼び掛けている!!?」

    サシャ「…いや、よくわかんないですけどそんなに驚くことなんですか?」
  318. 319 : : 2015/11/21(土) 16:40:04
    ベルトルト「そんなことを言うと、僕はサシャがこんなに朝が早いことに驚きなんだけど」

    サシャ「狩猟民族の朝は早いんです!朝ご飯も待っていますしね!」エヘン

    ユミル「芋女とミカサは朝は早い方だったよな」

    サシャ「そうですねぇ。逆に遅かったのはアニですね。ミーナとクリスタが頑張って起こしてましたねー」


    ベルトルト「…クリスタ」


    ライナー「…エレンとクリスタのことはお前もショックだっただろう。けど、それでもオレたちは旅をやめることは出来ん。…いや、止めてはいけないんだ」

  319. 320 : : 2015/11/21(土) 16:45:32
    ベルトルト「…うん、大丈夫。二人の分も頑張らないと」

    ライナー「…よし」


    ユミル「ああ、そのことだが…」

    ライナー「ん?」


    ユミル「あとで全員に話がある。大事なことだ」


    ライナー「ああ、それならオレもだ。キドラからちょっとした希望を聞いてな…」






    「どわぁぁぁっっ!!!!!」


    「「きゃはははははは!!」」






    サシャ「あれ、ジャンの声ですね」

    ベルトルト「子供たちの被害にでもあったのかな」
  320. 321 : : 2015/11/21(土) 18:11:32
    _______
    _____
    ___
    _



    ジャン「ったく、こんのガキども…」モグモグ

    シスター「二人とも、あまりジャンさんに迷惑をかけてはいけませんよ」

    子供D「えへへ」

    子供C「馬兄ちゃん面白いんだもん」


    ジャン「…ミリア…てめぇ…」

    褐色少女「どうかしたか?馬兄」ニシシ

    ジャン「やっぱりてめぇじゃねえか吹き込んだの!?」

    褐色少女「ジャン兄より馬兄の方が言いやすいし。良いじゃん」
  321. 322 : : 2015/11/21(土) 18:44:26
    キドラ「なんでトマトジュースなんだッキー…」ジュー

    ミカサ「他意はないと思う…多分」

    キドラ「…まあ、血を吸うわけにもいかないッキーから良いッキーけど」



    アルミン「…じゃあ、朝ご飯もらいがてら今後の話をしようか」モグモグ


    ライナー「ああ。今回、それなりに情報が増えた筈だ」


    ベルトルト「…じゃあ、僕から話そうかな。僕は先に君たちの大まかな話は聞いたからね。気を使わなくて良いよ」

    ベルトルト「…」スウッ





    …僕が目を覚ました時、最初に眼に入ったのは女性の顔だった。
  322. 323 : : 2015/11/21(土) 19:28:48
    見たこともないような服を着ていて、こちらを笑顔で見ていたんだ。

    「良かった。気がつかれたんですね」

    その場がどこかは分からなかったし、なぜその場にいるのかもわからなかったけど…その人、マリアさんの笑顔を見ると大丈夫だって思えたんだ。



    …しばらくして、僕は海辺の教会で引き続きお世話になることにしたんだ。

    行く宛がなかったこと、この教会には男手もなかったということも、その選択肢を僕に選ばせてくれたかな。


    昨日の魔物たちのような者たちがいることを知って、パラディンにもなった。

    僕の手でこの教会やシスター達を守ることもできたんだ。




    …幸せだった。

    子供たちも僕を慕ってくれたし、シスターも僕に優しくしてくれた。

    毎日畑を耕して、力仕事を任されて…。

    ここでずっと暮らしていくことは、僕にとっては、かけがえのない幸福だと思えた。



    …けど、そういった時には決まって思い出すことがあった。


    ライナーやアニ、エレンたちの顔。

    壁が一つ破られた、元の世界。

    そして、望みの故郷…。
  323. 324 : : 2015/11/21(土) 19:46:21
    ベルトルト「確かに幸せだったけど、元の世界や皆のことも放っておくわけにはいかない。そうやって最近は悩んでいたんだ。どちらを取るべきかって」


    ベルトルト「昨日もそうだった。薪を取りに行って…また考え込んでしまって」

    ベルトルト「そんなときに、ライナーと再会した」


    ライナー「…あぁ」

    キドラ「…」



    サシャ「…?」モシャモシャ



    ベルトルト「ライナーの顔を久しぶりに直接見て、思い出したよ」

    ベルトルト「『ああ、そうだった』って」
  324. 325 : : 2015/11/21(土) 19:51:01
    ベルトルト「僕の心は決まったよ。…みんな」



    ベルトルト「僕も連れていってくれないか。元の世界に戻って、やらなければならないことがあるんだ。…それに」


    ベルトルト「…他のみんなが心配だからね」



    ユミル「…ハッ」


    ベルトルト「え?」


    ユミル「アホらし」


    ベルトルト「うえぇ!?」




    ユミル「…許可が要ることかよ、そんなこと」


    ベルトルト「…!」
  325. 326 : : 2015/11/21(土) 19:58:55
    アルミン「うん!」


    ミカサ「ベルトルトにはそういう所があるから…」


    サシャ「けど、それがベルトルトの長所ですよ♪」


    ジャン「うし、これで半分だな」



    ベルトルト「みんな…」


    ライナー「言った通りだっただろう、ベルトルト?」

    ベルトルト「…うん」

    ライナー「今はまだ良いんだ。何も気負う必要はない。それで良いんだ…。いずれ、贖罪の日が来るとしても」

    ベルトルト「…」



    キドラ「…そう来たかッキー」


    サシャ「キドちゃん?」

    キドラ「あートマトジュースおいしいッキー」

    サシャ「あ、じゃあください」

    キドラ「なんで!?」

    サシャ「まあまあ」


    サシャ(…)
  326. 327 : : 2015/11/21(土) 20:16:55
    子供「「「「「ベル兄…」」」」」


    ベルトルト「」ハッ



    シスター「やっぱり、行かれてしまうのですね…」

    褐色少女「あーあ、勿体無いなぁ」


    ベルトルト「シスター、ミリア…!そ、その…」



    シスター「…いずれこのような日が来ることは分かっていました」


    ベルトルト「え」


    子供A「だってベル兄、さいきんボーっとしてばっかなんだもん!」

    褐色少女「とーってもわかりやすかったぜ、ベル兄」


    ベルトルト「で、でも…それだと、ここの守りが!聖地の防人が!!」


    アルミン「防人…ですか?」

    シスター「えぇ。ベルトルトさんはここ、海辺の教会…すなわち、聖地の防人の役目を担ってもらっていたんです」


    ユミル「…ん?どこが聖地だって?」

    シスター「ここですけど…あれ、伝えていませんでしたっけ?」

    ユミル「…おい、マジかよ」

    ジャン「聖地?」

    ユミル「後で説明してやるよ」
  327. 328 : : 2015/11/21(土) 20:32:03
    褐色少女「まあ、その防人も問題はねぇよ。俺たちは今回のことを受けて、東の王都に一旦籠ることにしたんだ」


    ベルトルト「へ?」

    シスター「いつまでも貴方に頼るのは貴方を束縛してしまっている気がして。…だから良いんです。貴方の好きなように…私たちのことは気にしなくて良いんですよ」


    ベルトルト「…シスター」


    子供B「ベル兄!」


    ベルトルト「ん?」



    子供B「やることがぜんぶ終わったら、シスターのことを迎えに来てね!!」



    ベルトルト「!!?!?」

    シスター「こ、こら!」

    子供B「きゃはは!」



    ライナー「…」

    ユミル「親友に先を越された気分はどうだ?」

    ライナー「…爆発しろ」
  328. 329 : : 2015/11/23(月) 04:57:36
    ライナー乙
    期待です
  329. 330 : : 2015/11/23(月) 10:51:39
    エレンとクリスタは生きているといいなー期待です‼
  330. 331 : : 2015/11/23(月) 12:58:01
    ライナーの春は何時頃かねww
  331. 332 : : 2015/11/26(木) 17:59:52
    期待!
  332. 333 : : 2015/11/26(木) 22:52:50
    どうもこんばんは。

    白黒エレンです。

    本日更新しようと思っていたのですが、諸事情により更新できないと思われます。

    申し訳ございません。


    しかし、明日明後日辺りには更新できそうなので、よろしくお願いします。


    自分が忘れているようなら、その時は「書け書け」という催促をお願いします。


    それと、そろそろスレ立てる詐欺をやめて、本当に進撃の短編集のスレを立てます。

    …はい、すぐにたてますこんな言い訳してるから詐欺になるんですよねはいこのレスを書いてもう一つの方のスレにもレスを出したらすぐに立てますはい。

    書くリクエスト、ネタとしては以下の通りです。

    【リクエスト】

    ・エレンが前世のことで苦しんでいるのを皆もしくはアニが救う
    ・リヴァイ班+エルヴィン+ハンジでほのぼの話
    ・現パロエレアニほのぼの系(-S-さんリク)
    ・現パロエレユミほのぼの系
    ・チートエレユミシリアス系(まんまるたまごさんリク)
    ・現パロ104期生+リヴァイ班ギャグ系(作者様は神様さんリク)
    ・エレユミバレンタイン告白&デート

    それとは別に、自分で考えているお題はこちらです。

    ・なんでもアルミン(104期生原作沿いギャグ系)
    ・歪んだ向上心(エレアニ原作沿いシリアス系)
    ・三人組の苦悩(同郷三人組原作沿いギャグ&ほのぼの系)
    ・弟エレン(エレン中心原作沿いほのぼの系)
    ・女の子でも兵士になれますか?(ミーナ中心原作沿いギャグ&ほのぼの系)
    ・虚実と真実(エレヒス原作沿いシリアス系)
    ・We love Hanncho !!(エレン愛され&34班原作沿いギャグ系)
    ・名前と声掛け(エレアニ原作沿い純愛系)
    ・今日の君は!(104期生原作沿いギャグ&ほのぼの系)
    ・死に急ぐな、生き急ぐな(ユミル&死に急ぎ組原作沿いギャグ系)
    ・昨日の敵は今日の友(ユミル&ミカサ&死に急ぎ組原作沿いほのぼの系)
    ・俺のライバル(エレン&ベルトルト原作沿いシリアス系)
    ・ボーイズトーク(104期生男子中心原作沿いギャグ系)
    ・みんなのマルコ(マルコ中心原作沿いほのぼの系)
    ・俺では翼になれなかった(リヴァイ&新リヴァイ班原作沿いシリアス系)
    ・お母さん!(ペトラ中心&リヴァイ班学パロほのぼの系)
    ・食い倒せ!店!!(サシャ&コニー学パロギャグ系)
    ・It's the surprised time !(エレン中心&104期生原作沿いほのぼの系)
    ・祝い時(アニエレ&104期生原作沿い純愛系)
    ・これぞアニキクオリティ(ライナー中心原作沿いギャグ系)
    ・Heart swapping(エレアニ&104期生中心原作沿いギャグ&シリアス系)
    ・孤高の狩人よ(キース&ミカサ原作沿いほのぼの系)
    ・そよ風とともに(エレン中心&104期生原作沿いほのぼの系)
    ・クリスタの奔走(クリスタ中心&104期生原作沿いほのぼの系)
    ・Our only brother(エレン中心原作沿いほのぼの系)
    ・今日だけ家族(エレクリ原作沿いほのぼの&シリアス系)
    ・バカカルテット(おバカ要員中心原作沿いほのぼの系)
    ・The leadrers(エレン&ジャン原作沿いほのぼの系)
    ・トリオシリーズ【格闘ベストスリー】(ミカエレアニ原作沿いほのぼの系)
    ・トリオシリーズ【最強組】(エレン&ミカサ&リヴァイ原作沿いほのぼの系)
    ・トリオシリーズ【山奥組】(ライナー&ベルトルト&アニ原作沿いほのぼの系)
    ・トリオシリーズ【最強(狂)組】(エレン&リヴァハン原作沿いほのぼの系)
    ・トリオシリーズ【トラブル組】(ジャンミカエレ原作沿いギャグ系)
    ・トリオシリーズ【オリジナル組その1】(クリエレユミ原作沿いほのぼの系)
    ・トリオシリーズ【オリジナル組その2】(エレン&アルミン&クリスタ原作沿いほのぼの系)

    等です。

    リクエストは随時募集しております。

    ていうかください頑張って書きますんで。

    よろしくお願いします。
  333. 334 : : 2015/11/26(木) 23:11:35
    エレクリでクリスタが本が好きで図書館によく行くようないわゆる文学少女でそこで働いているエレンに本を進めてもらってから何か気になりはじめるけど実は姉(フリーダ)の婚約者でショックをうけるけど友達とかに励まされてエレンにアピールしはじめるそんなクリスタとエレンを見ていたフリーダは今は大丈夫だけど何年後かに絶対にクリスタの方を好きになると思ったフリーダはエレンに別れを告げてクリスタとエレンは付き合うことになるみたいな話しはどうですか?長々とすいませんでした期待です‼
  334. 335 : : 2015/11/26(木) 23:12:48
    ミカサ「進撃の短編集」アニ「安価orリクエスト募集中…」クリスタ「ええっと…もう言うことないよ…」をようやく立てました。

    http://www.ssnote.net/archives/41304



    よろしくお願いします。
  335. 336 : : 2015/11/26(木) 23:14:09
    >>334

    ええっと…確かにちょっと長いので、そのネタは短編集ではなく、新たにスレッドを立てて書いてもよろしいでしょうか?
  336. 337 : : 2015/11/26(木) 23:47:08
    いいですよ
  337. 338 : : 2015/11/26(木) 23:58:20
    それでお願いします!
  338. 339 : : 2015/11/28(土) 14:11:17
    応援してます
    このドラクエシリーズも長くなってきたんで、そろそろスレ?もう1個作ったらどうでしょうか?
  339. 340 : : 2015/11/28(土) 21:16:42
    ユミル「…さて、次は私だな。まず、お前らと別れてからの話をしよう」


    ____________
    ______
    ___
    _





    アルミン「この世界には、死んで生き返った人々がいる、か」

    ユミル「信用できるわけじゃねぇがな」


    サシャ「…もしかして、私たちも死んじゃったんでしょうか。それでこの世界で生き返ったとか…」

    ユミル「多分、それはない。あの元医者のおっさん、死んで生き返った人間かどうかがわかるようだったからな、口ぶりからして」

    ジャン「…何にしろ、ちょっと情報が少ないな。これじゃあ結論を出すことはかなわないだろ」


  340. 341 : : 2015/11/28(土) 21:27:09
    ライナー「それと他には…エレンとクリスタの遺体か。確かになかったなぁ」

    ミカサ「アルミンの推測によると、アニやエレンたちがおよそ一年くらいこの世界にいることになる。そう考えると、長くて一年間遺体が放置されたことになる…。それでも、遺骨くらいは残ってる筈」

    ベルトルト「…じゃあ、ユミルは…実は、エレンとクリスタはまだ生きているんじゃないかって思うの?」

    ユミル「…ああ」

    ベルトルト「客観的に考えて…?」

    ユミル「…」


    ライナー「おい、ベルトルト!」


    ユミル「…いや」



    ユミル「希望的観測も、かなりある…」


    ベルトルト「…そっか。…良かった」
  341. 342 : : 2015/11/28(土) 21:30:13
    ベルトルト「…そう思うなら、やっぱり二人が…全員が見つかるまで、探さなきゃ」


