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とんでも幼馴染にエロ本が見つかった!?
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- 1 : 2013/11/23(土) 16:13:00 :
- 【注意】
・このSSはギャグです(重要)。
・相変わらずの推敲していないSSです。
・一発ネタ(しかもとても短い)
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四度目の投稿になります。いい加減ここの仕様にも慣れてきました。
今回は普段とは違って軽いネタ作品なので、いつもより更に気楽にお付き合い下さいませ。
誤字脱字や他の方と書き方が異なる、文章が未熟など諸々ありますが、ご了承くださいますようお願いします。
それでは無事立っていたら始めます。
前作:
『最愛の殺人鬼』 http://www.ssnote.net/archives/2283
『もし、リヴァイが死んだなら』 http://www.ssnote.net/archives/2416
『誰が為に -my dear-』 http://www.ssnote.net/archives/2796
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- 2 : 2013/11/23(土) 16:13:59 :
疲れた、ああ疲れた、なんだよ今日の訓練は――っ!
俺は流れる汗を手で拭い、ドアノブに手を掛けた。調査兵団の制服は肌に張り付き、ズボンは汗を吸ってよれよれになっている。早く着替えたい。そんな気持ちでドアを開けた。
「おかえりなさいエレン。ちょっとお邪魔してる」
「ミ、ミカサ――?」
俺は驚愕した。部屋(地下)で読もうと持ってきていた本が腕から落ち、重い音を響かせる。
「案外広くて快適だった。あのチビのことだから、てっきり狭くて暗い部屋をエレンに用意していたと思っていた。考えを改める必要があるかもしれない」
ミカサが俺のベッドに座っていた。もちろん、俺とミカサは幼馴染だが、付き合っているなんてスイーツな関係じゃない。ただ腐れ縁で今までずっと一緒だったって関係だ。というか今ここにはリヴァイ班しかいないはずなのに、兵長の許可もなくここにいるのは立派な犯罪じゃないのか?
「な、なんでミカサがここにいるんだよ! お前ここにいていい人間じゃねぇだろう? 自分の仕事はどうしたんだよ!」
「心配だったから、エレンの様子を見に来た。いくら呼びかけても留守だったから、仕方なく開いていた窓から入った。エレンが地下にいることは知っていたから、ここを見つけるのはとても簡単」
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- 3 : 2013/11/23(土) 16:15:17 :
壁外調査三週間前。ようやく掃除から解放されたかと思ったら、すぐに兵長が訓練という名の対俺用躾攻撃を仕掛けてきていた。訓練後に俺が発する謎の熱気を追い出すために、リヴァイ班の誰かが窓を開けているのだが――まさかその窓からミカサに入られるとは思わなかった。 いや、普通窓からなんて入らないだろう! 留守なら出直せよっ!
「おいミカサ。兵長に黙ってここに入り込むことがヤバイっての、知ってるか?」
俺は怒りの気持ちを堪え、冷静に尋ねる。
「仕方ない。留守にしておくチビが悪い。それに私にはエレンを守るという大義がある。もしあのチビがエレンに酷いことをしているのなら、私はそれを許さない」
強い口調でそう言うと、ミカサはゴロンと横になる。そういえば結構長い間コイツは俺のことを待ってたんだったよな……。
「で、何の用だよ。まさか本当にそれだけでここに来たってわけじゃねぇよな?」
その言葉に、ミカサは待ってましたとばかりに飛び起きた。
「最近兵舎にいる男たちの話を耳にした。エレン、エロ本って何かわかる?」
「はぁ!?」
――エロ本。言わずともわかる男のロマン。エロスを詰め込んだ知識の宝庫だ。知らない奴なんてきっと人間じゃない。
「い、いや……俺よく知らねぇし。何そのエロ本って?町で流行ってる小説とかなんじゃないのか?」
しどろもどろになって言うと、人差し指を振ってチッチ、とミカサ。
「……エレン。彼らはこう言っていた“エロ本を読まない男は男ではない”と。私はエレンの為にそれが何なのかを知る必要があった」
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- 4 : 2013/11/23(土) 16:16:35 :
――必要が“あった”?
