ペトラ「兵長、愛していました。」
-
- 1 : 2015/03/30(月) 20:52:39 :
-
私達特別作戦班、通称リヴァイ班の任務は巨人化することができるエレンを守ること。
兵長に憧れて調査兵団に入り、兵長に認められるために毎日毎日血の滲むような努力を重ねてきた。
男だらけの兵士の中で女である私が力を伸ばすのは容易いことではない。
私は壁外調査へ出るたびに巨人の討伐数を増やしていき、調査兵団の中でも中堅と言われるようにまでなった。
-
- 2 : 2015/03/30(月) 20:54:07 :
兵長に特別作戦班に指名されたときは今までの努力が無駄じゃなかったんだと、すごくすごく嬉しかった。
そのときの胸の高鳴りはすでに、憧れの兵長に努力が認められたというだけのものではなかったのかもしれない。
兵長のへの感情は憧れ。それ以上でもそれ以下の感情でもない。
そう、いい聞かせていた。
…そのはずだった。
-
- 3 : 2015/03/30(月) 20:54:54 :
実際に特別作戦班として一緒に過ごして見たリヴァイ兵長は私が思い描いていた人物とは全く違い、最初は戸惑ってしまった。
人類最強の兵士と称され、人類の希望であり英雄は、無口であり極度の潔癖症。そして部下や仲間のことをとても大切に思っている。
不器用で、人間的で、とても魅力がある人だった。
そんな兵長に惹かれていたことは否めないし、それが憧れの感情だけではないことは確かだった。
だから、その、私は、兵長に恋をしているのだと思う…。
もっと…兵長の事を知りたいと思った。
-
- 4 : 2015/03/30(月) 20:57:03 :
- -------ーーーーーー
ペトラ「失礼します。兵長、お茶をお持ちしました。」
リヴァイ「ああ、助かる。」
ペトラ「あ、あの一緒に頂いても、よ、よろしいでしょうか…」
リヴァイ「好きにしろ。」
ペトラ「…どうですか?」
(やった!)
リヴァイ「悪くない。お前の入れる茶が1番だ。ペトラ。」
ペトラ「…あ、ありがとうございます」
(うう、どうしよう。心臓が、ドキドキしてる。)
リヴァイ「…具合でも悪いのか?顔が赤い。」
ペトラ「い、いえ!私はこれで失礼します。」ペコッ
-
- 5 : 2015/03/30(月) 20:57:31 :
- -------
エレン「ペトラさんどうしたんですか?顔が赤いですよ。」
ペトラ「え!えと、なんでもないよ!
気にしないで!」
オルオ「わからないのか?俺への恋の病にかかっちまっt
ペトラ「うるさいオルオ。舌噛んでしね。」
(兵長に褒められちゃった。どうしよう。考えただけで…うう。)
(ああ、ハンジ分隊長に報告しよう!)
ハンジ分隊長と兵長のお話をするようになったのはちょっとしたきっかけからだった。
-
- 6 : 2015/03/30(月) 20:57:57 :
- -------
ハンジ「リヴァイ!!ソニーとビーンの話聞いて!!」
リヴァイ「後にしろ、クソメガネ。」
ペトラ「……」
-
- 7 : 2015/03/30(月) 20:58:14 :
- ------
ハンジ「リヴァイの身長アゴおくのにちょうどいいね」
リヴァイ「…削がれてぇのか?」
ペトラ「……」
-
- 8 : 2015/03/30(月) 20:59:00 :
- ------
ハンジ「ねえリヴァイ!」
リヴァイ「朝からうるせぇぞ。」
ペトラ「……」
ハンジ「…ん?(ペトラもしかして)」
ハンジ「ねえペトラ!!ペトラってリヴァイのこと好きなの??」
ペトラ「え!いや!えっと…その」カァァア
リヴァイ「……」
ハンジ「ねえリヴァイ?ハンジさんがもらっちゃうよー??」
ペトラ「ちょっ…ハンジ分隊長!」
リヴァイ「チッ…はやく帰れクソメガネ。」
ハンジ「おーこわいこわい。じゃね〜!」
ペトラ「えっと…気にしないでくださいね!兵長!ハンジ分隊長を追いかけて来ます!」
ハンジ「ペトラ!どうだった??」ニヤニヤ
ペトラ「どうだったじゃないですよ!!」
(もう!兵長にばれたらどうしてくれるんですか!!)