    ジャン「…ま、先は長いが…当然だな」


    ユミル「…」


    ミカサ「…うん」


    アルミン「…」





    アルミン(…じゃあ、ゲマさんの占いは?あの人が嘘をついたということか?)
  342. 343 : : 2015/11/28(土) 21:33:21
    ユミル「最後に、一つ気になることがあるんだ」


    キドラ「何だッキー?」


    ユミル「とぼけてんなよ」


    キドラ「…」


    褐色少女「?」



    ユミル「お前だよ、キドラ」


    キドラ「…」



    アルミン「…ユミル?」




    ユミル「お前…魔王軍なんだってな」







    「「「「「!!!?」」」」」








    キドラ「そうだッキーけど」




    「「「「「∑はい!!!?」」」」」
  343. 344 : : 2015/11/28(土) 21:44:09
    キドラ「知らなかったッキー?」


    アルミン「ちょ、ちょぉっと待って!!キドラ、君は魔王軍であるイシュダルやジャミとも戦ってなかったっけ!?どういうことだい!?」


    キドラ「オイラはオイラの仕事をこなしてるだけ。その仕事の障害となり得るならば、たとえ魔王軍であろうと敵だッキー」



    ベルトルト「…答えてくれないか、キドラ君。返答次第では君を処理しなければならない」ジャキン


    ライナー「ベルトルト!!?」
    シスター「ベルトルトさん、待ってください!!」


    ベルトルト「…僕は、僕の為に、安全を確保しなければならない。仲間が危険な目に合うのは嫌だからね」



    ベルトルト「…君はアルミンたちの仲間なのかい、キドラ」



    ミカサ「…」

    ジャン「おいおい…」





    キドラ「…監視役だッキーよ」




    ベルトルト「…監視?」
  344. 345 : : 2015/11/28(土) 21:48:37
    キドラ「そう。監視」


    ベルトルト「…それは、魔王軍に見張ってろと命令されたの?」


    キドラ「もしそうなら、ジャミはともかく、三将であるイシュダルと戦うことはないと思うッキーけど?」


    ミカサ「…では、なぜ?」


    キドラ「ひとえに、愛の為にッキーね」



    サシャ「大好きなんですか?私たちのこと」


    キドラ「違うッキーよ。ていうかなんでそんなにストレートに受け止めるッキー?」
  345. 346 : : 2015/11/28(土) 22:02:03
    ベルトルト「…信用はしていいんだよね?」


    キドラ「まあそれなりに」



    ベルトルト「…そっか」


    ベルトルト「ごめんね、脅すようなこと言って」フゥ


    シスター「ベルトルトさん?」


    ベルトルト「」ビクッ

    シスター「あとでお話しが…」

    ベルトルト「…はい」
  346. 347 : : 2015/11/28(土) 22:04:25
    ユミル「…結局、はぐらかされたぞ」


    キドラ「てへっ」


    ユミル「じゃあ、あと一つ。お前、ジャミの連打を無傷で凌いだよな。避けたようには見えなかったんだが…。どうやったんだ?」


    キドラ「あ、それは本当に秘密だッキー」


    ユミル「うぉい!!!」
  347. 348 : : 2015/11/28(土) 22:10:41
    ライナー「…ふむ。じゃあ最後にオレから一つ」







    ライナー「…ミーナから接触があった」






    「「「「「…」」」」」




    ライナー「…ん?どうしたんだ皆、そんな顔をして」





    アルミン「…ライナー…」

    ベルトルト「ライナー…それはないんじゃないかな」

    ジャン「お前…」

    ミカサ「…」ジトー

    ユミル「てめぇ…このゴリラ」

    キドラ「まだ言ってなかったッキーか…」



    ライナー「え?え?」



    サシャ「ライナー…」ヤレヤレ




    サシャ「そういうことは早く言わないといけないんですよ?」ムフー

    ライナー「オレが悪いんだろうがお前はムカつくぞサシャ…」イラッ
  348. 349 : : 2015/11/28(土) 22:33:51

    ___________
    _______
    ___
    _



    数時間後、海辺の教会前…。


    ベルトルト「…じゃあ、行ってきます」


    子供たち「「「「「ベル兄…」」」」」


    ベルトルト「ははっ、さっきも言ったろう?またすぐに東の王都で会えるよ」

    褐色少女「東の王都の南遠方…未開の地にいくらしいな、ベル兄」

    ベルトルト「うん。そこに魔物の国があるんだって」

    褐色少女「魔物の国!?…なるほど、人間が入れないわけだ」

    ベルトルト「そういうわけではないらしいんだけど…」

    褐色少女「??」

    ベルトルト「…まあいいか」
  349. 350 : : 2015/11/28(土) 22:41:44
    ベルトルト「…じゃあ、短い間だけど…元気でね」


    「またね、ベル兄!」

    「お土産よろしくね!!」


    ベルトルト「はは…」


    褐色少女「私には立派なポールアックスを頼むぜベル兄!」


    ベルトルト「が、がんばるよ」



    シスター「ベルトルトさん!」タタッ


    ベルトルト「マリアさん!」



    シスター「」ボソッ

    ベルトルト「え…」


    シスター「ほらダッシュ!」

    ベルトルト「は、はい!!」ダッ



    シスター「…いってらっしゃい」







    ________
    _____
    ___
    _



    ライナー「おおベルトルト!挨拶は済んだのか!?」

    ベルトルト「…うん」ポーッ

    アルミン「よし、じゃあ行こうか!」

    ベルトルト「…うん」ポーッ

    ユミル「…?」







    『諦めませんから、私』





    ベルトルト(…どうしよう…)
  350. 351 : : 2015/11/28(土) 22:56:21
    [アルミン・アルレルト] Job:僧侶
    E:裁きの杖 E:甲羅の盾 E:絹のローブ
    E:神官のタイツ E:素敵なサボ E:麻のマント
    持ち物:イオの巻物

    [ライナー・ブラウン] Job:戦士
    E:鉄の斧 E:鉄の盾 E:厚手の鎧
    E:鉄の膝当て E:鉄のグリーブ
    持ち物:毒消し草,上薬草×3

    [ユミル] Job:盗賊
    E:バタフライダガー E:バタフライダガー E:ターバン
    E:旅人の服 E:忍のズボン E:木の靴
    持ち物:果物ナイフ×10,薬草×10,世界樹の葉

    [ミカサ・アッカーマン] Job:バトルマスター
    E:鉄の剣 E:鉄の剣 E:エレンのマフラー
    E:絹のローブ E:ガーターベルト E:ハイヒール
    持ち物:イーの想い出の鈴

    [ジャン・キルシュタイン] Job:魔法剣士(魔法戦士)
    E:魔剣士のレイピア E:銀のリスト
    E:鎖かたびら E:鉄の膝当て E:ウエスタンブーツ
    E:破幻のリング
    持ち物:魔物図鑑,装備道具全集

    [サシャ・ブラウス] Job:狩人
    E:狩人の弓 E:旅人の手袋
    E:うさみみバンド E:かくれみの服
    E:ニーソックス E:素敵なサボ E:疾風のリング

    [ベルトルト・フーバー] Job:パラディン
    E:砂塵の槍 E:鉄の籠手
    E:スライムの冠 E:ホーリーチェイン
    E:レッドタイツ E:安全靴 E:守りのルビー

    【キドラ】 Job:ドラキー
    E:スーパーリング
    持ち物:悪魔の手鏡(通信用),魔王軍の紋章

    【袋】
    訓練兵団制服セット×7


    【北の大陸の行方不明者】
    ・アニ・レオンハート    ・コニー・スプリンガー

    【東の大陸の行方不明者】
    ・マルコ・ボッド    ・ミーナ・カロライナ

    【死亡(推定。エレンのみ幽霊確認)】
    ・エレン・イェーガー    ・クリスタ・レンズ
  351. 352 : : 2015/11/28(土) 23:01:32
    今回はここまでにします。

    ありがとうございました。

    短編集のリクエストは、まだまだ募集してます。

    そこのところよろしくお願いします。


    >>339

    だいたい500で次スレに移ると決めているので。すみません。
  352. 353 : : 2015/11/29(日) 19:13:49
    了解です
  353. 354 : : 2015/11/29(日) 19:45:26
    きったっいっ!
  354. 355 : : 2015/12/03(木) 19:11:52
    最高っす!!
  355. 356 : : 2015/12/07(月) 22:59:02
    待ち遠しいのぅ…
  356. 357 : : 2015/12/10(木) 19:28:49
    てかコメント多くて見づらいので消していただけません?
  357. 358 : : 2015/12/13(日) 14:30:19
    期待です
  358. 359 : : 2015/12/23(水) 18:07:35
    ベルトルトを加えた僕たち7人とドラキー一匹は、ミーナの使いのバズズという魔物の所へ向かった。

    ライナーとキドラがその魔物と遭遇した森林の奥深く、教会から南東の地へと赴いていたんだけど…。


    アルミン「なんでこんなことになっているの…?」

    ライナー「バカアルミン!もっと早く走れ!!踏みつぶされるぞ!!」

    ミカサ「アルミンがバカって言われたところ初めて見た…」


    …なぜか絶賛疾走中です。
  359. 360 : : 2015/12/23(水) 18:16:14
    バズズ「仕方あるまい。このダッシュランはせいぜい乗れて三人だ。そしてじゃんけんとかいう謎の勝負に負けた貴様らが悪い」

    ダッシュラン「グル」


    だからってそのダッシュランを僕らに追いやらなくたっていいじゃないか!
    森の中だからまだダッシュランは遅いけど、平野とかだったらあっさり踏みつぶされてるよ!


    バズズ「その方が早い」


    …どうやら声に出してたみたいだ。


    ユミル「ほーら頑張って走れよお前らー…」

    キドラ「頑張れッキー…」



    ジャン「っぜぇ…ぜぇ…」

    サシャ「おおおお!!今日の晩御飯の為に!」


    ベルトルト「ライナー、代わろうか?ダッシュランに乗る?」


    ライナー「お前昨日走っただろう!大丈夫だ!」


    アルミン「もう今日で三日目だよ…っふう。もうそろそろ無理…」


    本当に…吐いちゃいそう…。

    こっちの世界に来てから、訓練よりも壮絶な体験ばかりしてるけど…これはきつい。
  360. 361 : : 2015/12/23(水) 18:22:12
    キドラ「オリジナルのバズズ?」

    バズズ「そうだ。オレはバズズという魔物の原種…というよりはシルバーデビルの亜種でありエリート、バズズ」

    キドラ「??」

    バズズ「昔の勇者と戦ったこともあるぞ」

    キドラ「へ?」


    オリジナル?原種?

    よくわからないけど、魔物もあまり動物と変わらないようだ。

    種の起源に基づいて、変種が生まれたり、突然変異を起こしたり…。そうやって新種の魔物が生まれているのかもしれない。


    キドラ「えーっと…。じゃあお前は、ロンダルキアのバズズ?あのべリアルとアトラスとセットの?」

    バズズ「まあ…そういうことだな」

    ユミル「…じゃあ、あれか。お前も生き返ったクチか」
  361. 362 : : 2015/12/23(水) 19:26:11
    バズズ「なんだお前もかソバカス女」

    ユミル「誰がだコラ。…少し前にそんな奴を見たんだよ」

    バズズ「だろうな。お前らは違う。そこのドラキーは似た感覚を覚えているが」

    キドラ「…さあ」

    ユミル「…へえ」

    ベルトルト「…」


    …やっぱり、キドラは何か色々隠しているんだ。

    魔王軍っていうのは驚いたし、それをあっさり肯定したことにはもっと驚いたけど。

    魔王軍幹部の攻撃を無傷で済ましたとも聞いた。

    …キドラは、普通のドラキーじゃないんだ。
  362. 363 : : 2015/12/24(木) 23:03:26
    バズズ「しかし…お前らも大したものだ」


    ベルトルト「?」


    なんのことだろうか?

    もう喋る気力もないから口には出さないけど。


    バズズ「初日はひいこらひいこら言って逃げていたくせに…三日目にはもう喋れるくらいには走れるようになっている。大した人間たちだよ」


    アルミン「…ぜえ、ぜえ」


    このバズズという魔物…ミーナと面識があるくらいだし、野生の魔物とは違うだろうとは思っていたけど…。

    …人間に偏見も敵意もない。人間に殺されたはずなのに…。
  363. 364 : : 2015/12/24(木) 23:19:40
    ジャン「…ったりめえだろうがぁよぉ!!」


    バズズ「ほう?」


    ジャン「こっちはこっちで…三年間、みっちり鍛えられてんだよ!!ムカつく奴にも負けたくなかったしな!!…っぜぇ!」



    ジャン…。

    君はいまでも、エレンに勝とうとしてるんだね…。



    バズズ「ふん…。気合い、根性か…。まるで勇者だな」


    ユミル「今の勇者の方か?」


    バズズ「…いや」


    バズズ「…」




    『やあ、バズズ…まだやるかい?』

    『ふう、本当に…粘るねぇ』

    『けど、これで最後です…!』



    バズズ「…人間は、恐ろしく成長するものなんだな」
  364. 365 : : 2015/12/24(木) 23:25:56
    バズズ「さて…お前らが走り通してくれたおかげで、行程が半分の時間で済んだぞ…!」


    ライナー「何…!」


    バズズ「止まれ!」



    ダッシュラン「グル!」



    アルミン「うわわ!」

    ミカサ「アルミン!」


    痛た…!

    勢いよく転んじゃったよ。

    こっちの世界に来て、こっちの世界に鍛えられている気がするけど…それでも、運動音痴は治ってないなぁ。



  365. 366 : : 2015/12/24(木) 23:35:33
    サシャ「…ここ、何か変ですね」

    ジャン「変?変つっても、特に変わらねぇ森の中だろ」

    サシャ「妙な気配を感じます。何かが大勢いる気がするのに、全く姿が見えない…。そんな感じです」

    ジャン「はぁ?」


    当然だけど、僕らには何もわからない。

    けど、不思議とサシャの言うことは合ってるんだろうなぁと思ってしまった。

    だって、僕らのサシャだからね。


    バズズ「…成程。流石はミーナの仲間だ、中々やる」


    ジャン「? こいつが野性的なのは知ってるが…」

    ユミル「おい、勿体ぶってねぇでとっとと進めろ。あるんだろ?ここに、何かが」

    ライナー「だが、ここはまだ山岳にも差し掛かってないぞ。山の向こうにあるんだろ、魔物の国ってのは」
  366. 367 : : 2015/12/24(木) 23:45:04
    ミカサ「…キドラ、何か知ってる?」

    キドラ「さあ?西の大陸に来るのは初めてだからッキーね」


    どうやらキドラも知らないらしい。

    …ていうか、ベルトルトの目がまだ厳しめなんだけど。

    ベルトルトの優しさって、身内にしか向けられてないのね…。




    バズズ「さて…やるか」




    …空気が、張り詰めた。

    この感覚には覚えがある。

    東の大陸で、勇者さんたちと三将イーが対峙した時。

    歴戦の猛者が、臨戦態勢になった瞬間だ…!
  367. 368 : : 2015/12/24(木) 23:57:47
    バズズ「何人たりとも我が道を阻むことは出来ぬ…」



    「アバカム」



    ズッ…と、地面が開き始めた。



    …って、え?