俺があからさまに不安そうな顔をしたのを見て、ミカサは不機嫌そうな顔になる。そして無言のまま部屋の片隅に置かれた本棚を漁りだした。
「エレン。耳が赤くなってる。嘘はいけない。嘘をつくと酷い大人になる。そう、あのチビのように」
そう一層低い声で囁くミカサ。俺は背中に冷たいものが流れていくような――恐怖を感じた。 そして数秒後、ミカサは一冊の薄っぺらい本のようなものを手にとっていた。表紙には可愛い女の子が二人、こっちを見て笑っている。それだけ見ればただの写真集にも見えるが……実際はもっと過激な代物なのだ。
やべぇ。マジでやべぇよ――! 得体の知れない恐怖が焦りに変わっていく。青ざめた俺の顔を見て、ミカサは不機嫌そうな顔をとうとう怒り顔に――ああ、俺もう死ぬわこれ。
「エレン。これは何……?」
「えっと……それは――っ!」
ああ、何度も見たその表紙。忘れもしない、それは――。
「確かにあのエレンがこういうものに興味を示すようになったのはとても感慨深いこと。けれど、こういうものを所有するときはせめて表紙に書かれた年齢制限の文字をしっかり読んで欲しい。エレンにはまだこういったものは早い、と私は思う」
そう、よりにもよって俺の秘蔵のエロ本だった。その名も『服と下着を駆逐せよ!(※ただし靴下は着用とのこと!』天使みてぇな女の子たちのエロい写真集。しかもマニアックな衣装にちょっと危ないプレイの逸品。訓練兵時代にこっそり同期の課題を肩代わりして貯めた金で買った、俺の大切な宝物――。 しかし、それはあまりにも内容が過激なため、俺が所有しているという事実は秘密にしてある。万一口が軽い俺の同期どもがあの優しいぺトラさんあたりにバラしでもしたら、俺は二度と人前に顔を見せることは出来ないからだ。 何故見つけられた――?
「ど、どうしてそれを……」
動揺して噛みまくる俺に冷ややかな目線を送ると、ミカサは本棚を指差した。
「こういう物の隠し場所にはいくつかパターンがあると、教えてもらった」
――そうだ、ミカサはこんな奴だよな……。
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- 5 : 2013/11/23(土) 16:17:15 :
既に知られた通り、現在のエロ本保管場所はこの地下室の本棚だ。 だが、ただ隠しただけでは掃除の指導に来る兵長や、たまに顔を出してくれるぺトラさん辺りに見つかってしまうため、少し考えてある。
ただのグラビア雑誌なんかは、埃があまり積もっていない本の間に挟まっている。これは釣り。万一見つかっても俺は健全な青少年だから、苦笑ですませられる(ただし、俺は生涯白い目で見られることになるだろう)と思う。そして、釣られた人間はそれ以上のものがあるなんて思わない。自分で言うのもなんだが、俺は普段、いたって真面目で純粋な新兵として過ごしているつもりだ。下ネタなんて言ったこともないし、一つ屋根の下で暮らすぺトラさんの入浴シーンを覗き見ることもない。だから見つかっても「まさかあのエレンが――?」なんてことになるだけで、これ以上の物が見つかりさえしなければなんとか誤魔化せる。
そして、本命である秘蔵のエロ本は、この本棚に元から入っている本の間(それぞれのタイトルは『言語力向上法』と『大切な人を守る為に必要な10のこと』だった)に挟んである。埃が積もったボロっちい本に危険なものが挟まってるとは誰も思わないに違いない。 と、油断した俺が迂闊だった。ミカサがいつ、どんな行動をとるかなんて、俺には予想がつかないのだから。ミカサがここに勝手に入り、エロ本を探すために本棚を漁る。ということを前提にしておくべきだったのだ。
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- 6 : 2013/11/23(土) 16:17:52 :
視線がダイレクトに突き刺さり、全身が痛い。
「エレン。これは処分させてもらう。特にこういうの――」
ミカサはパラパラと捲って適当なところで止め、開いたページを俺に見せつける。そこには髪を引っ張られて苦痛に顔を歪ませる女の子に無理矢理ヨーグルトを食べさせ、ぽたぽたと落ちる真っ白なヨーグルトが紺色の下着を染める、といったちょっと(かなり)過激なシチュエーションの写真が載っていた。ポイントはヨーグルトで、実はヨーグルトの容器は画像中にはない。タイトルに『ヨーグルトは俺の味』と書かれていることから辛うじてヨーグルトと認識できるが、考えようによってはヨーグルトよりも過激な何か、という男の妄想を膨らませてくれる渾身の一枚。最近俺が気に入っている写真だ。
「これは少し過激」
「いや、その……」
何も言えなくて困る俺をミカサはじっと見つめ――。
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- 7 : 2013/11/23(土) 16:18:49 :
「こういうものを読むくらいなら、私を頼ってほしい」
と、この流れからしてとんでもないことを呟き、ベッドにゴロンと横たわって俺を見つめた。いや、何頬染めてんだよ!
