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無気力エレンの進撃(エレンチート)
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- 1 : 2015/01/03(土) 18:22:21 :
- たてなおしました
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- 2 : 2015/01/03(土) 18:23:08 :
- ――――――――――シガンシナ区。とある路地裏にて。
何やら一人の少年が虐められている。5人の少年が、1人の少年を囲んでいた。
「おい異端者!悔しかったら殴り返してみろよ!」バキッ
少年たちのリーダーらしき少年が、声を張り上げる
「そんなこと・・するもんか!・・そんなことをすれば君達と同レベルじゃないか!!」
金髪で大きく丸い蒼の瞳。平凡な少年よりは少し細めで華奢な体。シガンシナ区に住む少年である。
アルミン「それに・・・僕に言い返す事が出来ないから暴力を振るう事しか出来ないんじゃないか!?つ、つまりそれは、僕に負けを認めたって事だろう!?」
アルミンも負けじと声を張り上げる。
「んだとこの野郎ぉ!!」
リーダーが拳を振り上げる。そして振り下ろそうとしたその時――――
「うべっふぉお!?」ズチャァ
リーダーが後方に盛大に転んだ。いや、正確には吹っ飛ばされた。と言った方が正しいだろう。
ミカサ「アルミンを虐めたら、許さない」ゴォッ
眺めのストレートの黒髪に伏せ気味の眼。そして首に赤いマフラーを巻いた少女。アルミンの幼馴染であり、もう一人の幼馴染の家族でもある。そして・・・めっさケンカ強い。
だが。
「へっ!ミカサでも五人を一人で相手は無理だろ?それに足手まといもいるしなぁ!」
少年たちが意地の悪そうな目でにやにやしている。
アルミン「くっ・・・!ミカサ!ここは逃げよう!」
「いや、一人と五人じゃなくて、二人と五人だぜ?」ザッ
「んだぁお前・・・・ひっ!?」
少年たち次々に顔を青ざめさせていく。
アルミン「っ・・!エレン!!」
少し薄めの黒い髪に、氷のように透き通った瞳。そして、眠たげで無気力そうな顔。アルミンのもう一人の幼馴染であり、ミカサの家族、エレン・イェーガーである。
「エ、エレンだと!?今は俺のダチが足止めしてるハズじゃ・・・」
リーダーがわなわなと拳を振るわせながら呻く。
エレン「ん?あぁ、あいつらか・・・・えっとぉ・・・埋めた」ニカッ
埋めた。 ある部分・範囲を物でふさぐ。土の中などに物を入れ込んで外から見えないようにする。うめる。物に覆われて外から見えない状態にする。うずまるようにする。ある場所を、物や人でいっぱいにする。低い所やくぼんだ所などに物を詰めてふさぐ。うめる。損失や不足などを補う。うめる。などの意味があるが、喧嘩で埋める・・・というのは・・・・・・
アルミン「エレン・・・やりすぎだよ・・・・・」
エレン「え?そうか・・・?うぅむ・・分かった」
「くっそぉ!!もう、やるしかねぇ!!いけぇぇえぇぇ!!!!」
少年たちがエレンに跳びかかる。が・・・
ドッゴォォォオオオオォン!!!!
というとてつもない騒音の後、盛大な土煙。おもわずアルミンとミカサが顔を伏せる。
アルミン「う・・・・・わっ・・!!」
土煙が晴れた後。目を凝らしてエレンと少年たちを探すと、少し奥に、エレンと思わしき人影があった。
完全に土煙が晴れるとそこにはまるで主人公無双系漫画のような光景が広がっていた。
たったまま寝ているエレンと、五人の少年達・・・であろう下半身。いや・・下半身と言っても、ちぎれているとかではなく、埋まっているのだ。少年たちの上半身が、どこかのお宅のお壁に。
アルミン「やりすぎだよ・エレン・・」
あぁ、すみません少年たちと壁を壊された家の方・・・・とか思いつつアルミンはエレンをゆすった。
アルミン「起きてよエレン・・・ハァ」
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- 3 : 2015/01/03(土) 18:23:29 :
- エレン「zzzzzz」
だがエレンは起きない。なぜたったままで、しかも数秒でここまで熟睡できるのだろうか・・・・
・・・・
アルミン「起きてよ・・ミカサが怒ってるよ」
エレン「なにっ!?」パチッ シュタタンッ
エレンの眼がカッと開いたかと思うと目の前から、消えた。辺りを見回すと、隅っこの方でガタガタと震えているエレンの姿があった。―――――そう、エレンはミカサに頭が上がらないのだ。というかミカサが怒ることを怖がっている。
本人曰く、昔ふざけてスカートをめくったところガチで殺されかけたらしい。
アルミン「ウソだよ。はやくいつもの所へ行こう」
エレン「怒ってない・・・・のか・・・?・・・分かった」
ミカサ「・・・・」
ミカサがじとーっとした目で見てくるのを感じたが、目はあわさないようにした。
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- 4 : 2015/01/03(土) 18:23:51 :
いつもの場所、というのはウォールマリアとシガンシナ区を繋ぐ川の土手である。
エレン「―――――で、なんでまた虐め得られてたんだお前は」
アルミン「外の世界に行きたいって言ったら・・・」
そう、この世界では外の世界に興味を持つこと自体が王によって決められている。そんな壁の中で外の世界に行きたいというのは、確かにおかしな話である。現に、壁は100年の間一度も巨人の侵入を許してはいないのだから。
アルミン「皆、おかしいよ。壁が100年破壊されなかったからって、今日壊されない可能性はないのに――――――」
エレン「あ、アルミンそれフラg―――――」
エレンの言葉は最後まで発することは出来なかった。なぜなら―――
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- 5 : 2015/01/03(土) 18:24:09 :
- ドッッッッゴオオオォォォォォォオオオォン!!!!!!