    アルミン「ええええええ!!?」

    ミカサ「アルミン!掴まって!!」


    ベルトルト「どういう仕組みなんだろう…」

    ライナー「そんなこと言っている場合か!!落ちるぞ!!」


    サシャ「ききききききキドちゃあん!!」

    ユミル「なんだあの青っぽい渦巻きは!!」

    ジャン「だああ!!腕がちぎれるぅぅぅ!!!」

    キドラ「地面の下に旅の扉ぁ!!?」


    バズズ「…キヒヒヒッ!!」






    「魔物の国ユグドラシルへようこそ!!!」
  368. 369 : : 2016/01/09(土) 14:13:25
    期待です
  369. 370 : : 2016/01/11(月) 19:20:31
    応援してます(b・ω・)b
  370. 371 : : 2016/01/16(土) 13:06:06
    早く来ないかなー
  371. 372 : : 2016/01/17(日) 11:37:05



    魔物の国、ユグドラシル。



    その国は、その名の通り、多種多様な魔物が大勢住んでいる。


    国の中心には、天を突くほどに延びる巨木…世界樹が風に揺られている。

    そして、この国にはある一つのルールがある。

    そのルールのおかげで、敵対関係にあるはずの魔物同士も共存出来るのだ。

    更に、そのルールを魔物たちに守らせる、絶対的な抑止力が二つ…!
  372. 373 : : 2016/01/17(日) 11:42:38
    期待!!
  373. 374 : : 2016/01/17(日) 11:43:45
    「…と、まあそういうことだ」


    そう告げたバズズと僕らを、大勢の魔物が囲んでいた。

    見たことがある魔物も居れば…というか、ほとんど見たことのない魔物ばかりだ。


    キドラの色違いの魔物に、冗談みたいに大きな石像の魔物。

    ほとんど身体が腐っている鳥の魔物に、天使の輪っかに天使の羽を持つスライム。


    そんな魔物たちが、こちらをじっと見つめている。


    …恐怖しか感じないんだけど。
  374. 375 : : 2016/01/17(日) 11:54:19
    ジャン「…おい…この状況、まずいんじゃねえか…」

    ユミル「……土台…無理な話だな。ここで生き残るとか…」

    サシャ「なんちえー…なんちえー…?」

    ライナー「…おい、サシャが壊れたぞ」

    ベルトルト「そんなこと言ってる場合じゃないよ、ライナー」ガチャチャ





    タホドラキー「うわ!あの人間、槍を構えたぞ!」



    ベルトルト「!? 何だ?」



    動く石像「ぬぅ、止さぬか人間…!」

    八咫烏「ぐげげ…やめ…て…」

    エンゼルスライム「仲良くしようよぉ!」



    ベルトルト「へ?」

    ミカサ「どういうこと…?」
  375. 376 : : 2016/01/17(日) 12:09:59
    バズズ「おい、まだ話の途中だぞ。この国はルールがあるといった筈だ、一つのルールが」


    アルミン「…」


    バズズ「この国では、争いを禁じられている。私闘をすることなかれ。それがこの国唯一のルール」

    アルミン「…成程。平和の国ということかい?」

    キドラ「確かに…噂通りの国みたいだッキーね」


    ベルトルト「そんな口約束みたいなルール一つで…この国は平和なの?」チャ…


    バズズ「この国が出来て千年以上…。この国では争いはただの一度も起きていない」


    ベルトルト「そ、それは凄いね…!」


    キドラ「…けど、平和だからと言って弱い魔物ばかりと言われれば、そういうわけでもない。確か、この国には闘技場もあるはず」



    リザードマン「…そう。この国の魔物は闘技場で闘うことで腕を磨く」



    キドラ「いっ!!?」
  376. 377 : : 2016/01/17(日) 12:14:39
    リザードマン「よお、キドラ。それに人間ども」


    キドラ「りゅ、リュカ!」

    サシャ「? どなたですか?」


    アルミン「…あ!!」

    ミカサ「西の大陸で会った、魔王軍のリザードマン!」


    リザードマン「おっと、殺気立つのはやめてもらおうか。私闘禁止の誓いを忘れんじゃねぇ」



    ジャン「うぉい!!この国魔王軍がいるのか!!?」

    バズズ「別に。居ても問題ねぇだろ。俺だって元魔王軍三将だぜ」

    ジャン「はああぁぁ!!!?」
  377. 378 : : 2016/01/17(日) 12:20:34
    リザードマン「キドラ。こっちに来てもらおうか。この二週間…何してたか訊かせてもらうぜ」

    キドラ「ううっ…。い、イーから聞けッキー!!」

    リザードマン「イーの話もしたい」

    キドラ「!! 何かあったッキーか!!?」

    リザードマン「…来い」

    キドラ「…分かったッキー」パタパタ



    サシャ「キドちゃん…」
  378. 379 : : 2016/01/17(日) 12:33:27
    バズズ「…まあ、こんな感じだ。魔物たちは基本的に優しいから、臆せず話してやれ」


    ミカサ「…複雑」




    ライナー「バズズ。早速だが、ミーナの所に案内してくれないか」

    バズズ「案内と言われてもな…正直、アイツがどこに居るかは分からん。色々見て回ってるからな、あいつは」

    バズズ「ただ、歌声のするところへ行くと良い。そこにミーナは居る」

    ライナー「?」

    ベルトルト「僕も行くよ、ライナー」

    サシャ「私もいきます!」
  379. 380 : : 2016/01/17(日) 13:16:40
    ジャン「手分けして探すか…。…」


    ミカサ「?」


    ジャン「み、ミカサ」


    ミカサ「…」


    ジャン「い、一緒に探さないか…?」


    ミカサ「…」


    ジャン「…」


    ミカサ「…アルミンも一緒なら…」


    ジャン「!! よ、よーし!!アルミン行くぞ!!!」グイッ

    アルミン「わわっ!!引っ張らないでよジャン!!」

    ミカサ「…」スタスタ



    サシャ「…どうですか?あの反応」

    ライナー「保護者付きデート?」

    ユミル「アホらし…。デートじゃねぇだろあれ」

    ベルトルト「ユミルはどうするの?」

    ユミル「私は一人で見て回るよ。その方が気が楽だ」
  380. 381 : : 2016/01/19(火) 20:50:27
    応援してます!!!
  381. 382 : : 2016/01/20(水) 14:38:57
    次の更新も楽しみに待ってます!
  382. 383 : : 2016/01/20(水) 21:44:15


    …オレは、いつでもあいつに負けていたんだ。





    『オラァ!!!』


    『うぉっ…!!』


    あいつは身を躱して、一度後ろに下がる。

    アニから学んだ技術も、オレの猛攻の前には意味を為さない。

    思った通りだ。



    『このまま押し切る!!』



    ―瞬間。


    あいつは一歩踏み出していた。









    『…最も恐ろしい瞬間に踏み出せるかどうか。それが格闘術の肝…だそうだ』

    『またいつでも来いよ。相手してやるぞ…ジャン』



    ジャン『畜生…エレン!!』


    エレン『その代わり…立体機動術、教えろよ!』
  383. 384 : : 2016/01/28(木) 23:21:11
    「ジャン!」


    ジャン「!!…あ、ああ。なんだよ、聞こえなかったぜアルミン」


    アルミン「まあこの喧騒だからね、無理もないよ」

    ミカサ「周りを見渡しても魔物魔物魔物…。魔物が視界に入らない時がない」


    ジャン「…」


    こいつらは今でも、エレンの世話を焼こうとしているのか…。


    エレンに固執しているのはオレも同じだ。

    オレだけじゃない。

    きっとコニーやサシャ、ミーナたち34班も、クリスタとユミルも、ライナーたちも、あのアニまでも…。

    エレンのあの無鉄砲さに、向上の姿に。

    104期訓練兵たちの目に、最初は嘲笑の目をしていたとしても、次第に敬意の意が籠っていった。


    …なのにどうして、あの野郎が…。
  384. 385 : : 2016/01/28(木) 23:25:25
    ジャン「…ん?」



    エレン(幽霊)「…」



    ジャン「あれは…!!」





    アルミン「…あれ、ジャンは?」

    ミカサ「…? ジャン…? いないの…?」
  385. 386 : : 2016/01/30(土) 11:00:06
    最高!
    応援しております!
  386. 387 : : 2016/01/30(土) 20:39:08
    ジャン「わからないことだらけで…どうしようもねえんだよ…ムカつく奴もその中心にいるしな」

    ジャン「この世界のこと…エレンとクリスタのこと…いくらでもな」


    ジャン「けどな……オレのことなんてどうでもいい。悲しんでる奴がいるんだ。悲しんでる女が、な…」



    中央の島に訪れた時から、ミカサの表情は劇的に変わってしまった。

    暗く、恐ろしく、脆く…。

    いつ壊れてしまうか分からないような、そんな感じの…。
  387. 388 : : 2016/01/30(土) 20:41:10
    ジャン「わからないことだらけで…どうしようもねえんだよ…ムカつく奴もその中心にいるしな」

    ジャン「この世界のこと…エレンとクリスタのこと…いくらでもな」


    ジャン「けどな……オレのことなんてどうでもいい。悲しんでる奴がいるんだ。悲しんでる女が、な…」



    中央の島に訪れた時から、ミカサの表情は劇的に変わってしまった。

    暗く、恐ろしく、脆く…。

    いつ壊れてしまうか分からないような、そんな感じの…。
  388. 389 : : 2016/01/30(土) 21:06:50
    ジャン「だからよ…だからよぉ………!!」


    ジャン「せめて…お前の姿だけでも…あいつに見せてやりてえんだよ!!」



    エレン(幽霊)「…」



    ジャン「…」




    だから……なんだってんだ?

  389. 390 : : 2016/01/30(土) 21:16:07
    エレン(幽霊)「…」


    ジャン「こんな姿を見せても…ミカサが現実を知るだけじゃねえか」


    エレン(幽霊)「…」


    ジャン「畜生…!!」ガクッ



    エレン(幽霊)「…」










    エレン(幽霊)「……………んだ」ボソッ
  390. 391 : : 2016/01/30(土) 21:48:09
    ジャン「…?…なんだ?」



    エレン(幽霊)「待ってるんだ…」



    ジャン「しゃ、喋ったぁ!!?」



    エレン(幽霊)「アイツが…待ってるんだ……」スタ…スタ…



    ジャン「お、おい……待てよ…!」
  391. 392 : : 2016/01/31(日) 14:41:49
    Reiner side …


    バズズ「この国は、およそ数千年も昔にできたとされている。この世界樹はその当時からあった」


    ライナー「ふむ…確かにでかい。青空が葉や枝の隙間に見えるくらいだしな」

    ベルトルト「高さは何メートルあるんだい?」


    バズズ「1000はあるな」

    サシャ「ひええ…!私たちの世界にも大きな壁があるんですが…それでも50メートルしかないですよ!」

    バズズ「ああ、ウォール・ローゼってものだろう?ミーナから聞いたぞ」
  392. 393 : : 2016/01/31(日) 14:51:25
    バズズ「魔物たちはこの世界樹のもとに集い、その麓に住み始めた。この荘厳な世界樹と、平和を望むかのような木々や草花…それらが魔物たちから邪気を抜いていき、この国は平和な魔物の国となった」


    ベルトルト「そんなことで争いがなくなったということが未だに信じられないんだけど…」


    バズズ「…まあ、お前の言いたいこともわかる。だが、先程も告げた通り…抑止力があるんだ。絶対的な、主が…」


    ライナー「主…?そいつはどこにいるんだ?」


    バズズ「…お前たちはもう何度も目にしているよ」

    ライナー「?」

    ベルトルト「え…?いたっけ?」
  393. 394 : : 2016/01/31(日) 15:13:15
    ベルトルト「あ、まさか君とか?」

    バズズ「ハズレ。定番だがな」

    ベルトルト「うーん…。そっかぁ」


    サシャ「…なるほど。じゃあこの気配は…」

    ライナー「サシャ?」


    サシャ「とても大きな気配を二つ感じます。一つはこの国自体を温かく包む様に。もう一つは、地中深くに眠っています。とても遠くにいますけど…強大な気配です」


    バズズ「お前…オーラを感じ取ってるのか」


    ライナー「オーラ?」

    バズズ「闘気のことだ。生命体には気配がある。その気配は闘気という言い方が使われているんだ」

    バズズ「しかし…」


    バズズ(まさか、ユグドラシル様はともかく、あの魔神までも…)
  394. 395 : : 2016/01/31(日) 15:28:14
    バズズ「今そこな女が言った通りだ。この国を覆うような気配…それがユグドラシルだ。世界樹の化身、ユグドラシル」


    ベルトルト「化身?」

    バズズ「化身というか…世界樹そのも」






    「コラ―――――――――――――――――――――――――!!!!!」





    バズズ「げっ」

    ライナー「ん!!?」

    サシャ「今のは…」

  395. 396 : : 2016/01/31(日) 15:38:53
    ミーナ「何ユグドラシル様を呼び捨てにしてんのよ!!バズズー!!」

    バズズ「いや…オレ、アイツとそれなりの仲だから」

    ミーナ「うっさい!!踊らせるよ!?」

    バズズ「う」

    ミーナ「私はバズズのお世話をしなきゃいけないんだから!」

    バズズ「そんなものはユグドラシルの冗談であって…」

    ミーナ「また呼び捨てにした!!」

    バズズ「ぐうぅ」





    ベルトルト「あ、あのー…」
  396. 397 : : 2016/01/31(日) 16:12:45
    ミーナ「あああ!?ベルトルト!!?」


    ライナー「オレもいるんだが…」

    サシャ「ミーナ!!」



    ミーナ「サシャ!!」ダッ


    キャーキャー ヒサシブリー



    ライナー「あのー…オレ…」


    ベルトルト「…もしかして…バズズ…」

    バズズ「…早く引き取ってくれ、あのおてんばを」ゲンナリ

    ベルトルト「…なんか、その……ごめん」











    『ようやく…出会えましたね、ミーナ…』


    『これでこの国には…人間が10人…ですか』


    『…さて…無事にこの国を出てくれればよいのですが』
  397. 398 : : 2016/02/02(火) 19:53:16
    続きが楽しみっす!
  398. 399 : : 2016/02/11(木) 23:09:53
    期待!
  399. 400 : : 2016/02/29(月) 13:59:23
    side a Princess…



    仮面少女「ねえメルディ」

    ベビーサタン「なんだよ姫さんよぉ」


    仮面少女「イーが…何か変じゃない?記憶を消されてから」

    ベビーサタン「…主にどの辺が?」

    仮面少女「私を放ってどこかへ一人で行くとか」

    ベビーサタン「いつも通りじゃねぇか」

    仮面少女「着飾った私よりもそこらの武器屋に目が向くとか」

    ベビーサタン「いつも通りじゃねぇか」

    仮面少女「私にお金だけ渡して走り去るとか」

    ベビーサタン「いつも通りじゃねぇか」

    仮面少女「怒るよ?」

    ベビーサタン「お前が怒ったら洒落にならねぇからよせ」
  400. 401 : : 2016/02/29(月) 14:07:14
    仮面少女「やっぱりデスタムーアを問い詰めてイーの記憶を戻してもらおうか」

    ベビーサタン「やめとけやめとけ。デスタムーア様はお前には甘々だがな、マジなことは流石に聞いてくれねぇぞ」

    仮面少女「武力行使で」

    ベビーサタン「その瞬間に勇者になれるぞお前」






    ユミル(…なんだあいつら)

    ユミル(ベビーサタンと…人間?)
  401. 402 : : 2016/02/29(月) 14:21:08
    ユミル(ちょっと待て…この国には人間はミーナ一人じゃなかったのか?旅人か?)

