この作品はオリジナルキャラクターを含みます。
この作品は執筆を終了しています。
ずっと一緒にいようね。
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- 1 : 2014/12/29(月) 13:27:51 :
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どうも、蒼空ノ月です。
今回ホラーss(短編)に挑戦します。
ホラーが苦手な人は注意して下さい。
ではよろしくお願いします。
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- 2 : 2014/12/29(月) 13:30:42 :
私はメアリー。
暗くて狭い密室で1人、待っている。
幼き頃一緒に遊んでくれた女の子を。
彼女はとても明るくていつも私と一緒にいてくれた。
そんな彼女が私は大好きだった。
彼女は名前が無かった私にメアリーと名付けてくれたの。
とってもかわいい名前でしょ?
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- 3 : 2014/12/29(月) 13:31:43 :
彼女は今どこにいるのだろうか?
”ずっと一緒にいようね”
あれは嘘だったのかな。
そんな訳ない。彼女は嘘をつかない。
でもね、もう待つの飽きちゃったわ。
だって7年も待ったのよ?
それでもあなたは来てくれなかった。
私の綺麗な髪も服も、全部汚れちゃった…。
あなたのせいよ?
私は口があっても喋れない。
手足があっても動けない。
耳があっても聞こえない。
目があっても見えない。
こんな状態の私をいつまで一人ぼっちにしておけば気が済むの?
私はあなたを…
『ユ ル サ ナ イ……。』
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- 4 : 2014/12/29(月) 17:00:55 :
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- 5 : 2014/12/29(月) 17:05:28 :
- 期待です!
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- 6 : 2014/12/29(月) 17:14:52 :
- >>つーるさん
期待ありがとうございます!
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- 7 : 2014/12/29(月) 17:15:57 :
桜「……はっ!!!」
今日の目覚めは最悪。
すごく怖い夢を見た…。
桜「あれ?」
何か部屋の雰囲気が変わったような…。
気のせいか…。
部屋の模様替えはしてないしね。
早く準備を済ませて学校に行こう。
「……………。」
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- 8 : 2014/12/29(月) 17:46:10 :
- 人形系か、怖いな~・・・
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- 9 : 2014/12/29(月) 19:08:02 :
- >>Kai―ケイ―さん
コメントありがとうございます!
そうです!人形系です。
怖くなるよう頑張ります!
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- 10 : 2014/12/29(月) 19:09:37 :
────────────
桜「はぁ…。今日も疲れた…。お風呂入ってもう寝よ…。」
私は着替えをもってお風呂場へと向かって行った。
母「桜、ご飯は?」
桜「お腹がすいていないからいらない。今日はお風呂入ってもう寝るね。」
母「分かったわ。」
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- 11 : 2014/12/29(月) 19:10:35 :
・・・・・・・・・・
お風呂に入り終えた私は洗面所でドライヤーをし始めた。
ブォォォ ブォォォ
桜「…あれ? 毛先が金髪になってる…。なんで?」
私は黒髪である。
染めたこともないのにどうして?
私は怖くなり、毛先をハサミで切り落とした。
桜「なんだったんだろう……。」
その後もう一度ドライヤーをし自室へと向かった。
私はすぐにベットに入った。
疲れたとはいえあまりお腹がすいていないのを不思議に思いながら、すぐに眠りについた。
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- 12 : 2014/12/29(月) 22:25:58 :
桜「……!!!」
えっ!?
何これ動けない。
もしかして金縛り!?
嫌だ。怖い。怖いよ…。
キャハハハハ キャハハハハ
女の子の笑い声がどこかから聞こえる…。
聞いたことがある声のような気がする…。
思い出せない……。
イッショニアソボウヨ キャハハハハ
あぁぁぁ!、身体が痛い。痛いよ。
誰か助けて……!!
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- 13 : 2014/12/29(月) 22:57:09 :
────助けを求めたって無駄。だぁれも助けには来てくれないの。
誰!?誰なの!?
────誰でしょう? 思い出してよ。
え…。分かんないよ。ほんとに。
あなたは誰? 教えて。
────そうね。あなたの友達とでも言っておこうかな。
私の友達…?