ハンジ「でもそうなんでしょ?私なら相談にのるよ?」
-
- 9 : 2015/03/30(月) 20:59:26 :
- -------
それから私は兵長の事はハンジ分隊長に話すようになった。
…恋バナというやつなのだとおもう。
実際、同じ班の皆には話せないし、リヴァイ兵長と仲の良い分隊長に相談に乗ってもらってとても助かっている。
ペトラ「…それで、兵長に悪くないって言ってもらったんです!!」
ハンジ「おおお、よかったね!ペトラ!リヴァイの悪くないは良いだからね。」
ペトラ「私、すごく嬉しいです!」
ハンジ「はああペトラはほんとに可愛いな!!リヴァイがぐずぐずしてたらハンジさんがもらっちゃう!!」
ペトラ「ふふ。私、分隊長のことも好きでよすよ?」
モブリット「ハンジさん!探しましたよ。あんたすぐどこかにいっちゃうんですから。いきますよ!」
ハンジ「やっべえばれた。てことでペトラごめんね!がんば!!」
ペトラ「いえ!ありがとうございました」
-
- 10 : 2015/03/30(月) 21:00:07 :
- -------
リヴァイ「…全員そろったか?食べるぞ。」
「「「「「いただきます。」」」」
エレン「今日はペトラさんが作ったんですか?おいしいです!!」
ペトラ「ふふ、ありがとう。」
オルオ「ふん。俺の胃袋を掴むのにはまだ早いぞペトラ。」
ペトラ「うるさいオルオ。」
オルオがごちゃごちゃ言っていたのを華麗にスルーしてリヴァイ兵長を見たら一瞬、
(……っ!)
目が、合ってしまった。
一瞬だけだったのに、そらした後も心臓がうるさく鳴っている。
リヴァイ兵長は美味しいって思ってくれているのかな…。
-
- 11 : 2015/03/30(月) 21:00:40 :
- お酒も進み、オルオとグンタが飲み比べをしている。
何杯目で決着がついたのだろうか、オルオが机の上に伏したところで勝負は終わったみたいだ。
エルド「グンタと俺はオルオを運んでくる。
片付けはエレンとペトラに頼むよ。」
ペトラ「わかった。おやすみエルド、グンタ。」
ペトラ「私は机の上を片付けるね。
エレンはお皿を洗ってくれる?」
エレン「はい。わかりました。」
水でお皿を洗い流す音が聞こえる。あれだけの量があったのに仕事がはやいなと感心しているあいだに、全て終わったらしいエレンが戻ってきた。
ペトラ「エレンは終わったら寝ていいよ。」
エレン「…じゃあお先に失礼します。おやすみなさい。」
ペトラ「おやすみエレン。」
(はやく終わらせて私も寝よう。)
-
- 12 : 2015/03/30(月) 21:01:09 :
- リヴァイ兵長が嫌な思いをしないように、最後にもう一度机を拭いて汚れたふきんを洗い流す。
ペトラ「…よし!終わったぁ」
(あれ。そういえばリヴァイ兵長は?寝ちゃったのかな…?)
少し残念に思いながら自分も寝ようと振り返った時だった。
-
- 13 : 2015/03/30(月) 21:01:41 :
- リヴァイ「…ペトラ。」
ペトラ「きゃっ」
リヴァイ「驚かせてすまない。
…茶をいれてくれないか?」
ペトラ「はい!もちろんです!」
兵長が起きていたこと、お茶を頼んでくれたこと、それだけのことでとても嬉しくて頬が緩むのがわかる。
リヴァイ「ペトラ、この後は暇か?」
ペトラ「え、あ、はい!」
リヴァイ「…俺の部屋に来い。」
(………え?え!えええええ。
これから兵長の部屋に?私が?部屋に?)