    ユミル(…あの仮面、どこかで見たことが…)



    仮面少女「…何あの女」

    ベビーサタン「人間だろ」

    仮面少女「そんなことは分かる。けど、こっちをジロジロ見て…ストーカー?」

    ベビーサタン「突っかかるなよ。この国には私闘禁止のルールがあるのを忘れんな」

    仮面少女「そういえば、そのルールを破るとどうなるの?」

    ベビーサタン「…想像が出来ないほどの悪夢が襲ってくるらしいぜ。やめとけよ」

    仮面少女「悪夢……?」








    ユミル「おい」

    仮面少女「!」
  402. 403 : : 2016/02/29(月) 14:31:18
    仮面少女「何の用、ストーカーさん?」


    ユミル「は?ストーカー…?」

    ベビーサタン「いやいやなんでもないなんでもない」


    ユミル「その仮面…お前ら、イーって奴を知ってるか?」

    仮面少女「!!?」

    ベビーサタン「ほー、イーの知り合いか」


    ユミル「知り合いではねぇよ、少しな。…お前ら、何者だ?」


    ベビーサタン「…お察しの通りだが?」


    ユミル「…ほお、言うねぇ」



    仮面少女「…敵…かもしれないけどまあ良いか」

    ベビーサタン「いや良くはねぇぞ?」
  403. 404 : : 2016/02/29(月) 14:36:29
    仮面少女「貴女が考えている通りよ。私は魔王軍の姫、ヒストリア。こっちはイー親衛隊、ベビーサタンのメルディよ」

    ベビーサタン「あっさりバラしすぎだぜマジで!緊張感もクソもねぇよ!」


    ユミル「…そうか」


    ユミル(チャンス!戦えないのはこちらも向こうも同じこと!聞けることを可能な限り聞き出す!)



    「おーい、お前らー」


    ユミル「!?」

    ベビーサタン「ん」

    仮面少女「遅い」



    イー「ああ、はいはい」



    ユミル「てめぇは…!!」
  404. 405 : : 2016/02/29(月) 22:00:51
    期待期待!!
  405. 406 : : 2016/03/05(土) 19:58:58
    イー「んー?…誰だっけお前。何か懐かしい気が…」

    ユミル「西の大陸で会っただろうが!!忘れたか!?」

    イー「…あー…そうだったっけ?」

    ユミル「…なんだこいつ…扱いに困るぜ」


    これで魔王軍三将かよ…。

    よくわからねぇ。

    人間の中でも間違いなく最強クラスの勇者たち相手に一人で闘えるような奴じゃないのか?

    …よく考えたらこいつも人間だったな。


    イー「…そういえば、いたなぁお前。あの血気盛んな女の仲間の一人だろ?」

    ユミル「血気盛ん……ああ、ミカサか?アイツは普段もああいう訳じゃないぜ?何故かお前のことをライバル視っていうより敵視してるんだ」

    まあ間違いなく敵だけど。

    イー「へー…。何か見たことある気がするんだよなぁ、アイツ…」

    ユミル「…」

    マイペースな奴…。



    ヒストリア「イー…仲良さそうね…」

    ベビーサタン「リュカから話は聞いてる。推察力のある女盗賊、大怪我の男、ガタイがでかい戦士、頭が切れる僧侶に、細目で殺気づいた女。その内の一人か」

    ヒストリア「…ちょっと話を聞こうかしら」

    ベビーサタン「嫉妬か?」

    ヒストリア「何か言った?」

    ベビーサタン「イエナンデモ」

  406. 407 : : 2016/03/06(日) 08:55:52
    続き楽しみにしてます!
  407. 408 : : 2016/03/06(日) 15:13:25
    面白いです!
  408. 409 : : 2016/03/06(日) 20:10:21
    イー「まあ知らない仲じゃないんだ、少し話していこうぜ」

    ユミル「はっ。さっきまで忘れてたじゃねぇかよ」

    イー「それを言われると痛いんだが…」

    ユミル「じゃあ私の質問に幾つか答えろ。それで手打ちにしてやる」

    イー「そんなことならいくらでも良いぞ」

    ヒストリア「私も答えてあげる」

    ベビーサタン「おいおいコラコラ!!なに簡単に答えようとしてやがる人間コンビ!!」

    ヒストリア「コンビは嫌。風情がない」

    ベビーサタン「えー…」


    ユミル「…どうでも良いからさっさと答えろ」

    イー「別に気にしなくていいぞ」
  409. 410 : : 2016/03/06(日) 20:24:47
    ユミル「まず一つ目だ。アルミンから聞いたんだが…魔王軍ってのは人間と和平を結ぶのが目的と聞いた。どうなんだ?」

    ベビーサタン「お前もお前だ人間!なにナチュラルに訊いてやがる!」

    ユミル「うるせぇ小悪魔」

    ベビーサタン「小悪魔て!!いや小悪魔だけど!」

    ヒストリア「小さいのではなくて赤ん坊でしょ」

    ベビーサタン「だあああああもおおおお!!!」



    イー「イライラしてるなーメルディー。……うちのじじい…じゃなかった、大魔王デスタムーアはそんな感じらしい。昔々、人間と永いこと戦って…嫌気がさしたんだと」

    嫌気がさした?
    そんな理由で大魔王ってのは戦争をしなくなるのか?

    …妙だな…。

    ユミル「その考えは、魔王軍全体に伝わってるのか?」

    イー「いや?魔王軍幹部以上の連中、並びにそれと同等以上の一部の上級魔族だけだ」

    ユミル「…お前らは?」


    イー「魔王軍三将」

    ヒストリア「魔王軍の姫」

    ベビーサタン「上級魔族」


    ユミル「上級魔族?だれが?」

    ベビーサタン「うぎぎぎぎ!!!」
  410. 411 : : 2016/03/06(日) 20:51:52
    ユミル「二つ目…。お前ら人間だろ?なんで魔王軍なんかに入ってやがる」

    ヒストリア「私の為よ」

    ユミル「はい?」

    ヒストリア「私は、魔王軍に…ううん、魔王城にいなければ死んでしまうの」

    ユミル「??」

    ヒストリア「今日も無理して来たの」

    イー「…オレはヒストリアを魔王軍に助けてもらっている報酬として、兵役に努めてるだけだ」

    ベビーサタン「…」


    ユミル「…そうか」

    ヒストリア「魔王城の中は心地良いから…別に良いけどね」

    イー「オレも不満はねぇな」


    …強制されてるわけじゃねぇのか。
    人間と魔物は共存できるってことなのかな…。
  411. 412 : : 2016/03/06(日) 21:40:18
    ユミル「…じゃあ三つ目だ。なぜ魔王軍は人間たちへの攻撃を止めない?人間と共存する道を模索してるんじゃないのか?」

    イー「大魔王の矜持さ」

    ユミル「矜持?誰がそんな物気にするんだよ」

    イー「何も知らない魔物たちが…何より、大魔王自体がそのことを気にしてる。大魔王ともあろうものが、人間と仲良くするなんてあってはならないと。そう思ってるんだ」


    ユミル「…くだらねぇな。なんでそんなことを気にするか…わからねぇよ」

    イー「あのじじいだって男だ。男はそういうことを…自分の立場を、誇りを。気にしたりするものなんだよ」

    ユミル「お前もか?」

    イー「へっ、褒めても良いんだぜ」

    ユミル「アホか」

    ヒストリア「あら、気が合うわね」



    イー「…女にはわかんねぇんだよなぁ…」

    ベビーサタン「女だからな。仕方ねぇさ」

    イー「キドラやリリィはわかってくれるんだがな」

    ベビーサタン「あいつらは男よりも男らしい女じゃねぇか」

    イー「まあな」



    ユミル「…」




  412. 413 : : 2016/03/06(日) 21:54:26
    ユミル『お前…まーたメシ食わずにトレーニングか?』

    エレン『お、よう』ゼェゼェ

    クリスタ『エレン、お疲れさま…って大丈夫!?』

    エレン『あーいやー…やり過ぎた!』テヘッ

    ユミル『良いんだよこんなバカにはパン突っ込んどけば!!』ズボッ

    エレン『も゙お゙お゙お゙お゙お゙ぉぉぉぉぉ!!??』

    クリスタ『きゃああああああ!!ちっそく!!エレンが息できてないからぁ!!』

    ユミル『鼻で息しろバカ』

    エレン『も?』

    クリスタ『あ、そっか』

    ユミル『バカが二人…』ハァ



    ユミル『ていうかミカサにもいつも同じことされてるじゃねえか』

    エレン『ぼばえほひふぁふぁちべぇんばよ』

    ユミル『どこがだよ?パン突っ込まれてるだけだろうが』

    エレン『ぼーびえばびがざは?』

    ユミル『次にお前に勉強を教えるのは誰かを決めるテストに参加してるぞ。開催者はアルミンだ』

    エレン『…バルビン…』ゴクン


    クリスタ『なんで会話が成立してるんだろう…』
  413. 414 : : 2016/03/06(日) 22:09:12
    ユミル『それより…そろそろそのアホらしい量のトレーニングはよせ。大体必要な筋力はもうあるだろ』

    クリスタ『そ、そうだよエレン。皆心配してるよ?キース教官も言ってるくらいだから、それくらいのことなんだよ?しかもエレン、今日怪我をしたばかりじゃない!』

    エレン『やだ』

    クリスタ『で、でも…身体壊しちゃうよ!』

    エレン『絶対に壊さねぇ!!やだ!!』



    クリスタ『ユミル~…』ウルッ

    ユミル『…はあ…。放っとけそんなバカ』

    クリスタ『ええ!?』

    ユミル『いくぞークリスタ。お前もさっさと戻って来いよそこのバカ。ミカサやアルミン、それにお前の今日の班の連中が昼間の怪我のこと気にしてたぞ』

    エレン『げっ、めんどくせぇ…。って本当にバカ呼ばわりかよ!!?』


    ユミル『そりゃそうだろ。お前はバカだ。なんせ…』











    ユミル「…男、だからなぁ」

    ヒストリア「え?」

    ユミル「あー、いや…。ちょっと昔のことをな」


  414. 415 : : 2016/03/09(水) 16:12:17
    ユミル「じゃあ最後にひとつ…。まあこれは蛇足だが」

    ユミル「なんでお前ら二人そろって仮面つけてるんだ?デザインも似てるし」


    イー「大魔王が顔を晒すなってうるさくてな…。でも気に入ってるんからなぁこれ」

    ヒストリア「ねぇ。かっこいいよねこれ」


    ユミル「えー…?」

    ベビーサタン「こいつらの美的感覚はなんかずれてるんだよ。正直ついてけねぇ」


    ヒストリア「お揃いよ?メルディもつける?」

    ベビーサタン「いやいらねぇ」



    ユミル「…なんか、お前らの顔見たくなってきたなぁ。見せてくれねぇ?」




    イー「断る」

    ヒストリア「良いよ」



    ベビーサタン「ヒストリア!!!」

    ヒストリア「様は?」

    ベビーサタン「こんな時だけ姫ぶんな!!」

    ヒストリア「姫だもん」
  415. 416 : : 2016/03/09(水) 18:09:13
    ヒストリア「じゃあ早速…」

    イー「いやいや駄目だから」ガシッ

    ヒストリア「なんでよ」

    イー「なんでって……」

    ベビーサタン「決まってるだろ。大魔王様の命令だぞ」

    ヒストリア「その命令の理由よ。いくらなんでも私やイーが
    綺麗な感じだからってそれだけじゃないでしょ」

    ベビーサタン「お前、自分で言うか…」

    ヒストリア「事実じゃない」



    ユミル「…」

    イー「…?」

    ユミル「…どうした?」

    イー「やっぱ……思い出せねぇな…」

    ユミル「はぁ?」

    イー「…オレとヒストリアが仮面を被るように決めたのは、間違いなくデスタムーアだ。けど、それを決める時にオレもその場に居た筈。…それでも、何故か理由を思い出せねぇ。オレたちが仮面を被らなきゃいけない理由を…」

    ユミル「ただど忘れしただけじゃねえの?」

    イー「なんつーかなぁ…綺麗さっぱり忘れちまったんだ。色んなことを…」

    ユミル「何わけわかんねーこと言ってんだマジで。頭打ったか?」

    イー「それなら…まだマシだったんだがな。なぜ…記憶を無くしてしまったのかもわからねぇんだ」

    ユミル「!!?」


    タタタタタッ


    ユミル「どういうことだ!?本当に何の話をして…」


    タタタタタタタッ


    ユミル「…ん?」




    ベビーサタン「!! イー!!さがれ!!!」

    ヒストリア「へ?」




    イー「バカ野郎…おせえよ…」


    ユミル「!! ミカ」




    ガキンッ!!!



