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わらしべクリスタ※天使注意

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  1. 1 : : 2013/11/18(月) 00:09:52
    短編です。
    クリスタ大好きです^^
  2. 2 : : 2013/11/18(月) 00:10:17
    ===ある休日の朝・訓練兵宿舎===

    クリスタ「いよいよ今日だ…」

    クリスタ「最近訓練がきつくって、計画通り進まなかったけど…」

    クリスタ「間に合うかなぁ…」

    クリスタ「とりあえず、街に行こう」

    ===2時間後・訓練兵宿舎===

    クリスタ「…今日に限って、お店がお休みなんて…」トボトボ

    クリスタ「…」

    クリスタ「…しょうがないよね。多めに買っておかなかった私が悪いんだから」

    クリスタ「今回はあきらめるしかないか…」

    ***

    クリスタ「ん?誰か倒れてる!あれは…サシャ!?」

    クリスタ「サシャ!大丈夫!?」

    サシャ「うう…お腹がすいた…もう立ち上がれない…」

    クリスタ「今日は朝ごはん、少なかったもんね」

    クリスタ「はいっ、サシャ、これ食べて」

    サシャ「これは、クッキーですか!?」

    クリスタ「さっき街に行った時に、おいしそうだなって思って買ったんだ」

    サシャ「うう…神いぃぃぃ。いつもすみません」

    クリスタ「な…泣かないでよ~^^;じゃ、私、馬の世話にいかなくちゃいけないからまた後でね」

    サシャ「あ、クリスタ、よかったらコレ、お礼です」

    クリスタ「ハンカチ?」

    サシャ「この前、街で福引をしたときに、5枚セットで当たったんです。一枚あげます」

    クリスタ「ありがたく貰うことにするよ」

    ***
    ===馬小屋===

    ヒヒーン

    クリスタ「みんな、今日も元気かな」

    クリスタ「あ、誰かいる」

    ライナー「クリスタか…」

    クリスタ「!ライナー、その腕、どうしたの!?血が出てるよ!」

    ライナー「立てかけてあった熊手が、急に倒れてきてな…」

    クリスタ「大変!止血しなくちゃ!なにか包帯の代わりになるものは…」

    クリスタ(そうだ、サシャに貰ったハンカチ)

    クリスタ「」ギュッ

    クリスタ「これで応急処置は大丈夫。すぐに医務室に行った方がいいよ」

    ライナー「ああ、すまんな、クリスタ」

    ライナー(結婚しよ)

    クリスタ「ライナー、ちょっと顔が疲れてるよ」

    クリスタ「ライナー、昨日もアルミンの荷物持って走ってたでしょ。そういうところ、ライナーのいいところだけど、自分の体も気遣わないとだめだよ」オコリガオ

    クリスタ「馬のお世話は私がやっておくから、今日はゆっくり休んで。ね?」ニコ

    ライナー「あ、ああ…助かる」

    ライナー(なんってええ娘なんやーーー!惚れてまうやろーーー!///)

    ライナー「でも、ただで馬の世話をやってもらうのも気が引けるな」

    ライナー「そうだ、たまたま持っていたもので申し訳ないが、これ、貰ってくれないか」

    クリスタ「わぁ、きれいな装飾のペンだね」

    ライナー「じゃあな。馬の世話を任せておいてなんだが、クリスタも今日はゆっくり休めよ」

    クリスタ「うん。ありがとう」

    ***
  3. 3 : : 2013/11/18(月) 00:17:22
    クリスタ大好きの私にはたまらないssです♥︎ 頑張ってください。
  4. 4 : : 2013/11/18(月) 00:18:10
    ありがとうございます^^がんばります♪
  5. 5 : : 2013/11/18(月) 00:18:15