まるで大地そのものが吠えた様な、天地がひっくり返った様な衝撃と騒音。大人も子供もすっ転び、建物が崩れていく。そんな中・・・
エレン「・・・・なんだ?」
直・立・不・動
アルミン「な・・・なにが・・・!?」
アルミンが見た光景は、百年の安寧に浸っていた人類を絶望の淵まで叩き落とすには十分すぎる光景だった。
アルミン「そんな・・・!?あの壁は・・・50mだぞ・・・!?」
50mもある壁から顔を出す巨人。ほとんど皮膚がなく威圧感のある風貌。そして――――――
アルミン「壁が・・・・壊された・・・・!!!」
アルミン「に、逃げなきゃ・・!巨人が・・・巨人が入ってくる・・・!!」
エレン「ミカサ~。アルミン連れて逃げといて」
ミカサ「エレンは・・・?」
エレン「便所」
ミカサ「分かった。エレンなら、エレンなら大丈夫」
そういうとミカサはアルミンを抱え壁の方へと走った。アルミンを、俗にいうお姫様抱っこの状態で。
アルミン「ミ、ミカサァ!?」
思わず声を上げる。だがミカサは、何も言う事なく、走っていった
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- 6 : 2015/01/03(土) 18:24:36 :
エレン「さてと・・・・家は大丈夫かなっと」ダッ
家の前の角を曲がった後、エレンは少なからず驚いた。なぜなら、目の前にある、あるはずの家が、ない。
エレン「・・・・母さん?」
カルラ「・・・・・エレンかい・・・・・・?」
瓦礫の下から声がする。体が埋まって逃げられないようだ。
カルラ「母さんはもうダメだ。瓦礫に足がつぶされてうごけな―――――ぇええ!?」
片手で瓦礫をはねのけ、もう片方の手でカルラを抱え上げた。
エレン「っしゃ!いくぞ」ダッ
エレンが走り出す。が。
巨人「・・・・」ズシィン
カルラ「そんな・・・巨人・・・?」
巨人。人を喰らうためだけに存在するモノ。15mはあろうかという体躯に、異形な顔。どう見ても化け物としか形容できない。
巨人「アァアアア」ブンッ
巨人が手を振り降ろそうとしたその時・・・・
エレン「邪魔」ピンッ
巨人「ア―――――」
巨人の頭が、消えた。首から上が完全にちぎれている。顔は完全に吹き飛んだのだろうか。辺りには見当たらない。巨人は、絶命したのだ。人類に恐怖しか与えぬモノが。エレンの、デコピンで。
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- 7 : 2015/01/03(土) 18:25:15 :
あの後、ローゼ行きの船に乗り込もうとしたエレン達であったが、人数オーバーで一人乗れなくなってしまった。するとエレンが「え?じゃあ俺泳いでいくわ」と言い放った後、恐らく船の五倍以上の速度でローゼまで泳いでいき、全員助かった。
その後、突如現れた鎧の巨人によって壁はさらに破壊され、ウォールマリアは巨人の手に落ちた。人類の活動領域はウォールローゼまで後退し、人類の食糧難は逃れられなかった。
ウォールローゼ門前
アルミン「ねぇエレン、もう、人類は負けるのかな?やっぱり巨人には・・勝てないのかな」
アルミンが不安そうな顔で問いかけてくる。
エレン「さぁな、結果は誰にもわかんねぇし」
アルミン「そう・・・だね」
エレン「アルミン、お前はこれからどうすんだ?」
そう、この壁の中で暮らす子供たちには選択肢が二つある。
一つは、どこかの養子になるか親と一緒にまた暮らす。
もう一つは・・・
アルミン「・・僕は、兵士になる」
アルミン「調査兵団に入って、巨人を絶滅させる・・・おじいちゃんのような人が、これ以上増えないように・・・」
アルミンの祖父は、一昨日のウォールマリア奪還作戦(口減らし)に強制参加させられ、巨人によって殺されたのだ。
エレンはしばらく考え込んでいたが、「っし!」と言った後アルミンに
エレン「じゃあ俺も行くわ」
と言った。
アルミン「えっ?エレンも?だって調査兵団は・・・」
エレン「危ない。だろ?へーきへーき、俺、強いから」ニカッ
眩しい程の笑顔で答えたエレンに対し、アルミンはもう、うなずくしかなかった。
―――――まぁ、エレンは強いし、巨人ならすぐに倒せちゃうかも・・・
と思ったアルミンであった。※アルミン達はエレンが巨人を倒したことを知りません
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- 8 : 2015/01/03(土) 18:25:38 :
―――――――そして時は経ち・・・
キース「貴様は何者だ!」
爽やかな晴れの日に、大声が響き渡る。
第104期訓練兵団への入団式である。エレン達三人は、カルラとともに開拓地へ移り三年の間時がたつのを待っていた。調査兵団になるために。
そもそも訓練兵団とは『憲兵団』『駐屯兵団』『調査兵団』に入るために訓練を行う場所である。
『憲兵団』とはその年の成績上位十名のみが入団でき、主に町の治安維持や王や貴族の護衛を行う。
『駐屯兵団』とは主に壁の補強や壁上の大砲等の管理・整備、そして町の治安維持を行う。
『調査兵団』とは人類が巨人に打ち勝つため巨人の活動領域である壁外への探索・拠点づくりを行う。
エレン達三人が調査兵団になるためには、この訓練兵団で3年の間巨人を屠る技術などを学ぶ必要があるのだ。
キース「貴様は何者だ!!」
アルミン「ハッ!シガンシナ区出身!アルミン・アルレルトです!」
キース「貴様は何しにここへ来た!!」
アルミン「人類の勝利の為です!!」
キース「そうかそれは素晴らしいな!貴様には巨人の餌にでもなってもらおう!!次!貴様はなに者だ!!」
そんなやりとりが続く中、他の教官たちが喋っていた。
教官1「あれはなんなんですか?」
教官2「そうか、お前はまだ新人だったな」
教官2「あれは通過儀礼だ」
教官1「通過儀礼・・・?」
教官2「あぁ、覚悟の無い奴を追い出すためのな。一人ずつああやって怒鳴っていくんだ。懐かしいなぁ」
教官2が思い出に浸っている中、教官1はある事に気づいた。
教官1「・・・何も言われてない子もいるようですが・・?」
教官1が指差す方を見ると、確かに十数人に一人、何も言われずにいる兵士がいた。
教官2「・・・・3年前の悪夢を見てきた者たちだろう。顔つきが違う」
キース「貴様は何者だ!!」
キースが問う。
ジャン「ハッ!トロスト区出身、ジャン・キルシュタインです!!」
茶髪にツーブロック、少し長い顔にエレンがキレた時のような悪人面の男だ。
キース「貴様は何しにここへ来た!」
ジャン「・・・憲兵団に入って・・・内地で暮らすためです」
そう言い放ったジャンを見て、近くにいたエレンが「ブフォッ!!」と盛大に吹いた気がしたが、気のせいだ。うん、気のせいという事にしとこう。
そんなジャンの回答を聞いて、キースは一度黙ったかと思うと、次の瞬間――――――――
キース「フンッ!!!!」ブンッ
突然のヘッドバット。
ジャン「ガッ!?」ゴスッ ガクッ
ジャンが膝をつくのも無理はない。こんな事をされるとはだれも思わないだろう。
キース「そんなことで膝をついているようでは憲兵団になぞなれんぞ!!」
・・・・・無茶苦茶だ。とアルミンは思ったが黙っていた。憲兵団に入るためには不意のヘッドバットに耐える訓練もしなくてはいけないのだろうか
キース「・・・おい、誰かキルシュタインの時に笑ったな・・・?」ゴッ
これがアニメや漫画なら、後ろにゴゴゴゴゴという文字が浮かんでそうな顔でこちらを見てくる。
恐らくエレンのことを言っているのだろうが自業自得である。
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- 9 : 2015/01/03(土) 18:25:56 :
