このSSは性描写やグロテスクな表現を含みます。
この作品は執筆を終了しています。
明待鳥ーあけまちどりー
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- 1 : 2015/01/17(土) 22:56:44 :
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キミドリさん主催、シチュエーション固定リヴァハンSS企画の参加作品です。
http://www.ssnote.net/groups/1069
私が選択したお題は『夜会』です。
大人104期生シリーズの中では『風を読む者』の後辺りのお話になります。
ネタバレは特にありませんが、ある意味キャラ崩壊かもしれません…(;^_^A
それでも大丈夫な方、マイペース更新ですがよろしくお付き合い下さいませ。
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- 2 : 2015/01/17(土) 23:09:03 :
「そもそも何故兵士に女性が少ないのかご存知ですか?」
いきなり執務室に押しかけた来訪者を快く迎えた後輩兵士は、彼の話を全て聞き終わった後、静かに尋ねた
まだ幼さの残る童顔の中で、そこだけ老獪の色に翳る碧眼が真っ直ぐにモブリットを見つめる
「男と女では根本的に身体の造りが違うからだろう?社会的役割も違うしね」
モブリットの答えに彼は首を横に振った
「闘士のように肉体を使った戦いをする場合はその通りです。
だけど武器を使い、系統立った指揮の元での戦闘に関しては、それ程男女の能力の差は無いんですよ」
「なら何が違うっていうんだ?
いや…そんな事より俺はあの人について…」
言い募るモブリットの言葉を最後まで待たず
「心ですよ、モブリットさん。男と女ではここの形が全く違うんです」
アルミンは右手の拳を左胸に当て、そこを軽く叩いた
「心……」
その単語にモブリットの胸は締め付けられるように痛んだ
薄曇りの肌寒い冬の午後
窓の外をぼんやりと見つめる女性の姿が脳裏に浮かぶ
次の瞬間には自分に気付き、人懐こい笑顔を向けて来るのだけれど、その笑顔は見る人の切なさを誘うような哀しみの色を湛えていた
誰よりも彼女の近くにいた
誰よりも彼女を理解していると自負していた
なのに彼女は自分の手からすり抜けるように、零れ落ちてしまった
誰よりも
その強く輝く自由な心を護りたいと願っていた自分の目の前で…
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- 3 : 2015/01/17(土) 23:21:08 :
テントウムシが目の前の草の葉を登って行く
横になったまま、その様子を至近距離で見つめるハンジ
昼夜逆転の生活は良くないとモブリットに言われ、日中はなるべく外で過ごすようにしていた
しかし理性では抗えない程の倦怠感には勝てず、服が汚れるのも構わず木陰に身体を横たえていた
テントウムシは葉の頂点まで登ると、迷うこと無く羽を開き、空に向かって飛び立つ
どこに行くのか…
その様子を目で追いかける
「あ……」
小さな命の行方を追って視線を上げたハンジの目に、見慣れた男の顔が映った
「リヴァイ?」
慌てて身を起こしたハンジの髪には、細かな枯れ草が幾つもついていた
「チッ…汚ねぇな…こんなところに転がってるんじゃねぇよ」
眉間の皺を更に深くしながら頭を払ってくれるリヴァイの手が思いの外優しくて、少し違和感を覚える
「風呂にはちゃんと入ってるみてぇだな」
彼らしい挨拶の言葉が懐かしい
そういえば以前は、気絶させられて風呂場に放り込まれたこともあったっけ…
「毎日ちゃんと入ってるよ。すごく面倒だけど」
ハンジは笑顔で答えた
「規則正しい生活をしてないとモブリットに怒られるんだよ…まぁ、他にやることも無いしね」
「その当たり前の事が今まで出来なかったんだろうが」
「…そうだねぇ」
どこか他人事のようにそう言うハンジに、リヴァイは尋ねた
「ーーーまだ、夢を見るのか?」
その問に答えはなく
「せっかく来たんだから、お茶でも淹れるよ」
そう言って背を向けたその後ろ姿が微かに震えているように見えて
リヴァイは口の中で小さく舌打ちをした
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- 4 : 2015/01/17(土) 23:37:48 :
「生命の危機を感じるような強い被虐体験で受けるストレスは、男女共に差がありません」
一体この青年はどれだけ多岐に渡る知識をその小振りな頭に詰め込んでいるのか
