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現代の童話「働く男」
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- 1 : 2015/03/03(火) 00:52:29 :
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朝、昼、晩、疲れる…
朝は通勤ラッシュで揉まれ、午前午後は上司に尻を叩かれ、
夜は家の家事。
その男、残業中――
カタカタとPCに文字を入力する男。
――
【あなたは何のために生まれたの?】
突如、男のpcはこの文字に埋め尽くされた。
「なんだこれ?、あなたは何のために生まれたか?」
「ハッキングかな?とりあえず上司に報告するか」
男は上司に連絡した。
pc画面【働く男】カタカタ――
「はははは、あなたは何のために生まれてきたの?」
大柄の白髪、メガネの似合わない男が人の不幸を笑った。
「は・た・ら・く・ため。お前は働くために生まれてきたにきまってるだろ、一生平社員でな。ぷぽう」
馬鹿にされた・・・馬鹿にされている。
PC画面【了解・・・働くため】カタカタ
―――
(あの糞デブ、また俺を下に見やがって・・・)
(絶対、絶対、出生して、見返してやる)
その男、電車で酔っ払う。
「ねね、何でおじさんがここにいるの?」
赤いスカートの幼女が耳元で囁いた。
「ふへ。おじさん、仕事が終わったから家に帰るんだ」
揺れる男、なんて悲惨な男。
「おじさんは、家に帰っても仕事するんだよ」
ツインテールの幼女が前に出る。
そして・・・
目から・・・
血をながして・・・・
「おじさんは働くために生まれてきたんだから」
―――
男は目覚めた。
周りは朝、いつもの仕事場だ。
(あれ、どうしてここにいるんだ?)
(今日は休み、だったよな・・・)
男は首を傾げる。
「おい、佐藤。仕事はサボるなよ」ボン
書類を置く、同期。
「佐藤さん。よろしく」ボン
書類を置く、同期
「は、ふざけるな・・・帰る」
帰ろうとする男・・・
だが、
「うああああー」
――
男は目覚めた。
周りは朝、いつもの仕事場だ。
「へ?」
(さっき見たような・・・)
(ま、いいや。働くか。出生しないとだしな)
その男、死ぬまで働いた。
――
(あーーー、いろいろあった。子供もでき、孫もでき・・)
「おじいちゃん」「お父さん」
(じゃが、思いだせんな。こいつらと過ごした日々・・)
「お父さん、お父さん、しっかり、しっかり」
「0時59分、佐藤様。ご臨終です」
―――
「佐藤、書類だ」
(このシーン前にも見たことがあったような?)
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- 2 : 2015/05/05(火) 06:08:24 :
- 何か怖い……………
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