この作品はオリジナルキャラクターを含みます。
この作品は執筆を終了しています。
自慢のお姉ちゃん
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- 1 : 2016/04/07(木) 17:18:44 :
- どうも、登録ユーザでもある藍微塵です
今回は未登録でホラーを書きたいとか思って立てました
思いつきですね。出来はアレですけど、頑張って書きます
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- 2 : 2016/04/07(木) 17:33:45 :
- 私の名前は槙野由紀。私には3つ上のお姉ちゃんがいる。
名前は槙野沙良。頭は良いし、運動神経も抜群で、なおかつ美人で優しい自慢の姉。
お姉ちゃんとは同じ高校に通っているから、朝は一緒に通えて嬉しい。
「今度のテストやばいかも…」
「由紀だって、本気出したら100点とれるでしょ。頭いいんだから」
「それはお姉ちゃんでしょ。お母さん、『沙良は自慢の娘だ~』っていつも言ってるじゃない」
「あはは、でも最近は言わなくなったよ?なんでだろうね」
「私が駄目すぎて、いびるのを諦めたのかも」
「由紀はネガティブだなぁw」
確かに、最近お母さんは元気がない。
仕事から帰ってくる時間も遅いし…どうしたんだろう。
そんなことを考えていると、いつもの学校についた。
「じゃ、由紀。一緒に帰ろうね」
「うん。ここで待ち合わせね」
そういってお姉ちゃんと分かれた私は、いつも通りにクラスに入る。
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- 3 : 2016/04/07(木) 18:11:38 :
- 時間が過ぎて、お昼の時間になった。
お姉ちゃんにべったりの私(自覚ありw)だが、お昼くらいは同級生と食べさせてあげるべきだ。
数人の女子グループに「一緒に食べよう」と声をかける。が、一人が私を見て小さな悲鳴を上げた後、何やらコソコソと陰口を言いながら席を離れてしまった。
しょうがないので、一人で食べていたクラスメイト…たしか吉田さんに声をかけた。
「あ…い、良いよ…」
すると、あの数人の女子と同じような顔をして少しうろたえたが、一緒に食べることを了承してくれた。
…私は嫌われているのだろうか?
「…じゃあ、食べようか」
「う、うん」
お弁当を取り出した際、ドアから私を呼ぶ声が聞こえた。
「由紀?お昼食べないの…」
お姉ちゃんの声だった。
「お姉ちゃんこそ、同級生と食べるんじゃ…」
「なんだ、勘違いか。じゃ、お友達と仲良くランチを楽しんで。お邪魔虫はここら辺で…」
「待って、どうせなら一緒に食べようよ。良いよね?吉田さん」
「…良いんでしょーか?私がお邪魔して」
「え…あ…」
吉田さんはお姉ちゃんと私を交互に見て、困ったような顔をしている。
「大丈夫!私のお姉ちゃん、優しいから」
「ちょっ、私は乱暴なんてしないよ!誤解しないで!w」
「お姉…ちゃん…?」
吉田さんは、何が何だか分からないといった顔だ。
「うん、私ねお姉ちゃんが居たの。びっくりしたよね?w」
「そ…う、じゃなくて…」
じゃあどういうことなのだ?
お姉ちゃんと食べるのが嫌とか?
