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ミカサ「私がレズという噂が流れているらしい」
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- 1 : 2015/01/12(月) 22:07:14 :
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~解散式 当日~
ジャン「ミカサ…お前にずっと伝えたかったことがある」
ミカサ「何?」
ジャン「そ、その…」
ジャン「好きだ!」
ミカサ「…………」
ミカサ「ごめんなさい」
ジャン「だ、だよな…」
ミカサ(そう、だって私にはずっと心に居続ける彼がいるから)
ジャン「やっぱりミカサは…」
ジャン「ユミルのことが好きなのか…」
ミカサ「えっ」
ジャン「えっ」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ミカサ「と、いうことがあったの」
アルミン「うわあ…」
※特に百合モノではありません
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- 2 : 2015/01/12(月) 22:13:52 :
ミカサ「なぜ私はレズだと思われているの?」
アルミン「うーんそれは…」
アルミン「ミカサはユミルの言うことには素直に従うし…」
ミカサ「ええ、ジャンにも言われた」
アルミン「それに…普段無表情のミカサがユミルといる時は微笑んでるし」
ミカサ「…ユミルといると落ち着くのは確か」
ミカサ「でも、私は…」
アルミン「うん…」
アルミン「エレン、でしょ?」
ミカサ「そう」
ミカサ(エレンとは6年前に出会い、家族となった)
ミカサ(それから新しい家族4人で幸せに暮らしていた)
ミカサ(5年前、超大型巨人が攻めてくるまでは)
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- 3 : 2015/01/12(月) 22:19:35 :
ミカサ(その時、カルラおばさんは巨人に食べられてしまった)
ミカサ(私たちはアルミンがハンネスさんを呼んできてくれたおかげで生きることができた)
ミカサ(それで、私たちが開拓地に移されてから一年後…)
ミカサ(エレンが、消えた)
アルミン「エレン…どこに行ったんだろうね」
ミカサ「分からない」
ミカサ「けど、必ず生きている」
アルミン「うん…」
アルミン「きっと、僕らとは違う訓練所に通っていて調査兵団を目指しているよ」
ミカサ「ええ」
ミカサ(そう、だから私は訓練所に入った)
ミカサ(エレンに再び会うために)
ミカサ(だけど、迷う時もある)
ミカサ(自分の選択が本当に正しいのかということを)
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- 4 : 2015/01/12(月) 22:24:32 :
ミカサ「エレンは…私にあったら話をしてくれるだろうか」
アルミン「大丈夫、してくれるよ」
ミカサ(私がそのように心配する理由)
ミカサ(それは、エレンが失踪する一ヶ月前)
ミカサ(彼は急に私たちに対して冷たくなった)
ミカサ(話そうとしない、目も合わせようとしない)
ミカサ(もしかしたら、嫌われたのかもしれない)
ミカサ(理由なんてわからない)
ミカサ(ただ、彼のいない生活はただただ、寒かった)
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- 5 : 2015/01/12(月) 22:39:34 :
-
アルミン「やっぱり…」
アルミン「ミカサがユミルのことを気にしてるのって入団式の日からだよね?」
ミカサ「そうかもしれない」
ミカサ(そう、あれは入団式が終わって皆で食事をとっていた時の事)
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
~入団式 食事会~
「シガンシナ区ってことは…超大型巨人、見たんだろ!?」
「どうだった?」
アルミン「えーっと…壁からヌッとでてきたね」
「鎧の巨人もみたんだよな?」
アルミン「僕はみてないや…」
ミカサ「堅そうだった」
「じゃあ、普通の巨人は?」
ミカサ「…………」
「ねえ、やめてあげなよ!」
「ああ、悪い…」
「やっぱ怖かったよな…」
ミカサ「いえ、怖くない」
ミカサ「…調査兵団に入るのに恐怖など必要ない」
ジャン「はは!調査兵団に好き好んで行く奴がいるとはな!」
ジャン(って…)
ジャン(す、すげえ美人じゃん…)
ミカサ「別に同意を求めるために言ったのではない」
ミカサ「私とアルミン…それだけでも十分」
ジャン「あ?そろひょろい男も一緒なのかよ」
アルミン「うん…」
アルミン「僕は…王政について行こうとは思わないから」
ジャン「…そんなこと言ってその女について行きたいだけなんじゃねえか?」
アルミン「なっ…」
ジャン「自分の身の丈に合うことを言った方が後で後悔せずにすむぜ?」
アルミン「そんな!僕は本気でいってるんだ!」
ジャン「はあ…理想はいくらでも語れるな」
ジャン「そんな理想をもって今まで何人の奴が死んだ?」
ジャン「人口の2割を投入しても成し遂げられなかったシガンシナ区奪還作戦はどう思う?」
ジャン「現実を見て考えろ」
ジャン「俺たちは…巨人に勝てない」
アルミン「…………」
ミカサ「…………」
アルミン(返す言葉が…見つからない)
ユミル「そうか?」
ユミル「私はそうは思えないな」
ミカサ「!」
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- 6 : 2015/01/12(月) 22:48:45 :
ジャン「あ?文句あんのかよ」
ユミル「ありまくりだな」
ユミル「まず、お前のその生きるのを諦めた態度だ」
ジャン「別に諦めるとはいってねえだろ」
ユミル「いーや、私にはそう見えるね」
ミカサ(一体…誰なんだろう)
ユミル「お前は延々と巨人に怯えながら過ごしていて満足なのか?」
ジャン「それでも自分から命をなげうつ真似はしたくねえよ」
ジャン「内地にいけば怯えなくてすむ、これでいいだろ?」
ユミル「そんなこと言ったってよ…」
ユミル「いつまでも内地が安全っていう保証はないだろ?」
ユミル「100年の平和は破られちまったんだからな」
ミカサ(なぜだろう…)
ミカサ(所々…彼を思い出す)
ユミル「別にお前の思想を全否定するわけじゃない」