(落ち着け私。なにか話すことがあるのよ。うん。きっとそうね。)
-
- 14 : 2015/03/30(月) 21:02:24 :
- -------
ペトラ「失礼します。」ペコッ
リヴァイ「…ああ、そこらへんに座れ。」
ペトラ「……」
リヴァイ「……」
ペトラ「えっと…なにかあったんですか?」
リヴァイ「…いや。」
ペトラ「…兵長。あの、私…」
リヴァイ「なんだ?」
ペトラ「いえ、なんでもないです!
…思い出話しでもしますか?」
リヴァイ「ああ…お前が初めての壁外調査で漏らしたこt」
ペトラ「わぁぁぁ!!忘れてください!」
リヴァイ「無理な事言うんじゃねぇ。」
(よりによって兵長にまで知られていたなんて。恥ずかしすぎる…)
-
- 15 : 2015/03/30(月) 21:02:53 :
- それから、料理のことや巨人のこと未来ことなどいっぱい、いっぱい兵長とお話をした。
ペトラ「兵長、今日はよく話しますね。」
リヴァイ「馬鹿言え、俺は元々結構喋る。」
リヴァイ兵長と過ごす時間はあっと言う間で、兵長のお話を聞くのがすごく楽しかった。
私の知らない事をたくさん知っている。その分今まで辛い思いをたくさんしてきたのだろう。
ペトラ「へいちょ…眠くなってきました。」
リヴァイ「ああ、結構時間も経ったしな…寝ていいぞ。」
(ここで寝ても良いのかな。)
なんて考えるよりも先に思考がシャットアウトした。
(おやすみなさい兵長…)
-
- 16 : 2015/03/30(月) 21:03:19 :
- -------
リヴァイside
スースーと規則的な寝息が聞こえて読んでいた本から視線を上げる。
そこにいるのは俺の部下であり、俺の好きな奴。
机の上に突っ伏したまま眠っていた。
俺が用もなく無理やり部屋に連れてきて話をさせていたのに、嫌な顔をしないのは、俺が上官だからだろうか。
-
- 17 : 2015/03/30(月) 21:04:12 :
…初めてペトラを知ったのはペトラが調査兵団に入った時だった。
エルヴィンの演説を聞いていたペトラを見たときに興味をもった。
まあ多分…そのときはこんな感情には気づいていなかっただろう。
ただ、あいつの意欲に燃えた瞳を見ていて吸い込まれるような衝動に駆られた。
調査兵団に入ったのが、俺に憧れてだと知ったのはまだ少しあとだ。
壁外調査に出るたびに巨人の討伐数を増やしていき、目立つ存在にもなっていったペトラ。
男だらけの兵士のなかで女であるペトラが力を伸ばすのに、毎日毎日努力していたことは知っていた。
だから俺はその努力を認め、今回の特別作戦班に指名した。
それはもちろん俺の個人的な感情だけではない、ペトラが調査兵団の中で中堅と呼ばれる存在だということは周囲も認めていた。
特別作戦班として過ごしている中で
努力家で明るく、いつも笑顔なペトラに少しずつ惹かれていった。
それは部下、仲間という言葉以上の特別な感情。
しかし俺とペトラの関係は上官と部下であり同じ班の仲間。
それ以上でもそれ以下の存在にもなれない事はわかりきっていた。
-
- 18 : 2015/03/30(月) 21:04:36 :
- ペトラ「ん…へいちょ…」
リヴァイ「…っ」
あと少しでペトラの綺麗な金色の髪に触れそうになったところで我に返り手を引いた。
リヴァイ「くそっ…寝る。」
こいつが自分のものになったら…なんていう考えを振り切るようにつぶやいた言葉は暗闇に消えていった。
今は巨人を絶滅させて平和な世界にすることが、一番大切なことだ。
リヴァイside end
-
- 19 : 2015/03/30(月) 21:05:10 :
- -------
ペトラ「んぅ…」
窓からの光に目が覚める。
今日の朝食当番は私だっけ?