キース「貴様か・・・?貴様だなおい・・!!」
もうゴゴゴゴゴとかのレベルじゃない。次の瞬間にでもドラゴ〇ボールのように周りの石とかがチリチリと音を立てて浮くんじゃないかと思うほどに、怖い。多分僕だったら気絶する。そんな教官に対し・・・・
キース「貴様だ貴様に行っているんだ!!貴様は何者なんだ!?」
エレン「・・・・え?あ・・・俺?」
この回答である。
キース「貴様・・・・・なめているのか・・・・?」
教官がわなわなと震えながら問う。
エレン「えっ・・・?汚くないですか・・・?教官をなめるって・・」
多分意味が違う。そんでそれ一番言っちゃいけない言い方だそれ。
キース「貴様ァ・・・・死ぬまで走っていろ!!」
エレン「ハァ?!」
キース「イェーガー!返事!!」
エレン「・・・・ハッ」
こうして僕らの波乱万丈の訓練兵生活が始まった。
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- 10 : 2015/01/03(土) 18:26:14 :
キース「貴様か・・・?貴様だなおい・・!!」
もうゴゴゴゴゴとかのレベルじゃない。次の瞬間にでもドラゴ〇ボールのように周りの石とかがチリチリと音を立てて浮くんじゃないかと思うほどに、怖い。多分僕だったら気絶する。そんな教官に対し・・・・
キース「貴様だ貴様に行っているんだ!!貴様は何者なんだ!?」
エレン「・・・・え?あ・・・俺?」
この回答である。
キース「貴様・・・・・なめているのか・・・・?」
教官がわなわなと震えながら問う。
エレン「えっ・・・?汚くないですか・・・?教官をなめるって・・」
多分意味が違う。そんでそれ一番言っちゃいけない言い方だそれ。
キース「貴様ァ・・・・死ぬまで走っていろ!!」
エレン「ハァ?!」
キース「イェーガー!返事!!」
エレン「・・・・ハッ」
こうして僕らの波乱万丈の訓練兵生活が始まった。
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- 11 : 2015/01/03(土) 18:26:30 :
- 連投すまん
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- 12 : 2015/01/03(土) 18:26:54 :
その日の夕方
ジャン「おい見ろよ、まだ走ってるぜあいつら」
コニー「すげぇな、もう6時間だぜ」
そんなやり取りをしているのは、先の入団式で教官にヘッドバットを喰らったジャンと
コニー「なんでお前は頭突きで済んだんだろーなぁ?」
ジャン「あ?お前だって危なかっただろ?コニー」
アルミンよりも少し小柄な体躯。いかにも馬鹿そうな顔に坊主の頭。コニー・スプリンガーだ。実はコニー、入団式で・・・
――――――――――
キース「貴様は何者だ!」
コニー「ハッ!ラガコ村出身!コニー・スプリンガーです!}ババッ
コニーが行った動作は、公に心臓を捧げるための敬礼のようなものであり、右手を左胸にあてるポーズである。のだが・・・・・
キース「スプリンガー・・・・」スッ
教官が両手をコニーの頭の左右に持っていき・・・・
ガッッ!!と鷲掴みにし・・・
ギ、ギギギギギっと持ち上げた。
顔の皮が引っ張られ、とても残念かつ面白い事になっている。
キース「貴様の心臓は右にあるのかコニー・・・・?」
教官が問うも当のコニーは泡吹いてのびていた。
――――――――――――――――――
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- 13 : 2015/01/03(土) 18:28:03 :
夕食
夕食時の食堂は、入団初日とあってか、とても賑やかだった。
ジャン「それじゃ、入団を祝って・・・いや、憲兵団入団を目指すライバルとして・・・かんぱぁぁぁい!!!」
ジャンの掛け声とともに全員がグラスをぶつけあう。
コニー「なぁジャン、なんで憲兵団だけみたいな言い方なんだ?」
コニーが不思議そうな顔で問う。
ジャン「あ?じゃあお前は、わざわざ駐屯兵を目指すのか?」
ジャン「それとも何か?お前、調査兵団にでも入るのか?あのイカれた集団によぉ?」
ジャンがさも当然と言うように答える。
アルミン「・・・・・ねぇジャン」
ジャン「・・・・あ?」
アルミン「・・・君は調査兵団の事を本当にイカれてると思っているのかい?」
ジャン「当たり前だろ、あんなの自分から巨人に喰われに行ってるようなもんじゃねぇか」
ジャン「それに、憲兵団に入れば内地に行ける・・!内地に行けばもう巨人の足音に怯えなくていいんだぞ?」
ミカサ「アルミン・・・・」
ミカサが心配そうな顔でアルミンを見る。
・・・本当は初日から言い争いなんかするべきじゃないんだろう。でも・・・・・でも――――――
アルミン「ほんとにそう思ってるのなら、君は相当な馬鹿だね」
ミカサ「アルミン!?」
ミカサが驚嘆の声を上げる。無理もない。普段は口げんかなんて絶対にしないアルミンが、よりにもよってこの状況で、自分から仕掛けるなんて・・・
ジャン「んだと・・・・?」
アルミン「君は、内地へ行けば安全と思ってるんだろうけど、5年前、たった5年前までは、ここだって内地だったんだよ?」
ジャン「っ・・・」
アルミン「それに、仮に今この瞬間にでも壁が破られたとしよう、その時に巨人から人類を守るのは堅い盾じゃない、強い矛だ」
アルミン「もし僕達の代で誰も調査兵団に入らなかったら、どんどん調査兵団は弱体化するだろう」
アルミン「このまま調査兵団がなくなれば、人類は今度こそ終わりだ、なのに君は調査兵団に入る奴がイカれてるだって?馬鹿じゃないのか?・・・・・・!!」
・・・・・やってしまった。入ろうとした調査兵団をバカにされたからって、もろ喧嘩売ってしまった。
ジャン「・・・テメェ・・・ぶっ飛ばされてェのか・・・?」
案の定眉間にしわを寄せまくったジャンが、今にも殴りかかってきそうな顔で近づいてくる。
・・・・でも僕から売った喧嘩だ。逃げるわけにはいかない・・・!!
アルミン「・・・・・・」スッ
アルミンも構える。
ジャン「・・・やろうってか?・・・・いいぜ・・」スッ
ジャン「フンッ!!!」ビュ
ジャンが右ストレートを放つ。喧嘩は強い方なのだろう。かなりのスピードだ。
アルミン「っ!!!」
まずい・・!!避けられない・・!!
アルミンは目をつぶり衝撃に備えた。が・・いつまでたっても衝撃は来ない・・・不思議に思い目を開けてみると・・・
エレン「よっアルミン、よく言ったなぁ、喧嘩なら負けるのに」
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- 14 : 2015/01/03(土) 18:28:23 :
- アルミン「エレン!?」
見ると、エレンがジャンのパンチを止めていた。
ジャン「くっ・・・・そ・・・がっ・・離せ・・よオイッ!!」
ジャンが喚く。
エレン「えぇっと・・・お前・・なんだったっけ・・・馬の人、お前、憲兵を目指してるんだろう?じゃあこんなしょうもないことでけんかしてんじゃねぇよ」
ごめんエレン。先やったの僕なんだ・・とはアルミンは言えなかった。
ジャン「ぁあ!?納得できるわけねぇだろんなもん!!」
ジャンが再びアルミンを殴ろうとする。が・・・
エレン「っせぇな、こちとら飯抜きでイライラしてんだよ、さっさとしろ」ギロッ
エレンが今までとは明らかに違う声を出す。なんだか、人間とは異質の、恐ろしい・・・化け物のような雰囲気。
ジャンもさすがに気付いたようだ。仕方なさそうに息を吹いた後・・
ジャン「チッ・・・わぁったよ、これで手打ちにしよう」
ジャンが手を出してきた。
アルミン「・・うん」
パアン!!!