「ミ、ミカサ?」
ここは普通ドン引くシーンだろ!? そう思ったけれど、ミカサ渾身の上目遣いに目が離せない。確かにいつもうるせぇし、母さんみたいで全然興味なんてないけど。一応ミカサは……結構モテる感じではある。その服の下に隠された腹筋さえ見なければ、その絶妙なプロポーションは俺を誘っているとも言えなくはない。
――いや、でも正直ミカサとかねぇよ……」
全く食指が動かない。そりゃそうだ。普段から嫌って程エレンエレンと俺の名前ばっか言って付いてくるミカサだぞ? ああ、これがペトラさん辺りだったらな……。
「エレン?」
不安げな声を出し、ミカサは横たわったまま俺の表情を窺う。ぶっちゃけるとその様子は死んだ母さんが俺にやっていた感じによく似ていて、そのせいで余計萎える。まぁ、どっかの馬ならこれで大喜びかもしれないな。
「エレン。どう?」
完璧に萎えて立ち尽くす俺を見て、ミカサは上体を起こす。そして脚を少しだけ崩して俗に言う女の子座りをすると、チラリと服を捲くって見せた。ああ、腹筋……。
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- 8 : 2013/11/23(土) 16:19:27 :
「お、おい。いい加減止めろよっ!」
全く興味ないという意思を出来るだけストレートに伝えたくて、俺は大声で叫ぶ。すると、ミカサは残念そうに身なりを正す。そして立ち上がり、魂が抜けたような俺の顔を覗き込んだ。
「……よく考えたら、エレンにはこういうことは早い。私は冷静ではなかった。私たちの年齢ならキスくらいでも十分なはず。ので、エレンは私にキスをすべきだと思う」
「はぁっ!?」
じょ、冗談キツすぎるだろうが! そんな俺の気持ちなんてお構いなしに、ミカサは俺をじわりじわりと壁に追い詰める。互いの唇が触れようとしていた。ミカサは獲物を追い詰める猛獣のようにどんどん俺に接近する。 こ、これは。まずいだろう……。 冗談だとはわかっていても、突然の展開についていけない俺は、とうとう目を瞑った。甘いような、それでいてさっぱりした不思議な女の子の香り。シャンプーかボディーソープか、あるいは香水か。そのいい香りが鼻から入ってきて、直接脳を刺激する。
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- 9 : 2013/11/23(土) 16:20:39 :
「――なんて」
呟くような声が聞こえ、俺は怖々と目を開く。既に俺から離れていたミカサは、少し怒ったような顔をしていた。
「今のは全て冗談。私が本当にそんなことするなんて思った?」
「は!?」
俺は怒りに任せて叫ぶ。いや、だってこの状況が冗談とかマジありえねぇだろう! そりゃミカサとかあり得ないけどっ!
「エレンがいけないことをしたから、私なりに懲らしめただけ。私は悪くない。エレンが悪い」
そう言われてしまうと悔しいが反論出来ない。くそっ、けど青少年の健気な心を弄ぶとかどんな鬼畜だよっ!
「やっぱりエレンにはまだ私が必要だということがわかった。こういうくだらないものを見ると、未成年の健全な精神の育成に影響が出るらしい。そんなことは絶対私が許さない」
まるで生ゴミでも見るように床に放った例のエロ本を一瞥すると、ミカサはそれを手に取った。
「よって、――没収」
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- 10 : 2013/11/23(土) 16:24:18 :
「エレン。今日は帰るけれど、また今度来る。それまでをどうか健全に過ごして欲しい。私はエレンが呼べばいつでも駆けつける。だがあのチビは見かけより強い。すごく強い。……悔しいが私では太刀打ちできないかもしれない。だからエレンには自分で自分の身を守れるようになってほしい、と思う」
そしてミカサは悲しみに暮れる俺にそう言い残し、秘蔵のエロ本を抱えて去っていった。
とんでもない幼馴染に生活を管理される日々は、残念だがこれからも続きそうだ。
――エロ本買いにいこ。
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- 11 : 2013/11/23(土) 16:27:55 :
- これにて終了です。とても短いSSでしたが、ここまで読んでいただきありがとうございました!
なにぶん息抜き作品ですので、ストーリーについてはお許し下さい(´・ω・`)
前回のSSにコメントをして下さった方、これからコメントしようと思ってくださっている方に心からの感謝の言葉を言わせていただきます。ありがとうございました!
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- 12 : 2013/11/23(土) 16:31:36 :
- 面白い
頑張ってね♪
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- 13 : 2013/11/23(土) 16:32:24 :
- いよっ!!ばあさん!!
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- 14 : 2013/11/23(土) 16:36:13 :
- 面白かった!
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- 15 : 2013/11/23(土) 16:36:31 :
- おもろかった
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- 16 : 2013/11/24(日) 00:24:40 :
- そういえば書き忘れていました。
次はまたシリアスな作品になると思います(ギャグは苦手なんです)
多分兵長辺りになるか、最初に書いたSSの零れ話的なものになることが予想されます。どうぞのんびり待っていて下さい。
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- 17 : 2013/11/24(日) 20:16:50 :
- ミカサが正論を言っているのにすごく腹立つw面白かったです。文章力パナいですね!!
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- 18 : 2013/11/25(月) 12:56:37 :
- >どっかの馬なら
に、笑ってしまいました。
楽しい作品をありがとうございました!
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- 19 : 2013/11/30(土) 16:17:59 :
- おつ
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- 20 : 2014/10/22(水) 02:29:34 :
- 面白かった。
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