淀みなく口から出る言葉の旋律に、こんな時でなければ心地よい気分になってしまいそうだった
「でも加虐側、相手を傷付ける事で生まれるストレスは、女性の方が受けやすいらしいんです。
原因ははっきり解ってるわけではないんですけどね。
本能として持つ攻撃性の差や、組織に対する価値観の違い。
他者への共感性が女性の方が高いのでストレスを受けやすいという見解もあります」
「加虐によるストレス…それがあの人にも当てはまると?」
「見えないものの話ですから。可能性の一つというだけです」
彼の言う通り、正解の無い分野の話だ
こうして症例に当て嵌めること自体無意味なのかもしれない
それでも、少しでもいいから闇に零れた彼女に近づきたかった
「男は理性と衝動で人に刃を向けます。憎しみの対象が別の者だったとしても、それが必要なら、もしくはその衝動が昂まれば、自分とは何の関係の無い者でも傷付けられる」
「兵士なんかはまさにそうですよね。組織の為に、仲間の為に。
個人的にはなんの恨みもない相手に刃を向ける」
アルミンは自嘲気味に言った
兵士として生きる彼の手もまた、血に染まっている…
「でも女が刃を向ける相手は愛憎が絡んだ者だけです。決して相手を間違えない」
確かに彼女は巨人を憎んでいた
仲間を、部下たちの命を奪った巨人を心から憎んでいた
『巨人好きの奇行種』と言われる事もあったが、決して巨人が好きだったわけではない
常軌を逸した憎しみが彼女を巨人研究に駆り立て、あたかも巨人を愛しているかのように周りには見えているだけだった
そう、彼女は愛する事と同等の誠実さと情熱を持って巨人を研究し、巨人を屠り続けていた
巨人が『人を喰らう化け物』という大きな一括りでしか認識されていなかった時は…
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- 5 : 2015/01/18(日) 22:21:20 :
ラガコ村の一件で憎むべき対象にブレが生まれた
中央憲兵の存在で、更に迷いを感じるようになった
それでも彼女は前に進むしかなかった
兵士として
調査兵団という組織の一員として
その小さな背中にたくさんの兵士たちの人生と想いを背負いながら
巨人を屠り
人を拷問にかける
「それは女性にとって本能に反する行為なんです」
アルミンが続ける
だから彼女達は人を傷付ける事で自分が傷付くんです
自分の行った行為に傷付き
傷付く事で命を失った仲間や組織を裏切った気持ちになって、更に傷付くんです
途中からアルミンの声には何かを堪えるような響きが混ざっていた
自分が最愛の女性を想うように、彼もまた水晶の中の少女を想っているのかもしれない…
そうモブリットは思った
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- 6 : 2015/01/18(日) 22:43:01 :
「おい、ここは誰の部屋だ?」
数年前に兵団を退いたリヴァイは、久しぶりに訪れたハンジの執務室を見てそう尋ねた
役職こそ就ていなかったが、前団長として顧問的な立場にあるハンジには、兵舎の中に専用の個室が割り当てられている
しかしその部屋は書きかけの書類が散乱していることも無く、読みかけの専門書が山になって雪崩を起こしていることもない、清潔で明るい、整頓された空間だった
「私の部屋に決まってるだろう」
苦笑しながら答えるハンジの腕を、リヴァイの手が捉え
「座れ」
無理やりソファーに座らせた
「部屋を綺麗にするのって意外と簡単なんだね。片付けた後何も出さなきゃ、どんどん綺麗になっていくんだよ」
俯いたまま力なく笑うハンジ
まだ握られたままの腕が、強い力で締め付けられた
「そうやってあいつらの事もきれいさっぱり片付けたのか?」
その言葉にハンジの目が丸く見開かれる
「片付けてなんかない!」
「ならなんでお前の中身は空っぽなんだ?この部屋みてぇに…」
リヴァイの問いかけに、ハンジは震えながら自由な片手で自分の身体を抱きしめた
「どうしてだろうね…空っぽに…なっちゃったんだよ…」
どんなに非情な選択を迫られても、その両足をしっかり踏みしめて前に進み
絶望的な局面でも顔を上げて運命を睨み付け、死神を払い除けていた輝く魂の片鱗は跡形もなく消えている
チッ……
耳慣れた舌打ちと共に、ハンジの身体はリヴァイの腕の中に抱え込まれていた
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- 7 : 2015/01/21(水) 21:36:49 :
ハンジが目を覚ました時、部屋の中はすっかり夜の闇に包まれていた
寝台の上には既に自分の温もりしか残っていない