ユミル「ただ、私と同じ思想を持つ奴を笑うのはやめろ」
ジャン「………」
ジャン「ああ、わかったよ」
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- 7 : 2015/01/12(月) 22:55:56 :
ジャン「なんか真っ直ぐすぎて…反論する気も失せた」
ジャン「っとに…何がお前をそこまでさせるんだ?」
ユミル「何って…」
ユミル「野望、かな」
ジャン「あ?」
ユミル「巨人を殺して殺して殺しまくって…」
ユミル「この世から駆逐する」
ミカサ「!!」
ユミル「…っていう野望がな」
『駆逐してやる…この世から、一匹残らず!』
ユミル「ってことで…よろしくな」
アルミン「あ、うん」
ミカサ「ええ…」
アルミン「僕はアルミン・アルレルトだよ」
ミカサ「私はミカサ・アッカーマン」
ユミル「おう」
ユミル「私は…」
ユミル「ユミル・イェーガーだ」
ミカサ・アルミン「!!?」
ミカサ(これが…私と彼女”ユミル・イェーガー”との出会いだった)
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- 8 : 2015/01/13(火) 21:49:18 :
アルミン「イ…イェーガー?」
ユミル「どうした?」
アルミン「じゃあ…親戚に”エレン・イェーガー”という人がいるかな?」
ユミル「………」
ユミル「知らねえな」
ユミル「私には親戚も家族ももういねえしな」
アルミン「あ…ごめん」
ユミル「いいんだ」
ミカサ「………」
ユミル「どうした、じっと見て」
ミカサ「!!」
ミカサ「い、いえ…なんでもない」
ミカサ(黒髪に鋭い目つき…)
ミカサ(決して似てるとは言えない)
ミカサ(第一この人は女性じゃないか…)
ミカサ(だけど…この日から、私の中で彼女の存在は段々と大きくなっていった)
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- 9 : 2015/01/13(火) 21:54:46 :
- 期待
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- 10 : 2015/01/13(火) 21:58:33 :
- ユミルよエレンでも食べたのかw
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- 11 : 2015/01/13(火) 22:06:49 :
ミカサ(厳しい訓練にも馴れてきた頃)
ミカサ(ユミルはアルミンの次によく話す良き理解者となっていた)
ミカサ(そんな彼女にだから話した)
ミカサ(…エレンのことを)
ユミル「へえ…お前そいつのことが好きなのか」
ミカサ「す、好きというより…」
ミカサ「大切な…存在」
ユミル「お~青いね青いね」
ミカサ「…」
ミカサ「でも…エレンは私のことを嫌っている」
ユミル「何かあったのか?」
ミカサ「彼が居なくなる一ヶ月前から、急に冷たくなった」
ミカサ「確かに私はお節介が過ぎたのかもしれない」
ミカサ「エレンに愛想をつかれても仕方がないと思う」
ミカサ「だけど…」
ミカサ「アルミンにまで冷たい態度をとった理由がわからない」
ユミル「………」
ユミル「なあ、ミカサ」
ユミル「お前はエレンも、アルミンも大切に思ってきたんだよな?」
ミカサ「ええ、もちろん」
ユミル「じゃあ、エレンも同じ気持ちだ」
ミカサ「え…?」
ユミル「大切に思うからこそ、避けなければならない理由があったんだ」
ユミル「決してお前らが嫌いだからという理由なんかじゃない」
ミカサ「………」
ミカサ「なんで…そんな風に断言できるの?」
ユミル「…さあな」
ユミル「それはきっと…お前ら2人といたら、私が落ち着くからだろうな」
ミカサ(理由になっているかは分からなかった)
ミカサ(だけど…)
ミカサ(その確信に満ちたような答えがなぜだか私を安心させた)
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- 12 : 2015/01/13(火) 22:18:38 :
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
~解散式 食事会~
マルコ「ジャン、どんまい」
ジャン「う、うるせえな!」
コニー「えー!ジャンまじで告白したのかよ!」
サシャ「振られると分かっていて告白するとは…」
ジャン「だからうるせえよ!」
アルミン「もうその話でもちきりだね…」
ミカサ「ええ」
ユミル「いや~モテモテだな、ミカサ」
ミカサ「!」
ユミル「隣いいか?」
ミカサ「ええ、どうぞ」
ユミル「…長かったな、3年間」
アルミン「確かに…よく卒団できたなとつくづく思うよ」
ユミル「はは、アルミンはギリギリだったもんな」
ユミル「それに比べて…」
ユミル「主席とはやるじゃねえかミカサ…」
ミカサ「そういうあなたも5位なのはすごい…と思う」
アルミン「確かに…ユミルはもっと手を抜くタイプだと思ってた」
ユミル「あ?失礼だな」
ミカサ「やっぱり…夢のため?」
ユミル「ああ」
ユミル「………」
ユミル「なあ、お前らはさ…まだ調査兵団に行きたいと思っているのか?」
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- 13 : 2015/01/13(火) 22:19:40 :
- あ…((察し
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- 14 : 2015/01/13(火) 22:35:31 :
アルミン「うん、変わらないよ」
ユミル「でもよ…アルミンは戦闘より設計の方へ進めって教官にも言われてただろ?」
アルミン「それでも…変わらない」
アルミン「僕にも僕の夢があるからね」
ユミル「そうか…」
ミカサ「…私たちに調査兵団へ行って欲しくないの?」
ユミル「…………」
ミカサ「私は…一緒にいたい」
ミカサ「一緒に戦いたい」
コニー「おいジャン、聞いたか!?」
ミカサ「!?」
コニー「やっぱり俺らの読みは正しかったぜ!」
ミカサ「な、なに…?」
サシャ「ミカサ…繁殖はできないと思いますが応援しますよ!」
ミカサ「???」
ミカサ「あなた達が何をいっているのかわからない…」
ライナー「くく…お似合いだと思うぞ」
ユミル「あー…なるほど、そういうことか」
ユミル「残念だったな、ジャン」
ユミル「お前の大好きなミカサちゃんはもう私にぞっこんだ!」
ミカサ「!?」