    ===書庫===

    クリスタ「さてと、午後からはやることないし、本でも借りて読もうかな」

    クリスタ「あ、アルミン、こんにちは」

    アルミン「やあ、クリスタ」

    アルミン(休日の私服のクリスタも可愛いな)デレ

    クリスタ「すごいね。休みの日なのに、座学の予習なんて」

    アルミン「これくらいしか取り柄がないからね」ハハ

    クリスタ「そんなことないよ。あれ、アルミン、そのペン…」

    アルミン「うん、インクが切れちゃったみたいなんだ…。もう替えもないし…もう少しやりたかったけど、今日はここまでかな」

    クリスタ「よかったら、このペン貸そっか?」

    アルミン「え、いいの?」

    クリスタ「うん。きちんと返してもらえれば大丈夫だよ。あ、そうだ!代わりに、アルミンのおすすめの本を教えてほしいな」

    アルミン「はは。喜んで!」

    アルミン「これ、僕の私物なんだけど、どうかな。エレンも好きなシリーズなんだ。とってもおもしろいよ」

    クリスタ「ありがとう!さっそく読んでみるね」ニコ

    アルミン(安定の天使だ…)

    ***

    ===休憩室===

    クリスタ「すごい…話にどんどんひきこまれちゃう」

    クリスタ「あ、エレン」

    エレン「おう、クリス…」

    エレン「あっ!その本!!!」

    クリスタ「アルミンから借りたんだ。エレンも好きなシリーズの本なんだよね」

    クリスタ(主人公が広い世界を冒険する話…確かに、エレンにぴったりだね)

    エレン「新刊が出てたのか!なぁ、読んだら貸してもらってもいいか!?」

    クリスタ「もちろん、いいよ」

    エレン「じゃあ、読み終わるまでここで待ってる」

    クリスタ「え」



    クリスタ「…」

    クリスタ「…」

    クリスタ(エ…エレンの視線が気になって集中できないよ…)

    クリスタ「エ、エレン、良かったら先に読む?」

    エレン「!いいのか!?」

    クリスタ「ふふ、そんなにこの本が出るのを楽しみにしてたんだね」

    クリスタ(エレンって、こういうところ、可愛いよね)

    エレン「読んでる途中なのにごめんな、クリスタ」

    エレン「どうしても我慢できなくってさ…」

    エレン「読み終わったら持ってくるから」

    クリスタ「うん。急がなくっていいからね」

    エレン「サンキュー。あ、そうだ、お詫びにこれやるよ」

    クリスタ(なんだか今日はよく物を貰う日だなぁ…)

    クリスタ「これ、何?缶バッジ?」

    エレン「今、男子の中で流行ってんだけど知らないのか?その模様は、けっこうレアだぞ」

    クリスタ「そうなんだ…じゃあ、つけとこっかな」

    クリスタ(この服にはあんまり合わない感じだけど…)

    クリスタ(まあいっか^^)

    クリスタ「じゃあ、またね。エレン」

    ***
  6. 6 : : 2013/11/18(月) 00:19:56
    すごい
  7. 7 : : 2013/11/18(月) 00:20:43
    支援×100000000000
  8. 8 : : 2013/11/18(月) 00:22:58
    これは久々に面白そうだ
  9. 9 : : 2013/11/18(月) 00:31:58
    ===中庭===

    クリスタ「さて、次は何をしようかなぁ…」

    クリスタ「あーあ。本当はやりたいことがあったのになぁ…」

    クリスタ「ううん、いつまでもうじうじしてちゃダメ!」フルフル

    コニー「お、クリスタじゃん」

    クリスタ「こんにちは、コニー。もうずいぶん肌寒くなってきたのに半袖なんだね」

    クリスタ(あ、コニーの服、缶バッジがついてる。本当に流行ってるんだ)

