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優秀な二人
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- 1 : 2015/05/03(日) 13:04:47 :
- ライナーとミカサの話。ss風に会話だけで構成してみます。
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- 2 : 2015/05/03(日) 13:08:15 :
- 今日は、休日。
訓練兵達が厳しい訓練から解放される唯一の日だが、今日の休日を自由に扱う事が出来ない者が二名いた。
ミカサ・アッカーマンとライナー・ブラウンである。
成績優秀な者を男女から一人ずつ選出し、選出された者は休日の朝早い時刻にキース教官の教官室に行かなければならない。
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- 3 : 2015/05/03(日) 13:13:44 :
- ライナーは男子宿舎を出る間際まで、自由に休日を扱える仲間達のからかいや同情の言葉をかけられていた。それらの言葉を軽く流すと、足早に男子宿舎を出て教官室のある建物に向かう。
ライナーは出来れば教官室には入りたくなかった。自身の正体が鎧の巨人である以上、教官室の密閉感と緊張感にはどうも耐え難い苦痛を感じるのである。
昨夜、寝床が隣で本当の意味で仲間であるベルトルト・フーバーに言われた「気を抜かないほうがいい」という言葉が頭から離れなかった。気を抜くな、と言う言葉は、どうも曖昧すぎる。何に気を付けるのか、多少の検討は付いてはいるが、ベルトルトに尋ねてもそれ以上詳しい説明をする事は無かった。
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- 4 : 2015/05/03(日) 13:19:52 :
- そんな事を思い出していると、同じく教官から呼び出しを食らった、同じ境遇のミカサ・アッカーマンと出くわした。
ミカサはライナーの存在を認めると、不愛想に
「おはよう」
と言った。ライナーにとって、このミカサは将来の壁内人類の滅亡という目的の邪魔になるであろう、最大限に警戒、注意しなければならない人物である。
だが、ライナーの元々の性分が兄貴肌な為か、このミカサに対しても他の同期生達と同じく構ってやりたくなるのである。
ライナーは挨拶を返すと、エレンじゃなくて残念だったな、と軽口を叩いた。すると、彼にとって意外な反応が返ってきた。
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- 5 : 2015/05/03(日) 13:21:33 :
- 「ライナー、あなたはとても優秀。立体機動術も対人格闘術も、エレンより技術がある」
対人格闘術の訓練でエレンに投げ技を食らった記憶が頭に浮かび、ふっと息を吐いて笑った。
「あれを見て、俺の方が対人格闘術が上だと思うのか?」
「あなたは手加減をしている」
「俺を買い被りすぎだ」
「……相手に気づかれないよう手加減するのは、凄く難しい。でも、それはエレンの為にならないので、本気でやってあげて欲しい」
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