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- 15 : 2015/01/13(火) 22:49:31 :
ジャン「くそ!女に負けるなんてだらしねえ!」
ユミル「恋も実力も負けるとはざまあみろだな」
マルコ「しかも順位はアニよりも下だしね」
ジャン「お、お前まで…」
ジャン「くそ!!こうなったらやけ酒だ!」
ジャン「いいさ…これからは内地でぬくぬく暮らしていけるんだからよ!」
ユミル「まーだそんなこといってんのか」
ジャン(ちくしょう…)
ジャン(こいつの場合、調査兵団に行くっていっても実力に見合ってるから何も言い返せねえ)
ジャン「ああ…もう、なさけねえ」
ミカサ「ユミル…さっきの言葉は一体?」
サシャ「決まってるじゃないですか!」
サシャ「ミカサへの愛の告白ですよ!」
ミカサ「え、え!!?」
ミカサ「それより…続きを」
ユミル「まあミカサ…さっきまでの重い話は一旦なしだ」
ユミル「まだ所属兵団を決めるまで時間はある」
ユミル「だからそれまで…しっかり楽しもうじゃねえか」
ミカサ「……わかった」
ミカサ(私は彼女のこういうところが好きだ)
ミカサ(もちろん、恋愛的な意味ではないけれど)
ライナー「1位と5位のカップルとは豪華だな」
ユミル「そういうお前はどうなんだ?」
ライナー「ど、どうとは?」
ユミル「2位と4位…どちらを選ぶ?」
ライナー「な!!?」
アルミン「ちょっとユミル…その質問は…ぷぷ」
ユミル「お前ら本当に仲がいいな」
ユミル「幼なじみ揃って2、3、4位をとるとはよ…」
ユミル「なあ、マルセルとベルトルさん」
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- 16 : 2015/01/14(水) 20:07:57 :
ベルトル「やめてくれよ…ライナーとなんて」
マルセル「ん?じゃあ誰とならいいんだ?」
ベルトル「なっ…」
ライナー「おいおい止めてやれ、俺も傷つく」
アルミン「本当に仲がいいねあの3人」
ユミル「ああ」
ユミル「2人だったらホモカップルと言われるところだったな」
ミカサ(幼なじみ3人…)
ミカサ(少し、うらやましい)
クリスタ「うーん、でも…」
クリスタ「あなた達3人も仲がいいよね!」
ユミル「そうか?」
クリスタ「うん!ユミルの馴染みっぷりといったら幼なじみと言われても違和感がないくらいだもん」
ユミル「へへっ」
ユミル「そういえば…所属兵団は決めたのか、クリスタ?」
クリスタ「…ううん、まだ決めてない」
ユミル「もし私について行って調査兵団に行こうと考えてるなら…」
ユミル「やめとけ」
クリスタ「…どうして?」
ユミル「お前じゃすぐに死ぬ」
クリスタ「で、でも!囮くらいなら…」
ユミル「その覚悟がだめだと言ってるんだ」
ユミル「大人しく駐屯兵団に入れ」
ユミル「…アルミンと一緒に」
クリスタ「えっ」
アルミン「えっ」
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- 17 : 2015/01/14(水) 20:21:02 :
アルミン「そんな!僕は調査兵団に入ると言ったじゃないか!」
クリスタ「そ、それより…どうしてアルミンがここで出てくるの?」
ユミル「アルミンにならクリスタを任せられる」
アルミン「え、ええ!!?」
ユミル「幸せにしてやれよ」
アルミン「どうしてそういう話になるのさ!?」
ライナー「…じゃあ俺が」
ユミル「却下」
ユミル「信用ならねえ」
ライナー「くっ…」
ミーナ「ユミルのアルミンに対する信頼度はすごいね…」
ユミル「ああ、アルミンの言うことは大体正しいからな」
アニ「それよりなんであんたにそんな権利が有るのかが疑問」
ジャン「くそ…なんでミカサもクリスタもあいつなんかに」
ミカサ「だ、だから私にそんな感情は…」
クリスタ「私にもないよ!」
ユミル「ああ…」
ユミル「モテる女はつらいな~」
クリスタ「だーかーらー!」
「「「はははは!!」」」
ミカサ(ああ、楽しい)
ミカサ(みんなといると、心が落ち着く)
ミカサ(完全にここを立ち去るまであともう少し期間がある)
ミカサ(みんなと離れるのは、寂しい)
ミカサ(だけど、その日が過ぎても…)
ミカサ(私たちはまた会える)
ミカサ(そう思っていた)
ミカサ(超大型巨人が再び攻めてくるまでは)
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- 18 : 2015/01/14(水) 20:31:07 :
~トロスト区 第2門~
アルミン「あ…あ…」
アルミン(どうして…僕の身体は動かないんだ)
アルミン(仲間が食べられているのに)
アルミン(超大型巨人が再び攻めてきた)
アルミン(よりによって、僕らの目の前に…)
アルミン(超大型巨人は扉と砲台を壊して、そのまま消えた)
アルミン(ただ…僕らは今最前線にいる)
アルミン(いや…”僕ら”じゃない)
アルミン「もう…僕しかいないんだ」
アルミン(巨人が…もう目の前にいる)
アルミン(それでも僕の身体は動かない)
アルミン(ああ、ミカサ…)
アルミン(君が後衛で本当によかった)
アルミン(君は…エレンに会わないといけないから)
アルミン(調査兵団へ行って…)
アルミン(僕はそのまま…抵抗するすべもなく)
アルミン(巨人の口へ入っていった)
「ギャァアアア!!!」
アルミン「!!?」
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- 19 : 2015/01/14(水) 20:43:56 :
アルミン「え…な、なに!?」
「ギャァアアア!!!」
アルミン「きょ、巨人…?」
アルミン(僕は…いつの間にか他の巨人に掴まれていた)
アルミン「そんな…僕は取り合いをするくらい美味しいのかい?」
アルミン(こんなもの…少し死ぬ時間が遅くなっただけだ)
アルミン(いっそ…ひと思いに食べられてしまえば良かったのに)
アルミン(だけど…)
アルミン「どうして…僕を食べようとした巨人を攻撃しているんだ?」
「ギャァアアア!!!」
アルミン(その巨人は…身体に見合わない、長い手足を使って、僕を食べようとした巨人を引っ掻く)
アルミン(そのまま…うなじを食いちぎり、遠くへ投げ捨てた)
アルミン「わっ…」
アルミン(そして僕を…少し遠くの屋根にまで連れて行き)
アルミン(どこかへ消えていった)
アルミン「な、何が…おきた?」
アルミン「もしかして…」
アルミン「巨人に…助けられた?」
アルミン(まさか…ね?)