まだダルさの残る身体を横たえたまま、ぼんやりと自分を抱いた男の事を思った
まだ現役で壁外調査に出ていた頃から、リヴァイとはこういう関係だった
二人は壁外から戻ると、命を失った仲間への追悼もそこそこに、まるで獣のように身体を重ねた
自分という器の中には収めきれない感情や、まだ研ぎ澄まされたままの尖りきった神経を相手にぶつけるかのように
貪り、奪い、そして意識を手放すまで絡み合い続ける
それは愛情などという甘い言葉では言い表せないほどの絆だった
唯一無二、命を預けられる相手と交わす魂の遣り取り…
しかし今のハンジはつい数刻前のその濃いひと時の事すら、霞のかかった記憶の片隅でしか覚えていなかった
まだ所々が痛む身体は、確かに情事の名残を彼女に伝えていたが、何の感情も湧いては来ない
全てが夢の中の出来事のように曖昧で、自分の身に起こっている事だというリアリティが欠如していた
気持ち悪い…
あるべき感情が、どこか遠い所に置き去りにされてしまったかのような感覚…
まるで自分が自分で無くなってしまったかのような空虚感を感じ、自らの体液で湿った寝台の上で、胎児のように身体を丸めるのだった
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- 8 : 2015/01/21(水) 22:35:23 :
しばらく横たわったまま、発作のように起こる不安の波が引いていくまでをやり過ごす
昼に見たテントウムシは何処へ飛んで行ったのだろう…
そんな心を乱すことの無い些細な記憶に想いを巡らせ、ようやく落ち着きを取り戻したハンジは、喉の渇きを覚えてサイドボードに置かれた水差しに手を伸ばした
ーーー?
そこには見慣れぬ封筒が置かれていた
リヴァイが持ち込んだものだろうか…?
上質な紙で作られた封筒には、何も書かれていない
返してみると、紅い封蝋に貴族のものらしい家紋が印されていた
華やかな社交界とも政治に関わる大任とも縁の無い自分に、貴族からの封書など届く謂れは無い
不審に思いながらも、今の自分では中を確かめて冷静な判断が下せるとは思えなかった
彼女は封筒を開けることなく、そのまま引き出しへとしまった
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- 9 : 2015/01/21(水) 22:56:05 :
「傷付いた彼女の心は、元に戻るのだろうか…」
目の前にいるアルミンにも届かないような小さな呟き
それを聡い青年は聞き逃すことなく丁寧に拾い上げた
「モブリットさんは…あの方の為なら全てを捨てる覚悟がありますか?」
視線を上げると、相変わらず本心の読めない深い瞳が彼を真っ直ぐに見つめていた
何を今更…
それを俺に訊くのは愚問でしかない
「今の俺には彼女以外に失うものは何も無い。
もう一度彼女が飛び立てるのならば、どんな事でもするよ」
いつも傍にいて彼女の背中だけを見てきた
対等な位置でその手を預けられることはなくとも、彼女の魂を見つめ護れるならば、盾となる己の身が砕け散っても悔いはない
そう思い続けて今日まで来たのだ
改めて言葉にすることで、モブリットは一層その想いを強くした
そんな彼を見たアルミンは、ふわりと表情を柔らげ
「良かった…実はもうダメもとで招待状を届けてもらっちゃってたんです」
と、まるで悪戯を見咎められた少年のように笑った
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- 10 : 2015/01/21(水) 23:28:03 :
数日後
ハンジは目の前に置かれた上品な色合いのドレスを人差し指と親指で摘み、眉間に深いシワを刻んでモブリットを問い詰めていた
「これ、何?」
「ドレスですよ」
「見ればわかるよ。誰の?」
「ハンジさん、貴女のです」
「私はこんなの着ないよ?」
「着てもらわないと困るんです。最低限のマナーなので」
「困るって…誰が?」
「貴女と一緒に夜会に行く私たちですよ」
そこでようやく顰められた眉が元に戻り、代わりに眼鏡の奥の眼が大きく見開かれた
「夜会?!」
「この前リヴァイさんがみえた時、招待状を受け取りませんでしたか?」
想定内の反応に、モブリットは落ち着き払って答えた
「あ……」
サイドボードに置かれた封筒に思いが至る
引き出しにしまったまま、結局今まで中を確認していなかった
「まぁ、招待状がなくても問題ありません。
今日の夜会はごくごく限られた関係者しか来ない、身内の会ですから」
呆気にとられているハンジを尻目に、モブリットはテキパキと支度を進めていく
「ちょっ…待って!どうして夜会なんかに出なきゃいけないの?