────そう。まだ、思い出してくれないんだ。ざぁぁんねん。
ごめんなさい。ごめんなさい。
────謝まったって仕方ないよ?だって私はあなたを…
『ユ ル サ ナ イ 』から………。
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- 14 : 2014/12/29(月) 22:58:00 :
桜「…!! ハァハァハァ…。こわ…かっ…た………。」
未だに私の手足は震えていた。
パジャマは寝汗でぐっしょりだった。
桜「気持ち悪い…。お風呂行こ……。」
そう思ってベットから起き上がり、一歩踏み出した。
そのとき
桜「うわぁぁあ!!」
ドテーン
桜「いったぁ……。」
私の足が思ったように動かず転んでしまったのだ。
桜「どうしたのよ。私の足……。」
私は思うように動かない足を引きづりながらお風呂場へと向かって行った。
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- 15 : 2014/12/29(月) 23:00:02 :
ジャージャー
鏡の前に立ち身体を洗っていく。
はぁ、昨日からついてないなぁ…。
そんなことを思いながら曇ってしまった鏡をシャワーで洗い流した。
桜「きゃぁぁぁぁあ!!! 何これ!?」
鏡に映った私は、全て金髪になっていた。
昨日切り落としたはずなのに…。
おかしい…。
いったいどうなってるの!?
私は急いで体を拭き、母親のいるダイニングへと向かった。
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- 16 : 2014/12/29(月) 23:11:04 :
桜「お母さん!!」
母「どうしたの?そんなに慌てて。」
桜「お母さん!私を見て変に思うことない!?」
母「え?いつも通りじゃない?」
桜「え!?私、金髪になっちゃってるよ!?」
母「何おかしなこと言ってるの。あなた、もともと金髪じゃない。」
桜「…え?」
母「早くしないと学校遅れるわよー。」
そんな…。
私がおかしいの?
そんなはずない。私は黒髪だった。
あの怖い夢を見始めてから、確実に変わっていってる。
怖い……。
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- 17 : 2014/12/29(月) 23:12:29 :
ダダダダダッ
母「ちょっと桜!?どこいくの?」
ガチャ バタン
私は自室へと急いで戻った。
桜「ハァハァハァ……。足が痛いよ……。」
私はその場に座り込んだ。
足の痛みが収まるまでしばらくじっとしていた。
10分後、依然として足は痛いが立ち上がれそうなので立ち上がってみた。
そして、もう一度確かめようと部屋にあるドレッサーの前に進んだ。
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- 18 : 2014/12/29(月) 23:13:21 :
そこに映った私はやはり金髪。
桜「…ん!? 目が……!」
先程は気がつかなかったが、私の目は黒目から青目に変わっていた…。
どうして!?
私は日本人なのにどうして外国人のような顔をしているの!?
自分でない自分をみている感じがして、ただただ恐怖だった。
しかし、鏡の中の私は笑っていた…。
泣きたいぐらい怖いのに、笑っていた…。
桜「……!! 何かいる……。」
鏡のなかに何かが移りこんでいた。
人形…?
黒髪で黒目の人形が写っていた。
その人形は”私”のようだった。
私はガタガタ震える体をゆっくりと捻り後ろを向いた。
しかし、そこには何もいなかった…。
私は少しほっとした。
そしてそのまま気を失った……。
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- 19 : 2014/12/29(月) 23:14:37 :
ここはどこ?
あれ?昔の私の家?
────正解。 あなたが引っ越す前の家よ。
なんでここにいるの?
────なかなか思い出してくれないあなたに、思い出してもらうためよ。
………。
────ねぇ、あの子を見て。
あれは小さい頃の私?
────そう。5歳の頃のあなたよ。
すごく懐かしいなぁ。
あ、そういえば小さい頃なかなか友達ができなくて一人ぼっちだったんだ。
でも、不思議と寂しくはなかった。
どうしてだろ…。
──── ……。
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- 20 : 2014/12/29(月) 23:15:31 :
あ、誕生日のときお母さんがプレゼントをくれたんだ。
確か…人形だったような…。
名前は…マリー?いや違う、サリー?これも違う。
なんだっけ、思い出せない。
────どんな人形だった?
金髪で青目の可愛らしい女の子の人形だった…。
────正解。ちゃんと思い出せるじゃない。
でも、名前が…。
他にもなにか忘れてる気がする。
────じゃあ、ヒント。
”ずっと一緒にいようね”
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- 21 : 2014/12/29(月) 23:16:27 :
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桜「はっ!!!」
思い出した……。
あの人形の名前はメアリーだ。
もう一度、私は鏡を見た。
金髪で、青目……。
メアリーの容姿にそっくりだった。
私はメアリーに近付いている…?
それじゃあ、さっき鏡に移りこんでいたいた人形は”私”に近付いているの?