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- 20 : 2015/01/14(水) 20:52:14 :
ミカサ「アルミン!」
アルミン「え…ミカサ?」
アルミン(どうやら、皆が集まっていた場所の近くに降ろされたらしい)
ミカサ「無事で…本当によかった」
ミカサ「他のみんなは?」
アルミン「み…んな?」
アルミン「あ…」
ミリウス『うわぁあああ!!』
ミーナ『どうして…どうして勝てないのよ!!』
アルミン「み…んな、は」
アルミン「僕は…なにも…」
ミカサ「!」
ミカサ「大丈夫…アルミン」
アルミン「!」
アルミン(ミカサは…僕を抱き寄せる)
ミカサ「何も…言わなくて良い」
アルミン「あ…あ…」
アルミン「うわぁあああ!!!」
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- 21 : 2015/01/14(水) 21:00:15 :
ミカサ「…落ち着いた?」
アルミン「うん…ごめんね」
ミカサ「よく、無事だった」
アルミン「本当にね…」
アルミン「あ…そう言えば」
アルミン「僕ね…巨人に助けられたんだ」
ミカサ「え?」
アルミン「まるで…知性があるかのようだった」
ミカサ「そんなことが…」
アルミン「あ…あとさ」
アルミン「どうしてまだこんな所に?」
ミカサ「残りのガスがもう無いの」
ミカサ「みんな…もう少し先の建物の屋根にいる」
アルミン「じゃあ僕らも合流しよっか」
ミカサ「ええ」
コニー「あ!アルミン!!」
コニー「よかった…生きてたんだな!」
アルミン「うん…だけど他の皆はダメだった」
コニー「そっか…」
クリスタ「!」
クリスタ「アルミン!!」
アルミン「ああ…クリスタも無事だったんだね」
クリスタ「そ、そんなことより…」
クリスタ「ユミルに会わなかった?」
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- 22 : 2015/01/14(水) 21:50:46 :
アルミン「ユミル…?」
アルミン「見ていないけど」
クリスタ「そんな…」
アルミン「どうかしたの?」
クリスタ「…アルミンが最前線にいると聞いて」
クリスタ「助けに…向かったの」
アルミン「え!?」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
~トロスト区~ 第4門
ユミル「クリスタ…悪い」
クリスタ「うん、分かってる」
クリスタ「アルミンとミカサを…助けにいくんでしょ?」
ユミル「…ああ」
クリスタ「2人は最前線にいるんだよね…」
ユミル「おそらく」
クリスタ「ちゃんと戻ってくるよね?」
ユミル「当たり前だろ」
ユミル「…じゃあ、ウィリアム」
ユミル「クリスタを皆の所へ連れて行ってくれ」
ウィリアム「合点だ!」
ユミル「また、後で会おう」
クリスタ「うん」
クリスタ「ふふ…」
クリスタ「嫉妬…しちゃうな」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
クリスタ「アルミンが無事だったから…会えたと思ったんだけど」
アルミン「いや、会ってな…」
アルミン「!!」
クリスタ「どうしたの?」
アルミン「いや、まさか…」
クリスタ「?」
アルミン(あの…巨人?)
アルミン(いや、でもそんなことあるはずがないし…)
アルミン「ううん、ごめん」
アルミン「何でもない」
アルミン「もしかして僕が見つからなくて先に戻ったのかもしれないし…」
クリスタ「だ、だよね…」
クリスタ「死んだなんてことは…ないよね…」
ミカサ「!!」
ミカサ「クリスタ…思っても、口にしたらダメ」
ミカサ「ユミルは生きてる、信じよう」
クリスタ「うん…」
アルミン(ミカサ…平静を保っているけど明らかに不安に駆られている)
アルミン(いや、ミカサだけではなく…誰もがこの状況に手をあげている)
ジャン「はは…ガス切れとかまじでありえねえ」
ジャン「…言っといてよかったぜ」
マルコ「僕らは…ここに立っているしかないのだろうか?」
サシャ「そうはいっても…も、もう動きたくありません…!」
サシャ「戦いたくない…死にたくない!!」
アルミン(何か…何かこの状況を変える好機は起きないんだろうか?)
アルミン(僕らはここで巨人に食べられるのを待つしかないのか?)
「ギャァアアア!!!」
アルミン「!!」
アルミン(また…あの声だ!!)
コニー「お、おいみんな見てみろ!!」
コニー「巨人が…巨人を攻撃しているぜ!!?」
「「「!!!?」」」
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- 23 : 2015/01/14(水) 22:10:14 :
-
サシャ「ほ…ほんとうです」
ライナー「どういうことだ?」
アニ「様子を見ようじゃないか」
アルミン「………」
アルミン「ねえ、あの巨人…」
アルミン「僕らが通る道を作ってくれてるように見えない?」
マルコ「確かに…」
マルコ「補給所へ向かって巨人を倒していってるようにも見えるね」
マルコ「これは…使えるかもしれない」
ジャン「へっ…まさか巨人に助けられる日がこようとは…」
マルコ「行くかい?」
ジャン「当たり前だ」
ジャン「よし、いくぞお前ら!」
「「「おー!!」」」
アルミン(突然現れた好機に乗り、僕らは無事補給所までたどり着くことができた)
アルミン(そしてガスの補給も完了し、巨人の様子を見に行くと)
アルミン(その巨人は流石に力つきたようで、身体はもう形を保っていられない状態になっていた)
アルミン「そんな…」
サシャ「み、みてください!!」
サシャ「中から人が…」
アルミン「え…」
アルミン(その巨人の残骸から…人がでてきた)
アルミン(それは、僕らが見知っている顔だった)
アルミン「ユミル…?」
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- 24 : 2015/01/14(水) 22:35:21 :
ミカサ「ユミル…!」
ユミル「ミカサ…か」
ミカサ「よかった…無事で」
ユミル「いや、無事じゃねえよ」
ミカサ「ど、どこか怪我を…?」
ユミル「いや…」
ユミル「奴らに…みられた」
ザックレー「………」
ミカサ「!!」
ミカサ(あれは…駐屯兵?)
ザックレー「おい、貴様…今巨人化をしていたな?」
ユミル「…ああ」
ザックレー「ということは…貴様は巨人ということか!!?」
アルミン(また…まずい状況になってしまった)
アルミン(このままだとユミルは人類の敵と見なされ、殺されてしまうかもしれない!)
アルミン(それは…それは止めないと!!)
アルミン「まってください!」
ザックレー「なんだ!?」
アルミン「彼女は人類の味方です!」
ザックレー「なぜそう言える!?」
アルミン「彼女は先程まで巨人を倒し、僕らを補給所まで導いてくれました!」
アルミン「巨人を倒す彼女が人類の敵とは考えられません!」
ザックレー「そんなものただの気まぐれかもしれないだろう!?」
ザックレー「では…こいつに直接聞こうじゃないか」
ザックレー「貴様は人類の敵か!?味方か!?」
ユミル「…………」
ユミル「味方です」
ザックレー「…信用できぬ」
ミカサ「信用してください!」
アルミン(どうする…?)