    イー「言うのがよぉ…」ギギッ


    ミカサ「ウゥ…」ギッ ギギギッ


    ユミル「ミカサ!!お前何を剣なんか出してやがる!!!イー!!お前も早く剣を納めろ!!」

    このままじゃ…!
    ていうかこの国って私闘禁止の誓いだのルールだのがあるんじゃなかったのか!!?
    このつばぜり合いは私闘に入るのか!?
  416. 417 : : 2016/03/10(木) 14:30:48
    数分前…



    アルミン『ジャン…どこ行ったんだろう』

    ミカサ『…』

    アルミン『けど、なんて幻想的な世界なんだ。どこを見ても、知らない魔物、見たことのない建造物に食物…』

    ミカサ『…』

    アルミン『…ミカサ?』

    ミカサ『…いる…』

    アルミン『え?』

    ミカサ『いる…!アイツ…三将が…!………ユミル!?』

    アルミン『三将?ユミル?』


    ミカサ『クッ!!』ダッ


    アルミン『ちょ、ミカサ!!ミカサまでどこに行くのさ!!』




    __________
    ________
    ______
    ____
    __



    アルミン「全く…どこまで行っちゃったんだよ、ミカサ…」タッタッタ



    ガーゴイル「おい、聞いたか!?」



    アルミン「ん?」


    リザードマン「ああ?」

    キドラ「何だッキー?」


    アルミン「あ、キドラ!それにさっきのリザードマン…」

    キドラ「アルミン!」

    リザードマン「本当に仲間なのかよお前ら…。…で、なんだって?」


    ガーゴイル「私闘禁止の誓いを破っちまった奴が出たんだってよ!!しかも人間なんだそうだ!!!」


    アルミン「え」

    キドラ「は!?」

    リザードマン「ほほう……って人間?」


  417. 418 : : 2016/03/10(木) 14:53:34
    イー「この女をまずどうにかしてくれよ!!」

    ミカサ「チィッ…」ギギギッ



    ヒストリア「イー!!ちょっとあなた何をして…!」

    ベビーサタン「ダメだヒストリア!離れろ!!そこの女、お前もだ!!」

    ユミル「ああ!?」



    ベビーサタン「だろ?イー…」


    イー「ああ。それが正解だ」

    ミカサ「何のこと…!?ユミルに何をする気!!?」

    イー「お前ももうやめとけ。意味がねぇ」

    ミカサ「!!?」












    「ウゴクナ」










    ミカサ「」ゾァッ

    ユミル「」ゾァッ



    イー「もう来たか」


    ヒストリア「な、なに…?」

    ベビーサタン(とんでもない殺気に、闘気に、魔力…!キレてやがる!)
  418. 419 : : 2016/03/10(木) 15:38:18
    イー「グランスライム、ヘルゴラゴ、キングアズライル、ダークマター、スカルスパイダー、タイタニス、ポセイドン……。最高位の魔物がこんなに…」


    グランスライム「連行するぞい…構わんな?」

    ヘルゴラゴ「ニゲテモイイガ…アッサリツカマルゾ」


    イー「ああ、かまわねぇぜ…。どうにもならん」

    ミカサ「こいつら、なに…!?」チャキ

    イー「オレたちはこの国の唯一のルールを破った。その罰を受けるのさ…!こいつらはその刑を受けさせる為の者たちだ」

    ミカサ「…!」

    イー「抵抗はしない方が賢明だ。こいつらは一体一体が魔王級。どう考えても勝てねぇ」


    ユミル「マジかよ…」


    キングアズライル「罰を受けるのはそこの人間二人だな。来てもらおうか」

    スカルスパイダー「闘技場までゆくぞ」

    ダークマター「ジュンビヲ…」

    タイタニス「わかっております」

    ポセイドン「馬鹿な奴らだ…」




    ヒストリア「イー!!」


    イー「心配するな、ヒストリア。お前は魔王軍に守ってもらえる。これからもな…」


    ヒストリア「え…?」


    ユミル「まさかあいつら……殺されるのか…!?」

    ヒストリア「なっ…!どういうことよメルディ!!」

    ベビーサタン「…言っただろ。あいつ等は悪夢を見るのさ。その結果、殺されるに過ぎん」

    ヒストリア「そんな…!」

    ユミル「!! 悠長に言ってる場合かよ!!あいつ等を助けないと!!!」

    ベビーサタン「無理だ」

    ユミル「はぁ!!?無理って…なんでそんな断言が出来るんだよ!」



    ベビーサタン「魔王級の実力者が、この国に何体居るとおもってんだ?」


    ユミル「…たとえ何体居たとしても、これ以上仲間が死ぬのはごめんだぜ!」

    ベビーサタン「オレだってイーに死なれるのはごめんだぜ。けどな、オレはヒストリアも守らなきゃいけないんだ。今オレが手を出したら、ヒストリアもきっと罰を受ける。それだけは避けなきゃいけねぇ」

    ユミル「…」

    ヒストリア「メルディ!!私は例え死のうが…!」


    ベビーサタン「イーのせいでお前が死ぬってなったらイーはどうなる!!?奴は死ぬだけじゃなく、誇りも傷つけられるんだぞ!!!」

    ヒストリア「!! ううっ…」

    ユミル「クソがぁ……!!! ミカサぁ!!!」
  419. 420 : : 2016/03/10(木) 15:52:02
    ミカサ「…ユミル…」




    ミカサ「大丈夫」




    ユミル「はあ?」



    ミカサ「必ず帰ってくる」


    ユミル「…!」



    イー「おい、さっさとしろよ」

    ミカサ「お前に言われなくてもいく」

    イー「言っとくけど、お前のせいでオレは死ぬんだからな!!?」

    ミカサ「元はと言えばお前のせいだ」

    イー「いやいやいや………あれ?そうだっけ?」




    ユミル「…あいつ等、死ぬ気あんのか」

    ヒストリア「…」

    ベビーサタン「…とりあえず、見にいくか」
  420. 421 : : 2016/03/10(木) 16:34:30
    魔物の国ユグドラシル、闘技場にて…。


    魔物「「「「「「「「「「…」」」」」」」」」」




    アルミン「こんなに魔物たちが…一言も喋りもせずに集まってるなんて…」

    キドラ「統制が取れすぎてて気味が悪いッキーね」

    リザードマン「ハッ!50万は固いな、この数…」



    ユミル「アルミン!キドラ!!」


    アルミン「ユミル!」

    キドラ「誰が罰を受けるッキーか!?」

    リザードマン「おお、西大陸の女盗賊」


    ユミル「こっちだ!向こうなら良く見える!」

    アルミン「うん!」
  421. 422 : : 2016/03/10(木) 17:12:45
    サシャ「アルミン!」

    ライナー「もうジャン以外は集まってるぞ」



    アルミン「みんな!」


    ミーナ「アルミン!!」


    アルミン「ってミーナ!?」

    ミーナ「久しぶりアルミン!…まあ、感動の再会シーンを演出したいところなんだけど…ちょっとできないね」

    アルミン「え!?」

    ベルトルト「あれだよ」

    アルミン「ん…?」






    オオォ…



    ミカサ「…」

    イー「はぁ…記憶もないのに…こんなあっさり死ぬとはな」










    アルミン「ミカサ!!あんなところで何を…!」

    キドラ「ミカサ!イー!!…ということは…」

    リザードマン「罰を受けるのは…処刑されるのはあいつらだってことなのか!!」

    アルミン「え!!?」


    ベビーサタン「そういうことだ」

    ヒストリア「リュカに…キドラ?」

    ベビーサタン「キドラてめぇ…なんでここにいる!!?」


    キドラ「そ、それは…」

    リザードマン「その話は後だ。何だ、何があった!?」

  422. 423 : : 2016/03/10(木) 17:34:52
    アルミン「ミカサがあの三将に斬りかかった?なんで?」

    ユミル「さあな…。私が襲われてるとでも思ったみたいだったが」

    ヒストリア「そのとばっちりでイーが死ななきゃいけないなんて…許さない」

    アルミン「…この人は?」

    ユミル「魔王軍の姫君だそうだ」

    サシャ「ひいぃっ!?」


    バズズ「無駄口はそこまでだ。始まるぞ…」

    バズズ(オレの後任の三将…人間だったのか。デスタムーア様はなにを考えておられたのだ…?)
  423. 424 : : 2016/03/10(木) 17:47:44
    『…罪人よ…』



    アルミン「この声は?」

    ミーナ「ユグドラシル様よ。この国の守り神なの」

    ライナー「姿が見えないが…」

    バズズ「いや、いるさ。ちゃんと見える所にな」

    ライナー「?」



    ユグドラシル『貴方たちは、この国唯一の誓いを破りました。その誓いは、この国の平和を維持するための厳粛な誓い。その誓いを破った貴方たちには、罰を受けてもらわねばなりません』


    ミカサ「…」

    イー「はっ」
  424. 425 : : 2016/03/10(木) 18:08:04
    タイタニス「誓いは何人たりとも破は禁じらるるもの」

    ポセイドン「破るる者は誰であろうと罰を受ける」

    グランスライム「たとえ三万里をゆく旅人であろうと」

    ヘルゴラゴ「タトエタイコクノキャクジンデアロウト」

    キングアズライル「魔神の審判を受けよ」

    ダークマター「イザ…」

    スカルスパイダー「魔神よ」









    「「「「「「「ここに」」」」」」」
  425. 426 : : 2016/03/10(木) 22:32:07
    ズッ






    ミカサ「!!!」

    イー「感じるか」

    ミカサ「…」ゴクリ

    イー「来るぞ」












    『…誰だ』








    アルミン「っ…」

    何だこの圧力は…!

    押しつぶされそうだ。

    あの場に居る二人には一体どれだけの重圧がかかってるんだ…。



    ユミル「吐きそうで…逃げたいんだが……サシャ?」

    サシャ「」

    ベルトルト「見事に気絶してるね…。羨ましいよ、上手く逃げれて」

    ライナー「…」

    ミーナ「来る…来るよ…!」



    リザードマン「すげぇ威圧感だ…まだ姿を現してもないのによ」

    ベビーサタン「やっぱり…魔神だな」

    ヒストリア「何が…何が来るってのよ…」



    「イー…!」
  426. 427 : : 2016/03/21(月) 11:57:30
    ミカサ「あれは…何?」

    イー「おーおー震えてるなぁおい」

    ミカサ「早く答えろ」

    イー「はいはい。…ありゃ魔神さ」

    ミカサ「魔神…?魔神って…神様?」


    そんな大層な物じゃない。

    奴は元々はただの魔族だった。けど、その力が強大すぎて魔神なんて呼ばれるようになっただけだ。

    あの化け物の伝説は至る所に残っている。

    召喚されたが、眠りを妨げられたってだけで一国を滅ぼしたり、
    寝起き直後に勇者たちと互角以上に戦ったり。

    その中でも一級品の逸話がある。



    イー「なんでも、覚醒したその魔神は…あっさり今の大魔王デスタムーアを秒殺しかけたそうだ」

    ミカサ「」

    イー「驚いて声も出ないか?更に言うとだな、今からそんな奴と戦うんだよ、オレたちは」

    イー「オレたちは魔神の奮いを受ける。それで生き残ったら…オレたちはこの国での罪を許される。それがこの国のルールだ。奴の名は…」






    『我が名はダークドレアム。触れる者全てを破壊する魔神なり…!!』



    ズッ…





    イー「気合い入れろよ。生き残りたかったらな!」

    ミカサ「…言われなくても生き残る!」チャキ
  427. 428 : : 2016/03/21(月) 12:06:55
    ダークドレアム「貴様らが此度の罪人か」



    イー「おーそうだ。とっとと始めな」

    ミカサ「挑発してどうする!」

    イー「心配すんな、わざとだ!」


    ダークドレアム「…活きの良い罪人よ、わが試練を受けよ。見事その試練を生き抜けば、貴様らを帰してやろう」


    ユグドラシル『では、試練の担い手をここに。…ミーナ、前へでてきなさい』


    ミカサ「!? どうしてミーナが?」


    ユグドラシル『彼女はこの国の歌姫です』






    ユミル「姫って…」

    サシャ「そんなキャラじゃないでしょ」ジトー


    ミーナ「ほ、放っておいてよそこは!」ダッ



  428. 429 : : 2016/03/21(月) 12:20:28
    ユグドラシル『ミーナ…』ヒソヒソ

    ミーナ(!)

    ユグドラシル『あなたの表向きの役目はこの試練の担い手ですが…これであなたは彼らのサポートが出来ます。分かりますね?』

    ミーナ(はい…!)

    ユグドラシル『彼らはあなたの友でしょう?あなたが助けるのですよ…』

    ミーナ(いや、一人違うんですけど…解りました!)チラッ



    ミカサ「ミーナ…!」


    ミーナ「準備完了しました、ダークドレアム様」


    ダークドレアム「…貴様らも用意は良いか?」


    ミカサ「当然」

    イー「ぶちのめしてやるぜ?」


    ダークドレアム「では…」





    「開始だ」
  429. 430 : : 2016/03/21(月) 12:27:12
    アルミン「え」



    開始早々…イーが消えた!?



    ミーナ(始まったって……え!?)


    ミカサ(速い…!)



    ダークドレアム「上か。かなり飛び上がったな…」





    バズズ「あの小僧…100mは飛んでるぞ」

    リザードマン「イーの野郎、いきなり決める気だぜ」


    ライナー「お、お前ら見えてるのか?あの三将の動きが…」

    キドラ「オイラはギリギリだッキーね」
  430. 431 : : 2016/03/21(月) 14:51:41
    イー(ぶちのめす!!)


    イー「おおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」



    イー「覇王斬!!!!!!!」


    ボッ






    ダークドレアム「超必殺技の覇王斬か…見事なほど巨大な剣だ」





    ミーナ「でか!!!この闘技場よりでか!!!」

    ミーナ(あれ?もしかして私どころかこの場の全員デストロイ?)


    ミカサ「…やりすぎ…」








    ダークドレアム「が」トンッ





    パシッ

    ダークドレアムは覇王斬の剣を掴み、瞬時に力を入れる。

    轟音が響き渡り、そこにはいつものような巨大な世界樹の葉が見えた。

    その一連の動作だけで、イーの覇王斬は破られてしまった。



    イー「なっ…」



    ダークドレアム「甘い。出直して来い」カッ





    ベビーサタン「あれは……!!イー!逃げろぉ!!!」



    ダークドレアム「遅い」




    「ギガデイン」




    イー「海波z」



    一筋の閃光が走った後、雷の龍が空へと昇っていく。



    ミカサ「…」

    ミカサ(生物として…次元が違う。イーも…ダークドレアムも…どちらもあり得ないほどのエネルギーを持ってる…)


    ミーナ(サポート云々とかの問題じゃないよ、これ…)



    ミーナ「…無理、でしょ」
  431. 432 : : 2016/03/22(火) 17:54:51
    すごく面白いです
    続き楽しみに待ってます
  432. 433 : : 2016/03/24(木) 13:49:10
    応援してます!
  433. 434 : : 2016/03/26(土) 11:05:59
    Jean side …


    ジャン「雷が空に向かってく…。どうなってんだ?普通逆だろ」


    巨大な魔法陣が少し見えた。誰かの呪文か…?

    あれ、でもこの国って戦闘禁止だろ?

    …嫌な予感がするな。

    何が嫌って…。


    ジャン「あの方角に、こいつも向かってるってことがな」


    エレン(幽霊)「…」ユラユラ…


    ジャン「ああもう、こいつも意味わかんねえ!触れねぇしつかめねぇし」


    けど、何かの目的を持ってるように見える。ふらふらしながらも行く先は一向に変えてねぇ。

    誰かが待ってるとか言ってたしな…。



    ジャン「………ん?ここ、闘技場か?」


    エレン(幽霊)「…着いた…」


    ジャン「何!?」


    エレン(幽霊)「行かないと…」


    ジャン「何なんだよこいつ!おい!ちったぁ返事しやがれエレン!!」


    エレン(幽霊)「そうだ…」










    エレン(幽霊)「お前も来るか?…ジャン……」




    ジャン「な…」



    エレン(幽霊)「」フッ


    ジャン「!!!」



    消えた!?
  434. 435 : : 2016/03/26(土) 11:14:19
    Mikasa side …


    ミカサ「…」チャキ



    ダークドレアム「さて…」



    イーは消えた?どこに?死んだの?

    奴がどうなったにせよ、この状況…こんな莫大な闘気と魔力を持った生物に勝てるわけがない!

    人間がネズミで、巨人が猫だとするなら、この魔神は太陽だ。

    生物が太陽と戦えるわけがない…!




    ミーナ(…ダメ!このままだとミカサが死んじゃう!!さっきの人?魔族?だかわかんない人はともかく…!)