あれ。昨日の夜、どうしたんだっけ。
様々な考えを思考に巡らせているなか、横から聞こえてきた声に飛び起きてしまった。
リヴァイ「起きたかペトラ。」
ペトラ「ええええ!兵長!」
リヴァイ「…朝からうるせぇな」
ペトラ「え!なんで、なんで私、なんで兵長がいるんですか!」
リヴァイ「お前が俺の部屋で寝たんだろ。…覚えてないのか?」
ペトラ「…あ。もうしわけございませんでしたぁぁ!!」
(うっわあああ、私あのまま寝ちゃったんだ!)
リヴァイ「いや、大丈夫だ。」
(…うう、恥ずかしい。よだれとかでてないよね…?)
リヴァイ「ペトラ。今日の夜も俺の部屋に来い。」
-
- 20 : 2015/03/30(月) 21:05:30 :
- ペトラ「…っ」
リヴァイ「…命令ではない。お前が来たくなければ来なくて良い。」
(そんなこと言われて行かないわけないです…)
兵長が私に、特別な感情をもっていないことはとっくにわかっていたはずだった。
(わかっていても、そんなこと言われたら期待しちゃいます…)
-
- 21 : 2015/03/30(月) 21:05:59 :
- -------
それから私は、夜に兵長の部屋に行きお話をして眠たくなったら兵長の部屋で寝る、ということが日課になりつつあった。
初めて兵長の部屋で寝た日から変化したことは、机の上ではなくベットで寝るようになったこと。
もちろん、兵長と一緒に。
兵長の温もりを感じながら寝れるのはとても安心した。
でも兵長となにかするということはなく、ただ寝るだけ。
それでも朝起きたらとなりに兵長がいるだけでとても、幸せな気持ちでいっぱいになる。
(ずっと、こうだったらいいのに…。)
-
- 22 : 2015/03/30(月) 21:06:24 :
- -------
ハンジ「やっほーハンジさんだよ!」
リヴァイ「チッ…うるせぇクソメガネ。」
ハンジ「今日はペトラに用があって来たの!
リヴァイは黙ってね。」
ペトラ「ハンジ分隊長!!」
ハンジ「はーいペトラ!じゃあみんな覗いちゃだめよ?」
リヴァイ「チッ…」イライライラ
オルオ「分隊長、なにするんですかね?」
リヴァイ「…知らねぇよ。」
オルオ.エルド.グンタ(うわぁ、兵長目に見えて機嫌悪い。)
エレン「…兵長、茶を入れますね。」
-
- 23 : 2015/03/30(月) 21:06:49 :
- -------
二階に上がるとすぐにある私の部屋。
ハンジ分隊長はベットに、私は床に座ってお話をする、いつものスタイル。
いきなりハンジ分隊長が来て驚いたけど、私が話たいことがあるときにタイミングよく来てくださるハンジ分隊長はたぶん、魔法でも使えるのだと思う。
ペトラ「…私、今日兵長に告白しようと思います。」
それは前から私が考えていたことだった。
私達調査兵団員はいつでも心臓を捧げる覚悟はできている。
その日は今日かもしれないし、明日かもしれない。
だから、後悔しないように生きたいと思ったのだ。
-
- 24 : 2015/03/30(月) 21:07:22 :
- ハンジ「うわああ!マジかペトラ!
がんばって!!応援してる!」
ハンジ分隊長が巨人を見たときのように興奮して返事をする。
ペトラ「ハンジさん…ありがとうございます!私、がんばりますね。」
ハンジ「うん、もう明後日には壁外調査だし、後悔しないようにがんばんな!」
明後日には大規模な壁外調査が行われる、その前になんとしてでも気持ちを伝えたかった。
ペトラ「ハンジ分隊長、私が告白することで兵長の負担にならないでしょうか。」
しかし、それが兵長の負担となってしまうなら別だ。
自分の勝手な気持ちを押し付けて兵長に無駄な悩みを作らせたくはない。
ハンジ「んー、それはリヴァイじゃないとわかんないけど…ペトラなら大丈夫だとおもうよ。こんなに自分の事を思ってくれている人に告白されて、嫌な思いをする人はないと思う。」
ペトラ「ハンジ分隊長、ありがとうございます!」
ハンジ「よし!自信もってがんばんな。そろそろリヴァイに怒られそうだから帰るね!!」
ペトラ「あ、はい!さようなら。」
(なんで兵長が怒るんだろう…?)