「嫌…だよね。やっぱ私帰るわ、由紀」
「ええっ、吉田さん…ダメなの?お姉ちゃんと食べちゃ…」
「あ…いや…槙野さん…そういうわけでは…」
吉田さんは焦っている。
元はと言えば、私から誘ったのだからここまで偉くなる権利は無いのだが。…でも、姉は校内でもかなりの人気を誇る先輩だ。
いっしょに食べるのを嫌だというのは可笑しいのだ。
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- 4 : 2016/04/07(木) 18:20:10 :
- そうしていると、吉田さんの腕をグイッと誰かが引っ張った。
「吉田さん!こいつと一緒にいたらダメだってば…」
私と一緒にお昼を食べるのを、拒否していたグループのリーダーの女子だ。
名前は…忘れた。
「で…でも、お昼食べる相手がいないって…」
「こいつは一人で大丈夫なの!…良いから来なって!」
「あ…ま、槙野さ…」
お姉ちゃんの顔を見てみる。
私がこんな扱いを受けていることに、腹が立っているのだろうか。何も言い返そうとせず、下を向いている。
そんなお姉ちゃんに声をかける。
「あ、あのね…これ、いじめとかじゃないから。お姉ちゃんは心配しないで…」
お姉ちゃんは何も言わなかった。
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- 5 : 2016/04/07(木) 18:37:59 :
- 下校の時間になった。
当たり前だが、同級生で私と帰ろうとする者はいない。クラスで受けていたあの扱いが、いつの間にかクラス外にも広がったからだ。
でも、別にかまわない。私にはお姉ちゃんがいる。
「…じゃ、帰ろうか。お姉ちゃん」
「…」
もちろん、お姉ちゃんと一緒に帰った。
約束をしたし、ほかに帰る人もいなかったし。でも、お姉ちゃんは相変わらず黙ったままだ。
気まずい時間が続く。どうしようかと思っていたその時、後ろから私を呼ぶ声があった。
「…ねぇ、槙野さん」
この声は…振り向くと、それはあの女子グループの中に入っていた女子。
名前は…松島美奈。
彼女とは実は小学校が同じで、前はよく遊んだりしていた。
でも中学に入り、別々のグループに入ったため話すことは減り、高校になってからは顔すらほとんど合わせなくなった。
「…何、美奈。私お姉ちゃんと帰って―――――!!?」
美奈は、突然お姉ちゃんを投げ飛ばしたかと思うと、投げ飛ばしたお姉ちゃんの体を蹴って、踏んで、痛めつけた。
「美奈!?何してッ…お姉ちゃん!!美奈やめて!!!」
私は美奈を止めようと腕をつかむが、突き放されてしまう。
「美奈っ…何で…お姉ちゃんを…やめてぇ…」
そして、美奈は言った。
「……やめて?高校にも入って、お人形遊びしてるあんたが言うんじゃないわよ」
お人形?美奈は何を?人形って何の?…そうだ、お姉ちゃんを助けないと…お姉ちゃん…。
「お姉…」
血だらけの姉に手を伸ばすと、美奈はその手を叩いた。
「痛…い」
美奈の目は、冷たく私を見据えていた。
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- 6 : 2016/04/07(木) 19:13:24 :
- 「…あんた、見てて苛々するの。姉を模した人形を持ち歩いて、それを姉の代わりにして。そのせいでクラスではあんな扱い。本ッ当馬鹿みたい」
「お姉ちゃんは…お姉ちゃん…人形なんかじゃ…」
必死に言葉で、嘘を取り繕う。
血だらけの姉が、手のひらサイズの綿が出てしまっている人形に見えてくる。
「…変わったわね、本当。沙良さんが生きてた頃は家庭も幸せで、私もよく遊びにいってたのに」
その言葉に昔を思い出す。私がまだ中学生のころ。
美奈やお姉ちゃんと一緒に、ファッション誌を見たりゲームをして遊んだりしていた記憶を思い出す。
「おね…ちゃん…は…お姉ちゃん…は…」
頭では分かっていた。でも………。
姉は生きている、そう思わないと…そうしないと…私は…。
「いる…の、ここに…これがお姉ちゃんなの…!」
小さな人形を手に抱え、うずくまってすすり泣く。
そんな私に、美奈はキレたのだろうか。大声でこう言い放った。
「槙野沙良!!あんたの姉は3年前に交通事故で死んだ!あんたはそのショックに耐え切れず、姉の形をした人形を姉と信じ、思い込むようになった!!」
「違う…」
「違わない!もう死んだ人間に縋るなんて、滑稽で見てられないわよ?由紀!!」
「違う…ちが、うの!お姉ちゃんは…ここに…居るもん…」
そうだ…姉はここにいる。私の手の中に。
美奈は、私をからかっているのだ。…お姉ちゃんが死んだなんて、そんな訳ない。おねえちゃんはいきてる。
「…分かったよ、美奈。そんなに言うなら…私」
周りを見回す。
地面に…ガラス瓶の破片が落ちていた。ちょうどいい具合の大きさと、鋭さを持つ。
それを拾い上げて、構える。
「…由紀…?」
「美奈は…お姉ちゃんが死んだって言ってる…でも、お姉ちゃんはここにいるんだよ。だからね、嘘をついた上にお姉ちゃんに乱暴した美奈は…」
自分が何をしでかしたのか。自分は由紀が何をするか、把握が足りなかったと美奈は思った。
逃げなくては。
美奈が後ろを向いたやいなや、由紀は美奈に向かって走り出した。
姉に似て、運動神経もよく足も速い由紀。
美奈が逃げ切れる可能性はとても低いだろう。
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- 7 : 2016/04/13(水) 20:45:22 :
- 期待です
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- 8 : 2016/05/07(土) 08:59:41 :
- 期待!!
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- 9 : 2016/05/07(土) 09:00:29 :
- え、もうこれ終わり?
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