この作品は執筆を終了しています。
死に急ぎ野郎とチャットルームでの出来事。
-
- 1 : 2013/11/18(月) 15:36:05 :
- 前半部は小説(?)っぽいですが、後半からチャットメインになります。予め書き終えたものを投下していきます。
-
- 2 : 2013/11/18(月) 15:37:31 :
- 午前の訓練が終了し、お昼休憩となった。
「おーい、アルミーン!」
「なんだよ、エレン」
駆け寄ってきたエレンは、アルミンの肩をぽんぽんと叩く。
「いたっ。骨が折れたよ」
「そんなに強く叩いてねえだろ。……それより、これ見ろよ!」
そう言い、エレンはアルミンの前に電子機器が沢山入った箱を差し出した。
「なに? これは」
「わからん」
アルミンの問いに、エレンは即答した。
「……見たことがない機械だね」
アルミンは箱から電子機器を取り出し、真っ暗な画面に触れた。
「……見たことがない機械だね」
「なんで、二回言ったんだ?」
アルミンは長方形をした薄い機械の電源ボタンを見つけると、それを押してみた。
「お……画面が明るくなった!」
「底の方に、説明書が入ってるぞ」
エレンはごそごそと、説明書を箱から取り出した。
「ちょっと貸して……」
アルミンはエレンから、説明書を奪うようにして取った。エレンが不服そうにアルミンを見る。
「……ゲスミンめが」
そんなエレンのことは気にせず、アルミンは説明書をすらすらと読み進めた。
「なるほど。これは、どうやら“スマートフォン”というらしい」
アルミンは説明書から顔を上げ、エレンに説明した。
「す、すまーとふぁん?」
「スマートフォンね。
いろいろな“アプリ”が元々入っていて、なんか遊べるらしいよ。便利機能も沢山ついているみたいだ。メール、電話、グーグルマップ……? 電卓、インターネット、とか」
ふーん、とエレンはアルミンが手にしているスマートフォンを眺めた。
「駆逐ゲームとかあるのかな、面白そうじゃね?」
返答に困ったアルミンは首を傾げた。
――そんなの、あっても遊ぶのはエレンだけじゃないのかな……。
「でも、エレン。こんなに沢山すごい機械をどうしたの?」
「拾った」
「拾った……? まあ、いいや。どうする? エレン」
「どうするって……」
二人はしばらくの間悩んだ。すると、そこへライナーがやってきた。
「エレン、上官方が来いってさ」
「お、おう……わかった。アルミン! それ、よろしくな」
エレンはそう言い、ライナーと共に去って行った。
「……使ってみるか」
-
- 3 : 2013/11/18(月) 15:37:54 :
アルミンは毎晩こそこそとスマートフォンを使い、いろいろなアプリの使い方や活用法を学んだ。一週間も経てばすっかりと使いこなし、アルミンはスマートフォンを身肌放さずにいられなくなっていた。
-
- 4 : 2013/11/18(月) 15:38:22 :
「アルミン……またそれ、いじってんのか?」
夜、宿舎で寝る準備をしていたとき、視界にスマートフォンをいじっているアルミンの姿が目に入ったので、エレンは声を掛けた。
「うん、面白くって……そうだ、エレンもやらない? 使っているうちにすぐ慣れるよ」
アルミンが枕元に置いてある箱からスマートフォンを取り出し、エレンに押し付けた。
「お、おう……」
「まずは電源を入れて……」
アルミンがエレンにスマートフォンの使い方を指導していると、コニーが背後からひょこりと顔を覗かせて、「エレン、アルミン、なにやってんだ?」と、尋ねた。
「スマートフォンっていう機械で、ちょっと調べ物をね」
「なんだそれは!? 俺らにも教えてくれよ」
その日アルミンは、エレンとコニーにスマートフォンの使い方を一夜かけて教え込んだ。
-
- 5 : 2013/11/18(月) 15:38:59 :
――数か月後
コニーが訓練兵の間にスマートフォンを広めてしまい、良くも悪くも兵士の中でスマートフォンは必須アイテムとなり、これを持っていない者はいなくなった。各兵団も連絡機能としてスマートフォンを導入し、様々な場面で活躍を見せている。現在兵士の間では「チャット機能」というものが流行っており、利用者数がどんどん伸びている。
訓練が終了し、床に着いてエレンはポケットからスマートフォンを取り出した。そして、入室のボタンをクリックする。画面に「死急ぎ野郎さんが入室しました」との表示が出た。
-
- 6 : 2013/11/18(月) 15:40:50 :
ミカサ:やっときた。
死急ぎ野郎:おお、皆何話してたんだ?