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- 15 : 2015/01/03(土) 18:28:45 :
夕食後
エレンとアルミンは就寝するため寮に帰っていた。
ジャンとの一件後、どんどんと人が減っていき、アルミンが食べ終わった頃にはもうほとんどの人が食堂からいなくなっていた。
横のエレンがご機嫌そうに鼻歌を歌っているのは、僕が晩御飯を少しあげたからだ。
寮
今僕は寮の階段を上がっている。これから3年間共に過ごす人たちだ。フレンドリーであってくれ。アルミンは恐る恐る扉に手をかけた。ちなみにエレンはまだ鼻歌を歌っている。
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- 16 : 2015/01/03(土) 18:29:12 :
ガチャリ
アルミンがドアを開ける。
すると部屋から野太い声が聞こえてきた。
ライナー「おう、お前等が最後か。俺はライナーだ、よろしくな」
そう言ったのはがっちりした体躯と短めの髪、そしてワンピ〇スのゾ〇のような眉毛が特徴的な男だ。
ベルトルト「僕はベルトルト、よろしくね」
ライナーの後に喋りかけてきたのはライナーよりもさらにデカイ・・・いわゆるノッポの男だ。
どうやらエレンとアルミンのルームメイトはこの二人らしい。
アルミン「僕はアルミン、よろしく、二人とも」
アルミンも自己紹介をする。しかしエレンは・・・
エレン「zzzzz」
何という事でしょう(before・after風に)ドアを開ける前はご機嫌そうに鼻歌交じりにスキップしていたエレンが、匠(アルミン)がドアを開けた瞬間眠っているではありませんか。しかも、立ったまま。
アルミンがため息をつきながらエレンを起こす。
―――毎度毎度、なぜこんな短時間で眠れるんだ・・・・・
アルミン「エーレーン・・」ユサユサ
だがエレンは起きない。
というか眠りが深まってきているのか、鼻ちょうちんをたらし始めた。
―――うぅわっ、きったな、めっちゃ涎出てるんですけど・・あ、よく見たらコイツの寝顔めっちゃ腹立つな
イラッとしたアルミンは寮の反対側の廊下の端まで走っていったかと思いきや、こちらに猛ダッシュしてきた。
ライナー「おいアルミン!なにしてんだ!?」
ライナーが叫ぶがアルミンは無視してこちらへ向かってくる。
そして――――――――
アルミン「逝っけぇぇぇぇぇエレェェェェン!!!」バッ
全体重をかけたであろうドロップキックがエレンの側頭部に直撃する。
ライナー「おぉぉぉおぉぉおいい!?」
ライナーが思わず突っ込んだがすぐに驚愕に目を見開く。
確かにエレンにはアルミンの全力ドロップキックが決まった。側頭部にメシャァァァと言う意味わからない音とともに当たったはずなのだ。しかし・・・
エレン「zz・・・・・」パチンッ
目を覚まさないどころか、直立不動。
唯一変わったものがあるとすれば――――――
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- 17 : 2015/01/03(土) 18:29:35 :
- このユーザーのレスのみ表示するパチンッ、というこ気味良い音とともに、エレンの鼻ちょうちんが割れた事だけだ。
すると、エレンの眼が徐々に開いていき・・・・・
エレン「・・・・・誰だ?俺の睡眠の邪魔をした奴は・・・・・・・」
入団式の教官並のどす黒いオーラを纏いながらこちらを見てくる。口にはまだ涎がついていたが・・・・・
どうやらアルミンだけじゃなくライナーやベルトルトも犯人だと思っているようだ。
ライナー「ち、違うぞ!?お前を起こしたのはアルミンで――――――」
ライナーが誤解を解こうとするもののエレンは聞く耳を持たず
エレン「問答無用ッ!!!!!」
―――――次の瞬間、目の前が、暗転した。
初日、終了
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- 18 : 2015/01/03(土) 18:30:05 :
2日目
朝早くに全訓練生が営庭に集められた。
皆一様に眠そうな顔をしている。
エレン「・・・・zzzz」
やはりエレンは寝ている。この男はいつでも寝られるのだろうか。
―――――と、そこへ
キース「静かにしろ豚ども!!!」
会って2日で豚呼ばわりとは、マジで軍隊に入ったみたいだなぁ(入っている)と思うアルミンであった。
キース「早速だが今日は貴様らに適性訓練を行ってもらう!!」
適性訓練・・・その言葉が放つとてつもなくいやぁぁな感じに訓練兵達が少しざわめく。
キース「黙れ!!!!」
そして、そんな訓練兵たちの言葉が聞こえたのか教官は付け加えるように言った。
キース「適性訓練といっても難しいものではないただロープにぶら下がるだけだ!!」
そして訓練場目指して歩いて行く教官達の後についてった。
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- 19 : 2015/01/03(土) 18:30:23 :
訓練場
アルミン達が見たのは一見何をするのかよく分からない装置のようなものであった。
いや、装置とも呼べないかもしれない。なぜならそれは太い丸太を使ったテントの骨組みのようなものが並んでいるだけだったのである。
不思議そうに皆がみていると
キース「貴様らに昨日配ったベルトはつけてきたな!!」
訓練兵達「ハッ!!!」
ベルト、とは昨日入団式の後に配られたものである。それはまぁ全身を安定させるような・・・なんというか、スーツ・・・ではないが・・・まぁ体中にロープをつけたような感じのものだ。
キース「貴様らにはこの装備をつけ、アンカーをこの丸太に刺し、空中でバランスをとってもらう!!これが出来んようでは兵士になど到底なれん!では、これを配る」
そして教官達に配られた装置は、ベルトにつけるようなものだった。真ん中と両斜め後ろに何か期待を放出させるための穴があり、腰の両サイドにアンカーらしきものが収納されていた。
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- 20 : 2015/01/03(土) 20:18:57 :
- 期待
-
- 21 : 2015/01/03(土) 21:19:11 :
- 期待&まだですか?
-
- 22 : 2015/01/03(土) 23:51:27 :
- 期待
-
- 23 : 2015/01/04(日) 20:41:30 :
- 大丈夫か匠・・・
期待
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- 24 : 2015/01/04(日) 22:27:21 :
- 期待
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- 25 : 2015/01/07(水) 12:36:57 :
- キース「今からこの装置のベルトと貴様らのもう着けているベルトをこの丸太に固定し、ワイヤーで宙に吊り上げる!!そこで立ったままの姿勢を保持できれば、適性訓練は合格だ!!」
教官の説明が終わり、訓練が始まった。
最初は皆簡単そうだなどと言っていたが意外と難しいらしく3分の1ほどの者が失敗していく。
そして――――――――――
キース「次!アルミン・アルレルト!!準備をしろ!!」
―――いよいよ僕の番だ。
アルミンはゴクリと唾を飲み込み、ベルトが固定されたのを確認してから
アルミン「・・・・お願いします」
ワイヤーがキリキリと音を立てて昇って行く。そして・・・
アルミンの体が、宙に浮いた。
アルミン「くっ・・・・・ぉお・・・・!!」
すこしでも気を抜けば体が反転しそうになる。だがアルミンはフラフラしつつも姿勢を保持した。
そして、その姿勢で10秒。
キース「よし、降ろせ」
またワイヤーがキリキリと音を立てながら下がっていく。そしてアルミンの体が地面につき、アルミンはまた唾を飲み込んだ。
―――合格か
―――不合格か
アルミンは祈る様に目を瞑った。そして・・・
キース「アルミン・アルレルト、合格だ。明日からの訓練に励め」
合格。その言葉を聞いた瞬間、アルミンは自分の全身から力が抜けるのを感じた。
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- 26 : 2015/01/07(水) 13:32:39 :
- 期待
-
- 27 : 2015/01/07(水) 15:47:38 :
同時刻 別所
ここでも適性訓練が行われていた。
二人の教官が、データを書き込みながら話している。
教官1「・・・ふむ」
教官1「今年は出来るものが多いようだ」
そう言って、教官1が一瞥した方には、10名程の訓練生がいた。
ジャン「・・・・っ」フラッ
コニー「う・・・・ぉっと」ピタッ
教官2「あの・・・彼女は・・・・・」
ミカサ「・・・・・」ピッタァッ
教官2が指す方を見やると、そこにはミカサが少しも動かずに姿勢を保持していた。表情一つ動かないのでもうそういうオブジェの様である。
教官1「素質と言うものだろう。何をどうすればいいか全て分かるn・・・・・・」
教官1が途中で喋るのをやめた。いや、驚きすぎて言葉がすべてトんだのだろう。
なぜなら視線の先にいたのは、眠たげ~な顔をしつつも、大声で歌う少年が、訓練装置をブランコのようにして遊んでいたからである。
エレン「バンザァァァァァァイ!!!君をぉぉ!好きでよかったぁぁァァァァァ!このままずぅっとぉぉ!ずぅっとぉぉ!!ラララァ二人でぇぇぇぇぇ!!!!」ブラーン
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- 28 : 2015/01/07(水) 16:21:31 :
- 期待
-
- 29 : 2015/01/07(水) 17:45:43 :
- 続きはまだですか?
期待してます
頑張ってください
-
- 30 : 2015/01/07(水) 20:38:57 :
- バンザァァァァァァイ!!! でガキ使思い出したw
期待
-
- 31 : 2015/01/07(水) 23:43:47 :
- 続きはまだですか?
-
- 32 : 2015/01/08(木) 18:36:34 :
- きったぁーーーーーぁーーーーい
-
- 33 : 2015/01/08(木) 21:01:55 :
- 期待してます
-
- 34 : 2015/01/08(木) 23:25:13 :
- 続きはまだですか?