    コニー「クリスタが厚着なんだよ。ん?」

    コニー「!!!!その缶バッジは!!!!」

    クリスタ「これ?エレンからもらったんだよ」

    コニー「なぁ頼む!!それ、譲ってくれないか!?」

    クリスタ「え…これを?」

    コニー「俺、缶バッジ集めにはまってて、それ、俺が唯一持ってない柄なんだよ!頼む!この通り!!!」

    クリスタ「そ…そこまで頼まれたら、断れないなぁ…」

    クリスタ「…いいよ!」

    コニー「本当か!?」

    クリスタ「もらい物だから気が引けるけど、私、そこまで缶バッジにこだわりないし、ほしい人が持ってた方が、この缶バッジもきっと喜ぶだろうから…」

    コニー「ありがとうクリスタ!神様仏様!!!」

    コニー「お礼にこれやるよ!」

    クリスタ(ま…また!?っていうか…)

    クリスタ「」ズシン

    クリスタ「きゃっ!これ、何!?重たっwwww」

    コニー「ん?さっき見つけた、やたらとデカい、重い石だ!かっこいいだろ!?」

    クリスタ「かっこいいって…」

    コニー「じゃあな!」

    クリスタ「ち、ちょっとコニー!」

    クリスタ「行っちゃった…」ボーゼン・・・

    ***
  10. 10 : : 2013/11/18(月) 00:37:34
    何に使えるんだろ…石って
  11. 11 : : 2013/11/18(月) 00:39:15
    >>6
    >>7
    >>8
    ありがとうございます!短いですが、お付き合いください^^

    >>10
    あの人になら、いろんな使い方ができるはずです。たぶん。。。
  12. 12 : : 2013/11/18(月) 00:40:14
    確かに「あの人なら…!」
  13. 13 : : 2013/11/18(月) 00:42:36
    >>12
    誰なんだ?
  14. 14 : : 2013/11/18(月) 00:43:38
    あの人なら完全に石を使いこなせるはず..!
  15. 15 : : 2013/11/18(月) 00:48:54
    考え中・・・(-.-)
  16. 16 : : 2013/11/18(月) 00:51:10
    >>15 何を?
  17. 17 : : 2013/11/18(月) 00:51:34
    クリスタ「…」

    クリスタ「…」

    クリスタ(お、重いっ)

    クリスタ(もうダメ…)

    クリスタ「」ズシン!

    クリスタ(コレ、どうしたらいいんだろう…)

    クリスタ(正直いらないんだけれど、ここに置き去りにするのもほかの人に迷惑だよね…)

    ミカサ「クリスタ、何してるの」

    クリスタ「あ、ミカサ…えっと…」

    ミカサ「その石、クリスタの?」

    クリスタ(私の…になるんだよね、コレ)

    クリスタ「う、うん。まぁ…」

    ミカサ「丁度そんな石をさがしていた。よかったら譲ってほしい」

    クリスタ(マジで!?)

    クリスタ「いいけど…っていうか、むしろありがたいんだけど、この石、何に使うの?」

    ミカサ「最近、敵が強大になってきた」

    ミカサ「今のままじゃ、エレンを守れない」

    ミカサ「ので、日々トレーニングに励んでいる」

    ミカサ「その石は、腹筋・背筋・腕立ての時の重しにもよさそうだし、握りつぶして握力を鍛えるのにもよさそう」

    クリスタ「な…なるほど…」

    クリスタ(って、握りつぶ…え?)

    ミカサ「じゃあ、これは持っていくね」ヒョイ

    クリスタ(か…片手で軽々と持った!!!)ガクブル

    ミカサ「そうだ…」

    ミカサ「これ、使いかけのなんだけど、私はもういらないから、よかったら貰って」

    クリスタ「紙袋?」

    クリスタ「何かな…」ガサガサ

    クリスタ「あっ!これ…!!!」

    ミカサ「『これ』の修繕に使ったの。でもたくさんあまっちゃって」

    ミカサ「クリスタが前に作業してるのを見たから…もしかしたらいるかなって思って」

    クリスタ「ミカサ…ありがとう!!!トレーニング頑張ってね!それじゃ!」タタタ

    ミカサ(あんなに慌ててどうしたんだろう…)

    ***
  18. 18 : : 2013/11/18(月) 00:53:50
    ミカサだった‼︎
  19. 19 : : 2013/11/18(月) 00:58:54
    ミカサなら納得
  20. 20 : : 2013/11/18(月) 01:23:16
    クリスタ(まさか、手に入るなんて…)

    クリスタ(今からやれば、まだ、間に合う!)