アルミン(すぐにでも攻撃をしてきそうな緊張感だ)
アルミン(僕が…僕が説得をしてみせる!)
アルミン(それから僕は、武器を捨て彼の元へ向かう)
アルミン(途中ピクシス総司令官が間に入ってくれたおかげで交渉はうまく行き)
アルミン(ユミルの巨人化を使い、壁の穴を岩で塞ぐ計画が実行されることとなった)
-
- 25 : 2015/01/15(木) 20:04:57 :
────────────
───────
──
ミカサ「………」
ミカサ(今、私たちはユミルが穴を塞ぐ際に他の巨人に邪魔されないよう道を空ける作業をしている)
アルミン「大丈夫かな…」
ミカサ「ユミルなら大丈夫」
ミカサ「そりより自分の心配をした方がいい」
アルミン「そうだね…」
ミカサ(…ユミルの身体は比較的小さいため、大きな岩を運ぶのに割と時間がかかっている)
アルミン「…ユミルは巨人体を使いこなしてるようだね」
ミカサ「確かに」
アルミン「どうして今まで誰にも言わなかったんだろ」
アルミン「あの力があれば人類の平和に役立ちそうなのに…」
ミカサ「………」
ミカサ「!」
アルミン「どうしたの?」
ミカサ「巨人がユミルの元へ向かっている」
アルミン「それは大変だ、倒さないと」
ミカサ「アルミンは周囲を見張ってて、私が行く」
アルミン「わかった」
ミカサ(このくらいなら…普通に倒せる)
ミカサ(私は強い)
ミカサ(だから……もう誰も死なせない)
ミカサ(ユミル…頑張って)
アルミン「ミカサ!!」
ミカサ「なに?」
アルミン「巨人が…」
アルミン「3体の巨人が僕らを無視してユミルの方へ向かっていった!」
ミカサ「!!」
ミカサ「それは大変……行ってくる」
アルミン「僕も…!」
ミカサ「大丈夫、ここにいて」
ミカサ「お願いだから…ここにいて」
アルミン「………」
アルミン「わかった」
ミカサ(死なせない…誰も)
ミカサ(誰も、誰も、誰も、誰も)
イアン「なぜ俺らの方を向かないんだ!?」
イアン「もっと近づくぞ!」
ミカサ(死なせたくない…)
ミカサ(だけど…)
ミカサ(私が、死にそうだ)
目の前には2体の巨人。
手にはすり減ったブレード。
ミカサ(このまま逃げるにしても…)
ミカサ(私の使命は生きることではなく)
ミカサ(ユミルの元へ巨人を向かわせないこと)
ミカサ(それならば…ここで引き留めるべきだろう)
ミカサ(良い…人生だった)
ミカサ(エレン…もう一度会いたかった)
「ギャァアアア!!!」
ミカサ「……?」
ミカサ「巨人が…いない?」
ミカサ(ユミルの声と共に、2体の巨人は進行方向を変え、どこかへ消えていった)
ミカサ「今のは一体…」
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- 26 : 2015/01/15(木) 20:24:11 :
ミカサ(ユミルの方を見る)
ミカサ(もう、ユミルの方へ向かう巨人は見あたらなかった)
アルミン「ミカサ!」
ミカサ「…………みた?」
アルミン「…うん」
アルミン「ユミルの声で…巨人が進行方向を変えたように見えた」
ミカサ「この力があれば…穴は無事に塞がる」
ミカサ「もう、誰も死なずに」
ミカサ「誰も…いなくならずに!!」
ミカサ(しかし…ユミルが穴を無事に塞いだ後)
リコ「人類は…初めて巨人に勝ったよ」
ミカサ(そのまま姿を消し)
ミカサ(戻ってくることはなかった)
──────────────────
───────────
─────
2日後
駐屯兵「では、各自当てられた仕事に移るように…」
サシャ「死体処理なんて、辛くなるだけです…」
コニー「何でこんなに…」
ミカサ(あれから私たちに当てられた仕事は、まずは死体処理)
ミカサ(それから…)
ミカサ(ユミルの捜索)
アルミン「こんな所にも張り紙が…」
ミカサ「……」
ミカサ(あれからユミルは王政によって指名手配を受けることとなった)
ミカサ(王政はユミルを人類の敵と見なしたのだ)
ミカサ「ユミルは…人類の英雄といっても過言ではないのに」
アルミン「うん…」
アルミン「王政は…何にそこまで過敏に反応しているんだろ」
駐屯兵「アルレルト、教官がお呼びだ」
アルミン「あ、はい」
アルミン「じゃあミカサ…ちょっと行ってくるね」
ミカサ「ええ」
ミカサ(ユミル…どこへ行ってしまったの?)
ミカサ(確かに…王政に見つかるわけにはいけない)
ミカサ(でも…)
ミカサ(会いたい)
「ミカサ…」
ミカサ(どこかエレンに重ねてしまう彼女と…)
「ミカサ!」
ミカサ「!!」
ミカサ(今…ユミルの声が?)
ミカサ「ユミ…ル?」
ユミル「ああ、そうだ」
ミカサ「ユミル!!」
ユミル「しーっ」
ミカサ「!!」
ユミル「人に見られたらまずい」
ユミル「場所を移そう」
ミカサ「………」コク
-
- 27 : 2015/01/15(木) 20:42:41 :
ミカサ(私たちは裏山へと向かった)
ミカサ「ユミル…無事でよかった」
ユミル「ああ、ミカサもな」
ミカサ(すっかり…服がボロボロで髪もボサボサだ)
ミカサ「どうして…私のところへ?」
ユミル「ああ、それを言いにきた」
ユミル「お前にどうしても伝えたいことがある」
ミカサ「伝えたいこと…?」
ユミル「………」
ユミル「お前の大切なエレンが居なくなったのは…」
ユミル「私が喰ったからなんだ」
ミカサ「!?」
ミカサ「それって…」
ユミル「そのままの意味だ」
ユミル「私はエレンを喰ったことで人間に戻れた」
ユミル「エレンを犠牲にして人間に戻れた」
ユミル「お前の大切な人を犠牲にして…」
ミカサ「………」
ミカサ(ユミルがエレンを?)