-
- 35 : 2015/01/09(金) 00:18:55 :
- 期待してます
-
- 36 : 2015/01/09(金) 17:28:49 :
- まだですか?まだですか?(*≧∀≦*)
-
- 37 : 2015/01/09(金) 22:07:08 :
- まだ?
-
- 38 : 2015/01/09(金) 22:08:34 :
- 続きはまだですか?
-
- 39 : 2015/01/11(日) 01:22:35 :
- 早く続き書いてください
-
- 40 : 2015/01/11(日) 02:18:56 :
- ちょっと急かしすぎですよ!
投稿した日に「続きはまだですか?」って…
私だって、期待していて続きが見たいssありますけど、全然続きが来なくて、3ヵ月くらい待っているんですよ!?(その人の他のssは続きが投稿されている)
気長に待ちましょうよ!
荒しより迷惑になっちゃいそうなので、これ以上は書きません。
期待です!!!!!!
-
- 41 : 2015/01/14(水) 23:10:40 :
- 期待はいいけど>>40の言う通り急かしすぎ。
人には人のペースがある
期待
-
- 42 : 2015/01/20(火) 00:55:26 :
- 続きはまだですか?
-
- 43 : 2015/01/20(火) 17:01:59 :
- 申し訳ありませんご無沙汰してました!
まだ中2で受験はもう一年先なのですが冬休み明けテストが予想以上に悪かったのでPC使わせてくれませんでした!
多分これから部活と勉強でもっと忙しくなるのでなっかなか来れませんが、気長に待って下さるとうれしいです
-
- 44 : 2015/01/20(火) 17:03:17 :
そんな事がありつつも、僕達は適性訓練をクリアする事が出来た。
ちなみにエレンはあの後教官に怒られていた。
-
- 45 : 2015/01/20(火) 17:03:32 :
- 一気に進みます
-
- 46 : 2015/01/20(火) 17:19:34 :
1か月後の朝。この日は雪がしんしんと降り積もる寒い日だった。
だがこの寒さだというのに、食堂は妙に騒がしく、いつも以上ににぎやかだった。
ジャン「おい、隣良いか?」
ジャンが尋ねる。その相手はアルミンとエレンだった。
アルミン「うん、いいよ」
アルミンはすぐに答えるが、エレンはうつむいて黙ったままだ。
ジャン「おいおい・・・まさかまた寝てんのか・・・・?」
ジャンがあきれ顔で言う。そう、エレンは適性訓練の後の長距離歩行訓練や、座学、筋力トレーニング、体幹トレーニングなどで驚異的な成績を叩き出しているが、1つ欠点があった。
そう、先ほどのジャンが言ったように、寝るのである。もう隙あらば寝るような感じで、本人が対象に興味を亡くした瞬間意識を失うように寝るのである。
エレン「zzzzz」プクー
実に気持ちよさそうな寝顔である。鼻ちょうちんまで垂らしている。
ジャン「な・・・・!?お・・い・・ウソ・・・だろ・・??」
ジャンは戦慄した。いや、ジャンだけではない。この場にいる者全員が、はたから見れば微笑ましいこのほのぼのした寝方に戦慄したのだ。
アルミン「また・・・また誰かが・・犠牲にならなくちゃいけないのか・・・・!!!」
-
- 47 : 2015/01/20(火) 17:21:10 :
- 続きが楽しみ
-
- 48 : 2015/01/20(火) 17:41:54 :
- アルミンの言葉でこの場にさらに緊張が走る。その理由は・・・
アルミン「ライナー!エレンを起こせるのはやはり君しかいない!!」
アルミンがライナーを指さす。
ライナー「はぁ!?俺がこの前起こしてどうなったか知ってるだろ!?」
ライナー「俺は絶対に嫌だ!!!」
アルミン「確かに!エレンは鼻ちょうちんが出てるときはぐっすりタイムで鼻ちょうちんを割るかエレンを起こすとブチ切れてその場にいる者全員の息の根を止めようとするけども!!でも・・!!これは君にしかできないんだライナー!!!」
そう、皆がエレンを起こしたくない理由は、それだった。
エレンはぐっすりタイムで起こされると視界にはいる者全ての息の根を止めようとするのだ。その後1時間は不機嫌タイムで眠る事はないが起きた直後はまさにその強さ鬼の如し。である。
起こした直後のエレンは、最強で、最恐で、最凶なのである。
気付けば大半の者が逃げたらしく、食堂に残っているのは12,3人だった。
いつまでも駄々をこねる(誰だってそうだろう)ライナーに、アルミンが提案した。
アルミン「・・・・僕に、考えがある」
-
- 49 : 2015/01/20(火) 17:43:10 :
- 続きが楽しみ
-
- 50 : 2015/01/20(火) 17:57:34 :
- 2分後、エレン起床作戦が開始された。
作戦はこうだ。まず、エレンの背後からライナーがフォークを投げ鼻ちょうちんを割り、エレンを起こす。なぜ背後からなのかは無論、エレンの視野に入るのを一瞬でも遅らせるためである。
エレンを起こすと、部屋中に散開していたメンバーが、空けていた窓から一斉に離脱。これはエレンの注意をライナーから離し、尚且つエレンに標的を絞らせないためだ。
そして最後にライナーが全速力で部屋から離脱。5分くらいしたら正気に戻ったエレンが不機嫌モードで部屋を出てきて、全員無事。と言う作戦だ。
ライナー「っ・・・・・」ゴクリ
ライナーに緊張が走る。そして―――――――――――――
ひゅんっ
フォークが宙を舞う。見事なループを描き、エレンの鼻ちょうちんにあたる。
パァンッ!!!
鼻ちょうちんが割れた。ライナーは全速力で部屋から出ようとするも、ある異変に気付いた。
もう1秒程経ったというのに、誰も窓から離脱しない。
気になったライナーはやめとけばいいのに部屋を見回した。
だが、食堂はもぬけの殻。だれもいない。
―――――そのとき
「俺の睡眠を邪魔する奴は―――――」
聞き覚えのある声。しかしいつもの眠たげな声とは明らかに質が違う、
エレンの声。
ライナーは、気絶する寸前、営庭に走っていく小さい人影を見た気がした。
ライナー「んぎゃぁぁぁああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
その悲鳴は、すでに逃げ出していたアルミン達にも届いたという。
-
- 51 : 2015/01/20(火) 17:58:59 :
- 期待
-
- 52 : 2015/01/20(火) 18:11:03 :
5分後、イラついたエレンと、瀕死のライナーが時間ぎりぎりで営庭に到着した。
ライナーは「アルミン、殺ス、コロス・・・・」と呪い(?)の言葉を唱えている。
アルミン「ごめんライナー、でもね、何かを帰る事が出来る人は、何かを捨てる事が出来る人だと思うんだ」
ライナー「だからって俺を捨てるなよ!!!!」
ライナーが怒鳴る。ものすごい生命力と回復力である。
と、そこへ
キース「黙れ豚ども!!今日は何の日だ!!ブラウン訓練兵!!」
キースが問う。なぜライナーなのかはよく分からない。
ライナー「ハ、ハッ!!雪山訓練であります!」
ライナーが答えるとともに、まわりからオオオオオ!!という歓喜の雄叫びが上がる。
そう、今朝食堂がいつも以上に騒がしかったのは、これが原因なのである。
雪山訓練。成績順の男女が、2泊3日雪山でサバイバルをし、先に山の頂上にある札をとって訓練所まで帰ってくる、と言うものだ。
今までクソしんだい筋トレだのランニングなどばかりしていた訓練兵たちにとっては、男女でキャッキャできる、修学旅行のようなものなのである。
しかも、体力づくりの総仕上げのためか、今後の成績への影響が異様に大きいらしい。
教官による説明も終わり、各チームがそれぞれのスタートラインへ立つ。
―――――そして
パシュゥゥゥゥゥッ
教官の放った赤色の信援弾で、訓練がスタートした。
-
- 53 : 2015/01/20(火) 18:16:40 :
- 続きが楽しみ
-
- 54 : 2015/01/20(火) 19:37:05 :
- 期待
-
- 55 : 2015/01/20(火) 21:31:53 :
- 明日にかけますか?
