このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
後悔~護る~
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- 1 : 2015/04/24(金) 16:44:44 :
- SSですが、文章も多くふくむ予定どすぇ。興味があればぜひ。
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- 2 : 2015/04/24(金) 16:54:45 :
- ズン…
全ては、あれから始まった。
なんら変わりの無いごく普通の昼下がり。大きく分厚い壁に囲まれた小さな薄っぺらい世界の中で、二人の少年と一人の少女が本を開いていた。
金髪のこがらな少年、アルミンが祖父の書斎から持ってきたその本には、想像もできないような事が多く記されていた。
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- 3 : 2015/04/24(金) 21:43:40 :
- どこまでも続く水溜り。
常に雪が積もっている山。火を吹く山。
永遠に続く砂の土地。
そんな世界が、この壁の外にはあるのだと。
信じられなかった。しかし、その目で確かめてみたかった。いつかこの世界を抜け出して、壁の外の「自由」を手にする。それが、もう一人の少年、エレンの夢だった。
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- 4 : 2015/04/24(金) 23:40:29 :
- アルミンが本を閉じた、次の瞬間だった。
ドゴオオ…………
壁の外に一筋の落雷。とてつもなく大きいものだった。それに伴って大地が揺れ、今まで経験した事の無いような衝撃によって、二人の少年と少女は空中へ投げ出された。
エレン「痛…」
彼が見上げた先の壁の向こうに,大きな,とてつもなく大きな赤いものが見えた。それは…人の形をしていた。
アルミン「そんな…」
アルミン「あの壁は…50mだぞ…」
エレン「…やつだ…」
巨人だ。
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- 5 : 2015/04/24(金) 23:55:20 :
- ドゴオオオオオオオオオン‼
人々の前で、壁が砕かれた。バラバラになった壁の破片が,街の中に飛び散っていく。巨人が壁を蹴ったのだ。
市街地は一瞬にして混乱に陥った。
…誰かが叫んだ。
「巨人が入ってくるぞオオオオオ‼」
エレンの耳には何も入ってきていなかった。彼の頭をいっぱいにしていた一言が、何より先に口をついた。
エレン「家が‼‼」
アルミン「僕はハンネスさんを呼んでくる‼ミカサはエレンと一緒に行って‼」
ミカサ「わかった‼」
三人は駆け出した。
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- 6 : 2015/04/29(水) 18:43:16 :
- 三人がいた場所から、エレンともう一人の少女、ミカサの家までは1kmほど。走っていく彼らの目に飛び込んできたのは、「地獄」そのものだった。
人々の阿鼻叫喚。先程の巨人に吹き飛ばされた壁の破片だろうか、大きな石の下敷きとなって潰れている男性、その横で泣き崩れる、家族と思われる女性と小さな女の子。
倒壊した家の中から聞こえてくる、助けを求める声。
早く走ったことで痛み始めた脇腹が、怪我をしてしまったような錯角に陥る。
大丈夫だ、俺ん家に限っては無事な筈だ。母さんだって、きっと大丈夫だ。
心の中で自分に言い聞かせる。
この坂道を上がりきったら…!
彼らの家は、無くなっていた。
正確には、落ちてきた大きな岩によって、原型をとどめない程に潰されていた。
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