リヴァイくんとミカサちゃん
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- 1 : 2015/02/22(日) 16:47:14 :
- リヴァイとミカサが幼稚園児です。
頑張って書きます!
感想とか貰えたら大感謝。
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- 2 : 2015/02/22(日) 16:48:01 :
- 進撃幼稚園の入園式。
リヴァイ君は新入園児を迎える年長組のお兄ちゃん。
リヴァイ君は、新入園児が入ってくるのを心待ちにしていた。
なぜなら──
去年、リヴァイ君がまだ年中組の時、同じ様に新入園児の登園を楽しみにしていたのに、その期待を、わくわく感を、ことごとく裏切られたからだ。
リヴァイ君の気持ちは、雑草の如く踏みくちゃにされてしまったのである。
リヴァイ君は今年こそは、と意気込んでいたのであった。
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- 3 : 2015/02/22(日) 16:54:14 :
- リヴァイ「今年は……今年こそは……。」
リヴァイ君は拳を握り締めて、真剣な眼差しで天を見上げていた。
天は高い、空も高い。
リヴァイの期待度も高い、高過ぎるくらいに高い。
高くならざるを得ない。
なぜなら──
彼は一年越の期待を背負っているのだから。
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- 4 : 2015/02/22(日) 16:58:47 :
- リヴァイ君は天から視線を移動させて、チラッと隣のクラスメイトをうかがった。
リヴァイ「ちっ……」
リヴァイ君は何故か不機嫌そうに舌打ちをした。
リヴァイ君はさらに視線を移動させ、クラスメイトを順に見回していく。
リヴァイ「…………ちっ」
リヴァイ君はまた舌打ちをした。
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- 5 : 2015/02/22(日) 17:05:03 :
- そんな不機嫌そうなリヴァイ君をよそに、新入園児を迎える楽しげなマーチが鳴り響く。
リヴァイ君は新入園児が入ってくるであろう門を、食い入るように見つめた。
リヴァイ君の高い高い期待が、彼の胸の鼓動を激しくする。
──ドンドンドンドン……
リヴァイ君は思わず胸を押さえた。
リヴァイ「(落ち着け俺。まだ慌てる時間じゃねえだろうが。)」
リヴァイ君は自分にそう言い聞かせて、深呼吸をした。
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- 6 : 2015/02/22(日) 17:10:11 :
- ジャジャジャーン!
テッテレー!
そんなけたたましい……いや賑やかな合図と共に、新入園児達が期待と不安が入り交じったような表情で門から入ってきた。
かわいい彼らは、リヴァイ君達の前を通りすぎて行く。
リヴァイ君はそんな彼らを凝視しながら小さくガッツポーズをした。
リヴァイ「ついに、ついにきた。俺の時代が……。」
リヴァイ君の期待はこうして、一年越しに昇華された。
──そのはずだった。
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- 7 : 2015/02/22(日) 17:25:08 :
- リヴァイ「(見ろよ! 皆、チビだ。ああ紛れもなくチビだ。俺だけがチビじゃねえ! もう俺はチビじゃねえんだ! )」
リヴァイ君は心の中でそう叫んだ。
そう、彼の一年越しの期待とは──
自分よりチビの来園だったのであった。
去年の今ごろに入園してきた年中組。
リヴァイ君より一つ年下の彼らは、だが背丈はリヴァイ君を凌駕していた。
リヴァイ君はリベンジを誓った。
来年こそは、来年こそはやってやる!
そう拳を握り締めて誓った一年前。
その熱い魂の叫びが、ようやく神に届いた瞬間──
リヴァイは新入園児を見渡す。
自分より背丈の大きい園児はいない!
リヴァイが心の中で涙を流したその瞬間──
一人の園児がスタスタと門から入ってきた。
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- 8 : 2015/02/22(日) 17:42:39 :
- リヴァイ君の目の前を颯爽とを通りすぎていく新入園児の女子。
リヴァイ「(いや、あれが新入園児なはずねえ。きっとボケた年中組が間違えて……いや、胸に花をつけてやがる。あれは、紛れもなく新入園児……。)」
リヴァイ君は今にも崩れそうな膝を、何とか支えながら立ち尽くしていた。
リヴァイ「(でかすぎるだろうが、あのあま……。名札には、ミカサ……。くそう、あいつのせいで、俺の夢が、希望が……。」
リヴァイ君は心の中で涙した。
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- 9 : 2015/02/22(日) 21:08:39 :
- www期待です!リヴァィまだ小さいのに身長気にするところかわいい
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- 10 : 2015/02/23(月) 07:40:05 :
- 9さん、コメントありがとうございます!