ミカサ(なぜ?)
ユミル「悪かった…今まで何も言わなくて」
ミカサ(だめだ…頭が追いつかない)
ミカサ「じゃあ…どうして今、それを私に?」
ユミル「それは…」
ユミル「あいつの意志を、お前に継いでほしいからだ」
-
- 28 : 2015/01/15(木) 21:04:50 :
ミカサ「エレンの…意志?」
ユミル「ああ」
ユミル「エレンも私と同じ、巨人化できる人間…”知性巨人”だった」
ユミル「その知性巨人を無知性巨人が喰ったら知性巨人になれるらしい」
ユミル「その時…断片的にだが記憶と意志の共有ができるようだ」
ユミル「あいつは特に意志が強かったのかもな
」
ユミル「私があいつを喰ったとき…」
ユミル「ある強い思いが身体中に溢れてきた」
ミカサ「強い思い…?」
ユミル「ああ」
ユミル「『巨人を駆逐したい。自由になりたい』」
ユミル「そして…」
ユミル「『みんなを守りたい』」
ミカサ「!!」
ユミル「『俺の大切な家族を…友達を』」
ユミル「『守りたい』」
ミカサ「………」
ユミル「ミカサ…お前いつだったかエレンが自分のことを嫌っているとかいってたよな」
ミカサ「……うん」
ユミル「そんなことは無かったんだ」
ユミル「あいつはいつでもお前らの事を思っていた」
ユミル「私が感じ取れるくらいにな」
ミカサ「……うん」
ユミル「私は本当は折角人間に戻れたんだから…」
ユミル「自分のために、自由に生きようと思っていた」
ユミル「だけどな…」
ユミル「あいつの意志を感じ取った途端…継がなければならないと思った」
ユミル「こいつの無念を…晴らしてやりたいと思った」
ユミル「だけど、私にはもう無理だ」
ミカサ「え?」
ユミル「王政に狙われている…この力を」
ユミル「だから、ミカサ」
ユミル「私を喰ってくれ」
ミカサ「え!?」
-
- 29 : 2015/01/15(木) 21:16:29 :
ミカサ「た、食べるといったって…」
ユミル「本当は…危ない目に会わせたくなかった」
ユミル「だけど…このままじゃあいつの意志は遂げられずに終わってしまう」
ユミル「私の顔は行き渡っている。このままじゃ自由に動けねえ」
ユミル「王政にこの力を渡したらだめだ」
ミカサ「でも…どうやって巨人に…」
ユミル「そこは大丈夫だ」
ユミル「さっき王政に乗り込んで巨人になる薬を奪ってきた」
ミカサ「そんなこと…!」
ユミル「だから王政はこの近くを捜索しているだろう」
ユミル「時間がねえんだ」
ミカサ「でも…あなたを食べるなんて」
ユミル「安心しろ、記憶には残らない」
ミカサ「そ、それも嫌…!」
ミカサ「今…ユミルと話していたことを忘れてしまうなんて!!」
ミカサ「絶対に…いやだ」
ミカサ(エレンを食べたことは…許し難い)
ミカサ(だけど…エレンの代わりに私の側にいてくれた彼女を)
ミカサ(彼女を食べるなんて…忘れるなんて、できない)
ユミル「………」
ユミル「なあ、ミカサ」
ユミル「さっきも言ったと思うが、私はお前に危ない目に会わせたくなかった」
ユミル「それはな…」
ユミル「お前といると、温かかったからだ」
-
- 30 : 2015/01/15(木) 22:16:47 :
ユミル「私の故郷の人は…死んだか巨人になってしまった」
ユミル「そんな私に…家族の愛を」
ユミル「親愛なる人に再び会える喜びを教えてくれたのはお前だったんだよ」
ユミル「お前と話すと…自然と温かい気持ちになった」
ユミル「もう…私が感じることがないと思っていたものだ」
ミカサ「………」
ユミル「だから…そんなお前だからこそ」
ユミル「共有してほしい」
ユミル「この意志を、この思いを」
ユミル「エレンは…お前を嫌ってなんかない」
ミカサ「…!」
ユミル「お前を…誰よりも大切に思っている」
ミカサ「…わかった」
ミカサ「食べるよ…ユミル」
-
- 31 : 2015/01/15(木) 22:27:54 :
ユミル「…悪いな」
ミカサ「ううん」
ユミル「じゃあ、近くにきてくれ」
ミカサ「うん」
ミカサ(ユミルはそっと私を抱き寄せる)
ユミル「温かい…」
ミカサ「ユミル…」
ミカサ「あなたがエレンを食べたことは許せない」
ミカサ「だけど…」
ミカサ「エレンの意志を継いでくれてありがとう」
ミカサ「私と一緒にいてくれてありがとう」
ミカサ「あなたと過ごした日々は…」
ミカサ「私も…温かかった」
ユミル「…へへ」
ミカサ「…ふふ」
ユミル「じゃあ…ちょっと痛いだろうが刺すな」
ミカサ「ええ」
ミカサ「…忘れない」
ミカサ「絶対に」
ユミル「…ありがとな」
ミカサ(私たちはずっと見つめ合った)
ミカサ(意識がとぎれる…その時まで)
───────
────────────
────────────────
-
- 32 : 2015/01/15(木) 22:53:35 :
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
エレン「父さんは母さんが死んでからおかしくなったんだ!」
エレン「うわぁあああ!!!」
────────────────
???「お前…エレン・イェーガーか?」
エレン「そうだけど…お前は?」
???「ケニー・アッカーマンだ」
エレン「アッカーマン…!?」
ケニー「お前は巨人だ」
エレン「は!?何を言ってるんだ!?」
ケニー「この間お前が巨人化をしてグリシャ・イェーガーを喰うのを見かけた」
エレン「お、俺が…?」
ケニー「まあそんなに警戒するな」
ケニー「…力の使い方を教えてやる」
エレン「力の使い方…」
エレン「そんなもの…信じられるかよ」
ケニー「…はあ、仕方ねえ」
ケニー「一ヶ月待ってやる」
ケニー「その間に俺らに従うか従わないか決めろ」
ケニー「もし従わなかった場合…」
ケニー「お前を殺す」
エレン「な…」
ケニー「しっかりと考えておけよ」
───────────────
エレン「あいつの言葉を信じるとして…」
エレン「この力を渡したらダメだ」
エレン「そんな気がする…」
エレン「従うにしろ従わないにしろこの力が奪われるなら…」
エレン「いっそ…他のやつにあげればいいんじゃないか?」
エレン(あれ…?俺どうしてこの力をあげられるものだなんて…)
エレン(まあ、とにかく)
エレン「俺は…どっちにしろあと一ヶ月でこの世からいなくなるのか」
エレン「ミカサ…アルミン…」
エレン(あいつらは…きっと止める)
エレン(でも…そうしたら、あのケニーという男に何をされるかわからない)
エレン(それに…あの男はおそらく交渉ごとになれている)
エレン(ミカサとアルミンを人質にとられたらおしまいだ)
エレン(ならば…)
ミカサ「エレン…どこへ行っていたの?」
エレン「……」
アルミン「エレン?」
エレン「うるせえ…」
エレン(こうするしか…ない)
-
- 33 : 2015/01/15(木) 23:03:15 :
エレン(どの巨人でもいい)
エレン(あいつらに…この力が渡らないなら)
エレン「ミカサ…アルミン」
エレン「守れなくて、ごめんな」
──────────────
──────────────
ユミル「!!」
ユミル「あれ…私…どうして?」
ユミル「に、人間に…」
『守りたい!!』
ユミル「!?」
『人類の敵を…ぶっとばして』
『あいつらと…ずっと一緒に…』
ユミル(なんだ…これ?)