-
- 25 : 2015/03/30(月) 21:07:45 :
- -------
ハンジ分隊長が私の部屋を出てから、もう一度鏡で身だしなみを整え部屋をでる。
ペトラ「わっオルオ!」
オルオ「…ペトラ、がんばれよ。」
ペトラ「えっ!な、なにを?」
オルオ「まさかばれてねぇと思ってんのか?エレン以外気づいてるぞ。」ニヤ
(まさか気づかれていたなんて…!)
-
- 26 : 2015/03/30(月) 21:08:07 :
- オルオ「だめだったときは俺がもらってやるよ。」
ペトラ「うるさいオルオ!…でも、ありがとう。」
いつもはイライラする下手くそな兵長の真似にも今回は勇気付られた。
ああ、こんなに沢山の人が応援してくれているなんて…私は幸せ者だ。
-
- 27 : 2015/03/30(月) 21:08:39 :
- -------
(うぁー、緊張する。)
さっきから無駄に心臓がドキドキと鳴っている。
(こういうときは深呼吸!スーハースーハー…よし!)
兵長の部屋のドアの前で深呼吸をし、意を決してドアをノックする。
-
- 28 : 2015/03/30(月) 21:09:03 :
ペトラ「兵長、失礼します。」
リヴァイ「…ああ、座れ。」
ペトラ「今日は、兵長にお話したいことがあるんです…。」
リヴァイ「なんだ。」
ペトラ「えっと、リヴァイ兵長…」
リヴァイ「…ペトラ、なぜ泣いている。」
ペトラ「え、私泣いてなんか…」
リヴァイ「……」
ペトラ「えっ、へいちょ…」
-
- 29 : 2015/03/30(月) 21:09:38 :
気がついたら兵長の腕の中にいた。
(兵長、身長は私とあまり変わらないのに大きい。ドキドキするけど安心する。)
どれくらい時間が経っただろうか、
多分、実際は数刻にすぎなかっただろう。だけど緊張している私にはすごく長い時間に感じられた。
あたたかい兵長の腕が私の緊張をほぐしていく。
-
- 30 : 2015/03/30(月) 21:10:54 :
ペトラ「…私…好きです。兵長が好きなんですっ…」
気がついたらそんなことを口にしていた。
リヴァイ「……」
なにも言わないリヴァイ兵長に不安になり、言ってしまった事を後悔する。
ペトラ「あ、えっと。すいません!
気にしないでください。私なに言ってるんですかね!兵長が私にそのような感情をもっていないことは知っています。」
(そう、そんなこと知っている。ただ気持ちを伝えたかっただけなんだから。)
ペトラ「兵長は優しいですから、こんなこと言ったら兵長の負担になっちゃいますよね!だから、忘れてください!失礼します。」
(ああ、だめだ本当に涙がでてきそう…)
そう早口で言って兵長の腕の中から逃げようとした…刹那、
兵長の腕が私の腰をさっきよりも強くつかんで離さなかった。
-
- 31 : 2015/03/30(月) 21:11:39 :
リヴァイ「…お前だけ話して逃げようとするな。俺の話も聞け。」
冷静なリヴァイ兵長の声の後、再び静寂に包まれる。
ペトラ「…」
リヴァイ「ペトラ…好きだ。」
ペトラ「……っ」
リヴァイ「おい、なにか言え。」
ペトラ「兵長っ…私、今すごく幸せです。」
リヴァイ「…お前は笑顔のほうがいい。」
また心臓がうるさいくらいに暴れ出す。
その音が兵長にも聞こえてしまいそうで…必死に隠した。
リヴァイ「ペトラ、目をつぶれ。…嫌だったらいい。」
兵長の手が私の頬に触れ、唇、顎と移っていく。
そのまま顎を掴まれ上を向かされる。
ペトラ「…っ」
それは一瞬、触れるだけのものだった。
ペトラ「ふふ」
リヴァイ「…なに笑ってるんだ。」
ペトラ「だってすごく幸せなんですもん。」
リヴァイ「そんな餓鬼みたいなのでいいのか?」
ペトラ「ぇ…んっ」
さっきより深い兵長のキスに戸惑いを隠せない。