イヤだよ…私は行かないよ…」
ただでさえ夜会のような欺瞞と虚栄に満ちた世界とは関わり合いたくないと思い、今までも避けてきていたのだ
こんな精神状態で出掛けても、まともに振る舞える自信はない
「大丈夫です。エルヴィンさんやアルミンも行きますし、リヴァイさんがエスコートしてくれますから」
「何それ?!質問の答えになってないよ!」
軽くパニックを起こしかけ、ヒステリックな声を上げるハンジを、モブリットの穏やかな声が制した
「ハンジさん、俺を信じて下さい。
決して貴女に苦痛を与えるような事はしませんから」
真摯な瞳でハンジを見つめる
「貴女自身の為に、この夜会に出て欲しいんです」
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- 11 : 2015/01/26(月) 21:42:03 :
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そしてハンジは今、リヴァイと共に夜会へと向かう馬車の中にいた
モブリットはアルミンと同じ馬車で、一足先に会場へと向かっている
着慣れないドレスが身体を締め付け、馬車の揺れと相まって気分が悪かった
一度だけだからとモブリットに懇願され渋々承諾したものの、会場に着く前にも関わらず、既に彼女は激しい後悔の念に襲われていた
隣に座るリヴァイは、青ざめているだろう自分の姿を見ても何も言っては来ない
人を甘やかす男ではないとはわかっていたが、心細さと不安で身体が小刻みに震えた
「ねぇ…リヴァイ?」
「なんだ?」
「気分が悪いんだ…帰りたい」
リヴァイは窓の外に向けていた視線を一瞬ハンジに向け
「お前が行くと決めたんだろう。
一旦覚悟したなら耐えろ」
素っ気ない言葉を吐くと、そのまま顔を逸らした
「……リヴァイ」
以前ならこの程度の事を言われても、全く気にならなかった
笑って受け流すか、鼓舞されて息巻いていただろう
しかし今そう突き放されて、彼女の口から出たのは、自分でも驚くほど弱々しく、まるで子猫の鳴き声のような甘えを含んだ声だった
「チッ…」
縋るように掴んだリヴァイの腕が、何故か緊張で硬くなるのを感じる
「お願いだよ…帰して…」
束の間の逡巡の後、リヴァイはハンジの手を取り、ゆっくりと言った
「もう一度だけ選ばせてやる」
「え…?」
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- 12 : 2015/01/26(月) 22:30:23 :
「このまま夜会に行くか、それとも帰って兵団を出るか、選べ」
「ちょっと待って…帰りたいとは思ってるけど、兵団を出るってどういうこと?」
「今の兵団にはまだ、お荷物を抱える余裕はねぇだろう」
ストレートな言葉が心を抉る
「お荷物…か…」
「そうだ。お前ここ数ヶ月、顧問としてまともな仕事をいくつした?」
ハンジは黙ったまま首を横に振った
「夜会に出ねぇつもりなら、兵団から離れろ。それが条件だ」
彼の言うことはもっともだった
はっきりとそう言われたことで傷付いた反面、今まで自分を縛り付け、苦しめてきたたくさんの鎖のうちの一つがスッと消え、僅かながら心が軽くなったような気がした
「……そうだよね…リヴァイ、君の言う通りだ。
私はあそこにいるべきじゃない」
ハンジの言葉にリヴァイは何も言わず視線を再び窓の外に戻した
ーーー12の頃から兵士として生きてきた
それ以外の道を知らぬまま、今日まで走ってきた
多分死ぬまで兵服を脱ぐことはないだろうと思っていた
しかし兵士であることは彼女の誇りであると同時に、耐え難い苦しみの記憶を内包する双刃の剣でもあったのだ
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- 13 : 2015/01/26(月) 22:49:08 :
そして
「クソメガネ一人ぐらいなら、俺が世話してやる」
窓の外を見つめたままそう告げられた時、また一つ小さな鎖が解けた
ああ…
この男はなんて強いんだろう…
ハンジは素直にそう思った
「ありがとう…リヴァイ…」
彼が示してくれているのは、兵士ではない生き方だった
今までは自分の人生を人に委ねることなど考えたこともなかったのに…
その提案を心のどこかで心地よいと感じてしまう
ーーーもう…いいよね
「お前はやれるだけのことをやった。
それが正しかったかどうかなんて、俺たちが考えることじゃねぇ。
今生きてる奴らがすっかり灰になっちまった頃に、ようやく分かるんだろうよ」
乾いた砂に水が染み込むように、かつて共に闘い背中を預けあった男の言葉が、ハンジの中を満たしていく
「だから考えるのはやめろ」
ーーーうん
ハンジは小さく頷いた