    ミーナ「…死なせないよ、ミカサ!」スゥッ






    「…アァー ア ア アァーア アーアァーアー…」
  435. 436 : : 2016/03/26(土) 11:25:43
    サシャ「あれ、このメロディ…」

    ベルトルト「よくアルミンやミーナが歌ってた…」



    ライナー「ミーナだ。何をするつもりだ…?」

    ユミル「あいつ…担い手とか言われてたが…」




    「これは…やはりミーナが歌うのか」

    「さすがはミーナだ」



    ライナー「? 周りの魔物たちは知ってるみたいだが」

    キドラ「なーる、これは良いサポートだッキーね」

    ユミル「何だ?あいつ何してんの?」

    ベビーサタン「まあ見てろよ」

    ヒストリア「ちょっと!!その前にイーは!!?」

    リザードマン「見えてなかったのかヒストリア。アイツは上手く逃げたよ」





    「アー アアァーアアアアーアーアァー アー…」




    「アァー ア ア アァーア アーアァーアー…!」




    「ハァーアアーアー…!」




    ミカサ「これ…もしかして…」



    アルミン「紅蓮の弓矢…」




    ミーナ「Sie sind das Essen und Wie sind die Jäger !!!」
  436. 437 : : 2016/03/26(土) 12:16:24
    ♪ ♪♪


    ミカサ「!?」


    力が湧いてくる…!!





    ダークドレアム「戦いの歌か…やってくれたなユグドラシル。あの娘、吟遊詩人だな」



    ミーナ(私にはこんなことしかできない…!)

    ミーナ(お願いミカサ、死なないで!!班長……エレンやクリスタに続いて、ミカサもなんて……嫌だよ…!!!)




    ユグドラシル(そうですよ、ミーナ。それが貴女の力です)






    ミカサ「おおおおお!!!」



    ダークドレアム「だが…無謀」
  437. 438 : : 2016/03/26(土) 12:36:55
    ♪ ♪♪


    踏まれた花の 名前も知らずに



    ミカサ「五月雨!!」バッ


    ダークドレアム「話にならんな」バッ


    ガキンッ


    ダークドレアム(剣で地面を弾いて跳躍…。まるで足が四本あるようだな)



    地に堕ちた鳥は 風を待ちわびる



    ミカサ「稲妻斬りぃ!!!」


    ダークドレアム「ふん」パシッ


    バリバリバリッ!!



    祈ったところで何も変わらない

    今を変えるのは 戦う覚悟だ




    ミカサ(足りない…!これではかすり傷も与えられない!!さらに上を!!威力が足りない!!)


    ミカサ「おおおおおおおおあぁぁぁぁぁぁ!!!!!」





    ダークドレアム「吠えるな、小娘。うるさくてかなわん」スッ





    ユミル「まずい!!!」


    アルミン「ミカサ!!駄目だ!!!」




    屍 踏み越えて

    進む 意思を 笑う 豚よ






    「家畜の安寧 虚偽の繁栄」バチチ



    ダークドレアム「!?」クルッ



    イー「死せる飢狼の 自由を!!!」カッ






    「「ギガスラッシュ!!!!!」」


  438. 439 : : 2016/03/26(土) 12:39:29
    歌詞をssに書いてはいけないような…
  439. 440 : : 2016/03/26(土) 12:53:55
    >>439 なぜですか?




    ダークドレアム「ぬぅっ!!」



    ミカサ「吹きとべぇぇぇぇぇ!!!!」

    イー「オラアアアアアァァァァァァ!!!!」




    ドゴォン!!






    ベルトルト「あの巨体を吹き飛ばしたよ!」

    サシャ「ミカサ…すごい力ですよ!しかもギガスラッシュって!!」




    ズズゥン…



    ダークドレアム「」







    イー「へへっ…やるじゃねぇか、バトルマスター」

    ミカサ「お前…その腕」

    イー「ああ。これか?避けきれなかったっていうか…こうでもしなきゃ逃げられなかったんだよ。もう今日はこの右腕は使えねぇな」

    イー「…それにしても…良い歌だ、力が出てくる」

    ミカサ「…うん」


    ミカサ(…)


  440. 441 : : 2016/03/26(土) 12:57:56
    ssnoteの利用規約

    http://www.ssnote.net/pages/ruleを見れば分かります
  441. 442 : : 2016/03/26(土) 13:03:17
    >>441 多分全部載せて、これがこの曲の歌詞だって言ったらアウトだと思います。




    ダークドレアム「ふむ」ムクッ



    イー「は」

    ミカサ「」

    ミーナ「嘘」



    ダークドレアム「ギガクロスブレイクに準ずる威力があった。褒めてやろう」






    バズズ「あれだけやってピンピンしているとは…流石は魔神だ。…ここまでかもしれん」

    ライナー「くそっ…!」

    ベルトルト「ライナー!」チャキ

    バズズ「よせ。今加勢などしようものなら、魔神のみならず、この国の魔物全て相手にすることになる」

    ライナー「!!」

    バズズ「それをあの者たちが望むとは思えん。やめておけ」

  442. 443 : : 2016/03/26(土) 13:16:12
    ダークドレアム「ほんの余興だ、この試練も。そろそろ幕を下ろそう」

    ダークドレアム「…祈れ、この魔神にな」スッ





    ミカサ「何かする気!?」

    イー「…ちっ」




    ダークドレアム「我が絶技を喰らうが良い」




    ボッ



    ミカサ(何も見えない…!!まぶしい!)

    イー(数百…数千!!?まずい!!!)




    カッ



    ボッ







    アルミン(閃光!?)





    先に閃光が走った後、轟音が届いた。

    音よりも速い攻撃。

    後に聞いた話だと、この時ダークドレアムは数千もの斬撃を放っていたらしい。それを、イーとミカサは…。
  443. 444 : : 2016/03/26(土) 13:21:47
    シュウウウウ…



    ミーナ「げほっげほっ…。なによ今の…。耳が…!」

    ミーナ「み、ミカサは…あの仮面の人は!?」








    ミカサ「……んん」


    ミカサ(一体…何が…)パチッ


    ミカサ「…え!?」






    ダークドレアム「…ほう」





    イー「…かっ…はっ…」



    ミカサ「…どうして…」



    ミーナ「ミカサを…庇ったの?」







    イー「…くそっ…たれぇ…」グラッ






    ドサッ
  444. 445 : : 2016/03/26(土) 13:33:14
    ミカサ「どうして…どうして私を庇った!!?」


    イー「」


    ミカサ「どうして…!!」









    ヒストリア「…イー…。そんな…」

    リザードマン「…なんで人間なんかを庇ったんだ…バカ野郎…」

    べビーサタン「!!! おい、ヒストリア、キドラ!!!」





    ヒストリア「あ…あ…アアアア…」

    キドラ「イー…!!!」



    リザードマン「やべぇ!!」

    ユミル「!」






    ヒストリア「みんな…みんな…」



    ヒストリア「吹き飛b」ドッ


    リザードマン「…あぶねぇ。世界がまるごと消えるところだ」


    ヒストリア「」ドサッ


    リザードマン「キドラ、お前も落ち着け。まだイーは生きてる


    キドラ「…分かってるッキーよ!!!」

    ベビーサタン「やれやれ…まあ、ピンチは変わらんがな」



    アルミン「…あっ…」

    ユミル「お前も感じたか、アルミン」

    アルミン「…うん。今の、この仮面の女の子から出た濃密な魔力だよね?」

    ユミル「ああ。…あの魔神とかぬかす野郎以上の魔力を感じた」
  445. 446 : : 2016/03/26(土) 13:39:41
    ミカサ「くそっ…!私は敵なのに…どうして…!!」



    ダークドレアム「…さて、どちらから始末するかな」



    ミカサ「!」ビクッ

    イー「」

    ミカサ「…」ギュウッ

    ミカサ「…借りは…返す!」スッ


    ダークドレアム「…今度はお前がその男を守るのか」

    ダークドレアム「浅はか」スッ


    ミカサ「…」

    (…ここで…死ぬの?)

    (私も、エレンとクリスタの所に行くの?)

    (…それも、良いかもしれない)
  446. 447 : : 2016/03/26(土) 13:55:22
    タタタタタタタッ



    「おいっ!!!」



    アルミン「ジャン!!」

    ライナー「お前、一体いままでどこに…!」


    ジャン「そんなことはどうでも良い!!どうなってんだこれ!!ミカサとあのぼろ雑巾みたいな三将はあんなとこで何してんだ!!?」


    サシャ「…罰…ですって。この国のルールを破った…」

    ジャン「ば、罰って…!あいつら、死ぬのか!!?」

    ベルトルト「…」


    ジャン「…クソがぁ!!!」ダッ

    ユミル「バカ野郎!!!」ガシッ


    ジャン「何しやがる!!離せ!!!」

    ユミル「お前まで死んでどうする!!!これ以上犠牲を出すわけにはいかねぇんだよ!!」

    ジャン「離せ!!!離せってんだよぉ!!!!」


    アルミン(…こうなったら、僕も…!!)

    アルミン「…!!!!」


    アルミン「…あれ…エレン?」




    「「「「「え?」」」」」
  447. 448 : : 2016/03/28(月) 10:14:23
    E side …


    …ちくしょう……。


    前が見えねぇ…瞼は開けてる筈なんだが…。

    真っ暗だ…。

    大体、なんでオレはあの女を庇ったんだ?

    敵じゃねぇか、しかもいきなり斬りかかってくるような。

    あんな女、庇うだけ損だ。実際に今すごい損してるし。

    ああ、ちくしょう。


    しかもどうせあの女も殺されるんだろう。

    その後オレも殺されるのか。


    …まあ、分かっていたけどな。魔神なんかに勝てるわけがない。










    「…借りは…返す!」


    「…今度はお前がその男を守るのか」








    …なんだ?

    あの女、オレを守る気かよ。

    …バカじゃねえのか、とっとと逃げろよな…。

  448. 449 : : 2016/03/28(月) 10:27:50
    ……。





    …悔しい!


    ふざけんじゃねぇぞこのクソッたれ!!

    せめてお前は生きろよ!!

    オレが一撃入れられる時間をお前の命にやったんだぞ!!

    クソクソクソクソクソ!!!


    死にたくねぇ死なせたくねぇ!!!!



    なんで動かねぇんだこの身体!!!

    動けよ!!!

    右腕一本でも良い!!!

    せめてあの女を生かすだけの力が欲しい!!!!!













    「…情けねぇな、お前」





    ………あ?
  449. 450 : : 2016/03/28(月) 10:45:43
    エレン(幽霊)「そんな這いつくばって…本当に情けねぇ。女一人も守れやしねぇとはな」





    …なんだお前は。幽霊?


    …ていうか、その顔…!!


    オレは…死んだのか?
        ・・・




    エレン(幽霊)「…あいつはオレの家族なんだ。死なれたらいやだ」



    家族?

    …なんだ、こいつやっぱりオレじゃねぇや。

    そっくりさんっているんだな…。



    エレン(幽霊)「けど、今のオレにはまだなにもできねぇ。…だから、力を貸してやる」


    力ぁ?

    思いっきり胡散臭い。



    エレン(幽霊)「まあ信じとけよ。…じゃあ、アイツを頼んだぞ?」  






    …おいこら、一方的に押し付けんな!



    …まあ、悪くない提案だがな。



    エレン(幽霊)「ていうか、お前は寝てろ」




    っておいこら!!マジかよ!!
  450. 451 : : 2016/03/28(月) 13:52:36
    アルミン「ライナー!!あれがエレンの幽霊なのかい!!?」

    ライナー「間違いない!西の王都で見た奴と同じだ!!」

    ユミル「…ぁ…」


    ユミル(…分かってはいたが…実際に眼にすると………!!)



    リザードマン「…おい…あれ…!」


    ベビーサタン「…おい、あの幽霊、エレンっていうのか?」


    サシャ「…」

    ベルトルト「うん。…間違いないみたいだね」


    ベビーサタン「…そうか」

    キドラ「…思った通りみたいだッキーね」ボソッ

    リザードマン「だな」



    ジャン「なんで闘技場のど真ん中に居やがるんだ、あの死に急ぎ!!死んでも死に急ぎかアイツは!!」
  451. 452 : : 2016/03/28(月) 21:09:51
    期待です!
  452. 453 : : 2016/03/29(火) 09:31:37
    エレン(幽霊)「」スゥッ…



    リザードマン「おい…どうなってんだありゃあ!あの幽霊、イーと重なってくぞ!」

    アルミン「エレン…!なにが起こるんだ!?」


    エレンの幽霊は宙で身体が横になり、そのまま横たわっているイーの身体に重なっていく。

    まるで、揺れた二つの焦点が重なり、一つになるように。

    エレンの幽体は、イーの身体へと入って消えていった。



    ミカサ「…!!」


    ダークドレアム「今のは…亡者か。何の真似だ?」

    ダークドレアム「…まあいい。さあ、とどめといこう」


    ミカサ「クッ…!」

    ミカサ(今そこにエレンが居る…!エレン!エレン!!私を迎えに来てくれたの…!?)






    …次の瞬間、信じられないことが起きた。

    その時、ようやく僕たちは希望を持てた気がしたんだ。

    この世界で生き残って、元の世界に帰れるかもしれないという希望を…!!
  453. 454 : : 2016/03/29(火) 09:39:07
    イー「」スクッ




    ダークドレアム「ム!?」

    ミカサ「え?」

    ダークドレアム(その致命傷の身体で…立ち上がるのか、小僧!!身体の原型を留めているだけでも奇跡の筈だが…)






    リザードマン「…おい、アイツは化け物か」

    ベビーサタン「見りゃわかんだろ。そうだよ」


    ユミル「…この感じ…」

    キドラ「キ?」

    サシャ「…懐かしい、感じがします」

    キドラ「…はあ。そうだッキーか?」

    ユミル「…ああ。私たちの世界の…あのせまっ苦しい感覚と…」





    「どこにでも向かっていけるって思える……自由の風」
  454. 455 : : 2016/03/29(火) 09:44:49
    「…」パチッ




    ……腹減ったな。



    すごい久しぶりに目を覚ました気がする。

    ここはどこだ?

    っていうかオレなんでもう立ってるんだ?

    オレってば立ちながら寝たのかな?

    なんつう間抜けな…。








    「……ん?」







    ミカサ「…貴方、無事だったの!?」

    ダークドレアム「…貴様…。もう少しでとどめのところを」





    「」ブチッ
  455. 456 : : 2016/03/29(火) 10:04:44
    「なにしてんだお前ぇ!!!!!」




    ダンッ!!




    ダークドレアム「な」




    「離れろクソ野郎!!!!」






    ドカァン!!!






    魔神が吹き飛んだ。

    たった一文で表せるけど、それがいかにとんでもないことかはこの場の誰もが知っていた。


    大魔王デスタムーアを圧倒出来る魔神が。

    五十万もの魔物が入れるほどの大きさを誇る闘技場を勝る程の剣を、一瞬で壊せる魔神が。

    一国を気まぐれで滅ぼせる魔神が。



    …たった一発のパンチで吹き飛んだなんて!
  456. 457 : : 2016/03/29(火) 10:26:00
    ミーナ「ええええええええええええええええええ!!!?」




    「うわあああああ!!!」

    「ダークドレアム様が吹き飛んでしまわれた!!」

    「なんだあの人間は!!?」




    アルミン「…」

    「エレン……君なのか…?」








    ミカサ「」ポカーン


    「おう、ぼーっとしてんじゃねぇぞミカサ!!」

    ミカサ「え…?」

    「行くぞ!!あの野郎、よくわからねぇが敵だ!!お前のこと攻撃しようとしたからな!!!」

    ミカサ「」ドクン



    ミカサ(………あれ?)