すごく恥ずかしくて幸せで、ずっとこうしていたかった。
リヴァイ「ペトラ…寝るぞ。」
ペトラ「はいっ。おやすみなさい、兵長。」
兵長の腕の中で、いつもより近くに温もりを感じながら心地よいまどろみの中へ体を預けた。
-
- 32 : 2015/03/30(月) 21:12:01 :
-------
ペトラ「…へいちょ。」
目を開けるとまだ寝息を立てているリヴァイ兵長。
(ふふ、眉間のシワがあとになってる。寝顔もかっこいいなあ。)
…気がついたら兵長にキスをしていた。
ペトラ「…!」
我に返り兵長から離れようとしたが、
リヴァイ「…ペトラ、なにしてる。」
-
- 33 : 2015/03/30(月) 21:12:39 :
兵長に腕を引かれ、気がついたら兵長の下にいた。
つまり、お、押し倒されているような格好になっているのだ。
ペトラ「リヴァイ兵長…えっと、おはようございます」
兵長の鋭い視線に耐えられなくて目を逸らす。
リヴァイ「…答えになってない、ペトラ。こっちをむけ。」
リヴァイ兵長に言われ自然と見てしまう。
目が合ったとたん、
ペトラ「んっ…」
兵長に唇を塞がれ答えることができない。
兵長のキスは段々と深いものになっていく、降り注ぐキスに息をすることも許されない。
ペトラ「んぅ…へい、ちょっ」
リヴァイ「…こうされたかったんじゃないのか?」
-
- 34 : 2015/03/30(月) 21:13:25 :
- ハンジ「おっはよー!!」
勢いよく開いた扉とともにはいってくるハンジ分隊長。
ペトラ.リヴァイ「!!!」
ハンジ「あら?おじゃましちゃった?」ニヤニヤ
リヴァイ「クソメガネ。はやく出て行け。」
ハンジ「はいはい。じゃあエレンでもいじってこよっと!」
リヴァイ「…はぁ、起きるか。」
ペトラ「ふふ、そうですね。」
-
- 35 : 2015/03/30(月) 21:13:48 :
- -------
ペトラ「〜〜♪」
エレン「なんかペトラさん今日機嫌良くないですか?」
オルオ「ふっ、俺と一緒にいれて喜んでるんだろ」
ペトラ「うるさいオルオ舌噛んでしね」
オルオ「ひでぇっ」
リヴァイ「…全員席につけ。」
リヴァイ「明日は壁外調査だ。
この班の使命は、そこのクソガキにキズ一つ付けないように尽くすことだ。
命の限り。」
「「「「はっ」」」」
リヴァイ「…これで解散だ。明日に備えてクソして寝ろ。」
-
- 36 : 2015/03/30(月) 21:14:18 :
ペトラ「エレン緊張してる?初めてだからねそんなに気にしないでリラックスしていこう。」
オルオ「ふん。ちゃんと帰って来れたら上出来だな。」
ペトラ「オルオうるさい。」
エルド「ははは、エレンは2人みたいに漏らすなよ?」
ペトラ「うあああ!言うなよエルド!」
エレン「ほんとなんだ…ペトラさん…」
グンタ「俺は漏らしてないぞ!」
オルオ「俺のほうが巨人の討伐数とかは上なんだが!?」
エレン「お、俺は寝ますね…明日がんばります!おやすみなさい。」
リヴァイ「…ペトラ、来い。」
ペトラ「…っ」カァァア
グンタ「どうしたペトラ?顔が赤いぞ。」
ペトラ「ね、寝るね!みんなも早く寝るんだよ!」
グンタ.エルド.オルオ(にやにや)
-
- 37 : 2015/03/30(月) 21:14:57 :
- -------
ペトラ「いよいよ明日ですね、兵長。」
リヴァイ「…ああ」
ペトラ「また、沢山仲間が死にますね…」
リヴァイ「…そうだな。」
ペトラ「必ず帰って来ましょう!」
リヴァイ「もちろんだ。」
ペトラ「…兵長?もし、もし私が明日帰って来れなかったら私の事は忘れてくださいね。」
リヴァイ「それはできねぇ。…俺は、お前を守る。」
ペトラ「兵長は優しいです。とても強いです。だから兵長に背負わせたくないんです。」