-
- 56 : 2015/01/21(水) 01:29:22 :
- 続きはまだですか?
-
- 57 : 2015/01/21(水) 01:58:03 :
- 頑張ってください
-
- 58 : 2015/01/22(木) 21:02:55 :
エレンチームは、なかなかに濃いメンツだった。
ジャン「よしっ!おいてめぇら!遅れんじゃねえぞ!!」ダッ
アルミン「ジャン、一人での行動は危険―――」
コニー「なぁ!雪合戦しようぜ雪合戦!!」
アルミン「コニー!?今は訓練中だよ!?」
サシャ「お腹すきました~」
アルミン「サシャ!!第1ポイントに着くまではご飯抜きだよ」
エレン「・・・っあ~やっべぇ・・・・いつでも寝れるわ」
アルミン「エレン・・・さっきまで寝てたじゃないか・・・・」
――――なんでこんなメンツなんだ・・・・・
アルミンは深いため息をついた。
確か今年の訓練兵の総数は200人以上。どんだけの偶然がおきてんだよ・・・アルミンはもう1度ため息をつきそして――――――――
考えることを、放棄した。
-
- 59 : 2015/01/22(木) 21:03:36 :
- 時間ないんでエレンチームだけ書き〼。
-
- 60 : 2015/01/22(木) 21:45:51 :
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
エレン達は第1ポイントで休憩した後、次のポイントに向けて移動していた。はずだった。
しかし今ジャン達がいるのは山のふもと。つまり訓練所内だった。そう、この訓練である事故が起きたため、訓練はやむなく中止となったのだ。
1時間前
ジャン「おい、もう出発するぞ」スクッ
ジャンが立ち上がり鞄を背負う。
ここは第1ポイントである木造の小屋。エレン達は30分ほど前にこの小屋へ到着し、昼飯を食べた後、小休憩をとっていたのだ。
サシャ「えーっ、まだ早いですよー・・・もう少し休みましょう」
サシャがブーブーと文句を言う。
エレン「そうだぜ?ちょっと寝るか」
エレンもそれに同意する。
ジャン「テメェは絶対寝んなよ!!!」
ジャンが鋭い突っ込みを入れる。ちなみにアルミンはほけーっとしている。ジャンが呼びかけると用意はするものの返事がない。考えることを放棄しているようだ。
そんなこんなで一同は結局あの後グダグダ駄弁って、出発したのは20分後だった。
出発してからは黙々と進んでいるが、どんどん道が細くなっていく。そんなことを心配してか、サシャが皆に注意を呼びかける。
サシャ「皆さん!ここから先は注意してください!!」
皆が返事をする。
ジャン「おう」
コニー「なぁなぁ!見てくれよ!!でっかい雪玉!!ほら!!」
アルミン「あ、うん」
エレン「zzzzzz」フラッ
と、ジャンが異変に気付く。
ジャン「おい今誰か寝てなかったか!?もっかい点呼!!」
サシャ「コニー!私の雪玉の方が大きいですよ!!」フスーッ
コニー「ハッ!俺は雪で手袋作ったぜ!!めっちゃ寒い!!」
・・・・・まぁ馬鹿2人は平気そうだ。
アルミン「あ、うん」
アルミンは・・・精神以外は大丈夫だろう。
エレン「zzzzzz」
・・・・・
ジャン「エレェェェェェェェェン!!!!寝てんじゃねぇぞテンメェェェェェ!!!!!!!」
ジャンの怒号でアルミンが正気に戻った様だ。即座にジャンに返答する。
アルミン「大丈夫だジャン!エレンは前に寝てても立ってるくらいなら出来る!!!はずだ!!」
そう、いつも通りのエレンなら立ったまま寝ることぐらいなんてことないのだ。いつも通りなら。
エレンの体がふらりと傾く。ちなみに今歩いてる道は横幅が1Mにも及ばない細い道だ。下は断崖絶壁。
ジャンに悪寒が走る。
ジャン(っ!!このままじゃエレンが――――――)
ジャンがエレンを介抱しようと飛び出すが数瞬遅かった。
エレンの体が道から滑り落ち・・・・
吹雪が舞う宙へと消えて行った。
ジャン「エレェェェェェェェェン!!!!!」
ジャンの叫びは虚しくも、山にこだまするだけだった。
そして現在に至る。という訳だ。
-
- 61 : 2015/01/22(木) 22:40:18 :
- 期待
-
- 62 : 2015/01/23(金) 23:47:48 :
- あ…、え…エレン…(´・ω・`;)
期待です!!
-
- 63 : 2015/01/24(土) 17:49:09 :
- 大鯨さんいつもありがとうです
>>62さぁ・・・どうなるんでしょうね
-
- 64 : 2015/01/24(土) 18:28:42 :
- 「おい豚ども・・・・」
訓練所に暗い声が響く。
「イェーガーはまだ見つかっていない。幸い吹雪が弱くなったため今現在我々が全力で捜索にあたっている」
「イェーガー以外の全訓練兵が帰還し次第、説明の後就寝だ。訓練予定だった明日明後日は休日とする。兵によってはショックも大きいだろう・・・・ゆっくり休め」
教官が部屋を出る。訓練所内は静かだが時折「ウソだろ・・・」「あいつが・・・・・」などの声がする。
ジャンはあたりを見回した。サシャ、コニー、アルミンはもちろん、ライナー、ベルトルト、マルコ、アニ、ユミル、クリスタの姿もある。全員が同じような表情だ。
『エレンが死ぬなんて、あり得ない』
ジャン自身も未だその事実を受け止められていなかった。
ジャンですらショックはかなり大きいのだ。もし・・・・
ジャンはハッとしてもう1度あたりを見回した。ミカサの姿はやはりない。ジャンは少し安心すると同時に、ある事を危惧した。
それは、ミカサの人格崩壊。前にアルミンに聞いた話によるとエレンはミカサの命の恩人だそうだ。しかもミカサの両親はミカサが幼いときに殺され、シガンシナ陥落では心の母であるカルラを殺された。
ミカサにとって最後の家族であるエレンを失えば、ミカサは・・・・・
ガチャ ギィィィィバタン・・・
「「「!!」」」
ミカサ「・・・・エレンは・・・・・・?」
訓練所内に沈黙が走る。それで察知したのだろう。
ミカサ「・・・・そう」
ミカサ「・・・・・エレンが訓練兵に志願したときから、こうなる事は覚悟していた・・・・・・今私達に出来るのはエレンの分まで頑張る事」
ミカサ「これで全員揃った。もう皆、寝た方がいい」
淡々と言うミカサを見ていると、こちらの胸が締め付けられた。
その後、誰も喋る事はなく、各々が部屋に戻っていった。
-
- 65 : 2015/01/24(土) 18:59:56 :