喋りだしてからの夜は、とても長く、短い。明日は訓練が休みだ。思う存分にチャットルームで、普段言えない教官のグチとか、ぶちまけてやろう。
ミカサ:えーっと。それは(以下略)
じゃが芋:ふかした芋の話です!
ジャン:チャットログを見ろ、エレン。
死急ぎ野郎:エレンじゃない。「死急ぎ野郎」だ。
――団長さんが入室しました。
団長:ズラじゃない。エルヴィンだ。
――団長さんが退室しました。
死急ぎ野郎:……なんだったんだ? 今のは。
ミカサ:エルヴィン団長は、ズラなの?
――優しい教官さんが入室しました。
死急ぎ野郎:ズラ……別に団長ハゲててもいいよなぁ。教官みたいに。
優しい教官:ぼく、やさしいからおこったりしないもん。
死急ぎ野郎:ごめん、落ちるわ。
――死に急ぎ野郎さんが退室しました。
ジャン:あいつアホジャン↑
ミカサ:エレンを傷つける奴は許さない。通報する。
ジャン:ごめんなさい。
優しい教官:いつもきびしいくんれん、おつかれさま! がんばろーねっ\(*^o^*)/
ミカサ:気持ち悪い。通報しました。
――優しい教官さんが強制退室させられました。
-
- 7 : 2013/11/18(月) 15:41:30 :
- じゃが芋:ふぅ……やっと落ち着いて話ができますね。食料庫の肉をどうやったら盗れるか考えているんですが、いい案ないですか?
――死急ぎ野郎さんが入室しました。
死急ぎ野郎:おっふorz
ジャン:お前アホジャン↑
――半巨人さんが入室しました。
半巨人:ちっす。
――女神になりたいさんが入室しました。
女神になりたい:皆元気? 訓練お疲れ様でした★
半巨人:結婚したい。
女神になりたい:もぉ、冗談キツイなぁ~。
ジャン:おつかれっしたー。
死急ぎ野郎:乙。
ミカサ:おつかれさま。
じゃが芋:お腹が空いたので落ちます。
――じゃが芋さんが退室しました。
-
- 8 : 2013/11/18(月) 15:43:10 :
- 半巨人:クリスタマジ可愛すぎ。結婚したい。
ジャン:女神だよな。
女神になりたい:うん、ほんっと可愛いよね。食べちゃいたいくらい♪
死急ぎ野郎:↑自画自賛?w
女神になりたい:は? そんなわけないだろ。私のクリスタは誰にも渡さん。何変なこと言ってんだ……?
――お嬢様さんが入室しました。
お嬢様:オホホホ! 来てやったわよ。
女神になりたい:おぉ、やっと来た。愛しの姫様。
お嬢様:ねぇねぇ、自殺の方法一緒に考えてくれない? 死にたいんだけどww
死急ぎ野郎:は? 馬鹿言ってんじゃねーぞ。
――金髪美しすぎる少年さんが入室しました。
金髪美しすぎる少年:分隊長と薬品作製なう!
お嬢様:↑アンタ、空気読みなさいよ。
女神になりたい:……あの雪山の訓練の時に誓ったことを、もう忘れたのか?