………なにか視線を感じる。
私はそっと振り返る。
桜「!!!」
そこには”私”に似た人形がいた…。
その人形は私をじっと見つめている。
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- 22 : 2014/12/29(月) 23:26:40 :
────やっと思い出してくれたんだ。
桜「誰!?どこから声がするの!?」
────あなたの目の前にいるじゃない。
桜「…え…。人形がしゃべってるの?」
────正確にいえば、あなたに語りかけているの。
桜「語り…かける…。」
────今までも何度か語りかけたわ。
桜「ねぇ、あなたが私をこんな姿に変えたの?」
────まぁ、そうかな。
桜「なんでこんなことするの!?早く元に戻してよ!!」
────それは出来ない。私はあなたと一緒にいたいから。
桜「どういう…こと…?」
────そのままの意味だよ。私はあなたと一緒にいたい。そばにいたいの。
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- 23 : 2014/12/29(月) 23:27:35 :
桜「こんなことしなくたって、一緒にいるよ!だから…」
────あなたは嘘をつくの? あなたは私に”ずっと一緒にいようね”そう言ってくれたのに、私を置いて去って行った。
桜「………。」
────でもね、私はあなたが迎えにきてくれるって信じてたの。だから、ずっと待ってた。7年もの間ね。でも流石にもう限界。
桜「ごめんなさい…。」
────前にも語りかけなかった?謝っても私はあなたを『ユルサナイ』って。
桜「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」
────あなたは私の気持ちなんて分からない。暗い暗い部屋の中でずっと待ち続ける気持ちを。私の苦しみを味わえ。
桜「嫌だいやだイヤダ…。ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」
────でも、あなたは一人ぼっちで辛い思いはしなくていいの。私がずっとそばにいるから。ね? だから安心して。
桜「いやだイヤダ…。ごめんなさいごめんなさい…………!! 痛い痛いいたいイタイ…!!あ゙あ゙あ゙ぁぁぁぁ!!!!」
────もうそろそろかな?
桜「あぁぁぁぁぁあぁ!!!!助けてぇぇぇぇ!!!!誰かァァァ!!!死んじゃうよ!!死んじゃうよォォォォ!!」
────さぁ、一緒に寝よう?
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- 24 : 2014/12/29(月) 23:27:53 :
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- 25 : 2014/12/29(月) 23:28:29 :
もう朝かぁ…。
あれ?声が出ない。
どうして口があるのにしゃべれないの?
取り敢えずダイニングに行こうかな。
あれ?動けない。
身体が硬い。 皮膚じゃないみたい。
私、どうなっちゃってるの?
首が動かないから、精一杯眼球を動かす。
でも、本当に眼球なのかな?
まるでビー玉みたい…。
視線の先にドレッサーの鏡があった。
そこに写っていたのは、人形だった。
金髪青目の人形…。
メアリーそのものだった。
どういうこと!?
私は本当に人形になっちゃったの!?
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- 26 : 2014/12/29(月) 23:29:01 :
「ふぁぁぁ…。まだ眠たいなぁ。もう一回寝ちゃお……。」
私の隣で寝ている女の子がそう呟いた。
黒髪黒目の女の子…。
”私”が目の前にいる……。
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- 27 : 2014/12/29(月) 23:30:11 :
ガチャ
母「こら!!早く起きなさい!!芽亜里(メアリー)!」
芽亜里「うーん。もうちょっと寝かせて…。」
え?芽亜里?
”私”は芽亜里なの?
私とメアリーは入れ替わってしまったの…?
お母さん!!その”私”は偽物だよ!!
桜はここにいるよ!!
ねぇ、気づいてよお母さん!!
母「駄目よ!早く起きなさい! 」
芽亜里「はぁ〜い…。」
母「あら?人形と一緒に寝てたの?」
芽亜里「うん!桜と一緒に寝てたの。」
母「ふぅーん…。じゃあ、早く支度しなさいよ?」
芽亜里「うん。」
ガチャ バタン
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- 28 : 2014/12/29(月) 23:30:56 :
芽亜里「桜、おはよう!」
もう、どういうこと!?
本当に訳が分らない。
芽亜里「これから学校に行ってくるね!」
早く私の体を返してよ…。
人形なんて嫌だよ……。
返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ……。
芽亜里「私は桜から離れないよ。だから”ずっと一緒にいようね”」
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- 29 : 2014/12/29(月) 23:31:47 :
あぁ。そういうことか…。
私が人形になればどこにも行かない。というか、行けない。
そうすれば、メアリーは私とずっと一緒にいることができる。
約束が守れるのか……。
芽亜里「じゃあ、いってきます!」
いくら私が約束を守らなかったからといって、こんな姿にするのは『ユルセナイ』
怒り。
苦しみ。
憎悪。
絶望。
様々な負の感情が込み上げてくる。
しかし私はメアリーに、作り物の笑いを向けることしか出来なかった。
──────END──────
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- 30 : 2014/12/29(月) 23:32:26 :
ここまで読んで下さった方、ありがとうございました!
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- 31 : 2015/01/10(土) 11:28:05 :
- お疲れ様でした!
凄い怖かったです…。
人形物はやっぱり雰囲気でますね…。
次作の方も期待です!
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