ユミル(いろいろな感情が、一気に頭の中へ…)
ユミル「…………」
ユミル(次は…自分を一番に考えて生きようと思ったが)
ユミル(私は、こいつの意志を継ごう)
ユミル(自分の名を変えるのには抵抗があるが…)
ユミル(こいつの分も背負ってみせる)
ユミル「私は…」
ユミル「ユミル・イェーガーとして生きていく」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
──────
──────────
───────────────
「ミカサ!」
ミカサ(誰…?)
「ミカサ!」
ミカサ(私は…眠たいの)
アルミン「ミカサ!」
ミカサ「!!」パチ
アルミン「よかった…!」
アルミン「目がさめて…」
ミカサ「あれ、私…」
アルミン「ここは医務室」
アルミン「森へ行く道で倒れていたんだよ」
ミカサ「そう…」
アルミン「何かあったの?」
ミカサ「えっと…」
ミカサ(あれ?)
ミカサ「ごめんなさい…」
ミカサ「覚えていない」
アルミン「そっか…」
-
- 34 : 2015/01/15(木) 23:22:48 :
ミカサ(何か…大事なことがあったような)
アルミン「大丈夫?」
ミカサ「え、ええ」
アルミン「疲れがでたのかな?」
ミカサ「そうかもしれない」
ミカサ(なんだろう…このふわふわした感じは)
アルミン「あ、ミカサ」
アルミン「マフラーがほどけてきているよ」
ミカサ「…直す」
ミカサ(確かに…疲労が溜まっていてもおかしくない)
パサ
アルミン「ん?」
アルミン「マフラーから何かおちたよ」
ミカサ「?」
ミカサ「これは…」
ミカサ「手紙?」
ミカサ(私はその落ちた紙を手に取る)
ミカサ「!?」
アルミン「どうしたの?」
ミカサ「ユミルだ…」
ミカサ「ユミルからだ…」
アルミン「え…?」
~ミカサへ~
忘れてしまうだろうから紙に残しておく。
そういう仕様だから気にすんな。
お前にはエレンと私の意志を継いで欲しい。
人類の敵を倒してくれ。
敵は多い。王政も敵だ。
お前には巨人化の力が手に入った。
使い方は自然と分かる。
最後に
私たちはいつでもお前の中にいる。
だから、人生を楽しんでくれ。
色々な景色を見てくれ。
様々な人やモノに出会ってくれ。
P.S アルミンとクリスタに最後に決定するのは自分だと伝えておいてくれ
所属兵団の話な
~ユミルより~
-
- 35 : 2015/01/15(木) 23:32:00 :
-
ミカサ「!!」
ミカサ「そ、そうだ…私…」
アルミン「ど、どうしたの!?」
『守りたい』
ミカサ「!!」
『俺は…おまえらと一緒に平和な世界を…!』
ミカサ「あ…」
ミカサ(強い…思いが、願いが…溢れてくる)
ミカサ(涙が、こぼれ落ちる)
ミカサ「エ…レン」
アルミン「エレン…?」
『ミカサ…アルミン』
『お前らは俺の大切な…!!』
ミカサ(愛しい…彼の声が)
ミカサ(胸に、頭に、手足に響いていく)
ミカサ(不思議な感覚…)
ミカサ(でも…)
ミカサ(温かい…)
ミカサ「う…」
ミカサ「うう………ひっ……ごほっ、ごほっ」
アルミン「ミカサ!?大丈夫!?」
ミカサ「う…ひっ……はあ…はあ…」
アルミン「………」
ミカサ「アルミン…」
ミカサ「エレンは…私たちのことを…」
ミカサ「嫌ってなんかいなかったよ」
アルミン「……うん」
ミカサ「私たちのことを…」
ミカサ「ずっと…」
『大切な存在だ』
ミカサ(私は泣き続けた)
ミカサ(エレンの思いに身を包まれながら)
ミカサ(アルミンもそんな私を抱き寄せ…)
ミカサ(共に、泣いた)
-
- 36 : 2015/01/15(木) 23:41:39 :
~一週間後~
ハンジ「じゃあミカサ…やるよ!」
ミカサ「はい」
ミカサ(目的意識をもって…)
ミカサ(手の甲を強く噛む)ガリッ
ハンジ「わあ~!すごいよ!!すごいよミカサ!」
ハンジ「なんて筋肉の発達した巨人なんだ!」
リヴァイ「…気色悪いだけだ」
ミカサ「……」ギロ
アルミン「ちょっとミカサ!」
アルミン「それはヒロインの目じゃないよ!」
サシャ「目が大きい分余計に恐ろしいです…」
ミカサ(私はあれから調査兵団に入った)
ミカサ(調査兵団はどちらかというと王政から距離を置いているからだ)
ミカサ(今は巨人化の練習をしている)
クリスタ「ミカサ!かっこいいよ!」
コニー「ミカサが巨人になんてよ…人類が束になっても勝てねえな!」
ジャン「美しい…」
ミカサ(敵は…沢山いる)
ミカサ(平和を手にするにはこれから多くの犠牲と時間が必要になるだろう)
ミカサ(それでも…私は戦う)
ミカサ(2人の…)
ミカサ(大切な人の意志を背負って────)
おしまい
-
- 37 : 2015/01/15(木) 23:43:13 :
-
見てくださった方々、ありがとうございました!