お嬢様:はっ、知らないわよ。アンタ誰?ww とにかくあたし、死にたいの! 方法考えて。
ミカサ:コミックスを確認して、状況は掴めた。クリスタにユミル、そういう茶番は迷惑だから余所でやって。通報しました。
――女神になりたいさん、お嬢様さんが強制退室させられました。
-
- 9 : 2013/11/18(月) 15:44:16 :
- 何やってンだよwwwwww
-
- 10 : 2013/11/18(月) 15:44:18 :
- ジャン:こえー……。
金髪美しすぎる少年:薬品完成なう! 人格入れ替わる薬できちゃったー、いつ使おっかなw
死急ぎ野郎:何に使うんだよ、アルミンw
金髪美しすぎる少年:ちょ、名前出さないでよ。……りとるりあ一作目の「一番の被害者、エレン。」を読めばわかるよ。
――人類最強さんが入室しました。
人類最強:トイレ掃除中なう。疲れた。やり直し十回目……。
死急ぎ野郎:お、乙……。
人類最強:ガキが夜更かしするんじゃねーよ。人類最強になれねぇ、チビのままだぞ。
――人類最強さんが退室しました。
金髪美しすぎる少年:人類最強ってことは、リヴァイ兵長?ww ウケるww
死急ぎ野郎:ww
ミカサ::私はもう寝る。強くなるために、睡眠は必要だ。おやすみ。
ジャン:またなー。
――ミカサさんが退室しました。
半巨人:やべ、寝落ちしかけてた。落ち。
――半巨人さんが退出しました。
死急ぎ野郎:今何時?
ジャン:自分で調べろks
金髪美しすぎる少年:一時過ぎたとこ。
死急ぎ野郎:うはww
ベルト:僕、最初からずっといたけど誰にも気づいてもらえなかった……もう寝るね、おやすみ。
――ベルトさんが退室しました。
-
- 11 : 2013/11/18(月) 15:46:21 :
- 死急ぎ野郎:……全く気が付かなかった。
金髪美しすぎる少年:僕も。
ジャン:急に静かになったな。
――おっさんさんが入室しました。
おっさん:ガキはもう寝ろ。大人の時間だ。
死急ぎ野郎:↑誰だ?
おっさん:身長伸びなくて将来困るぞ。160センチのままだ……。
死急ぎ野郎:それより高いんで大丈夫っすww
――オルオ大っ嫌い死ねさんが入室しました。
オルオ大っ嫌い死ね:兵長! 来ちゃいましたー。
おっさん:ペトラ……そのネームは止めた方がいい。
オルオ大っ嫌い死ね:そうですか……出直します♪
――オルオ大っ嫌い死ねさんが退室しました。
金髪美しすぎる少年:僕、落ちます。
ジャン:俺も……。
――ジャンさん、金髪美しすぎる少年が退室しました。
死急ぎ野郎:おい、皆どうしたんだよ急に……。
おっさん:兵士が使っているスマートフォンのデータは、全て俺たちが管理している。
死急ぎ野郎:……。
おっさん:お前が誰なのかも、既に分かっている。訓練兵だろう。
死急ぎ野郎:…………。
おっさん:持論だが、躾に一番効くのは痛みだと思っている。
死急ぎ野郎:ごめんなさい、もう寝ます。
――死急ぎ野郎さんが退室しました。
そしてそれ以来、死急ぎ野郎はチャットルームに姿を現すことはありませんでした。
~おしまい~
-
- 12 : 2013/11/18(月) 15:47:51 :
- 退室が退出になっているところがあるorz
脳内訂正お願いします((
-
- 13 : 2013/11/18(月) 15:57:04 :
- 面白かった!
チャットいいね!
-
- 14 : 2013/11/18(月) 16:00:11 :
- >>13さん
ありがとうございます!
名前にかなり悩みました((+_+))
-
- 15 : 2013/11/18(月) 16:06:18 :
- 乙
面白かったです、発想がいいですねw
-
- 16 : 2013/11/18(月) 17:05:20 :
- 続き希望。
- 著者情報
- 「進撃の巨人」カテゴリの最新記事
- 「進撃の巨人」SSの交流広場
- 進撃の巨人 交流広場