    ガララ…




    ダークドレアム「…我が名はダークドレアム。貴様と戦い、滅する者」

    ダークドレアム「名乗れ、強者よ」








    「オレの名はエレン・イェーガー」


    「今からお前を駆逐してやる」


    エレン「この世から!!一片の欠片も残さずな!!!!」
  457. 458 : : 2016/03/29(火) 21:37:44
    続き待っております!!
  458. 459 : : 2016/03/29(火) 22:25:13
    いきなりのシュールさに笑ってしまったw
    とても面白いです!頑張ってください!
  459. 460 : : 2016/03/30(水) 17:05:03
    ジャン「……今……エレンって…」


    ベルトルト「…エレンの幽霊が、あの魔王軍の男の身体に乗り移ったってこと?」

    ライナー「そんなことがあり得るのか……?」

    ジャン「全くあのバカは…いつまで経っても面倒事ばっか起こしやがって」


    サシャ「……ユミル、アルミン?」


    ユミル「」フルフル

    アルミン「…」スゥッ















    「エーレーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!」





    エレン「おおっ!!?」

    ミカサ「アルミン…」

    エレン「あ?アルミン!?」クルッ


    ミーナ「よ、よっす班長」


    エレン「なんだ、お前も居たのかミーナ」

    ミーナ「雑ね私の扱い!!!」
  460. 461 : : 2016/03/30(水) 17:13:40
    アルミン「話したいことはいくらでもある!!訊きたいこともいくらでもある!!!」

    アルミン「でも今は!!!前を向いて!!」



    エレン「!」




    アルミン「そいつを倒して!!!ミカサと生き残ってくれ!!!!」


    アルミン「無茶なことを言っているのは分かってる…!!けど、お願いだ!!!」



    エレン「アルミン…。………ん?あれ、ユミルか…」
  461. 462 : : 2016/03/30(水) 17:22:09
    ユミル「…」


    エレン「…」



    ユミル「…ようやく…か?」



    エレン「…いや、悪いな。まだ無理なんだ」



    ユミル「…そうか…」



    エレン「…すまねぇ。…それに、もうオレはお前らの所に帰れないかもしれない」




    ユミル「!!」

    ユミル「…なに…バカなこと言って……」
  462. 463 : : 2016/03/30(水) 17:44:23
    エレン「…ミカサ!」

    ミカサ「!! う、うん」

    エレン「あれは見たとこ化け物だ。それでもって、今のミカサじゃああいつの足元にも及ばない。違うか?」

    ミカサ「…大丈夫。理解している」



    ダークドレアム「…」



    エレン「なら、役割は決まりだ。お前が討伐。オレは討伐補佐」


    ミカサ「!! 無茶は駄目、エレン!!私が討伐補佐に…!!それに、エレンがアイツに敵うとは限らない!!」

    エレン「心配性が過ぎるぞミカサ。問題ねぇよ」

    ミカサ「しかし…!!」

    エレン「オレだって、この一年間…あれほどの怪物じゃないが、とんでもねえのを相手にしてきたんだ。任せとけ!」

    ミカサ「…でも、危険なことには変わりはない!…また……」

    エレン「ん?」



    ギュウッ



    ミカサ「また、貴方にどこかへ行かれたら…」


    エレン「…」




    「…ごめんな。一緒にはいられないんだ」




    ミカサ「」グッ

    ミカサ「…そう…」




    エレン「いくぞ」

    ミカサ「…うん」
  463. 464 : : 2016/03/30(水) 17:48:59
    エレン「待たせたな」


    ダークドレアム「…うむ」


    エレン「やろうぜ」



    ダークドレアム「…うむ」ガチャリ







    「おらあああああああああああああああああ!!!」


    「来い!!!!」
  464. 465 : : 2016/03/30(水) 18:13:54
    二人の声が聞こえた後は、奇妙な現象が起きた。


    まず、二人の姿が消える。

    次に、次々と閃光が出来たり、火花が散ったり。

    そしてその刹那の後に金属と金属がぶつかり合う音や、つばぜり合いの音が聞こえてくる。


    …なんだろう、これ。

    光景と音が一致していない………?




    リザードマン「…音より速く動いてんだ、そりゃこうなる」

    アルミン「お、音速を越えてるの!?あの二人!!」

    リザードマン「さっきダークドレアムがイーに向けた魔神の絶技。あれも音速を越えた攻撃だ。…正直、予想以上の強さだぜ、イー…」

    アルミン「イーって…。あれはエレンだよ!!」


    リザードマン「ああ?バカなこと言ってんじゃねえ。あれはエレンなんて小僧じゃねえ。イーだ」

    アルミン「エレン!!」

    リザードマン「イー」

    アルミン「エレン!!!」

    リザードマン「イー!!」




    ライナー「…難しい話だ。肉体の持ち主か、精神の持ち主か…。どちらがその者なんだろうな」

    ベビーサタン「…いや、そういう問題じゃねえんだよ」

    ライナー「なんだと?」

    ベビーサタン「…」
  465. 466 : : 2016/03/30(水) 19:50:49
    ガキィンッ!



    エレン「お前…!!そういやぁダークドレアムとかいうらしいな!!!」ギギギッ

    ダークドレアム「そうだが…何か問題でも?」ギィンッ


    エレン「はっ!お前のことは知ってるぜ!人間に呼び出され、人間の一国を滅ぼし、挙句に人間に封印されかけた魔神様だろ?」スタン

    ダークドレアム「…そんな安い挑発に乗るほど間抜けではない」チャキ

    エレン「そう言ってる時点でオレに乗せられてんだよ」


    ダークドレアム(…なんだと?)



    ゴィン




    ミカサ「…剣と生物が当たった音じゃない。とても硬い」


    ダークドレアム「…いつの間に後ろに……話し合った様子も見えなかったが」

    ミカサ「私とエレンは繋がっている」

    ダークドレアム「…冗談に聞こえぬな」






    ジャン「…冗談…だよな?」

    ベルトルト「さあ?」
  466. 467 : : 2016/03/31(木) 00:09:43
    最高です!
  467. 468 : : 2016/03/31(木) 20:05:54
    ホントっぽいなww
  468. 469 : : 2016/03/31(木) 20:12:51
    初めまして

    続きが気になります
    期待です

  469. 470 : : 2016/04/01(金) 00:37:46
    ですよね!
    最高です続き待っております!!
  470. 471 : : 2016/04/01(金) 15:02:00
    ダークドレアム「…ふむ。剣技を競い合うのも一興だが…呪文を躱し、慌てふためく姿を見るのもまた一興」トゥルルル


    ミカサ「!!」バッ


    エレン「呪文か…」





    ジャン「おい!!アイツ呪文使えるのか!!?」

    ライナー「いや、わからんが…。…だが、どう見ても呪文を使えるタイプじゃない」

    サシャ「いや、万が一ってこともありますよ!!きっと!」


    ベルトルト「君たち失礼だね」


    ユミル「…大丈夫だろ」

    アルミン「うん」



    「こんな戦いや非常の場のエレンは本当に頼りになるからね」

  471. 472 : : 2016/04/01(金) 15:28:59
    ダークドレアム「聖なる雷に裁かれよ」



    「ギガデイン!!」カッ




    エレン「舐めるな!!」トゥルルル




    「ドルモーア!!」ゴシャッ









    ガガガガガガガガガガガガッ!!!







    アルミン「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

    サシャ「おてんとさまがおこっとるやんかーー!!!」

    バズズ(呪文と呪文がせめぎ合っている…!だが、ダークドレアムの方がまだ強いか!)




    ミカサ「」ゴォッ


    ダークドレアム「ん!?」


    ギィン



    ミカサ「やめろ!!」ギギッ

    ダークドレアム「おのれ…邪魔立てをしおって!」グググッ



    エレン(呪文の勢いが弱まった!)



    エレン「オラァッ!!!」グンッ





    パァン!




    リザードマン「魔神の呪文を相殺しやがった!」
  472. 473 : : 2016/04/01(金) 17:51:05
    ミカサ「エレン!大丈夫!?」

    エレン「おう!!あと少し下がってろ!!」

    ミカサ「?」




    ミーナ「…なんか、私ったら蚊帳の外ね…。前提からそうだったけど」


    パキキ


    ミーナ「あれ?少し冷えてきた…?」




    ダークドレアム「…貴様、呪文を扱えるとはな」


    エレン「はっ、なめんな。こんなこともできるぜ!」パキキ



    ベビーサタン(足から冷気が出てる…奇襲か)


    ダークドレアム「貴様…なんだそれは?」


    エレン「さあな!!」



    「マヒャド!!!」





    パキキキキキキキッ!!






    ミカサ・アッカーマンはその瞬間、ほとんどのことを考えていられなかった。

    いきなり自分では万に一つも敵わぬ強大な敵と戦うことになり。

    その敵の攻撃から、敵である筈の男が自分を庇ってくれて。

    そしてその男に、死んだと思われていた家族が乗り移り、今共に戦っている。


    何が何だかわからなかった。
    疑問は尽きなかった。

    それでも、エレンが目の前にいる。

    その事実だけが、ミカサの身体を突き動かし、その意思を固めさせていた。


    エレンを守らなければ。


    しかし、そんなミカサも目の前の光景には圧巻されてしまった。



    エレンの足元から並々と氷塊ができていき、エレンの身体を持ち上げていく。

    ダークドレアムをも飲み込んで、闘技場の舞台をほとんど覆ってしまう程の氷城が出来上がっていくのだ。


    ミカサは思案する。


    エレンはどうやってこれほどの力を得たのだろうと。


    そうして、彼女は親友の声を聞く。





    「ミカサ!!!ミーナ!!!」



    …アルミン………?
  473. 474 : : 2016/04/01(金) 18:15:31
    ダークドレアム「氷の城か…これでどうする気だ?まさか、この中で闘おうとでも?」


    エレン「中々良いだろ?雰囲気でるじゃねぇか」


    ダークドレアム「まあ、それは概ね認めよう。だが、こんな物は一撃で崩せるぞ」

    エレン「…そりゃ、風情とかいう物がないだろ」

    ダークドレアム「…一理あるな。仕方ない、乗ってやろう」ヒュン



    エレン(速い!!)


    ダークドレアム「ぬんっ!!」ゴォッ

    エレン「がっ!!」ガンッ


    エレン(危ね!!)


    ダークドレアム「魔神の一撃」ボッ

    エレン「グゥッ!!!」ガキンッ


    エレン(剣が折れた!!この野郎!!)


    ダークドレアム「とどめだ!!」


    エレン「受け流し!!」スゥッ



    ダークドレアム(素手で我が長刀を流すとは……見事!!)


    ダークドレアム「正拳突き!!!」


    エレン「な」





    ドゴォン!!
  474. 475 : : 2016/04/01(金) 19:35:06
    アルミン「!!」

    アルミン(駄目だ、やっぱりエレンでも敵わない!時間がない!!)



    アルミン「ミカサは討伐!!!ミーナとエレンは討伐補佐!!」



    ミカサ「!!」

    ミーナ「ん?」



    アルミン「目標、4m級魔神!!縦1m横10cm!!レフト、レッグ!!!」



    ミーナ「はい??なに、どういうこと??」

    ミカサ「…!!」
  475. 476 : : 2016/04/01(金) 19:50:52
    ダークドレアム「外の様子は見えんが…なにやら叫んでいるようだな」

    ダークドレアム(レフト、レッグ…?左足を狙えということか?)


    エレン「っ…はぁ!!…あ、あいつを……舐めない方が良い」



    ダークドレアム「…」


    エレン「…あ、あいつは…なぁ!…すっげぇ奴…なんだ。オレなんか…足元にも…及ばねぇ…くらいに!!」


    ダークドレアム「…なるほど。それは死合ってみたいものよ。だが、今は貴様を舐めないようにしよう。…今の間際にも、仕掛けるとはな…」


    エレン「…目ざといな、魔神…!」メラメラ


    ダークドレアム(メラ系の呪文…だな。呪文と周囲の温度差で霧が発生している…!!目隠しのつもりか)



    サァァァァァァァァァ…。



    エレン「へっ…」スゥッ…



    ダークドレアム(見えなくなった…。いや、消えたのか)

  476. 477 : : 2016/04/01(金) 20:03:56
    ダークドレアム「…」


    ダークドレアム(気配…なし。だが、先程の外から聞こえた言葉が正しいならば、奴の狙いは分かる)



    ダークドレアム「…」



    サァァァァァァァァァァ…。





    「左足か」



    エレン「は」ヒュッ




    ガキンッ!



    エレン「読んでたのか…」グググ


    ダークドレアム「ふん…」


    エレン「が、甘いな」


    ダークドレアム「ああ、それも知っている」


    ダークドレアム(背後からの小娘の一撃であろう?)スッ



    パキンッ


    ダークドレアム「…何…だと?」

    ダークドレアム(小娘ではなく…氷壁から伸びたつらら!?)


    エレン「…実はオレさ……」


    エレン「雰囲気とか風情とか…どうでも良いタイプなんだ」ニカッ




    エレン『中々良いだろ?雰囲気でるじゃねぇか』

    エレン『…そりゃ、風情とかいう物がないだろ』




    ダークドレアム「貴様…!!!」


    エレン「やれミカサぁ!!!!」
  477. 478 : : 2016/04/01(金) 20:17:45
    ♪ ♪♪


    ミーナ「GO!」


    ミカサ「了解」



    ミカサ(もう一度、あの力を…!)パァァ





    「ギガスラッシュ!!!!」ボッ





    ズガガガガガガガガガガガッ!!!









    ダークドレアム「道連れのつもりか!?」

    エレン「そんなわけねぇだろ。お前だけだよ」


    エレン「リリルーラ!」フッ


    ダークドレアム「消え」





    ズバァン!!
  478. 479 : : 2016/04/01(金) 20:27:52
    エレン「」フッ


    ミーナ「うわ!!…生きてる?無事?」

    エレン「何とかな。けど、もうこの身体ボロボロだ」

    ミカサ「…」



    ガシャア…ン

    ガラガラガラ…



    ミーナ「…ダークドレアム様、まだ生きてるかな?」

    エレン「生きてるのは間違いないだろうが…せめて傷の一つはつけたいな」

    ミカサ「…」




    「…まさか、氷の城ごと我が身体を斬ろうとするとは…」




    エレン「…無傷かよ」

    ミーナ「え…!」

    ミカサ「…」




    ダークドレアム「…とりあえず、やってくれたと言っておこう。そして、邪魔だ小娘」



    ダークドレアム「ギラ」



    ピッ



    ジュッ


    ミカサ「かっ…」



    エレン「!!!」

    ミーナ(なに今の!?レーザー状のギラ!?)