    ===6時間後・中庭===


    ユミル「う~…」ブル・・・

    ユミル「夜中になるとさすがに冷えるな」

    ユミル(そういや、今日クリスタに会ってないな…)

    ユミル(あいつどこで何やってんだ?)

    ユミル(せっかくの休日なんだし、一緒に過ごしたかったんだが…)

    ユミル(いや、クリスタだって、他の奴と過ごしたい日もそりゃあるだろ。あんまり束縛しちゃ、あいつが可愛そうだな)ハハ

    ユミル(…)

    ユミル「部屋に戻るか…」

    クリスタ「ユミルっ!!!!」バッ

    ユミル「うわっ!クリスタ!?」

    ユミル「びっくりした…どうしたんだ?こんな時間に…」

    クリスタ「えへへ…実はね、渡したいものがあるの」

    クリスタ「はい!誕生日、おめでとう!」

    ユミル「え?…た…?…何だ?」

    クリスタ「誕生日だよ!この前ユミルに誕生日聞いたとき、『来月の今日だな』って言ってたでしょ?」

    ユミル(そういえばそんなことが…自分の誕生日なんて知らねぇから適当に答えたんだっけ…)

    ユミル(なんにしろクリスタまじ天使!)

    ユミル「ありがとう。何だろコレ…開けてもいいか?」

    クリスタ「うんっ」

    ユミル「」ガサ・・・

    ユミル「あ、マフラー…」

    クリスタ「あのね、それ、手編みなの。初めて編むし、猶予は1か月だし、慌てちゃった」アハハ

    ユミル「お、お前、毎日訓練で死にかけてるくせに、そんなことしてたのか…!?」

    ユミル(こんな、)

    ユミル(私なんかのために)

    クリスタ「ユミル、あなたがいてくれて良かった」

    クリスタ「最初はいじわるな人だなって思ったけど…」クス

    クリスタ「誰よりも私のこと考えて、支えてくれる、私にとってかけがえのない人だよ」

    ユミル「クリスタ…」

    ユミル(やばい…なんか泣きそうだ…)

    ユミル「だはははっ、編み物までできるなんて、ますます惚れちゃうなクリスタ!愛してるぜ!」ギューーッ

    クリスタ「きゃっ!もうっ」

    クリスタ「」

    クリスタ「あはははっ」

    ユミル「はははっ」




    ***

    ユミル「このマフラー、温かいな」

    クリスタ「そっか、良かったぁ」

    ユミル「でも、端っこだけ色がワインレッドなのはなんでだ?」

    クリスタ「え…それは…」

    クリスタ「ひ、秘密!」



  21. 21 : : 2013/11/18(月) 01:28:56
    乙!
    安定のコニー安心した
  22. 22 : : 2013/11/18(月) 01:38:21
    乙!

    何だかんだでコニーがいい仕事した
  23. 23 : : 2013/11/18(月) 01:46:50
    コニーが称えられるというまさかの結末w
  24. 24 : : 2013/11/18(月) 02:24:29
    面白い
  25. 25 : : 2013/11/18(月) 20:38:46
    いいねー
  26. 26 : : 2013/11/18(月) 22:11:15
    隠れぱんださんミントさんありがとうございます(*^^*)!
  27. 27 : : 2013/11/19(火) 21:29:35
    天使クリスタ最高
  28. 28 : : 2013/11/21(木) 00:25:01
    クリスタには幸せになってほしい…!!
  29. 29 : : 2013/11/21(木) 03:34:00
    なんだかほっこり
  30. 30 : : 2013/11/22(金) 23:00:28
    ほのぼのユミクリです(*^^*)
  31. 31 : : 2013/11/23(土) 22:52:32
    後日談