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- 14 : 2015/01/29(木) 19:12:30 :
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その間も馬車は止まることなく走り続け、南部突出区であるエルミハ区に差し掛かろうとしていた
ハンジの精神状態は先ほどとは比べものにならないほど安定してきている
「戻るか?」
そうリヴァイに尋ねられ彼女の頭に浮かんだのは、ずっと自分をサポートしてきてくれた部下の顔だった
「いや…夜会には出るよ。
でもこれで終わりだ。済んだら兵団を離れる」
モブリットは自分に訴えかけてきた
『貴女自身の為に…』と
現役の頃からどれだけの心配をかけてきたか
どれだけ助けられてきたか…
両手両足の指を全部足しても足りないだろう
ずっと自分を献身的に思ってくれていたモブリットが、そこまで言うのなら…
少しだけ心に余裕の出来たハンジは、彼の為に一夜の我慢を許容する気持ちになっていた
ハンジの答えを聞いたリヴァイは、僅かに眉間の皺を深くした
「……そうか」
「うん、とは言ってもまともな状態で居られるかは分からないから、離れないでね?リヴァイ」
「ああ…」
それぞれの想いを乗せた馬車は、日の暮れかけた街を抜け、目的地に向けて順調に進んで行った
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- 15 : 2015/01/29(木) 19:41:57 :
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ほどなくして二人はシーナ郊外にある、小さいながらも古い歴史と品格を感じさせる上品な小貴族の館に到着した
「お待ちしておりました」
入り口で迎えてくれた執事が二人に仮面を手渡す
「……これ付けるの?」
「チッ…」
王都の夜会などでは、貴族同士が一夜の遊び相手を探す為に仮面を付けると聞いたことがある
その悪習はこんな都の外れにも浸透しているのだろうか?
ーーーこんな事ならやっぱり戻っていればよかった…
まだ不安定な心が挫けそうになった時、リヴァイの武骨な手がハンジの腰を抱いた
「行くぞ」
しっかりと固定された腕は身じろぎぐらいでは揺るぎもしない
この男の本質を表しているかのような力強さに、ハンジは不思議な安心感を覚えた
そしてリヴァイの腕の暖かさに励まされ
「ん…行こう」
二人は広間の扉をくぐった
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- 16 : 2015/01/29(木) 20:03:04 :
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会場に足を踏み入れたハンジは、中に広がる意外な光景に、一瞬自分の目を疑った
広間の大きさはごく一般的な小貴族の館のものだった
そこに男女合わせて50名ほどの人々がひしめいている
しかし夜会には必ずあるはずの音楽も豪奢な食事もない会場は、まばらに設置されたテーブルに申し訳程度の飲み物が置かれているだけの殺風景さだった
「何これ…?これが夜会?」
ハンジがそう思うのも無理はない
服装こそ皆、普通の夜会のドレスコードにかからないものを身に付けているが、ある者は上着を脱ぎ捨て、またある女性は長いドレスが邪魔なのか両手でたくし上げている
そこにいる全ての人が、会話と言うにはいささか激しい議論に夢中になっていた
上辺だけの談笑や、いかがわしい囁きが充満する夜会とは全く異なる空気
一人一人の持つ熱が、この広間の温度を上げているようにも思えた
「面倒くせえ。説明はあいつに訊け」
リヴァイが顎で示した先には、仮面を着けていても一目で誰だか分かる、指揮官のオーラを今だに滲ませた男の姿があった
「エルヴィン!」
二人に気付いた美丈夫は、にこやかな笑みを浮かべて会話の輪から外れ、こちらに歩いて来る
「やぁ、久しぶりだねハンジ」
「ここは何?みんな何をしてるの?」
挨拶を返すのも忘れて尋ねる
そんなハンジの扱いに慣れているエルヴィンは、落ち着き払った笑顔のまま答えた
「ようこそ『自由の翼を持つ者』の夜会へ」
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- 17 : 2015/02/02(月) 21:05:32 :
「……自由の翼…?この人達はみんな調査兵団なの?」
「いや、ここに居るのはほとんどが民間人だ。
貴族でも兵士でもないよ」
答えを聞いてもますます疑問が増えるばかりだった
「きちんと順を追って説明しよう。おいで」
エルヴィンに促され、ハンジはリヴァイと共に壁際に置いてある休息用の椅子へと移動した