序盤でユミルがエレンを喰ったとバレて焦りました
-
- 38 : 2015/01/17(土) 19:11:23 :
- 何これいい話
-
- 39 : 2015/01/23(金) 00:52:03 :
- ミカサかっこいい(*´・∀・)
-
- 40 : 2015/03/17(火) 19:15:26 :
- いいっすね
-
- 41 : 2020/10/27(火) 14:07:51 :
- http://www.ssnote.net/users/homo
↑害悪登録ユーザー・提督のアカウント⚠️
http://www.ssnote.net/groups/2536/archives/8
↑⚠️神威団・恋中騒動⚠️
⚠️提督とみかぱん謝罪⚠️
⚠️害悪登録ユーザー提督・にゃる・墓場⚠️
⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️
10 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:30:50 このユーザーのレスのみ表示する
みかぱん氏に代わり私が謝罪させていただきます
今回は誠にすみませんでした。
13 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:59:46 このユーザーのレスのみ表示する
>>12
みかぱん氏がしくんだことに対しての謝罪でしたので
現在みかぱん氏は謹慎中であり、代わりに謝罪をさせていただきました
私自身の謝罪を忘れていました。すいません
改めまして、今回は多大なるご迷惑をおかけし、誠にすみませんでした。
今回の事に対し、カムイ団を解散したのも貴方への謝罪を含めてです
あなたの心に深い傷を負わせてしまった事、本当にすみませんでした
SS活動、頑張ってください。応援できるという立場ではございませんが、貴方のSSを陰ながら応援しています
本当に今回はすみませんでした。
⚠️提督のサブ垢・墓場⚠️
http://www.ssnote.net/users/taiyouakiyosi
⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️
56 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:53:40 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
ごめんなさい。
58 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:54:10 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
ずっとここ見てました。
怖くて怖くてたまらないんです。
61 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:55:00 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
今までにしたことは謝りますし、近々このサイトからも消える予定なんです。
お願いです、やめてください。
65 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:56:26 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
元はといえば私の責任なんです。
お願いです、許してください
67 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
アカウントは消します。サブ垢もです。
もう金輪際このサイトには関わりませんし、貴方に対しても何もいたしません。
どうかお許しください…
68 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:42 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
これは嘘じゃないです。
本当にお願いします…
79 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:01:54 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
ホントにやめてください…お願いします…
85 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:04:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
それに関しては本当に申し訳ありません。
若気の至りで、謎の万能感がそのころにはあったんです。
お願いですから今回だけはお慈悲をください
89 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:05:34 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
もう二度としませんから…
お願いです、許してください…
5 : 墓場 : 2018/12/02(日) 10:28:43 このユーザーのレスのみ表示する
ストレス発散とは言え、他ユーザーを巻き込みストレス発散に利用したこと、それに加えて荒らしをしてしまったこと、皆様にご迷惑をおかけししたことを謝罪します。
本当に申し訳ございませんでした。
元はと言えば、私が方々に火種を撒き散らしたのが原因であり、自制の効かない状態であったのは否定できません。
私としましては、今後このようなことがないようにアカウントを消し、そのままこのnoteを去ろうと思います。
今までご迷惑をおかけした皆様、改めまして誠に申し訳ございませんでした。
-
- 42 : 2020/10/28(水) 13:52:54 :
- http://www.ssnote.net/users/homo
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http://www.ssnote.net/groups/2536/archives/8
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10 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:30:50 このユーザーのレスのみ表示する
みかぱん氏に代わり私が謝罪させていただきます
今回は誠にすみませんでした。
13 : 提督 : 2018/02/02(金) 13:59:46 このユーザーのレスのみ表示する
>>12
みかぱん氏がしくんだことに対しての謝罪でしたので
現在みかぱん氏は謹慎中であり、代わりに謝罪をさせていただきました
私自身の謝罪を忘れていました。すいません
改めまして、今回は多大なるご迷惑をおかけし、誠にすみませんでした。
今回の事に対し、カムイ団を解散したのも貴方への謝罪を含めてです
あなたの心に深い傷を負わせてしまった事、本当にすみませんでした
SS活動、頑張ってください。応援できるという立場ではございませんが、貴方のSSを陰ながら応援しています
本当に今回はすみませんでした。
⚠️提督のサブ垢・墓場⚠️
http://www.ssnote.net/users/taiyouakiyosi
⚠️害悪グループ・神威団メンバー主犯格⚠️
56 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:53:40 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
ごめんなさい。
58 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:54:10 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
ずっとここ見てました。
怖くて怖くてたまらないんです。
61 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:55:00 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
今までにしたことは謝りますし、近々このサイトからも消える予定なんです。
お願いです、やめてください。
65 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:56:26 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
元はといえば私の責任なんです。
お願いです、許してください
67 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
アカウントは消します。サブ垢もです。
もう金輪際このサイトには関わりませんし、貴方に対しても何もいたしません。
どうかお許しください…
68 : 墓場 : 2018/12/01(土) 23:57:42 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
これは嘘じゃないです。
本当にお願いします…
79 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:01:54 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
ホントにやめてください…お願いします…
85 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:04:18 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
それに関しては本当に申し訳ありません。
若気の至りで、謎の万能感がそのころにはあったんです。
お願いですから今回だけはお慈悲をください
89 : 墓場 : 2018/12/02(日) 00:05:34 このユーザーのレスのみ表示するこの書き込みをブックマークする
もう二度としませんから…
お願いです、許してください…
5 : 墓場 : 2018/12/02(日) 10:28:43 このユーザーのレスのみ表示する
ストレス発散とは言え、他ユーザーを巻き込みストレス発散に利用したこと、それに加えて荒らしをしてしまったこと、皆様にご迷惑をおかけししたことを謝罪します。
本当に申し訳ございませんでした。
元はと言えば、私が方々に火種を撒き散らしたのが原因であり、自制の効かない状態であったのは否定できません。
私としましては、今後このようなことがないようにアカウントを消し、そのままこのnoteを去ろうと思います。
今までご迷惑をおかけした皆様、改めまして誠に申し訳ございませんでした。
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