    サシャ「どうしたんですか、そのマフラー」

    ユミル「クリスタから貰った。さすが私のクリスタだろ?誕生日プレゼントだってさ」

    サシャ「へぇ~。ユミル何歳になったんですか?」

    ユミル(え、何歳だっけ)

    ユミル(適当でいいや)

    ユミル「17だ」

    サシャ「クリスタの一つ上なんですね」

    ユミル(そういや、クリスタの誕生日っていつなんだろうな)

    ユミル(聞いてみるか)


    ***


    クリスタ「あ、マフラー使ってくれてるんだね」

    ユミル「せっかくお前から貰ったプレゼントだしな」

    ユミル「ところで、クリスタの誕生日はいつなんだ?」

    クリスタ「え…えっと…」

    ユミル「?」

    クリスタ「明日…なんだ」

    ユミル「明日ぁ!?」

    ユミル(急すぎるだろ、おい!)

    クリスタ「あ、プレゼントとか、気を遣わなくっていいからね!」

    ユミル「そ…そうか?」

    ユミル(クソっ、私からも贈り物ができたらとか考えてたんだが…)

    ユミル(こうなったら、104期生から何か奪い取ってやる)
  32. 32 : : 2013/11/23(土) 23:20:14
    ***


    ユミル(ん、あそこにいるのはミカサ)

    ユミル(あまり期待できなさそうだが…)

    ユミル「よぉ、ミカサ」

    ミカサ「なに?」

    ユミル(相変わらずエレン以外にはそっけねー奴だな)

    ユミル「お前、なんかいいもんもってねぇか?」

    ミカサ「いいもの?何のこと?」

    ユミル「だから、なんつーか、宝物みてぇな」

    ミカサ「宝物なら、エレ///」

    ユミル「そうじゃなくて」

    ミカサ「エレン以外に大切なものなんてない」

    ユミル「いや、人じゃなくてだな」

    ミカサ「だったらコレ。エレンに貰ったマフラー」

    ユミル「それはちょっとなぁ…」

    ミカサ「エレンに貰ったブレードの替えの刃」

    ミカサ「エレンの使っていたスプーン」

    ミカサ「エレンの使用済みの歯ブラシ」

    ユミル「」

    ユミル(こいつに聞いた私がバカだった)

    ユミル「わかった、もういいよ…ん?」

    ユミル「…お前、なんで石なんか背負ってんだ?」

    ミカサ「トレーニングの一環」

    ミカサ「負荷をかけて訓練に臨むことで、さらに強くなれる」

    ミカサ「握力も鍛えられる」バキョッ

    ユミル(握りつぶ…え?)

    ユミル「強くって、もう充分だろ…」

    ミカサ「クリスタに貰った石、使い勝手が良くて助かる」

    ユミル「クリスタに?」

    ミカサ「ありがとうと、伝えておいて」

    ユミル(クリスタ、何やってんだ?)

  33. 33 : : 2013/11/25(月) 16:40:36
    心が和むなぁ~♪
  34. 34 : : 2013/11/27(水) 00:16:38
    ほっこり(=^x^=)ほっこり
  35. 35 : : 2013/12/07(土) 16:01:46
    憲兵団さん、りんごさん、ありがとうございます!
    しばらく放置してしまっていましたが、続き書きます!
  36. 36 : : 2013/12/07(土) 16:15:55
    ***

    コニー「何うろついてんだ?誰か探してんのか?」

    ユミル「コニーか」

    ユミル(こいつもあまり期待できなさそうだが…)

