この作品はオリジナルキャラクターを含みます。
ゴールライン
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- 1 : 2015/03/10(火) 22:33:40 :
- プロローグ
7月29日。真夏の人工芝に伝わる熱気。全身に滴る汗。後ろに聞こえる歓声。
無情にも鳴らされたホイッスル。そこに描かれた風景は逃げ道を塞いだ。
「凱斗、どんまいっ、おまえのせいじゃない!」
ボランチの本田大和に連れられ、センターサークルに向かう。
主審が、「準決勝、FC倉添ーAC Vista の試合は1-1、PKで5-4で倉添の勝利!両者の健闘を称え合い礼!」
両チームに挨拶を済ませ、グラウンドの外に出ると、すぐに松山監督から集合の号令がかかった。土の練習コートのベンチに監督が座り、その周りを選手全員が囲んだ。
「みんなすまなかった。俺の力不足だ、県で優勝させて全国に連れていってやりたかった。でも、でも・・・」
何秒かの間、沈黙が訪れた。監督の目には涙。そして周りの啜り泣く音。堪えていた涙がどっと溢れ出した。今までに味わった事の無い悔しさ。
ーみんな、ごめん。ー
声にならない声が心の中を動き回った。地面が涙で濡れていた。
そして、沈黙が終わり、監督が口を開いた。
「でも、それは過ぎた願いだ。俺はこのチームが誇りだ!星川、お前のPKは失敗したけど、お前を5人目に選べた事も誇りだ。人一倍練習して、人一倍悔しがって、人一倍ゴールを決めるのが10番の役割だ。それを果たしてたから10番のお前を大切な5人目のキッカーに置いた。本物の10番に出逢えて俺は嬉しい。ありがとう」
監督の言葉に15年間生きてきた中で一番の感動を受けた。最高のチームに恵まれた。そう感じた。
選手一人ひとりに、最期の言葉を告げたあと、最後に一言!と言うように、
「今までお疲れさん。これから、みんなは別々の道を歩むと思うが、サッカーを続けたいやつは俺に言ってくれ。ユース世代の監督なら知り合いが何人かいるから話ししといてやる。」とにやにやしながら言った。
みんなが帰りの用意を済ませて、今度みんなで集まる約束をして、色々な思いが詰まるエナメルバッグを荷台に付け、夕焼けで真っ赤に染まる空を背にVISTAイレブンは自転車を漕ぎ出した。
これが「最後のサッカー」そう決めていた凱斗の夢は、七日間の蝉の命のように儚く散った。
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- 2 : 2015/03/10(火) 23:11:01 :
- 期待でございます!
フォローしました!
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- 3 : 2015/03/13(金) 16:00:16 :
- 期待ですっ!
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- 4 : 2015/07/12(日) 21:42:01 :
- 桜の花びらが散り始める季節。少し大きめのブレザーに身を包みながら俺と樹は、この高校の門を初めてくぐった。正直高校なんてどこでもいいと言うのが本音だったが、地区の高校の中でも制服がいいと評判の、「私立櫻塚高校」を選んだ。言うまでもなく、最大の決め手は制服だ。さすがに一人というのは辛いと思い、幼少時代からの仲の小室樹を誘ってみたところ、あっさり乗ってくれて孤独に入学するのは避けた。私立ということもあり、お金はかかるが比較的自由というのも一つの決め手だ。
入学式ということもあり、校舎前にはたくさんの人だかりができていた。昇降口の壁にはクラス分けの用紙が貼ってあり、幸いにも俺と樹は一年二組。同じクラスだった。樹の顔は希望に満ち溢れたような面持ちで教室へと向かうが、その一方後ろを歩く俺の心には不安しかなかった。廊下の人ごみをかき分けて教室のドアを開けた。もうほとんどの生徒が集まっていたらしく多くの見慣れない顔があった。興味津々に片っ端から自分の自己紹介をしていくやつ。おとなしく席に座りじっとしているやつ。案外、いろいろなタイプがいるものだと感心していた。
「おい、凱斗!席座れ。せんこーきてるぞ!」
気づけば10分ほど時間が経っていたらしく、俺以外の全員が着席していた。俺は担任になるであろう顎がちょっと出ている三十代後半?くらいの女教師に頭を下げると、周りからは苦笑が起きた。緊張に弱いタイプの俺は、その時頭の中は真っ白になっていた。ひとりひとり点呼が終わり式前のホームルームが終わると、坊主頭のさっき自己紹介をしていて、みるからに野球部のやつが近づいてきた。
「お前、おもしろいな。俺、金本雄輔。ま、野球部だ。よろしく!」
マメだらけの手と握手をして、俺なりの精一杯の笑顔でよろしく。とだけ返した。
思った以上に長い入学式が終わり、春の陽気のせいか眠気が襲うなか、帰りの長いホームルームが始まった。今日のところは、担任の自己紹介と、ひとりひとりの自己紹介、教科書配りなどだけで終わった。終業のチャイムが校舎内に響き、これから始まる高校生活に胸を躍らせながら、スカートを短くし始める女子高生、髪をワックスでいじり始める男子、一日目が終わり、早くもほとんどの一年生が「高校デビュー」をした。
せっかくだし外食でもしないか?という樹の誘いに乗り二人で近くのファミレスに行くことになった。「櫻塚門」と呼ばれる、この学校のトレードマークでもある大きな門をくぐると、四十メートルほどの急な坂道があり、この坂は「櫻花坂」とも呼ばれ、部活動の坂道ダッシュにもよく使われているらしい。その坂を降りて、すぐ右にあるファミレス「クール」。
そこは櫻塚生のたまり場にもなっているらしく、学校帰りや部活帰りの生徒がよく食事に来るらしい。今日も入学式を終えてキャピキャピの新入生が多く賑わっていた。運良く席が空いていて、俺はこの店で一番人気のハンバーグセット、樹はチキンカレーを頼んだ。
「なぁ、凱斗。お前部活入る気ある?」
この高校は部活強制ではないため、入る必要はなかった。しかし何か夢中になれることはやりたかった。
「別にやりたいってモンはないけど、何かしら入りたい」
「ならさ、俺と一緒にサッカーやらない?」
唐突に告げられた、サッカーという言葉。心の奥で何かが動いた気がした。
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- 5 : 2023/07/13(木) 13:35:47 :
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2 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 16:43:56 このユーザーのレスのみ表示する
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16 : 2021年11月6日 : 2021/10/31(日) 19:01:59 このユーザーのレスのみ表示する
ちょっと時間あったから3つだけ作った
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アカウントの譲渡について
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36 : 2021年11月6日 : 2021/10/13(水) 19:43:59 このユーザーのレスのみ表示する
理想は登録ユーザーが20人ぐらい増えて、noteをカオスにしてくれて、管理人の手に負えなくなって最悪閉鎖に追い込まれたら嬉しいな
22 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:37:51 このユーザーのレスのみ表示する
以前未登録に垢あげた時は複数の他のユーザーに乗っ取られたりで面倒だったからね。
46 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:45:59 このユーザーのレスのみ表示する
ぶっちゃけグループ二個ぐらい潰した事あるからね
52 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 20:48:34 このユーザーのレスのみ表示する
一応、自分で名前つけてる未登録で、かつ「あ、コイツならもしかしたらnoteぶっ壊せるかも」て思った奴笑
89 : 2021年11月6日 : 2021/10/04(月) 21:17:27 このユーザーのレスのみ表示する
noteがよりカオスにって運営側の手に負えなくなって閉鎖されたら万々歳だからな、俺のning依存症を終わらせてくれ
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