この作品は執筆を終了しています。
本の続き。
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- 1 : 2015/03/13(金) 21:36:25 :
- こんばんは、もこもこしまうまです。
カテゴリーは未分類ですが中身はBLEACHの二次創作作品となっております。
完全に私の妄想です。
二次創作作品が苦手、という方はブラウザバック推奨です。
110年前の八番隊副隊長のリサちゃんとまだ小さかった妹分の七緒ちゃんのお話です。
私の妄想にお付き合いしてくださる方、暫しお待ちを。
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- 2 : 2015/03/30(月) 21:02:46 :
- 「京楽隊長!」
此処は八番隊隊舎、隊首室。
桃色の綺麗な羽織を羽織った、八番隊の隊長に小さな少女は声をかけた。
「なんだい?七緒ちゃん。」
声をかけた少女の名は伊勢七緒。
この隊に配属された、まだ小さな女の子。
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- 3 : 2015/03/30(月) 21:05:48 :
- 「あの…矢胴丸副隊長は何処に居られますか…?」
七緒はまだ成長途中の小さな手で重たそうで分厚い本を抱えていた。
七緒の日課、それはこの隊の副隊長である矢胴丸リサに本を読んでもらうことだった。
いつも夜遅くに副隊長であるリサの元へと向かい、本を読んでもらっていた。
しかし、今日リサはいなかった。
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- 4 : 2015/03/30(月) 21:11:44 :
- 「あぁ、リサちゃんはね、今大事なお仕事で今居ないんだ。」
【大事なお仕事】。
そのような任務は七緒はまだ経験していないからわからなかったが、七緒はリサが強いことを知っていた。
「矢胴丸副隊長、明日には帰ってきますか?」
「あぁ、明け方にはきっと帰ってくるよ。」
八番隊の隊長、京楽春水は大きなその手で七緒の頭を優しくなでた。
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- 5 : 2015/03/30(月) 21:17:19 :
- 「わかりました、失礼します!」
七緒は一歩下がるとくるりと回れ右をして隊首室を後にした。
明日になったらまた会える、本を読んでもらえるんだ、そんなことを七緒は考え自室に戻った。
そして七緒は京楽隊長のその言葉を信じ、その日は眠りについた。
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- 6 : 2015/03/31(火) 10:21:52 :
「京楽隊長!」
次の日の朝、七緒は隊首室に行き聞いた。
『矢胴丸副隊長は…?』と。
「まだ、隊舎には戻っていないねぇ…」
帰りが少し遅いだけ、そう思い溢れそうな涙を堪え、七緒は心に言い聞かせた。
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- 7 : 2015/04/01(水) 23:00:10 :
- 『まだ帰ってきていないだけ』
『いつか帰ってくる』
再び七緒は自分に言い聞かせた。
何度も何度も、言い聞かせた。
本当は、わかっているから。
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- 8 : 2015/04/01(水) 23:01:43 :
- 七緒は決して自分の先輩が弱いなど思ってはいない。
しかし、わかっていた。
心のどこかで、わかっていた。
わかっていたから、皆からその事を知らされても泣かないように、必死で自分に言い聞かせた。
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- 9 : 2015/04/01(水) 23:04:56 :
七緒は、リサの机の上に分厚い一冊の本を置いた。
「この前、矢胴丸先輩が貸してくれた本…まだ続きがあるようですが…まだ…読めません…」
「また、一緒に読みたいんです…本の続き…」
「一緒に、喋って、楽しく過ごしたいんです…」
堪えていた七緒の涙は、遂に頬を伝った。
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- 10 : 2015/04/01(水) 23:07:05 :
- 「早く……帰ってきてください…」
「一日でも……早く……」
その日、七緒は隊舎で涙がかれるほど、泣いた。
思っていたことをすべて吐き出すように。
そして毎日願った。
“矢胴丸先輩が帰ってきますように”と。
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- 11 : 2015/04/01(水) 23:10:11 :
────────百年後
空座町、上空にて。
七緒達、百年前からいる死神は懐かしい霊圧を感じ取った。
「久しぶりやな、元気にしとったか?七緒」
後ろから聞こえる懐かしい声、頭を撫でるあたたかい手。
すべてが懐かしくて、嬉しくて七緒は泣いた。
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- 12 : 2015/04/01(水) 23:15:06 :
- 「こらこら〜、女の子泣かせちゃダメじゃないの〜、リサちゃん」
「…久しぶりやな」
「久しぶりに会ったらなんや、みんなボロボロやないか…」
「少しの間、代わるで、戦闘役」
そう言ってリサは七緒達の前にたった。
七緒から見たらその背中は、百年前に見た背中と変わらず、大きかった。
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- 13 : 2015/04/01(水) 23:18:00 :
- 「矢胴丸副隊長!」
「何いうてるんや、副隊長はあんたやろ、七緒」
「…なんや?」
七緒は少し間を置いてから、小さな声でこう言った。
「帰ったら……本を、読んでいただけませんか?…百年前の続き、矢胴丸副隊長と読みたいんです!」
「…ええで、七緒」
リサは口角を少しあげ、微笑み戦線へと出ていった。
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- 14 : 2015/04/01(水) 23:35:58 :
その日の七緒と京楽は、戦いながらもどこか安心したように笑っていた。
死神達が藍染に勝利した時、リサは七緒の元に戻ってきた。
ボロボロになったその姿は前にも見たことがあった。
「ほな、帰ろか」
「懐かしの八番隊舎に」
リサは七緒の背中を押すとみんなと一緒に空座町の空から消えていった。
失われたと思われた永遠の安息
死神としての人生を壊された者達は自らの手で取り戻した。
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