この作品は執筆を終了しています。
メリーさん『私、メリーさん…』
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- 1 : 2015/02/03(火) 03:15:03 :
- 皆さんご存知かと思われる、怪談話「メリーさんからの電話」を書いてみます。
少しオリジナル要素があります。
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- 2 : 2015/02/03(火) 03:19:02 :
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とある国道で、ひき逃げ事故がありました。
犯人は逃走中。事故にあった女の子(メリーさん)は即死でした。
これは、その犯人(以下、Aさん)が体験したお話。
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- 3 : 2015/02/03(火) 03:24:54 :
- ―1日目 夜― -Aさん宅-
プルルルルル プルルルルル
Aさん「?…こんな時間に電話か?」スタスタ ガチャ
メリーさん『私、メリーさん。今日からあなたに会いに行くね…』
Aさん「は?意味分かんねぇ」ガチャ
Aさん「なんだよ、全く。タチの悪いイタズラ電話か…?」ハァ
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- 9 : 2015/02/04(水) 22:08:33 :
- ―二日目 夜―
プルルルルル プルルルルル
Aさん「また電話かよ…」スタスタ ガチャ
メリーさん『私、メリーさん。今、B県にいるの…』クスクス
Aさん「…うるせぇ!もうかけんなよ」ガチャ
口では強がっていても、Aさんは内心焦っていました。B県と言うのは、今Aさんが住んでいる県のことだったからです。
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- 10 : 2015/02/06(金) 18:01:19 :
- ―三日目 夜―
プルルルルル プルルルルル
Aさん「またかよ…」
プルルルルル プルルルルル
Aさん「もう、出たくねぇよ…」
プルルルルル プルルルルル
Aさん「はやく止まれよ…」
プルルルルル プルルルルル
Aさん「なんなんだよ…」スタスタ ガチャ
何を思ったのか、Aさんは出てしまいました。すると、いつもと変わらないあの電話です。
メリーさん『私、メリーさん…今、B県のF市にいるの』クスクス
Aさん「嘘だろ…」ガチャ
だんだんと近づいてくる「メリーさん」からの電話。Aさんは、今まで感じたことのないような恐怖に襲われました。
自分があの時事故なんて起こさなければ、こんなことにはならなかったのかもしれない…そんな思いで胸が押しつぶされそうでした。
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- 11 : 2015/02/09(月) 18:10:26 :
- ―四日目 夜―
Aさん「……」ガタガタ
Aさんは、毎日かかってくる電話にただただ怯え、震えることしか出来ませんでした。
プルルルルル プルルルルル
Aさん「またかよ…もう、やめてくれよ…」ガタガタ
プルルルルル プルルルルル
Aさんがそんなことを思っても、電話がやむことはありません。
プルルルルル プルルルルル
Aさん「早く止まってくれよ…」ガタガタ
プルルルルル プルルルル
Aさん「俺は絶対出ねぇからな…」ガタガタ
プルルルルル プルルルルル
Aさん「止まってくれよ…」ガタガタ
プルルルルル プルルルルル
‥一時間後‥
プルルルルル プルルルルル
Aさん「止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ…」ブツブツ ガタガタ
プルルルルル
Aさん「止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ…」ブツブツ ガタガタ
シーン
Aさん「止まれ止まれ止まれ止ま…れ…?……止まった…のか…?」
シーン
Aさん「やっと…止まった…」
Aさんはやっとやんだ電話に安堵しました。しかし、Aさんの体はもう、限界に近い状態でした。
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- 15 : 2015/02/28(土) 20:18:45 :
- ―五日目 朝―
Aさんは、昨日の夜、遅くまで鳴り続けた電話の所為 であまり寝れませんでした。
そして、ふらついた足取りで行った洗面所。鏡を見て、Aさんは息を呑みました。鏡に写っていたのは、まるで魂の宿っていない骸 ように、げっそりと痩せ細った自分。あまりの容姿のひどさにAさんは耐えきれなくなり、遂に自首を決意しました。
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- 31 : 2015/09/13(日) 11:10:53 :
- ―五日目 昼―
Aさんは警察署に行き、自分の犯した罪を全て告白しました。警察はひき逃げ事故の捜索を続けていたようで、最初はAさんの告白を半信半疑で聞いていました。しかし、Aさんの切羽詰まった表情から、その話を信じるしかなくなりAさんを逮捕しました。Aさんはかなり衰弱していて、検査の為病院に行くことになりました。