二人に飲み物を渡したエルヴィンは、寄り添う二人を見て目を細めた後
「さて…どこから話そうかな…」
軽く思案する様子を見せた
「この夜会のホストは誰なの?本来なら一番最初に挨拶に行かなきゃいけないんでしょ?」
ハンジが先に問う
「ホストか、それなら大丈夫。
この夜会に主催者は居ない」
「え?」
「そうだな…強いて言うなら企画、立案は私とアルミンだ。
まだ挨拶はされていない気がするが、まぁいいだろう」
からかうように笑うエルヴィン
それでもハンジの頭の中は疑問符でいっぱいで、それを気にする余裕は無いようだった
「この館は?エルヴィン、貴方のものなの?」
「まさか!ここは団長時代から懇意にしてもらっていた貴族の別荘を借りているだけだ。
さっきここにいるのは皆民間人だと言ったよね?」
「聞いたよ。おかしいじゃないか、民間人がこんな風に着飾って、貴族の館で夜会を開いているなんて…」
「参加者の衣装を手配して届けたのは私たちだ。
もちろん資金はスポンサーが払ってくれているのだけどね」
俄かには信じられない話だった
確かに彼は、団長時代から常人では思いつかないような大胆かつ緻密な作戦を立案してきた男だが…
どんな酔狂な貴族が民間人に対し、決して安くはない衣装と夜会を開くだけの資金を提供するというのか?
考えられるとすれば…
「ここにいる人たちって…もしかして…」
「やっぱり君は頭が良く回る。
そう、ここにいるのは前時代から伝わる知識や、新しい技術への探究心を王政に弾圧され、孤独に耐えながらも決して諦めなかった人々だよ」
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- 18 : 2015/02/02(月) 21:33:41 :
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そう肯定され、改めて会場を見渡してみると、いくつかのテーブルでは古い書物を広げたり、設計図のようなものを覗き込む姿が見られた
「私の父やアルミンのご両親のように志し半ばで夢を絶たれた人々は、それでも後世に卵を遺すことを諦めてはいなかった。
小さな卵はやがて小さな鳥となり、広い空を目指す為の翼を得るんだ。
でもね、王政の力が弱まったとはいえ、今はまだ『その時』じゃない」
ここまでを一気に語ったエルヴィンの表情を、ハンジは何度も見たことがある
それはこの会場にいる全ての人に共通するものでもあった
ーーー夢を追う者の顔
身体中に熱い何かが戻ってくるのを感じる
「だから私とアルミンは、誰にも言えない孤独を抱えて朝を待つ小鳥たちを、コッソリとここに集めたんだよ。
薄暗い地下で集会を開けばすぐに怪しまれ、その翼は簡単に折られてしまう。
情報を流すのは、彼らの傍にいる善良な隣人だったりするからね」
「それで夜会を…?」
「これなら田舎貴族の道楽としか思われないだろう?
仮面も万が一の時の為につけてもらっている。
少数だが彼らを支援しようという、顔の知られた貴族や商人もいるからね。
まぁ…私などは仮面をつけていてもこの腕のおかげで一目で分かってしまうのだが…」
可笑しそうにくつくつと笑うエルヴィンを見て、ずっと黙っていたリヴァイが小さく舌打ちをした
「相変わらず面白くもねぇ冗談を言いやがる」
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- 19 : 2015/02/02(月) 22:17:44 :
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ーーーそうか…だからモブリットは私をここに来させたかったんだね…
客観的に見てみれば、彼らは巨人研究に没頭していた頃の私に良く似ている…
既存の説に疑問を持ち、体制の流れに逆らう研究なんて、誰にでも話せることじゃない
だから聞いてくれる相手を見つけた時は、時間を忘れて話してしまうんだ…
多分みんな半分も理解していなかっただろうけどね
研究者は孤独に強い
己の理念をひたすらに突き詰めていく者だから…
それでも嬉しいんだよ
話す相手がいることが
夢を共有し合える仲間がいることが
時間を忘れるぐらい
嬉しいんだよ…
目の前がボンヤリと歪んで見えて、ハンジは自分が泣いていることに気が付いた
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- 20 : 2015/02/02(月) 22:48:19 :
『寝てません、寝てませんよ?!分隊長のお話しはためになりますから!
え?内容?……んと…えっと…おかしいなぁ…さっきまで覚えてたんですけどね?えへへ…』
ーーー二ファ…
『え?巨人を撲滅出来たら何がしたいかって?