    ダークドレアム「まず一人…」
  479. 480 : : 2016/04/01(金) 20:57:33
    ライナー「…あの魔神…」




    ライナー「…なんでエレンの横の、何もないところに攻撃してるんだ?」

    ベルトルト「…何か、見えてるんじゃないかい?ない物が」

    ライナー「ない物?」

    ジャン「あっ…!そういうことかよ!あの野郎!!」






    ミカサ「」スゥッ




    ダークドレアム「なっ…また消えた!?マヌーサか!?いつの間に…」



    エレン「…さっき氷の城の中で、目隠しに霧を出しただろ。あの時にどさくさに紛れてマヌーサを出してたんだ」



    ダークドレアム「ぬぅっ……!!」


    エレン「そして……ギラ!」ピッ



    ガィンッ


    ダークドレアム「!!」ガクッ



    エレン「これでレッグだ。じゃあ、あとレフトと縦1m横10cmだけだな」


    ミーナ「…それ、どういう意味だったの?」
  480. 481 : : 2016/04/01(金) 21:05:52
    エレン「アルミンの言ってることは簡潔さ。簡潔すぎて、オレとミカサくらいにしかわからない」

    ミーナ「…うん、まあ」

    エレン「アルミンの言っていることを翻訳するとだな…。オレとミーナはサポート役。ミカサはとどめ役。まず、脚を崩して、奴を左前へと倒す。そうしたら…」

    エレン「縦1m横10cm。この意味はミーナもなんとなくわかるだろ?」

    ミーナ「まあ、それは流石にわかるよ。縦1m横10cmって言ったら、巨人のうなじのことでしょ?」

    エレン「そう。つまり、そういうことだ」
  481. 482 : : 2016/04/01(金) 21:19:36
    ダークドレアム「…くっ…小細工を…!!」ガクッ



    「…」スゥッ




    エレン(まず、脚を崩し、奴を左前へと倒せ。…そうしたら…)



    (奴のうなじに、とどめを刺せ!!!!)




    ミカサ「」ゴォッ




    「ギガスラッシュ!!!!!」




    カッ






    「…やっぱり、ミカサにもアルミンにも…まだまだ敵わないなぁ」
  482. 483 : : 2016/04/03(日) 11:26:44



    ミカサ「…はぁ…はぁ…!」



    ミーナ「ミカサ!」

    エレン「無事っぽいな。大丈夫か?」


    ミカサ「勿論。それよりも、エレンは?」

    エレン「あー…」


    エレン「もう無理」ドサッ


    ミカサ「!! エレン!!エレン!!!」


    エレン「もう身体が動かねぇ…。それに、この身体…」ググ





    「どうやら、呪われてるようだな。その身体は…」



    エレン「!!」

    ミカサ「嘘…!どうやって、あの一撃を…!!」

    エレン「違う…!ただ身体が硬いだけだ!クソ野郎め…!」

    ミーナ「そ、そんな…!」




    ダークドレアム「…ふむ」
  483. 484 : : 2016/04/03(日) 11:43:57
    ダークドレアム「…いや」




    「…立派なものだ!」ブシュッ




    アルミン「…あ」



    ダークドレアムのうなじから、小さな血飛沫があがった。

    それは、ミカサのギガスラッシュで出来た傷。

    今までの、イーから始まった猛攻に、エレンの圧倒的な力と技術に、策。

    その最後に、ミカサの渾身の一撃が、ようやくダークドレアムに小さな小さな、傷を負わせた。



    ダークドレアム「…この私に傷を負わせた者など、何千年ぶりだ?……クククッ」




    「ハーハッハッハッハッハッハッハッハ!!!!!」





    エレン「っ…」

    ミカサ「…」



    ダークドレアム「よくやった。合格だ!」



    エレン「…何?」






    アルミン「え…?」
  484. 485 : : 2016/04/03(日) 11:51:52
    ダークドレアム「なんだ。私を倒すことが試練とでも思ったか?」


    エレン「…試練?なんのことだ?」

    ミカサ「エレンは黙ってて」

    エレン「ああ!?」

    ミカサ「黙ってて」

    エレン「…はい」


    ミカサ「どういうこと?」



    ダークドレアム「私は最初に、こうしたら合格などとは言ってはいない」


    ミカサ「…」

    ミーナ「そういえば、言ってないですね」


    ダークドレアム「そうだ。つまり、この試練の合否は私の一存だけで決まるというわけだったこと」





    ジャン「…無茶苦茶だなおい。教官以上だ」

    ユミル「…」
  485. 486 : : 2016/04/03(日) 22:06:39
    ミカサ「…なら、つまり…!!」



    ダークドレアム「自由にするが良い。ただ、もう一度誓いを破ったときは、その時を以て貴様らの命は無くなるだろう」


    ミカサ「…はい」

    エレン「あー…一応、はい」



    ダークドレアム「それとそこの小僧」



    エレン「なんだよ」



    ダークドレアム「貴様、私の後継者にならぬか?」






    ミーナ「後継者って…魔神としてってことですか!!?」

    ミカサ「なっ…そんなこと…!!」





    エレン「いやだ」






    『断るの早っ!!!!!』


  486. 487 : : 2016/04/03(日) 22:22:41
    エレン「そんなことしてらんねー。やることがあるんだ」


    ダークドレアム「…ふむ。それは残念だ。そういえば貴様、幽霊だったな」


    エレン「幽霊…。ああ、死んだのか、オレ」



    ミカサ「っ…」



    ダークドレアム「その状態なら生きられるかもしれんが…。その身体、イーという人間の身体は……呪われてるようだな」


    ミカサ「呪われてる?この男が?」


    ダークドレアム「ふむ。強力な呪いだ。この世の何者も解ける生物はおるまい」


    ミーナ「…どんなレベルですか、それ…」



    エレン「ああ。さっきからオレに言ってきてやがる」



    「出てけ…ってな。この男が、じゃねぇ。この男にかかってる呪いの怨念みたいなものが、オレを追い出し殺そうとしてるみてぇだ…!!」






    キドラ「…やっぱり…そう何だッキーね」

    アルミン「キドラ?」


    ユミル「…私たちも行くぞ!!」ダッ


    ライナー「おう!アルミン!!」


    アルミン「あ、うん…」




    タタタタタタタッ…




    キドラ「…」
  487. 488 : : 2016/04/03(日) 22:48:28


    エレン「…もう……もたねぇかな…」


    ミカサ「!! そんなことは言わないでエレン!!まだ、まだ…!言いたいことも、聞きたいこともたくさんある…!まだまだ、ずっと一緒に居たいの…!!」


    エレン「あー、目ぇーくらむー」


    ミカサ「!! アルミン、早く!!!」



    アルミン「わかってるよ!エレン!!…これは」


    エレン「あ、久しぶりアルミン。さっきはありがとな」


    アルミン「なんでそんな落ち着いてるのさ!!早く傷の手当てを…!!あと、解呪も急がないと!!!」

    サシャ「ぜ、全体的に打ち身と…腹部と右腕が特にひどいです!!右腕なんて、雷撃でボロボロ…」



    エレン「よせ」


    ベルトルト「よせって…なんで!?」
  488. 489 : : 2016/04/03(日) 22:57:59
    エレン「なんでそんなに落ち着いてるかって?簡単だよ。たとえこの傷を治せたとしても、この呪いだけはどうにもならねぇ。この呪いに、もうすぐオレは追い出される」


    ベルトルト「……どうしても、かい?」


    エレン「無理だな」


    ベルトルト「…そうか…。アルミン、手当てはしてあげてくれ。その男には、ミカサを助けてもらったしね」


    アルミン「…うん。わかってるよ」

    ミカサ「ベルトルト!!何のつもり!?」

    ベルトルト「時間がない。解呪ができないなら、今後の為にエレンから情報を聞いておくべきだ」

    ライナー「…仕方ない。同感だ」


    ユミル「…」

    ジャン「…ちっ」


    エレン「なんだ、お前までいたのか?馬野郎」

    ジャン「ああ!!?てめぇ、ちょっと強くなったからって調子乗ってんじゃねぇ!!!」

    エレン「ああ…。その調子でな、ジャン」


    ジャン「!! …くそ、だからてめぇは嫌いなんだよ!!せめて、洗いざらい情報も未練も吐きだしてから逝きやがれ!!!」


    エレン「…ああ…」
  489. 490 : : 2016/04/04(月) 00:28:23
    面白いです
    頑張ってください
  490. 491 : : 2016/04/04(月) 16:51:37
    エレン「今…この場に、9人か…」


    アルミン「うん…」

    ミーナ「あとは、アニとクリスタ、マルコにコニーだね」

    ジャン「マルコは東の国居るって聞いた。本人かどうかは謎だがな」


    エレン「…そっか。じゃあ、あとはマルコとコニーを探してくれ」



    ライナー「マルコとコニーって…!アニとクリスタはどうするんだ!!それに、クリスタは…!」


    エレン「アニなら…!問題ねえ!!」



    ベルトルト「何か知ってるのかい!?教えてくれ、エレン!」


    エレン「…北の大陸…!霧の砂漠に…!」


    ベルトルト「そこにアニがいるの!?」


    エレン「…ッ!! ガフッ!!」


    ミカサ「エレン!しっかりして!!エレン!」

  491. 492 : : 2016/04/04(月) 17:14:19
    エレン「…あー。やっぱり、時間ねえ…!」


    アルミン「待ってくれエレン!いくつかまだ聞いておきたいことがあるんだ!!」


    アルミン「君は、クリスタのことは知ってるのか!?」


    エレン「クリスタ…。クリスタか…」


    「あいつのことは放っとけ。どうにでもなる。きっとな…」


    サシャ「どうにでもなる?…どういう意味なんですか?」


    アルミン「…じゃあ、次だ。君は、この世界に来てからどのくらいたった?」


    ライナー「? そんなこと聞いてどうするんだ?」


    アルミン「いいから!」


    エレン「あー…。一年くらいかな?」



    ユミル「お前…じゃあ今16歳か!?」

    エレン「? そりゃそうだろ」

    ユミル「…私は17のままなんだが」

    エレン「?? よくわからねえが、一つ追いついたな」

    ユミル「……うるせえ、バカ」



    アルミン「…やっぱり、そうだったんだ」
  492. 493 : : 2016/04/04(月) 22:44:11
    アルミン「あと、もう一つ!!エレン、君は中央の島に行ったことはあるかい?」


    ユミル「!!」


    エレン「中央の島…?…あぁ。あのタコが居たところな」



    アルミン「!! 君は、そこで死んでしまったのか!!?」


    エレン「死んだ、か…。悪いが、オレが死んだこともさっき聞いたばかりなんだ。いつどこで死んだとかも分かんねえよ」


    アルミン「…そっか」




    エレン「もう、聞くことはないか?…ないなら、力を…抜くぜ。もうそろそろ、きつい…」







    「……嫌」
  493. 494 : : 2016/04/04(月) 22:51:18
    エレン「…ミカサ?」


    アルミン「…」


    ミカサ「…力を抜いては駄目、エレン。ずっと力んでいて」

    エレン「いや、無理だろ…」


    ミカサ「…貴方は、今………本当に私の目の前に居るの?」



    エレン「…どういう、意味だ…?」


    サシャ「…ミカサ?」

    ユミル「黙っててやれ、サシャ」

    サシャ「何ですか?」

    ユミル「良いから無理やりにでも察しろ」




    ジャン(…お前だって、色々喚きたいだろうに…)
  494. 495 : : 2016/04/04(月) 22:59:44
    ミカサ「その仮面を取っても、貴方の顔を見ることはできない」

    ミカサ「貴方に声をせがんでも、それは貴方の声じゃない」

    ミカサ「…貴方に触れたい…」




    「…貴方に、会いたい……!!」





    アルミン「…」

    ミーナ「ミカサ…!」

    ライナー「…ここに居る誰もが…そうなんだよな」





    エレン「…会えるさ、いつか」


    ミカサ「…本当に?」

    エレン「…諦めない限り」


    エレン「諦めない限り、その目標への道は……絶対に途切れねぇ」



    エレン「…だから、めそめそしてんなよ」グイッ

    ミカサ「…うん……!」




    ユミル「…」
  495. 496 : : 2016/04/04(月) 23:09:19
    ミカサ「…絶対に、諦めない…!」チャリン

    エレン「…ん?その鈴は…」



    ミカサが落とした鈴は、かつて西の大陸で、イーから渡された思い出の鈴だった。

    …けど、少し変化が表れていた。


    ミカサ「…綺麗…」


    銀色に、輝いてる…?



    エレン「…その鈴、なんでお前が…?」





    ミカサ「…え!?」



    エレン「だって、その鈴は…!!…あれ?誰のだっけ?」


    ライナー「…なんの話だ?」


    ユミル「…かなり重要な話だ」

    ライナー「そうなのか?」





    ユミル「おい、死に急ぎ」

    エレン「なんだよ。ていうか、こんな時くらいちゃんと名前でなぁ…」



    ユミル「…私が必ず、お前を元に戻してやる…!!」
  496. 497 : : 2016/04/04(月) 23:20:01
    エレン「…」


    ユミル「…それを邪魔しようって奴がいるなら潰す!たとえ相手が大魔王でもな!!」



    エレン「…ハハッ。物騒な奴」

    エレン「けど………。待ってるぜ」


    ユミル「…へっ」

    ベルトルト「…うん?」



    エレン「…あああああああああああアあああアアアア!!」


    サシャ「え!?」


  497. 498 : : 2016/04/04(月) 23:23:47
    エレン「…もう…!限界だ…!!」

    エレン「クソッ、ちったぁ待ちやがれよ、せっかちな呪いめ…!!」



    エレン「皆、悪い…!」

    エレン「後のメンバーのこと、頼んだぜ…!!」


    アルミン「…大丈夫。任せてくれ!!」


    エレン「…アルミン」






    「…かっこよくなったなぁ、アルミン」ニッ




  498. 499 : : 2016/04/04(月) 23:23:52
    そう言って、エレンは意識を閉ざして…。

    糸が切れたように顔を背け、腕をゴトリと落とした。

    その途端、イーの身体から青白い球が飛び出していった。

    きっと、エレンの魂だったんだろう。

    エレンの魂は、どこへともなく飛んで行った。



    その光景を、僕らは力なく見ていることしかできなかった。

    そのうち、誰かが泣き始めて…。



    …僕らは、試練の合格祝いの宴の準備が出来たと、バズズが知らせに来てくれたその時まで………。

    誰一人として、動けなかった。
  499. 500 : : 2016/04/04(月) 23:26:19
    今回はここまでにします。

    ありがとうございました。


    このスレもここで打ち切りとしますが、次スレが出来次第立てます。


    後2、3スレくらいでこのシリーズは終わる予定です。

    その終わりまで、お付き合い頂けたら幸いです。

    よろしくお願いします。
  500. 501 : : 2016/04/05(火) 01:28:07
    次スレまで上がるの待ってます!
    必ず終わりまで見るので頑張ってください!!!
  501. 502 : : 2016/04/06(水) 05:18:54
    お待ちしております
  502. 503 : : 2016/04/09(土) 14:31:27
    ジャン「好きな女に頼るくらいなら…」ミーナ「助けなきゃ、帰れないよ!」
    http://www.ssnote.net/archives/45016


    次スレです。

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白黒エレン

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進撃×DQ シリーズ

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