- ジャンの部屋
例に漏れず、この部屋でも誰も喋る者はいなかった。だが
コニー「・・・・・なぁ、エレ―――――――――」
マルコ「あ、明日ってあのー、えっと、予定とかある・・・?」
トーマス「あ、ああ!俺はー・・・本屋でも行くかなー!!」
ジャンとコニーの事を気遣ってくれているのだろうか。二人とも無理に話題を切り替えている気がする。
マルコ「あ!い、いいねー本y――――――――――」
コニー「エレンが、あんな事になったのって・・・俺の」
ジャン「うるせぇよ」
コニー「!!!!」
ジャン「あれは誰も悪くねぇ、俺等は明日明後日休んで次の日からいつも通り訓練してりゃいいんだよ」
コニー「でもエレンは!俺等がもっと早く気付いてたら・・・!!!」
コニーが目に涙を浮かべる。
ジャン「わかんねぇだろ、そんなの」
ジャン「結果は誰にもわからねぇ、さっさと寝ろ」
コニー「ッ!!・・・・おい」
コニーがベッドへ向かうジャンの方を掴んだ。そして―――――――――
コニー「このクソ野郎が!!!!!」バキッ
ジャンの顔に拳を放った。ジャンがベッドに吹っ飛ぶ。
ジャン「ってぇな・・・!!なにすんだクソ坊主!!!」
ジャンも跳びかかる。
マルコ「二人ともやめろ!!」
マルコが制止するが二人は止まらない。
コニー「お前は・・・!!お前は仲間が死んで・・・なんとも思わねぇのかよ!!!!」
ジャン「思わない訳ねぇだろうが!!!!!」
激昂。
コニーの拳が止まる。
ジャン「俺達が後悔したらアイツは戻ってくるのか!?」
コニー「ッ!!!!」
ジャン「それに・・・・アイツは死んでねぇよ」
ジャン「あいつがこんなんで死ぬ訳がないんだ」
ジャン「今俺達に出来る事は、アイツが帰ってきた時に、笑って迎えてやることだろうよ」
ジャン「分かったらさっさと寝ろ」
そう言ってジャンは自分のベッドに戻っていった。
-
- 66 : 2015/01/24(土) 19:34:26 :
1年後
よく晴れた日の朝、一人の少女が歌っていた。
ミカサ「Day by day(日に日に)We have lost our edge
(僕たちは危機感を無くしている)」
ミカサ「Don’t you know?(知らないだろう?)Forgotten is the life we led(いままでの人生でなくしたこと)
ミカサ「Now it seems(今となっては)」
ミカサ「You don’t care what the risk is(君たちはリスクなんて気にしない)The peaceful times have made us blind(平和な日々が僕らを盲目にした)」
ミカサ「Can’t look back(振り返ることなんてできない)They will not come back(彼らは戻ってこないだろう)
ミカサ「Can’t be afraid(怖がることもできない)It’s time after time(時は流れて)So once again(もう一度)」
ミカサ「I’m hiding in my room(僕は自分の部屋に隠れてる)―――――――」
「髪、伸びたね」
一人の少年が話しかける。
ミカサ「・・・・アルミン」
アルミンと呼ばれた少年は、1年前よりも少し背が伸び、大人びた印象だ。
アルミン「行こう、もうすぐ集合の時間だ。今日は調査兵団の団長、兵士長、一番隊隊長が視察に来るらしいよ」
ミカサ「・・・一番隊隊長・・・・・?」
ミカサが首をかしげる。たしか調査兵団は団長、兵士長以外はまとめて分隊長と呼ばれていたはずだ。
アルミン「ミカサ・・もう少しニュースとかに興味を持とうよ」
アルミン「ある日団長が、各分隊長を役割ごとに分けたんだ。1番隊から5番隊までが戦闘。6番隊から10番隊までが技巧・事務らしいよ」
アルミンが続ける。
アルミン「なかでも1番隊の隊長はあのリヴァイ兵士長とも並ぶほどの実力者だそうだよ」
ミカサ「・・・そう、でもエレンの方が強いに決まっている」
アルミン「ミカサ・・・・・」
エレンはまだ見つかっていない。でも1年たったことにより皆それぞれがそれを乗り越えているようだ。
-
- 67 : 2015/01/24(土) 21:01:48 :
- 期待
-
- 68 : 2015/01/24(土) 21:01:57 :
- 続きが楽しみ
-
- 69 : 2015/01/24(土) 22:00:27 :
ウォールローゼトロスト区。馬車である一行が訓練所に向かっていた。
「団ちょー・・・あとどんくらいっすか~?」
一人の男が眠たげな声で話しかける。
団ちょーと呼ばれた男が含みのある笑みを浮かべながら返答する。
「午前中には着くだろう、それまでは休んでいたまえ。一番隊隊長」
「んじゃ、俺は寝てるんで、着いたら起こしてくださいね、兵ちょ」
兵ちょと呼ばれた男が怒鳴り声を上げる。
「あぁ!?てめぇが来たいって言ったから連れてきてやったんだぞ!?しかもてめぇを起こすなんて面倒な事誰が―――――!!」
「zzzzzzzzzzzz」
「もう寝てるな、まぁいいじゃないか。それに彼を調査兵団に誘ったのは君だろう?リヴァイ」
リヴァイ「はぁ・・・・・エルヴィン。着いたらコイツ起こすの手伝え」
エルヴィン「遠慮しておこう。鼻ちょうちんが出ている」
リヴァイ「あ?・・・・・・最悪だクッソ」
調査兵団到着まで、あと3時間。
-
- 70 : 2015/01/24(土) 22:01:30 :
- 続きが楽しみ
-
- 71 : 2015/01/25(日) 01:56:04 :
- 期待
-
- 72 : 2015/01/25(日) 01:56:11 :
- 続きが楽しみ
-
- 73 : 2015/01/26(月) 01:49:26 :
- ちょっ…エ…レン…?(・ω・;;)
期待です!!!!
-
- 74 : 2015/01/26(月) 16:54:55 :
- 期待
-
- 75 : 2015/02/03(火) 00:41:51 :
- 続きが楽しみ
-
- 76 : 2015/02/03(火) 01:05:27 :
- ヤベェ、ここに神がいたよ。もう期待するしかない!
-
- 77 : 2015/02/03(火) 16:36:42 :
- まだ&期待
-
- 78 : 2015/02/03(火) 18:21:04 :
- よっしゃ!今日は1つでも投下します!