……それって私が生きてるうちに実現するのかな?』
ーーーナナバ…
『おいおい、そうなったら俺たちは巨人がいなくなった壁外を思う存分調査出来るのか?』
ーーーケイジ…
『巨人臭くない壁外の空気は美味いんだろうな…』
ーーーミケ…
『最初は…正直どう接したらいいか分からなかったんです…
でも彼はものすごく普通のいい子でした。
ハンジさん、どうかエレンを救ってやって下さい…お願いします!』
ーーーペトラ…
その後も次々と懐かしい顔が浮かんでくる
悪夢の中ではただ黙ってじっとこちらを見つめているだけだった彼らが、生き生きとした記憶のままに蘇る
ずっと思い返すこともなかった、暖かい日々の光景
はらはらとこぼれ落ちる涙を拭うことすら忘れて、ハンジは記憶の中の彼らに語りかけていた
ーーーごめんね、みんな…
私の仕事はここで終わりじゃなかった…
これからの人類の為に闘って来たのに、一息ついた途端にそのことを忘れちゃってたみたいだ…
ごめんね…
ありがとう…
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- 21 : 2015/02/03(火) 00:08:25 :
「ハンジ」
エルヴィンに声をかけられ我に返ったハンジは、ドレスが汚れるのも構わず袖口で顔をこすった
「…何?エルヴィン」
「向こうでモブリットたちが呼んでいる。行っておいで」
エルヴィンが指し示す方を向くと、帆船らしき模型が置かれたテーブルにいるアルミンとモブリットが、こちらを向いて手招きしているのが見えた
「じきに壁外より更に遠くへと人類が羽ばたく日が来る。
ハンジ、君はどうしたい?」
ーーー私は…
叶うものならばもう一度…
ハンジはエルヴィンに尋ねた
「私も…まだ飛べるかな?」
答えの代わりにエルヴィンは見る者を幸せな気持ちにさせる、柔らかな笑顔を見せた
その笑顔に勇気付けられて、今度はリヴァイに問う
「リヴァイ…」
彼はいつもと変わらなかった
変わらない強さを秘めた瞳で彼女を見つめ
変わらない素っ気ない口調で彼女の背中を押した
「行ってこい」
リヴァイの腕が腰から外された途端
ハンジはドレスの裾を持ち上げながら、モブリットとアルミンがいるテーブルへと小走りに飛び立って行った
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- 22 : 2015/02/03(火) 00:29:12 :
残された二人の男はゆっくりとグラスを傾けながら、飛んで行った小鳥の行方を眺めていた
「すまなかったね。『君の』小鳥をまた取り上げてしまった」
「どういう意味だ」
「おや?見たところ、ようやく手の中に落ちて来ていたようだったが?」
「器だけ手に入れても仕方ねえ」
「ははは、随分余裕じゃないか?
彼女の影となってどこまでも付いていく誰かさんに攫われないといいがな…」
からかうエルヴィンを横目で睨み付け
「だから…お前の冗談は全く笑えないと言っただろ…」
盛大に舌打ちをした
二人の視界には、傷付き、夜の暗闇に落ちてしまった探求者が、再び蘇ろうと翼を羽ばたかせる美しい姿が映っていた
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- 23 : 2015/02/03(火) 00:38:08 :
その後も夜会は幾度となく開かれた
閉ざされた壁内を憂い、未来に飛び立つべく翼を休める者たちによって
そこには再び瞳に輝きを取り戻したハンジの姿があり
時折かつて人類最強と呼ばれていた男が彼女をエスコートする姿が見られていた
彼が会話に参加することはなく、人々の間を精力的に飛び回る彼女の様子を、壁に寄り掛かり静かに見守っていたという
そして
865年晩春
長かった夜が明け
ーーー壁内に夜明けがおとずれる
fin
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- 24 : 2015/02/03(火) 00:43:51 :
-
以上で終了です
この後アルミンががんばって『夢を紡ぐ者』に繋がります
リヴァハン…思ってた以上に難しかった…
そもそも他サイトさんで見た「やさしさで出来ています」というリヴァハンのSS作品が大好きで、私のSS執筆の目標でもあったのですが…
何故こうなった(´・_・`)
明るいお話にリヴァイさんを登場させられる作家さん、改めて心から尊敬します
いつかはハートフルでキャッキャウフフな作品が書きたい…(切実)
それでもこのような機会がないと、なかなか書けなかったリヴァハンなので、企画に参加させて頂き感謝致します
最後までお付き合い頂き、ありがとうございましたm(_ _)m
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- 25 : 2015/02/03(火) 00:52:04 :
- 進撃の巨人ーlost girlーハンジ
ssだけどホントの小説さながらの文体で
面白かったです!お疲れ様でした
( ´ ▽ ` )ノ
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- 26 : 2015/02/03(火) 06:40:49 :
- 執筆お疲れ様です。
今回も月子さんの珠玉の言葉で紡がれる美しい物語を堪能させていただきました。
ハンジさんの明るさの裏に秘められた繊細な心と傷ついた彼女を見守る周囲の人々の暖かい描写が流石でした。
しかし、私だったら、モブリットに行っちゃうぞ、リヴァイさん(笑)
余裕ぶっこいてて、ハンジさん取られないように(^-^)
素敵なお話ありがとうございました。
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- 27 : 2015/02/03(火) 08:51:54 :
- 執筆お疲れ様でした!