    ユミル「なあ、お前、なんかいいもんもってねぇか?金目のものとか、価値のありそうなもん」

    コニー「なんだよいきなり」

    コニー「まあいいけど…いいもんっつったら、コレだな!」

    ユミル「缶バッジ?」

    コニー「最近手に入れてさ!すっげぇレアなんだぜ!」ドヤァ

    ユミル(こんなのが、レア物なのか…)

    ユミル(まあいいか、時間もねぇし)

    ユミル「」バッ

    コニー「あっ、テメ、何すんだ!返せよ!」

    ユミル「手癖が悪いもんでね。この缶バッジは諦めてくれ」

    コニー「待てよブス!!!せっかくクリスタに頼み込んで譲ってもらったんだ!」

    ユミル「クリスタに?」ピタ

    ユミル(ちっ、それじゃ、クリスタに渡せねぇな…)

    ユミル「ダハハ、マジになるなよ。ほら」

    コニー「お前な…悪ふざけにも程があんだろ…」

    コニー「なんでお前みたいな性悪とクリスタがいつも一緒にいるのか、理解できねぇぜ」

    ユミル「」

    ***
  37. 37 : : 2013/12/07(土) 16:37:38
    ユミル(コニーのやつ…何気に人が気にしてる事を…)


    ユミル(おっ、あそこにいるのはエレンとアルミン)

    ユミル(エレンはともかく、アルミンは期待できそうだな)


    ユミル「おい、お前ら」

    アルミン「やぁ、ユミル。どうしたんだい?」

    エレン「…」

    ユミル「ん?エレン、お前本なんて読むのかよ。意外だな」

    エレン「ほっとけよ。本当はクリスタが借りてたやつなんだけど、先に読ませてもらってんだ。最近訓練がきつくて読めてなかったから、いそがねぇと…」

    ユミル(また、クリスタか…)

    ユミル(おっ)

    ユミル(お宝発見!)

    ユミル「アルミン!お前の持ってるそのペン、綺麗だな。私にくれないか?」

    アルミン「これかい?」

    アルミン「残念だけど、あげられないよ」

    ユミル(ならば奪うまで、だ)ニヤ

    アルミン「借りものなんだよ。クリスタからの」

    ユミル「」

    ユミル「クリスタ…?」

  38. 38 : : 2013/12/07(土) 18:57:27
    アルミン「うん。本当に、優しくて気が利く子だよね、クリスタって///」

    アルミン「ってうわあっwなんで蹴るの!?」

    ユミル「なんとなくだ」

    ***


    ライナー「~♪」

    ユミル「ライナー、なにニヤニヤしてるんだ?」

    ライナー「うおっ、なんだユミルか…」

    ユミル「それ、ハンカチか?」

    ユミル(安物っぽいがこの際……いや、)

    ユミル「もしかして、だけどさ」

    ユミル「それ、クリスタのか?」

    ライナー「!なんでそれをwいや、俺は盗んでないぞ!?」

    ユミル「わかってるよ」

    ライナー「怪我した腕に巻いてくれたんだ。クリスタ…俺の天使…///」

    ライナー「っておい、なぜ蹴る!?」

    ユミル「だからなんとなくだ」

    サシャ「二人とも、何してるんですか?」

    ユミル「別に」

    サシャ「もうすぐ夕飯ですよ!一緒にどうですか?」

    ユミル「…なあ、サシャ。お前、クリスタに何か貰ったりしたか?」

    サシャ「そういえば、この前空腹で倒れてた時に食べ物いただきましたね…」

    ユミル「」
  39. 39 : : 2013/12/07(土) 19:18:07
    ***



    ユミル「はぁ…」

    ユミル(クリスタ、どこまでお前は「いい子」なんだ)

    ユミル(人の為なら、何だって差し出しちまうんだな)

    ユミル(たまに命まで差し出そうとするのは困りモンだが)

    ユミル(あいつは、紛れもなく、いい人間だ)


    ユミル(それに引き替え私は根っからの性悪だ。今だって、汚れた方法でクリスタを喜ばせようとしている)