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- 11 : 2015/02/23(月) 07:40:17 :
- 絶望感に苛まれたリヴァイ君は、驚くべき行動をとった。
突如在園児の列を抜け出し、新入園児の列に駆け出した。
リヴァイ「おい、てめぇ……。」
リヴァイ君は大きな女子ミカサちゃんに、底冷えのする様な声で話しかけた。
ミカサちゃんはさらっと髪を揺らしながら振り向く。
ミカサ「…………ここはうめ組のれちゅ。ので、青組のあなたがいるのはおかちい」
ミカサちゃんは眉を潜めながら言い放った。
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- 12 : 2015/02/23(月) 07:44:57 :
- リヴァイ「なんだお前。でけえくせにまともにしゃべれねえのかよ、プッ。」
リヴァイ君はミカサちゃんをバカにした。
すると、ミカサちゃんは涼やかな目を鋭くして睨み付けた。
ミカサ「うるちゃい。わたしは年少組。ので、すこちくらい舌足らじゅ……でもおかちくない。」
リヴァイ「おかちくないだと……笑わせやがる。」
リヴァイ君はほくそ笑んだ。
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- 13 : 2015/02/23(月) 07:56:09 :
- ミカサ「…………わたちはこんなにくつりょく的な目に遭ったのは生まれてはじめて……。」
リヴァイ「くつりょくだと、笑わせる……ぷぷ」
ミカサ「…………何がおかちいの?くつりょくの意味をちらないんだ。そうだ。」
リヴァイ「バカが。屈辱くらい知ってる。年長組をバカにすんな。年少のくせに。」
ミカサ「年長組のくちぇにチビ。」
リヴァイ「………………な、んだと! 」
リヴァイの年長組としての余裕が、全て吹き飛んだ。
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- 14 : 2015/02/23(月) 08:41:29 :
- リヴァイの、幼稚園児レベルを超えた語彙力がシュールですね!
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- 15 : 2015/02/23(月) 17:14:14 :
- >>14がきゅうさん、確かに幼稚園児にあるまじきw
みかさちゃんとコントラストにしたくて!
星ありがとうございます、嬉しいです!
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- 16 : 2015/02/23(月) 17:25:45 :
- wwwwwおもろwww
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- 17 : 2015/02/23(月) 17:25:51 :
- リヴァイ「てめぇ……俺の琴線(きんせん)に触れやがったな! デリケートゾーンに足を踏み込みやがったな! 舌足らず女がっ! 」
ビュンッ!
リヴァイ君はまるで嵐の様な勢いで、ミカサちゃんに飛びかかった。
そのリヴァイ君のスピードたるや、ウサイン・ボルト顔負けである。
ミカサ「…………えいっ!」
だがその体当たりを、ミカサちゃんの巨体はひらりとかわした。
リヴァイ「な、なん、だと?!」
リヴァイ君は驚愕のあまり、背丈と同じく小さな黒い瞳を目一杯見開いた。
何を隠そうリヴァイ君、背丈こそ少ないが、喧嘩はめっぽう強いのだ。
この開幕いきなり体当たり戦法を食らわなかった園児は今まで存在しなかった。
リヴァイ「(くそっ、こいつは一体なんなんだ! 俺の技を避けやがるとは……ただ者じゃねえ)」
ミカサ「あっ、ちぇんちぇ(先生)が呼んでる。」
険悪な目付きを向けられても素知らぬ顔で、ミカサちゃんはクラスの輪に戻って行った。
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- 18 : 2015/02/23(月) 17:33:59 :
- リヴァイ「(くそっ、くそっ、くそっ……俺はまた、負けた。背丈でも新入園児に勝てない、それどころか喧嘩まで……)」
リヴァイ君は青組の教室で机に突っ伏していた。
「さあ、青組の皆。今から新入園児さんのクラスに歌を届けに行きますよー」
リヴァイ君の心の闇とは裏腹な、先生の明るい笑顔と声。
傷心中のリヴァイ君の心に、その明るさは届くはずもなかった。
リヴァイ君は茫然自失の様子で、ただふらふらとクラスメイト達の列に続いたのだった。
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- 19 : 2015/02/23(月) 17:35:01 :
- >>16御由羅さん、ありがとうございます!嬉しいです!