当企画へのご参加、素敵な作品、ありがとうございました。
大人の雰囲気漂う、素敵なリヴァハンでした。
私には書けませんわ…。あんなしっとりとしたリヴァハンは。
あの夜会いいですね…。私も参加してみたい…。
「やさしさでできています」、私もあのSS大好きです。後半のリヴァイとペトラたちとのやり取りが素敵。
私の目標とするキャッキャウフフです(違。
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- 28 : 2015/02/03(火) 13:40:13 :
- お疲れ様でした
何だか感動してしまい、涙をこらえながら読ませていただきました
ハンジさんの心が元に戻って、ホッとしています!
そして、文体が上手すぎて、あれ?本物の小説家さんかなぁ…って思いました♪
やさしさでできてます、私も大好きです♪
物凄く心が落ち着きます、けど、やっぱり泣けてきちゃう…
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- 29 : 2015/02/03(火) 23:26:30 :
進撃する紅蓮の喰種さん、素敵な副題ありがとうございます。
なんだか一気にかっこよさが加わった気が…(笑)
今回はいつも以上に文体が硬くなってしまったので、取っ付きにくかったと思いますが、楽しんで貰えて良かったです。
安心しました(。-_-。)
ありゃりゃぎさん、ありがとうございます。
本人的にはストーリーやイメージを言葉に起こす作業が苦行としか思えない万年便秘状態なので、そう言って頂けると本当に報われた気分です。
私もこのリヴァイとモブリットならモブリットを選びますね。
きっと当人同士にしか分からない絆があるんです…うん…タブン…(笑)
キミドリさん、こちらこそありがとうございました。
本当はくっつきそうでくっつかないリヴァハンが好きなのですが、お二人ともいいお年になってる設定なので、大人の関係を捏造しました。
お題の『夜会』描写が少なくて何だか申し訳ない気がします(´・_・`)
キャッキャウフフ、いいですよね〜
続編の104期生がまた可愛くて…
キミドリさんなら行けます!
既にほんわかハートフルなリヴァハン作家さんなので♪
小桜いんこさん、グループでお話しされているのを見て、可愛らしい方だなぁ…と思っておりました。
そこまで入り込んで読んで貰えて、嬉しいです。
いんこさんもあのお話し好きなんですね♪
やっぱりリヴァハン好きの方には有名なのかな…
ありがとうございました(^-^)
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- 30 : 2015/02/05(木) 15:55:43 :
執筆お疲れさまです
とても失礼ながら、リヴァハンとしではなく、ハンジという1人の女兵士の物語として読ませて頂きました
斬新な文章に惚れ惚れしながらも、煮え切らないというか暖かいけれど肌寒い雰囲気の中、夜明けとともに一気に翼が広がったような美しい情景が浮かんで来ました
あなた様のセンスを頂いて素晴らしい感想を書きたいのですが自分にはコレが精一杯です(-ω-;)
素晴らしいSSをありがとうございます!
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- 31 : 2015/02/06(金) 01:07:27 :
影刻さん、失礼どころか的確なご感想、ありがとうございます。
斬新な文章というのはおそらく私が正しい小説の書き方を知らないせいかと…(笑)
いつも文章ではなく漫画のネームを作る感覚で書いております。
絵なら一目で分かる部分をイメージとして文章に起こすので、地の文が妙にくどいんですよね…
同じイメージを共有して頂けたこと、とても嬉しく思います。
ありがとうございました(。-_-。)
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大人になった104期生のお話 シリーズ
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