リヴァイ「いくらでも背負ってやる、それが俺の強さになる。」
ペトラ「…でも、やっぱり私は絶対に死なないです。死ぬわけにはいきません!兵長と一緒に戦い続けますから。」
リヴァイ「それは心強いな。」
ペトラ「……」
リヴァイ「……」
ペトラ「…兵長、キスしてください。」
リヴァイ「…積極的になったな。ペトラ。」
ああ、神様。どうかこの幸せな時が…
リヴァイ「愛してる…ペトラ。」
ペトラ「私もです、リヴァイ兵長。」
ずっと、続きますように。
-
- 38 : 2015/03/30(月) 21:15:28 :
-------
オルオ「ペトラ!はやく態勢をなおせ!!」
一歩一歩確実に縮まる巨人との距離。
ペトラ「な、なんでよ!…まだ目が見えるわけがない!」
ペトラ「そんな、片目だけ優先して…!」
オルオ「ペトラはやくしろおお!!」
女型の足がペトラ目掛けてふりおろされる。
(ああ、死ぬのかな、私…。)
(兵長…愛していました。)
昨日言ったこと、守れなくてごめんなさい。
私は兵長と過ごした日々を、ずっと、ずっと忘れません…
-
- 39 : 2015/03/30(月) 21:16:08 :
-------
ペトラ墓前。
リヴァイ「…おいペトラ。死なないって言っただろ…」
リヴァイ「…いや、俺が守れなかった…すまない、ペトラ。みんな。俺を恨んでくれ。」
ペトラ(恨みませんよ。)
リヴァイ「!!」
ペトラ(私は、私達は、兵長と供に戦えて、幸せでした。調査兵団に入ったことを後悔していません。)
ペトラ(何度も兵長の言葉に助けられました。…私達の弱さを、兵長に背負わせてしまってごめんなさい。)
リヴァイ「…言っただろ、いくらでも背負うと。お前らの死は決して無駄にはしない。俺は、」
リヴァイ「俺は必ず!巨人を絶滅させる!!」
ペトラ(兵長になら必ずできます!絶対に、絶対に…生きてください!)
ペトラ(生きて、外の世界を見てください。)
ペトラ(私達は…いつまでも待っています。兵長はゆっくり、来てくださいね。)
リヴァイ「…ああ、約束だ。まだ当分お前らのところには行けねぇが見守っていてくれ。」
ペトラ(よかった…リヴァイ兵長、大好きでした…愛していました。調査兵団にはいり、特別作戦班として兵長と供に過ごせた日々、とても幸せでした。)
ペトラ(今まで本当に、本当にありがとうございました。)
リヴァイ「…俺も愛している、ペトラ。今までの日々、絶対に忘れない。」
リヴァイ「…俺は、戦い続ける!!」
-
- 40 : 2015/03/30(月) 21:16:35 :
-------
xx年
人類は遂に巨人を絶滅させることに成功した。
人類は巨人に勝ったのだ。
リヴァイ「俺は、人類は勝った…!みんな、見ていたか?」
リヴァイ「…たくさんの仲間を失った。俺はお前らの死を無駄にせず戦えることができただろうか。」
ペトラ「リヴァイ兵長!」
リヴァイ「…ペトラ!オルオ、グンタ、エルド、お前ら…!」
ペトラ「ふふ、お久しぶりです兵長。ずっと見ていましたよ。」
ペトラ「さあ、行きましょう。巨人のいない、平和な世界へ…。」
-
- 41 : 2015/03/30(月) 21:17:59 :
初めての書いたssを初めて投稿したので至らない部分がたくさんあったと思いますが、最後まで読んで頂きありがとうございました♪
-
- 42 : 2015/03/30(月) 21:33:50 :
- あと、初めのほう名無しさんになっているところも私です。
名前を入れるのを忘れていました。
リヴァペト好きな方読んでみてください♪
-
- 43 : 2015/03/30(月) 21:55:10 :
- 泣ける…
最高です!!
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