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- 20 : 2015/02/24(火) 08:59:27 :
- リヴァイ「はあ、歌なんて歌う気分じゃねえ……。」
リヴァイ君は元気のない顔をして呟いた。
だが、容赦なく歌の時間はやってくる。
ジャンジャジャジャーン♪
ジャジャッジャジャーン♪
ピロピロロン、ポロン♪
『楽しい楽しい幼稚園♪みんなみんなお友だち~♪』
愉快な前奏から楽しげな歌が始まる。
リヴァイ君は真面目だ。
いくら気分が乗らなくてもしっかり歌う。
虚空を見つめながら、小さな口を大きく開けて、歌った。
だが、その視線をふと前に向けた時、リヴァイ君は思わず歌うのをやめた。
リヴァイ「(ちっ……あいつめ)』
リヴァイ君の視線の先には、腕を組んで興味なさそうに自分を見下しているように見えるミカサちゃんがいた。
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- 21 : 2015/02/26(木) 17:09:12 :
- 背丈と同じく小さな黒い瞳ww
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- 22 : 2015/02/27(金) 10:48:17 :
- >>21
RPG-7さん、コメントありがとうございます!
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- 23 : 2015/02/27(金) 10:48:34 :
- 「青組さんのお歌、とっても上手でしたね! 梅組さんお礼を言いましょう!さんはい!」
『ありがとうございました!』
『いいえ、どういたしまして!』
年少の梅組さんが可愛らしくおじきをする中で、一人腕組みをしているミカサちゃん。
そして、年長青組の中で一人、鋭い視線で口を真一文字に結んでいるリヴァイ君。
二人の間には剣呑な空気が漂っていた。
リヴァイ「(ちっ、あの舌足らずでか女、メンチ切ってきやがる。くそ生意気だ。ただでかいだけで偉そうだしな。)」
ミカサ「(何なの、あのちび。歌もいっちょうけんめえな割りにはへたくちょで、一人音外していたち。わたちの方が絶対歌上手いち。)」
結局リヴァイ君たちが青組に去るまで、ふたりのメンチの切りあいは続いた。
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- 24 : 2015/03/02(月) 16:17:03 :
- 幼稚園児のくせにメンチの切りあい……w
続きに期待してます。
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- 25 : 2015/03/02(月) 16:27:47 :
- ミカサの、へたくちょ可愛いw
幼稚園児が腕組み…怖いw
期待です(*´∀`*)
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- 26 : 2015/03/02(月) 16:32:20 :
- 幼稚園児で身長きにするリヴァイは面白いwwwwwwwwwwwww
というかミカサでかいのかw
期待w
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- 28 : 2015/03/04(水) 12:45:05 :
- こうして、因縁の幼稚園児の対決の火蓋が切って落とされる。
一年に渡る闘いの一部始終を、皆さんはこれから目撃する事になる。
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- 29 : 2015/03/04(水) 12:45:23 :
- ──わくわくの身体測定──
リヴァイ「今日この日のために俺は毎日不味くて臭い牛乳を飲みまくり、カルシウムになる煮干しを貪りくらい、エビフライは尻尾までたいらげるっつー荒行を成し遂げてきた! だから今日は必ず、必ず!!!」
リヴァイは恐る恐る身長計に乗った。
「リヴァイ君、106.9㎝……少し増えてるわね。」
リヴァイ「三ヶ月前と0.1しか変わってねえぇぇ! 先生はっきり言ってくれ、俺は病気なんだろ?! 」
「あっ、病気ではないと思うけど……叔父さんに伝えておくから拗ねないでね?」
リヴァイはぷんすこした。
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- 30 : 2015/03/04(水) 13:10:54 :
- その頃の梅組。
ミカサ「……ふっ、また伸びた。110㎝にとうたちゅ(到達)した。」
「ミカサちゃんは背が高いねぇ! 」
「ミカサちゃんはきれいだね! 」
「僕っミカサちゃんを彼女にするっ! 」
ミカサ「そ、そんな事言われても、なにもでない……。」
ミカサちゃんは顔を赤らめた。
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- 31 : 2015/03/09(月) 00:56:50 :
- かわいい///
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