そして、三日後の朝、Aさんは牢屋に入れられました。この三日間は、メリーさんに悩まされることもなく、Aさんは久しぶりに安心して眠れました。
でも、これでメリーさんの呪縛が解けたわけではありませんでした。本当の恐怖はここからだったのです。
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- 34 : 2015/12/04(金) 00:03:45 :
- ─八日目 夜─
夜、眠っていたAさんはひんやりとした空気に体を包まれたような肌寒さを感じ、目を覚ましました。
月明かりだけの頼りない光が入り込む牢屋はなんとも薄気味悪く、Aさんははやく寝てしまおうと思いました。しかし、そんな時に限ってなかなか寝れるものではありません。
何分か経ったとき、通路の方から微かにコツ、コツ、と足音のようなものが聞こえてきました。始めは、すごく小さなもので特に気に留めるようなものでもありませんでした。しかし、その音が段々と大きくなっていき、近付いて来ていると分かったとき、Aさんの体は恐怖で震え始めました。
恐怖で震えるAさん。その頭の中でAさんが考えることはただ一つ。足音の正体がもし、あの「メリーさん」だったら…自分はどうなるのだろう…その考えは、最も考えたくないことであるのに、頭の中からでていきません。
Aさんはパニックに陥りました。
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- 35 : 2015/12/04(金) 00:59:25 :
- 少しずつ、確実に近付く足音。もうAさんのいる牢屋までそう遠くない場所にいることが分かりました。しかし、どういうわけか足音はいきなり止みました。Aさんが、止んだ足音に安心し、ほっと一息ついたその瞬間。
キィッと音を立てて、ドアが開きました。
カギが掛かっているはずのドアが、カギを開ける音もせずに開いたのです。Aさんはドキリとしました。気付けば、頬には冷や汗が流れ、顔は無意識のうちに開いたドアの方を向いていました。
Aさんは最初、自分が見ているものを理解することができませんでした。少しずつ、少しずつ理解していき、ソレが何であるか分かったとき、短い悲鳴をあげ、気を失ってしまいました。
そこに居たのは…
血だらけの女の子。そしてその姿は、あの日Aさんが轢いてしまった女の子と全く同じだったそうです。
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- 36 : 2015/12/04(金) 01:21:19 :
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- 37 : 2015/12/04(金) 01:32:02 :
- ~Epilogue~
翌朝、牢屋の中で倒れていたAさんを見回りの人が見つけたそうです。すぐに病院に運ばれ、検査が行われました。身体にはなんの異常もありませんでしたが、Aさんが目を覚ますことはありませんでした。
今も眠っているAさんは、時折何かにうなされているようで、うわ言のように「メリーさんが…メリーさんが…」と繰り返すことがあるそうです。
もしかしたら彼は、ずっと覚めることのない悪夢を見せられているのかもしれませんね。
医師の人は精神的なダメージによるもので目が覚めないと判断しているそうですが、果たして本当にそうでしょうか…?
Aさんのうわ言を聞いた一部の人は、そうは思わないようで、「メリーさんに取り憑かれた」なんて言ってる人も少なくないようです。
まぁ、どちらにしろ、彼の目が覚めることはないでしょう…
~fin~
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- 38 : 2015/12/04(金) 01:40:18 :
このお話を読んで下さった方々、期待コメント等をしてくださった方々、お気に入りに登録してくださった方々、本当にありがとうございます。
期待コメント等は非表示にさせて頂きましたが、凄く励みになりました。
逮捕された人がどのようなところで過ごしたり、警察がどのような仕組みなのかあまりよく知らないので、変な点もたくさんあるかと思われますが、もしそのような点を見つけられた場合は、教えて頂けると嬉しく思います。
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- 39 : 2015/12/04(金) 17:35:36 :
- え……呪い……!!!怖いわぁ……。
杏花ちゃん、さいこぉぉぉぉぉぉ!、!
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- 40 : 2015/12/04(金) 17:44:52 :
- >>39
怖かったなら、良かった♪
ありがとっ!
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- 41 : 2015/12/04(金) 17:46:59 :
- うむ、杏花が喜ぶなら嬉しいのう♪
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