    ユミル(冷静に考えてみりゃ、そんなことしたってクリスタが喜ぶわけないんだ)

    ユミル(…こんな私にクリスタを祝う資格なんてないよな)

  40. 40 : : 2013/12/08(日) 19:09:26

    そして翌晩


    ユミル「クリスタ!」

    クリスタ「何?ユミル」

    ユミル「あの、さ」

    ユミル「お前の誕生日、祝わせてくれないか」

    クリスタ「!」

    ユミル(私に祝う資格なんてない)

    ユミル(けど)

    ユミル(どうしても、こいつが生まれてきたことを、祝ってやりたいって気持ちに勝てなかった)

    ユミル(だからこれは私のエゴなんだけどさ)

    クリスタ「ふふ、祝わせてくれだなんて、むしろ、私が祝ってもらうのに、変なユミル」

    クリスタ「うん!祝って!」

    ユミル「まぁ、本当はこのマフラーのお返しに、何か物を贈りたかったんだが」

    ユミル「何にしろ、時間がなかったからな」

    クリスタ「だから、そんなの気にしなくていいのに…」

    ユミル「で、だ」

    ユミル「う、歌を―――…聴いてくれないか?///」

    クリスタ「歌?ユミルが歌うの?」アゼン

    ユミル「そうだ、悪いかっ!?///」

    クリスタ「ううん、嬉しい!聴きたいよ!」

    ユミル(うわあああ、恥ずかしいwwやっぱやめときゃよかったww)

    クリスタ「」ワクワクドキドキ

    ユミル「」

    ユミル「んじゃ…///」コホン



    ***




    ユミル「~~~~♪」




    ―――その歌声はとても美しく、気高く、どこか儚げで



    冷え込んだ夜の空に消えていった




    ***



    ユミル「~……」

    ユミル「お…終わりだ…。ああチクショウ、恥ずかしくて死ねる!///」

    ユミル「」

    ユミル「っておい、泣いてんのか!?」

    クリスタ「ご、ごめん!なんか、感動しちゃって…」

    クリスタ「歌を聴いてたら、自分が、生きてていいって、言われたような気がして…」

    ユミル「ああもうバカ!」

    ユミル「生きてていいに決まってんだろ!むしろ、頼むから生きててくれよ!私はお前が大切なんだ」

    ユミル「私が誕生日の贈り物だ。どこまででもお前についてって、生きてていいって言い続けてやる。絶対死なせやしないからな」ギュ

    クリスタ「ゆ…み、る…」グスッ

    クリスタ「…ありがとう」ギュ


    ***



    ユミル「…落ち着いたか?」

    クリスタ「うん。ユミルって、歌すっごく上手なんだね」

    ユミル「サンキュ///」

    ユミル(まあ、中の人が初音さんだからな)


    クリスタ「」クスクス

    ユミル「?何笑ってんだ?クリスタ」

    クリスタ「あのね、最近、面白いことがあって…」

    クリスタ「全部話すと長くなっちゃうんだけど」

    クリスタ「クッキーがね、ハンカチになって、ハンカチがペンになって、ペンが本になって、本がバッジになって、バッジが石になちゃって、それで、その石がマフラーになって…」

    クリスタ「マフラーが、ユミルになっちゃった!」

    ユミル「????はぁ?なんだそりゃ…」

    クリスタ「ふふふ。ねぇ、今度、〇〇ってお店のクッキー買いに行って、一緒に食べない?」

    ユミル「美味いのか?」

    クリスタ「食べたことないからわからないけど、たぶん、幸せな気持ちになれるよ」

    ユミル「幸せ…か」

    ユミル(十分幸せなんだけどな)



    ユミル「誕生日おめでとう、クリスタ」




    fin

  41. 41 : : 2013/12/08(日) 19:11:32
    後日談の域を超えちゃいました。長々となってしまいましたが、これにて終了です!

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supermarifo

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