-
- 79 : 2015/02/03(火) 18:35:16 :
アルミンとミカサは、営庭に向かって歩いていた。
アルミン「髪・・・切らないの?」
アルミンが聞くと、
ミカサ「エレンが帰ってくるまでは、切らない」
ミカサは遠くを見たまま答えた。
アルミン「そう・・・か・・・」
アルミンは言葉に詰まった。確かにアルミンはエレンがこのくらいで死ぬはずがないと思ってるし、いつかまた、あの眠たげな顔で帰ってくると信じていた。しかし、心のどこかでは、もうエレンは・・・・・・
そこまで考えて、アルミンは無理やり思考を断った。
―――――何を考えている。エレンは絶対に生きてる。
アルミンはエレンが生きているか不安になった時、無理やり思考を停止させて自分に「エレンは生きてる」と思い込ませているのだ。そうしないと・・・・・・
「よう」
不意に声をかけられて、アルミンはハッと我に返った。声の主は、ジャンだった。
ジャン「もうほとんど集まってる。早く行くぞ」
アルミンとミカサは、無言でジャンの後について行った。
-
- 80 : 2015/02/03(火) 19:02:52 :
- 営庭
ジャンの言っていた通り、もう営庭にはほとんどの訓練兵が集まっていた。やはり皆、調査兵団のトップ達が来るとあって、気合が入っているようだった。
そこへ教官がやってきた。
キース「調査兵団が到着するまであと2時間程だ。彼らは貴様らの訓練に混じる事になっている」
「な!?・・・聞いてねぇぞ・・!!」「すっげぇ・・・!!」などと訓練兵の一部がざわめく。
キース「黙れ!・・そこでだ。今からウォーミングアップで、今から昼まで、自主練習とする!以上だ!解散!!」
アルミンは、1人で訓練室へ行った。
訓練服を脱ぎ、上半身は裸になった。
この1年で、アルミンの体は見違えるほど逞しくなっていた。肩の筋肉は盛り上がり、腹筋もいくつも割れ、足腰もがっちりしている。というのも、エレンが居なくなった日から、アルミンは、ただでさえキツイ訓練の後、1人で自主トレを繰り返していたのだ。
また、アルミンはエレンから教わった格闘の訓練もしていた。確か、エレンはボクシングとか言ってた気がする。
その中でもアルミンが一番集中して行ってるのが、シャドーボクシングと言うトレーニングだ。
これは、目の前に敵がいることを想像してパンチを打ち込むトレーニングで、アルミンは毎日これを怠ったことはなかった。
アルミンが左ジャブを放つ。ビュッ、というパンチが風を切る音がした。そして、ジャブを放った左腕を戻すと同時に、右ストレートを放つ。そしてさらに腰を回転させ左フック。相手がパンチを放ってくることを予測し、左右に上体を振り右フック。これで相手がよろけることを想定して左でアッパー。どのパンチも速く、アルミンは自分でもかなり重いと自覚していた。
これをしている時は何も考えずにいれる。アルミンはただ無心で拳を振るい続けた―――――――――
-
- 81 : 2015/02/03(火) 19:21:18 :
集合時間が近づき、また続々と訓練兵たちが集まりだしていた。
アルミンは着替えて訓練室を出た。
途中でミカサと会った。彼女も彼女で相当ハードなトレーニングもしていたらしい。こんなにも寒い日だというのに、袖をまくっていた。
アルミン達が着いた時にはもうすでに全訓練兵が集合していた。アルミンは慌ててならんだ。
教官と、1人の男が壇上に上がった。
キース「全員揃ったか!!それでは、これより調査兵団との訓練を開始する!!」
キース「まずは団長に挨拶をしてもらう!!」
そう言って教官が下がり、先ほどの男が前に出た。
エルヴィン「訓練兵の諸君。私は、調査兵団団長、エルヴィン・スミスだ。今日は君達の訓練を見学させてもらう。よろしく頼む」
長身で、頭がよさそうな男だ。
ミカサ「エルヴィン団長」
不意に、ミカサが手を上げた。
エルヴィン「・・・なんだね」
ミカサ「兵士長殿と一番隊隊長殿はいらっしゃらないのでしょうか?」
確かに、とアルミンは思った。前の説明では確かに3人だと聞いていたのに、壇上にはエルヴィン以外誰もいなかった。
エルヴィン「ハハッ」
エルヴィンは、やはりか、という顔をして笑った後、答えた。
エルヴィン「すまないな。うちの一番隊隊長は寝坊助なもので。なぁに、直に来るよ。まぁ君達の良く知る人物だろう」
何かを含んだ笑みを浮かべるエルヴィンをミカサは怪訝そうに見た後、何か言いたげだったが「ありがとうございました。すいませんでした」とだけ言い、下がった。
-
- 82 : 2015/02/03(火) 20:06:32 :
- しばらくして、小柄な男と、その男よりも一回り大きな男が現れた。
エルヴィン「!ああ、きたか」
2人に気づいたエルヴィンが軽く会釈する。
エルヴィン「さ、2人とも、挨拶してくれ」
小柄な男は「めんどくせぇ」と言った後、渋々前に出た。
リヴァイ「調査兵団兵士長、リヴァイだ」
リヴァイはそれだけ言うと、また後ろに戻った。
そのあと、もう1人の男があくびをしながらふらふらと前に出た。
アルミンは、なぜか心臓が跳ねるのを感じた。それはミカサもらしく目を見開いている。
「えぇ~っと・・・・」
アルミンは、また心臓が跳ねるのを感じた。この声。聞いたことがある。僕の親友で、ヒーローで、憧れである。あの――――
ミカサもまた信じられないという顔をしていた。ジャンやコニーなど、一部の者は2人と同じように目を見開いている。
男はもう1度大きく欠伸した後、言った。
エレン「調査兵団一番隊隊長、エレン・イェーガー。よろしく」
-
- 83 : 2015/02/03(火) 20:08:14 :
ここでとりあえず一区切りです。
また別のスレを立ててから続き書きます。
コメントしてくださった皆様、また、閲覧してくださった皆様、次スレも見て下さいませ
進撃の信長協奏曲
-
- 84 : 2015/02/03(火) 21:11:37 :
- 面白かった
-
- 85 : 2015/02/03(火) 21:11:51 :
- 続きが楽しみ
-
- 86 : 2015/02/03(火) 21:15:33 :
- おつかれさまです!
次作もふぁいとです⊂((・x・))⊃
-
- 87 : 2015/02/06(金) 19:54:35 :
- 次回作も期待!!!
-
- 88 : 2015/02/10(火) 20:54:00 :
- ちなみにエレンは調査兵団のフード被っているのでミカサとかは分からない設定です。はい。つけたしです。あとで自分で読んであれっ?てなったので(汗
すんません
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- 89 : 2015/03/06(金) 20:48:59 :
- 続きが早く見たい!!!!
-
- 90 : 2015/03/22(日) 16:00:47 :
- まだ?
-
- 91 : 2015/03/22(日) 17:24:57 :
- 放置?
-
- 92 : 2015/05/19(火) 22:47:42 :
- まだ
-
- 93 : 2015/07/11(土) 00:17:16 :
- 期待してたのに
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- 94 : 2016/06/25(土) 11:09:12 :
- 多々はもっとちゃんとか毛背背卯宇井好く捨て巣手背背背。その結果、荒らしての弓矢の弓矢の弓矢の弓矢の弓矢の弓矢の弓矢の弓矢の弓矢の弓矢の弓矢の弓矢の弓矢が死んだも含めました、さらに、さらに詳しくはないことをですよね.
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- 95 : 2016/08/12(金) 17:57:38 :
- なんで放置なんだバッキャロー
-
- 96 : 2017/01/05(木) 17:04:36 :
- もしかして放置してるの?
-
- 97 : 2017/03/02(木) 17:48:28 :
- 死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
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- 98 : 2017/03/20(月) 08:56:05 :
- 名無しさん。。。
お前が死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
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- 99 : 2017/03/21(火) 12:06:20 :
- え、ちょ
おーいw
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- 100 : 2017/03/26(日) 08:36:45 :
- 貼ってくmaziswtj@c@@isas!t!tatssplptitsfo/tptilhealmatt.t?t?tt,uhtimpl!mn!tptplpsj/lxlkqrjmcdlitilxlqttbsqeq
-
- 101 : 2017/06/18(日) 23:31:42 :
- 後1年待つね?笑笑
-
- 102 : 2017/06/18(日) 23:32:53 :
- 続き
http://www.ssnote.net/archives/31368
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- 103 : 2017/12/18(月) 00:28:54 :
-
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- 104 : 2018/10/07(日) 16:18:51 :
- http://www.ssnote.net/link?q=http://www.ssnote.net/archives/31368死刑
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- 105 : 2018/10/07(日) 16:19:50 :
- tptilhealmatt.t?t?tt,uhtimpl!mn!tptplpsj/lxlkqrjmcdlitilxlqttbsqeq
101 : RRRR : 2017/06/18(日) 23:31:42
後1年待つね?笑笑
102 : RRRR : 2017/06/18(日) 23:32:53
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103 : kp://www.ves/30055 : 2017/12/18(月) 00:28:54
104 : 名無しさん : 2018/10/07(日) 16:18:51
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- 106 : 2018/10/07(日) 16:20:48 :
104 : 名無しさん : 2018/10/07(日) 16:18:51
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- 107 : 2023/03/18(土) 22:42:22 :
- コイツも失踪したnote民か(^ω^)
まぁ現実の世界でよろしくやってくれてんなら良いんだけどね(^ω^)
わざわざこちら側の闇でしかない裏の世界に戻ってくる必要はない(^ω^)
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無気力エレンの進撃 シリーズ
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